説明

生物学的組織を冷却するための方法および装置

複数の中空針を使用して組織を冷却するために、冷却された流体を組織内に送達する装置および方法の例示的な態様が提供されることができる。例えば、流体の体積および/または温度は、特定の温度または所定の温度範囲内に組織を冷却するのに使用できる。冷却される組織の上にある組織表面は、従来の冷却技術を使用して予め冷却されることができ、例示的な処置の有効性を高めることができる。例えば、次に体によって再吸収されることができる脂肪組織を破壊または損傷させるために、例示的な方法および装置を使用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願へのクロスリファレンス
本願請求項は、2008年4月1日出願の米国仮特許出願番号61/041の優先権を主張し、その開示は参照により本明細書中にその全てが取り込まれる。
【0002】
本開示は、組織を冷却するための方法および装置、並びにさらに特に中空針の配列を使用して組織内に冷却された流体を移動させることによって、皮下組織の目標とした冷却を対象にする。
【背景技術】
【0003】
生物学的組織の冷却は、種々の目的のために使用できる。例えば、脂肪組織の冷却は脂肪組織を破壊することができ、そして存在する脂肪組織の量を減少させることができる。脂質に富んだ細胞を含む脂肪または脂肪組織は、通常の体温よりある程度低くまで組織を冷却することによって選択的に破壊できる。この破壊された脂肪組織は、ある程度体によって、再吸収できる。
【0004】
過剰の脂肪組織は、高血圧、心臓病、変形関節症、および他の状態等の種々の健康問題に寄与する場合がある。体の種々の領域における脂肪組織の存在はまた、美的に望ましくない。健康および美的理由から、体の種々の部分に存在する脂肪組織の量を減少させることは、さらに一般的になっている。侵襲的および非侵襲的の両方の種々の処置を、脂肪組織を直接除去するのに、または体によるその再吸収を促進するのに使用できる。
【0005】
脂肪組織は、皮下脂肪および含脂肪細胞(脂肪細胞)の両方を含むことができる。皮下組織は、真皮の下にある組織ということができる。種々の厚さのそうした脂肪組織は、体の様々な部分に存在することができる。例えば、大量の脂肪組織は、多くの場合、大腿部、腹部、および上腕に見いだされる。対照的に、顔の領域は、より薄い層の脂肪組織を有する傾向がある。
【0006】
吸引脱脂術は、患者の体の選択された部分からの脂肪組織の除去に使用できる従来から続けられている侵襲的処置である。吸引脱脂術は、例えば、より大量に沈着した脂肪組織が存在する腹部、臀部、腰部、大腿部等の選択された体の部分を矯正するのに使用できる。吸引脱脂術はまた、脂肪組織切除吸引(suction lipectomy)、脂肪分解(lyposis)、または体型矯正(body contour surgery)と呼ばれる。
【0007】
従来の吸引脱脂術処置は、例えば、カニューレの先端が組織の目標領域中の脂肪ポケット(fat pockets)内または脂肪ポケットに隣接するように、脂肪患者の皮膚を通してハンドヘルドのチューブ状器具(例えば、カニューレ)を挿入することによって行うことができる。カニューレは、脂肪組織を機械的に破壊し、そして/またはばらばらにするように動き回ることができ、そして脂肪組織の小片は、カニューレの側部または先端に沿った小さな開口を通して、シリンジまたはポンプから真空を使用して吸引できる。吸引された脂肪組織は、次にカニューレおよび真空源との接続が提供されている容器内に堆積できる。
【0008】
従来の吸引脱脂術技術および装置は、治療を受ける患者に望ましくない副作用を生じる場合がある。例えば、血管および結合組織等の除去される脂肪の周囲の近隣組織は、著しく損傷するか、または脂肪組織とともに部分的に除去されさえする場合がある。吸引脱脂術処置はまた、感染または過度の出血を含む他の逆合併症となる場合がある。
【0009】
脂肪組織の破壊および/または除去はまた、非侵襲的技術によって達成できる。運動は、体内の脂肪組織量の減少を促進できる。ある栄養学的サプリメントは、摂取された場合、体の代謝を高めることができ、そして脂肪組織の高められた「燃焼」をもたらすことができる。皮膚表面に局所的に適用されたある化合物は吸収されることができ、そして長い間に皮下の脂肪組織の量の減少をもたらすことができる。しかし、そうした非侵襲的技術は、限定された有効性を有する場合があり、そして/または目だった結果を生じるのに、例えば、週または月単位での長期間を必要とする場合がある。脂肪組織の特定領域を目標とすることはまた、容易に達成できない場合があり、またはそうした非侵襲的技術を用いて可能でさえない場合がある。
【0010】
他の非侵襲的技術は、脂肪組織を減少させるために使用でき、例えば、脂肪組織の加熱は、組織構造を破壊でき、そして脂肪組織の体による再吸収を促進できる。加熱は、上にある皮膚を通して脂肪組織に熱を適用することによって、通常行うことができる。脂肪組織を熱的に破壊するのに使用できる形態のエネルギーは焦点を合わせた超音波の形態で適用できる超音波エネルギーを含む。無線周波数(RF)エネルギーまたはレーザーエネルギー等の電磁気エネルギーをまた、脂肪組織を加熱するのに使用できる。皮膚表面の下に適用されるエネルギーの焦点を合わせること、および/または皮膚表面の冷却は、皮下組織が冷却される場合に、真皮への熱的損傷を軽減および/または防止するために行うことができる。外部の供給元から適用されるそうしたエネルギーは、真皮を通るので、脂肪組織の局所的な加熱および皮膚組織の熱的損傷からの保護は、達成するのが困難な場合がある。
【0011】
皮下組織の冷却は、皮下組織の加熱より難しい目標である場合がある。例えば、皮下組織(例えば、脂肪組織)の加熱は、皮下の目標領域に集中されるように、エネルギー、例えば、超音波エネルギーまたは電磁気エネルギーの焦点を合わせることによって行うことができる。より高体積密度のエネルギーは、それによって皮下の目標領域に提供でき、組織との相互作用によって局所的な加熱を生じることができる。焦点を合わされた(または焦点を合わされていない)エネルギーの皮膚組織へのそうした適用は、エネルギーの適用前および/または適用中の表面の冷却と組み合わせることができる。これらの処置は、「逆転した」温度プロファイルを生み出すことができ、より深い組織の温度が通常の体温より上に上昇する一方で、表面温度は、通常の体温近辺またはそれ以下でさえあることができる。そうした処置は、表面より下の組織の目標とされた領域の加熱を提供でき、一方で、表皮および真皮等の表面組織の過度の加熱および/または望ましくない熱的損傷を避けることができる。
【0012】
対照的に、皮下組織の冷却は、目標領域の上にある組織が、伝導によって徐々に冷却できるように、典型的には組織の表面を冷却することによって行うことができる。組織を冷却するために使用できる従来の技術は、例えば、低温スプレー(cryocpray)または他の冷却された流体もしくは蒸気を皮膚の表面に適用または接触させること、冷却された物体と皮膚の表面とを接触させることを含むことができる。次に、より深い組織の冷却は、より深い組織から上にある層を通して離れた冷却された表面までの熱の伝導によって生じることができる。表面温度が、冷却される深い組織より冷たい場合に、そうした伝導は起こることができる。
【0013】
上にある組織への損傷または他の望ましくない冷却または冷凍効果を避けながら、所望の効果を達成するために充分に皮下脂肪組織を冷却することは、達成するのが難しい場合がある。脂肪組織の冷却の程度は、上にある組織によって耐えることができる冷却量によって、限定される場合がある。例えば、1つまたは2つ以上の周りにある冷たい表面間の組織の一部分を「つまむ」こと等の皮下脂肪組織をさらに効率的に冷却するために、ある技術が開発されてきた。このアプローチは、複数の方向から熱を抽出させること、および熱伝導の形状を変えることによって、組織のつままれた部分の中央の領域の冷却速度を高めることができる。しかし、そうした技術は、表面組織層によって耐えることができる冷却の量によってまだ限定される場合がある。脂肪組織を冷却するための例示的な方法および装置、およびそうした冷却の効果は、例えば、米国特許出願公開第2003/0220674号明細書、および国際公開第2007/127924号パンフレットおよび国際公開第2007/133839号パンフレットに記載されている。
【0014】
さらに、より深い組織の冷却は、典型的には上にある層を通した熱伝導に基づく場合があり、そしてそうした拡散は、加熱のために組織内にエネルギーを移動させるために使用されるのと類似の様式で焦点が合っていない場合がある。従って、隣接したおよび/または上にある組織構造の多くに影響を与えることなく冷却するために、より深い組織の特定の範囲を目標とするのは難しい場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
組織冷却および/または脂肪除去のための上記の処置の欠点を鑑みると、周囲の組織にへの好ましからざる損傷を最小化しながら、脂肪組織を効果的に冷却することによって、選択的に目標とされた脂肪組織の安全かつ効果的な破壊を組み合わせることができる方法および装置の例示的な態様を提供することが望ましい。そうした例示的な処置および装置は、処置間の不快症状、処置後の不快症状、非常に長い治癒時間および/または健康な組織の損傷等の望ましくない副作用を低下または最小化できる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本開示の態様は、概して上にある組織の過度の冷却または冷凍等の望ましくない副作用を避けながら、組織表面下の組織の局所的な冷却を提供できる、組織を冷却するための方法および装置を対象にする。例えば、冷却された流体は、例えば、皮膚に挿入された複数の中空針を使用して組織の目標領域内に直接分散できる。中空針は、基部または基材に取り付けられることができるか、または連結されることができる針の配列として提供できる。冷却された流体は、食塩水、リドカイン、洗剤、抗炎症性剤、および/または目標とされる組織を破壊でき、そして/またはそこに有益な効果を提供できる他の成分を含むことができる。冷却された流体はまた、液体窒素であることができる。
【0017】
中空針の直径は、約1000μm未満、約800μm未満、約500μm未満、または約200μm未満でさえあることができる。隣接した中空針間の距離は、約10mm未満、約8mm未満、または約5mm未満であることができる。基部の下面から下に突出する針の長さは、冷却される組織領域の場所によって、少なくとも約1mm、または約1mm〜約5mm、または約5mm超であることができる。針は同じ長さを有することができ、または針のいくつかは、異なる長さを有することができる。針が板の中の孔を通して突出し、そして板と基材との間の距離を調整することによって、板の下面から突出した少なくとも1本の針の長さを調整できるように調節できる板を基部に連結できる。針の配列は、例えば、少なくとも10本の針、または少なくとも30本の針、または少なくとも50本の針までも含むことができる。
【0018】
冷却された流体を、外部の貯蔵容器であることができるか、または装置の一部として提供できる貯蔵容器から供給できる。貯蔵容器は、例えば、ペルチェ素子または冷却液を循環させる導管等の冷却配置から絶縁されることができ、そして/または連結されていることができる。冷却された液体の冷却される組織への送達を制御するためにスイッチを提供できる。スイッチは、貯蔵容器内の圧力を高めるように、例えば、貯蔵容器から中空針へ冷却された流体を移動させるように、構成された機械的スイッチであることができる。あるいはまたはさらに、このスイッチは、貯蔵容器から中空針を通して、そして組織内に冷却された流体を送達するための、電気ポンプまたは圧電性素子を起動するように構成された電気スイッチであることができる。
【0019】
冷却された組織の局所的な温度は、例えば、冷却される組織の近傍に適用された温度センサーを使用して監視できる。そうした温度は、冷却された組織の特定の温度または温度範囲を達成および/または維持するために、目標領域に提供された冷却された流体の量および/または温度を制御するために使用できる。ディスプレイは、冷却された流体および/または治療される組織の温度を示すために提供されることができる。いくらかまたは全ての構成部分は、単一のハウジング、例えば、ハンドピースまたはその同類のもの内に提供されることができ、そして/またはある構成部分は、そうしたハウジング(例えば、貯蔵容器)の外に提供されることができる。
【0020】
冷却される組織の上にある組織表面は、例えば、低温スプレーまたは組織表面と接触して配置された冷却物体等の従来の技術を使用して予め冷却されることができる。そうした予冷却は、中空針の組織への挿入で、傷を小さくしまたは痛みを除くことができ、そしてまた冷却処置の有効性を高めることができる。
【0021】
本開示の例示的な態様は、体による冷却された脂肪組織の再吸収を促進できる、例えば、脂肪組織への破壊および/または損傷を提供できる。
【0022】
本開示の例示的な態様の以下の詳細な記載を、付属の請求項と共に読むことによって、本開示のこれらのおよび他の目的、特徴および利点が、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本開示のさらなる目的、特徴および利点は、本開示の例示的な態様の具体的な態様、結果および/または特徴を示す付属の以下の図と共に以下の詳細な記載から明らかになるであろう:
【図1】図1は、本開示の例示的な態様による脂肪組織の目標とされた冷却のための例示的な装置の図式の具体的な説明であり;
【図2】図2は、図2に示された例示的な装置と共に、および本明細書中に記載され、そして示された装置の他の例示的な態様とともに、使用できる中空針の先端の部分の図式の具体的な説明であり;
【図3】図3は、本開示のある例示的な態様による脂肪組織を破壊するためのさらなる装置図式の具体的な説明であり;
【図4A】図4Aは、本開示のある例示的な態様中で使用可能である例示的な中空針の配列の平面図での概略図であり;
【図4B】図4Bは、本開示のさらに例示的な態様中で使用可能である中空針の別の例示的な配列の平面図での概略図であり;そして、
【図5】図5は、本開示のまたさらに例示的な態様による組織を冷却するために使用できる例示的な装置の図式の具体的な説明である。
【0024】
図を通して、同じ参照番号および特徴は、特に明記しない限り、具体的に説明された態様の類似の特徴、要素、構成部分、または部分を示すために使用される。さらに、本開示は、図を参照して以下に詳細に記載される一方で、具体的に説明する態様と関連して説明され、そして図中の具体的に説明された特定の態様に限定されない。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本開示のある例示的な態様により、組織、例えば脂肪組織の目標とする冷却のために使用できる装置100の例示的な態様を図1に示す。例示的な装置100は、(例えば、基材、ハウジングの一部分、またはその同類のものであることができる)基部110に取り付けられることができ、そして/または機械的に連結できる複数の中空針120を含むことができる。導管140を、例えば、基部110の上部表面に沿うか、または上部表面に近い、中空針120の近位端と連通して提供できる、導管140は、流体貯蔵容器130と連通して提供できる。流体貯蔵容器130は、本明細書中に記載したように、ある体積の冷却された流体を保持するように構成されているか、または構造を有することができる。例えば、冷却装置150は、貯蔵容器130と熱的に連通して、および/または流体連通して、配置されることができ、そして/または貯蔵容器130は、絶縁されていることができる。ポンプ160は、冷却された液体導管を通り、そして中空針120に入る冷却された液体の量および/または流速を制御するために、導管140に連結されていることができる。スペーサープレート170の下面から針120が伸びる距離を調整するために、任意選択的なスペーサープレート170および/または支柱173が提供されていることができる。振動装置175はまた、冷却される組織への針120の挿入、例えば、皮層180を通し、そして皮下脂肪組織185への挿入を促進するために、基部110および/または針120に機械的に連結されていることができる。温度センサー190はまた、脂肪組織185の冷却された領域の温度を監視するために、提供されていることができる。
【0026】
それぞれの中空針120は、構造的に剛体であることができる金属または別の材料でできているか、またはから成ることができる。中空針120は、円、楕円であることができる断面形であることができ、または構造的に剛性を提供する他の任意の形を有することができ、そしてそこを通して流体の流れを促進できる中心の中空コアを含むことができる。
【0027】
中空針120は、大幅な組織損傷または苦痛を生じることなく組織180、185への中空針120の挿入を促進するように、充分に小さい直径を有することができ、そして中空針120の中空の中央部分を通して流体の通過を促進するように充分大きいことができる。例えば、針120の外側直径は、約1000μm未満、または約800μm未満であることができる。皮膚または他の組織への信頼性のある挿入および除去のために充分に固く、そして/または強い場合には、直径約500μm未満、例えば、直径約300μmを有する1本または2本以上の中空針120をまた、使用できる。直径約1000μmより大きい1本または2本以上の針120をまた本開示のある例示的な内容に従って使用でき、そうしたより大きい針は、組織内に挿入することがより難しい場合があり、そしてより小さい直径を有する針120に比較して、苦痛および/または傷の可能性を高める場合がある。
【0028】
中空針120(例えば、中央の直径または内部の中空部分)のぞれぞれの内径は、中空針120を通る冷却された液体の流れを促進するのに充分大きい場合がある。例えば、破壊することなく、皮膚組織180、185への挿入および除去を促進するのに充分な構造的および機械的強度を維持しながら、内径はできるだけ大きいことができる。あるいは、針120の内側のコアと針120の外側表面との間にさらなる熱的絶縁を提供するように、針120は、多少より小さい内径およびより厚い材料の壁を有することができる。
【0029】
針120のそれぞれの遠位末端200を、切断、研磨、鋳造、鋳型、またはさもなければ、例示的な態様では、図2のそれらの例示的な態様に示すような、鋭い尖った先または鋭い刃を形成するように成形できる。この鋭い刃は、脂肪組織185の皮下層近傍またはその中に位置できるように、中空針120のそれぞれの遠位末端200の、皮層180へ入り、そして皮膚180を通す貫通を促進できる。遠位末端200は、皮層180および/または脂肪組織185への針120の挿入をさらに促進するように、針120の壁を形成するために使用できる材料と異なる材料を使用して、任意選択的に形成できる。例えば、針120の一部分を、テフロン(商標)等の滑剤または低摩擦材を用いて形成および/または被覆することができ、皮層180および/または脂肪組織185を通して針120の通過をさらに促進できる。
【0030】
ある例示的な態様において、1つまたは2つ以上の孔210を、中空針120の遠位末端200近くの中空針の少なくとも1つの壁を通して提供でできる。これらの孔210は、針120の中央の中空の部分を通り、そして遠位末端200の周囲組織への流体の流れをさらに促進できる。
【0031】
基部110は、プレート、ハウジングの一部分、または特定の構成で針120を保持するために構成されているか、または針120を保持する構造であることができる別の構造であることができる。例えば、針120の少なくともいくつかが、組織180、185への針120の挿入および除去を促進するように、相互に実質的に平行であるように、基部110は、針120を支持できる。基部110はまた、ハンドピースまたは他のハンドルに取り付けられ、そして/または取り外されるように、構成されることができるか、または構造であることができる。
【0032】
基部110の下面から突き出た針120の長さは、治療される脂肪組織層185の深さに基づいて選択できる。例えば、脂肪組織185の深さは、体の多くの領域において約3000μm超であることができる。従って、針120の長さは、そうした領域を治療するために、約3000μm超であることができる。より短いかまたはより長い針長さはまた、異なる領域の治療のために使用できる。例えば、針120の長さは、顔領域の治療のためには、例えば、約1000μm〜約3000μmとより短いことができる。より長い針の長さ、例えば、約3000μm超は、例えば、上腕、大腿部、腹部等に位置するもの等の脂肪組織185のより深い領域の治療に提供できる。
【0033】
図4の例示的な態様に示すように、針120の配列が皮層180および脂肪組織185に挿入された場合に、針120のいくつかが脂肪組織185内の複数の異なる深さに伸びるように、中空針120は、異なる長さを提供されていることができる。より大きい体積の組織が、中空針120の1回の挿入に基づいて、本明細書中に記載されたように治療できるように、針の長さにおけるこの例示的な変化は、例えば、脂肪組織185の深さの範囲の治療を促進できる。
【0034】
ある例示的な態様において、装置100は、基部110と組織の表面との間に提供されたスペーサープレート170を含むことができる。スペーサープレート170は、スペーサープレート170と基材110との間の距離を制御可能に変化させることを可能にするスクリュータイプメカニズムまたは他のカップリング配置を備えていることができる支柱173を調整することによって、基部110に調整可能に連結されていることができる。基部110に取り付けられていることができる針120は、スペーサープレート170内の孔を通して貫通できる。従って、スペーサープレート170の下面から伸びる針120の長さは、支柱173を使用して特定の値に、基部および/または基材110とスペーサープレート170との間の距離を調整することによって変えることができる。針120が皮層180および脂肪組織185に挿入される場合、スペーサープレート170が組織180の表面と接触して、スペーサープレート170は、このように脂肪組織層185に針120が伸びる深さの選択および/または変化を促進できる。スペーサープレート170はまた、中空針120の配列に機械的な安定性を提供できる。
【0035】
基部110および/またはスペーサープレート170の下面は、提供される場合、実質的に平面形を有することができ、または治療される組織の領域の表面輪郭に従うような外形であることができる。例えば、基部110および/またはスペーサープレート170の底面は、任意の1つの範囲の曲率を有する凸面または凹面であることができる。
【0036】
本開示のある例示的な態様により、針120、基部110および/またはスペーサープレート170が提供される場合、針120を組織180、185に挿入する前に、基部110および/またはスペーサープレート170は冷却されていることができる。装置100の例示的な態様の少なくともある部分の冷却は、(例えば、組み込まれた導管が、循環する冷却液を含有すること、低温スプレーを適用すること、ペルチェ素子を使用すること、冷却された筺体に装置を格納すること等によって)任意の好適な技術を使用して行うことができる。装置100の冷却された構成部分は、針120が皮層180および/または脂肪組織185を貫通する場合に、認識される苦痛を減らすか、または除くことを補助することができる。
【0037】
表皮領域180は、針120の挿入の前に、例えば、種々の従来の冷却技術のいずれかを使用して、予め冷却されていることができる。例えば、低温スプレーを適用すること、または組織表面を冷却された物体(例えば、冷たい金属の小片、小片の氷、またはその同類のもの)と接触させること等の対流または伝導技術を使用できる。そうした表面冷却は、針120が挿入される場合に、苦痛の知覚を低下および/または除去する助けとなることができる。治療される皮層180および/または脂肪組織185の予冷却はまた、本明細書中に記載された例示的な冷却装置100の有効性を高める。例えば、目標組織の予冷却は、特定のレベルの冷却を達成するために、本明細書中に記載された本開示の例示的な態様を使用して抽出するのにより少ない熱を必要とすることができる。目標組織の近傍の組織の予冷却はまた、目標領域の血液の流れを低下させることができ、血液による領域の加熱速度を低下させることができる。従って、予め冷却された組織は、より効果的に冷却されることができる。
【0038】
さらに例示的な態様において、振動装置175は、基材110および/または針120に機械的に連結できる。振動装置175は、例えば、圧電性変換器、またはモーターのシャフトに取り付けられた偏心ウエイトを有する小さいモーターを含む。振動装置175により針120内で起こる振動は、針先端による皮膚180の表面の貫通、および針120の皮層180および/または脂肪組織185へのその後の挿入を促進できる。
【0039】
振動装置175は、例えば、約50μm〜約500μm、または約100μm〜約200μmであることができる振動の振幅を提供できる。起こされた振動の周波数は、約10Hz〜約10kHz、または約500Hz〜約2kHz、または約1kHzであることができる。特別な振動パラメーターは、例えば、針120のサイズ、平均間隔、および材料、装置100中の針の数、および治療される組織の物理的特徴に基づいて選択できる。振動装置175は、任意選択的に、振動の振幅および/または周波数を調整するように構成された制御装置を含むことができる。
【0040】
図1中の例示的な装置100の側面図に示されている針120は、2次元の配置で提供されることができ、針120は、相互に実質的に平行であることができ、そして/または皮層180および/または治療される脂肪組織185の表面に実質的に垂直に配向されていることができる。針120は、例えば、400図4Aに示すような例示的なパターン等の正方形または正方形に近いか、または長方形のパターンで、基部および/または基材110を通ることができる。針120はまた、図4Bに示すような例示的な三角形のパターン410で提供されていることができる。不均一または不規則なパターンを含む針120の他の例示的なパターンまたは配置をまた使用できる。
【0041】
針120の相対的な位置および間隔は、行われる特定の治療に基づいて選択できる。隣接した針120間の間隔(例えば、基材110に沿った横方向の距離)は、約20mm未満、または約10mm未満であることができる。任意選択的に、配列中の隣接した針120間の間隔は、約5mm未満であることができる。より大きい体積の脂肪組織185を選択的に冷却する場合に、より大きい間隔、例えば、約30mm以上である、針120の隣接した針の少なくともいくつかの間の間隔をまた使用できる。針120間の間隔は、均一でないことができる。例えば、そうした例示的な間隔は、比較的大量の脂肪の破壊または除去が望まれる範囲において、より小さいことができる。
【0042】
種々の数の中空針120を装置100中に提供できる。例えば、ある例示的な態様において、装置120は、少なくとも約10本の針120、少なくとも約30本の針120、または少なくとも約50本の針120を含むことができる。例えば、より大きい体積の組織を配列の皮膚への1回の挿入によって冷却するために、より大きい数の針120を有する配列を使用できる。より大きい領域の脂肪組織185はまた、皮膚表面に沿った異なる場所への針120の逐次挿入によって冷却できる。例示的な装置100に提供される針120の数は、例えば、製造の容易性、特定の針間隔、冷却される領域のサイズ等の種々の因子に基づいて選択できる。
【0043】
例示的な装置100は、例えば、中空針120を通り組織185の一部分への低温流体の流れを起こすことができるポンプ160または別の機器を使用して、貯蔵容器130から導管140を経て中空針120を通る低温流体の制御可能な送達を促進できる。針120の先端または遠位末端近傍の脂肪組織185の所定の領域に流体を正確に移動させることができる。従って、脂肪組織185の特定の目標領域を低温流体によって直接冷却できるが、一方で目標とされた脂肪組織185の上に位置する皮膚180の望ましくない冷却または冷凍を減少させ、そして/または避けることができる。そうした中空針120の配列を使用することによって、脂肪組織185の大きな領域は、組織180、185への中空針120の配列の1回の挿入に続く低温流体によって冷却できる。
【0044】
本開示の例示的な態様において、脂肪組織185の少なくとも幾つかの部分は、過度の壊死を生じることなく脂肪組織構造を分解するのに充分低い温度に冷却されることができる。そうした例示的な冷却は、冷却された脂肪組織185の破壊を促進できる。例えば、冷却された脂肪組織の目標温度は、約20℃、または約0℃未満であることができる。脂肪組織185の約0℃よりかなり低い温度への長期の冷却は、冷凍させ、そしておそらく望ましくない壊死、線維症および/または瘢痕組織の形成となる場合がある。しかし、そうした低温への冷却は、ある治療において行うことができる。
【0045】
貯蔵容器130中の低温流体の温度は、温度を特定の値に設定でき、そして維持できる制御装置を含むことができる、例えば、冷却装置150によって、制御でき、そして/または維持できる。低温流体が中空針120に提供された場合に、貯蔵容器130および/または導管140は、流体温度より良好な制御を提供するように、絶縁されていることができる。ある例示的な態様において、貯蔵容器130は、低温流体が針120に提供されることによって、低温流体からのヒートロスを減少させるために、導管140および/または針120の近傍に提供されまたは位置することができる。そうした例示的な配置はまた、さらにコンパクトな装置を提供できる。ある例示的な態様において、冷却装置150は、ペルチェ素子またはその同類のものを含むことができ、そして分離することができる特定の温度にある貯蔵容器130内に流体を保持するように構成された制御装置を含むことができる。
【0046】
中空針120を通して脂肪組織185の領域に送達される低温流体の量および/または流量は、弁装置またはその同類のものをさらに含むことができる、例えば、ポンプ160によって制御できる。脂肪組織185を冷却するために提供された低温流体の量および温度は、例えば、組織185内で達成されるべき所望の温度および/または冷却の期間に基づいて制御できる。概して、より低い流体温度および目標領域に送達されるより大量の低温流体は、目標とされた脂肪組織185をより低い温度にすることができる。周囲のより暖かい組織から冷却された領域に熱が移るにつれて、冷却された組織は徐々に暖かくなることができる。
【0047】
装置100は、1種または2種以上の温度センサー190をまた含むことができる。温度センサー190は、針形状で提供されることができ、そして1本または2本以上の中空針120の遠位末端に近いことができるセンサー部分の遠位末端の近くまたはセンサー部分の遠位末端に位置する検出部分を有することができる。センサー190は、このように、治療される脂肪組織185の目標領域中の局所的な温度を検出するように構成でき、そして任意選択的に、脂肪組織185中の局所的温度を示すためのディプレイと連携することができる。センサー190は、針120を通して脂肪組織185中に提供される低温流体温度、流量、および/または量を変えることによって、脂肪組織185内で特定の温度を正確に達成および/または維持するための、例えば、フィードバック装置内の、冷却装置150および/またはポンプ160と関連した回路を制御するために信号を提供するように構成されていることができる。
【0048】
目標とされた脂肪組織185に提供される低温流体は、大幅な望ましくない副作用を起こすことなく体に導入でき、そして/または吸収できる、水系、例えば、食塩水または他の流体であることができる。流体は、ハドケイム(hdocame)、洗剤組成物、抗炎症性物質、分散または乳化剤等の1種または2種以上の鎮痛剤を含むことができる。脂肪組織を破壊するか、または損傷させるために使用できる種々の流体成分は、例えば、米国特許出願公開第2006/0154906号明細書中に記載されている。そうした成分はまた、本開示の例示的な態様において使用できる。低温流体の成分は、例えば、冷却治療が終了した後で、組織185を通常の体温まで暖める場合に、脂肪組織185の破壊および/または分解を高めるために選択できる。そうした成分の有効性は、脂肪組織185の構造の破壊によって、高められることができる。本明細書中に記載された例示的な装置100を使用した低温流体の適用は、針120の配列を使用して目標の脂肪組織185中に流体成分を良好に分散された状態にすることによって、そうした流体成分の有効性を改善できる。
【0049】
ある例示的な態様において、例えば、液体窒素等の少量の低温流体は、針120を通して脂肪組織185中に導入できる。極度に低温の液体窒素は、局所的な組織壊死を生じることができる。液体窒素は、暖かい組織185との接触によって気化する場合、体によって容易に吸収されることができるほど充分な少量で提供できる。
【0050】
またさらに例示的な態様において、針120は、ポリマー、セラミック、またはその同類のもの等の低い熱伝導度を有する材料を使用して形成できる。針の遠位末端は、金属または合金等のさらに導電性の材料を使用して形成できる。針120中に提供される低温液体は、針120の先端の部分にもっとも近い組織185のさらなる冷却を提供できるそうした針の遠位末端をさらに冷却できる。
【0051】
本開示のさらに追加例示的な態様に従うさらに例示的な装置500を、図5に示す。例示的な装置500は、本明細書中に記載されたように、基部110に連結できる中空針を含むことができる。基部110は、取り外し可能でハウジング510に取り付けでき、そして/またはハウジング510の一部として形成されていることができる。(例えば、着脱可能な)基部110は、異なる針配列が単一の装置500を用いて異なる患者に使用できるように、針120の置換を促進できる。ハウジング510は、装置500の位置決めおよび冷却される組織への針120の挿入を促進するように、例えば、ハンドル520またはその同類のものを用いて提供されることができるように、提供できる。
【0052】
本明細書中に記載された冷却された流体の体積を保持するように構成されたか、または構造である流体貯蔵容器130の例示的な態様は、ハウジング510内に提供されることができる。貯蔵容器130は、例えば、基部110の上面と隣接する、中空針120の近位端と流体連通できる。ある例示的な態様において、図1に示された導管140に類似するチャンバーは、流体貯蔵容器130および針の近位部分と流体連通して提供されることができる。そうした例示的なチャンバーは、貯蔵容器130から中空針120へ、そして中空針120を通り、そして次に例えば、針120の遠位末端近傍の組織への低温流体の流れを促進することができる。貯蔵容器130は、絶縁装置、および/または冷却装置150、例えば、ペルチェ素子またはその同類のものであることができ、貯蔵容器130と熱的に連通して提供されることができる。
【0053】
スイッチ540は、貯蔵容器130から中空針120への冷却された液体の流れの量および/または速度を制御するように、ハウジング510中に提供されていることができる。例えば、スイッチ540は、起動された場合に、冷却された流体の少なくともいくらかを針120を通して、そして冷却される組織内に押し出す、貯蔵容器130内の圧力を増加するように構成されているトリガーとなることができる。あるいはまたはさらに、図1に示されたポンプ160に類似するポンプ装置を提供することができ、そしてスイッチ540は、ポンプ装置を起動して、流体を針120中に押し出すように構成されていることができる。例えば、そうした例示的なポンプ配置は、貯蔵容器130から針120に冷却された流体の少なくともいくらかを進ませるように、活性化された場合に、変形するように構成されている圧電性素子を含むことができる。
【0054】
装置500の下面から突出する針120の長さを調節するために、図1に示されたスペーサープレート170および支柱173に類似の間隔装置をまた、例示的な装置500において提供することができる。振動装置175をまた、針120の組織への挿入を促進するように、ハウジング510、基部110、および/または針120に連結できる。
【0055】
温度センサー190は、本明細書中に記載されたように、冷却される組織の温度を監視するために提供されていることができる。装置500は、貯蔵容器中の流体温度、目標組織の温度等を表示するように構成されていることができる、例えば、ディスプレイ配置550をまた含むことができる。例えば、スイッチ540は、目標組織の所望の温度を達成および/または維持するように、適当な間隔で手動で操作されることができ、そうした温度は、ディスプレイ装置550上に表示されることができる。装置500はまた、(例えば、温度センサー回路、ディスプレイ配置550、ポンプ配置等)のそうした必要な電力を利用できる任意の構成部分を起動するように構成されている、そこに提供された電源を含むことができる。あるいはまたはさらに、電力は、外部電源、例えば、電源コードまたはその同類のものを介して電気の出口から装置500に提供されることができる。
【0056】
本開示の別の例示的な態様により、この方法は、真皮層180の下に位置する場合がある脂肪組織185を冷却するために提供されることができる。そうした例示的な脂肪組織185は、低温流体を組織内に導入することによって特定の期間の間、予め選択された温度に冷却されることができる。図1に示すように、例えば、低温流体を、針120を使用して脂肪組織185に移動させることができる。低温流体は、例えば、液体の温度を所定の値に調整または維持するように構成されていることができる貯蔵容器から、提供されることができる。低温および/または流体中の成分は、冷却された脂肪組織185を破壊または損傷させることができ、そして/または体によるその再吸収促進する。針120の配列は、脂肪組織185へ移動した低温流体の適用によって、脂肪組織185の特定の領域の冷却を促進できる。例えば、より深い脂肪組織185の制御された冷却は、皮膚上にある目標領域の上にある皮膚の大幅な冷却を必要とすることなく達成できる。
【0057】
脂肪組織185の目標領域の温度は、例えば、図1に示された温度センサー190を使用して、例示的な冷却処置の間に検出できる。低温流体の流量および/または温度はまた、例えば、センサー190によって提供された信号に基づいて制御でき、脂肪組織185の目標とされた領域内の特定の温度または温度範囲を達成し、そして/または維持することができる。例えば、脂肪組織185は、約20℃未満の温度、または約0℃の温度まで冷却できる。より高い温度またはより低い温度へ。脂肪組織185はまた、ある回数で針120を通してさらなる体積の低温流体の適用によって特定の時間間隔をかけて、1つまたは2つ以上の冷却温度に、維持できる。冷却回数および温度の種々の組み合わせを、本明細書中に記載された方法および装置の例示的な態様によって提供できる。冷却時間および温度の特定の値は、処理される特定の組織および所望の効果に基づいて選択できる。
【0058】
本明細書中に記載された例示的な冷却技術は、1回の治療で、または1つのセッションの間に連続的に複数回行うことによって(例えば、皮層180および/または脂肪組織185の特定の場所への針120の配列の1回の挿入)で行うことができる。そうした例示的な冷却はまた、脂肪組織185への低温流体の周期的な適用を使用して、より長い時間間隔をかけて行うことができる。複数の治療はまた、本明細書中に記載された針配列120の複数の挿入を使用して、例えば、単一の目標領域において、行うことができる。例示的な冷却はまた、皮膚複数の範囲に、針120を挿入することによってより大きな範囲にかけて達成でき、そしてそれぞれの範囲中で本明細書中に記載された組織冷却技術を行うことができる。組織の所与の1つまたは2つ以上の領域の個々のまたは複数の治療は、適当な組織損傷および所望の美的効果を達成するために使用できる。
【0059】
先の記載は、単に、本開示の原理を具体的に示す。記載された態様の種々の改質および改変は、本明細書に記載された教示を鑑みれば、当業者に明らかであろう。従って、当業者が、明確に本明細書中に記載されていないが、本開示の原理を具体化する多数の技術を工夫することができ、従って本開示の精神および範囲内であることは明らかであろう。本明細書中で引用したすぺての特許および文献は、本明細書中で全体を参照することにより取り込む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物学的組織を冷却するための装置であって、
基部と、
該基部に連結された複数の中空針と、
を含んで成り、該中空針が、該組織内の1つまたは2つ以上の所定の深さに同時に挿入される構造であり、そして、該中空針が該組織の少なくとも一部分へ冷却された流体を移動させる構造である、装置。
【請求項2】
該流体が、該組織の温度未満である温度を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
該中空針の少なくとも1本が、熱的に絶縁する材料を含む、請求項1および/または2に記載の装置。
【請求項4】
該中空針が、金属、合金、ポリマー、セラミック、テフロン(商標)および/または半導体の少なくとも1種を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
該中空針の少なくとも1本が、中空針の遠位末端近傍に複数の開口を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
特殊な該針のそれぞれが、実質的に同じ長さを有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
特殊な該針の少なくとも2本が、相互に異なる長さを有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
該基部の下面から伸びる該中空針の少なくとも1本の長さが、少なくとも約1mmである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
該基部の下面から伸びる該中空針の少なくとも1本の長さが、約1mm〜約5mmである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
該基部の下面から伸びる該中空針の少なくとも1本の長さが、約5mm超である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
該中空針のそれぞれが、該中空針の別の1本に実質的に平行である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
該中空針の隣接した針の間の距離が、約10mm未満である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
該中空針の隣接した針の間の距離が、約8mm未満である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
該中空針の隣接した針の間の距離が、約5mm未満である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
該中空針が、少なくとも10本の中空針を含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
該中空針が、少なくとも30本の中空針を含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
該中空針が、少なくとも50本の中空針を含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
該基部の少なくとも1つおよび/または該中空針の少なくとも1本に機械的に連結された振動装置をさらに含む、請求項1〜17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
該中空針が移動可能なプレートを通過できるように、該装置が該基部の近傍に提供された移動可能なプレートをさらに含み、そして該移動可能なプレートの下面から伸びる該中空針の少なくとも1本の長さを特定の長さに調節できるように、該移動可能なプレートと該基部との間の距離を変更できる、請求項1〜18のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
該中空針の近位部分と連通して提供された導管をさらに含み、該導管が該複数の中空針の中へ該冷却された流体を移動させる構造である、請求項1〜19のいずれか一項に記載の装置。
【請求項21】
該中空針のそれぞれの遠位末端が、該中空針の該組織への挿入を促進するように構成された鋭く尖った先を有する、請求項1〜20のいずれか一項に記載の装置。
【請求項22】
該基部に連結されたハウジングをさらに含む、請求項1〜21のいずれか一項に記載の装置。
【請求項23】
該基部が該ハウジングに取り外し可能に連結されている、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
温度検出装置をさらに含み、該温度検出装置の少なくともの一部分が、該中空針の少なくとも1本の先端部分の近傍の場所に提供されている、請求項1〜23のいずれか一項に記載の装置。
【請求項25】
該貯蔵容器中の該流体の温度が、該温度検出装置によって提供される信号に、少なくとも部分的に基づく、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
該冷却された流体を保持する構造の貯蔵容器をさらに含み、該貯蔵容器が、該中空針の少なくとも1本の近位部分と連通する、請求項1〜25のいずれか一項に記載の装置。
【請求項27】
該貯蔵容器内の該流体の特定の温度を制御すること、および/または維持することの少なくとも1つをするように設定された温度制御装置をさらに含む、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
該貯蔵容器中の該冷却された液体の温度および/または冷却される該組織の温度の少なくとも1つを表示するように構成されたディスプレイ装置をさらに含む、請求項1〜27のいずれか一項に記載の装置。
【請求項29】
該組織が、脂肪組織を含む、請求項1〜30のいずれか一項に記載の装置。
【請求項30】
食塩水、抗炎症性試薬、麻酔剤試薬、および/または乳化剤の少なくとも1種を含む、請求項1〜29のいずれか一項に記載の装置。
【請求項31】
該冷却された流体が液体窒素を含む、請求項1〜29のいずれか一項に記載の装置。
【請求項32】
該中空針の少なくとも1本の直径が、約1000μm未満である、請求項1〜31のいずれか一項に記載の装置。
【請求項33】
該中空針の少なくとも1本の直径が、約800μm未満である、請求項1〜31のいずれか一項に記載の装置。
【請求項34】
該中空針の少なくとも1本の直径が、約500μm未満である、請求項1〜31のいずれか一項に記載の装置。
【請求項35】
該冷却された流体が、約20℃未満である温度で提供される、請求項1〜34のいずれか一項に記載の装置。
【請求項36】
該冷却された流体が、約0℃未満である温度で提供される、請求項1〜30および32〜33のいずれか一項に記載の装置。
【請求項37】
該組織少なくとも一部分が、該針少なくともの一部分の近傍にある、請求項1〜36のいずれか一項に記載の装置。
【請求項38】
生物学的組織の冷却方法であって、該組織の少なくとも一部分内および/または近傍の少なくとも1つに中空針の一部分を置くように、該組織内に複数の中空針を同時に挿入すること、および、
加熱された流体の少なくとも一部分が該中空針の一部分に提供された少なくとも1つの開口を通って該組織に入るように、中空針を通して冷却された流体を移動させることを含んで成り、
該組織内に移動させられた該冷却された流体の温度および/または体積の少なくとも1つが、該組織の少なくとも一部分を所定の温度範囲内の温度に冷却するように選択されている、方法。
【請求項39】
該中空針の少なくとも幾つかが基部に取り付けられており、そして該中空針の1本とさらに実質的に平行である、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
該組織に移動させられた該冷却された流体の温度および/または体積の少なくとも1つを制御することをさらに含む、請求項38および/または39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
該冷却された流体を該組織内に移動させる前および/または間の少なくとも1つにおいて、該組織の上にある組織表面を予め冷却することをさらに含む、請求項38〜40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
低温スプレーおよび/または該組織表面と熱的に接触して配置された低温物体の少なくとも1つを使用して、該組織表面が冷却される、請求項38〜41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
該組織が脂肪組織を含む、請求項38〜42のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【公表番号】特表2011−516168(P2011−516168A)
【公表日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−503125(P2011−503125)
【出願日】平成21年4月1日(2009.4.1)
【国際出願番号】PCT/US2009/039067
【国際公開番号】WO2009/146053
【国際公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(592017633)ザ ジェネラル ホスピタル コーポレイション (177)
【Fターム(参考)】