説明

生物活性剤の伝達制御用ポリマーおよび使用方法

【課題】留置医療機器からの生物活性剤の放出制御に適するポリマーを提供する。
【解決手段】医療機器は、基材と、該基材内に微生物増殖を減じるように十分に含ませたクロルヘキシジンまたはその製薬上許容し得る塩とを含む。上記基材は、シリコーンモノマーとウレタンモノマーを含むポリマーを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、生物活性剤の伝達制御用ポリマーに関する。さらに詳細には、本発明は、生物活性剤の伝達制御用ポリマーおよび埋込み型医療機器における使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カテーテルは、現在、多種多様な医療処置において使用されており、患者および医師に多大な利益を提供している。残念なことに、通常のカテーテルは、微生物によって汚染される可能性を有する。カテーテル関連感染症は、数つかの異なるメカニズムによって生じると考えられている。患者への入口点の汚染およびその後の微生物によるカテーテルのコロニー形成並びに外表面および内表面上での細菌生物膜の形成が、カテーテル関連血流感染症(CRBSI)の主要経路であると考えられている。この問題に対処するためには、カテーテルは、抗菌剤を含み得る。残念なことに、通常のポリマーは、長期間留置医療機器における使用には適していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、本明細書において説明する欠点をある程度克服し得る、留置医療機器からの生物活性剤の放出制御に適するポリマーを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(発明の概要)
上記のニーズは、幾つかの点において、留置医療機器からの生物活性剤の放出制御に適するポリマー並びにそのようなポリマーおよび生物活性剤を含むカテーテルを提供する本発明によって、大いに満たされる。
【0005】
本発明の1つの実施態様は、抗菌剤を含む医療機器に関する。この医療機器は、基材と、この基材内に微生物増殖を減じるように十分に含ませたクロルヘキシジンまたはその製薬上許容し得る塩とを含む。この基材は、シリコーンモノマーとウレタンモノマーを含むポリマーである。
【0006】
本発明のもう1つの実施態様は、細長中空チューブ、基材を含む上記細長中空チューブの外表面、および、上記基材内に微生物増殖を減じるように十分に含ませたクロルヘキシジンまたはその製薬上許容し得る塩を含む医療用カテーテルに関する。上記基材は、シリコーンモノマーとウレタンモノマーを含むポリマーを含む。
【0007】
本発明の特定の実施態様においては、上記基材は、約50:50〜約80:20のシリコーン:ウレタン比(質量/質量)を有する。本発明のもう1つの特定の実施態様においては、上記基材は、約65:35〜約70:30のシリコーン:ウレタン比(質量/質量)を有する。
【0008】
本明細書における本発明の詳細な説明をより一層良好に理解し得るように、また、当該技術に対する本発明の貢献をより一層良好に認識し得るように、上記のように、本発明のある種の実施態様をかなり広く概略説明する。勿論、下記で説明する、また、特許請求の範囲の主題を構成する本発明のさらなる実施態様も存在する。
【0009】
この点、本発明の少なくとも1つの実施態様を詳細に説明する前に、本発明は、その応用において、構成の詳細並びに以下の説明において示すまたは図面において例示する構成要素の配置に限定されないことを理解すべきである。本発明は、説明している実施態様以外の実施態様が存在し得、さらに、種々の方法で実践し、実施することができる。また、本明細書において使用する表現および用語並びに要約は、説明目的であって、限定とみなすべきではないことを理解すべきである。
【0010】
そのようなものとして、当業者であれば、本開示を基本とする概念を、本発明の幾つかの目的を実施するための他の構造、方法およびシステムを設計する基準として容易に利用し得ることは承知していることであろう。従って、特許請求の範囲は、そのような等価の構成を、これらの構成が本発明の精神および範囲を逸脱しない限り包含するものとみなすことが重要である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】適切なシリコーン導尿カテーテルにおいての本発明の各実施態様に従う各種シリコーン‐ウレタンコポリマーにおける日数に対する放出クロルヘキシジンの累積量のグラフである。
【図2】適切なシリコーン導尿カテーテルにおいての本発明の各実施態様に従う各種シリコーン‐ウレタンコポリマーにおける日数に対する累積パーセントクロルヘキシジン放出のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の各実施態様は、埋込み型医療機器からの生物活性剤の伝達を制御するポリマー、該ポリマーを含む埋込み型医療機器、および該ポリマーを含む埋込み型医療機器からの生物活性剤の伝達の親水性対疎水性を調節することによる制御方法を提供する。各実施態様において、上記埋込み型医療機器は、カテーテル、医療用管、および/または広い範囲の抗菌および/または抗真菌活性を長時間に亘って有することから有益であろう他のそのような医療機器、例えば、血液、血液製品、および/またはフィブリン生成液(fibrinogenic fluid)、組織、および/または産生物と接する装置である。さらに、上記生物活性剤としては、埋込み型医療機器において使用する任意の適切な剤がある。一般に、適切な生物活性剤の例としては、単独または他の薬剤と組合せた抗生剤、抗菌剤、消毒剤、抗血栓薬、線維素溶解薬、抗凝固薬(特にヘパリン)、抗炎症剤、アンチパイン剤、血管拡張剤、抗増殖剤、抗線維化剤、成長因子、サイトカイン、抗体、ペプチドおよびペプチド模倣薬、核酸等がある。適切な生物活性剤のさらに特定の例としては、クロルヘキシジン並びにその適切な薬理学的変形物および塩類がある。特定の例においては、上記生物活性剤としては、カテーテル内および周囲の微生物増殖を減じるまたは阻止するに十分な濃度のクロルヘキシジンジアセテート(CHA)がある。
【0013】
高水分含有量を有する親水性シリコーン‐ウレタンコーティーングは、クロルヘキシジンジアセテートを急速に放出する(含有物の80%よりも多くを数日以内で放出した)。低水分含有量を有する疎水性シリコーンコーティーングは、数日以内では、その含有物を極めて僅かしか放出しない(10%未満)。対照的に、本明細書において説明するコポリマーのような改良されたシリコーン‐ウレタンコポリマーは、クロルヘキシジンジアセテートを14日間よりも長くにおいて徐々に放出する。このタイプの放出プロフィールは、感染リスクをもたらし得る長期留置医療機器においては重要である。
【0014】
本発明者等は、驚くべきことに、シリコーン‐ウレタンの親水性コポリマーを使用して、クロルヘキシジンを疎水性シリコーン基体上にコーティーングすることが可能であることを見出した。シリコーン‐ウレタンの好ましい親水性コポリマーは、0.6%よりも多いが1.8%よりも少ない、より好ましくは0.7%と1.0%の間の水分含有量を有する。そのシリコーンモノマーは、上記シリコーン‐ウレタンのコポリマーの過半数量を構成する。例えば、上記シリコーン‐ウレタンのコポリマーは、約50%〜約90%のシリコーンを含み得る。用語“ポリマー”、“シリコーン‐ウレタン”、“Si/Pu”、“シリコーン‐ウレタンコポリマー”およびこれら用語の変形は、全体に亘って、互換的に使用することに留意すべきである。この点、得られるポリマーの親水性対疎水性を決定するのは、シリコーン対ウレタンの比率である。ウレタンモノマー含有量は約10%〜約50%であり得る。特定の例においては、上記ポリマーは、約98質量%のポリジメチルシロキサン(PDMS)と約2%のポリヘキサメチレンオキシド(PHMO)を含有するGrade E5325ポリマーである。適切なポリマーの他の例は、米国ユタ州ソルトレークシティーのAorTech Biomaterils社によって製造されている。適切なポリマーのさらに特定の例は、POLYSILOXANE‐CONTAINING POLYURETHANE ELASTOMERIC COMPOSITIONSと題する米国特許第6,313,254号に記載されている;該米国特許の開示は、その全体を本明細書に合体させる。注目すべきことに、シリコーンモノマーとウレタンモノマーを含むポリマーを本明細書においては説明しているけれども、上記ポリマーは、生物学的安定性を増強するためのカーボネートモノマーも含み得る。例えば、上記ポリマーは、約1%〜約40%のカーボネートモノマーを含み得る。
【0015】
クロルヘキシジンジアセテート(CHA)を種々のシリコーン‐ウレタンコポリマー中にスプレーコーティーング法によって取込ませて実施した試験を下記で説明する。これらの試験においては、シリコーン‐ウレタンのコポリマーを、70/30(質量/質量)のジメチルホルムアミド/テトラヒドロフラン中に溶解し、次いで、クロルヘキシジンジアセテートをポリマー溶液中に添加した。コーティーングは、適切な低圧ノズルを使用して、スプレーコーティーングによって適用した。適切な低圧ノズルの例としては、米国オハイオ州44145、ウェストレークのNordson EFD Corporation社によって製造されているノズルがある。
【実施例1】
【0016】
方法
14.5%シリコーン‐ウレタンコポリマー/4%CHA溶液によるコーティーング
14.5gのシリコーン‐ウレタンコポリマーを、81.5gのジメチルホルムアミド/テトラヒドロフラン(DMF/THF)中に室温にて24時間で溶解させた。4gのCHAをポリマー溶液中に添加し、室温でさらに24時間撹拌した。下記の表1は、コーティーング溶液のポリマー、CHA、溶媒混合物の量を示している。16フレンチ(fr)フルアッセンブリフォーリー(French full assembly Foley)カテーテルを、650μg/cmのCHA目標取込み量を有する各溶液でスプレーコーティーングした。コーティーングしたカテーテルを70℃のオーブン内で48時間乾燥させて溶媒を除去した。
【実施例2】
【0017】
7.25%シリコーン‐ウレタンコポリマー/4%CHA溶液によるコーティーング
14.5gのシリコーン‐ウレタンコポリマーを、162gのDMF/THF中に室温にて24時間で溶解させた。4gのCHAをポリマー溶液中に添加し、室温でさらに24時間撹拌した。下記の表1は、コーティーング溶液のポリマー、CHA、溶媒混合物の量を示している。16frフルアッセンブリフォーリーカテーテルを、650μg/cmのCHA目標取込み量を有する各溶液でスプレーコーティーングした。コーティーングしたカテーテルを70℃のオーブン内で48時間乾燥させて溶媒を除去した。
【実施例3】
【0018】
16frフォーリーカテーテル本体を90%/10%(容量/容量) THF/メタノール中10%CHA中で含浸処理
カテーテル本体の4インチ(10.16cm)セグメントを切断し、15mlの遠心分離管に入れた。シリコーンセグメントをCHA溶液で1時間含浸し、さらに1時間風乾させた。その後、各セグメントを35℃で1夜真空乾燥させ、脱イオン(DI)水中で10秒間浸漬洗浄し、再度1夜真空乾燥させた。得られたシリコーン‐ウレタンパーセントは、下記の表1に示している。
【0019】
表1:CHAを取込ませたシリコーン‐ウレタンコーティーング溶液

【実施例4】
【0020】
シリコーン‐ウレタンコポリマーの水分含有量の測定
3種の異なるシリコーン‐ウレタンコポリマー等級品を水分吸収測定において使用した。各樹脂を、試験前に、70℃で24時間真空乾燥させた。真空乾燥樹脂を1時間水蒸気に供し、1時間風乾させた。樹脂が取込んだ水分を、Computrac Vapor Pro (米国アリゾナ州85225、チャンドラーのArizona Instrument社)を使用して、減量法によって分析した。下記の表2は、3種の樹脂による水分取込みを示している。
【0021】
表2:シリコーン‐ウレタンコポリマーによる水分取込み

【実施例5】
【0022】
コーティーングから合成尿培地中へのクロルヘキシジンの溶離
3種の1cmセグメントを、48ウェル保存プレートの個々のウェル中に入れた。1mLの合成尿を、対照としての1つのブランクウェルに沿って各々のウェルに添加した。プレートを接着剤で密閉し、37℃のオーブン中でインキュベートした。1日後、各セグメントを、1mLの新鮮培地を添加した新たなウェルに移した。さらなる移動を3日目および7日目に行った。元のウェルの各々からの培地を下記のようにしてCHAについて分析した。
【0023】
先ず、合成尿培地を、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)アナライザーに注入するために調製した。100μlのサンプルを各ウェルから取出し、1.7mLチューブ(ドイツ国ハンブルグのEppendorf社)に入れた。400μlの75:25アクリロニトリル(ACN):水中0.2%トリフルオロ酢酸(TFA)を各チューブに添加した。チューブを穏やかに振盪させて混合し、次いで、10,000RPMで5分間遠心分離した。その後、培地を分析用のHPLCバイアル中に等分した。下記の表は、合成尿培地中でのCHAの静的放出速度を示している。
【0024】
表3:全てのコーティーングサンプルからのCHAの累積放出

【0025】
表4:全てのコーティーングサンプルからのCHAの累積パーセント放出

【0026】
図1は、適切なシリコーン導尿カテーテルにおいての本発明の各実施態様に従う各種シリコーン‐ウレタンコポリマーにおける日数に対する放出クロルヘキシジンの累積量のグラフである。図1に示しているように、CHAは、67.5Si/32.5PUおよび70Si/30PUサンプルよりも20Si/80PUからの方が有意に速く溶離している。CHAのこの急速放出は、隣接組織に負の影響を及ぼし得る。対照的に、67.5Si/32.5PUおよび70Si/30PUサンプルは、CHAをより漸次的な速度で放出している。図2は、適切なシリコーン導尿カテーテルにおいての本発明の各実施態様に従う各種シリコーン‐ウレタンコポリマーにおける日数に対する累積パーセントクロルヘキシジン放出のグラフである。図2に示すように、この場合も、CHAは、67.5Si/32.5PUおよび70Si/30PUサンプルよりも20Si/80PUからの方が有意に速く溶離しており、コーティーング中のCHAのほぼ全てが7日以内で放出されている。対照的に、CHAは、67.5Si/32.5PUおよび70Si/30PUサンプルからは、7日目までに約55%のCHAしか、また、14日目までに約65%しか放出されない。このより制御された放出は、2週間よりも長い抗菌活性の持続を助長している。全てのサンプルをCHA放出について14日間生体外試験し、結果は、表3および4、図1および2に示している。対照サンプルは、7日目以降、無視し得るCHA溶離しか示さなかった。過半数量のウレタンを含むシリコーン‐ウレタンコーティーング(高水分含有量)においては、大部分のCHAが7日目までに放出し(80〜90%)、14日目までにほぼ全体が消滅した。対照的に、コポリマーにおいて過半数量のシリコーンを含む低めの親水性のサンプルは、14日間に亘ってCHAを放出し、有意のさらなるCHAが14日目においてもコーティーング中に残存しており、14日以降も良好に放出を伸ばし得ている。
【実施例6】
【0027】
種々のSi‐PU含有量を有するクロルヘキシジンコーティーングの抑制試験領域
シリコーン‐ウレタンコポリマーを、DMF/THF混合物中に、室温で24時間撹拌することによって溶解させた。その後、CHAをポリマー溶液に添加し、室温で24時間撹拌した。下記の表は、コーティーングにおいて使用したSi/ウレタン比、ポリマー、CHAおよび溶媒混合物の質量(グラム数)を示している。16frフルアッセンブリフォーリーカテーテルを、400μg/cmのCHA目標取込み量を有する各溶液でスプレーコーティーングした。コーティーングしたカテーテルを70℃で48時間乾燥させて溶媒を除去した。
【0028】
表5:CHAを取込ませたシリコーン‐ウレタンコーティーング溶液

【0029】
100%Si対照においては、ここでも、Siフォーリーカテーテル本体の4インチ(10.16cm)セグメントを切断し、15mlの遠心分離管に入れた。各セグメントを10%CHA溶液(90/10 THF/メタノール)中に浸漬し、その後、メタノールで迅速に3回洗浄して遊離薬物を除去した。処理したセグメントを35℃で終夜真空乾燥させた。CHA含有量は、THF中での完全抽出およびその後のHPCL分析によって試験した。結果は、下記に表で示している。
【0030】
表6:CHAを取込ませたシリコーン対照

【0031】
抑制領域は、カテーテルセグメントを1.0cmサイズの切片に切断することによって測定した。150×15mmのペトリ皿にミューラーヒントンII寒天培地(Mueller Hinton II Agar)を充たし、その後、1.0マクファーランド標準(McFarland standard) (3×108コロニー形成単位/ml)に合致するように希釈した緑膿菌(Pseudomonas Aeruginosa) (ATCC 27853)接種物で画線処理した。カテーテルセグメントは、画線処理する前に、プレートに垂直に挿入した。試験は3複製で行った。各プレートを37℃で24〜48時間インキュベートした。各プレートは、未処理対照および試験物を含んでいた。インキュベーション後、各カテーテルセグメントの辺りの抑制領域を、カテーテル表面積と緑膿菌叢の最も近い接近との間の距離(mmでの)として読取った。上記領域を読取った後、カテーテルセグメントを新たに接種したプレートに移し、さらにインキュベートした。日数の関数としての平均抑制領域(mmでの)は、下記に表で示している。
【0032】
表7:CHAを取込ませたシリコーン対照

結果は、70/30 Si/ウレタンコーティーング組成物が他のSi組成物よりも長く抑制領域を維持し得ていたことを示している。
【0033】
本発明の多くの特徴および利点は上記の詳細な明細から明白であり、従って、本発明の真の精神および範囲に属する本発明のそのような特徴および利点は、特許請求の範囲によって全て包含されるものとする。さらに、多くの修正および変更が当業者であれば容易であることから、例示し且つ説明してきた正確な構成および操作に本発明を限定することは望ましくない;従って、適切な修正および等価物は、全て本発明の範囲に属するものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗菌剤を含む医療機器であって、
前記機器が、以下
基材、および、
前記基材内に微生物増殖を減じるように十分に含ませたクロルヘキシジンまたはその製薬上許容し得る塩、
を含み、前記基材が、シリコーンモノマーとウレタンモノマーを含むポリマーを含むことを特徴とする医療機器。
【請求項2】
前記基材が、約50:50〜約80:20のシリコーン:ウレタン比(質量/質量)を有する、請求項1記載の医療機器。
【請求項3】
前記基材が、約65:35〜約70:30のシリコーン:ウレタン比(質量/質量)を有する、請求項2記載の医療機器。
【請求項4】
前記基材が、カーボネートモノマーを含む、請求項1記載の医療機器。
【請求項5】
前記カーボネートモノマーが、前記基材中に、約10〜40%(質量/質量)カーボネートで存在する、請求項1記載の医療機器。
【請求項6】
コア材料を含む第1層、および
前記基材を含む第2層、
をさらに含む、請求項1記載の医療機器。
【請求項7】
前記コア材料の複数の層、および
前記基材の複数の層、
をさらに含む、請求項6記載の医療機器。
【請求項8】
コア材料を含む第1領域、および
前記基材を含む第2領域、
をさらに含む、請求項1記載の医療機器。
【請求項9】
前記コア材料の複数の領域、および
前記基材の複数の領域、
をさらに含む、請求項7記載の医療機器。
【請求項10】
前記クロルヘキシジンが、クロルヘキシジンジアセテートを含む、請求項1記載の医療機器。
【請求項11】
前記クロルヘキシジンがクロルヘキシジン/脂肪酸塩を含み、該クロルヘキシジン/脂肪酸塩が、クロルヘキシジン塩基と12〜18個の炭素原子を有する脂肪酸との中和生成物である、請求項1記載の医療機器。
【請求項12】
前記クロルヘキシジンが、クロルヘキシジン塩基とその製薬上許容し得る塩との混合物を含む、請求項1記載の医療機器。
【請求項13】
抗生剤、消毒剤、化学療法薬、抗微生物ペプチド、模倣薬、抗血栓薬、線維素溶解薬、抗凝固薬、抗炎症剤、アンチパイン、制嘔吐剤、血管拡張剤、抗増殖剤、抗線維化剤、成長因子、サイトカイン、抗体、ペプチドおよびペプチド模倣薬、および核酸の1種以上を含む生物活性剤をさらに含む、請求項1記載の医療機器。
【請求項14】
医療用カテーテルであって、
前記カテーテルが、以下
細長中空チューブ、
基材を含む前記細長中空チューブの外表面、および
前記基材内に微生物増殖を減じるように十分に含ませたクロルヘキシジンまたはその製薬上許容し得る塩、
を含み、前記基材が、シリコーンモノマーとウレタンモノマーを含むポリマーを含むことを特徴とする、医療用カテーテル。
【請求項15】
前記基材が、約50:50〜約80:20のシリコーン:ウレタン比(質量/質量)を有する、請求項14記載の医療機器。
【請求項16】
前記基材が、約65:35〜約70:30のシリコーン:ウレタン比(質量/質量)を有する、請求項15記載の医療機器。
【請求項17】
前記基材が、カーボネートモノマーを含む、請求項14記載の医療機器。
【請求項18】
前記カーボネートモノマーが、前記基材中に、約10〜40%(質量/質量)カーボネートで存在する、請求項1記載の医療機器。
【請求項19】
コア材料を含む第1層、および
前記基材を含む第2層、
をさらに含む、請求項14記載の医療機器。
【請求項20】
前記コア材料の複数の層、および
前記基材の複数の層、
をさらに含む、請求項19記載の医療機器。
【請求項21】
コア材料を含む第1領域、および
前記基材を含む第2領域、
をさらに含む、請求項14記載の医療機器。
【請求項22】
前記コア材料の複数の領域、および
前記基材の複数の領域、
をさらに含む、請求項21記載の医療機器。
【請求項23】
前記クロルヘキシジンが、クロルヘキシジンジアセテートを含む、請求項14記載の医療機器。
【請求項24】
前記クロルヘキシジンがクロルヘキシジン/脂肪酸塩を含み、該クロルヘキシジン/脂肪酸塩が、クロルヘキシジン塩基と12〜18個の炭素原子を有する脂肪酸との中和生成物である、請求項14記載の医療機器。
【請求項25】
前記クロルヘキシジンが、クロルヘキシジン塩基とその製薬上許容し得る塩との混合物を含む、請求項14記載の医療機器。
【請求項26】
抗生剤、消毒剤、化学療法薬、抗微生物ペプチド、模倣薬、抗血栓薬、線維素溶解薬、抗凝固薬、抗炎症剤、アンチパイン、制嘔吐剤、血管拡張剤、抗増殖剤、抗線維化剤、成長因子、サイトカイン、抗体、ペプチドおよびペプチド模倣薬、および核酸の1種以上を含む生物活性剤をさらに含む、請求項14記載の医療機器。

【図1】
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【図2】
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