説明

生物用シャワーヘッド

【課題】室内・室外を問わず、生物(野菜や人間も含む)の洗浄効果、美容効果等を得るために、シャワーホースを通過する流体(特に、水道水)の流体圧を利用して、該流体に可撓性容器の液状溶剤を自動的に混合してシャワーヘッドから噴射すること。
【解決手段】流体を噴射するヘッド部及びパイプ状の握り部を有するシャワーヘッドと、握り部の内部に組み込まれ、かつ該握り部内を流れる流体に混入するための液状溶剤が充填された容器とから成る生物用シャワーヘッドに於いて、容器は、液状溶剤を入れるための筒状充填部を有する袋状部分と、該袋状部分に連設すると共に流体の流れる方向に細長状に延在する排出部分とから成る可撓性容器であり、液状溶剤は、使用時、可撓性容器に流体圧が加わると、可撓性容器の材質自体の弾性変位の収縮に対応して排出部分から排出される生物用シャワーヘッド。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物や愛玩動物や人間に使用することができる生物用シャワーヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の発明の課題は、物流システムとして、特に、食品加工における食品材料の供給搬送のシステムとして、安全に効率良く迅速に供給搬送でき自動供給装置を実現化することである。該発明の課題を達成する手段として、液状物自動供給装置は、(イ)耐圧性であって、上方に流体流入口が設けられた剛性外側容器、(ロ)外側容器本体内に収納され、上端開口を外側容器の上部開口と連通された可撓性の内側容器、(ハ)外側容器と内側容器との空間に加圧流体を供給する圧力伝達機構、及び(ニ)外側容器の上部開口に連通された内側容器上端開口に取り付けられ、収納内容物を排出する内容物供給機構からなり、そして、(a)前記内側容器は、圧力差により収縮自在の可撓性の容器であること、(b) 収納内容物は、醤油、ソ−ス、油類、マヨネ−ズ、ケチャップ、クリ−ムなどより選ばれた液状食品であること、(c) 圧力伝達機構が、コンプレッサ−と、エアドライヤ−と、タンクとからなる加圧システムであり、圧力伝達媒体が液体であること等が記載されている。
【0003】
また、特許文献2の発明の課題は、液体肥料を適切に撒布するアクアガンを提供することである。該発明の課題を達成する手段として、アクアガンは、ガン本体11のノズル部22及び中間部材21で、握持部12に供給された水道水を導く導水路23を構成し、前記中間部材21のボトル取付部31に、液体肥料36を収容したペットボトル34を取り付けると共に、該中間部材21に狭小部41を設けて導水路23の経路を狭め、ベルヌーイ効果によって液体肥料36を吸い上げて水道水に混合する事項が記載されている(符号は特許文献2のもの)。
【0004】
さらに、特許文献3には、浴室等においてミストシャワーを浴びることにより発汗を促し、或いは逆に身体を優しく冷却する等して、健康効果や美容効果を得ることができることに着目して、シャワーヘッドのノズル部11を改良すると共に、ミストヘッド本体1の給湯路4における給湯口2下流に添加剤カートリッジ33が温水の流通可能に螺着され、該添加剤カートリッジ33内には香料その他の種々の添加剤34が温水との接触により溶出可能に収容される旨が記載されている(段落0002、段落0020、図1、符号は特許文献3のもの)。
【0005】
しかしながら、上記特許文献1と2は、室内・室外を問わず、植物や愛玩動物や人間の洗浄効果、健康効果、美容効果等を得るために、農薬洗浄剤、シャンプー、バスソルト等の液状溶剤を、シャワーホースを通過する流体(特に、水道水)の流体圧を利用して、該流体に前記液状溶剤を自動的に混合して、シャワーヘッドから噴射することを、発明の所期の課題とするものではない。
【0006】
また特許文献3は、人間の健康効果、美容効果等を得ることを目的とし、また給水水圧は、家庭内で使用される水道水であるものの、水道水に混入する溶剤は、シャワーヘッドの取付け基端部内に嵌入される添加剤34であり、かつ温水との接触により溶出可能な短柱状の固形物であることから、溶剤が、農薬洗浄剤、シャンプー、バスソルト等の液状溶剤、及びこれに類する流動物を適用し難いものである。それは、液状溶剤や流動物をシャワーヘッドの取付け基端部内に嵌入すると、使用時、給水水圧によって、直ぐにノズル部から噴射されるからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−128259号公報
【特許文献2】特開2002−224591号公報
【特許文献3】特開2007−20854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の所期の目的は、室内・室外を問わず、植物や動物や人間の洗浄効果、美容効果・衛生効果等を得るために、農薬洗浄剤、シャンプー、バスソルト等の可撓性の容器内の液状溶剤を、シャワーヘッドを通過する流体(特に、水道水)の流体圧を利用して、該流体に前記液状溶剤を自動的に混合して噴射することである。望ましくは、野菜を洗浄する台所、或いは愛玩動物の美容を行うペットショプ、普通一般の病院、老人用介護施設、美容院等で、水道水の水圧を利用して、野菜、愛玩動物、入院患者、老人、顧客等の生物(動物や植物)に対して、洗浄液やシャワーを浴びさせる際に、可能な限り、衛生面での洗浄や清潔的効果、人に対してはリラックス面での入浴効果或いは美容効果を容易に得ることである。第2の目的は、容器内の液状溶剤が減った場合には、簡単に補充することができることである。第3の目的は、栓手段により、単なる水道水(水、お湯)と混合液とを簡単に切り替えことができることである。第4の目的は、「ベルヌーイの効果」を利用することにより流体による吸引効果を高め、半流動体液状の溶剤を、可撓性容器の細長状の排出部分からスムースに出るようにすることである。第5の目的は、台所・美容室・浴室のいずれかの蛇口に連結することにより、室内で手軽に利用することができることである。その他、実施形態によっては、容器内の液状溶剤を極力最後まで使い切ること、可撓性容器を2点以上で確実に支持することができることなどである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の生物用シャワーヘッドは、流体を噴射するヘッド部及びパイプ状の握り部を有するシャワーヘッドと、前記握り部の内部に組み込まれ、かつ該握り部内を流れる流体に混入するための液状溶剤が充填された容器とから成る生物用シャワーヘッドに於いて、前記容器は、前記液状溶剤を入れるための筒状充填部を有する袋状部分と、該袋状部分に連設すると共に前記流体の流れる方向に細長状に延在する排出部分とから成る可撓性容器であり、前記液状溶剤は、使用時、前記可撓性容器に前記流体の流体圧が加わると、前記可撓性容器の材質自体の弾性変位の収縮に対応して前記排出部分から排出されることを特徴とする。
【0010】
上記構成に於いて、パイプ状の握り部に支持孔が形成され、該支持孔には、袋状部分に一体的に突設された筒状充填部がシールされた状態で嵌挿していることを特徴とする。また筒状充填部内には、スリットを有する内外の弾性弁から成る逆止弁が設けられていることを特徴とする。また、筒状充填部には、逆止弁が設けられていると共に、可撓性接続片を有する栓部が設けられ、該栓部は前記筒状充填部に押し込まれることを特徴とする。また、パイプ状の握り部には、排出部分を開閉する栓手段が設けられていることを特徴とするド。また、細長状排出部分は、パイプ状の握り部の内周壁に形成されたオリフィスへと延在していることを特徴とする。また、液状溶剤を入れるための筒状充填部は、袋状部分の筒状後端部であり、該筒状後端部には、流体用案内孔を有する蓋体が一体的に嵌合し、さらに、該蓋体は、前記筒状後端部に螺着する継手に支持されることを特徴とする。さらに、液状溶剤を入れるための筒状充填部を有する袋状部分及び細長状の排出部分を有する容器は、複数個存在し、前記細長状の排出部分は、パイプ状の握り部に形成された支持孔に、前記筒状充填部がシールされた状態で嵌挿していることを特徴とする。
【0011】
ここで、「液状溶剤」とは、普通一般のシャンプー、ボティーシャンプー、リンス、バスソルト等の化粧品、普通名称で称されている流動物や半流動物のみならず、これに類する香料溶剤、ピタミン溶剤も含まれる。またここで、「動物」には、人間も含まれる。
【発明の効果】
【0012】
(a)請求項1に記載の発明は、室内・室外を問わず、生物、例えば台所で野菜に付着した農薬を洗い落とす際、或いは人間、特に介護をするのに大変な重労働がかかる人に対して、衛生効果、リラックス効果、香りの効果等を得るために、シャンプー、バスソルト、香水等の液状溶剤を、シャワーヘッドを通過する流体(特に、水道水)の流体圧を利用して、該流体に前記液状溶剤を自動的に混合して、ヘッド部から噴射することができる。また袋状部分は、液状溶剤を入れるための筒状充填部を有するので、液状溶剤を簡単に補充することができる。
(b)請求項2に記載の発明は、例えば注射方式で外部から液状溶剤を簡単に補充することができるので、充填する度に、容器をシャワーヘッドの握り部から取り外す必要がない。付言すると、充填に手間がかからない。
(c)請求項3に記載の発明は、充填の際、容器から液状溶剤が漏れ出すことがない。
(d)請求項4並びに請求項5に記載の発明も、それぞれ請求項3に記載の発明と同様の効果がある。また請求項5に記載の発明は、栓手段を操作することにより、単なる水道水(水、お湯)と混合液とを簡単に切り替えことができる。
(e)請求項6に記載の発明は、ベルヌーイの効果を利用することにより、流体による吸引効果を高めることができる。したがって、液状溶剤が、例えば練状の半流動体であって、容器の細長状排出部分を可能な限り細く(孔径を小さく)しても、内容物がスムースに流れ出る。
(f)請求項7に記載の発明は、多少、手間がかかるものの、容器本体をシャワーヘッドの握り部から取り外さないで、所望するように液状溶剤を補充することができる。
(g)請求項8に記載の発明は、異なる種類の液状溶剤をそれぞれ充填することができる。例えば一つの容器にシャンプーを充填し、他の容器にバスソルトを充填して使用することができる。
(h)請求項9に記載の発明は、容器内の液状溶剤を極力最後まで使い切ることができる。
(i)その他、業務用、家庭用の如何を問わず、室内・室外で手軽に利用することができる。また、可撓性容器を2点以上で確実に支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1乃至図10は本発明の第1実施形態を示す各説明図。他の実施形態は、第1実施形態の図面等を援用する場合もある。
【図1】浴室で使用(シャワー室の場合も含む)する実施形態の概略説明図。
【図2】第1実施形態の斜視からの概略説明図。
【図3】要部の斜視からの概略説明図。
【図4】概略縦断面説明図。
【図5】図4の5−5線断面図。
【図6】図4の6−6線断面図。
【図7】可撓性接続片の栓部を開いて、外部から液状溶剤を充填する概略説明図。
【図8】使用時、栓手段が排出部分を閉じた状態の説明図。
【図9】使用時、栓手段を操作して排出部分を開いた状態の説明図。
【図10】加圧・収縮・排出・混入・噴射の概略説明図。
【図11】オリフィスを加味した第2実施形態の説明図。
【図12】可撓性の容器が複数個である第3実施形態の説明図。
【図13】細長状排出部分が袋状部分の内部にも延在している第4実施形態の説明図。
【図14】第4実施形態の容器の構成を示す斜視図。
【図15】筒状充填部が異なる第5実施形態の概略説明図。
【図16】筒状充填部の概略断面説明図。
【図17】筒状充填部の分解斜視図。
【図18】容器が異なる第6実施形態の斜視からの概略説明図。
【図19】第6実施形態の概略説明図。
【図20】第6実施形態の概略説明図。
【図21】図19の21−21線断面図。
【図22】図19の22−22線断面図。
【図23】第6実施形態の容器の分解斜視図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図1乃至図10に示す本発明を実施するための最良の形態(第1実施形態)により説明する。また、図11乃至図23は他の実施形態である。この欄では、第1実施形態のみを説明する。
【0015】
図1は、浴槽2を有する浴室1で使用(シャワー室のみでの使用する場合も含む)する実施形態の概略説明図である。図1に於いて、本発明の生物用シャワーヘッドXは、その内部に液状物供給容器Yを有している。周知のように、浴室1内には蛇口3が設けられ、該蛇口3にはシャワーホース4の基端部が取り付けられ、その自由端部に本発明の液状物供給容器Y(以下、「容器」という。)を有するシャワーヘッドXが取り付けられる。したがって、浴室1、蛇口3、シャワーホース4、シャワーヘッドXを係止する係止片6は、それぞれ発明の本質的事項ではない。付言すると、シャワーヘッドXを製造、販売、使用等をする行為が直接侵害を構成する。
【0016】
本発明の生物用シャワーヘッドは、公知の特許文献との関係から、例えば図2で示すように、流体を噴射するヘッド部7及びパイプ状の握り部8を有するシャワーヘッドXと、前記握り部8の内部に組み込まれ、かつ該握り部内を流れる流体に混入するための液状溶剤が充填された容器Yとから成る。
【0017】
そして、本発明は、前記容器Yが要部であり、該要部は、図3で示すように、液状溶剤を入れるための筒状充填部10を有する長尺状の袋状部分11と、該袋状部分に連設すると共に前記流体の流れる方向に細長状に延在する排出部分12とから成る可撓性容器である。
【0018】
袋状部分11内の液状溶剤は、使用時、前記可撓性容器Yに前記流体の流体圧が加わると、前記可撓性容器の材質自体の弾性変位の収縮に対応して前記排出部分12から排出される。そして、前記排出部分12は、後述する栓手段31で開閉され、該栓手段31はパイプ状の握り部8の先端部側に取付けられている。
【0019】
次に、図4は概略縦断面説明図、図5は図4の5−5線断面図、図6は図4の6−6線断面図である。図4では、図面上、パイプ状握り部8を縦方向に描いる。したがって、パイプ状握り部8の上端部の螺合部(連結部としてのメネジ)8aにヘッド部7の螺合部(オネジ)7bが螺着(連結)する。一方、パイプ状握り部8の下端部に形成された連結部8bにシャワーホース4の自由端部が連結する。
【0020】
しかして、13は連結部8b側の導入口で、該導入口13には、例えば蛇口3から供給される流体(水道水や温水)aが入り込む。また、14はパイプ状の握り部8の連結部8b寄りの部位に形成された第1の支持孔で、該第1支持孔14には、容器Yの筒状充填部10がシールされた状態で嵌挿する。さらに、15はパイプ状握り部8の上端部寄りの部位に形成された第2の支持孔(例えばメネジ孔)で、この第2支持孔15には、栓手段31の外端部が取り付けられている。
【0021】
したがって、容器Yは、第1支持孔14及び第2支持孔15を介して、かつパイプ状握り部8に沿って該パイプ状握り部に固定的に内装されている。また、容器Yの外周とパイプ状握り部8の内周との間には、流体通過用の間隙17が設定されている。
【0022】
さらに、ヘッド部7は、前述した螺合部(オネジ)7bと、これに弧状に連設する噴射部7aとから成り、パイプ状握り部8の螺合部(メネジ)8aに螺着する。
【0023】
したがって、図面上、パイプ状握り部8の上端部側が流体用の送出口16と成り、該送出口16から混合液cをヘッド7側に圧送することが可能である。付言すると、容器Y内に充填された液状溶剤bが、栓手段31の開閉如何により、容器Yの排出部分12から排出され、パイプ状握り部8を流れる流体aに混入して混合液cとなり、該混合液cがヘッド7側に圧送される(図9参照)。
【0024】
ところで、栓手段31の操作部は、摘み回転式、摘みスライド式等を任意に採用することができるが、本実施形態では、プッシュ式を採用している。また、下端の連結部8a側の導入口13と上端の連結部8a側の送出口16は、同一線上(同じ方向)に位置している。これに対して、第1支持孔14及び第2支持孔15は、前記導入口13及び送出口16にそれぞれ直交している。なお、パイプ状の握り部8は、硬質の合成樹脂材で成形されている。
【0025】
容器Yの筒状充填部10は、袋状部分11の後端部に一体的に突設され、前述した第1支持孔14にシールされた状態で嵌挿している。この実施形態の筒状充填部10は、例えば内端部に逆止弁10aを有すると共に、外端部に可撓性接続片を有する栓部10bが設けられ、該栓部10bは前記筒状充填部10に押し込まれる。このような構成は、例えば特許第3564545号(空気袋用の空気栓)の図4に記載されているが、このような公知又は図示しない新規の構成が適宜に採用される。
【0026】
容器Yの栓手段31は、望ましくは該容器Yの排出部分12を支持すると共に、容器Y内に充填された液状溶剤bの量を調整するために用いられている(開閉弁機能と調整弁機能)。
【0027】
図6は、栓手段31の概略断面説明図である。この図に於いて、32は棒状体の外端部に操作摘み32aを有し、一方、棒状体の内端部にリング状の係止部分32bを有する栓本体で、この栓本体32は第2支持孔15に螺着した筒状螺合体33に貫通状態に嵌挿されていると共に、前記棒状体に巻装された付勢バネ34のバネ力により、常に矢印Aの外方向に付勢されている。したがって、常態では、容器の排出部分12は前記リング状の係止部分32bで閉鎖状態となっている。なお、前記第2支持孔15は、望ましくは図示しないパッキン等の部材により、適宜にシールされている。
【0028】
次に、容器Yについて説明する。容器Yは、軟質のプラスチック袋、軟質ゴム製の袋、これらに類する可撓性素材の袋が使用されている。図5は図4の4−4線断面図である。この図面の左側に筒状充填部10が描かれている。筒状充填部10は、例えば接着層18を介して第1支持孔14にシール状に支持されている。例えば図3で示すように、11は液状溶剤bを収納する袋状部分、12は該袋状部分に連設する細長状の排出部分(管状部分)である。この細長状排出部分12の形態に関しては、例えば先端部に至るに従って先細り状に形成しても良い。容器Yの大きさ、長さ、排出部分の先端部の形状、容器の数等は、任意に設計変更することができる事項である。
【0029】
次に、容器Yへの内容物の充填について説明する。図7は、可撓性接続片の栓部を開いて、外部容器Zを介してパイプ状の握り部8内の容器Yに液状溶剤bを充填する概略説明図である。充填時、容器Yの排出部分12は、栓手段31のリング状係止部分32bで閉止されている。外部容器Zの液状溶剤bを容器Yの袋状部分11に充填する際には、筒状充填部10の栓部10bを手で開き、外部容器Zの先細り状先端部を、図で示すように筒状充填部10に差し込む。そして、外部容器Zを手で絞るようにすると、該外部容器Z内の液状溶剤bは可撓性の逆止弁10aを介して容器Yに注入される。
【0030】
次に、図8は、使用時、栓手段31が排出部分12を閉じた状態の説明図である。図8で示すように、袋状部分11が栓手段31の係止部分32bで閉止されている場合には、容器Yに流体圧が作用しても、容器Yは弾性変位することができないので、導入口13に入り込んだ流体aは、間隙17を通過し、そのまま送出口16を通過する。これに対して、図9は、使用時、栓手段31の栓体32をバネ力に抗してプッシュ操作し、排出部分12を開いた状態の説明図である。また図10は、加圧・収縮・排出・混入・噴射の概略説明図である。
【0031】
特に、図10は、流体aの流体圧が容器Yに加わる点、容器Yが材質自体の弾性変位により収縮する点、容器Yが収縮するのに対応して、その細長状の排出部分12から流路内に液状溶剤bが排出される点、混合液cがヘッド側に流れる点、そして、シャワーヘッドXの噴射部(ノズル部分)7aから混合液cが噴射される点(加圧・収縮・排出・混入・噴射)をそれぞれ示した概略説明図である。
【0032】
このように、本発明の生物用シャワーヘッドは、流体を噴射するヘッド部7及びパイプ状の握り部8を有するシャワーヘッドXと、前記握り部8の内部に組み込まれ、かつ該握り部内を流れる流体に混入するための液状溶剤bが充填された容器Yとから成る生物用シャワーヘッドに於いて、前記容器Yは、前記液状溶剤bを入れるための筒状充填部10を有する袋状部分11と、該袋状部分に連設すると共に前記流体aの流れる方向に細長状に延在する排出部分12とから成る可撓性容器であり、前記液状溶剤bは、使用時、前記可撓性容器に前記流体aの流体圧が加わると、前記可撓性容器の材質自体の弾性変位の収縮に対応して前記排出部分12から排出され、流路を流れる流体(水やお湯)に混入する(特徴事項)。
【実施例】
【0033】
この欄では、図11乃至図23に示す第2実施形態等を説明する。なお、これらの実施形態を説明するにあたって、第1実施形態と同一の部分には、同一又は同様の符号を付して重複する説明を割愛する。
【0034】
まず図11は、オリフィスを加味した第2実施形態の説明図である。この第2実施形態では、パイプ状の握り部8Aの先端連結部8a寄りの部位の内周壁にオリフィス21を形成し、容器Yの細長状の排出部分12が、該オリフィス21へと延在している。
このように構成すると、ベルヌーイの効果を利用することができるので、流体による吸引効果を高めることができる。したがって、液状溶剤が、例えば練状の半流動体であって、かつ可撓性容器の細長状の排出部分12を可能な限り細く(孔径を小さく)しても、内容物がスムースに出るようにすることができる。
【0035】
次に図12は、可撓性の容器Y1、Y1が複数個である第3実施形態の説明図である。この第3実施形態の可撓性の容器Y1、Y1は、いわば第1実施形態の容器Yと構成が同様なものを合計2個用いたが、もちろん、当業者が実施可能の範囲内で、容器Y1の形態を適宜に変更しても良く、また3個や4個であっても良い。さらに、複数の容器Y1、Y1は、一体成形されていても良い。このように構成すると、各容器Y1、Y1に異なる溶剤を入れることができる。
【0036】
次に図13は、細長状排出部分が袋状部分の内部にも延在している第4実施形態の説明図である。この第4実施形態の容器Y2は、内容物(液状溶剤)を可能な限り排出することを目的とした構成である。そこで、容器Y2は、長尺状の袋状部分11Aと、ストロー状の排出部分12Aとから成り、前記ストロー状排出部分12Aの中間部(中間部寄りの部位も含む)は、前記袋状部分11Aの首部分の内周壁に溶着されている。この実施形態では、袋状部分の内部に延在している細長状部分の一部又は全部も袋状部分11Aの内壁の一部又は全部に溶着されている。図14は第4実施形態の容器Y2の構成を示す斜視図である。第4実施形態の栓手段31は第1実施形態と同様である。
【0037】
次に図15乃至図17は、筒状充填部が異なる第5実施形態の各説明図である。この第5実施形態の容器Y3の筒状充填部10Aは、その内部に組み込まれた逆止弁23に特徴がある。逆止弁23は、例えば円形盤状に形成され、かつ中央部に単数(本実施例)又は複数のスリット24aを有する内側弾性内弁24と、この内側弾性内弁24に密着状態に重なり合うと共に、該内側弾性内弁24と同一の円盤状に形成され、かつ中央部に単数(本実施例)又は複数のスリット25aを有する外側弾性内弁25とから成り、前記内外のスリット24a、25aは、互いに「+(直交)」状に交差している。逆止弁23が、少なくとも内外の弾性弁24、25から構成されているので、これらの弾性弁24,25を収納する筒状充填部10Aは、それぞれ不番の注入口を有する内外の筒状螺合体26、27を必要としている。 そして、前記内側の筒状螺合体26は、環状の係止鍔26aと、これに連設する螺合部分(メス側)26bとから成り、一方、前記外側の筒状螺合体26は、環状のフランジ27aと、これに連設する螺合部分(オス側)27bとから成り、両者26,27は前記弾性弁24,25を収納した状態で一体的螺合している。このように構成すると、図示しない注射針のような外部容器を用いて、液状溶剤を容器内に容易に注入することができる。
【0038】
最後に図18乃至図23は、第6実施形態の各説明図である。この6実施形態が第1実施形態と主に異なる点は、(a)第2実施形態と同様にオリフィス21を有する点、(b)容器Y4が異なる点である。オリフィス21の相違点に関しては、第2実施形態の説明を援用する。
【0039】
しかして、液状溶剤を入れるための筒状充填部10Bは、袋状部分11の筒状後端部であり、該筒状後端部には、弧状の流体用案内孔42,42を複数有する蓋体41が一体的に嵌合し、さらに、該蓋体41は、前記筒状後端部に螺着する継手43に支持されている。
【0040】
このように構成すると、充填時、まず、継手43を外し、次に、蓋体41を袋状部分11の筒状後端部から外して液状溶剤を入れることができる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、主に病院、老人用介護施設、美容院等で、水道水の水圧を利用して、入院患者、老人、顧客等に対して、シャワーを浴びさせる際に利用される。
【符号の説明】
【0042】
X…シャワーヘッド、Y、Y1、Y2、Y3、Y4…可撓性容器、Z…外部容器、a…流体、b…液状溶剤、c…混合液、1…浴室、3…蛇口、4…シャワーホース、7…ヘッド部、8、8A…パイプ状の握り部、10、10A、10B…筒状充填部、10a、23…逆止弁、10b…栓部、11…袋状部分、12…排出部分、13…導入口、14…第1の支持孔、15…第2の支持孔、16…送出口、17…間隙、21…オリフィス、31…栓手段、41…蓋体、43…継手。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を噴射するヘッド部及びパイプ状の握り部を有するシャワーヘッドと、前記握り部の内部に組み込まれ、かつ該握り部内を流れる流体に混入するための液状溶剤が充填された容器とから成る生物用シャワーヘッドに於いて、前記容器は、前記液状溶剤を入れるための筒状充填部を有する袋状部分と、該袋状部分に連設すると共に前記流体の流れる方向に細長状に延在する排出部分とから成る可撓性容器であり、前記液状溶剤は、使用時、前記可撓性容器に前記流体の流体圧が加わると、前記可撓性容器の材質自体の弾性変位の収縮に対応して前記排出部分から排出される生物用シャワーヘッド。
【請求項2】
請求項1に於いて、パイプ状の握り部に支持孔が形成され、該支持孔には、袋状部分に一体的に突設された筒状充填部がシールされた状態で嵌挿していることを特徴とする生物用シャワーヘッド。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に於いて、筒状充填部内には、スリットを有する内外の弾性弁から成る逆止弁が設けられていることを特徴とする生物用シャワーヘッド。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に於いて、筒状充填部には、逆止弁が設けられていると共に、可撓性接続片を有する栓部が設けられ、該栓部は前記筒状充填部に押し込まれることを特徴とする生物用シャワーヘッド。
【請求項5】
請求項1に於いて、パイプ状の握り部には、排出部分を開閉する栓手段が設けられていることを特徴とする生物用シャワーヘッド。
【請求項6】
請求項1に於いて、細長状排出部分は、パイプ状の握り部の内周壁に形成されたオリフィスへと延在していることを特徴とする生物用シャワーヘッド。
【請求項7】
請求項1に於いて、液状溶剤を入れるための筒状充填部は、袋状部分の筒状後端部であり、該筒状後端部には、流体用案内孔を有する蓋体が一体的に嵌合し、さらに、該蓋体は、前記筒状後端部に螺着する継手に支持されていることを特徴とする生物用シャワーヘッド。
【請求項8】
請求項1に於いて、液状溶剤を入れるための筒状充填部を有する袋状部分及び細長状の排出部分を有する容器は、複数個存在し、前記細長状の排出部分は、パイプ状の握り部に形成された支持孔に、前記筒状充填部がシールされた状態で嵌挿していることを特徴とする生物用シャワーヘッド。
【請求項9】
請求項1に於いて、細長状に延在する排出部分が、袋状部分の内部にも延在していることを特徴とする生物用シャワーヘッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−235741(P2012−235741A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−107133(P2011−107133)
【出願日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(511219375)
【Fターム(参考)】