生物由来の素材を用いて生成された接着パネル製品に関する内部結合強度試験の一貫性を向上させるための装置


本発明は、内部結合強度試験を行ううえで適する、生物由来の素材を用いて生成された接着パネル製品試験片を用意するための装置を提供しており、この装置は、基台2と、圧搾プレート3と、該圧搾プレート3を特定の圧力で前記基台2に向かい移動させることができるアクチュエータ4とを備えていて、生物由来の素材を用いて生成パネルの試験片への少なくとも1つのプレートの結合を可能にしている。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部結合強度試験を行うのに適する、生物由来の素材を用いて生成された接着パネル製品(a glued bio-based panel product)の試験片を用意するための装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
生物由来の素材を用いたパネルを製造する製造産業では、生物由来の繊維の粒子を接着及び圧縮する技術を用いて、広範囲の分野で使用するために適する程度の耐久性を有する板状のパネル製品を製造している。製造工程において、原料繊維、木材粒子もしくは木材片のような生物由来の紙料は、所定量の接着剤もしくはにかわと混合され、その後、圧搾して板紙にすることが可能なルーズマット(loose mat)に形成される。圧搾工程では、加熱された金属圧盤を介して高い温度及び圧力を加えることによって、特定のにかわの重合に必要な状態を作っている。重合されたにかわは、紙料の粒子間に結合力をもたらし、そのため、所要の最終用途に適する良好な機械的強度特性がパネル製品に与えられる。
【0003】
パネル内の内部結合は、該パネルの強度特性の点で重要であり、従って、一貫性のある品質のパネル製品が確実に製造されるためには、内部結合強度を精確に且つ持続的に測定しうることが重要である。このため、一般にIB試験と称されている内部結合強度試験は、製造工程における品質モニタリングをする上で重要な手段である。ボード製造プラントでは、製品の品質保証のために現場に用意された実験室でこの種の試験が日常的に行われている。
【0004】
IB試験を行う標準の手順は、試験片となるボードの2面に金属プレートをそれぞれ接着する工程を含んでいる。これら2枚のプレートを引っ張って離しながら、ボードの内部構造が壊れるまでの期間、加えられた力を測定する。その結果が内部結合強度の品質の目安である。この試験では、損傷はパネル内に起きるものであって、金属プレートとパネルとの結合箇所には起きることがないわけであるから、金属プレートとボード表面との間の結合箇所が影響して試験中のボードの振る舞いを妨げることはあってはならない。不完全な結合によって、その試験の変動性が生じる結果となる。
【0005】
試験について国際的に順守されている標準(例えばAS/NZS 4266:06)が既に定められており、該標準は、試験が行われる度にこの標準に従うよう精確に行われねばならない。しかしながら、これらの手順は、時間を浪費すると共に試験者による試験ミスを招きがちであり、従って、特定の実験室内で読み取った値にでも、そしてある実験室で読み取った値と別の実験室で読み取った値にでも、ばらつきが生ずるのを免れられない。この標準の手順に完全に適合するのに要する時間もまた、これらの方法を商業生産に使用することを阻害する要因となる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、内部結合試験の標準化を改善する、もしくは少なくとも有用な代替手段を提供するべく、ボードの試験片と金属プレートの結合のばらつきを減少するための装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の形態によると、本発明は、生物由来の素材を用いて生成されたパネルの試験片を1つ以上のプレートに結合するための装置であって、
基台と、
圧搾プレートと、
前記圧搾プレートを所定の圧力で前記基台に向かい移動させることができるアクチュエータと、
を備える装置を提供する。
【0008】
前記基台及び/又は前記圧搾プレートは冷却ユニットを含むことができる。この冷却ユニットは流体援用温度制御装置を有していてもよい。
【0009】
前記基台及び/又は前記圧搾プレートは、該基台及び/又は該圧搾プレートを予め加熱する加熱ユニットを含んでいてよい。
【0010】
前記加熱ユニットは、電気加熱素子であり、前記基台及び/又は前記圧搾プレートに一体化することができる。この構成の代わりに、該加熱ユニットを外部に設け、例えば加熱された流体を介して、熱交換器を経て前記基台及び/又は前記圧搾プレートに熱を供給するようにしてもよい。
【0011】
また、前記加熱ユニットは、基台及び/又は前記圧搾プレートが所定温度に加熱される又は所定温度に維持されるのを確実にするサーモスタットを含む。
【0012】
前記アクチュエータは、電気的アクチュエータで構成してもよく、或いは空気圧ラム又は油圧ラムで構成してもよい。
【0013】
本発明は、第2の形態において、生物由来の素材を用いて生成されたパネルの試験片と内部結合強度試験の際に使用するうえで適する1つ以上のプレートとを結合するための方法であって、
生物由来の素材を用いて生成されたパネルの試験片を用意するステップと、
前記試験片の少なくとも一側面とプレートとの間に接着剤を付与するステップと、
請求項1に記載の装置を用いて、前記試験片と少なくとも一つの前記プレートに、該試験片と該プレートを前記接着剤によって結合させるために十分な期間、圧力を加えるステップと、
を含む方法を提供している。
【0014】
この方法は、前記基台及び/又は圧搾プレートを所定温度まで予め加熱しておく追加のステップをさらに含む。該所定温度は、前記圧力を加えるステップの間、設定時間にわたり維持されている。
【0015】
また、この方法は、前記圧力を加えるステップの間、前記基台及び/又は圧搾プレートを冷却するステップも含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明による装置の側面図を示している。
【図2】本発明による複数の装置の配列の斜視図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、添付図面を参照し一例として以下に説明されるであろう。
【0018】
図1に例示したように、装置1は基台2を備えている。この基台2は、該基台2から温度を取り去るのを助ける温度制御装置(図示せず)を含むことができる。該温度制御装置は、素子であってもよく、或いは流体援用式のものであってもよい。また、該基台2は、該基台2を加熱するため及び/又は該基台を所定温度に維持するため、通常はサーモスタットと一体化された加熱ユニットを含む。
【0019】
この加熱ユニットは、基台2の内部にある例えば素子とすることができる。この構成の代わりに、熱源が基台2の外部にあり、例えば流体を介して熱交換により基台2に供給されてもよい。このような場合、加熱ユニット及び温度制御装置は一体化されていて、加熱された流体が基台2を加熱するために供給されると共に、冷却された流体が基台2から熱を取るため供給されることができる。
【0020】
基台2の上方にあるのはアクチュエータ4に接続された圧搾プレート3である。アクチュエータは、設定された力で基台2に向かい上方の圧搾プレート3を移動させることができる。また、明らかなように、アクチュエータは、基台2に接続されていてもよく、基台2を圧搾プレート3に向かい移動させてもよい。従って、圧力を付与するシステムは上方にあっても又は下方にあってもよいことが分かる。
【0021】
圧搾プレート3もまた基台2について記載したような温度制御装置及び/又は加熱ユニットを含むことができる。
【0022】
使用に際し、生物由来の素材を用いて生成されたパネル製品の試験片5を下側プレート6と上側プレート7との間に置くが、各界面の間には感温及び/又は感圧接着剤、或いはホットメルト接着剤の層がある。下側プレート6及び上側プレート7は所定温度まで予め加熱されていてよい。或いは、基台2及び圧搾プレート3を所望温度まで予め加熱しておき、これらが使用中に下側プレート6及び上側プレート7を加熱するようにしてもよい。この試験片5、下側プレート6及び上側プレート7は、基台2と圧搾プレート3がまだ所定位置に位置していなければ、次いで基台2と圧搾プレート3との間に置かれる。アクチュエータ4は、その後、圧搾プレート3を下降して上側プレート7に接触させる。次いでアクチュエータ4は、設定時間の間、所定の力を上側プレート7、パネル製品の試験片5及び下側プレート6に加える。加熱された下側プレート6及び上側プレート7は感熱接着剤を溶融させる。装置により加えられる圧力によって、パネル製品の試験片5及びプレート6、7を一様に接触させるべく、パネル製品の試験片5及びプレート6、7の間を感熱接着剤が一様に広がる。そして、感熱接着剤は低温になると共にパネル製品の試験片5及びプレート6、7と結合する。基台2及び/又は圧搾プレート3に設けられた流体援用温度ユニットは、熱が両プレートから逃げるように伝導するのを助けて、感熱接着剤の一様な冷却を確実にする。
【0023】
基台2と、圧搾プレート3と、及び/又は下側プレート及び上側プレート7とを予め加熱する所定温度は、使用されている特定の感熱接着剤による。基台2及び/又は圧搾プレート3への加熱は、アクチュエータ4により圧力が付与されている間の設定時間にわたり、この間に接着剤が溶融・拡散する。この圧力の付与は、システムが冷却を開始するまで継続する。同様に、タイマー及びアクチュエータ4により加えられる圧力は、使用される接着剤、試験される複合ボード及び試験方法を含む特定の用途に応じて変わりうる。
【0024】
設定した力を圧搾プレート3に加えることができることができるのであれば、任意の適当なアクチュエータを使用することができる。
【0025】
随意であるが、装置は、アクチュエータ4により加えられる圧力、この圧力が作用する期間、または、基台2及び/又は圧搾プレート3の温度、を自動的に調整する中央処理ユニットによって制御されるようにしてもよい。
【0026】
感熱接着剤又は熱溶融型接着剤は当該技術で知られており、任意の適当な接着剤を本発明において使用することができる。他の接着剤も使用することができる。例えば、感圧接着剤も使用することができ、その場合、下側プレート6及び上側プレート7、基台2及び/又は圧搾プレート3の加熱は必ずしも必要とされない。接着剤の主な必要条件は、接着剤がプレートとパネルとの間に該パネルの内部結合よりも大きな結合をもたらして、パネルの内部結合の試験中、パネル内にのみ損傷が起こるようにすることであることが分かるであろう。このような接着剤は当該技術において良く知られている。
【0027】
図2に示すように、複数の装置を互いにグループ化した1つ以上の試験片ボードを上側プレート6及び下側プレート7に結合させることもできる。複数の装置は、各装置へのアクセスを容易にするように円形のパターンに配列してもよく、或いはその他のパターンにして配列してもよい。
【0028】
この装置1は、内部結合強度試験のためのパネルの試験片を調整するべく使用されたときに結果のばらつきを減少させることを示した。本発明による装置によって生成された試験片を用い行われた内部結合強度試験結果は、驚くほど一貫性を有している。複数の実験室で測定された結果を比較すると、同じ実験室内の複数人の試験者から得られた試験結果においてもまた1つの実験室の同じ試験者から得られた試験結果においても、その差に減少が見られる。
【0029】
該装置の設計原理は、国際標準を遵守しており、また、接着中の接着剤及び試験片の温度、試験片の接着中に該試験片に加えられる圧力、該圧力が試験片に加えれる時間、冷却の速度、及び試験を行っているときの温度を制御するものである。これらパラメータの幾つかはこの装置に使用されることなく制御されることができるが、本発明の装置は、これらのパラメータを使用して制御することにより、諸状態の正確な再現が可能であり、そして試験結果のばらつきを減らすことができる。また、この装置は、オペレータによる入力の時間についても、プロセスの開始から終了までの時間についても、手動のシステムよりも速いことが確認された。
【0030】
一貫した結果を得るには、圧力、温度及び時間の条件を制御することが重要な要因である。空気圧ラム又は類似の圧力制御装置によって制御された圧力と、一定時間にわたる、又は所定の内部温度になるまでの正確な温度の維持と、の組合せは試験の安定性及び再現性を大きく向上させることが分かった。試験を標準的に行う場合、結合プロセスに対してこの安定な状態が納得のいくように起こるのを維持することは可能ではない。
【0031】
上述の記載において、既知の均等物を有する特徴について言及してきたが、これらの均等物は、本明細書では、明確に説明されたものと仮定して、組み入れられている。
【0032】
本発明は一例として記載されているが、本発明の範囲から逸脱することなく改変及び変形が可能であることを理解すべきである。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物由来の素材を用いて生成されたパネルの試験片を1つ以上のプレートに結合するための装置であって、
基台と、
圧搾プレートと、
前記圧搾プレートを所定の圧力で前記基台に向かい移動させることができるアクチュエータと、
を備える装置。
【請求項2】
前記基台及び/又は前記圧搾プレートは、冷却ユニットを含んでいる請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記冷却ユニットは、流体援用温度制御装置を有する請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記基台及び/又は前記圧搾プレートは、加熱ユニットを備えている請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記加熱ユニットは、電気加熱素子である請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記加熱ユニットは、外部流体加熱ユニット及び熱交換器を有する請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記加熱ユニットは、サーモスタットを含んでいる請求項4に記載の装置。
【請求項8】
前記アクチュエータは、電気アクチュエータである請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記アクチュエータは、空気圧ラム又は油圧ラムである請求項1に記載の装置。
【請求項10】
生物由来の素材を用いて生成されたパネルの試験片と内部結合強度試験の際に使用するうえで適する1つ以上のプレートとを結合するための方法であって、
生物由来の素材を用いて生成されたパネルの試験片を用意するステップと、
前記試験片の少なくとも一側面とプレートとの間に接着剤を付与するステップと、
請求項1に記載の装置を用いて、前記試験片と少なくとも一つの前記プレートに、該試験片と該プレートを前記接着剤によって結合させるために十分な期間、圧力を加えるステップと、
を含む方法。
【請求項11】
前記圧力を加えるステップは、前記試験片と少なくとも1つの前記プレートに加えることを含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記圧力を加えるステップの間に熱を供給するために、前記プレートを予め加熱する追加のステップを有する請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記基台及び/又は前記圧搾プレートを所定温度に予め加熱するステップを含む請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記基台及び/又は前記圧搾プレートが加熱される所定温度は、前記圧力を加えるステップの間、設定時間にわたり維持されている請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記基台及び/又は前記圧搾プレートは、前記圧力を加えるステップの間、冷却されている請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記接着剤は、感熱接着剤である請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記接着剤は、感圧接着剤である請求項10に記載の方法。


【図1】

【図2】


【公表番号】特表2009−538432(P2009−538432A)
【公表日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
物理学 | 測定;試験 | 材料の化学的または物理的性質の決定による材料の調査または分析 | 機械的応力の負荷による固体材料の強さの調査 | 細部 | チヤック
物理学 | 測定;試験 | 材料の化学的または物理的性質の決定による材料の調査または分析 | 機械的応力の負荷による固体材料の強さの調査
物理学 | 測定;試験 | 材料の化学的または物理的性質の決定による材料の調査または分析 | サンプリング;調査用標本の調製 | 調査用標本の調製
【出願番号】特願2009−513083(P2009−513083)
【出願日】平成19年5月28日(2007.5.28)
【国際出願番号】PCT/NZ2007/000128
【国際公開番号】WO2007/139400
【国際公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【出願人】(508349540)
【Fターム(参考)】
サンプリング、試料調製 | 試料の相 | 処理する試料の相 | 固相
サンプリング、試料調製 | 熱、相変化を利用した処理 | 加熱
サンプリング、試料調製 | 熱、相変化を利用した処理 | 冷却
サンプリング、試料調製 | 上記以外の処理、加工技術 | 成形
サンプリング、試料調製 | 分析方法、装置 | 機械的方法によるもの | 応力の付加 | 引張・圧縮・曲げ・挫屈試験
機械的応力負荷による材料の強さの調査 | 調査方法;試験の仕方 | 引張試験
機械的応力負荷による材料の強さの調査 | 力を掛ける方法(時間的、空間的) | 静的負荷による試験
機械的応力負荷による材料の強さの調査 | 調査対象項目 | 強度 | 破壊強度
機械的応力負荷による材料の強さの調査 | 試験片、材料 | 有機材料 | 木材
機械的応力負荷による材料の強さの調査 | 試験片、材料 | 複合材料 | 層状材料(積層体等)
機械的応力負荷による材料の強さの調査 | 試験片、形状、構造及び部分、部品 | シート状
機械的応力負荷による材料の強さの調査 | 測定対象 | 荷重