説明

生理用タンポンの位置確認シート、生理用タンポンの説明書、生理用タンポンの包装袋及び生理用タンポンの収容体

【課題】吸収体の挿入位置を使用者が把握して、適切な位置に吸収体を配置することができる生理用タンポンの位置確認シートを提供する。
【解決手段】生理用タンポンの位置確認シート20は、吸収体が体内に挿入された状態で体外に配置された紐状部材に対して、位置確認シートを合わせる位置を示す配置指標部21と、吸収体が適切に前記体内に挿入され、かつ配置指標部に基づいて位置確認シートが紐状部材に合わせて配置された状態で、体外に配置された紐末端12dの適切な位置を示す挿入位置指標部22と、を有していることを要旨とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生理用タンポンの吸収体が体内に挿入された状態で、吸収体が適切な位置に配置されたか否かを使用者が確認できる生理用タンポンの位置確認シート等に関する。
【背景技術】
【0002】
生理用タンポンは、膣内に配置されて体液を吸収する吸収体と、この吸収体から延出する紐状部材とを有する。使用者は、生理用タンポンを使用する際に、タンポン用アプリケータ等を用いて吸収体を膣内の適切な位置に配置する。このとき、生理用タンポンの紐状部材は、その一端が吸収体と共に膣内に配置されているが、他端が身体の外側に配置されている。
【0003】
特許文献1に記載の生理用タンポンは、紐状部材に着色が施された着色部分が設けられている。着色部分は、紐状部材の中央部から先端部に設けられている。使用者は、膣内に吸収体が配置された状態で紐状部材の着色部分を視認できる。
【0004】
吸収体が膣内の適切な位置に配置された状態では、着色部分が着用者側に位置し、吸収体が膣内の適切な位置に配置されていない状態(挿入深さが短い状態)では、適切な位置に配置された状態よりも着色部分が着用者から離れて位置する。よって、使用者は、紐状部材の着色部分の位置を確認することにより、吸収体の挿入深さを把握することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−175076号公報(図2等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、出願人は、上述の生理用タンポンについて、以下のような問題点を発見した。
【0007】
紐状部材は、吸収体を膣内に挿入した状態で膣口に近接して配置されているため、経血等で汚れてしまうおそれがある。紐状部材が経血等によって汚れてしまうと、吸収体の挿入状態を把握するための目印を視認し難くなるおそれがある。
【0008】
また、紐状部材は、吸収体が膣内に挿入された状態で、その一部が体内に配置される。このように体内に挿入される紐状部材が着色されていると、使用者によっては、着色剤等による衛生面を気にすることがある。更に、使用者によっては、着色部分を体内に挿入しないようにするために、吸収体の挿入深さが短くなってしまうことがある。すなわち、紐状部材に着色部分が設けられていることにより、却って吸収体を適切な位置に配置できないことがある。
【0009】
更に、タンポン用アプリケータを用いて吸収体を挿入する場合には、紐状部材の着色部分は、アプリケータによって覆われており、使用者が視認できないことがある。よって、吸収体を挿入する際に、吸収体が適切な位置に配置されているか否かを把握できないおそれがある。
【0010】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、吸収体の挿入位置を使用者が把握して、適切な位置に吸収体を配置することができる生理用タンポンの位置確認シート等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決するため、本開示に係る生理用タンポンの位置確認シート(位置確認シート20)は、吸収体(吸収体11)と、膣内への挿入方向における前記吸収体の末端(末端11b)から延出する紐状部材(紐状部材12)とを有する生理用タンポンに用いられ、前記吸収体を体内に挿入した状態で体外に配置される紐状部材の端部の位置を確認するための生理用タンポンの位置確認シートであって、前記吸収体が前記体内に挿入された状態で前記体外に配置された前記紐状部材に対して、前記位置確認シートを合わせる位置を示す配置指標部(配置指標部21)と、前記吸収体が適切に前記体内に挿入され、かつ前記配置指標部に基づいて前記位置確認シートが前記紐状部材に合わせて配置された状態で、前記体外に配置された前記紐状部材の端部(紐末端12d)の適切な位置を示す挿入位置指標部(挿入位置指標部22)と、を有していることを要旨とする。
【0012】
本開示に係る生理用タンポンの説明書(説明書30)は、上述の位置確認シートを有し、生理用タンポンの使用態様を表示する使用表示部(使用表示部33)を有することを要旨とする。
【0013】
本発明に係る生理用タンポンの包装袋(包装袋40)は、上述の位置確認シートを有し、生理用タンポンを個別に包装する生理用タンポンの包装袋であって、前記挿入位置指標部は、前記包装袋の外面に配置されていることを要旨とする。
【0014】
本発明に係る生理用タンポンの収容体(収容体50)は、上述の位置確認シートを有し、複数の生理用タンポンを収容する生理用タンポンの収容体であって、前記挿入位置指標部は、前記収容体の外面に配置されていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0015】
本開示に係る生理用タンポンの位置確認シート、生理用タンポンの説明書、生理用タンポンの包装袋及び生理用タンポンの収容体によれば、位置確認シート等を配置指標部に基づいて配置することにより、使用者は、体外に配置される紐状部材の端部と挿入位置指標部との位置関係に基づいて、吸収体が体内に適切に配置されているか否かを把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1の実施形態に係る生理用タンポン及び位置確認シートの平面図である。
【図2】第1の実施形態に係るアプリケータ式タンポンの側面図である。
【図3】第1の実施形態に係るアプリケータ式タンポン及び位置確認シートの使用状態を示す模式断面図である。
【図4】第1の実施形態に係る位置確認シートの使用状態を示す図である。
【図5】変形例1から変形例4に係る位置確認シートの平面図である。
【図6】変形例5から変形例8に係る位置確認シートの平面図である。
【図7】第2の実施形態に係る生理用タンポンの説明書の平面図である。
【図8】第3の実施形態に係る生理用タンポンの包装体及び生理用タンポンの収容袋を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1の実施形態)
図1から図4を参照して、第1の実施形態に係る生理用タンポンの位置確認シートについて説明する。図1は、第1の実施形態に係る生理用タンポン及び位置確認シートの平面図である。図2は、アプリケータ式タンポンの側面図である。
【0018】
アプリケータ式タンポン1は、外筒2と内筒3とを有するタンポン用アプリケータと、その内部に収容される生理用タンポン10と、を備える。外筒2及び内筒3は、内部に中空部を有する筒形状である。外筒2と内筒3の断面形状は、正円形である。外筒2及び内筒3は、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、または表面をポリオレフィンフィルムでラミネートした厚紙によって全体が形成されている。なお、本実施の形態に係る外筒2及び内筒3の断面形状は、正円形であるが、本発明に係る外筒2及び内筒3の断面形状は、膣内に挿入し易い形状であればよく、例えば、楕円形であってもよい。
【0019】
外筒2の内部には、生理用タンポン10を構成する吸収体11が収容されている。生理用タンポン10は、吸収体11と、吸収体11から延出する紐状部材12と、を有する。吸収体11は、後述する外筒2の押し出し開口8側に位置し、膣内への挿入方向における先端11aと、膣内への挿入方向における末端11bとを有する。紐状部材12は、吸収体11に縫い付けられたり、引っ掛けられたり、接着剤等で接合されたりすることによって、吸収体11に付されている。
【0020】
紐状部材12は、吸収体11の末端11bから内筒3の内部を挿通し、その端部が内筒3から抜き出されている。紐状部材12の吸収体11側の端部である紐先端12cは、吸収体11に固定されており、紐状部材12の他端である紐末端12dは、自由端である。使用者は、吸収体11が膣内に配置された状態で紐状部材12を引っ張ることにより、吸収体11を膣内から引き抜くことができる。
【0021】
吸収体11は、レーヨン、綿、合成繊維など吸収性製品に一般に使用される多種多様な流体吸収性材料によって構成される。吸収体11の他の材料としては、縮みセルロース詰め物、捲縮性の合成繊維、発泡体、ティッシュやティッシュラミネートを含むもの、又は、それらと同等の材料もしくは、それらと同等の材料の組合せを例示することができる。
【0022】
位置確認シート20は、生理用タンポン10の吸収体11が体内に挿入された状態で体外に配置される(膣口から露出している)紐状部材12の端部の位置を確認し、吸収体11が適切な位置に挿入されているか否かを使用者が確認するためのシートである。
【0023】
位置確認シート20は、吸収体11が体内に挿入された状態で体外に配置された紐状部材12に対して、位置確認シート20を合わせる位置を示す配置指標部21と、吸収体が適切に体内に挿入され、かつ配置指標部21に基づいて位置確認シート20が配置された状態における紐末端12dの適切な位置を示す挿入位置指標部22と、を有する。
【0024】
位置確認シート20は、シート状の紙によって形成されている。なお、位置確認シートの材質は、紙に限られず、ダンボール、ラミネート、ウレタンフォーム、シリコン、ゴム、その他の材料で構成されていても良い。本実施の形態に係る位置確認シート20は、紙の表面にインクジェット印刷が施されている。
【0025】
配置指標部21は、位置確認シートを使用する際に、位置確認シートの向きや着用者の体に対する位置を示す。本実施の形態では、位置確認シートを使用する際に、着用者の体側(膣口側)に位置する部分に「体側」の文字を表示している。なお、配置指標部21は、位置確認シートの位置や配置する方向を示すように構成されていればよく、表示する内容は、体側に限定されず、膣側、紐端部側等、他の内容であってもよいし、紐や生理用タンポン等の絵柄によって位置を示してもよい。
【0026】
挿入位置指標部22は、紐状部材の適切な位置を表示している。本実施の形態では、吸収体11が適切な位置に挿入された場合に紐末端12dが位置する部分に「ここまで」の文字を表示した適切位置指標部22aと、吸収体11の挿入が浅い場合に紐末端12dが位置する部分に「浅い」の文字を表示した不適切位置指標部22bと、を有する。
【0027】
なお、配置指標部21及び挿入位置指標部22には、位置等を示す情報表示部と合わせて、色、模様、文字、線が付されていてもよい。また、位置確認シートの平面形状は、長方形に限られず、楕円型、円型、方形、ダイア型、矢印型、花型、流れ星型等であってもよい。
【0028】
位置確認シートの幅方向の寸法Laは、位置確認シートを把持し易く、かつ配置指標部等の設けるための寸法を考慮して、5mm以上が好ましい。しかし、位置確認シートの幅方向の寸法Laが長すぎると、使用時に股間部に配置し難く、扱いにくくなる。よって、位置確認シートの幅方向の寸法は、20mm以下であることが望ましい。
【0029】
位置確認シートの長手方向の寸法Lbは、膣口から露出する紐状部材の長さを含むように構成されていればよく、例えば、100mm〜200mm程度とすることができる。本実施の形態に係る位置確認シートの幅方向の寸法Laは、7mmであり、長手方向の寸法は、150mmである。
【0030】
また、挿入位置指標部22は、位置確認シートの体側の端部から70mm〜90mmの範囲内に紐末端12dが位置する場合に、挿入位置が適切であることを示すように構成されている。本実施の形態の吸収体11の長手方向の寸法Lcは、45mmであり、内筒3の長手方向Lの寸法は、70mmである。このアプリケータ式タンポン1においては、適切な位置に吸収体11が配置された場合に膣内に配置される紐状部材12の長さは、43mm程度になる。紐状部材12の長手方向Lの寸法Ldは、113mm〜133mmである。よって、膣口から体外に出る紐状部材の長さは、70mm〜90mmでとなることが望ましい。
【0031】
なお、吸収体30の挿入位置は、吸収体11の先端11aの膣口からの距離が少なくとも70mm以上であることが好ましく、挿入位置の範囲としては、一般的に70mm〜150mmであることが好ましい。この範囲に吸収体11の先端11aが位置している場合には、違和感が生じ難くなる。
【0032】
次いで、このように構成された位置確認シートの使用態様について、図3及び図4を参照して説明する。図3は、アプリケータ式タンポン及び位置確認シートの使用状態を示す図である。使用者は、吸収体11を使用する際に、まず外筒2を膣101の適切な位置まで挿入する。図3(a)は、外筒2を膣101の適切な位置まで挿入した状態を示している。
【0033】
次いで、使用者は、膣内の所定の位置まで外筒2を挿入した後、内筒3を外筒2側に向けて押圧する。吸収体11は、外筒2の押し出し開口8から押し出され、吸収体11が膣101内に配置される。図3(b)は、吸収体11が膣内に押し出された状態を示した図である。
【0034】
使用者は、位置確認シート20を配置指標部21に基づいて配置して、紐状部材12の紐末端12dと挿入位置指標部22との位置関係を確認する。図4は、配置指標部21に基づいて位置確認シート20を配置し、使用者から見た状態を模式的に示している。図4に示す状態において、紐末端12dが適切位置指標部22a内に位置した場合は、吸収体11が適切な位置に配置されていると判定でき、紐末端が、不適切位置指標部22b内に位置した場合は、吸収体が不適的な位置に配置されていると判定できる。
【0035】
そして、使用者は、外筒2及び内筒2を膣内から抜き出す。吸収体11は、膣内に配置され、紐状部材の紐末端側が体外に配置される。図3(c)は、吸収体が膣内に配置された状態を示している。
【0036】
位置確認シート20を用いることにより、使用者は、体外に配置される紐末端12dと挿入位置指標部22との位置関係に基づいて、吸収体11が体内に適切に配置されているか否かを把握することができる。
【0037】
例えば、使用者は、吸収体11が適切な位置に配置されたことを把握することにより、安心感を得ることができる。一方、使用者は、不適切な位置に吸収体が配置されたことを把握することにより、必要に応じて生理用タンポンを配置し直すことができる。また、次回生理用タンポンを使用する際の挿入深さの目安にすることができる。このようにして、吸収体11を適切な位置に配置することにより、使用者は、使用時の違和感が少なくなり、生理用タンポンの使用を快適に感じることができる。特に、生理用タンポンの扱いになれていない初心者にとっては、自身の挿入位置が正しいか否かを直ぐに把握でき、挿入位置の不安感を解消できる。
【0038】
また、従来の生理用タンポンのように、体に挿入する紐状部材12に着色部分が施されている構成と比較して、体に挿入する部分に着色や目印等の異物がないため、使用者の衛生面における不安を解消できる。
【0039】
また、生理用タンポンのうち最も膣口から離れた紐末端12dを、位置確認シートに合わせて吸収体の位置を確認できるため、紐状部材の中心を把持したり、膣口近傍をのぞき込んだりする必要がない。よって、吸収体の挿入位置を確認する際に、手が汚れることがなく、かつ膣口を覗くといった不快な行動が不要となり、使用者の心理的負担を軽減できる。
【0040】
なお、位置確認シートの使用方法や測定方法による吸収体の位置確認方法について、生理用タンポンを収容する収容体や生理用タンポンの説明書等の生理用タンポンの付属品に表示することが望ましい。
【0041】
次いで、図5及び図6を参照して、変形例1〜8に係る位置確認シートについて説明する。なお、変形例の説明においては、第1の実施形態と異なる構成について説明し、同様の構成については同符号を用いて説明を省略する。図5(a)〜図5(d)は、変形例1〜変形例4に係る位置確認シートの平面図であり、図6(a)〜図6(d)は、変形例5〜変形例8に係る位置確認シートの平面図である。
【0042】
変形例1に係る位置確認シート20Aは、図5(a)に示すように、挿入位置指標部22が適切位置指標部22aのみによって構成され、不適切位置指標部を備えていない。
【0043】
変形例2に係る位置確認シート20Bは、図5(b)に示すように、挿入位置指標部22が、位置確認シートの挿入方向における後端部に設けられ、位置確認シートの挿入方向における長さによって体外に配置された紐状部材の端部の適切な位置を示すように構成されている。変形例2に係る位置確認シートの長手方向の寸法Leは、70mm〜90mmである。
【0044】
変形例2に係る位置確認シートによれば、紐末端が位置確認シートの端部に位置するか否かで、適切に吸収体を挿入できたか否かを把握することができる。よって、目視にて紐末端の位置を確認できない場合であっても、触感によって紐末端が位置確認シートの端部に位置するか否かを判定することができ、比較的暗いトイレ等においても好適に用いることができる。
【0045】
変形例3に係る位置確認シート20Cは、図5(c)に示すように、配置指標部21が複数設けられており、挿入位置指標部22が線によって区切られた一定の領域である。
【0046】
変形例4に係る位置確認シート20Dは、図5(d)に示すように、挿入位置指標部22が、吸収体の挿入方向である長手方向Lに隣接して複数配置されている。複数の挿入位置指標部は、吸収体の体内への挿入位置が適切であるか否かを段階的に示すように構成されている。
【0047】
挿入位置指標部22は、適切位置指標部22aと、不適切位置指標部22bと、適切位置指標部22aと不適切位置指標部22bとの間に配置された中間位置指標部22cと、を備える。このように、複数の挿入位置指標部によって挿入位置が適切であるか否かを段階的に示すことにより、使用者は、挿入深さが浅めであることや、適切な位置に至るまでどの程度挿入したらよいか等の挿入具合を把握することができる。
【0048】
変形例5に係る位置確認シート20Eは、図6(a)に示すように、挿入位置指標部22に模様が付されている。このように模様が付されていることにより、使用者は、感覚的に正しい位置に挿入されているか否かを把握することができる。なお、模様は、挿入位置指標部22に付されていてもよいし、挿入位置指標部以外の領域に付されていてもよい。
【0049】
変形例6に係る位置確認シート20Fは、図6(b)に示すように、挿入位置指標部22が着色されている。位置確認シート20Fは、少なくとも1色以上で着色されていればよく、視覚的に区別できるように構成されている。視覚的に区別できるとは、色のみならず、模様、質感、反射率、不透明度、半透明性、乳白色、蛍光、発光、リン光法、化学発光、白色度等の違いを含むことができる、これらに限定されない。
【0050】
更に、位置確認シートの挿入位置指標部は、2色以上の色によって着色されていてもよく、色の違いによって適切位置指標部と不適切位置指標部とを示してもよい。位置確認シートの着色方法は、グラビア印刷、インクジェット印刷、ラミネート、その他の方法を用いることができる。
【0051】
挿入位置指標部22に色や模様を付すことにより、色や模様の把握のみで吸収体11の挿入位置を確認することができ、文字が読めない使用者であっても好適に用いることができる。また、色や模様によって挿入位置指標部22を構成することにより、位置確認シートの使用方法等の説明書を簡略化することができる。
【0052】
変形例7に係る位置確認シート20Gは、図6(c)に示すように、挿入位置指標部にハート柄の模様が付されている。模様は、ストライプ形状やハート柄に限られず、ドット柄や星柄等、種々の構成を採用できる。
【0053】
変形例8に係る位置確認シート20Hは、挿入位置指標部の摩擦係数が、挿入位置指標部以外の領域の摩擦係数と異なるように構成されている。使用者は、感触の違いによって、触覚的に吸収体の位置が適切であるか否かを確認できる。
【0054】
位置確認シート20Hの挿入位置指標部22には、少なくとも1つ以上の凹凸部が形成されている。なお、挿入位置指標部の適切位置指標部のみに凹凸部を形成してもよいし、不適切位置指標部のみに凹凸部を形成してもよい。
【0055】
凹凸部は、例えば、エンボス加工で形成されてもよいし、ゴム、ウレタン及びホットメルト型接着剤を付することによって形成されてもよいし、その他の方法によって形成されてよい。
【0056】
なお、上述の位置確認シートは、生理用タンポンを収容する収容体に、生理用タンポンの収容個数分収容されていてもよいし、複数の位置確認シートが連続し、ミシン目を介して分離可能に構成されたシートとして収容体に収容されていてもよい。
【0057】
(第2の実施形態)
次いで、図7を参照して、第2の実施形態に係る生理用タンポンの説明書30について説明する。第2の実施形態に係る生理用タンポンの説明書は、生理用タンポンを収容する収容体内に収容され、生理用タンポンの使用方法を使用者に示すための説明書である。説明書は、紙等の位置確認シートによって構成されており、生理用タンポンの使用方法を説明するための使用表示部33を備えている。
【0058】
図7(a)は、取扱説明書の使用態様を表示する面に配置指標部21及び挿入位置指標部22を設けた実施形態である。説明書30には、使用表示部33と、配置指標部21と、挿入位置指標部としての適切位置指標部22a及び不適切位置指標部22bと、が印刷されている。
【0059】
説明書30に挿入位置指標部22を設けることにより、使用者は、生理用タンポンの使用方法を視認しつつ、吸収体11が適切な位置に挿入されたか否かを把握することができる。特に、生理用タンポンの扱いになれていない初心者は、使用方法を確認しつつ使用することが考えられ、使用方法の確認と挿入位置の確認とを合わせて行うことができる。
【0060】
図7(b)は、説明書の使用態様を表示する面と反対の面に、配置指標部21及び挿入位置指標部22を設けた実施形態である。図7(b)に示す生理用タンポンの説明書は、アプリケータを有しない生理用タンポン用の説明書である。説明書には、吸収体11を体内に挿入する際に使用者の指に装着する指袋34が接着されている。
【0061】
指袋34は、ポリエチレンシートによって構成されており、説明書に着脱可能に接着されている。指袋の表面には、配置指標部21と、挿入位置指標部としての適切位置指標部22a及び不適切位置指標部22bと、が印刷されている。指袋34は、位置確認シートとして機能している。
【0062】
なお、このように構成された説明書は、例えば、以下の方法によって製造することができる。まず、指袋を形成するに、配置指標部21や挿入位置指標部22等の表示部を印刷する。次いで、指袋を形成するポリエチレンシートをシート状の説明書に重ねて加熱し、説明書とポリエチレンシートとを貼り付ける。その後、指袋の形状の型によって、ポリエチレンシートを溶断する。このようにポリエチレンシートを溶断することにより、ポリエチレンシートが指袋の形状で切断されることによって、指袋が形成され、かつ指袋を説明書に貼付することができる。
【0063】
(第3の実施形態)
次いで、図8を参照して、第3の実施形態に係る生理用タンポンの包装袋40及び生理用タンポンの収容体50について説明する。生理用タンポンの包装袋40は、位置確認シートによって構成され、生理用タンポンを個別に包装する袋である。包装袋の内面側には、図示しない生理用タンポンが挿入されている。包装袋の外面には、配置指標部21と、挿入位置指標部22とが印刷されている。
【0064】
生理用タンポンの収容体50は、複数の生理用タンポンを収容する収容体であって、その外周面には、位置確認シートが設けられている。位置確認シートは、収容体の外周面を覆うように配置されている。位置確認シート51には、配置指標部21と、挿入位置指標部22とが印刷されている。なお、本実施の形態では、生理用タンポンを収容する箱体の外周を覆うように位置確認シートを設けているが、生理用タンポンを収容する箱体自体に配置指標部21や挿入位置指標部22を印刷してもよい。
【0065】
第2の実施形態及び第3の実施形態のように、生理用タンポンの包装袋、収容体及び説明書等の付属品に、位置確認シートを構成する配置指標部及び挿入位置指標部を付することによっても、使用者、付属品を用いて吸収体が適切に配置されているか否かを確認することができる。
【0066】
生理用タンポンの包装袋、収容体及び説明書等の付属品に、位置確認シートを構成する配置指標部及び挿入位置指標部を付することにより、付属品と別途に位置確認シートを設ける構成と比較して、部品点数を減らすことができ、作業効率の向上及びコストを縮減することができる。
【0067】
なお、配置指標部及び挿入位置指標部は、付属品と一体化して設けられていてもよいし、ミシン目等を介して分離可能に構成されていてもよい。
【0068】
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
【符号の説明】
【0069】
1…アプリケータ式タンポン、 2…外筒、 3…内筒、 8…押し出し開口、 10…生理用タンポン、 11…吸収体、11a…先端、 11b…末端、 12…紐状部材、 12c…紐先端、 12d…紐末端、 20、20A、20B、20C、20D、20E、20F、20G、20H…位置確認シート、 21…配置指標部、 22…挿入位置指標部、 22a…適切位置指標部、 22b…不適切位置指標部 、30…生理用タンポンの説明書、 33…使用表示部、 34…指袋、 40…生理用タンポンの包装袋、 50…生理用タンポンの収容体 51…位置確認シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収体と、膣内への挿入方向における前記吸収体の末端から延出する紐状部材とを有する生理用タンポンに用いられ、前記吸収体を体内に挿入した状態で体外に配置される紐状部材の端部の位置を確認するための生理用タンポンの位置確認シートであって、
前記吸収体が前記体内に挿入された状態で前記体外に配置された前記紐状部材に対して、前記位置確認シートを合わせる位置を示す配置指標部と、
前記吸収体が適切に前記体内に挿入され、かつ前記配置指標部に基づいて前記位置確認シートが前記紐状部材に合わせて配置された状態で、前記体外に配置された前記紐状部材の端部の適切な位置を示す挿入位置指標部と、を有している、生理用タンポンの位置確認シート。
【請求項2】
前記挿入位置指標部は、前記吸収体の挿入方向に隣接して複数配置されており、
前記複数の挿入位置指標部は、前記吸収体の体内への挿入位置が適切であるか否かを段階的に示すように構成されている、請求項1に記載の生理用タンポンの位置確認シート。
【請求項3】
前記挿入位置指標部は、前記位置確認シートの前記挿入位置指標部以外の領域と異なる色又は模様を有する、請求項1又は請求項2に記載の生理用タンポンの位置確認シート。
【請求項4】
前記挿入位置指標部の摩擦係数は、前記位置確認シートの前記挿入位置指標部以外の領域の摩擦係数と異なる、請求項1又は請求項2に記載の生理用タンポンの位置確認シート。
【請求項5】
前記挿入位置指標部は、前記位置確認シートの前記挿入方向における後端部に設けられ、前記位置確認シートの前記挿入方向における長さによって前記体外に配置された紐状部材の端部の適切な位置を示すように構成されている、請求項1に記載の生理用タンポンの位置確認シート。
【請求項6】
前記請求項1から請求項5のいずれかに記載の位置確認シートを有し、生理用タンポンの使用態様を表示する使用表示部を有する、生理用タンポンの説明書。
【請求項7】
前記請求項1から請求項5のいずれかに記載の位置確認シートを有し、生理用タンポンを個別に包装する生理用タンポンの包装袋であって、 前記挿入位置指標部は、前記包装袋の外面に配置されている、生理用タンポンの包装袋。
【請求項8】
前記請求項1から請求項5のいずれかに記載の位置確認シートを有し、複数の生理用タンポンを収容する生理用タンポンの収容体であって、 前記挿入位置指標部は、前記収容体の外面に配置されている、生理用タンポンの収容体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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