説明

生理用品

【課題】女性特有の生理痛を緩和する方法として、従来から消炎鎮痛剤などの薬剤や温熱による方法が開示されているが、どれも副作用が少なくより穏和で効果的に生理痛を緩和する有効な手段がない。
【解決手段】織布又は不織布や生理用品の部材として用いられる体液透過性素材にプラチナ粒子と酸化還元色素DPPHを定着する生理用品を提供することで、該生理用品を一般の市販の生理用品と同様の簡単な使い方で生理痛を緩和することが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生理痛を緩和することができる生理用品である、例えば生理用ナプキン、生理用タンポン、月経用パッド及びパンティーライナー、生理用ショーツ等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
生理痛の緩和には、従来、非ステロイド系の消炎鎮痛剤などの経口剤が一般に使用されている。また、あまり一般的ではないが、座薬としてアセチルサリチル酸やインドメタシン等が用いられている。更に、特許文献1には、薬剤を使用して生理痛を治療するためのタンポンが開示されている。これは前記の薬剤を水溶性フィルムに混入させ、それをタンポンにコーティングしたものを座薬として膣内に挿入し、フィルムが溶けることにより座薬が体内に吸収されて生理痛を緩和するものである。上記の薬剤は全て体内に吸収されてその薬効を発揮するものであり、従って、当然その副作用のおそれがあり、安心して常時使用することは危険である。上記タンポンの場合は、その薬剤による副作用が生じた場合はタンポンを摘出することでその副作用を除去できるとされているが、すでに溶け出した物や吸収された物については副作用の被害を免れることは困難である。
【0003】
また、特許文献2に示すように、温熱効果で生理痛を緩和すると開示されているが、これらは単に下腹部または腰部を暖めるだけで積極的な療法ではなく有効な手段とは言えない。
【0004】
更に、光触媒効果を持った酸化チタンを繊維にコーティング又は練り込んだ生理用ショーツが特許文献3に開示されているが、それらは消臭、汚れの分解、汚染物質の分解、抗菌等が目的とされ、生理痛を緩和するものではない。本出願人の経験からも、酸化チタン溶液のみの生理ナプキン、タンポンへの応用では、生理痛緩和効果は殆ど見られなかった。生理中の女性が着用使用中の状態では、光触媒効果をもつ酸化チタンには十分に活性酸素を発生させうるほどの光が当たっていないからだと考えられる。
【0005】
月経時に使用される生理用品としては経血及び膣分泌液等を処理するため種々の工夫を凝らした生理用品が市販されているが、これらの生理用品には、生理痛を緩和するための手段が講じられている物は知られていない。
【0006】
【特許文献1】特開平06−225945号公報
【特許文献2】特開平08−080317号公報
【特許文献3】特開2002−119541号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
女性特有の生理痛を緩和する方法として、従来から特許文献1や特許文献2で代表されるように薬剤や温熱による方法が開示されているが、どれも副作用が少なくより穏和で効果的に生理痛を緩和する有効な手段ではない。
【0008】
そこで本発明の目的は、副作用が少なくより穏和で効果的に生理痛を緩和できる生理用品を実現することである。本願発明者が、生理痛を緩和するため、副作用の少ない方法を求めて様々な方法を検討してきたところ、プラチナ粒子と酸化還元色素DPPHを定着させた生理用品を用いることにより、生理痛が顕著に緩和されることを発見した。本発明は、この事実に基づき更に研究を重ねて完成するに至ったものである。尚、定着とは、織布又は不織布に付着又は含有させることを指すものとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明は、織布又は不織布にプラチナ粒子と酸化還元物質を定着したことを特徴とする生理用品に関する。
【0010】
第2の発明は、生理用品の部材として利用される体液浸透性素材にプラチナ粒子と酸化還元物質を定着させたことを特徴とす生理用品に関する。
【0011】
第3の発明は、酸化還元物質として酸化還元型色素DPPHや酸化還元型色素DCIPを用いたことを特徴とする請求項1乃至請求項2記載の生理用品に関する。
【0012】
第4の発明は、第1の発明乃至第3の発明記載の生理用品の全面又はその一部が体液透過性素材で覆われていることを特徴とする生理用品に関する。
【0013】
第5の発明は、第1の発明乃至第4の発明記載の生理用品が、生理用タンポン、生理用ナプキン、月経用パッド、及び生理用パンティーライナー、生理用ショーツであることを特徴とする生理用品に関する。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、織布又は不織布、及び又は生理用品の部材として用いられる体液透過性素材にプラチナ粒子と酸化還元色素DPPHを定着する生理用品を提供することであり、該生理用品を一般の市販の生理用品と同様の簡単な使い方で生理痛を緩和することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に本発明について説明する。酸化還元物質としては、人体に無害のものであれば何でも良いが、好ましくは、酸化還元型色素DPPHや酸化還元型色素DCIPが使用できる。通常、これら酸化還元型色素は、人体が発する遠赤外線(体温)だけでは、ラジカル反応は起きず活性酸素などは発生しないが、ここに触媒であるプラチナ粒子が加わることにより酸化還元型色素はラジカル反応を起こし活性酸素等が発生すると考えられている。
【0016】
本発明は、この現象に着目し、プラチナ粒子の触媒作用により効率良く発生した活性酸素又は活性電子が、月経による経血を導火線として生理中の女性の下腹部内臓器即ち子宮、卵管、卵巣などへ達し、子宮内膜症などの異常細胞を選択的に酸化腐食する事を目的としている。これが本発明品の生理痛緩和効果であると考える。また正常細胞組織は、正常に備わっている酸化防止酵素であるカタラーゼやSOD(super oxide dismutase)等の作用により何ら影響を受けない。
【0017】
使用するプラチナ粒子としては、直径0.1〜10ナノメートルの超微粉末化したプラチナが水溶液に安定に分散しているものが好ましく、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(Polyoxyethylene sorbitan monolaurate)に溶解されたものに酸化還元物質を配合したものが使用できる。以下、プラチナ粒子が安定に分散され、酸化還元型色素DCIPを配合したものをナノプラチナ水溶液と称しこれにもとづき説明する。また、使用するプラチナ粒子の大きさは、上記に示した範囲の直径が好ましいが、プラチナ粒子が水溶液に安定に分散することができれば、それ以上小さく又は大きくてもかまわない。
【0018】
酸化還元型色素DCIPとは、酸化型色素DCIP[水素(2H+)、電子(2e−)を供与]⇔還元型色素DCIP-H2[水素(2H+)、電子(2e−)を受容]の反応を行なう色素であり、同様に酸化還元型色素DPPHも窒素ラジカルと電子を受供与する色素である。
【0019】
また、上記のモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン溶液以外にも、分子の一方に疎水基、もう片方に親水基をもつ界面活性剤であればナノプラチナ水溶液の溶媒として利用できる。すなわち、酸化還元型色素DCIPの酸化還元を容易に迅速に反応させる触媒としてプラチナ元素が必要となる。この反応が確実に接触面全てに行われるために、プラチナ元素は直径ナノメートルのレベルまで微小粒子にする必要がある。
【0020】
またこのナノプラチナ水溶液に、アナターゼ型酸化チタン分散液及びアモルファス型酸化チタン溶液、これらの単独溶液又は両者の混合溶液と併用すれば、その生理痛緩和効果を増強するることができる。これは、酸化チタンだけでは生理痛緩和に役立たないことは、先に記した通りであるが、プラチナ粒子の触媒作用により酸化チタンが有する光触媒作用が誘発されるからだと考えられる。
【0021】
本発明に使用するナノプラチナ水溶液の濃度は、通常約0.01重量%から約10重量%であり、好ましくは約0.02重量%から2重量%である。この範囲外で使用することも不可能ではないが、繊維製品等に均一に一定の範囲に付着させる加工が技術的に難しくなり、かつ高価なプラチナを使用しているため、商品化および製品化の意義がうすれる。また、0.01重量%以下の薄い溶液では、生理痛緩和効果に必要な酸化還元型色素DCIPと重要な触媒であるプラチナ粒子の量を繊維製品に付着させるための付着・乾燥の反復処理の回数が増加し不経済であり不合理である。
【0022】
織布又は不織布製品に、このプラチナ粒子と酸化還元型色素DCIPを定着させる方法としては、ナノプラチナ水溶液に繊維製品を浸漬し乾燥させる方法、ナノプラチナ水溶液を生理用品に注入、散布、塗布又はコーティングし乾燥させる方法などが挙げられるが、これらに限定されず、いずれの場合も、織布又は不織布製品に均一に定着させることが望ましい。
【0023】
尚、プラチナ粒子と酸化還元型色素DCIPを定着させるための乾燥方法は、自然乾燥又は比較的低温での風乾で十分であり、室温で約1時間〜24時間の風乾で十分である。尚、プラチナ粒子と酸化還元型色素DCIPは、室温で長期間保存することが可能である。
【0024】
また、織布又は不織布を形成する化学繊維の場合は、当分野でよく知られた方法により、その製造工程においてプラチナ粒子と酸化還元型色素DCIPを練り込んだ繊維を製造することが可能である。こうして得られるプラチナ粒子と酸化還元型色素DCIPを含有する繊維製品の場合は、これをそのまま、必要に応じてその表面を上記の方法でプラチナ粒子と酸化還元型色素DCIPを付着させた後、本発明に使用することが可能である。
【0025】
プラチナ粒子と酸化還元型色素DCIPを付着させ又は含有させた前記織布又は不織布製品を生理用品として又はその一部として使用する前に、この織布又は不織布製品の全面又はその一部を体液透過性素材で覆うことができる。こうすれば、前記織布又は不織布製品が肌に付着する等の不快感を回避することができる。ここで、体液とは経血及び、膣分泌液等を指す。前記体液透過性素材にはさらにプラチナ粒子と酸化還元型色素DCIPを定着させることができる。
【0026】
生理用品の一部に定着させるプラチナ粒子と酸化還元型色素DCIPの量は、生理用品の使用方法により異なるが、通常、約1%のモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンによるナノプラチナ水溶液を2滴滴下して乾燥させたプラチナ粒子の付着量を基準として、その約1/10〜約10倍量である。ただし、この量は使用方法に応じてこの範囲内で、場合によってはこの範囲を超えて、適宜変更することが可能である。例えば、一般的に言えば、タンポンの内部に封入するような場合は比較的高濃度が好ましく、体液透過性素材に付着させるような場合は比較的低濃度が好ましい。
【0027】
本発明に使用される織布又は不織布製品は一般に生理用品の素材として用いられているものであれば、すべて使用できる。例えば、セルロース、綿、羊毛、絹、化学繊維又はこれらの組み合わせから製造された繊維製品から選択することが可能である。また、繊維製品の形状は特に問わない。生理用品に装着して使用するのに都合の良い形状であればいずれも使用可能である。
【0028】
本発明の生理用品としては、特に好適なものとして生理用ナプキン及び生理用タンポンが挙げられる。具体的には、プラチナ粒子と酸化還元型色素DCIPを定着した織布又は不織布製品を少なくともその一部として含む生理痛を緩和する効果を有する生理用タンポンや生理用ナプキンが挙げられる。このような本発明の生理用品において、上記織布又は不織布製品の全面又はその一部が体液透過性素材の膜で覆われているものが好ましく、該体液透過性素材がプラチナ粒子と酸化還元型色素DCIPを付着させた膜であるものがより好ましい。
【実施例1】
【0029】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。使用したナノプラチナ水溶液として、プラチナ粒子のモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン溶液に酸化還元型色素DCIPを配合した、アイノベックス(株)製の「白金玄水500」と「白金玄水2000」を使用した。それぞれプラチナ濃度は500ppm(0.05重量%)と2000ppm(0.20重量%)である。
【0030】
作成例1:4cm×6cmの綿布ほぼ中央に白金玄水2000を一滴約0.1mlのスポイトで室温下で2滴滴下し、室温で24時間風乾することによりプラチナ粒子と酸化還元型色素DCIPを繊維に付着させたその後、体液透過性素材(ユニチャーム社製、ソフトボディフィット)2で覆い、本発明の生理痛を緩和する効果を有する生理用ナプキンを作成した(図1)。
【0031】
作成例2:P&G社製チャームソフトタンポンをケースに入ったままの状態で、タンポンの中心部3に注射器により白金玄水2000を10倍希釈液1mlを注入し、タンポン全体に拡散させたタンポンを1日自然乾燥して、本発明の生理痛を緩和する効果を有する生理用タンポンを作成した(図2)。
【0032】
作成例3:4cm×4cmの綿布(120g/m2)又はガーゼ(66g/m2)に酸化チタン懸濁液として、アナターゼ型酸化チタン分散液(0.5w/v%:(株)田中転写製造社製)とアモルファス型酸化チタン液(0.5w/v%:(株)田中転写製造社製)の混合比を60対40として使用した。上記綿布又はガーゼに酸化チタンを付着させる方法としては、それぞれ38ml及び16mlの上記混合液中に室温で浸漬し、繊維内部の空気を押し出すようにして液を含浸させ、室温で12時間風乾させた。この繊維製品4の中央部に、市販のナプキン型生理用品の体液透過性素材2とプラチナ粒子と酸化還元型色素DCIPを付着させた綿布1を重ねて、粘着テープ5で固定して、本発明の生理痛を緩和する効果を有する酸化チタンとプラチナ粒子と酸化還元型色素DCIPを付着した生理用ナプキンを作成した(図3)。
【実施例2】
【0033】
実施例1で示した作成例(1)〜(3)の生理用ナプキン、生理用タンポンの生理痛緩和効果を確認するため、生理時に数日間の苦痛を伴う20〜40代の女性について試用してもらいその効果を調査した。調査は、被験者全員への問診と本発明品の使用前と使用後の超音波画像診断による検証により行なった。尚、本発明品の使用前と使用後の超音波画像の代表例として、被験者1の超音波診断画像を図4に示す。
【0034】
被験者1 Y.Y 女性 36歳
作成例2で調製した本発明品の生理用タンポンを生理期間中に使用したところ、生理痛が消滅する効果が得られた。さらに並行して超音波診断によりその効果を検討した。本発明品を連続3回の生理期間(約7日間)にわたって使用した本ケースでは、使用前に子宮の超音波画像の中央より右下部の白濁して見える子宮内膜症部分が、使用前に20×24mmであったが、約3ヶ月後には18×11mmに縮小していた。これらの結果から、本発明品による効果は著効と判定した。被験者1の生理痛消滅前の超音波画像を図4(A)に、生理痛消滅後の超音波映像を図4(B)に示す。
【0035】
被験者2 K.K 女性 38歳
作成例2で調製した本発明品の生理用タンポンを生理期間中に使用したところ、生理痛が消滅する効果及び生理期間の遷延を改善する効果が得られた。さらに並行して本発明品の効果を超音波画像により検討した。本発明品を生理期間(7日間)にわたって使用した本ケースでは、使用前に子宮の超音波画像中に白濁して見える子宮内膜症部分が、使用前に38×15mmであったが、約3ヶ月後には殆ど消滅していた。これらの結果から、本発明による効果は著効と判定した。
【0036】
被験者3 K.M 女性 29歳
作成例2で調製した本発明品の生理用タンポンを生理期間中に使用したところ、生理痛は軽減し、2回目と3回目の生理で、生理期間が以前迄の10日から7日間に短縮され、生理期間の遷延を改善する効果も得られた。本発明品を生理期間にわたって使用した本ケースでは、使用前に子宮の超音波画像中に白濁して見える子宮内膜症部分が、使用前に33×13mmであったが、約3ヶ月後には殆ど消滅していた。これらの結果から、本発明による効果は著効と判定した。
【0037】
被験者4 I.F 女性 34歳
作成例2で調製した本発明品の生理用タンポンを生理期間中に使用したところ、生理痛が消滅する効果及び生理期間の遷延を改善する効果が得られた。並行して本発明品の効果を超音波画像により検討した。本発明品を生理期間にわたって使用した本ケースでは、使用前に直径約68×67mmの大きさであった子宮筋腫像が、約3ヶ月後には63×41mmに縮小していた。これらの結果から、本発明品による効果は有効と判定した。
【0038】
被験者5 M.N 女性 26歳
作成例2で調製した本発明品の生理用タンポンを生理期間中に使用したところ、生理痛が軽減する効果、経血過多が改善され正常化する効果及び生理時の臭気が消失する効果が得られた。また並行して行った超音波診断において、この本発明品を連続した3回の生理期間(約7日間)にわたって使用した本ケースでは、使用前に22×20mmの大きさであった子宮の超音波画像中に白濁して見える子宮内膜症部分が、約3ヶ月後の画像では殆ど消滅していた。これらの結果から、本発明品による効果は著効と判定した。
【0039】
被験者6 M.Y 女性 35歳
作成例1で調製した本発明品の生理用ナプキンを連続3回の生理期間にわたって使用した本ケースでは、生理痛を軽減する効果、経血過多が減少し正常化する効果及び生理期間が8日から5日間に短縮され、生理期間の遷延を改善する効果が得られた。また並行して行った超音波診断において、使用前に15×30mmの大きさであった子宮の超音波画像中に白濁して見える子宮内膜症部分が、約3ヶ月後にはほぼ消滅していた。これらの結果から、本発明品による効果は有効と判定した。
【0040】
被験者7 T.C 女性 31歳
作成例1で調製した本発明品の生理用ナプキンを連続3回の生理期間にわたって使用した本ケースでは、生理痛が消滅する効果及び今まで17〜40日であった生理周期が28日間に固定され、生理不順が改善する効果が得られた。また並行して行った超音波診断において、使用前に28×23mmの大きさであった子宮の超音波画像中に白濁して見える子宮内膜症部分が、約3ヶ月後には16×26mmに縮小していた。これらの結果から、本発明品による効果は有効と判定した。
【0041】
被験者8 M.S 女性 22歳
作成例3で調製した本発明品の生理用ナプキンを連続3回の生理期間にわたって使用した本ケースでは、生理痛が消滅する効果及び経血過多が改善され正常化する効果及び生理時の臭気が消失する効果が得られた。また並行して行った超音波診断において、使用前に31×26mmの大きさであった子宮の超音波画像中に白濁して見える子宮内膜症部分が、約3ヶ月後には21×11mmに縮小していた。これらの結果から、本発明品による効果は有効と判定した。
【0042】
被験者9 H.K 女性 43歳
作成例3で調製した本発明品の生理用ナプキンを連続3回の生理期間中に使用した結果、生理痛が軽減する効果が得られた。また並行して行った超音波診断において、使用前に29×20mmの大きさであった子宮の超音波画像中に白濁して見える子宮内膜症部分が、約3ヶ月後には19×12mmに縮小していた。これらの結果から、本発明品による効果は有効と判定した。
【0043】
被験者10 S.Y 女性 42歳
作成例3で調製した本発明品の生理用ナプキンを連続3回の生理期間中に使用した結果、生理痛が軽減する効果が得られた。また並行して行った超音波診断において、使用前に直径約63×58mmの大きさであった子宮筋腫が約3ヶ月後には直径約41×50mmに縮小した。これらの結果から、本発明による効果は有効と判定した。
【0044】
上記の臨床例を総合的に判断すると、本発明の生理用品は、生理痛を患う患者に有効な生理痛緩和効果を示すものと結論することができる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
プラチナ粒子と酸化還元色素DPPHを定着した織布又は不織布製品を体内外の傷口や炎症部に貼ることで、活性酸素が有効に発生し、異常細胞を選択的に酸化腐食することができるため、生理用品以外にも、消毒用ガーゼや包帯などに利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の生理用ナプキンの断面図である。
【図2】本発明の生理用タンポンの斜視図(A)及びB−B’部の断面図(B)である。
【図3】本発明の別態様の生理用ナプキンの斜視図(A)及びA−A’部の断面図(B)である。
【図4】被験者1の生理痛消滅前(A)と生理痛消滅後(B)の超音波診断図である。
【符号の説明】
【0047】
1 プラチナ粒子と酸化還元色素DPPHを定着した綿布
2 体液透過性素材
4 酸化チタンを含有させた繊維製品
5 ずれ止め防止用粘着テープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
織布又は不織布にプラチナ粒子と酸化還元物質を定着したことを特徴とする生理用品。
【請求項2】
生理用品の部材として利用される体液浸透性素材にプラチナ粒子と酸化還元物質を定着させたことを特徴とする生理用品。
【請求項3】
酸化還元物質として酸化還元型色素DPPHや酸化還元型色素DCIPを用いたことを特徴とする請求項1乃至請求項2記載の生理用品。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3記載の生理用品の全面又はその一部が体液透過性素材で覆われていることを特徴とする生理用品。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4記載の生理用品が、生理用タンポン、生理用ナプキン、月経用パッド、及び生理用パンティーライナー、生理用ショーツであることを特徴とする生理用品。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2008−295636(P2008−295636A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−143420(P2007−143420)
【出願日】平成19年5月30日(2007.5.30)
【出願人】(307017774)
【出願人】(307017752)
【Fターム(参考)】