説明

生石灰製造システム及び製造方法

【課題】多種類の廃棄物を処理しながら生石灰を製造することのできるシステム等を提供する。
【解決手段】生石灰焼成用キルン2を備え、該キルン2を利用して、石炭灰、汚染土壌、廃石膏ボード、下水汚泥、塩素バイパスダスト、建設系廃プラスチック、自動車シュレッダーダスト、カーボン灰及びごみ焼却炉ばいじんからなる群より選択される1種以上を処理しながら生石灰を製造する生石灰製造システム1等。生石灰焼成用キルン2は、既設のセメント焼成用キルンの原料予熱系からクリンカー冷却系までの少なくとも一部を利用することができ、新たに生石灰の生産設備を設置するための設備投資を削減することができる。キルン2によって製造された製品としての生石灰に不要な成分を、セメント原料、石膏、肥料、セメント用混合材、山元還元資源及び循環利用水からなる群より選択される1種以上に利用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生石灰製造システム及び製造方法に関し、特に、ごみ焼却炉ばいじん、石炭灰等の廃棄物を処理しながら、生石灰を焼成するシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
生石灰(酸化カルシウム;CaO)は、炭酸カルシウム(CaCO3)を900℃以上に加熱することで、二酸化炭素を放出して生ずる。この生石灰は、工業的には、製鋼用、セメント原料、陶磁器、ガラスの副原料、土壌改良剤、るつぼの内張り用耐熱材等に用いられ、さらに、家庭用の乾燥剤、殺虫剤、弁当等を温めるための発熱剤等に利用されている。
【0003】
従来、生石灰の生産には焼成炉が用いられ、燃料として石油、石炭、天然ガス等の天然資源が使用されているが、燃料費の高騰により生石灰の製造コストも上昇している。一方、廃プラスチック等の有機廃棄物の量は年々増え続け、その処理方法が模索されていた。そこで、特許文献1には、石炭、廃プラスチック等の有機廃棄物を所定のガス化法によりガス化し、このガスを用いて生石灰や焼ドロマイトを製造する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−072446号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1に記載の方法では、廃プラスチック等をガス化する必要があるため、運転コストが高く、生石灰の製造コストの上昇に繋がる。また、ガス化可能な有機廃棄物しか処理することができないため、処理できる廃棄物の種類が限られ、廃棄物の処理の促進の観点から改善の余地があった。また、新たに生石灰の生産設備を設置するには、生石灰用焼成炉やその付帯設備が必要となり莫大な投資が必要となる。
【0006】
そこで、本発明は、上記従来の技術における問題点に鑑みてなされたものであって、設備コストを最低限に抑えるとともに、ごみ焼却炉ばいじん、石炭灰等の多種の廃棄物を処理することのできる生石灰製造システム及び製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、日本国内のセメント需要の減少に伴い遊休化しているセメントキルン設備に着目し、遊休セメントキルン及びその付帯設備を生石灰製造システムとして流用し、廃棄物処理に必要な装置等と組み合わせることで、新たに生石灰の生産設備を設置せずに、生石灰の製造コストを低く抑え、同時に多種の廃棄物を処理することが可能であることを見出し、本発明をなすに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、生石灰製造システムであって、生石灰焼成用キルンを備え、該生石灰焼成用キルンを利用して、石炭灰、汚染土壌、廃石膏ボード、下水汚泥、塩素バイパスダスト、建設系廃プラスチック、自動車シュレッダーダスト、カーボン灰及びごみ焼却炉ばいじんからなる群より選択される1種以上を処理しながら生石灰を製造することを特徴とする。
【0009】
そして、上記生石灰焼成用キルンを、既設のセメント焼成用キルンの原料予熱系からクリンカー冷却系までの少なくとも一部を利用したものとすることで、新たに生石灰の生産設備を設置するための設備投資を削減することができる。
【0010】
また、上記生石灰製造システムは、前記生石灰焼成用キルンの排ガスを集塵する高温集塵機と、該高温集塵機の排ガスを脱硝し、ダイオキシン類を分解するチタン・バナジウム系触媒と、一酸化炭素を分解する白金触媒又はパラジウム触媒とを備えることができる。
【0011】
さらに、上記生石灰製造システムは、前記脱硝後の排ガス、又は/及び前記生石灰焼成用キルンに付設された予熱器から排出されたガスで昇温された空気を用いて含水廃棄物を乾燥させる乾燥装置又は加熱装置を備えることができる。これによって、生石灰焼成の廃熱を有効利用し、運転コストをさらに低減することができる。
【0012】
上記生石灰製造システムにおいて、前記脱硝後の排ガスは、熱回収装置で減温され、POPsの再合成を抑制するとともに、後段の水銀及び硫黄分の除去装置に適当なガス温度に調整することができる。尚、水銀及び硫黄分の除去装置に適当なガス温度は、100℃乃至200℃である。
【0013】
また、上記生石灰製造システムは、前記空気の昇温に利用した前記予熱器の排ガス、及び前記乾燥装置から排出されたガス又は/及び前記有害な微量成分の揮発又は/及び分解用熱源に用いた後のガスから水銀を除去する水銀除去装置、又は水銀及び硫黄分を除去する脱水銀・脱硫装置を備えることができる。これによって、乾燥等に用いた排ガス中の水銀又は/及び硫黄分を除去することができる。
【0014】
さらに、上記生石灰製造システムは、前記生石灰焼成用キルンに付設された生石灰冷却用のクーラーの後段に、該クーラーから排出された生石灰粒の表面を削る表面磨砕機と、該表面磨砕機による磨砕によって生じた微粉分を前記高温集塵機に吹き込む吹込装置とを備えることができる。これによって、生石灰の焼成に燃料として石炭を使用した場合でも、石炭灰分と化合した表面を取り除き、活性品質を備えた生石灰を提供することができるとともに、生石灰焼成用キルンから排出される燃焼ガスの脱硫を行うことができる。
【0015】
また、本発明は、生石灰の製造方法であって、生石灰焼成用キルンを利用して、石炭灰、汚染土壌、廃石膏ボード、下水汚泥、塩素バイパスダスト、建設系廃プラスチック、自動車シュレッダーダスト、カーボン灰及びごみ焼却炉ばいじんからなる群より選択される1種以上を処理しながら生石灰を製造することを特徴とする。ここで、生石灰焼成用キルンに既設のセメント焼成用キルン等を流用することで、新たに生石灰の生産設備を設置するための設備投資を最小限に留めながら、多種の廃棄物を処理することができる。
【0016】
上記生石灰の製造方法において、前記生石灰焼成用キルンによって製造された製品としての生石灰に不要な成分を、セメント原料、石膏、肥料、セメント用混合材、山元還元資源及び循環利用水からなる群より選択される1種以上に利用することができる。これによって、製品としての生石灰に不要な成分を有効利用し、セメント生産量の低下に対応しながら、資源循環型社会の要請に応えることができる。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明によれば、設備コストを最低限に抑え、多種の廃棄物を処理することができ、リサイクル資源の活用を維持することのできる生石灰製造システム及び製造方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明にかかる生石灰製造システムの第1の実施形態を示す全体構成図である。
【図2】本発明にかかる生石灰製造システムの第2の実施形態を示す全体構成図である。
【図3】本発明にかかる生石灰製造システムの第3の実施形態を示す全体構成図である。
【図4】本発明にかかる生石灰製造システムの第4の実施形態を示す全体構成図である。
【図5】本発明にかかる生石灰製造システムの第5の実施形態を示す全体構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明にかかる生石灰製造システムの第1の実施形態を示し、この生石灰製造システム1は、既設のセメントキルン、クリンカクーラー及び仮焼炉を各々流用した生石灰焼成用キルン2、クリンカクーラー3及び予熱器4と、予熱器4からの排ガスG1を集塵する高温バグフィルタ6と、排ガスG1中の有害物質を分解、除去するための触媒塔7と、排ガスG1の保有する熱を回収する熱回収装置8と、排ガスG1中の水銀等の有害物質を回収する排ガス処理装置9と、煙突10と、生石灰焼成用キルン2に燃料として吹き込む微粉炭を生成する石炭ミル11と、クリンカクーラー3から排出された生石灰を粗砕する粗砕機12と、クリンカクーラー3からの熱ガスG2を集塵する高温バグフィルタ13と、熱ガスG2の保有する熱を回収する熱回収装置14等を備える。尚、生石灰焼成用キルン2、クリンカクーラー3及び予熱器4以外の装置についても、既設のセメント製造設備としてセメント焼成用キルンに付設されている原料予熱系からクリンカー冷却系までの装置を利用することができ、さらに、セメント原料及びクリンカー輸送系の装置を利用することもできる。
【0021】
生石灰焼成用キルン2は、上述のように、既設のセメントキルンを流用したロータリーキルンであって、ロータリーキルンは、7mm〜40mm程度の小サイズの石灰石の焼成に適している。
【0022】
クリンカクーラー3は、生石灰焼成用キルン2から排出された生石灰を急冷するために備えられ、既設のセメントキルンに付設されたグレート式、サテライト型(プラネタリー式)等のクーラーを流用することができる。
【0023】
予熱器4は、生石灰焼成用キルン2から排出された1000℃程度の燃焼ガスによって石灰石Lを予熱し、また、その一部を焼成するために備えられ、既設のセメントキルンに付設された仮焼炉の一部を予熱器4に利用することもできる。
【0024】
高温バグフィルタ6、13は、予熱器4からの排ガスG1及びクリンカクーラー3からの熱ガスG2を各々集塵するために備えられ、例えば、セラミックフィルタを備え、900℃程度までの耐熱性を有する高耐熱型の固気分離装置を用いることができる。
【0025】
触媒塔7は、高温バグフィルタ6からの排ガスG1を脱硝するとともに、排ガスG1に含まれるPOPs、VOC等を効率よく分解除去するためのチタン・バナジウム系触媒と、排ガスG1に含まれる一酸化炭素を分解する白金触媒又はパラジウム触媒とを備える。
【0026】
粗砕機12は、クリンカクーラー3の後段に、クリンカクーラー3から排出された生石灰粒の表面を削るために備えられる表面磨砕機であって、粗砕機12による磨砕によって生じた微粉F4を予熱器4からの排ガスG1に吹き込む吹込装置(不図示)を備える。
【0027】
この生石灰製造システム1は、さらに、フライアッシュ中の未燃カーボン除去設備21を備え、この未燃カーボン除去設備21は、フライアッシュFAに水Wを加えてスラリーS1を生成するためのスラリータンク22と、スラリータンク22から排出されたスラリーS1に捕集剤を添加した後、スラリーS1及び捕集剤に剪断力を付与して未燃カーボンの表面を改質する表面改質機23と、スラリーS1にさらに起泡剤を加えて気泡を発生させ、該気泡にフライアッシュFAの未燃カーボンを付着させて浮上させることにより未燃カーボンを分離する浮選機24と、浮選機24からのテールT1を固液分離するろ過分離装置25と、浮選機24からのフロスFR1を固液分離して未燃カーボンUを得るためのフィルタープレス26等で構成される。
【0028】
次に、上記構成を有する生石灰製造システム1の動作について説明する。
【0029】
未燃カーボン除去設備21において、石炭焚き火力発電所等から受け入れたフライアッシュFAをスラリータンク22に供給し、水Wと混合してスラリーS1を生成させる。次に、スラリータンク22内のスラリーS1を表面改質機23に供給する。一方、表面改質機23には、捕集剤としての灯油等を供給する。
【0030】
次に、表面改質機23において、スラリーS1及び捕集剤に剪断力を付与した後、浮選機24へ供給する。尚、スラリーS1及び捕集剤に剪断力を付与するのは、未燃カーボンの表面を改質して浮選浮遊性を向上させるためである。
【0031】
次に、浮選機24に起泡剤を添加して浮選操作を行い、浮選機24からのフライアッシュを含むテールT1をろ過分離装置25で固液分離し、未燃カーボン分が1重量%以下となった製品としてのフライアッシュを、セメント混合材等に利用する。ろ過分離装置25で脱水された水分W’は、循環利用水として、スラリータンク22に供給し、新たなフライアッシュへ添加したり、浮選機24において、気泡に未燃カーボンを付着させる際の消泡に再使用することができる。
【0032】
一方、浮選機24から排出された未燃カーボンを含むフロスFR1をフィルタープレス26によって固液分離して未燃カーボンUを回収し、石炭Cとともに石炭ミル11で粉砕する。
【0033】
石炭ミル11で粉砕した未燃カーボンU及び石炭Cを供給装置(不図示)及びバーナー(不図示)を介して生石灰焼成用キルン2内に吹き込み、燃料として燃焼させるとともに、予熱器4へ石灰石Lを投入し、石灰石Lを予熱した後、生石灰焼成用キルン2で焼成する。焼成した生石灰をクリンカクーラー3で冷却した後、粗砕機12で粗砕し、製品として生石灰Qを得ることができる。この際、焼成した生石灰の表面に石炭を焼成した際に発生した灰分が付着しているため、粗砕機12によって生石灰粒の表面を削った後製品とする。尚、生石灰焼成用の燃料として、石炭以外にも、石油、天然ガス等を用いることもでき、その場合には、粗砕機12によって生石灰粒の表面を削ることは不要となる。
【0034】
生石灰焼成用キルン2における生石灰の焼成によって発生した燃焼排ガス(以下、「排ガス」という)G1は、予熱器4から排出された後、粗砕機12からの石灰石の微粉F4(生石灰の表面を削った物)によって脱硫され、脱硫によって生じたCaSO3が高温バグフィルタ6で集塵される。その後、触媒塔7で排ガスG1中のNOx、POPs、VOC等を分解除去し、熱回収装置8で排ガスG1の保有する熱を回収する。さらに、排ガス処理装置9によって排ガスG1中の水銀を回収した後、煙突10から大気へ放出する。尚、熱回収装置8で回収した熱は、後述するように、下水汚泥や、塩分を含むろ液の乾燥等に利用することができる。また、排ガス処理装置9で回収した水銀は、山元に還元することができる。
【0035】
一方、クリンカクーラー3からの熱ガスG2は、高温バグフィルタ13で集塵した後、熱回収装置14で熱ガスG2の保有する熱を回収する。熱回収装置14で回収した熱は、熱回収装置8で回収した熱と同様に、下水汚泥や、塩分を含むろ液の乾燥等に利用することができる。熱回収装置14から排出されたガスは、大気へ放出する。
【0036】
以上のように、本実施の形態においては、既設のセメント焼成用キルンを流用した生石灰焼成用キルン2、クリンカクーラー3、予熱器4を用い、未燃カーボンUを石炭Cとともに、生石灰焼成用キルン2内に吹き込んで燃料として利用するため、新たに生石灰の生産設備を設置するための設備投資を最小限に留めながら、改質されたフライアッシュは、脱炭酸されたセメント用混合材、又はタワー温度の外乱を起こさない原料として利用することができる。また、高温バグフィルタ6、13、クリンカクーラー3から回収された生石灰の微粉F1〜F3をセメント原料(粘土系原料)として利用することができる
【0037】
尚、排ガス処理装置9には、予熱器4の下流側に吹き込まれた石灰石の微粉F4の一部が流入して脱硫機能を発揮するが、排ガス処理装置9に活性コークス塔等を用いることにより、水銀と残留したSOxを除去することもできる。
【0038】
次に、本発明にかかる生石灰製造システムの第2の実施形態について、図2を参照しながら説明する。
【0039】
本実施の形態にかかる生石灰製造システム31は、第1の実施形態における生石灰製造システム1の未燃カーボン除去設備21に代えて、焼却飛灰処理設備41及び水銀汚染土壌処理設備51を付設したことを特徴とし、他の構成要素については、生石灰製造システム1と同様であるため、図2において、図1と同じ装置、物質等については、同一の参照番号及び符号を付して詳細説明を省略する。
【0040】
焼却飛灰処理設備41は、焼却飛灰Aに含まれる水溶性塩素分を水Wに溶解させる溶解槽42と、溶解槽42からのスラリーS2をろ過して固液分離するためのろ過分離装置43と、ろ過分離装置43からの母ろ液L1に、pH調整剤、還元剤、塩化第二鉄(Fe2Cl3)等を添加して、鉛等の重金属類を析出させるための薬液反応槽44と、重金属類等を沈降させて回収するための沈降分離器45と、沈降分離器45からの2次ろ液L2をろ過し、沈降分離し切れなかった重金属フロックや、DXNsを含む縣濁物質(SS)を除去するためのろ過分離装置46等を備える。尚、溶解槽42に生石灰焼成用キルン2の排ガスを吹き込んでスケーリングや重金属の溶解を低減することもできる。
【0041】
一方、水銀汚染土壌処理設備51は、水銀含有汚染土壌(以下、「汚染土壌」という)SO1に含まれる水銀等を、バーナ(不図示)から吹き込まれた燃料の燃焼熱によって揮発させる加熱分解装置52と、空気を窒素と酸素に分け、窒素を加熱分解装置52に、酸素を燃焼用として生石灰焼成用キルン2に供給する分離膜53等を備える。
【0042】
次に、上記構成を有する生石灰製造システム31の動作について説明する。尚、生石灰焼成用キルン2、クリンカクーラー3、予熱器4等による生石灰焼成の基本動作は、図1に示した第1の実施形態と同様であるため、その説明を省略するが、本実施の形態では、分離膜53で分離した酸素を生石灰焼成用キルン2に供給するため、生石灰焼成用キルン2での燃焼効率を向上させることができる。
【0043】
焼却飛灰処理設備41において、焼却施設から受け入れた都市ごみ焼却灰等の焼却飛灰Aを溶解槽42に供給し、水Wと混合してスラリーを生成させる。
【0044】
次に、溶解槽42からスラリーS2をろ過分離装置43に搬送し、脱水・水洗処理する。このとき、スラリーS2に同伴される炭酸カルシウムは、ケーキC1中に取り込まれるか、又はろ過分離装置43のろ布の表面に付着し、母ろ液L1から分離される。取得された炭酸カルシウムを含むケーキC1は、水銀汚染土壌処理設備51の加熱分解装置52に供給され、脱硫に利用される。一方、母ろ液L1は、pHを9以下に調整した後に、薬液反応槽44に搬送する。
【0045】
次に、薬液反応槽44において、母ろ液L1に水硫化ソーダ(NaSH)等の還元剤を添加して重金属類を析出させ、その後、沈降分離器45において、析出させた重金属類(スラッジ)を回収する。また、沈降分離器45からの2次ろ液L2は、ろ過分離装置46でろ過した後下水へ放流する。
【0046】
一方、水銀汚染土壌処理設備51において、分離膜53によって空気を窒素と酸素に分け、窒素を加熱分解装置52に供給し、また、触媒塔7の下流側から抽気した排ガスG4を加熱分解装置52に導入するとともに、バーナ(不図示)で燃料を燃焼させて加熱分解装置52を加熱し、加熱分解装置52の内部の温度を250℃以上800℃以下に維持する。この加熱分解装置52に、工場跡地等から受け入れた汚染土壌SO1を供給し、汚染土壌SO1に含まれる水銀、塩素、VOC及び臭気成分等の有害な微量成分を揮発又は分解し、揮発した水銀等を、分離ガスG3とともに活性コークス塔等を用いた排ガス処理装置9によって分離、除去する。水銀等が除去された浄化土壌SO2は、セメント原料として利用される。
【0047】
以上のように、本実施の形態においては、既設のセメント焼成用キルン等の有効利用に加え、廃棄物としての焼却飛灰Aを水洗して加熱分解装置52に供給して脱硫剤として用いることができ、排ガスG1を加熱分解装置52の昇温に利用することができ、また、水銀汚染土壌処理設備51で水銀等が除去された浄化土壌SO2をセメント原料として有効利用することができるという効果を奏する。
【0048】
次に、本発明にかかる生石灰製造システムの第3の実施形態について、図3を参照しながら説明する。
【0049】
本実施の形態にかかる生石灰製造システム61は、第1の実施形態における生石灰製造システム1の未燃カーボン除去設備21に代えて、セメントキルンの窯尻から最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より抽気した燃焼ガスから回収したダスト(以下「塩素バイパスダストD」という)から塩、鉛を回収し、脱硫及び脱臭を行う設備(以下「塩素バイパスダスト処理設備」という)71、下水汚泥乾燥設備81及び塩回収設備91を付設したことを特徴とし、他の構成要素については、生石灰製造システム1と同様であるため、図3において、図1と同じ装置、物質等については、同一の参照番号及び符号を付して詳細説明を省略する。
【0050】
塩素バイパスダスト処理設備71は、塩素バイパスダストDのアルカリ性を利用し、下水汚泥乾燥設備81のバグフィルタ84の排ガスG8の脱臭を行うとともに、塩素バイパスダストDに含まれる塩、鉛等を回収するために備えられ、塩素バイパスダストDを湿式集塵する湿式集塵機72と、湿式集塵機72から排出されたスラリーS4を浮選する浮選機73と、浮選機73からのテールT2を固液分離するろ過分離装置74と、浮選機73からのフロスFR2を固液分離して鉛等を得るためのフィルタープレス75等で構成される。
【0051】
下水汚泥乾燥設備81は、生石灰製造システム61の熱回収装置8の排ガスG5によって下水汚泥W1を乾燥させる破砕気流乾燥機82と、破砕気流乾燥機82の排ガスG6中のダスト濃度を低下させるためのサイクロン83と、サイクロン83の排ガスG7(+微粉D1)を集塵するバグフィルタ84等で構成される。尚、下水汚泥乾燥設備81からの排ガスG8の温度をセレン(Se)が揮発する350〜400℃以上とすれば、セレンは、塩素バイパスダスト処理設備71を通過してろ液L3を経由してケーキC3に含まれるか、ろ液L4に含まれて塩として回収される。
【0052】
塩回収設備91は、塩素バイパスダスト処理設備71のろ過分離装置74からのろ液L3(塩水SW)を貯留する塩水槽92と、塩水槽92から供給された塩水SWに含まれる重金属類を除去するための薬液反応槽93と、薬液反応槽93から排出されたスラリーS5をケーキC3とろ液L4とに固液分離するフィルタープレス96と、フィルタープレス96から排出されたろ液L4を、生石灰製造システム61の熱回収装置8の排ガスG5によって乾燥させるスプレードライヤー94と、スプレードライヤー94から排出される排ガスG9中の乾燥物D2を集塵するバグフィルタ95等で構成される。
【0053】
次に、上記構成を有する生石灰製造システム61の動作について説明する。尚、生石灰焼成用キルン2、クリンカクーラー3、予熱器4等による生石灰焼成の基本動作は、図1に示した第1の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0054】
塩素バイパスダスト処理設備71において、下水汚泥乾燥設備81のバグフィルタ84の排ガスG8を湿式集塵機72に導入するとともに、セメント製造工程で発生した塩素バイパスダストDを湿式集塵機72に供給し、湿式集塵機72で湿式集塵する。湿式集塵機72で硫酸を添加しながら、スラリーS3を循環させる。湿式集塵機72で生成されるスラリーS4には、塩素バイパスダストD中のCaOが水と反応して生じた消石灰(Ca(OH)2)が存在するため、排ガスG8中に存在する硫黄分(SO2)は、消石灰と反応して石膏(CaSO4・2H2O)が生成される。
【0055】
また、湿式集塵機72において、スラリーS3に硫化剤を添加し、スラリーS3中の塩化鉛、酸化鉛等を硫化して硫化物を生成する。
【0056】
湿式集塵機72から排出されたスラリーS4に疎水化剤を添加して浮選機73に供給し、浮選機73に空気を供給し、浮選機73において、気泡を発生させ、その気泡に硫化物を付着させるとともに、硫化物が付着して浮上した気泡を除去する。このとき、スラリーS4に含まれる石膏は、浮選機73からテールT2として排出される。
【0057】
次に、フィルタープレス75において、浮選機73からのフロスFR2を固液分離し、ケーキC1を生成して鉛等を回収し、回収した鉛は山元に還元する。
【0058】
それと併行して、浮選機73のテールT2をろ過分離装置74に供給し、ケーキC2を分離して石膏を回収する。一方、固液分離で発生した塩分を含むろ液L3を、循環利用水として、塩回収設備91の塩水槽92に供給する。
【0059】
一方、下水汚泥乾燥設備81において、破砕気流乾燥機82の上部に下水汚泥W1を供給するとともに、下部から生石灰製造システム61の熱回収装置8の排ガスG5を導入して下水汚泥W1を乾燥させる。破砕気流乾燥機82では、下水汚泥W1と排ガスG5とが向流で直接接触するとともに、破砕気流乾燥機82の内部に設けられた打撃チェーンによって汚泥W1を破砕しながら乾燥させるため、汚泥W1を効率よく乾燥させることができる。
【0060】
破砕気流乾燥機82から排出された排ガスG6をサイクロン83に供給し、排ガスG6中のダスト濃度を低下させた後、バグフィルタ84でサイクロン83の排ガスG7に含まれる微粉D1を回収する。回収された微粉D1は、サイクロン83から排出された汚泥乾燥物W2とともに肥料として利用される。バグフィルタ84の排ガスG8は、塩素バイパスダスト処理設備71の湿式集塵機72に導入される。
【0061】
塩回収設備91において、塩素バイパスダスト処理設備71のろ過分離装置74からのろ液L3を塩水槽92に貯留し、薬液反応槽93において、必要に応じて塩鉄や硫鉄を添加してセレンを沈殿させた後、フィルタープレス96でケーキC3とろ液L4とに固液分離する。セレン等を含有するケーキC3は、セメント原料等として再利用する。
【0062】
生石灰製造システム61の熱回収装置8の排ガスG5、及びフィルタープレス96からのろ液L4をスプレードライヤー94に導入し、所定のノズル圧にてろ液L4を噴霧し、排ガスG5にて乾燥させる。スプレードライヤー94から排出される排ガスG9中の乾燥物D2をバグフィルタ95で集塵し、KClを含む塩類を回収する。一方、バグフィルタ95の排ガスG10は、熱回収装置8の下流側に導入し、排ガス処理装置9で排ガスG10に含まれる臭気を除去した後、煙突10から大気へ放出する。
【0063】
以上のように、本実施の形態においては、既設のセメント焼成用キルン等の有効利用に加え、セメント製造工程で発生した廃棄物としての塩素バイパスダストDから、鉛、石膏、塩水SWを回収し、塩水SWを乾燥させて塩類を回収することができる。また、下水汚泥W1を熱回収装置8の排ガスG5を利用して乾燥させ、肥料を得ることもできる。尚、下水汚泥以外の含水廃棄物を熱回収装置8の排ガスG5を利用して乾燥させることもできる。また、熱回収装置8からの排ガスG5をそのまま利用するのではなく、予熱器4から排出された排ガスG1で昇温した空気を乾燥に用いることもできる。
【0064】
次に、本発明にかかる生石灰製造システムの第4の実施形態について、図4を参照しながら説明する。
【0065】
本実施の形態にかかる生石灰製造システム101は、第1の実施形態における生石灰製造システム1の未燃カーボン除去設備21に代えて、廃石膏ボード処理設備111と、廃プラスチック燃料化設備121とを付設したことを特徴とし、他の構成要素については、生石灰製造システム1と同様であるため、図4において、図1と同じ装置、物質等については、同一の参照番号及び符号を付して詳細説明を省略する。
【0066】
廃石膏ボード処理設備111は、廃石膏ボードを粗砕する粗砕装置112と、粗砕物に付着している紙を除去するトロンメル113とを備える。尚、廃石膏ボードとは、石膏ボードの製造時、新築内装工事等の際に発生した石膏ボード端材や、建築物の改装・解体や新築内装工事等に伴って発生した石膏ボード等、廃棄物として取り扱われる石膏ボードをいう。
【0067】
一方、廃プラスチック燃料化設備121は、建築廃材プラスチック(以下「建廃プラ」という)を1次破砕するための1次破砕機122と、破砕物から可燃分COを除去するトロンメル123と、トロンメル123から排出された可燃分COと、廃石膏ボード処理設備111のトロンメル113から排出された紙Pを2次破砕するための2次破砕機124とを備える。
【0068】
次に、上記構成を有する生石灰製造システム101の動作について説明する。尚、生石灰焼成用キルン2、クリンカクーラー3、予熱器4等による生石灰焼成の基本動作は、図1に示した第1の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0069】
廃石膏ボード処理設備111において、受け入れた廃石膏ボードを粗砕装置112によって粗砕した後、粗砕物CR1をトロンメル113に供給し、紙(可燃分)Pと石膏Gとに分離する。回収した石膏Gは、セメントミル等で利用することができる。一方、紙Pは、廃プラスチック燃料化設備121の2次破砕機124に供給する。
【0070】
廃プラスチック燃料化設備121において、建廃プラを1次破砕機122によって1次破砕した後、破砕物CR2をトロンメル123に供給し、可燃分COと残渣Rとに分離する。トロンメル123から排出された可燃分COを2次破砕機124に供給し、廃石膏ボード処理設備111からの紙Pとともに2次破砕し、破砕物を生石灰焼成用キルン2に燃料FUとして供給して利用する。一方、トロンメル123から排出された残渣Rをセメント原料として利用する。
【0071】
以上のように、本実施の形態においては、既設のセメント焼成用キルン等の有効利用に加え、廃棄物としての廃石膏ボード及び建廃プラから可燃分COを回収して生石灰焼成用キルン2の燃料FUとして有効利用することができるとともに、可燃分CO以外のものをセメント製造工程で利用することができる。
【0072】
次に、本発明にかかる生石灰製造システムの第5の実施形態について、図5を参照しながら説明する。
【0073】
本実施の形態にかかる生石灰製造システム131は、第1の実施形態における生石灰製造システム1の未燃カーボン除去設備21に代えて、鉛還元剤製造設備141を付設したことを特徴とし、他の構成要素については、生石灰製造システム1と同様であるため、図5において、図1と同じ装置、物質等については、同一の参照番号及び符号を付して詳細説明を省略する。
【0074】
鉛還元剤製造設備141は、炭素源として炭素分を多量に含むカーボン灰、及び塩素源としての自動車シュレッダーダスト(以下、「ASR」という)を利用し、生石灰焼成用キルン2の窯尻における鉛揮発を行う還元揮発剤を得るために備えられ、水を添加して造粒に必要な粘性を得るとともに、上記カーボン灰とASRとを混合するための混練/混合機142と、混練/混合機142からの混練/混合物Mを造粒してペレットPEとするための造粒機143とを備える。
【0075】
混練/混合機142には、例えば、コンティニュアスニーダーやパグミキサー、レディゲミキサー、プロシェアミキサー等のバッチ式、連続式の混練/混合機を用いることができる。尚、バッチ式の混練/混合機を用いる場合には、造粒機143への供給を一定に保つための装置を設ける。
【0076】
造粒機143には、例えば、押出式(ディスクペレッタ、プレスペレッタ等)、圧縮式(タブレットマシーン、ブリケットマシーン等)を用いることができる。
【0077】
次に、上記構成を有する生石灰製造システム131の動作について説明する。尚、生石灰焼成用キルン2、クリンカクーラー3、予熱器4等による生石灰焼成の基本動作は、図1に示した第1の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0078】
ASRとカーボン灰とを混練/混合機142に所定の塩素濃度になるように定量性のある供給機を用いて投入して混練/混合する。次に、造粒機143により、混練/混合したカーボン灰及びASRを造粒し、水分を調整したペレットPEを得る。
【0079】
上記ペレットPEを、鉛揮発剤として生石灰焼成中に生石灰焼成用キルン2に投入し、生石灰焼成用キルン2内での鉛の揮発を促進し、図3に示した塩素バイパスダスト処理設備71における鉛回収率を向上させることができる。
【0080】
以上のように、本実施の形態においては、既設のセメント焼成用キルン等の有効利用に加え、廃棄物としてのカーボン灰とASRからペレットPEを回収し、カーボン灰及びASRを処理しながら、塩素バイパスダスト処理設備71における鉛揮発剤として有効利用することができる。
【0081】
尚、上記実施の形態においては、廃棄物として、石炭灰、焼却飛灰、汚染土壌、塩素バイパスダスト、廃石膏ボード、下水汚泥、建廃プラ、ASR及びカーボン灰を処理したが、その他に、ごみ焼却炉ばいじん等を処理することもできる。
【符号の説明】
【0082】
1 生石灰製造システム
2 生石灰焼成用キルン
3 クリンカクーラー
4 予熱器
6 高温バグフィルタ
7 脱硝触媒塔
8 熱回収装置
9 排ガス処理装置
10 煙突
11 石炭ミル
12 粗砕機
13 高温バグフィルタ
14 熱回収装置
21 未燃カーボン除去設備
22 スラリータンク
23 表面改質機
24 浮選機
25 ろ過分離装置
26 フィルタープレス
31 生石灰製造システム
41 焼却飛灰処理設備
42 溶解槽
43 ろ過分離装置
44 薬液反応槽
45 沈降分離器
46 ろ過分離装置
51 水銀汚染土壌処理設備
52 加熱分解装置
53 分離膜
61 生石灰製造システム
71 塩素バイパスダスト処理設備
72 湿式集塵機
73 浮選機
74 ろ過分離装置
75 フィルタープレス
81 下水汚泥乾燥設備
82 破砕気流乾燥機
83 サイクロン
84 バグフィルタ
91 塩回収設備
92 塩水槽
93 薬液反応槽
94 スプレードライヤー
95 バグフィルタ
101 生石灰製造システム
111 廃石膏ボード処理設備
112 粗砕装置
113 トロンメル
121 廃プラスチック燃料化設備
122 1次破砕機
123 トロンメル
124 2次破砕機
131 生石灰製造システム
141 鉛還元剤製造設備
142 混練/混合機
143 造粒機
A 焼却飛灰
C 石炭
C1〜C3 ケーキ
CR1 粗砕物
CR2 破砕物
CO 可燃分
D 塩素バイパスダスト
D1 微粉
D2 乾燥物
DW 乾燥物
F1〜F4 微粉
FA フライアッシュ
FR1、FR2 フロス
FU 燃料
G1、G5〜G10 排ガス
G2 熱ガス
L 石灰石
L1 母ろ液
L2 2次ろ液
L3、L4 ろ液
M 混練/混合物
PE ペレット
Q 生石灰
R 残渣
S1〜S5 スラリー
SO1 汚染土壌
SO2 浄化土壌
SW 塩水
T1、T2 テール
U 未燃カーボン
W 水
W’水分
W1 下水汚泥
W2 汚泥乾燥物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生石灰焼成用キルンを備え、
該生石灰焼成用キルンを利用して、石炭灰、汚染土壌、廃石膏ボード、下水汚泥、塩素バイパスダスト、建設系廃プラスチック、自動車シュレッダーダスト、カーボン灰及びごみ焼却炉ばいじんからなる群より選択される1種以上を処理しながら生石灰を製造することを特徴とする生石灰製造システム。
【請求項2】
前記生石灰焼成用キルンは、既設のセメント焼成用キルンの原料予熱系からクリンカー冷却系までの少なくとも一部を利用することを特徴とする請求項1に記載の生石灰製造システム。
【請求項3】
前記生石灰焼成用キルンの排ガスを集塵する高温集塵機と、
該高温集塵機の排ガスを脱硝し、ダイオキシン類を分解するチタン・バナジウム系触媒と、
一酸化炭素を分解する白金触媒又はパラジウム触媒とを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の生石灰製造システム。
【請求項4】
前記脱硝後の排ガス、又は/及び前記生石灰焼成用キルンに付設された予熱器から排出されたガスで昇温された空気を用いて含水廃棄物を乾燥させる乾燥装置又は加熱装置を備えることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の生石灰製造システム。
【請求項5】
前記脱硝後の排ガスは、熱回収装置で減温され、残留性有機汚染物質の再合成を抑制するとともに、後段の水銀及び硫黄分の除去装置に適当なガス温度に調整することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の生石灰製造システム。
【請求項6】
前記空気の昇温に利用した前記予熱器の排ガス、及び前記乾燥装置から排出されたガス又は/及び前記有害な微量成分の揮発又は/及び分解用熱源に用いた後のガスから水銀を除去する水銀除去装置、又は水銀及び硫黄分を除去する脱水銀・脱硫装置を備えることを特徴とする請求項4又は5に記載の生石灰製造システム。
【請求項7】
前記生石灰焼成用キルンに付設された生石灰冷却用のクーラーの後段に、該クーラーから排出された生石灰粒の表面を削る表面磨砕機と、該表面磨砕機による磨砕によって生じた微粉分を前記高温集塵機に吹き込む吹込装置とを備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の生石灰製造システム。
【請求項8】
生石灰焼成用キルンを利用して、石炭灰、汚染土壌、廃石膏ボード、下水汚泥、塩素バイパスダスト、建設系廃プラスチック、自動車シュレッダーダスト、カーボン灰及びごみ焼却炉ばいじんからなる群より選択される1種以上を処理しながら生石灰を製造することを特徴とする生石灰の製造方法。
【請求項9】
前記生石灰焼成用キルンによって製造された製品としての生石灰に不要な成分を、セメント原料、石膏、肥料、セメント用混合材、山元還元資源及び循環利用水からなる群より選択される1種以上に利用することを特徴とする請求項8に記載の生石灰の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−57465(P2011−57465A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−205633(P2009−205633)
【出願日】平成21年9月7日(2009.9.7)
【出願人】(000000240)太平洋セメント株式会社 (1,449)
【Fターム(参考)】