説明

生薬組成物

【課題】 ニコチン、タール、一酸化炭素などの喫煙関連物質及びダイオキシンに対する解毒作用、並びに抗酸化作用を有する生薬組成物を提供すること。
【解決手段】 タンポポ、トウキンセン、イヌホオズキ、茶の木、オオバコ、どくだみ、スイカズラ及びカンゾウの抽出物を含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、喫煙関連物質及びダイオキシンに対する解毒作用、並びに抗酸化作用を有する生薬組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
種々の薬理作用を発揮させることを目的として、生薬の抽出物を複数組み合わせた生薬組成物が種々提案されており、例えば、黒豆、蒲公英及び金銀花の抽出物からなる生薬組成物は、体内ニコチン及びダイオキシンに対する分解効果を有することが記載されている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2005−82587号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、喫煙関連物質としては、ニコチン以外にタールや一酸化炭素などがあり、ニコチンに対する解毒作用を有するだけでは、効果として十分とはいえない。また、近年は、老化、生活習慣病や発ガンなどを予防するため、抗酸化剤が注目されており、上記の作用に加えて抗酸化作用を併せて有する生薬組成物が要望されている。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ニコチン、タール、一酸化炭素などの喫煙関連物質及びダイオキシンに対する解毒作用、並びに抗酸化作用を有する生薬組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、タンポポ、トウキンセン、イヌホオズキ、茶の木、オオバコ、どくだみ、スイカズラ及びカンゾウの抽出物を含有する生薬組成物に着目し、その効能を鋭意検討したところ、喫煙関連物質及びダイオキシンに対する解毒作用、並びに抗酸化作用を有することを見出し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
〔1〕 タンポポ、トウキンセン、イヌホオズキ、茶の木、オオバコ、どくだみ、スイカズラ及びカンゾウの抽出物を含有することを特徴とする、喫煙関連物質及びダイオキシンに対する解毒作用、並びに抗酸化作用を有する生薬組成物、
〔2〕 前記〔1〕記載の生薬組成物を含有する食品、
〔3〕 前記〔1〕記載の生薬組成物を含有するタバコ、
〔4〕 前記〔1〕記載の生薬組成物を含有する医薬品、
〔5〕 前記〔1〕記載の生薬組成物を含有する漢方薬。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ニコチン、タール、一酸化炭素などの喫煙関連物質及びダイオキシンに対する解毒作用、ならびに抗酸化作用を有する生薬組成物を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の生薬組成物は、タンポポ、トウキンセン、イヌホオズキ、茶の木、オオバコ、どくだみ、スイカズラ及びカンゾウの抽出物を必須成分として含有し、ニコチン、タール、一酸化炭素などの喫煙関連物質及びダイオキシンに対する解毒作用、並びに抗酸化作用を有するものである。
【0010】
タンポポ(Taraxacum platycarpum H. dahist)は、蒲公英とも称されるキク科の多年草である。本発明の生薬組成物において、タンポポの抽出物は、全必須成分中、0.5〜20重量%含有させることが好ましい。本発明において、タンポポの使用部位は特に限定されないが、通常は、根、花、全草、葉が使用される。
【0011】
トウキンセン(Calendula officinalis L.)は、金松花とも称されるキク科の一年草である。本発明の生薬組成物において、トウキンセンの抽出物は、全必須成分中、5〜40重量%含有させることが好ましい。本発明において、トウキンセンの使用部位は特に限定されないが、通常は、花が使用される。
【0012】
イヌホオズキ(Solanum nigrum L.)はナス科の1年草である。本発明の生薬組成物において、イヌホオズキの抽出物は、全必須成分中、5〜20重量%含有させることが好ましい。本発明において、イヌホオズキの使用部位は特に限定されないが、通常は、全草が使用される。
【0013】
茶の木(Thea sinensis L)はツバキ科の常緑樹である。本発明の生薬組成物において、茶の木の抽出物は、全必須成分中、5〜20重量%含有させることが好ましい。本発明において、茶の木の使用部位は特に限定されないが、通常は、葉が使用される。
【0014】
オオバコ(Plantago asiatica L.)はオオバコ科の多年草である。本発明の生薬組成物において、オオバコの抽出物は、全必須成分中、5〜40重量%含有させることが好ましい。本発明において、オオバコの使用部位は特に限定されないが、通常は、草が使用される。
【0015】
どくだみ(Houttuynia cordata Thunb (Polypara cordata Bueck))は、中薬草とも称されるドクダミ科の多年草である。本発明の生薬組成物において、どくだみの抽出物は、全必須成分中、5〜40重量%含有させることが好ましい。本発明において、どくだみの使用部位は特に限定されないが、通常は、幹と葉が使用される。
【0016】
スイカズラ(Lonicera japonica Thunb)は、金銀花とも称されるスイカズラ科のつる性植物である。本発明の生薬組成物において、スイカズラの抽出物は、全必須成分中、5〜30重量%含有させることが好ましい。本発明において、スイカズラの使用部位は特に限定されないが、通常は、幹と葉が使用される。
【0017】
カンゾウ(Glycyrrhiza glabra L.)は、国老,敏感草とも称されるマメ科の多年草である。本発明の生薬組成物において、カンゾウの抽出物は、全必須成分中、0.5〜20重量%含有させることが好ましい。本発明において、カンゾウの使用部位は特に限定されないが、通常は、根と根茎が使用される。
【0018】
次に、本発明の生薬組成物の製法について説明する。上述した各生薬の抽出物は、常法によって製造することができる。例えば、上述した各生薬の乾燥物を細片にして、抽出溶媒中で還流抽出し、濾過、濃縮の各工程を経て各生薬の抽出物を得、各抽出物を所定含量で混合することにより生薬組成物(粉末)が得られる。また、還流抽出の際に、各生薬の乾燥物を所定量混合した混合物を用いて、上記と同様の工程により生薬組成物を製造することもできる。
【0019】
抽出溶媒としては、水、低級アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノールなど)、エステル類(例えば、酢酸エチルなど)、ケトン類(例えば、アセトンなど)、芳香族炭化水素類、ハロゲン化脂肪族炭化水素類(例えば、クロロホルムなど)などが挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0020】
本発明の生薬組成物は、上述した粉末の混合物をそのまま、または適当な担体(例えば、乳糖、とうもろこし澱粉、微結晶セルロース、マグネシウムステアレイトなど)と混合して、例えば、粉末、細粒剤、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、トローチ剤などの剤型にして供することができる。また、本発明の生薬組成物を食品中に含有させ、機能性食品として供することもできる。本発明の生薬組成物を含有させる食品としては、例えば、ヨーグルト、キャンデー、クッキー、ゼリー、チューインガムなどの菓子類、清涼飲料などが挙げられる。また、タバコ、医薬品、漢方薬に配合することもできる。本発明の生薬組成物を食品配合原料として用いる場合、その含有量は特に限定されないが、通常は、食品中5〜70重量%の範囲で含有させることができる。
【実施例】
【0021】
以下、試験例などにより本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらによりなんら限定されるものではない。
【0022】
1.生薬組成物の製造例
タンポポ、トウキンセン、イヌホオズキ、茶の木、オオバコ、どくだみ、スイカズラ及びカンゾウの乾燥物をそれぞれ100gずつ用意し、前記各生薬に水(抽出溶媒)を2Lずつ添加し、大気圧条件で2時間還流した。得られた各生薬の粗抽出液のうち、上部にある残物を濾過して各生薬抽出液を得、次いで該生薬抽出液を50℃で減圧濃縮して各生薬抽出物(粉末)を得た。そして、8種類の生薬抽出物の粉末を全て同量ずつ混合して生薬組成物(本発明品)を製造した。
【0023】
2.ニコチン毒性試験(1)
6週齢のICRマウス(セムタコ社、韓国京畿道烏山市)20匹を5匹ずつ4つの群(G1〜G4)に分け、通常の固体飼料を水とともに2週間給餌して、試験に供した。
マウス飼育は、温度24℃±1℃、湿度55±5%、換気回数12回/時間、明暗周期12時間/日(朝8時点灯、夜8時消灯)に設定された鉄網飼育室で行なった。なお、後述する試験についてもマウス飼育は上記と同じ条件で行なった。
8週齢の前記ICRマウスのうち、G1とG2には通常の固体飼料に生薬組成物(本発明品)を10重量%混ぜたもの(以下、「生薬配合飼料」という)を水とともに1週間給餌した。一方、G3とG4には、通常の固体飼料を水とともに1週間給餌した。
そして、9週齢の前記ICRマウスのうち、G1とG3にはニコチンを腹腔投与し(ニコチン濃度:30mg/kg)、麻痺開始時間、発作開始時間、発作終了時間および死亡するまでの時間を測定した。そして、死亡または回復した試験動物から心臓採血して、血中ニコチン濃度を測定した。また、G2とG4には、ニコチンを腹腔投与し(ニコチン濃度:30mg/kg)、その後前記生薬配合飼料を給餌した後、上記と同様に麻痺開始時間等を測定した。
血中ニコチン濃度は次のようにして測定した。まず、採血した血液にアンモニア水を添加してpH9に調整し、カラム(EXTRELUT COLUMN,MERCK社)に15分間維持させて、酢酸エチルで溶出し、得られた溶出液を減圧下で除去した。そして、得られた残渣に酢酸エチルを加えて分析試料とした。分析試料はガスクロマトグラフィーにより定量した。分析条件は次のとおりである。
(ガスクロマトグラフィー装置)5890 SERIES,FID装着、HP社(U.S.))
(カラム)2% Tharmon1000+1%KOH ChromosorbWAM:8/100 meshを充填した長さ2m、直径3mmのガラスカラム
(カラム温度)100℃
(キャリア気体)N
(流速)60ml/min
表1に結果を示す。
【0024】
【表1】

【0025】
ニコチン投与前に生薬組成物(本発明品)を給餌した生薬組成物群(G1,G2)と生薬組成物(本発明品)を給餌しなかった対照群(G3,G4)とを比べると、生薬組成物群では10匹中9匹が発作終了後に回復したのに対し、対照群では10匹とも発作終了後に死亡した。この結果から、生薬組成物の摂取がニコチンに対する解毒効果を高めることが分かった。
次に、ニコチン投与後に生薬組成物(本発明品)を投与した群(G2,G4)と投与しなかった群(G1,G3)とを比べると、前者では発作開始時間が遅延するとともに、死亡する場合であっても死亡時間が遅延した。
【0026】
3.ニコチン毒性試験(2)
血中ニコチン濃度の測定に代えて尿中ニコチン濃度を測定した以外は前記「2.ニコチン毒性試験(1)」と同様に行なった。表2に結果を示す。
【0027】
【表2】

【0028】
生薬組成物群(G1,G2)と対照群(G3,G4)の尿中ニコチン濃度を対比すると、前者は後者に比べ、尿中ニコチン濃度が著しく高いことが分かった。この結果と、前記表1の血中ニコチン濃度の結果から、生薬組成物(本発明品)のニコチンに対する解毒作用は、ニコチンの排泄が促進されることによるものと推測された。
【0029】
4.ニコチンの排泄量の測定
4週齢のICRマウス(セムタコ社、韓国京畿道烏山市)12匹を生薬組成物群と対照群に各6匹ずつ分け、通常の固体飼料を水とともに1週間給餌した。
5週齢の生薬組成物群マウスには、1日目の10時と17時に前記生薬配合飼料を水とともに給餌するとともに、その日の14時に、注射用滅菌蒸留水に1mg/mlの濃度で溶解したニコチンを体重1kg当たり10mg腹腔投与した。
そして、2日目の10時に前記生薬配合飼料を水とともに給餌し、その日の14時に尿を採取して尿中ニコチン濃度を測定した。尿中ニコチン濃度の測定は、前記「3.ニコチン毒性試験(2)」と同様に行なった。
一方、5週齢の対照群マウスには、通常の固体飼料を水とともに給餌した以外は前記生薬組成物群と同じ時刻に給餌およびニコチン投与して、尿中ニコチン濃度を測定した。表3に結果を示す。
【0030】
【表3】

【0031】
生薬組成物群と対照群のニコチン濃度は、それぞれ前記表2のG2とG4と同様の値となり、生薬組成物(本発明品)の体外排泄作用を再確認することができた。
【0032】
5.タール毒性試験(1)
6週齢のICRマウス(セムタコ社、韓国京畿道烏山市)10匹を5匹ずつ生薬組成物群(G1)と対照群(G2)に分け、通常の固体飼料を水とともに2週間給餌した。
8週齢の前記ICRマウスのうち、G1には1日目に前記生薬配合飼料を水とともに給餌した後、タールを体重1kg当たり10mg腹腔投与し、以後7日間前記生薬配合飼料を給餌して、該期間中のマウスの様子を観察した。
一方、G2には1日目に通常の固体飼料を水とともに給餌した後、タールを体重1kg当たり10mg腹腔投与し、以後7日間上記と同じ餌を給餌して、該期間中の動物の様子を観察した。表4に結果を示す。
【0033】
【表4】

【0034】
G1(生薬組成物群)では、5匹中4匹がタールを投与して7日経過後に生存していたのに対し、G2(対照群)では、5匹中1匹がタールを投与して7日経過後に生存していた。このことから、生薬組成物(本発明品)の摂取がタールに対する解毒効果を高めることが分かった。
【0035】
6.タール毒性試験(2)
4週齢のICRマウス(セムタコ社、韓国京畿道烏山市)20匹を生薬組成物群と対照群に各10匹ずつ分け、通常の固体飼料を水とともに1週間給餌した。
5週齢の生薬組成物群マウスには、1日目の10時と17時に前記生薬配合飼料を水とともに給餌するとともに、その日の14時に、注射用滅菌蒸留水に1mg/mlの濃度で溶解したニコチンを体重1kg当たり30mg腹腔投与した。
以後、7日間上記と同じ餌を上記と同時刻に給餌して1週間後の生存率を調べた。
一方、5週齢の対照群マウスには、通常の固体飼料を水とともに給餌した以外は前記生薬組成物群と同様に行なった。表5に結果を示す。
【0036】
【表5】

【0037】
生存率は、生薬組成物群が70%、対照群が10%となり、生薬組成物(本発明品)のタールに対する解毒効果が再確認された。
【0038】
7.一酸化炭素毒性試験
9週齢までの給餌履歴は前記「2.ニコチン毒性試験(1)」と同様に行なった。
9週齢の各ICRマウスを露出用チャンバ(Sugiyamage社)内に収容して、G1とG3には021%,CO5ppmの混合気体をポンプで取り入れて5分間吸入させた。露出終了後の各マウスを心臓採血し、血中CO-Hb濃度をガスクロマトグラフィーにより測定した。分析試料として、前記採血した血液0.5mlを5ml容量の反応ガラス瓶に入れ、オクチルアルコールとポタシウムペリシアネイト飽和溶液0.25mlを加えて反応させたものを使用した。
一方、G2とG4には、021%,CO5ppmの混合気体を5分間吸入させ、その後通常の固体飼料に生薬組成物を混ぜたものを給餌した後に心臓採血を行ない、前記と同様の方法により血中CO-Hb濃度を測定した。
分析試料はガスクロマトグラフィーにより定量した。分析条件は次のとおりである。
(ガスクロマトグラフィー装置)5890 SERIES,FID装着、HP社(U.S.))
(カラム)モレキュラーシーブ5A(3/60 mesh)を充填した長さ2m、直径3mmのガラスカラム
(カラム温度)60℃
(キャリア気体)H
(流速)50ml/min
表6に結果を示す。
【0039】
【表6】

【0040】
CO露出前に生薬組成物(本発明品)を給餌した生薬組成物群(G1,G2)と生薬組成物(本発明品)を給餌しなかった対照群(G3,G4)について血中CO−Hb濃度を比べると、前者の方が後者よりも有意に低い値を示した。このことから、生薬組成物(本発明品)は、COに対する解毒作用を有することが推測される。
【0041】
8.ダイオキシン類に対する体外排泄作用
韓国の京畿道華城郡所在の焼却炉に10年以上勤めている労働者のうち、志願者3名を被検者とした。該被検者には毎食後、生薬組成物1.2gを4週間摂取してもらった。そして、試験開始前と4週間経過後に、前記被検者の血中ダイオキシン類濃度をGC−MSにより測定した。分析は、US EPA methods & Canada IOS methodsに準じて行なった。表7に結果を示す。
【0042】
【表7】

【0043】
PCDD類(PCDD)とPCDE類(PCDF)の合計濃度は、いずれの被検者についても30%以上の減少率を示した。また、TEQ濃度は、いずれの被検者についても10%以上の減少率を示した。これらの結果から、生薬組成物(本発明品)を摂取することにより、ダイオキシン類がヒト体内から体外へ排泄されることが分かった。
【0044】
9.抗酸化力の測定
抗酸化力の測定はKiharuの方法(例えば、特開2002-38151号公報を参照)にしたがって行なった。すなわち、蒸留水1mlにリノール酸2mgを添加した溶液と、蒸留水1mlにTween-20 10mgを添加した溶液と、1時間曝気させた0.2M リン酸カルシウム(pH7.4)1mlと、生薬組成物(本発明品)0.5mlからなる混合物を37℃で24時間反応させながら、3時間毎に反応液を0.1ml採取した。続いて、採取した反応液に75%エタノールを9.7ml、30%チオシアン酸アンモニウムを0.1ml、0.02M硫酸アンモニウム鉄を3.5ml、塩酸を0.1mlそれぞれ添加し、3分後に500nmにおける吸光度を測定した。また、比較例として合成抗酸化剤である2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)と天然抗酸化剤であるトコフェロールを用いて上記と同様に抗酸化力を測定した。表8に結果を示す。
【0045】
【表8】

【0046】
表8より、生薬組成物の抗酸化力は、トコフェロールより高く、BHTよりもやや低いことが分かった。
【0047】
10.血漿総抗酸化力の測定
4週齢のICRマウス(セムタコ社、韓国京畿道烏山市)16匹を生薬組成物群と対照群に各8匹ずつ分け、通常の固体飼料を水とともに1週間給餌した。
5週齢の各マウスのうち、生薬組成物群には前記生薬配合飼料を水とともに3週間給餌した後採血を行ない、血漿総酸化力を測定した。
一方、5週齢の対照群には、通常の固体飼料を水とともに3週間給餌したこと以外は上記と同様に行なった。
総抗酸化力は、総抗酸化力測定キット(Randox社(U.K.))を用いて測定した。表9に結果を示す。
【0048】
【表9】

【0049】
表9に示したTrolox換算濃度は総抗酸化力の指標である。生薬組成物群の血漿総抗酸化力は対照群に比べて38%増加した(p<0.05)。血漿の抗酸化力は、体内の抗酸化力を代表すると一般的に考えられている。したがって、表9のデータから、生薬組成物(本発明品)の摂取により体内抗酸化力が増加したといえる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、例えば、食品、タバコ、医薬品、漢方薬などの配合原料として広く利用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンポポ、トウキンセン、イヌホオズキ、茶の木、オオバコ、どくだみ、スイカズラ及びカンゾウの抽出物を含有することを特徴とする、喫煙関連物質及びダイオキシンに対する解毒作用、並びに抗酸化作用を有する生薬組成物。
【請求項2】
請求項1記載の生薬組成物を含有する食品。
【請求項3】
請求項1記載の生薬組成物を含有するタバコ。
【請求項4】
請求項1記載の生薬組成物を含有する医薬品。
【請求項5】
請求項1記載の生薬組成物を含有する漢方薬。

【公開番号】特開2008−56589(P2008−56589A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−233544(P2006−233544)
【出願日】平成18年8月30日(2006.8.30)
【出願人】(306024470)
【Fターム(参考)】