生鮮商品の生産管理システム、データ管理装置、および生鮮商品の生産管理システムにおける不整合情報生成方法
【課題】複数の小売店舗で構成される店舗ネットワーク全体についての入出荷に係る不整合状況を容易に把握することが出来る生鮮商品の生産管理システムを提供。
【解決手段】センター端末7および店舗端末8に入力された生産実績データを、データ管理装置2(集配信サーバ3、本部端末4、WEBサーバ5)の取得手段が適宜のタイミングで取得する。データ管理装置2の登録手段が、データベースサーバ6に備わる種々のデータベースに対して該生産実績データを登録する。データ管理装置2の不整合情報生成手段は、該登録内容に基づいて、店舗ネットワーク全体について、個体識別番号が不正付与された商品の存否など4種の不整合情報を生成し、データベースサーバ6に蓄積する。該不整合情報は、各端末からそれぞれ閲覧可能とされる。店舗ネットワーク全体における生鮮商品の入出荷に係る不整合を集中的に把握できるので、生鮮商品の生産管理の実効性が向上する。
【解決手段】センター端末7および店舗端末8に入力された生産実績データを、データ管理装置2(集配信サーバ3、本部端末4、WEBサーバ5)の取得手段が適宜のタイミングで取得する。データ管理装置2の登録手段が、データベースサーバ6に備わる種々のデータベースに対して該生産実績データを登録する。データ管理装置2の不整合情報生成手段は、該登録内容に基づいて、店舗ネットワーク全体について、個体識別番号が不正付与された商品の存否など4種の不整合情報を生成し、データベースサーバ6に蓄積する。該不整合情報は、各端末からそれぞれ閲覧可能とされる。店舗ネットワーク全体における生鮮商品の入出荷に係る不整合を集中的に把握できるので、生鮮商品の生産管理の実効性が向上する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の小売店舗によって構成される店舗ネットワークにおける生鮮商品、特に精肉商品の生産管理に好適な生産管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の小売店舗を構成単位として含む店舗ネットワーク、いわゆるスーパーマーケットチェーンなどにおいては、パックセンターや加工センターなどといった名称で称される施設(以下、受入処理施設と称する)において集中的に原材料を入荷し、所定の加工を施したり、多数量入荷した同一種の商品を所定量ずつ小分けしたりした上で、所定の数量ずつ傘下の各小売店舗に向けて出荷するのが、一般的な態様である。その際には、所定の商品コードを用い、所定の生産管理システムによって商品の入出荷が管理される。例えば、牛肉商品の場合であれば、標準物流バーコードによって中間商品である部分肉や精肉商品の生産管理、より詳細に言えば、入出荷、ロットの形成、部分肉からスライス、挽肉など精肉への加工、さらには、計量値付装置によるパック詰め及び値付などの実績データが取得される。そして、いわゆる管理部門において、該生産管理システムによって集積された実績データを参照することにより、生産の現状把握や、生産、販売計画等の立案および各小売店舗への実行指示がなされる。
【0003】
また、近年のBSEの流行に対応すべく、牛精肉商品については、加工元たる牛個体を一意に識別する個体識別番号の付与することが義務づけられており、必要に応じてその牛個体の生産履歴を照会できる、いわゆるトレーサビリティシステムが確立されるようになってきている。
【0004】
こうした状況において、部分肉から精肉商品を生産するときに、部位コードと商品コードとが関連付けられているか否かをチェックするシステムがすでに公知である(例えば特許文献1参照。)。
【0005】
また、アプリケーションサービスプロバイダ(ASP)において運営管理を行うことにより、事業者が少ない投資で参加できる生鮮品のトレーサビリティシステムについても公知である(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
【特許文献1】特開2004−310597号公報
【特許文献2】特開2004−213477号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のように、仕入元からある原材料等を仕入れて受入処理施設において加工等を施し、その後小売店舗で最終商品が販売に供されるまでを生産管理システムによって管理する場合、受入処理施設側からの出荷の状況と、小売店舗側における入荷の状況との間には、本来は矛盾は生じないはずである。具体的にいえば、受入処理施設側からの出荷の状況を示す記録、例えば、ある日時にある商品をある数量だけある小売店舗に出荷したという記録に対応して、該小売店舗側においても、少なくとも数日のうちにはその商品がその数量だけ入荷したという記録が必ず存在するはずである。しかしながら、現実には、誤配や紛失などが生じ、両者の記録には不整合が生じうる。ところが、従来、このような不整合については、関係する個別の店舗においては当然に認識されているものの、管理部門が店舗ネットワーク全体について一元的にこれを把握することは困難であった。
【0008】
また、精肉商品については、元になる部分肉の入荷の段階に付されている個体識別番号と同一の個体識別番号がパック包装のラベル等に付されて販売されるはずであり、対応する部分肉の記録が存在しない、不正な個体識別番号が付与された精肉商品が、存在してはならない。このような不正が小売店舗においてなされることは防止する必要があり、そのためには、不正な個体識別番号を有する精肉製品が小売店舗で生産されていないことを、言い換えれば、入荷段階で個体識別番号が確認されている部分肉のみに基づいた精肉商品が生産され販売されていることを、管理部門が一元的に把握できることが必要である。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされてなされたものであり、店舗ネットワーク全体についての入出荷に係る不整合状況を容易に把握することが出来る生鮮商品の生産管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、複数の小売店舗を構成単位として含む店舗ネットワークにおける生鮮商品の生産管理システムであって、前記構成単位のそれぞれに対応して備わり、当該構成単位のそれぞれにおける生鮮商品に係る所定の処理の実績を表す単位処理実績データを生成させる複数の端末装置と、前記複数の端末装置との間でデータの授受が可能に設けられ、前記店舗ネットワークにおける前記生鮮商品の処理状況を管理するデータ管理装置と、を備え、前記データ管理装置が、前記複数の端末装置のそれぞれから前記単位処理実績データを取得する取得手段と、前記取得手段によって取得した複数の単位処理実績データの内容を所定のデータベースに登録する登録手段と、前記データベースを対象に、所定の抽出条件に基づく抽出処理を実行することにより、前記店舗ネットワークの内部における前記生鮮商品に係る所定の不整合状況を指し示す不整合情報を生成する不整合情報生成手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1に記載の生産管理システムであって、前記店舗ネットワークが、外部からの生鮮商品の入荷を集中的に担う受入処理施設を前記構成単位としてさらに含み、前記複数の端末装置が、前記受入処理施設に対応して備わる第1端末装置と、前記複数の小売店舗のそれぞれに対応して備わる第2端末装置とを含み、前記第1端末装置からは前記単位処理実績データとして第1実績データが生成され、前記第2端末装置からは前記単位処理実績データとして第2実績データが生成され、前記登録手段が、前記第1実績データの内容を第1データベースに登録するとともに前記第2実績データの内容を第2データベースに登録し、前記不整合情報生成手段が、前記第1データベースの登録内容と前記第2データベースの登録内容との比較照合処理を行うことにより前記不整合情報として前記受入処理施設と前記複数の小売店舗との間の前記生鮮商品に係る入出荷の不整合状況を含む情報を生成する、ことを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明は、請求項2に記載の生産管理システムであって、前記生鮮商品には、前記受入処理施設に入荷される一次商品と、前記一次商品に対して所定の分割加工を施すことによって生産される複数の二次商品とが含まれ、前記一次商品には当該一次商品もしくはそれが所属するロットまたは材料個体を一意に識別可能な識別情報が関連付けられており、前記二次商品にはその生産元となった一次商品から継承された識別情報が関連付けられてなり、かつ、前記識別情報は、前記第1端末装置においては前記第1実績データに記述され、前記第2端末装置においては前記第2実績データに記述される、ことを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明は、請求項3に記載の生産管理システムであって、前記不整合情報生成手段が、前記第1データベースに存在せず前記第2データベースにのみ存在する識別情報が関連付けられてなる生鮮商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、ことを特徴とする。
【0014】
請求項5の発明は、請求項4に記載の生産管理システムであって、前記一次商品が部分肉であり、前記二次商品が精肉商品であり、前記識別情報が、前記部分肉の生産元となった家畜個体の個体識別番号であり、前記精肉商品を生産する少なくとも1つの生産装置が前記複数の小売店舗に備わり、前記取得手段が前記少なくとも1つの生産装置に記録された生産実績データを取得し、前記登録手段が前記生産実績データを第3データベースに登録し、かつ、前記不整合情報生成手段が、前記第3データベースの登録内容と前記第1データベースおよび前記第2データベースの登録内容との比較照合処理を行うことにより前記第1データベースおよび前記第2データベースのいずれにも存在せず前記第3データベースにのみ存在する個体識別番号が関連付けられてなる部分肉または精肉商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、ことを特徴とする。
【0015】
請求項6の発明は、請求項3ないし請求項5のいずれかに記載の生産管理システムであって、前記第1実績データには前記受入処理施設からの前記生鮮商品の出荷時期が記述可能とされており、前記第2実績データには前記小売店舗への前記生鮮商品の入荷時期が記述可能とされており、前記不整合情報生成手段が、前記第1データベースに記述されている生鮮商品であってその出荷時期から所定の期間が経過するまでの範囲内に前記第2データベースに記述されていない生鮮商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、ことを特徴とする。
【0016】
請求項7の発明は、請求項3ないし請求項6のいずれかに記載の生産管理システムであって、前記第1実績データには前記受入処理施設から出荷する生鮮商品の出荷先となる小売店舗を特定する出荷先情報が記述可能とされており、前記第2実績データには当該第2実績データの作成対象である前記小売店舗を特定する入荷店舗情報が記述可能とされており、前記不整合情報生成手段が、前記第1データベースと前記第2データベースの双方に対応する前記識別情報の記述がある生鮮商品であって、前記第1データベースに記述されている前記出荷先情報と前記第2データベースに記述されている前記入荷店舗情報とによってそれぞれ特定される小売店舗が一致しない生鮮商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、ことを特徴とする。
【0017】
請求項8の発明は、請求項3ないし請求項7のいずれかに記載の生産管理システムであって、前記第1実績データには前記受入処理施設が仕入れた生鮮商品の仕入先を特定する仕入先情報が記述可能とされており、前記不整合情報生成手段が、前記第2データベースに前記識別情報の記述がある生鮮商品であって、前記第1データベースに前記仕入先情報が記述されていない生鮮商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、ことを特徴とする。
【0018】
請求項9の発明は、請求項8に記載の生産管理システムであって、前記データ管理装置が所定の入力手段を備え、前記第1実績データおよび前記第2実績データに基づく登録がなされている第4のデータベースに対し、前記入力手段を介して前記仕入先情報の追記処理が可能である、ことを特徴とする。
【0019】
請求項10の発明は、請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の生産管理システムであって、前記複数の端末装置と前記データ管理装置とが、所定の回線にてネットワーク接続されている、ことを特徴とする。
【0020】
請求項11の発明は、請求項10に記載の生産管理システムであって、前記取得手段は前記複数の端末装置から所定のタイミングで前記単位処理実績データを自動的に取得し、前記登録手段は、その取得内容について前記データベースに自動的に登録する、ことを特徴とする。
【0021】
請求項12の発明は、請求項11に記載の生産管理システムであって、前記不整合情報生成手段が、所定のタイミングで前記不整合情報を自動的に生成し、所定の記憶手段に記憶する、ことを特徴とする。
【0022】
請求項13の発明は、請求項12に記載の生産管理システムであって、前記データ管理装置および前記複数の端末装置のそれぞれの少なくとも1つが、所定の情報を視認可能に表示する表示手段と、所定の閲覧プログラムを実行することにより前記表示手段に所定の閲覧画面を表示させるとともに、所定の表示要求処理を実行することにより前記閲覧画面上に前記記憶手段に記憶された前記不整合情報を表示させる制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0023】
請求項14の発明は、請求項13に記載の生産管理システムであって、前記制御手段において前記所定の表示要求処理が実行されることにより、前記閲覧画面上において、異なる種類の前記不整合情報を共通する表示フォーマットに従って選択的に表示可能である、ことを特徴とする。
【0024】
請求項15の発明は、複数の小売店舗を構成単位として含む店舗ネットワークにおける生鮮商品の生産管理システムに備わり、前記店舗ネットワークにおける前記生鮮商品の処理状況を管理するデータ管理装置であって、前記構成単位のそれぞれに対応して備わり、当該構成単位のそれぞれにおける生鮮商品に係る所定の処理の実績を表す単位処理実績データを生成させる複数の端末装置のそれぞれから、前記単位処理実績データを取得する取得手段と、前記取得手段によって取得した複数の単位処理実績データの内容を所定のデータベースに登録する登録手段と、前記データベースを対象に、所定の抽出条件に基づく抽出処理を実行することにより、前記店舗ネットワークの内部における前記生鮮商品に係る所定の不整合状況を指し示す不整合情報を生成する不整合情報生成手段と、を備えることを特徴とする。
【0025】
請求項16の発明は、請求項15に記載のデータ管理装置であって、前記店舗ネットワークが、外部からの生鮮商品の入荷を集中的に担う受入処理施設を前記構成単位としてさらに含み、前記複数の端末装置が、前記受入処理施設に対応して備わる第1端末装置と、前記複数の小売店舗のそれぞれに対応して備わる第2端末装置とを含み、前記第1端末装置からは前記単位処理実績データとして第1実績データが生成され、かつ、前記第2端末装置からは前記単位処理実績データとして第2実績データが生成される場合に、前記登録手段が、前記第1実績データの内容を第1データベースに登録するとともに前記第2実績データの内容を第2データベースに登録し、前記不整合情報生成手段が、前記第1データベースの登録内容と前記第2データベースの登録内容との比較照合処理を行うことにより前記不整合情報として前記受入処理施設と前記複数の小売店舗との間の前記生鮮商品に係る入出荷の不整合状況を含む情報を生成する、ことを特徴とする。
【0026】
請求項17の発明は、請求項16に記載のデータ管理装置であって、前記生鮮商品には、前記受入処理施設に入荷される一次商品と、前記一次商品に対して所定の分割加工を施すことによって生産される複数の二次商品とが含まれ、前記一次商品には当該一次商品もしくはそれが所属するロットまたは材料個体を一意に識別可能な識別情報が関連付けられており、前記二次商品にはその生産元となった一次商品から継承された識別情報が関連付けられてなり、かつ、前記識別情報は、前記第1端末装置においては前記第1実績データに記述され、前記第2端末装置においては前記第2実績データに記述される場合に、前記不整合情報生成手段が、前記第1データベースに存在せず前記第2データベースにのみ存在する識別情報が関連付けられてなる生鮮商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、ことを特徴とする。
【0027】
請求項18の発明は、請求項17に記載のデータ管理装置であって、前記一次商品が部分肉であり、前記二次商品が精肉商品であり、前記識別情報が、前記部分肉の生産元となった家畜個体の個体識別番号であり、前記精肉商品を生産する少なくとも1つの生産装置が前記複数の小売店舗に備わり、かつ、前記第2実績データが、前記少なくとも1つの生産装置に記録された生産実績データに基づいて生成される場合に、前記取得手段が前記少なくとも1つの生産装置に記録された生産実績データを取得し、前記登録手段が前記生産実績データを第3データベースに登録し、かつ、前記不整合情報生成手段が、前記第3データベースの登録内容と前記第1データベースおよび前記第2データベースの登録内容との比較照合処理を行うことにより前記第1データベースおよび前記第2データベースのいずれにも存在せず前記第3データベースにのみ存在する個体識別番号が関連付けられてなる部分肉または精肉商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、ことを特徴とする。
【0028】
請求項19の発明は、請求項16に記載のデータ管理装置であって、前記生鮮商品には、前記受入処理施設に入荷される一次商品と、前記一次商品に対して所定の分割加工を施すことによって生産される複数の二次商品とが含まれ、前記一次商品には当該一次商品もしくはそれが所属するロットまたは材料個体を一意に識別可能な識別情報が関連付けられており、前記二次商品にはその生産元となった一次商品から継承された識別情報が関連付けられてなり、前記識別情報は、前記第1端末装置においては前記第1実績データに記述され、前記第2端末装置においては前記第2実績データに記述され、前記第1実績データには前記受入処理施設からの前記生鮮商品の出荷時期が記述可能とされており、かつ、前記第2実績データには前記小売店舗への前記生鮮商品の入荷時期が記述可能とされている場合に、前記不整合情報生成手段が、前記第1データベースに記述されている出荷時期から所定の期間が経過するまでの範囲内に前記第2データベースに記述されていない生鮮商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、ことを特徴とする。
【0029】
請求項20の発明は、請求項16に記載のデータ管理装置であって、前記生鮮商品には、前記受入処理施設に入荷される一次商品と、前記一次商品に対して所定の分割加工を施すことによって生産される複数の二次商品とが含まれ、前記一次商品には当該一次商品もしくはそれが所属するロットまたは材料個体を一意に識別可能な識別情報が関連付けられており、前記二次商品にはその生産元となった一次商品から継承された識別情報が関連付けられてなり、前記識別情報は、前記第1端末装置においては前記第1実績データに記述され、前記第2端末装置においては前記第2実績データに記述され、前記第1実績データには前記受入処理施設から出荷する生鮮商品の出荷先となる小売店舗を特定する出荷先情報が記述可能とされており、かつ、前記第2実績データには当該第2実績データの作成対象である前記小売店舗を特定する入荷店舗情報が記述可能とされている場合に、前記不整合情報生成手段が、前記第1データベースと前記第2データベースの双方に対応する前記識別情報の記述がある生鮮商品であって、前記第1データベースに記述されている前記出荷先情報と前記第2データベースに記述されている前記入荷店舗情報とによってそれぞれ特定される小売店舗が一致しない生鮮商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、ことを特徴とする。
【0030】
請求項21の発明は、請求項16に記載のデータ管理装置であって、前記生鮮商品には、前記受入処理施設に入荷される一次商品と、前記一次商品に対して所定の分割加工を施すことによって生産される複数の二次商品とが含まれ、前記一次商品には当該一次商品もしくはそれが所属するロットまたは材料個体を一意に識別可能な識別情報が関連付けられており、前記二次商品にはその生産元となった一次商品から継承された識別情報が関連付けられてなり、前記識別情報は、前記第1端末装置においては前記第1実績データに記述され、前記第2端末装置においては前記第2実績データに記述され、かつ、前記第1実績データには前記受入処理施設が仕入れた生鮮商品の仕入先を特定する仕入先情報が記述可能とされている場合に、前記不整合情報生成手段が、前記第1データベースと前記第2データベースの双方に対応する前記識別情報の記述がある生鮮商品であって、前記第1データベースに前記仕入先情報が記述されていない生鮮商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、ことを特徴とする。
【0031】
請求項22の発明は、請求項21に記載のデータ管理装置であって、所定の入力手段をさらに備え、前記第1実績データおよび前記第2実績データに基づく登録がなされている第4のデータベースに対し、前記入力手段を介して前記仕入先情報の追記処理が可能である、ことを特徴とする。
【0032】
請求項23の発明は、複数の小売店舗を構成単位として含む店舗ネットワークにおける生鮮商品の生産管理システムにおける不整合情報を生成する方法であって、前記構成単位のそれぞれに対応して備わる複数の端末装置によって、当該構成単位のそれぞれにおける生鮮商品に係る所定の処理の実績を表す単位処理実績データを生成させる実績データ生成工程と、前記複数の端末装置との間でデータの授受が可能に設けられ、前記店舗ネットワークにおける前記生鮮商品の処理状況を管理するデータ管理装置において、前記複数の端末装置のそれぞれから前記単位処理実績データを取得する取得工程と、前記取得工程によって取得した複数の単位処理実績データの内容を所定のデータベースに登録する登録工程と、前記データベースを対象に、所定の抽出条件に基づく抽出処理を実行することにより、前記店舗ネットワークの内部における前記生鮮商品に係る所定の不整合状況を指し示す不整合情報を生成する不整合情報生成工程と、を備えることを特徴とする。
【0033】
請求項24の発明は、請求項23に記載の不整合情報生成方法であって、前記店舗ネットワークが、外部からの生鮮商品の入荷を集中的に担う受入処理施設を前記構成単位としてさらに含み、前記複数の端末装置が、前記受入処理施設に対応して備わる第1端末装置と、前記複数の小売店舗のそれぞれに対応して備わる第2端末装置とを含む場合に、前記実績データ生成工程が、前記第1端末装置から前記単位処理実績データとして第1実績データを生成する工程と、前記第2端末装置からは前記単位処理実績データとして第2実績データを生成する工程と、を含み、前記登録工程が、前記第1実績データの内容を第1データベースに登録する工程と、前記第2実績データの内容を第2データベースに登録する工程と、を含み、かつ、前記不整合情報生成工程が、前記第1データベースの登録内容と前記第2データベースの登録内容との比較照合処理を行うことにより前記不整合情報として前記受入処理施設と前記複数の小売店舗との間の前記生鮮商品に係る入出荷の不整合状況を含む情報を生成する、ことを特徴とする。
【0034】
請求項25の発明は、請求項24に記載の不整合情報生成方法であって、前記生鮮商品には、前記受入処理施設に入荷される一次商品と、前記一次商品に対して所定の分割加工を施すことによって生産される複数の二次商品とが含まれ、前記一次商品には当該一次商品もしくはそれが所属するロットまたは材料個体を一意に識別可能な識別情報が関連付けられており、前記二次商品にはその生産元となった一次商品から継承された識別情報が関連付けられてなり、かつ、前記識別情報は、前記第1端末装置においては前記第1実績データに記述され、前記第2端末装置においては前記第2実績データに記述される、ことを特徴とする。
【0035】
請求項26の発明は、請求項3に記載の不整合情報生成方法であって、前記不整合情報生成工程においては、前記第1データベースに存在せず前記第2データベースにのみ存在する識別情報が関連付けられてなる生鮮商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、ことを特徴とする。
【0036】
請求項27の発明は、請求項26に記載の不整合情報生成方法であって、前記一次商品が部分肉であり、前記二次商品が精肉商品であり、前記識別情報が、前記部分肉の生産元となった家畜個体の個体識別番号であり、かつ、前記精肉商品を生産する少なくとも1つの生産装置が前記複数の小売店舗に備わる場合に、前記取得工程においては前記少なくとも1つの生産装置に記録された生産実績データを取得し、前記登録工程においては前記生産実績データを第3データベースに登録し、かつ、前記不整合情報生成工程においては、前記第3データベースの登録内容と前記第1データベースおよび前記第2データベースの登録内容との比較照合処理を行うことにより前記第1データベースおよび前記第2データベースのいずれにも存在せず前記第3データベースにのみ存在する個体識別番号が関連付けられてなる部分肉または精肉商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、ことを特徴とする。
【0037】
請求項28の発明は、請求項24ないし請求項27のいずれかに記載の不整合情報生成方法であって、前記第1実績データには前記受入処理施設からの前記生鮮商品の出荷時期が記述可能とされており、前記第2実績データには前記小売店舗への前記生鮮商品の入荷時期が記述可能とされており、前記不整合情報生成工程においては、前記第1データベースに記述されている生鮮商品であってその出荷時期から所定の期間が経過するまでの範囲内に前記第2データベースに記述されていない生鮮商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、ことを特徴とする。
【0038】
請求項29の発明は、請求項24ないし請求項28のいずれかに記載の不整合情報生成方法であって、前記第1実績データには前記受入処理施設から出荷する生鮮商品の出荷先となる小売店舗を特定する出荷先情報が記述可能とされており、前記第2実績データには当該第2実績データの作成対象である前記小売店舗を特定する入荷店舗情報が記述可能とされており、前記不整合情報生成工程においては、前記第1データベースと前記第2データベースの双方に対応する前記識別情報の記述がある生鮮商品であって、前記第1データベースに記述されている前記出荷先情報と前記第2データベースに記述されている前記入荷店舗情報とによってそれぞれ特定される小売店舗が一致しない生鮮商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、ことを特徴とする。
【0039】
請求項30の発明は、請求項24ないし請求項29のいずれかに記載の不整合情報生成方法であって、前記第1実績データには前記受入処理施設が仕入れた生鮮商品の仕入先を特定する仕入先情報が記述可能とされており、前記不整合情報生成工程においては、前記第2データベースに前記識別情報の記述がある生鮮商品であって、前記第1データベースに前記仕入先情報が記述されていない生鮮商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0040】
請求項1ないし請求項30の発明によれば、店舗ネットワーク全体を構成する各小売店舗において生じる生鮮商品に係る不整合を集中的に把握することが容易に実現できるので、店舗ネットワーク全体における生鮮商品の生産管理の実効性が向上する。
【0041】
特に、請求項2ないし請求項9、請求項16ないし請求項22、および請求項24ないし請求項30の発明によれば、店舗ネットワーク全体を構成する受入処理施設と各小売店舗との間の生鮮商品の入出荷に係る不整合を集中的に把握することが容易に実現できるので、店舗ネットワーク全体における生鮮商品の生産管理の実効性が向上する。
【0042】
特に、請求項3ないし請求項9、請求項17ないし請求項22、および請求項25ないし請求項30の発明によれば、同一の一次商品に基づいて生産される複数の二次商品の生産状況を集中的に把握することが容易に実現できるとともに、受入処理施設における一次商品の処理実績と、小売店舗における当該一次商品に由来する二次商品の処理実績との不整合を集中的に把握することが容易に実現できるので、店舗ネットワーク全体における生鮮商品の生産管理の実効性が向上する。
【0043】
特に、請求項4、請求項5、請求項17、請求項18、請求項26および請求項27の発明によれば、店舗ネットワークを構成する小売店舗において不正に識別情報が付された生鮮商品の存在を、集中的に把握することが容易に実現できる。
【0044】
特に、請求項5、請求項18、および請求項27の発明によれば、店舗ネットワークを構成する小売店舗において不正に個体識別番号が付された精肉商品の存在を、集中的に把握することが容易に実現できる。
【0045】
特に、請求項6、請求項19、および請求項28の発明によれば、受入処理施設から出荷されたにもかかわらずいずれの小売店舗においても入荷の実績がない一次商品および生鮮商品の存在を、集中的に把握することが容易に実現できる。
【0046】
特に、請求項7、請求項20、および請求項29の発明によれば、受入処理施設から誤配された生鮮商品の存在を、集中的に把握することが容易に実現できる。
【0047】
特に、請求項8、請求項9、請求項21、請求項22および請求項30の発明によれば、受入処理施設を通さず、小売店舗に直接入荷した生鮮商品の存在を、集中的に把握することが容易に実現できる。
【0048】
特に、請求項9および請求項22の発明によれば、生産管理システムに登録されているデータの信頼性を高めることが出来る。
【0049】
また、請求項11ないし請求項14の発明によれば、適宜のタイミングで単位処理実績データを自動的に取得することにより、常に最新のデータに基づく不整合情報の生成が可能となる。
【0050】
特に、請求項12ないし請求項14の発明によれば、あらかじめ適宜のタイミングで不整合情報をあらかじめに生成して記憶させておくことができるので、閲覧するたびに逐一、不整合情報を生成する必要がなくなり、閲覧性が向上する。
【0051】
特に、請求項13ないし請求項14の発明によれば、必要なプログラムを備えた端末を使用することで、各小売店舗、受入処理施設、およびデータ管理装置の担当者がそれぞれ、不整合情報を確認することが可能となるので、店舗ネットワーク全体における不整合情報の共有化が図られる。
【0052】
請求項14の発明によれば、複数種類の不整合情報について、共通するフォーマット上で必要な項目のみを表示するので、閲覧性が高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0053】
<システム概要>
図1は、本実施の形態に係る生鮮商品の生産管理システム1の構成を概略的に示す図である。生産管理システム1は、本部Aの傘下に複数の小売店舗Bと商品の仕入、保管、仕分等を集中的に担うセンターC(パックセンターもしくはPCとも称する)とを有する店舗ネットワーク(いわゆるスーパーマーケットチェーン)における、生鮮商品の生産管理を担うシステムである。生産管理システム1は、商品の生産、販売計画などを担う本部Aに設けられてなる集配信サーバ3および本部端末4と、センターCに設けられてなるセンター端末7と、各小売店舗Bに設けられてなる複数の店舗端末8とを含む。さらに該生産管理システム1は、ハウジングセンターHCと称されるサーバ設置施設に設けられてなるWEBサーバ5と、データベースサーバ6とを含んで構成される。
【0054】
集配信サーバ3とWEBサーバ5とデータベースサーバ6は、いわゆるサーバコンピュータによって実現されるものであり、それぞれに処理に適した所定のオペレーションシステムに基づいて動作する。一方、本部端末4とセンター端末7と店舗端末8とは、いわゆるパーソナルコンピュータによって実現されるものである。例えば、本部端末4であれば、ディスプレイ等の表示手段41と、CPU、RAM、ROMなどから構成される制御手段42と、キーボードやマウスなどから構成される入力手段43と、さらには図示しない記憶手段や通信手段などから構成される。同様に、センター端末7は、表示手段71、制御手段72、入力手段73その他から構成され、店舗端末8も、表示手段81、制御手段82、入力手段83その他から構成される。すなわち、本実施の形態に係る生産管理システム1は、その各構成要素において所定のプログラムが実行されることにより各種機能が実現されるコンピュータシステムである。
【0055】
本部Aに設けられた集配信サーバ3および本部端末4とは通信線CL1にて互いに電気的に接続されてなり、ハウジングセンターHCに設けられたWEBサーバ5とデータベースサーバ6も通信線CL2にて互いに電気的に接続されてなる。また、本部Aに設けられた集配信サーバ3および本部端末4と、センター端末7と、複数の店舗端末8と、ハウジングセンターHCに設けられたWEBサーバ5とは、インターネット回線等の広域網Nにを介して互いに接続されている。
【0056】
このような構成を有する生産管理システム1においては、後述するように、センター端末7および店舗端末8に入力された所定の生産実績データを、集配信サーバ3が本部端末4の制御のもとに取得する。該生産実績データは、やはり本部端末4の制御のもとに、広域網NおよびWEBサーバ5を介して、所定の蓄積条件に従ってデータベースサーバ6に蓄積される。係る態様を鑑みると、生産管理システム1においては、集配信サーバ3と本部端末4とWEBサーバ5とが一のデータ管理装置2として作用するとみることが出来る。すなわち、本実施の形態に係る生産管理システム1は、その機能的な側面に着目すれば、データ管理装置2と、データベースサーバ6と、センター端末7と、複数の店舗端末8とから構成されるシステムであるということができる。そして、データ管理装置2がアクセスするデータベースサーバ6が、本部Aに設けられてデータ管理装置2の制御要素として作用する本部端末4と物理的に離隔し、広域網Nを介して本部端末4と接続されるよう設けられているがために、データ管理装置2においてそのアクセスに係る機能を担う要素が、WEBサーバ5として、やはりハウジングセンターHCに設けられているものにすぎないと、解することが出来る。なお、センター端末7および店舗端末8からのデータベースサーバ6へのアクセスは、WEBサーバ5を介してなされるが、これについても、あくまでデータ管理装置2を介して、該データ管理装置2と電気的に接続されたデータベースサーバ6にアクセスしているものと解することができる。
【0057】
それゆえ、このようにデータベースサーバ6が本部Aと離隔したハウジングセンターHCに設けられるのは、本発明の実現において必須の態様ではなく、一の筐体に集配信サーバ3と本部端末4とあるいはさらにWEBサーバ5の機能を備えてなるデータ管理装置2と直接に電気的に接続されるように設けられてもよい。
【0058】
<実績データの処理>
次に、本実施の形態に係る生産管理システム1における実績データの処理について説明する。なお、本実施の形態において、実績データとは、センターCおよび小売店舗Bにおいて、生鮮商品に係る所定の処理、例えば、入出荷、ロットナンバーの関連付け、加工などのの処理実績を表す種々のデータの総称であり、具体的には、センター入出荷データD1、ロット個体リンクデータD2、パック出荷実績データD3、店舗入荷データD4、および計量器実績データD5を指し示している。なお、本実施の形態においては、生鮮商品が牛肉商品である場合について説明する。図2は、係る実績データの内容とその取り扱いについて説明するための図である。
【0059】
まず、センターCにおいては、仕入先からの部分肉の入荷と、該部分肉の小売店舗への出荷に係る内容を指し示すセンター入出荷データD1が、センター端末7によって作成される。センター入出荷データD1は、部分肉の部位単位に、係る入出荷があるたびに作成される。センター入出荷データD1には、入荷段階であれば(仕入先の)商品コード、入荷重量、製造年月日、個体識別番号、ロットナンバー、入荷日時、仕入先情報などが主として記述される。出荷段階であれば、さらに、出荷日時や出荷先情報が記述される。なお、ここで、商品コード、入荷重量、製造年月日などは、通常、仕入先においてあらかじめその内容が基本コード(いわゆる標準物流バーコード)としてコード化され、入荷時に部分肉の包装に貼付されたラベルに印字されている。個体識別番号についても、個別にバーコード化されており、同様に印字されている。かかる場合は、それらのバーコードを図示しない所定の読み取り端末で読み取るだけで、センター端末7へに対し、基本コードともども入力がなされることになる。また、部分肉は通常、真空パックされた状態で上記のラベルを付されて配送されるので、部分肉のことを「真空パック単位原料」とも称する。
【0060】
センターCにおいては、また、個体識別番号と商品のロットナンバーとを関連付けるロット個体リンクデータD2と、センターCにおいて部分肉に対しカットやスライスなどの分割加工を施してパック商品を生産する場合の実績データであるパック出荷実績データD3とが、センター端末7によって作成される。前者は、異なる個体識別番号が付された複数の部分肉を用いて、該パック商品を生産する場合に、どの商品ロットにはどの個体識別番号が付与された部分肉が用いられたのかがわかるように、両者を関連付けて記録したデータであり、後者は、該ロットナンバーに係るパック商品の出荷実績を示すデータである。パック出荷実績データD3においても、商品コード、入荷重量、製造年月日や個体識別番号などが記述されるが、これらはやはりラベルに印字されたバーコードを読み取ることによって基本コードともども取得可能である。また、パック出荷実績データD3には、生産した商品の名称、部位、種類、重量、パック数などの実績情報が記述されるほか、出荷先を指し示す出荷先情報や出荷日時なども記述される。
【0061】
すなわち、センターCにおけるパック商品の生産に際しては、複数の部分肉によるロット形成がある度にロット個体リンクデータD2が作成される。そして、パック商品への加工がなされるたびに、用いた部分肉のロットナンバーが商品にラベルとして付与されるとともに、パック出荷実績データD3が作成されることになる。これにより、センターCにおいて加工された商品からも、ロットナンバーを手がかりに、生産元になった牛の個体識別番号がたどれることになる。
【0062】
これに対し、それぞれの小売店舗Bにおいては、センターCからの部分肉の入荷に係る内容を指し示す店舗入荷データD4が、店舗端末8によって作成される。店舗入荷データD4においても、商品コード、入荷重量、製造年月日や個体識別番号などが記述されるが、これらもやはりラベルに印字されたバーコードを読み取ることによって基本コードともども取得可能である。また、店舗入荷データD4においては、その小売店舗を識別する入荷店舗情報や入荷日時なども記述される。
【0063】
また、各小売店舗Bにおいては、該小売店舗Bに備わる図示しない計量包装値付装置等による、精肉商品の生産に係る実績データである計量器実績データD5も作成される。計量器実績データD5としては、個体識別番号またはロットナンバーや、生産した商品の名称、部位、種類、重量、パック数などの実績情報が主として記録される。なお、計量器実績データD5は、店舗端末8によって直接作成する態様であってもよいが、値付処理(ラベル貼付処理)の際に計量包装値付装置が自動的にその処理内容を記録しておく態様や、あるいは所定のタイミングで店舗端末8へと受け渡す態様であってもよい。
【0064】
このようにして、それぞれの部門における処理の度に作成され、各端末等に蓄積されてなる種々の実績データは、データ管理装置2に備わる取得手段21によって、所定のタイミングで取得される。なお、本実施の形態においては、本部端末4の制御手段42により与えられた実行指示に従って、集配信サーバ3がセンター端末7や店舗端末8にアクセスすることにより、集配信サーバ3による実績データの取得が実現されることから、取得手段21は、本部端末4の制御手段42および集配信サーバ3の機能により実現される仮想的な手段ということになる。
【0065】
取得手段21がこのようにして実績データを取得すると、データ管理装置2に備わる登録手段22が、該実績データの内容に対応してデータベースサーバ6に備わる種々のデータベース(データテーブルとも称する)に対して、登録処理を行う。本実施の形態においては、データベースサーバ6に、センター入出荷データベース61、リンクデータベース62、パック出荷データベース63、店舗入荷データベース64、計量器実績データベース65、および商品マスタデータベース66の6つのデータベースが存在する。センター入出荷データベース61には、センター入出荷データD1の記述内容が蓄積される。リンクデータベース62には、ロット個体リンクデータD2が蓄積される。パック出荷データベース63には、パック出荷実績データD3が蓄積される。店舗入荷データベース64には、全ての小売店舗Bについての店舗入荷データD4が蓄積される。計量器実績データベース65には全ての小売店舗Bについての計量器実績データD5が蓄積される。そして、商品マスタデータベース66には、全ての精肉商品のトレーサビリティの実現に用いられる種々のデータ(例えば、基本コード、個体識別番号当該商品の小売店舗、原料、産地、仕入先、銘柄など)が、上述の各データの記述に基づいて、基本コードをキーとして蓄積される。登録手段22は、それぞれの実績データから各データベースに合致する記述内容を抽出してこれを該データベースに蓄積する処理を担う。
【0066】
なお、本実施の形態においては、本部端末4の制御手段42により与えられた実行指示に従って、集配信サーバ3がWEBサーバ5を介してデータベースサーバ6にアクセスすることにより、データベースサーバ6に備わる各データベースへのデータの蓄積が実現されることから、登録手段22は、本部端末4の制御手段42、集配信サーバ3、およびWEBサーバ5の機能により実現される仮想的な手段ということになる。
【0067】
<不整合情報の生成>
次に、上述のようにして登録処理がなされているデータベースサーバ6における各データベースの登録内容は、登録処理が適正に行われ、かつ処理そのものが登録内容に合致してなされている限り、相互に矛盾は生じないはずである。しかしながら、現実には、人為的ミス等の種々の要因によって、センターCからの出荷の内容と、小売店舗Bにおける入荷の内容とに不整合が生じることがある。本実施の形態に係る生産管理システム1においては、店舗ネットワーク全体で生じるこうした不整合を、集中的にかつ容易に把握することが出来る点で特徴的である。すなわち、システム内に蓄積されたデータのエラーチェック処理が容易な生産管理システムであるという点で特徴的である。以下、係る不整合情報の生成について説明する。図3は、こうした不整合情報の生成と、その閲覧について説明するための図である。なお、不整合情報の生成は、あらかじめ指定されたタイミングで自動的に実行する態様であっても良いし、例えば、本部端末4の入力手段43などからなされる所定の実行指示などに応答して行う態様であってもよい。
【0068】
不整合情報を生成する不整合情報生成処理は、データ管理装置2に備わる不整合情報生成手段23の作用により実現される。ただし、本実施の形態において、不整合情報生成処理は、本部端末4の制御手段42が、所定の実行指示に従ってWEBサーバ5を介してデータベースサーバ6にアクセスして処理条件に応じたデータを抽出し、その結果をデータベースサーバ6に記憶することにより実現されることから、不整合情報生成手段23は、本部端末4の制御手段42およびWEBサーバ5の機能により実現される仮想的な手段ということになる。また、不整合情報生成処理により得られる種々の不整合情報を指し示すデータは、データベースサーバ6に備わる不整合情報データベース67に登録される。なお、不整合情報データベース67は、必ずしもデータベースサーバ6に設けられる必要はなく、本部端末4、センター端末7、および店舗端末8からアクセス可能であれば、その他の記憶手段に記憶され、参照可能とされていてもよい。
【0069】
本実施の形態に係る不整合情報生成処理としては、個体識別番号チェック処理P1、店舗入荷実績チェック処理P2、誤配送チェック処理P3、および仕入チェック処理P4の4つの処理がある。すなわち、4つのモードによるエラーチェック処理の選択的な実行が可能である。これらの処理について、以降において順次に説明する。ただし、説明の簡単のため、以降においては、小売店舗Bにおいて部分肉を加工して精肉商品を生産する場合を対象として説明する。
【0070】
<個体識別番号チェック処理>
個体識別番号チェック処理P1は、不正な個体識別番号が付された精肉商品の存否を確認することを目的に行う処理である。適正に入出荷および加工がなされた精肉商品は、センターCにおける入出荷の際に、小売店舗Bにおける入荷の際に、さらには計量値付装置における値付処理の際に、それぞれ、センター入出荷データベース61、店舗入荷データベース64および計量器実績データベース65に対応する部分肉あるいは精肉商品についての記録がなされているはずである。あるいは、例外的に、本部Aの管理の下、センターCを経ずに仕入先から小売店舗Bに直納される場合でもあるが、この場合も、少なくとも店舗入荷データベース64および計量器実績データベース65には対応する記録がなされているはずである。
【0071】
一方、こうした経緯を経ずに、小売店舗Bに直接に持ち込まれ加工および値付処理のみがなされた精肉商品については、計量値付装置には値付処理の記録がなされるので、計量器実績データベース65には存在するものの、センター入出荷データベース61および店舗入荷データベース64のいずれにも、対応する記録は存在しないはずである。従って、このような場合に該当する個体識別番号が付された精肉商品は、少なくともその小売店舗が属する店舗ネットワークにおける正規の処理ルートを経ていない、不正な個体識別番号が付された精肉商品である可能性があることになる。すなわち、当該精肉商品は、元の牛個体に対応していないでたらめな個体識別番号が付されている商品であるか、あるいは、元の牛個体に正しく対応した個体識別番号であっても、店舗ネットワークにおける正規の商品ではない商品であるか、もしくは入荷段階で記録漏れがあった商品であるということである。このような商品の存在は、トレーサビリティの確実性という観点からみて、当該店舗ネットワークの信頼を損ね得るものであるので、例えば商品の回収などといった適切な対応を取るには、その存否を早急にかつ店舗ネットワーク全体について漏れなく把握する必要がある。
【0072】
これを踏まえ、個体識別番号チェック処理P1においては、計量器実績データベース65に登録されているレコードに記述された個体識別番号をキーとして、センター入出荷データベース61と店舗入荷データベース64の登録内容と当該個体識別番号を比較照合し、存在しない個体識別番号がある場合に、対応するレコードに基づいて、不整合情報を生成する処理がなされる。個体識別番号チェック処理P1によって得られる不整合情報に係るデータを、個体識別番号不整合データDP1と称することとする。
【0073】
図4は、個体識別番号チェック処理P1の処理の具体例を説明するための図である。図4(a)はセンター入出荷データベース61の、図4(b)は店舗入荷データベース64の、図4(c)は計量器実績データベース65の登録内容をそれぞれ部分的に例示している。図示の簡単のため、それぞれにおいては個体識別番号のみを示しているが、センター入出荷データベース61における同一の個体識別番号の重複は、入出荷日や、同一の牛個体から得られた部位の違う部分肉のレコードの存在を示すものである。店舗入荷データベース64における重複は、入荷日や部位の違いの他、同一の牛個体から得られた部分肉が異なる店舗に入荷した場合などに相当する。また、計量器実績データベースにおける重複は、それらに加えて、加工種類(薄切り、ブロックなど)の相違による場合も考えられる。
【0074】
図4においては、次の6通りのパターンで、個体識別番号の記録が存在する。
【0075】
(1)個体識別番号が「1234567899」なるレコード:
全てのデータベースに存在する。これは、センターCから出荷された後、いずれかの小売店舗Bに入荷された部分肉に加工、値付処理を施した適正な精肉商品に対応する。
【0076】
(2)個体識別番号が「1234567897」なるレコード;
センター入出荷データベース61にのみ存在する。これはセンターCに入荷して保管されているか、あるいは出荷直後でまだどの小売店舗Bにも入荷の記録がない、適正な部分肉に対応する。
【0077】
(3)個体識別番号が「1234567894」なるレコード:
センター入出荷データベース61と店舗入荷データベース64とに存在する。これは、センターCから出荷されある小売店舗Bに入荷後、加工されることなく保持されている適正な部分肉対応する。
【0078】
(4)個体識別番号が「1234567896」なるレコード:
店舗入荷データベース64にのみ存在する。これは、いずれかの小売店舗Bに正規に直納されて保管されている適正な部分肉に対応する。
【0079】
(5)個体識別番号が「1234567898」なるレコード:
店舗入荷データベース64と計量器実績データベース65に存在する。これは、正規に直納された部分肉に加工、値付処理を施した適正な精肉商品に対応する。
【0080】
(6)個体識別番号が「1234567895」なるレコード:
計量器実績データベース65にのみ存在する。入荷の実績のない部分肉に加工、値付処理を施した不正な精肉商品に対応する。
【0081】
すなわち、個体識別番号チェック処理P1においては、上記パターン(6)に該当するレコードに基づいて、個体識別番号不整合データDP1が生成されることになる。
【0082】
<店舗入荷実績チェック処理>
店舗入荷実績チェック処理P2は、センターCからの出荷実績がある部分肉について、対応する入荷実績の存否を確認することを目的に行う処理である。適正にセンターCから出荷された部分肉は、通常の流通ルートをたどる限り、所定日数以内に、出荷先とされたいずれかの小売店舗Bに入荷されるはずである。すなわち、ある部分肉についてセンター入出荷データベース61において出荷の記録があった場合、所定日時以降には、必ず店舗入荷データベース64に対応する入荷の記録があるはずであり、係る記録がない部分肉は、記録漏れがないとすると、若しくは紛失あるいは盗難などが起こっている可能性があることになる。
【0083】
これを踏まえ、店舗入荷実績チェック処理P2においては、センター入出荷データベース61に登録されているレコードに記述された基本コードあるいは個体識別番号をキーとして、そのレコードに記述された出荷先店舗および出荷日時と、店舗入荷データベース64に登録されたレコードの入荷店舗と入荷日時とを比較照合し、基本コードもしくは個体識別番号が同一であって、出荷日時から規定日数以内に出荷先店舗において入荷の実績がないレコードに基づいて、不整合情報を生成する処理がなされる。店舗入荷実績チェック処理P2によって得られる不整合情報に係るデータを、店舗入荷実績不整合データDP2と称することとする。
【0084】
図5は、店舗入荷実績チェック処理P2その他の処理の具体例を説明するための図である。図5(a)はセンター入出荷データベース61の、図5(b)は店舗入荷データベース64の登録内容をそれぞれ部分的に例示している。なお、図5に示す場合においては、現在日付が「2月10日」であり、センターCからの出荷日時から2日経っても小売店舗Bに入荷のない場合に問題があると判断されるものとする。図示の簡単のため、センター入出荷データベース61においては個体識別番号と出荷日時と出荷先店舗のみを示しており、店舗入荷データベース64においては個体識別番号と入荷日時と入荷店舗のみを示している。また、図5においては、説明の簡単のため、比較照合のためのキーとして個体識別番号を用いる場合を示しているが、同一の個体識別番号が付されているレコードは同一の部位のものであるとする。なお、基本コードを用いる場合は、その中に含まれる商品コードに部位に係る情報も含まれるので、基本コードの一致をみれば問題はない。さらに、当該店舗ネットワークには301、302、303なる店舗番号を有する3つの小売店舗Bのみが存在するものとして説明する。
【0085】
図5において、センター入出荷データベース61のなかで符号ア)、イ)、エ)、カ)を付したレコードについては、店舗入荷データベース64において、出荷日時と同日あるいは翌日に出荷先店舗として記録された店舗と同一の入荷店舗における入荷の記録が存在する。すなわち、規定された日数以内に正しく入荷が行われたことになる。また、符号オ)を付したレコードについては、センターCからの出荷そのものがなされていないので、これについても問題はない。
【0086】
一方、符号ウ)を付したレコードについては、出荷日時から2日が経過しているにも関わらず、店舗入荷データベース64において、出荷先店舗とされた店舗番号301の小売店舗Bに対する入荷の記録がない。従って、係るレコードに基づいて店舗入荷実績不整合データDP2が生成されることになる。
【0087】
<誤配送チェック処理>
誤配送チェック処理P3は、センターCからの出荷実績がある部分肉について、誤った入荷実績の存否を確認することを目的に行う処理である。適正にセンターCから出荷された部分肉は、通常の流通ルートをたどる限り、出荷先店舗として指定された小売店舗Bに配送され、該小売店舗Bにおいて適正に入荷処理がなされるはずである。すなわち、ある部分肉についてセンター入出荷データベース61において出荷の記録があった場合、所定日時以降には、必ず店舗入荷データベース64に出荷先店舗を入荷店舗とする入荷の記録があるはずであり、係る異なる店舗における入荷記録が存在する部分肉は、誤配送がなされたものであることになる。
【0088】
これを踏まえ、誤配送チェック処理P3においては、センター入出荷データベース61に登録されているレコードに記述された基本コードあるいは個体識別番号をキーとして、そのレコードに記述された出荷先店舗と、店舗入荷データベース64に登録されたレコードの入荷店舗とを比較照合し、基本コードもしくは個体識別番号が同一であって、出荷先店舗と入荷店舗が異なるレコードに基づいて、不整合情報を生成する処理がなされる。誤配送チェック処理P3によって得られる不整合情報に係るデータを、誤配送不整合データDP3と称することとする。
【0089】
誤配送チェック処理P3の具体例についても、図5に例示がある。図5において、センター入出荷データベース61のなかで符号キ)を付したレコードについては、出荷先店舗の店舗番号が「302」であるにも関わらず、店舗入荷データベース64においては、個体識別番号がおよび入荷日時が同一であるレコードは、入荷店舗の店舗番号が「303」のもののみが存在する。従って、かかるレコードに対応する部分肉が、本来の出荷先である店舗番号が「302」の店舗ではなく、店舗番号が「303」の店舗に誤配送されてしまったことになる。係るレコードに基づいて誤配送不整合データDP3が生成されることになる。
【0090】
<仕入チェック処理>
仕入チェック処理P4は、センターCからの出荷実績ないにもかかわらず小売店舗Bに入荷した部分肉、つまり直納された部分肉の存否を確認することを目的に行う処理である。諸般の事情により、正規に仕入れた部分肉であっても、センターCを経ずに直接に小売店舗Bに配送され、該小売店舗Bにおいて処理がなされる場合がある。本実施の形態に係る生産管理システム1においては、仕入先情報はセンター入出荷データD1から取得されセンター入出荷データベース61および商品マスタデータベース66へと登録されるので、このような例外的な処理がなされた部分肉については、店舗入荷データベース64において入荷の記録がなされたとしても、その仕入先情報がこのままでは登録されないことになる。しかしながら、こうした部分肉について生産履歴のトレースを実現するには、その存在を把握し、商品マスタデータベース66においてその仕入先情報を補足する必要がある。
【0091】
これを踏まえ、仕入チェック処理P4においては、店舗入荷データベース64に登録されているレコードに記述された基本コードあるいは個体識別番号をキーとして、これをセンター入出荷データベース61の基本コードもしくは個体識別番号とを比較照合し、対応する基本コードもしくは個体識別番号が存在しないレコードに基づいて、不整合情報を生成する処理がなされる。仕入チェック処理P4によって得られる不整合情報に係るデータを、仕入不整合データDP4と称することとする。
【0092】
仕入チェック処理P4の具体例についても、図5に例示がある。図5において、店舗入荷データベース64のなかで符号ク)を付したレコードについては、センター入出荷データベース61において、対応するレコードが存在しない。従って、かかるレコードに対応する部分肉は、直納された部分肉であることになる。係るレコードに基づいて仕入不整合データDP4が生成されることになる。
【0093】
<エラーチェックの実行>
次に、上記のような不整合情報の生成結果を閲覧するための処理について説明する。本実施の形態に係る生産管理システム1においては、かかる不整合情報の閲覧処理を、つまりはエラーチェック処理を、本部端末4、センター端末7および複数の店舗端末8のいずれにおいても実行可能とされている。その閲覧は、それぞれの端末において汎用の閲覧プログラム(いわゆるブラウザプログラム)を実行し、WEBサーバ5にアクセスして所定のWEBページを表示させたうえで、所定の表示要求処理を実行することにより実現される。これは、例えばCGIの機能を用いることで実現可能である。例えば、本部端末4においては、制御手段42に閲覧プログラム44がインストールされており、表示要求処理RQ1を実行することにより、WEBサーバ5を介してデータベースサーバ6の不整合情報データベース67にアクセスし、所望の不整合情報を取得することで、その閲覧が可能となる。センター端末7および店舗端末8においても同様に、閲覧プログラム74あるいは84がインストールされており、表示要求処理RQ2あるいはRQ3が実行されることで同様の閲覧が可能である。
【0094】
本実施の形態においては、このエラーチェック処理をそれぞれの端末において実行することにより、店舗ネットワーク全体におけるセンターCと小売店舗Bとの間の入出荷その他に係る不整合状態を、一元的に把握することが出来る。以下、このようなエラーチェック処理を、本部端末4によって実行する場合を例として説明する。図6は、本部端末4において閲覧プログラム44を実行し、表示手段41にエラーチェック処理を実行するための初期画面W0を表示させた場合の画面例を示す図である。初期画面W0においては、上述した4つのエラーチェック処理(つまりは不整合情報生成処理)のいずれを実行するのかを選択するためのラジオボタンB1〜B4が備わっている。いずれかを選択し、検索ボタンB5をクリックすることにより、対応する不整合情報データの内容が、データベースサーバ6の不整合情報データベース67から取得されて、表示手段41に表示されることになる。また、初期画面W0には期間入力フィールドF1が備わっており、不整合情報の表示対象とする期間を設定できるようになっている。なお、初期画面W0においては、クリアボタンB6をクリックすることで入力のキャンセルが可能であり、戻るボタンB7をクリックすることで、直線の表示画面に戻ることが可能である。また、仕入先訂正フィールドF2は、上述したような直納がなされている場合に、商品マスタデータベース66に対して、仕入先を直接入力する場合、あるいは入力内容を訂正する補完処理RQ4を要求する場合に用いられる。
【0095】
図7から図10は、それぞれのラジオボタンB1〜B4を選択してエラーチェック結果を表示手段41に表示させた場合の画面例を示す図である。図7は、ラジオボタンB1をクリックし、表示手段41に個体識別番号チェック結果表示画面W1を表示させた場合の示す図である。ラジオボタンB1は、「入荷処理のない個体識別番号の生産を抽出する」というエラーチェック処理、つまりは個体識別番号チェック処理P1の結果である個体識別番号不整合データDP1を表示させる際に選択されるボタンである。図8は、ラジオボタンB2をクリックし、表示手段41に店舗入荷実績チェック結果表示画面W2を表示させた場合の示す図である。ラジオボタンB2は、「PC経由で出荷したが、2日以上どの店舗でも入荷処理がない真空パック単位原料を抽出する」というエラーチェック処理、つまりは店舗入荷実績チェック処理P2の結果である店舗入荷実績不整合データDP2を表示させる際に選択されるボタンである。図9は、ラジオボタンB3をクリックし、表示手段41に誤配送チェック結果表示画面W3を表示させた場合の示す図である。ラジオボタンB3は、「誤配送の真空パック単位原料を抽出する」というエラーチェック処理、つまりは誤配送チェック処理P3の結果である誤配送不整合データDP3を表示させる際に選択されるボタンである。図10は、ラジオボタンB4をクリックし、表示手段41に仕入チェック結果表示画面W4を表示させた場合の示す図である。ラジオボタンB4は、「仕入先未入力の真空パック単位原料を抽出する」というエラーチェック処理、つまりは仕入チェック処理P4の結果である仕入不整合データDP4を表示させる際に選択されるボタンである。
【0096】
図7から図10に示すように、それぞれの結果表示画面における結果表示フィールドF11〜14における表示項目I1〜I11は共通している。すなわち、4つのエラーチェック処理結果は共通のフォーマットに従って記述されてなる点で特徴的である。いずれのエラーチェックを選択したとしても、共通のフォーマットのもとで必要な項目のみを表示するので、高い閲覧性を有しているといえる。
【0097】
図7に示す個体識別番号チェック結果表示画面W1においては、項目I3の個体識別番号にのみ該当するレコードの表示がなされる。これは、リストアップされた個体識別番号を有する精肉商品については、他の項目に係る登録が、何らなされていないことを意味しており、かかる個体識別番号は、不正なものであるということがこの結果からわかる。この場合、表示された個体識別番号をクリックすることにより、当該個体識別番号が付された商品の詳細を知ることができるように、商品マスタデータベース66等に登録されているデータへのリンクが張られていることが、不正な精肉商品を具体的に把握するという点からは好ましい。
【0098】
図8に示す店舗入荷実績チェック結果表示画面W2においては、該当するレコードについて、項目I10およびI11以外の表示がなされる。これにより、リストアップされて当該部分肉については、項目I9に示すように出荷(先)店舗が明示され、出荷の事実はあるにもかかわらず、店舗入荷データベース64に当該小売店舗(図8では、店舗番号900のA店)において2日以上入荷の登録がなく、紛失あるいは盗難の可能性があることが分かる。
【0099】
図9に示す誤配送チェック結果表示画面W3においては、該当するレコードについて、全ての項目が埋まった状態で表示がなされる。しかしながら、表示されたレコードについては、項目I9で示されている出荷(先)店舗と項目I11で示されている入荷店舗の登録が、一致していない。これにより、リストアップされた部分肉が、定められた出荷(先)店舗(図9ではA店)とは異なる小売店舗(店舗番号901のB店)に誤配送されていることが分かる。
【0100】
図10に示す仕入チェック結果表示画面W4においては、該当するレコードについて、個体識別番号を示す項目I4と、銘柄名を示す項目I6と、店舗入荷日を示す項目I10と、入荷店舗を示す項目I11のみが表示されている。これは、該当する部分肉が小売店舗B(図10ではA店)に直納されておりセンターCにおける入荷処理を経ていないことから、センター入出荷データベース61において登録されることになっている項目については、その内容が存在しないことを意味している。
【0101】
このように、その表示項目がエラーチェック処理に応じて定まっていることから、共通のフォーマットを用いた結果表示が可能とされている。
【0102】
センター端末7および店舗端末8においても、それぞれ閲覧プログラム74および84のもと、同様の表示が可能である。ただし、個体識別番号チェック結果表示画面W1における仕入先訂正フィールドF2については、むやみの改ざんを防止すべく、これらの端末からは操作が不可能とされている。
【0103】
なお、本実施の形態においては、不整合情報生成手段23によって適宜のタイミングであらかじめ不整合情報生成処理が実行され、不整合情報データベース67に種々の不整合データが蓄積されており、各端末においてはその表示要求処理を行うことによってその結果を表示させるものとされているが、これに代わり、各端末から所定の実行指示を与える都度、不整合情報生成手段23がこれに応答して選択された不整合情報の生成を行うものとされていてもよい。
【0104】
また、上述の説明においては牛肉を主たる対象として説明しているが、他の種類の食肉を初めとする生鮮商品を対象とする生産管理システムにおいても、同様の取り扱いは可能である。
【0105】
以上、説明したように、本実施の形態に係る生産管理システムによれば、店舗ネットワーク全体を構成するセンターと各小売店舗との間の生鮮商品の入出荷に係る不整合を集中的に把握することが容易に実現できるので、店舗ネットワーク全体における生鮮商品の生産管理の実効性が向上する。特に、同一の一次商品(例えば部分肉など)に基づいて生産される複数の二次商品(例えば精肉商品)の生産状況を集中的に把握することが容易に実現できるとともに、センターにおける一次商品の処理実績と、小売店舗における当該一次商品に由来する二次商品の処理実績との不整合を集中的に把握することが容易に実現できるので、店舗ネットワーク全体における生鮮商品の生産管理の実効性が向上する。
【0106】
具体的には、店舗ネットワークを構成する小売店舗において不正に識別情報(例えば個体識別番号)が付された生鮮商品の存在を、集中的に把握することが容易に実現できる。また、センターから出荷されたにもかかわらずいずれの小売店舗においても入荷の実績がない一次商品および生鮮商品の存在を、集中的に把握することが容易に実現できる。また、センターから誤配された生鮮商品の存在を、集中的に把握することが容易に実現できる。さらには、センターを通さず、小売店舗に直接入荷した生鮮商品の存在を、集中的に把握することが容易に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】本実施の形態に係る生鮮商品の生産管理システム1の構成を概略的に示す図である。
【図2】種々の実績データの内容とその取り扱いについて説明するための図である。
【図3】不整合情報の生成と、その閲覧について説明するための図である。
【図4】個体識別番号チェック処理P1の処理の具体例を説明するための図である。
【図5】店舗入荷実績チェック処理P2その他の処理の具体例を説明するための図である。
【図6】閲覧プログラム44を実行し、表示手段41にエラーチェック処理実行の初期画面W0を表示させた場合の画面例を示す図である。
【図7】表示手段41に個体識別番号チェック結果表示画面W1を表示させた場合の示す図である。
【図8】表示手段41に店舗入荷実績チェック結果表示画面W2を表示させた場合の示す図である。
【図9】表示手段41に誤配送チェック結果表示画面W3を表示させた場合の示す図である。
【図10】表示手段41に仕入チェック結果表示画面W4を表示させた場合の示す図である。
【符号の説明】
【0108】
1 生産管理システム
2 データ管理装置
3 集配信サーバ
4 本部端末
5 WEBサーバ
6 データベースサーバ
7 センター端末
8 店舗端末
A 本部
B 小売店舗
C センター
F1 期間入力フィールド
F2 仕入先訂正フィールド
F11〜14 結果表示フィールド
HC ハウジングセンター
W0 初期画面
W1 個体識別番号チェック結果表示画面
W2 店舗入荷実績チェック結果表示画面
W3 誤配送チェック結果表示画面
W4 仕入チェック結果表示画面
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の小売店舗によって構成される店舗ネットワークにおける生鮮商品、特に精肉商品の生産管理に好適な生産管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の小売店舗を構成単位として含む店舗ネットワーク、いわゆるスーパーマーケットチェーンなどにおいては、パックセンターや加工センターなどといった名称で称される施設(以下、受入処理施設と称する)において集中的に原材料を入荷し、所定の加工を施したり、多数量入荷した同一種の商品を所定量ずつ小分けしたりした上で、所定の数量ずつ傘下の各小売店舗に向けて出荷するのが、一般的な態様である。その際には、所定の商品コードを用い、所定の生産管理システムによって商品の入出荷が管理される。例えば、牛肉商品の場合であれば、標準物流バーコードによって中間商品である部分肉や精肉商品の生産管理、より詳細に言えば、入出荷、ロットの形成、部分肉からスライス、挽肉など精肉への加工、さらには、計量値付装置によるパック詰め及び値付などの実績データが取得される。そして、いわゆる管理部門において、該生産管理システムによって集積された実績データを参照することにより、生産の現状把握や、生産、販売計画等の立案および各小売店舗への実行指示がなされる。
【0003】
また、近年のBSEの流行に対応すべく、牛精肉商品については、加工元たる牛個体を一意に識別する個体識別番号の付与することが義務づけられており、必要に応じてその牛個体の生産履歴を照会できる、いわゆるトレーサビリティシステムが確立されるようになってきている。
【0004】
こうした状況において、部分肉から精肉商品を生産するときに、部位コードと商品コードとが関連付けられているか否かをチェックするシステムがすでに公知である(例えば特許文献1参照。)。
【0005】
また、アプリケーションサービスプロバイダ(ASP)において運営管理を行うことにより、事業者が少ない投資で参加できる生鮮品のトレーサビリティシステムについても公知である(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
【特許文献1】特開2004−310597号公報
【特許文献2】特開2004−213477号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のように、仕入元からある原材料等を仕入れて受入処理施設において加工等を施し、その後小売店舗で最終商品が販売に供されるまでを生産管理システムによって管理する場合、受入処理施設側からの出荷の状況と、小売店舗側における入荷の状況との間には、本来は矛盾は生じないはずである。具体的にいえば、受入処理施設側からの出荷の状況を示す記録、例えば、ある日時にある商品をある数量だけある小売店舗に出荷したという記録に対応して、該小売店舗側においても、少なくとも数日のうちにはその商品がその数量だけ入荷したという記録が必ず存在するはずである。しかしながら、現実には、誤配や紛失などが生じ、両者の記録には不整合が生じうる。ところが、従来、このような不整合については、関係する個別の店舗においては当然に認識されているものの、管理部門が店舗ネットワーク全体について一元的にこれを把握することは困難であった。
【0008】
また、精肉商品については、元になる部分肉の入荷の段階に付されている個体識別番号と同一の個体識別番号がパック包装のラベル等に付されて販売されるはずであり、対応する部分肉の記録が存在しない、不正な個体識別番号が付与された精肉商品が、存在してはならない。このような不正が小売店舗においてなされることは防止する必要があり、そのためには、不正な個体識別番号を有する精肉製品が小売店舗で生産されていないことを、言い換えれば、入荷段階で個体識別番号が確認されている部分肉のみに基づいた精肉商品が生産され販売されていることを、管理部門が一元的に把握できることが必要である。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされてなされたものであり、店舗ネットワーク全体についての入出荷に係る不整合状況を容易に把握することが出来る生鮮商品の生産管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、複数の小売店舗を構成単位として含む店舗ネットワークにおける生鮮商品の生産管理システムであって、前記構成単位のそれぞれに対応して備わり、当該構成単位のそれぞれにおける生鮮商品に係る所定の処理の実績を表す単位処理実績データを生成させる複数の端末装置と、前記複数の端末装置との間でデータの授受が可能に設けられ、前記店舗ネットワークにおける前記生鮮商品の処理状況を管理するデータ管理装置と、を備え、前記データ管理装置が、前記複数の端末装置のそれぞれから前記単位処理実績データを取得する取得手段と、前記取得手段によって取得した複数の単位処理実績データの内容を所定のデータベースに登録する登録手段と、前記データベースを対象に、所定の抽出条件に基づく抽出処理を実行することにより、前記店舗ネットワークの内部における前記生鮮商品に係る所定の不整合状況を指し示す不整合情報を生成する不整合情報生成手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1に記載の生産管理システムであって、前記店舗ネットワークが、外部からの生鮮商品の入荷を集中的に担う受入処理施設を前記構成単位としてさらに含み、前記複数の端末装置が、前記受入処理施設に対応して備わる第1端末装置と、前記複数の小売店舗のそれぞれに対応して備わる第2端末装置とを含み、前記第1端末装置からは前記単位処理実績データとして第1実績データが生成され、前記第2端末装置からは前記単位処理実績データとして第2実績データが生成され、前記登録手段が、前記第1実績データの内容を第1データベースに登録するとともに前記第2実績データの内容を第2データベースに登録し、前記不整合情報生成手段が、前記第1データベースの登録内容と前記第2データベースの登録内容との比較照合処理を行うことにより前記不整合情報として前記受入処理施設と前記複数の小売店舗との間の前記生鮮商品に係る入出荷の不整合状況を含む情報を生成する、ことを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明は、請求項2に記載の生産管理システムであって、前記生鮮商品には、前記受入処理施設に入荷される一次商品と、前記一次商品に対して所定の分割加工を施すことによって生産される複数の二次商品とが含まれ、前記一次商品には当該一次商品もしくはそれが所属するロットまたは材料個体を一意に識別可能な識別情報が関連付けられており、前記二次商品にはその生産元となった一次商品から継承された識別情報が関連付けられてなり、かつ、前記識別情報は、前記第1端末装置においては前記第1実績データに記述され、前記第2端末装置においては前記第2実績データに記述される、ことを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明は、請求項3に記載の生産管理システムであって、前記不整合情報生成手段が、前記第1データベースに存在せず前記第2データベースにのみ存在する識別情報が関連付けられてなる生鮮商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、ことを特徴とする。
【0014】
請求項5の発明は、請求項4に記載の生産管理システムであって、前記一次商品が部分肉であり、前記二次商品が精肉商品であり、前記識別情報が、前記部分肉の生産元となった家畜個体の個体識別番号であり、前記精肉商品を生産する少なくとも1つの生産装置が前記複数の小売店舗に備わり、前記取得手段が前記少なくとも1つの生産装置に記録された生産実績データを取得し、前記登録手段が前記生産実績データを第3データベースに登録し、かつ、前記不整合情報生成手段が、前記第3データベースの登録内容と前記第1データベースおよび前記第2データベースの登録内容との比較照合処理を行うことにより前記第1データベースおよび前記第2データベースのいずれにも存在せず前記第3データベースにのみ存在する個体識別番号が関連付けられてなる部分肉または精肉商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、ことを特徴とする。
【0015】
請求項6の発明は、請求項3ないし請求項5のいずれかに記載の生産管理システムであって、前記第1実績データには前記受入処理施設からの前記生鮮商品の出荷時期が記述可能とされており、前記第2実績データには前記小売店舗への前記生鮮商品の入荷時期が記述可能とされており、前記不整合情報生成手段が、前記第1データベースに記述されている生鮮商品であってその出荷時期から所定の期間が経過するまでの範囲内に前記第2データベースに記述されていない生鮮商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、ことを特徴とする。
【0016】
請求項7の発明は、請求項3ないし請求項6のいずれかに記載の生産管理システムであって、前記第1実績データには前記受入処理施設から出荷する生鮮商品の出荷先となる小売店舗を特定する出荷先情報が記述可能とされており、前記第2実績データには当該第2実績データの作成対象である前記小売店舗を特定する入荷店舗情報が記述可能とされており、前記不整合情報生成手段が、前記第1データベースと前記第2データベースの双方に対応する前記識別情報の記述がある生鮮商品であって、前記第1データベースに記述されている前記出荷先情報と前記第2データベースに記述されている前記入荷店舗情報とによってそれぞれ特定される小売店舗が一致しない生鮮商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、ことを特徴とする。
【0017】
請求項8の発明は、請求項3ないし請求項7のいずれかに記載の生産管理システムであって、前記第1実績データには前記受入処理施設が仕入れた生鮮商品の仕入先を特定する仕入先情報が記述可能とされており、前記不整合情報生成手段が、前記第2データベースに前記識別情報の記述がある生鮮商品であって、前記第1データベースに前記仕入先情報が記述されていない生鮮商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、ことを特徴とする。
【0018】
請求項9の発明は、請求項8に記載の生産管理システムであって、前記データ管理装置が所定の入力手段を備え、前記第1実績データおよび前記第2実績データに基づく登録がなされている第4のデータベースに対し、前記入力手段を介して前記仕入先情報の追記処理が可能である、ことを特徴とする。
【0019】
請求項10の発明は、請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の生産管理システムであって、前記複数の端末装置と前記データ管理装置とが、所定の回線にてネットワーク接続されている、ことを特徴とする。
【0020】
請求項11の発明は、請求項10に記載の生産管理システムであって、前記取得手段は前記複数の端末装置から所定のタイミングで前記単位処理実績データを自動的に取得し、前記登録手段は、その取得内容について前記データベースに自動的に登録する、ことを特徴とする。
【0021】
請求項12の発明は、請求項11に記載の生産管理システムであって、前記不整合情報生成手段が、所定のタイミングで前記不整合情報を自動的に生成し、所定の記憶手段に記憶する、ことを特徴とする。
【0022】
請求項13の発明は、請求項12に記載の生産管理システムであって、前記データ管理装置および前記複数の端末装置のそれぞれの少なくとも1つが、所定の情報を視認可能に表示する表示手段と、所定の閲覧プログラムを実行することにより前記表示手段に所定の閲覧画面を表示させるとともに、所定の表示要求処理を実行することにより前記閲覧画面上に前記記憶手段に記憶された前記不整合情報を表示させる制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0023】
請求項14の発明は、請求項13に記載の生産管理システムであって、前記制御手段において前記所定の表示要求処理が実行されることにより、前記閲覧画面上において、異なる種類の前記不整合情報を共通する表示フォーマットに従って選択的に表示可能である、ことを特徴とする。
【0024】
請求項15の発明は、複数の小売店舗を構成単位として含む店舗ネットワークにおける生鮮商品の生産管理システムに備わり、前記店舗ネットワークにおける前記生鮮商品の処理状況を管理するデータ管理装置であって、前記構成単位のそれぞれに対応して備わり、当該構成単位のそれぞれにおける生鮮商品に係る所定の処理の実績を表す単位処理実績データを生成させる複数の端末装置のそれぞれから、前記単位処理実績データを取得する取得手段と、前記取得手段によって取得した複数の単位処理実績データの内容を所定のデータベースに登録する登録手段と、前記データベースを対象に、所定の抽出条件に基づく抽出処理を実行することにより、前記店舗ネットワークの内部における前記生鮮商品に係る所定の不整合状況を指し示す不整合情報を生成する不整合情報生成手段と、を備えることを特徴とする。
【0025】
請求項16の発明は、請求項15に記載のデータ管理装置であって、前記店舗ネットワークが、外部からの生鮮商品の入荷を集中的に担う受入処理施設を前記構成単位としてさらに含み、前記複数の端末装置が、前記受入処理施設に対応して備わる第1端末装置と、前記複数の小売店舗のそれぞれに対応して備わる第2端末装置とを含み、前記第1端末装置からは前記単位処理実績データとして第1実績データが生成され、かつ、前記第2端末装置からは前記単位処理実績データとして第2実績データが生成される場合に、前記登録手段が、前記第1実績データの内容を第1データベースに登録するとともに前記第2実績データの内容を第2データベースに登録し、前記不整合情報生成手段が、前記第1データベースの登録内容と前記第2データベースの登録内容との比較照合処理を行うことにより前記不整合情報として前記受入処理施設と前記複数の小売店舗との間の前記生鮮商品に係る入出荷の不整合状況を含む情報を生成する、ことを特徴とする。
【0026】
請求項17の発明は、請求項16に記載のデータ管理装置であって、前記生鮮商品には、前記受入処理施設に入荷される一次商品と、前記一次商品に対して所定の分割加工を施すことによって生産される複数の二次商品とが含まれ、前記一次商品には当該一次商品もしくはそれが所属するロットまたは材料個体を一意に識別可能な識別情報が関連付けられており、前記二次商品にはその生産元となった一次商品から継承された識別情報が関連付けられてなり、かつ、前記識別情報は、前記第1端末装置においては前記第1実績データに記述され、前記第2端末装置においては前記第2実績データに記述される場合に、前記不整合情報生成手段が、前記第1データベースに存在せず前記第2データベースにのみ存在する識別情報が関連付けられてなる生鮮商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、ことを特徴とする。
【0027】
請求項18の発明は、請求項17に記載のデータ管理装置であって、前記一次商品が部分肉であり、前記二次商品が精肉商品であり、前記識別情報が、前記部分肉の生産元となった家畜個体の個体識別番号であり、前記精肉商品を生産する少なくとも1つの生産装置が前記複数の小売店舗に備わり、かつ、前記第2実績データが、前記少なくとも1つの生産装置に記録された生産実績データに基づいて生成される場合に、前記取得手段が前記少なくとも1つの生産装置に記録された生産実績データを取得し、前記登録手段が前記生産実績データを第3データベースに登録し、かつ、前記不整合情報生成手段が、前記第3データベースの登録内容と前記第1データベースおよび前記第2データベースの登録内容との比較照合処理を行うことにより前記第1データベースおよび前記第2データベースのいずれにも存在せず前記第3データベースにのみ存在する個体識別番号が関連付けられてなる部分肉または精肉商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、ことを特徴とする。
【0028】
請求項19の発明は、請求項16に記載のデータ管理装置であって、前記生鮮商品には、前記受入処理施設に入荷される一次商品と、前記一次商品に対して所定の分割加工を施すことによって生産される複数の二次商品とが含まれ、前記一次商品には当該一次商品もしくはそれが所属するロットまたは材料個体を一意に識別可能な識別情報が関連付けられており、前記二次商品にはその生産元となった一次商品から継承された識別情報が関連付けられてなり、前記識別情報は、前記第1端末装置においては前記第1実績データに記述され、前記第2端末装置においては前記第2実績データに記述され、前記第1実績データには前記受入処理施設からの前記生鮮商品の出荷時期が記述可能とされており、かつ、前記第2実績データには前記小売店舗への前記生鮮商品の入荷時期が記述可能とされている場合に、前記不整合情報生成手段が、前記第1データベースに記述されている出荷時期から所定の期間が経過するまでの範囲内に前記第2データベースに記述されていない生鮮商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、ことを特徴とする。
【0029】
請求項20の発明は、請求項16に記載のデータ管理装置であって、前記生鮮商品には、前記受入処理施設に入荷される一次商品と、前記一次商品に対して所定の分割加工を施すことによって生産される複数の二次商品とが含まれ、前記一次商品には当該一次商品もしくはそれが所属するロットまたは材料個体を一意に識別可能な識別情報が関連付けられており、前記二次商品にはその生産元となった一次商品から継承された識別情報が関連付けられてなり、前記識別情報は、前記第1端末装置においては前記第1実績データに記述され、前記第2端末装置においては前記第2実績データに記述され、前記第1実績データには前記受入処理施設から出荷する生鮮商品の出荷先となる小売店舗を特定する出荷先情報が記述可能とされており、かつ、前記第2実績データには当該第2実績データの作成対象である前記小売店舗を特定する入荷店舗情報が記述可能とされている場合に、前記不整合情報生成手段が、前記第1データベースと前記第2データベースの双方に対応する前記識別情報の記述がある生鮮商品であって、前記第1データベースに記述されている前記出荷先情報と前記第2データベースに記述されている前記入荷店舗情報とによってそれぞれ特定される小売店舗が一致しない生鮮商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、ことを特徴とする。
【0030】
請求項21の発明は、請求項16に記載のデータ管理装置であって、前記生鮮商品には、前記受入処理施設に入荷される一次商品と、前記一次商品に対して所定の分割加工を施すことによって生産される複数の二次商品とが含まれ、前記一次商品には当該一次商品もしくはそれが所属するロットまたは材料個体を一意に識別可能な識別情報が関連付けられており、前記二次商品にはその生産元となった一次商品から継承された識別情報が関連付けられてなり、前記識別情報は、前記第1端末装置においては前記第1実績データに記述され、前記第2端末装置においては前記第2実績データに記述され、かつ、前記第1実績データには前記受入処理施設が仕入れた生鮮商品の仕入先を特定する仕入先情報が記述可能とされている場合に、前記不整合情報生成手段が、前記第1データベースと前記第2データベースの双方に対応する前記識別情報の記述がある生鮮商品であって、前記第1データベースに前記仕入先情報が記述されていない生鮮商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、ことを特徴とする。
【0031】
請求項22の発明は、請求項21に記載のデータ管理装置であって、所定の入力手段をさらに備え、前記第1実績データおよび前記第2実績データに基づく登録がなされている第4のデータベースに対し、前記入力手段を介して前記仕入先情報の追記処理が可能である、ことを特徴とする。
【0032】
請求項23の発明は、複数の小売店舗を構成単位として含む店舗ネットワークにおける生鮮商品の生産管理システムにおける不整合情報を生成する方法であって、前記構成単位のそれぞれに対応して備わる複数の端末装置によって、当該構成単位のそれぞれにおける生鮮商品に係る所定の処理の実績を表す単位処理実績データを生成させる実績データ生成工程と、前記複数の端末装置との間でデータの授受が可能に設けられ、前記店舗ネットワークにおける前記生鮮商品の処理状況を管理するデータ管理装置において、前記複数の端末装置のそれぞれから前記単位処理実績データを取得する取得工程と、前記取得工程によって取得した複数の単位処理実績データの内容を所定のデータベースに登録する登録工程と、前記データベースを対象に、所定の抽出条件に基づく抽出処理を実行することにより、前記店舗ネットワークの内部における前記生鮮商品に係る所定の不整合状況を指し示す不整合情報を生成する不整合情報生成工程と、を備えることを特徴とする。
【0033】
請求項24の発明は、請求項23に記載の不整合情報生成方法であって、前記店舗ネットワークが、外部からの生鮮商品の入荷を集中的に担う受入処理施設を前記構成単位としてさらに含み、前記複数の端末装置が、前記受入処理施設に対応して備わる第1端末装置と、前記複数の小売店舗のそれぞれに対応して備わる第2端末装置とを含む場合に、前記実績データ生成工程が、前記第1端末装置から前記単位処理実績データとして第1実績データを生成する工程と、前記第2端末装置からは前記単位処理実績データとして第2実績データを生成する工程と、を含み、前記登録工程が、前記第1実績データの内容を第1データベースに登録する工程と、前記第2実績データの内容を第2データベースに登録する工程と、を含み、かつ、前記不整合情報生成工程が、前記第1データベースの登録内容と前記第2データベースの登録内容との比較照合処理を行うことにより前記不整合情報として前記受入処理施設と前記複数の小売店舗との間の前記生鮮商品に係る入出荷の不整合状況を含む情報を生成する、ことを特徴とする。
【0034】
請求項25の発明は、請求項24に記載の不整合情報生成方法であって、前記生鮮商品には、前記受入処理施設に入荷される一次商品と、前記一次商品に対して所定の分割加工を施すことによって生産される複数の二次商品とが含まれ、前記一次商品には当該一次商品もしくはそれが所属するロットまたは材料個体を一意に識別可能な識別情報が関連付けられており、前記二次商品にはその生産元となった一次商品から継承された識別情報が関連付けられてなり、かつ、前記識別情報は、前記第1端末装置においては前記第1実績データに記述され、前記第2端末装置においては前記第2実績データに記述される、ことを特徴とする。
【0035】
請求項26の発明は、請求項3に記載の不整合情報生成方法であって、前記不整合情報生成工程においては、前記第1データベースに存在せず前記第2データベースにのみ存在する識別情報が関連付けられてなる生鮮商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、ことを特徴とする。
【0036】
請求項27の発明は、請求項26に記載の不整合情報生成方法であって、前記一次商品が部分肉であり、前記二次商品が精肉商品であり、前記識別情報が、前記部分肉の生産元となった家畜個体の個体識別番号であり、かつ、前記精肉商品を生産する少なくとも1つの生産装置が前記複数の小売店舗に備わる場合に、前記取得工程においては前記少なくとも1つの生産装置に記録された生産実績データを取得し、前記登録工程においては前記生産実績データを第3データベースに登録し、かつ、前記不整合情報生成工程においては、前記第3データベースの登録内容と前記第1データベースおよび前記第2データベースの登録内容との比較照合処理を行うことにより前記第1データベースおよび前記第2データベースのいずれにも存在せず前記第3データベースにのみ存在する個体識別番号が関連付けられてなる部分肉または精肉商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、ことを特徴とする。
【0037】
請求項28の発明は、請求項24ないし請求項27のいずれかに記載の不整合情報生成方法であって、前記第1実績データには前記受入処理施設からの前記生鮮商品の出荷時期が記述可能とされており、前記第2実績データには前記小売店舗への前記生鮮商品の入荷時期が記述可能とされており、前記不整合情報生成工程においては、前記第1データベースに記述されている生鮮商品であってその出荷時期から所定の期間が経過するまでの範囲内に前記第2データベースに記述されていない生鮮商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、ことを特徴とする。
【0038】
請求項29の発明は、請求項24ないし請求項28のいずれかに記載の不整合情報生成方法であって、前記第1実績データには前記受入処理施設から出荷する生鮮商品の出荷先となる小売店舗を特定する出荷先情報が記述可能とされており、前記第2実績データには当該第2実績データの作成対象である前記小売店舗を特定する入荷店舗情報が記述可能とされており、前記不整合情報生成工程においては、前記第1データベースと前記第2データベースの双方に対応する前記識別情報の記述がある生鮮商品であって、前記第1データベースに記述されている前記出荷先情報と前記第2データベースに記述されている前記入荷店舗情報とによってそれぞれ特定される小売店舗が一致しない生鮮商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、ことを特徴とする。
【0039】
請求項30の発明は、請求項24ないし請求項29のいずれかに記載の不整合情報生成方法であって、前記第1実績データには前記受入処理施設が仕入れた生鮮商品の仕入先を特定する仕入先情報が記述可能とされており、前記不整合情報生成工程においては、前記第2データベースに前記識別情報の記述がある生鮮商品であって、前記第1データベースに前記仕入先情報が記述されていない生鮮商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0040】
請求項1ないし請求項30の発明によれば、店舗ネットワーク全体を構成する各小売店舗において生じる生鮮商品に係る不整合を集中的に把握することが容易に実現できるので、店舗ネットワーク全体における生鮮商品の生産管理の実効性が向上する。
【0041】
特に、請求項2ないし請求項9、請求項16ないし請求項22、および請求項24ないし請求項30の発明によれば、店舗ネットワーク全体を構成する受入処理施設と各小売店舗との間の生鮮商品の入出荷に係る不整合を集中的に把握することが容易に実現できるので、店舗ネットワーク全体における生鮮商品の生産管理の実効性が向上する。
【0042】
特に、請求項3ないし請求項9、請求項17ないし請求項22、および請求項25ないし請求項30の発明によれば、同一の一次商品に基づいて生産される複数の二次商品の生産状況を集中的に把握することが容易に実現できるとともに、受入処理施設における一次商品の処理実績と、小売店舗における当該一次商品に由来する二次商品の処理実績との不整合を集中的に把握することが容易に実現できるので、店舗ネットワーク全体における生鮮商品の生産管理の実効性が向上する。
【0043】
特に、請求項4、請求項5、請求項17、請求項18、請求項26および請求項27の発明によれば、店舗ネットワークを構成する小売店舗において不正に識別情報が付された生鮮商品の存在を、集中的に把握することが容易に実現できる。
【0044】
特に、請求項5、請求項18、および請求項27の発明によれば、店舗ネットワークを構成する小売店舗において不正に個体識別番号が付された精肉商品の存在を、集中的に把握することが容易に実現できる。
【0045】
特に、請求項6、請求項19、および請求項28の発明によれば、受入処理施設から出荷されたにもかかわらずいずれの小売店舗においても入荷の実績がない一次商品および生鮮商品の存在を、集中的に把握することが容易に実現できる。
【0046】
特に、請求項7、請求項20、および請求項29の発明によれば、受入処理施設から誤配された生鮮商品の存在を、集中的に把握することが容易に実現できる。
【0047】
特に、請求項8、請求項9、請求項21、請求項22および請求項30の発明によれば、受入処理施設を通さず、小売店舗に直接入荷した生鮮商品の存在を、集中的に把握することが容易に実現できる。
【0048】
特に、請求項9および請求項22の発明によれば、生産管理システムに登録されているデータの信頼性を高めることが出来る。
【0049】
また、請求項11ないし請求項14の発明によれば、適宜のタイミングで単位処理実績データを自動的に取得することにより、常に最新のデータに基づく不整合情報の生成が可能となる。
【0050】
特に、請求項12ないし請求項14の発明によれば、あらかじめ適宜のタイミングで不整合情報をあらかじめに生成して記憶させておくことができるので、閲覧するたびに逐一、不整合情報を生成する必要がなくなり、閲覧性が向上する。
【0051】
特に、請求項13ないし請求項14の発明によれば、必要なプログラムを備えた端末を使用することで、各小売店舗、受入処理施設、およびデータ管理装置の担当者がそれぞれ、不整合情報を確認することが可能となるので、店舗ネットワーク全体における不整合情報の共有化が図られる。
【0052】
請求項14の発明によれば、複数種類の不整合情報について、共通するフォーマット上で必要な項目のみを表示するので、閲覧性が高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0053】
<システム概要>
図1は、本実施の形態に係る生鮮商品の生産管理システム1の構成を概略的に示す図である。生産管理システム1は、本部Aの傘下に複数の小売店舗Bと商品の仕入、保管、仕分等を集中的に担うセンターC(パックセンターもしくはPCとも称する)とを有する店舗ネットワーク(いわゆるスーパーマーケットチェーン)における、生鮮商品の生産管理を担うシステムである。生産管理システム1は、商品の生産、販売計画などを担う本部Aに設けられてなる集配信サーバ3および本部端末4と、センターCに設けられてなるセンター端末7と、各小売店舗Bに設けられてなる複数の店舗端末8とを含む。さらに該生産管理システム1は、ハウジングセンターHCと称されるサーバ設置施設に設けられてなるWEBサーバ5と、データベースサーバ6とを含んで構成される。
【0054】
集配信サーバ3とWEBサーバ5とデータベースサーバ6は、いわゆるサーバコンピュータによって実現されるものであり、それぞれに処理に適した所定のオペレーションシステムに基づいて動作する。一方、本部端末4とセンター端末7と店舗端末8とは、いわゆるパーソナルコンピュータによって実現されるものである。例えば、本部端末4であれば、ディスプレイ等の表示手段41と、CPU、RAM、ROMなどから構成される制御手段42と、キーボードやマウスなどから構成される入力手段43と、さらには図示しない記憶手段や通信手段などから構成される。同様に、センター端末7は、表示手段71、制御手段72、入力手段73その他から構成され、店舗端末8も、表示手段81、制御手段82、入力手段83その他から構成される。すなわち、本実施の形態に係る生産管理システム1は、その各構成要素において所定のプログラムが実行されることにより各種機能が実現されるコンピュータシステムである。
【0055】
本部Aに設けられた集配信サーバ3および本部端末4とは通信線CL1にて互いに電気的に接続されてなり、ハウジングセンターHCに設けられたWEBサーバ5とデータベースサーバ6も通信線CL2にて互いに電気的に接続されてなる。また、本部Aに設けられた集配信サーバ3および本部端末4と、センター端末7と、複数の店舗端末8と、ハウジングセンターHCに設けられたWEBサーバ5とは、インターネット回線等の広域網Nにを介して互いに接続されている。
【0056】
このような構成を有する生産管理システム1においては、後述するように、センター端末7および店舗端末8に入力された所定の生産実績データを、集配信サーバ3が本部端末4の制御のもとに取得する。該生産実績データは、やはり本部端末4の制御のもとに、広域網NおよびWEBサーバ5を介して、所定の蓄積条件に従ってデータベースサーバ6に蓄積される。係る態様を鑑みると、生産管理システム1においては、集配信サーバ3と本部端末4とWEBサーバ5とが一のデータ管理装置2として作用するとみることが出来る。すなわち、本実施の形態に係る生産管理システム1は、その機能的な側面に着目すれば、データ管理装置2と、データベースサーバ6と、センター端末7と、複数の店舗端末8とから構成されるシステムであるということができる。そして、データ管理装置2がアクセスするデータベースサーバ6が、本部Aに設けられてデータ管理装置2の制御要素として作用する本部端末4と物理的に離隔し、広域網Nを介して本部端末4と接続されるよう設けられているがために、データ管理装置2においてそのアクセスに係る機能を担う要素が、WEBサーバ5として、やはりハウジングセンターHCに設けられているものにすぎないと、解することが出来る。なお、センター端末7および店舗端末8からのデータベースサーバ6へのアクセスは、WEBサーバ5を介してなされるが、これについても、あくまでデータ管理装置2を介して、該データ管理装置2と電気的に接続されたデータベースサーバ6にアクセスしているものと解することができる。
【0057】
それゆえ、このようにデータベースサーバ6が本部Aと離隔したハウジングセンターHCに設けられるのは、本発明の実現において必須の態様ではなく、一の筐体に集配信サーバ3と本部端末4とあるいはさらにWEBサーバ5の機能を備えてなるデータ管理装置2と直接に電気的に接続されるように設けられてもよい。
【0058】
<実績データの処理>
次に、本実施の形態に係る生産管理システム1における実績データの処理について説明する。なお、本実施の形態において、実績データとは、センターCおよび小売店舗Bにおいて、生鮮商品に係る所定の処理、例えば、入出荷、ロットナンバーの関連付け、加工などのの処理実績を表す種々のデータの総称であり、具体的には、センター入出荷データD1、ロット個体リンクデータD2、パック出荷実績データD3、店舗入荷データD4、および計量器実績データD5を指し示している。なお、本実施の形態においては、生鮮商品が牛肉商品である場合について説明する。図2は、係る実績データの内容とその取り扱いについて説明するための図である。
【0059】
まず、センターCにおいては、仕入先からの部分肉の入荷と、該部分肉の小売店舗への出荷に係る内容を指し示すセンター入出荷データD1が、センター端末7によって作成される。センター入出荷データD1は、部分肉の部位単位に、係る入出荷があるたびに作成される。センター入出荷データD1には、入荷段階であれば(仕入先の)商品コード、入荷重量、製造年月日、個体識別番号、ロットナンバー、入荷日時、仕入先情報などが主として記述される。出荷段階であれば、さらに、出荷日時や出荷先情報が記述される。なお、ここで、商品コード、入荷重量、製造年月日などは、通常、仕入先においてあらかじめその内容が基本コード(いわゆる標準物流バーコード)としてコード化され、入荷時に部分肉の包装に貼付されたラベルに印字されている。個体識別番号についても、個別にバーコード化されており、同様に印字されている。かかる場合は、それらのバーコードを図示しない所定の読み取り端末で読み取るだけで、センター端末7へに対し、基本コードともども入力がなされることになる。また、部分肉は通常、真空パックされた状態で上記のラベルを付されて配送されるので、部分肉のことを「真空パック単位原料」とも称する。
【0060】
センターCにおいては、また、個体識別番号と商品のロットナンバーとを関連付けるロット個体リンクデータD2と、センターCにおいて部分肉に対しカットやスライスなどの分割加工を施してパック商品を生産する場合の実績データであるパック出荷実績データD3とが、センター端末7によって作成される。前者は、異なる個体識別番号が付された複数の部分肉を用いて、該パック商品を生産する場合に、どの商品ロットにはどの個体識別番号が付与された部分肉が用いられたのかがわかるように、両者を関連付けて記録したデータであり、後者は、該ロットナンバーに係るパック商品の出荷実績を示すデータである。パック出荷実績データD3においても、商品コード、入荷重量、製造年月日や個体識別番号などが記述されるが、これらはやはりラベルに印字されたバーコードを読み取ることによって基本コードともども取得可能である。また、パック出荷実績データD3には、生産した商品の名称、部位、種類、重量、パック数などの実績情報が記述されるほか、出荷先を指し示す出荷先情報や出荷日時なども記述される。
【0061】
すなわち、センターCにおけるパック商品の生産に際しては、複数の部分肉によるロット形成がある度にロット個体リンクデータD2が作成される。そして、パック商品への加工がなされるたびに、用いた部分肉のロットナンバーが商品にラベルとして付与されるとともに、パック出荷実績データD3が作成されることになる。これにより、センターCにおいて加工された商品からも、ロットナンバーを手がかりに、生産元になった牛の個体識別番号がたどれることになる。
【0062】
これに対し、それぞれの小売店舗Bにおいては、センターCからの部分肉の入荷に係る内容を指し示す店舗入荷データD4が、店舗端末8によって作成される。店舗入荷データD4においても、商品コード、入荷重量、製造年月日や個体識別番号などが記述されるが、これらもやはりラベルに印字されたバーコードを読み取ることによって基本コードともども取得可能である。また、店舗入荷データD4においては、その小売店舗を識別する入荷店舗情報や入荷日時なども記述される。
【0063】
また、各小売店舗Bにおいては、該小売店舗Bに備わる図示しない計量包装値付装置等による、精肉商品の生産に係る実績データである計量器実績データD5も作成される。計量器実績データD5としては、個体識別番号またはロットナンバーや、生産した商品の名称、部位、種類、重量、パック数などの実績情報が主として記録される。なお、計量器実績データD5は、店舗端末8によって直接作成する態様であってもよいが、値付処理(ラベル貼付処理)の際に計量包装値付装置が自動的にその処理内容を記録しておく態様や、あるいは所定のタイミングで店舗端末8へと受け渡す態様であってもよい。
【0064】
このようにして、それぞれの部門における処理の度に作成され、各端末等に蓄積されてなる種々の実績データは、データ管理装置2に備わる取得手段21によって、所定のタイミングで取得される。なお、本実施の形態においては、本部端末4の制御手段42により与えられた実行指示に従って、集配信サーバ3がセンター端末7や店舗端末8にアクセスすることにより、集配信サーバ3による実績データの取得が実現されることから、取得手段21は、本部端末4の制御手段42および集配信サーバ3の機能により実現される仮想的な手段ということになる。
【0065】
取得手段21がこのようにして実績データを取得すると、データ管理装置2に備わる登録手段22が、該実績データの内容に対応してデータベースサーバ6に備わる種々のデータベース(データテーブルとも称する)に対して、登録処理を行う。本実施の形態においては、データベースサーバ6に、センター入出荷データベース61、リンクデータベース62、パック出荷データベース63、店舗入荷データベース64、計量器実績データベース65、および商品マスタデータベース66の6つのデータベースが存在する。センター入出荷データベース61には、センター入出荷データD1の記述内容が蓄積される。リンクデータベース62には、ロット個体リンクデータD2が蓄積される。パック出荷データベース63には、パック出荷実績データD3が蓄積される。店舗入荷データベース64には、全ての小売店舗Bについての店舗入荷データD4が蓄積される。計量器実績データベース65には全ての小売店舗Bについての計量器実績データD5が蓄積される。そして、商品マスタデータベース66には、全ての精肉商品のトレーサビリティの実現に用いられる種々のデータ(例えば、基本コード、個体識別番号当該商品の小売店舗、原料、産地、仕入先、銘柄など)が、上述の各データの記述に基づいて、基本コードをキーとして蓄積される。登録手段22は、それぞれの実績データから各データベースに合致する記述内容を抽出してこれを該データベースに蓄積する処理を担う。
【0066】
なお、本実施の形態においては、本部端末4の制御手段42により与えられた実行指示に従って、集配信サーバ3がWEBサーバ5を介してデータベースサーバ6にアクセスすることにより、データベースサーバ6に備わる各データベースへのデータの蓄積が実現されることから、登録手段22は、本部端末4の制御手段42、集配信サーバ3、およびWEBサーバ5の機能により実現される仮想的な手段ということになる。
【0067】
<不整合情報の生成>
次に、上述のようにして登録処理がなされているデータベースサーバ6における各データベースの登録内容は、登録処理が適正に行われ、かつ処理そのものが登録内容に合致してなされている限り、相互に矛盾は生じないはずである。しかしながら、現実には、人為的ミス等の種々の要因によって、センターCからの出荷の内容と、小売店舗Bにおける入荷の内容とに不整合が生じることがある。本実施の形態に係る生産管理システム1においては、店舗ネットワーク全体で生じるこうした不整合を、集中的にかつ容易に把握することが出来る点で特徴的である。すなわち、システム内に蓄積されたデータのエラーチェック処理が容易な生産管理システムであるという点で特徴的である。以下、係る不整合情報の生成について説明する。図3は、こうした不整合情報の生成と、その閲覧について説明するための図である。なお、不整合情報の生成は、あらかじめ指定されたタイミングで自動的に実行する態様であっても良いし、例えば、本部端末4の入力手段43などからなされる所定の実行指示などに応答して行う態様であってもよい。
【0068】
不整合情報を生成する不整合情報生成処理は、データ管理装置2に備わる不整合情報生成手段23の作用により実現される。ただし、本実施の形態において、不整合情報生成処理は、本部端末4の制御手段42が、所定の実行指示に従ってWEBサーバ5を介してデータベースサーバ6にアクセスして処理条件に応じたデータを抽出し、その結果をデータベースサーバ6に記憶することにより実現されることから、不整合情報生成手段23は、本部端末4の制御手段42およびWEBサーバ5の機能により実現される仮想的な手段ということになる。また、不整合情報生成処理により得られる種々の不整合情報を指し示すデータは、データベースサーバ6に備わる不整合情報データベース67に登録される。なお、不整合情報データベース67は、必ずしもデータベースサーバ6に設けられる必要はなく、本部端末4、センター端末7、および店舗端末8からアクセス可能であれば、その他の記憶手段に記憶され、参照可能とされていてもよい。
【0069】
本実施の形態に係る不整合情報生成処理としては、個体識別番号チェック処理P1、店舗入荷実績チェック処理P2、誤配送チェック処理P3、および仕入チェック処理P4の4つの処理がある。すなわち、4つのモードによるエラーチェック処理の選択的な実行が可能である。これらの処理について、以降において順次に説明する。ただし、説明の簡単のため、以降においては、小売店舗Bにおいて部分肉を加工して精肉商品を生産する場合を対象として説明する。
【0070】
<個体識別番号チェック処理>
個体識別番号チェック処理P1は、不正な個体識別番号が付された精肉商品の存否を確認することを目的に行う処理である。適正に入出荷および加工がなされた精肉商品は、センターCにおける入出荷の際に、小売店舗Bにおける入荷の際に、さらには計量値付装置における値付処理の際に、それぞれ、センター入出荷データベース61、店舗入荷データベース64および計量器実績データベース65に対応する部分肉あるいは精肉商品についての記録がなされているはずである。あるいは、例外的に、本部Aの管理の下、センターCを経ずに仕入先から小売店舗Bに直納される場合でもあるが、この場合も、少なくとも店舗入荷データベース64および計量器実績データベース65には対応する記録がなされているはずである。
【0071】
一方、こうした経緯を経ずに、小売店舗Bに直接に持ち込まれ加工および値付処理のみがなされた精肉商品については、計量値付装置には値付処理の記録がなされるので、計量器実績データベース65には存在するものの、センター入出荷データベース61および店舗入荷データベース64のいずれにも、対応する記録は存在しないはずである。従って、このような場合に該当する個体識別番号が付された精肉商品は、少なくともその小売店舗が属する店舗ネットワークにおける正規の処理ルートを経ていない、不正な個体識別番号が付された精肉商品である可能性があることになる。すなわち、当該精肉商品は、元の牛個体に対応していないでたらめな個体識別番号が付されている商品であるか、あるいは、元の牛個体に正しく対応した個体識別番号であっても、店舗ネットワークにおける正規の商品ではない商品であるか、もしくは入荷段階で記録漏れがあった商品であるということである。このような商品の存在は、トレーサビリティの確実性という観点からみて、当該店舗ネットワークの信頼を損ね得るものであるので、例えば商品の回収などといった適切な対応を取るには、その存否を早急にかつ店舗ネットワーク全体について漏れなく把握する必要がある。
【0072】
これを踏まえ、個体識別番号チェック処理P1においては、計量器実績データベース65に登録されているレコードに記述された個体識別番号をキーとして、センター入出荷データベース61と店舗入荷データベース64の登録内容と当該個体識別番号を比較照合し、存在しない個体識別番号がある場合に、対応するレコードに基づいて、不整合情報を生成する処理がなされる。個体識別番号チェック処理P1によって得られる不整合情報に係るデータを、個体識別番号不整合データDP1と称することとする。
【0073】
図4は、個体識別番号チェック処理P1の処理の具体例を説明するための図である。図4(a)はセンター入出荷データベース61の、図4(b)は店舗入荷データベース64の、図4(c)は計量器実績データベース65の登録内容をそれぞれ部分的に例示している。図示の簡単のため、それぞれにおいては個体識別番号のみを示しているが、センター入出荷データベース61における同一の個体識別番号の重複は、入出荷日や、同一の牛個体から得られた部位の違う部分肉のレコードの存在を示すものである。店舗入荷データベース64における重複は、入荷日や部位の違いの他、同一の牛個体から得られた部分肉が異なる店舗に入荷した場合などに相当する。また、計量器実績データベースにおける重複は、それらに加えて、加工種類(薄切り、ブロックなど)の相違による場合も考えられる。
【0074】
図4においては、次の6通りのパターンで、個体識別番号の記録が存在する。
【0075】
(1)個体識別番号が「1234567899」なるレコード:
全てのデータベースに存在する。これは、センターCから出荷された後、いずれかの小売店舗Bに入荷された部分肉に加工、値付処理を施した適正な精肉商品に対応する。
【0076】
(2)個体識別番号が「1234567897」なるレコード;
センター入出荷データベース61にのみ存在する。これはセンターCに入荷して保管されているか、あるいは出荷直後でまだどの小売店舗Bにも入荷の記録がない、適正な部分肉に対応する。
【0077】
(3)個体識別番号が「1234567894」なるレコード:
センター入出荷データベース61と店舗入荷データベース64とに存在する。これは、センターCから出荷されある小売店舗Bに入荷後、加工されることなく保持されている適正な部分肉対応する。
【0078】
(4)個体識別番号が「1234567896」なるレコード:
店舗入荷データベース64にのみ存在する。これは、いずれかの小売店舗Bに正規に直納されて保管されている適正な部分肉に対応する。
【0079】
(5)個体識別番号が「1234567898」なるレコード:
店舗入荷データベース64と計量器実績データベース65に存在する。これは、正規に直納された部分肉に加工、値付処理を施した適正な精肉商品に対応する。
【0080】
(6)個体識別番号が「1234567895」なるレコード:
計量器実績データベース65にのみ存在する。入荷の実績のない部分肉に加工、値付処理を施した不正な精肉商品に対応する。
【0081】
すなわち、個体識別番号チェック処理P1においては、上記パターン(6)に該当するレコードに基づいて、個体識別番号不整合データDP1が生成されることになる。
【0082】
<店舗入荷実績チェック処理>
店舗入荷実績チェック処理P2は、センターCからの出荷実績がある部分肉について、対応する入荷実績の存否を確認することを目的に行う処理である。適正にセンターCから出荷された部分肉は、通常の流通ルートをたどる限り、所定日数以内に、出荷先とされたいずれかの小売店舗Bに入荷されるはずである。すなわち、ある部分肉についてセンター入出荷データベース61において出荷の記録があった場合、所定日時以降には、必ず店舗入荷データベース64に対応する入荷の記録があるはずであり、係る記録がない部分肉は、記録漏れがないとすると、若しくは紛失あるいは盗難などが起こっている可能性があることになる。
【0083】
これを踏まえ、店舗入荷実績チェック処理P2においては、センター入出荷データベース61に登録されているレコードに記述された基本コードあるいは個体識別番号をキーとして、そのレコードに記述された出荷先店舗および出荷日時と、店舗入荷データベース64に登録されたレコードの入荷店舗と入荷日時とを比較照合し、基本コードもしくは個体識別番号が同一であって、出荷日時から規定日数以内に出荷先店舗において入荷の実績がないレコードに基づいて、不整合情報を生成する処理がなされる。店舗入荷実績チェック処理P2によって得られる不整合情報に係るデータを、店舗入荷実績不整合データDP2と称することとする。
【0084】
図5は、店舗入荷実績チェック処理P2その他の処理の具体例を説明するための図である。図5(a)はセンター入出荷データベース61の、図5(b)は店舗入荷データベース64の登録内容をそれぞれ部分的に例示している。なお、図5に示す場合においては、現在日付が「2月10日」であり、センターCからの出荷日時から2日経っても小売店舗Bに入荷のない場合に問題があると判断されるものとする。図示の簡単のため、センター入出荷データベース61においては個体識別番号と出荷日時と出荷先店舗のみを示しており、店舗入荷データベース64においては個体識別番号と入荷日時と入荷店舗のみを示している。また、図5においては、説明の簡単のため、比較照合のためのキーとして個体識別番号を用いる場合を示しているが、同一の個体識別番号が付されているレコードは同一の部位のものであるとする。なお、基本コードを用いる場合は、その中に含まれる商品コードに部位に係る情報も含まれるので、基本コードの一致をみれば問題はない。さらに、当該店舗ネットワークには301、302、303なる店舗番号を有する3つの小売店舗Bのみが存在するものとして説明する。
【0085】
図5において、センター入出荷データベース61のなかで符号ア)、イ)、エ)、カ)を付したレコードについては、店舗入荷データベース64において、出荷日時と同日あるいは翌日に出荷先店舗として記録された店舗と同一の入荷店舗における入荷の記録が存在する。すなわち、規定された日数以内に正しく入荷が行われたことになる。また、符号オ)を付したレコードについては、センターCからの出荷そのものがなされていないので、これについても問題はない。
【0086】
一方、符号ウ)を付したレコードについては、出荷日時から2日が経過しているにも関わらず、店舗入荷データベース64において、出荷先店舗とされた店舗番号301の小売店舗Bに対する入荷の記録がない。従って、係るレコードに基づいて店舗入荷実績不整合データDP2が生成されることになる。
【0087】
<誤配送チェック処理>
誤配送チェック処理P3は、センターCからの出荷実績がある部分肉について、誤った入荷実績の存否を確認することを目的に行う処理である。適正にセンターCから出荷された部分肉は、通常の流通ルートをたどる限り、出荷先店舗として指定された小売店舗Bに配送され、該小売店舗Bにおいて適正に入荷処理がなされるはずである。すなわち、ある部分肉についてセンター入出荷データベース61において出荷の記録があった場合、所定日時以降には、必ず店舗入荷データベース64に出荷先店舗を入荷店舗とする入荷の記録があるはずであり、係る異なる店舗における入荷記録が存在する部分肉は、誤配送がなされたものであることになる。
【0088】
これを踏まえ、誤配送チェック処理P3においては、センター入出荷データベース61に登録されているレコードに記述された基本コードあるいは個体識別番号をキーとして、そのレコードに記述された出荷先店舗と、店舗入荷データベース64に登録されたレコードの入荷店舗とを比較照合し、基本コードもしくは個体識別番号が同一であって、出荷先店舗と入荷店舗が異なるレコードに基づいて、不整合情報を生成する処理がなされる。誤配送チェック処理P3によって得られる不整合情報に係るデータを、誤配送不整合データDP3と称することとする。
【0089】
誤配送チェック処理P3の具体例についても、図5に例示がある。図5において、センター入出荷データベース61のなかで符号キ)を付したレコードについては、出荷先店舗の店舗番号が「302」であるにも関わらず、店舗入荷データベース64においては、個体識別番号がおよび入荷日時が同一であるレコードは、入荷店舗の店舗番号が「303」のもののみが存在する。従って、かかるレコードに対応する部分肉が、本来の出荷先である店舗番号が「302」の店舗ではなく、店舗番号が「303」の店舗に誤配送されてしまったことになる。係るレコードに基づいて誤配送不整合データDP3が生成されることになる。
【0090】
<仕入チェック処理>
仕入チェック処理P4は、センターCからの出荷実績ないにもかかわらず小売店舗Bに入荷した部分肉、つまり直納された部分肉の存否を確認することを目的に行う処理である。諸般の事情により、正規に仕入れた部分肉であっても、センターCを経ずに直接に小売店舗Bに配送され、該小売店舗Bにおいて処理がなされる場合がある。本実施の形態に係る生産管理システム1においては、仕入先情報はセンター入出荷データD1から取得されセンター入出荷データベース61および商品マスタデータベース66へと登録されるので、このような例外的な処理がなされた部分肉については、店舗入荷データベース64において入荷の記録がなされたとしても、その仕入先情報がこのままでは登録されないことになる。しかしながら、こうした部分肉について生産履歴のトレースを実現するには、その存在を把握し、商品マスタデータベース66においてその仕入先情報を補足する必要がある。
【0091】
これを踏まえ、仕入チェック処理P4においては、店舗入荷データベース64に登録されているレコードに記述された基本コードあるいは個体識別番号をキーとして、これをセンター入出荷データベース61の基本コードもしくは個体識別番号とを比較照合し、対応する基本コードもしくは個体識別番号が存在しないレコードに基づいて、不整合情報を生成する処理がなされる。仕入チェック処理P4によって得られる不整合情報に係るデータを、仕入不整合データDP4と称することとする。
【0092】
仕入チェック処理P4の具体例についても、図5に例示がある。図5において、店舗入荷データベース64のなかで符号ク)を付したレコードについては、センター入出荷データベース61において、対応するレコードが存在しない。従って、かかるレコードに対応する部分肉は、直納された部分肉であることになる。係るレコードに基づいて仕入不整合データDP4が生成されることになる。
【0093】
<エラーチェックの実行>
次に、上記のような不整合情報の生成結果を閲覧するための処理について説明する。本実施の形態に係る生産管理システム1においては、かかる不整合情報の閲覧処理を、つまりはエラーチェック処理を、本部端末4、センター端末7および複数の店舗端末8のいずれにおいても実行可能とされている。その閲覧は、それぞれの端末において汎用の閲覧プログラム(いわゆるブラウザプログラム)を実行し、WEBサーバ5にアクセスして所定のWEBページを表示させたうえで、所定の表示要求処理を実行することにより実現される。これは、例えばCGIの機能を用いることで実現可能である。例えば、本部端末4においては、制御手段42に閲覧プログラム44がインストールされており、表示要求処理RQ1を実行することにより、WEBサーバ5を介してデータベースサーバ6の不整合情報データベース67にアクセスし、所望の不整合情報を取得することで、その閲覧が可能となる。センター端末7および店舗端末8においても同様に、閲覧プログラム74あるいは84がインストールされており、表示要求処理RQ2あるいはRQ3が実行されることで同様の閲覧が可能である。
【0094】
本実施の形態においては、このエラーチェック処理をそれぞれの端末において実行することにより、店舗ネットワーク全体におけるセンターCと小売店舗Bとの間の入出荷その他に係る不整合状態を、一元的に把握することが出来る。以下、このようなエラーチェック処理を、本部端末4によって実行する場合を例として説明する。図6は、本部端末4において閲覧プログラム44を実行し、表示手段41にエラーチェック処理を実行するための初期画面W0を表示させた場合の画面例を示す図である。初期画面W0においては、上述した4つのエラーチェック処理(つまりは不整合情報生成処理)のいずれを実行するのかを選択するためのラジオボタンB1〜B4が備わっている。いずれかを選択し、検索ボタンB5をクリックすることにより、対応する不整合情報データの内容が、データベースサーバ6の不整合情報データベース67から取得されて、表示手段41に表示されることになる。また、初期画面W0には期間入力フィールドF1が備わっており、不整合情報の表示対象とする期間を設定できるようになっている。なお、初期画面W0においては、クリアボタンB6をクリックすることで入力のキャンセルが可能であり、戻るボタンB7をクリックすることで、直線の表示画面に戻ることが可能である。また、仕入先訂正フィールドF2は、上述したような直納がなされている場合に、商品マスタデータベース66に対して、仕入先を直接入力する場合、あるいは入力内容を訂正する補完処理RQ4を要求する場合に用いられる。
【0095】
図7から図10は、それぞれのラジオボタンB1〜B4を選択してエラーチェック結果を表示手段41に表示させた場合の画面例を示す図である。図7は、ラジオボタンB1をクリックし、表示手段41に個体識別番号チェック結果表示画面W1を表示させた場合の示す図である。ラジオボタンB1は、「入荷処理のない個体識別番号の生産を抽出する」というエラーチェック処理、つまりは個体識別番号チェック処理P1の結果である個体識別番号不整合データDP1を表示させる際に選択されるボタンである。図8は、ラジオボタンB2をクリックし、表示手段41に店舗入荷実績チェック結果表示画面W2を表示させた場合の示す図である。ラジオボタンB2は、「PC経由で出荷したが、2日以上どの店舗でも入荷処理がない真空パック単位原料を抽出する」というエラーチェック処理、つまりは店舗入荷実績チェック処理P2の結果である店舗入荷実績不整合データDP2を表示させる際に選択されるボタンである。図9は、ラジオボタンB3をクリックし、表示手段41に誤配送チェック結果表示画面W3を表示させた場合の示す図である。ラジオボタンB3は、「誤配送の真空パック単位原料を抽出する」というエラーチェック処理、つまりは誤配送チェック処理P3の結果である誤配送不整合データDP3を表示させる際に選択されるボタンである。図10は、ラジオボタンB4をクリックし、表示手段41に仕入チェック結果表示画面W4を表示させた場合の示す図である。ラジオボタンB4は、「仕入先未入力の真空パック単位原料を抽出する」というエラーチェック処理、つまりは仕入チェック処理P4の結果である仕入不整合データDP4を表示させる際に選択されるボタンである。
【0096】
図7から図10に示すように、それぞれの結果表示画面における結果表示フィールドF11〜14における表示項目I1〜I11は共通している。すなわち、4つのエラーチェック処理結果は共通のフォーマットに従って記述されてなる点で特徴的である。いずれのエラーチェックを選択したとしても、共通のフォーマットのもとで必要な項目のみを表示するので、高い閲覧性を有しているといえる。
【0097】
図7に示す個体識別番号チェック結果表示画面W1においては、項目I3の個体識別番号にのみ該当するレコードの表示がなされる。これは、リストアップされた個体識別番号を有する精肉商品については、他の項目に係る登録が、何らなされていないことを意味しており、かかる個体識別番号は、不正なものであるということがこの結果からわかる。この場合、表示された個体識別番号をクリックすることにより、当該個体識別番号が付された商品の詳細を知ることができるように、商品マスタデータベース66等に登録されているデータへのリンクが張られていることが、不正な精肉商品を具体的に把握するという点からは好ましい。
【0098】
図8に示す店舗入荷実績チェック結果表示画面W2においては、該当するレコードについて、項目I10およびI11以外の表示がなされる。これにより、リストアップされて当該部分肉については、項目I9に示すように出荷(先)店舗が明示され、出荷の事実はあるにもかかわらず、店舗入荷データベース64に当該小売店舗(図8では、店舗番号900のA店)において2日以上入荷の登録がなく、紛失あるいは盗難の可能性があることが分かる。
【0099】
図9に示す誤配送チェック結果表示画面W3においては、該当するレコードについて、全ての項目が埋まった状態で表示がなされる。しかしながら、表示されたレコードについては、項目I9で示されている出荷(先)店舗と項目I11で示されている入荷店舗の登録が、一致していない。これにより、リストアップされた部分肉が、定められた出荷(先)店舗(図9ではA店)とは異なる小売店舗(店舗番号901のB店)に誤配送されていることが分かる。
【0100】
図10に示す仕入チェック結果表示画面W4においては、該当するレコードについて、個体識別番号を示す項目I4と、銘柄名を示す項目I6と、店舗入荷日を示す項目I10と、入荷店舗を示す項目I11のみが表示されている。これは、該当する部分肉が小売店舗B(図10ではA店)に直納されておりセンターCにおける入荷処理を経ていないことから、センター入出荷データベース61において登録されることになっている項目については、その内容が存在しないことを意味している。
【0101】
このように、その表示項目がエラーチェック処理に応じて定まっていることから、共通のフォーマットを用いた結果表示が可能とされている。
【0102】
センター端末7および店舗端末8においても、それぞれ閲覧プログラム74および84のもと、同様の表示が可能である。ただし、個体識別番号チェック結果表示画面W1における仕入先訂正フィールドF2については、むやみの改ざんを防止すべく、これらの端末からは操作が不可能とされている。
【0103】
なお、本実施の形態においては、不整合情報生成手段23によって適宜のタイミングであらかじめ不整合情報生成処理が実行され、不整合情報データベース67に種々の不整合データが蓄積されており、各端末においてはその表示要求処理を行うことによってその結果を表示させるものとされているが、これに代わり、各端末から所定の実行指示を与える都度、不整合情報生成手段23がこれに応答して選択された不整合情報の生成を行うものとされていてもよい。
【0104】
また、上述の説明においては牛肉を主たる対象として説明しているが、他の種類の食肉を初めとする生鮮商品を対象とする生産管理システムにおいても、同様の取り扱いは可能である。
【0105】
以上、説明したように、本実施の形態に係る生産管理システムによれば、店舗ネットワーク全体を構成するセンターと各小売店舗との間の生鮮商品の入出荷に係る不整合を集中的に把握することが容易に実現できるので、店舗ネットワーク全体における生鮮商品の生産管理の実効性が向上する。特に、同一の一次商品(例えば部分肉など)に基づいて生産される複数の二次商品(例えば精肉商品)の生産状況を集中的に把握することが容易に実現できるとともに、センターにおける一次商品の処理実績と、小売店舗における当該一次商品に由来する二次商品の処理実績との不整合を集中的に把握することが容易に実現できるので、店舗ネットワーク全体における生鮮商品の生産管理の実効性が向上する。
【0106】
具体的には、店舗ネットワークを構成する小売店舗において不正に識別情報(例えば個体識別番号)が付された生鮮商品の存在を、集中的に把握することが容易に実現できる。また、センターから出荷されたにもかかわらずいずれの小売店舗においても入荷の実績がない一次商品および生鮮商品の存在を、集中的に把握することが容易に実現できる。また、センターから誤配された生鮮商品の存在を、集中的に把握することが容易に実現できる。さらには、センターを通さず、小売店舗に直接入荷した生鮮商品の存在を、集中的に把握することが容易に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】本実施の形態に係る生鮮商品の生産管理システム1の構成を概略的に示す図である。
【図2】種々の実績データの内容とその取り扱いについて説明するための図である。
【図3】不整合情報の生成と、その閲覧について説明するための図である。
【図4】個体識別番号チェック処理P1の処理の具体例を説明するための図である。
【図5】店舗入荷実績チェック処理P2その他の処理の具体例を説明するための図である。
【図6】閲覧プログラム44を実行し、表示手段41にエラーチェック処理実行の初期画面W0を表示させた場合の画面例を示す図である。
【図7】表示手段41に個体識別番号チェック結果表示画面W1を表示させた場合の示す図である。
【図8】表示手段41に店舗入荷実績チェック結果表示画面W2を表示させた場合の示す図である。
【図9】表示手段41に誤配送チェック結果表示画面W3を表示させた場合の示す図である。
【図10】表示手段41に仕入チェック結果表示画面W4を表示させた場合の示す図である。
【符号の説明】
【0108】
1 生産管理システム
2 データ管理装置
3 集配信サーバ
4 本部端末
5 WEBサーバ
6 データベースサーバ
7 センター端末
8 店舗端末
A 本部
B 小売店舗
C センター
F1 期間入力フィールド
F2 仕入先訂正フィールド
F11〜14 結果表示フィールド
HC ハウジングセンター
W0 初期画面
W1 個体識別番号チェック結果表示画面
W2 店舗入荷実績チェック結果表示画面
W3 誤配送チェック結果表示画面
W4 仕入チェック結果表示画面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の小売店舗を構成単位として含む店舗ネットワークにおける生鮮商品の生産管理システムであって、
前記構成単位のそれぞれに対応して備わり、当該構成単位のそれぞれにおける生鮮商品に係る所定の処理の実績を表す単位処理実績データを生成させる複数の端末装置と、
前記複数の端末装置との間でデータの授受が可能に設けられ、前記店舗ネットワークにおける前記生鮮商品の処理状況を管理するデータ管理装置と、
を備え、
前記データ管理装置が、
前記複数の端末装置のそれぞれから前記単位処理実績データを取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得した複数の単位処理実績データの内容を所定のデータベースに登録する登録手段と、
前記データベースを対象に、所定の抽出条件に基づく抽出処理を実行することにより、前記店舗ネットワークの内部における前記生鮮商品に係る所定の不整合状況を指し示す不整合情報を生成する不整合情報生成手段と、
を備えることを特徴とする生鮮商品の生産管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の生産管理システムであって、
前記店舗ネットワークが、外部からの生鮮商品の入荷を集中的に担う受入処理施設を前記構成単位としてさらに含み、
前記複数の端末装置が、前記受入処理施設に対応して備わる第1端末装置と、前記複数の小売店舗のそれぞれに対応して備わる第2端末装置とを含み、
前記第1端末装置からは前記単位処理実績データとして第1実績データが生成され、
前記第2端末装置からは前記単位処理実績データとして第2実績データが生成され、
前記登録手段が、前記第1実績データの内容を第1データベースに登録するとともに前記第2実績データの内容を第2データベースに登録し、
前記不整合情報生成手段が、前記第1データベースの登録内容と前記第2データベースの登録内容との比較照合処理を行うことにより前記不整合情報として前記受入処理施設と前記複数の小売店舗との間の前記生鮮商品に係る入出荷の不整合状況を含む情報を生成する、
ことを特徴とする生鮮商品の生産管理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の生産管理システムであって、
前記生鮮商品には、前記受入処理施設に入荷される一次商品と、前記一次商品に対して所定の分割加工を施すことによって生産される複数の二次商品とが含まれ、
前記一次商品には当該一次商品もしくはそれが所属するロットまたは材料個体を一意に識別可能な識別情報が関連付けられており、
前記二次商品にはその生産元となった一次商品から継承された識別情報が関連付けられてなり、
かつ、
前記識別情報は、前記第1端末装置においては前記第1実績データに記述され、前記第2端末装置においては前記第2実績データに記述される、
ことを特徴とする生鮮商品の生産管理システム。
【請求項4】
請求項3に記載の生産管理システムであって、
前記不整合情報生成手段が、前記第1データベースに存在せず前記第2データベースにのみ存在する識別情報が関連付けられてなる生鮮商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、
ことを特徴とする生鮮商品の生産管理システム。
【請求項5】
請求項4に記載の生産管理システムであって、
前記一次商品が部分肉であり、
前記二次商品が精肉商品であり、
前記識別情報が、前記部分肉の生産元となった家畜個体の個体識別番号であり、
前記精肉商品を生産する少なくとも1つの生産装置が前記複数の小売店舗に備わり、
前記取得手段が前記少なくとも1つの生産装置に記録された生産実績データを取得し、
前記登録手段が前記生産実績データを第3データベースに登録し、
かつ、
前記不整合情報生成手段が、前記第3データベースの登録内容と前記第1データベースおよび前記第2データベースの登録内容との比較照合処理を行うことにより前記第1データベースおよび前記第2データベースのいずれにも存在せず前記第3データベースにのみ存在する個体識別番号が関連付けられてなる部分肉または精肉商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、
ことを特徴とする生鮮商品の生産管理システム。
【請求項6】
請求項3ないし請求項5のいずれかに記載の生産管理システムであって、
前記第1実績データには前記受入処理施設からの前記生鮮商品の出荷時期が記述可能とされており、
前記第2実績データには前記小売店舗への前記生鮮商品の入荷時期が記述可能とされており、
前記不整合情報生成手段が、前記第1データベースに記述されている生鮮商品であってその出荷時期から所定の期間が経過するまでの範囲内に前記第2データベースに記述されていない生鮮商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、
ことを特徴とする生鮮商品の生産管理システム。
【請求項7】
請求項3ないし請求項6のいずれかに記載の生産管理システムであって、
前記第1実績データには前記受入処理施設から出荷する生鮮商品の出荷先となる小売店舗を特定する出荷先情報が記述可能とされており、
前記第2実績データには当該第2実績データの作成対象である前記小売店舗を特定する入荷店舗情報が記述可能とされており、
前記不整合情報生成手段が、前記第1データベースと前記第2データベースの双方に対応する前記識別情報の記述がある生鮮商品であって、前記第1データベースに記述されている前記出荷先情報と前記第2データベースに記述されている前記入荷店舗情報とによってそれぞれ特定される小売店舗が一致しない生鮮商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、
ことを特徴とする生鮮商品の生産管理システム。
【請求項8】
請求項3ないし請求項7のいずれかに記載の生産管理システムであって、
前記第1実績データには前記受入処理施設が仕入れた生鮮商品の仕入先を特定する仕入先情報が記述可能とされており、
前記不整合情報生成手段が、前記第2データベースに前記識別情報の記述がある生鮮商品であって、前記第1データベースに前記仕入先情報が記述されていない生鮮商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、
ことを特徴とする生鮮商品の生産管理システム。
【請求項9】
請求項8に記載の生産管理システムであって、
前記データ管理装置が所定の入力手段を備え、
前記第1実績データおよび前記第2実績データに基づく登録がなされている第4のデータベースに対し、前記入力手段を介して前記仕入先情報の追記処理が可能である、
ことを特徴とする生鮮商品の生産管理システム。
【請求項10】
請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の生産管理システムであって、
前記複数の端末装置と前記データ管理装置とが、所定の回線にてネットワーク接続されている、
ことを特徴とする生鮮商品の生産管理システム。
【請求項11】
請求項10に記載の生産管理システムであって、
前記取得手段は前記複数の端末装置から所定のタイミングで前記単位処理実績データを自動的に取得し、前記登録手段は、その取得内容について前記データベースに自動的に登録する、
ことを特徴とする生鮮商品の生産管理システム。
【請求項12】
請求項11に記載の生産管理システムであって、
前記不整合情報生成手段が、所定のタイミングで前記不整合情報を自動的に生成し、所定の記憶手段に記憶する、
ことを特徴とする生鮮商品の生産管理システム。
【請求項13】
請求項12に記載の生産管理システムであって、
前記データ管理装置および前記複数の端末装置のそれぞれの少なくとも1つが、
所定の情報を視認可能に表示する表示手段と、
所定の閲覧プログラムを実行することにより前記表示手段に所定の閲覧画面を表示させるとともに、所定の表示要求処理を実行することにより前記閲覧画面上に前記記憶手段に記憶された前記不整合情報を表示させる制御手段と、
を備えることを特徴とする生鮮商品の生産管理システム。
【請求項14】
請求項13に記載の生産管理システムであって、
前記制御手段において前記所定の表示要求処理が実行されることにより、前記閲覧画面上において、異なる種類の前記不整合情報を共通する表示フォーマットに従って選択的に表示可能である、
ことを特徴とする生鮮商品の生産管理システム。
【請求項15】
複数の小売店舗を構成単位として含む店舗ネットワークにおける生鮮商品の生産管理システムに備わり、前記店舗ネットワークにおける前記生鮮商品の処理状況を管理するデータ管理装置であって、
前記構成単位のそれぞれに対応して備わり、当該構成単位のそれぞれにおける生鮮商品に係る所定の処理の実績を表す単位処理実績データを生成させる複数の端末装置のそれぞれから、前記単位処理実績データを取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得した複数の単位処理実績データの内容を所定のデータベースに登録する登録手段と、
前記データベースを対象に、所定の抽出条件に基づく抽出処理を実行することにより、前記店舗ネットワークの内部における前記生鮮商品に係る所定の不整合状況を指し示す不整合情報を生成する不整合情報生成手段と、
を備えることを特徴とするデータ管理装置。
【請求項16】
請求項15に記載のデータ管理装置であって、
前記店舗ネットワークが、外部からの生鮮商品の入荷を集中的に担う受入処理施設を前記構成単位としてさらに含み、
前記複数の端末装置が、前記受入処理施設に対応して備わる第1端末装置と、前記複数の小売店舗のそれぞれに対応して備わる第2端末装置とを含み、
前記第1端末装置からは前記単位処理実績データとして第1実績データが生成され、
かつ、
前記第2端末装置からは前記単位処理実績データとして第2実績データが生成される場合に、
前記登録手段が、前記第1実績データの内容を第1データベースに登録するとともに前記第2実績データの内容を第2データベースに登録し、
前記不整合情報生成手段が、前記第1データベースの登録内容と前記第2データベースの登録内容との比較照合処理を行うことにより前記不整合情報として前記受入処理施設と前記複数の小売店舗との間の前記生鮮商品に係る入出荷の不整合状況を含む情報を生成する、
ことを特徴とするデータ管理装置。
【請求項17】
請求項16に記載のデータ管理装置であって、
前記生鮮商品には、前記受入処理施設に入荷される一次商品と、前記一次商品に対して所定の分割加工を施すことによって生産される複数の二次商品とが含まれ、
前記一次商品には当該一次商品もしくはそれが所属するロットまたは材料個体を一意に識別可能な識別情報が関連付けられており、
前記二次商品にはその生産元となった一次商品から継承された識別情報が関連付けられてなり、
かつ、
前記識別情報は、前記第1端末装置においては前記第1実績データに記述され、前記第2端末装置においては前記第2実績データに記述される場合に、
前記不整合情報生成手段が、前記第1データベースに存在せず前記第2データベースにのみ存在する識別情報が関連付けられてなる生鮮商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、
ことを特徴とするデータ管理装置。
【請求項18】
請求項17に記載のデータ管理装置であって、
前記一次商品が部分肉であり、
前記二次商品が精肉商品であり、
前記識別情報が、前記部分肉の生産元となった家畜個体の個体識別番号であり、
前記精肉商品を生産する少なくとも1つの生産装置が前記複数の小売店舗に備わり、
かつ、
前記第2実績データが、前記少なくとも1つの生産装置に記録された生産実績データに基づいて生成される場合に、
前記取得手段が前記少なくとも1つの生産装置に記録された生産実績データを取得し、
前記登録手段が前記生産実績データを第3データベースに登録し、
かつ、
前記不整合情報生成手段が、前記第3データベースの登録内容と前記第1データベースおよび前記第2データベースの登録内容との比較照合処理を行うことにより前記第1データベースおよび前記第2データベースのいずれにも存在せず前記第3データベースにのみ存在する個体識別番号が関連付けられてなる部分肉または精肉商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、
ことを特徴とするデータ管理装置。
【請求項19】
請求項16に記載のデータ管理装置であって、
前記生鮮商品には、前記受入処理施設に入荷される一次商品と、前記一次商品に対して所定の分割加工を施すことによって生産される複数の二次商品とが含まれ、
前記一次商品には当該一次商品もしくはそれが所属するロットまたは材料個体を一意に識別可能な識別情報が関連付けられており、
前記二次商品にはその生産元となった一次商品から継承された識別情報が関連付けられてなり、
前記識別情報は、前記第1端末装置においては前記第1実績データに記述され、前記第2端末装置においては前記第2実績データに記述され、
前記第1実績データには前記受入処理施設からの前記生鮮商品の出荷時期が記述可能とされており、
かつ、
前記第2実績データには前記小売店舗への前記生鮮商品の入荷時期が記述可能とされている場合に、
前記不整合情報生成手段が、前記第1データベースに記述されている出荷時期から所定の期間が経過するまでの範囲内に前記第2データベースに記述されていない生鮮商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、
ことを特徴とするデータ管理装置。
【請求項20】
請求項16に記載のデータ管理装置であって、
前記生鮮商品には、前記受入処理施設に入荷される一次商品と、前記一次商品に対して所定の分割加工を施すことによって生産される複数の二次商品とが含まれ、
前記一次商品には当該一次商品もしくはそれが所属するロットまたは材料個体を一意に識別可能な識別情報が関連付けられており、
前記二次商品にはその生産元となった一次商品から継承された識別情報が関連付けられてなり、
前記識別情報は、前記第1端末装置においては前記第1実績データに記述され、前記第2端末装置においては前記第2実績データに記述され、
前記第1実績データには前記受入処理施設から出荷する生鮮商品の出荷先となる小売店舗を特定する出荷先情報が記述可能とされており、
かつ、
前記第2実績データには当該第2実績データの作成対象である前記小売店舗を特定する入荷店舗情報が記述可能とされている場合に、
前記不整合情報生成手段が、前記第1データベースと前記第2データベースの双方に対応する前記識別情報の記述がある生鮮商品であって、前記第1データベースに記述されている前記出荷先情報と前記第2データベースに記述されている前記入荷店舗情報とによってそれぞれ特定される小売店舗が一致しない生鮮商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、
ことを特徴とするデータ管理装置。
【請求項21】
請求項16に記載のデータ管理装置であって、
前記生鮮商品には、前記受入処理施設に入荷される一次商品と、前記一次商品に対して所定の分割加工を施すことによって生産される複数の二次商品とが含まれ、
前記一次商品には当該一次商品もしくはそれが所属するロットまたは材料個体を一意に識別可能な識別情報が関連付けられており、
前記二次商品にはその生産元となった一次商品から継承された識別情報が関連付けられてなり、
前記識別情報は、前記第1端末装置においては前記第1実績データに記述され、前記第2端末装置においては前記第2実績データに記述され、
かつ、
前記第1実績データには前記受入処理施設が仕入れた生鮮商品の仕入先を特定する仕入先情報が記述可能とされている場合に、
前記不整合情報生成手段が、前記第1データベースと前記第2データベースの双方に対応する前記識別情報の記述がある生鮮商品であって、前記第1データベースに前記仕入先情報が記述されていない生鮮商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、
ことを特徴とするデータ管理装置。
【請求項22】
請求項21に記載のデータ管理装置であって、
所定の入力手段をさらに備え、
前記第1実績データおよび前記第2実績データに基づく登録がなされている第4のデータベースに対し、前記入力手段を介して前記仕入先情報の追記処理が可能である、
ことを特徴とするデータ管理装置。
【請求項23】
複数の小売店舗を構成単位として含む店舗ネットワークにおける生鮮商品の生産管理システムにおける不整合情報を生成する方法であって、
前記構成単位のそれぞれに対応して備わる複数の端末装置によって、当該構成単位のそれぞれにおける生鮮商品に係る所定の処理の実績を表す単位処理実績データを生成させる実績データ生成工程と、
前記複数の端末装置との間でデータの授受が可能に設けられ、前記店舗ネットワークにおける前記生鮮商品の処理状況を管理するデータ管理装置において、
前記複数の端末装置のそれぞれから前記単位処理実績データを取得する取得工程と、
前記取得工程によって取得した複数の単位処理実績データの内容を所定のデータベースに登録する登録工程と、
前記データベースを対象に、所定の抽出条件に基づく抽出処理を実行することにより、前記店舗ネットワークの内部における前記生鮮商品に係る所定の不整合状況を指し示す不整合情報を生成する不整合情報生成工程と、
を備えることを特徴とする生鮮商品の生産管理システムにおける不整合情報生成方法。
【請求項24】
請求項23に記載の不整合情報生成方法であって、
前記店舗ネットワークが、外部からの生鮮商品の入荷を集中的に担う受入処理施設を前記構成単位としてさらに含み、
前記複数の端末装置が、前記受入処理施設に対応して備わる第1端末装置と、前記複数の小売店舗のそれぞれに対応して備わる第2端末装置とを含む場合に、
前記実績データ生成工程が、
前記第1端末装置から前記単位処理実績データとして第1実績データを生成する工程と、
前記第2端末装置からは前記単位処理実績データとして第2実績データを生成する工程と、
を含み、
前記登録工程が、
前記第1実績データの内容を第1データベースに登録する工程と、
前記第2実績データの内容を第2データベースに登録する工程と、
を含み、
かつ、
前記不整合情報生成工程が、前記第1データベースの登録内容と前記第2データベースの登録内容との比較照合処理を行うことにより前記不整合情報として前記受入処理施設と前記複数の小売店舗との間の前記生鮮商品に係る入出荷の不整合状況を含む情報を生成する、
ことを特徴とする生鮮商品の生産管理システムにおける不整合情報生成方法。
【請求項25】
請求項24に記載の不整合情報生成方法であって、
前記生鮮商品には、前記受入処理施設に入荷される一次商品と、前記一次商品に対して所定の分割加工を施すことによって生産される複数の二次商品とが含まれ、
前記一次商品には当該一次商品もしくはそれが所属するロットまたは材料個体を一意に識別可能な識別情報が関連付けられており、
前記二次商品にはその生産元となった一次商品から継承された識別情報が関連付けられてなり、
かつ、
前記識別情報は、前記第1端末装置においては前記第1実績データに記述され、前記第2端末装置においては前記第2実績データに記述される、
ことを特徴とする生鮮商品の生産管理システムにおける不整合情報生成方法。
【請求項26】
請求項25に記載の不整合情報生成方法であって、
前記不整合情報生成工程においては、前記第1データベースに存在せず前記第2データベースにのみ存在する識別情報が関連付けられてなる生鮮商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、
ことを特徴とする生鮮商品の生産管理システムにおける不整合情報生成方法。
【請求項27】
請求項26に記載の不整合情報生成方法であって、
前記一次商品が部分肉であり、
前記二次商品が精肉商品であり、
前記識別情報が、前記部分肉の生産元となった家畜個体の個体識別番号であり、
かつ、
前記精肉商品を生産する少なくとも1つの生産装置が前記複数の小売店舗に備わる場合に、
前記取得工程においては前記少なくとも1つの生産装置に記録された生産実績データを取得し、
前記登録工程においては前記生産実績データを第3データベースに登録し、
かつ、
前記不整合情報生成工程においては、前記第3データベースの登録内容と前記第1データベースおよび前記第2データベースの登録内容との比較照合処理を行うことにより前記第1データベースおよび前記第2データベースのいずれにも存在せず前記第3データベースにのみ存在する個体識別番号が関連付けられてなる部分肉または精肉商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、
ことを特徴とする生鮮商品の生産管理システムにおける不整合情報生成方法。
【請求項28】
請求項25ないし請求項27のいずれかに記載の不整合情報生成方法であって、
前記第1実績データには前記受入処理施設からの前記生鮮商品の出荷時期が記述可能とされており、
前記第2実績データには前記小売店舗への前記生鮮商品の入荷時期が記述可能とされており、
前記不整合情報生成工程においては、前記第1データベースに記述されている生鮮商品であってその出荷時期から所定の期間が経過するまでの範囲内に前記第2データベースに記述されていない生鮮商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、
ことを特徴とする生鮮商品の生産管理システムにおける不整合情報生成方法。
【請求項29】
請求項25ないし請求項28のいずれかに記載の不整合情報生成方法であって、
前記第1実績データには前記受入処理施設から出荷する生鮮商品の出荷先となる小売店舗を特定する出荷先情報が記述可能とされており、
前記第2実績データには当該第2実績データの作成対象である前記小売店舗を特定する入荷店舗情報が記述可能とされており、
前記不整合情報生成工程においては、前記第1データベースと前記第2データベースの双方に対応する前記識別情報の記述がある生鮮商品であって、前記第1データベースに記述されている前記出荷先情報と前記第2データベースに記述されている前記入荷店舗情報とによってそれぞれ特定される小売店舗が一致しない生鮮商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、
ことを特徴とする生鮮商品の生産管理システムにおける不整合情報生成方法。
【請求項30】
請求項25ないし請求項29のいずれかに記載の不整合情報生成方法であって、
前記第1実績データには前記受入処理施設が仕入れた生鮮商品の仕入先を特定する仕入先情報が記述可能とされており、
前記不整合情報生成工程においては、前記第2データベースに前記識別情報の記述がある生鮮商品であって、前記第1データベースに前記仕入先情報が記述されていない生鮮商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、
ことを特徴とする生鮮商品の生産管理システムにおける不整合情報生成方法。
【請求項1】
複数の小売店舗を構成単位として含む店舗ネットワークにおける生鮮商品の生産管理システムであって、
前記構成単位のそれぞれに対応して備わり、当該構成単位のそれぞれにおける生鮮商品に係る所定の処理の実績を表す単位処理実績データを生成させる複数の端末装置と、
前記複数の端末装置との間でデータの授受が可能に設けられ、前記店舗ネットワークにおける前記生鮮商品の処理状況を管理するデータ管理装置と、
を備え、
前記データ管理装置が、
前記複数の端末装置のそれぞれから前記単位処理実績データを取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得した複数の単位処理実績データの内容を所定のデータベースに登録する登録手段と、
前記データベースを対象に、所定の抽出条件に基づく抽出処理を実行することにより、前記店舗ネットワークの内部における前記生鮮商品に係る所定の不整合状況を指し示す不整合情報を生成する不整合情報生成手段と、
を備えることを特徴とする生鮮商品の生産管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の生産管理システムであって、
前記店舗ネットワークが、外部からの生鮮商品の入荷を集中的に担う受入処理施設を前記構成単位としてさらに含み、
前記複数の端末装置が、前記受入処理施設に対応して備わる第1端末装置と、前記複数の小売店舗のそれぞれに対応して備わる第2端末装置とを含み、
前記第1端末装置からは前記単位処理実績データとして第1実績データが生成され、
前記第2端末装置からは前記単位処理実績データとして第2実績データが生成され、
前記登録手段が、前記第1実績データの内容を第1データベースに登録するとともに前記第2実績データの内容を第2データベースに登録し、
前記不整合情報生成手段が、前記第1データベースの登録内容と前記第2データベースの登録内容との比較照合処理を行うことにより前記不整合情報として前記受入処理施設と前記複数の小売店舗との間の前記生鮮商品に係る入出荷の不整合状況を含む情報を生成する、
ことを特徴とする生鮮商品の生産管理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の生産管理システムであって、
前記生鮮商品には、前記受入処理施設に入荷される一次商品と、前記一次商品に対して所定の分割加工を施すことによって生産される複数の二次商品とが含まれ、
前記一次商品には当該一次商品もしくはそれが所属するロットまたは材料個体を一意に識別可能な識別情報が関連付けられており、
前記二次商品にはその生産元となった一次商品から継承された識別情報が関連付けられてなり、
かつ、
前記識別情報は、前記第1端末装置においては前記第1実績データに記述され、前記第2端末装置においては前記第2実績データに記述される、
ことを特徴とする生鮮商品の生産管理システム。
【請求項4】
請求項3に記載の生産管理システムであって、
前記不整合情報生成手段が、前記第1データベースに存在せず前記第2データベースにのみ存在する識別情報が関連付けられてなる生鮮商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、
ことを特徴とする生鮮商品の生産管理システム。
【請求項5】
請求項4に記載の生産管理システムであって、
前記一次商品が部分肉であり、
前記二次商品が精肉商品であり、
前記識別情報が、前記部分肉の生産元となった家畜個体の個体識別番号であり、
前記精肉商品を生産する少なくとも1つの生産装置が前記複数の小売店舗に備わり、
前記取得手段が前記少なくとも1つの生産装置に記録された生産実績データを取得し、
前記登録手段が前記生産実績データを第3データベースに登録し、
かつ、
前記不整合情報生成手段が、前記第3データベースの登録内容と前記第1データベースおよび前記第2データベースの登録内容との比較照合処理を行うことにより前記第1データベースおよび前記第2データベースのいずれにも存在せず前記第3データベースにのみ存在する個体識別番号が関連付けられてなる部分肉または精肉商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、
ことを特徴とする生鮮商品の生産管理システム。
【請求項6】
請求項3ないし請求項5のいずれかに記載の生産管理システムであって、
前記第1実績データには前記受入処理施設からの前記生鮮商品の出荷時期が記述可能とされており、
前記第2実績データには前記小売店舗への前記生鮮商品の入荷時期が記述可能とされており、
前記不整合情報生成手段が、前記第1データベースに記述されている生鮮商品であってその出荷時期から所定の期間が経過するまでの範囲内に前記第2データベースに記述されていない生鮮商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、
ことを特徴とする生鮮商品の生産管理システム。
【請求項7】
請求項3ないし請求項6のいずれかに記載の生産管理システムであって、
前記第1実績データには前記受入処理施設から出荷する生鮮商品の出荷先となる小売店舗を特定する出荷先情報が記述可能とされており、
前記第2実績データには当該第2実績データの作成対象である前記小売店舗を特定する入荷店舗情報が記述可能とされており、
前記不整合情報生成手段が、前記第1データベースと前記第2データベースの双方に対応する前記識別情報の記述がある生鮮商品であって、前記第1データベースに記述されている前記出荷先情報と前記第2データベースに記述されている前記入荷店舗情報とによってそれぞれ特定される小売店舗が一致しない生鮮商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、
ことを特徴とする生鮮商品の生産管理システム。
【請求項8】
請求項3ないし請求項7のいずれかに記載の生産管理システムであって、
前記第1実績データには前記受入処理施設が仕入れた生鮮商品の仕入先を特定する仕入先情報が記述可能とされており、
前記不整合情報生成手段が、前記第2データベースに前記識別情報の記述がある生鮮商品であって、前記第1データベースに前記仕入先情報が記述されていない生鮮商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、
ことを特徴とする生鮮商品の生産管理システム。
【請求項9】
請求項8に記載の生産管理システムであって、
前記データ管理装置が所定の入力手段を備え、
前記第1実績データおよび前記第2実績データに基づく登録がなされている第4のデータベースに対し、前記入力手段を介して前記仕入先情報の追記処理が可能である、
ことを特徴とする生鮮商品の生産管理システム。
【請求項10】
請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の生産管理システムであって、
前記複数の端末装置と前記データ管理装置とが、所定の回線にてネットワーク接続されている、
ことを特徴とする生鮮商品の生産管理システム。
【請求項11】
請求項10に記載の生産管理システムであって、
前記取得手段は前記複数の端末装置から所定のタイミングで前記単位処理実績データを自動的に取得し、前記登録手段は、その取得内容について前記データベースに自動的に登録する、
ことを特徴とする生鮮商品の生産管理システム。
【請求項12】
請求項11に記載の生産管理システムであって、
前記不整合情報生成手段が、所定のタイミングで前記不整合情報を自動的に生成し、所定の記憶手段に記憶する、
ことを特徴とする生鮮商品の生産管理システム。
【請求項13】
請求項12に記載の生産管理システムであって、
前記データ管理装置および前記複数の端末装置のそれぞれの少なくとも1つが、
所定の情報を視認可能に表示する表示手段と、
所定の閲覧プログラムを実行することにより前記表示手段に所定の閲覧画面を表示させるとともに、所定の表示要求処理を実行することにより前記閲覧画面上に前記記憶手段に記憶された前記不整合情報を表示させる制御手段と、
を備えることを特徴とする生鮮商品の生産管理システム。
【請求項14】
請求項13に記載の生産管理システムであって、
前記制御手段において前記所定の表示要求処理が実行されることにより、前記閲覧画面上において、異なる種類の前記不整合情報を共通する表示フォーマットに従って選択的に表示可能である、
ことを特徴とする生鮮商品の生産管理システム。
【請求項15】
複数の小売店舗を構成単位として含む店舗ネットワークにおける生鮮商品の生産管理システムに備わり、前記店舗ネットワークにおける前記生鮮商品の処理状況を管理するデータ管理装置であって、
前記構成単位のそれぞれに対応して備わり、当該構成単位のそれぞれにおける生鮮商品に係る所定の処理の実績を表す単位処理実績データを生成させる複数の端末装置のそれぞれから、前記単位処理実績データを取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得した複数の単位処理実績データの内容を所定のデータベースに登録する登録手段と、
前記データベースを対象に、所定の抽出条件に基づく抽出処理を実行することにより、前記店舗ネットワークの内部における前記生鮮商品に係る所定の不整合状況を指し示す不整合情報を生成する不整合情報生成手段と、
を備えることを特徴とするデータ管理装置。
【請求項16】
請求項15に記載のデータ管理装置であって、
前記店舗ネットワークが、外部からの生鮮商品の入荷を集中的に担う受入処理施設を前記構成単位としてさらに含み、
前記複数の端末装置が、前記受入処理施設に対応して備わる第1端末装置と、前記複数の小売店舗のそれぞれに対応して備わる第2端末装置とを含み、
前記第1端末装置からは前記単位処理実績データとして第1実績データが生成され、
かつ、
前記第2端末装置からは前記単位処理実績データとして第2実績データが生成される場合に、
前記登録手段が、前記第1実績データの内容を第1データベースに登録するとともに前記第2実績データの内容を第2データベースに登録し、
前記不整合情報生成手段が、前記第1データベースの登録内容と前記第2データベースの登録内容との比較照合処理を行うことにより前記不整合情報として前記受入処理施設と前記複数の小売店舗との間の前記生鮮商品に係る入出荷の不整合状況を含む情報を生成する、
ことを特徴とするデータ管理装置。
【請求項17】
請求項16に記載のデータ管理装置であって、
前記生鮮商品には、前記受入処理施設に入荷される一次商品と、前記一次商品に対して所定の分割加工を施すことによって生産される複数の二次商品とが含まれ、
前記一次商品には当該一次商品もしくはそれが所属するロットまたは材料個体を一意に識別可能な識別情報が関連付けられており、
前記二次商品にはその生産元となった一次商品から継承された識別情報が関連付けられてなり、
かつ、
前記識別情報は、前記第1端末装置においては前記第1実績データに記述され、前記第2端末装置においては前記第2実績データに記述される場合に、
前記不整合情報生成手段が、前記第1データベースに存在せず前記第2データベースにのみ存在する識別情報が関連付けられてなる生鮮商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、
ことを特徴とするデータ管理装置。
【請求項18】
請求項17に記載のデータ管理装置であって、
前記一次商品が部分肉であり、
前記二次商品が精肉商品であり、
前記識別情報が、前記部分肉の生産元となった家畜個体の個体識別番号であり、
前記精肉商品を生産する少なくとも1つの生産装置が前記複数の小売店舗に備わり、
かつ、
前記第2実績データが、前記少なくとも1つの生産装置に記録された生産実績データに基づいて生成される場合に、
前記取得手段が前記少なくとも1つの生産装置に記録された生産実績データを取得し、
前記登録手段が前記生産実績データを第3データベースに登録し、
かつ、
前記不整合情報生成手段が、前記第3データベースの登録内容と前記第1データベースおよび前記第2データベースの登録内容との比較照合処理を行うことにより前記第1データベースおよび前記第2データベースのいずれにも存在せず前記第3データベースにのみ存在する個体識別番号が関連付けられてなる部分肉または精肉商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、
ことを特徴とするデータ管理装置。
【請求項19】
請求項16に記載のデータ管理装置であって、
前記生鮮商品には、前記受入処理施設に入荷される一次商品と、前記一次商品に対して所定の分割加工を施すことによって生産される複数の二次商品とが含まれ、
前記一次商品には当該一次商品もしくはそれが所属するロットまたは材料個体を一意に識別可能な識別情報が関連付けられており、
前記二次商品にはその生産元となった一次商品から継承された識別情報が関連付けられてなり、
前記識別情報は、前記第1端末装置においては前記第1実績データに記述され、前記第2端末装置においては前記第2実績データに記述され、
前記第1実績データには前記受入処理施設からの前記生鮮商品の出荷時期が記述可能とされており、
かつ、
前記第2実績データには前記小売店舗への前記生鮮商品の入荷時期が記述可能とされている場合に、
前記不整合情報生成手段が、前記第1データベースに記述されている出荷時期から所定の期間が経過するまでの範囲内に前記第2データベースに記述されていない生鮮商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、
ことを特徴とするデータ管理装置。
【請求項20】
請求項16に記載のデータ管理装置であって、
前記生鮮商品には、前記受入処理施設に入荷される一次商品と、前記一次商品に対して所定の分割加工を施すことによって生産される複数の二次商品とが含まれ、
前記一次商品には当該一次商品もしくはそれが所属するロットまたは材料個体を一意に識別可能な識別情報が関連付けられており、
前記二次商品にはその生産元となった一次商品から継承された識別情報が関連付けられてなり、
前記識別情報は、前記第1端末装置においては前記第1実績データに記述され、前記第2端末装置においては前記第2実績データに記述され、
前記第1実績データには前記受入処理施設から出荷する生鮮商品の出荷先となる小売店舗を特定する出荷先情報が記述可能とされており、
かつ、
前記第2実績データには当該第2実績データの作成対象である前記小売店舗を特定する入荷店舗情報が記述可能とされている場合に、
前記不整合情報生成手段が、前記第1データベースと前記第2データベースの双方に対応する前記識別情報の記述がある生鮮商品であって、前記第1データベースに記述されている前記出荷先情報と前記第2データベースに記述されている前記入荷店舗情報とによってそれぞれ特定される小売店舗が一致しない生鮮商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、
ことを特徴とするデータ管理装置。
【請求項21】
請求項16に記載のデータ管理装置であって、
前記生鮮商品には、前記受入処理施設に入荷される一次商品と、前記一次商品に対して所定の分割加工を施すことによって生産される複数の二次商品とが含まれ、
前記一次商品には当該一次商品もしくはそれが所属するロットまたは材料個体を一意に識別可能な識別情報が関連付けられており、
前記二次商品にはその生産元となった一次商品から継承された識別情報が関連付けられてなり、
前記識別情報は、前記第1端末装置においては前記第1実績データに記述され、前記第2端末装置においては前記第2実績データに記述され、
かつ、
前記第1実績データには前記受入処理施設が仕入れた生鮮商品の仕入先を特定する仕入先情報が記述可能とされている場合に、
前記不整合情報生成手段が、前記第1データベースと前記第2データベースの双方に対応する前記識別情報の記述がある生鮮商品であって、前記第1データベースに前記仕入先情報が記述されていない生鮮商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、
ことを特徴とするデータ管理装置。
【請求項22】
請求項21に記載のデータ管理装置であって、
所定の入力手段をさらに備え、
前記第1実績データおよび前記第2実績データに基づく登録がなされている第4のデータベースに対し、前記入力手段を介して前記仕入先情報の追記処理が可能である、
ことを特徴とするデータ管理装置。
【請求項23】
複数の小売店舗を構成単位として含む店舗ネットワークにおける生鮮商品の生産管理システムにおける不整合情報を生成する方法であって、
前記構成単位のそれぞれに対応して備わる複数の端末装置によって、当該構成単位のそれぞれにおける生鮮商品に係る所定の処理の実績を表す単位処理実績データを生成させる実績データ生成工程と、
前記複数の端末装置との間でデータの授受が可能に設けられ、前記店舗ネットワークにおける前記生鮮商品の処理状況を管理するデータ管理装置において、
前記複数の端末装置のそれぞれから前記単位処理実績データを取得する取得工程と、
前記取得工程によって取得した複数の単位処理実績データの内容を所定のデータベースに登録する登録工程と、
前記データベースを対象に、所定の抽出条件に基づく抽出処理を実行することにより、前記店舗ネットワークの内部における前記生鮮商品に係る所定の不整合状況を指し示す不整合情報を生成する不整合情報生成工程と、
を備えることを特徴とする生鮮商品の生産管理システムにおける不整合情報生成方法。
【請求項24】
請求項23に記載の不整合情報生成方法であって、
前記店舗ネットワークが、外部からの生鮮商品の入荷を集中的に担う受入処理施設を前記構成単位としてさらに含み、
前記複数の端末装置が、前記受入処理施設に対応して備わる第1端末装置と、前記複数の小売店舗のそれぞれに対応して備わる第2端末装置とを含む場合に、
前記実績データ生成工程が、
前記第1端末装置から前記単位処理実績データとして第1実績データを生成する工程と、
前記第2端末装置からは前記単位処理実績データとして第2実績データを生成する工程と、
を含み、
前記登録工程が、
前記第1実績データの内容を第1データベースに登録する工程と、
前記第2実績データの内容を第2データベースに登録する工程と、
を含み、
かつ、
前記不整合情報生成工程が、前記第1データベースの登録内容と前記第2データベースの登録内容との比較照合処理を行うことにより前記不整合情報として前記受入処理施設と前記複数の小売店舗との間の前記生鮮商品に係る入出荷の不整合状況を含む情報を生成する、
ことを特徴とする生鮮商品の生産管理システムにおける不整合情報生成方法。
【請求項25】
請求項24に記載の不整合情報生成方法であって、
前記生鮮商品には、前記受入処理施設に入荷される一次商品と、前記一次商品に対して所定の分割加工を施すことによって生産される複数の二次商品とが含まれ、
前記一次商品には当該一次商品もしくはそれが所属するロットまたは材料個体を一意に識別可能な識別情報が関連付けられており、
前記二次商品にはその生産元となった一次商品から継承された識別情報が関連付けられてなり、
かつ、
前記識別情報は、前記第1端末装置においては前記第1実績データに記述され、前記第2端末装置においては前記第2実績データに記述される、
ことを特徴とする生鮮商品の生産管理システムにおける不整合情報生成方法。
【請求項26】
請求項25に記載の不整合情報生成方法であって、
前記不整合情報生成工程においては、前記第1データベースに存在せず前記第2データベースにのみ存在する識別情報が関連付けられてなる生鮮商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、
ことを特徴とする生鮮商品の生産管理システムにおける不整合情報生成方法。
【請求項27】
請求項26に記載の不整合情報生成方法であって、
前記一次商品が部分肉であり、
前記二次商品が精肉商品であり、
前記識別情報が、前記部分肉の生産元となった家畜個体の個体識別番号であり、
かつ、
前記精肉商品を生産する少なくとも1つの生産装置が前記複数の小売店舗に備わる場合に、
前記取得工程においては前記少なくとも1つの生産装置に記録された生産実績データを取得し、
前記登録工程においては前記生産実績データを第3データベースに登録し、
かつ、
前記不整合情報生成工程においては、前記第3データベースの登録内容と前記第1データベースおよび前記第2データベースの登録内容との比較照合処理を行うことにより前記第1データベースおよび前記第2データベースのいずれにも存在せず前記第3データベースにのみ存在する個体識別番号が関連付けられてなる部分肉または精肉商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、
ことを特徴とする生鮮商品の生産管理システムにおける不整合情報生成方法。
【請求項28】
請求項25ないし請求項27のいずれかに記載の不整合情報生成方法であって、
前記第1実績データには前記受入処理施設からの前記生鮮商品の出荷時期が記述可能とされており、
前記第2実績データには前記小売店舗への前記生鮮商品の入荷時期が記述可能とされており、
前記不整合情報生成工程においては、前記第1データベースに記述されている生鮮商品であってその出荷時期から所定の期間が経過するまでの範囲内に前記第2データベースに記述されていない生鮮商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、
ことを特徴とする生鮮商品の生産管理システムにおける不整合情報生成方法。
【請求項29】
請求項25ないし請求項28のいずれかに記載の不整合情報生成方法であって、
前記第1実績データには前記受入処理施設から出荷する生鮮商品の出荷先となる小売店舗を特定する出荷先情報が記述可能とされており、
前記第2実績データには当該第2実績データの作成対象である前記小売店舗を特定する入荷店舗情報が記述可能とされており、
前記不整合情報生成工程においては、前記第1データベースと前記第2データベースの双方に対応する前記識別情報の記述がある生鮮商品であって、前記第1データベースに記述されている前記出荷先情報と前記第2データベースに記述されている前記入荷店舗情報とによってそれぞれ特定される小売店舗が一致しない生鮮商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、
ことを特徴とする生鮮商品の生産管理システムにおける不整合情報生成方法。
【請求項30】
請求項25ないし請求項29のいずれかに記載の不整合情報生成方法であって、
前記第1実績データには前記受入処理施設が仕入れた生鮮商品の仕入先を特定する仕入先情報が記述可能とされており、
前記不整合情報生成工程においては、前記第2データベースに前記識別情報の記述がある生鮮商品であって、前記第1データベースに前記仕入先情報が記述されていない生鮮商品を特定する情報を前記不整合情報として生成する、
ことを特徴とする生鮮商品の生産管理システムにおける不整合情報生成方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2006−227862(P2006−227862A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−40215(P2005−40215)
【出願日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
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