説明

産業用車両

【課題】騒音源である駆動装置から発せられた音が外部へ漏れ出る量を低減させる。
【解決手段】騒音源となるエンジン21を収納するエンジンルームRが形成されていると共に、エンジンルームRから外部につながる開口31が形成されているエンジンルーム形成部材30と、エンジンルーム形成部材30のエンジンルームR側の内面に設けられている音響反射材33と、開口33の少なくとも一部を塞ぐように配置され、エンジン21からの音を吸収する多孔板41と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォークリフト等の産業用車両に関し、特に、その防音構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各種環境下での騒音が問題になっている。これは、フォークリフト等の産業用車両が利用される作業現場でも同様である。このため、産業用車両においても、騒音対策が施されるようになってきている。
【0003】
従来の産業用車両の防音技術としては、例えば、以下の特許文献1に開示されている技術がある。この技術では、エンジンルームの開口に、吸音材付きの防音板を設けて、エンジン音がエンジンルールから外部へ漏れ出る量を抑えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実公昭59−5621号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、騒音源であるエンジンからの音は、エンジンルームの開口から外部に伝わるのみならず、エンジンルームを形成する壁板を介して、エンジンルーム外へも伝わるため、エンジン音の防音が不十分である、という問題点がある。特に、フォークリフトでは、エンジンルームの真上に運転席があることが多いため、このような場合に、運転者は比較的大きなエンジン音に聞くことになってしまう。
【0006】
そこで、本発明は、このような従来技術の問題点に着目し、騒音源である駆動装置から発せられた音が外部へ漏れ出る量を低減させることができる産業用車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するための発明に係る産業用車両は、
騒音源となる駆動装置と、内部に前記駆動装置を収納する収納空間が形成されていると共に、該収納空間から外部につながる開口が形成されている収納空間形成体と、前記収納空間形成体の前記収納空間側の内面に設けられている音響反射材と、前記開口の少なくとも一部を塞ぐように配置され、前記駆動装置からの音を吸収する吸音装置と、を備えていることを特徴とする。
【0008】
当該産業用車両では、駆動装置から開口へ向かわなかった音、つまり、収納空間形成体の内面に向かった音は、収納空間形成体の内面に設けられた音響反射材で反射するので、収納空間形成体を介して収納空間外へ伝わるのを抑制することができる。しかも、当該産業用車両では、駆動装置から開口へ向かって発せられた音のみならず、駆動装置から他の方向へ発せられた音も、開口に設けられている吸音装置により吸音される。よって、当該産業用車両によれば、駆動装置から発せられた音が外部に漏れ出る量を減らすことができる。
【0009】
ここで、前記産業用車両において、前記吸音装置は、前記開口を基準として、前記収納空間の内側から該収納空間の外側へ貫通する多数の貫通孔が形成されている多孔板を有していてもよい。
【0010】
多孔板の貫通孔内を空気が交番的に往復運動すると、貫通孔の内周面との摩擦による減衰効果により、貫通孔に入射した音波が減衰する。このため、当該産業用車両では、多孔板に入射した音を、この多孔板により吸音することができる。
【0011】
また、前記産業用車両において、前記吸音装置は、前記多孔板を基準にして前記収納空間側に背後空気層を形成する背後空気層形成部材を有していてもよい。
【0012】
当該産業用車両では、駆動装置からの音が背後空気層内で反射を繰り返す過程で、順次、多孔板により吸音されるため、吸音効果をより高めることができる。また、当該産業用車両では、背後空気層の厚さを調節することで、多孔板で吸音率が最も高くなる周波数を目的の周波数、例えば、最も外部へ漏れ出るのを抑えたい周波数に、することができる。
【0013】
また、前記産業用車両において、前記吸音装置は、前記背後空気層よりも前記収納空間側に配置された吸音材を有していてもよい。
【0014】
当該産業用車両では、多孔板に加えて、吸音効果のある吸音材を設けているため、より吸音効果を高めることができる。さらに、当該産業用車両では、多孔板での吸音効果の高い周波数と吸音材での吸音効果の高い周波数とを異ならせることで、広い周波数域での吸音効果を得ることができる。
【0015】
また、前記産業用車両において、前記駆動装置の特定の領域から発せられる音のうち、特定周波数域の音の少なくとも一部を反射して、前記貫通孔が貫通する向きで前記多孔板に入射させる特定音反射板を備えていてもよい。
【0016】
この場合、前記吸音装置は、前記多孔板での吸音効果が得られる周波数が、前記特定波長域を含んでいることが好ましい。また、前記産業用車両において、前記特定音反射板を複数備え、複数の前記特定音反射板のそれぞれは、前記駆動装置で互いに異なる領域の一つの前記特定の領域から発せられる音を反射して、前記多孔板の互いに異なる領域に入射させてもよい。
【0017】
当該産業用車両では、駆動装置の特定の領域から発せられた音のうち、特定周波数域の音を、貫通孔が貫通する向きで多孔板に入射させているので、特定周波数域の音の吸音率を高めることができる。すなわち、当該産業用車両では、運転者等が耳障りな音を効果的に吸音させることができる。
【0018】
また、前記産業用車両において、前記音響反射材の反射面の少なくとも一部の面と前記多孔板の入射面の少なくとも一部の面とのうち、少なくとも一方の面は、該音響反射材で反射した音の少なくとも一部の音が、該多孔板に前記貫通孔が貫通している向きで入射し得る向きを、向いていてもよい。
【0019】
当該産業用車両では、駆動装置からの音の一部を貫通孔の貫通方向で多孔板に入射するようにしているので、駆動装置からの音の一部の吸音効果を高めることができる。
【0020】
また、前記産業用車両において、前記収納空間の上方に配置された運転席を備えていてもよい。
【0021】
このように、収納空間の上方に運転席が配置されている場合でも、収納空間形成体の内面に音響反射材が設けられているため、駆動装置からの音が収納空間形成体を介して、運転席上の運転者に伝わる量を少なくすることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明では、駆動装置から開口へ向かわなかった音、つまり、収納空間形成体の内面に向かった音は、収納空間形成体の内面に設けられた音響反射材で反射するので、収納空間形成体を介して収納空間外へ伝わるのを抑制することができる。さらに、本発明では、駆動装置から開口へ向かって発せられた音のみならず、駆動装置から他の方向へ発せられた音も、開口に設けられている吸音装置により吸音される。よって、本発明によれば、駆動装置から発せられた音が外部に漏れ出る量を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る第一実施形態におけるフォークリフトの要部切欠き側面図である。
【図2】本発明に係る第一実施形態におけるエンジンルームの模式的な断面図である。
【図3】多孔板の吸音特性を示すグラフである。
【図4】本発明に係る第二実施形態におけるエンジンルームの模式的な断面図である。
【図5】本発明に係る第三実施形態におけるエンジンルームの模式的な断面図である。
【図6】本発明に係る第四実施形態におけるスプレードライヤーの構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る産業用車両の各種実施形態について、図面を用いて説明する。
【0025】
「第一実施形態」
以下、本発明に係る産業用車両の第一実施形態について、図1〜図3を用いて説明する。
【0026】
本実施形態の産業用車両は、図1に示すように、フォークリフトである。このフォークリフトは、リフト装置10と走行装置20とを備えている。
【0027】
リフト装置10は、フォーク11と、フォーク11を上下動可能に支持するマスト12と、フォーク11を上下動させるリフトシリンダ13と、マスト12を傾斜させるティルトシリンダ14と、リフトシリンダ13及びティルトシリンダ14を駆動させる油圧回路(不図示)と、を備えている。
【0028】
走行装置20は、騒音源であるエンジン(駆動装置)21と、駆動輪である前輪22と、操舵輪である後輪23と、操舵ハンドル24と、各種操作ハンドル25と、これらが搭載されている車両ボディ26と、を備えている。
【0029】
車両ボディ26は、メインフレーム(不図示)と、外装パネル27と、エンジンルーム(収納空間)Rを形成するエンジンルーム形成部材(収納空間形成体)30と、このエンジンルーム形成部材30の上に配置される運転室フロアー部材28と、運転室フロアー部材28の上に固定されている運転席Sと、ヘッドガード29等とを備えている。外装パネル27、エンジンルーム形成部材30、運転室フロアー部材28、ヘッドガード29、さらには、エンジン21、油圧回路は、いずれも、メインフレームに固定されている。
【0030】
エンジンルームR内には、図1及び図2に示すように、エンジン21の他、変速機等が収納される。エンジンルーム形成部材30の下部には、エンジンルームRから外部を臨む開口31が形成されている。エンジンルーム形成部材30のエンジンルームR側の面、つまり内面には、音響反射材33が設けられている。エンジンルーム形成部材30の下部には、開口31の一部を塞ぐ多孔板(吸音装置)41がネジ49等で固定されている。この多孔板41は、例えば、鋼材、SUS材等の金属で形成されている。なお、図2は、図1におけるエンジンルームRの模式図である。
【0031】
音は、音響インピーダンスが整合していない部分で反射する。このため、音響インピーダンスが異なる二枚の以上の部材を接続すると、その接続面が音の反射面となる。そこで、ここでは、音響インピーダンスが相互に異なる複数の板を重ね合わせた音反射板を音響反射材33とし、この音響反射材33をエンジンルーム形成部材30の内面に貼り付けている。具体的に、音反射板は、金属板と、樹脂板とを併せたもの等で形成されている。なお、ここでは、音響インピーダンスが相互に異なる複数の部材を重ね合わせた音反射板を、音響反射材33としているが、エンジンルーム形成部材30と異なる音響インピーダンスの一部材を、エンジンルーム形成部材30に貼り付けても、その接続面が音の反射面になるため、この一部材を音響反射材33としてもよい。
【0032】
多孔板41は、上下方向に貫通した多数の貫通孔42が形成されている多孔板本体43と、この多孔板本体43の縁に形成されている接続リーフ部45とを有している。多孔板本体43のほぼ中央には、比較的大きな開口44が形成されている。接続リーフ部45には、多孔板41をエンジンルーム形成部材30に接続するためのネジ49が貫通するネジ孔が形成されている。このように、エンジンルーム形成部材30に、ネジ等の接続具を用いて多孔板41を接続することにより、エンジン21の修理等の際には、外部から簡単に多孔板41を外すことができる。
【0033】
エンジン21から発せられた音のうち、下方のエンジンルーム開口31に向かった音を除き、側方や上方へ向かった音は、エンジンルーム形成部材30の内面に設けられている音響反射材33で1回以上反射してから、下方のエンジンルーム開口31に向かう。このため、エンジン21から下方へ向かって発せられた音のみならず、エンジン21から他の方向へ発せられた音も、エンジンルーム開口31に設けられている多孔板41に入射する。
【0034】
多孔板41の貫通孔42内を空気が交番的に往復運動すると、貫通孔42の内周面との摩擦による減衰効果により、貫通孔42に入射した音波が減衰する。すなわち、多孔板41に入射した音は、この多孔板41により吸音される。
【0035】
このように、本実施形態では、エンジンルーム形成部材30の内面に音響反射材33を設けることで、エンジン21から下方へ向かわなかった音、つまり、エンジンルーム形成部材30の内面に向かった音が、この音響反射材33で反射するので、エンジンルーム形成部材30を介してエンジンルームR外へ伝わるのを抑制することができる。しかも、本実施形態では、エンジン21から下方へ向かって発せられた音のみならず、エンジン21から他の方向へ発せられた音も、エンジンルーム開口31に設けられている多孔板41により吸音される。よって、本実施形態によれば、エンジン21から発せられた音が外部に漏れ出る量を減らすことができる。特に、本実施形態では、エンジンルームRの上の運転者に伝わるエンジン音を少なくすることができる。
【0036】
ここで、多孔板41による吸音効果について、図3を用いて説明する。なお、同図に示すグラフの縦軸は、多孔板41の外面に対して垂直に入射した際の吸音率、つまり垂直入射吸音率αであり、同グラフの横軸は、多孔板41に入射する音の周波数である。なお、貫通孔42の貫通方向は、多孔板のエンジンルールR側の面である入射面に対して垂直な方向である。
【0037】
同図のグラフに示すように、多孔板41は、ある周波数fを中心として、所定の周波数範囲の音を吸音し易い特性がある。この多孔板41の吸音理論としては、GuessやIngardやMellingの理論が知られており、これらの理論で示されているように、この多孔板41の吸音効果は、多孔板41の厚さ、貫通孔42の径、多孔板41の開口率等の影響を受ける。例えば、周波数fは、貫通孔42の径の影響を受け、貫通孔42の径が大きくなると、小さくなる傾向がある。
【0038】
このため、本実施形態では、吸音率が最も高くなる周波数fが、エンジン21から発される音の周波数のうちで、最も外部へ漏れ出るのを抑えたい周波数になるよう、貫通孔42の径を定めている。なお、本実施形態では、多孔板41には、同一径の貫通孔42を多数形成しているが、吸音効果の得られる周波数域を広げるため、互いに異なる径の貫通孔を多数形成してもよい。また、吸音効果の得られる周波数域を広げるため、二枚の多孔板を上下に配置し、各多孔板の貫通孔の径相互を異ならせてもよい。
【0039】
「第二実施形態」
次に、本発明に係る産業用車両の第二実施形態について、図4を用いて説明する。なお、本実施形態は、第一実施形態と同様、フォークリフトであり、吸音装置の構成のみが第一実施形態と異なっている。このため、以下では、吸音装置の構成を主として説明する。
【0040】
本実施形態の吸音装置40は、第一実施形態と同様の多孔板41と、多孔板41のエンジンルームR側に背後空気層Lを形成する背後空気層形成枠51と、この背後空気層形成枠51に固定されている吸音材と、を有している。
【0041】
背後空気層形成枠51は、多孔板41の多孔板本体43と対向する対向板53と、対向板53の縁に設けられ、多孔板本体43との間隔を維持するための間隔維持板52と、を有して構成されている。間隔維持板52の対向板53側の辺と反対側に辺は、多孔板本体43に接続固定されている。この背後空気層形成枠51は、例えば、鋼材やSUS材等の金属で形成されている。なお、この背後空気層形成枠51は、多孔板41と一体形成されたものであってもよい。
【0042】
背後空気層形成枠51の対向板53のエンジンルームR側の面、言い換えると、多孔板41と反対側の面には、吸音材55が固定されている。この吸音材55は、例えば、グラスウールやフェルト等の繊維集合体で形成されている。
【0043】
本実施形態では、多孔板41のエンジンルームR側に背後空気層Lを形成したので、エンジン音がこの背後空気層L内で反射を繰り返す過程で、順次、多孔板41により吸音される。このため、第一実施形態より、吸音装置40による吸音効果を高めることができる。さらに、本実施形態では、多孔板41に加えて、吸音効果のある吸音材55を設けているため、より吸音効果を高めることができる。
【0044】
また、本実施形態では、多孔板41での吸音効果の高い周波数と吸音材55での吸音効果の高い周波数とを異ならせることで、広い周波数域で吸音効果を得ることができる。多孔板41による吸音で、吸音率が最も高くなる周波数fは、前述したように、多孔板41の貫通孔42の径の影響を受けるが、背後空気層Lの厚さ、正確には、多孔板41と背後空気層形成枠51の対向板53との間の距離により大きな影響を受ける。具体的には、吸音率が最も高くなる周波数fは、背後空気層Lの厚さが厚くなると、低くなる傾向がある。このため、背後空気層形成枠51を設ける場合には、多孔板41での吸音率が最も高くなる周波数fが所望の周波数になるように、背後空気層Lの厚さを調節する。
【0045】
「第三実施形態」
次に、本発明に係る産業用車両の第三実施形態について、図5を用いて説明する。
【0046】
本実施形態は、第二実施形態のエンジンルームR内に、複数の特定音反射板57を設けたものである。この特定音反射板57は、エンジン21の特定の領域から各方向に発せられた音の一部を反射して、この音を多孔板41に貫通孔42の貫通方向で入射させ得る、向き及び位置に設けられている。また、この特定音反射板57は、エンジン21の特定の領域からの特定周波数以上の音を多孔板41に向けて反射させるため、少なくともいずれかの方向の一辺の長さが特定周波数の音の波長よりも長くなっている。
【0047】
複数の特定音反射板57のそれぞれは、エンジン21で互いに異なる複数の領域のうちの一つの領域から発せられる音を反射して、多孔板41の互いに異なる領域に入射させる。音吸収装置40は、多孔板41での吸音効果が得られる周波数が、特定波長域を含んでいる。このように、本実施形態では、複数の特定音反射板57のそれぞれで反射された音が、多孔板41の一領域に集中しないよう、分散させている。
【0048】
以上、本実施形態では、エンジン21の特定の領域から発せられた音のうち、特定周波数以上の音を、多孔板41に貫通孔42の貫通方向で入射させているので、特定周波数以上の音の吸音率を高めることができる。すなわち、本実施形態では、運転者等が耳障りな音を効果的に吸音させることができる。
【0049】
「第四実施形態」
次に、本発明に係る産業用車両の第四実施形態について、図6を用いて説明する。本実施形態は、第一実施形態の音響反射材33の一部の向き、さらに、多孔板41の一部の向きを変えたものである。
【0050】
音響反射材33の反射面の一部の面33aは、エンジン21の特定領域から発せられた音の一部が、この一部の面33aで反射することで、貫通孔42の貫通方向で多孔板41に入射し得る向きを、向いている。ここでは、エンジン21の特定領域から発せられた音のうち、特定方向を中心として所定角度範囲に発せられた音が、貫通孔42の貫通方向で多孔板41に入射するよう、音反射板33の反射面33aは凹面を成している。
【0051】
また、多孔板41の一部43aは、音響反射材33で反射した音の一部が、この一部43aに貫通孔42の貫通方向に入射し得る向きを、向いている。
【0052】
このように、本実施形態では、エンジン21からの音の一部を貫通孔42の貫通方向で多孔板41に入射するようにしているので、エンジン21からの音の一部の吸音効果を高めることができる。なお、本実施形態では、多孔板41に背後空気層Lを設けていないが、第二実施形態のように、本実施形態においても背後空気層Lを設けてもよい。
【0053】
なお、以上の実施形態では、いずれも、駆動装置がエンジン21である例であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、モーター、モーターを含む各種駆動装置であって、騒音源となる駆動装置であれば、いかなる駆動装置であってもよい。
【符号の説明】
【0054】
21:エンジン(駆動装置)、30:エンジンルーム形成部材、31:開口、33:音響反射材、40:吸音装置、41:多孔板、42:貫通孔、43:多孔板本体、43a:49:ネジ、51:背後空気層形成枠、55:吸音材、57:特定音反射板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
騒音源となる駆動装置と、
内部に前記駆動装置を収納する収納空間が形成されていると共に、該収納空間から外部につながる開口が形成されている収納空間形成体と、
前記収納空間形成体の前記収納空間側の内面に設けられている音響反射材と、
前記開口の少なくとも一部を塞ぐように配置され、前記駆動装置からの音を吸収する吸音装置と、
を備えていることを特徴とする産業用車両。
【請求項2】
請求項1に記載の産業用車両において、
前記吸音装置は、前記開口を基準として、前記収納空間の内側から該収納空間の外側へ貫通する多数の貫通孔が形成されている多孔板を有する、
ことを特徴とする産業用車両。
【請求項3】
請求項2に記載の産業用車両において、
前記吸音装置は、前記多孔板を基準にして前記収納空間側に背後空気層を形成する背後空気層形成部材を有する、
ことを特徴とする産業用車両。
【請求項4】
請求項3に記載の産業用車両において、
前記吸音装置は、前記背後空気層よりも前記収納空間側に配置された吸音材を有している、
ことを特徴とする産業用車両。
【請求項5】
請求項2から4のいずれか一項に記載の産業用車両において、
前記駆動装置の特定の領域から発せられる音のうち、特定周波数域の音の少なくとも一部を反射して、前記貫通孔が貫通する向きで前記多孔板に入射させる特定音反射板を備えている、
ことを特徴とする産業用車両。
【請求項6】
請求項5に記載の産業用車両において、
前記吸音装置は、前記多孔板での吸音効果が得られる周波数が、前記特定波長域を含んでいる、
ことを特徴とする産業用車両。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の産業用車両において、
前記特定音反射板を複数備え、
複数の前記特定音反射板のそれぞれは、前記駆動装置で互いに異なる領域の一つの前記特定の領域から発せられる音を反射して、前記多孔板の互いに異なる領域に入射させる、
ことを特徴とする産業用車両。
【請求項8】
請求項2から4のいずれか一項に記載の産業用車両において、
前記音響反射材の反射面の少なくとも一部の面と前記多孔板の入射面の少なくとも一部の面とのうち、少なくとも一方の面は、該音響反射材で反射した音の少なくとも一部の音が、該多孔板に前記貫通孔が貫通している向きで入射し得る向きを、向いている、
ことを特徴とする産業用車両。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の産業用車両において、
前記収納空間の上方に配置された運転席を備えている、
ことを特徴とする産業用車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−16999(P2012−16999A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−155034(P2010−155034)
【出願日】平成22年7月7日(2010.7.7)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】