用時活性化型貼付剤
用時に溶解液を供給して薬物をまんべんなく活性化することができる用時活性化型貼付剤を提供する。
この用時活性化型貼付剤は、乾燥した薬物10を含有するとともに液体を吸収できる材料で構成された吸収材11と、吸収材11の周囲に配置され下面に粘着層12を有する壁材13と、吸収材11および壁材13上に配置され中央部に開口14を有する支持体15と、支持体15上に配置された隔膜20と、隔膜20上に配置され薬物を溶解する溶解液を隔膜20との間に保持し押圧により隔膜20を破壊するための突起部17を有する溶解液溜め18とを備える。突起部17は、例えば線状の先端部を有しており、隔膜20に接触または近接して配置される。吸収材11および粘着層12の下面にはライナー19が取り外し可能に取り付けられている。
この用時活性化型貼付剤は、乾燥した薬物10を含有するとともに液体を吸収できる材料で構成された吸収材11と、吸収材11の周囲に配置され下面に粘着層12を有する壁材13と、吸収材11および壁材13上に配置され中央部に開口14を有する支持体15と、支持体15上に配置された隔膜20と、隔膜20上に配置され薬物を溶解する溶解液を隔膜20との間に保持し押圧により隔膜20を破壊するための突起部17を有する溶解液溜め18とを備える。突起部17は、例えば線状の先端部を有しており、隔膜20に接触または近接して配置される。吸収材11および粘着層12の下面にはライナー19が取り外し可能に取り付けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は用時活性化型貼付剤に係り、特に用時に溶解液を供給して薬物を活性化させて用いる用時活性化型貼付剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、化学的に不安定な薬物を含有する貼付剤を製造する場合、その製剤の組成を工夫することにより薬物の安定化を図ることが一般的であった。しかし、薬物の性質上、処方の工夫では薬物の安定性が十分に得られない場合もある。
そこで、薬物の安定化を図るため予め薬剤を溶液にして容器に収容しておき、用時に容器を破って薬剤溶液を薬剤透過層に供給する技術が知られている。例えば、特許文献1には、流動性を有する薬剤をブリスター部に内包した外皮用貼付剤が開示されている。この外皮用貼付剤は、粘着シートと剥離シートとからなり、この粘着シートには、ブリスターとその下面をシールする薬剤被覆膜によって形成されかつ突起物を有しているブリスター部と、薬剤被覆膜の下側に薬剤透過層とが設けられている。そして、使用に際して、ブリスターを指で押圧して薬剤被覆膜を破壊し、新鮮な薬剤を薬剤透過層に移動させる。この外皮用貼付剤の突起物は、ブリスターに設けられた凹状もしくは凸状の突起又はブリスター部内部に装填された突起体として構成される。この突起物は薬剤被覆膜を容易に、かつ確実に破壊する役割を果たすと共に、これにより直接的な指圧効果あるいはツボ刺激効果をも有するというものである。
【特許文献1】特開平9−124468号公報
【0003】
また、一方で、乾燥状態の薬物に液体を供給して用いる貼付剤が知られている。例えば、特許文献2には、粘着性テープの中央部にガーゼを置いたアドヒーシブ・バンデージが開示されている。このアドヒーシブ・バンデージは、消毒薬や治療薬を含有した滅菌乾燥ガーゼを粘着性テープの粘着面の中央部に置き、固定端を粘着性テープの粘着面に貼着すると共にガーゼを被覆した粘着面カバーのガーゼに面した部分に、粘着面カバー以下の強度を有する破れやすい素材よりなる薄膜でおおわれている液嚢を形成し、同液嚢に予め消毒液又は滅菌蒸留水を収容してなるものである。用時には、粘着性カバーを強く押圧して薄膜を破り、液嚢内の消毒液又は滅菌蒸留水等の液体によりガーゼを湿潤状態として、薬物効果を有効に発揮させようとするものである。
【特許文献2】実公昭54−23197号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術のうち、用時に容器を破って薬剤溶液を薬剤透過層に供給する特許文献1のものは、薬物が溶液中で安定性を保つものに対しては使用可能であるが、そうでない薬物については薬物安定性の面で不利であるという問題がある。また、上記乾燥状態の薬物に液体を供給して用いる特許文献2のものでは、液嚢は破れやすい素材よりなる薄膜でおおわれているため、粘着性カバーの押圧時、この薄膜の破れる位置が定まらないという問題がある。例えば、薄膜の破れる位置が液嚢端部であった場合には、液体がガーゼ全体に充分に行き渡らないおそれがある。
【0005】
従って本発明の目的は、用時に溶解液を供給して薬物をまんべんなく活性化することができる用時活性化型貼付剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は、乾燥薬物を含有するとともに液体を吸収できる材料で構成された吸収材と、前記吸収材の周囲に配置され下面に粘着層を有する壁材と、前記吸収材および壁材上に配置され中央部に開口を有する支持体と、前記支持体上に配置された隔膜と、前記隔膜上に配置され前記薬物を溶解する溶解液を前記隔膜との間に保持し押圧により前記隔膜を破壊するための突起部を有する溶解液溜めとを備えた用時活性化型貼付剤により達成される。ここで、前記吸収材の下面にはさらに溶液透過膜を備えることができ、また、前記吸収材および粘着層の下面には前記吸収材との対向部分が凹形状をしたライナーを備えることができる。
【0007】
また本発明に係る用時活性化型貼付剤は、乾燥薬物を含有する薬物含有層と、前記薬物含有層上に配置され液体を吸収できる材料で構成された吸収材と、前記吸収材の周囲に配置され下面に粘着層を有する壁材と、前記吸収材および壁材上に配置され中央部に開口を有する支持体と、前記支持体上に配置された隔膜と、前記隔膜上に配置され前記薬物を溶解する溶解液を前記隔膜との間に保持し押圧により前記隔膜を破壊するための突起部を有する溶解液溜めとを備えるものである。ここで、前記薬物含有層および粘着層の下面には前記薬物含有層との対向部分が凹形状をしたライナーを備えることができる。
【0008】
また本発明に係る用時活性化型貼付剤は、支持体と、前記支持体上に配置され乾燥薬物を含有するとともに液体を吸収できる材料で構成された吸収材と、前記支持体上で前記吸収材の周囲に配置され上面に粘着層を有する壁材と、前記吸収材および粘着層上に配置され中央部に開口を有するライナーと、前記ライナー上に配置された隔膜と、前記隔膜上に配置され前記薬物を溶解する溶解液を前記隔膜との間に保持し押圧により前記隔膜を破壊するための突起部を有する溶解液溜めとを備えるものである。ここで、前記吸収材の上面には溶液透過膜を備えることができる。
【0009】
また本発明に係る用時活性化型貼付剤は、支持体と、前記支持体上に配置され液体を吸収できる材料で構成された吸収材と、前記支持体上で前記吸収材の周囲に配置され上面に粘着層を有する壁材と、前記吸収材上に配置された乾燥薬物を含有する薬物含有層と、前記薬物含有層および粘着層上に配置され中央部に開口を有するライナーと、前記ライナー上に配置された隔膜と、前記隔膜上に配置され前記薬物を溶解する溶解液を前記隔膜との間に保持し押圧により前記隔膜を破壊するための突起部を有する溶解液溜めとを備えることができる。
【0010】
ここで、前記隔膜の溶解液接触部は長円形状を有しており、前記溶解液溜めの突起部は前記長円形状の長手方向に伸びる線状の先端部を有するようにすることができる。この場合、前記線状の先端部の長さをL1とし、前記隔膜の溶解液接触部の長手方向の長さをL2としたとき、0.1×L2≦L1≦0.5×L2の関係を満たすことが好ましい。また、前記隔膜の溶解液接触部は円形状を有しており、前記溶解液溜めの突起部は十字状の先端部を有するようにすることができる。この場合、前記十字状の先端部の長さをそれぞれL10、L11とし、前記隔膜の溶解液接触部の直径をL2としたとき、0.1×L2≦L10≦0.5×L2および/または0.1×L2≦L11≦0.5×L2の関係を満たすことが好ましい。
【0011】
また、前記支持体の開口周辺部がそれ以外の部分よりも前記吸収材側にへこんでいることが好ましい。さらに、前記支持体の周辺部から開口に向かって前記吸収材側へ傾斜を設けることが好ましい。同様に、前記ライナーの開口周辺部がそれ以外の部分よりも前記吸収材側にへこんでいることが好ましい。さらに、前記ライナーの周辺部から開口に向かって前記吸収材側へ傾斜を設けることが好ましい。
また、前記溶解液溜めは、シート材を成型加工して形成され、前記シート材は、水蒸気透過性が0.22g/m2・24hr以下であることが好ましい。また、前記シート材は、厚みが約250〜約350μmであることが好ましい。例えば、前記シート材は、環状ポリオレフィン・コポリマー・フィルムを含むことができ、好ましくは環状ポリオレフィン・コポリマー・フィルムとポリオレフィン・フィルムとの積層フィルムである。また、前記シート材は、フッ素樹脂フィルムを含むことができ、好ましくはフッ素樹脂フィルムとポリオレフィン・フィルムとの積層フィルムである。さらに、前記隔膜は、アルミニウム箔とすることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、用時に溶解液を供給して薬物をまんべんなく活性化することができる用時活性化型貼付剤を得ることができる。本発明による溶解液の供給により薬物の濃度が各所でほぼ均一となる。また、用時における溶解液溜めの溶解液を速やかに流し、また溶解液溜め中の液残りを少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る用時活性化型貼付剤の一構成例を示す図で、(a)は平面図、(b)は(a)のX−X断面図である。
【図2】本発明に係る用時活性化型貼付剤の他の構成例を示す断面図である。
【図3】本発明に係る用時活性化型貼付剤の他の構成例を示す断面図である。
【図4】本発明に係る用時活性化型貼付剤の他の構成例を示す断面図である。
【図5】本発明に係る用時活性化型貼付剤の他の構成例を示す断面図である。
【図6】本発明に係る用時活性化型貼付剤の他の構成例を示す断面図である。
【図7】本発明に係る用時活性化型貼付剤のさらに他の構成例を示す断面図である。
【図8】本発明に係る用時活性化型貼付剤のさらに他の構成例を示す断面図である。
【図9】本発明に係る用時活性化型貼付剤に用いる溶解液溜めの一構成例を示す図で、(a)は平面図、(b)は(a)のX−X断面図、(c)は(a)のY−Y断面図である。
【図10】本発明に係る用時活性化型貼付剤に用いる溶解液溜めの他の構成例を示す平面図である。
【図11】本発明に係る支持体またはライナーの一構成例を示す断面図である。
【図12】本発明に係る支持体またはライナーの他の構成例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0014】
10、40 薬物
11、41 乾燥薬物を含有する吸収材
12、42 粘着層
13、43 壁材
14、44 開口
15、45 支持体
16、46、91 溶解液
17、47、94 突起部
18、48、90 溶解液溜め
19、49、79、89 ライナー
20、50、92 隔膜
21、51 溶液透過膜
31、61 薬物を含有しない吸収材
32、62 薬物含有層
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は本発明に係る用時活性化型貼付剤の一構成例を示す図で、(a)は平面図、(b)は(a)のX−X断面図である。本例の貼付剤は、図示のように、乾燥した薬物10を含有するとともに液体を吸収できる材料で構成された吸収材11と、吸収材11の周囲に配置され下面に粘着層12を有する壁材13と、吸収材11および壁材13上に配置され中央部に開口14を有する支持体15と、支持体15上に配置された隔膜20と、隔膜20上に配置され薬物を溶解する溶解液を隔膜20との間に保持し押圧により隔膜20を破壊するための突起部17を有する溶解液溜め18とを備える。突起部17は、例えば、図示のように線状の先端部を有しており、隔膜20に接触または近接して配置される。吸収材11および粘着層12の下面にはライナー19が取り外し可能に取り付けられている。ここで、溶解液溜め18と隔膜20は別個に形成してもよいし、一体的に形成してもよい。溶解液溜め18と隔膜20とを組み合わせたものが溶解液容器である。また、支持体の開口14の形状は特に限定されないが、吸収材11に溶液をまんべんなく供給できる形状であればよく、例えば円形状であることが好ましい。この場合、開口14の寸法は吸収材11の大きさにもよるが、例えば直径2mm〜10mmであり、好ましくは4mm〜8mmである。なお、支持体15を省略して隔膜20にその機能を兼用させることもできる。この場合は予め開口は設けず、用時に突起部により開口が形成されることになる。
【0016】
用時には、まず、溶解液溜め18または突起部17の上面を押圧すると、突起部17が隔膜20を破る。この際、隔膜20は突起部17の線状の先端部に沿って大きく破れ、溶解液溜め18中の溶解液が支持体15の開口14を介して吸収材11に流れる。この溶解液により、吸収材11が湿潤状態となり薬物10がまんべんなく活性化される。その後、ライナー19を取り外し、本貼付剤を皮膚に貼る。これにより、活性化された薬物が皮膚に浸透する。本例では、貼付剤本体に溶解液溜め18が付いたままなので、溶解液溜め18中の溶解液が空になるまで貼付を待つ必要はない。用時に溶解液溜め18中に溶解液が残っていても徐々に吸収材11に供給されるからである。
【0017】
本発明の貼付剤では各部において次のものを使用することができる。
薬物としては、治療目的に応じた薬物を各種選択することができ、例えば、薬理活性を有する化合物であれば薬剤の種類及び塩の種類、各薬剤の適応等には特に制限されず、例えば、抗生物質、抗真菌剤、抗腫瘍剤、強心剤、不整脈治療剤、血管拡張剤、降圧剤、利尿剤、降圧利尿剤、循環器用剤、抗血小板薬、止血剤、抗高脂血症剤、解熱・鎮痛・消炎剤、抗リウマチ、弛緩剤、鎮咳去たん剤、抗潰瘍剤、鎮静剤、抗てんかん剤、抗うつ剤、抗アレルギー剤、糖尿病治療剤、抗結核剤、ホルモン剤、麻薬拮抗剤、骨吸収抑制剤、血管新生阻害剤,局所麻酔剤などが用いられる。
【0018】
抗生物質としては、例えば、硫酸ゲンタンマイシン、リピドマイシン、硫酸シソマイシン、塩酸テトラサイクリン、アンピシリン、セファロチンナトリウム、塩酸セフォチアム、セファゾリンナトリウム、チエナマイシン、スルファゼシン、硫酸ストレプトマイシン、硫酸カナマイシン、リファンピシン、塩酸バンコマイシン、オフロキサシン、硫酸セフォセリスなどが用いられる。
抗真菌剤としては、例えば、アンフォテリシンB、イトラコナゾール、フルコナゾール、ミコナゾール、2-[(1R,2R)-2-(2,4-ジフルオロフェニル-2-ヒドロキシ-1-メチル-3-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロピル)-4-[4-2,2,3,3-テトラフルオロプロポキシ]フェニル]-3(2H,4H)-1,2,4-トリアゾロンなどが用いられる。
抗腫瘍剤としては、例えば、塩酸ブレオマイシン、テガフール、アクチノマシンD、マイトマシンC、アドリアマイシン、フルオロウラシル、6-メルカプトプリン、シタラビン、プロカルバジン、塩酸ドキソルビシン、メトトレキサート、クエン酸タモキシフェンなどが用いられる。
抗結核剤としては、例えば、硫酸ストレプトマイシン、硫酸カナマイシン、イソニアジド、塩酸エタンブトール、ピラジナミドなどが用いられる。
【0019】
強心剤としては、例えば、トランスバイオキソカンファー、テオフィロール、塩酸ドパミン、塩酸ドブタミン、ユビデカレノンなどが用いられる。
不整脈治療剤としては、例えば、塩酸プロプラノール、塩酸オキシプレノール、塩酸プロカインアミド、リドカイン、フェニトイン、酒石酸メトプロロール、塩酸ベラパミル、塩酸ジルチアゼムなどが用いられる。
血管拡張剤としては、例えば、塩酸オキシフェドリン、塩酸トラゾリン、硫酸パメタン、塩酸ニカルジピン、塩酸ベラパミル、塩酸パパベリンなどが用いられる。
抗圧剤としては、例えば、塩酸ヒドララジン、ブドララジン、塩酸プラゾシン、メシル酸ドキサゾシン、塩酸カルテオロール、塩酸クロニジン、マレイン酸エナラプリル、カプトプリル、塩酸デラプリル、塩酸マニジピン、ピナシジル、ミノキシジル、ロサルタン、カンデサルタンシレキセチル、バルサルタン、テルミサルタン、イルベサルタンなどが用いられる。
利尿剤としては、例えばアセタゾラミド、メタゾラミド、クロロチアジド、フロセミド、トリアムテレン、アミロリド、アミノメトロジンなどが用いられる。
降圧利尿剤としては、例えばペントリニウム、ヘキサメトニウムブロミドなどが用いられる。
循環器用剤としては、例えば、アルプロスタジル、アルプロスタジルアルファデクス、リマプロスト、オザグレルナトリウム、硫酸クロピドグレル、プロスタサイクリン、ベラプロスト、シプロステン、アイロプロスト、アタプロスト、クリンプロスト、イコサペント酸エチル、塩酸エチレフリン、メシル酸ジヒドロエルゴタミン、パミコグレル、トラニラスト、プロブコール、カンデサルタンシレキセチル、クエン酸ナトリウム、ヘパリン、低分子量ヘパリン、ニフェジピン、塩酸エホニジピン、塩酸ジルチアゼム、トラニラストなどが用いられる。
抗血小板薬としては、例えば、チクロピジン、サチグレル、リマプロスト・アルファデクス、クリンプロスト、硫酸クロピドグレル、シブラフィバン、エプチバチド、塩酸チロフィバン、塩酸サルポグレラート、塩酸ゼミロフィバン、酢酸オルボフィバン、イスボグレル、シロスタゾール、アスピリン、アブキシマブなどが用いられる。
止血剤としては、エピネフリン、メナジオン亜硫酸水素ナトリウム、アセトメナフトン、トラネキサム酸などが用いられる。
抗高脂血症剤としては、例えばプラバスタチンナトリウム、シンバスタチン、フルバスタチンナトリウム、セリバスタチン、アトルバスタチンなどが用いられる。
【0020】
解熱・鎮痛・消炎剤としては、例えば、アスピリン、サリチル酸ナトリウム、スルピリン、インドメタシン、ジクロフェナックナトリウム、ロキソプロフェンナトリウム、フェルビナック、ザルトプロフェン、ピロキシカム、ニメスリド、メロキシカム、セレコキシブ、チアラミド、エモルファゾン、ブプレノルフィン、臭化水素酸エプタゾシン、ペンタゾシン、酒石酸ブトルファノール、塩酸トラマゾール、ケトロラック、塩酸メペリジン、塩酸モルヒネ、硫酸モルヒネ、ハイドロモルヒネ、クエン酸フェンタニル、フェンタニル、モフェゾラクなどが用いられる。
抗リウマチ剤としては、例えば、塩酸メトトレキサート、金チオリンゴ酸ナトリウム、オーラノフィン、ブシラミン、D-ペニシラミン、アクタリット、ロベンザリット、ミゾリビン、サラゾスルファピリジン、タクロリムス水和物などが用いられる。
筋弛緩剤としては、例えば、メタンスルホン酸プリジノール、塩化ツボクラリン、塩酸エペリゾン、塩酸チザニジン、カルバミン酸クロルフェネシン、塩酸トルペリゾン、ダントロレンナトリウム、バクロフェン、塩酸ランペリゾンなどが用いられる。
【0021】
鎮咳去たん剤としては、例えば、塩酸エフェドリン、リン酸コデイン、塩酸ピコペリダミン、アンプロキソール、塩酸ブロムヘキシン、硫酸サルブタモール、塩酸ツロブテロール、フマル酸フォルモテロール、塩酸アゼラスチン、フマル酸ケトチフェン、ピコペリダミンなどが用いられる。
抗潰瘍剤としては、例えば、オルノプロスチル、シメチジン、ファモチジン、塩酸ラニチジン、メトクロプラミド、オメプラゾール、ランソプラゾールなどが用いられる。
【0022】
鎮静剤としては、例えば塩酸クロルプロマジン、硫酸アトロピン、エナント酸フルフェナジンなどが用いられる。
抗てんかん剤としては、例えばフェニトインナトリウム、エトサクシミドなどが用いられる。
抗うつ剤としては、例えば、塩酸アミトリプチリン、塩酸イミプラミン、塩酸クロミプラミン、塩酸デシプラミン、塩酸マプロチリン、硫酸フェネルジンなどが用いられる。
【0023】
抗アレルギー剤としては、例えば塩酸ジフェニルヒドラミン、塩酸トリペレナミン、塩酸クレミゾール、d-マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸シプロヘプタジン、フマル酸ケトチフェン、エピナスチン、タクロリムス水和物などが用いられる。
糖尿病治療剤としては、例えばグリミジンナトリウム、グリピザイド、メトフォルミン、トルブタミド、クロルプロパミド、グリベンクラミド、アセトヘキサミド、ミダグリゾール、グリメピリド、セナグリニド、レパグリニド、塩酸ピオグリタゾンなどが用いられる。
【0024】
抗結核剤としては、例えば硫酸ストレプトマイシン、硫酸カナマイシン、イソニアジド、塩酸エタンブトール、ピラジナミドなどが用いられる。
ホルモン剤としては、例えばβ-エストラジオール、エナント酸テストステロン、コハク酸プレドニゾロン、デキサメタゾンリン酸ナトリウム、メチマゾールなどが用いられる。
麻薬拮抗剤としては、例えば酒石酸レバロルファン、塩酸ナロルフィン、プロタミン、ナロキソンなどが用いられる。
骨吸収抑制剤としては、例えば(硫黄含有アルキル)アミノメチレンビスフォスフォン酸、ラロキシフェン、アレンドロン酸ナトリウム、インカドロン酸二ナトリウム、チボロン、シマドロネート、リセドロネート、クロドロネート酸二ナトリウム、ファレカルシトリオール、カルシトリオール、アルファカルシトリオール、ダイドロネルナトリウム、イプリフラボン、ミノドロン酸などが用いられる。
血管新生阻害剤としては、例えば血管新生抑制ステロイド〔サイエンス(Science)第221巻、719頁(1983年)参照〕、フマギロール誘導体〔例えば、O-モノクロロアセチルカルバモイルフマギロール、O-ジクロロアセチルカルバモイルフマギロール等(ヨーロッパ特許出願第357061号公報、同359036号公報、同386667号公報、同415294号公報参照)〕などが用いられる。
局所麻酔剤としては、例えば、塩酸リドカイン、塩酸テトラカイン、塩酸プロカイン、塩酸ベンゾカイン、塩酸エチドカイン、塩酸プリロカイン、塩酸ジブカイン、塩酸ブピバカイン、塩酸コカイン、アミノ安息香酸エチル、塩酸オルソカイン、塩酸オキセサゼイン、塩酸メピバカインなどが用いられる。
【0025】
また、薬物に加え、薬物の溶解速度調節剤、安定化のための添加剤、吸着防止剤等を加えることができる。
吸収材としては、液体を良好に吸収できる材料が選択され、例えば、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)、多糖類またはセルロース誘導体(レーヨン、綿)、ポリアミド(ナイロン)、不織布、織布、ガーゼ、またはスポンジなどの多孔質体、または、親水性高分子(寒天、アガロース、アルギン酸、キサンタンガム、グアーガム、デキストラン、デキストリン、プルラン、キトサン、ゼラチン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸塩、カルボキシメチルセルロース塩、ポリオキシアルキレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド)、イオン交換樹脂(amberlite、diaion、コレスチラミン)等が挙げられるが、好ましくは、例えば、レーヨンを主体とする不織布である。
【0026】
壁材としては、非透水性の材料が選択され、例えば、発泡ポリオレフィン(PE、PPなど)、発泡ポリウレタン、発泡ポリスチレン、発泡ゴム(ポリブチレンなど)、発泡EVA、発泡PVC等が挙げられるが、好ましくは、例えば、発泡ポリオレフィンである。
粘着層としては、例えば、天然ゴム、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体、スチレン-ブタジエンゴム、スチレン-イソプレンゴム、ポリイソブチレン、ポリイソプレン、ポリアクリレート、シリコンゴム等が挙げられるが、好ましくは、例えば、ポリアクリレートである。
支持体としては、非透水性の材料が選択され、例えば、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリスチレン、ゴム、EVA、PVC、PET等が挙げられる。
【0027】
溶解液溜めとしては、例えば、PET、PVC、PVDC、PP、PE、ポリスチレン、環状ポリオレフィン(COC)、Al、及びこれらの積層体よりなるシート材をドーム状に成型し、その内部に凸状の突起部を形成した成型シート、または、バリアー性の高いシート(PCTFE/PP系、PCTFE/PVC系、環状ポリオレフィン/PP系)、Al蒸着やSiO2蒸着シート等が挙げられる。溶解液溜めは、凸状の突起部を押圧することにより、隔膜または隔膜と支持体の積層体の少なくとも1ヶ所が破壊される。凸状の突起部は、円錐状では破壊される部分が点になり、溶解液の吸収材側への浸透が悪くなる。凸状の突き破り部分(突起部の先端部)は線状または面状であることが好ましい。材料はPCTFE(-CF2-CFCl-)nポリ(クロロ-トリフルオロエチレン)、COC環状ポリオレフィン共重合体でもよい。シートの厚みは例えば100〜500μmとされる。溶解液溜めは、好ましくは、例えば、PP、PP/COC/PP、PCTFE/PP系が用いられる。
隔膜(突起部で破られる膜)としては、例えば、Al、PP、PE及びこれらの積層体が挙げられる。Al箔は、必要に応じ腐食を防止するためのコーティング等を施すことが好ましい。隔膜の厚みは、例えば、Alでは5〜100μm、PPやPEでは15〜50μmとされる。
【0028】
溶解液としては、例えば、水、アルコール類、多価アルコール、界面、活性剤類、糖類、pH調節剤(有機および無機酸類・塩基類)、塩類、水溶性高分子、溶解剤、吸収促進剤、油脂類、保存剤等が挙げられるが、好ましくは、例えば、精製水、グリセリン、メチルパラベン、(プロピルパラベン、プロピレングリコール)等である。
ライナーとしては、例えば、PET、PEN、PP、PE、紙、Al、これらの積層体等が挙げられるが、好ましくは、PETである。また、シリコン処理などの離型性表面処理を行うことが好ましい。さらに、薬物を含む部材に接触しないように、ライナーを凹状に加工することができる。
【0029】
図2は、本発明に係る用時活性化型貼付剤の他の構成例を示す断面図である。本例の貼付剤が図1のものと異なる点は、薬物を含有する吸収材11の下面に溶液透過膜21を備えたところにあり、その他は図1のものと同様である。溶液透過膜21は、吸収材を保持するために有効であり、さらに粉末状の物質を含む際の保持手段として設けられるものである。
溶液透過膜としては、例えば、多孔質膜またはイオン交換膜を用いることができる。多孔質膜としては、例えば、PE、PP、セルロース、セルロースアセテート、PET、ナイロン等が挙げられる。イオン交換膜としては、例えば、陽イオン交換膜、陰イオン交換膜、複合荷電膜等が挙げられるが、好ましくは、ナイロン系の陽イオン交換膜である。但し、吸収材が不織布のときは溶液透過膜はなくてもよい。
【0030】
図3は、本発明に係る用時活性化型貼付剤の他の構成例を示す断面図である。本例の貼付剤は、図1の薬物を含有する吸収材11を、薬物を含有しない吸収材31と薬物を含有する薬物含有層32の2つに分けたものであり、その他は図1のものと同様である。吸収材31と薬物含有層32を分けた理由は、薬物を生体に高濃度で接触させることで、薬剤の吸収を最大限に発揮するためである。
薬物含有層としては、例えば、多孔質膜またはイオン交換膜に薬物を含有させたものを用いることができる。多孔質膜としては、例えば、PE、PP、セルロース、セルロースアセテート、PET、ナイロン等が挙げられる。イオン交換膜としては、例えば、陽イオン交換膜、陰イオン交換膜、複合荷電膜等が挙げられるが、好ましくは、ナイロン系の陽イオン交換膜である。
【0031】
図4は、本発明に係る用時活性化型貼付剤の他の構成例を示す断面図である。本例の貼付剤は、上述の図1〜図3の例とは異なり、用時に溶解液溜めを取り外して用いるものである。本例は、図示のように、支持体45と、支持体45上に配置され乾燥薬物40を含有するとともに液体を吸収できる材料で構成された吸収材41と、支持体45上で吸収材41の周囲に配置され上面に粘着層42を有する壁材43と、吸収材41および粘着層42上に配置され中央部に開口44を有するライナー49と、ライナー49上に配置された隔膜50と、隔膜50上に配置され薬物を溶解する溶解液を隔膜50との間に保持し押圧により隔膜50を破壊するための突起部47を有する溶解液溜め48とを備える。突起部47は、図1のものと同様に構成される。ライナー49は粘着層42に取り外し可能に取り付けられている。ライナーの開口44の形状および寸法は図1の場合と同様である。
【0032】
用時には、まず、溶解液溜め48の上面を押圧すると、突起部47が隔膜50を破る。この際、隔膜50は突起部47からの圧力で破れ、内部の溶解液がライナー49の開口44を介して吸収材41に流れる。この溶解液により、吸収材41が湿潤状態となり薬物40がまんべんなく活性化される。その後、溶解液溜め48とともにライナー49を取り外し、本貼付剤を皮膚に貼る。これにより、活性化された薬物が皮膚に浸透する。本例では、用時に貼付剤本体から溶解液溜め48をライナー49とともに取り外すので、用時には溶解液溜め48中の溶解液が空になるまで待って貼付することが好ましい。
【0033】
図5は、本発明に係る用時活性化型貼付剤の他の構成例を示す断面図である。本例の貼付剤が図4のものと異なる点は、薬物を含有する吸収材41の上面に溶液透過膜51を備えたところにあり、その他は図4のものと同様である。ここで、溶液透過膜51を設けた理由およびその材料は、上述の図2の場合と同様である。
【0034】
図6は、本発明に係る用時活性化型貼付剤の他の構成例を示す断面図である。本例の貼付剤は、図4の薬物を含有する吸収材41を、薬物を含有しない吸収材61と薬物を含有する薬物含有層62の2つに分けたものあり、その他は図4のものと同様である。ここで、吸収材61と薬物含有層62を分けた理由およびその材料は、上述の図3の場合と同様である。
【0035】
図7は、本発明に係る用時活性化型貼付剤のさらに他の構成例を示す断面図である。本例の貼付剤が図1のものと異なる点は、吸収材および粘着層の下面に吸収材との対向部分が凹形状をしたライナー79を備えたところにあり、その他は図1のものと同様である。ここで、ライナー79を凹状に加工するのは、ライナーが薬物を含む部材に接触しないようにするためである。
【0036】
図8は、本発明に係る用時活性化型貼付剤のさらに他の構成例を示す断面図である。本例の貼付剤が図3のものと異なる点は、薬物含有層および粘着層の下面に薬物含有層との対向部分が凹形状をしたライナー89を備えたところにあり、その他は図3のものと同様である。ここで、ライナー89を凹状に加工するのは、ライナーが薬物を含む部材に接触しないようにするためである。
【0037】
図9は、本発明に係る用時活性化型貼付剤に用いる溶解液溜めの一構成例を示す図で、(a)は平面図、(b)は(a)のX−X断面図、(c)は(a)のY−Y断面図である。本例では、用時に溶解液溜めの溶解液ができるだけ液残りなく吸収材へ供給されるように構成を工夫したものである。本例の溶解液溜め90は、溶解液91を保持し、用時に隔膜92を押圧により破るための突起部93を備える。図示のように、本例の隔膜92の溶解液接触部は長円形状を有し、隔膜92自体は円形状を有する。突起部93は、隔膜92の溶解液接触部の長円形状の長手方向に伸びる線状の先端部94を有する。いま、線状の先端部94の長さをL1とし、隔膜92の溶解液接触部の長手方向の長さをL2としたとき、0.1×L2≦L1≦0.5×L2の関係を満たすように設計される。これにより、用時に突起部93が押圧されたとき、隔膜92が線状の先端部94に沿って大きく破れ、溶解液91が良好に外部に流れ、液残りを少なくすることができる。なお、本例では、線状の先端部94が隔膜92と離隔して配置されているが、両者を接触させてもよい。
【0038】
図10は、本発明に係る用時活性化型貼付剤に用いる溶解液溜めの他の構成例を示す平面図である。本例の溶解液溜め100が図9のものと特に異なる点は、本例の隔膜102の溶解液接触部が隔膜102と同様に円形状とされていること、および突起部103が十字状の先端部104を備えていることである。いま、十字状の先端部104の長さをそれぞれL10、L11とし、隔膜102の溶解液接触部の直径をL2としたとき、0.1×L2≦L10≦0.5×L2および/または0.1×L2≦L11≦0.5×L2の関係を満たすように設計される。これにより、用時に突起部103が押圧されたとき、隔膜102が十字状の先端部104によって大きく破れ、溶解液が良好に外部に流れ、液残りを少なくすることができる。
【0039】
図11は、本発明に係る支持体またはライナーの一構成例を示す断面図である。本例は、用時に溶解液溜めの溶解液が速やかに吸収材へ供給されるように構成を工夫したもので、図1〜図3、図7、図8の構成例では支持体に、また図4〜図6の構成例ではライナーに適用可能である。本例の支持体115またはライナー119は、図示のように、溶解液の通る開口114の周辺部がそれ以外の部分よりも吸収材側、すなわち溶解液溜め118の反対側にへこんでいる。これにより、支持体115またはライナー119と溶解液溜め118との間に隙間110が形成される。そして用時に溶解液溜め118が押圧されたとき隔膜113が破れ、この破れた隔膜の一部がこの隙間110に広がることができるので、溶解液が速やかに開口114へ流れ、また溶解液溜め中の溶解液の液残りを少なくすることができる。
【0040】
図12は、本発明に係る支持体またはライナーの他の構成例を示す断面図である。本例もまた、用時に溶解液溜めの溶解液が速やかに吸収材へ供給されるように構成を工夫したもので、図1〜図3、図7、図8の構成例では支持体に、また図4〜図6の構成例ではライナーに適用可能である。本例の支持体125またはライナー129は、図示のように、周辺部から開口124に向かって吸収材側へ傾斜を設けたものである。この場合も、支持体125またはライナー129と溶解液溜め128との間に隙間120が形成される。そして用時に溶解液溜め128が押圧されたとき、隔膜123が破れ、溶解液が周辺部に広がることなく速やかに開口124へ流れ、また溶解液溜め中の溶解液の液残りを少なくすることができる。
【0041】
溶解液溜めと隔膜とを組み合わせたものが溶解液容器である。以下、この溶解液容器の好ましい構成例について説明する。溶解液容器は、少なくとも一部に突起部を加工した溶解液溜めを備える。この突起部は、成型加工により形成することができ、この突起部を押圧することで隔膜を突き破ることができる強度に調整される。従って、アルミニウムを含むシート材(フィルム)は、ひび割れや破断を生じやすいので突起部への加工には不向きである。
【0042】
本発明において、溶解液容器(溶解液溜め)に用いるシート材(フィルム)は、例えばシート材の水蒸気透過性が0.30g/m2・24hr以下であり、より好ましくは0.22g/m2・24hr以下である。そのようなシート材としては、例えば環状ポリオレフィン・コポリマー(COC)やフッ素樹脂を含むフィルムがあり、好ましくはフッ素樹脂積層フィルムがよい。さらに、容器内面は隔膜とのヒートシール可能であることが密封性に優れることから、フッ素樹脂積層フィルムは、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)またはポリエチレン(PE)のフィルムとの積層が好ましい。さらに薬物吸収性の観点から、これらのフィルムとポリプロピレンまたはポリエチレンのフィルムとの積層フィルムがより好ましい。シート材(フィルム)の厚みは、突き破り性と加工性の観点より、約500μmより薄く、好ましくは約100〜400μm、より好ましくは約250〜350μmがよい。隔膜はアルミニウム箔が好ましい。
【0043】
(実験例)
溶解液容器の作製:
例えば、図3のような突起部を有する溶解液溜めを成型加工した。この溶解液溜めに溶解液(30w/w%グリセリン水溶液600μL)を入れ、アクリル粘着材(DURO-TAK 87-2516,50μm)を積層した加工アルミニウム箔(20μm)をヒートシール(140〜150℃,2秒)し、溶解液容器を作成した。
溶解液一体型貼付剤の作製:
上記作製した溶解液容器のアクリル粘着面を製剤上部に接着し、例えば、図3に示すような製剤を作成した。
アルプロスタジル含有溶解液一体型貼付剤の作製:
上記作製した溶解液容器のアクリル粘着面を製剤上部に接着し、例えば、図3に示すような製剤の薬物含有層に薬物(アルプロスタジルアルファデクス5mg)、およびラクトース8mgを含ませて製剤を製造した。製造した製剤は、乾燥剤(Tri-sorb 1g, Sud-Chemie社)と共に、アルムニウム包材中に保管した。
【0044】
次に実施例および比較例を示す。
(実施例1)
溶解液容器(溶解液溜め)の材質は、PEフィルムとCOCフィルムとPEフィルムの積層体(PE/COC/PE)であり、その厚みは350μm、水蒸気透過性は0.22g/m2・24hrである。
(実施例2)
溶解液容器(溶解液溜め)の材質は、PPフィルムとPCTFE(フッ素樹脂)フィルムの積層体(PP/PCTFE)であり、その厚みは300μm、水蒸気透過性は0.11g/m2・24hrである。
(実施例3)
溶解液容器(溶解液溜め)の材質は、PPフィルムとPCTFE(フッ素樹脂)フィルムの積層体(PP/PCTFE)であり、その厚みは250μm、水蒸気透過性は0.14g/m2・24hrである。
(比較例1)
溶解液容器(溶解液溜め)の材質は、PVCフィルムであり、その厚みは300μm、水蒸気透過性は2.70g/m2・24hrである。
(比較例2)
溶解液容器(溶解液溜め)の材質は、PPフィルムであり、その厚みは300μm、水蒸気透過性は0.70g/m2・24hrである。
(比較例3)
溶解液容器(溶解液溜め)の材質は、PPフィルムであり、その厚みは500μm、水蒸気透過性は0.32g/m2・24hrである。
(比較例4)
溶解液容器(溶解液溜め)の材質は、PEフィルムとCOCフィルムとPEフィルムの積層体(PE/COC/PE)であり、その厚みは500μm、水蒸気透過性は0.14g/m2・24hrである。
(比較例5)
溶解液容器(溶解液溜め)の材質は、AlフィルムとPPフィルムの積層体(Al/PP)であり、その厚みは150μm、水蒸気透過性は0g/m2・24hrである。
上記各実施例および比較例に関して、溶解液容器の突起部の成形加工性および隔膜突き破り性について評価し、表1のような結果を得た。
【0045】
【表1】
【0046】
表1に示すように、実施例1〜3及び比較例1、2は、突起部の成形加工性および隔膜突き破り性が共に良好であった(○印)。比較例3及び4(フィルム厚が約500μm)は、突起部の成形加工性は良好であった(○印)が、溶解液容器の強度が大きく、隔膜の突き破り性は極端に低下した(×印)。比較例5は、突起部の加工においてアルムニウムの破断が観察され突起部の成形加工性は悪かった(×印)。
【0047】
次に、各温度条件における溶解液容器重量変化と溶解液移行性を評価した。溶解液一体型貼付剤を作製して、40℃および50℃の温度でそれぞれ1箇月間保存し、溶解液の減量(対初期%)と溶解液の移行性を評価し、表2のような結果を得た。溶解液の移行性は溶解液容器押圧後、薬物保持膜全面への液の移行が観察された時間が約30秒以内の場合を○、約30秒以上の場合を×とした。
【0048】
【表2】
【0049】
長期保存に適する溶解液の減量は13%以下が望ましい。実施例1及び2では、溶解液の減量は40℃および50℃の温度において13%以下であり、長期保存に適する。一方、比較例1では40℃および50℃の温度において、また比較例2では50℃の温度において、保存中の溶解液の顕著な減量が観察され、長期保存には適さない。さらに、用時活性時における薬物保持膜への溶解液移行時間については、実施例1、2及び比較例2は短かったが、比較例1は長くかかった。
【0050】
表1及び表2の結果を総合すると、実施例1〜3に示すように、溶解液容器(溶解液溜め)に用いるシート材(フィルム)は、水蒸気透過性が0.22g/m2・24hr以下であることが好ましい。また、シート材は、厚みが約250〜約350μmであることが好ましい。そのようなシート材は、環状ポリオレフィン・コポリマー(COC)フィルムやフッ素樹脂フィルムを含むものであり、好ましくは環状ポリオレフィン・コポリマー・フィルムとポリオレフィン・フィルムとの積層フィルム、またはフッ素樹脂フィルムとポリオレフィン・フィルムとの積層フィルムが好適である。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、医療分野の外用貼付剤に適用することができる。本発明に係る溶解液溜めを有する用時活性化型貼付剤により、薬物の安定性を維持し、汎用性及び実用性に優れ、簡便に貼付できる貼付剤を得ることができる。また、用時に溶解液溜め中の溶解液の液残りを少なくすることができるので、貼付剤中の薬物濃度を規定どおりに確保することができる。
【技術分野】
【0001】
本発明は用時活性化型貼付剤に係り、特に用時に溶解液を供給して薬物を活性化させて用いる用時活性化型貼付剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、化学的に不安定な薬物を含有する貼付剤を製造する場合、その製剤の組成を工夫することにより薬物の安定化を図ることが一般的であった。しかし、薬物の性質上、処方の工夫では薬物の安定性が十分に得られない場合もある。
そこで、薬物の安定化を図るため予め薬剤を溶液にして容器に収容しておき、用時に容器を破って薬剤溶液を薬剤透過層に供給する技術が知られている。例えば、特許文献1には、流動性を有する薬剤をブリスター部に内包した外皮用貼付剤が開示されている。この外皮用貼付剤は、粘着シートと剥離シートとからなり、この粘着シートには、ブリスターとその下面をシールする薬剤被覆膜によって形成されかつ突起物を有しているブリスター部と、薬剤被覆膜の下側に薬剤透過層とが設けられている。そして、使用に際して、ブリスターを指で押圧して薬剤被覆膜を破壊し、新鮮な薬剤を薬剤透過層に移動させる。この外皮用貼付剤の突起物は、ブリスターに設けられた凹状もしくは凸状の突起又はブリスター部内部に装填された突起体として構成される。この突起物は薬剤被覆膜を容易に、かつ確実に破壊する役割を果たすと共に、これにより直接的な指圧効果あるいはツボ刺激効果をも有するというものである。
【特許文献1】特開平9−124468号公報
【0003】
また、一方で、乾燥状態の薬物に液体を供給して用いる貼付剤が知られている。例えば、特許文献2には、粘着性テープの中央部にガーゼを置いたアドヒーシブ・バンデージが開示されている。このアドヒーシブ・バンデージは、消毒薬や治療薬を含有した滅菌乾燥ガーゼを粘着性テープの粘着面の中央部に置き、固定端を粘着性テープの粘着面に貼着すると共にガーゼを被覆した粘着面カバーのガーゼに面した部分に、粘着面カバー以下の強度を有する破れやすい素材よりなる薄膜でおおわれている液嚢を形成し、同液嚢に予め消毒液又は滅菌蒸留水を収容してなるものである。用時には、粘着性カバーを強く押圧して薄膜を破り、液嚢内の消毒液又は滅菌蒸留水等の液体によりガーゼを湿潤状態として、薬物効果を有効に発揮させようとするものである。
【特許文献2】実公昭54−23197号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術のうち、用時に容器を破って薬剤溶液を薬剤透過層に供給する特許文献1のものは、薬物が溶液中で安定性を保つものに対しては使用可能であるが、そうでない薬物については薬物安定性の面で不利であるという問題がある。また、上記乾燥状態の薬物に液体を供給して用いる特許文献2のものでは、液嚢は破れやすい素材よりなる薄膜でおおわれているため、粘着性カバーの押圧時、この薄膜の破れる位置が定まらないという問題がある。例えば、薄膜の破れる位置が液嚢端部であった場合には、液体がガーゼ全体に充分に行き渡らないおそれがある。
【0005】
従って本発明の目的は、用時に溶解液を供給して薬物をまんべんなく活性化することができる用時活性化型貼付剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は、乾燥薬物を含有するとともに液体を吸収できる材料で構成された吸収材と、前記吸収材の周囲に配置され下面に粘着層を有する壁材と、前記吸収材および壁材上に配置され中央部に開口を有する支持体と、前記支持体上に配置された隔膜と、前記隔膜上に配置され前記薬物を溶解する溶解液を前記隔膜との間に保持し押圧により前記隔膜を破壊するための突起部を有する溶解液溜めとを備えた用時活性化型貼付剤により達成される。ここで、前記吸収材の下面にはさらに溶液透過膜を備えることができ、また、前記吸収材および粘着層の下面には前記吸収材との対向部分が凹形状をしたライナーを備えることができる。
【0007】
また本発明に係る用時活性化型貼付剤は、乾燥薬物を含有する薬物含有層と、前記薬物含有層上に配置され液体を吸収できる材料で構成された吸収材と、前記吸収材の周囲に配置され下面に粘着層を有する壁材と、前記吸収材および壁材上に配置され中央部に開口を有する支持体と、前記支持体上に配置された隔膜と、前記隔膜上に配置され前記薬物を溶解する溶解液を前記隔膜との間に保持し押圧により前記隔膜を破壊するための突起部を有する溶解液溜めとを備えるものである。ここで、前記薬物含有層および粘着層の下面には前記薬物含有層との対向部分が凹形状をしたライナーを備えることができる。
【0008】
また本発明に係る用時活性化型貼付剤は、支持体と、前記支持体上に配置され乾燥薬物を含有するとともに液体を吸収できる材料で構成された吸収材と、前記支持体上で前記吸収材の周囲に配置され上面に粘着層を有する壁材と、前記吸収材および粘着層上に配置され中央部に開口を有するライナーと、前記ライナー上に配置された隔膜と、前記隔膜上に配置され前記薬物を溶解する溶解液を前記隔膜との間に保持し押圧により前記隔膜を破壊するための突起部を有する溶解液溜めとを備えるものである。ここで、前記吸収材の上面には溶液透過膜を備えることができる。
【0009】
また本発明に係る用時活性化型貼付剤は、支持体と、前記支持体上に配置され液体を吸収できる材料で構成された吸収材と、前記支持体上で前記吸収材の周囲に配置され上面に粘着層を有する壁材と、前記吸収材上に配置された乾燥薬物を含有する薬物含有層と、前記薬物含有層および粘着層上に配置され中央部に開口を有するライナーと、前記ライナー上に配置された隔膜と、前記隔膜上に配置され前記薬物を溶解する溶解液を前記隔膜との間に保持し押圧により前記隔膜を破壊するための突起部を有する溶解液溜めとを備えることができる。
【0010】
ここで、前記隔膜の溶解液接触部は長円形状を有しており、前記溶解液溜めの突起部は前記長円形状の長手方向に伸びる線状の先端部を有するようにすることができる。この場合、前記線状の先端部の長さをL1とし、前記隔膜の溶解液接触部の長手方向の長さをL2としたとき、0.1×L2≦L1≦0.5×L2の関係を満たすことが好ましい。また、前記隔膜の溶解液接触部は円形状を有しており、前記溶解液溜めの突起部は十字状の先端部を有するようにすることができる。この場合、前記十字状の先端部の長さをそれぞれL10、L11とし、前記隔膜の溶解液接触部の直径をL2としたとき、0.1×L2≦L10≦0.5×L2および/または0.1×L2≦L11≦0.5×L2の関係を満たすことが好ましい。
【0011】
また、前記支持体の開口周辺部がそれ以外の部分よりも前記吸収材側にへこんでいることが好ましい。さらに、前記支持体の周辺部から開口に向かって前記吸収材側へ傾斜を設けることが好ましい。同様に、前記ライナーの開口周辺部がそれ以外の部分よりも前記吸収材側にへこんでいることが好ましい。さらに、前記ライナーの周辺部から開口に向かって前記吸収材側へ傾斜を設けることが好ましい。
また、前記溶解液溜めは、シート材を成型加工して形成され、前記シート材は、水蒸気透過性が0.22g/m2・24hr以下であることが好ましい。また、前記シート材は、厚みが約250〜約350μmであることが好ましい。例えば、前記シート材は、環状ポリオレフィン・コポリマー・フィルムを含むことができ、好ましくは環状ポリオレフィン・コポリマー・フィルムとポリオレフィン・フィルムとの積層フィルムである。また、前記シート材は、フッ素樹脂フィルムを含むことができ、好ましくはフッ素樹脂フィルムとポリオレフィン・フィルムとの積層フィルムである。さらに、前記隔膜は、アルミニウム箔とすることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、用時に溶解液を供給して薬物をまんべんなく活性化することができる用時活性化型貼付剤を得ることができる。本発明による溶解液の供給により薬物の濃度が各所でほぼ均一となる。また、用時における溶解液溜めの溶解液を速やかに流し、また溶解液溜め中の液残りを少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る用時活性化型貼付剤の一構成例を示す図で、(a)は平面図、(b)は(a)のX−X断面図である。
【図2】本発明に係る用時活性化型貼付剤の他の構成例を示す断面図である。
【図3】本発明に係る用時活性化型貼付剤の他の構成例を示す断面図である。
【図4】本発明に係る用時活性化型貼付剤の他の構成例を示す断面図である。
【図5】本発明に係る用時活性化型貼付剤の他の構成例を示す断面図である。
【図6】本発明に係る用時活性化型貼付剤の他の構成例を示す断面図である。
【図7】本発明に係る用時活性化型貼付剤のさらに他の構成例を示す断面図である。
【図8】本発明に係る用時活性化型貼付剤のさらに他の構成例を示す断面図である。
【図9】本発明に係る用時活性化型貼付剤に用いる溶解液溜めの一構成例を示す図で、(a)は平面図、(b)は(a)のX−X断面図、(c)は(a)のY−Y断面図である。
【図10】本発明に係る用時活性化型貼付剤に用いる溶解液溜めの他の構成例を示す平面図である。
【図11】本発明に係る支持体またはライナーの一構成例を示す断面図である。
【図12】本発明に係る支持体またはライナーの他の構成例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0014】
10、40 薬物
11、41 乾燥薬物を含有する吸収材
12、42 粘着層
13、43 壁材
14、44 開口
15、45 支持体
16、46、91 溶解液
17、47、94 突起部
18、48、90 溶解液溜め
19、49、79、89 ライナー
20、50、92 隔膜
21、51 溶液透過膜
31、61 薬物を含有しない吸収材
32、62 薬物含有層
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は本発明に係る用時活性化型貼付剤の一構成例を示す図で、(a)は平面図、(b)は(a)のX−X断面図である。本例の貼付剤は、図示のように、乾燥した薬物10を含有するとともに液体を吸収できる材料で構成された吸収材11と、吸収材11の周囲に配置され下面に粘着層12を有する壁材13と、吸収材11および壁材13上に配置され中央部に開口14を有する支持体15と、支持体15上に配置された隔膜20と、隔膜20上に配置され薬物を溶解する溶解液を隔膜20との間に保持し押圧により隔膜20を破壊するための突起部17を有する溶解液溜め18とを備える。突起部17は、例えば、図示のように線状の先端部を有しており、隔膜20に接触または近接して配置される。吸収材11および粘着層12の下面にはライナー19が取り外し可能に取り付けられている。ここで、溶解液溜め18と隔膜20は別個に形成してもよいし、一体的に形成してもよい。溶解液溜め18と隔膜20とを組み合わせたものが溶解液容器である。また、支持体の開口14の形状は特に限定されないが、吸収材11に溶液をまんべんなく供給できる形状であればよく、例えば円形状であることが好ましい。この場合、開口14の寸法は吸収材11の大きさにもよるが、例えば直径2mm〜10mmであり、好ましくは4mm〜8mmである。なお、支持体15を省略して隔膜20にその機能を兼用させることもできる。この場合は予め開口は設けず、用時に突起部により開口が形成されることになる。
【0016】
用時には、まず、溶解液溜め18または突起部17の上面を押圧すると、突起部17が隔膜20を破る。この際、隔膜20は突起部17の線状の先端部に沿って大きく破れ、溶解液溜め18中の溶解液が支持体15の開口14を介して吸収材11に流れる。この溶解液により、吸収材11が湿潤状態となり薬物10がまんべんなく活性化される。その後、ライナー19を取り外し、本貼付剤を皮膚に貼る。これにより、活性化された薬物が皮膚に浸透する。本例では、貼付剤本体に溶解液溜め18が付いたままなので、溶解液溜め18中の溶解液が空になるまで貼付を待つ必要はない。用時に溶解液溜め18中に溶解液が残っていても徐々に吸収材11に供給されるからである。
【0017】
本発明の貼付剤では各部において次のものを使用することができる。
薬物としては、治療目的に応じた薬物を各種選択することができ、例えば、薬理活性を有する化合物であれば薬剤の種類及び塩の種類、各薬剤の適応等には特に制限されず、例えば、抗生物質、抗真菌剤、抗腫瘍剤、強心剤、不整脈治療剤、血管拡張剤、降圧剤、利尿剤、降圧利尿剤、循環器用剤、抗血小板薬、止血剤、抗高脂血症剤、解熱・鎮痛・消炎剤、抗リウマチ、弛緩剤、鎮咳去たん剤、抗潰瘍剤、鎮静剤、抗てんかん剤、抗うつ剤、抗アレルギー剤、糖尿病治療剤、抗結核剤、ホルモン剤、麻薬拮抗剤、骨吸収抑制剤、血管新生阻害剤,局所麻酔剤などが用いられる。
【0018】
抗生物質としては、例えば、硫酸ゲンタンマイシン、リピドマイシン、硫酸シソマイシン、塩酸テトラサイクリン、アンピシリン、セファロチンナトリウム、塩酸セフォチアム、セファゾリンナトリウム、チエナマイシン、スルファゼシン、硫酸ストレプトマイシン、硫酸カナマイシン、リファンピシン、塩酸バンコマイシン、オフロキサシン、硫酸セフォセリスなどが用いられる。
抗真菌剤としては、例えば、アンフォテリシンB、イトラコナゾール、フルコナゾール、ミコナゾール、2-[(1R,2R)-2-(2,4-ジフルオロフェニル-2-ヒドロキシ-1-メチル-3-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロピル)-4-[4-2,2,3,3-テトラフルオロプロポキシ]フェニル]-3(2H,4H)-1,2,4-トリアゾロンなどが用いられる。
抗腫瘍剤としては、例えば、塩酸ブレオマイシン、テガフール、アクチノマシンD、マイトマシンC、アドリアマイシン、フルオロウラシル、6-メルカプトプリン、シタラビン、プロカルバジン、塩酸ドキソルビシン、メトトレキサート、クエン酸タモキシフェンなどが用いられる。
抗結核剤としては、例えば、硫酸ストレプトマイシン、硫酸カナマイシン、イソニアジド、塩酸エタンブトール、ピラジナミドなどが用いられる。
【0019】
強心剤としては、例えば、トランスバイオキソカンファー、テオフィロール、塩酸ドパミン、塩酸ドブタミン、ユビデカレノンなどが用いられる。
不整脈治療剤としては、例えば、塩酸プロプラノール、塩酸オキシプレノール、塩酸プロカインアミド、リドカイン、フェニトイン、酒石酸メトプロロール、塩酸ベラパミル、塩酸ジルチアゼムなどが用いられる。
血管拡張剤としては、例えば、塩酸オキシフェドリン、塩酸トラゾリン、硫酸パメタン、塩酸ニカルジピン、塩酸ベラパミル、塩酸パパベリンなどが用いられる。
抗圧剤としては、例えば、塩酸ヒドララジン、ブドララジン、塩酸プラゾシン、メシル酸ドキサゾシン、塩酸カルテオロール、塩酸クロニジン、マレイン酸エナラプリル、カプトプリル、塩酸デラプリル、塩酸マニジピン、ピナシジル、ミノキシジル、ロサルタン、カンデサルタンシレキセチル、バルサルタン、テルミサルタン、イルベサルタンなどが用いられる。
利尿剤としては、例えばアセタゾラミド、メタゾラミド、クロロチアジド、フロセミド、トリアムテレン、アミロリド、アミノメトロジンなどが用いられる。
降圧利尿剤としては、例えばペントリニウム、ヘキサメトニウムブロミドなどが用いられる。
循環器用剤としては、例えば、アルプロスタジル、アルプロスタジルアルファデクス、リマプロスト、オザグレルナトリウム、硫酸クロピドグレル、プロスタサイクリン、ベラプロスト、シプロステン、アイロプロスト、アタプロスト、クリンプロスト、イコサペント酸エチル、塩酸エチレフリン、メシル酸ジヒドロエルゴタミン、パミコグレル、トラニラスト、プロブコール、カンデサルタンシレキセチル、クエン酸ナトリウム、ヘパリン、低分子量ヘパリン、ニフェジピン、塩酸エホニジピン、塩酸ジルチアゼム、トラニラストなどが用いられる。
抗血小板薬としては、例えば、チクロピジン、サチグレル、リマプロスト・アルファデクス、クリンプロスト、硫酸クロピドグレル、シブラフィバン、エプチバチド、塩酸チロフィバン、塩酸サルポグレラート、塩酸ゼミロフィバン、酢酸オルボフィバン、イスボグレル、シロスタゾール、アスピリン、アブキシマブなどが用いられる。
止血剤としては、エピネフリン、メナジオン亜硫酸水素ナトリウム、アセトメナフトン、トラネキサム酸などが用いられる。
抗高脂血症剤としては、例えばプラバスタチンナトリウム、シンバスタチン、フルバスタチンナトリウム、セリバスタチン、アトルバスタチンなどが用いられる。
【0020】
解熱・鎮痛・消炎剤としては、例えば、アスピリン、サリチル酸ナトリウム、スルピリン、インドメタシン、ジクロフェナックナトリウム、ロキソプロフェンナトリウム、フェルビナック、ザルトプロフェン、ピロキシカム、ニメスリド、メロキシカム、セレコキシブ、チアラミド、エモルファゾン、ブプレノルフィン、臭化水素酸エプタゾシン、ペンタゾシン、酒石酸ブトルファノール、塩酸トラマゾール、ケトロラック、塩酸メペリジン、塩酸モルヒネ、硫酸モルヒネ、ハイドロモルヒネ、クエン酸フェンタニル、フェンタニル、モフェゾラクなどが用いられる。
抗リウマチ剤としては、例えば、塩酸メトトレキサート、金チオリンゴ酸ナトリウム、オーラノフィン、ブシラミン、D-ペニシラミン、アクタリット、ロベンザリット、ミゾリビン、サラゾスルファピリジン、タクロリムス水和物などが用いられる。
筋弛緩剤としては、例えば、メタンスルホン酸プリジノール、塩化ツボクラリン、塩酸エペリゾン、塩酸チザニジン、カルバミン酸クロルフェネシン、塩酸トルペリゾン、ダントロレンナトリウム、バクロフェン、塩酸ランペリゾンなどが用いられる。
【0021】
鎮咳去たん剤としては、例えば、塩酸エフェドリン、リン酸コデイン、塩酸ピコペリダミン、アンプロキソール、塩酸ブロムヘキシン、硫酸サルブタモール、塩酸ツロブテロール、フマル酸フォルモテロール、塩酸アゼラスチン、フマル酸ケトチフェン、ピコペリダミンなどが用いられる。
抗潰瘍剤としては、例えば、オルノプロスチル、シメチジン、ファモチジン、塩酸ラニチジン、メトクロプラミド、オメプラゾール、ランソプラゾールなどが用いられる。
【0022】
鎮静剤としては、例えば塩酸クロルプロマジン、硫酸アトロピン、エナント酸フルフェナジンなどが用いられる。
抗てんかん剤としては、例えばフェニトインナトリウム、エトサクシミドなどが用いられる。
抗うつ剤としては、例えば、塩酸アミトリプチリン、塩酸イミプラミン、塩酸クロミプラミン、塩酸デシプラミン、塩酸マプロチリン、硫酸フェネルジンなどが用いられる。
【0023】
抗アレルギー剤としては、例えば塩酸ジフェニルヒドラミン、塩酸トリペレナミン、塩酸クレミゾール、d-マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸シプロヘプタジン、フマル酸ケトチフェン、エピナスチン、タクロリムス水和物などが用いられる。
糖尿病治療剤としては、例えばグリミジンナトリウム、グリピザイド、メトフォルミン、トルブタミド、クロルプロパミド、グリベンクラミド、アセトヘキサミド、ミダグリゾール、グリメピリド、セナグリニド、レパグリニド、塩酸ピオグリタゾンなどが用いられる。
【0024】
抗結核剤としては、例えば硫酸ストレプトマイシン、硫酸カナマイシン、イソニアジド、塩酸エタンブトール、ピラジナミドなどが用いられる。
ホルモン剤としては、例えばβ-エストラジオール、エナント酸テストステロン、コハク酸プレドニゾロン、デキサメタゾンリン酸ナトリウム、メチマゾールなどが用いられる。
麻薬拮抗剤としては、例えば酒石酸レバロルファン、塩酸ナロルフィン、プロタミン、ナロキソンなどが用いられる。
骨吸収抑制剤としては、例えば(硫黄含有アルキル)アミノメチレンビスフォスフォン酸、ラロキシフェン、アレンドロン酸ナトリウム、インカドロン酸二ナトリウム、チボロン、シマドロネート、リセドロネート、クロドロネート酸二ナトリウム、ファレカルシトリオール、カルシトリオール、アルファカルシトリオール、ダイドロネルナトリウム、イプリフラボン、ミノドロン酸などが用いられる。
血管新生阻害剤としては、例えば血管新生抑制ステロイド〔サイエンス(Science)第221巻、719頁(1983年)参照〕、フマギロール誘導体〔例えば、O-モノクロロアセチルカルバモイルフマギロール、O-ジクロロアセチルカルバモイルフマギロール等(ヨーロッパ特許出願第357061号公報、同359036号公報、同386667号公報、同415294号公報参照)〕などが用いられる。
局所麻酔剤としては、例えば、塩酸リドカイン、塩酸テトラカイン、塩酸プロカイン、塩酸ベンゾカイン、塩酸エチドカイン、塩酸プリロカイン、塩酸ジブカイン、塩酸ブピバカイン、塩酸コカイン、アミノ安息香酸エチル、塩酸オルソカイン、塩酸オキセサゼイン、塩酸メピバカインなどが用いられる。
【0025】
また、薬物に加え、薬物の溶解速度調節剤、安定化のための添加剤、吸着防止剤等を加えることができる。
吸収材としては、液体を良好に吸収できる材料が選択され、例えば、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)、多糖類またはセルロース誘導体(レーヨン、綿)、ポリアミド(ナイロン)、不織布、織布、ガーゼ、またはスポンジなどの多孔質体、または、親水性高分子(寒天、アガロース、アルギン酸、キサンタンガム、グアーガム、デキストラン、デキストリン、プルラン、キトサン、ゼラチン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸塩、カルボキシメチルセルロース塩、ポリオキシアルキレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド)、イオン交換樹脂(amberlite、diaion、コレスチラミン)等が挙げられるが、好ましくは、例えば、レーヨンを主体とする不織布である。
【0026】
壁材としては、非透水性の材料が選択され、例えば、発泡ポリオレフィン(PE、PPなど)、発泡ポリウレタン、発泡ポリスチレン、発泡ゴム(ポリブチレンなど)、発泡EVA、発泡PVC等が挙げられるが、好ましくは、例えば、発泡ポリオレフィンである。
粘着層としては、例えば、天然ゴム、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体、スチレン-ブタジエンゴム、スチレン-イソプレンゴム、ポリイソブチレン、ポリイソプレン、ポリアクリレート、シリコンゴム等が挙げられるが、好ましくは、例えば、ポリアクリレートである。
支持体としては、非透水性の材料が選択され、例えば、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリスチレン、ゴム、EVA、PVC、PET等が挙げられる。
【0027】
溶解液溜めとしては、例えば、PET、PVC、PVDC、PP、PE、ポリスチレン、環状ポリオレフィン(COC)、Al、及びこれらの積層体よりなるシート材をドーム状に成型し、その内部に凸状の突起部を形成した成型シート、または、バリアー性の高いシート(PCTFE/PP系、PCTFE/PVC系、環状ポリオレフィン/PP系)、Al蒸着やSiO2蒸着シート等が挙げられる。溶解液溜めは、凸状の突起部を押圧することにより、隔膜または隔膜と支持体の積層体の少なくとも1ヶ所が破壊される。凸状の突起部は、円錐状では破壊される部分が点になり、溶解液の吸収材側への浸透が悪くなる。凸状の突き破り部分(突起部の先端部)は線状または面状であることが好ましい。材料はPCTFE(-CF2-CFCl-)nポリ(クロロ-トリフルオロエチレン)、COC環状ポリオレフィン共重合体でもよい。シートの厚みは例えば100〜500μmとされる。溶解液溜めは、好ましくは、例えば、PP、PP/COC/PP、PCTFE/PP系が用いられる。
隔膜(突起部で破られる膜)としては、例えば、Al、PP、PE及びこれらの積層体が挙げられる。Al箔は、必要に応じ腐食を防止するためのコーティング等を施すことが好ましい。隔膜の厚みは、例えば、Alでは5〜100μm、PPやPEでは15〜50μmとされる。
【0028】
溶解液としては、例えば、水、アルコール類、多価アルコール、界面、活性剤類、糖類、pH調節剤(有機および無機酸類・塩基類)、塩類、水溶性高分子、溶解剤、吸収促進剤、油脂類、保存剤等が挙げられるが、好ましくは、例えば、精製水、グリセリン、メチルパラベン、(プロピルパラベン、プロピレングリコール)等である。
ライナーとしては、例えば、PET、PEN、PP、PE、紙、Al、これらの積層体等が挙げられるが、好ましくは、PETである。また、シリコン処理などの離型性表面処理を行うことが好ましい。さらに、薬物を含む部材に接触しないように、ライナーを凹状に加工することができる。
【0029】
図2は、本発明に係る用時活性化型貼付剤の他の構成例を示す断面図である。本例の貼付剤が図1のものと異なる点は、薬物を含有する吸収材11の下面に溶液透過膜21を備えたところにあり、その他は図1のものと同様である。溶液透過膜21は、吸収材を保持するために有効であり、さらに粉末状の物質を含む際の保持手段として設けられるものである。
溶液透過膜としては、例えば、多孔質膜またはイオン交換膜を用いることができる。多孔質膜としては、例えば、PE、PP、セルロース、セルロースアセテート、PET、ナイロン等が挙げられる。イオン交換膜としては、例えば、陽イオン交換膜、陰イオン交換膜、複合荷電膜等が挙げられるが、好ましくは、ナイロン系の陽イオン交換膜である。但し、吸収材が不織布のときは溶液透過膜はなくてもよい。
【0030】
図3は、本発明に係る用時活性化型貼付剤の他の構成例を示す断面図である。本例の貼付剤は、図1の薬物を含有する吸収材11を、薬物を含有しない吸収材31と薬物を含有する薬物含有層32の2つに分けたものであり、その他は図1のものと同様である。吸収材31と薬物含有層32を分けた理由は、薬物を生体に高濃度で接触させることで、薬剤の吸収を最大限に発揮するためである。
薬物含有層としては、例えば、多孔質膜またはイオン交換膜に薬物を含有させたものを用いることができる。多孔質膜としては、例えば、PE、PP、セルロース、セルロースアセテート、PET、ナイロン等が挙げられる。イオン交換膜としては、例えば、陽イオン交換膜、陰イオン交換膜、複合荷電膜等が挙げられるが、好ましくは、ナイロン系の陽イオン交換膜である。
【0031】
図4は、本発明に係る用時活性化型貼付剤の他の構成例を示す断面図である。本例の貼付剤は、上述の図1〜図3の例とは異なり、用時に溶解液溜めを取り外して用いるものである。本例は、図示のように、支持体45と、支持体45上に配置され乾燥薬物40を含有するとともに液体を吸収できる材料で構成された吸収材41と、支持体45上で吸収材41の周囲に配置され上面に粘着層42を有する壁材43と、吸収材41および粘着層42上に配置され中央部に開口44を有するライナー49と、ライナー49上に配置された隔膜50と、隔膜50上に配置され薬物を溶解する溶解液を隔膜50との間に保持し押圧により隔膜50を破壊するための突起部47を有する溶解液溜め48とを備える。突起部47は、図1のものと同様に構成される。ライナー49は粘着層42に取り外し可能に取り付けられている。ライナーの開口44の形状および寸法は図1の場合と同様である。
【0032】
用時には、まず、溶解液溜め48の上面を押圧すると、突起部47が隔膜50を破る。この際、隔膜50は突起部47からの圧力で破れ、内部の溶解液がライナー49の開口44を介して吸収材41に流れる。この溶解液により、吸収材41が湿潤状態となり薬物40がまんべんなく活性化される。その後、溶解液溜め48とともにライナー49を取り外し、本貼付剤を皮膚に貼る。これにより、活性化された薬物が皮膚に浸透する。本例では、用時に貼付剤本体から溶解液溜め48をライナー49とともに取り外すので、用時には溶解液溜め48中の溶解液が空になるまで待って貼付することが好ましい。
【0033】
図5は、本発明に係る用時活性化型貼付剤の他の構成例を示す断面図である。本例の貼付剤が図4のものと異なる点は、薬物を含有する吸収材41の上面に溶液透過膜51を備えたところにあり、その他は図4のものと同様である。ここで、溶液透過膜51を設けた理由およびその材料は、上述の図2の場合と同様である。
【0034】
図6は、本発明に係る用時活性化型貼付剤の他の構成例を示す断面図である。本例の貼付剤は、図4の薬物を含有する吸収材41を、薬物を含有しない吸収材61と薬物を含有する薬物含有層62の2つに分けたものあり、その他は図4のものと同様である。ここで、吸収材61と薬物含有層62を分けた理由およびその材料は、上述の図3の場合と同様である。
【0035】
図7は、本発明に係る用時活性化型貼付剤のさらに他の構成例を示す断面図である。本例の貼付剤が図1のものと異なる点は、吸収材および粘着層の下面に吸収材との対向部分が凹形状をしたライナー79を備えたところにあり、その他は図1のものと同様である。ここで、ライナー79を凹状に加工するのは、ライナーが薬物を含む部材に接触しないようにするためである。
【0036】
図8は、本発明に係る用時活性化型貼付剤のさらに他の構成例を示す断面図である。本例の貼付剤が図3のものと異なる点は、薬物含有層および粘着層の下面に薬物含有層との対向部分が凹形状をしたライナー89を備えたところにあり、その他は図3のものと同様である。ここで、ライナー89を凹状に加工するのは、ライナーが薬物を含む部材に接触しないようにするためである。
【0037】
図9は、本発明に係る用時活性化型貼付剤に用いる溶解液溜めの一構成例を示す図で、(a)は平面図、(b)は(a)のX−X断面図、(c)は(a)のY−Y断面図である。本例では、用時に溶解液溜めの溶解液ができるだけ液残りなく吸収材へ供給されるように構成を工夫したものである。本例の溶解液溜め90は、溶解液91を保持し、用時に隔膜92を押圧により破るための突起部93を備える。図示のように、本例の隔膜92の溶解液接触部は長円形状を有し、隔膜92自体は円形状を有する。突起部93は、隔膜92の溶解液接触部の長円形状の長手方向に伸びる線状の先端部94を有する。いま、線状の先端部94の長さをL1とし、隔膜92の溶解液接触部の長手方向の長さをL2としたとき、0.1×L2≦L1≦0.5×L2の関係を満たすように設計される。これにより、用時に突起部93が押圧されたとき、隔膜92が線状の先端部94に沿って大きく破れ、溶解液91が良好に外部に流れ、液残りを少なくすることができる。なお、本例では、線状の先端部94が隔膜92と離隔して配置されているが、両者を接触させてもよい。
【0038】
図10は、本発明に係る用時活性化型貼付剤に用いる溶解液溜めの他の構成例を示す平面図である。本例の溶解液溜め100が図9のものと特に異なる点は、本例の隔膜102の溶解液接触部が隔膜102と同様に円形状とされていること、および突起部103が十字状の先端部104を備えていることである。いま、十字状の先端部104の長さをそれぞれL10、L11とし、隔膜102の溶解液接触部の直径をL2としたとき、0.1×L2≦L10≦0.5×L2および/または0.1×L2≦L11≦0.5×L2の関係を満たすように設計される。これにより、用時に突起部103が押圧されたとき、隔膜102が十字状の先端部104によって大きく破れ、溶解液が良好に外部に流れ、液残りを少なくすることができる。
【0039】
図11は、本発明に係る支持体またはライナーの一構成例を示す断面図である。本例は、用時に溶解液溜めの溶解液が速やかに吸収材へ供給されるように構成を工夫したもので、図1〜図3、図7、図8の構成例では支持体に、また図4〜図6の構成例ではライナーに適用可能である。本例の支持体115またはライナー119は、図示のように、溶解液の通る開口114の周辺部がそれ以外の部分よりも吸収材側、すなわち溶解液溜め118の反対側にへこんでいる。これにより、支持体115またはライナー119と溶解液溜め118との間に隙間110が形成される。そして用時に溶解液溜め118が押圧されたとき隔膜113が破れ、この破れた隔膜の一部がこの隙間110に広がることができるので、溶解液が速やかに開口114へ流れ、また溶解液溜め中の溶解液の液残りを少なくすることができる。
【0040】
図12は、本発明に係る支持体またはライナーの他の構成例を示す断面図である。本例もまた、用時に溶解液溜めの溶解液が速やかに吸収材へ供給されるように構成を工夫したもので、図1〜図3、図7、図8の構成例では支持体に、また図4〜図6の構成例ではライナーに適用可能である。本例の支持体125またはライナー129は、図示のように、周辺部から開口124に向かって吸収材側へ傾斜を設けたものである。この場合も、支持体125またはライナー129と溶解液溜め128との間に隙間120が形成される。そして用時に溶解液溜め128が押圧されたとき、隔膜123が破れ、溶解液が周辺部に広がることなく速やかに開口124へ流れ、また溶解液溜め中の溶解液の液残りを少なくすることができる。
【0041】
溶解液溜めと隔膜とを組み合わせたものが溶解液容器である。以下、この溶解液容器の好ましい構成例について説明する。溶解液容器は、少なくとも一部に突起部を加工した溶解液溜めを備える。この突起部は、成型加工により形成することができ、この突起部を押圧することで隔膜を突き破ることができる強度に調整される。従って、アルミニウムを含むシート材(フィルム)は、ひび割れや破断を生じやすいので突起部への加工には不向きである。
【0042】
本発明において、溶解液容器(溶解液溜め)に用いるシート材(フィルム)は、例えばシート材の水蒸気透過性が0.30g/m2・24hr以下であり、より好ましくは0.22g/m2・24hr以下である。そのようなシート材としては、例えば環状ポリオレフィン・コポリマー(COC)やフッ素樹脂を含むフィルムがあり、好ましくはフッ素樹脂積層フィルムがよい。さらに、容器内面は隔膜とのヒートシール可能であることが密封性に優れることから、フッ素樹脂積層フィルムは、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)またはポリエチレン(PE)のフィルムとの積層が好ましい。さらに薬物吸収性の観点から、これらのフィルムとポリプロピレンまたはポリエチレンのフィルムとの積層フィルムがより好ましい。シート材(フィルム)の厚みは、突き破り性と加工性の観点より、約500μmより薄く、好ましくは約100〜400μm、より好ましくは約250〜350μmがよい。隔膜はアルミニウム箔が好ましい。
【0043】
(実験例)
溶解液容器の作製:
例えば、図3のような突起部を有する溶解液溜めを成型加工した。この溶解液溜めに溶解液(30w/w%グリセリン水溶液600μL)を入れ、アクリル粘着材(DURO-TAK 87-2516,50μm)を積層した加工アルミニウム箔(20μm)をヒートシール(140〜150℃,2秒)し、溶解液容器を作成した。
溶解液一体型貼付剤の作製:
上記作製した溶解液容器のアクリル粘着面を製剤上部に接着し、例えば、図3に示すような製剤を作成した。
アルプロスタジル含有溶解液一体型貼付剤の作製:
上記作製した溶解液容器のアクリル粘着面を製剤上部に接着し、例えば、図3に示すような製剤の薬物含有層に薬物(アルプロスタジルアルファデクス5mg)、およびラクトース8mgを含ませて製剤を製造した。製造した製剤は、乾燥剤(Tri-sorb 1g, Sud-Chemie社)と共に、アルムニウム包材中に保管した。
【0044】
次に実施例および比較例を示す。
(実施例1)
溶解液容器(溶解液溜め)の材質は、PEフィルムとCOCフィルムとPEフィルムの積層体(PE/COC/PE)であり、その厚みは350μm、水蒸気透過性は0.22g/m2・24hrである。
(実施例2)
溶解液容器(溶解液溜め)の材質は、PPフィルムとPCTFE(フッ素樹脂)フィルムの積層体(PP/PCTFE)であり、その厚みは300μm、水蒸気透過性は0.11g/m2・24hrである。
(実施例3)
溶解液容器(溶解液溜め)の材質は、PPフィルムとPCTFE(フッ素樹脂)フィルムの積層体(PP/PCTFE)であり、その厚みは250μm、水蒸気透過性は0.14g/m2・24hrである。
(比較例1)
溶解液容器(溶解液溜め)の材質は、PVCフィルムであり、その厚みは300μm、水蒸気透過性は2.70g/m2・24hrである。
(比較例2)
溶解液容器(溶解液溜め)の材質は、PPフィルムであり、その厚みは300μm、水蒸気透過性は0.70g/m2・24hrである。
(比較例3)
溶解液容器(溶解液溜め)の材質は、PPフィルムであり、その厚みは500μm、水蒸気透過性は0.32g/m2・24hrである。
(比較例4)
溶解液容器(溶解液溜め)の材質は、PEフィルムとCOCフィルムとPEフィルムの積層体(PE/COC/PE)であり、その厚みは500μm、水蒸気透過性は0.14g/m2・24hrである。
(比較例5)
溶解液容器(溶解液溜め)の材質は、AlフィルムとPPフィルムの積層体(Al/PP)であり、その厚みは150μm、水蒸気透過性は0g/m2・24hrである。
上記各実施例および比較例に関して、溶解液容器の突起部の成形加工性および隔膜突き破り性について評価し、表1のような結果を得た。
【0045】
【表1】
【0046】
表1に示すように、実施例1〜3及び比較例1、2は、突起部の成形加工性および隔膜突き破り性が共に良好であった(○印)。比較例3及び4(フィルム厚が約500μm)は、突起部の成形加工性は良好であった(○印)が、溶解液容器の強度が大きく、隔膜の突き破り性は極端に低下した(×印)。比較例5は、突起部の加工においてアルムニウムの破断が観察され突起部の成形加工性は悪かった(×印)。
【0047】
次に、各温度条件における溶解液容器重量変化と溶解液移行性を評価した。溶解液一体型貼付剤を作製して、40℃および50℃の温度でそれぞれ1箇月間保存し、溶解液の減量(対初期%)と溶解液の移行性を評価し、表2のような結果を得た。溶解液の移行性は溶解液容器押圧後、薬物保持膜全面への液の移行が観察された時間が約30秒以内の場合を○、約30秒以上の場合を×とした。
【0048】
【表2】
【0049】
長期保存に適する溶解液の減量は13%以下が望ましい。実施例1及び2では、溶解液の減量は40℃および50℃の温度において13%以下であり、長期保存に適する。一方、比較例1では40℃および50℃の温度において、また比較例2では50℃の温度において、保存中の溶解液の顕著な減量が観察され、長期保存には適さない。さらに、用時活性時における薬物保持膜への溶解液移行時間については、実施例1、2及び比較例2は短かったが、比較例1は長くかかった。
【0050】
表1及び表2の結果を総合すると、実施例1〜3に示すように、溶解液容器(溶解液溜め)に用いるシート材(フィルム)は、水蒸気透過性が0.22g/m2・24hr以下であることが好ましい。また、シート材は、厚みが約250〜約350μmであることが好ましい。そのようなシート材は、環状ポリオレフィン・コポリマー(COC)フィルムやフッ素樹脂フィルムを含むものであり、好ましくは環状ポリオレフィン・コポリマー・フィルムとポリオレフィン・フィルムとの積層フィルム、またはフッ素樹脂フィルムとポリオレフィン・フィルムとの積層フィルムが好適である。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、医療分野の外用貼付剤に適用することができる。本発明に係る溶解液溜めを有する用時活性化型貼付剤により、薬物の安定性を維持し、汎用性及び実用性に優れ、簡便に貼付できる貼付剤を得ることができる。また、用時に溶解液溜め中の溶解液の液残りを少なくすることができるので、貼付剤中の薬物濃度を規定どおりに確保することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥薬物を含有するとともに液体を吸収できる材料で構成された吸収材と、前記吸収材の周囲に配置され下面に粘着層を有する壁材と、前記吸収材および壁材上に配置され中央部に開口を有する支持体と、前記支持体上に配置された隔膜と、前記隔膜上に配置され前記薬物を溶解する溶解液を前記隔膜との間に保持し押圧により前記隔膜を破壊するための突起部を有する溶解液溜めとを備えたことを特徴とする用時活性化型貼付剤。
【請求項2】
前記吸収材の下面に溶液透過膜を備えたことを特徴とする請求項1記載の用時活性化型貼付剤。
【請求項3】
前記吸収材および粘着層の下面に前記吸収材との対向部分が凹形状をしたライナーを備えたことを特徴とする請求項1記載の用時活性化型貼付剤。
【請求項4】
乾燥薬物を含有する薬物含有層と、前記薬物含有層上に配置され液体を吸収できる材料で構成された吸収材と、前記吸収材の周囲に配置され下面に粘着層を有する壁材と、前記吸収材および壁材上に配置され中央部に開口を有する支持体と、前記支持体上に配置された隔膜と、前記隔膜上に配置され前記薬物を溶解する溶解液を前記隔膜との間に保持し押圧により前記隔膜を破壊するための突起部を有する溶解液溜めとを備えたことを特徴とする用時活性化型貼付剤。
【請求項5】
前記薬物含有層および粘着層の下面に前記薬物含有層との対向部分が凹形状をしたライナーを備えたことを特徴とする請求項4記載の用時活性化型貼付剤。
【請求項6】
支持体と、前記支持体上に配置され乾燥薬物を含有するとともに液体を吸収できる材料で構成された吸収材と、前記支持体上で前記吸収材の周囲に配置され上面に粘着層を有する壁材と、前記吸収材および粘着層上に配置され中央部に開口を有するライナーと、前記ライナー上に配置された隔膜と、前記隔膜上に配置され前記薬物を溶解する溶解液を前記隔膜との間に保持し押圧により前記隔膜を破壊するための突起部を有する溶解液溜めとを備えたことを特徴とする用時活性化型貼付剤。
【請求項7】
前記吸収材の上面に溶液透過膜を備えたことを特徴とする請求項6記載の用時活性化型貼付剤。
【請求項8】
支持体と、前記支持体上に配置され液体を吸収できる材料で構成された吸収材と、前記支持体上で前記吸収材の周囲に配置され上面に粘着層を有する壁材と、前記吸収材上に配置された乾燥薬物を含有する薬物含有層と、前記薬物含有層および粘着層上に配置され中央部に開口を有するライナーと、前記ライナー上に配置された隔膜と、前記隔膜上に配置され前記薬物を溶解する溶解液を前記隔膜との間に保持し押圧により前記隔膜を破壊するための突起部を有する溶解液溜めとを備えたことを特徴とする用時活性化型貼付剤。
【請求項9】
前記隔膜の溶解液接触部が長円形状を有しており、前記溶解液溜めの突起部が前記長円形状の長手方向に伸びる線状の先端部を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の用時活性化型貼付剤。
【請求項10】
前記線状の先端部の長さをL1とし、前記隔膜の溶解液接触部の長手方向の長さをL2としたとき、0.1×L2≦L1≦0.5×L2の関係を満たすことを特徴とする請求項9記載の用時活性化型貼付剤。
【請求項11】
前記隔膜の溶解液接触部が円形状を有しており、前記溶解液溜めの突起部が十字状の先端部を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の用時活性化型貼付剤。
【請求項12】
前記十字状の先端部の長さをそれぞれL10、L11とし、前記隔膜の溶解液接触部の直径をL2としたとき、0.1×L2≦L10≦0.5×L2および/または0.1×L2≦L11≦0.5×L2の関係を満たすことを特徴とする請求項10記載の用時活性化型貼付剤。
【請求項13】
前記支持体の開口周辺部がそれ以外の部分よりも前記吸収材側にへこんでいることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の用時活性化型貼付剤。
【請求項14】
前記支持体の周辺部から開口に向かって前記吸収材側へ傾斜を設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の用時活性化型貼付剤。
【請求項15】
前記ライナーの開口周辺部がそれ以外の部分よりも前記吸収材側にへこんでいることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の用時活性化型貼付剤。
【請求項16】
前記ライナーの周辺部から開口に向かって前記吸収材側へ傾斜を設けたことを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の用時活性化型貼付剤。
【請求項17】
前記溶解液溜めが、シート材を成型加工して形成され、前記シート材は、水蒸気透過性が0.22g/m2・24hr以下であることを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の用時活性化型貼付剤。
【請求項18】
前記シート材は、厚みが約250〜約350μmであることを特徴とする請求項17記載の用時活性化型貼付剤。
【請求項19】
前記シート材が、環状ポリオレフィン・コポリマー・フィルムを含むことを特徴とする請求項17記載の用時活性化型貼付剤。
【請求項20】
前記シート材が、環状ポリオレフィン・コポリマー・フィルムとポリオレフィン・フィルムとの積層フィルムであることを特徴とする請求項17記載の用時活性化型貼付剤。
【請求項21】
前記シート材が、フッ素樹脂フィルムを含むことを特徴とする請求項17記載の用時活性化型貼付剤。
【請求項22】
前記シート材が、フッ素樹脂フィルムとポリオレフィン・フィルムとの積層フィルムであることを特徴とする請求項17記載の用時活性化型貼付剤。
【請求項23】
前記隔膜が、アルミニウム箔であることを特徴とする請求項1〜22のいずれかに記載の用時活性化型貼付剤。
【請求項1】
乾燥薬物を含有するとともに液体を吸収できる材料で構成された吸収材と、前記吸収材の周囲に配置され下面に粘着層を有する壁材と、前記吸収材および壁材上に配置され中央部に開口を有する支持体と、前記支持体上に配置された隔膜と、前記隔膜上に配置され前記薬物を溶解する溶解液を前記隔膜との間に保持し押圧により前記隔膜を破壊するための突起部を有する溶解液溜めとを備えたことを特徴とする用時活性化型貼付剤。
【請求項2】
前記吸収材の下面に溶液透過膜を備えたことを特徴とする請求項1記載の用時活性化型貼付剤。
【請求項3】
前記吸収材および粘着層の下面に前記吸収材との対向部分が凹形状をしたライナーを備えたことを特徴とする請求項1記載の用時活性化型貼付剤。
【請求項4】
乾燥薬物を含有する薬物含有層と、前記薬物含有層上に配置され液体を吸収できる材料で構成された吸収材と、前記吸収材の周囲に配置され下面に粘着層を有する壁材と、前記吸収材および壁材上に配置され中央部に開口を有する支持体と、前記支持体上に配置された隔膜と、前記隔膜上に配置され前記薬物を溶解する溶解液を前記隔膜との間に保持し押圧により前記隔膜を破壊するための突起部を有する溶解液溜めとを備えたことを特徴とする用時活性化型貼付剤。
【請求項5】
前記薬物含有層および粘着層の下面に前記薬物含有層との対向部分が凹形状をしたライナーを備えたことを特徴とする請求項4記載の用時活性化型貼付剤。
【請求項6】
支持体と、前記支持体上に配置され乾燥薬物を含有するとともに液体を吸収できる材料で構成された吸収材と、前記支持体上で前記吸収材の周囲に配置され上面に粘着層を有する壁材と、前記吸収材および粘着層上に配置され中央部に開口を有するライナーと、前記ライナー上に配置された隔膜と、前記隔膜上に配置され前記薬物を溶解する溶解液を前記隔膜との間に保持し押圧により前記隔膜を破壊するための突起部を有する溶解液溜めとを備えたことを特徴とする用時活性化型貼付剤。
【請求項7】
前記吸収材の上面に溶液透過膜を備えたことを特徴とする請求項6記載の用時活性化型貼付剤。
【請求項8】
支持体と、前記支持体上に配置され液体を吸収できる材料で構成された吸収材と、前記支持体上で前記吸収材の周囲に配置され上面に粘着層を有する壁材と、前記吸収材上に配置された乾燥薬物を含有する薬物含有層と、前記薬物含有層および粘着層上に配置され中央部に開口を有するライナーと、前記ライナー上に配置された隔膜と、前記隔膜上に配置され前記薬物を溶解する溶解液を前記隔膜との間に保持し押圧により前記隔膜を破壊するための突起部を有する溶解液溜めとを備えたことを特徴とする用時活性化型貼付剤。
【請求項9】
前記隔膜の溶解液接触部が長円形状を有しており、前記溶解液溜めの突起部が前記長円形状の長手方向に伸びる線状の先端部を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の用時活性化型貼付剤。
【請求項10】
前記線状の先端部の長さをL1とし、前記隔膜の溶解液接触部の長手方向の長さをL2としたとき、0.1×L2≦L1≦0.5×L2の関係を満たすことを特徴とする請求項9記載の用時活性化型貼付剤。
【請求項11】
前記隔膜の溶解液接触部が円形状を有しており、前記溶解液溜めの突起部が十字状の先端部を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の用時活性化型貼付剤。
【請求項12】
前記十字状の先端部の長さをそれぞれL10、L11とし、前記隔膜の溶解液接触部の直径をL2としたとき、0.1×L2≦L10≦0.5×L2および/または0.1×L2≦L11≦0.5×L2の関係を満たすことを特徴とする請求項10記載の用時活性化型貼付剤。
【請求項13】
前記支持体の開口周辺部がそれ以外の部分よりも前記吸収材側にへこんでいることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の用時活性化型貼付剤。
【請求項14】
前記支持体の周辺部から開口に向かって前記吸収材側へ傾斜を設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の用時活性化型貼付剤。
【請求項15】
前記ライナーの開口周辺部がそれ以外の部分よりも前記吸収材側にへこんでいることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の用時活性化型貼付剤。
【請求項16】
前記ライナーの周辺部から開口に向かって前記吸収材側へ傾斜を設けたことを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の用時活性化型貼付剤。
【請求項17】
前記溶解液溜めが、シート材を成型加工して形成され、前記シート材は、水蒸気透過性が0.22g/m2・24hr以下であることを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の用時活性化型貼付剤。
【請求項18】
前記シート材は、厚みが約250〜約350μmであることを特徴とする請求項17記載の用時活性化型貼付剤。
【請求項19】
前記シート材が、環状ポリオレフィン・コポリマー・フィルムを含むことを特徴とする請求項17記載の用時活性化型貼付剤。
【請求項20】
前記シート材が、環状ポリオレフィン・コポリマー・フィルムとポリオレフィン・フィルムとの積層フィルムであることを特徴とする請求項17記載の用時活性化型貼付剤。
【請求項21】
前記シート材が、フッ素樹脂フィルムを含むことを特徴とする請求項17記載の用時活性化型貼付剤。
【請求項22】
前記シート材が、フッ素樹脂フィルムとポリオレフィン・フィルムとの積層フィルムであることを特徴とする請求項17記載の用時活性化型貼付剤。
【請求項23】
前記隔膜が、アルミニウム箔であることを特徴とする請求項1〜22のいずれかに記載の用時活性化型貼付剤。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【国際公開番号】WO2005/063216
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【発行日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−516700(P2005−516700)
【国際出願番号】PCT/JP2004/019575
【国際出願日】平成16年12月27日(2004.12.27)
【出願人】(000160522)久光製薬株式会社 (121)
【Fターム(参考)】
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【発行日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【国際出願番号】PCT/JP2004/019575
【国際出願日】平成16年12月27日(2004.12.27)
【出願人】(000160522)久光製薬株式会社 (121)
【Fターム(参考)】
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