用紙処理装置及び画像形成システム
【課題】用紙束の排紙の方向転換を行うための機構を簡略化し、用紙束を中綴じ処理部等の処理部よりも鉛直方向の上方から排紙できるようにする。
【解決手段】用紙処理装置3の排紙ユニット部39は、一対のローラ63,64と、排紙積載駆動部66,67と、を備えている。一対のローラ63,63は、少なくとも一方のローラが回転可能である。排紙積載駆動部66,67は、一方のローラ63の軸心を中心に他方のローラ64を回動させ、かつ他方のローラ64を一方のローラ63に接離反可能に支持する。
【解決手段】用紙処理装置3の排紙ユニット部39は、一対のローラ63,64と、排紙積載駆動部66,67と、を備えている。一対のローラ63,63は、少なくとも一方のローラが回転可能である。排紙積載駆動部66,67は、一方のローラ63の軸心を中心に他方のローラ64を回動させ、かつ他方のローラ64を一方のローラ63に接離反可能に支持する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り曲げられた複数の用紙を集積した用紙束に中綴じ処理を行う中綴じ処理部を有する用紙処理装置及びこの用紙処理装置を備える画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成システムは、用紙に画像を形成する画像形成装置と、画像が形成された用紙に対して各種の処理を行う用紙処理装置を備えている。用紙処理装置が行う処理としては、用紙を折り曲げる中折り処理や、折り曲げられた複数の用紙からなる用紙束の端部を裁断する裁断処理や、用紙束における折り曲げられた一端部を角型形状の背面に形成する角背処理等がある。そして、各種の処理が施された用紙束は、排紙ユニット部から排紙される。
【0003】
用紙束を排紙する排紙ユニット部としては、例えば、特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載された用紙処理装置の排紙ユニット部は、中綴じ処理部の近傍に設けられた一対のローラを有している。そして、特許文献1に開示された排紙ユニット部は、一対のローラが回転駆動することで中綴じ処理された用紙束を挟持し、中綴じ処理部よりも鉛直方向の下方に配置された積載部に排紙している。
【0004】
また、特許文献2には、複数のブレード及び用紙束を把持するグリッパとを有する羽根車と、用紙束を排紙する排紙コンベアとを備えた排紙ユニット部が記載されている。この特許文献2に開示された排紙ユニット部では、ブレードで処理部から用紙束を受け取り、グリッパで用紙束を保持している。そして、羽根車が回転することで用紙束を排紙する方向を転換し、羽根車の鉛直方向の下方に配置された排紙コンベアに用紙束の自重によって受け渡している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−90093号公報
【特許文献2】特開2002−104703号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載された用紙処理装置の排紙ユニット部は、いずれも中綴じ処理が施された用紙束を中綴じ処理部よりも鉛直方向の下方から排紙している。そのため、ユーザは、排紙された用紙束を積載部から受け取るためにかがまなければならなかった。
【0007】
さらに、特許文献2に開示された用紙処理装置における排紙ユニット部は、用紙束の排紙の方向転換を行うために、用紙束を受け取る複数のブレードと、用紙束を保持する複数のグリッパと、グリッパの開閉機構とを羽根車に設けている。そのため、特許文献2に開示された技術では、用紙束の方向転換を行う機構が複雑になり、装置の大型化を招いていた。
【0008】
本発明の目的は、上記従来技術における実情を考慮し、用紙束の排紙の方向転換を行うための機構を簡略化し、用紙束を中綴じ処理部等の処理部よりも鉛直方向の上方から排紙することが可能な用紙処理装置及び画像形成システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明の用紙処理装置は、中綴じ処理部と、中綴じ処理部よりも鉛直方向の上方に配置された積載部に、中綴じ処理部で綴じられた用紙束を排紙する排紙ユニット部と、を備えている。中綴じ処理部は、折り曲げられた用紙を複数枚集積して形成された用紙束をステープル針で綴じる。
排紙ユニット部は、一対のローラと、排紙積載駆動部とを備えている。一対のローラは、少なくとも一方が回転可能である。そして、排紙積載駆動部は、一対のローラのうち一方のローラの軸心を中心に他方のローラを回動させ、かつ他方のローラを一方のローラに接離可能に支持する。
【0010】
また、本発明の画像形成システムは、用紙に画像を形成する画像形成装置と、用紙処理装置とを備えている。用紙処理装置は、中綴じ処理部と、排紙ユニット部と、を備えている。中綴じ処理部は、折り曲げられた用紙を複数枚集積して形成された用紙束をステープル針で綴じる。排紙ユニット部は、中綴じ処理部よりも鉛直方向の上方に配置された積載部に、中綴じ処理部で綴じられた用紙束を排紙する。
排紙ユニット部は、一対のローラと、排紙積載駆動部とを備えている。一対のローラは、少なくとも一方が回転可能である。そして、排紙積載駆動部は、一対のローラのうち一方のローラの軸心を中心に他方のローラを回動させ、かつ他方のローラを一方のローラに接離可能に支持する。
【0011】
上記構成の用紙処理装置及び画像形成システムでは、一対のローラが接近することで用紙束を把持する。その後、排紙積載駆動部が他方のローラを回動させ、一対のローラによって用紙束を重力に抗して鉛直方向の上方に持ち上げる。これにより、用紙束を積載部に排紙する位置を、一対のローラが用紙束を把持した位置よりも鉛直方向の上方に転換することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の用紙処理装置及び画像形成システムによれば、用紙束を中綴じ処理部よりも上方に排紙することができ、ユーザがかがまずに、積載部に積載された用紙束を受け取ることができる。さらに、用紙束の排紙の方向転換を行う機構を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の画像形成システムの一実施形態を示す全体構成図である。
【図2】本発明の画像形成システムにおける用紙処理装置を示す概略構成図である。
【図3】本発明の用紙処理装置における中綴じ処理部を示す概略構成図であり、図3Aは中綴じ処理部において一回目のステープル処理を行う状態を示す概略構成図、図3Bは中綴じ処理部において二回目のステープル処理を行う状態を示す概略構成図、図3Cステープル処理が終了した状態を示す概略構成図である。
【図4】本発明の用紙処理装置における用紙束搬送部を示す概略構成図である。
【図5】本発明の用紙処理装置における複合処理部を示す斜視図である。
【図6】本発明の用紙処理装置における複合処理部を示す側面図である。
【図7】本発明の用紙処理装置における排紙ユニット部の第1の排紙積載駆動部を示す側面図である。
【図8】本発明の用紙処理装置における排紙ユニット部の第1の排紙積載駆動部を示す斜視図である。
【図9】本発明の排紙ユニット部の第1のローラ及び第2のローラが用紙束を把持した状態を示す側面図である。
【図10】本発明の排紙ユニット部における第1のローラ及び第2のローラが用紙束を把持した状態を示す斜視図である。
【図11】本発明の排紙ユニット部における第1の排紙積載駆動部の回動部材が回動した状態を示す側面図である。
【図12】本発明の排紙ユニット部における第1の排紙積載駆動部の回動部材が回動した状態を示す斜視図である。
【図13】本発明の排紙ユニット部における第2の排紙積載駆動部の回動部材が回動した状態を示す斜視図である。
【図14】本発明の排紙ユニット部の第1の排紙積載駆動部における回動前の要部を示す側面図である。
【図15】本発明の排紙ユニット部の第1の排紙積載駆動部における回動後の要部を示す側面図である。
【図16】本発明の排紙ユニット部の第1のローラ及び第2のローラが回動した状態を示す斜視図である。
【図17】本発明の排紙ユニット部における用紙束を排紙する状態を示す第2の排紙積載駆動部の側面図である。
【図18】本発明の排紙ユニット部における用紙束を排紙する状態を示す第2の排紙積載駆動部の斜視図である。
【図19】本発明の排紙ユニット部における用紙束を排紙する状態を示す第1の排紙積載駆動部の斜視図である。
【図20】本発明の排紙ユニット部における用紙束の排紙処理が完了した状態を示す第1の排紙積載駆動部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、用紙処理装置及び画像形成システムを実施するための形態例(以下、本例という。)について、図1〜図20を参照して説明する。各図において共通の部材には、同一の符号を付している。なお、本欄の記載は、特許請求の範囲に記載される技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。
【0015】
<画像形成システム>
まず、本例の画像形成システムについて、図1を参照して説明する。
図1は、本発明の画像形成システムの一実施形態を示す全体構成図である。
【0016】
図1に示すように、画像形成システム1は、画像形成装置2と、この画像形成装置2に接続される用紙処理装置3から構成されている。
【0017】
[画像形成装置]
まず、画像形成装置2について説明する。
画像形成装置2は、電子写真方式により用紙に画像を形成するものであり、原稿搬送部11と、画像読取部12と、画像形成部13と、操作表示部14と、制御部15を有する。
【0018】
また、画像形成装置2として電子写真方式による画像を形成する装置を用いた例を説明したが、これに限定されるものではなく、電子写真方式以外にインクジェット方式、熱転写方式、銀塩写真方式等その他各種の画像形成方式の装置を画像形成装置に適用してもよい。
【0019】
原稿搬送部11は、画像読取部12の読取位置に原稿を1枚ずつ搬送する。画像読取部12は、原稿搬送部11により搬送された原稿又は原稿台16に載置された原稿の画像を読み取って、画像信号を生成する。
【0020】
画像形成部13は、ドラム状の感光体21と、感光体21の周囲に配置された帯電部22、露光部23、現像部24、転写部25A、分離部25B及びクリーニング部26を有している。帯電部22は、感光体21の表面を一様に帯電する。露光部23は、原稿から読み取られた画像データに基づいて、感光体21上に露光走査を行って潜像を形成する。現像部24は、トナーを付着させることにより、潜像を反転現像して感光体21の表面にトナー像を形成する。
【0021】
用紙S1は、用紙収納部27に収納されている。この用紙S1は、給紙部28Aにより給紙されて転写位置へ送られる。転写部25Aは、転写位置へ送られた用紙S1上にトナー像を転写する。分離部25Bは、トナー像が転写された用紙S1の裏面の電荷を消去して、用紙S1を感光体21から分離する。感光体21から分離した用紙S1は、中間搬送部28Bにより搬送され、定着部29へ送られる。定着部29は、用紙S1を加熱及び加圧して、トナー像を定着させる。
【0022】
定着部29の用紙S1の搬送方向の下流には、切換ゲート28Cが配置されている。切換ゲート28Cは、定着部29を通過した用紙S1の搬送路を切り替える。すなわち、切換ゲート28Cは、片面画像形成におけるフェースアップ排紙を行う場合には、用紙S1を直進させる。これにより、用紙S1は、一対の排紙ローラ28Dによって排紙される。また、切換ゲート28Cは、片面画像形成におけるフェースダウン排紙及び両面画像形成を行う場合には、用紙S1を下方に案内する。
【0023】
フェースダウン排紙を行う場合は、切換ゲート28Cによって用紙S1を下方に案内した後に、用紙S1の後端が切換ゲート28Cを通過した時点で用紙の搬送方向を切り替え、一対の排紙ローラ28Dによって排紙する。また、両面画像形成を行う場合は、切換ゲート28Cによって用紙S1を下方に案内した後に、用紙反転搬送部28Eに送り込む。そして、表裏反転した用紙S1を、再給紙路28Fを介して再び転写位置に送る。
【0024】
クリーニング部26は、感光体21の表面に残留しているトナーを除去する。
【0025】
操作表示部14は、タッチパネル等を有しており、ユーザが画像形成装置2及び用紙処理装置3を動作させるためのジョブ情報を入力する入力部として機能する。この操作表示部14では、例えば、用紙のサイズの選択や枚数の選択等をジョブ情報として入力することができる。さらに、用紙処理装置3によるステープル処理の有無の選択、ステープル処理において綴じる用紙の枚数等をジョブ情報として入力することもできる。操作表示部14で入力されたジョブ情報は、制御部15に送信される。
【0026】
また、操作表示部14は、スタートボタンを有している。このスタートボタンをユーザが押圧することにより、画像形成装置2及び用紙処理装置3が、操作表示部14により入力されたジョブ情報に関連する動作を開始する。
【0027】
制御部15は、受信したジョブ情報に基づいて画像形成装置2の画像形成動作を制御する。また、制御部15の通信部15aは、用紙処理装置3における用紙処理制御部90の通信部90aと電気的に接続されており、制御部15と用紙処理制御部90との間でシリアル通信が行われている。そして、用紙処理制御部90は、画像形成装置2の画像形成動作に連動して用紙処理装置3が動作するように制御する。
【0028】
[用紙処理装置]
次に、用紙処理装置3について図2〜図4を参照して説明する。
図2は、用紙処理装置3を示す概略構成図である。
用紙処理装置3は、画像形成装置2から供給された用紙にステープル処理や折り曲げ処理等の各種処理を行う装置である。
【0029】
図2に示すように、用紙処理装置3は、受入部31と、第1の用紙搬送部32と、中折り処理部33と、第2の用紙搬送部34(図3参照)と、中綴じ処理部36と、複合処理部37とを備えている。複合処理部37は、用紙束保持機構51と、断裁処理部38及び排紙ユニット部39(図6参照)を有している。
【0030】
なお、用紙処理装置3における水平方向と平行をなし、かつ画像形成装置2と用紙処理装置3とが対向する方向を第1の方向Xとする。また、第1の方向Xと直交し、かつ鉛直方向と直交する方向を第2の方向Yとする。そして、鉛直方向と平行をなす方向を第3の方向Zとする。
【0031】
受入部31は、用紙処理装置3における筐体30の第1の方向Xの一側に設けられている。そして、受入部31は、筐体30の画像形成装置2に対向する面に開口している。この受入部31には、画像形成装置2の排紙ローラ28D(図1参照)から排紙された用紙S1が挿入される。
【0032】
第1の用紙搬送部32は、モータ(不図示)により駆動される複数のローラ32aと、第1の方向Xに沿って配置された搬送路32bから構成されている。この第1の用紙搬送部32は、受入部31が受け取った用紙S1を中折り処理部33に搬送する。
【0033】
中折り処理部33は、互いに圧接された2つの折りローラ33a,33aと、不図示の折り板を備えている。2つの折りローラ33a,33aは、互いに逆方向に回転する。折り板は、用紙Sを押圧して2つの折りローラ33a,33aの間に用紙S1の中央を通過させる。その後、2つの折りローラ33a,33aは、回転方向を反転させて用紙Sを第3の方向Zの下方へ排紙する。これにより、用紙S1は、中央が第3の方向Zの上方に凸となるように折り曲げられ、中折り処理が終了する。
【0034】
図3A〜図3Cは、用紙処理装置3における中綴じ処理部36を第1の方向Xから見た概略構成図である。
図3Aに示すように、中折り処理部33の2つの折りローラ33a,33aの第3の方向Zの下方には、第2の用紙搬送部34が配置されている。第2の用紙搬送部34は、第2の方向Yに沿って配置されている。この第2の用紙搬送部34は、中折り処理部33によって中折り処理された用紙S1を中綴じ処理部36に搬送する。
【0035】
中綴じ処理部36は、用紙集積部40と、ステープル処理部41と、整合部材42と、第1ストッパ44とを有している。用紙集積部40は、第2の方向Yから見た形状が略三角形状に形成されており、一つの頂部40aが第3の方向Zの上方に向いている。用紙集積部40の頂部40aには、中折り処理された用紙S1における折り曲げ部分の内側が載置される。この用紙集積部40に、複数枚の用紙S1が集積されて用紙束S2が形成される。
【0036】
用紙集積部40には、ステープル処理部41が配置されている。ステープル処理部41は、用紙集積部40内に配置された受針機構41aと、受針機構41aと対向する打針機構41bとから構成されている。受針機構41aは、不図示の支持部により第3の方向Zに移動可能に支持されている。打針機構41bは、用紙集積部40における第3の方向Zの上方、すなわち受針機構41aの上方で、不図示の取付部材に固定されている。
【0037】
また、用紙集積部40における第3の方向Zの上方には、整合部材42と、第1ストッパ44が配置されている。整合部材42は、第2の方向Yへ移動可能に構成されている。第1ストッパ44は、第3の方向Zと第2の方向Yへ移動可能に構成されている。さらに、用紙集積部40における第2の方向Yの下流側には、用紙束搬送部43が配置されている。この用紙束搬送部43の第3の方向Zの上方には、第2ストッパ45が配置される。なお、用紙束搬送部43の詳細な構成については、後述する。
【0038】
ここで、図3A〜図3Cを参照して、中綴じ処理部36における中綴じ処理動作について説明する。
まず、図3Aに示すように、整合部材42は、用紙集積部40に所定枚数の用紙S1が集積されて用紙束S2が形成された後、用紙束S2を第1ストッパ44に押し当てることで、用紙束S2の位置揃えを行う。次に、ステープル処理部41の受針機構41aが上昇して、用紙束S2に一回目のステープル処理を行う。このとき、第1ストッパ44は、第3の方向Zの上方に所定の高さまで移動する。
【0039】
一回目のステープル処理が行われると、図3Bに示すように、整合部材42は、第2の方向Yの下流側に所定量移動する。これにより、用紙束S2は、整合部材42によって、2回目のステープル処理が行われる位置まで押し出される。そして、ステープル処理部41の受針機構41aが上昇して、用紙束S2に二回目のステープル処理を行う。
【0040】
二回目のステープル処理を実施しているときに、第1ストッパ44は、第2の方向Yにおける中折り処理部33側へ移動して、用紙束S2における上流側の端部の上方に位置する。また、整合部材42は、第2の方向Yへ移動して所定位置まで退避動作を行う。
【0041】
二回目のステープル処理が行われると、図3Cに示すように、第1ストッパ44は、用紙束S2における上流側の端部に対向する位置まで下降する。続いて、第1ストッパ44は、第2の方向Yにおける第2ストッパ45側に移動する。これにより、用紙束S2は、第1ストッパ44に押し出され、用紙集積部40から用紙束搬送部43へ移動する。
【0042】
なお、本例では、ステープル処理を施した例について説明するが、ステープル処理部41でステープル処理を実施せずに、中折り処理を施した用紙束S2を複合処理部37に搬送してもよい。
【0043】
次に、図4を参照して用紙束搬送部43について説明する。
図4は、用紙処理装置3における用紙束搬送部43を第2の方向Yから見た概略構成図である。
【0044】
用紙束搬送部43は、用紙集積部40(図3C参照)から受け取った用紙束S2を、複合処理部37の用紙束保持機構51における第3の方向Zの直下まで搬送する。図4に示すように、用紙束搬送部43は、用紙束載置部材46と、用紙束移動機構47とを有している。
【0045】
用紙束載置部材46は、用紙集積部40(図1参照)と同様に、第2の方向Yから見た形状が略三角形状に形成されており、一の頂部が第3の方向Zの上方側に向いている。この用紙束載置部材46は、用紙束移動機構47によって第1の方向Xに沿って移動可能に支持されている。
【0046】
用紙束移動機構47は、第1の方向Xと略平行に配置されたスライドレール47aと、スライドレール47aを摺動し、かつ用紙束載置部材46を支持するスライド部材47bと、スライド部材47bを移動させる不図示の駆動部とから構成されている。そして、用紙束S2は、用紙束搬送部43によって複合処理部37の用紙束保持機構51における第3の方向Zの直下まで搬送される。
【0047】
[複合処理部]
次に、複合処理部37について、図5及び図6を参照して説明する。
図5は、複合処理部37を示す斜視図、図6は、複合処理部37の側面図である。
【0048】
図5及び図6に示すように、複合処理部37は、中綴じ処理された用紙束S2を保持する用紙束保持機構51と、用紙束S2を断裁処理する断裁処理部38と、処理が完了した用紙束S2を排紙する排紙ユニット部39と、昇降機構48とを有している。
【0049】
複合処理部37の第3の方向Zの下部には、断裁処理部38が配置されており、複合処理部37の第3の方向Zの上部には、排紙ユニット部39が配置されている。そして、複合処理部37における断裁処理部38と排紙ユニット部39の間には、昇降機構48によって第3の方向Zに昇降可能に支持された用紙束保持機構51が設けられている。
【0050】
昇降機構48は、一対のフレーム481と、不図示の昇降用駆動モータと、ガイドレール483と、駆動伝達シャフト484と、タイミングベルト485とを有している。一対のフレーム481は、第2の方向Yの両側に配置されている。
【0051】
一対のフレーム481の第3の方向Zの下側には、第1のプーリ486が回転可能に取り付けられており、一対のフレーム481の第3の方向Zの上側には、第2のプーリ487が回転可能に取り付けられている。また、一対のフレーム481に設けられた2つの第1のプーリ486は、駆動伝達シャフト484によって連結されている。
【0052】
さらに、第1のプーリ486と第2のプーリ487には、無端ベルトであるタイミングベルト485が掛け渡されている。このタイミングベルト485には、昇降部488が固定されている。また、昇降部488には、用紙束保持機構51が固定されている。
【0053】
図6に示すように、一対のフレーム481のうち第2の方向Yの一側に配置されたフレーム481に設けられた第1のプーリ486には、無端ベルトである駆動伝達ベルト489が掛け渡されている。そして、この駆動伝達ベルト489は、昇降用駆動モータに設けられた昇降用駆動プーリに掛け渡されている。
【0054】
さらに、一対のフレーム481には、第3の方向Zに沿って延在するガイドレール483が設けられている。図5に示すように、ガイドレール483は、第3の方向Zから見た形状が略L字状に形成され、一片がフレーム481に固定されている。このガイドレール483には、後述する用紙束保持機構51の第2の方向Yの両側に設けられたスライド部材が摺動するように取り付けられている。
【0055】
そして、昇降用駆動モータが駆動すると、用紙束保持機構51は、スライド部材を介してガイドレール483に沿って昇降する。
【0056】
なお、本例では、昇降機構48としてベルト送り機構を用いた例を説明したが、これに限定されるものではない。用紙束保持機構51を昇降動作させる昇降機構としては、ラック・アンド・ピニオン機構、送りねじ機構、直動送り機構、リニアモータ駆動機構などその他の直動送り機構を適用することもできる。
【0057】
また、複合処理部37には、用紙束S2を一時的に支持するストッパ機構49が設けられている。ストッパ機構49は、複合処理部37における第3の方向Zの略中央よりもやや下側に配置されている。ストッパ機構49は、用紙束S2の第3の方向Zの下端が当接するストッパ部49aと、ストッパ部49aを展開させる展開部49bとを有している。
【0058】
ストッパ部49aは、略平板状の部材からなり、通常時は、展開部49bに格納されている。そして、用紙束S2を支持する際、ストッパ部49aは展開部49bによって、その主面が用紙束保持機構51が昇降する昇降路と交差するように展開される。
【0059】
[用紙束保持機構]
図5に示すように、用紙束保持機構51は、中綴じ処理された用紙束S2を保持する一対の押圧部材51a,51bと、この押圧部材を第1の方向Xに移動させる駆動機構51cを有している。この用紙束保持機構51は、駆動機構51cが駆動することで一対の押圧部材51a,51bが接近及び離反する。一対の押圧部材51a,51bが接近した際に、用紙束保持機構51は、用紙束S2を保持する。そして、用紙束保持機構51は、用紙束S2を保持した状態で、昇降機構48によって第3の方向Zに昇降し、用紙束S2を断裁処理部38または排紙ユニット部39に搬送する。
【0060】
また、用紙束保持機構51における第3の方向Zの上部には、角背処理部55が設けられている。そして、この角背処理部55は、押圧ローラと、この押圧ローラを用紙束S2におけるステープルが施された部分に沿って移動させるローラ移動機構を備えている。角背処理部55は、用紙束S2における第3の方向Zの上端、すなわち、ステープルが施された部分を外側から押圧ローラによって押圧することにより、用紙束S2におけるステープルが施された部分を角型形状の背面に形成する。
【0061】
次に、排紙ユニット部39の構成について説明する。
図5に示すように、排紙ユニット部39は、一対の排紙フレーム61、62と、第1のローラ63と、第2のローラ64と、第1の排紙積載駆動部66と、第2の排紙積載駆動部67と、積載部68と、用紙束押え部材69と、半円状のガイド板70とを有している。
【0062】
第1の排紙フレーム61は、複合処理部37における第2の方向Yに一側に配置され、第2の排紙フレーム62は、第2の方向Yの他側に配置されている。第1の排紙フレーム61及び第2の排紙フレーム62は、それぞれ略平板状の部材によって形成されており、第1の方向Xの一側には、第3の方向Zの上方に向けて突出する接続片61a,62aが設けられている。
【0063】
この接続片61a,62aには、第1の排紙フレーム61及び第2の排紙フレーム62を連結する連結バー73が固定されている。連結バー73における第2の方向Yの略中央には、用紙束押え部材69が設けられる。
【0064】
また、第1の排紙フレーム61と第2の排紙フレーム62の間には、積載部68とガイド板70が配置されている。ガイド板70は、第1の排紙フレーム61及び第2の排紙フレーム62における第1の方向Xの一側に設けられている。このガイド板70と、第1の排紙フレーム61及び第2の排紙フレーム62の接続片61a,62aと、連結バー73によって用紙束S2を排紙する排紙口74が形成される。
【0065】
さらに、ガイド板70における第2の方向Yの略中央には、第1のローラ63が設けられている。この第1のローラ63の回転中心となる第1の回転軸78(図7参照)は、一対のフレーム61,62に回転可能に支持される。
【0066】
積載部68は、略平板状に形成されており、用紙処理装置3の鉛直方向の上部に配置される(図1参照)。積載部68には、積載された用紙束S2を搬送する搬送ベルト71が設けられている。この搬送ベルト71は、無端状に形成されており、積載部68の第1の方向Xの一端から他端にかけて延在している。そして、搬送ベルト71は、不図示の駆動部により回転する。また、積載部68の第3の方向Zの上方には、用紙押え部材69が配置されている。
【0067】
用紙押え部材69は、一対の排紙フレーム61,62に設けた支持片によって支持されている。この用紙押え部材69は、積載部68に積載された用紙束S2を押さえ、用紙束S2の折り曲げ部分が用紙のコシによって膨らむことを防いでいる。
【0068】
また、図6に示すように、用紙押え部材69は、不図示の駆動部によって回転する押えローラ72を有している。この押えローラ72と上述した搬送ベルト71が回転することで、用紙束S2を排紙口74から離れる方向に押し出している。これにより、排紙口74の近傍に用紙束S2が溜まることを防ぐことができ、用紙束S2を積載部68にスムースに積載することができる。
【0069】
さらに、第1の排紙フレーム61には、第1の排紙積載駆動部66が設けられており、第2の排紙フレーム62には、第2の排紙積載駆動部67が設けられている。そして、第2のローラ64の回転中心となる第2の回転軸79は、第1の排紙積載駆動部66及び第2の排紙積載駆動部67に回転可能に支持されている。
【0070】
[第1の排紙積載駆動部]
次に、図7〜図10を参照して第1の排紙積載駆動部66について説明する。
図7は、第1の排紙積載駆動部66を示す側面図、図8は、第1の排紙積載駆動部66を示す斜視図である。
【0071】
図7及び図8に示すように、第1の排紙積載駆動部66は、駆動源となる開閉回動モータ601と、第1の開閉回動ギア602と、回転体の一例を示す第2の開閉回動ギア603と、回動部材604と、第1の排紙プーリ605と、ガイド部材610を有している。
【0072】
開閉回動モータ601は、第1の排紙フレーム61に取り付けられており、駆動プーリ601aを有している。また、開閉回動モータ601の近傍には、従動プーリ606が配置されている。駆動プーリ601aと従動プーリ606には、無端ベルトである第1の伝達ベルト607が掛け渡されている。
【0073】
また、第1の排紙フレーム61の接続片61aの近傍には、第1の開閉回動ギア602が配置されている。この第1の開閉回動ギア602は、駆動伝達シャフト608の軸方向の一端に固定されている。
【0074】
駆動伝達シャフト608は、第1の排紙フレーム61及び第2の排紙フレーム62を貫通し、第1の排紙フレーム61及び第2の排紙フレーム62に回転可能に支持されている。そして、駆動伝達シャフト608の軸方向の他端には、後述する第2の排紙積載駆動部67の第1の開閉回動ギア702が設けられている(図13参照)。したがって、第1の排紙積載駆動部66の第1の開閉回動ギア602と第2の排紙積載駆動部67の第1の開閉回動ギア702は、駆動伝達シャフト608によって一体に回転する。
【0075】
さらに、第1の開閉回動ギア602には、開閉回動プーリ602aが設けられている。この開閉回動プーリ602aと従動プーリ606には、無端ベルトである第2の伝達ベルト609が掛け渡されている。そのため、第1の開閉回動ギア602は、第1の伝達ベルト607、従動プーリ606及び第2の伝達ベルト609を介して開閉回動モータ601の駆動力が伝達される。
【0076】
第1の開閉回動ギア602は、第2の開閉回動ギア603とかみ合っている。第2の開閉回動ギア603は、第1のローラ63の回転中心となる第1の回転軸78に回転可能に支持される。図8に示すように、この第2の開閉回動ギア603には、回動部材604の姿勢を変更させるための連結ピン611が設けられている。
【0077】
回動部材604は、略平板状に形成されており、第1のローラ63の回転中心となる第1の回転軸78に不図示の軸受けを介して回動可能に支持されている。また、回動部材604には、円弧状に切り欠くことで逃げ孔604aが形成されている。
【0078】
回動部材604には、接続部604bを介して連結部材の一例を示す連結板614が固定されている。連結板614は、第1の回転軸78に回動可能に支持される。この連結板614と回動部材604の間には、第2の開閉回動ギア603が配置される。連結板614には、第2の開閉回動ギア603に設けた連結ピン611が当接する第1当接部614aと、第2当接部614bが形成されている。第1当接部614aと、第2当接部614bの間には、第1の回転軸78の中心が配置される。
【0079】
図9及び図10は、第2の開閉回動ギア603が回転した状態を示す図、図11及び図12は、回動部材604が回動した状態を示す図である。
図9及び図10に示すように、第2の開閉回動ギア603が回転すると、連結ピン611が連結板614の第2当接部614bに当接する。この状態で、さらに第2の開閉回動ギア603が回転すると、連結板614は、連結ピン611に押され、第1の回転軸78を中心に回る。その結果、図11及び図12に示すように、連結板614が固定されている回動部材604も連結板614と一体に回動する。すなわち、回動部材604は、連結ピン611と連結板614からなるカム機構によって回動する。
【0080】
また、図8に示すように、回動部材604と第2の開閉回動ギア603の間には、第1の同期ギア616が配置されている。第1の同期ギア616は、略扇型に形成されており、円弧部分のみに歯が形成されている(図12及び図14参照)。この第1の同期ギア616は、回動部材604に固定され、回動部材604と共に第1の回転軸78に回動可能に支持される。そして、第1の同期ギア616は、回動部材604が回動する際に、回動部材604と一体に回動する(図14及び図15参照)。
【0081】
さらに、第1の同期ギア616には、第1の排紙フレーム61に設けられた第2の同期ギア617がかみ合っている。第2の同期ギア617は、同期軸618の軸方向の一端に固定されている。
【0082】
同期軸618は、第1の排紙フレーム61及び第2の排紙フレーム62を貫通し、第1の排紙フレーム61及び第2の排紙フレーム62に回転可能に支持されている。この同期軸618の軸方向の他端には、後述する第2の排紙積載駆動部67の第2の同期ギア717(図13参照)が固定されている。そのため、第1の排紙積載駆動部66の第2の同期ギア617が回転すると、同期軸618を介して第2の排紙積載駆動部67の第2の同期ギア717が回転する。
【0083】
また、第1の同期ギア616と第2の開閉回動ギア603の間には、第1の排紙プーリ605が配置されている(図19参照)。この第1の排紙プーリ605は、例えば平行ピン等の固定手段によって第1の回転軸78に固定されている。そのため、この第1の排紙プーリ605は、第1の回転軸78、すなわち第1のローラ63と共に回転する。
【0084】
さらに、この第1の排紙プーリ605と後述する第1の排紙ギア612に設けた第2の排紙プーリ612bには、第1の排紙用伝達ベルト621が掛け渡されている。
【0085】
また、回動部材604には、互いにかみ合う第1の排紙ギア612と第2の排紙ギア613が設けられている。第1の排紙ギア612及び第2の排紙ギア613は、それぞれ軸612a,613aを介して回動部材604に回転可能に支持される。第1の排紙ギア612には、第2の排紙プーリ612bが設けられており、第2の排紙ギア613には、第3の排紙プーリ613bが設けられている。
【0086】
第1の排紙ギア612に設けた第2の排紙プーリ612bには、第1の排紙用伝達ベルト621が掛けられている。そのため、この第2の排紙プーリ612bには、第1の排紙プーリ605の回転力、すなわち第1の回転軸78の回転力が伝達される。
【0087】
第1の排紙ギア612とかみ合う第2の排紙ギア613の第3の排紙プーリ613bには、無端ベルトである第2の排紙用伝達ベルト622が掛けられている。この第2の排紙用伝達ベルト622は、第2の回転軸79に設けた第2ローラ用プーリ623にも掛けられている。
【0088】
なお、第3の排紙プーリ613bを有する第2の排紙ギア613は、第1の排紙ギア612とかみ合っているため、第1の排紙ギア612の回転力は、第2の排紙ギア613に伝達される。そのため、第2の回転軸79は、第1の排紙プーリ605、第1の排紙用伝達ベルト621、第2の排紙プーリ612b、第3の排紙プーリ613b、第2の排紙用伝達ベルト622を介して第1の回転軸78の回転力が伝達される。したがって、第2の回転軸79に設けられた第2のローラ64は、第1の回転軸78に設けられた第1のローラ63と共に回転する。
【0089】
また、第2の排紙ギア613の軸613aには、揺動部材624が揺動可能に支持されている。揺動部材624は、略長方形をなす平板状に形成されている。揺動部材624の長手方向の一端は、第2の排紙ギア613の軸613aに揺動可能に支持されており、長手方向の他端は、第2の回転軸79に揺動可能に支持されている。これにより、第2のローラ64が設けられた第2の回転軸79は、第2の排紙ギア613の軸613aを中心に揺動する。
【0090】
第2の回転軸79の軸方向の一端部は、回動部材604に設けた逃げ孔604aを貫通している。なお、第2の回転軸79の軸方向の他端部は、第2の排紙積載駆動部67における回動部材704の逃げ孔704aを貫通している(図13参照)。この逃げ孔604a,704aは、第2の回転軸79が揺動する際の軌跡に対応させて開口している。そのため、第2の回転軸79が揺動する際に、回動部材604と干渉することを防止することができる。
【0091】
さらに、第2の回転軸79の軸方向の一端には、ガイド部材610が回動可能に設けられている。ガイド部材610は、略長方形をなす平板状に形成されている。このガイド部材610には、略長方形状に開口した開閉ガイド溝628が形成されている。開閉ガイド溝628には、第2の開閉回動ギア603に設けた連結ピン611が回動及び摺動可能に係合している。
【0092】
さらに、連結ピン611と第2の回転軸79の軸方向の一端には、付勢部材625が取り付けられている。付勢部材625は、例えば引張コイルばねからなり、第1のローラ63と第2のローラ64が開いた状態(図5参照)では、圧縮された状態で連結ピン611と第2の回転軸79の間に介在される。
【0093】
次に、図13、図17を参照して第2の排紙積載駆動部67について説明する。
図13は、第2の排紙積載駆動部67を示す斜視図、図17は、第2の排紙積載駆動部67を示す側面図である。なお、図13では、用紙束S2を把持した状態を示しており、図17では、用紙束S2を把持し、排紙の方向を転換した状態を示している。
この第2の排紙積載駆動部67は、第1の排紙積載駆動部66とほぼ同様の構成を有しているため、第1の排紙積載駆動部66と同一の構成については、その説明は省略する。
【0094】
図13及び図17に示すように、第2の排紙積載駆動部67は、駆動源となる排紙モータ701と、第1の開閉回動ギア702と、回動部材704と、第1ローラ用プーリ705と、ガイド部材710を有している。
【0095】
図17に示すように、排紙モータ701は、第2の排紙フレーム62に取り付けられている。この排紙モータ701には、駆動プーリ701aが設けられている。
【0096】
また、第2の排紙フレーム62の接続片62aの近傍には、第1の開閉回動ギア702が配置されている。この第1の開閉回動ギア702には、駆動伝達シャフト608を介して第1の排紙積載駆動部66の第1の開閉回動ギア602(図7参照)の回転力が伝達される。
【0097】
この第1の開閉回動ギア702は、第2の開閉回動ギア703とかみ合っている。第2の開閉回動ギア703は、第1の排紙積載駆動部66の第2の開閉回動ギア603と同様に、連結ピン711が設けられている。その他の構成は、第1の排紙積載駆動部66の第2の開閉回動ギア603と同一の構成を有しているため、その説明は省略する。
【0098】
さらに、第1の開閉回動ギア702の近傍には、ガイドプーリ708が設けられている。ガイドプーリ708と駆動プーリ701aには、第1の伝達ベルト707が掛け渡されている。さらに、このガイドプーリ708には、第2の伝達ベルト709が掛けられている。図13に示すように、第2の伝達ベルト709は、第1の回転軸78に設けた第1ローラ用プーリ705にも掛けられている。
【0099】
第1ローラ用プーリ705は、ワンウェイクラッチとなっており、第1の回転軸78に取り付けられている。第1ローラ用プーリ705は、第2の伝達ベルト709から伝達された排紙モータ701(図17参照)の駆動力によって回転する。この第1ローラ用プーリ705が回転することで第1の回転軸78、すなわち第1のローラ63が回転する。
【0100】
回動部材704は、第1の排紙積載駆動部66の回動部材604と同様に、第1の回転軸78に回動可能に支持されている。また、回動部材704には、第2の回転軸79が摺動可能に貫通する逃げ孔704aと、連結板714が固定される接続部704b形成されている。なお、連結板714の構成は、第1の排紙積載駆動部66の連結板614と同一の構成を有しているため、その説明は、省略する。
【0101】
さらに、回動部材704には、扇形に形成された第1の同期ギア716と、揺動軸713が設けられている。第1の同期ギア716は、第1の排紙積載駆動部66の第1の同期ギア616と同様に、第1の開閉回動ギア702の近傍に設けた第2の同期ギア717とかみ合っている。
【0102】
揺動軸713には、揺動部材724が揺動可能に支持されている。この揺動部材724は、略長方形をなす平板状に形成されている。揺動部材724の長手方向の一端は、揺動軸713に揺動可能に支持されており、長手方向の他端は、第2の回転軸79に揺動可能に支持されている。
【0103】
第2の回転軸79の軸方向の他端には、第1の排紙積載駆動部66と同様に、ガイド部材710が取り付けられている。さらに、第1の排紙積載駆動部66と同様に、第2回転軸の軸方向の他端と連結ピン711には、付勢部材725が設けられている。ガイド部材710及び付勢部材725の構成は、第1の排紙積載駆動部66のガイド部材610及び付勢部材625と同一であるため、その説明は省略する。
【0104】
[複合処理部37の動作]
次に、複合処理部37の動作について図5〜図20を参照して説明する。
まず、図6に示すように、用紙束搬送部43によって中綴じ処理部36から搬送された用紙束S2の第3の方向Zの上端が用紙束保持機構51によって保持される、次に、断裁処理を行う場合、昇降機構48が駆動し、用紙束S2を保持した用紙束保持機構51が断裁処理部38側に下降する。そして、用紙束保持機構51が所定の位置まで下降すると、断裁処理部38は、用紙束S2の第3の方向Zの下端部に対して断裁処理を行う。このとき、用紙束S2は、用紙束保持機構51に保持されているため、断裁処理を行う際に用紙束S2がズレること防ぐことができる。
【0105】
また、角背処理部55で角背処理する場合は、角背処理部55を駆動させて、用紙束S2におけるステープルが施された部分を角型形状の背面に形成する。
【0106】
用紙束S2に所定の処理を実施すると、用紙束保持機構51は、昇降機構48によって第3の方向Zに沿って排紙ユニット部39側に移動する。図5に示すように、用紙束S2の第3の方向Zの下方にストッパ機構49が展開される。そして、用紙束保持機構51は、一対の押圧部材51a,51bを離反させて一時的に用紙束S2の保持を解除する。ことのき、用紙束S2の第3の方向Zの下端がストッパ機構49によって支持されているため、用紙束S2は、複合処理部37の第3の方向Zの下側に落ちることがない。
【0107】
次に、昇降機構48が駆動し、用紙束保持機構51が第3の方向Zに用紙束S2の下端側に移動する。用紙束保持機構51が所定の位置まで移動すると、用紙束保持機構51は、一対の押圧部材51a,51bを接近させて、再び用紙束S2を保持する。用紙束保持機構51によって用紙束S2が再度の保持が完了すると、ストッパ機構49は、格納される。
【0108】
これにより、図5に示すように、用紙束S2の第3の方向Zの下端側を保持することができ、排紙ユニット部39への受け渡し代を確保することができる。その結果、用紙束保持機構51に保持された用紙束S2を排紙ユニット部39が受け取り易くなり、用紙束S2の受け渡し作業を容易に行うことができる。
【0109】
用紙束保持機構51が排紙ユニット部39へ用紙束S2を搬送するとき、図5に示すように、排紙ユニット部39の第2のローラ64は、第1のローラ63から離反し、第1のローラ63と第2のローラ64の間が開いている。以下、この排紙ユニット部39の状態を受け取りポジションという。このとき、図7及び図8に示すように、第2の開閉回動ギア603に設けた連結ピン611は、開閉ガイド溝628における長手方向の一側に位置している。
【0110】
[把持動作]
次に、図9、図10及び図14を参照して用紙束S2の把持動作について説明する。
図9及び図10、図14は、用紙束S2を把持した状態の第1の排紙積載駆動部66を示す図である。
【0111】
図9に示すように、用紙束S2が所定の位置、すなわち用紙束S2における第3の方向Zの上端が第1のローラ63及び第2のローラ64の間に挿入されると、第1の排紙積載駆動部66に設けた開閉回動モータ601が駆動し、駆動プーリ601aが矢印R1の方向に回転する。
【0112】
開閉回動モータ601が駆動すると、駆動プーリ601a、第1の伝達ベルト607、従動プーリ606及び第2の伝達ベルト609を介して第1の開閉回動ギア602に開閉回動モータ601の駆動力が伝達される。そして、この駆動力により、第1の開閉回動ギア602が回転する。
【0113】
図10に示すように、第1の開閉回動ギア602が回動することで、この第1の開閉回動ギア602とかみあっている第2の開閉回動ギア603が回転する。なお、第1の開閉回動ギア602の回転力は、駆動伝達シャフト608を介して第2の排紙積載駆動部67の第1の開閉回動ギア702に伝達される。そのため、第2の排紙積載駆動部67の第1の開閉回動ギア702は、第1の排紙積載駆動部66の第1の開閉回動ギア602と共に回転する(図13参照)。
【0114】
第2の開閉回動ギア603が回転すると、この第2の開閉回動ギア603に設けた連結ピン611が、付勢部材625の弾性力に抗して図9に示す矢印R2の方向に回転する。そして、連結ピン611は、連結板614の第1当接部614aから第1の回転軸78の中心を超えて第2当接部614bまで移動する。
【0115】
このとき、連結ピン611は、ガイド部材610の開閉ガイド溝628を摺動し、開閉ガイド溝628の長手方向の他端に当接する。さらに連結ピン611が移動することで、ガイド部材610は、連結ピン611に操作されて第1のローラ63の第1の回転軸78側に移動する。また、第2の排紙積載駆動部67のガイド部材710も、同様に、第1の回転軸78側に移動する。
【0116】
ガイド部材610の長手方向の一端には、第2の回転軸79が取り付けられている。また、第2の回転軸79は、揺動部材624を介して第2の排紙ギア613の軸613aを中心に揺動する。また、第2の回転軸79の他端が取り付けられている第2の排紙積載駆動部67の揺動部材724が揺動軸713を中心に揺動する。すなわち、第2の回転軸79は、連結ピン611及びガイド部材610からなるカム機構と、ガイド部材610及び揺動部材624からなるリンク機構によって揺動する。
【0117】
そして、第2の回転軸79に設けた第2のローラ64が第1のローラ63に接近する。これにより、用紙束S2は、第1のローラ63と第2のローラ64によって把持される。
【0118】
ここで、第2の回転軸79と連結ピン611は、引張コイルばねである付勢部材625によって連結されている。そして、第2の回転軸79は、付勢部材625が伸長した際に生じる付勢力によって、連結ピン611側、すなわち第1の回転軸78側に付勢される。これにより、第2のローラ64が第1のローラ63側に引き付けられるため、第1のローラ63及び第2のローラ64が用紙束S2を把持する際に生じるガタツキを防ぎ、用紙束S2を強固に把持することができる。
【0119】
さらに、付勢部材625が伸縮することで、第1のローラ63及び第2のローラ64の間隔を用紙束S2の厚みに応じて調節することが可能となる。これにより、枚数が少ない用紙束S2でも第1のローラ63及び第2のローラ64によって確実に把持することができる。
【0120】
第1のローラ63の第1の回転軸78に設けた第1ローラ用プーリ705は、ワンウェウイクラッチであり、第1の回転軸78には、用紙束S2を排紙する方向のみの回転力しか伝達されない。そのため、第1の回転軸78、すなわち第1のローラ63は、用紙束S2を排紙する方向のみにしか回転しない。その結果、第1のローラ63と第2のローラ64で用紙束S2を把持した際に、第1のローラ63が逆方向に回転して把持した用紙束S2を落とすということを防ぐことができる。
【0121】
次に、用紙束S2が第1のローラ63及び第2のローラ64に把持されると、用紙束保持機構51は、一対の押圧部材51a,51bを離反させて、用紙束S2の保持を解除する。そして、図4に示すように、用紙束保持機構51は、用紙束搬送部43によって搬送された次に処理を行う用紙束S2を受け取りにいく。
【0122】
[方向転換動作]
次に、図11〜図15を参照して用紙束S2の排紙の方向転換動作について説明する。
図11及び図12、図15は、回動部材604が回動した状態の第1の排紙積載駆動部66を示す図であり、図13は、回動部材704が回動した状態の第2の排紙積載駆動部67を示す図である。図16は、第2のローラ64が回動した状態の排紙ユニット部39を示す斜視図である。
【0123】
図11及び図12に示すように、第2の開閉回動ギア603がさらに回転すると、連結板614の第2当接部614bが連結ピン611に押され、連結板614は、第1の回転軸78を中心に矢印R2の方向に回動する。
【0124】
なお、本例では、連結板614は、略90度回動する。そして、連結板614が固定されている回動部材604も第1の回転軸78を中心に回動する。また、回動部材604が回動することで、回動部材604に設けた揺動部材624に支持されている第2の回転軸79も第1の回転軸78を中心に回動する。なお、第2の排紙積載駆動部67の回動部材704も、同様に第1の回転軸78を中心に回動する。
【0125】
ここで、図14に示すように、回動部材604には、第1の同期ギア616が固定されている。そのため、回動部材604が回動することで、図15に示すように、回動部材604の回動に合わせて第1の同期ギア616が、第1の回転軸78を中心に回動する。さらに、この第1の同期ギア616とかみ合う第2の同期ギア617が回転する。
【0126】
そして、図13に示すように、第2の同期ギア617が固定されている同期軸618の他端には、第2の排紙積載駆動部67の第2の同期ギア717が設けられている。そのため、第1の排紙積載駆動部66を第2の同期ギア617と第2の排紙積載駆動部67の第2の同期ギア717は、同期軸618を介して同期して回転する。
【0127】
これにより、第1の同期ギア616,716、第2の同期ギア617,717及び同期軸618によって、第1の排紙積載駆動部66の回動部材604と第2の排紙積載駆動部67の回動部材704の回動動作の同期させることができる。その結果、第2の回転軸79の軸方向の一端部と他端部で回動動作にズレが生じ、第2の回転軸79にねじれが発生することを防止することができ、第2の回転軸79をスムースに回動させることができる。
【0128】
次に、回動部材604の回動動作が所定の角度まで回動すると、開閉回動モータ601の駆動が停止する。これにより、図16に示すように、第1のローラ63及び第2のローラ64に把持された用紙束S2の搬送方向が第3の方向Zから第1の方向Xに略90度転換される。
【0129】
また、第2のローラ64が第1のローラ63の第1の回転軸78を中心に回動するため、用紙束S2を用紙束保持機構51から受け取った位置よりも第3の方向Zの上側に重力に抗して持ち上げることができる。その結果、用紙束S2は、一対の排紙フレーム61,62よって形成される排紙口74を臨み、中綴じ処理部36(図1参照)よりも上方から用紙束S2を排紙することができる。
【0130】
さらに、本例の排紙ユニット部39によれば、一つの開閉回動モータ601を駆動させるだけで、第1のローラ63及び第2のローラ64によって用紙束S2の把持動作と、用紙束S2の排紙の方向転換を行うことができる。これにより、装置の小型化を図ることが可能となる。
【0131】
[排紙動作]
次に、図17〜図19を参照して用紙束S2の排紙動作について説明する。
図17及び図18は、用紙束S2の排紙処理を行う状態の第2の排紙積載駆動部67を示す図である。図19は、用紙束S2の排紙処理を行う状態の第1の排紙積載駆動部66を示す図である。
【0132】
図17に示すように、第2の排紙積載駆動部67に設けた排紙モータ701を駆動させる。図17及び図18に示すように、排紙モータ701が駆動すると、駆動プーリ701aが矢印R3の方向に回転する。そして、駆動プーリ701aから、第1の伝達ベルト707、ガイドプーリ708及び第2の伝達ベルト709を介して第1ローラ用プーリ705に排紙モータ701の駆動力が伝達される。
【0133】
そして、この伝達された駆動力により第1ローラ用プーリ705が回転し、第1の回転軸78が回転する。そして、第1の回転軸78に設けられた第1のローラ63が用紙束S2を排紙する方向に回転する。
【0134】
第1の回転軸78が回転すると、図19に示すように、第1の排紙積載駆動部66に設けた第1の排紙プーリ605が回転する。第1の排紙プーリ605が回転することで、第1の排紙用伝達ベルト621、第1の排紙ギア612,第2の排紙ギア613及び第2の排紙用伝達ベルト622を介して第2ローラ用プーリ623にその回転力が伝達される。そして、第2ローラ用プーリ623は、第2の回転軸79に固定されているため、第2の回転軸79、すなわち第2のローラ64が用紙束S2を排紙する方向に回転する。
【0135】
これにより、一つの排紙モータ701によって、第1のローラ63及び第2のローラ64を回転させることができる。したがて、本例の排紙ユニット部39によれば、モータの数を削減することができ、装置の小型化を図ることが可能である。
【0136】
そして、図16に示すように、第1のローラ63と第2のローラ64によって把持された用紙束S2が積載部68に排紙される。用紙束S2の排紙処理が終了すると、排紙モータ701の駆動が停止して、第1のローラ63及び第2のローラ64の回転が止まる。
【0137】
このように、本例の排紙ユニット部39によれば、第1のローラ63及び第2のローラ64が用紙束S2の把持動作、用紙束S2の方向転換動作及び用紙束S2の排紙動作という3つの処理動作を行っている。これにより、従来の排紙ユニット部のように、各動作に応じた部品を設ける必要がなくなり、部品点数の削減及び装置の小型化を図ることができる。
【0138】
[動作終了]
次に、図20を参照して用紙束S2の排紙処理が終了した状態について説明する。
図20は、用紙束S2の排紙処理が完了した状態の第1の排紙積載駆動部の側面図である。
【0139】
図20に示すように、第1の排紙積載駆動部66に設けた開閉回動モータ601を図9に示す矢印R1と反対の方向である矢印R4の方向に駆動させる。これにより、第2の開閉回動ギア603は、矢印R5の方向に回転する。第2の開閉回動ギア603が回転することで、連結ピン611は、第1の回転軸78を超えて連結板614の第2当接部614bから第1当接部614aに移動する。
【0140】
そして、連結ピン611が移動することで、連結ピン611と係合しているガイド部材610が操作されて、第1の回転軸78から離反する方向に移動する。また、ガイド部材610の長手方向の一端に取り付けられた第2の回転軸79は、揺動部材624を介して第2の排紙ギア613の軸613aを中心に揺動する。
【0141】
また、第2の回転軸79の他端が取り付けられている第2の排紙積載駆動部67の揺動部材724が揺動軸713を中心に揺動する。そして、第2の回転軸79に設けた第2のローラ64が第1のローラ63に離反する。
【0142】
さらに第2の開閉回動ギア603及び連結ピン611が回転すると、連結板614の第1当接部614aが連結ピン611に押される。そして、連結板614、第2の回転軸79及び連結板614が固定されている回動部材604は、第1の回転軸78を中心に回動する。これにより、排紙ユニット部39は、図7及び図8に示す受け取りポジションに戻る。そして、排紙ユニット部39が受け取りポジションに戻ると、開閉回動モータ601の駆動が停止する。
【0143】
また、排紙ユニット部39には、用紙束S2の把持動作、用紙束S2の方向転換動作、及び用紙束S2の排紙動作という各動作の終了を検知する不図示のセンサが設けられている。
【0144】
以上、後処理装置及び画像形成システムの実施の形態について、その作用効果も含めて説明した。しかしながら、本発明の後処理装置及び画像形成システムは、上述の実施の形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
【0145】
上述した実施の形態例では、第1のローラ63及び第2のローラ64の両方が回転して用紙束S2を排紙する例を説明したが、第1のローラ63または第2のローラ64のうち少なくとも一方のローラを回転させればよい。
【0146】
さらに、用紙束S2の方向転換を行ってから用紙束S2の排紙動作を行ったが、開閉回動モータ601と排紙モータ701を同時に駆動させて、用紙束S2の排紙の方向転換を行いながら用紙束S2の排紙動作を行ってもよい。
【0147】
また、用紙束S2の方向転換を行うために、回動部材604、第2の回転軸79及び第2のローラ64を略90度回動させて例を説明したが、これに限定されるものではない。回動部材604、第2の回転軸79及び第2のローラ64の回動角度は、用紙束S2を排紙する際に、用紙束S2を重力に抗して持ち上げ、中綴じ処理部36よりも上方に排紙できる角度であれば90度未満であってもよい。
【0148】
さらに、上述した実施の形態例では、用紙束S2の把持動作及び方向転換動作のために開閉回動モータ601を設け、用紙束S2の排紙動作のために排紙モータ701を設けたがこれに限定されるものでない。例えば、把持動作、方向転換動作及び排紙動作ごとにモータを設けてもよく、全ての動作を一つのモータの駆動力で行ってもよい。
【0149】
例えば、次のような構成により、一つのモータの駆動力で把持動作、方向転換動作及び排紙動作の全ての動作を行うことができる。
上述した実施の形態例において、回動部材604が回動した際に、第1の開閉回動ギア602と、回動部材604に設けた第1の排紙ギア612をかみ合わせる。これにより、第1の開閉回動ギア602の回転力が第1の排紙ギア612に伝達される。なお、第1の開閉回動ギア602と第1の排紙ギア612がかみ合う際に、第1の開閉回動ギア602と第2の開閉回動ギア603のかみ合いを解除する。
【0150】
そして、この第1の排紙ギア612に伝達された回転力は、第1の排紙用伝達ベルト621を介して第1の排紙プーリ605と、第2の排紙ギア613、第2の排紙用伝達ベルト622を介して第2ローラ用プーリ623に伝達される。第1の排紙プーリ605及び第2ローラ用プーリ623が回転することで、第1の回転軸78及び第2の回転軸79が回転し、第1のローラ63と第2のローラ64が回転する。
【0151】
これにより、一つのモータで把持動作、方向転換動作及び排紙動作の全ての動作を行うことができる。その結果、上述した実施の形態例よりも部品点数を削減することができる。
【0152】
さらに、上述した実施の形態例では、単色画像を形成する例を説明したが、複数の画像形成部を設けてカラー画像を形成する画像形成装置に適用してもよい。
【符号の説明】
【0153】
1…画像形成システム、 2…画像形成装置、 3…用紙処理装置、 11…原稿搬送部、 12…画像読取部、 13…画像形成部、 14…操作表示部、 15…制御部、 16…原稿台、 21…感光体、 22…帯電部、 23…露光部、 24…現像部、 25A…転写部、 25B…分離部、 26…クリーニング部、 27…用紙収納部、 29…定着部、 30…筐体、 31…受入部、 32…第1の用紙搬送部、 33…中折り処理部、 34…第2の用紙搬送部、 36…中綴じ処理部、 37…複合処理部、 38…断裁処理部、 39…排紙ユニット部、 40…用紙集積部、 41…ステープル処理部、 43…用紙束搬送部、 46…用紙束載置部材、 48…昇降機構、 51…用紙束保持機構、 61…第1の排紙フレーム、 62…第2の排紙フレーム、 63…第1のローラ、 64…第2のローラ、 66…第1の排紙積載駆動部、 67…第2の排紙積載駆動部、 68…積載部、 74…排紙口、 78…第1の回転軸、 79…第2の回転軸、 601…開閉回動モータ(駆動源)、 602,702…第1の開閉回動ギア、 603,703…第2の開閉回動ギア(回転体)、 604,704…回動部材、 605…第1の排紙プーリ、 610,710…ガイド部材、 611,711…連結ピン、 612…第1の排紙ギア、 613…第2の排紙ギア、 613a,713…軸(揺動軸)、 614,714…連結板(連結部材)、 616…第1の同期ギア、 617…第2の同期ギア、 623…第2ローラ用プーリ、 624,724…揺動部材、 625,725…付勢部材、 701…排紙モータ(駆動源)、 705…第ローラ用プーリ、 S1…用紙、 S2…用紙束、 H…高さ方向、 W…幅方向、 D…奥行き方向、 X…第2の方向、 Y…第1の方向、 Z…第3の方向(鉛直方向)
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り曲げられた複数の用紙を集積した用紙束に中綴じ処理を行う中綴じ処理部を有する用紙処理装置及びこの用紙処理装置を備える画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成システムは、用紙に画像を形成する画像形成装置と、画像が形成された用紙に対して各種の処理を行う用紙処理装置を備えている。用紙処理装置が行う処理としては、用紙を折り曲げる中折り処理や、折り曲げられた複数の用紙からなる用紙束の端部を裁断する裁断処理や、用紙束における折り曲げられた一端部を角型形状の背面に形成する角背処理等がある。そして、各種の処理が施された用紙束は、排紙ユニット部から排紙される。
【0003】
用紙束を排紙する排紙ユニット部としては、例えば、特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載された用紙処理装置の排紙ユニット部は、中綴じ処理部の近傍に設けられた一対のローラを有している。そして、特許文献1に開示された排紙ユニット部は、一対のローラが回転駆動することで中綴じ処理された用紙束を挟持し、中綴じ処理部よりも鉛直方向の下方に配置された積載部に排紙している。
【0004】
また、特許文献2には、複数のブレード及び用紙束を把持するグリッパとを有する羽根車と、用紙束を排紙する排紙コンベアとを備えた排紙ユニット部が記載されている。この特許文献2に開示された排紙ユニット部では、ブレードで処理部から用紙束を受け取り、グリッパで用紙束を保持している。そして、羽根車が回転することで用紙束を排紙する方向を転換し、羽根車の鉛直方向の下方に配置された排紙コンベアに用紙束の自重によって受け渡している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−90093号公報
【特許文献2】特開2002−104703号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載された用紙処理装置の排紙ユニット部は、いずれも中綴じ処理が施された用紙束を中綴じ処理部よりも鉛直方向の下方から排紙している。そのため、ユーザは、排紙された用紙束を積載部から受け取るためにかがまなければならなかった。
【0007】
さらに、特許文献2に開示された用紙処理装置における排紙ユニット部は、用紙束の排紙の方向転換を行うために、用紙束を受け取る複数のブレードと、用紙束を保持する複数のグリッパと、グリッパの開閉機構とを羽根車に設けている。そのため、特許文献2に開示された技術では、用紙束の方向転換を行う機構が複雑になり、装置の大型化を招いていた。
【0008】
本発明の目的は、上記従来技術における実情を考慮し、用紙束の排紙の方向転換を行うための機構を簡略化し、用紙束を中綴じ処理部等の処理部よりも鉛直方向の上方から排紙することが可能な用紙処理装置及び画像形成システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明の用紙処理装置は、中綴じ処理部と、中綴じ処理部よりも鉛直方向の上方に配置された積載部に、中綴じ処理部で綴じられた用紙束を排紙する排紙ユニット部と、を備えている。中綴じ処理部は、折り曲げられた用紙を複数枚集積して形成された用紙束をステープル針で綴じる。
排紙ユニット部は、一対のローラと、排紙積載駆動部とを備えている。一対のローラは、少なくとも一方が回転可能である。そして、排紙積載駆動部は、一対のローラのうち一方のローラの軸心を中心に他方のローラを回動させ、かつ他方のローラを一方のローラに接離可能に支持する。
【0010】
また、本発明の画像形成システムは、用紙に画像を形成する画像形成装置と、用紙処理装置とを備えている。用紙処理装置は、中綴じ処理部と、排紙ユニット部と、を備えている。中綴じ処理部は、折り曲げられた用紙を複数枚集積して形成された用紙束をステープル針で綴じる。排紙ユニット部は、中綴じ処理部よりも鉛直方向の上方に配置された積載部に、中綴じ処理部で綴じられた用紙束を排紙する。
排紙ユニット部は、一対のローラと、排紙積載駆動部とを備えている。一対のローラは、少なくとも一方が回転可能である。そして、排紙積載駆動部は、一対のローラのうち一方のローラの軸心を中心に他方のローラを回動させ、かつ他方のローラを一方のローラに接離可能に支持する。
【0011】
上記構成の用紙処理装置及び画像形成システムでは、一対のローラが接近することで用紙束を把持する。その後、排紙積載駆動部が他方のローラを回動させ、一対のローラによって用紙束を重力に抗して鉛直方向の上方に持ち上げる。これにより、用紙束を積載部に排紙する位置を、一対のローラが用紙束を把持した位置よりも鉛直方向の上方に転換することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の用紙処理装置及び画像形成システムによれば、用紙束を中綴じ処理部よりも上方に排紙することができ、ユーザがかがまずに、積載部に積載された用紙束を受け取ることができる。さらに、用紙束の排紙の方向転換を行う機構を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の画像形成システムの一実施形態を示す全体構成図である。
【図2】本発明の画像形成システムにおける用紙処理装置を示す概略構成図である。
【図3】本発明の用紙処理装置における中綴じ処理部を示す概略構成図であり、図3Aは中綴じ処理部において一回目のステープル処理を行う状態を示す概略構成図、図3Bは中綴じ処理部において二回目のステープル処理を行う状態を示す概略構成図、図3Cステープル処理が終了した状態を示す概略構成図である。
【図4】本発明の用紙処理装置における用紙束搬送部を示す概略構成図である。
【図5】本発明の用紙処理装置における複合処理部を示す斜視図である。
【図6】本発明の用紙処理装置における複合処理部を示す側面図である。
【図7】本発明の用紙処理装置における排紙ユニット部の第1の排紙積載駆動部を示す側面図である。
【図8】本発明の用紙処理装置における排紙ユニット部の第1の排紙積載駆動部を示す斜視図である。
【図9】本発明の排紙ユニット部の第1のローラ及び第2のローラが用紙束を把持した状態を示す側面図である。
【図10】本発明の排紙ユニット部における第1のローラ及び第2のローラが用紙束を把持した状態を示す斜視図である。
【図11】本発明の排紙ユニット部における第1の排紙積載駆動部の回動部材が回動した状態を示す側面図である。
【図12】本発明の排紙ユニット部における第1の排紙積載駆動部の回動部材が回動した状態を示す斜視図である。
【図13】本発明の排紙ユニット部における第2の排紙積載駆動部の回動部材が回動した状態を示す斜視図である。
【図14】本発明の排紙ユニット部の第1の排紙積載駆動部における回動前の要部を示す側面図である。
【図15】本発明の排紙ユニット部の第1の排紙積載駆動部における回動後の要部を示す側面図である。
【図16】本発明の排紙ユニット部の第1のローラ及び第2のローラが回動した状態を示す斜視図である。
【図17】本発明の排紙ユニット部における用紙束を排紙する状態を示す第2の排紙積載駆動部の側面図である。
【図18】本発明の排紙ユニット部における用紙束を排紙する状態を示す第2の排紙積載駆動部の斜視図である。
【図19】本発明の排紙ユニット部における用紙束を排紙する状態を示す第1の排紙積載駆動部の斜視図である。
【図20】本発明の排紙ユニット部における用紙束の排紙処理が完了した状態を示す第1の排紙積載駆動部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、用紙処理装置及び画像形成システムを実施するための形態例(以下、本例という。)について、図1〜図20を参照して説明する。各図において共通の部材には、同一の符号を付している。なお、本欄の記載は、特許請求の範囲に記載される技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。
【0015】
<画像形成システム>
まず、本例の画像形成システムについて、図1を参照して説明する。
図1は、本発明の画像形成システムの一実施形態を示す全体構成図である。
【0016】
図1に示すように、画像形成システム1は、画像形成装置2と、この画像形成装置2に接続される用紙処理装置3から構成されている。
【0017】
[画像形成装置]
まず、画像形成装置2について説明する。
画像形成装置2は、電子写真方式により用紙に画像を形成するものであり、原稿搬送部11と、画像読取部12と、画像形成部13と、操作表示部14と、制御部15を有する。
【0018】
また、画像形成装置2として電子写真方式による画像を形成する装置を用いた例を説明したが、これに限定されるものではなく、電子写真方式以外にインクジェット方式、熱転写方式、銀塩写真方式等その他各種の画像形成方式の装置を画像形成装置に適用してもよい。
【0019】
原稿搬送部11は、画像読取部12の読取位置に原稿を1枚ずつ搬送する。画像読取部12は、原稿搬送部11により搬送された原稿又は原稿台16に載置された原稿の画像を読み取って、画像信号を生成する。
【0020】
画像形成部13は、ドラム状の感光体21と、感光体21の周囲に配置された帯電部22、露光部23、現像部24、転写部25A、分離部25B及びクリーニング部26を有している。帯電部22は、感光体21の表面を一様に帯電する。露光部23は、原稿から読み取られた画像データに基づいて、感光体21上に露光走査を行って潜像を形成する。現像部24は、トナーを付着させることにより、潜像を反転現像して感光体21の表面にトナー像を形成する。
【0021】
用紙S1は、用紙収納部27に収納されている。この用紙S1は、給紙部28Aにより給紙されて転写位置へ送られる。転写部25Aは、転写位置へ送られた用紙S1上にトナー像を転写する。分離部25Bは、トナー像が転写された用紙S1の裏面の電荷を消去して、用紙S1を感光体21から分離する。感光体21から分離した用紙S1は、中間搬送部28Bにより搬送され、定着部29へ送られる。定着部29は、用紙S1を加熱及び加圧して、トナー像を定着させる。
【0022】
定着部29の用紙S1の搬送方向の下流には、切換ゲート28Cが配置されている。切換ゲート28Cは、定着部29を通過した用紙S1の搬送路を切り替える。すなわち、切換ゲート28Cは、片面画像形成におけるフェースアップ排紙を行う場合には、用紙S1を直進させる。これにより、用紙S1は、一対の排紙ローラ28Dによって排紙される。また、切換ゲート28Cは、片面画像形成におけるフェースダウン排紙及び両面画像形成を行う場合には、用紙S1を下方に案内する。
【0023】
フェースダウン排紙を行う場合は、切換ゲート28Cによって用紙S1を下方に案内した後に、用紙S1の後端が切換ゲート28Cを通過した時点で用紙の搬送方向を切り替え、一対の排紙ローラ28Dによって排紙する。また、両面画像形成を行う場合は、切換ゲート28Cによって用紙S1を下方に案内した後に、用紙反転搬送部28Eに送り込む。そして、表裏反転した用紙S1を、再給紙路28Fを介して再び転写位置に送る。
【0024】
クリーニング部26は、感光体21の表面に残留しているトナーを除去する。
【0025】
操作表示部14は、タッチパネル等を有しており、ユーザが画像形成装置2及び用紙処理装置3を動作させるためのジョブ情報を入力する入力部として機能する。この操作表示部14では、例えば、用紙のサイズの選択や枚数の選択等をジョブ情報として入力することができる。さらに、用紙処理装置3によるステープル処理の有無の選択、ステープル処理において綴じる用紙の枚数等をジョブ情報として入力することもできる。操作表示部14で入力されたジョブ情報は、制御部15に送信される。
【0026】
また、操作表示部14は、スタートボタンを有している。このスタートボタンをユーザが押圧することにより、画像形成装置2及び用紙処理装置3が、操作表示部14により入力されたジョブ情報に関連する動作を開始する。
【0027】
制御部15は、受信したジョブ情報に基づいて画像形成装置2の画像形成動作を制御する。また、制御部15の通信部15aは、用紙処理装置3における用紙処理制御部90の通信部90aと電気的に接続されており、制御部15と用紙処理制御部90との間でシリアル通信が行われている。そして、用紙処理制御部90は、画像形成装置2の画像形成動作に連動して用紙処理装置3が動作するように制御する。
【0028】
[用紙処理装置]
次に、用紙処理装置3について図2〜図4を参照して説明する。
図2は、用紙処理装置3を示す概略構成図である。
用紙処理装置3は、画像形成装置2から供給された用紙にステープル処理や折り曲げ処理等の各種処理を行う装置である。
【0029】
図2に示すように、用紙処理装置3は、受入部31と、第1の用紙搬送部32と、中折り処理部33と、第2の用紙搬送部34(図3参照)と、中綴じ処理部36と、複合処理部37とを備えている。複合処理部37は、用紙束保持機構51と、断裁処理部38及び排紙ユニット部39(図6参照)を有している。
【0030】
なお、用紙処理装置3における水平方向と平行をなし、かつ画像形成装置2と用紙処理装置3とが対向する方向を第1の方向Xとする。また、第1の方向Xと直交し、かつ鉛直方向と直交する方向を第2の方向Yとする。そして、鉛直方向と平行をなす方向を第3の方向Zとする。
【0031】
受入部31は、用紙処理装置3における筐体30の第1の方向Xの一側に設けられている。そして、受入部31は、筐体30の画像形成装置2に対向する面に開口している。この受入部31には、画像形成装置2の排紙ローラ28D(図1参照)から排紙された用紙S1が挿入される。
【0032】
第1の用紙搬送部32は、モータ(不図示)により駆動される複数のローラ32aと、第1の方向Xに沿って配置された搬送路32bから構成されている。この第1の用紙搬送部32は、受入部31が受け取った用紙S1を中折り処理部33に搬送する。
【0033】
中折り処理部33は、互いに圧接された2つの折りローラ33a,33aと、不図示の折り板を備えている。2つの折りローラ33a,33aは、互いに逆方向に回転する。折り板は、用紙Sを押圧して2つの折りローラ33a,33aの間に用紙S1の中央を通過させる。その後、2つの折りローラ33a,33aは、回転方向を反転させて用紙Sを第3の方向Zの下方へ排紙する。これにより、用紙S1は、中央が第3の方向Zの上方に凸となるように折り曲げられ、中折り処理が終了する。
【0034】
図3A〜図3Cは、用紙処理装置3における中綴じ処理部36を第1の方向Xから見た概略構成図である。
図3Aに示すように、中折り処理部33の2つの折りローラ33a,33aの第3の方向Zの下方には、第2の用紙搬送部34が配置されている。第2の用紙搬送部34は、第2の方向Yに沿って配置されている。この第2の用紙搬送部34は、中折り処理部33によって中折り処理された用紙S1を中綴じ処理部36に搬送する。
【0035】
中綴じ処理部36は、用紙集積部40と、ステープル処理部41と、整合部材42と、第1ストッパ44とを有している。用紙集積部40は、第2の方向Yから見た形状が略三角形状に形成されており、一つの頂部40aが第3の方向Zの上方に向いている。用紙集積部40の頂部40aには、中折り処理された用紙S1における折り曲げ部分の内側が載置される。この用紙集積部40に、複数枚の用紙S1が集積されて用紙束S2が形成される。
【0036】
用紙集積部40には、ステープル処理部41が配置されている。ステープル処理部41は、用紙集積部40内に配置された受針機構41aと、受針機構41aと対向する打針機構41bとから構成されている。受針機構41aは、不図示の支持部により第3の方向Zに移動可能に支持されている。打針機構41bは、用紙集積部40における第3の方向Zの上方、すなわち受針機構41aの上方で、不図示の取付部材に固定されている。
【0037】
また、用紙集積部40における第3の方向Zの上方には、整合部材42と、第1ストッパ44が配置されている。整合部材42は、第2の方向Yへ移動可能に構成されている。第1ストッパ44は、第3の方向Zと第2の方向Yへ移動可能に構成されている。さらに、用紙集積部40における第2の方向Yの下流側には、用紙束搬送部43が配置されている。この用紙束搬送部43の第3の方向Zの上方には、第2ストッパ45が配置される。なお、用紙束搬送部43の詳細な構成については、後述する。
【0038】
ここで、図3A〜図3Cを参照して、中綴じ処理部36における中綴じ処理動作について説明する。
まず、図3Aに示すように、整合部材42は、用紙集積部40に所定枚数の用紙S1が集積されて用紙束S2が形成された後、用紙束S2を第1ストッパ44に押し当てることで、用紙束S2の位置揃えを行う。次に、ステープル処理部41の受針機構41aが上昇して、用紙束S2に一回目のステープル処理を行う。このとき、第1ストッパ44は、第3の方向Zの上方に所定の高さまで移動する。
【0039】
一回目のステープル処理が行われると、図3Bに示すように、整合部材42は、第2の方向Yの下流側に所定量移動する。これにより、用紙束S2は、整合部材42によって、2回目のステープル処理が行われる位置まで押し出される。そして、ステープル処理部41の受針機構41aが上昇して、用紙束S2に二回目のステープル処理を行う。
【0040】
二回目のステープル処理を実施しているときに、第1ストッパ44は、第2の方向Yにおける中折り処理部33側へ移動して、用紙束S2における上流側の端部の上方に位置する。また、整合部材42は、第2の方向Yへ移動して所定位置まで退避動作を行う。
【0041】
二回目のステープル処理が行われると、図3Cに示すように、第1ストッパ44は、用紙束S2における上流側の端部に対向する位置まで下降する。続いて、第1ストッパ44は、第2の方向Yにおける第2ストッパ45側に移動する。これにより、用紙束S2は、第1ストッパ44に押し出され、用紙集積部40から用紙束搬送部43へ移動する。
【0042】
なお、本例では、ステープル処理を施した例について説明するが、ステープル処理部41でステープル処理を実施せずに、中折り処理を施した用紙束S2を複合処理部37に搬送してもよい。
【0043】
次に、図4を参照して用紙束搬送部43について説明する。
図4は、用紙処理装置3における用紙束搬送部43を第2の方向Yから見た概略構成図である。
【0044】
用紙束搬送部43は、用紙集積部40(図3C参照)から受け取った用紙束S2を、複合処理部37の用紙束保持機構51における第3の方向Zの直下まで搬送する。図4に示すように、用紙束搬送部43は、用紙束載置部材46と、用紙束移動機構47とを有している。
【0045】
用紙束載置部材46は、用紙集積部40(図1参照)と同様に、第2の方向Yから見た形状が略三角形状に形成されており、一の頂部が第3の方向Zの上方側に向いている。この用紙束載置部材46は、用紙束移動機構47によって第1の方向Xに沿って移動可能に支持されている。
【0046】
用紙束移動機構47は、第1の方向Xと略平行に配置されたスライドレール47aと、スライドレール47aを摺動し、かつ用紙束載置部材46を支持するスライド部材47bと、スライド部材47bを移動させる不図示の駆動部とから構成されている。そして、用紙束S2は、用紙束搬送部43によって複合処理部37の用紙束保持機構51における第3の方向Zの直下まで搬送される。
【0047】
[複合処理部]
次に、複合処理部37について、図5及び図6を参照して説明する。
図5は、複合処理部37を示す斜視図、図6は、複合処理部37の側面図である。
【0048】
図5及び図6に示すように、複合処理部37は、中綴じ処理された用紙束S2を保持する用紙束保持機構51と、用紙束S2を断裁処理する断裁処理部38と、処理が完了した用紙束S2を排紙する排紙ユニット部39と、昇降機構48とを有している。
【0049】
複合処理部37の第3の方向Zの下部には、断裁処理部38が配置されており、複合処理部37の第3の方向Zの上部には、排紙ユニット部39が配置されている。そして、複合処理部37における断裁処理部38と排紙ユニット部39の間には、昇降機構48によって第3の方向Zに昇降可能に支持された用紙束保持機構51が設けられている。
【0050】
昇降機構48は、一対のフレーム481と、不図示の昇降用駆動モータと、ガイドレール483と、駆動伝達シャフト484と、タイミングベルト485とを有している。一対のフレーム481は、第2の方向Yの両側に配置されている。
【0051】
一対のフレーム481の第3の方向Zの下側には、第1のプーリ486が回転可能に取り付けられており、一対のフレーム481の第3の方向Zの上側には、第2のプーリ487が回転可能に取り付けられている。また、一対のフレーム481に設けられた2つの第1のプーリ486は、駆動伝達シャフト484によって連結されている。
【0052】
さらに、第1のプーリ486と第2のプーリ487には、無端ベルトであるタイミングベルト485が掛け渡されている。このタイミングベルト485には、昇降部488が固定されている。また、昇降部488には、用紙束保持機構51が固定されている。
【0053】
図6に示すように、一対のフレーム481のうち第2の方向Yの一側に配置されたフレーム481に設けられた第1のプーリ486には、無端ベルトである駆動伝達ベルト489が掛け渡されている。そして、この駆動伝達ベルト489は、昇降用駆動モータに設けられた昇降用駆動プーリに掛け渡されている。
【0054】
さらに、一対のフレーム481には、第3の方向Zに沿って延在するガイドレール483が設けられている。図5に示すように、ガイドレール483は、第3の方向Zから見た形状が略L字状に形成され、一片がフレーム481に固定されている。このガイドレール483には、後述する用紙束保持機構51の第2の方向Yの両側に設けられたスライド部材が摺動するように取り付けられている。
【0055】
そして、昇降用駆動モータが駆動すると、用紙束保持機構51は、スライド部材を介してガイドレール483に沿って昇降する。
【0056】
なお、本例では、昇降機構48としてベルト送り機構を用いた例を説明したが、これに限定されるものではない。用紙束保持機構51を昇降動作させる昇降機構としては、ラック・アンド・ピニオン機構、送りねじ機構、直動送り機構、リニアモータ駆動機構などその他の直動送り機構を適用することもできる。
【0057】
また、複合処理部37には、用紙束S2を一時的に支持するストッパ機構49が設けられている。ストッパ機構49は、複合処理部37における第3の方向Zの略中央よりもやや下側に配置されている。ストッパ機構49は、用紙束S2の第3の方向Zの下端が当接するストッパ部49aと、ストッパ部49aを展開させる展開部49bとを有している。
【0058】
ストッパ部49aは、略平板状の部材からなり、通常時は、展開部49bに格納されている。そして、用紙束S2を支持する際、ストッパ部49aは展開部49bによって、その主面が用紙束保持機構51が昇降する昇降路と交差するように展開される。
【0059】
[用紙束保持機構]
図5に示すように、用紙束保持機構51は、中綴じ処理された用紙束S2を保持する一対の押圧部材51a,51bと、この押圧部材を第1の方向Xに移動させる駆動機構51cを有している。この用紙束保持機構51は、駆動機構51cが駆動することで一対の押圧部材51a,51bが接近及び離反する。一対の押圧部材51a,51bが接近した際に、用紙束保持機構51は、用紙束S2を保持する。そして、用紙束保持機構51は、用紙束S2を保持した状態で、昇降機構48によって第3の方向Zに昇降し、用紙束S2を断裁処理部38または排紙ユニット部39に搬送する。
【0060】
また、用紙束保持機構51における第3の方向Zの上部には、角背処理部55が設けられている。そして、この角背処理部55は、押圧ローラと、この押圧ローラを用紙束S2におけるステープルが施された部分に沿って移動させるローラ移動機構を備えている。角背処理部55は、用紙束S2における第3の方向Zの上端、すなわち、ステープルが施された部分を外側から押圧ローラによって押圧することにより、用紙束S2におけるステープルが施された部分を角型形状の背面に形成する。
【0061】
次に、排紙ユニット部39の構成について説明する。
図5に示すように、排紙ユニット部39は、一対の排紙フレーム61、62と、第1のローラ63と、第2のローラ64と、第1の排紙積載駆動部66と、第2の排紙積載駆動部67と、積載部68と、用紙束押え部材69と、半円状のガイド板70とを有している。
【0062】
第1の排紙フレーム61は、複合処理部37における第2の方向Yに一側に配置され、第2の排紙フレーム62は、第2の方向Yの他側に配置されている。第1の排紙フレーム61及び第2の排紙フレーム62は、それぞれ略平板状の部材によって形成されており、第1の方向Xの一側には、第3の方向Zの上方に向けて突出する接続片61a,62aが設けられている。
【0063】
この接続片61a,62aには、第1の排紙フレーム61及び第2の排紙フレーム62を連結する連結バー73が固定されている。連結バー73における第2の方向Yの略中央には、用紙束押え部材69が設けられる。
【0064】
また、第1の排紙フレーム61と第2の排紙フレーム62の間には、積載部68とガイド板70が配置されている。ガイド板70は、第1の排紙フレーム61及び第2の排紙フレーム62における第1の方向Xの一側に設けられている。このガイド板70と、第1の排紙フレーム61及び第2の排紙フレーム62の接続片61a,62aと、連結バー73によって用紙束S2を排紙する排紙口74が形成される。
【0065】
さらに、ガイド板70における第2の方向Yの略中央には、第1のローラ63が設けられている。この第1のローラ63の回転中心となる第1の回転軸78(図7参照)は、一対のフレーム61,62に回転可能に支持される。
【0066】
積載部68は、略平板状に形成されており、用紙処理装置3の鉛直方向の上部に配置される(図1参照)。積載部68には、積載された用紙束S2を搬送する搬送ベルト71が設けられている。この搬送ベルト71は、無端状に形成されており、積載部68の第1の方向Xの一端から他端にかけて延在している。そして、搬送ベルト71は、不図示の駆動部により回転する。また、積載部68の第3の方向Zの上方には、用紙押え部材69が配置されている。
【0067】
用紙押え部材69は、一対の排紙フレーム61,62に設けた支持片によって支持されている。この用紙押え部材69は、積載部68に積載された用紙束S2を押さえ、用紙束S2の折り曲げ部分が用紙のコシによって膨らむことを防いでいる。
【0068】
また、図6に示すように、用紙押え部材69は、不図示の駆動部によって回転する押えローラ72を有している。この押えローラ72と上述した搬送ベルト71が回転することで、用紙束S2を排紙口74から離れる方向に押し出している。これにより、排紙口74の近傍に用紙束S2が溜まることを防ぐことができ、用紙束S2を積載部68にスムースに積載することができる。
【0069】
さらに、第1の排紙フレーム61には、第1の排紙積載駆動部66が設けられており、第2の排紙フレーム62には、第2の排紙積載駆動部67が設けられている。そして、第2のローラ64の回転中心となる第2の回転軸79は、第1の排紙積載駆動部66及び第2の排紙積載駆動部67に回転可能に支持されている。
【0070】
[第1の排紙積載駆動部]
次に、図7〜図10を参照して第1の排紙積載駆動部66について説明する。
図7は、第1の排紙積載駆動部66を示す側面図、図8は、第1の排紙積載駆動部66を示す斜視図である。
【0071】
図7及び図8に示すように、第1の排紙積載駆動部66は、駆動源となる開閉回動モータ601と、第1の開閉回動ギア602と、回転体の一例を示す第2の開閉回動ギア603と、回動部材604と、第1の排紙プーリ605と、ガイド部材610を有している。
【0072】
開閉回動モータ601は、第1の排紙フレーム61に取り付けられており、駆動プーリ601aを有している。また、開閉回動モータ601の近傍には、従動プーリ606が配置されている。駆動プーリ601aと従動プーリ606には、無端ベルトである第1の伝達ベルト607が掛け渡されている。
【0073】
また、第1の排紙フレーム61の接続片61aの近傍には、第1の開閉回動ギア602が配置されている。この第1の開閉回動ギア602は、駆動伝達シャフト608の軸方向の一端に固定されている。
【0074】
駆動伝達シャフト608は、第1の排紙フレーム61及び第2の排紙フレーム62を貫通し、第1の排紙フレーム61及び第2の排紙フレーム62に回転可能に支持されている。そして、駆動伝達シャフト608の軸方向の他端には、後述する第2の排紙積載駆動部67の第1の開閉回動ギア702が設けられている(図13参照)。したがって、第1の排紙積載駆動部66の第1の開閉回動ギア602と第2の排紙積載駆動部67の第1の開閉回動ギア702は、駆動伝達シャフト608によって一体に回転する。
【0075】
さらに、第1の開閉回動ギア602には、開閉回動プーリ602aが設けられている。この開閉回動プーリ602aと従動プーリ606には、無端ベルトである第2の伝達ベルト609が掛け渡されている。そのため、第1の開閉回動ギア602は、第1の伝達ベルト607、従動プーリ606及び第2の伝達ベルト609を介して開閉回動モータ601の駆動力が伝達される。
【0076】
第1の開閉回動ギア602は、第2の開閉回動ギア603とかみ合っている。第2の開閉回動ギア603は、第1のローラ63の回転中心となる第1の回転軸78に回転可能に支持される。図8に示すように、この第2の開閉回動ギア603には、回動部材604の姿勢を変更させるための連結ピン611が設けられている。
【0077】
回動部材604は、略平板状に形成されており、第1のローラ63の回転中心となる第1の回転軸78に不図示の軸受けを介して回動可能に支持されている。また、回動部材604には、円弧状に切り欠くことで逃げ孔604aが形成されている。
【0078】
回動部材604には、接続部604bを介して連結部材の一例を示す連結板614が固定されている。連結板614は、第1の回転軸78に回動可能に支持される。この連結板614と回動部材604の間には、第2の開閉回動ギア603が配置される。連結板614には、第2の開閉回動ギア603に設けた連結ピン611が当接する第1当接部614aと、第2当接部614bが形成されている。第1当接部614aと、第2当接部614bの間には、第1の回転軸78の中心が配置される。
【0079】
図9及び図10は、第2の開閉回動ギア603が回転した状態を示す図、図11及び図12は、回動部材604が回動した状態を示す図である。
図9及び図10に示すように、第2の開閉回動ギア603が回転すると、連結ピン611が連結板614の第2当接部614bに当接する。この状態で、さらに第2の開閉回動ギア603が回転すると、連結板614は、連結ピン611に押され、第1の回転軸78を中心に回る。その結果、図11及び図12に示すように、連結板614が固定されている回動部材604も連結板614と一体に回動する。すなわち、回動部材604は、連結ピン611と連結板614からなるカム機構によって回動する。
【0080】
また、図8に示すように、回動部材604と第2の開閉回動ギア603の間には、第1の同期ギア616が配置されている。第1の同期ギア616は、略扇型に形成されており、円弧部分のみに歯が形成されている(図12及び図14参照)。この第1の同期ギア616は、回動部材604に固定され、回動部材604と共に第1の回転軸78に回動可能に支持される。そして、第1の同期ギア616は、回動部材604が回動する際に、回動部材604と一体に回動する(図14及び図15参照)。
【0081】
さらに、第1の同期ギア616には、第1の排紙フレーム61に設けられた第2の同期ギア617がかみ合っている。第2の同期ギア617は、同期軸618の軸方向の一端に固定されている。
【0082】
同期軸618は、第1の排紙フレーム61及び第2の排紙フレーム62を貫通し、第1の排紙フレーム61及び第2の排紙フレーム62に回転可能に支持されている。この同期軸618の軸方向の他端には、後述する第2の排紙積載駆動部67の第2の同期ギア717(図13参照)が固定されている。そのため、第1の排紙積載駆動部66の第2の同期ギア617が回転すると、同期軸618を介して第2の排紙積載駆動部67の第2の同期ギア717が回転する。
【0083】
また、第1の同期ギア616と第2の開閉回動ギア603の間には、第1の排紙プーリ605が配置されている(図19参照)。この第1の排紙プーリ605は、例えば平行ピン等の固定手段によって第1の回転軸78に固定されている。そのため、この第1の排紙プーリ605は、第1の回転軸78、すなわち第1のローラ63と共に回転する。
【0084】
さらに、この第1の排紙プーリ605と後述する第1の排紙ギア612に設けた第2の排紙プーリ612bには、第1の排紙用伝達ベルト621が掛け渡されている。
【0085】
また、回動部材604には、互いにかみ合う第1の排紙ギア612と第2の排紙ギア613が設けられている。第1の排紙ギア612及び第2の排紙ギア613は、それぞれ軸612a,613aを介して回動部材604に回転可能に支持される。第1の排紙ギア612には、第2の排紙プーリ612bが設けられており、第2の排紙ギア613には、第3の排紙プーリ613bが設けられている。
【0086】
第1の排紙ギア612に設けた第2の排紙プーリ612bには、第1の排紙用伝達ベルト621が掛けられている。そのため、この第2の排紙プーリ612bには、第1の排紙プーリ605の回転力、すなわち第1の回転軸78の回転力が伝達される。
【0087】
第1の排紙ギア612とかみ合う第2の排紙ギア613の第3の排紙プーリ613bには、無端ベルトである第2の排紙用伝達ベルト622が掛けられている。この第2の排紙用伝達ベルト622は、第2の回転軸79に設けた第2ローラ用プーリ623にも掛けられている。
【0088】
なお、第3の排紙プーリ613bを有する第2の排紙ギア613は、第1の排紙ギア612とかみ合っているため、第1の排紙ギア612の回転力は、第2の排紙ギア613に伝達される。そのため、第2の回転軸79は、第1の排紙プーリ605、第1の排紙用伝達ベルト621、第2の排紙プーリ612b、第3の排紙プーリ613b、第2の排紙用伝達ベルト622を介して第1の回転軸78の回転力が伝達される。したがって、第2の回転軸79に設けられた第2のローラ64は、第1の回転軸78に設けられた第1のローラ63と共に回転する。
【0089】
また、第2の排紙ギア613の軸613aには、揺動部材624が揺動可能に支持されている。揺動部材624は、略長方形をなす平板状に形成されている。揺動部材624の長手方向の一端は、第2の排紙ギア613の軸613aに揺動可能に支持されており、長手方向の他端は、第2の回転軸79に揺動可能に支持されている。これにより、第2のローラ64が設けられた第2の回転軸79は、第2の排紙ギア613の軸613aを中心に揺動する。
【0090】
第2の回転軸79の軸方向の一端部は、回動部材604に設けた逃げ孔604aを貫通している。なお、第2の回転軸79の軸方向の他端部は、第2の排紙積載駆動部67における回動部材704の逃げ孔704aを貫通している(図13参照)。この逃げ孔604a,704aは、第2の回転軸79が揺動する際の軌跡に対応させて開口している。そのため、第2の回転軸79が揺動する際に、回動部材604と干渉することを防止することができる。
【0091】
さらに、第2の回転軸79の軸方向の一端には、ガイド部材610が回動可能に設けられている。ガイド部材610は、略長方形をなす平板状に形成されている。このガイド部材610には、略長方形状に開口した開閉ガイド溝628が形成されている。開閉ガイド溝628には、第2の開閉回動ギア603に設けた連結ピン611が回動及び摺動可能に係合している。
【0092】
さらに、連結ピン611と第2の回転軸79の軸方向の一端には、付勢部材625が取り付けられている。付勢部材625は、例えば引張コイルばねからなり、第1のローラ63と第2のローラ64が開いた状態(図5参照)では、圧縮された状態で連結ピン611と第2の回転軸79の間に介在される。
【0093】
次に、図13、図17を参照して第2の排紙積載駆動部67について説明する。
図13は、第2の排紙積載駆動部67を示す斜視図、図17は、第2の排紙積載駆動部67を示す側面図である。なお、図13では、用紙束S2を把持した状態を示しており、図17では、用紙束S2を把持し、排紙の方向を転換した状態を示している。
この第2の排紙積載駆動部67は、第1の排紙積載駆動部66とほぼ同様の構成を有しているため、第1の排紙積載駆動部66と同一の構成については、その説明は省略する。
【0094】
図13及び図17に示すように、第2の排紙積載駆動部67は、駆動源となる排紙モータ701と、第1の開閉回動ギア702と、回動部材704と、第1ローラ用プーリ705と、ガイド部材710を有している。
【0095】
図17に示すように、排紙モータ701は、第2の排紙フレーム62に取り付けられている。この排紙モータ701には、駆動プーリ701aが設けられている。
【0096】
また、第2の排紙フレーム62の接続片62aの近傍には、第1の開閉回動ギア702が配置されている。この第1の開閉回動ギア702には、駆動伝達シャフト608を介して第1の排紙積載駆動部66の第1の開閉回動ギア602(図7参照)の回転力が伝達される。
【0097】
この第1の開閉回動ギア702は、第2の開閉回動ギア703とかみ合っている。第2の開閉回動ギア703は、第1の排紙積載駆動部66の第2の開閉回動ギア603と同様に、連結ピン711が設けられている。その他の構成は、第1の排紙積載駆動部66の第2の開閉回動ギア603と同一の構成を有しているため、その説明は省略する。
【0098】
さらに、第1の開閉回動ギア702の近傍には、ガイドプーリ708が設けられている。ガイドプーリ708と駆動プーリ701aには、第1の伝達ベルト707が掛け渡されている。さらに、このガイドプーリ708には、第2の伝達ベルト709が掛けられている。図13に示すように、第2の伝達ベルト709は、第1の回転軸78に設けた第1ローラ用プーリ705にも掛けられている。
【0099】
第1ローラ用プーリ705は、ワンウェイクラッチとなっており、第1の回転軸78に取り付けられている。第1ローラ用プーリ705は、第2の伝達ベルト709から伝達された排紙モータ701(図17参照)の駆動力によって回転する。この第1ローラ用プーリ705が回転することで第1の回転軸78、すなわち第1のローラ63が回転する。
【0100】
回動部材704は、第1の排紙積載駆動部66の回動部材604と同様に、第1の回転軸78に回動可能に支持されている。また、回動部材704には、第2の回転軸79が摺動可能に貫通する逃げ孔704aと、連結板714が固定される接続部704b形成されている。なお、連結板714の構成は、第1の排紙積載駆動部66の連結板614と同一の構成を有しているため、その説明は、省略する。
【0101】
さらに、回動部材704には、扇形に形成された第1の同期ギア716と、揺動軸713が設けられている。第1の同期ギア716は、第1の排紙積載駆動部66の第1の同期ギア616と同様に、第1の開閉回動ギア702の近傍に設けた第2の同期ギア717とかみ合っている。
【0102】
揺動軸713には、揺動部材724が揺動可能に支持されている。この揺動部材724は、略長方形をなす平板状に形成されている。揺動部材724の長手方向の一端は、揺動軸713に揺動可能に支持されており、長手方向の他端は、第2の回転軸79に揺動可能に支持されている。
【0103】
第2の回転軸79の軸方向の他端には、第1の排紙積載駆動部66と同様に、ガイド部材710が取り付けられている。さらに、第1の排紙積載駆動部66と同様に、第2回転軸の軸方向の他端と連結ピン711には、付勢部材725が設けられている。ガイド部材710及び付勢部材725の構成は、第1の排紙積載駆動部66のガイド部材610及び付勢部材625と同一であるため、その説明は省略する。
【0104】
[複合処理部37の動作]
次に、複合処理部37の動作について図5〜図20を参照して説明する。
まず、図6に示すように、用紙束搬送部43によって中綴じ処理部36から搬送された用紙束S2の第3の方向Zの上端が用紙束保持機構51によって保持される、次に、断裁処理を行う場合、昇降機構48が駆動し、用紙束S2を保持した用紙束保持機構51が断裁処理部38側に下降する。そして、用紙束保持機構51が所定の位置まで下降すると、断裁処理部38は、用紙束S2の第3の方向Zの下端部に対して断裁処理を行う。このとき、用紙束S2は、用紙束保持機構51に保持されているため、断裁処理を行う際に用紙束S2がズレること防ぐことができる。
【0105】
また、角背処理部55で角背処理する場合は、角背処理部55を駆動させて、用紙束S2におけるステープルが施された部分を角型形状の背面に形成する。
【0106】
用紙束S2に所定の処理を実施すると、用紙束保持機構51は、昇降機構48によって第3の方向Zに沿って排紙ユニット部39側に移動する。図5に示すように、用紙束S2の第3の方向Zの下方にストッパ機構49が展開される。そして、用紙束保持機構51は、一対の押圧部材51a,51bを離反させて一時的に用紙束S2の保持を解除する。ことのき、用紙束S2の第3の方向Zの下端がストッパ機構49によって支持されているため、用紙束S2は、複合処理部37の第3の方向Zの下側に落ちることがない。
【0107】
次に、昇降機構48が駆動し、用紙束保持機構51が第3の方向Zに用紙束S2の下端側に移動する。用紙束保持機構51が所定の位置まで移動すると、用紙束保持機構51は、一対の押圧部材51a,51bを接近させて、再び用紙束S2を保持する。用紙束保持機構51によって用紙束S2が再度の保持が完了すると、ストッパ機構49は、格納される。
【0108】
これにより、図5に示すように、用紙束S2の第3の方向Zの下端側を保持することができ、排紙ユニット部39への受け渡し代を確保することができる。その結果、用紙束保持機構51に保持された用紙束S2を排紙ユニット部39が受け取り易くなり、用紙束S2の受け渡し作業を容易に行うことができる。
【0109】
用紙束保持機構51が排紙ユニット部39へ用紙束S2を搬送するとき、図5に示すように、排紙ユニット部39の第2のローラ64は、第1のローラ63から離反し、第1のローラ63と第2のローラ64の間が開いている。以下、この排紙ユニット部39の状態を受け取りポジションという。このとき、図7及び図8に示すように、第2の開閉回動ギア603に設けた連結ピン611は、開閉ガイド溝628における長手方向の一側に位置している。
【0110】
[把持動作]
次に、図9、図10及び図14を参照して用紙束S2の把持動作について説明する。
図9及び図10、図14は、用紙束S2を把持した状態の第1の排紙積載駆動部66を示す図である。
【0111】
図9に示すように、用紙束S2が所定の位置、すなわち用紙束S2における第3の方向Zの上端が第1のローラ63及び第2のローラ64の間に挿入されると、第1の排紙積載駆動部66に設けた開閉回動モータ601が駆動し、駆動プーリ601aが矢印R1の方向に回転する。
【0112】
開閉回動モータ601が駆動すると、駆動プーリ601a、第1の伝達ベルト607、従動プーリ606及び第2の伝達ベルト609を介して第1の開閉回動ギア602に開閉回動モータ601の駆動力が伝達される。そして、この駆動力により、第1の開閉回動ギア602が回転する。
【0113】
図10に示すように、第1の開閉回動ギア602が回動することで、この第1の開閉回動ギア602とかみあっている第2の開閉回動ギア603が回転する。なお、第1の開閉回動ギア602の回転力は、駆動伝達シャフト608を介して第2の排紙積載駆動部67の第1の開閉回動ギア702に伝達される。そのため、第2の排紙積載駆動部67の第1の開閉回動ギア702は、第1の排紙積載駆動部66の第1の開閉回動ギア602と共に回転する(図13参照)。
【0114】
第2の開閉回動ギア603が回転すると、この第2の開閉回動ギア603に設けた連結ピン611が、付勢部材625の弾性力に抗して図9に示す矢印R2の方向に回転する。そして、連結ピン611は、連結板614の第1当接部614aから第1の回転軸78の中心を超えて第2当接部614bまで移動する。
【0115】
このとき、連結ピン611は、ガイド部材610の開閉ガイド溝628を摺動し、開閉ガイド溝628の長手方向の他端に当接する。さらに連結ピン611が移動することで、ガイド部材610は、連結ピン611に操作されて第1のローラ63の第1の回転軸78側に移動する。また、第2の排紙積載駆動部67のガイド部材710も、同様に、第1の回転軸78側に移動する。
【0116】
ガイド部材610の長手方向の一端には、第2の回転軸79が取り付けられている。また、第2の回転軸79は、揺動部材624を介して第2の排紙ギア613の軸613aを中心に揺動する。また、第2の回転軸79の他端が取り付けられている第2の排紙積載駆動部67の揺動部材724が揺動軸713を中心に揺動する。すなわち、第2の回転軸79は、連結ピン611及びガイド部材610からなるカム機構と、ガイド部材610及び揺動部材624からなるリンク機構によって揺動する。
【0117】
そして、第2の回転軸79に設けた第2のローラ64が第1のローラ63に接近する。これにより、用紙束S2は、第1のローラ63と第2のローラ64によって把持される。
【0118】
ここで、第2の回転軸79と連結ピン611は、引張コイルばねである付勢部材625によって連結されている。そして、第2の回転軸79は、付勢部材625が伸長した際に生じる付勢力によって、連結ピン611側、すなわち第1の回転軸78側に付勢される。これにより、第2のローラ64が第1のローラ63側に引き付けられるため、第1のローラ63及び第2のローラ64が用紙束S2を把持する際に生じるガタツキを防ぎ、用紙束S2を強固に把持することができる。
【0119】
さらに、付勢部材625が伸縮することで、第1のローラ63及び第2のローラ64の間隔を用紙束S2の厚みに応じて調節することが可能となる。これにより、枚数が少ない用紙束S2でも第1のローラ63及び第2のローラ64によって確実に把持することができる。
【0120】
第1のローラ63の第1の回転軸78に設けた第1ローラ用プーリ705は、ワンウェウイクラッチであり、第1の回転軸78には、用紙束S2を排紙する方向のみの回転力しか伝達されない。そのため、第1の回転軸78、すなわち第1のローラ63は、用紙束S2を排紙する方向のみにしか回転しない。その結果、第1のローラ63と第2のローラ64で用紙束S2を把持した際に、第1のローラ63が逆方向に回転して把持した用紙束S2を落とすということを防ぐことができる。
【0121】
次に、用紙束S2が第1のローラ63及び第2のローラ64に把持されると、用紙束保持機構51は、一対の押圧部材51a,51bを離反させて、用紙束S2の保持を解除する。そして、図4に示すように、用紙束保持機構51は、用紙束搬送部43によって搬送された次に処理を行う用紙束S2を受け取りにいく。
【0122】
[方向転換動作]
次に、図11〜図15を参照して用紙束S2の排紙の方向転換動作について説明する。
図11及び図12、図15は、回動部材604が回動した状態の第1の排紙積載駆動部66を示す図であり、図13は、回動部材704が回動した状態の第2の排紙積載駆動部67を示す図である。図16は、第2のローラ64が回動した状態の排紙ユニット部39を示す斜視図である。
【0123】
図11及び図12に示すように、第2の開閉回動ギア603がさらに回転すると、連結板614の第2当接部614bが連結ピン611に押され、連結板614は、第1の回転軸78を中心に矢印R2の方向に回動する。
【0124】
なお、本例では、連結板614は、略90度回動する。そして、連結板614が固定されている回動部材604も第1の回転軸78を中心に回動する。また、回動部材604が回動することで、回動部材604に設けた揺動部材624に支持されている第2の回転軸79も第1の回転軸78を中心に回動する。なお、第2の排紙積載駆動部67の回動部材704も、同様に第1の回転軸78を中心に回動する。
【0125】
ここで、図14に示すように、回動部材604には、第1の同期ギア616が固定されている。そのため、回動部材604が回動することで、図15に示すように、回動部材604の回動に合わせて第1の同期ギア616が、第1の回転軸78を中心に回動する。さらに、この第1の同期ギア616とかみ合う第2の同期ギア617が回転する。
【0126】
そして、図13に示すように、第2の同期ギア617が固定されている同期軸618の他端には、第2の排紙積載駆動部67の第2の同期ギア717が設けられている。そのため、第1の排紙積載駆動部66を第2の同期ギア617と第2の排紙積載駆動部67の第2の同期ギア717は、同期軸618を介して同期して回転する。
【0127】
これにより、第1の同期ギア616,716、第2の同期ギア617,717及び同期軸618によって、第1の排紙積載駆動部66の回動部材604と第2の排紙積載駆動部67の回動部材704の回動動作の同期させることができる。その結果、第2の回転軸79の軸方向の一端部と他端部で回動動作にズレが生じ、第2の回転軸79にねじれが発生することを防止することができ、第2の回転軸79をスムースに回動させることができる。
【0128】
次に、回動部材604の回動動作が所定の角度まで回動すると、開閉回動モータ601の駆動が停止する。これにより、図16に示すように、第1のローラ63及び第2のローラ64に把持された用紙束S2の搬送方向が第3の方向Zから第1の方向Xに略90度転換される。
【0129】
また、第2のローラ64が第1のローラ63の第1の回転軸78を中心に回動するため、用紙束S2を用紙束保持機構51から受け取った位置よりも第3の方向Zの上側に重力に抗して持ち上げることができる。その結果、用紙束S2は、一対の排紙フレーム61,62よって形成される排紙口74を臨み、中綴じ処理部36(図1参照)よりも上方から用紙束S2を排紙することができる。
【0130】
さらに、本例の排紙ユニット部39によれば、一つの開閉回動モータ601を駆動させるだけで、第1のローラ63及び第2のローラ64によって用紙束S2の把持動作と、用紙束S2の排紙の方向転換を行うことができる。これにより、装置の小型化を図ることが可能となる。
【0131】
[排紙動作]
次に、図17〜図19を参照して用紙束S2の排紙動作について説明する。
図17及び図18は、用紙束S2の排紙処理を行う状態の第2の排紙積載駆動部67を示す図である。図19は、用紙束S2の排紙処理を行う状態の第1の排紙積載駆動部66を示す図である。
【0132】
図17に示すように、第2の排紙積載駆動部67に設けた排紙モータ701を駆動させる。図17及び図18に示すように、排紙モータ701が駆動すると、駆動プーリ701aが矢印R3の方向に回転する。そして、駆動プーリ701aから、第1の伝達ベルト707、ガイドプーリ708及び第2の伝達ベルト709を介して第1ローラ用プーリ705に排紙モータ701の駆動力が伝達される。
【0133】
そして、この伝達された駆動力により第1ローラ用プーリ705が回転し、第1の回転軸78が回転する。そして、第1の回転軸78に設けられた第1のローラ63が用紙束S2を排紙する方向に回転する。
【0134】
第1の回転軸78が回転すると、図19に示すように、第1の排紙積載駆動部66に設けた第1の排紙プーリ605が回転する。第1の排紙プーリ605が回転することで、第1の排紙用伝達ベルト621、第1の排紙ギア612,第2の排紙ギア613及び第2の排紙用伝達ベルト622を介して第2ローラ用プーリ623にその回転力が伝達される。そして、第2ローラ用プーリ623は、第2の回転軸79に固定されているため、第2の回転軸79、すなわち第2のローラ64が用紙束S2を排紙する方向に回転する。
【0135】
これにより、一つの排紙モータ701によって、第1のローラ63及び第2のローラ64を回転させることができる。したがて、本例の排紙ユニット部39によれば、モータの数を削減することができ、装置の小型化を図ることが可能である。
【0136】
そして、図16に示すように、第1のローラ63と第2のローラ64によって把持された用紙束S2が積載部68に排紙される。用紙束S2の排紙処理が終了すると、排紙モータ701の駆動が停止して、第1のローラ63及び第2のローラ64の回転が止まる。
【0137】
このように、本例の排紙ユニット部39によれば、第1のローラ63及び第2のローラ64が用紙束S2の把持動作、用紙束S2の方向転換動作及び用紙束S2の排紙動作という3つの処理動作を行っている。これにより、従来の排紙ユニット部のように、各動作に応じた部品を設ける必要がなくなり、部品点数の削減及び装置の小型化を図ることができる。
【0138】
[動作終了]
次に、図20を参照して用紙束S2の排紙処理が終了した状態について説明する。
図20は、用紙束S2の排紙処理が完了した状態の第1の排紙積載駆動部の側面図である。
【0139】
図20に示すように、第1の排紙積載駆動部66に設けた開閉回動モータ601を図9に示す矢印R1と反対の方向である矢印R4の方向に駆動させる。これにより、第2の開閉回動ギア603は、矢印R5の方向に回転する。第2の開閉回動ギア603が回転することで、連結ピン611は、第1の回転軸78を超えて連結板614の第2当接部614bから第1当接部614aに移動する。
【0140】
そして、連結ピン611が移動することで、連結ピン611と係合しているガイド部材610が操作されて、第1の回転軸78から離反する方向に移動する。また、ガイド部材610の長手方向の一端に取り付けられた第2の回転軸79は、揺動部材624を介して第2の排紙ギア613の軸613aを中心に揺動する。
【0141】
また、第2の回転軸79の他端が取り付けられている第2の排紙積載駆動部67の揺動部材724が揺動軸713を中心に揺動する。そして、第2の回転軸79に設けた第2のローラ64が第1のローラ63に離反する。
【0142】
さらに第2の開閉回動ギア603及び連結ピン611が回転すると、連結板614の第1当接部614aが連結ピン611に押される。そして、連結板614、第2の回転軸79及び連結板614が固定されている回動部材604は、第1の回転軸78を中心に回動する。これにより、排紙ユニット部39は、図7及び図8に示す受け取りポジションに戻る。そして、排紙ユニット部39が受け取りポジションに戻ると、開閉回動モータ601の駆動が停止する。
【0143】
また、排紙ユニット部39には、用紙束S2の把持動作、用紙束S2の方向転換動作、及び用紙束S2の排紙動作という各動作の終了を検知する不図示のセンサが設けられている。
【0144】
以上、後処理装置及び画像形成システムの実施の形態について、その作用効果も含めて説明した。しかしながら、本発明の後処理装置及び画像形成システムは、上述の実施の形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
【0145】
上述した実施の形態例では、第1のローラ63及び第2のローラ64の両方が回転して用紙束S2を排紙する例を説明したが、第1のローラ63または第2のローラ64のうち少なくとも一方のローラを回転させればよい。
【0146】
さらに、用紙束S2の方向転換を行ってから用紙束S2の排紙動作を行ったが、開閉回動モータ601と排紙モータ701を同時に駆動させて、用紙束S2の排紙の方向転換を行いながら用紙束S2の排紙動作を行ってもよい。
【0147】
また、用紙束S2の方向転換を行うために、回動部材604、第2の回転軸79及び第2のローラ64を略90度回動させて例を説明したが、これに限定されるものではない。回動部材604、第2の回転軸79及び第2のローラ64の回動角度は、用紙束S2を排紙する際に、用紙束S2を重力に抗して持ち上げ、中綴じ処理部36よりも上方に排紙できる角度であれば90度未満であってもよい。
【0148】
さらに、上述した実施の形態例では、用紙束S2の把持動作及び方向転換動作のために開閉回動モータ601を設け、用紙束S2の排紙動作のために排紙モータ701を設けたがこれに限定されるものでない。例えば、把持動作、方向転換動作及び排紙動作ごとにモータを設けてもよく、全ての動作を一つのモータの駆動力で行ってもよい。
【0149】
例えば、次のような構成により、一つのモータの駆動力で把持動作、方向転換動作及び排紙動作の全ての動作を行うことができる。
上述した実施の形態例において、回動部材604が回動した際に、第1の開閉回動ギア602と、回動部材604に設けた第1の排紙ギア612をかみ合わせる。これにより、第1の開閉回動ギア602の回転力が第1の排紙ギア612に伝達される。なお、第1の開閉回動ギア602と第1の排紙ギア612がかみ合う際に、第1の開閉回動ギア602と第2の開閉回動ギア603のかみ合いを解除する。
【0150】
そして、この第1の排紙ギア612に伝達された回転力は、第1の排紙用伝達ベルト621を介して第1の排紙プーリ605と、第2の排紙ギア613、第2の排紙用伝達ベルト622を介して第2ローラ用プーリ623に伝達される。第1の排紙プーリ605及び第2ローラ用プーリ623が回転することで、第1の回転軸78及び第2の回転軸79が回転し、第1のローラ63と第2のローラ64が回転する。
【0151】
これにより、一つのモータで把持動作、方向転換動作及び排紙動作の全ての動作を行うことができる。その結果、上述した実施の形態例よりも部品点数を削減することができる。
【0152】
さらに、上述した実施の形態例では、単色画像を形成する例を説明したが、複数の画像形成部を設けてカラー画像を形成する画像形成装置に適用してもよい。
【符号の説明】
【0153】
1…画像形成システム、 2…画像形成装置、 3…用紙処理装置、 11…原稿搬送部、 12…画像読取部、 13…画像形成部、 14…操作表示部、 15…制御部、 16…原稿台、 21…感光体、 22…帯電部、 23…露光部、 24…現像部、 25A…転写部、 25B…分離部、 26…クリーニング部、 27…用紙収納部、 29…定着部、 30…筐体、 31…受入部、 32…第1の用紙搬送部、 33…中折り処理部、 34…第2の用紙搬送部、 36…中綴じ処理部、 37…複合処理部、 38…断裁処理部、 39…排紙ユニット部、 40…用紙集積部、 41…ステープル処理部、 43…用紙束搬送部、 46…用紙束載置部材、 48…昇降機構、 51…用紙束保持機構、 61…第1の排紙フレーム、 62…第2の排紙フレーム、 63…第1のローラ、 64…第2のローラ、 66…第1の排紙積載駆動部、 67…第2の排紙積載駆動部、 68…積載部、 74…排紙口、 78…第1の回転軸、 79…第2の回転軸、 601…開閉回動モータ(駆動源)、 602,702…第1の開閉回動ギア、 603,703…第2の開閉回動ギア(回転体)、 604,704…回動部材、 605…第1の排紙プーリ、 610,710…ガイド部材、 611,711…連結ピン、 612…第1の排紙ギア、 613…第2の排紙ギア、 613a,713…軸(揺動軸)、 614,714…連結板(連結部材)、 616…第1の同期ギア、 617…第2の同期ギア、 623…第2ローラ用プーリ、 624,724…揺動部材、 625,725…付勢部材、 701…排紙モータ(駆動源)、 705…第ローラ用プーリ、 S1…用紙、 S2…用紙束、 H…高さ方向、 W…幅方向、 D…奥行き方向、 X…第2の方向、 Y…第1の方向、 Z…第3の方向(鉛直方向)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り曲げられた用紙を複数枚集積して形成された用紙束をステープル針で綴じる中綴じ処理部と、
前記中綴じ処理部よりも鉛直方向の上方に配置された積載部に、前記中綴じ処理部で綴じられた前記用紙束を排紙する排紙ユニット部と、を備え、
前記排紙ユニット部は、
少なくとも一方が回転可能な一対のローラと、
前記一対のローラのうち一方のローラの軸心を中心に他方のローラを回動させ、かつ前記他方のローラを前記一方のローラに接離可能に支持する排紙積載駆動部と、
を備えた用紙処理装置。
【請求項2】
前記中綴じ処理部で綴じられた前記用紙束を保持し、前記中綴じ処理部から前記排紙ユニット部まで前記用紙束を搬送する用紙束保持機構を設けた
請求項1に記載の用紙処理装置。
【請求項3】
前記用紙束保持機構は、前記用紙束を前記排紙ユニット部の鉛直方向の下方から搬送する
請求項2に記載の用紙処理装置。
【請求項4】
前記一対のローラは、前記用紙束を前記積載部に排紙する方向のみに回転可能である
請求項1〜3のいずれかに記載の用紙処理装置。
【請求項5】
前記他方のローラの回動と、前記他方のローラの接近及び離反動作は、一つの駆動源によって駆動する
請求項1〜4のいずれかに記載の用紙処理装置。
【請求項6】
前記排紙積載駆動部は、
前記一方のローラの軸心に回動可能に支持された回動部材と、
前記回動部材に固定され、かつ前記一方のローラの軸心に回動可能に支持される連結部材と、
前記連結部材に当接して前記連結部材を回動させる連結ピンが設けられ、前記一方のローラの軸心に回動可能に支持される回転体と、
前記回転体を回転させる駆動源と、を有し、
前記他方のローラは、前記回動部材に揺動可能に支持される
請求項5に記載の用紙処理装置。
【請求項7】
用紙に画像を形成する画像形成装置と、
前記画像形成装置から供給された複数の用紙を折り曲げる中折り処理部と、折り曲げられた用紙を複数枚集積して用紙束を形成する用紙集積部と、前記用紙束をステープル針で綴じる中綴じ処理部と、前記中綴じ処理部よりも鉛直方向の上方に配置された積載部に、前記中綴じ処理部で綴じられた前記用紙束を排紙する排紙ユニット部と、を有する用紙処理装置と、を備え、
前記排紙ユニット部は、
少なくとも一方が回転可能な一対のローラと、
前記一対のローラのうち一方のローラの軸心を中心に他方のローラを回動させ、かつ前記他方のローラを前記一方のローラに接離可能に支持する排紙積載駆動部と、
を備えた画像形成システム。
【請求項1】
折り曲げられた用紙を複数枚集積して形成された用紙束をステープル針で綴じる中綴じ処理部と、
前記中綴じ処理部よりも鉛直方向の上方に配置された積載部に、前記中綴じ処理部で綴じられた前記用紙束を排紙する排紙ユニット部と、を備え、
前記排紙ユニット部は、
少なくとも一方が回転可能な一対のローラと、
前記一対のローラのうち一方のローラの軸心を中心に他方のローラを回動させ、かつ前記他方のローラを前記一方のローラに接離可能に支持する排紙積載駆動部と、
を備えた用紙処理装置。
【請求項2】
前記中綴じ処理部で綴じられた前記用紙束を保持し、前記中綴じ処理部から前記排紙ユニット部まで前記用紙束を搬送する用紙束保持機構を設けた
請求項1に記載の用紙処理装置。
【請求項3】
前記用紙束保持機構は、前記用紙束を前記排紙ユニット部の鉛直方向の下方から搬送する
請求項2に記載の用紙処理装置。
【請求項4】
前記一対のローラは、前記用紙束を前記積載部に排紙する方向のみに回転可能である
請求項1〜3のいずれかに記載の用紙処理装置。
【請求項5】
前記他方のローラの回動と、前記他方のローラの接近及び離反動作は、一つの駆動源によって駆動する
請求項1〜4のいずれかに記載の用紙処理装置。
【請求項6】
前記排紙積載駆動部は、
前記一方のローラの軸心に回動可能に支持された回動部材と、
前記回動部材に固定され、かつ前記一方のローラの軸心に回動可能に支持される連結部材と、
前記連結部材に当接して前記連結部材を回動させる連結ピンが設けられ、前記一方のローラの軸心に回動可能に支持される回転体と、
前記回転体を回転させる駆動源と、を有し、
前記他方のローラは、前記回動部材に揺動可能に支持される
請求項5に記載の用紙処理装置。
【請求項7】
用紙に画像を形成する画像形成装置と、
前記画像形成装置から供給された複数の用紙を折り曲げる中折り処理部と、折り曲げられた用紙を複数枚集積して用紙束を形成する用紙集積部と、前記用紙束をステープル針で綴じる中綴じ処理部と、前記中綴じ処理部よりも鉛直方向の上方に配置された積載部に、前記中綴じ処理部で綴じられた前記用紙束を排紙する排紙ユニット部と、を有する用紙処理装置と、を備え、
前記排紙ユニット部は、
少なくとも一方が回転可能な一対のローラと、
前記一対のローラのうち一方のローラの軸心を中心に他方のローラを回動させ、かつ前記他方のローラを前記一方のローラに接離可能に支持する排紙積載駆動部と、
を備えた画像形成システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2013−107771(P2013−107771A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−256437(P2011−256437)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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