説明

用紙搬送装置および印刷装置

【課題】用紙を斜行させずに搬送するための手段を提供する。
【解決手段】用紙の両端のスプロケット孔に挿入するスプロケットピンを有する一対のトラクタベルトを用紙の幅方向に設け、該トラクタベルトを回転させることによって用紙を搬送する用紙搬送装置であって、用紙両端のスプロケット孔の位相ずれに合わせて、一方のトラクタベルトのスプロケットピンと他方のトラクタベルトのスプロケットピンとの位相をずらす調整機構を前記一方のトラクタベルト側に設けたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙の搬送を行う用紙搬送装置および印刷装置に関し、特に用紙を斜行させずに搬送するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の印刷装置は、オペレータによりドライブシャフトとロックシャフトの所定の位置に第1のピントラクタアッセンブリ、第2のピントラクタアッセンブリが固定され、トラクタベルトの表面に取り付けられたスプロケットピンに対して用紙の両端に設けられたスプロケット孔が挿入されることで用紙がセットされた状態のときに、トラクタベルトを回転走行して用紙を搬送している(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−219192号公報(段落「0063」)、図9)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の技術においては、左右のトラクタベルトのスプロケットピンの配置が、同位相の位置に設けられているため、搬送する用紙のスプロケット孔の位置が左右で異なる場合には、用紙が斜め向きの状態で搬送されてしまうこととなってスキューや搬送ジャムを引き起こしてしまう原因になるという問題がある。
【0005】
本発明は、上記の問題点を解決するための手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するために、用紙の両端のスプロケット孔に挿入するスプロケットピンを有する一対のトラクタベルトを用紙の幅方向に設け、該トラクタベルトを回転させることによって用紙を搬送する用紙搬送装置であって、用紙両端のスプロケット孔の位相ずれに合わせて、一方のトラクタベルトのスプロケットピンと他方のトラクタベルトのスプロケットピンとの位相をずらす調整機構を前記一方のトラクタベルト側に設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
これにより、本発明は、用紙の両端のスプロケット孔の位相がずれている場合でも、その位相のずれに合わせて、一方のトラクタベルトのみを動かして2つのトラクタベルトに設けられたスプロケットピンの位相差をスプロケット孔の位相ずれに合わせることができ、用紙を搬送した際に斜行してしまうのを防止することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施例1の印刷装置の構成を示す説明図
【図2】トラクタ部の構造を示す説明図
【図3】実施例1の位相ずれを調整した様子を示す説明図
【図4】位置調整ホイールを回転させた様子を示す説明図
【図5】一般的なスプロケットピンの位置を示す説明図
【図6】実施例2の印刷装置の構成を示す説明図
【図7】実施例2のトラクタ部を示す説明図
【図8】実施例2における位相ずれを調整した様子を示す説明図
【図9】スプロケット孔の位置精度を示す説明図
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に、図面を参照して本発明による印刷装置の実施例について説明する。
【実施例1】
【0010】
図1は実施例1の印刷装置の構成を示す説明図である。
【0011】
図1において、1は用紙搬送装置としての印刷装置である。
【0012】
2はトラクタユニットであり、ドライブシャフト3、ロックシャフト4とを所定の間隔をあけて対向配置させると共に各シャフトの両端部を図示しないサイドフレームで保持し、ドライブシャフト3とロックシャフト4の中央部から一方のサイドフレームに向かって所定の間隔を空けて調整式トラクタ部7を配し、他方のサイドフレームに向かって所定の間隔を空けて固定式トラクタ部8を配し、図示しないLFモータによって調整式トラクタ部7と固定式トラクタ部8が駆動して用紙を搬送する。
【0013】
10はプラテンであり、円状断面に形成されており、用紙の搬送方向におけるトラクタユニット2の下流に配され、図示しない駆動機構を介して上記のLFモータによる調整式トラクタ部7および固定式トラクタ部8の駆動と同期して回転する。
【0014】
12は印字ユニットであり、円状断面のキャリッジシャフト13および、断面がコの字状のスライドレール14、印字ヘッド15を取り付けたキャリッジ16等によって構成し、キャリッジシャフト13およびスライドレール14をプラテン10と平行な向きにして所定の間隔を空けて配置すると共に、キャリッジシャフト13とスライドレール14間でキャリッジ16がキャリッジシャフト13とスライドレール14の軸方向にスライド移動可能な状態で取り付けられ、プラテン10に巻きついた用紙に印字を行う。
【0015】
なお、キャリッジ16は一の側の端部がキャリッジシャフト13を挿通させる孔を有し、他の側の端部がスライドレール14のコの字状となっている箇所と係合する凹凸を有し、一の側の端部がキャリッジシャフト13に挿通し他の側の端部がスライドレール14と係合することで、キャリッジ16はスライド移動可能に保持された状態となる。
【0016】
ここで、図2はトラクタ部の構造を示す説明図であり、(a)は調整式トラクタ部7の構造、(b)は固定式トラクタ部8の構造を示している。
【0017】
まず調整式トラクタ部7は、ドライブシャフト3を挿通させるホイールインナー20、位相調整ホイール21、トラクタベルト23等によって構成される。
【0018】
図2(a)で示すようにホイールインナー20は内周をドライブシャフト3の断面形状に合わせた四角形状の孔で形成し、外周部分を歯車状に形成している。
【0019】
位相調整ホイール21は、外周が歯車状となっている歯車部分21aとノブ形状となっているノブ部分21bとを組み合わせた構造で、その歯車部分21aは内側にホイールインナー20が嵌まる大きさの孔が形成され、内周部分に板バネ状で先端がホイールインナー20の外周面の溝の1つに入り込んで引っ掛かる係止爪となっているラッチ22が設けられている。
【0020】
ノブ部分21bは、内周がドライブシャフト3の断面形状に合わせた四角形状の孔となっており、調整式トラクタ部7を構成した際に、トラクタベルト23の外側に突出するように位置する。
【0021】
トラクタベルト23は、外周面に所定の間隔を空けてスプロケットピン24を複数形成し、内周部分には位相調整ホイール21の歯車に噛み合う凹凸面を形成した無端状のベルトである。
【0022】
次に固定式トラクタ部8は、ドライブシャフト3が挿通する基準ホイール26、トラクタベルト23等によって構成されている。
【0023】
図2(b)に示すように、基準ホイール26は外周がトラクタベルト23の内周部分の凹凸面と噛み合う歯車状となっている歯車部分26aとノブ形状となっているノブ部分26bとを組み合わせた構造であり、歯車部分26aとノブ部分26bにはドライブシャフト3の断面形状に合わせた四角形状の孔が形成される。
【0024】
なお、調整式トラクタ部7、固定式トラクタ部8は、外側が図1に示すトラクタカバー7a、8aで覆われ、ノブ部分21b、26bが共にトラクタカバー7a、8aの外側に露出するようになっている。
【0025】
またトラクタカバー7a、8aは、スプロケットピン24が設けられているトラクタベルト23の全周に対応する箇所が切りかかれている。
【0026】
さらに、調整式トラクタ部7と固定式トラクタ部8は、ドライブシャフト3及びガイドシャフト4の軸方向にスライド可能に設けられており、用紙のサイズ等に応じて係員等が手動で調整式トラクタ部7と固定式トラクタ部8とを動かしている。
【0027】
上述した構成の作用について説明する。
【0028】
ここで、図3は実施例1の位相ずれを調整した様子を示す説明図であり、(a)は用紙が斜め向きとなっている状態を示し、(b)は位相を調整した状態を示している。図4は位置調整ホイールを回転させた様子を示す説明図であり、(a)は位置調整ホイールを回転させる前の状態、(b)はラッチが溝から外れた状態、(c)位置調整ホイールが1位相分回転した状態を示している。
【0029】
図3において、30は水平基準ラインであり、用紙の正常な搬送向きの基準を示したラインであって、図示しないフレーム等に書かれていて印刷装置1を取扱い、内部の調整等を行う係員が視認できるようになっている。
【0030】
用紙の両端に設けられたスプロケット孔が左右でずれている場合、図3(a)で示すようにセットされた用紙Pの前端と水平基準ライン30とが平行とならず、傾いた状態となってしまう。
【0031】
そこで、用紙の前端が水平基準ライン30と平行になるように用紙の向きを調整する手順を以下に示す。
【0032】
通常、位置調整ホイール21のラッチ22は、図4(a)で示すように、ホイールインナー20の外周の歯と歯の間の溝に噛み合った状態となっている。
【0033】
その状態のときに、印刷装置1を取扱う係員が基準ホイール26のノブ部分26bを手で支えてドライブシャフト3を固定した状態で、位置調整ホイール21のノブ部分21bを手動で回転させると、位置調整ホイール21が図4(b)で示す矢印A方向に回ってラッチ22はホイールインナー20の外周の溝から外れ、図4(c)で示すように1ピッチ分隣の溝に噛み合うと共に、位置調整ホイール21の外周に噛み合うトラクタベルト23が回転し、調整式トラクタ部7のスプロケットピン24が動いて調整式トラクタ部7と固定式トラクタ部8とのスプロケットピン24の位相がずれるようになる。
【0034】
このように、基準ホイール26を支えてドライブシャフト3を固定した状態で、位置調整ホイール21を回転させることにより、インナーホイール20の溝のピッチで調整式トラクタ部7のスプロケットピン24の位置を変化させて用紙の両端のスプロケット孔の位相のズレ量に応じ、調整式トラクタ部7と固定式トラクタ部8とのスプロケットピン24の位相を調整し、図3(b)に示すように用紙の前端と水平基準ライン30とを揃えることができる。
【0035】
そして、図示しない上位装置としてのパソコンのキーボードやマウス等の操作手段を係員が操作することでパソコンから印刷装置1に給紙命令が送られてくると、印刷装置1は図示しないラインフィードモータの駆動により調整式トラクタ部7、固定式トラクタ部8、プラテン10が回転し、用紙をプラテン10に巻き付けて搬送する。
【0036】
次にパソコン(上位装置)等から印字命令を受信した印刷装置1は、図示しないスペースモータを駆動させてキャリッジ16を左右方向に動かし、印字を行うタイミングに合わせて印字ヘッド15により用紙への印字を実行する。
【0037】
以上説明したように、本実施例では、左右両端のスプロケット孔の位相がずれている用紙に合わせて調整式トラクタ部のスプロケットピンの位置をずらして変化させ、用紙の前端を水平基準ラインに揃えることができるので、用紙が斜行した状態で搬送されていくのを防止することができる。
【0038】
また、一般的な印刷装置は、図5の一般的なスプロケットピンの位置を示す説明図に示すように左右の対応するスプロケットピンの位相は一致し、かつ左右のトラクタ部は上記実施例1の調整式トラクタ部のように手動では回転しない構成であるために、左右のスプロケット孔の位相が一致しない用紙をセットしたときには用紙が傾斜してしまうが、本実施例においては調整式トラクタ部のトラクタベルトを手動で回転可能とするので、用紙が傾斜するのを防止し、用紙を搬送した際に斜行するのを確実に無くすことができる。
【実施例2】
【0039】
図6は実施例2の印刷装置の構成を示す説明図であり、図7は実施例2のトラクタ部を示す説明図であり、(a)は調整式トラクタ部を示し、(b)は固定式トラクタ部を示している。
【0040】
なお、上記実施例1と同様の部分は同一の符号を付してその説明を省略する。
【0041】
図6において、35は調整式トラクタ部であり、図7(a)に示すようにドライブシャフト3を挿通させるホイールインナー36、ガタホイール37、トラクタベルト23等によって構成される。
【0042】
ホイールインナー36は、内周がドライブシャフト3の断面形状に合わせた四角形状となっている孔を形成し、外周の一部に溝部36aが設けられている。
【0043】
ガタホイール37は、ホイールインナー36が嵌まる大きさの孔が形成され、その孔の内周部分の一部には上記溝部36aの幅よりも小さく形成された突起部37aが設けられている。またガタホイール37は外周が歯車状となっている。
【0044】
ホイールインナー36は、その突起部37aがガタホイール37の溝部36aに入り込む状態でガタホイール37に嵌まる。
【0045】
ここで、突起部37aが溝部36aよりも小さいことから、ガタホイール37はその突起部37aがホイールインナー36の溝部36aの両端部に当たる範囲内で回転方向にガタを持つ構造で、ガタによるガタホイール37の遊びの移動量はトラクタベルト23に設けられたスプロケットピン24の間隔と略同一であるものとする。
【0046】
なお、このガタによるガタホイール37の移動量はスプロケットピン24の間隔と略同一としたが、これに限るものではないことはいうまでも無い。
【0047】
図6において、40は固定式トラクタ部であり、図7(b)に示すようにドライブシャフト3が挿通する基準ホイール41、トラクタベルト23等によって構成されている。
【0048】
基準ホイール41はドライブシャフト3の断面形状に合わせた四角形状の孔が形成され、外周がトラクタベルト23の内周部分の凹凸面と噛み合う歯車状となっている。
【0049】
調整式トラクタ部35は、左右のスプロケット孔の位相ずれが大きい用紙のずれを吸収する目的で回転方向にガタをもっている構造であるため、用紙の搬送時には固定式トラクタ部40と共に動作する際にガタによる遊びの分だけトラクタベルト23の回転動作に遅れが生じてしまう場合があるが、用紙がセットされた状態でトラクタベルト23が回転したときには、セット時の姿勢が崩れること無く用紙を搬送するために、ホイールインナー36、ガタホイール37、トラクタベルト23の各部間の摩擦力が小さくなるように構成されている。
【0050】
また、調整式トラクタ部35と固定式トラクタ部40との間隔は、用紙の側端が後述の垂直基準ライン45と平行になることで正常な向きとなり、かつ横方向に張りを持った状態でセットされるような間隔に決められている。
【0051】
上述した構成の作用について説明する。
【0052】
ここで、図8は実施例2における位相ずれを調整した様子を示す説明図であり、(a)は用紙が斜め向きとなっている状態を示し、(b)は位相を調整した状態を示している。
【0053】
図8(b)において、45は垂直基準ラインであり、搬送方向に沿う用紙の側端の向きを示すラインである。
【0054】
用紙の両端に設けられたスプロケット孔の位相が左右で一致していない場合、用紙は図8(a)で示すように傾いた状態となり、そのまま搬送すると斜行するようになる。
【0055】
そこで、上記したようにホイールインナー20がガタによって動く移動範囲内でトラクタベルト23が回転することから、係員は調整式トラクタ部35のスプロケットピン24を直接手で動かしてその位置を用紙のスプロケット孔に合せ、用紙をセットする。
【0056】
このときセットされる用紙を、一側端のスプロケット孔の外側が固定式トラクタ部40のスプロケットピン24に突き当たるように挿通させるようにする。これによって用紙の一側端は図8(b)に示すように垂直基準ライン45と平行となる。
【0057】
そして、用紙を横方向に張り気味にして、他の側端のスプロケット孔を調整式トラクタ部35のスプロケットピン24に挿通させるようにし、用紙がセットされる。
【0058】
ここで、固定式トラクタ部40と調整式トラクタ部35とのスプロケットピン24の位相ずれが、用紙のスプロケット孔の位相ずれと合わないとき、用紙は一側端が垂直基準ライン45と平行であるのに対して、他の側端が垂直基準ライン45と平行とならないためにストレスが生じて表面にしわができるが、用紙に生じるストレスを逃がすように調整式トラクタ部35のトラクタベルト23が遊びの範囲で回転してスプロケットピン24が移動し、用紙はしわの無い状態となる。
【0059】
そして、図示しない上位装置としてのパソコンのキーボードやマウス等の操作手段を係員が操作することでパソコンから印刷装置1に給紙命令が送られてくると、印刷装置1は図示しないラインフィードモータの駆動により調整式トラクタ部35、固定式トラクタ部40、プラテン10が回転して用紙を搬送する。
【0060】
このとき、調整式トラクタ部35は、用紙がセットされていない場合であれば、ガタにより固定式トラクタ部40から遅れて回転するが、用紙がセットされていれば調整式トラクタ部35は固定式トラクタ部40により移動する用紙に従動するように固定式トラクタ部40と同時に回転する。
【0061】
これにより用紙はプラテン10に巻き付き、次にパソコン(上位装置)等から印字命令を受信した印刷装置1は、図示しないスペースモータを駆動させてキャリッジ16を左右方向に動かし、印字を行うタイミングに合わせて印字ヘッド15により用紙への印字を実行する。
【0062】
以上説明したように、本実施例では、調整式トラクタ部のトラクタベルトが遊びの分だけ回転するので、左右両端のスプロケット孔の位相がずれている用紙に合わせて調整式トラクタ部のトラクタベルトの遊びの範囲での回転でスプロケットピンの位置を変化させ、用紙を正常な向きでセットさせることができ、さらに搬送される用紙が斜行することを防止することができる。
【0063】
なお、日本の場合は用紙のスプロケット孔の位置精度をJIS−X6195−にて規定されており、図9のスプロケット孔の位置精度を示す説明図で示すように、左側の任意のスプロケット孔の中心をとおり、センターラインに垂直な直線とそれに対応する右側のスプロケット孔の中心のずれの最大許容差は0.15mmと定められているが、上記の規定に沿わないようなスプロケット孔の位置精度が悪い用紙の場合、上述した従来技術のように用紙を搬送するときに斜行してスキューや搬送ジャム等がより高い頻度で起こっている。
【0064】
そのため上述した実施例1および実施例2を利用することにより、スプロケット孔の位置精度が悪い用紙に対して斜行によるスキューや搬送ジャム等の発生を確実に防止することができ、安定した用紙の搬送を行うことができるという効果が得られる。
【符号の説明】
【0065】
1 印刷装置
2 トラクタユニット
3 ドライブシャフト
4 ロックシャフト
7、35 調整式トラクタ部
8、40 固定式トラクタ部
10 プラテン
12 印字ユニット
13 キャリッジシャフト
14 スライドレール
15 印字ヘッド
16 キャリッジ
20、36 ホイールインナー
21 位置調整ホイール
21a、26a 歯車部分
21b、26b ノブ部分
22 ラッチ
23 トラクタベルト
24 スプロケットピン
26、41 基準ホイール
30 水平基準ライン
36a 溝部
37 ガタホイール
37a 突起部
45 垂直基準ライン



【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙の両端のスプロケット孔に挿入するスプロケットピンを有する一対のトラクタベルトを用紙の幅方向に設け、該トラクタベルトを回転させることによって用紙を搬送する用紙搬送装置であって、
用紙両端のスプロケット孔の位相ずれに合わせて、一方のトラクタベルトのスプロケットピンと他方のトラクタベルトのスプロケットピンとの位相をずらす調整機構を前記一方のトラクタベルト側に設けたことを特徴とする用紙搬送装置。
【請求項2】
請求項1に記載の用紙搬送装置において、
前記調整機構は、前記トラクタベルトのドライブシャフトが挿通し、山と溝が連続する歯車状のインナーホイールと、内周部に前記インナーホイールの外周の溝に入り込むラッチを有して内側に前記インナーホイールが嵌まる位置調整ホイールとからなり、
前記位置調整ホイールの外周に前記一方のトラクタベルトを巻きつけ、
前記ドライブシャフトを固定した状態で、前記位置調整ホイールを回転させることにより前記一方のトラクタベルトを回転させて前記溝のピッチで前記スプロケットピンの位置を調整できるようにしたことを特徴とする用紙搬送装置。
【請求項3】
請求項1に記載の用紙搬送装置において、
前記調整機構は、前記トラクタベルトのドライブシャフトが挿通し、外周の一部に溝が形成されたインナーホイールと、内周部に前記溝の幅よりも小さい幅で前記溝内に入る突起部を有して内側に前記インナーホイールが嵌まる位置調整ホイールとからなり、
前記位置調整ホイールの外周に前記一方のトラクタベルトを巻きつけ、
前記ドライブシャフトを固定した状態で、前記インナーホイールの溝の幅と前記位置調整ホイールの突起部の幅との差を利用して前記一方のトラクタベルトを回転させて前記スプロケットピンの位置を調整できるようにしたことを特徴とする用紙搬送装置。
【請求項4】
印字ヘッドを備えて、用紙の両端のスプロケット孔に挿入するスプロケットピンを有する一対のトラクタベルトを用紙の幅方向に設け、該トラクタベルトを回転させることによって用紙を搬送し、前記印字ヘッドによって搬送した用紙に印刷を行う印刷装置であって、
用紙両端のスプロケット孔の位相ずれに合わせて、一方のトラクタベルトのスプロケットピンと他方のトラクタベルトのスプロケットピンとの位相をずらす調整機構を前記一方のトラクタベルト側に設けたことを特徴とする印刷装置。
【請求項5】
請求項4に記載の印刷装置において、
前記調整機構は、前記トラクタベルトのドライブシャフトが挿通した歯車状のインナーホイールと、内周部に前記インナーホイールの外周の溝に入り込むラッチを有して内側に前記インナーホイールが嵌まる位置調整ホイールとからなり、
前記位置調整ホイールの外周に前記一方のトラクタベルトを巻きつけ、
前記ドライブシャフトを固定した状態で、前記位置調整ホイールを回転させることにより前記溝のピッチで前記一方のトラクタベルトを回転させて前記溝のピッチで前記スプロケットピンの位置を変化できるようにしたことを特徴とする印刷装置。
【請求項6】
請求項4に記載の印刷装置において、
前記調整機構は、前記トラクタベルトのドライブシャフトが挿通し、外周の一部に溝が形成されたインナーホイールと、内周部に前記溝の幅よりも小さい幅で前記溝内に入る突起部を有して内側に前記インナーホイールが嵌まる位置調整ホイールとからなり、
前記位置調整ホイールの外周に前記一方のトラクタベルトを巻きつけ、
前記ドライブシャフトを固定した状態で、前記インナーホイールの溝の幅と前記位置調整ホイールの突起部の幅との差を利用して前記一方のトラクタベルトを回転させて前記スプロケットピンの位置を調整できるようにしたことを特徴とする印刷装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2011−37602(P2011−37602A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−188101(P2009−188101)
【出願日】平成21年8月14日(2009.8.14)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【出願人】(594202361)株式会社沖データシステムズ (259)
【Fターム(参考)】