説明

用紙搬送装置および画像形成システム

【課題】校正用紙の読み取りに起因して通常の画像が形成された用紙の搬送速度が低下するのを防止する用紙搬送装置を提供する。
【解決手段】用紙搬送装置50は、画像形成装置1から供給される用紙が排紙トレイ81へ搬送される搬送路51と、画像形成装置1の画質調整のために画像形成装置1から供給される校正用紙が搬送される搬送路52と、搬送路52に設けられ、校正用紙を読み取る読取部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙搬送装置および画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成時の出力の校正(キャリブレーション)機能を備える画像形成システムが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、印刷を行う印刷ユニットと、印刷ユニットから用紙が供給される排紙ユニットとを備えた印刷装置が開示されている。排紙ユニットには、排紙トレイと、印刷結果を読み取るための読取装置とが設けられている。読取装置は、印刷ユニットから排紙トレイへ用紙が搬送される搬送路上に設けられている。
【0004】
この印刷装置では、キャリブレーション時に、印刷ユニットにより検査チャートが印刷される。そして、印刷装置では、読取装置により検査チャートが読み取られ、その読取結果に基づいて印刷出力が制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−137013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された従来の印刷装置では、排紙トレイへ用紙が搬送される搬送路上に読取装置が設けられており、キャリブレーション時に読取装置による検査チャートの読み取りが行われることから、通常の画像が印刷された用紙の搬送が滞るという問題点がある。
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、校正用紙の読み取りに起因して通常の画像が形成された用紙の搬送速度が低下するのを防止する用紙搬送装置および画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る用紙搬送装置は、画像形成装置から供給される用紙が排紙トレイへ搬送される第1搬送路を備える用紙搬送装置であって、前記画像形成装置の画質調整のために前記画像形成装置から供給される校正用紙が搬送される第2搬送路と、前記第2搬送路に設けられ、校正用紙を読み取る読取部とを備えることを特徴とする。
【0009】
この構成によって、第2搬送路に設けられた読取部により校正用紙を読み取りながら、第1搬送路において画像形成装置から供給される用紙を排紙トレイへ搬送することができる。すなわち、校正用紙の読み取りと通常の画像が形成された用紙の搬送とを並行して行うことができるので、読取部を第1搬送路に設ける場合と異なり、校正用紙の読み取りに起因して通常の画像が形成された用紙の搬送速度が低下するのを防止することができる。
【0010】
本発明に係る用紙搬送装置では、前記第2搬送路は、前記第1搬送路から分岐していることを特徴とする。
【0011】
この構成により、画像形成装置から供給される校正用紙を第1搬送路を介して第2搬送路へ搬送することができる。
【0012】
本発明に係る用紙搬送装置では、前記画像形成装置から供給される校正用紙を前記第2搬送路へ導くゲート部材を備えることを特徴とする。
【0013】
この構成により、画像形成装置から供給される校正用紙を容易に第2搬送路へ搬送することができる。
【0014】
本発明に係る用紙搬送装置では、前記第1搬送路に設けられた第1搬送ローラを駆動する第1駆動部と、前記第2搬送路に設けられた第2搬送ローラを駆動する第2駆動部とを備えることを特徴とする。
【0015】
この構成により、第2搬送ローラにより第2搬送路を搬送される校正用紙の搬送速度を、第1搬送ローラにより第1搬送路を搬送される用紙の搬送速度よりも遅くすることが容易にできる。
【0016】
本発明に係る用紙搬送装置では、前記第2搬送路を搬送される校正用紙の搬送速度が、前記第1搬送路を搬送される用紙の搬送速度よりも遅い構成とされていることを特徴とする。
【0017】
この構成により、読取部により読み取りが行われる読取位置への搬送をしやすくすることができる。
【0018】
本発明に係る用紙搬送装置では、前記読取部は、前記第2搬送路の搬送方向と直交する方向に沿って移動する構成とされていることを特徴とする。
【0019】
この構成により、直線状ではなく平面的に校正用紙のテストパターンが形成されている場合にも、読取部により校正用紙のテストパターンを読み取ることができる。
【0020】
本発明に係る用紙搬送装置では、前記読取部により読み取られた読取結果を前記画像形成装置に送信する送信部を備えることを特徴とする。
【0021】
この構成により、読取結果を画像形成装置に容易に伝えることができる。
【0022】
本発明に係る用紙搬送装置では、前記第2搬送路における前記読取部の上流側に設けられ、前記画像形成装置から供給される校正用紙のカールを矯正する第1カール矯正部を備えることを特徴とする。
【0023】
この構成により、第1カール矯正部によりカールが矯正された校正用紙を読取部が読み取ることができるので、読取部の読取精度が低下するのを抑制することができる。
【0024】
本発明に係る用紙搬送装置では、前記第1搬送路に設けられ、前記画像形成装置から供給される用紙のカールを矯正する第2カール矯正部を備えることを特徴とする。
【0025】
この構成により、第2カール矯正部によりカールが矯正された用紙を排紙トレイに排出することができる。
【0026】
本発明に係る用紙搬送装置では、前記読取部により読み取られた校正用紙が収納されるスタッカを備えることを特徴とする。
【0027】
この構成により、校正用紙が排紙トレイに排出されるのを防止することができる。
【0028】
本発明に係る用紙搬送装置では、前記スタッカが取り付けられる筐体を備え、前記スタッカは、前記筐体から取り外せる構成とされていることを特徴とする。
【0029】
この構成により、スタッカに収納された校正用紙を廃棄することが容易にできる。
【0030】
本発明に係る画像形成システムは、用紙に画像を形成する画像形成装置と、上記のいずれか一つに記載の用紙搬送装置とを備えることを特徴とする。
【0031】
この構成によって、校正用紙の読み取りに起因して通常の画像が形成された用紙の搬送速度が低下するのを防止することが可能な画像形成システムを得ることができる。
【0032】
本発明に係る画像形成システムでは、前記画像形成装置は、用紙にテストパターンを形成することにより校正用紙を形成して前記用紙搬送装置に供給し、前記用紙搬送装置の読取部により読み取られた読取結果に基づいて画像形成時の出力を校正する構成とされていることを特徴とする。
【0033】
この構成により、画像形成装置の画像形成時の出力を容易に校正することができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明に係る用紙搬送装置および画像形成システムによれば、校正用紙の読み取りに起因して通常の画像が形成された用紙の搬送速度が低下するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施の形態1に係る用紙搬送装置を備える画像形成システムの概略を示した正面図である。
【図2】図1に示した画像形成システムの画像形成装置の概略を示した正面図である。
【図3】図2に示した画像形成装置により形成された校正用紙の一例を示した図である。
【図4】図1に示した画像形成システムの用紙搬送装置を示した斜視図である。
【図5】図4に示した用紙搬送装置を示した側面図である。
【図6】図4に示した用紙搬送装置を示した断面図である。
【図7】図4に示した用紙搬送装置を示したブロック図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係る用紙搬送装置を備える画像形成システムの概略を示した正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0037】
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1に係る用紙搬送装置を備える画像形成システムの概略を示した正面図である。図1を参照して、実施の形態1に係る画像形成システム100の構成について説明する。
【0038】
画像形成システム100は、画像形成装置1と、用紙搬送装置50と、用紙搬送装置70と、排紙ユニット80とを備えている。
【0039】
画像形成装置1は、用紙に画像を形成し、画像が形成された用紙を用紙搬送装置50に供給するように構成されている。具体的には、画像形成装置1は、用紙に通常の画像を形成して通常の画像が形成された用紙(以下、「通常の用紙」という)を用紙搬送装置50に供給し、用紙にテストパターン(検査チャート)41(図3参照)を形成してテストパターン41が形成された用紙(以下、「校正用紙40(図3参照)」という)を用紙搬送装置50に供給する。なお、通常の画像とは、たとえば、後述する画像読取装置2により読み取られた画像である。また、校正用紙とは、画像形成装置1の画質調整のための用紙である。また、画像形成装置1については、後で詳細に説明する。
【0040】
用紙搬送装置50は、画像形成装置1の画像形成時の出力の校正(キャリブレーション)用ユニットである。用紙搬送装置50は、画像形成装置1から供給される通常の用紙が用紙搬送装置70へ搬送される搬送路51と、搬送路51から分岐する搬送路52と、画像形成装置1から供給される校正用紙40を搬送路52へ導くゲート部材53と、搬送路52に設けられたデカーラー54と、校正用紙40を読み取る読取装置55と、校正用紙40が収納されるスタッカ56と、筐体57とを含んでいる。なお、実施の形態1において、搬送路51は本発明の「第1搬送路」に対応し、搬送路52は本発明の「第2搬送路」に対応し、デカーラー54は本発明の「第1カール矯正部」に対応する。
【0041】
搬送路51には、上流側の端部に搬送ローラ58aが設けられ、下流側の端部に搬送ローラ58bが設けられている。筐体57には、搬送ローラ58aの近傍に画像形成装置1から用紙が挿入される挿入口(図示省略)が形成され、搬送ローラ58bの近傍に用紙搬送装置70へ用紙が排出される排出口(図示省略)が形成されている。なお、実施の形態1における搬送ローラ58aおよび搬送ローラ58bは、本発明の「第1搬送ローラ」に対応する。
【0042】
搬送路52を搬送される校正用紙40の搬送速度は、搬送路51を搬送される通常の用紙の搬送速度よりも遅くなるように構成されている。具体的には、校正用紙40の後端が搬送ローラ58aを抜けた後に校正用紙40が減速される。なお、用紙搬送装置50については、後で詳細に説明する。
【0043】
用紙搬送装置70は、通常の用紙のカール矯正用のユニットである。用紙搬送装置70は、用紙搬送装置50から供給される通常の用紙を排紙ユニット80へ搬送する搬送ローラ71と、搬送ローラ71により搬送される通常の用紙のカールを矯正するデカーラー72とを含んでいる。
【0044】
排紙ユニット80は、通常の用紙が排出される排紙トレイ81と、用紙搬送装置70から供給される通常の用紙を排紙トレイ81へ搬送する搬送ローラ82とを含んでいる。排紙トレイ81は複数設けられており、ゲート部材83により通常の用紙が排出される排紙トレイ81が切り替えられている。
【0045】
次に、実施の形態1に係る画像形成システム100の動作について説明する。
【0046】
まず、通常の画像形成が行われる場合には、画像形成装置1により用紙に通常の画像が形成される。そして、通常の用紙が画像形成装置1から用紙搬送装置50に供給される。用紙搬送装置50に供給された通常の用紙は、搬送路51を搬送され、用紙搬送装置70に供給される。
【0047】
そして、用紙搬送装置70に供給された通常の用紙は、デカーラー72によりカールが矯正され、排紙ユニット80に供給される。その後、通常の用紙が排紙トレイ81に排出される。
【0048】
また、画像形成時の出力の校正が行われる場合には、画像形成装置1により用紙にテストパターン41が形成される。そして、校正用紙40が画像形成装置1から用紙搬送装置50に供給される。用紙搬送装置50に供給された校正用紙40は、ゲート部材53により搬送路52へ導かれる。
【0049】
そして、搬送路52を搬送される校正用紙40は、デカーラー54によりカールが矯正され、読取装置55により読み取られる。読取装置55により読み取られた校正用紙40は、スタッカ56に収納される。その後、用紙搬送装置50から画像形成装置1に読取結果が送信され、画像形成装置1が読取結果に基づいて画像形成時の出力の校正を行う。
【0050】
実施の形態1では、上記のように、画像形成システム100に用紙搬送装置50を設けることによって、画像形成装置1の画像形成時の出力を容易に校正することができる。また、高価な読取装置55を有する用紙搬送装置50をユニット化することにより、読取装置を画像形成装置に組み込む場合に比べて、画像形成装置1を安価にすることができるので、利用者の要求に応じたシステムを構成することができる。
【0051】
図2は、図1に示した画像形成システムの画像形成装置の概略を示した正面図である。図3は、図2に示した画像形成装置により形成された校正用紙の一例を示した図である。図2および図3を参照して、実施の形態1に係る画像形成システム100の画像形成装置1について説明する。
【0052】
画像形成装置1は、たとえば、スキャナ機能、ファクシミリ機能、およびプリンタ機能を有する複合機である。画像形成装置1は、原稿の画像を読み取る画像読取装置2と、画像読取装置2により読み取られた画像データに基づいて画像を形成する画像形成部3とを備えている。
【0053】
画像形成部3は、感光体ドラム4a〜感光体ドラム4dと、帯電器5a〜帯電器5dと、露光装置6と、現像装置7a〜現像装置7dと、クリーナ装置8a〜クリーナ装置8dと、中間転写ローラ9a〜中間転写ローラ9dを有する中間転写ベルト装置9と、2次転写装置10と、定着装置11と、給紙トレイ12aおよび手差し給紙トレイ12bと、排紙トレイ13と、シート搬送装置14と、中継搬送ユニット15とを含んでいる。
【0054】
画像形成部3は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像と、単色(たとえば、ブラック)を用いたモノクロ画像とを形成可能に構成されている。
【0055】
具体的には、ブラックを形成する画像ステーションが、感光体ドラム4aと、帯電器5aと、現像装置7aと、クリーナ装置8aと、中間転写ローラ9aとにより構成されている。また、シアンを形成する画像ステーションが、感光体ドラム4bと、帯電器5bと、現像装置7bと、クリーナ装置8bと、中間転写ローラ9bとにより構成されている。
【0056】
また、マゼンタを形成する画像ステーションが、感光体ドラム4cと、帯電器5cと、現像装置7cと、クリーナ装置8cと、中間転写ローラ9cとにより構成されている。また、イエローを形成する画像ステーションが、感光体ドラム4dと、帯電器5dと、現像装置7dと、クリーナ装置8dと、中間転写ローラ9dとにより構成されている。
【0057】
感光体ドラム4a〜感光体ドラム4dは、表面に光感光層を有する。帯電器5a〜帯電器5dは、感光体ドラム4a〜感光体ドラム4dの表面を所定の電位に均一に帯電させるために設けられている。帯電器5a〜帯電器5dは、接触型であるローラ型やブラシ型の帯電器であってもよいし、チャージャー型の帯電器であってもよい。
【0058】
露光装置6は、たとえば、レーザダイオードおよび反射ミラーを有するレーザスキャニングユニット(LSU)であり、帯電された感光体ドラム4a〜感光体ドラム4dの表面を画像データに応じて露光して、その表面に画像データに応じた静電潜像を形成する。
【0059】
現像装置7a〜現像装置7dは、感光体ドラム4a〜感光体ドラム4d上に形成された静電潜像をK、C、M、Yのトナーにより現像する。クリーナ装置8a〜クリーナ装置8dは、現像および画像転写後に感光体ドラム4a〜感光体ドラム4dの表面に残留したトナーを除去および回収する。
【0060】
中間転写ベルト装置9は、感光体ドラム4a〜感光体ドラム4dの上方に配置されており、中間転写ベルト9eと、中間転写ベルト駆動ローラ9fと、従動ローラ9gと、テンションローラ9hと、中間転写ベルトクリーニング装置9iとを含んでいる。
【0061】
中間転写ベルト9eは、厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端ベルト状に形成されている。中間転写ローラ9a〜中間転写ローラ9d、中間転写ベルト駆動ローラ9f、従動ローラ9g、およびテンションローラ9hは、中間転写ベルト9eを張架して支持し、中間転写ベルト9eを周回方向Cに移動させる。
【0062】
中間転写ローラ9a〜中間転写ローラ9dは、中間転写ベルト9eの内側に回転可能に支持され、中間転写ベルト9eを介して感光体ドラム4a〜感光体ドラム4dに圧接されている。
【0063】
中間転写ベルト9eは、感光体ドラム4a〜感光体ドラム4dに接触するように設けられている。中間転写ベルト9eには、感光体ドラム4a〜感光体ドラム4dの表面のトナー像が順次重ねて転写されることにより、カラーのトナー像(各色のトナー像)が形成される。
【0064】
感光体ドラム4a〜感光体ドラム4dから中間転写ベルト9eへのトナー像の転写は、中間転写ベルト9eの内側(裏面)に圧接されている中間転写ローラ9a〜中間転写ローラ9dによって行われる。中間転写ローラ9a〜中間転写ローラ9dは、たとえば、直径8〜10mmのステンレスなどの金属軸と、金属軸を覆う導電性の弾性材(たとえば、EPDM、発泡ウレタン等)とを有する。中間転写ローラ9a〜中間転写ローラ9dには、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(一)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されており、その導電性の弾性材により高電圧が中間転写ベルト9eに対して均一に印加される。
【0065】
2次転写装置10は、中間転写ベルト9eと接触する転写ローラ10aを有する。転写ローラ10aは、中間転写ベルト駆動ローラ9fと隣接するように、中間転写ベルト9eの外側に配置されている。中間転写ベルト9eと転写ローラ10aとは、相互に圧接されてニップ域を形成する。また、2次転写装置10の転写ローラ10aには、中間転写ベルト9e上の各色のトナー像を用紙に転写させるための電圧(たとえば、トナーの帯電極性(一)とは逆極性(+)の高電圧)が印加される。さらに、そのニップ域を定常的に得るために、転写ローラ10aおよび中間転写ベルト駆動ローラ9fのいずれか一方を硬質材料(金属製ローラ等)とし、他方を軟質材料(弾性ゴムローラや発泡性樹脂ローラ等)としている。
【0066】
上述のように、感光体ドラム4a〜感光体ドラム4dの表面のトナー像は、中間転写ベルト9eで積層され、画像データに応じたカラーのトナー像となる。このように積層された各色のトナー像は、中間転写ベルト9eとともに搬送され、2次転写装置10によって用紙上に転写される。
【0067】
また、2次転写装置10によって中間転写ベルト9e上のトナー像が用紙上に完全に転写されず、中間転写ベルト9e上にトナーが残留することがあり、この残留トナーが次工程でトナーの混色を発生させる原因となる。このため、中間転写ベルトクリーニング装置9iによって残留トナーを除去および回収する。
【0068】
たとえば、中間転写ベルトクリーニング装置9iは、従動ローラ9g側に押圧された状態で中間転写ベルト9eに接触するクリーニングブレードを有しており、このクリーニングブレードにより残留トナーが除去および回収される。
【0069】
定着装置11は、用紙を挟み込んで搬送するヒートローラ11aおよび加圧ローラ11bを有する。ヒートローラ11aは、所定の定着温度となるように温度制御され、加圧ローラ11bとともに用紙を熱圧着することにより、用紙に転写されたトナー像を溶融、混合、圧接し、用紙に対して熱定着させる機能を有している。また、定着装置11には、ヒートローラ11aを外部から加熱するための外部加熱ベルト11cが設けられている。
【0070】
給紙トレイ12aは、用紙を格納しておくためのトレイであり、手差し給紙トレイ12bは、用紙が載置されるトレイである。排紙トレイ13は、中継搬送ユニット15が取り外されている場合に、印刷済みの用紙をフェイスダウンで載置するためのトレイである。中継搬送ユニット15は、着脱可能に取り付けられている。中継搬送ユニット15は、複数の搬送ローラ15aを有しており、排紙ローラ14gから排出される用紙を用紙搬送装置50へ搬送するように構成されている。
【0071】
シート搬送装置14は、用紙を給紙トレイ12aまたは手差し給紙トレイ12bから2次転写装置10や定着装置11を経由させて排紙トレイ13に送るために設けられている。シート搬送装置14では、給紙トレイ12aからシート搬送路Sに沿って、ピックアップローラ14a、サバキローラ14b、分離ローラ14c、搬送ローラ14d、レジスト前ローラ対14e、レジストローラ対14f、および排紙ローラ14gが配置されている。
【0072】
ピックアップローラ14aは、給紙トレイ12aの近傍に設けられており、給紙トレイ12aから用紙を1枚ずつシート搬送路Sに供給する呼び込みローラである。サバキローラ14bは、分離ローラ14cとの間に用紙を通過させることにより、用紙を1枚ずつ分離してシート搬送路Sへと搬送する。
【0073】
また、手差し給紙トレイ12bの近傍には、ピックアップローラ14iが設けられている。ピックアップローラ14iは、手差し給紙トレイ12bから用紙を1枚ずつシート搬送路Sに供給する呼び込みローラである。
【0074】
搬送ローラ14dおよびレジスト前ローラ対14eは、用紙の搬送を促進補助するための小型のローラである。なお、図1では、簡略化のために、搬送ローラ14dを1個だけ示したが、実際には、搬送ローラ14dは、シート搬送路Sに沿って複数箇所に設けられている。
【0075】
レジスト前ローラ対14eは、レジストローラ対14fのシート搬送方向上流側の直近に設けられており、用紙をレジストローラ対14fへと搬送する。レジストローラ対14fは、レジスト前ローラ対14eから搬送されてきた用紙を一旦停止させて、用紙の先端を揃え、中間転写ベルト9eと転写ローラ10aとの間のニップ域で中間転写ベルト9e上のカラーのトナー像が用紙に転写されるように、中間転写ベルト9eの回転にあわせて、用紙をタイミングよく搬送する。
【0076】
たとえば、レジストローラ対14fは、中間転写ベルト9eと転写ローラ10aとの間のニップ域で中間転写ベルト9e上のカラーのトナ一像の先端が用紙における画像形成範囲の先端に合うように、用紙を搬送する。
【0077】
トナー像が転写された用紙は、ヒートローラ11aおよび加圧ローラ11bにより、トナー像が用紙に定着されながら搬送される。各色のトナー像が定着された用紙は、排紙ローラ14gによって排紙トレイ13または中継搬送ユニット15に排出される。中継搬送ユニット15に排出された用紙は、搬送ローラ15aにより用紙搬送装置50へ搬送される。
【0078】
なお、4つの画像形成ステーションのうち少なくとも一つを用いて、モノクロ画像を形成し、モノクロ画像を中間転写ベルト装置9の中間転写ベルト9eに転写することも可能である。このモノクロ画像も、カラー画像と同様に、中間転写ベルト9eから用紙に転写され、用紙上に定着される。
【0079】
また、用紙の表(オモテ)面だけではなく、両面の画像形成を行う場合は、用紙の表面の画像を定着装置11により定着した後に、用紙をシート搬送路Sの排紙ローラ14gにより搬送する途中で、排紙ローラ14gを停止させてから逆回転させ、搬送ローラ14hにより用紙を表裏反転経路Srに通して、用紙の表裏を反転させてから、用紙を再びレジストローラ対14fへと導き、用紙の表面と同様に、用紙の裏面にトナー像を転写して定着し、用紙を排紙トレイ13または中継搬送ユニット15に排出する。
【0080】
画像読取装置2は、画像読取部20と、画像読取部20に対して開閉可能に取り付けられた原稿送り装置30とを含んでいる。
【0081】
画像読取部20は、原稿固定方式による読み取りと、原稿移動方式による読み取りとを行うことが可能なように構成されている。画像読取部20は、原稿台ガラス21と、原稿読取ガラス22と、光源ユニット23と、ミラーユニット24と、撮像部25とを有する。
【0082】
原稿台ガラス21は、原稿の最大サイズよりも大きい透明なガラス板である。原稿読取ガラス22は、主走査方向(紙面に対する垂直方向)に延びる透明なガラス板である。原稿台ガラス21および原稿読取ガラス22は、光源ユニット23から出射された光を透過するとともに、原稿で反射された光を透過するように構成されている。
【0083】
光源ユニット23は、原稿へ向けて光を照射する光源23aと、原稿からの反射光をミラーユニット24へ導くミラー23bとを有する。光源ユニット23は、副走査方向Y1に移動可能なように構成されている。光源23aは、主走査方向において間隔を隔てて配置される複数のLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)により構成されている。
【0084】
ミラーユニット24は、ミラー24aとミラー24bとを有する。ミラーユニット24は、光源ユニット23の移動速度の1/2の移動速度で、副走査方向Y1に移動可能なように構成されている。ミラー24aは、光源ユニット23のミラー23bからの反射光をミラー24bへと導くために設けられている。ミラー24bは、ミラー24aからの反射光を撮像部25へと導くために設けられている。
【0085】
撮像部25は、集光レンズやCCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)などを有する。撮像部25は、ミラーユニット24のミラー24bからの反射光を、集光レンズを介してCCDの受光面に結像することにより、原稿の画像を撮像するように構成されている。
【0086】
画像読取部20では、原稿固定方式による読取時に、光源ユニット23およびミラーユニット24を副走査方向Y1に移動させながら、光源23aから光が出射される。このとき、光源23aから出射される光は、原稿台ガラス21を介して原稿台ガラス21上に載置される原稿に照射される。そして、原稿からの反射光は、原稿台ガラス21、光源ユニット23のミラー23b、および、ミラーユニット24のミラー24aおよびミラー24bを介して撮像部25に入射される。これにより、画像読取部20は、原稿台ガラス21上に固定的に配置された原稿の画像を読み取ることが可能である。
【0087】
また、画像読取部20では、原稿移動方式による読取時に、光源ユニット23を読取位置(図2に示す位置)に停止させた状態で、光源23aから光が出射される。このとき、光源23aから出射される光は、原稿読取ガラス22を介して、原稿送り装置30により原稿読取ガラス22上を搬送方向Y1に搬送される原稿に照射される。そして、原稿からの反射光は、原稿読取ガラス22、光源ユニット23のミラー23b、および、ミラーユニット24のミラー24aおよびミラー24bを介して撮像部25に入射される。これにより、画像読取部20は、原稿送り装置30により原稿読取ガラス22上を搬送される原稿の画像を読み取ることが可能である。
【0088】
原稿送り装置30は、原稿が載置される原稿トレイ31と、原稿が排出される排紙トレイ32と、原稿トレイ31に載置される原稿を排紙トレイ32へ搬送するための搬送路33aと、読取位置を通過した原稿を読取位置よりも上流側へと戻すための搬送路33bとを含んでいる。
【0089】
原稿トレイ31には、原稿がフェイスアップで載置されている。原稿トレイ31の近傍には、ピックアップローラ34が設けられている。ピックアップローラ34は、原稿トレイ31に載置された原稿を上から順に原稿送り装置30の内部に取り込むために設けられている。
【0090】
ピックアップローラ34の近傍には、サバキローラ35aおよび分離ローラ35bが設けられている。サバキローラ35aおよび分離ローラ35bは、複数の原稿が重なった状態で搬送路33aへ搬送されること(重送)を防止するために設けられている。
【0091】
排紙トレイ32は、原稿トレイ31の下方に配置され、原稿がフェイスダウンで排出される。搬送路33aは、正面から見てU字状に形成されている。搬送路33aには、搬送ローラ36と排出ローラ37とが設けられている。
【0092】
原稿送り装置30では、ピックアップローラ34により、原稿トレイ31に載置される原稿が原稿送り装置30の内部に取り込まれる。そして、取り込まれた原稿がサバキローラ35aおよび分離ローラ35bにより分離される。これにより、搬送路33aに原稿が1枚ずつ搬送される。そして、搬送ローラ36により原稿が搬送路33aを搬送される。この搬送路33aを搬送される原稿が読取位置を通過する際に、画像読取部20により原稿の表面の画像が読み取られる。
【0093】
そして、原稿の表面のみが読み取られる場合には、排出ローラ37により原稿が排紙トレイ32へ排出される。その一方、原稿の両面が読み取られる場合には、原稿が搬送路33bを介して読取位置の上流側へ搬送される。これにより、画像読取部20により原稿の裏面の画像が読み取られる。なお、この場合には、両面の画像が読み取られた原稿が再び搬送路33bを介して読取位置の上流側へ搬送される。その後、排出ローラ37により原稿が排紙トレイ32へ排出される。これにより、原稿がフェイスダウンで排出される。その結果、原稿トレイ31に複数の原稿が載置され、複数の原稿が連続的に読み取られて排紙トレイ32に排出された場合にも、複数の原稿の順番に対する面の向きが反転するのを防止することができる。
【0094】
画像形成装置1は、通常の画像形成が行われる場合に、画像読取装置2により読み取られた画像を画像形成部3により用紙に形成する。そして、画像が形成された用紙(通常の用紙)が中継搬送ユニット15を介して用紙搬送装置50へ供給される。
【0095】
また、画像形成装置1は、画像形成時の出力の校正が行われる場合に、画像形成部3によりテストパターン41(図3参照)を用紙に形成する。そして、校正用紙40(図3参照)が中継搬送ユニット15を介して用紙搬送装置50へ供給される。
【0096】
ここで、校正用紙40に形成されたテストパターン41は、階調が段階的に変化するように所定の間隔で形成されたブラック(K)の画像41aと、階調が段階的に変化するように所定の間隔で形成されたシアン(C)の画像41bと、階調が段階的に変化するように所定の間隔で形成されたマゼンタ(M)の画像41cと、階調が段階的に変化するように所定の間隔で形成されたイエロー(Y)の画像41dとにより構成されている。なお、画像41a〜画像41dは、たとえば、1辺が2mmの正方形状である。
【0097】
その後、画像形成装置1では、用紙搬送装置50から受信した読取結果に基づいて、画像形成時の出力の校正(画質調整)が行われる。なお、画質調整とは、印刷画質濃度の変化や色調の変化と言った出力画像の画質変化等を調整することをいう。具体的には、画像調整とは、画像形成装置1の指令値に対して、用紙に実際に形成された画像(出力)が異なっている場合に、所望の画像が得られるように指令値を補正することをいう。たとえば、画像形成装置1が所定の階調の画像を形成しようとした際に、所定の階調よりも濃い画像が形成された場合には、その後、画像形成装置1は、所定の階調の画像を形成しようとする際に、出力を小さくすることにより、所定の階調の画像が形成されるようにする。
【0098】
図4は、図1に示した画像形成システムの用紙搬送装置を示した斜視図である。図5は、図4に示した用紙搬送装置を示した側面図である。図6は、図4に示した用紙搬送装置を示した断面図である。図4〜図6を参照して、用紙搬送装置50の構造について説明する。なお、図4〜図6では、見やすさを考慮して搬送路51に設けられる搬送ローラ58aおよび搬送ローラ58b(図1参照)の記載を省略した。
【0099】
搬送路51(図6参照)は、搬送方向(水平方向)Y2に延びるように形成されている。また、搬送路51は、筐体57の一方の面から他方の面まで設けられている。搬送路52(図6参照)は、搬送路51から分岐して、搬送路51に対して直交する方向(垂直方向)Zに延びるように形成されている。すなわち、搬送路52は、搬送路51に対して略直交している。また、搬送路52は、ゲート部材53の近傍からスタッカ56まで設けられている。これにより、画像形成装置1(図1参照)から供給される校正用紙40(図3参照)を搬送路51を介して搬送路52へ搬送することができる。
【0100】
ゲート部材53は、揺動可能に構成されており、搬送路51を搬送方向Y2に搬送される用紙の搬送方向を切り替えるために設けられている。具体的には、ゲート部材53は、画像形成装置1から通常の用紙が供給された場合に、通常の用紙が搬送路51を通って用紙搬送装置70(図1参照)へ供給されるように搬送路51から退避し、画像形成装置1から校正用紙40が供給された場合に、校正用紙40を搬送路52へ導くように搬送路51に突出するように構成されている。これにより、画像形成装置1から供給される校正用紙40を容易に搬送路52へ搬送することができる。
【0101】
デカーラー54は、ゲート部材53と読取装置55との間に配置されている。デカーラー54は、搬送路52を搬送される校正用紙40のカールを矯正する機能を有する。また、デカーラー54は、たとえば、ステンレスなどの金属製のシャフト54aと、シャフト54aに対向配置されるシリコンスポンジ製のローラ54bとを有する。シャフト54aは8mmの直径を有し、ローラ54bは25mmの直径を有する。デカーラー54は、シャフト54aおよびローラ54bが互いに押圧された状態で、シャフト54aおよびローラ54bの間を校正用紙40が通されることにより、校正用紙40のカールを矯正するように構成されている。これにより、カールが矯正された校正用紙40が読取装置55に供給されるので、読取装置55の読取精度が低下するのを抑制することができる。
【0102】
読取装置55は、校正用紙40を読み取る読取部55aと、読取部55aを搬送方向Zと直交する方向Xに沿って移動させるベルト55bと、ベルト55bが架けられた一対のプーリ55cとを有する。読取部55aは、たとえば、測色器であり、校正用紙40に形成されたテストパターン41を読み取るように構成されている。なお、読取部55aによる読取結果(測色結果)は、たとえば、L***色空間での座標値である。ベルト55bは、方向Xにおいて対向配置される一対のプーリ55cに架けられている。プーリ55cは、筐体57の一方の面に設けられたシャーシ55dに取り付けられている。これにより、直線状ではなく平面的にテストパターン41が形成されている場合にも、読取部55aにより校正用紙40のテストパターン41を読み取ることができる。
【0103】
また、筐体57の一方の面と対向する他方の面には、一対の側板55eが設けられている。一対の側板55eの間には、搬送ローラ55fが設けられている。搬送ローラ55fは、搬送路52において読取部55aによる読取位置の上方および下方の近傍に設けられている。これにより、搬送路52を搬送される校正用紙40が読み取られる際に、校正用紙40の位置を固定しやすくすることができる。なお、実施の形態1における搬送ローラ55fは、本発明の「第2搬送ローラ」に対応する。
【0104】
スタッカ56は、読取装置55の下方に配置され、筐体57の下端部に設けられている。スタッカ56は、上面が開口した箱体である。スタッカ56は、搬送路51から分岐した搬送路52の端部に設けられている。これにより、利用者にとって不要な校正用紙40が排紙トレイ81(図1参照)に排出されるのを防止することができる。
【0105】
また、スタッカ56は、筐体57に対して脱着可能に構成されている。筐体57の前面には、スタッカ56と対応する領域に開閉可能な扉(図示省略)が設けられている。これにより、スタッカ56に収納された校正用紙40を廃棄することが容易にできる。
【0106】
図7は、図4に示した用紙搬送装置を示したブロック図である。図7を参照して、用紙搬送装置50の構造について説明する。
【0107】
用紙搬送装置50は、搬送路51に設けられた搬送ローラ58aおよび搬送ローラ58bを駆動するモータ59と、搬送路52に設けられた搬送ローラ55fを駆動するモータ60と、ゲート部材53を揺動させるアクチュエータ61と、プーリ55cを駆動するモータ62と、スタッカ56に収納された校正用紙40の量を検出するセンサ63と、読取部55aの読取結果を画像形成装置1に送信する通信部64と、用紙搬送装置50の動作を制御する制御部65とを有する。なお、実施の形態1において、モータ59は本発明の「第1駆動部」に対応し、モータ60は本発明の「第2駆動部」に対応し、通信部64は本発明の「送信部」に対応する。
【0108】
モータ59は、たとえば、搬送路51を通常の用紙が900mm/secの速度で搬送されるように搬送ローラ58aおよび搬送ローラ58bを駆動するように構成されている。モータ60は、たとえば、搬送路52を校正用紙40が100mm/secの速度で搬送されるように搬送ローラ55fを駆動するように構成されている。すなわち、搬送路52を搬送される校正用紙40の搬送速度は、搬送路51を搬送される通常の用紙の搬送速度よりも遅い。したがって、読取部55aにより読み取りが行われる読取位置への搬送をしやすくすることができる。
【0109】
また、搬送ローラ58aおよび搬送ローラ58bを駆動するモータ59と、搬送ローラ55fを駆動するモータ60とを別個に設けることにより、搬送ローラ55fにより搬送路52を搬送される校正用紙40の搬送速度を、搬送ローラ58aおよび搬送ローラ58bにより搬送路51を搬送される通常の用紙の搬送速度よりも遅くすることが容易にできる。
【0110】
また、モータ60は、読取部55aによる読取位置を通過する校正用紙40を間欠搬送するように搬送ローラ55fを駆動するように構成されている。すなわち、校正用紙40が搬送方向Zへの移動と停止とを繰り返し行う。そして、校正用紙40が搬送方向Zに対して停止しているときに、モータ62が読取部55aを方向Xに所定の間隔ずつ移動させる。これにより、読取部55aによる校正用紙40の読み取りは、読取部55aに対して校正用紙40が停止した状態で行われる。
【0111】
制御部65は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)などを有する。制御部65は、読取部55aにより校正用紙40の読み取りが行われた場合に、通信部64から読取結果を画像形成装置1に送信するように構成されている。これにより、読取結果を画像形成装置1に容易に伝えることができる。
【0112】
また、制御部65は、センサ63の検出結果が予め設定された値以上になったと判断した場合には、通信部64から校正用紙40の廃棄を要求する廃棄通知を画像形成装置1に送信するように構成されている。そして、画像形成装置1では、廃棄通知を受信した場合に、スタッカ56に収納された校正用紙40の廃棄を利用者に促すメッセージが表示部(図示省略)に表示される。
【0113】
実施の形態1では、上記のように、画像形成装置1から供給される通常の用紙が排紙トレイ81へ搬送される搬送路51と、画像形成装置1から供給される校正用紙40が搬送される搬送路52とを設け、校正用紙40を読み取る読取部55aを搬送路52に設ける。
【0114】
このように構成することによって、搬送路52に設けられた読取部55aにより校正用紙40を読み取りながら、搬送路51において画像形成装置1から供給される通常の用紙を排紙トレイ81へ搬送することができる。すなわち、校正用紙40の読み取りと通常の用紙の搬送とを並行して行うことができるので、読取部55aを搬送路51に設ける場合と異なり、校正用紙40の読み取りに起因して通常の用紙の搬送速度が低下するのを防止することができる。また、搬送路52には、校正用紙40のみが搬送され、通常の用紙が搬送されないことから、搬送路52を搬送される用紙の量を少なくすることができるので、読取部55aの周囲において用紙の搬送に起因する紙粉が発生するのを抑制することができ、読取部55aの周囲の温度が上昇するのを抑制することができる。これにより、読取部55aによる読取精度が低下するのを抑制することができる。
【0115】
<実施の形態2>
図8は、本発明の実施の形態2に係る用紙搬送装置を備える画像形成システムの概略を示した正面図である。図8を参照して、実施の形態2に係る画像形成システム200の構成について説明する。なお、以下では、実施の形態1に係る画像形成システム100と同一部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0116】
画像形成システム200は、画像形成装置1と、用紙搬送装置250と、排紙ユニット80とを備えている。
【0117】
用紙搬送装置250は、搬送路51に設けられたデカーラー251を含んでいる。なお、用紙搬送装置250のその他の構成は、上記した用紙搬送装置50と同様である。また、実施の形態2におけるデカーラー251は、本発明の「第2カール矯正部」に対応する。
【0118】
デカーラー251は、ゲート部材53と排紙ユニット80との間に配置されている。デカーラー251は、搬送路51を搬送される通常の用紙のカールを矯正する機能を有する。これにより、通常の用紙のカール矯正用のユニットである用紙搬送装置70(図1参照)が設けられていない場合にも、カールが矯正された通常の用紙を排紙トレイ81に排出することができる。なお、デカーラー251のその他の構成は、上記したデカーラー54と同様である。
【0119】
なお、今回開示した実施の形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施の形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0120】
たとえば、実施の形態1では、単色の画像41a〜画像41dによりテストパターン41が構成される例を示したが、これに限らず、2色以上の混合色がテストパターンに含まれていてもよい。
【0121】
また、実施の形態1では、テストパターン41として正方形状の画像41a〜画像41dが所定の間隔を隔てて配置される例を示したが、これに限らず、テストパターンのレイアウトはどのようなものであってもよい。
【0122】
また、実施の形態1では、搬送路51に設けられた搬送ローラ58aおよび搬送ローラ58bを駆動するモータ59と、搬送路52に設けられた搬送ローラ55fを駆動するモータ60とを別個に設ける例を示したが、これに限らず、搬送路51に設けられた搬送ローラ58aおよび搬送ローラ58bと、搬送路52に設けられた搬送ローラ55fとを駆動するモータが1個だけ設けられていてもよい。
【0123】
また、実施の形態1では、搬送路52に沿って1個のデカーラー54が設けられる例を示したが、これに限らず、デカーラー54が搬送路52に複数設けられていてもよいし、デカーラー54が設けられていなくてもよい。
【0124】
また、実施の形態1において、PANTONEなどの色見本を読取部55aにより読み取り、画像形成装置1が読み取られた色見本を再現できるようにしてもよい。
【0125】
また、実施の形態1において、用紙搬送装置50の底面に、用紙搬送装置50を移動させるためのキャスター(図示省略)が設けられていてもよい。なお、画像形成装置1、用紙搬送装置70、および排紙ユニット80についても同様である。
【符号の説明】
【0126】
1 画像形成装置
40 校正用紙
41 テストパターン
50、250 用紙搬送装置
51 搬送路(第1搬送路)
52 搬送路(第2搬送路)
53 ゲート部材
54 デカーラー(第1カール矯正部)
55a 読取部
55f 搬送ローラ(第2搬送ローラ)
56 スタッカ
57 筐体
58a、58b 搬送ローラ(第1搬送ローラ)
59 モータ(第1駆動部)
60 モータ(第2駆動部)
64 通信部(送信部)
81 排紙トレイ
100、200 画像形成システム
251 デカーラー(第2カール矯正部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置から供給される用紙が排紙トレイへ搬送される第1搬送路を備える用紙搬送装置であって、
前記画像形成装置の画質調整のために前記画像形成装置から供給される校正用紙が搬送される第2搬送路と、
前記第2搬送路に設けられ、校正用紙を読み取る読取部とを備えること
を特徴とする用紙搬送装置。
【請求項2】
請求項1に記載の用紙搬送装置であって、
前記第2搬送路は、前記第1搬送路から分岐していること
を特徴とする用紙搬送装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の用紙搬送装置であって、
前記画像形成装置から供給される校正用紙を前記第2搬送路へ導くゲート部材を備えること
を特徴とする用紙搬送装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか一つに記載の用紙搬送装置であって、
前記第1搬送路に設けられた第1搬送ローラを駆動する第1駆動部と、
前記第2搬送路に設けられた第2搬送ローラを駆動する第2駆動部とを備えること
を特徴とする用紙搬送装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか一つに記載の用紙搬送装置であって、
前記第2搬送路を搬送される校正用紙の搬送速度が、前記第1搬送路を搬送される用紙の搬送速度よりも遅い構成とされていること
を特徴とする用紙搬送装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか一つに記載の用紙搬送装置であって、
前記読取部は、前記第2搬送路の搬送方向と直交する方向に沿って移動する構成とされていること
を特徴とする用紙搬送装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれか一つに記載の用紙搬送装置であって、
前記読取部により読み取られた読取結果を前記画像形成装置に送信する送信部を備えること
を特徴とする用紙搬送装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7までのいずれか一つに記載の用紙搬送装置であって、
前記第2搬送路における前記読取部の上流側に設けられ、前記画像形成装置から供給される校正用紙のカールを矯正する第1カール矯正部を備えること
を特徴とする用紙搬送装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8までのいずれか一つに記載の用紙搬送装置であって、
前記第1搬送路に設けられ、前記画像形成装置から供給される用紙のカールを矯正する第2カール矯正部を備えること
を特徴とする用紙搬送装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9までのいずれか一つに記載の用紙搬送装置であって、
前記読取部により読み取られた校正用紙が収納されるスタッカを備えること
を特徴とする用紙搬送装置。
【請求項11】
請求項10に記載の用紙搬送装置であって、
前記スタッカが取り付けられる筐体を備え、
前記スタッカは、前記筐体から取り外せる構成とされていること
を特徴とする用紙搬送装置。
【請求項12】
用紙に画像を形成する画像形成装置と、
請求項1から請求項11までのいずれか一つに記載の用紙搬送装置とを備えること
を特徴とする画像形成システム。
【請求項13】
請求項12に記載の画像形成システムであって、
前記画像形成装置は、用紙にテストパターンを形成することにより校正用紙を形成して前記用紙搬送装置に供給し、前記用紙搬送装置の読取部により読み取られた読取結果に基づいて画像形成時の出力を校正する構成とされていること
を特徴とする画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−198367(P2012−198367A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−62146(P2011−62146)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】