説明

用量分注装置

【課題】横壁および底部分によって境界が定められた内部空間を備えた用量分注ユニットを提供すること。
【解決手段】底部分は、さらに、流出口オリフィスを含む。用量分注ユニットは、用量分注装置の保持装置に接続することができる。保持装置は、規定された方向で運動を可能にする拘束するものによって支持される。流出口オリフィスの長手方向の中心軸は、規定された運動方向に対して所定の角度で方向付けられる。内部空間に向き合う、底部分の内面は、流出口オリフィスから始まり、規定された運動方向に延びる、少なくとも1つの線分から構成された面領域を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、規定された方向での運動を可能にする拘束するものによって支持された保持装置を備えた用量分注装置に関し、本発明は、さらに、用量分注装置に適合し、保持装置中にセットすることができるように設計された用量分注ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
自由流動性を有する物質、たとえば、粉末、ペーストまたは液体のための用量分注装置が、産業の多くの領域中で使用される。これらの用量分注装置は、駆動機構、制御器、および分注する材料の量を測定する測定装置を備えることが好ましい。自由流動性を有する物質、すなわち、分注する材料は、供給機導管を通じて、または交換できる用量分注ユニットによってのいずれかで、用量分注装置中に供給することができる。用量分注装置中に用量分注ユニットをセットすることを可能にするために、用量分注装置は、保持装置を備える必要がある。
【0003】
用量分注ユニットは、本質的に、用量材料を保持するソース容器と、その容器からの流れを止める分注ヘッドとから構成される。分注ヘッドは、流出口オリフィスと、シャッター要素とを有し、そのシャッター要素によって、流出口オリフィスは、様々な程度に閉じることができる。ソース容器の代わりに、分注ヘッドに、コンベヤ装置、たとえば、供給機ホースによっても用量材料を供給することができる。
【0004】
前述した種類の用量分注ユニットのための保持装置を備えた用量分注装置は、欧州特許第1959244(A1)号に開示されている。この用量分注装置の保持装置は、水平軸上に、枢動可能に支持される。保持装置の振動性の枢動運動を、衝撃機構によって発生させることができ、それによって、用量分注ユニットの内部にある粉末形態の用量材料がほぐされる。さらに、枢動運動は、粉末材料中の材料のブリッジを破壊する作用を有し、その材料ブリッジによって、流出口オリフィスへの用量材料の自由流動が妨げられる。個々の粉末粒子が、互いに組み合わされて円弧状の障壁になり、それゆえに流出口オリフィスに向かう用量材料の連続的なストリームを停止させたとき、材料ブリッジが形成される。
【0005】
振動性の枢動運動は、任意の形状の細粒を含み、水分含有量が少ない、粉末形態の用量材料において優れた結果を生み出した。長期間の貯蔵、運送による振動または水分吸収のために凝固した、用量分注ユニット中に含まれた用量材料は、枢動運動によって、極めて高い自由流動性のある状態に戻すことができる。これは、用量材料がソース容器の内部で上方に激しく揺さぶられ、それによって用量材料は、ほぐれた凝集体になることによる。
【0006】
しかし、実験では、ほぐすにもかかわらず、用量材料が、分注ヘッドの内側壁に、具体的には、流出口オリフィスの領域中で固着することが示されている。これは、用量分注工程に対する障害になり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許第1959244(A1)号
【特許文献2】米国特許第7,284,574(B2)号
【特許文献3】欧州特許第1931950(A1)号
【特許文献4】欧州特許第1931951(A1)号
【特許文献5】欧州特許第1931953(A1)号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明は、分注ヘッドの内部壁に固着したままである用量材料が、できるだけ少なくなるようにする、用量分注ユニットを創成するという目的を有する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題は、独立請求項に定義された特徴を有する用量分注ユニットおよび用量分注装置によって解決される。
本発明による用量分注ユニットは、横壁および底部分によって境界が定められた内部空間を有する。底部分は、さらに、流出口オリフィスを含む。用量分注ユニットは、用量分注装置の保持装置に接続することができる。保持装置は、規定された方向での運動を可能にする拘束するものによって支持される。流出口オリフィスの長手方向の中心軸は、規定された運動方向に対して所定の角度で方向付けられる。内部空間に向き合う、底部分の内側壁は、流出口オリフィスから始まり、規定された運動方向に延びる、少なくとも1つの線分から構成された面領域を含む。
【0010】
底部分の設計が運動の方向に依存するという発明の概念は、保持装置の運動の結果として、内側壁とそれに固着した用量材料の間に生じる剪断力が、少なくとも1つの線分から構成される面領域中で、最大化されるという効果を有する。さらに、流出口オリフィスの長手方向の中心軸が、運動の方向に対して所定の角度で方向付けられる構成は、用量材料が、剪断力によって内側壁から分断されてほぐされた後、用量材料を、流出口オリフィスを通じて用量分注ユニットから滑り出させるという点で、極めて効果的である。所定の角度は、輪郭部分と長手方向の中心軸の間で測定されると、90°より小さい。
【0011】
本発明による用量分注装置の第1の実施形態では、規定された方向での運動は、水平枢動軸周囲の保持装置の枢動運動とすることができる。したがって、少なくとも1つの線分から構成された内側壁の面領域は、流出口オリフィスの長手方向の中心軸から側壁に向かって延びる円弧でなければならない。円弧の中心は、流出口オリフィスの長手方向の中心軸から垂直距離に在り、その中心は、用量分注ユニットが保持装置に接続されたとき、円弧の中心が保持装置の枢動軸上に在るように、配置される。これは、保持装置が、少なくとも1つの用量分注ユニットのための結合手段を備え、かつ、この結合手段によって、取り付けられた用量分注ユニットと枢動軸との空間的な関係を設定することができる、かつ/または本発明によって意図されたように行うことができると保証される設計によって、実際に達成することができる。用量分注ユニットの幾何学的なデータが適合される、具体的に定義された結合手段を使用することが、いっそう簡単である。
【0012】
円弧の曲率半径の大きさは、それゆえ、枢動運動の半径に等しい。枢動軸が、流出口オリフィスの長手方向の中心軸からある距離を置いて配置されることによって、運動は、流出口オリフィスの長手方向の中心軸に対する所定角度で導かれる。弓形形状であるために、所定の角度での運動の方向は、円弧に接し、そして論理上必然的に流出口オリフィスからの円弧上の点の距離によって変化する。円弧上の点が、流出口オリフィスからより遠く離れて選択されると、所定の角度がますます小さくなる。
【0013】
第1の実施形態による底部分の本発明の設計は、保持装置の枢動運動の結果として、内側壁とそれに固着した用量材料との間に生じた剪断力を、弓形の線分の面領域中で最大化することができるという効果を有する。最も多様な特性を有する用量材料のいくつかを用いた実験は、内側面の本発明の設計を用いると、振動的な枢動運動によって、用量材料を、内側壁から効率良く分離し、流出口オリフィスに移動させることができるという結論に繋がった。
【0014】
もちろん、曲率半径が、枢動運動の半径からわずかに外れることは、許容される。曲率半径が、枢動運動の半径から、わずか±10%だけ異なった場合でも、凝固した用量材料の良好な分離がそれでも達成された。
【0015】
第2の実施形態では、所定の方向での運動は、保持装置の直線状の運動である。本発明によれば、少なくとも1つの線分から構成された面領域が、流出口オリフィスの長手方向の中心軸から側壁に向かって延びる、直線分である。
【0016】
両方の実施形態における線分領域に隣接した底部分は、連続面形状を有してもよい。連続面形状を実現するために、内部壁は、たとえば、その形状が、流出口オリフィスに対して回転対称とすることができ、それは、漏斗形状の、湾曲した、または円錐形状の内部壁を意味する。
【0017】
また、本発明の主題の所望の特性に依存して、底部分の線分領域は、不連続な面形状に隣接することができる。これは、最も大きい剪断力が、線分領域中で生じ、そしてこの面部分中に存在する用量材料が、流出口オリフィスに移動されるという結果をもたらす。
【0018】
明らかに、用量分注ユニットの底部分中に少なくとも2つの流出口オリフィスを形成することができ、底部分は、流出口オリフィスのそれぞれに隣接する弓形形状であり、流出口オリフィスは、枢動軸に対して平行に走る線上に配置される。
【0019】
流出口オリフィスは、鋭い刃が付いたリムを有することが好ましい。具体的には、オリフィスから連続的なビーズとして出て来る物質に対して、鋭い刃が付いたリムは、その物質のストリングを切断する上でより優れている。というのは、その物質のストリングが、その慣性により、鋭い刃が付いたリムによって断片に切り刻まれるからである。
【0020】
流出口オリフィスの開口部の横断面は、さらに、任意の所望の形状を取ることができ、好ましい選択は、三角形、正方形または円形である。
さらに、本発明による用量分注ユニット中に、様々なシャッター要素を使用することができる。たとえば、シャッターは、流出口オリフィスの開口部を様々な程度に開閉することができる。シャッターは、同様に、物質のストリングのより良好な分離に導く鋭い刃先を有することができる。というのは、その物質のストリングは、その慣性により、刃先によって断片に切り刻まれるからである。
【0021】
好ましくは、シャッターは、流出口オリフィスの長手方向の中心軸に対して垂直な方向に滑ることができるように配置され、直線状、鎌形状、またはV字形状のシャッターの刃、あるいは三角形、正方形または円形の通路開口部を有する。
【0022】
滑りシャッターの代わりに、流出口オリフィスの開口部を様々な程度に開閉する他の可能なものは、流出口オリフィスの長手方向の中心軸に沿って直線状の運動で前進および後退させるように設計された閉要素から構成される。
【0023】
内側輪郭が、かき混ぜ運動に適合した、本発明による用量分注ユニットを使用するための必須条件として、用量分注装置が、用量分注ユニットを受け入れるように対応して構成された可動保持装置を備えることが必要である。上記に述べたように、保持装置は、用量分注ユニットの内側輪郭形状に依存して、枢動または直線状の運動をするように設計することができる。
【0024】
用量分注ユニットは、さらに、規定された運動方向で、保持装置の振動的な運動を発生させるように設計された衝撃機構を含む。極めて短い運動の急速なシーケンスは、用量分注ヘッドの内側壁に対する境界領域中の用量材料の分離をもたらし、用量粒子が内側壁に再び付着することを防止する。衝撃機構および可動に支持された保持装置の構成に依存して、運動の振幅は、その運動が衝撃波により匹敵するように、小さい。もちろん、流出口オリフィスに向いた底部分の面は、用量材料を一方向に前進させるための特別の手段を含むように設計することができる。これらの手段は、魚のうろこ状の構造物、のこぎり歯形状の溝、特定の方向の運動に対して妨害する剛毛、こびりつかない被覆などを含むことができる。
【0025】
保持装置は、さらに、回転の水平軸上で回転するように設計することができる。この構成によって、用量分注ユニットをひっくり返すことが可能になる。これは、保持装置を、定義した積載姿勢にさせることができ、それによって用量分注ユニットを保持装置中にセットする操作が容易になるという利点を有する。さらに、用量材料は、回転運動によって、混合し、ほぐすことができる。分注工程が終了するとすぐに、積載姿勢へ回転することによって、用量材料のすべてがソース容器中に落下して戻るという効果が生じる。その後、付き添う人員または積載装置が、用量分注ユニットを保持装置から取り外し、それを同じ方向付けで貯蔵することができる。用量分注ユニットが貯蔵されている間、用量材料は、流出口オリフィスから離されたままである。たとえ、用量材料に、凝固または沈殿する傾向があっても、物質は、ソース容器の底部領域中で一緒に塊になり、流出口オリフィスを塞がない。
【0026】
本発明による用量分注装置の細部は、図面に示す実施形態の例を用いて、下記に述べる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】用量分注ユニットがソース容器および分注ヘッド,その上、保持装置(図1に示さず)の枢動軸を含み、その軸は、円弧の中心と一致する、用量分注ユニットを示す断面立図である。
【図2】図1による用量分注ユニットが中に取り付けられた保持装置を備えた用量分注装置を示す三次元の概略図である。
【図3】用量分注ユニットが、ソース容器および分注ヘッド、その上、平行な誘導部材によって、直線状の運動で誘導される保持装置を含み、用量分注ユニットの底部分の線分領域が、直線状の運動の方向と平行に走るように配置される、用量分注ユニットを示す断面立図である。
【図4】流出口オリフィスを備え、流出口オリフィスの長手方向の中心軸に沿った誘導運動が拘束された閉要素を備え、連続した内部面を備えた、用量分注ユニットの分注ヘッドを示す三次元概略図である。
【図5】流出口オリフィスを備え、不連続な内部面を備えた、用量分注ユニットの分注ヘッドを示す三次元概略図である。
【図6】2つの流出口オリフィスを備えた、用量分注ユニットの分注ヘッドを示す三次元概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1に、分注ヘッド70を備えた用量分注ユニット50を断面立図で示す。用量分注ユニット50は、動作姿勢で、すなわちソース容器60が分注ヘッド70に接続され、用量材料を分注することができる姿勢で、示されている。用量材料が分注ヘッド70から流出することを可能にするために、重力方向に対して、分注ヘッド70が底部に在り、ソース容器60が上部に在るように、図面に示すように、用量分注ユニット50をひっくり返すことが必要である。分注ヘッド70は、本体71を有し、それに対して、ソース容器60が取り外し可能に接続される。また、ソース容器60の場所は、閉リッドが取ることができ、したがって、満たされてすぐに使用できる分注ヘッド70が、同時に、用量材料の供給物を含む。他の移送装置、たとえば、じょうご、タンク、サイロまたは供給機ホースを本体71に接続することが、さらに可能である。本体71は、さらに、第1のトルク伝達手段72を含む。もちろん、第1のトルク伝達手段72は、第1のユニット(図1には示さず)とのフォームを固定する係合をもたらすために、図1に示す突起部を有することが絶対的には必要でない。また、本体71は、クランプ面の形である第1の手段72を有することができ、そのクランプ面は、力ベースの係合を介して、たとえば、クランプあご部またはコレット装置によって、第1の面に接続することができる。本体71は、コップ形状の作動部材90によって、ほとんど完全に囲繞され、その部材は、長手方向の中心軸Xのまわりで自由に回転する状態で、本体71に接続される。作動部材90は、その端面中に、ウインドウ開口部91を有し、また、第2のトルク伝達手段92を含む。本体71と作動部材90の間に、滑りシャッター80が配置され、それは、その開状態で示し、通路開口部82を含む。
【0029】
本体71は、基本的に、形状が円筒形である。内部空間73が、本体71の内部に形成され、その内部空間は、底部分78と円筒形側壁79によって境界が定められる。本体71の側壁79は、ソース容器60のためにコネクタ領域を形成する。底部分78中の流出口オリフィス75が、本体71および分注ヘッド70全体の長手方向の中心軸X上に位置付けられる。ソース容器60のために、流出口オリフィス75からコネクタ領域までの空間が、空けられており、したがって用量分注ユニット50がその動作状態にあるとき、用量材料は、ソース容器60から流出口オリフィス75まで移動することができる。本体71の内部空間73に向かい合う、底部分78の内面77が、湾曲した輪郭を用いて設計され、円弧Rの形状である面領域を有しており、その円弧の中心Mが、保持装置の枢動軸Z上に在り、それは、この図面には示していない。枢動軸Zは、運動方向Vを規定する。枢動軸Zは、分注ヘッドの長手方向の中心軸Xから距離Sのところで、この図面の面に対して直交するように方向付けられる。円弧Rは、流出口オリフィス75の長手方向の中心軸Xから側壁79に向けて延在する。枢動軸Zが長手方向の中心軸Xから距離Sのところに配置されているので、規定された運動方向Vは、流出口オリフィスの長手方向の中心軸に対して所定の角度αで方向付けられる。所定の角度αは、弓状の線分の面領域と長手方向の中心軸Xの間で測定されると、90°より小さい。
【0030】
底部分78の内面77が、流出口オリフィス75の長手方向の中心軸Xに対して回転対称で設計されるので、円の中心Mが枢動軸Z上に在るという上記で述べたことが、内面77の線分に沿った狭い面領域にだけ当てはまる。しかし、これが十分である。というのは、用量材料が、それ自体内面77からこの線分に沿って離れ始め、それと隣接した壁部分に固着している材料を引っ張るからである。
【0031】
内部空間73からそれた方向に向いている、底部分78の端面74は、流出口オリフィス75の周りを取り囲む、高くなった境界部76を含む。滑りシャッター80は、本質的には、本体71上の適切な誘導手段によって、端面74に対して平行な直線状の運動をするように拘束された薄平板である。作動部材90は、湾曲部分を含み(図1では見えない)、それによって、作動部材90に伝達された回転運動が、直線状の運動に変換され、それは、滑りシャッター80に与えられる。
【0032】
滑りシャッター80の直線状の滑り運動によって、シャッターの通路開口部82を、様々な程度に流出口オリフィス75と重ね合わせることができ、したがって、本体71に対する、作動部材90の回転角度に応じて、開口部の横断面を選択することができる。もちろん、通路開口部82は、任意の所望の形状、たとえば、三角形、正方形または長円形の形状を取ることができる。米国特許第7,284,574(B2)号で既に詳細に記載されているように、三角形の形状は、特によく適している。というのは、分注ヘッド70の開口部の横断面は、流出口オリフィス75に対して滑りシャッター80およびその通路開口部82を移動させることによって、用量材料の個々の粒子の直径にまで調節することができるからである。したがって、この装置は、可変で選択可能な流量で、用量分注ユニット50から用量材料のストリームを送るだけでなく、個々の粒子さえ分注することが可能である。通路開口部82は、好ましくは、鋭い刃が付いたリム83を有し、それは、物質のストリングをより良好に細かく切ることが可能である。というのは、このストリングは、その慣性から、鋭い刃が付いたリム83によって、断片に切り刻まれるからである。
【0033】
作動部材90の寸法は、滑りシャッター80が、わずかな圧縮力によって、高くなった境界部76に押し付けられるように、滑りシャッター80の厚さおよび本体71に適合される。ソース容器60と本体71の間を十分厳重に密閉するために、密閉リング69を、内部空間73と一体に形成する、または内部空間73の中に挿入することができる。
【0034】
図1および図4〜6に、円弧Rを矢印によって示し、その矢印の先は、実際の円弧Rを指している。この表示は、枢動軸Z上に配置された、円の中心Mと、円弧Rとの間に存在する接続性を強調するのに役立つ。したがって、Rとして示された矢印の長さは、また、円弧Rの半径に等しい。
【0035】
図2に、用量分注ユニット50を備えた用量分注装置100の三次元の概略図を示し、用量分注装置100は、保持装置121および駆動機構122、ならびに分注される用量材料の質量を測定するための計量セルを備えたはかり145を含む。保持装置121は、支持部131と枢動部132にさらに分割され、枢動部132は、水平枢動軸Zのまわりで自由に旋回できるようにして、支持部131に接続される。支持部131は、回転の水平軸まわりで回転することができるように、親機120に接続される。規定された運動方向Vでの枢動運動は、駆動機構によって発生され(この図面では見られない)、それは、親機120の内部に配置され、この枢動運動は、棒133によって、枢動部132に伝達される。
【0036】
第1のユニット123は、枢動部132中に回転可能に支持され、ベルト駆動部127によって、駆動機構122の駆動車に接続され、したがって回転運動を伝達することができる。第1のユニット123は、第1の手段72の形状に適合する第1の凹部128を有する。第2のユニット124が、枢動部132にしっかりと接続された誘導柱129によって保持される。2本の矢印によって示すように、第2のユニット124は、誘導柱129に沿った直線状の滑り運動をする自由、ならびに誘導柱129のまわりで回転旋回運動を行う自由を有する。さらに、第2のユニット124は、また、誘導柱129上に固定された姿勢でロックすることができる。第2のユニット124は、第2の凹部130を有し、その形状は、第2の手段92に適合される。
【0037】
図2に示すような用量分注装置100は、動作状態でなく、準備段階である。準備段階では、用量分注ユニット50は、保持装置121中にセットされ、その保持装置は、この図面に示すように、その積載姿勢に、さらに具体的には、第1のユニット123の開口部中に方向付けられる。用量分注装置100の動作準備を実施するステップを完了するために、環形状の第2のユニット124は、次に用量分注ユニット50と一直線になるように旋回させ、そして、作動部材90が第2のユニット124に取り囲まれて、第2のユニットが第2の手段92上にゆるく置かれるまで、誘導柱129に沿って真っ直ぐに押し下げる。ここで、第2のユニット124は、第1の手段72が第1の凹部128中に定着し、第2の手段92が第2の凹部130中に定着するまで、回転させることができる。次に、第2のユニット124は、用量分注ユニット50を回転の水平軸まわりで回転させた状態で、誘導柱129および保持装置121に固定され、それゆえ流出口オリフィス75が、目標容器146の注入口開口部の真上に位置付けされる。目標容器146は、はかり145の荷重受147上に立っている。もちろん、分注工程を開始する前に、保持装置121は、用量材料をほぐすために、何回もひっくり返す、または、衝撃状の旋回運動によって振ることができる。図2ではっきりと明らかなように、用量分注ユニット50を開閉するのは、保持装置121に対して回転させられている作動部材90ではなく、どちらかというと、ソース容器60を備えた本体71である。
【0038】
分注工程の後、保持装置121から用量分注ユニット50を取り外すために、前述のステップは、本質的に、シーケンスの逆の順序で実施される。
様々な高さの目標容器146の使用を可能にするために、親機120は、下部126と上部125に分割することができ、高さは、下部126に対して上部125を垂直方向に移動させることによって、調節可能である。
【0039】
図3に、用量分注ユニット250の断面立図を示し、用量分注ユニット250は、ソース容器260および分注ヘッド270を有する。その設計では、分注ヘッド270は、図1に示す分注ヘッドとまさに等しいが、ただし、図3の底部分278の内面227が、湾曲した形状であるよりはむしろ円錐形状であり、それゆえ、図3の作図面に現れている、少なくとも1つの線分の面領域が、直線分であるという1点の違いを除く。この直線分は、保持装置221の運動方向Vに対して平行に延びており、その保持装置は、平行な誘導部材231、232によって直線状の運動で誘導される。保持装置221および平行な誘導部材231、232は、用量分注装置200の一部分であり、それは、この図面に部分的にのみ示す。平行な誘導部材231、232は、長さが同じであり、運動方向Vで、流出口オリフィス275の長手方向の中心軸Xに対して所定の角度αでの本質的に直線状の運動をもたらす。この例では、所定の角度αは、輪郭の線分と長手方向の中心軸の間で測定されると、やはり、90°より小さい。
【0040】
もちろん、2つの平行な誘導部材231、232は、また、異なる長さを有することができ、その場合、規定された運動方向Vが、前後左右に動く、または揺れる運動であり、底部分の内面は、この揺れる運動に適合する形状で湾曲していることが必要である。
【0041】
図4に、さらなる実施形態で、流出口オリフィス375を備えた、用量分注ユニットの分注ヘッド370の三次元概略図を示す。流出口オリフィス375は、鋭い刃が付いたリム376を有する。このさらなる実施形態は、本質的に、図1の文脈で既に述べた設計に類似する。回転対称の内面377を備えた底部分378の設計は、図4からはっきりと明らかである。円弧Rの中心Mが、枢動軸Z上に在り、それは、運動方向Vを決定し、長手方向の中心軸Xに対して直角で、その軸Xから距離Sのところを走る。円弧Rは、分注ヘッド370の長手方向の中心軸Xのまわりの回転の面としての内面377の生成曲面を表す。したがって、内面377が円弧Rから連続的に延びているにもかかわらず、内面377の1つの線分から構成される、狭い面領域だけが、実際に、本発明による枢動軸Zに対する空間的な関係を満たす。
【0042】
閉要素380が、分注ヘッド370の長手方向の中心軸X上で、分注ヘッド370の内部空間373中に配置される。長手方向の中心軸Xに沿った、閉要素380の直線状の変位によって、流出口オリフィス375は、様々な程度に閉じることができる。この目的を達成するために、閉要素380の端面381を、長手方向の中心軸Xに対して角度βで傾斜させる。もちろん、閉要素380の端面381または閉要素380自体を、他の方法で設計することもできる。可能な構成は、たとえば、欧州特許第1931950(A1)号、欧州特許第1931951(A1)号および欧州特許第1931953(A1)号に開示されている。
【0043】
図5に、さらなる実施形態で、流出口オリフィス475を備えた、用量分注ユニットの分注ヘッド470の三次元概略図を示す。明確にするために、閉要素は、この図面から省略されている。前に述べた実施形態でのように、分注ヘッド470の内部空間473は、側壁および底部分478によって境界が定められている。図5では、水平断面Fが、側壁から底部分478への推移部に在り、したがって、側壁は、この図面には示していない。円弧Rの中心Mは、枢動軸Z上に在り、その枢動軸は、運動方向Vを決定し、そして長手方向の中心軸Xに対して直角で、その中心軸から距離Sのところを走る。底部分478の内面477は、連続的でなく、円弧Rにおいて不連続である。
【0044】
図6に、2つの流出口オリフィス575A,575Bを備えた用量分注ユニットのさらなる実施形態での分注ヘッド570の三次元概略図を示す。明確化するために、閉要素は、この図面から省略されている。前に述べた実施形態でのように、分注ヘッド570の内部空間573は、側壁579および底部分578によって境界が定められている。側面579から底部分578への推移部は、部分的に水平断面Fに在る。水平枢動軸Zは、また、断面Fに在る。先行した例と異なって、底部分578の内面577は、チャネルとして構成され、したがって、中心Mが枢動軸Z上に在る、1つの円形線分だけでなく、チャネル全体に沿った、任意の部分の曲率中心Mが枢動軸Z上に在る、すなわち、本発明によれば、内面577のあらゆる点が、円弧R上に在り、その円弧の中心Mは、枢動軸Z上に在る。図6から明らかなように、流出口オリフィス575A、575Bの長手方向の中心軸XA、XBは、枢動軸Zから同一の距離Sに位置付けられ、それは、運動方向Vを規定する。もちろん、2つの流出口オリフィス575Aと575Bよりさらに多くの流出口オリフィスを備えた構成も、可能であり、それらは、閉要素によって、互いに無関係に、または同期して開閉することができる。
【0045】
本発明は、具体的な実施形態を提示することによって、述べてきたけれども、本発明の教示に基づき、多数のさらなる変形型の実施形態を、たとえば、個々の実施形態の特徴を互いに組み合わせることによって、および/または実施形態間で個々の機能ユニットを交換することによって、創り出すことが可能であることは、明らかである。たとえば、図5で開示した不連続な内面は、また、図6で開示したような、いくつかの流出口オリフィスを備えた分注ヘッド中で使用することが可能である。さらに、たとえば、図1の滑りシャッターおよび図4の閉要素などの閉要素は、実施形態のすべてで採用することができる。したがって、このような組み合わせ、および代替の解決策は、本発明の一部分であると考えられる。
【符号の説明】
【0046】
250、50 用量分注ユニット
260、60 ソース容器
69 密閉リング
570、470、370、270、70 分注ヘッド
71 本体
72 第1の手段
573、473、373、73 内部空間
74 端面
575A、575B、475、375、275、75 流出口オリフィス
76 高くなった境界部
577、477、377、277、77 内面
578、478、378、278、78 底部分
579、279、79 側壁
80 滑りシャッター
82 通路開口部
83 鋭い刃が付いたリム
90 作動部材
91 ウインドウ開口部
92 第2の手段
200、100 用量分注装置
120 親機
221、121 保持装置
122 駆動機構
123 第1のユニット
124 第2のユニット
125 上部
126 下部
127 ベルト駆動部
128 第1の凹部
129 誘導柱
130 第2の凹部
131 支持部
132 枢動部
133 棒
145 はかり
146 目標容器
147 荷重受
232、231 平行な誘導部材
376 鋭い刃が付いたリム
380 閉要素
381 端面
F 断面
M 円の中心
R 円弧
S 距離
V 運動方向
XB、XA、X 長手方向の中心軸
Z 枢動軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
側壁(79、279、579)および底部分(78、278、378、478、578)によって境界が定められた内部空間(73、373、473、573)を備え、さらに前記底部分(78、278、378、478、578)中に形成された流出口オリフィス(75、275、375、475、575A、575B)を備えた用量分注ユニット(50、250)であって、
用量分注装置(100、200)の保持装置(121、221)に接続するように設計され、
前記保持装置(121、221)は、規定された運動方向(V)で運動を可能にする拘束するものによって支持される、用量分注ユニット(50、250)において、
前記内部空間(73、373、473、573)に向き合う、前記底部分(78、278、378、478、578)の内面が、前記流出口オリフィス(75、275、375、475、575A、575B)から始まり、前記規定された運動方向(V)に延びる、少なくとも1つの線分から構成された面領域を含み、
前記流出口オリフィス(75、275、375、475、575A、575B)の長手方向の中心軸(X)が、前記規定された運動方向(V)に対して所定の角度(α)で方向付けられ、
前記所定の角度(α)が、前記線分と前記長手方向の中心軸(X)の間で測定されたとき、90°より小さいことを特徴とする、用量分注ユニット(50、250)。
【請求項2】
前記規定された方向(V)の前記運動が、水平枢動軸(Z)のまわりの前記保持装置(121、221)の枢動運動であり、
少なくとも1つの線分から構成された前記面領域が、前記流出口オリフィス(75、275、375、475、575A、575B)の前記長手方向の中心軸(X)から前記側壁(79、279、579)に向けて延びる円弧(R)であり、
前記円弧(R)の中心(M)が、前記流出口オリフィス(75、275、375、475、575A、575B)の前記長手方向の中心軸(X)から垂直方向への距離(S)の所に在り、前記用量分注ユニット(50、250)が前記保持装置(121、221)に接続されたとき、前記円弧の前記中心(M)が、前記保持装置(121、221)の前記枢動軸(Z)に在るように、配置されることを特徴とする、請求項1に記載の用量分注ユニット(50、250)。
【請求項3】
前記円弧(R)の曲率半径が、前記円弧(R)の前記面領域中での前記枢動運動の半径からわずか±10%しか違わないことを特徴とする、請求項2に記載の用量分注ユニット(50、250)。
【請求項4】
前記規定された方向(V)の前記運動が、前記保持装置(121、221)の直線状の運動であり、
少なくとも1つの線分から構成された前記面領域が、前記規定された運動方向(V)に平行な、直線分であり、
前記直線分は、前記流出口オリフィス(75、275、375、475、575A、575B)の前記長手方向の中心軸(X)から前記側壁(79、279、579)に向けて延びることを特徴とする、請求項1に記載の用量分注ユニット(50、250)。
【請求項5】
前記底部分(78、278、378、578)が、少なくとも1つの線分から構成された前記面領域から始まり、連続した面形状を有することを特徴とする、請求項1乃至4の1項に記載の用量分注ユニット(50、250)。
【請求項6】
前記底部分(78、278、378、578)が、少なくとも1つの線分から構成された前記面領域から始まり、不連続の面形状を有することを特徴とする、請求項1乃至4の1項に記載の用量分注ユニット(50、250)。
【請求項7】
少なくとも2つの流出口オリフィス(75、275、375、475、575A、575B)が、前記底部分(78、278、378、478、578)中に形成され、
前記底部分(78、278、378、478、578)が前記流出口オリフィス(75、275、375、475、575A、575B)のそれぞれから始まり、前記規定された運動方向(V)に沿って延びる少なくとも1つの線分から構成された面領域を有することを特徴とする、請求項1乃至6の1項に記載の用量分注ユニット(50、250)。
【請求項8】
前記流出口オリフィス(75、275、375、475、575A、575B)が、鋭い刃が付いたリム(376)を含むことを特徴とする、請求項1乃至7の1項に記載の用量分注ユニット(50、250)。
【請求項9】
前記流出口オリフィス(75、275、375、475、575A、575B)が、三角形、正方形または円形の開口部横断面を有することを特徴とする、請求項1乃至8の1項に記載の用量分注ユニット(50、250)。
【請求項10】
前記流出口オリフィス(75、275、375、475、575A、575B)の前記開口部横断面が、滑りシャッター(80)によって、様々な範囲で遮断することができることを特徴とする、請求項1乃至9の1項に記載の用量分注ユニット(50、250)。
【請求項11】
前記滑りシャッター(80)が、前記流出口オリフィス(75、275、375、475、575A、575B)の前記長手方向の中心軸(X)に対して直角に滑る可動性を有した状態で配置され、直線状、鎌形状、またはV字形状のシャッターの刃、あるいは、三角形、正方形または円形の通路開口部(82)を有することを特徴とする、請求項10に記載の用量分注ユニット(50、250)。
【請求項12】
前記通路開口部(82)が、刃先(83)を有することを特徴とする、請求項11に記載の用量分注ユニット(50、250)。
【請求項13】
前記流出口オリフィス(75、275、375、475、575A、575B)の前記開口部横断面が、前記流出口オリフィス(75、275、375、475、575A、575B)の前記長手方向の中心軸(X)に沿った直線状の運動で誘導される閉要素(380)によって、様々な程度に閉じることができることを特徴とする、請求項1乃至9の1項に記載の用量分注ユニット(50、250)。
【請求項14】
請求項1乃至13の1項に記載の用量分注ユニット(50、250)を受け入れるように設計された保持装置(121、221)を備えた用量分注装置(100、200)であって、
前記用量分注ユニット(50、250)が、底部分(78、278、378、478、578)と側壁(79、279、579)によって境界が定められた内部空間(73、373、473、573)を含み、さらに、前記底部分(78、278、378、478、578)中に形成された流出口オリフィス(75、275、375、475、575A、575B)を含み、
前記保持装置(121、221)が、規定された運動方向(V)での運動を可能にする拘束するものによって支持される、用量分注装置(100、200)において、
前記規定された方向(V)での前記運動が、前記流出口オリフィス(75、275、375、475、575A、575B)の長手方向の中心軸(X)に対して所定の角度(α)で、前記内部空間(73、373、473、573)に向き合う、前記底部分(78、278、378、478、578)の内面の面領域に沿って、生じ、
前記面領域が、前記流出口オリフィス(75、275、375、475、575A、575B)の前記長手方向の中心軸(X)から始まり、前記側壁(79、279、579)まで延びる、少なくとも1つの線分を含み、
前記所定の角度(α)が、前記輪郭線分と前記長手方向の中心軸(X)の間で測定されたとき、90°より小さいことを特徴とする、用量分注装置(100、200)。
【請求項15】
前記用量分注装置(100、200)が、前記規定された運動方向(V)での、前記保持装置(121、221)の振動運動を発生させるように働く衝撃機構(133)を含むことを特徴とする、請求項14に記載の用量分注装置(100、200)。
【請求項16】
前記保持装置(121、221)が、さらに、回転の水平に方向付けられた軸のまわりで回転することが可能であることを特徴とする、請求項14または15に記載の用量分注装置(100、200)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−144296(P2012−144296A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−251471(P2011−251471)
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【出願人】(599082218)メトラー−トレド アクチェンゲゼルシャフト (130)
【住所又は居所原語表記】Im Langacher, 8606 Greifensee, Switzerland
【Fターム(参考)】