説明

用量比例的な定常状態CAVEおよび定常状態AUC、ならびに、用量比例よりも小さい単回投与CMAXを有するオピオイド投薬形態物

本発明は、それぞれが治療剤(例えば、オピオイド)を含む第1の投薬形態物および第2の投薬形態物を含む複数の投薬形態物であって、第2の投薬形態物の投薬強度が第1の投薬形態物の投薬強度よりも大きく、かつ、第1の投薬形態物および第2の投薬形態物の定常状態Caveおよび定常状態AUCが用量比例的であり、第2の投薬形態物の単回投与Cmaxが、第1の投薬形態物に関する用量比例についての最少レベルよりも小さい複数の投薬形態物に関する。本発明はまた、そのような投薬形態物を患者に投与する方法、ならびに、そのような投薬形態物と、そのような投薬形態物を患者に投与するための説明書とを含むキットにも関する。本発明者らは、本発明の投薬形態物および方法は改善された安全性および患者許容性をもたらすと考えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、オピオイドを含む第1の投薬形態物および第2の投薬形態物を含む複数の投薬形態物であって、第2の投薬形態物が、第1の投薬形態物の投薬強度または投薬量よりも大きい投薬強度または投薬量を有し、かつ、第1の投薬形態物および第2の投薬形態物の定常状態Caveおよび定常状態AUCが用量比例的であり、第2の投薬形態物の単回投与Cmaxが、第1の投薬形態物に関する用量比例についての最少レベルよりも小さい複数の投薬形態物に関する。1つの実施形態において、第1の投薬形態物および第2の投薬形態物の単回投与AUCもまた用量比例的である。本発明はまた、そのような投薬形態物を患者に投与する方法、ならびに、そのような投薬形態物と、そのような投薬形態物を患者に投与するための説明書とを含むキットにも関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
オピオイドは意味のある有益な効果を患者に提供しているが、しかしながら、多くの場合、患者はまた、その同じオピオイドから有害作用を経験する。例えば、オピオイドは適度〜強い鎮痛剤として有用であるが、しかし、多くの場合に他の薬理学的副作用(例えば、嗜眠状態、呼吸抑制、多幸感、悪心、めまい、嘔吐、かゆみ、および、気分の変化など)もまた引き起こす。そのような有害作用は、治療の中断または服用の忘れをはじめとする患者の不履行をもたらし得る。
【0003】
オピオイドの不正使用防止性(tamper resistance)および患者許容性を高めるための試みがこの分野では以前から行われている。例えば、有効成分を何時間にもわたって放出する制御放出型の投薬形態物が開発されている。
【0004】
有害作用を軽減することができ、従って、患者許容性および乱用防止性を潜在的に高めることができる、オピオイドを投与するための改善された投薬形態物がこの分野では依然として求められている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書中で引用されるすべての文書は、すべての目的のためにその全体が参照として組み込まれる。
(定義)
【0006】
任意のオピオイド、任意のオピオイドアンタゴニストまたは任意の治療剤に対する本明細書中での参照はいずれも、別途言及されない限り、そのような薬学的作用因子の任意の薬学的に受容可能な形態(例えば、遊離形態)、任意の薬学的に受容可能な塩形態、任意の薬学的に受容可能な塩基形態、任意の薬学的に受容可能な水和物、任意の薬学的に受容可能な溶媒和物、任意の立体異性体、任意の光学異性体、ならびにそのような薬学的作用因子の任意のプロドラッグ、および、そのような薬学的作用因子の任意の薬学的に活性なアナログ、ならびに、前記のもののいずれかの混合物を包含する。
【0007】
本明細書中で使用される場合、用語「制御放出」は、長期間にわたる制御された様式での投薬形態物からのオピオイドのインビボ放出を指す。例えば、制御放出型の経口用投薬形態物は、例えば、5時間〜24時間の間隔にわたって、オピオイドを放出することができる。本明細書中で使用される場合、用語「持続放出」および用語「制御放出」は同義的である。
【0008】
本明細書中で使用される場合、用語「投薬強度比(dosage strength ratio)」は、ある1つの投薬形態物の投薬強度に対する別の投薬形態物の投薬強度の比率を指す。
【0009】
本明細書中で使用される場合、用語「マトリックス多粒子」および用語「マトリックス粒子」は、好ましくは類似するサイズおよび/または形状の範囲内にあり、オピオイドと、1つまたはそれ以上の賦形剤(好ましくは、本明細書中に記載されるような疎水性の制御放出物質が挙げられる)とを含有する複数の構成単位を指す。好ましくは、マトリックス多粒子は、いずれかの大きさが約0.1mm〜約12mm(より好ましくは約0.1mm〜約5mm)の範囲にあるサイズを有する。マトリックス多粒子は任意の幾何学的形状が可能である。特定の実施形態では、マトリックス多粒子は、押し出しを含むプロセスによって作製され、また、1つの実施形態では、マトリックス多粒子は、溶融押し出しを含むプロセスによって作製される。
【0010】
本明細書中で使用される場合、用語「オピオイド」または用語「オピオイドアゴニスト」は、オピオイド受容体のいくつかの亜種のいずれか1つまたは複数に(場合により立体特異的に)結合し、かつ、アゴニスト活性を生じさせる治療剤を指す。
【0011】
本明細書中で使用される場合、語句「オピオイドアンタゴニスト」は、オピオイド受容体のいくつかの亜種のいずれか1つまたは複数に(場合により立体特異的に)結合し、かつ、アンタゴニスト活性を生じさせる治療剤を指す。
【0012】
本明細書中で使用される場合、用語「患者」または用語「動物」は、ウシ、サル、ウマ、ヒツジ、ブタ、ニワトリ、七面鳥、ウズラ、ネコ、イヌ、マウス、ラット、ウサギおよびモルモットを包含するが、これらに限定されず、より好ましくは哺乳動物であり、最も好ましくはヒトである。
【0013】
本明細書中で使用される場合、語句「薬学的に受容可能な塩」は、酸と、オピオイドの塩基性窒素基とから形成される塩を指す。好ましい塩には、硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、イソニコチン酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸塩、重酒石酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチシナート(gentisinate)、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルカロナート(glucaronate)、サッカリン酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩およびパモ酸塩(すなわち、1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエート)が含まれるが、これらに限定されない。用語「薬学的に受容可能な塩」はまた、酸性の官能基(例えば、カルボン酸官能基またはスルホン酸官能基)を有するオピオイドと、薬学的に受容可能な無機塩基または有機塩基とから調製される塩を指す。好適な塩基には、アルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム、セシウムおよびリチウム)の水酸化物;アルカリ土類金属(例えば、カルシウムおよびマグネシウム)の水酸化物;他の金属(例えば、アルミニウムおよび亜鉛)の水酸化物;アンモニア、および、有機アミン(例えば、非置換またはヒドロキシ置換のモノアルキルアミン、ジアルキルアミンまたはトリアルキルアミン;ジシクロヘキシルアミン;トリブチルアミン;ピリジン;N−メチル−N−エチルアミン;ジエチルアミン;トリエチルアミン;モノ(2−ヒドロキシ−低級アルキルアミン)、ビス(2−ヒドロキシ−低級アルキルアミン)またはトリス(2−ヒドロキシ−低級アルキルアミン)(例えば、モノ(2−ヒドロキシエチルアミン)、ビス(2−ヒドロキシエチルアミン)、もしくはトリス(2−ヒドロキシエチルアミン)、2−ヒドロキシ−tert−ブチルアミンまたはトリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン)、N,N−ジ−低級アルキル−N−(ヒドロキシ−低級アルキル)アミン(例えば、N,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アミン、または、トリ(2−ヒドロキシエチル)アミン);N−メチル−D−グルカミン;N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、トリエタノールアミン;無機酸塩(例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩);有機酸塩(例えば、ギ酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酸塩)、およびアミノ酸(例えば、アルギニン、リシン、アスパラギン(asparginate)、グルタミン酸塩など)が含まれるが、これらに限定されない。
【0014】
本明細書中で使用される場合、用語「定常状態」は、系に到達するオピオイドの量が、系から出て行く薬物の量とほぼ同じである状態を指す。従って、定常状態では、患者の身体は、薬物が血流内への吸収によって患者の系に利用可能になるほぼ同じ速度でオピオイドを排出する。一般に、定常状態は、指定された時間間隔でオピオイドの投薬を数回連続して行った後になってはじめて達成される。
【0015】
本明細書中で使用される場合、語句「治療剤」または語句「薬学的作用因子」は、十分な量が患者の血流に吸収されたとき、生物学的な作用を引き起こす薬学的作用因子を指す。
【0016】
本明細書中で使用される場合、語句「痛みの処置」または語句「痛みを処置する」は、患者における痛みの改善または痛みの停止または痛みの発症の回避を指す。
【0017】
本明細書中で使用される場合、用語「ワックス様物質」は、通常、室温で固体であり、かつ、約30℃〜約100℃の融点を有する任意の物質を指す。
【0018】
(発明の要旨)
本発明は、第1の投薬強度または投薬量のオピオイドを有する第1の投薬形態物と、第1の投薬強度よりも大きい第2の投薬強度のオピオイドを有する第2の投薬形態物とを含む複数の投薬形態物であって、第1の投薬形態物および第2の投薬形態物はそれぞれが、定常状態Cave、定常状態AUCおよび単回投与Cmaxを有し、かつ、第1の投薬形態物および第2の投薬形態物の定常状態Caveおよび定常状態AUCが用量比例的であり、第2の投薬形態物の単回投与Cmaxが、第1の投薬形態物に関する用量比例についての最少レベルよりも小さい複数の投薬形態物に関する。いくつかの実施形態において、第2の投薬形態物の単回投与Cmaxは、第1の投薬形態物に対する第2の投薬形態物の投薬強度比を乗じた第1の投薬形態物のCmaxの75%以下である。本発明はまた、第1の投薬形態物を投与すること、および、その後、第2の投薬形態物を投与することを含む、そのような投薬形態物を投与する方法に関する。
【0019】
1つの実施形態において、第1の投薬形態物および第2の投薬形態物はそれぞれが単回投与AUCを有し、かつ、第1の投薬形態物および第2の投薬形態物の単回投与AUCもまた用量比例的である。1つの実施形態において、投薬形態物はそれぞれが制御放出型の投薬形態物である。特定の実施形態において、オピオイドはヒドロコドンである。
【0020】
本発明はまた、第1の投薬強度のオピオイドを含む第1の投薬形態物と、第2の投薬強度のオピオイドを含む第2の投薬形態物と、第3の投薬強度のオピオイドを含む第3の投薬形態物とを含む複数の投薬形態物であって、第3の投薬強度が第2の投薬強度よりも大きく、第2の投薬強度が第1の投薬強度よりも大きく、かつ、第1の投薬形態物、第2の投薬形態物および第3の投薬形態物はそれぞれが、定常状態Cave、定常状態AUCおよび単回投与Cmaxを有し、かつ、第1の投薬形態物、第2の投薬形態物および第3の投薬形態物の定常状態Caveおよび定常状態AUCが互いに関して用量比例的であり、第2の投薬形態物の単回投与Cmaxが、第1の投薬形態物に関する用量比例についての最少レベルよりも小さく、第3の投薬形態物の単回投与Cmaxが、第2の投薬形態物に関する用量比例についての最少レベルよりも小さい複数の投薬形態物に関する。特定の実施形態において、第2の投薬形態物の単回投与Cmaxが、第1の投薬形態物に対する第2の投薬形態物の投薬強度比を乗じた第1の投薬形態物の単回投与Cmaxの75%以下であり、かつ、第3の投薬形態物の単回投与Cmaxが、第2の投薬形態物に対する第3の投薬形態物の投薬強度比を乗じた第2の投薬形態物の単回投与Cmaxの75%以下である。本発明はまた、第1の投薬形態物を投与すること、その後、第2の投薬形態物を投与すること、および、その後、第3の投薬形態物を投与することを含む、そのような投薬形態物を投与する方法に関する。
【0021】
1つの実施形態において、第1の投薬形態物、第2の投薬形態物および第3の投薬形態物はそれぞれが制御放出型投薬形態物である。1つの実施形態において、第1の投薬形態物、第2の投薬形態物および第3の投薬形態物の単回投与AUCはそれぞれが用量比例的である。特定の実施形態において、オピオイドはヒドロコドンである。
本発明はまた、本発明による複数の投薬形態物と、第1の投薬形態物を患者に投与すること、および、その後、第2の投薬形態物を患者に投与すること、および、存在する場合、その後、第3の投薬形態物を患者に投与することを指示する印刷された1組の説明書とを含む、患者を処置するためのキットに関する。
【0022】
本発明は、本発明の非限定的な実施形態を例示することが意図される下記の図面、詳細な説明および実施例を参照することによってより十分に理解することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
(発明の詳細な説明)
送達放出特性(速度、程度、プロフィル)が医薬品の患者許容性および医薬品の不正使用防止に影響し得るということが本発明者らの考えである。例えば、(特定の即時放出医薬品に関して見られるように)より早い薬物送達速度を有する特定の医薬品は、患者許容性がより低く、有害作用が増加すると報告されている。本発明者らは、特定の治療剤の即時放出投薬形態物はまた、より遅い薬物送達速度を有する医薬品と比較して、乱用防止性が低下し、より大きな強化特性をもたらし得ると考えている。加えて、本発明者らは、薬物乱用者は、多くの場合、薬物の多幸感作用を経験するために、より大きな投薬強度の投薬形態物を好む傾向があると考えている。
【0024】
本発明は、第1の投薬強度のオピオイド(例えば、ヒドロコドン)を有する第1の投薬形態物と、第2の投薬強度のオピオイドを有する第2の投薬形態物とを含む複数の投薬形態物であって、第2の投薬強度が第1の投薬強度よりも大きく、かつ、第1の投薬形態物および第2の投薬形態物はそれぞれが、定常状態Cave、定常状態AUCおよび単回投与Cmaxを有し、第1の投薬形態物および第2の投薬形態物の定常状態Caveおよび定常状態AUCが用量比例的であり、第2の投薬形態物の単回投与Cmaxが、第1の投薬形態物に関する用量比例についての最少レベルよりも小さい複数の投薬形態物を提供する。
【0025】
特定の実施形態において、第2の投薬形態物の単回投与Cmaxは、第1の投薬形態物に対する第2の投薬形態物の投薬強度比を乗じた第1の投薬形態物のCmaxの75%以下(例えば、70%以下、65%以下または60%以下)である。
【0026】
1つの実施形態において、第1の投薬形態物および第2の投薬形態物は、それぞれが単回投与AUCを有し、かつ、第1の投薬形態物および第2の投薬形態物の単回投与AUCもまた用量比例的である。
【0027】
特定の実施形態において、本発明は、それぞれがオピオイド(例えば、ヒドロコドン)を含む3つの投薬形態物、すなわち、第1の投薬形態物、第2の投薬形態物および第3の投薬形態物を含む複数の投薬形態物を提供する。このような実施形態において、第3の投薬形態物の投薬強度は第2の投薬形態物の投薬強度よりも大きく、かつ、第2の投薬形態物の投薬強度は第1の投薬形態物の投薬強度よりも大きい。第1の投薬形態物、第2の投薬形態物および第3の投薬形態物の定常状態Caveおよび定常状態AUCは用量比例的であり、第2の投薬形態物の単回投与Cmaxが、第1の投薬形態物に関する用量比例についての最少レベルよりも小さく、第3の投薬形態物の単回投与Cmaxが、第2の投薬形態物に関する用量比例についての最少レベルよりも小さい。特定の実施形態において、第3の投薬形態物の単回投与Cmaxが、第1の投薬形態物に対する第2の投薬形態物の投薬強度比を乗じた第1の投薬形態物のCmaxの75%以下(例えば、70%以下、65%以下または60%以下)である。同様に、特定の実施形態において、第3の投薬形態物の単回投与Cmaxは、第2の投薬形態物に対する第3の投薬形態物の投薬強度比を乗じた第2の投薬形態物のCmaxの75%以下(例えば、70%以下、65%以下または60%以下)である。
【0028】
1つの実施形態において、第1の投薬形態物、第2の投薬形態物および第3の投薬形態物の単回投与AUCもまた、それぞれ用量比例的である。
【0029】
薬物乱用者は、本発明に従って作製されるより大きな投薬強度の投薬形態物は、上記に記載したCmaxのレベル(これは、より低い投薬強度の投薬形態物に比例する用量よりも小さい)に起因して、乱用するにはそれほど好ましいものでないことを理解することが予想される。加えて、医薬品の投薬強度を増大させる必要がある患者は経験する有害作用がより少なく、従って、本発明のより大きな投薬強度の投薬形態物は、許容可能性も耐性もより高いことを理解することが予想される。
【0030】
特許請求の範囲に記載される特徴を有するオピオイドを含むことに加えて、本発明の投薬形態物は、1つまたはそれ以上のさらなる治療剤および/またはオピオイドアンタゴニストおよび/または嫌悪剤(aversive agent)(これらに限定されない)をはじめとするさらなる化合物を含有することができる。
【0031】
このような治療剤の例には、抗ヒスタミン剤(例えば、ジメンヒドリネート、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミンおよびマレイン酸デクスクロルフェニラミン)、鎮痛剤(例えば、アスピリン、アセトミノフェン(acetominophen)、オピオイドなど)、非ステロイド系抗炎症剤(例えば、ナプロキシン(naproxyn)、ジクロフェナク、インドメタシン、イブプロフェン、スリンダク)、制吐剤(例えば、メトクロプラミド)、抗痙攣剤(例えば、フェニトイン、メプロバメートおよびニトレザパム(nitrezepam))、血管拡張剤(例えば、ニフェンジピン、パパベリン、ジルチアゼムおよびニカルジリン(nicardirine))、鎮咳剤および去痰剤(例えば、リン酸コデイン)、抗喘息剤(例えば、テオフィリン)、制酸剤、抗痙攣剤(例えば、アトロピン、スコポラミン)、抗糖尿病剤(例えば、インスリン)、利尿剤(例えば、エタクリン酸、ベンドロフルアザイド)、抗低血圧剤(例えば、プロプラノロール、クロニジン)、抗高血圧剤(例えば、クロニジン、メチルドーパ)、気管支拡張剤(例えば、アルブテロール)、ステロイド(例えば、ヒドロコルチゾン、トリアムシノロン、プレドニゾン)、抗生物質(例えば、テトラサイクリン)、痔防止剤、催眠剤、向精神剤、下痢止め剤、粘液溶解剤、鎮静剤、うっ血除去剤、緩下剤、ビタミン、刺激剤(食欲抑制剤(例えば、フェニルプロパノールアミン)を含む)、ならびに、これらの塩、水和物、溶媒和物および他の薬学的に受容可能な形態が含まれるが、これらに限定されない。
【0032】
オピオイドアンタゴニストの例には、ナロキソン、ナルトレキソン、ナルメフェン(nalmefene)、ナルブフィン(nalbuphine)、ナロルフィン、シクラザシン(cyclazacine)、シクラゾシン、レバロルファン、その薬学的に受容可能な塩、および、前記のもののいずれか2つ以上の混合物が含まれるが、これらに限定されない。嫌悪剤の例には、苦味剤、刺激物質およびゲル化剤が含まれるが、これらに限定されない。嫌悪剤のさらなる例および詳細は、米国特許出願公開第2003/0124185号A1(Oshlackら)に示される(これはすべての目的のためにその全体が本明細書中に特に組み込まれる)。本発明の投薬形態物は、オピオイドアンタゴニストおよび/または嫌悪剤が、投薬形態物の不正使用のときに放出されるだけであるような様式で処方することができる。
【0033】
本発明の方法において使用される投薬形態物は、下記に例示される技術(これに限定されない)を含む当該分野で公知の任意の技術に従って調製することができる。
【0034】
(オピオイド)
任意のオピオイドを本発明の投薬形態物に処方することができ、そのようなオピオイドには、アルフェンタニル、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、ベンジルモルフィン、ベジトラミド(bezitramide)、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン(clonitazene)、コデイン、シクラゾシン(cyclazocine)、デソモルヒネ、デキストロモルアミド、デゾシン(dezocine)、ジアンプロミド(diampromide)、ジアモルホン(diamorphone)、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルヒネ、ジヒドロモルホン、ジヒドロイソモルフィン、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアンブテン(dimethylthiambutene)、酪酸ジオキサフェチル、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアンブテン、エチルモルヒネ、エトニタゼン(etonitazene)、エトルフィン、ジヒドロエトルフィン、フェンタニル、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、ヒドロモルホドン(hydromorphodone)、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ケトベミドン、レバロルファン、レボルファノール、レボフェナシルモルファン(levophenacylmorphan)、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メタドン、メトポン、モルヒネ、ミロフィン(myrophine)、ナルセイン、ニコモルフィン、ノルレボルファノール(norlevorphanol)、ノルメタドン(normethadone)、ナロルフィン、ナルブフェン(nalbuphene)、ノルモルヒネ、ノルピパノン、オピウム、オキシコドン、オキシモルホン、パントポン、パパベレタム(papaveretum)、パレゴリック(paregoric)、ペンタゾシン、フェナドキソン、フェンジメトラジン、フェンジメトラゾン、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロフェプタジン(propheptazine)、プロメドール(promedol)、プロペリジン(properidine)、プロピラム、プロポキシフェン、プロピルヘキセドリン、スフェンタニル、チリジン、トラマドール、それらの薬学的に受容可能な塩、および、前記のもののいずれか2つ以上の混合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0035】
特定の実施形態において、オピオイドは、ヒドロコドン、モルヒネ、ヒドロモルホン、オキシコドン、コデイン、レボルファノール、メペリジン、メタドン、オキシモルホン、ブプレノルフィン、フェンタニル、ジピパノン、ヘロイン、トラマドール、エトルフィン、ジヒドロエトルフィン、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルヒネ、ブトルファノール、レボルファノール、および、前記のもののいずれか2つ以上の混合物である。特定の実施形態において、オピオイドは、オキシコドン、ヒドロコドン、フェンタニル、ブプレノルフィン、および、前記のもののいずれか2つ以上の混合物からなる群から選択される。1つの実施形態において、オピオイドはヒドロコドンである。
【0036】
投薬形態物に存在するオピオイドの、鎮痛剤として効果的な量は、部分的には、具体的なオピオイドならびに投薬形態物の特性および処方に依存する。特定の適応のために必要とされるオピオイドの、鎮痛剤として効果的な量を容易に決定することは十分に当業者の範囲内である。
【0037】
(投薬形態物)
本発明には、放出速度において即時放出から制御放出にまで及び得る投薬形態物が含まれる。本発明の投薬形態物には、経口用の投薬形態物(これには、錠剤、カプセル、ゲルキャップ(gelcap)およびカプセルが含まれるが、これらに限定されない)、ならびに、肛門坐薬および膣坐薬が含まれる。
【0038】
1つの実施形態において、本発明には、制御放出型の投薬形態物が含まれ、例えば、オピオイドおよび制御放出物質を含む制御放出マトリックス処方物などが含まれる。持続放出物質は、所望のとおりに疎水性であっても親水性であってもよい。制御放出型の投薬形態物を当該分野で公知の任意の方法に従って作製および処方することができる。
【0039】
特定の実施形態において、本発明の制御放出型の投薬形態物は、カプセル化され得るか、または、錠剤に圧縮成型(compress)され得る制御放出マトリックスにおいてオピオイドを含む顆粒、スフェロイド、マトリックス多粒子などとして調製することができる。
【0040】
錠剤(圧縮成型錠剤および成形錠剤)、カプセル(硬ゼラチンカプセルおよび軟ゼラチンカプセル)およびピルを作製するための技術および組成物がまた、Remington's Pharmaceutical Sciences(18th ed、Arthur Osol、1553-93(1990))にも記載される(これはすべての目的のためにその全体が本明細書中に組み込まれる)。1つの実施形態において、好適な量の多粒子物が、従来の錠剤化装置および標準的な技術を使用して経口用の錠剤に圧縮成型される。さらに別の実施形態では、押し出し物(extrudate)を、米国特許第4,957,681号(Klimeschら)(これはすべての目的のためにその全体が本明細書中に組み込まれる)に記載されるように錠剤に形状化することができる。
【0041】
特定の実施形態においては、オピオイドを制御放出マトリックスに分散させることができる。任意の制御放出マトリックスを本発明の経口用の投薬形態物において使用することができる。投薬形態物のための制御放出マトリックスは、当該分野で周知である(例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences(18th ed、Mack Publishing Co.、Easton、PA、1990、P.1684-1685)を参照のこと;これはすべての目的のためにその全体が本明細書中に組み込まれる)。有用な制御放出マトリックスのさらなる例が米国特許第5,958,459号、同第5,965,161号、同第5,968,551号、同第6,294,195号および同第6,335,033号(それぞれ、Oshlackら)、ならびに、米国特許第6,143,328号(Heafieldら)に記載される(これらのそれぞれがすべての目的のためにその全体が本明細書中に組み込まれる)。
【0042】
制御放出マトリックスは、可融性の疎水性物質を、場合により親水性物質との組合せで含むことができる。疎水性の可融性物質は、例えば、好ましくは約35℃〜100℃の融点を有し、より好ましくは約45℃〜90℃の融点を有する疎水性のポリマーあるいは天然ワックスもしくは合成ワックスまたは天然オイルもしくは合成オイル(例えば、硬化植物油または硬化ひまし油など)が可能である。親水性物質は、親水性ポリマー;水溶性の可融性物質、例えば、ポリエチレングリコールなど;または水溶性の粒子状物質、例えば、リン酸二カルシウムまたはラクトースなどが可能である。しかしながら、オピオイドの制御放出をもたらすことができる任意の薬学的に受容可能な疎水性物質または親水性物質を本発明に従って使用することができる。
【0043】
制御放出マトリックスに分散された治療剤は、治療剤を非可融性物質(可融性成分以外の成分)と処方することによって調製することができる。制御放出マトリックスに含められる好適な非可融性物質には、下記の物質が含まれるが、それらに限定されない:
【0044】
(a)親水性または疎水性のポリマー、例えば、ゴム、セルロースエーテル、タンパク質由来物質、ナイロン、アクリル樹脂、ポリ乳酸、ポリビニルクロリド、デンプン、ポリビニルピロリドンおよびセルロースアセタートフタラートなど。例えば、セルロースエーテル、好ましくは、置換されたセルロースエーテル、例えば、アルキルセルロース(例えば、エチルセルロース)、C1〜C6ヒドロキシルアルキルセルロース(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびヒドロキシエチルセルロース)、カルボキシアルキルセルロースなど、および、アクリル樹脂(例えば、アクリル酸のポリマーおよびコポリマー;ならびにメタクリラート(例えば、メタクリル酸のポリマーおよびコポリマーなど))が有用である。制御放出マトリックスは、好都合には、1%〜80%(重量比)の間の上記の疎水性ポリマーおよび/または親水性ポリマーを含有することができる。
【0045】
(b)消化性で、長鎖(C8〜C50、好ましくはC8〜C40)の置換炭化水素または非置換炭化水素、例えば、硬化植物油;脂肪アルコール、例えば、ラウリルアルコール、ミリスチリルアルコール、ステアリルアルコール、セチルアルコール、または、好ましくはセトステアリルアルコール;脂肪酸(脂肪酸グリセリド(モノグリセリド、ジグリセリドおよびトリグリセリド)を含む)、水素化脂肪、脂肪酸のグリセリルエステル(例えば、グリセリルモノステアラート);植物油;鉱油;通常のワックス;ステアリン酸、ならびに、天然ワックスおよび合成ワックス(例えば、蜜ろう、グリコワックス(glycowax)、カスターワックス(castor wax)およびカルナウバワックス)、および他のワックス様物質、ならびに炭化水素骨格を有する疎水性物質および親水性物質。約25℃〜90℃の間の融点を有する炭化水素が有用である。例えば、脂肪(脂肪族)アルコールが特定の実施形態において有用である。制御放出マトリックスは80%(重量比)までの少なくとも1つの消化性の長鎖炭化水素を含有することができる。
【0046】
(c)ポリアルキレングリコール。制御放出マトリックスは60%(重量比)までの少なくとも1つのポリアルキレングリコールを含有することができる。
【0047】
本発明の経口用投薬形態物において使用される好適な制御放出マトリックスは、1つまたはそれ以上のセルロースエーテルまたはアクリル樹脂、1つまたはそれ以上のC12〜C36(例えば、C12〜C22)脂肪族アルコール、および/あるいは、1つまたはそれ以上の硬化植物油を含むことができる。1つの具体的な好適なマトリックスは、1つまたはそれ以上のアルキルセルロース、1つまたはそれ以上のC12〜C22脂肪族アルコール、および、1つまたはそれ以上のポリアルキレングリコールを含む。例えば、マトリックスは約0.5%〜60%(例えば、1%〜50%)(重量比)の間のセルロースエーテルを含有することができる。
【0048】
アクリル樹脂は、メタクリラート、例えば、メタクリル酸コポリマーUSNFのタイプA(EUDRAGIT L)、タイプB(EUDRAGIT S)、タイプC(EUDRAGIT L 100−55)、EUDRAGIT NE 30 D、EUDRAGIT E、EUDRAGIT RLまたはEUDRAGIT RS(これらはRohm Pharma GmbH(Weiterstat、ドイツ)から市販されている)が可能である。例えば、マトリックスは約0.5重量%〜60重量%(例えば、1重量%〜50重量%)の間のアクリル樹脂を含有することができる。
【0049】
特定の実施形態において、投薬形態物は、オピオイドと、少なくとも1つの水溶性ヒドロキシアルキルセルロースと、少なくとも1つのC12〜C36(好ましくはC14〜C22)脂肪族アルコールと、場合により、少なくとも1つのポリアルキレングリコールとを含む制御放出マトリックスを含む。ヒドロキシアルキルセルロースは、ヒドロキシ(C1〜C6)アルキルセルロース(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、および、最も好ましくはヒドロキシエチルセルロース)が可能である。本発明の投薬形態物における少なくとも1つのヒドロキシアルキルセルロースの量は、とりわけ、要求されるオピオイドの正確な放出速度によって決定され得る。脂肪族アルコールは、例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコール、セチルアルコールまたはセトステアリルアルコール、および、前記のもののいずれか2つ以上の混合物が可能である。本発明の投薬形態物に含まれる脂肪族アルコールの量は、上記のように、とりわけ、要求されるオピオイドの正確な放出速度によって決定され得る。脂肪族アルコールの量はまた、少なくとも1つのポリアルキレングリコールが投薬形態物に存在するか、または、存在しないかにも依存し得る。
【0050】
1つの実施形態において、ポリアルキレングリコールが存在しない場合、マトリックスは約1重量%〜50重量%(例えば、2重量%〜36重量%)の間の脂肪族アルコールを含有することができる。別の実施形態では、ポリアルキレングリコールが経口用の投薬形態物に存在し、脂肪族アルコールおよびポリアルキレングリコールの合わせた重量が投薬形態物全体の約2重量%〜40重量%(例えば、2重量%〜36重量%)の間を構成し得る。
【0051】
特定の実施形態において、ポリアルキレングリコールは、例えば、ポリプロピレングリコール、または、好ましくは、ポリエチレングリコールが可能である。例えば、少なくとも1つのポリアルキレングリコールの数平均分子量は、200〜15,000の間が可能であり、例えば、400〜12,000の間または1,500〜12,000の間が可能である。
【0052】
特定の実施形態において、オピオイドの制御された放出は、様々な誘導因子(例えば、pH、温度、酵素、水、あるいは、他の生理学的な条件または化合物)によって影響を受け得る。
【0053】
オピオイドを含有する制御放出マトリックスは、例えば、従来の製薬技術(これには、溶融造粒、湿式造粒、乾式混合、乾式造粒、共沈化、押し出しおよび溶融押し出しが含まれるが、これらに限定されない)を使用してオピオイドをマトリックスの構成成分に分散することによって容易に調製することができる。
【0054】
マトリックスにおけるオピオイドの処方を、例えば、下記の工程によって達成することができる:
【0055】
(a)疎水性の持続放出物質、オピオイドおよび任意のバインダー物質を直接計量して押出機に入れる工程、
(b)均質な混合物を加熱する工程、均質な混合物を押し出し、それにより、ストランドを形成する工程、(必要な場合)均質な混合物を含有するストランドを冷却する工程、
(c)いずれかの大きさが約0.1mm〜約5mmの範囲でのサイズを有するマトリックス多粒子にストランドを切断する工程、および
(d)粒子を単位用量に分割する工程。本発明のこの態様では、比較的連続した製造手順が実現される。
【0056】
本発明による使用のために好適な典型的な溶融押し出し製造システムは、可変速度および一定トルクの制御を有する好適な押出機駆動モーターと、始動−停止制御と、電流計とを含む。加えて、製造システムは典型的には、押出機の長さ全体にわたる温度センサー、冷却手段および温度指示器を含む温度制御コンソールを含む。さらに、製造システムは典型的には、押出機(例えば、二軸スクリュー押出機、これは、開口部または金型をその出口に有するシリンダーまたはバレルの内部に包まれた2つの互いに逆向きに回転するかみ合うスクリューを含む)を含む。供給材料が供給ホッパーを介して入り、スクリューによってバレルの中を移動させられ、金型によりストランドにされ、その後、ストランドは、冷却され、そして押し出されたストランドをマトリック多粒子系にするためのペレタイザーまたは他の好適なデバイスに導くことを可能にするために、連続した可動性ベルトなどによって搬送される。例えば、ペレタイザーは、ローラー、固定されたナイフ、回転するカッターなどを含むことができる。好適な設備およびシステムが、例えば、C.W. Brabender Instruments, Inc.(South Hackensack、New Jersey)などの販売業者から入手可能である。他の好適な装置が当業者には明らかである。例えば、投薬形態物を、Werner-Pfleiderer社の二軸スクリュー押出機を使用して調製することができる。
【0057】
押出機の開口部または出口ポートの直径は、押し出されたストランドの厚さを変化させるために調節することができる。さらに、押出機の出口ポートは円形である必要はない。押出機の出口ポートは、例えば、長円形、矩形などが可能である。排出されたストランドは、例えば、ホットワイヤカッター、ギロチンなどを使用して粒子にすることができる。
【0058】
マトリックス多粒子系は、押出機の出口ポートに依存して、例えば、顆粒、スフェロイドまたはペレットの形態が可能である。1つの実施形態において、効果的な量のマトリックス多粒子をカプセルに含む投薬形態物が調製される。例えば、摂取されて、胃腸液が接触したとき、効果的な制御放出用量を提供するために十分な量で、複数のマトリックス多粒子をゼラチンカプセルに入れることができる。
【0059】
本発明の投薬形態物は、オピオイドを含有し、かつ、異なる処方および/または特性を有するマトリックス多粒子の組合せを含むことができる。さらに、制御放出型の投薬形態物はまた、迅速な治療効果を提供するために、オピオイドの総量の一部を即時放出形態で含むことができる。即時放出オピオイドを、例えば、ゼラチンカプセル内の別個の多粒子として処方することができ、または、例えば、マトリックス多粒子の表面に被覆することができる。
【0060】
本発明に従って使用することができる制御放出型の投薬形態物を作製する方法のさらなる例には、米国特許第5,266,331号、同第5,324,351号、同第5,356,467号、同第5,472,712号、同第5,500,227号、同第5,508,042号、同第5,549,912号、同第5,656,295号および同第6,024,982号(それぞれ、Oshlackら)、ならびに、米国特許第5,958,459号(Chasinら)に記載される方法が含まれる(これらの内容はそれぞれがすべての目的のために本明細書中に特に組み込まれる)。
【0061】
特定の実施形態において、オピオイドを含有する投薬形態物、あるいは、非被覆または被覆の持続放出型のスフェロイド、顆粒またはマトリックス多粒子は、持続放出型のスフェロイド、顆粒またはマトリックス多粒子が安定な溶解を提供するエンドポイントに到達するまで硬化処理(cure)することができる。硬化処理のエンドポイントは、硬化処理直後の投薬形態物の溶解プロフィル(曲線)を、例えば、40℃の温度および75%の相対湿度での少なくとも1ヶ月の加速貯蔵条件(accelerated strage condition)にさらした後での投薬形態物の溶解プロフィル(曲線)と比較することによって決定することができる。硬化処理された処方物は、米国特許第5,273,760号、同第5,286,493号、同第5,580,578号、同第5,639,476号および同第5,681,585号(それぞれ、Oshlackら)に詳しく記載される(これらの開示はそれぞれがすべての目的のためにその全体が本明細書中に組み込まれる)。
【0062】
上記成分に加えて、投薬形態物はまた、適量の他の物質、例えば、製薬分野では通常的である可塑剤、希釈剤、滑剤、バインダー、造粒補助剤、着色剤、風味剤および流動促進剤を含有することができる。特定の実施形態において、これらのさらなる物質は、所望の場合、処方物の約50重量%までの量で存在させることができる。所望の効果を所望の処方物に提供するために十分なこれらのさらなる物質の量は当業者によって決定することができる。例えば、持続放出被覆に対する少量のタルクの添加は、水性分散物が加工時に膠着する傾向を減少させ、研磨剤として作用する。経口用の投薬形態物を処方するために使用することができる薬学的に受容可能なキャリアおよび賦形剤の具体的な例は、Handbook of Pharmaceutical Excipients, American Pharmaceutical Association、(1986)に記載される。
【0063】
下記の実施例により、本発明の様々な態様が例示される。下記の実施例は、何であれいかなる様式でも特許請求の範囲を限定するように解釈してはならない。むしろ、互いにより類似する特徴を有する複数の投薬形態物、または、互いにあまり類似しない特徴を有する複数の投薬形態物のどちらもまた本発明の範囲に含まれ得る。
【実施例】
【0064】
(実施例1:重酒石酸ヒドロコドン)
異なる放出特性を有する2つの経口用の制御放出型のオピオイド処方物を比較するために役立つ研究を行った。その研究において、健康な男性ボランティアを、重酒石酸ヒドロコドンの制御放出型の経口用の錠剤を用いた単回投与の4通りのクロスオーバー薬物動態学研究に無作為に分けた。この研究の最初の目的は、異なる溶解プロフィルを有する30mgの投薬強度の制御放出型のヒドロコドン処方物について、薬物動態学的プロフィル(「PK」)を評価し、その後、インビトロ/インビボ相関(「IV/IVC」)を評価することであった。重酒石酸ヒドロコドンの制御放出(「HYCR」)型の経口用の投薬形態物には、下記の処方物が含まれた:1)処方物A、第1のインビトロ溶解プロフィルを有する30mg錠剤、および2)処方物B、1時間〜12時間の期間について処方物Aのインビトロ溶解プロフィルよりも遅いインビトロ溶解プロフィルを有する30mg錠剤。
【0065】
(処方物組成)
この研究で使用された、異なったインビトロ溶解プロフィルを有する2つの処方物は下記の通りである:
【表1】

【表2】

【0066】
これらの重酒石酸ヒドロコドン処方物を有する錠剤を調製するために、指定量の重酒石酸ヒドロコドンを、処方物に依存して15mgまたは30mgの投薬量に計り取った。その後、選択された投薬量のヒドロコドンをeudragit/トリアセチンの分散物とともに噴霧した。その後、乾燥ラクトースおよびポビドンを、流動床造粒装置を使用して組成物に噴霧した。噴霧後、造粒物を取り出し、粉砕機に通した。その後、溶融ステアリルアルコールを、ミキサーを使用して造粒物に加え、造粒物を冷却した。冷却した造粒物を粉砕機に通した。タルクおよびステアリン酸マグネシウムを、造粒物を潤滑するためにミキサーに加えた。その後、造粒物を、錠剤プレス機を使用して錠剤に圧縮成型した。錠剤を形成した後、フィルムコート水溶液を錠剤に塗布した。
(溶解方法)
これら2つの処方物についてのインビトロ溶解を、最初の55分間については700mlの模擬胃液を100rpmおよび37℃で用い、続いて、試験の残り期間については900mlの模擬胃液を用いたU.S.P. Apparatus II(パドル法)を使用して得た。結果を高速液体クロマトグラフィーによって測定した。結果を下記の表1に示す:
【表3】

(臨床研究プロトコル)
重酒石酸ヒドロコドンの有害作用を単回投与の4通りの無作為化クロスオーバー研究において32名の健康な若年成人男性ボランティアに対して調べた。30名の被験者が研究を完了し、2名の被験者がプロトコル違反のために中断された。各患者には、処方物Aの1個の30mg投薬形態物、あるいは、処方物Bの1個の30mg投薬形態物、あるいは、12時間の期間にわたって処方物Aよりも遅く、かつ、処方物Bよりも早い溶解プロフィルを有する2つの他の制御放出型のヒドロコドン処方物のうちの一方の30mg投薬形態物またはもう一方の30mg投薬形態物が投与された。被験者を14日までの期間についてスクリーニングした。この研究は単回投与の4通りの無作為化クロスオーバー研究であった。すべての処置を、7日のワォッシュアウト(washout)によって隔てられた服用期間を有する絶食条件のもとで施した。被験者を研究への参加のためにスクリーニングし、クロスオーバー服用のための処置シーケンスに無作為に割り振った。
【0067】
下記の表2は、COSTART(Coding System for Thesaurus of Adverse Reaction Terms)条件による何らかの処置について、(研究薬物に関係なく)一般的な有害事象(すなわち、発生率が5%以上である事象)を示す。
【表4】

【0068】
有害事象の発生率は、処方物A(N=8)による場合よりも処方物B(N=4)による場合に低く報告された。これらの一般的な(5%以上の発生率)有害事象(嘔吐、めまい、悪心、かゆみおよび傾眠)は、ヒドロコドン処置から予想される有害事象の1つである。著しいことに、有害事象の数(処置に関連づけられると見なされる有害事象を含む)、有害事象を報告する被験者の数、および、中程度の有害事象の数(1人も重篤と評価されなかった)はすべてが、処方物Bによる場合には処方物Aによる場合よりも低かった。これらの結果は、処方物Aと比較して、処方物Bの異なる放出特性が、予想されたよりも大きく有害事象の低下をもたらしたことを示している。
【0069】
部分的には前記の研究結果に基づいて、本発明者らは、有益な結果が、第2の投薬形態物が第1の投薬形態物よりも大きな投薬強度を有し、かつ、第1の投薬形態物および第2の投薬形態物の定常状態Caveおよび定常状態AUCが用量比例的であり、第2の投薬形態物の単回投与Cmaxが、第1の投薬形態物に関する用量比例についての最少レベルよりも小さい複数の投薬形態物を処方することによって得られると考えている。本発明者らはまた、このような第1および第2の投薬形態物が用量比例的な単回投与AUC値を有することがさらに有益であると考えている。
【0070】
本発明者らは処方物Aの投薬形態物を30mgから15mgに用量調節した。15mgに用量調節された処方物Aと、処方物B(30mg)とについての薬物動態学的データを下記の表3および表4に示す。
【表5】

【0071】
処方物A(15mgに用量調節)および処方物B(30mg)の単回投与についての血漿濃度(ng/ml)対時間(h)を示すプロットを図1に示す。処方物A(15mgに用量調節)および処方物B(30mg)の多回服用(すなわち、定常状態)についての血漿濃度(ng/ml)対時間(h)を示すプロットを(重ね合わせることに基づいて)図2に示す。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】実施例1の処方物Aの30mgヒドロコドン投薬形態物の単回投与、および、15mgに用量調節された実施例1の処方物Bのヒドロコドン投薬形態物の単回投与についてのオピオイド血漿濃度−時間プロフィルをそれぞれ示す。
【図2】図1の投薬形態物の多回服用についてのオピオイド血漿濃度−時間プロフィルを、重ね合わせることに基づいて示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)第1の投薬強度のオピオイドを含む第1の投薬形態物、および
b)第2の投薬強度のオピオイドを含む第2の投薬形態物
を含む複数の投薬形態物であって、
第2の投薬強度は、第1の投薬強度よりも大きく、かつ、
第1の投薬形態物および第2の投薬形態物はそれぞれが、定常状態Cave、定常状態AUCおよび単回投与Cmaxを有し、かつ
第1の投薬形態物および第2の投薬形態物の定常状態Caveおよび定常状態AUCは用量比例的であり、第2の投薬形態物の単回投与Cmaxは、第1の投薬形態物に関する用量比例についての最少レベルよりも小さい、複数の投薬形態物。
【請求項2】
第1の投薬形態物および第2の投薬形態物はそれぞれが単回投与AUCを有し、かつ、第1の投薬形態物および第2の投薬形態物の単回投与AUCが用量比例的である、請求項1に記載の複数の投薬形態物。
【請求項3】
第1の投薬形態物および第2の投薬形態物はそれぞれが経口用投薬形態物である、請求項2に記載の複数の投薬形態物。
【請求項4】
第1の投薬形態物および第2の投薬形態物はそれぞれが制御放出型投薬形態物である、請求項3に記載の複数の投薬形態物。
【請求項5】
第1の投薬形態物および第2の投薬形態物はそれぞれが制御放出型投薬形態物である、請求項1に記載の複数の投薬形態物。
【請求項6】
第1の投薬形態物および第2の投薬形態物はそれぞれが経口用投薬形態物である、請求項1に記載の複数の投薬形態物。
【請求項7】
第1の投薬形態物および第2の投薬形態物はそれぞれが制御放出型投薬形態物である、請求項6に記載の複数の投薬形態物。
【請求項8】
オピオイドが、アルフェンタニル、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、ベンジルモルフィン、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン、コデイン、シクラゾシン、デソモルヒネ、デキストロモルアミド、デゾシン、ジアンプロミド、ジアモルホン、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルヒネ、ジヒドロモルホン、ジヒドロイソモルフィン、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアンブテン、酪酸ジオキサフェチル、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアンブテン、エチルモルヒネ、エトニタゼン、エトルフィン、ジヒドロエトルフィン、フェンタニル、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、ヒドロモルホドン、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ケトベミドン、レバロルファン、レボルファノール、レボフェナシルモルファン、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メタドン、メトポン、モルヒネ、ミロフィン、ナルセイン、ニコモルフィン、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ナロルフィン、ナルブフェン、ノルモルヒネ、ノルピパノン、オピウム、オキシコドン、オキシモルホン、パントポン、パパベレタム、パレゴリック、ペンタゾシン、フェナドキソン、フェンジメトラジン、フェンジメトラゾン、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロフェプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロピラム、プロポキシフェン、プロピルヘキセドリン、スフェンタニル、チリジン、トラマドール、および、前記のもののいずれか2つ以上の混合物からなる群より選択される、請求項1に記載の複数の投薬形態物。
【請求項9】
オピオイドが、ヒドロコドン、モルヒネ、ヒドロモルホン、オキシコドン、コデイン、レボルファノール、メペリジン、メタドン、オキシモルホン、ブプレノルフィン、フェンタニル、ジピパノン、ヘロイン、トラマドール、エトルフィン、ジヒドロエトルフィン、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルヒネ、ブトルファノール、レボルファノール、および、前記のもののいずれか2つ以上の混合物からなる群より選択される、請求項8に記載の複数の投薬形態物。
【請求項10】
a)第1の投薬強度のヒドロコドンを含む第1の投薬形態物、および
b)第2の投薬強度のヒドロコドンを含む第2の投薬形態物
を含む複数の投薬形態物であって、
第2の投薬強度は、第1の投薬強度よりも大きく、かつ、
第1の投薬形態物および第2の投薬形態物はそれぞれが、定常状態Cave、定常状態AUCおよび単回投与Cmaxを有し、かつ
第1の投薬形態物および第2の投薬形態物の定常状態Caveおよび定常状態AUCは用量比例的であり、第2の投薬形態物の単回投与Cmaxは、第1の投薬形態物に関する用量比例についての最少レベルよりも小さい、複数の投薬形態物。
【請求項11】
第1の投薬形態物および第2の投薬形態物はそれぞれが単回投与AUCを有し、かつ、第1の投薬形態物および第2の投薬形態物の単回投与AUCが用量比例的である、請求項10に記載の複数の投薬形態物。
【請求項12】
第1の投薬形態物および第2の投薬形態物はそれぞれが経口用投薬形態物である、請求項11に記載の複数の投薬形態物。
【請求項13】
第1の投薬形態物および第2の投薬形態物はそれぞれが制御放出型投薬形態物である、請求項12に記載の複数の投薬形態物。
【請求項14】
第1の投薬形態物および第2の投薬形態物はそれぞれが制御放出型投薬形態物である、請求項10に記載の複数の投薬形態物。
【請求項15】
第1の投薬形態物および第2の投薬形態物はそれぞれが経口用投薬形態物である、請求項10に記載の複数の投薬形態物。
【請求項16】
第1の投薬形態物および第2の投薬形態物はそれぞれが制御放出型投薬形態物である、請求項15に記載の複数の投薬形態物。
【請求項17】
第2の投薬形態物の単回投与Cmaxが、第1の投薬形態物に対する第2の投薬形態物の投薬強度比を乗じた第1の投薬形態物のCmaxの75%以下である、請求項10に記載の複数の投薬形態物。
【請求項18】
第2の投薬形態物の単回投与Cmaxが、第1の投薬形態物に対する第2の投薬形態物の投薬強度比を乗じた第1の投薬形態物のCmaxの70%以下である、請求項10に記載の複数の投薬形態物。
【請求項19】
第2の投薬形態物の単回投与Cmaxが、第1の投薬形態物に対する第2の投薬形態物の投薬強度比を乗じた第1の投薬形態物のCmaxの65%以下である、請求項10に記載の複数の投薬形態物。
【請求項20】
第2の投薬形態物のCmaxが、第1の投薬形態物に対する第2の投薬形態物の投薬強度比を乗じた第1の投薬形態物のCmaxの60%以下である、請求項10に記載の複数の投薬形態物。
【請求項21】
第1の投薬強度のヒドロコドンを含む第1の投薬形態物、
第2の投薬強度のヒドロコドンを含む第2の投薬形態物、および
第3の投薬強度のヒドロコドンを含む第3の投薬形態物
を含む複数の投薬形態物であって、
第3の投薬強度が第2の投薬強度よりも大きく、第2の投薬強度が第1の投薬強度よりも大きく、かつ、
第1の投薬形態物、第2の投薬形態物および第3の投薬形態物はそれぞれが、定常状態Cave、定常状態AUCおよび単回投与Cmaxを有し、かつ、第1の投薬形態物、第2の投薬形態物および第3の投薬形態物の定常状態Caveおよび定常状態AUCはそれぞれが互いに関して用量比例的であり、第2の投薬形態物の単回投与Cmaxは、第1の投薬形態物に関する用量比例についての最少レベルよりも小さく、第3の投薬形態物の単回投与Cmaxは、第2の投薬形態物に関する用量比例についての最少レベルよりも小さい、複数の投薬形態物。
【請求項22】
第2の投薬形態物の単回投与Cmaxが、第1の投薬形態物に対する第2の投薬形態物の投薬強度比を乗じた第1の投薬形態物の単回投与Cmaxの75%以下であり、かつ、第3の投薬形態物の単回投与Cmaxが、第2の投薬形態物に対する第3の投薬形態物の投薬強度比を乗じた第2の投薬形態物の単回投与Cmaxの75%以下である、請求項21に記載の複数の投薬形態物。
【請求項23】
第1の投薬形態物、第2の投薬形態物および第3の投薬形態物はそれぞれが制御放出型の経口用投薬形態物である、請求項22に記載の複数の投薬形態物。
【請求項24】
第1の投薬形態物、第2の投薬形態物および第3の投薬形態物の単回投与AUCはそれぞれが用量比例的である、請求項23に記載の複数の投薬形態物。
【請求項25】
複数の投薬形態物を投与するための方法であって、
a)第1の投薬強度のヒドロコドンを含む第1の投薬形態物を投与する工程、および
b)その後、第2の投薬強度のヒドロコドンを含む第2の投薬形態物を投与する工程
を包含し、
第2の投薬強度が第1の投薬強度よりも大きく、
第1の投薬形態物および第2の投薬形態物はそれぞれが、定常状態Cave、定常状態AUCおよび単回投与Cmaxを有し、かつ
第1の投薬形態物および第2の投薬形態物の定常状態Caveおよび定常状態AUCは用量比例的であり、第2の投薬形態物の単回投与Cmaxは、第1の投薬形態物に対する第2の投薬形態物の投薬強度比を乗じた第1の投薬形態物のCmaxの75%以下である、方法。
【請求項26】
第1の投薬形態物および第2の投薬形態物が制御放出型の経口用投薬形態物である、請求項25に記載の複数の投薬形態物を投与するための方法。
【請求項27】
a)請求項1に記載される複数の投薬形態物、および
b)患者への第1の投薬形態物の投与、および、その後、患者への第2の投薬形態物の投与を指示する1組の印刷された説明書
を含む、患者を処置するためのキット。
【請求項28】
第1の投薬形態物および第2の投薬形態物が制御放出型の経口用投薬形態物である、請求項27に記載の患者を処置するためのキット。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−511657(P2008−511657A)
【公表日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−530288(P2007−530288)
【出願日】平成17年8月30日(2005.8.30)
【国際出願番号】PCT/US2005/030892
【国際公開番号】WO2006/028830
【国際公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【出願人】(599108792)ユーロ−セルティーク エス.エイ. (134)
【Fターム(参考)】