説明

田における所望されない植生を制御するためのプロスルホカルブの使用

米作において所望されない植生を制御する方法であって、制御が所望される場所に除草量のプロスルホカルブ(683)を適用することを含んで成る、方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロスルホカルブ(683)を適用することにより米作において所望されない植生を制御する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
貴重な土地又は土壌栄養分を消費することによる、所望されない植生、例えば、雑草及びイネ科草本による作物の成長の阻害は農業において繰り返される問題である。当該問題を解決するために、除草剤として適用するために広範で多様な化学物質及び化学製剤が製造されてきた。多くのタイプの除草剤が文献中に開示され、そして多くが商業的に使用されている。
【0003】
除草剤のクラスはチオカルバメートである。米国特許第4,695,314号は米作における雑草の制御を示すものとしていくらかのチオカルバメートを記載する。
【発明の開示】
【0004】
このたび、発生前又は発生後のいずれであっても米作における所望されない植生の優れた制御を示す更なるチオカルバメート、プロスルホカルブ(683)が発見された。
【0005】
従って、第一の観点において、本発明は米作において所望されない植生を制御する方法であって、制御が所望される場所に除草量のプロスルホカルブ(683)を適用することを含んで成る方法を供する。
【0006】
第一の観点の態様において、プロスルホカルブは、プロスルホカルブ及び少なくとも1つの慣習的な不活性な製剤補助剤を含んで成る組成物の形態において適用される。
【0007】
第二の観点において、本発明は、米作において所望されない植生を制御するためのプロスルホカルブの使用を供する。
【0008】
The e-Pesticide Manual, version 3.0, 13th Edition, Ed. CDC Tomlin, British Crop Protection Council, 2003-04は、プロスルホカルブを含む商業的な除草性化合物の詳細を供する。化合物名に続く番号はPesticide Manualにおいて与えられたエントリー番号である。
【0009】
所望されない植生とは、米の成長及び質に影響するような植物であり、そしてその例はイネ科草本及び広葉雑草である。除草的に有効量のプロスルホカルブは、これらを所望されない植生にが作用させるために所望されない植生を制御するために適当な領域、又は米作の栽培の領域に適用される。栽培の領域は、作物がすでに成長している土地、又はこれらの作物の種子が撒かれている土地、及びこれらの作物が成長することが意図されている土地の領域である。
【0010】
所望されない植生の制御は満足な作物の収穫量及び質を保証し、そして作物の栽培者はしばしば除草性化合物の使用に関するコストと生じる収穫高のバランスを調整しなければならないが、一般的に、例えば、処理しない作物と比較して、少なくとも5%の処理を行った作物の収穫が増加する場合、当該化合物による制御が考慮される。
【0011】
プロスルホカルブは、非常に多くの農学的に重要なイネ科草本及び広葉雑草、例えば、モノコリア属(Monochoria spp.)、リンデルニア属(Lindernia spp.)、ルドウィジア属(Ludwigia spp.)、エラチン属(Elatine spp.)、ルドウィジア属(Ludwigia spp.)、ブトムス属(Butomus spp.)、イポメラ属(Ipomea spp.)、リムノチャリス属(Limnocharis spp.)、キカシグサ(Rotala indica)、サジタリア属(Sagittaria spp.)、スフェノクレア属(Sphenoclea spp.)、オヒシバ(Eleusine indica)、エチノクロア属(Echinochloa spp.)、レプトクロア属(Leptochloa spp.)、ディギタリア属(Digitaria spp.)、セタリア属(Setaria spp.)、パスパルム属(Paspalum spp.)、ロットボエリア・エクサルタタ(Rottboelia exaltata)、ブラチアリア属(Brachiaria spp.)、及びイシュエアマム属(Ischeamum spp.)、並びに一年生及び多年生カヤツリグサ科草本、例えば、スクリプス属(Scirpus spp.)(例えば、イヌホタルイ(Scirpus juncoides))、シペルス属(Cyperus spp.)、エレオチャリス属(Eleocharis spp.)、及びフェムブリスチリス属(Fimbristylis spp.)に対して使用することができる。
【0012】
プロスルホカルブは、特に、米作において所望されない植生(当該植生はアセト乳酸合成酵素(ALS)阻害剤に対して耐性を生じる)を制御する場合に有用である。例えば、リンデルニア属(Lindernia spp.)、モノコリア属(Monochoria spp.)、エラチン属(Elatine Spp.)、スキルプス属(Scirpus spp.)。プロスルホカルブは、特にアメリカアゼナ(Lindernia Dubia)、コナギ(Monochoria vaginalis)、又はミゾハコベ(Elatine triandra)に対して有効である。
【0013】
プロスルホカルブは、農業において使用される全ての慣習的な適用方法、例えば、発生前適用及び発生後適用に適当である。
【0014】
適用の割合は広い制限において変更することができ、そして土壌の性質、適用方法(発生前又は発生後等)、制御される所望されない植生、作物、支配的な気候条件、並びに適用方法及び適用期間により管理される他の因子に依存する。活性成分に基づき、プロスルホカルブは一般的に、0.01〜10、好ましくは0.1〜7、特には1〜5kg/ヘクタール(ha)の割合で適用することができる。
【0015】
プロスルホカルブは無修飾形態、即ち合成において得られた形態において利用することができるが、一般的に組成物(又は製剤)において使用され、処方技術において慣習的に使用される補助剤、例えば、溶媒、固形担体、又は界面活性剤と一緒に、WO97/34483の9〜13頁に記載されるとおり、乳化性濃縮物、直接的な噴霧性又は希釈製溶液、湿潤性粉末、可溶性粉末、粉塵、顆粒、又はマイクロカプセル中に、及び任意的に殺虫活性、例えば、除草活性を有する1又は複数の他の化合物と一緒に処方される。製剤の特性を伴い、意図される対象及び支配的な環境に関係して、適用方法、例えば、散布、噴霧、ダスティング、湿潤化、分散化、又は注入が選択される。製剤は既知の方法、例えば、最初に混合し、及び/又は活性成分を製剤補助剤、例えば、溶媒又は固形担体とともに粉砕することにより調製することができる。更に、界面活性化合物(界面活性剤)もまた製剤の調製において使用することができる。
【0016】
溶媒及び固形担体の例は、例えば、WO97/34485の6頁に与えられる。処方される活性成分の特性に依存して、界面活性化合物は、良好な乳化、分散化、及び湿潤化特性を有する、非イオン性、陽イオン性界面活性剤及び界面活性剤混合物である。適当な陰イオン性、非イオン性、及び陽イオン性界面活性剤は、例えば、WO97/34485の7及び8頁に挙げられている。また、本発明に従う除草性組成物の調製に適当なものは、処方技術において慣習的に利用される界面活性剤であり、これは特に"McCutcheon's Detergents and Emulsifiers Annual" MC Publishing Corp., Ridgewood New Jersey, 1981, Stache, H., "Tensid-Taschenbuch", Carl Hanser Verlag, Munich/Vienna, 1981, 及びM. and J. Ash, "Encyclopedia of Surfactants", Vol1-111, Chemical Publishing Co., New York, 1980-81において記載されている。
【0017】
除草製剤は、通常0.1〜99重量%、特に0.1〜95重量%の活性成分、0〜25重量%、特に0.1〜25重量%の界面活性剤を含み、そして固形又は液体製剤補助剤を調節する。
【0018】
商業製品は、通常、濃縮物として処方され、エンドユーザーは通常希釈製剤を利用する。また、当該組成物は更に、成分、例えば、安定剤、例えば、植物油、又はエポキシ化植物油(エポキシ化ココナッツ油、アブラナ油、又は大豆油)、消泡剤、例えば、シリコン油、防腐剤、粘調剤、結合剤、粘着剤、及び肥料又は他の活性成分を含んでよい。
【0019】
以下の実施例は発明を説明するために与えられ、本発明を制限するものではない。
【実施例】
【0020】
多様な雑草種由来のALS耐性の種子を慣習的に使用される温室の鉢に植える。生成物の適用は、200 l/haの含水量を伴う密閉した適用チャンバー中で行う。試験はランダム化し、そして4回ずつ行う。評価は、適用後21日における評価時期により雑草制御のために100%のスケールとする。
【0021】
表1は、プロスルホカルブが、米作において広く使用されている除草剤:モリネート(チオカルバメート)及びシノスルフロンと比較して、所望されない植生の驚くほど有効的な制御を実証することを示す。
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
米作において所望されない植生を制御する方法であって、制御が所望される場所に除草量のプロスルホカルブを適用することを含んで成る、方法。
【請求項2】
所望されない植生がアセト乳酸合成酵素(ALS)阻害剤に対して耐性である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
所望されない植生が、広葉雑草又は一年生及び多年生のカヤツリグサ科草本である、請求項1又は2のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
所望されない植生が、リンデルニア属(Lindernia spp.)、モノコリア属(Monochoria spp.)、エラチン属(Elatine Spp.)、スキルプス属(Scirpus spp.)、又はシペルス属(Cyperus spp.)である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
米作において所望されない植生を制御するためのプロスルホカルブの使用。

【公表番号】特表2007−530496(P2007−530496A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−504371(P2007−504371)
【出願日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【国際出願番号】PCT/EP2005/003185
【国際公開番号】WO2005/092102
【国際公開日】平成17年10月6日(2005.10.6)
【出願人】(500584309)シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト (352)
【出願人】(501008820)シンジェンタ リミテッド (33)
【Fターム(参考)】