説明

画像の検査方法および装置

【課題】
従来、プリント基板の外観検査装置等で試みられている、位置ずれした被検査基板のずれ補正の前処理を施し、被検査基板画像と基準画像との差分をとって、基板の欠陥検査が行われていた。しかし、その位置ずれ補正の前処理にかなりの時間を要し、検査のタクトタイムを短縮することが困難であった。そのために、位置ずれ補正と画像の差分が迅速に精度よく行われる技術と装置の開発が求められてきた。
【解決手段】
本発明は、画像欠陥の検査のために、基準画像と被検査画像の両者をフーリエ変換して、両者のフーリエ変換強度画像の回転角変化を補正して差分した画像と、前記何れかの画像のフーリエ変換位相画像とで逆フーリエ変換画像を求めて、2画像間の差異を求める方法と装置を提供した。2画像間に位置ずれ、回転ずれがあっても、2画像間の差異が明確に求まり、画像欠陥等の検査を簡単に迅速に行うことができた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像検査の方法および装置に係るものであり、特に、被識別画像上の微小欠陥や異物の検査または被識別画像と基準画像との比較照合検査のための画像検査方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像の差異や画像欠陥の検出のディジタル画像処理法としては、PCを用いて電子カメラで撮り込んだ被検査画像とCADデータから作成された基準画像か、あるいは、あらかじめ取り込まれている基準画像とを直接差分して被検査画像の差異や欠陥を抽出する画像処理法である2画像の直接差分法が一般的に用いられてきた。この画像直接差分法は、基準画像に対して被検査画像が平行に前後左右にずれていたり、画像が回転している場合には、被検査画像の基準画像に対する位置合わせの前処理を行う必要があった。画像位置合わせの前処理は、画像に付けられた基準の位置標識の座標を読み込んで座標のずれ計算から位置合わせをするという方法がとられた。しかし、従来の簡単な画像合わせ法では、位置合わせ精度が得られず、高精度の位置合わせには多くの時間がかかるという欠点があった。従って、画像直接差分法は、検査のニーズに対応できなかった。
【0003】
これに対して、被検査画像と基準画像との2画像のフーリエ変換差分法[特許文献1]が提案された。画像のフーリエ変換差分法では、形状とサイズが同じである2画像間に2次元の平行移動ずれがあっても、2画像のフーリエ変換の強度画像の零次(座標原点)が自動的に一致し、フーリエ変換強度画像の形状、サイズが完全に一致するために、画像ずれは自動的に補正されて解消され、被検査画像と基準画像の2次元の平行移動ずれ変化に対する補正を行う必要は無くなった。
しかしながら、該フーリエ変換画像差分法を用いても、回転ずれに対する画像の前処理の必要性は解消されなかった。
【0004】
ところで、画像の回転ずれの補正に対する解決法には、位相限定相関法[非特許文献1]という方法が行われたが、位相限定相関法は、画像のフーリエ変換の位相画像の位相限定相関を求め、それを逆フーリエ変換して位相限定相関関数を求めてその最大値の位置より位相ずれ量を求めて、回転を補正する、という手の込んだ処理時間のかかる方法であった。従って、回転補正のために検査のタクトタイムを短縮することは困難であった。
【0005】
そのため、画像の2次元平行移動の補正と回転補正に関する画期的で簡便に利用できる高速処理技術の開発が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4061289号
【0007】
【非特許文献1】小林 孝次、他、「位相限定相関法の原理とその応用」 ITE Technical Report Vol.20,No.41 pp1-6 (1996)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
画像の差異や欠陥の検出のために、基準画像と被検査画像の差分を行って検査する場合、その際の基準画像と被検査画像の位置合わせを迅速に精度よく行うための技術開発を行うことが課題である。
【0009】
なお、基準画像と被検査画像の位置合わせには、2次元的な平行移動ずれと回転ずれとの補正によって、画像の位置合わせが行われる。従って、2画像の2次元的な平行ずれの補正と回転ずれの補正の方法を同時に迅速に精度よく行う方法や装置を開発することが課題であった。
【0010】
そこで、本発明は、基準画像と被検査画像の正確な位置合わせのために、2つの画像の2次元的な平行移動のずれと回転ずれを同時に正確に迅速に補正可能とする方法や装置を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の前記目的は、以下の方法あるいは装置構成によって達成される。つぎに概略を説明する。
【0012】
画像の差異や欠陥の検出のために、基準画像と、平行移動ずれと回転ずれのある被検査画像とをずれ補正して差分比較する場合、基準画像と被検査画像の2画像のフーリエ変換(FTと略記)差分法を用いる。当該2つの画像をCPU(コンピュータ)でフーリエ変換(FT)すれば、それぞれのFT画像は強度画像と位相画像に分かれて表示される。そして、前述の基準画像と被検査画像のそれぞれのFTの強度画像は、元画像の前後、左右の位置ずれに関係なく、FT強度画像の零点(原点)が2画像間で自動的に一致する。また、被検査画像のFT強度画像の回転ずれ角度は、被検査画像の回転ずれの角度と一致する。従って、被検査画像のFT強度画像を回転ずれ角の分だけ補正すれば、被検査画像のFT強度画像は画像の位置ずれと回転ずれにかかわらず、基準画像のFT強度画像の位置に完全に一致する。
【0013】
そこで、被検査画像の欠陥検出は、先ず、被検査画像のFT強度画像と基準画像のFT強度画像との相関をとって回転角を求め、つぎに、その角度分だけFT強度画像の回転補正を行って位置合わせをした後、2画像のFT強度の差分を行い、その差分画像とFT位相画像とで逆フーリエ変換する。これによって、元画像の前後、左右、回転にずれがあっても、画像の欠陥検出を行うことができる。
【0014】
本発明が採用した目的を達成するための具体的手段はつぎのとおりである。
【0015】
(課題解決手段その1)
課題解決の手段は、被検査画像と基準画像との差分によって画像の差異や画像欠陥を検出する画像検査法において、画像の差異や画像欠陥の検出を、被検査画像のフーリエ変換強度画像と基準の画像のフーリエ変換強度画像との差分によって、高精度迅速に行うことを特徴とする、画像の検査方法であって、
被検査画像が、基準画像に対して2次元的な平行ずれと回転ずれとを有する、または、平行ずれあるいは回転ずれを有する場合に、被検査画像と基準画像のフーリエ変換画像の強度画像と位相画像をそれぞれ求め、被検査画像のフーリエ変換強度画像と基準画像のフーリエ変換強度画像を直接差分してあるいはフーリエ変換強度画像の一方を回転角補正をした後に差分して求めたフーリエ変換強度差分画像と回転させない一方のそれぞれのフーリエ変換位相画像とを用いて逆フーリエ変換して、画像の差異や欠陥を高精度迅速に求めることを特徴とした、画像の検査方法、である。
【0016】
(課題解決手段その2)
課題解決の手段は、前記請求項1に記載の画像差異や画像欠陥の検査方法であって、
基準画像と被検査画像との間に回転ずれがある場合の画像検査において、ずれ角を求めて画像差異や画像欠陥を検査するために、基準画像と被検査画像のそれぞれをフーリエ変換して、フーリエ変換の強度画像と位相画像をそれぞれ求め、前記2つのフーリエ変換強度画像の回転ずれ角を該フーリエ変換強度画像の相関計算から求めて、一方のフーリエ変換強度画像の回転角ずれを他方のフーリエ変換強度画像に合わせて角度補正した後に画像差分し、該フーリエ変換強度差分画像と前記フーリエ変換位相画像の回転させない一方とを合わせて逆フーリエ変換像をつくって、回転ずれのある被検査画像の画像の差異や欠陥の検出を迅速正確に求めることを特徴とする、画像欠陥の検査方法、である。
【0017】
(課題解決手段その3)
課題解決の手段は、前記請求項2に記載の画像差異や画像欠陥の検査方法であって、
一方のフーリエ変換強度画像を他方のフーリエ変換強度画像に重ね合わせる回転角補正のための、フーリエ変換強度画像の相関をとってずれ角度を求める手法において、
画像相関を求めるための比較すべき基準画像と被検査画像の2つのフーリエ変換強度画像の比較領域を、それぞれのフーリエ変換強度画像上で零次光中心(フーリエ変換座標面の原点)を中心とした任意の半径の円輪上にとり、その円輪上の一部領域かあるいは全領域の画像の相関をとって画像のずれ角度を求めて補正する、画像のずれ角を迅速正確に求めることを特徴とする、画像欠陥の検査方法、である。
【0018】
(課題解決手段その4)
課題解決の手段は、前記請求項1に記載の画像差異や画像欠陥の検査方法であって、
基準画像と被検査画像を画像差分によって画像の差異や画像欠陥を検査する方法において、前記2画像が2次元的な平行ずれと回転ずれを伴う場合の検査では、それぞれのフーリエ変換の強度画像をシャフリング(shuffling)することによって、フーリエ変換強度画像の零次光の中心を自動的にフーリエ変換面の原点に移して、前記2つのフーリエ変換強度画像の零次光の中心(フーリエ変換座標面の原点)を自動的に一致させて、画像ずれの補正を容易にすることを特徴とする、画像検査方法、である。
【0019】
(課題解決手段その5)
課題解決の手段は、コンピュータ(CPUと略記する)とCPUに画像を取込む電子カメラとで構成された装置であって、CPUに接続された電子カメラから撮込まれた基準画像をCPUに取込み、CPU内でフーリエ変換し、基準画像のフーリエ変換強度画像とフーリエ変換位相画像を求め、電子カメラから撮込んだ被検査画像をCPUに取込んでフーリエ変換してフーリエ変換強度画像とフーリエ変換位相画像を求め、被検査画像のフーリエ変換強度画像と基準画像のフーリエ変換強度画像を差分した、あるいは、被検査画像のフーリエ変換強度画像と基準画像のフーリエ変換強度画像とで画像相関をとって、一方を角度補正して差分したフーリエ変換強度差分画像を、基準画像あるいは被検査画像の回転角補正をしなかった一方のフーリエ変換位相画像と合わせて逆フーリエ変換して、基準画像と被検査画像の画像差異や被検査画像の画像欠陥を、平行ずれや回転ずれのある被検査画像と基準画像との比較検査において、正確、迅速に検査可能とすることを特徴とする、画像検査装置、である。
【0020】
(課題解決手段その6)
課題解決の手段は、前記請求項5に記載の画像差異や画像欠陥の検査装置であって、
CPU内で、一方のフーリエ変換強度画像を他方のフーリエ変換強度画像に重ね合わせる回転角補正のための、フーリエ変換強度画像の強度の相関をとってずれ角度を求める手法において、
画像相関を求めるための比較すべき基準画像と被検査画像の2つのフーリエ変換強度画像の比較領域を、それぞれのフーリエ変換強度画像上で零次光中心(フーリエ変換座標面の原点)を中心とした任意の半径の円輪上にとり、その円輪上の一部領域かあるいは全領域の画像の相関をとって画像のずれ角度を求めて補正する、画像のずれ角を迅速正確に求めることを特徴とする、画像欠陥の検査装置、である。
【0021】
(課題解決手段その7)
課題解決の手段は、前記請求項5に記載の画像差異や画像欠陥の検査装置であって、CPU内にあらかじめ取り込まれた基準画像のフーリエ変換像のフーリエ変換強度画像と該CPUで制御された電子カメラから撮込んだ被検査画像をフーリエ変換してフーリエ変換強度画像とフーリエ変換位相画像を求め、被検査画像のフーリエ変換強度画像と基準画像のフーリエ変換強度画像を差分した、あるいは、被検査画像のフーリエ変換強度画像と基準画像のフーリエ変換強度画像とで画像相関をとって、基準画像のフーリエ変換強度画像を角度補正して差分したフーリエ変換強度差分画像を、フーリエ変換位相画像と合わせて逆フーリエ変換して、基準画像と被検査画像の画像差異や被検査画像の画像欠陥を、平行ずれや回転ずれのある基準画像と被検査画像との比較検査において、正確、迅速に検査可能とすることを特徴とする、画像検査装置、である。
【発明の効果】
【0022】
本発明の主たる効果は、
画像欠陥の検査を行うために、被検査画像と基準画像とを画像差分によって比較するときに、被検査画像と基準画像のフーリエ変換強度画像(FT強度画像と略記する)とフーリエ変換位相画像(FT位相画像と略記する)をそれぞれ求め、2つのFT強度画像の回転ずれを補正して差分し、該差分FT強度画像とFT位相画像を用いて逆フーリエ変換して、画像の差異を正確に求めることによって、
被検査画像と基準画像との2画像間に平行ずれ、回転ずれがあっても、画像欠陥の検査が比較的簡単に迅速に行われるようにして、課題を解決したことである。
具体的に述べればつぎのとおりである。すなわち、
【0023】
(効果その1)
被検査画像と基準画像との差分によって画像の差異や画像欠陥を検出する画像検査法において、被検査画像が、基準画像に対して2次元的な平行ずれと回転ずれとを有する、または、平行ずれあるいは回転ずれを有する場合でも、
被検査画像と基準画像のフーリエ変換画像のFT強度画像とFT位相画像をそれぞれ求め、被検査画像のFT強度画像と基準画像のFT強度画像を直接差分してあるいはフーリエ変換強度画像の一方を回転角補正をした後に差分して求めたFT強度差分画像と回転させない一方のそれぞれのFT位相画像とを用いて逆フーリエ変換して、画像の差異や欠陥を高精度迅速に求めることができる。
本発明の効果は、前述の手法によって、被検査画像が、基準画像に対して2次元的な平行ずれと回転ずれとを有する、または、平行ずれあるいは回転ずれを有する場合でも、画像欠陥の検査が比較的簡単に迅速に行われることを可能にしたことである。これによって、課題は解決された。
【0024】
(効果その2)
本発明の効果は、基準画像と被検査画像との間に回転ずれがある場合の画像検査において、被検査画像と基準画像のFT強度画像の角度ずれをFT強度画像の相関計算から求めることによって、FT強度画像の角度補正を迅速に行うことができ、回転ずれのある画像の差異や欠陥を高精度迅速に求めることを可能にしたことである。これによって、本発明の効果は発揮され、課題は解決された。
【0025】
(効果その3)
本発明の効果は、画像差異や画像欠陥の検査方法において、基準画像と被検査画像の、FT強度画像の角度補正を相関法で行う場合に、画像相関を求めるための比較すべき基準画像と被検査画像の2つのFT強度画像の比較領域を、それぞれのFT強度画像上で零次光中心(フーリエ変換座標面の原点)を中心とした任意の半径の円輪上にとり、その円輪上の一部領域かあるいは全領域の画像強度の相関をとって画像のずれ角度を求めて補正するという、画像のずれ角を迅速正確に求める手法を発明して、回転ずれのある画像の差異や欠陥を更に高精度迅速に求めることを可能にしたことである。これによって、本発明の効果は発揮され、課題は解決された。
【0026】
(効果その4)
本発明の効果は、画像差異や画像欠陥の検査方法において、FT強度画像をシャフリング(shuffling)することによって、平行ずれのある画像の原点位置合わせを迅速に自動的に行うことができるようにし、更に回転ずれの補正を行うために原点の合致を自動化して迅速化したことである。これによって、本発明の効果は発揮され、課題は解決された。
【0027】
(効果その5)
本発明の効果は、基準画像と被検査画像の画像差異や被検査画像の画像欠陥を、平行ずれや回転ずれのある被検査画像と基準画像との比較検査において、コンピュータ(CPUと略記する)とCPUに画像を取込む電子カメラとで構成された装置を用いて、正確、迅速に検査可能としたことである。これによって、本発明の効果は発揮され、課題は解決された。
【0028】
(効果その6)
本発明の効果は、平行ずれや回転ずれのある画像の差異や欠陥を高精度迅速に求める装置において、画像のずれ角度を求めて補正する、画像のずれ角補正に、フーリエ変換強度画像上で零次光中心(フーリエ変換座標面の原点)を中心とした任意の半径の円輪上にとり、その円輪上の一部領域かあるいは全領域の画像強度の相関をとって画像のずれ角度を求めて補正するという、画像のずれ角を更に迅速正確に求める手法を装置に組み込んで、検査を更に高速度化する装置を開発したことである。これによって、本発明の効果は発揮され、課題は解決された。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】FT強度画像差分法による2次元平行ずれのある画像の差異や欠陥の検査説明図
【図2】FT強度画像差分法による回転ずれのある画像の欠陥検査の例と検査法説明図
【図3】平行ずれと回転ずれのある画像の差異や欠陥の検査法説明図
【図4】画像回転ずれ補正のための、提案されたFT強度画像のリング上の画像強度分布相関検出法と、FT強度画像差分法にリング上回転相関検出法を付加した画像欠陥の迅速検査法の説明図
【図5】平行ずれと回転ずれのある画像のFT強度画像差分法による欠陥の検査説明図
【実施例】
【0030】
図1に、[先行技術文献]である[特許文献1]に示される、基準画像1-1に対して被検査画像1-2が2次元的に平行移動ずれした画像のFT強度画像の差分法を用いた画像の差異や欠陥の検査結果の一例を示した。
基準画像はサイズが256pixel×256pixelで黒地に白英文字Aが描かれている。被検査画像は、白英文字Aは同サイズ同形状であるが5×5pixelサイズの黒色の欠陥を持ち、横、縦の座標軸で原点から(15pixel,25pixel)の位置に画像原点をもって、基準画像と平行移動ずれした位置にある。
【0031】
CPUに取込んだ基準画像1-1をフーリエ変換してFT強度画像2-1とFT位相画像3-1を得、CPUに取込んだ被検査画像1-2のFT強度画像2-2及びFT位相画像3-2を得て、基準画像のFT強度画像2-1と被検査画像のFT強度画像2-2を比較すると、それらFT強度画像の零次位置は一致し、それら2つのFT強度画像は完全に一致することが認められる。
さて、基準画像のFT強度画像2-1と被検査画像のFT強度画像2-2を差分して、FT強度差分画像4-1あるいは4-2を得る。FT強度差分画像4-1と基準画像のFT位相画像3-1とで逆フーリエ変換画像をつくれば、原点(0,0)を中心にした基準画像A上の位置に欠陥だけを抽出した欠陥画像5-1が現われる。また、FT強度差分画像4-2と被検査画像のFT位相画像3-2とで逆フーリエ変換画像をつくれば、座標(15pixel,25pixel)を中心にした被検査画像の在った位置に欠陥だけを抽出した欠陥画像5-2が現われる。
従って、2次元平行移動ずれを有する被検査画像の差異や欠陥の検査が[特許文献1]に示されるように、この手法を用いて迅速正確に行われることが実験的に確認された。
【0032】
従って、基準画像に対して2次元平行移動ずれを有する被検査画像の差異や欠陥の検査で、FT強度画像の差分法を用いれば、それら2つのFT強度画像の零次位置は一致し、FT強度画像のパターンとサイズも完全に一致して、2次元平行移動ずれを有する被検査画像の差異や欠陥の検査は正確に行われることが認められた。
【0033】
そこで、本発明である、平行移動ずれ、回転ずれを含んだ2原画像のフーリエ変換強度の差分で、2原画の差異を正確、迅速に検査する方法あるいは装置構成の成立について、数式的な検討を加えると以下のようになる。
【0034】
さて、平行移動ずれ、回転ずれを含んだ2原画像のフーリエ変換強度の数式的な表現はつぎのようになる。
基準画像、および被検査画像、をそれぞれ以下のように表わす。
【数1】

【数2】

なお、被検査画像は、基準画像と同じ画像が平行ずれと回転ずれをしているとして、平行ずれ、回転ずれがそれぞれ以下のようであるとすれば、
【数3】

【数4】

被検査画像はつぎのように表わされる。
【数5】

ただし
【数6】

そこで、基準画像のフーリエ変換
【数7】

はつぎのようになる。
【数8】

(デカルト座標表示)
ここで、
【数9】

および、
【数10】

とおくと
【数11】

(極座標表示)
となる。
被検画像のフーリエ変換
【数12】

は、同様につぎのようになる。
【数13】

ここで、
【数14】

および、
【数15】

とおくと
【数16】

したがって、被検画像の強度分布は
【数17】

となり、被検査画像のFT強度画像の強度分布は、平行位置ずれの位置に関係なく常に座標原点に現われ、その形状・サイズは基準画像のFT強度画像の強度分布に一致している。そして、被検査画像の回転ずれがαだけある場合には、被検査画像のFT強度画像の強度分布は、基準画像のFT強度画像の形に一致し、基準画像のFT強度画像の強度分布をαだけ回転したものに等しい。
以上のことから、被検査画像と基準画像のフーリエ変換強度画像の回転ずれ角だけを補正し、両者のフーリエ変換強度画像の差分をフーリエ変換位相分とで逆フーリエ変換すれば、平行ずれ、回転ずれのある画像であっても、自動的に精度よく画像差分されて、2画像間の差異だけが画像として再生されることが、数式的に示された。
以上により、本発明を用いれば、課題は解決されることが理論的にも明確に示された。
【0035】
回転ずれした画像のフーリエ変換強度画像とその補正は、2つの原画像のフーリエ変換強度画像の零次(原点)は常に一致し、かつ、2原画像の回転ずれの角度は、フーリエ変換強度画像の回転ずれ角と一致するから、FT強度画像の回転ずれ角を補正してFT強度画像の差分をとることによって、回転ずれした画像の差異や欠陥の検査は容易に行うことができることが明らかにされた。
以上のことが図2〜図5を用いて視覚的に示されている。なお、図1には、2次元平行移動ずれのある画像の差異や欠陥のFT強度画像差分法による検査の例を参考のために示した。
【0036】
図2には、回転ずれのある画像のFT強度画像差分法による欠陥検査の例、図3には、平行移動ずれと回転ずれのある画像のFT強度画像差分法による画像差異や欠陥の検査法のプロセス説明、図4には、画像回転ずれ補正のための、提案されたFT強度画像のリング上の画像強度分布相関検出法と、FT強度画像差分法にリング上回転相関検出法を付加した画像欠陥の迅速検査法の説明の図、図5には、平行移動ずれと回転ずれのある画像のFT強度画像差分法による欠陥検査の例、が示されている。
これによって、本発明の効果は明確にされ、課題は解決された。
【0037】
さて、本発明の実施例を具体的に示すとつぎのようである。
図2に、基準画像1-1に対して被検査画像1-2が回転ずれした画像である場合の、FT強度画像の差分法を用いた欠陥検査の例を示した。
基準画像はサイズが256pixel×256pixelで黒地に白英文字Aが描かれている。被検査画像は、白英文字Aは同サイズ同形状であるが5×5pixelサイズの黒色の欠陥を持ち、基準画像と同じ位置、原点で2°傾いて、基準画像と回転ずれした位置にある。
【0038】
CPUに取込んだ基準画像1-1をフーリエ変換してFT強度画像2-1とFT位相画像3-1を得、CPUに取込んだ被検査画像1-2のFT強度画像2-2及びFT位相画像3-2を得る。
図2に手法を例示するように、基準画像のFT強度画像2-1を回転させて被検査画像のFT強度画像2-2に一致する角度を探して角度補正した基準画像FT強度画像2-1-2を求め、被検査画像FT強度画像2-2と角度補正した基準画像FT強度画像2-1-2との差分を求め、そのFT差分画像を4-2として、FT差分画像4-2と被検査画像FT位相画像3-2とで逆フーリエ変換画像をつくれば、傾いた被検査画像の位置に欠陥だけが現われた画像5-2を得ることができる。
【0039】
また、被検査画像のFT強度画像2-2を回転させて基準画像のFT強度画像2-1に一致する角度を探して角度補正した被検査画像FT強度画像2-2-1を求め、基準画像FT強度画像2-1と角度補正した被検査画像FT強度画像2-2-1との差分を求め、そのFT差分画像4-1と基準画像FT位相画像3-1とで逆フーリエ変換画像をつくれば、基準画像の位置に欠陥だけが現われた画像5-1を得ることができる。
上述のように、回転ずれを有する被検査画像の欠陥検査がこの手法を用いて迅速正確に行われることが示された。
【0040】
図3に、2次元的な平行ずれや回転ずれを含んだ画像ずれのある2つの画像のFT強度画像差分法を用いた画像欠陥検査法の概略を示した。
CPUに取込んだ基準画像1-1と被検査画像1-2とをそれぞれフーリエ変換して基準画像のFT強度画像2-1、FT位相画像3-1、および被検査画像のFT強度画像2-2、FT位相画像3-2を得る。つぎに、基準画像のFT強度画像2-1と被検査画像のFT強度画像2-2の相関強度を求めて画像ずれの回転角度を求める。基準画像FT強度画像2-1か、あるいは被検査画像FT強度画像2-2をずれ角だけ回転させて、角度を合わせたFT強度画像の差分画像4を求める。ずれ角を補正しなかった一方のFT位相画像とFT強度差分画像とで逆フーリエ変換画像をつくれば、基準画像上に表示された欠陥画像5-1または被検査画像上に表示された欠陥画像5-2をそれぞれ求めることができる。
【0041】
図4に、FT強度画像の特徴を利用した画像相関法を用いて、FT強度画像の回転角ずれを更に迅速に求めて、画像欠陥を迅速に求める方法を案出し、その方法を検査法に取込んだので、その概略を示した。
CPUに取込んだ基準画像1-1と被検査画像1-2とをそれぞれフーリエ変換して基準画像のFT強度画像2-1、および被検査画像のFT強度画像2-2、FT位相画像3-2を得る。
基準画像のFT強度画像2-1と被検査画像のFT強度画像2-2の相関強度を求めて画像ずれの回転角度を求めるにあたって、前記それぞれのFT強度画像上に、FT強度画像が明確に現われる回折(フーリエ変換)像の3次か4次程度のパターンが取込める任意の大きさの半径の円輪10を定め、その円輪10上での画像強度分布の相関をとり、回転ずれ角を求める。
【0042】
なお、円輪上での画像相関は、円輪上で全ての画像でとる必要はなく、全円輪の1/4か1/6程度の円輪上での画像相関をとればよい。FT強度画像は元画像に比較して画像の特徴が明確であり、相関計算が明確になるという特徴がある。また、FT強度画像は画像の特徴が抽出されているから、画像相関の比較画素は円輪上の画素の全てを用いる必要はない。更に、相関計算には計算画素が少ない方が時間的な優位性があるから、少ない画素で相関強度を求めることがよい。
【0043】
FT強度画像の円輪上の相関計算からずれ角を求めて角度補正した基準画像のFT強度画像2-1-2と被検査画像のFT強度画像2-2のFT強度差分画像4-2を求めて、このFT強度差分画像4-2と被検査画像のFT位相画像3-2とを合わせて逆フーリエ変換すれば、欠陥が抽出された画像5-2が求まる。
前述した如く、FT強度画像上の円輪10上での画像相関強度を求めて回転ずれの角度を正確迅速に求めることができ、回転ずれと平行ずれを有する画像の差異や欠陥が正確迅速に求められた。
なお、図4には、基準画像のFT強度画像を回転補正することが示されているが、被検査画像のFT強度画像を回転補正することによっても同様に、回転ずれと平行ずれを有する画像の差異や欠陥を正確迅速に求めることができることも明らかとなった。
【0044】
図5に、被検査画像が基準画像に対して平行ずれと回転ずれを同時に持った場合の、FT強度差分法による画像欠陥検査の手順と検査例を示した。被検査画像は、(15pixel,25pixel)の位置に画像原点をもって、基準画像と2°傾いて、平行ずれと回転ずれした位置にある。
CPUに取込んだ基準画像1-1と被検査画像1-2とをそれぞれフーリエ変換して基準画像のFT強度画像2-1、および被検査画像のFT強度画像2-2、FT位相画像3-2を得る。
基準画像のFT強度画像2-1と被検査画像のFT強度画像2-2の相関強度を求めて画像ずれの回転角度を求めるにあたって、前記それぞれのFT強度画像上に、FT強度画像が明確に現われる3次か4次程度の回折(フーリエ変換)パターンが取込める任意の大きさの半径の円輪10を定め、その円輪10上での画像強度分布の相関をとり、回転ずれ角を求める。
FT強度画像の円輪上の相関計算からずれ角を求めて角度補正した基準画像のFT強度画像2-1-2と被検査画像のFT強度画像2-2のFT強度差分画像4-2を求めて、このFT強度差分画像4-2と被検査画像のFT位相画像3-2とを合わせて逆フーリエ変換すれば、欠陥が抽出された画像5-2が求まる。
前述した如く、FT強度画像上の円輪10上での画像相関強度を求めて回転ずれの角度を正確迅速に求めることができ、回転ずれと平行ずれを有する画像の差異や欠陥が正確迅速に求められた。
なお、図5には、基準画像のFT強度画像を回転補正することが示されているが、被検査画像のFT強度画像を回転補正することによっても同様に、回転ずれと平行ずれを有する画像の差異や欠陥を正確迅速に求めることができることも明らかとなった。
【0045】
理論的研究および実験的研究の結果、本発明の効果は明確にされ、課題が解決されることが確認された。
【0046】
なお、本発明の、画像の差異や画像欠陥の検査方法、および、コンピュータ(CPUと略記する)とCPUに画像を取込む電子カメラとで構成された装置であって、前述の画像欠陥等の検査方法を画像処理ソフトとして組み込んだ画像検査装置、に於いても、本発明によって課題が明確に解決されることが確認された。
【0047】
更になお、本発明の一つを構成する装置発明は、照明、リニアガイド、載物台、エリアカメラまたはラインスキャンカメラ(ラインスキャンナ)、CPUによって構成され、
CPUに接続された電子カメラから撮込まれた基準画像をCPUに取込み、CPU内でフーリエ変換し、基準画像のフーリエ変換強度画像とフーリエ変換位相画像を求め、電子カメラから撮込んだ被検査画像をCPUに取込んでフーリエ変換してフーリエ変換強度画像とフーリエ変換位相画像を求め、被検査画像のフーリエ変換強度画像と基準画像のフーリエ変換強度画像を差分した、あるいは、被検査画像のフーリエ変換強度画像と基準画像のフーリエ変換強度画像とで画像相関をとって、一方を角度補正して差分したフーリエ変換強度差分画像を、基準画像あるいは被検査画像の回転角補正をしなかった一方のフーリエ変換位相画像と合わせて逆フーリエ変換して、基準画像と被検査画像の画像差異や被検査画像の画像欠陥を、平行ずれや回転ずれのある基準画像と被検査画像との比較検査を行う方法を、正確、迅速に実行することを可能にする、画像検査装置である。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、直接には、電子基板の外観検査装置に使われ、電子基板の欠陥の画像検査に利用される。また、本発明技術は、高速プレス成型された機械部品等の形状ごとの欠陥検査装置やシルク印刷の文字の欠陥検査装置として用いられる。
【符号の説明】
【0049】
1-1:基準画像
1-2:被検査画像
2: フーリエ変換
2-1:基準画像のFT強度画像(基準画像FT強度画像)
2-1-2:基準画像FT強度画像を非検査画像FT強度画像の傾きに合わせて回転させた画像
2-2:被検査画像のFT強度画像(非検査画像FT強度画像)
2-2-2:被検査画像FT強度画像を基準画像FT強度画像の傾きに合わせて回転させた画像
3-1:基準画像のFT位相画像(基準画像FT位相画像)
3-2:被検査画像のFT位相画像(非検査画像FT位相画像)
4: 基準画像と被検査画像のFT強度差分画像
4-1:基準画像FT強度画像と被検査画像FT強度画像との差分画像
4-2:基準画像FT強度画像と被検査画像FT強度画像との差分画像
5-1:基準画像と被検査画像のFT強度画像の差分画像を基準画像FT位相画像とで逆FTした画像。基準画像の位置上に検出された画像欠陥
5-2:基準画像と被検査画像のFT強度画像の差分画像を非検査画像FT位相画像とで逆FTした画像。被検査画像の位置上に検出された画像欠陥
6:相関法により2画像の回転角を算出する
7:片方の画像の角度を補正する
8:角度補正後の、基準画像FT強度画像と被検査画像FT強度画像を差分する
9:画像の逆FTをする
10:2つのFT強度画像の相関をとるための、FT強度画像零次を中心にして描いた半径rの円輪

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査画像と基準画像との差分によって画像の差異や画像欠陥を検出する画像検査法において、画像の差異や画像欠陥の検出を、被検査画像のフーリエ変換強度画像と基準の画像のフーリエ変換強度画像との差分によって、高精度迅速に行うことを特徴とする、画像の検査方法であって、
被検査画像が、基準画像に対して2次元的な平行ずれと回転ずれとを有する、または、平行ずれあるいは回転ずれを有する場合に、被検査画像と基準画像のフーリエ変換画像の強度画像と位相画像をそれぞれ求め、被検査画像のフーリエ変換強度画像と基準画像のフーリエ変換強度画像を直接差分してあるいはフーリエ変換強度画像の一方を回転角補正をした後に差分して求めたフーリエ変換強度差分画像と回転させない一方のそれぞれのフーリエ変換位相画像とを用いて逆フーリエ変換して、画像の差異や欠陥を高精度迅速に求めることを特徴とした、画像の検査方法。
【請求項2】
前記請求項1に記載の画像差異や画像欠陥の検査方法であって、
基準画像と被検査画像との間に回転ずれがある場合の画像検査において、ずれ角を求めて画像差異や画像欠陥を検査するために、基準画像と被検査画像のそれぞれをフーリエ変換して、フーリエ変換の強度画像と位相画像をそれぞれ求め、前記2つのフーリエ変換強度画像の回転ずれ角を該フーリエ変換強度画像の相関計算から求めて、一方のフーリエ変換強度画像の回転角ずれを他方のフーリエ変換強度画像に合わせて角度補正した後に画像差分し、該フーリエ変換強度差分画像と前記フーリエ変換位相画像の回転させない一方とを合わせて逆フーリエ変換像をつくって、回転ずれのある被検査画像の画像の差異や欠陥の検出を迅速正確に求めることを特徴とする、画像欠陥の検査方法。
【請求項3】
前記請求項2に記載の画像差異や画像欠陥の検査方法であって、
一方のフーリエ変換強度画像を他方のフーリエ変換強度画像に重ね合わせる回転角補正のための、フーリエ変換強度画像の相関をとってずれ角度を求める手法において、
画像相関を求めるための比較すべき基準画像と被検査画像の2つのフーリエ変換強度画像の比較領域を、それぞれのフーリエ変換強度画像上で零次光中心(フーリエ変換座標面の原点)を中心とした任意の半径の円輪上にとり、その円輪上の一部領域かあるいは全領域の画像の相関をとって画像のずれ角度を求めて補正する、画像のずれ角を迅速正確に求めることを特徴とする、画像欠陥の検査方法。
【請求項4】
前記請求項1に記載の画像差異や画像欠陥の検査方法であって、
基準画像と被検査画像を画像差分によって画像の差異や画像欠陥を検査する方法において、前記2画像が2次元的な平行ずれと回転ずれを伴う場合の検査では、それぞれのフーリエ変換の強度画像をシャフリング(shuffling)することによって、フーリエ変換強度画像の零次光の中心を自動的にフーリエ変換面の原点に移して、前記2つのフーリエ変換強度画像の零次光の中心(フーリエ変換座標面の原点)を自動的に一致させて、画像ずれの補正を容易にすることを特徴とする、画像検査方法。
【請求項5】
コンピュータ(CPUと略記する)とCPUに画像を取込む電子カメラとで構成された装置であって、CPUに接続された電子カメラから撮込まれた基準画像をCPUに取込み、CPU内でフーリエ変換し、基準画像のフーリエ変換強度画像とフーリエ変換位相画像を求め、電子カメラから撮込んだ被検査画像をCPUに取込んでフーリエ変換してフーリエ変換強度画像とフーリエ変換位相画像を求め、被検査画像のフーリエ変換強度画像と基準画像のフーリエ変換強度画像を差分した、あるいは、被検査画像のフーリエ変換強度画像と基準画像のフーリエ変換強度画像とで画像相関をとって、一方を角度補正して差分したフーリエ変換強度差分画像を、基準画像あるいは被検査画像の回転角補正をしなかった一方のフーリエ変換位相画像と合わせて逆フーリエ変換して、基準画像と被検査画像の画像差異や被検査画像の画像欠陥を、平行ずれや回転ずれのある被検査画像と基準画像との比較検査において、正確、迅速に検査可能とすることを特徴とする、画像検査装置。
【請求項6】
前記請求項5に記載の画像差異や画像欠陥の検査装置であって、
CPU内で、一方のフーリエ変換強度画像を他方のフーリエ変換強度画像に重ね合わせる回転角補正のための、フーリエ変換強度画像の強度の相関をとってずれ角度を求める手法において、
画像相関を求めるための比較すべき基準画像と被検査画像の2つのフーリエ変換強度画像の比較領域を、それぞれのフーリエ変換強度画像上で零次光中心(フーリエ変換座標面の原点)を中心とした任意の半径の円輪上にとり、その円輪上の一部領域かあるいは全領域の画像の相関をとって画像のずれ角度を求めて補正する、画像のずれ角を迅速正確に求めることを特徴とする、画像欠陥の検査装置。
【請求項7】
前記請求項5に記載の画像差異や画像欠陥の検査装置であって、CPU内にあらかじめ取り込まれた基準画像のフーリエ変換像のフーリエ変換強度画像と該CPUで制御された電子カメラから撮込んだ被検査画像をフーリエ変換してフーリエ変換強度画像とフーリエ変換位相画像を求め、被検査画像のフーリエ変換強度画像と基準画像のフーリエ変換強度画像を差分した、あるいは、被検査画像のフーリエ変換強度画像と基準画像のフーリエ変換強度画像とで画像相関をとって、基準画像のフーリエ変換強度画像を角度補正して差分したフーリエ変換強度差分画像を、フーリエ変換位相画像と合わせて逆フーリエ変換して、基準画像と被検査画像の画像差異や被検査画像の画像欠陥を、平行ずれや回転ずれのある基準画像と被検査画像との比較検査において、正確、迅速に検査可能とすることを特徴とする、画像検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−194030(P2012−194030A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−57817(P2011−57817)
【出願日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【出願人】(304033720)有限会社 高度技術研究所 (5)
【Fターム(参考)】