説明

画像セグメンテーションに基づく画像分類

本発明は、画像データ内の対象に適応されるモデルに基づいて、画像データを分類するシステム100であって、システムは、モデルを画像データの対象に適応させることによって、画像データをセグメント化するセグメンテーションユニット110と、画像データ内の対象に適応されたモデルに基づいて、クラスを画像データに割り当て、それによって画像データを分類する分類ユニット120と、を有し、分類ユニット120は、画像データ内の対象に適応されたモデルに基づいて、モデルの属性の値を計算する属性ユニット122を有し、割り当てられるクラスは、属性の計算された値に基づく、システムに関する。従って、本発明のシステム100は、任意のユーザ入力なしに画像データを分類することができる。画像データ10を分類するために必要とされるすべての入力は、画像データ内の対象に適応されるモデルを構成する。しかしながら、当業者であれば、システム100のいくつかの実施形態において、ユーザにシステム及び分類プロセスに影響を与えさせ、それらを制御させるための限定された数のユーザ入力が可能にされることが分かるであろう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データを分類することに関し、より具体的には、画像データ内の対象に適応されるモデルに基づいて画像データを分類することに関する。
【背景技術】
【0002】
放射線医は、解析され、分類され、記述されるべき画像の常に増加する数に起因する常に増加する作業負担に直面している。画像データを分類することは、例えば、画像データの取り出しのために有用でありうる。今日、画像データのクラスは、一般に、例えばCTのような取得モダリティ、例えば胸部のような画像データによって表現される解剖学的構造の一部、例えば男性、若い成人のような患者の性別及び年齢群、及び画像データによって記述される対象、に基づく。画像データによって表現される解剖学的構造の記述は、特に時間がかかり、多くの場合、取得された画像データに基づいてレンダリングされる多くの画像を検討することを必要とする。レンダリングされた画像は、放射線医によって観察され、記述される。放射線医をその作業において支援するために、ソフトウェア実現される画像解析システムが利用可能である。多くのソフトウェアパッケージは、画像内の対象を測定するための対話的ツールを提供する。例えば、ユーザは、2つのポイント間の距離を計算するために、血管の壁上の2つのポイントを選択することができ、それによって血管の直径を得る。他のシステムは、画像内のエッジ及び表面のようなフィーチャの輪郭を描くための画像セグメンテーションシステム及び画像セグメンテーションに基づいて画像データ内の対象を測定するための測定ツールを有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
例えば、「Automated Measurement of Geometrical Properties」というタイトルの国際公開第2003/023717号パンフレットは、モデルに基づく画像セグメンテーションを使用して、対象に含まれる3次元構造の幾何学的パラメータを測定する方法を記述する。最初に、第1のモデルが、画像データ内の対象に適応される。次いで、第2のモデルが、第2のモデルの幾何学的パラメータの値を調整することによって、適応された第1のモデルに適合される。例えば、第2のモデルは、球体でありえ、幾何学的パラメータは、球体の直径でありうる。第1のモデルは、画像データに表される大腿骨に適応させるための三角形メッシュでありうる。球体は、大腿骨頭に適合されることができる。必要なパラメータ値を得た後、放射線医は、所見を記述し及び/又は所見に基づいて画像データを分類する必要がある。一般に、これは、記述を口述し、スピーチをテキストに変換するためのスピーチ認識技法を使用することによって行われる。
【0004】
放射線医からより少ない入力を要求する画像データを分類する手段を提供することが有利である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
従って、1つの見地において、本発明は、画像データ内の対象に適応されるモデルに基づいて画像データを分類するシステムであって、モデルを画像データ内の対象に適応させることによって、画像データをセグメント化するセグメンテーションユニットと、画像データ内の対象に適応されたモデルに基づいて、クラスを画像データに割り当て、それによって画像データを分類する分類ユニットと、を有し、分類ユニットは、画像データ内の対象に適応されたモデルに基づいて、モデルの属性の値を計算する属性ユニットを有し、割り当てられるクラスは、属性の計算された値に基づく、システムを提供する。
【0006】
従って、本発明のシステムは、いかなるユーザ入力もなく画像データを分類することができる。画像データを分類するために必要とされるすべての入力は、画像データ内の対象に適応されるモデルを構成する。しかしながら、当業者であれば、ある実施形態によれば、限定された数のユーザ入力、例えば、画像データ内の対象に適応されるモデルを選択するための入力が、ユーザに、システム及び分類プロセスへの影響を与えさせ、それらを制御させることを可能にしうることが分かるであろう。
【0007】
システムの一実施形態において、モデルの属性は、モデルに基づいて又はユーザ属性入力に基づいて、規定される。システムの分類ユニットは、属性の値を計算する属性ユニットを用いるように構成される。属性の値が計算されるべきである該属性は、モデルに基づいて規定されることができる。例えば、モデルが、画像内の対象に適応させるためのメッシュを有する場合、モデルは更に、2つの頂点を特定することができる。2つの頂点は、メッシュの属性、すなわち前記頂点間の距離、を規定することができる。属性ユニットは、適応されたメッシュの指定された頂点間の距離の値を計算するように構成されることができる。このような属性は、モデルに基づいて決定される。代替として、ユーザに、例えばモデルメッシュの2つの頂点を示すための、ユーザ属性入力を提供させるために有用である。2つの頂点は、メッシュ属性、すなわち前記頂点間の距離、を規定することができる。属性ユニットは、適応されたメッシュの示された頂点間の距離の値を計算するように構成されることができる。このような属性は、ユーザ属性入力に基づいて決定される。
【0008】
当業者であれば、特定の属性が、モデル又はユーザ属性入力によって規定される必要がないことが可能であることが分かるであろう。例えば、システムは、メッシュのあらゆる2つの頂点間の距離の値を計算する属性ユニットを有することができる。属性ユニットは更に、最大値を選択するように構成されうる。このような属性、すなわちモデルメッシュのすべての頂点を含む最小球体の直径は、メッシュごとに計算されることができ、モデルによって又はユーザ属性入力によって規定される必要がない。システムは、決まった手順としてこのような属性の値を計算するように構成されることができる。
【0009】
システムの一実施形態において、モデルの属性の値は、画像データを分類するためのテキストである。テキストの値をもつ属性は、ユーザにとって理解し、解釈するのが一層容易でありうる。テキストの値をもつ属性の一例は、「悪性」又は「良性」値を呈しうる、X線画像において検出される胸部結節のタイプである。値は、造影剤注入後のセグメント化された結節の明るさに基づいて割り当てられることができる。悪性腫瘍は、それらの自身の血液供給系を成長させるので、それらは、X線画像において良性結節より明るくみえる。閾値以上の明るさを有する結節は、悪性であると分類されることができる。
【0010】
システムの一実施形態において、モデルの属性の値は、画像データを分類するための少なくとも1つの数である。上述したように、属性は、モデルメッシュの2つの頂点間の距離でありうる。
【0011】
システムの一実施形態において、モデルの属性の値は、画像データを分類するためのレンジ又はベクトルである。例えば、ベクトルの値をもつ属性は、例えば脊椎骨のような構造の慣性テンソルのメインの主軸を記述することができる。例示的なレンジの値をもつ属性は、動脈プラークによる動脈の狭窄のパーセントレンジである。
【0012】
一実施形態において、システムは更に、画像データに割り当てられるクラスに基づいて記述を生成する記述ユニットを有する。記述は、画像に割り当てられたクラスから導き出されるテキスト及び数字のデータを含みうる。記述ユニットは、構文的に正しい文を組み立てるための語彙及び文法規則を使用するように構成されることができる。記述は、例えばレポートを生成するために使用されることができる。
【0013】
システムの一実施形態において、セグメンテーションユニットは更に、第2の画像データ内の第2の対象にモデルを適応させることによって、第2の画像データをセグメント化するように構成され、分類ユニットは更に、第2の画像データ内の第2の対象に適応されたモデルに基づいて、第2の画像データに第2のクラスを割り当て、それによって第2の画像データを分類するように構成され、システムは更に、画像データ及び第2の画像データの間の対応を判定するために、画像データに割り当てられたクラスを、第2の画像データに割り当てられた第2のクラスと比較する比較ユニットを有する。対応は、画像データ及び第2の画像データの類似性に基づくことができる。代替として、対応は、画像データ及び第2の画像データの相補性に基づくことができる。
【0014】
一実施形態において、システムは更に、画像データ及びデータレコードの間の対応を判定するために、画像データに割り当てられたクラスをデータレコードと比較する第2の比較ユニットを有する。データレコードは、例えばハンドブック又は百科事典からのエントリでありうる。
【0015】
一実施形態において、システムは更に、データレコードにデータレコードクラスを割り当て、それによってデータレコードを分類する第2の分類ユニットを有し、第2の比較ユニットは、画像データに割り当てられたクラスを、データレコードに割り当てられたデータレコードクラスと比較するように構成される。
【0016】
本発明の他の見地において、本発明によるシステムは、データベースシステムに含められる。データベースは、アイテムを含む。各データレコードは、データレコードクラスを割り当てられる。データベースからデータレコードを取り出すためのクエリは、システムによって画像データに割り当てられたクラスに基づいて決定される。システムは、画像に割り当てられたクラスをデータレコードに割り当てられたクラスと比較することによって、画像と同様である又は相補的であるデータレコードを識別するように構成される。
【0017】
他の見地において、本発明によるシステムは、画像取得装置に含められる。
【0018】
他の見地において、本発明によるシステムは、ワークステーションに含められる。
【0019】
他の見地において、本発明は、画像データ内の対象に適応されるモデルに基づいて画像データを分類する方法であって、モデルを画像データ内の対象に適応させることによって、画像データをセグメント化するセグメンテーションステップと、画像データ内の対象に適応されたモデルに基づいて、画像データにクラスを割り当て、それによって画像データを分類する分類ステップと、を含み、分類ステップは、画像データ内の対象に適応されたモデルに基づいて、モデルの属性の値を計算する属性ステップを含み、割り当てられるクラスは、属性の計算された値に基づく、方法を提供する。
【0020】
他の見地において、本発明は、コンピュータ装置によってロードされるコンピュータプログラム製品であって、コンピュータプログラムは、画像データ内の対象に適応されるモデルに基づいて、画像データを分類する命令を含み、コンピュータ装置は、処理ユニット及びメモリを含み、コンピュータプログラム製品は、ロードされた後、方法のステップを実行する能力を前記処理ユニットに提供する、コンピュータプログラム製品を提供する。
【0021】
当業者であれば、本発明の上述の実施形態、実現及び/又は見地のうちの2又はそれ以上が、有用とみなされる任意のやり方で、組み合わせられることができることが分かるであろう。
【0022】
システムの記述される変形及び変更に対応する、データベースシステム、画像取得装置、ワークステーション、方法及び/又はコンピュータプログラム製品の変形及び変更が、本明細書に基づいて当業者によって実施されることができる。
【0023】
当業者であれば、方法は、限定的ではないが例えばX線イメージング、コンピュータトモグラフィ(CT)、磁気共鳴イメージング(MRI)、超音波(US)、ポジトロンエミッショントモグラフィ(PET)、シングルフォトンエミッションコンピュータトモグラフィ(SPECT)及び核医学(NM)のようなさまざまな取得モダリティによって取得される2次元(2D)、3次元(3D)、4次元(4D)画像データのような、多次元画像データに適用されうることが分かるであろう。
【0024】
本発明のこれら及び他の見地は、以下に説明される実現例及び実施形態並びに添付の図面から明らかになり、それらを参照して以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】システムの例示の実施形態のブロック図。
【図2】視神経のセグメンテーションを示す図。
【図3】左視神経に沿った左視神経モデル及び左鞘モデルの直径バリエーションを示す図。
【図4】左視神経に沿った左視神経モデルに基づいて決定される強度バリエーションを示す図。
【図5】方法の例示の実現例を示すフローチャート。
【図6】データベースシステムの例示の実施形態を概略的に示す図。
【図7】画像取得装置の例示の実施形態を概略的に示す図。
【図8】ワークステーションの例示の実施形態を概略的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図面において、同じ基準数字が同様の部分を示すために使用されている。
【0027】
図1は、画像データ内の対象に適応されるモデルに基づいて、画像データを分類するシステム100の例示の実施形態のブロック図を示しており、システムは、画像データ内の対象にモデルを適応させることによって、画像データをセグメント化するセグメンテーションユニット110と、画像データ内の対象に適応されたモデルに基づいて、画像データにクラスを割り当て、それによって画像データを分類する分類ユニット120と、を有し、分類ユニットは、画像データ内の対象に適応されたモデルに基づいて、モデルの属性の値を計算する属性ユニット122を有し、割り当てられるクラスは、属性の計算された値に基づく。
【0028】
システム100の例示の実施形態は、以下の任意のユニットを更に有する:
−画像データに割り当てられたクラスに基づいて記述を生成する記述ユニット130;
−画像データ及び第2の画像データの間の対応を判定するために、画像データに割り当てられたクラスを第2の画像データに割り当てられた第2のクラスと比較する比較ユニット140;
−データレコードにデータレコードクラスを割り当て、それによってデータレコードを分類する第2の分類ユニット150;
−画像データ及びデータレコードの間の対応を判定するために、画像データに割り当てられたクラスをデータレコードと比較する第2の比較ユニット155;
−システム100の作業を制御する制御ユニット160;
−ユーザ及びシステム100の間の通信のためのユーザインタフェース165;及び
−データを記憶するためのメモリユニット170。
【0029】
システム100の一実施形態において、入来データのための3つの入力コネクタ181、182及び183がある。第1の入力コネクタ181は、限定的でないが、ハードディスク、磁気テープ、フラッシュメモリ又は光学ディスクのようなデータ記憶手段から入来するデータを受け取るように構成される。第2の入力コネクタ182は、限定的でないが、マウス又はタッチスクリーンのようなユーザ入力装置から入来するデータを受け取るように構成される。第3の入力コネクタ183は、例えばキーボードのようなユーザ入力装置から入来するデータを受け取るように構成される。入力コネクタ181、182及び183は、入力制御ユニット180に接続される。
【0030】
システム100の一実施形態において、送出データのための2つの出力コネクタ191及び192がある。第1の出力コネクタ191は、例えばハードディスク、磁気テープ、フラッシュメモリ又は光学ディスクのような、データ記憶手段にデータを出力するように構成される。第2の出力コネクタ192は、表示装置にデータを出力するように構成される。出力コネクタ191及び192は、出力制御ユニット190を介して個々のデータを受け取る。
【0031】
当業者であれば、システム100の入力コネクタ181、182及び183に入力装置を接続し、出力コネクタ191及び192に出力装置を接続するための多くのやり方があることが分かるであろう。これらのやり方は、限定的でないが、ワイヤード及びワイヤレス接続、例えばローカルエリアネットワーク(LAN)及びワイドエリアネットワーク(WAN)、インターネット、デジタル電話網のようなデジタルネットワーク、及びアナログ電話網を含む。
【0032】
システム100の一実施形態において、システム100は、メモリユニット170を有する。システム100は、入力コネクタ181、182及び183のいずれかを介して外部装置から入力データを受け取り、受け取られた入力データをメモリユニット170に記憶するように構成される。入力データをメモリユニット170にロードすることは、システム100のユニットによる関連するデータ部分への迅速なアクセスを可能にする。入力データは、例えば画像データ及びモデルデータを含みうる。メモリユニット170は、限定的でないが、ランダムアクセスメモリ(RAM)チップ、読出し専用メモリ(ROM)チップ、及び/又はハードディスクドライブ及びハードディスクのような装置によって実現されることができる。メモリユニット170は更に、出力データを記憶するように構成されることができる。出力データは、例えば画像に割り当てられたクラスを含みうる。任意には、出力データは更に、画像データ内の対象に適応されたモデル及び/又は属性の値を含みうる。メモリユニット170は更に、メモリバス175を介して、セグメンテーションユニット110、分類ユニット120、属性ユニット122、記述ユニット130、比較ユニット140、第2の分類ユニット150、第2の比較ユニット155、制御ユニット160及びユーザインタフェース165を含むシステム100のユニットからデータを受け取り及び/又はそれらにデータを送るように構成されることができる。メモリユニット170は更に、出力コネクタ191及び192のいずれかを介して、出力データを外部装置に利用可能にするように構成される。メモリユニット170にシステム100のユニットからのデータを記憶することは、システム100のユニットの性能及びシステム100のユニットから外部装置への出力データの転送のレートを有利に改善することができる。
【0033】
代替として、システム100は、メモリユニット170及びメモリバス175を含まなくてもよい。システム100によって使用される入力データは、システム100のユニットに接続される外部メモリ又はプロセッサのような少なくとも1つの外部装置によって供給されることができる。同様に、システム100によって生成される出力データは、システム100のユニットに接続される外部メモリ又はプロセッサのような少なくとも1つの外部装置に供給されることができる。システム100のユニットは、内部接続を介して又はデータバスを介して、互いからデータを受け取るように構成されることができる。
【0034】
システム100の一実施形態において、システム100は、システム100を制御する制御ユニット160を含む。制御ユニットは、システム100のユニットから制御データを受け取り、それらのユニットに制御データを供給するように構成されうる。例えば、画像データに対するモデルの適応化の後、セグメンテーションユニット110は、制御ユニット160に、制御データ「画像データがセグメント化される」を供給するように構成されることができ、制御ユニット160は、分類ユニット120に、制御データ「画像データを分類する」を供給するように構成されることができる。代替として、制御機能は、システム100の別のユニットにおいて実現されることができる。
【0035】
システム100の一実施形態において、システム100は、ユーザ及びシステム100の間の通信のためのユーザインタフェース165を有する。ユーザインタフェース165は、画像データ内の対象に適応されるモデルを選択するためのユーザ入力を受け取るように構成されることができる。ユーザインタフェースは更に、対象に適応されたメッシュのビューを表示する手段を提供することができる。任意には、ユーザインタフェースは、例えば外部又は内部エネルギー表現のターム又は事前位置決め方法について、システムの動作モードを選択するためのユーザ入力を受け取ることができる。当業者であれば、より多くの機能がシステム100のユーザインタフェース165において有利に実現されることができることが分かるであろう。
【0036】
一実施形態において、本発明のシステムは、視神経を記述する画像データを分類するように構成される。図2は、左N1及び右N2視神経モデルを使用する左及び右視神経のセグメンテーションを示す。各視神経は、網膜から脳に電気インパルスを送信するための繊維束を含む。左及び右視神経は、個々の眼球モデルE1及びE1によってモデル化される個々の眼球を離れ、視神経管を介して、両方の視神経の繊維の部分的な交差がある、交叉モデルCによってモデル化される交叉の方に向かう。各眼球における各視神経のセグメントは、左モデルS1によってモデル化される鞘及右鞘モデルS2によって保護される。視神経の一般的な直径は、眼球内部における約1.6mmから、眼球軌道における3.5mmにまで増加し、更に頭蓋空間内の4.5mmにまで増加する。
【0037】
一実施形態において、モデルN1、N2、E1、E2及びCは、メッシュ表面モデルである。視神経をモデル化するのに適したメッシュモデルは、Proceedings SPIE Medical Imaging 2008:Image Processing, J. M. Reinhardt and J. P. Pluim, eds.に示されるSPIE Medical Imaging, Conference 6914 Image Processing, Session 7, "Segmentation of the heart and major vascular structures in cardiovascular CT images", Jochen Peters, Olivier Ecabert, Cristian Lorenz, Jens von Berg, Matthew J. Walker, Mani Vembar, Mark E. Olszewski, Jurgen Weese, San Diego 18 February 2008に記述されており、以下、文献1と呼ぶ。各視神経は、文献1のセクション2.3に更に詳しく記述されるように、連続するリングのスタックによってモデル化される。各リングは、固定の数の頂点によって規定される。2つの連続するリングの頂点は、三角面によりセグメントメッシュを形成するエッジと接続される。視神経をモデル化するための三角形メッシュは、画像データ空間に配置され、イメージングされたデータ内の視神経に適応される。配置は、一般化されたハフ変換を使用して、画像データ内の神経又は基準構造の検出に基づくことができる。一般化されたハフ変換を使用してメッシュを配置する方法は、M. J. Walker, A. Chakrabarty, M. E. Olszewski, O. Ecabert, J. Peters, C. Lorenz, J. von Berg, M. Vembar, K. Subramanyan, and J. Weese, "Comparison of two initialization methods for automatic, whole-heart, model-based segmentation of multiphase cardiac MSCT images," in Proc. 1st Annual Scientific Meeting Soc. Cardiovascular Computed Tomography, Int. Journal Cardiovascular Imaging, 22 (suppl. 1), p. 12, July 2006に記述されている。初期化されたメッシュの適応は、例えば、J. Peters, O. Ecabert, C. Meyer, H. Schramm, R. Kneser, A. Groth, and J. Weese, "Automatic whole heart segmentation in static magnetic resonance image volumes," in Proc. MICCAI, N. Ayache, S. Ourselin, and A. Maeder, eds., LNCS 4792, pp. 402-410, Springer, 2007に記述される方法を用いる。視神経の各鞘は、視神経をモデル化するために使用されるものと同様のアプローチを使用してモデル化される。
【0038】
一実施形態において、2つの視神経モデルN1及びN2並びに2つの鞘モデルS1及びS2は、個々の眼球モデルE1及びE2並びに交叉モデルCにつなげられ、交叉モデルCは、中枢神経系の他の構造にもつなげられる。複数の部分を含むこのような包括的なモデルは、画像データ内の構造に適応される。代替として、コンポーネントモデルは、基準構造のモデルと次々と適応されることができる。例えば2つの脳半球及び眼球は、眼球モデルE1及びE2及び交叉モデルCにつなげられる視神経モデルN1及びN2及び鞘モデルS1及びS2の適応の前に、適応される。
【0039】
当業者であれば、本発明によるシステムによって使用されることができる他のモデル及びこのようなモデルを画像データ内の対象に適応させる他の方法があることが分かるであろう。上述されたモデル及び方法は、システムの実施形態を示すものであり、請求項の範囲を制限するものとして解釈されるべきでない。
【0040】
一実施形態において、画像データは、左視神経の状態に基づいて分類される。更に詳細には、画像データは、画像データ内の左視神経に適応された左視神経モデルN1の2つの属性、すなわち左視神経モデルN1の直径及び左視神経モデルN1の平均強度、に基づいて分類される。直径の値及び平均グレー値は、左視神経をモデル化するために使用されるリングのスタックの各リングについて決定される。左視神経モデルN1のi番目のリングの直径dは、式A=π(d/2)を使用して、各々の適応されたリングごとに計算される。ここで、Aは、リングの面積である。リングの面積は、リングの頂点によって規定される多角形の面積によって近似される。各リングの位置は、中心線に沿って測定される、左眼球モデルの表面からリング中心までの距離によって規定される。各リングのこの距離は、当該リングと眼球に隣接するリングとの間の連続するリングの中心同士の距離の合計によって近似される。各リングの中心は、リングの頂点の質量中心として規定される。鞘モデルS1の直径が、類似したやり方で計算されることができる。図3は、左視神経に沿った左視神経モデルN1及び左鞘モデルS1の直径バリエーションを示す。
【0041】
左視神経モデルN1のi番目のリングの平均グレー値は、サンプリングポイントのグレー値から計算される。サンプリングポイントは、リング中心から始まって、リングの頂点の方へ延びる各セミライン上の等しい距離のところに選択されるポイントである。これらのサンプリングポイントのグレー値のヒストグラムは、グレー値I0,i及びJ0,iの2つの大きい最大値を示す。ここで、iはリングインデックスである。2つのグレー値のうちの、I0,iと示される大きいほうは、i番目のリングの位置に対応する位置における視神経の平均強度を近似する。2つのグレー値のうちのJ0,iと示される小さいほうは、i番目のリングの位置に対応する位置における鞘の平均強度を近似する。図4は、左視神経に沿って左視神経モデルN1に基づいて決定される強度バリエーションを示す。
【0042】
システムの一実施形態において、画像データのクラスを規定するために使用される左視神経モデルの2つの属性がある。第1の属性は、視神経の直径のグラフであり、第2の属性は、視神経モデルの平均強度のグラフである。第2の属性は視神経モデルに基づいて規定されるが、第2の属性の値は更に、画像データのグレー値に基づくことは指摘する価値がある。2つのグラフは、視神経に沿った位置(すなわちリングの質量中心の座標)並びに視神経の直径及び視神経の平均強度の対応する値を含むテーブルによって表現されることができる。直径及び平均強度の値は、クラスの数を制限するために量子化されることができる。本文脈において、量子化とは、値のレンジからの各値を1つの値と置き換えることを意味し、1つの値は、例えば値のレンジからの最小値若しくは最大値又は前記最小値及び最大値の中間値である。任意には、グラフの値は、例えば直径の平均値に基づいて、「高い」、「低い」又は「中程度」のようなテキスト値でありうる。
【0043】
一実施形態において、左視神経直径のグラフが更に処理され、画像データが、グラフの処理の結果に基づいて分類される:
【0044】
−平滑化フィルタは、セグメンテーションのアーチファクトを低減するために、直径値d0,iのシーケンスに適用される;例えば、移動平均フィルタが、使用されることができる;このステップの出力は、平滑化された直径値d1,iである。
【0045】
−平滑化された直径値d1,iの最大値M及び最小値mが計算され、例えば各値から最小値mを減算し、得られた値をM−mで除算することによって、直径値が正規化される;このステップの出力は、正規化された直径値d2,iである;
【0046】
−正規化された直径値d2,iの一次導関数が計算される;このステップの出力は、一次導関数値D2,iである;
【0047】
−正の閾値tは、一次導関数値D2,iに基づいて計算される;この閾値は、以下のように一次導関数値D2,iを量子化するために使用される:
−t<D2,i<tである場合、D2,iは0と置き換えられる;
2,i>tである場合、D2,iは1と置き換えられる;
2,i<−tである場合、D2,iは−1と置き換えられる;
このステップの出力は、量子化された一次導関数値D3,iである;
平滑化フィルタが、量子化された導関数値D3,iに適用される;例えば、移動平均フィルタが使用されることができる;このステップの出力は、平滑化された導関数値D4,iである;
【0048】
−第2の正の閾値sは、平滑化された導関数値D4,iに基づいて計算される;この閾値は、以下のように平滑化された導関数値D4,iを量子化するために使用される:
−s<D4,i<sである場合、D4,iは0と置き換えられる;
D4,i>sである場合、D4,iは1と置き換えられる;
D4,i<−sである場合、D4,iは−1と置き換えられる;
このステップの出力は、量子化された平滑化された導関数値D5,iである。
【0049】
量子化された平滑化された導関数値D5,iのシーケンス-1...0...1は、太くなった(enlarged)神経を示し、従って、このシーケンスは、太くなった神経シーケンスと呼ばれる。量子化された平滑化された導関数値D5,iのシーケンス1...0...-1は、細くなった(thinned)神経を示し、従って、このシーケンスは、細くなった神経シーケンスと呼ばれる。従って、太くなったシーケンスを含む視神経を示す画像データは、太くなったものとして分類され、細くなった神経シーケンスを含む視神経を示す画像データは、細くなったものと分類される。太くなった神経シーケンスを含まず、細くなった神経シーケンスも含まない視神経を示す画像データは、正常と分類される。太くなった神経シーケンス及び細くなった神経シーケンスの両方を含む視神経を示す画像データは、太くなったもの又は細くなったものと分類されることができる。任意には、例えば太くなったもの、細くなったもの、のような複数の値を含む分類が、使用されることもできる。
【0050】
一実施形態において、左視神経平均強度のグラフが更に処理され、画像データが、グラフの処理の結果に基づいて分類される:
【0051】
−平滑化フィルタが、セグメンテーションのアーチファクトを低減するために、平均強度値I0,iのシーケンスに適用される;例えば、移動平均フィルタが、使用されることができる;このステップの出力は、平滑化された強度値I1,iである。
【0052】
−平滑化された平均強度値I1,iの最大値M及び最小値mが計算され、グレー値が、例えば各値から最小値mを減算し、得られた値をM−mで除算することによって、正規化される;このステップの出力は、正規化された強度値I2,iである;
【0053】
−正規化された平均強度値I2,iの一次導関数が計算される;このステップの出力は、一次導関数値D2,iである;
【0054】
−正の閾値tが、一次導関数値D2,iに基づいて計算される;この閾値は、以下のように一次導関数値D2,iを量子化するために使用される:
−t<D2,i<tである場合、D2,iは0と置き換えられる;
2,i>tである場合、D2,iは1と置き換えられる;
2,i<−tである場合、D2,iは−1と置き換えられる;
このステップの出力は、量子化された一次導関数値D3,iである;
【0055】
−平滑化フィルタは、量子化された導関数値D3,iに適用される;例えば、移動平均フィルタが使用されることができる;このステップの出力は、平滑化された導関数値D4,iである;
【0056】
−第2の正の閾値sが、平滑化された導関数値D4,iに基づいて計算される;この閾値は、以下のように平滑化された導関数値D4,iを量子化するために使用される:
−s<D4,i<sである場合、D4,iは0と置き換えられる;
D4,i>sである場合、D4,iは1と置き換えられる;
D4,i<−sである場合、D4,iは−1と置き換えられる;
このステップの出力は、量子化された平滑化された導関数値D5,iである。
【0057】
量子化された平滑化された導関数値D5,iのシーケンス-1...0...1は低信号を示し、従って、このシーケンスは、低信号シーケンスと呼ばれる。量子化された平滑化された導関数値D5、iのシーケンス1...0...-1は、高信号を示し、従って、このシーケンスは、高信号シーケンスと呼ばれる。従って、低信号シーケンスを含む視神経を示す画像データは、低信号と分類され、高信号シーケンスを含む視神経を示す画像データは、高信号と分類される。低信号シーケンスも高信号シーケンスも含まない視神経を示す画像データは、等信号(isointense)と分類される。低信号シーケンス及び高信号シーケンスの両方を含む視神経を示す画像データは、高信号又は低信号と分類されることができる。任意には、例えば低信号、高信号のような、複数の値を含む分類が、使用されることもできる。
【0058】
図4に示される平均強度グラフは、上述されたフィルタを使用して検出される視神経を含む低信号の画像データを示す。MRバイアス磁界のため、視神経のグレーレベルが球体から交叉へと増加することは指摘する値がある。フィルタの使用は、画像データの正しい分類を可能にする。
【0059】
表1は、画像データ内の左視神経に適応された左視神経モデルの直径及び強度属性に基づいて、画像データを分類するための分類スキームを示す。

【0060】
画像を分類することは非常に有用でありうる。画像データクラスディスクリプタは、画像を記述するために、画像データに基づく所見に関する医療レポートを書くために、更には他のデータベースを検索するためのクエリを構築するために、使用されることができる。画像データクラス及びデータベース内のデータレコードのクラスが、同じであり又は特定の条件を満たす場合、データレコードは、画像データに対応するデータレコードとして取り出されることができる。
【0061】
システム100の一実施形態において、各リングごとの直径値及び/又は強度値の統計分布が、画像データを分類するために使用される。直径及び強度値の統計分布は、訓練フェーズにおいて画像データの訓練セットから学習されることができる。任意には、システム100は、このような訓練を行うために適応されることができる。分類ユニットは、計算された直径及び強度値を「異常」を示す学習されたシーケンスと比較するように、前記異常の発生の蓋然性を計算するように、又は単に蓋然性の閾値に基づいて画像データを「正常」又は「異常」と分類するように、構成されることができる。
【0062】
当業者であれば、システム100の分類ユニット120は、複数の属性ユニット122を有することができ、各属性ユニット122は、画像データ内の対象に適応されたモデルに基づいて、属性値を計算するように構成されることが分かるであろう。複数の計算された属性値が、画像データのクラスを規定する。任意には、システム100は更に、複数のセグメンテーションユニット110及び複数の対応する分類ユニット120を有することができる。各セグメンテーションユニットは、それ自身のモデルに基づいてそれ自身のセグメンテーション方法を用いることができる。対応する分類ユニット120の属性ユニット122は、セグメンテーションユニット110によって用いられるモデルの属性値を計算するように構成されることができる。
【0063】
システム100の一実施形態において、ユーザは、画像データを分類するために分類ユニット120によって使用されるべき属性を選択することを可能にされることができる。例えば、ユーザが視神経の直径に関心をもつ場合、ユーザは、分類が視神経モデルの直径のみに基づくべきであることを示すために、ユーザインタフェース165を使用することができる。別の状況において、ユーザは、視神経の直径及び強度に基づいて、画像データを分類することに関心をもつことがある。それゆえ、ユーザは、ユーザインタフェースを介して、システムに、画像データ分類のために視神経モデルの両方の属性を使用するように指示することができる。
【0064】
システム100の一実施形態において、システム100のセグメンテーションユニット110は更に、モデルを第2の画像データ内の第2の対象に適応させることによって、第2の画像データをセグメント化するように構成される。分類ユニット120は更に、第2の画像データ内の第2の対象に適応されたモデルに基づいて、第2のクラスを第2の画像データに割り当て、それによって第2の画像データを分類するように構成される。以下で第1の画像データと呼ばれる画像データは、第1の画像データのクラスに基づいて、第2の画像データと比較されることができ、それらのクラスは、以下で第1のクラス及び第2のクラスと呼ばれる。比較が、第1及び第2の画像データの間の対応を判定するために、比較ユニット140によって行われる。比較ユニット140は、第1のクラス及び第2のクラスが条件を満たすことを検証するように構成されることができる。条件が満たされる場合、第2の画像データは、対応する画像データと考えられる。条件は、同一性条件でありうる:第1のクラスが第2のクラスと同じである場合、第1の画像データは、第2の画像データに対応する。条件は、類似性条件でありうる:第1のクラスが第2のクラスに同様である場合、第1の画像データは、第2の画像データに対応する。条件は更に、相補性条件でありうる:2つのジグソーパズルピースのように第1のクラスが第2とクラスと相補的である場合、第1の画像データは、第2の画像データに対応する。
【0065】
第2の画像データは、画像データのデータベースからの画像データでありうる。第1の画像データは、クエリ画像データでありうる。第1の画像データと同様である第2の画像データを見つけることは、医師にとって非常に有益なツールでありえ、診断及び治療計画に有用である。このようなツールは、医師が、画像データのデータベースから基準画像を取り出すことを可能にする。
【0066】
一実施形態において、システム100は更に、画像データ及びデータレコードの間の対応を判定するために、画像データに割り当てられたクラスをデータレコードに割り当てられたデータレコードクラスと比較する第2の比較ユニット155を有する。データレコードクラスは、データベースインデックスにおいてすでに利用可能でありうる。例えば、画像データのクラスは、「左視神経」、「太くなった」及び「低信号」のようなキーワードによって規定されることができる。第2の比較ユニット155は、神経科医のためのガイドラインのハンドブックからのエントリのキーワード「左視神経」、「太くなった」及び「低信号」について、キーワード検索を実施するように構成されうる。エントリのヒットの数が閾値を超える場合、このエントリは画像データに対応すると判定される。代替として又は付加的に、システム100は更に、データレコードクラスをデータレコードに割り当て、それによってデータレコードを分類するための第2の分類ユニット150を有することができ、第2の比較ユニット155は、画像データに割り当てられたクラスを、データレコードに割り当てられたデータレコードクラスと比較するように構成される。第2の分類ユニット150は、例えば、臀部インプラントのカタログからの臀部インプラントの仕様、又は画像データを取得するために使用されたモダリティとは異なるモダリティを使用して取得された第2の画像データを分類するユニットでありうる。任意には、第2の分類ユニット150は、他のモダリティを使用して取得された画像データをセグメント化する第2のセグメンテーションユニットを有することができる。代替として、第2の分類ユニット150は、例えば、百科事典又はガイドラインのエントリのような、別のデータレコードを分類するユニットでありうる。
【0067】
当業者であれば、システム100は、医師の仕事の多くの見地において医師を支援するための価値のあるツールでありうることが分かるであろう。更に、システムの一実施形態は、システムの医用アプリケーションを使用して説明されているが、システムの非医用アプリケーションもまた企図される。
【0068】
当業者であれば、システム100の他の実施形態もまた可能であることが分かるであろう。とりわけ、システムのユニットを定義し直し、それらの機能を分配し直すことが可能である。説明された実施形態は、医用画像に当てはまるが、医用アプリケーションに関連しないシステムの他のアプリケーションもまた可能である。
【0069】
システム100のユニットは、プロセッサを使用して実現されることができる。通常、それらの機能は、ソフトウエアプログラム製品の制御下において実施される。実行中、ソフトウエアプログラム製品は、通常RAMのようなメモリにロードされ、そこから実行される。プログラムは、例えばROM、ハードディスク又は磁気及び/又は光学記憶媒体のようなバックグラウンドメモリからロードされることができ、又はインターネットのようなネットワークを介してロードされることができる。任意には、特定用途向け集積回路が、説明された機能を提供することができる。
【0070】
図5は、画像データ内の対象に適応されるモデルに基づいて画像データを分類する方法500の例示的な実現例のフローチャートを示す。方法500は、モデルを画像データ内の対象に適応させることによって画像データをセグメント化するセグメンテーションステップ510から始まる。セグメンテーションステップの後、方法500は、画像データ内の対象に適応されたモデルに基づいて、クラスを画像データに割り当て、それによって画像データを分類する分類ステップ520に続く。分類ステップ520は、画像データ内の対象に適応されたモデルに基づいてモデルの属性の値を計算する属性ステップ522を含み、割り当てられるクラスは、属性の計算された値に基づく。
【0071】
分類ステップ520の後、方法500は終了する。
【0072】
当業者であれば、本発明によって意図される概念から逸脱することなく、いくつかのステップの順序を変えることができ、又はスレッディングモデル、マルチプロセッサシステム又は複数のプロセスを使用していくつかのステップを同時に実施することができることが分かるであろう。任意には、本発明の方法の2又はそれ以上のステップは、1つのステップに組み合わせられることができる。任意には、本発明の方法のステップは、複数のステップに分割されることができる。任意には、方法500は、システム100の個々のユニットに対応する説明ステップ、比較ステップ、第2の分類ステップ及び/又は第2の比較ステップを更に含むことができる。
【0073】
図6は、本発明のシステム100を用いるデータベースシステム600の例示的な実施形態を概略的に示し、前記データベースシステム600は、内部接続を介してシステム100に接続されるデータベースユニット610、外部入力コネクタ601及び外部出力コネクタ602を有する。この装置は、データベースシステム600の能力を有利に増大し、前記データベースシステム600にシステム100の有利な能力を提供する。
【0074】
図7は、本発明のシステム100を用いる画像取得装置700の例示的な実施形態を概略的に示し、前記画像取得装置700は、内部接続を介してシステム100と接続される画像取得ユニット710、入力コネクタ701及び出力コネクタ702を有する。この装置は、画像取得装置700の能力を有利に増大し、前記画像取得装置700にシステム100の有利な能力を提供する。
【0075】
図8は、ワークステーション800の例示的な実施形態を概略的に示す。ワークステーションは、システムバス801を有する。プロセッサ810、メモリ820、ディスク入力/出力(I/O)アダプタ830及びユーザインタフェース(UI)840は、システムバス801に機能的に接続されている。ディスク記憶装置831は、ディスクI/Oアダプタ830に機能的に結合される。キーボード841、マウス842及びディスプレイ843は、UI840に機能的に結合される。コンピュータプログラムとして実現される本発明のシステム100は、ディスク記憶装置831に記憶される。ワークステーション800は、プログラム及び入力データをメモリ820にロードし、プロセッサ810上でプログラムを実行するように構成される。ユーザは、キーボード841及び/又はマウス842を使用して、ワークステーション800に情報を入力することができる。ワークステーションは、表示装置843及び/又はディスク831に情報を出力するように構成される。当業者であれば、従来技術において知られているワークステーション800の多数の他の実施形態があるとともに、本実施形態は、本発明を説明する目的にかなうものであり、本発明をこの特定の実施形態に制限するものとして解釈されてはならないことが分かるであろう。
【0076】
上述の実施形態は、本発明を制限するものではなく、説明するものであり、当業者であれば、添付の請求項から逸脱することなく、代替の実施形態を設計することが可能であることに注意すべきである。請求項において、括弧内に置かれた任意の基準符号は、請求項を制限するものとして解釈されるべきでない。「有する、含む」という語は、請求項又は明細書に列挙されていない構成要素又はステップの存在を除外しない。構成要素に先行する「a」又は「an」という語は、このような構成要素の複数の存在を除外しない。本発明は、いくつかの異なる構成要素を含むハードウェアによって及びプログラムされるコンピュータによって、実現されることができる。いくつかのユニットを列挙するシステムの請求項において、これらのユニットのいくつかは、1つの同じハードウェア又はソフトウェアアイテムによって具体化されることができる。第1、第2、第3等の語の使用は、任意の順序付けを示さない。これらの語は、名前として解釈されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データ内の対象に適応されるモデルに基づいて、該画像データを分類するシステムであって、
前記モデルを前記画像データ内の前記対象に適応させることによって、前記画像データをセグメント化するセグメンテーションユニットと、
前記画像データ内の対象に適応された前記モデルに基づいて、クラスを前記画像データに割り当て、それによって前記画像データを分類する分類ユニットと、
を有し、前記分類ユニットは、前記画像データ内の前記対象に適応された前記モデルに基づいて、前記モデルの属性の値を計算する属性ユニットを有し、前記割り当てられるクラスは、前記属性の前記計算された値に基づく、システム。
【請求項2】
前記モデルの前記属性は、前記モデルに基づいて又はユーザ属性入力に基づいて規定される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記モデルの前記属性の前記値は、前記画像データを分類するためのテキストである、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記モデルの前記属性の前記値は、前記画像データを分類するための少なくとも1つの数である、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記モデルの前記属性の前記値は、前記画像データを分類するためのレンジ又はベクトルである、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記画像データに割り当てられた前記クラスに基づいて記述を生成する記述ユニットを更に有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記セグメンテーションユニットは更に、前記モデルを前記第2の画像データ内の第2の対象に適応させることによって、前記第2の画像データをセグメント化し、
前記分類ユニットは更に、前記第2の画像データ内の前記第2の対象に適応された前記モデルに基づいて、第2のクラスを前記第2の画像データに割り当て、それによって前記第2の画像データを分類し、
前記システムは更に、前記画像データ及び前記第2の画像データの間の対応を判定するために、前記画像データに割り当てられた前記クラスを、前記第2の画像データに割り当てられた前記第2のクラスと比較する比較ユニットを有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記画像データ及びデータレコードの間の対応を判定するために、前記画像データに割り当てられた前記クラスを前記データレコードと比較する第2の比較ユニットを更に有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
データレコードクラスを前記データレコードに割り当て、それによって前記データレコードを分類する第2の分類ユニットを更に有し、前記第2の比較ユニットは、前記画像データに割り当てられた前記クラスを、前記データレコードに割り当てられた前記データレコードクラスと比較する、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
請求項7乃至9のいずれか1項に記載のシステムを有するデータベースシステム。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか1項に記載のシステムを有する画像取得装置。
【請求項12】
請求項1乃至10のいずれか1項に記載のシステムを有するワークステーション。
【請求項13】
画像データ内の対象に適応されるモデルに基づいて該画像データを分類する方法であって、
前記モデルを前記画像データ内の対象に適応させることによって、前記画像データをセグメント化するセグメンテーションステップと、
前記画像データ内の前記対象に適応された前記モデルに基づいて、クラスを前記画像データに割り当て、それによって前記画像データを分類する分類ステップと、
を含み、前記分類ステップは、前記画像データ内の前記対象に適応された前記モデルに基づいて、前記モデルの属性の値を計算する属性ステップを含み、前記割り当てられるクラスは、前記属性の前記計算された値に基づく、方法。
【請求項14】
画像データ内の対象に適応されるモデルに基づいて該画像データを分類する命令を含む、コンピュータ装置によってロードされるコンピュータプログラムであって、前記コンピュータ装置は、処理ユニット及びメモリを有し、前記コンピュータプログラムは、ロードされた後、請求項13に記載の方法の各ステップを実行する能力を前記処理ユニットに提供する、コンピュータプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公表番号】特表2011−523123(P2011−523123A)
【公表日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−509059(P2011−509059)
【出願日】平成21年5月8日(2009.5.8)
【国際出願番号】PCT/IB2009/051894
【国際公開番号】WO2009/138925
【国際公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】