説明

画像データ伝送システム、画像データ伝送方法、画像データ伝送プログラム、画像データ出力装置および画像表示装置

【課題】サーバであるコンピュータと、クライアントであるプロジェクタとの間において相互通信可能な接続を確立する設定作業を容易にする。
【解決手段】サーバ20とプロジェクタ301〜30nとの接続を確立するに際して、最初にUDPの同報通信による通信コマンドによって接続可能なプロジェクタ301〜303を検索し、その後、接続するプロジェクタ301を選択して、同プロジェクタ301にIPアドレスを設定しつつ接続を確立する。これにより、利用者は簡易にサーバ20とプロジェクタ301とを相互通信可能な接続環境を得ることが可能になるし、画像データ等はTCP/IPの通信コマンドにて入出力するので、信頼性のある伝送が可能となる。また、接続確立時に投影表示されるキーワードによる認証を行うことによって、部外者によるプロジェクタ301に対する不正アクセスを防止することが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介してサーバから出力される画像データに基づく画像をクラ
イアントにて表示する場合に使用して好適な画像データ伝送システム、画像データ伝送方
法、画像データ伝送プログラム、画像データ出力装置および画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の画像データ伝送システムを利用したプロジェクタシステムがある。この
プロジェクタシステムは、例えば、会議室に設置されるプロジェクタをクライアントとし
、このクライアントに対して画像データを出力するコンピュータ群をサーバとすることに
よって構成され、会議室に持ち込まれたサーバのコンピュータのディスプレイに表示され
る画像をクライアントのプロジェクタにて投影表示させる。ここで、サーバのディスプレ
イに表示された画像をクライアントのプロジェクタにて投影する場合、先ず最初にクライ
アントのプロジェクタと、サーバとの間において相互通信可能な接続を確立させる必要が
ある。
多くの場合、この接続の確立はTCP/IPの通信プロトコルによって行われる。この
とき、サーバの利用者は、クライアントであるプロジェクタのIPアドレスを確認すると
ともに、サーバにそのIPアドレスを設定する。同時に、クライアントのプロジェクタに
サーバのIPアドレスを設定する。このサーバおよびクライアントに対する相互のIPア
ドレスの設定作業を経ることによって、クライアントであるプロジェクタと、サーバとは
、TCP/IPの通信手順に基づいて相互通信可能となる。そして、サーバからクライア
ントであるプロジェクタに対して画像データを出力し、クライアントのプロジェクタは、
この画像データを入力するとともに、当該画像データに基づいた画像を投影表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−358919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来のプロジェクタシステムは、サーバであるコンピュータと、クライアント
であるプロジェクタとの間において相互通信可能な接続を確立する設定作業が煩雑である
という課題があった。
【0005】
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、簡易な手法でサーバとクライアント
との間において相互通信可能な接続を確立することが可能な画像データ伝送システム、画
像データ伝送方法、画像データ伝送プログラム、画像データ出力装置および画像表示装置
の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は、サーバと複数のクライアントとを相互通信可能な
ネットワークにて接続し、同サーバから同クライアントに対して画像データを出力して画
像を表示させる画像データ伝送システムを提供する。
【0007】
まず、サーバ側は、クライアント検索手段にて上記ネットワーク上における不特定の上
記各クライアントに対して接続の可否を含む応答を要請するための検索コマンドを出力す
る。
【0008】
各クライアント側は、接続が可能な場合に、検索応答手段にてこの検索コマンドに対し
て接続の可否を含む応答を出力する。サーバ側のクライアント検索手段は、この検索コマ
ンドに対する応答に基づいて接続が可能なクライアントの検索を行うことができる。
【0009】
ここで、サーバ側は、接続可能なクライアントが検索されると、クライアント接続確立
手段にて、接続を所望する特定のクライアントに対して接続コマンドを出力して接続に要
する情報を伴う応答を要請する。クライアント側は、この接続コマンドを入力すると、サ
ーバ接続確立手段にて同接続コマンドに対して接続に要する情報を含む応答をクライアン
ト接続手段に出力する。一方、サーバ側は、クライアント接続確立手段にてサーバ接続確
立手段が出力した接続コマンドに対する応答を入力すると、同応答に伴う接続に要する情
報に基づいて特定の上記クライアントとの接続を確立し、クライアント側も同情報に対応
した上記サーバとの接続を確立する。そして、サーバ側は、画像データ出力手段にて接続
が確立されたクライアントに対して画像データを出力し、クライアント側は、画像データ
入力手段にてこの画像データを入力するとともに、画像表示手段にて当該画像データに基
づく画像を表示する。
【0010】
以上説明したように本発明によれば、簡易な手法でサーバとクライアントとの間におい
て相互通信可能な接続を確立することができる画像データ伝送システム、画像データ伝送
方法、画像データ伝送プログラムを提供することができる。
【0011】
サーバとクライアントとが接続するに際してキーワードによる認証を利用すれば、この
キーワードを知らない者がクライアントに対して不正にアクセスすることを防止すること
が可能になる。
【0012】
そこで、本発明の他の態様においては、クライアント側のサーバ接続確立手段に、接続
コマンドに含まれる送信されるキーワードと当該クライアントにて指定されたキーワード
との一致を判別するキーワード判別手段を備えさせている。そして、クライアント接続確
立手段にて接続コマンドを出力するに際して、この接続コマンドに出力対象となるクライ
アントにて指定された所定のキーワードを含める。クライアント側では、キーワードを含
む接続コマンドを入力した場合、このキーワード判別手段にて同キーワードが一致するか
否かを判別し、一致する判別した場合に、クライアント接続確立手段に対する応答を出力
し、サーバとの接続を確立する。また、サーバ側も同キーワードを含む接続コマンドに対
する応答に基づいてクライアントとの接続を確立する。
【0013】
このようにすれば、キーワードにて認証を行うため不正アクセスを防止することが可能
になる。
【0014】
サーバとクライアントとを相互通信可能に接続するネットワークの形態は特に限定され
るものではない。一方、本発明のように、画像データを出力するに際して、接続可能なク
ライアントを検索しつつ、接続を確立する手法を採用する態様を鑑みた場合、この手法を
適用して好適なネットワークの形態の一例として、サーバとクライアントとを相互通信可
能に接続するネットワークを無線にて形成するようにしてもよい。
【0015】
むろん、サーバとクライアントとを相互通信可能に接続するネットワークの形態は無線
に限定されるものではない。そこで、サーバとクライアントとを有線によるネットワーク
にて相互通信可能に接続することも可能である。
【0016】
このようにすれば、本画像データ伝送システムを適用して好適なネットワーク形態の一
例を提示することができる。
【0017】
接続可能なクライアントが複数検索された場合、所望のクライアントを選択できると好
適である。そこで、本発明の他の態様によれば、クライアント検索手段に接続可能と検索
されたクライアントの一覧画面を表示する一覧画面表示手段と、所望のクライアントを選
択するクライアント選択手段とを備えさせる。かかる場合、クライアントの利用者は、検
索の結果を一覧画面表示手段にて表示された一覧画面に視認しつつ、クライアント選択手
段によって、接続を確立する所望のクライアントを選択する。
【0018】
このようにすれば、利用者は接続可能なクライアントから所望のクライアントを選択す
ることができる。
【0019】
上述してきたキーワードを接続を行う都度変更することができると、セキュリティー上
好適である。そこで、本発明の他の態様によれば、クライアントにキーワード指定手段を
備えさせ、このキーワード指定手段にてキーワードを乱数に基づいて生成する。そして、
サーバ側は、クライアントと接続を確立するに際して、このキーワード指定手段にて生成
されたキーワードをキーワード出力手段から出力する。
【0020】
このようにすれば、キーワードのセキュリティーを向上させることができる。
【0021】
クライアントは複数存在するため、サーバにてこの複数のクライアントから接続可能な
クライアントを検索する場合、検索対象が多くなり、検索に費やされる処理時間が大きく
なる。そこで、この検索時の処理時間を短縮することができる好適な通信プロトコルの一
例として、クライアント検索手段および上記検索応答出力手段の相互通信をUDPの通信
プロトコルによる同報通信によって実現するようにしてもよい。すなわち、サーバ側のク
ライアント検索手段はUDPに基づいて検索コマンドを不特定の各クライアントに対して
出力し、クライアント側の検索応答出力手段はUDPに基づいて相手を特定することなく
検索コマンドに対する応答を出力する。
【0022】
このようにすれば、接続可能なクライアントの検索を高速に行うことが可能になる。接
続確立後においてはサーバ、クライアント間における画像データ等の入出力の信頼性を向
上させる必要がある。そこで、クライアント接続確立手段およびサーバ接続確立手段にお
いて相互に接続を確立する際、TCP/IPの通信プロトコルに基づいてクライアントお
よびサーバを接続するようにしてもよい。
【0023】
TCP/IPの通信プロトコルにて接続する場合、クライアント側にIPアドレスを設
定する必要がある。このIPアドレスの設定手法の一例として、クライアント側のサーバ
接続確立手段にてTCP/IPに基づいてサーバ側と接続を確立するに際し、同サーバ接
続確立手段にて使用可能なIPアドレスを検索して設定するようにしてもよい。
【0024】
むろん、サーバ側から所定のIPアドレスを指定してクライアント側に設定するように
しても良い。そこで、本発明の他の態様においては、サーバ側のクライアント接続確立手
段にてTCP/IPに基づいてクライアント側と接続を確立するに際し、IPアドレス通
知手段にて使用可能なIPアドレスをクライアント側のサーバ接続確立手段に通知し設定
させる。
【0025】
クライアント側のIPアドレスの設定をクライアント側の処理にて行うか、サーバ側の
処理にて行うかを利用者に選択可能にさせると、その場の状況に応じて好適な方法を選択
できて好適である。
【0026】
そこで、本発明の他の態様においては、サーバにIPアドレス設定選択画面表示手段を
備えさせ、利用者にこのIPアドレス設定選択画面表示手段によって表示されるIPアド
レス設定選択画面に基づいて、クライアントのIPアドレス設定手段によってサーバ接続
確立手段にIPアドレスを設定させるか、サーバのIPアドレス通知手段によってサーバ
接続確立手段にIPアドレスを設定させるかを選択させ、同選択結果を選択結果取得手段
によって取得する。
【0027】
このようにすれば、クライアント側のIPアドレスの設定をクライアント側にて行うか
、サーバ側にて行うかを選択することが可能になる。
【0028】
サーバがクライアントに対して出力する画像データは、ファイル名にて指定した画像デ
ータであっても良い。サーバにて表示されている画像に基づく画像データであっても良い
。後者の手法を採用すると、サーバで視認している画像をクライアントにおいても画像と
して表示することができて好適である。そこで、サーバ側の画像データ出力手段は、サー
バ側画像表示手段に表示されている画像を形成する画像データをクライアントに出力する
ようにしてもよい。
【0029】
画像データを出力する場合、同じ画像を形成する画像データを毎回出力すると、ネット
ワークの負荷が増大する。そこで、本発明の他の態様においては、画像状態判別手段にて
サーバ側画像表示手段において表示されている画像の状態の変化度合いを定期的に判別す
る。そして、画像データ出力手段は、この画像状態判別手段にて画像の状態が変化したと
判別された場合に、画像データをクライアントに出力する。
【0030】
このようにすれば、画像データ出力時のネットワークの負荷を低減することができると
ともに、サーバ側およびクライアント側の画像データを取り扱う処理の処理負荷を低減さ
せることができる。
【0031】
画像が変化する場合、画像全体が変化する場合もあれば、部分的に変化する場合もある
。このように部分的に変化したときにおいては画像全体を構成する画像データを出力する
必要はない。そこで、画像データ出力手段にて画像データを出力する際、画像が変化した
部分の画像データのみを取得し、同取得した画像データをクライアントに出力するように
してもよい。
【0032】
このようにすれば、さらに、画像データ出力時のネットワークの負荷を低減することが
できるとともに、サーバ側およびクライアント側の画像データを取り扱う処理の処理負荷
を低減させることができる。
【0033】
サーバからクライアントに出力する画像データのセキュリティーを向上させることがで
きる手法の一例として、サーバ側の画像データ出力手段に画像データを暗号化することが
可能な画像データ暗号化手段を備えさせるとともに、クライアント側の画像データ入力手
段に暗号化された画像データを復号化する画像データ復号化手段を備えさせるようにして
もよい。
【0034】
画像データを暗号化すると、セキュリティーは向上する一方で、暗号化する処理および
復号化する処理が必要となり処理速度が遅延してしまう。状況においては高速に画像デー
タの出力および画像の表示を行うことが要請される場合がある。従って、利用者の都合に
合わせて暗号化するか否かを選択できると好適である。
【0035】
そこで、本発明の他の態様においては、上記画像データ暗号化手段は、上記出力する画
像データの暗号化を実行するか否かを選択する選択画面を表示する暗号化選択画面表示手
段を有し、同暗号化選択画面表示手段にて暗号化の実行が選択された場合に上記画像デー
タを暗号化する。
【0036】
上述してきたクライアントにて指定されるキーワードを利用者に認識させることが可能
な手法の一例として、クライアント側の画像表示手段にてキーワード指定手段によって指
定されたキーワードを視認可能な画像によって表示するようにしてもよい。このようにす
れば、キーワードを視覚にて認識することが可能になる。
【0037】
クライアントはサーバから出力される画像データに基づいて画像を表示することができ
れば良く、特に限定されない。すなわち、クライアントをコンピュータにて構成し、サー
バから出力される画像データをクライアント側のディスプレイにて画像表示させても良い
。ここで、サーバから出力される画像データに基づいて画像表示する利用態様の好適な一
例として、クライアントの少なくとも一つをプロジェクタにて形成するようにしてもよい
。従って、かかる場合、画像表示手段は画像投影手段にて構成され、かかる場合、画像デ
ータに基づく画像はプロジェクタ投影されて表示されることになる。
【0038】
ここで、上述してきた画像データ伝送システムは、サーバおよびクライアントを備えさ
せた具体的構成として成立する。一方、このような画像データ伝送システムは、サーバお
よびクライアントにて時系列に所定の工程を実施する方法によっても機能することは言う
までもない。そこで、サーバおよびクライアントを構成とした画像データ伝送方法として
も本発明は成立する。また、このような画像データ伝送システムは単独で存在する場合も
あるし、ある機器に組み込まれた状態で利用されることもあるなど、発明の思想としては
これに限らず、各種の態様を含むものである。従って、ソフトウェアであったりハードウ
ェアであったりするなど、適宜、変更可能である。発明の思想の具現化例として画像デー
タ伝送システムのソフトウェアとなる場合には、かかる機能を実現するプログラムが当然
に存在し、同プログラムの実行にて機能が利用されるといわざるをえない。そこで、サー
バおよびクライアントにおいて実行されることによって、上述してきた機能を実現可能な
画像データ伝送プログラムとしても本発明は成立する。
【0039】
むろん、上述してきたサーバの機能を有する装置単体においても発明が成立することは
言うまでもない。そこで、相互通信可能なネットワークにて複数のクライアントに接続可
能であり、同クライアントに対して表示可能な画像データを出力する画像データ出力装置
であって、上記ネットワーク上における不特定の上記各クライアントに対して接続の可否
を含む応答を要請するための検索コマンドを出力し、同検索コマンドに対する応答に基づ
いて上記接続が可能なクライアントを検索するクライアント検索手段と、上記検索された
接続可能なクライアントのうち、接続を所望する特定のクライアントに対して接続コマン
ドを出力して接続に要する情報を伴う応答を要請するとともに、同応答に伴う接続に要す
る情報に基づいて特定の上記クライアントとの接続を確立するクライアント接続確立手段
と、上記接続が確立されたクライアントに対して画像データを出力する画像データ出力手
段とを具備する画像データ出力装置としても発明は成立する。
【0040】
このようにすれば、簡易な手法でクライアントとの間において相互通信可能な接続を確
立することが可能な画像データ出力装置を提供することができる。
【0041】
同様に、上述してきたクライアントの機能を有する装置単体においても発明が成立する
ことは言うまでもない。そこで、相互通信可能なネットワークにてサーバに接続可能であ
り、同サーバから出力される画像データに基づく表示を行う画像表示装置であって、上記
サーバから不特定のクライアントに対して出力される接続の可否を含む応答を要請する検
索コマンドに対して、上記接続が可能な場合は接続の可否を含む応答を出力する検索応答
出力手段と、上記サーバから出力される接続コマンドを入力した場合、同接続コマンドに
対して接続に要する情報を含む応答を出力するとともに、同情報に対応した上記サーバと
の接続を確立するサーバ接続確立手段と、上記接続が確立されたサーバから出力された画
像データを入力する画像データ入力手段と、上記画像データ入力手段にて入力した画像デ
ータに基づく画像を表示する画像表示手段とを具備する画像表示装置としても発明は成立
する。
【0042】
このようにすれば、簡易な手法でサーバとの間において相互通信可能な接続を確立する
ことが可能な画像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明にかかる画像データ伝送システムを適用したプロジェクタシステムの 構成を示した構成図である。
【図2】サーバのハードウェア構成を示した構成図である。
【図3】サーバのソフトウェア構成を示した構成図である。
【図4】プロジェクタのハードウェア構成を示した構成図である。
【図5】プロジェクタのソフトウェア構成を示した構成図である。
【図6】サーバのサーバ側プログラムの実行にて実現されるサーバ側処理の概略処理 内容を示したフローチャートである。
【図7】プロジェクタ検索処理の処理内容を示したフローチャートである。
【図8】プロジェクタ一覧画面の画面構成を示した画面図である。
【図9】接続確立処理の処理内容を示したフローチャートである。
【図10】オプション設定画面の画面構成を示した画面図である。
【図11】IPアドレス設定画面の画面構成を示した画面図である。
【図12】キーワード設定画面の画面構成を示した画面図である。
【図13】画像データ出力処理の処理内容を示したフローチャートである。
【図14】出力モード設定画面の画面構成を示した画面図である。
【図15】画像表示処理の処理内容を示したフローチャートである。
【図16】接続プロジェクタ一覧画面の画面構成を示した画面図である。
【図17】プロジェクタ側処理の処理内容を示したフローチャートである。
【図18】初期設定処理の処理内容を示したフローチャートである。
【図19】検索応答処理の処理内容を示したフローチャートである。
【図20】キーワード表示処理の処理内容を示したフローチャートである。
【図21】キーワード表示画像の態様の一例を示した図である。
【図22】接続確立処理の処理内容を示したフローチャートである。
【図23】画像表示処理の処理内容を示したフローチャートである。
【図24】接続切断処理の処理内容を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0044】
<第一の実施形態>
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。なお、下記の順序に従って本発明
の実施形態について説明する。
(1)プロジェクタシステムの構成:
(2)サーバの構成:
(3)プロジェクタの構成:
(4)サーバ側処理の処理内容:
(5)プロジェクタ側処理の処理内容:
(6)変形例:
(7)まとめ:
【0045】
(1)プロジェクタシステムの構成:
図1は、本発明にかかる画像データ伝送システムを適用したプロジェクタシステムの構
成を示した構成図である。同図において、プロジェクタシステム10は、サーバ20と、
クライアントであるプロジェクタ30とから構成され、サーバ20から出力する画像デー
タをプロジェクタ30に入力して、当該プロジェクタ30においてこの画像データに基づ
いた画像を投影表示する。本実施形態において、プロジェクタ30は、複数のプロジェク
タ301〜30nによって構成されており、サーバ20は、接続可能であり画像データを
出力して画像を投影表示させたいプロジェクタ30のいずれかを特定し、特定したプロジ
ェクタ30との間において相互通信可能なネットワークの接続を確立する。
【0046】
かかる場合、サーバ20は各プロジェクタ301〜30nの中から接続することが可能
なプロジェクタ301〜30nを検索する。このとき、サーバ20は検索コマンドを同報
通信にて各プロジェクタ301〜30nに出力し、この検索コマンドに対する検索応答を
行ったプロジェクタ301〜30nを接続可能と判断する。そして、接続可能なプロジェ
クタ301〜30nから所望のプロジェクタ301〜30nを選択するとともに、選択し
たプロジェクタ301〜30nと接続を確立して相互通信を実行する。本実施形態におい
ては、後述するとおりこの検索コマンド/検索応答の通信をUDPの通信プロトコルにて
実行することによって、検索処理の高速化を実現している。ここで、接続について一例を
取り上げて説明する。例えば、会議室Rにプロジェクタ301が配置されている場合であ
って、利用者が会議室Rにサーバ20を持ち込んだ場合、サーバ20が出力する検索コマ
ンドに対しては、プロジェクタ301が検索応答を行うことになる。そして、サーバ20
は、この検索応答があったプロジェクタ301と接続を確立する。
【0047】
本実施形態においては、この接続を後述するとおりTCP/IPの通信プロトコルにて
実行する。これによって、以降の通信の信頼性を向上させることを可能にしている。また
、TCP/IPプロトコルにて接続するに際しては、プロジェクタ301〜30nのIP
アドレスの設定を自動的に実行させることによって、接続可能なプロジェクタ301〜3
0nの検索からTCP/IPによる接続までの一連の処理を自動的に行うことを可能にし
、サーバ20とプロジェクタ301〜30nとの間において、相互通信可能な接続の確立
を簡易に行うことを可能にする。なお、このIPアドレスの自動設定は、DHCPサーバ
、IP固定等によって環境が整備されているネットワークにかかる環境に適応しないサー
バを持ち込んだ場合に行われるものである。ここで、本実施形態においては、後述すると
おり、サーバ20がプロジェクタ301〜30nに接続する際の認証用に、各プロジェク
タ301〜30nにキーワードを備えさせる。このキーワードは、プロジェクタ301に
視認可能に表示しておいても良いし、投影画像を表示するようにしても良い。また、この
キーワードは、予め一つのキーワードを各プロジェクタ301〜30nに備えさせておい
ても良いし、プロジェクタ301〜30nにて乱数に基づいてその都度キーワードを生成
し、その生成したキーワードを投影表示させるようにしても良い。
【0048】
そして、サーバ20が接続を確立するに際して、このキーワードを接続するプロジェク
タ、この場合、プロジェクタ301に出力し、プロジェクタ301にて認証する。このよ
うに乱数に基づくキーワードの生成、投影表示および認証を行うことによって、会議室R
にいない人間(部外者)によるプロジェクタ301に対する画像データの出力を防止する
ことが可能になる。以上、本実施形態においては、接続可能なプロジェクタ301〜30
nの検索から相互通信可能な接続の確立を自動的な処理によって行うことにより、プロジ
ェクタ301の利用者は、サーバ20を会議室Rに持ち込んで、上述した処理を行わせる
だけで当該プロジェクタ301に対して画像データを出力し、当該画像データに基づく画
像を投影表示させることが可能になる。
【0049】
(2)サーバの構成:
図2は、サーバ20のハードウェア構成を示した構成図である。同図において、サーバ
20は、CPU21と、ROM22と、RAM23と、VRAM24と、グラフィックコ
ントローラ25と、ネットワークインターフェース26と、ハードディスクドライブ(H
DD)27とを有しており、各構成21〜27はバス28に接続されて相互にデータや制
御信号の入出力が可能になっている。ここで、CPU21はROM22あるいはHDD1
5に格納されているプログラムをRAM23をワークエリアとして読み出しつつ実行し、
サーバ20における各種機能を実現可能にしている。このROM22あるいはHDD15
に格納されているプログラムは、オペレーティングシステムであったり、各種アプリケー
ションプログラムである。また、グラフィックコントローラ25にはディスプレイ29が
接続され、同ディスプレイ29にグラフィックコントローラ25から出力される画像デー
タに基づいた画像が表示される。
【0050】
ネットワークインターフェース26は、無線LANによってサーバ20をプロジェクタ
301〜30nと相互通信可能に接続するものであり、CPU21の制御に基づいて、こ
のネットワークインターフェース26を介してプロジェクタ301〜30nに画像データ
等が出力される。ここで、ディスプレイ29に画像を表示する場合、CPU21が出力し
た画面表示用の画像データがVRAM24に書き込まれ、グラフィックコントローラ25
がこの書き込まれた画像データを読み出してディスプレイ29に出力する。このグラフィ
ックスコントローラ25は、CPU21からの描画の命令を受けて、VRAM24を書き
換えたり、水平・垂直同期周波数を設定してディスプレイ29に表示する解像度を決める
制御を実行する。ここで、VRAM24に書き込まれた画像データはドットマトリクス状
に形成されているとともに、ディスプレイ29の画面もドットマトリクス状に形成されて
いる。そして、このVRAM24のドットマトリクスと、ディスプレイ29のドットマト
リクスは対応し、VRAM24に格納されたドットイメージの画像データに対応した画像
がディスプレイ29に表示されることになる。
【0051】
図3は、サーバ20のソフトウェア構成を示した構成図である。同図において、このソ
フトウェアには、サーバ20の制御処理全体を制御するオペレーティング・システム(O
S)P20と、プロジェクタ301〜30nとの検索、接続確立等の処理を実行可能な本
発明にかかる機能を実現するサーバ側プログラムP21とが含まれる。むろん、これらに
限定されるものではなく、プリンタドライバやディスプレイドライバ等のドライバ類、他
のアプリケーションプログラムが含まれることは言うまでもない。そして、サーバ側プロ
グラムP21は、通信モジュールM21と、画像データ出力プログラムM22と、ユーザ
ーインターフェースモジュールM23とを有しており、各モジュールM21〜M23を実
行することによって、本発明にかかる機能を実現可能にしている。
【0052】
(3)プロジェクタの構成:
図4は、プロジェクタ301〜30nのハードウェア構成を示した構成図である。同図
において、このプロジェクタ301〜30nは、装置全体を制御するCPU31と、装置
の起動時に使用されるIPL(Initial Program Loader)などの初
期プログラムを記憶するROM32と、サーバ20を無線LANにて接続するためのネッ
トワークインターフェース33と、ネットワークインターフェース33を介してサーバ2
0から入力した画像データを記憶するRAM34と、処理された画像データを一時的に蓄
えるVRAM35と、画像を表示するプロジェクタ表示装置35aと、VRAM35から
の画像データをプロジェクタ表示装置35aに転送するプロジェクタインターフェース3
5bと、RAM34からの画像データを処理するとともに、VRAM35を制御するグラ
フィックコントローラ36と、グラフィックコントローラ36を制御するための制御プロ
グラムや制御データを有するEEPROM37とを備えており、各構成31〜37は、バ
ス38によって接続され、相互にデータや制御信号の入出力が可能になっている。
【0053】
図5は、プロジェクタ30のソフトウェア構成を示した構成図である。同図において、
このソフトウェアには、プロジェクタ30の画像処理全体を制御するオペレーティング・
システム(OS)P30と、本発明にかかる機能を実現するプロジェクタ側プログラムP
31とが含まれる。ここで、プロジェクタ側プログラムP31は、再生された画像を表示
する表示モジュールM31と、サーバ20とのデータの入出力を行う通信モジュール32
と、画像データを処理し、投影する画像を再生するブラウザモジュールM33とが含まれ
ている。そして、各モジュールM31〜M33を実行することによって、本発明にかかる
機能を実現可能にしている。
【0054】
上述した構成において、サーバ20の利用者はサーバ側プログラムP21を実行すると
ともに、プロジェクタ301〜30nにプロジェクタ側プログラムP31を実行させるこ
とによって、サーバ20とプロジェクタ301〜30nとの間を相互通信可能な接続状態
とし、サーバ20から画像データを出力可能とするとともに、接続を確立したプロジェク
タ301〜30nにおいて、この画像データに基づいた画像を投影表示可能にする。以下
、このサーバ側プログラムP21にて実行される処理およびプロジェクタ側プログラムP
31にて実行される処理について説明する。
【0055】
(4)サーバ側処理の処理内容:
図6は、サーバ20のサーバ側プログラムP21の実行にて実現されるサーバ側処理の
概略処理内容を示したフローチャートである。同図において、サーバ20は、最初に、複
数のプロジェクタ301〜30nから接続可能なプロジェクタ301〜30nを検索する
プロジェクタ検索処理を実行する(ステップS100)。接続可能なプロジェクタ301
〜30nが検索されると、この接続可能なプロジェクタ301〜30nから、画像データ
を出力して画像表示させる所望のプロジェクタ301〜30nを選択するとともに、同選
択した所望のプロジェクタ301〜30nとの接続を確立する接続確立処理を実行する(
ステップS200)。そして、接続を確立したプロジェクタ301〜30nに、当該接続
を確立したプロジェクタ301〜30nにて画像表示させるための画像データを出力する
画像データ出力処理を実行する(ステップS300)。一方、プロジェクタ301〜30
nに対する画像データの出力を行う必要が無くなった場合は、接続切断処理を実行して、
接続を確立したプロジェクタ301〜30nとの接続を切断する(ステップS400)。
【0056】
図7は、ステップS100のプロジェクタ検索処理の処理内容を示したフローチャート
である。同図においては、最初に、IPアドレスが格納されているHDD27の所定の記
憶領域を検索し、当該サーバ20にIPアドレスが設定されているか否かを判別する(ス
テップS105)。IPアドレスが設定されている場合は、このIPアドレスを組み込ん
だ検索コマンドをプロジェクタ301〜30nに出力する。このとき、UDPの通信プロ
トコルに基づいた同報通信によって検索コマンドの出力を行う(ステップS110)。そ
して、プロジェクタ301〜30nから出力される当該検索コマンドに対する検索応答が
入力されるか否かを判別する(ステップS115)。検索応答が入力されない場合は、所
定時間が経過するまでこの検索応答の入力を判別する(ステップS120)。ステップS
115にて検索応答が入力されたと判別された場合は、図8に示すプロジェクタ一覧画面
40を表示することによって、利用者に接続可能なプロジェクタ301〜30nを視認可
能に提示する(ステップS130)。
【0057】
この検索応答には、後述するように、検索応答を返信してきたプロジェクタ301〜3
0nの固有情報(MACアドレス等)や、プロジェクタ301〜30nの使用状況情報や
、接続確立時にキーワードによる認証が必要になるか否かを示すキーワード情報が付加さ
れている。ここで、プロジェクタ一覧画面40について説明する。図8において、プロジ
ェクタ一覧画面40は、「以下のプロジェクタが見つかりました。・・・・」というメッ
セージが表示されるとともに、プロジェクタリスト41と、接続ボタン42と、オプショ
ン設定ボタン43とを有する構成となっている。また、プロジェクタリスト41は、選択
チェックボックス41aと、プロジェクタ名称欄41bと、キーワード情報欄41cと、
使用状況情報欄41dとから構成されている。
【0058】
本実施形態においては、プロジェクタ301〜303が接続可能であることを示し、各
プロジェクタ301〜303は接続に際して、キーワードの認証が必要であることを示し
、プロジェクタ303については他のサーバによる接続が確立していて使用中であること
を示している。一方、ステップS105にてIPアドレスが設定されていないと判別され
た場合は、ネットワーク設定変更が必要となる旨のメッセージを表示し、利用者にIPア
ドレスの設定を促す(ステップS135)。また、ステップS120にて検索応答が入力
されないと判別された場合は、通信モードが異なる(インフラストラクチャモードではな
く、アドホックモード)と判断され、無線LANの通信モードの設定をインフラストラク
チャモードに変更する必要がある旨のメッセージを表示し、利用者に通信モードの変更を
促す(ステップS140)。上述したステップS130にてプロジェクタ一覧画面40が
表示されると、接続確立処理に移行する。
【0059】
図9は、ステップS200の接続確立処理の処理内容を示したフローチャートである。
同図において、接続を確立するに際して、利用者は、プロジェクタ一覧画面40のプロジ
ェクタリスト41に表示されているプロジェクタ301〜303の中から所望のプロジェ
クタ301〜303を選択する。本実施形態においては、プロジェクタ301の選択チェ
ックボックス41aにチェックを入力し、同プロジェクタ301を選択した場合を示して
いる(ステップS205)。次に、IP指定接続が設定されているか否かを判別する(ス
テップS210)。このIP指定接続の設定は図8に示したプロジェクタ一覧画面40の
オプション設定ボタン43が選択された場合に表示されるオプション設定画面にて設定が
可能になっている。ここで、このオプション設定画面の画面構成を図10に示す。同図に
おいて、オプション設定画面50は、オプション設定のアイテムとして暗号化設定欄51
と、IP指定接続設定欄52と、キーワード設定ボタン53と、出力モード設定ボタン5
4とを備える構成となっている。
【0060】
IP指定接続設定欄52は、接続するプロジェクタ301に特定のIPアドレスをサー
バ20側の設定に基づいて設定する場合に選択するものであり、選択する場合はチェック
ボックス52aにチェックを入れることになる。本実施形態においては、チェックボック
ス52aがチェックされていない状態を示している。従って、かかる場合、プロジェクタ
301のIPアドレスは、同プロジェクタ301にて実行されるプロジェクタ側処理によ
って設定されることになる。一方、チェックボックス52aにチェックが入れられて、I
P指定接続が設定された場合は、利用者はIP指定接続設定欄52に含まれるIPアドレ
ス設定ボタン52bを選択して図11に示すIPアドレス設定画面60を表示させ、所望
のIPアドレスを入力することになる。ここで、利用者がIPアドレス設定画面60にて
所望のIPアドレスを設定するとOKボタン61を選択する。これにより、プロジェクタ
301に設定するための特定のIPアドレスが決定される(ステップS215)。次に、
プロジェクタ301との接続を確立するに際して、キーワードによる認証が必要であるか
否かを判別する(ステップS220)。
【0061】
本実施形態においては、図8に示すとおり、プロジェクタ301のキーワード情報は「
キーワード要」となっている。従って、利用者はオプション設定画面50のキーワード設
定ボタン53を選択して、図12に示したキーワード設定画面70を表示させ、所定のキ
ーワードを入力する(ステップS225)。かかる場合、このキーワードは後述するとお
り、プロジェクタ301によって投影表示されるため、利用者はこの投影表示されたキー
ワードを視認してキーワード設定画面70に対して入力することになる。そして、OKボ
タン71が押し下げられキーワードの設定が完了した後に、利用者によってプロジェクタ
一覧画面40の接続ボタン42が選択押し下げられると、設定されたキーワードを含んだ
接続コマンドをプロジェクタ301〜30nに対して出力する(IP指定接続が設定され
ている場合は、この接続コマンドにIPアドレス設定画面60にて設定されたIPアドレ
スも含まれる)。
【0062】
かかる場合、まだTCP/IPに基づく接続が確立していないので、この接続コマンド
は、UDPの通信プロトコルに基づいた同報通信によって出力が行われる(ステップS2
30)。そして、この接続コマンドに対するプロジェクタ301の接続応答が入力される
か否かを判別し(ステップS235)、接続応答が入力された場合は、TCP/IPに基
づいてプロジェクタ301との接続を確立させる(ステップS240)。一方、ステップ
S235にて接続応答が入力されないで、所定時間経過した場合は(ステップS245)
、接続不可のメッセージを表示して、その旨を利用者に通知する(ステップS250)。
上述したステップS240にてプロジェクタ301との接続が確立すると、サーバ20と
プロジェクタ301との間にて相互通信が開始され、サーバ20はプロジェクタ301に
対して画像データを出力することが可能になり、次に説明する画像データ出力処理を実行
する。
【0063】
図13は、ステップS300の画像データ出力処理の処理内容を示したフローチャート
である。同図において、先ず、ディスプレイ29に表示されている画像の画像データをV
RAM24から入力するとともに(ステップS305)、所定時間経過後に(ステップS
310)、再度VRAM24から画像データを入力する(ステップS315)。そして、
ステップS305にて入力した画像データと、ステップS315にて入力した画像データ
とを比較してその差分を取る(ステップS320)。この差分が所定の閾値以上であるか
否かに基づいて、ディスプレイ29に表示された画像に変化があるか否かを判別する(ス
テップS325)。差分が閾値より小さい場合は、画像が変化していないと判別して、ス
テップS305〜S320の処理を繰り返す。ステップS325にて画像に変化があった
と判別された場合は、出力モードが高速画像出力モードであるか否かを判別する(ステッ
プS330)。
【0064】
この出力モードは、図10に示したオプション設定画面50の出力モード設定ボタン5
4を選択して、図14に示す出力モード設定画面60を表示させて設定することが可能に
なっている。図14において、出力モード設定画面60では、出力モードとして、高速画
像出力モード61と、高品質画像出力モード62とが選択可能になっている。ここで、高
速画像出力モード61は、画像が変化した場合に、変化した部分のみの画像データを出力
することによって、高速化を図るモードであり、高品質画像出力モード62は、画像が変
化した場合に、全画像データを出力し、画像の品質を保持することを図るモードである。
利用者はいずれかのモード61,62を選択してOKボタン63を押し下げる。これによ
って、出力モードが設定される。ステップS330にて高速画像出力モードが設定されて
いると判別された場合は、VRAM24から変化した部分の画像データを取得する(ステ
ップS335)。
【0065】
一方、ステップS330にて高品質画像出力モードが設定されていると判別された場合
は、VRAM24から全画像データを取得する(ステップS340)。変化した部分の画
像データあるいは全画像データを取得すると、この取得した画像データを圧縮する(ステ
ップS345)。画像データを圧縮すると、暗号化設定がなされているか否かを判別する
(ステップS350)。この暗号化設定は、出力する画像データを暗号化するものである
。かかる設定は、図10に示したオプション設定画面50の暗号化設定欄51にて設定可
能であり、暗号化設定を行う場合、利用者はチェックボックス51aをチェックする。ス
テップS350にて暗号化設定がなされていると判別された場合は、圧縮した画像データ
の暗号化を行う(ステップS355)。
【0066】
この暗号化は既存の技術を利用して実施する。一方、暗号化設定がなされていないと判
別された場合は、暗号化を行わない。そして、暗号化された画像データあるいは暗号化さ
れていない画像データをプロジェクタ301に対して出力する(ステップS360)。こ
の画像データ出力処理では、サーバ20のディスプレイ29に表示されている画像に変化
があった場合に、変化した部分の画像データのみを出力する。ここで、ステップS335
にて変化した部分の画像データを取得し、この画像データをプロジェクタ301に出力し
た場合、プロジェクタ301は、この部分的な画像データを、保持している変化前の画像
データに合成することによって、変化後の画像データを形成することになる。
【0067】
変化した部分を取得する場合、あらかじめ画像を複数のブロックに分割しておき、変化
した部分が含まれるブロックを送信するようにしてもよい。むろん、この場合は圧縮手法
に応じてブロックの区切りを決めておけば、一つのブロックを送信しようとしたときに、
圧縮する際の複数の領域にまたがってしまうことを防止でき、送信する画像データのサイ
ズを低減させることができる。
【0068】
サーバ20の利用者は、プロジェクタ301の使用が終わった場合、サーバ20におい
て、図15に示す接続プロジェクタ一覧画面70を表示する。同図において、接続プロジ
ェクタ一覧画面70は、接続プロジェクタリスト71を備えており、利用者は切断対象の
プロジェクタのチェックボックスをチェックして切断ボタン72を選択して押し下げる。
すると、ステップS400の接続切断処理が実行されることになる。図16は、この接続
切断処理の処理内容を示したフローチャートである。同図において、上述した接続プロジ
ェクタ一覧画面70にて、切断ボタン72が選択されて押し下げられたか否かを判別する
(ステップS405)。切断ボタン72が選択されて押し下げられたと判別された場合は
、切断対象となっているプロジェクタ(本実施形態においてはプロジェクタ301)に設
定されているIPアドレスを取得する(ステップS410)。そして、このIPアドレス
を含めた切断コマンドを出力し(ステップS415)、プロジェクタ301から出力され
るこの切断コマンドに対応した切断完了コマンドの入力の有無を判別する(ステップS4
20)。切断完了コマンドを入力した場合は、接続を切断する(ステップS425)。
【0069】
(5)プロジェクタ側処理の処理内容:
次に、プロジェクタ側プログラムP31の処理について説明する。図17は、プロジェ
クタ側処理の概略処理内容を示したフローチャートである。同図において、プロジェクタ
301〜30nは、電源が投入されると、自プロジェクタ301〜30nにIPアドレス
の仮設定を行う初期設定処理を実行する(ステップS500)。この初期設定処理が終了
すると、サーバ20から出力される検索コマンドの待機状態に移行し、検索コマンドに対
する応答を行う検索応答処理を実行する(ステップS600)。次に、サーバ20との接
続を確立させる接続確立処理を実行し(ステップS700)、接続が確立したサーバ20
から出力される画像データを表示する画像表示処理を実行する(ステップS800)。そ
して、サーバ20での接続切断に対応して、接続切断処理を実行する(ステップS900
)。
【0070】
図18は、ステップS500の初期設定処理の処理内容を示したフローチャートである
。同図において、プロジェクタ301〜30nは電源が投入されると、ネットワークイン
ターフェース33が無線LAN対応であるか否かを判別する(ステップS505)。無線
LAN対応であると判別された場合は、通信モードをインフラストラクチャモードに設定
する(ステップS510)。次に、プロジェクタ301〜30nはIPアドレスが設定さ
れているか否かを判別し(ステップS515)、自己にIPアドレスが設定されていない
と判別された場合は、所定のIPアドレスを仮々設定する(ステップS520)。そして
、この仮々設定したIPアドレスに基づいてネットワーク上に競合するIPアドレスが設
定されたネットワーク機器が存在するか否かを検索する(ステップS525)。
【0071】
この検索は、Pingコマンドにて実行され、仮々設定したIPアドレスと同一のIP
アドレスが設定されたネットワーク機器が存在する場合は、このネットワーク機器から競
合する旨の応答がある。従って、この応答の有無を判別する(ステップS530)。応答
が無いと判別された場合は、この仮々設定したIPアドレスをプロジェクタ301〜30
nに仮設定する(ステップS535)。一方、応答が有ったと判別された場合は、他のI
Pアドレスによって仮々設定し、競合するネットワーク機器が存在するか否かを判別し、
競合するネットワーク機器が無くなるまで、IPアドレスの仮々設定による検索の処理を
繰り返す。また、ステップS515にて既にIPアドレスが設定されていると判別された
場合は、このIPアドレスをプロジェクタ301〜30nに仮設定する(ステップS54
0)。
【0072】
図19は、ステップS600の検索応答処理の処理内容を示したフローチャートである
。同図において、ステップS500の初期設定処理が終了すると、プロジェクタ301〜
30nはサーバ20から出力される検索コマンドの入力待機状態となり、この検索コマン
ドが入力されるか否かを判別しつつ待機する(ステップS605)。検索コマンドが入力
されたと判別されると、サーバ20が該プロジェクタ301〜30nと接続を確立するた
めにキーワードによる認証が必要であるか否かを判別する(ステップS610)。このキ
ーワードによる認証の要不要は、プロジェクタ301〜30nにおける設定によって決め
られる。キーワードによる認証が必要であると判別された場合は、キーワード表示処理を
実行し、キーワードを投影表示してサーバ20の利用者に視認可能にする(ステップS6
15)。ここで、このキーワード表示処理の処理内容を図20のフローチャートに示す。
同図において、表示するキーワードを生成するに際して、最初に、乱数処理を実行する(
ステップS615a)。そして、この乱数処理に基づいて7桁の数字列からなるキーワー
ドを生成し(ステップS615b)、この生成したキーワードを投影表示する(ステップ
S615c)。むろん、キーワードは数字列以外にも文字、記号などを含めて適宜変更可
能である。すると、図21に示すような、キーワード表示画像がスクリーンに投影表示さ
れることになる。サーバ20の利用者は、このスクリーンに投影表示されたキーワードを
視認して、上述したステップS200における接続確立処理において、このキーワードを
設定し、接続コマンドを出力することになる。ステップS615におけるキーワード表示
処理が終了すると、プロジェクタ301〜303の固有情報(MACアドレス等)、使用
状況情報(他のサーバとの接続状態であり、他のサーバと接続されている場合は「使用中
」状態となり、接続されていない場合は「未使用」状態となる。この使用状況情報は図8
に示したプロジェクタ一覧画面40に表示される)、キーワード情報(キーワードの要不
要を示す)を含んだ検索応答を出力する(ステップS620)。なお、図8に示すとおり
、本実施形態においては、プロジェクタ301〜303がこの検索応答を出力している。
【0073】
図22は、ステップS700の接続確立処理の処理内容を示したフローチャートである
。同図において、ステップS600の検索応答処理にてサーバ20に対して検索応答を出
力すると、サーバ20によるこの検索応答に対する接続コマンドの入力待機状態となり、
この検索コマンドが入力されるか否かを判別しつつ待機する(ステップS705)。サー
バ20から接続コマンドを入力したと判別すると、接続コマンドに含まれている固有情報
の判別を行う(ステップS710)。固有情報が一致していると判別した場合は、キーワ
ードによる認証が必要であるか否かを判別し(ステップS715)、キーワードによる認
証が必要であると場合は、接続コマンドに含まれているキーワードが一致(正常)するか
否かを判別する(ステップS720)。
【0074】
キーワードが一致していると判別した場合は、接続コマンドにIPアドレスの設定が含
まれているか否かを判別する。接続コマンドにIPアドレスが設定されている場合とは、
サーバ20にてIP指定接続が選択された場合を示している(ステップS725)。接続
コマンドにIPアドレスが設定されていない場合は、所定のIPアドレスを設定し、この
IPアドレスに基づいてネットワーク上に競合するIPアドレスが設定されたネットワー
ク機器が存在するか否かを検索する(ステップS730)。この検索は、Pingコマン
ドにて実行され、このIPアドレスと同一のIPアドレスが設定されたネットワーク機器
が存在する場合は、このネットワーク機器から競合する旨の応答がある。従って、この応
答の有無を判別する(ステップS530)。応答が無いと判別された場合は、ステップS
730にて設定したIPアドレスをプロジェクタ301に本設定する(ステップS740
)。一方、ステップS725にて接続コマンドにIPアドレスが設定されていると判別さ
れた場合は、このステップS740において、接続コマンドに設定されているIPアドレ
スをプロジェクタ301に本設定する。
【0075】
一方、応答が有ったと判別された場合は、他のIPアドレスによって設定し、競合する
ネットワーク機器が存在するか否かを判別し、競合するネットワーク機器が無くなるまで
、IPアドレスの検索の処理を繰り返す。IPアドレスの本設定が終了すると、サーバ2
0に対して接続応答を出力する(ステップS745)。これによって、サーバ20との間
においてTCP/IPによる接続を確立し、同サーバ20と相互通信を開始する(ステッ
プS750)。一方、ステップS710およびS720にて固有情報およびキーワードが
一致しないと判別された場合は、接続不可を通知する旨のメッセージを投影表示してサー
バ20の利用者によって視認可能にする(ステップS755)。上述したステップS75
0にてサーバ20と相互通信が開始されると、サーバ20から画像データを入力すること
が可能になるため、次に説明する画像表示処理を実行する。
【0076】
図23は、画像表示処理の処理内容を示したフローチャートである。同図において、サ
ーバ20からデータを入力するか否かを判別し(ステップS805)、データの入力が判
別された場合は、このデータから画像データを抽出する(ステップS810)。この抽出
した画像データは圧縮された画像データであるため、当該圧縮された画像データを解凍す
る(ステップS815)。次に、解凍した画像データが暗号化されているか否かを判別し
(ステップS820)、暗号化されている場合は、この画像データを復号化する(ステッ
プS825)。そして、この画像データに基づいて画像を表示する(ステップS830)

【0077】
図24は、接続切断処理の処理内容を示したフローチャートである。同図において、サ
ーバ20と確立された接続は、サーバ20での接続切断処理に対応して切断されることに
なる。そこで、先ず、サーバ20から出力される切断コマンドの入力を待機する(ステッ
プS905)。切断コマンドを入力すると、プロジェクタ301内にて所定の切断処理を
実行し(ステップS910)、サーバ20に対して、切断完了コマンドを出力する(ステ
ップS915)。これによって、サーバ20との接続が切断されることになる(ステップ
S920)。
【0078】
(6)変形例:
上述してきた実施形態においては、サーバ20とプロジェクタ301〜30nとを無線
LANにて接続するプロジェクタシステム10について説明してきたが、むろん、無線L
ANのネットワークにおけるシステムに限定されるものではなく、有線LANのネットワ
ークおよび無線LAN、有線LANを混合させたネットワークによってプロジェクタシス
テム10を構成しても良い。かかる場合、有線LANにIEEE1394等のネットワー
クとして機能するものを採用すればシステムを構築することが可能である。また、本実施
形態においては、本発明にかかる画像データ伝送システムをプロジェクタシステムに適用
する態様を採用したが、むろん、この画像データ伝送システムは、複数のコンピュータを
有するシステムにおいても適用することが可能であることは言うまでもない。すなわち、
本画像データ伝送システムによって、一つのコンピュータの画像データを他のコンピュー
タにて画像表示するシステムを構築することも可能である。
【0079】
(7)まとめ:
このように、サーバ20とプロジェクタ301〜30nとの接続を確立するに際して、
最初にUDPの通信コマンドによって接続可能なプロジェクタ301〜303を検索し、
その後に接続するプロジェクタ301を選択して、同プロジェクタ301にIPアドレス
を設定して、画像データ等は信頼性のあるTCP/IPの通信コマンドにて入出力する接
続を確立することによって、利用者は簡易にサーバ20とプロジェクタ301とを相互通
信可能な接続環境を得ることが可能になる。また、接続確立時に投影表示されるキーワー
ドによる認証を行うことによって、部外者によるプロジェクタ301に対する不正アクセ
スを防止することが可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
以上説明したように本発明は、簡易な手法でサーバとクライアントとの間において相互
通信可能な接続を確立することができる画像データ伝送システム、画像データ伝送方法、
画像データ伝送プログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0081】
10…プロジェクタシステム、15,27…HDD、20…サーバ、21,31…CP
U、22,32…ROM、23,34…RAM、24,35…VRAM、25,36…グ
ラフィックコントローラ、26,33…ネットワークインターフェース、28,38…バ
ス、29…ディスプレイ、30,301〜30n…プロジェクタ、35a…プロジェクタ
表示装置、35b…プロジェクタインターフェース、37…EEPROM、40…プロジ
ェクタ一覧画面、41…プロジェクタリスト、41a…選択チェックボックス、41b…
プロジェクタ名称欄、41c…キーワード情報欄、41d…使用状況情報欄、42…接続
ボタン、43…オプション設定ボタン、50…オプション設定画面、51…暗号化設定欄
、51a,52a…チェックボックス、52…IP指定接続設定欄、52b…IPアドレ
ス設定ボタン、53…キーワード設定ボタン、54…出力モード設定ボタン、M21,M
32…通信モジュール、M22…画像データ出力モジュール、M23…ユーザーインター
フェースモジュール、M31…表示モジュール、M33…ブラウザモジュール、P20,
P30…オペレーティング・システム(OS)、P21…サーバ側プログラム、P31…
プロジェクタ側プログラム、R…会議室。






【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバと複数のクライアントとを相互通信可能なネットワークにて接続し、同サーバか
ら同クライアントに対して画像データを出力して表示させる画像データ伝送システムであ
って、上記サーバは、上記ネットワーク上における不特定の上記各クライアントに対して
接続の可否を含む応答を要請するための検索コマンドを出力し、同検索コマンドに対する
応答に基づいて上記接続が可能なクライアントを検索するクライアント検索手段と、上記
検索された接続可能なクライアントのうち、接続を所望する特定のクライアントに対して
接続コマンドを出力して接続に要する情報を伴う応答を要請するとともに、同応答に伴う
接続に要する情報に基づいて特定の上記クライアントとの接続を確立するクライアント接
続確立手段と、上記接続が確立されたクライアントに対して画像データを出力する画像デ
ータ出力手段とを有し、上記各クライアントは、上記接続が可能な場合に上記クライアン
ト検索手段から出力される検索コマンドに対する接続の可否を含む応答を出力する検索応
答出力手段と、上記クライアント接続確立手段から出力される接続コマンドを入力した場
合、同接続コマンドに対して接続に要する情報を含む応答を出力するとともに、同情報に
対応した上記サーバとの接続を確立するサーバ接続確立手段と、上記接続が確立されたサ
ーバから出力された画像データを入力する画像データ入力手段と、上記画像データ入力手
段にて入力した画像データに基づく画像を表示する画像表示手段とを有することを特徴と
する画像データ伝送システム。
【請求項2】
上記クライアント接続確立手段は、上記クライアントにて指定された所定のキーワード
を上記接続コマンドに含めるとともに、同キーワードを含む接続コマンドに対して応答が
得られた場合に上記クライアントとの上記接続を確立するとともに、上記サーバ接続確立
手段は、上記接続コマンドに含まれて送信される上記キーワードと当該クライアントにて
指定されたキーワードとの一致を判別するキーワード判別手段を有し、同キーワード判別
手段にて同キーワードが一致すると判別された場合に、上記クライアント接続確立手段に
対して上記応答を出力して上記サーバとの上記接続を確立することを特徴とする上記請求
の範囲第1項に記載のの画像データ伝送システム。
【請求項3】
上記サーバとクライアントとを相互通信可能に接続するネットワークは、無線にて形成
されることを特徴とする上記請求の範囲第1項または第2項のいずれかに記載の画像デー
タ伝送システム。
【請求項4】
上記サーバとクライアントとを相互通信可能に接続するネットワークは、有線にて形成
されることを特徴とする上記請求の範囲第1項または第2項のいずれかに記載の画像デー
タ伝送システム。
【請求項5】
上記クライアント検索手段は、上記検索コマンドに応答したクライアントの一覧画面を
表示する一覧画面表示手段と、同一覧画面表示手段にて表示された一覧画面から接続を確
立するクライアントを選択するクライアント選択手段とを有することを特徴とする上記請
求の範囲第1項〜第4項のいずれかに記載の画像データ伝送システム。
【請求項6】
上記クライアントは、上記キーワードを乱数に基づいて生成することによって指定する
キーワード指定手段を有することを特徴とする上記請求の範囲第2項に記載の画像データ
伝送システム。
【請求項7】
上記クライアント検索手段および上記検索応答出力手段は、不特定のクライアントに対
する上記検索コマンドと同検索コマンドに対する応答とをUDPに基づく同報通信によっ
て出力することを特徴とする上記請求の範囲第1項〜第6項のいずれかに記載の画像デー
タ伝送システム。
【請求項8】
上記クライアント接続確立手段およびサーバ接続確立手段は、TCP/IPに基づいて
上記クライアントおよびサーバとの上記接続を確立することを特徴とする上記請求の範囲
第1項〜第7項のいずれかに記載の画像データ伝送システム。
【請求項9】
上記サーバ接続確立手段は、上記TCP/IPによって上記接続を確立するに際して、
使用可能なIPアドレスを検索して設定するIPアドレス設定手段を有することを特徴と
する上記請求の範囲第8項に記載の画像データ伝送システム。
【請求項10】
上記クライアント接続確立手段は、上記TCP/IPによって上記接続を確立するに際
して、使用可能なIPアドレスを上記サーバ接続確立手段に通知して設定させるIPアド
レス通知手段を有することを特徴とする上記請求の範囲第8項に記載の画像データ伝送シ
ステム。
【請求項11】
上記サーバは、上記IPアドレス設定手段によって上記サーバ接続確立手段にIPアド
レスを設定させるか、上記IPアドレス通知手段によって上記サーバ接続確立手段にIP
アドレスを設定させるかを選択するIPアドレス設定選択画面を表示するIPアドレス設
定選択画面表示手段と、同選択結果を取得する選択結果取得手段とを有することを特徴と
する上記請求の範囲第10項に記載の画像データ伝送システム。
【請求項12】
上記サーバは、所定の画像を表示するサーバ側画像表示手段を有し、上記画像データ出
力手段は、このサーバ側画像表示手段にて表示されている画像を形成する画像データを上
記クライアントに出力することを特徴とする上記請求の範囲第1項〜第11項のいずれか
に記載の画像データ伝送システム。
【請求項13】
上記画像データ出力手段は、上記サーバ側画像表示手段にて表示されている画像の状態
の変化度合いを定期的に判別する画像状態判別手段を有し、同画像状態判別手段にて画像
の状態が変化したと判別された場合に、上記画像データを上記クライアントに出力するこ
とを特徴とする上記請求の範囲第12項に記載の画像データ伝送システム。
【請求項14】
上記画像データ出力手段は、上記画像が変化した部分の画像データを取得するとともに
、同取得した画像データを上記クライアントに出力することを特徴とする上記請求の範囲
第13項に記載の画像データ伝送システム。
【請求項15】
上記画像データ出力手段は、上記出力する画像データを暗号化する画像データ暗号化手
段を有し、上記画像データ入力手段は、入力した同画像データ暗号化手段にて暗号化され
た画像データを復号化する画像データ復号化手段を有することを特徴とする上記請求の範
囲第1項〜第14項のいずれかに記載の画像データ伝送システム。
【請求項16】
上記画像データ暗号化手段は、上記出力する画像データを暗号化を実行するか否かを選
択可能な暗号化選択画面を表示する暗号化選択画面表示手段を有し、同暗号化選択画面表
示手段にて暗号化の実行が選択された場合に上記画像データを暗号化することを特徴とす
る上記請求の範囲第15項に記載の画像データ伝送システム。
【請求項17】
上記画像表示手段は、上記キーワード指定手段にて指定されたキーワードを視認可能な
画像によって表示することを特徴とする上記請求の範囲第6項〜第16項のいずれかに記
載の画像データ伝送システム。
【請求項18】
上記クライアントの少なくとも一つは、プロジェクタにて形成され、上記画像表示手段
は、上記画像を投影する画像投影手段にて構成されることを特徴とする上記請求の範囲第
1項〜第17項のいずれかに記載の画像データ伝送システム。
【請求項19】
サーバと複数のクライアントとを相互通信可能なネットワークにて接続し、同サーバか
ら同クライアントに対して画像データを出力して表示させる画像データ伝送方法であって
、上記サーバは、上記ネットワーク上における不特定の上記各クライアントに対して接続
の可否を含む応答を要請するための検索コマンドを出力し、同検索コマンドに対する応答
に基づいて上記接続が可能なクライアントを検索するクライアント検索工程と、上記検索
された接続可能なクライアントのうち、接続を所望する特定のクライアントに対して接続
コマンドを出力して接続に要する情報を伴う応答を要請するとともに、同応答に伴う接続
に要する情報に基づいて特定の上記クライアントとの接続を確立するクライアント接続確
立工程と、上記接続が確立されたクライアントに対して画像データを出力する画像データ
出力工程とを実行し、上記各クライアントは、上記接続が可能な場合に上記クライアント
検索工程で出力される検索コマンドに対する接続の可否を含む応答を出力する検索応答出
力工程と、上記クライアント接続確立工程で出力される接続コマンドを入力した場合、同
接続コマンドに対して接続に要する情報を含む応答を出力するとともに、同情報に対応し
た上記サーバとの接続を確立するサーバ接続確立工程と、上記接続が確立されたサーバか
ら出力された画像データを入力する画像データ入力工程と、上記画像データ入力工程にて
入力した画像データに基づく画像を表示する画像表示工程を実行することを特徴とする画
像データ伝送方法。
【請求項20】
サーバと複数のクライアントとを相互通信可能なネットワークにて接続し、同サーバか
ら同クライアントに対して画像データを出力して表示させる機能をコンピュータにて実現
可能な画像データ伝送プログラムであって、上記サーバでは、上記ネットワーク上におけ
る不特定の上記各クライアントに対して接続の可否を含む応答を要請するための検索コマ
ンドを出力し、同検索コマンドに対する応答に基づいて上記接続が可能なクライアントを
検索するクライアント検索機能と、上記検索された接続可能なクライアントのうち、接続
を所望する特定のクライアントに対して接続コマンドを出力して接続に要する情報を伴う
応答を要請するとともに、同応答に伴う接続に要する情報に基づいて特定の上記クライア
ントとの接続を確立するクライアント接続確立機能と、上記接続が確立されたクライアン
トに対して画像データを出力する画像データ出力機能とを実現させるとともに、上記各ク
ライアントでは、上記接続が可能な場合に上記クライアント検索機能で出力される検索コ
マンドに対する接続の可否を含む応答を出力する検索応答出力機能と、上記クライアント
接続確立機能で出力される接続コマンドを入力した場合、同接続コマンドに対して接続に
要する情報を含む応答を出力するとともに、同情報に対応した上記サーバとの接続を確立
するサーバ接続確立機能と、上記接続が確立されたサーバから出力された画像データを入
力する画像データ入力機能と、上記画像データ入力機能にて入力した画像データに基づく
画像を表示する画像表示機能を実行することを特徴とする画像データ伝送プログラム。
【請求項21】
相互通信可能なネットワークにて複数のクライアントに接続可能であり、同クライアン
トに対して表示可能な画像データを出力する画像データ出力装置であって、上記ネットワ
ーク上における不特定の上記各クライアントに対して接続の可否を含む応答を要請するた
めの検索コマンドを出力し、同検索コマンドに対する応答に基づいて上記接続が可能なク
ライアントを検索するクライアント検索手段と、上記検索された接続可能なクライアント
のうち、接続を所望する特定のクライアントに対して接続コマンドを出力して接続に要す
る情報を伴う応答を要請するとともに、同応答に伴う接続に要する情報に基づいて特定の
上記クライアントとの接続を確立するクライアント接続確立手段と、上記接続が確立され
たクライアントに対して画像データを出力する画像データ出力手段とを具備することを特
徴とする画像データ出力装置。
【請求項22】
相互通信可能なネットワークにてサーバに接続可能であり、同サーバから出力される画
像データに基づく表示を行う画像表示装置であって、上記サーバから不特定のクライアン
トに対して出力される接続の可否を含む応答を要請する検索コマンドに対して、上記接続
が可能な場合は接続の可否を含む応答を出力する検索応答出力手段と、上記サーバから出
力される接続コマンドを入力した場合、同接続コマンドに対して接続に要する情報を含む
応答を出力するとともに、同情報に対応した上記サーバとの接続を確立するサーバ接続確
立手段と、上記接続が確立されたサーバから出力された画像データを入力する画像データ
入力手段と、上記画像データ入力手段にて入力した画像データに基づく画像を表示する画
像表示手段とを有することを特徴とする画像表示装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2013−69328(P2013−69328A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−263249(P2012−263249)
【出願日】平成24年11月30日(2012.11.30)
【分割の表示】特願2012−21011(P2012−21011)の分割
【原出願日】平成15年5月22日(2003.5.22)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】