説明

画像データ生成装置、テープ印刷装置、印刷システム、画像データ生成装置の制御方法およびプログラム

【課題】拡大印刷を行った場合のテープの無駄を削減できると共に、テープによって多様な貼付結果を実現すること。
【解決手段】テープ幅より大きな印刷画像の一部である分割印刷画像が印刷されたテープ片Tを複数貼り合わせることによって印刷画像Gを形成するための、各テープ片Tに印刷する分割画像データを複数生成する画像データ生成装置であって、印刷画像Gと複数のテープ片Tとを重畳配置した状態を表示する表示手段と、表示手段に表示された各テープ片Tの配置角度を指定するテープ配置指定手段と、テープ配置指定手段の指定に基づいて、分割印刷画像を各テープ片Tに割り当てる印刷画像割り当て手段と、印刷画像割り当て手段の割り当て結果に基づいて、複数の分割画像データを生成する分割画像データ生成手段と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
印刷画像の一部が印刷されたテープ片を複数貼り合わせることによって印刷画像を形成するための、各テープ片に印刷する分割画像データを複数生成する画像データ生成装置、テープ印刷装置、印刷システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、テープ幅より大きな印刷画像の一部が印刷された各テープ片を、複数貼り合わせることによって印刷画像を形成する、所謂「拡大印刷機能」が知られている(例えば、特許文献1)。この「拡大印刷機能」を搭載した装置では、印刷画像の一部がそれぞれ印刷された同じ長さの印刷済みテープ片を、平行に貼り合わせることによって印刷画像を形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−157136号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記の方法では、印刷画像が正方形や長方形など、単純な形状であれば問題がないが、三角形や円などの場合は、印刷画像が含まれない非印刷領域が生じてしまう。例えば、図15は、三角形の印刷画像Gを拡大印刷した場合の4枚のテープ片Tの貼付例を示したものであるが、この場合、斜線領域201が非印刷領域となる。特に、拡大印刷を行った場合は、印刷画像Gの外周に沿ってハサミでカットし(図示一点鎖線L0参照)、印刷画像部を切り取って使用することが多いため、非印刷領域に要するテープは廃棄され、無駄となってしまう。
【0005】
また、近年では、カラーテープや模様つきのテープなど、テープの種類も多様化しており、テープによって所望の形状を実現させたいという要望もある。例えば、図16(a)は、テープ片Tのみによって三角形を表現した場合の貼付例を示したものである。また、図16(b)は、印刷画像Gとテープ片Tとによって三角形を表現した場合の貼付例を示したものである。ところが、従来の「拡大印刷機能」では、テープ片を、平行に貼り合わせることが前提となっているため、図16(a)に示した貼付結果を得るためには、適当な長さの空テープを作成して貼り合わせるしか方法がなく、図16(b)に至っては、実現不可能であった。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑み、拡大印刷を行った場合のテープの無駄を削減できると共に、テープによって多様な貼付結果を容易に実現可能な画像データ生成装置、テープ印刷装置、印刷システムおよびプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の画像データ生成装置は、テープ幅より大きな印刷画像の一部である分割印刷画像が印刷されたテープ片を複数貼り合わせることによって印刷画像を形成するための、各テープ片に印刷する分割画像データを複数生成する画像データ生成装置であって、印刷画像と複数のテープ片とを重畳配置した状態を表示する表示手段と、表示手段に表示された各テープ片を、表示手段上でそれぞれ個別に回転およびドラッグさせることにより、各テープ片の配置を指定するテープ配置指定手段と、テープ配置指定手段の指定に基づいて、分割印刷画像を各テープ片に割り当てる印刷画像割り当て手段と、印刷画像割り当て手段の割り当て結果に基づいて、複数の分割画像データを生成する分割画像データ生成手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、印刷画像と複数のテープ片とを重畳配置した状態を表示手段上で確認しながら、各テープ片の配置角度を指定できるため、三角形や円等の印刷画像を形成する場合であっても、印刷画像の画線部に沿ってテープ片を配置することで、配置指定を容易に行うことができると共にテープの無駄を削減できる。また、これにより、テープ片で画線を表現することができるため、多様な貼付結果を容易に実現することができる。この場合、印刷画像を残すことで、印刷画像とテープとによって所望の形状を表現でき、印刷画像を削除することで、テープのみによって所望の形状を表現できる。
【0009】
上記に記載の画像データ生成装置において、テープ配置指定手段は、各テープ片の配置と共に各テープ片のテープ長さを指定可能であり、テープ片は、指定されたテープ長さに関する情報を含む分割画像データに基づいて、長尺状のテープに対し印刷および切断を行うことで作成されることが好ましい。
【0010】
この構成によれば、テープ片が、長尺状のテープを切断して作成される場合にも、本発明を適用できる。また、テープ長さを指定できるため、より多様な貼付結果を容易に実現することができると共に、テープの不要部分を無くすことができるため、テープの無駄をより削減できる。
【0011】
上記に記載の画像データ生成装置において、表示手段は、分割画像データ生成手段の生成結果を、テープ片毎にプレビュー表示するプレビュー表示領域を有することが好ましい。
【0012】
この構成によれば、プレビュー表示を参照することにより、各テープ片の印刷結果を確認できる。また、プレビュー表示により、印刷画像のどの部分に相当するテープ片であるのかを確認したり、テープ片の上下を判別したりできるため、貼付作業を容易に行うことができる。
【0013】
上記に記載の画像データ生成装置において、テープ配置指定手段は、複数のテープ片の一部が重複するように配置指定された場合、その重複部分の指定によって当該重複部分の重なり順序を変更する重なり順序変更手段を有することが好ましい。
【0014】
この構成によれば、ユーザの好みや貼付対象物の形状等に応じて、テープ片の重複部分の重なり順序を変更することができる。
【0015】
上記に記載の画像データ生成装置において、表示手段は、各テープ片の印刷可能領域と印刷不可領域との境界線を表示することが好ましい。
【0016】
この構成によれば、各テープ片の印刷不可領域を認識した上で、各テープ片の配置を指定することができる。すなわち、重複部分の上側に位置するテープ片の端近傍など、印刷不可領域によって印刷画像の一部が欠けてしまう場合があるが、そのことをユーザが予め認識しておくことができる。
なお、「印刷不可領域」とは、部分画像データを印刷する装置側の、印刷機構や切断機構の構成によって生じる、印刷ができない領域を指すものである。また、「印刷可能領域」とは、「印刷不可領域」以外の領域を指すものである。
【0017】
上記に記載の画像データ生成装置において、分割画像データ生成手段により生成された複数の分割画像データの印刷を指示する印刷指示手段と、印刷指示手段の指示にしたがって、複数の分割画像データを出力する分割画像データ出力手段と、をさらに備えたことが好ましい。
【0018】
この構成によれば、画像データ生成装置側で印刷を指示し、印刷を実行する外部装置に分割画像データを出力することができる。
【0019】
上記に記載の画像データ生成装置において、分割画像データ出力手段は、テープ配置指定手段により、複数のテープ片の一部が重複するように配置指定された場合、その重複部分の重なり順序に応じて、各分割画像データの出力順序を決定することが好ましい。
【0020】
この構成によれば、重なり順序が低いもの(最背面に位置するもの)から分割画像データを出力することで、印刷順に貼付作業を行うことができる。これにより、全てのテープ片の印刷を待つ必要が無いため、待ち時間を短縮できると共に、正しい順序で貼付作業を行うことができるため、貼付順序を誤ったために所望の印刷画像が再現できないといった問題を解決できる。
【0021】
上記に記載の画像データ生成装置において、テープ配置指定手段は、各テープ片の配置角度と共に各テープ片のテープ幅を指定可能であり、分割画像データ出力手段は、テープ配置指定手段により指定されたテープ幅に応じて、各分割画像データの出力順序を決定し、分割画像データ出力手段により出力される分割画像データのテープ幅の切り替え時に、その旨を報知するテープ切り替え報知手段をさらに備えたことが好ましい。
【0022】
この構成によれば、ユーザの好みや印刷画像の形状等に応じてテープ幅を指定することができる。また、テープ幅毎にテープの入れ替えが必要な外部装置に分割画像データを出力する場合、テープ幅の切り替え時にその旨が報知されるため、ユーザは当該報知にしたがってテープの入れ替えを行えばよく、印刷作業時に便利である。
【0023】
本発明のテープ印刷装置は、上記のいずれか1項に記載の画像データ生成装置により生成された複数の分割画像データに基づいて、複数のテープ片を作成することを特徴とする。
【0024】
本発明の印刷システムは、上記のいずれか1項に記載の画像データ生成装置と、画像データ生成装置により生成された複数の分割画像データに基づいて、複数のテープ片を作成するテープ印刷装置と、から成ることを特徴とする。
【0025】
本発明のプログラムは、コンピュータを、上位のいずれか1項に記載の画像データ生成装置における各手段として機能させるためのものであることを特徴とする。
【0026】
これらを用いることにより、拡大印刷を行った場合のテープの無駄を削減できると共に、テープによって多様な貼付結果を容易に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本実施形態に係る印刷システムの模式図である。
【図2】画像データ作成装置のブロック図である。
【図3】編集画面の模式図である。
【図4】テープ印刷装置の閉蓋状態における外観斜視図である。
【図5】テープ印刷装置の開蓋状態における外観斜視図である。
【図6】テープ印刷装置のブロック図である。
【図7】編集画面を利用した編集操作の一例を示す図である。
【図8】図7に続く、編集画面を利用した編集操作の一例を示す図である。
【図9】図7、8に続く、編集画面を利用した編集操作の一例を示す図である。
【図10】図7,8,9に続く、編集画面を利用した編集操作の一例を示す図である。
【図11】図7,8,9,10に続く、編集画面を利用した編集操作の一例を示す図である。
【図12】画像データ作成装置における画像データ生成処理を示すフローチャートである。
【図13】本発明を応用したテープ片の作成例を示す図である。
【図14】テープ幅に基づくテープ片の印刷順序を説明するための図である。
【図15】従来技術を説明するための図である。
【図16】従来技術を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付の図面を参照し、本発明の画像データ生成装置、テープ印刷装置、印刷システムおよびプログラムについて説明する。図1は、印刷システム1の模式図である。同図に示すように、印刷システム1は、画像データ作成装置2と、テープ印刷装置3と、から成り、これらはケーブル4を介して接続されている。画像データ作成装置2としては、キーボード11、マウス12およびディスプレイ13等を有する一般的なパーソナルコンピュータを利用可能である。つまり、CD−ROM5に格納されているPCアプリケーション18bおよびプリンタドライバ18c(図2参照)をパーソナルコンピュータにインストールすることによって、本実施形態の画像データ作成装置2として機能させることができる。
【0029】
テープ印刷装置3は、長尺状のテープT(図5参照)を印刷媒体として使用し、画像データ作成装置2から取得した画像データに基づいて、当該テープTに対して印刷および切断を行うことによりテープ片(ラベル)を作成する。
【0030】
なお、本実施形態では、画像データ作成装置2とテープ印刷装置3とをケーブル4を介して直接接続する構成を例示しているが、ネットワーク(インターネットやローカルエリアネットワーク)を介して接続させても良いし、無線通信を介して接続させても良い。
【0031】
次に、図2を参照し、画像データ作成装置2の制御構成について説明する。画像データ作成装置2は、図1に示したキーボード11、マウス12およびディスプレイ13の他、CDドライブ14、接続インターフェース15、CPU16、RAM17、ハードディスク(HDD)18およびこれら各コンポーネントを接続する接続バス19を備えている。
【0032】
CDドライブ14は、CD−ROM5に格納されているデータを読み取るためのものであり、本実施形態ではPCアプリケーション18bおよびプリンタドライバ18cのインストールに用いられる。なお、CD−ROM5は、テープ印刷装置3の付属品としてユーザに提供されるものである。接続インターフェース15は、テープ印刷装置3のコネクタ113とケーブル4を介して接続するための接続口であり、本実施形態ではUSBインターフェースを採用している。
【0033】
CPU16は、各種データの演算処理を行うことによって、画像データ作成装置2全体を制御するものである。RAM17は、接続バス19を介することなくCPU16と直接接続され、CPU16が各種処理を行う際のワークエリアとして用いられる。
【0034】
ハードディスク18は、オペレーティングシステム(OS)18aの他、CD−ROM5から読み取ったPCアプリケーション18bおよびプリンタドライバ18cを記憶している。PCアプリケーション18bは、オペレーティングシステム18aに組み込まれて利用される応用ソフトであり、テープ片Tの編集や印刷画像Gの編集、印刷指示等、後述する各種処理を実行するための処理プログラムを含む。また、プリンタドライバ18cは、オペレーティングシステム18aとテープ印刷装置3との橋渡しを行うものである。
【0035】
ここで、図3を参照し、ユーザがテープ片Tのイメージ画像(以下、単に「テープ片T」と称する)の編集や印刷画像Gの編集を行うために、ディスプレイ13上に表示される編集画面21について説明する。編集画面21は、テープ片Tや印刷画像Gの編集を行うための編集領域22、基本操作を行うための基本操作ツールバー24、入力データとして文字や図形などを入力するための入力ツールバー25、入力データを編集するための編集ツールバー26を表示する。
【0036】
編集領域22では、ユーザがテープ片Tと印刷画像Gとを重畳配置させることにより、各テープ片Tに印刷画像Gの一部を割り当てる。同図の例は、4枚のテープ片T1〜T4を用いて、三角形を示す印刷画像Gの拡大印刷を行う場合を示したものである。ここでは、同一幅且つ同一長さの4枚のテープ片T1〜T4を、間隙なく平行に貼り合わせて、印刷画像Gを形成させる場合を示している(図12のフローチャートにおいて、S03:Noの場合(印刷編集領域モードに設定されていない場合)の編集例を示している)が、本実施形態の画像データ作成装置2は、印刷編集領域モードにおいて、各テープ片Tの長さおよび配置角度を任意に指定可能となっており、これにより拡大印刷を行った場合のテープの無駄を削減できると共に、テープによって多様な貼付結果を実現できるようになっている。詳細については、具体例を挙げて後述する。
【0037】
基本操作ツールバー24は、印刷データを新規作成するための新規作成ボタン31、作成した印刷データを保存するための保存ボタン32、保存しておいた画像データを読み込んで編集領域22に表示させる読込みボタン33、編集領域22に表示されている編集結果に基づいて印刷を実行させるための印刷ボタン34等を有している。
【0038】
入力ツールバー25は、テープ片Tや印刷画像Gなどのオブジェクトを選択するオブジェクト選択ボタン41、文字を入力するための文字入力ボタン42、直線や図形を入力するため各種図形入力ボタン43等を有している。
【0039】
編集ツールバー26は、入力した図形の編集を行うための図形ツールバー51、入力した文字の編集を行うための文字ツールバー52、およびテープ印刷装置3によりラベル(テープ片T)を作成するためのラベル作成ツールバー53により構成されている。図形ツールバー51は、図形の輪郭線の種類や太さ、塗りつぶしを複数の選択肢から選択設定する3つのリストボックス61a、61b、61c(プルダウンメニュー)と、図形に関する各種設定を行うためのウィンドウを表示させる図形設定ウィンドウ表示ボタン62と、を有している。
【0040】
文字ツールバー52は、入力した文字のフォントやサイズを選択設定するリストボックス71a、71b(プルダウンメニュー)と、入力した文字のスタイル(太字や斜体、下線付きなど)や、割付け(例えば、センタリング、右揃えなど)、縦書き・横書き設定、修飾文字(白抜きや縁取り)設定をそれぞれ行うための14個の各種設定ボタン72と、入力した文字に関する各種設定を行うためのウィンドウを表示させる文字設定ウィンドウ表示ボタン73と、を有している。
【0041】
ラベル作成ツールバー53は、作成するテープ片Tの長さを、印刷画像Gの形状や大きさに応じて自動設定する自動設定ボタン81、作成するテープ片Tの長さをスクロールバー82により選択した所定長に設定する定長設定ボタン83、印刷画像Gの前に付す余白の長さを、少なめ、普通、多めの中から選択設定する余白設定リストボックス84、同じく余白の長さをスクロールバー85により数値設定する余白設定ボックス86の他、テープ印刷装置3に装着されているテープT(後述する)のテープ幅を(テープ印刷装置3との通信により)取得して、テープ幅表示ボックス87に表示するテープ幅取得ボタン88を有している。テープ幅表示ボックス87には、スクロールバー89が組み込まれており、テープ幅を手動入力することも可能となっている。
【0042】
次に、図4および図5を参照し、テープ印刷装置3の装置構成について説明する。テープ印刷装置3は、テープTに対して印刷処理を行う装置本体102と、テープTおよびインクリボンRを収容し、装置本体102に着脱自在に装着されるテープカートリッジCとを備えている。
【0043】
装置本体102は、装置ケース103により外殻が形成され、その内部に広く印刷処理部110が構成されている。装置ケース103の前半部上面には、各種キー104を備えたキーボード105が配設されている。装置ケース103の後半部左上面には、開閉蓋106が広く設けられ、開閉蓋106の上面には、テープカートリッジCの装着/非装着を視認するための覗き窓107が形成されると共に、開閉蓋106の前側にはこれを開放する蓋体開放ボタン108が設けられている。後半部右上面には、キーボード105からの入力結果等を表示する長方形のディスプレイ109が形成されている。
【0044】
蓋体開放ボタン108を押して開閉蓋106を開放すると、その内部には、テープカートリッジCが装着されるカートリッジ装着部111が窪入形成されており、カートリッジ装着部111には、テープカートリッジCから繰り出されるテープTに印刷処理を行う印刷ヘッド121が配設されている(図5参照)。
【0045】
装置ケース103の左側部には、カートリッジ装着部111と装置外部とを連通するテープ排出口112が形成され、このテープ排出口112に臨んで装置ケース103には、テープTを切断するためのカッタユニット114が内蔵されている。カッタユニット114は、テープ排出口112に臨むように配設されており、モータ駆動(フルカッタモータ116)により、テープTをハサミ形式で切断するフルカッタ115と、フルカッタ115に対してテープ送り方向下流側に配設され、切断されたテープ片Taを強制的に排出する排出機構と、を備えている(図6参照)。
【0046】
また、図示は省略するが、装置ケース103の右側部には、電源供給のための電源供給口と、画像データ作成装置2等の外部装置と接続するためのコネクタ113(図2参照)が形成されている。また、装置ケース103の内部には、装置本体102を統括制御する制御部117(図6参照)を構成する回路基板が組み込まれている。
【0047】
カートリッジ装着部111には、発熱素子を有しヘッドカバー120に覆われた印刷ヘッド121と、後述するテープリール131の位置決めをする位置決め突起122と、テープカートリッジCのテープTおよびインクリボンRを送り、印刷ヘッド121に対峙するプラテン駆動軸123、およびインクリボンRを巻き取る巻取り駆動軸124とが、突設され、またカートリッジ装着部111の隅部には、複数のマイクロスイッチで構成されたテープ識別センサ125(図6参照)が設けられている。また、カートリッジ装着部111の底板の内側には、プラテン駆動軸123および巻取り駆動軸124を駆動する印刷送りモータ126(図6参照)や減速ギア列等(図示省略)が内蔵されている。
【0048】
テープカートリッジCは、カートリッジケース130の内部に、テープTを巻回したテープリール131と、右下部にインクリボンRを巻回したリボン繰出しリール132およびリボン巻取りリール133とを収容して構成されている。また、テープリール131の左下部には印刷ヘッド121を覆うヘッドカバー120に差し込むための貫通開口134が形成されている。さらに、テープTとインクリボンRとが重なる部分に対応し、上記のプラテン駆動軸123に嵌合して回転駆動するプラテンローラ135が配置されている。
【0049】
テープカートリッジCをカートリッジ装着部111に装着すると、ヘッドカバー120に貫通開口134が、位置決め突起122にテープリール131が、巻取り駆動軸124にリボン巻取りリール133が、プラテン駆動軸123にプラテンローラ135が、それぞれ差し込まれ、この状態で開閉蓋106を閉蓋すると、これに連動して、印刷ヘッド121がテープTおよびインクリボンRを挟み込んでプラテンローラ135に当接し、印刷待機状態となる。そして、画像データ作成装置2から送信された画像データに基づき、プラテン駆動軸123および巻取り駆動軸124が同期回転して、テープTおよびインクリボンRを送りながら、印刷ヘッド121により印刷処理が行われる。これと共に、リボン繰出しリール132から繰り出されたインクリボンRは、貫通開口134の開口壁を周回してリボン巻取りリール133に巻き取られる。印刷処理後のテープTは、印刷済み部分がフルカッタ115によりカットされ、カットされたテープ片Tがテープ排出口112から外部に排出される。
【0050】
テープTは、裏面に粘着剤層が塗着された記録テープTaと、この粘着剤層により記録テープTaに貼付された剥離テープTbとから構成されている。そして、テープTは、記録テープTaを外側にし、かつ剥離テープTbを内側にしてロール状に巻回されてカートリッジケース130内に収容されている。テープTには、テープ幅が6mmから24mmまでの複数種のものが用意されている。カートリッジケースCの裏面には、小さな複数の被検出孔(図示省略)が形成され、上記のテープ識別センサ125によってこの複数の被検出孔が識別され、テープTの種別(テープTの幅、材質、デザイン、カラー等)を識別できるようになっている。
【0051】
次に、図6を参照し、テープ印刷装置3の制御構成について説明する。テープ印刷装置3は、データ入出力部141、操作部142、印刷処理部110、切断部143、検出部144、駆動部149、およびこれら各部と接続され、テープ印刷装置3全体を制御する制御部117により構成されている。
【0052】
データ入出力部141は、データ供給インターフェース(DS−IF)140を有し、コネクタ113を介して画像データ作成装置2から画像データを入力すると共に各種コマンドやステータスを入出力する。操作部142は、キーボード105およびディスプレイ109を有し、ユーザによる文字情報の入力や各種情報の表示等のユーザーインターフェースを司る。
【0053】
印刷処理部110は、テープカートリッジC、印刷ヘッド121および印刷送りモータ126を有し、テープTおよびインクリボンRを送りながらテープT上に入力または受信した文字情報や画像データを印刷する。切断部143は、フルカッタ115およびこれらを駆動するフルカッタモータ116を有し、印刷済みのテープTにフルカットを行う。
【0054】
検出部144は、テープ識別センサ125の他、印刷送りモータ126の回転速度を検出する回転速度センサ(図示省略)等のセンサを有し、各種検出を行う。駆動部149は、ディスプレイドライバ145、ヘッドドライバ146、印刷送りモータドライバ147、カッタモータドライバ148を有し、各部を駆動する。
【0055】
制御部117は、CPU150、ROM151、RAM152および入力制御装置153(IOC:Input Output Controller)を備え、互いに内部バス154により接続されている。そして、CPU150はROM151内の制御プログラムにしたがって、IOC153を介してテープ印刷装置3の各部から各種信号・データを入力する。また、入力した各種信号・データに基づいて、RAM152内の各種データを処理し、IOC153を介してテープ印刷装置3内の各部に各種信号データを出力することにより、印刷処理等を制御する。例えば、データ供給インターフェース140を介して、データ作成装置2から画像データを取得すると、CPU150は、当該画像データをビットマップデータに展開してRAM152内のバッファに一時的に格納する。そして、駆動部149に対して印刷ヘッド121や印刷送りモータ126を駆動させるための指令を送って印刷処理を実行させ、さらに駆動部149に対してフルカッタモータ116を駆動させるための指令を送って切断処理を実行させることにより、印刷済みのテープ片Tを作成する。
【0056】
次に、図7ないし図11を参照し、画像データ作成装置2の編集画面21を利用した編集操作について説明する。なお、図7ないし図11では、編集画面21に含まれる基本操作ツールバー24、入力ツールバー25および編集ツールバー26(いずれも図3参照)について、図示を省略する。
【0057】
まず、テープ片の編集操作について説明する。図7(a)に示すように、設定メニューM1から「印刷領域編集」が選択されることにより、印刷領域編集モードに設定する。印刷領域編集モードでは、編集画面21のテープ幅表示ボックス87に表示されているテープ幅(図3参照)であって、且つ当該テープ幅に応じた所定長さのテープ片T1を表示する。
【0058】
なお、印刷領域編集モードが選択されない場合は、図3に示したように、拡大印刷の指定にしたがって、印刷画像Gの横方向における大きさに応じたテープ長さのテープ片Tを平行に複数枚並設し、これら印刷画像Gと各テープ片Tとの配置に基づいて、各テープ片Tに分割印刷画像を印刷するための分割画像データを生成する。すなわち、印刷画像Gに応じて、各テープ片Tのテープ長さおよび配置を自動的に設定する。
【0059】
図7(b)に示すように、印刷領域編集モードでは、テープ片T上にマウスポインタがある状態でマウス12が右クリックされると、右クリックメニューM2を表示する。この右クリックメニューM2から「テープ追加」が選択されると、図8(a)に示すように、新たなテープ片T2を編集領域22に表示する。なお、右クリックメニューM2から「貼り付け」が選択されると、前回切り取ったテープ片を編集領域22に貼り付けることができる(図示省略)。また、右クリックメニューM2から「テープ幅」が選択されると、テープ幅の選択肢をさらに表示し、その中からユーザが選択したテープ幅に変更することができる。
【0060】
図8(a)に示した2枚のテープ片T1,T2は、図8(b)に示すように、それぞれ個別に配置角度を変更したり(回転させたり)、ドラッグしたりすることにより、配置を指定することが可能となっている。また、特に図示しないが、テープ片T1の周囲に配置された所定のマークをドラッグすることによりテープ片Tのテープ長さを調整することも可能である。
【0061】
図9(a)は、図8(b)に示す状態から、テープ片T1を上側に移動させ、テープ片T2を、その下端部がテープ片T1に接するように左側に移動させ、さらに新たにテープ片T3を追加して、3枚のテープ片T1,T2,T3により三角形を表現するように、各テープ片Tを配置した状態を示したものである。以上のような操作によって、テープ片Tの編集を行う。なお、図9(a)に示した状態で印刷実行が指示された場合は、無地のテープ片T1,T2,T3が作成されることとなる。すなわち、テープTのみで図形を表現したい場合は、テープ片Tの編集のみを行って印刷実行を指示すれば良い。
【0062】
続いて、印刷画像Gの編集操作について説明する。ユーザは出来上がりのラベルの状態をイメージしながら、印刷画像Gを作成し、作成した印刷画像Gを、テープ片T上に重畳配置する。図9(b)は、図9(a)に示した配置のテープ片T1,T2,T3上に、ユーザが作成した三角形の印刷画像Gを、重畳配置した状態を示したものである。なお、印刷画像Gとしては、図示したような画線部のみの図形ではなく、画線の内側が塗りつぶされた図形であっても良いし、画線が連続していない離間した図柄(例えば、「○ ○」など)であっても良い。
【0063】
また、テープ片T上に印刷画像Gを配置した後、図10(a)に示すように、再度テープ片Tの編集を行うことが可能である。図示の例は、テープ片T1の位置(配置)が調整されている状態を示している。この他、図7(b)に示したように、この時点で右クリックメニューM2によりテープ幅を変更させることが可能である。テープ幅を変更した場合(複数のテープ幅のテープ片Tを使用する場合)は、テープ印刷装置3のテープカートリッジCを入れ替える必要があるため、テープ幅の切り替え時に「テープ幅○○のテープカートリッジに入れ替えてください」などのメッセージを、編集画面21上に表示する。また、同じく右クリックメニューM2によって、テープ片T同士の重なり順序(前後関係)を変更することも可能である。重なり順序の変更は、例えばテープ片T1とテープ片T3の重なり順序を変更する場合、重複部分W1にマウスポインタが位置している状態でダブルクリックを行ったり、重複部分W1にマウスポインタが位置している状態で右クリックメニューM2を表示して重なり順序を変更するための選択肢を選択することにより、実行可能である。
【0064】
ところで、図10(b)に示すように、表示メニューM3の中から「印刷領域表示」が選択されると、印刷領域表示モードに設定し、各テープ片Tの印刷可能領域と印刷不可領域との境界を示す印刷境界線L1を点線で表示する。「印刷不可領域」とは、テープ印刷装置3側の、印刷処理部110や切断部143の構成によって生じる、テープ片Tの周縁部の印刷ができない領域を指すものである。したがって、印刷境界線L1を表示することにより、ユーザは各テープ片Tの印刷不可領域を認識した上で編集を行うことができる。図示の例の場合、テープ片T1とテープ片T2との重複部分であってテープ片T2の印刷不可領域の一部P1、テープ片T1とテープ片T3との重複部分であってテープ片T3の印刷不可領域の一部P2、テープ片T2とテープ片T3との重複部分であってテープ片T3の印刷不可領域の一部P3、の3箇所に相当する印刷画像Gの画線部が欠けてしまうこととなる。
【0065】
なお、図10(b)では、画線部が欠けていない状態を示しているが、印刷不可領域(印刷境界線L1の外側)に重なる印刷画像Gを非表示とすることで、実際にテープ片Tを貼付したときの印刷画像Gの形成状態を確認できるようにしても良い。また、作成されたテープ片Tから印刷境界線L1に沿って印刷不可領域を切り落とすことによって、画線部が欠けていない印刷画像Gを再現することも当然可能である。
【0066】
テープ片Tの編集および印刷画像Gの編集を終えた後、図11(a)に示すように、表示メニューM4から「プレビュー」が選択されると、図11(b)に示すように、印刷確認画面23(プレビュー表示領域)を表示する。印刷確認画面23では、図11(b)の編集領域22に表示されている印刷画像Gとテープ片Tの配置に基づいて、各テープ片Tに印刷画像Gの一部を割り当て、その割当結果に基づいて生成した分割画像データを、テープ片T毎にプレビュー表示する。また、印刷確認画面23では、印刷領域表示モードが設定されているか否かに関わらず、印刷不可領域を示すための印刷境界線L1を表示し、印刷境界線L1の外側(印刷不可領域)には印刷画像Gを表示しない(実際の印刷結果を表示する)。
【0067】
また、図11(b)の印刷確認画面23は、テープ片T1、テープ片T2、テープ片T3の順に分割画像データが出力されることを示している。この出力順序は、テープ片Tの重なり順序に基づくものである。つまり、一番背面に位置するテープ片Tから、テープ印刷装置3に分割画像データを出力すると、その出力順序にしたがってテープ片Tが作成されるため、ユーザは作成された順序にしたがってテープ片Tの貼付を行うことができるようになっている。印刷確認画面23下部の印刷ボタンBT1がクリックされると、印刷(分割画像データのテープ印刷装置3への出力)を実行し、キャンセルボタンBT2がクリックされると、印刷確認画面23を閉じる。
【0068】
次に、図12のフローチャートを参照し、画像データ作成装置2において実行される画像データ生成処理について説明する。なお、当該画像データ生成処理は、CPU16を主体として実行されるものであり、以下の説明においては適宜主語を省略する。キーボード11やマウス12の操作によってPCアプリケーション18bの起動が指示されると、これにしたがってPCアプリケーション18bを起動し(S01)、編集画面21(図3等参照)を表示する(S02,表示手段)。
【0069】
編集画面21における設定メニューM1(図7(a)参照)によって印刷領域編集モードに設定されると(S03:Yes)、まずテープ片T(印刷領域)の編集処理を行う(S04)。当該ステップでは、テープ片Tの配置角度を指定したり(テープ配置指定手段)、テープ片T同士の重なり順序を変更したり(重なり順序変更手段)といった処理を行う。
【0070】
続いて、印刷画像G(文字や図形など)の編集処理を行う(S05)。当該ステップでは、複数のテープ片Tに印刷画像Gを重畳配置することで、各テープ片Tに印刷画像Gの一部を割り当てる(印刷画像割り当て手段)。テープ片Tおよび印刷画像Gの編集を終え、表示メニューM4(図11(a)参照)によってプレビューモードに設定されると、プレビュー表示を行う(S06,表示手段)。当該ステップでは、S04およびS05の編集結果に基づいて、複数のテープ片Tに印刷するための複数の分割画像データを生成し(分割画像データ生成手段)、各分割画像データをテープ片T毎に印刷確認画面23に表示する。
【0071】
ユーザがプレビュー表示を確認し、確認OKの場合は印刷ボタンBT1(図11(b)参照)の押下によって印刷指示を行う(S07:Yes,印刷指示手段)。プレビュー表示の内容で印刷を実行しない場合は(S07:No)、キャンセルボタンBT2(図11(b)参照)の押下によって編集処理を続ける。
【0072】
印刷指示が行なわれると(S07:Yes)、生成した複数の分割画像データをテープ印刷装置3に出力し(S08,分割画像データ出力手段)、処理を終了する。一方、設定メニューM1(図7(a)参照)によって印刷領域編集モードに設定されない場合は(S03:No)、テープ片Tの編集を行うことなく、印刷画像Gの編集のみを行い(S09)、その編集結果に基づいて分割画像データを出力する(S07)。
【0073】
以上、説明したとおり、本実施形態の画像データ作成装置2によれば、印刷画像Gと複数のテープ片Tとを重畳配置した状態をディスプレイ2上で確認しながら、各テープ片Tの配置角度を指定できるため、三角形や円等の印刷画像Gを複数のテープ片Tの貼り合わせによって形成する場合であっても、印刷画像Gの画線部に沿って各テープ片Tを配置することで、テープの無駄を削減できる。また、これにより、テープ片Tで画線を表現することができるため、多様な貼付結果を実現することができる。つまり、図9(a)に示したように、テープ片Tだけで三角形を表現することで、今までのテープ印刷装置では実現し得なかった貼付結果を得ることができる。
【0074】
また、画像データ作成装置2は、各テープ片Tの配置角度だけでなく、各テープ片Tのテープ長さを指定可能であり、テープ印刷装置3に出力する分割画像データには、切断を指示するデータも含まれるため、テープ印刷装置3は、予め所定長に切断されたテープ片Tではなく、長尺状のテープを切断してテープ片Tを作成することができる。これにより、任意長のテープ片Tを作成することができ、より多様な貼付結果を実現することができる。さらに、右クリックメニューにより、テープ片Tの重複部分の重なり順序を変更したり、テープ幅を指定したりすることができるため、ユーザの好みに応じた貼付結果を得ることができる。
【0075】
また、画像データ作成装置2は、テープ片Tや印刷画像Gの編集後、印刷確認画面23により、テープ片T毎の印刷プレビューを表示するため、各テープ片Tが印刷画像Gのどの部分に相当するかを確認したり、テープ片Tの上下を判別したりできるため、貼付作業を容易に行うことができる。また、印刷確認画面23や編集領域22において、各テープ片Tの印刷境界線L1を表示するため、各テープ片Tの印刷不可領域にかかる印刷画像Gの一部が欠けてしまうことを予め認識した上で、各テープ片Tの配置を指定することができる。
【0076】
また、画像データ作成装置2は、複数のテープ片Tの一部が重複するように配置指定された場合、その重複部分の重なり順序に応じて、各分割画像データをテープ印刷装置3に出力するため、ユーザは印刷順に貼付作業を行うことができる。これにより、全てのテープ片Tの印刷を待つ必要が無いため、待ち時間を短縮できると共に、正しい順序で貼付作業を行うことができるため、貼付順序を誤ったために所望の印刷画像Gが再現できないといった問題を解決できる。
【0077】
なお、上記の実施形態において、編集領域22に表示されているテープ片Tと、印刷確認画面23に表示されているテープ片Tとの対応付けが容易となるように、各テープ片Tを識別するための情報を、編集領域22および印刷確認画面23に表示することが好ましい。この場合、テープ片Tの作成順序や出力順序に応じて、各テープ片Tに自動的にテープ番号を付すようにしても良いし、テープ片T別に色分け表示しても良い。
【0078】
また、貼付作業が容易となるように、上記のテープ番号をテープ片T上に印刷するようにしても良い。この場合、図13(a)に示すように、テープ片T同士の重複部分によって隠れる領域が存在するテープ片Tについては(図示の例の場合、テープ片T1およびテープ片T2)、その隠れる領域にテープ片Tのテープ番号を印刷しても良い。また、テープ印刷装置3がピール部付加機能(テープの剥離が容易となるようにテープ片Tの端付近を幅方向にハーフカットしてピール部を付加する機能)を有する場合は、図13(b)に示すように、ピール部にテープ番号を印刷しても良い。また、図13(c)に示すように、テープ片Tを他のテープ片Tに重ねて貼付する場合のガイド線L2と、重ねる側のテープ番号とを、重ねられる側のテープ片T上に印刷することで、より見栄えの良い貼付結果を得ることができる。
【0079】
また、上記の実施形態では、テープ片Tの重なり順序に基づいて分割画像データの出力順序が決定されるものとしたが、重なり順序に関係なく、テープ片Tの編集順序や、テープ片Tの配置等に応じて出力順序を決定するようにしても良い。
【0080】
また、テープ片Tの重なりだけでなく、テープ幅も考慮して(テープ幅を優先して)出力順序を決定するようにしても良い。図14は、テープ幅が同一のテープ片T1,T3と、これらテープ片T1,T3とテープ幅が異なるテープ片T3と、によって拡大された印刷画像Gを形成する場合の貼付結果を示したものである。この例において、テープ片Tの重なり順序のみに基づいて分割画像データが出力されるものとすると、テープ片T1、テープ片T3、テープ片T2の順に出力されることとなる。しかしながら、テープ幅別に出力することを優先すると、テープ片T1、テープ片T2、テープ片T3の順に出力させることができる。これにより、テープカートリッジCの入れ替え回数を少なくすることができ、ユーザの手間を軽減できる。
【0081】
また、上記のように、テープ幅別に分割画像データを出力する場合、画像データ作成装置2に、テープ幅の切り替え時にその旨を報知する報知手段(ディスプレイ表示や音声ガイダンス機能)を搭載することが好ましい。この構成によれば、「次は、テープ幅○○mmのテープカートリッジに交換してください」などの報知にしたがってテープ印刷装置3のテープカートリッジCを入れ替えればよく、印刷作業時に便利である。
【0082】
また、上記の実施形態に示した、PCアプリケーション18bをプログラムとして提供することが可能である。また、そのプログラムを各種記録媒体(CD−ROM、フラッシュメモリ等)に格納して提供することも可能である。すなわち、PCアプリケーション18b自体、およびそれを記録した記録媒体も、本発明の権利範囲に含まれるものである。
【0083】
また、上記の実施形態では、印刷システム1として構成したが、テープ印刷装置3にPCアプリケーション18bの機能を設け、テープ印刷装置3を単体として用いて、テープ片Tや印刷画像Gの編集処理や印刷処理を行うようにしてもよい。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0084】
1…印刷システム 2…画像データ作成装置 3…テープ印刷装置 18b…PCアプリケーション 21…編集画面 22…編集領域 23…印刷確認画面 C…テープカートリッジ G…印刷画像 L0…ハサミによるカット線 L1…印刷境界線 T…テープ片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テープ幅より大きな印刷画像の一部である分割印刷画像が印刷されたテープ片を複数貼り合わせることによって前記印刷画像を形成するための、各テープ片に印刷する分割画像データを複数生成する画像データ生成装置であって、
前記印刷画像と前記複数のテープ片とを重畳配置した状態を表示する表示手段と、
前記表示手段に表示された各テープ片を、前記表示手段上でそれぞれ個別に回転およびドラッグさせることにより、各テープ片の配置を指定するテープ配置指定手段と、
前記テープ配置指定手段の指定に基づいて、前記分割印刷画像を各テープ片に割り当てる印刷画像割り当て手段と、
前記印刷画像割り当て手段の割り当て結果に基づいて、前記複数の分割画像データを生成する分割画像データ生成手段と、を備えたことを特徴とする画像データ生成装置。
【請求項2】
前記テープ配置指定手段は、各テープ片の配置と共に各テープ片のテープ長さを指定可能であり、
前記テープ片は、指定された前記テープ長さに関する情報を含む前記分割画像データに基づいて、長尺状のテープに対し印刷および切断を行うことで作成されることを特徴とする請求項1に記載の画像データ生成装置。
【請求項3】
前記表示手段は、前記分割画像データ生成手段の生成結果を、前記テープ片毎にプレビュー表示するプレビュー表示領域を有することを特徴とする請求項1または2に記載の画像データ生成装置。
【請求項4】
前記テープ配置指定手段は、前記複数のテープ片の一部が重複するように配置指定された場合、その重複部分の指定によって当該重複部分の重なり順序を変更する重なり順序変更手段を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像データ生成装置。
【請求項5】
前記表示手段は、各テープ片の印刷可能領域と印刷不可領域との境界線を表示することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像データ生成装置。
【請求項6】
前記分割画像データ生成手段により生成された前記複数の分割画像データの印刷を指示する印刷指示手段と、
前記印刷指示手段の指示にしたがって、前記複数の分割画像データを出力する分割画像データ出力手段と、をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の画像データ生成装置。
【請求項7】
前記分割画像データ出力手段は、前記テープ配置指定手段により、前記複数のテープ片の一部が重複するように配置指定された場合、その重複部分の重なり順序に応じて、各分割画像データの出力順序を決定することを特徴とする請求項6に記載の画像データ生成装置。
【請求項8】
前記テープ配置指定手段は、各テープ片の配置角度と共に各テープ片のテープ幅を指定可能であり、
前記分割画像データ出力手段は、前記テープ配置指定手段により指定された前記テープ幅に応じて、各分割画像データの出力順序を決定し、
前記分割画像データ出力手段により出力される前記分割画像データの前記テープ幅の切り替え時に、その旨を報知するテープ切り替え報知手段をさらに備えたことを特徴とする請求項6または7に記載の画像データ生成装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか1項に記載の画像データ生成装置により生成された前記複数の分割画像データに基づいて、前記複数のテープ片を作成することを特徴とするテープ印刷装置。
【請求項10】
請求項1ないし8のいずれか1項に記載の画像データ生成装置と、
前記画像データ生成装置により生成された前記複数の分割画像データに基づいて、前記複数のテープ片を作成するテープ印刷装置と、から成ることを特徴とする印刷システム。
【請求項11】
コンピュータを、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の画像データ生成装置における各手段として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−12207(P2013−12207A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−172928(P2012−172928)
【出願日】平成24年8月3日(2012.8.3)
【分割の表示】特願2007−128571(P2007−128571)の分割
【原出願日】平成19年5月14日(2007.5.14)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】