説明

画像ファイル転送システム

【課題】 画像送信装置から画像受信装置に送信する画像ファイルをユーザがきれいな画像を見ながら選択する。
【解決手段】
画像送信装置は、記憶されている画像ファイルを再生し、画像データを生成し、生成した画像データを、第1通信ラインを介して画像受信装置に送信する。画像受信装置は、第1通信ラインを介して画像送信装置から画像データを受信し、画像を表示部に表示させる。画像受信装置は、表示部に表示された画像の中から、画像受信装置に送信すべき画像をユーザ操作に応じて選択し、選択された画像の画像ファイルを送信する指示を画像送信装置に送信する。画像送信装置は、画像受信装置から、選択された画像の画像ファイルを送信する指示を受信した場合に、選択された画像の画像ファイルを、第2通信ラインを介して画像受信装置に送信する。画像受信装置は、選択された画像の画像ファイルを、第2通信ラインを介して前記画像送信装置から受信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像ファイル転送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラで撮影した画像ファイルをUSB経由でデジタルフォトフレーム(以下、単にフォトフレームという。)に転送し、フォトフレームに挿入されたメモリ(又はフォトフレームに内蔵されたメモリ)に画像ファイルを保存し、フォトフレームにおいて画像ファイルを再生して画像を表示するシステムが利用されている。
【0003】
デジタルカメラが保有する多数の画像ファイルの中から、フォトフレームに転送して保存する画像ファイルをユーザ操作によって選択する際に、デジタルカメラに設けられている小型の液晶ディプレイに画像を表示し、ユーザ操作によって選択するようになっている。しかし、デジタルカメラに設けられている液晶ディスプレイでは画像を高画質で表示することが困難であるので、画像ファイルの選別が困難である。例えば、類似の画像ファイルが多数存在する場合に、ユーザが目で見て最もきれいに撮影されている画像ファイルを選択するような場合に、最適な画像ファイルを選択することが困難である。また、デジタルカメラが保有する全画像ファイルをフォトフレームに転送して記録すると、フォトフレームのメモリ容量が不足するという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−151708号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、画像送信装置から画像受信装置に送信する画像ファイルをユーザがきれいな画像を見ながら選択することができる画像ファイル転送システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の好ましい実施形態による画像ファイル転送システムは、画像送信装置と、前記画像送信装置と第1通信ライン及び第2通信ラインを介して接続可能な画像受信装置とを備え、前記画像送信装置が、画像ファイルを記憶するための第1記憶手段と、前記第1記憶手段に記憶されている画像ファイルを再生し、画像データを生成する再生手段と、前記再生手段によって再生された画像データを、前記第1通信ラインを介して前記画像受信装置に送信する画像データ送信手段と、前記画像受信装置から、選択された画像の画像ファイルを送信する指示を受信した場合に、選択された画像の画像ファイルを、前記第2通信ラインを介して前記画像受信装置に送信する画像ファイル送信手段とを有し、前記画像受信装置が、前記第1通信ラインを介して前記画像送信装置から画像データを受信する画像データ受信手段と、前記画像データ受信手段によって受信された画像データに基づいて、画像を表示部に表示させる表示手段と、前記表示部に表示された画像の中から、前記画像受信装置に送信すべき画像をユーザ操作に応じて選択し、選択された画像の画像ファイルを送信する指示を前記画像送信装置に送信する指示手段と、選択された画像の画像ファイルを、前記第2通信ラインを介して前記画像送信装置から受信する画像ファイル受信手段と、前記画像ファイル受信手段によって受信された画像ファイルを記憶するための第2記憶手段とを有する。
【0007】
本実施形態によると、画像送信装置は、第1記憶手段に記憶されている画像ファイルを再生し、画像データを生成し、生成した画像データを、第1通信ラインを介して画像受信装置に送信する。画像受信装置は、第1通信ラインを介して画像送信装置から画像データを受信し、画像を表示部に表示させる。画像受信装置は、表示部に表示された画像の中から、画像受信装置に送信すべき画像をユーザ操作に応じて選択し、選択された画像の画像ファイルを送信する指示を画像送信装置に送信する。画像送信装置は、画像受信装置から、選択された画像の画像ファイルを送信する指示を受信した場合に、選択された画像の画像ファイルを、第2通信ラインを介して画像受信装置に送信する。画像受信装置は、選択された画像の画像ファイルを、第2通信ラインを介して画像送信装置から受信する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、以上の構成を有することによって、画像送信装置から画像受信装置に送信する画像ファイルをユーザがきれいな画像を見ながら選択することができる画像ファイル転送システムを提供することができる。また、画像送信装置が画像ファイルを再生して、画像データを画像受信装置に送信するので、送信する画像ファイルを選択するために画像ファイル自体を画像受信装置に送信する必要がない。従って、画像受信装置の第2記憶手段の容量を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】画像ファイル転送システムの構成を示すブロック図である。
【図2】フラグ管理テーブルを示す図である。
【図3】画像選択画面を示す図である。
【図4】フォトフレーム20の処理を示すフローチャートである。
【図5】デジタルカメラ10の処理を示すフローチャートである。
【図6】画像選択画面を示す図である。
【図7】フォトフレーム20の処理を示すフローチャートである。
【図8】デジタルカメラ10の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照して具体的に説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。図1は、本発明の好ましい実施形態による画像ファイル転送システムを示す概略ブロック図である。画像ファイル転送システムは、画像送信装置(本例ではデジタルカメラ)10と、画像受信装置(本例ではフォトフレーム)20とを備える。
【0011】
デジタルカメラ10と、フォトフレーム20とは、HDMIケーブル及びUSBケーブルを介して相互に接続されている。HDMIケーブルは、画像データ及び制御データを送受信するための第1通信ラインである。USBケーブルは、画像ファイルを送受信するための第2通信ラインである。なお、第1通信ラインは、画像データを送受信するケーブルと、制御信号を送受信するケーブルとが別個に設けられていてもよい。画像ファイルは、任意の適切なフォーマット(例えばJPEG等)で画像データを圧縮したデータである。デジタルカメラ10及びフォトフレーム20は、画像ファイルの形式で画像を保存する。そして、デジタルカメラ10及びフォトフレーム20は、画像を表示する際に、画像ファイルを伸張し、画像ファイルから画像データを生成する。
【0012】
画像ファイル転送システムによると、デジタルカメラ10は、画像ファイルを再生し画像データを、HDMIケーブルを介してフォトフレーム20に送信する。フォトフレーム20は、HDMIケーブルを介して画像データを受信し、画像データを含む画像選択画面を表示部に表示する。表示された画像の中から、ユーザ操作によって、デジタルカメラ10から転送されフォトフレーム20に保存すべき画像ファイルが選択される。デジタルカメラ10は、選択された画像ファイルをUSB経由でフォトフレーム20に送信する。フォトフレーム20は、USB経由で受信した画像ファイルをメモリに保存する。
【0013】
デジタルカメラ10は、制御部11と、メモリ(ROM、RAM、フラッシュメモリ等)12と、撮影部13と、メモリスロット14と、再生部15と、HDMI送信部16と、表示部17と、操作部18と、HDMI出力端子19aと、USB端子19bとを概略備える。
【0014】
制御部11は、メモリ12に格納されているデジタルカメラの動作プログラムを実行することによって、デジタルカメラ10の各部を制御するものであり、マイコンやCPU等である。すなわち、制御部11は、後述するフローチャートの動作を実行する。
【0015】
メモリ12(フラッシュメモリ)には、撮影部13によって撮影された画像データが圧縮された画像ファイルが保存される。メモリ12(RAM)には、図2に示すフラグ管理テーブルが生成される。フラグ管理テーブルは、メモリ12および/または外部メモリに保存されている画像ファイルの各々に関して、フォトフレームに転送するかどうかを決定する情報(コピー対象フラグ)を管理するテーブルである。図2において、コピー対象フラグが「ON」に設定されている画像ファイルのみがフォトフレームに転送されることを意味している。また、フラグ管理テーブルは、メモリ12および/または外部メモリに保存されている画像ファイルの各々に関して、既にフォトフレームに画像ファイルを転送済みであるかどうかを示す情報(コピー済みフラグ)を管理するテーブルである。図2において、コピー済みフラグが「OK」に設定されている画像ファイルは既にフォトフレームに転送済みである。
【0016】
撮影部13は、デジタルカメラ10のカメラとして機能を実現する部分であり、被写体を撮影するためのレンズ、シャッター、フラッシュ、センサ、画像圧縮部等を含む。メモリスロット14は、外部メモリ(フラッシュメモリ、SDメモリカード等)を挿入するためのスロットである。
【0017】
再生部15は、メモリ12又は外部メモリに保存されている画像ファイルを再生(伸張)し、画像データを生成する。再生部15は、再生した画像データを表示部17に表示させる、又は、HDMI送信部16に供給する。
【0018】
HDMI送信部16は、再生部15から供給された画像データをHDMIデータに変換し、変換したHDMIデータをHDMI出力端子19aを介してフォトフレーム20に供給する。表示部17は、再生部15から供給された画像データを表示するものであり、液晶ディスプレイ等である。表示部17は、一般的に、後述するフォトフレーム20の表示部25よりもサイズが小さく、対応する解像度は低解像度である。操作部18は、ユーザ操作を受け付けるものであり、デジタルカメラの筐体に設けられた操作ボタンやタッチパネル等である。
【0019】
HDMI出力端子19aは、フォトフレーム20のHDMI入力端子27aとHDMIケーブルを介して接続可能であり、HDMIデータ(画像データ)を出力する。HDMIには、HDMIデータを送受信するためのTMDSラインおよび制御信号を送受信するためのCECライン等が存在する。USB端子19bは、フォトフレーム20のUSB端子27bとUSB経由で接続可能であり、画像ファイルを転送する。
【0020】
フォトフレーム20は、制御部21と、メモリ(ROM、RAM、フラッシュメモリ等)22と、メモリスロット23と、HDMI受信部24と、表示部25と、操作部26と、HDMI入力端子27aと、USB端子27bとを概略備える。
【0021】
制御部21は、メモリ22に格納されているフォトフレームの動作プログラムを実行することによって、フォトフレーム20の各部を制御するものであり、マイコンやCPU等である。すなわち、制御部11は、後述するフローチャートの動作を実行する。
【0022】
メモリ22(フラッシュメモリ)には、デジタルカメラから転送された画像ファイルが保存される。メモリスロット23は、外部メモリ(フラッシュメモリ、SDメモリカード等)を挿入するためのスロットである。外部メモリにはデジタルカメラから転送された画像ファイルが保存される。
【0023】
HDMI受信部24は、HDMI入力端子27aを介してデジタルカメラから供給されるHDMIデータを受信し、HDMIデータを元の(HDMI変換前の)画像データに変換し、画像データを表示部25に供給する。
【0024】
表示部25は、HDMI受信部24から供給される画像データを含む画像選択画面を表示するものであり、液晶ディスプレイ等である。上記の通り、表示部27は、一般的に、デジタルカメラ10の表示部17よりもサイズが大きく、対応する解像度は高解像度である。図3は、表示部25に表示される画像選択画面を示す図である。図3に示すように、一実施例による画像選択画面は、デジタルカメラ10からHDMI経由で受信した画像データに基づく画像31と、ボタン32〜35とを含む。
【0025】
ボタン32は、画像選択画面に表示する画像を前の画像へ戻すためのボタンである。ボタン33は、画像選択画面に表示する画像を次の画像に進めるためのボタンである。ボタン34は、現在表示されている画像の画像ファイルを、デジタルカメラ10に転送させるために選択するためのボタンである。ボタン35は、選択を終了し、これまでに選択した画像ファイルをデジタルカメラ10に転送させるためのボタンである。
【0026】
図1に戻って、操作部26は、ユーザ操作を受け付けるものであり、フォトフレーム20の筐体に設けられた操作ボタン又はリモコン送受信機等である。HDMI入力端子27aは、HDMIケーブルを介してデジタルカメラ10のHDMI出力端子19aに接続可能であり、HDMIデータが入力される。USB端子27bは、USBケーブルを介してデジタルカメラ10のUSB端子19bに接続可能である。
【0027】
図4は、フォトフレーム20の制御部21の処理を示すフローチャートである。図5は、デジタルカメラ11の制御部11の処理を示すフローチャートである。図4に示すように、フォトフレーム20の制御部21は、ユーザ操作によって画像選択画面の表示指示が入力されたか否かを判断する(S101)。入力された場合(S101でYES)、制御部21は、入力セレクタとしてHDMI入力端子27aを選択する(S102)。なお、HDMI入力端子27aとUSB端子27bとの両方を同時に使用できる場合、HDMI入力端子27aとUSB端子27bとの両方を有効にしておくとよい。続いて、制御部21は、画像データをHDMI経由で送信するように、CECラインを介してデジタルカメラ10に要求を送信する(S103)。
【0028】
図5に示すようにデジタルカメラ10の制御部11は、最初に出力セレクタとしてHDMI出力端子を選択する(S201)。なお、HDMI出力端子19aとUSB端子19bとの両方を同時に使用できる場合、HDMI出力端子19aとUSB端子19bとの両方を有効にしておくとよい。制御部11は、CECラインを介して、画像データの送信要求を受信したか否かを判断する(S202)。受信した場合、制御部11は、メモリ12及び/又は外部メモリに記憶されている複数の画像ファイルの中から(例えばファイル名の昇順に)画像ファイルを1つ選択する。なお、このときに図2のフラグ管理テーブルにおいてコピー済みフラグが「OK」に設定されている画像ファイルは選択されないようにする。制御部11は、選択した画像ファイルを再生部15に再生させ、HDMI送信部16にHDMIデータに変換させ、HDMI出力端子19aからHDMIデータを出力させる(S203)。
【0029】
図4に示すように、フォトフレーム20の制御部21は、HDMIデータを受信すると、受信したHDMIデータから変換された画像データを使用して、図3に示す画像選択画面を生成し、表示部25に表示させる(S104)。
【0030】
ユーザは、図3の画像選択画面に表示された画像を見て、この画像の画像ファイルをデジタルカメラから受信してフォトフレーム20のメモリに保存するかを検討する。フォトフレーム20への保存を希望する場合には、操作部26を操作して画像選択画面のボタン34を操作する。
【0031】
制御部21は、ユーザ操作によって、画像選択画面に画像が表示されている画像ファイルを、フォトフレームに転送して保存するよう選択されたか否かを判断する(S105)。選択された場合(S105でYES)、つまり、ボタン34が操作された場合、制御部21は、画像選択画面に表示されている画像の画像ファイルを転送するように選択する指示(コピー対象フラグ)をCECラインを経由して、デジタルカメラ10の制御部11に送信する(S106)。一方、選択されない場合(S105でNO)、つまり、ボタン34が操作されない場合、処理は、S107に進む。
【0032】
図5に示すように、デジタルカメラ10の制御部11は、CECラインを介して、画像選択画面に表示されている画像の画像ファイルを転送するように選択する指示(コピー対象フラグ)を受信したか否かを判断する(S204)。受信した場合(S204でYES)、制御部11は、現在再生し、HDMIデータとして出力している画像ファイルに関して、図2のフラグ管理テーブルにおいてコピー対象フラグを「ON」に設定する(S205)。例えば、画像1を再生している場合には、画像1のコピー対象フラグが「ON」に設定される。一方、受信しない場合(204でNO)、処理はS206に進む。
【0033】
ユーザは、画像選択画面に表示する画像を次の画像に切換える場合、ボタン33を操作する。同様に、画像選択画面に表示する画像を前の画像に切換える場合、ボタン32を操作する。図4に示すように、フォトフレーム20の制御部21は、ユーザ操作によって、画像選択画面に表示されている画像を次の(又は前の、以下同様。)画像に切換える指示が入力されたか否かを判断する(S107)。入力されない場合(S107でNO)、つまり、ボタン33が操作されない場合、処理はS109に進む。一方、入力された場合(S107でYES)、つまりボタン33が操作された場合、制御部21は、HDMIデータに変換して送信する画像ファイルを次の画像ファイルに切換える指示を、CECラインを介してデジタルカメラ10の制御部11に送信する(S108)。
【0034】
図5に示すように、デジタルカメラ10の制御部11は、CECラインを介して、HDMIデータに変換して送信する画像ファイルを次の画像ファイルに切換える指示を受信したか否かを判断する(S206)。受信しない場合(S206でNO)、処理はS208に進む。一方、受信した場合(S206でYES)、制御部11は、現在再生し、HDMIデータに変換して出力している画像ファイルの次の画像ファイルを選択し(S207)、画像データをHDMIデータに変換して出力する(S203)。例えば、図2のフラグ管理テーブルに示すように、現在、画像1を再生している場合、次の画像である画像2を選択する。図4に示すように、フォトフレーム20の制御部21は、HDMIデータを受信すると、受信したHDMIデータから変換された画像データを使用して、図2に示す画像選択画面を生成し、表示部25に表示させる(S104)。その結果、図3に示す画像選択画面に表示される画像が次の画像に変更される。
【0035】
ユーザは、フォトフレーム20に転送し保存する画像ファイルの選択が終了した場合、図3の画像選択画面において、ボタン35を操作する。図4に示すように、フォトフレーム20の制御部21は、ユーザ操作によって、画像転送指示が入力されたか否か、つまり、ボタン35が操作されたか否かを判断する(S109)。入力されない場合(S109でNO)、つまりボタン35が操作されない場合、処理はS105に戻る。入力された場合(S109でYES)、つまりボタン35が操作された場合、制御部21は、画像転送指示をCECラインを介して、デジタルカメラ10の制御部11に送信する(S110)。そして、制御部21は、USB経由で選択した画像ファイルを受信するために、入力セレクタをUSBに切換える(S111)。
【0036】
図5に示すように、デジタルカメラ10の制御部11は、CECラインを介して、画像転送指示を受信したか否かを判断する(S208)。受信しない場合(S208でNO)、処理はS204に戻る。一方、受信した場合(S208でYES)、制御部11は、USB経由で画像ファイルを送信するために出力セレクタとしてUSBを選択する(S209)。制御部11は、図2のフラグ管理テーブルを参照してコピー対象フラグを「ON」に設定されている全ての画像ファイルを選択する。そして、制御部11は、選択した全ての画像ファイルをメモリ12及び/又は外部メモリから読み出して、USB経由でフォトフレーム20に転送する(S210)。その後、制御部11は、コピー対象フラグをリセットし(S211)、転送した画像ファイルについてコピー済みフラグを「OK」に設定する(S212)。そして、制御部11は、コピー済みフラグが「OK」に設定されている画像ファイルがフォトフレームに転送して記録済みである旨を表示部に表示させ、ユーザに告知する。
【0037】
図4に示すように、フォトフレーム20の制御部21は、USB経由で画像ファイルを受信し、受信した画像ファイルをメモリ22及び/又は外部メモリに保存する(S112)。以上のように本実施形態によると、デジタルカメラ10よりも品質の高い表示部を備えるフォトフレーム20に画像を表示して、転送すべき画像ファイルをユーザが選択することができる。また、ユーザが画像ファイルを選択するために、全ての画像ファイル自体をフォトフレーム20に転送する必要がなく、HDMI経由で画像データを送信しているだけであるので、フォトフレーム20のメモリ容量が不足するという問題も生じない。
【0038】
次に、本発明の別の好ましい実施形態を説明する、本実施形態では、図6に示すように画像選択画面は複数の画像(この例では4つの画像)を一度に表示することができる。なお、一度に表示する画像の数はユーザ操作によって変更可能である。
【0039】
図7は、フォトフレーム20の制御部21の処理を示すフローチャートである。図8は、デジタルカメラ11の制御部11の処理を示すフローチャートである。図4、図5と同じ処理には同じ符号を付し、説明を援用する。図7に示すように、フォトフレーム20の制御部21は、画像選択画面の表示数分(ここでは4つ)の画像データをHDMI経由で送信するように、CECラインを介してデジタルカメラ10に要求を送信する(S123)。
【0040】
図8に示すようにデジタルカメラ10の制御部11はCECラインを介して、画像選択画面の表示数分の画像データの送信要求を受信したか否かを判断する(S222)。受信した場合、制御部11は、メモリ12及び/又は外部メモリに記憶されている複数の画像ファイルの中から(例えばファイル名の昇順に)画像ファイルを表示数分選択する。制御部11は、選択した表示数分の画像ファイルを再生部15に再生させ、図6の画像選択画面における4つの画像の配置で画像データを結合した画像データを生成し、HDMI送信部16にHDMIデータに変換させ、HDMI出力端子19aからHDMIデータを出力させる(S223)。詳細には、結合した画像データには、選択した画像データの順番と、図6に示す画像の番号の位置とが一致する配置で個別の画像データが描画される。
【0041】
図7に示すように、フォトフレーム20の制御部21は、HDMIデータを受信すると、受信したHDMIデータから変換された画像データを使用して、図6に示す画像選択画面を生成し、表示部25に表示させる(S124)。
【0042】
ユーザは、図6の画像選択画面に表示された4つの画像を見て、この画像の画像ファイルをデジタルカメラから受信してフォトフレーム20のメモリに保存するかを検討する。フォトフレーム20への保存を希望する場合には、操作部26を操作して画像選択画面のボタン34a〜34dを操作する。
【0043】
制御部21は、4つの画像の中からいずれかの画像に対応するボタン34a〜34dがユーザ操作によって操作されたか否かを判断する(S105)。操作された場合(S105でYES)、制御部21は、選択された画像の画像ファイルを転送するように選択する指示(コピー対象フラグ)を、CECラインを経由して、デジタルカメラ10の制御部11に送信する(S126)。このとき、選択された画像に対応する番号(図6の画像選択画面において画像の位置に付されている番号)があわせて送信される。一方、選択されない場合(S105でNO)、つまり、ボタン34が操作されない場合、処理は、S107に進む。
【0044】
図8に示すように、デジタルカメラ10の制御部11は、CECラインを介して、選択された画像の画像ファイルを転送するように選択する指示(コピー対象フラグ)と、選択された画像の番号とを受信したか否かを判断する(S204)。受信した場合(S204でYES)、制御部11は、現在再生し、HDMIデータとして出力している4つの画像ファイルの中から、受信した番号で特定される画像ファイルに関して、図2のフラグ管理テーブルにおいてコピー対象フラグを「ON」に設定する(S225)。例えば、番号が3である場合には、現在再生している4つの画像ファイルのうち3番目の画像ファイルについて、コピー対象フラグが「ON」に設定される。一方、受信しない場合(204でNO)、処理はS206に進む。その他の処理は、先の実施形態と同様であるので、説明を援用する。
【0045】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、デジタルカメラ及びフォトフレーム等に好適に採用され得る。なお、デジタルカメラの代わりに携帯電話やデジタルビデオカメラが採用されてもよく、フォトフレームの代わりに液晶TV等が採用されても良い。
【符号の説明】
【0047】
10 デジタルカメラ
11 制御部
12 メモリ
13 撮影部
14 メモリスロット
15 再生部
16 HDMI送信部
17 表示部
18 操作部
19a HDMI出力端子
19b USB端子
20 フォトフレーム
21 制御部
22 メモリ
23 メモリスロット
24 HDMI受信部
25 表示部
26 操作部
27a HDMI入力端子
27b USB端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像送信装置と、前記画像送信装置と第1通信ライン及び第2通信ラインを介して接続可能な画像受信装置とを備え、
前記画像送信装置が、
画像ファイルを記憶するための第1記憶手段と、
前記第1記憶手段に記憶されている画像ファイルを再生し、画像データを生成する再生手段と、
前記再生手段によって再生された画像データを、前記第1通信ラインを介して前記画像受信装置に送信する画像データ送信手段と、
前記画像受信装置から、選択された画像の画像ファイルを送信する指示を受信した場合に、選択された画像の画像ファイルを、前記第2通信ラインを介して前記画像受信装置に送信する画像ファイル送信手段とを有し、
前記画像受信装置が、
前記第1通信ラインを介して前記画像送信装置から画像データを受信する画像データ受信手段と、
前記画像データ受信手段によって受信された画像データに基づいて、画像を表示部に表示させる表示手段と、
前記表示部に表示された画像の中から、前記画像受信装置に送信すべき画像をユーザ操作に応じて選択し、選択された画像の画像ファイルを送信する指示を前記画像送信装置に送信する指示手段と、
選択された画像の画像ファイルを、前記第2通信ラインを介して前記画像送信装置から受信する画像ファイル受信手段と、
前記画像ファイル受信手段によって受信された画像ファイルを記憶するための第2記憶手段とを有する、画像ファイル転送システム。
【請求項2】
請求項1に記載の画像ファイル転送システムにおける前記画像送信装置であって、
画像ファイルを記憶するための第1記憶手段と、
前記第1記憶手段に記憶されている画像ファイルを再生し、画像データを生成する再生手段と、
前記再生手段によって再生された画像データを、前記第1通信ラインを介して前記画像受信装置に送信する画像データ送信手段と、
前記画像受信装置から、選択された画像の画像ファイルを送信する指示を受信した場合に、選択された画像の画像ファイルを、前記第2通信ラインを介して前記画像受信装置に送信する画像ファイル送信手段とを有する、画像送信装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像ファイル転送システムにおける前記画像受信装置であって、
前記第1通信ラインを介して前記画像送信装置から画像データを受信する画像データ受信手段と、
前記画像データ受信手段によって受信された画像データに基づいて、画像を表示部に表示させる表示手段と、
前記表示部に表示された画像の中から、前記画像受信装置に送信すべき画像をユーザ操作に応じて選択し、選択された画像の画像ファイルを送信する指示を前記画像送信装置に送信する指示手段と、
選択された画像の画像ファイルを、前記第2通信ラインを介して前記画像送信装置から受信する画像ファイル受信手段と、
前記画像ファイル受信手段によって受信された画像ファイルを記憶するための第2記憶手段とを有する、画像受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−68996(P2013−68996A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−205282(P2011−205282)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(710014351)オンキヨー株式会社 (226)
【Fターム(参考)】