説明

画像中の人をカウントするための方法及び装置

【課題】画像中の人をカウントするための方法、製造品、及び装置を提供すること。
【解決手段】例示的な方法は、第1のフレーム中の身体領域の画像を取り込むステップと、第1のフレームとは異なる第2のフレームが身体領域の画像を含むときに第2のフレーム中の人物の第1のカウントをインクリメントするステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【開示の分野】
【0001】
[0001]本開示は一般に、視聴者測定に関し、より詳細には、画像中の人をカウントするための方法及び装置に関する。
【背景】
【0002】
[0002]メディアコンテンツ(例えば、放送されるテレビジョン及び/又はラジオ、ディジタルビデオレコーダやディジタルビデオディスクなどのメモリから再生される記憶済みオーディオ及び/又はビデオコンテンツ、インターネットを介して再生されるオーディオ及び/又はビデオコンテンツ、ビデオゲームなど)の視聴者測定はしばしば、コンテンツ識別データ(例えばシグネチャ(複数可)、フィンガプリント(複数可)、埋込みコード(複数可)、チャネル情報、消費時間情報など)及び人データ(例えば識別子、視聴者メンバに関連する人口統計データなど)の集まりを使用する。コンテンツ識別データと人データとを組み合わせて、例えば、特定のメディアコンテンツ(複数可)に接触した人の数(複数可)及び/又はタイプ(複数可)を示すメディア接触データを生成することができる。
【0003】
[0003]いくつかの視聴者測定システムでは、収集される人データは、メディアコンテンツに接触している人の数を含む。メディアコンテンツに接触している人の数を計算するために、いくつかの測定システムは、メディア接触環境(例えばテレビジョンルーム、ファミリルーム、リビングルームなど)の一連の画像を取り込み、画像を分析して、特定の日時に何人の人が画像中に現れるかを決定する。計算された、メディア接触環境中の人の数を、この特定の日時に提示されているメディアコンテンツと相関させて、このメディアコンテンツについての接触データ(例えば視聴率データ)を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【図1】[0004] 本明細書に開示する例示的な視聴者測定デバイスを含む例示的な接触環境の図示である。
【0005】
【図2】[0005] 図1の例示的な視聴者測定デバイスの例示的な一実装形態のブロック図である。
【0006】
【図3】[0006] 図2の例示的な人カウンタの例示的な一実装形態のブロック図である。
【0007】
【図4A】[0007] 図1及び/又は2の例示的な視聴者測定デバイスによって取り込まれる画像データの第1のフレームの一部を示す図である。
【0008】
【図4B】[0008] 図1及び/又は2の例示的な視聴者測定デバイスによって取り込まれる画像データの第2のフレームの一部を示す図である。
【0009】
【図4C】[0009] 図1及び/又は2の例示的な視聴者測定デバイスによって取り込まれる画像データの第3のフレームの一部を示す図である。
【0010】
【図5A】[0010] 図1、2、及び/又は3の例示的な人カウンタを実現するために実行できる例示的な機械可読命令を示すフローチャートである。
【図5B】図1、2、及び/又は3の例示的な人カウンタを実現するために実行できる例示的な機械可読命令を示すフローチャートである。
【図5C】図1、2、及び/又は3の例示的な人カウンタを実現するために実行できる例示的な機械可読命令を示すフローチャートである。
【0011】
【図6】[0011] 図1、2、及び/又は3の例示的な人カウンタを実現するために実行できる例示的な機械可読命令を示すフローチャートである。
【0012】
【図7】[0012] 図5A〜5C及び/又は6の例示的な機械可読命令を実行して図1、2、及び/又は3の例示的な人カウンタを実現することのできる、例示的な処理システムのブロック図である。
【詳細な説明】
【0013】
[0013]家のテレビジョンの位置する部屋など、メディア接触環境中の人をカウントするために、いくつかの視聴者測定システムは、取り込まれた一連の部屋画像中でオブジェクトを人間として認識することを試みる。画像データのフレームごとに集計が維持されて、それぞれのフレームに対応する時点の室内の人の数が反映される。すなわち、フレーム中でオブジェクトが人間として認識される度に、このフレームに関連する集計が増加する。いくつかのこのようなシステムは、人間の顔を認識することによって人間を認識する。しかし、人の顔はしばしば、例えば部分的にしか見えなかったり、飲食していて顔がわかりにくかったり、フレームを取り込むカメラに対して頭が回転していたりするせいで、認識不可能になる。この結果、1つ又は複数の認識されない顔を含むフレームについての集計は、フレーム中の、したがってメディア接触環境中の人の数を正確に反映する可能性がより低い。
【0014】
[0014]フレーム中の、したがってメディア接触環境中の人の集計が不正確だと、この集計を使用して生成されるメディア接触データの精度に悪影響が及ぶ。例えば、室内の人をカウントする視聴者測定システムは、室内で(例えば聴覚的及び/又は視覚的に)提示されているメディアコンテンツを識別するために、コンテンツ識別情報も収集している場合がある。所与の日時におけるメディアコンテンツの識別と室内の人の数とにより、視聴者測定システムは、何人の人が特定のメディアコンテンツに接触したかを意識している。顔(複数可)が顔として認識されないとき、特定のメディアコンテンツについての接触データは、切り下げられることがある(例えば、メディアコンテンツは、実際にメディアコンテンツに接触していたよりも少ない視聴者/聴取者に帰せられる)。
【0015】
[0015]人のカウントの精度、したがって、人のカウントに基づいて生成されるメディア接触データの精度を上げるために、本明細書に開示する例示的な方法及び装置は、例えば人物が頭を傾斜若しくは回転させたとき、又は人物の顔が認識不可能になった(例えば何かが邪魔になって顔がカメラによって取り込まれないせいで)ときに、人物の肩領域などの身体領域の相対的な安定性を利用する。しばしば、身体領域の位置又は配向は、人物が頭を傾斜又は回転させたときに、ほぼ変化しない。例えば、人物の肩領域の位置は、対応する頭が回転又は傾斜したときに、ほぼ変化しない。頭の傾斜又は回転の間の肩の安定性を利用するために、本明細書に開示する例示的な方法、製造品、及び装置は、顔が認識されるときに人物の肩領域の画像を取り込む。すなわち、オブジェクトが顔として認識されるとき、本明細書に開示する例示的な方法、製造品、及び装置は、対応する人物の1つ又は複数の身体領域のピクチャ及び位置(例えばフレーム内のXY座標)を取り込んで記憶する。次いで、本明細書に開示する例示的な方法、製造品、及び装置は、身体領域(複数可)が、後で取り込まれた1つ又は複数の後続フレーム中の記録済み位置にまだ存在するかどうか判定する。追加で又は別法として、本明細書に開示する例示的な方法、製造品、及び装置は、身体領域(複数可)が、前に取り込まれた1つ又は複数のより前のフレーム中の記録済み位置に存在するかどうか判定することもできる。身体領域(複数可)が前又は後フレーム中の記録済み位置に現れる場合は、本明細書に開示する例示的な方法、製造品、及び装置は、対応する顔が前又は後フレーム中で認識されないときであっても、人物を、フレーム中に存在するとしてカウントする(例えば前又は後フレームについての集計をインクリメントすることによって)。したがって、前又は後フレーム中に実際に存在する顔が、例えば対応する頭の傾斜又は回転のせいで認識されなくなるときであっても、本明細書に開示する例示的な方法、製造品、及び装置は、身体領域(複数可)が識別される人物を、前又は後フレームの人の集計に正確に含める。本明細書に開示する例示的な方法、製造品、及び装置の、追加の及び/又は代替の態様及び/又は利点については、後述する。
【0016】
[0016]図1は、メディア提示デバイス102と、メディア提示デバイス102の視聴者106を測定するための例示的な視聴者測定デバイス104とを含む、例示的なメディア接触環境100の図示である。図1の図解例では、メディア接触環境100は、対象となる人口/人口統計についてのテレビジョン視聴率データを作り出すために統計的に選択された世帯の部屋である。例示的な視聴者測定デバイス104は、例えば、非統計的に選択された世帯の部屋、映画館、レストラン、居酒屋、小売店舗、競技場など、追加の及び/又は代替のタイプの環境で実現することもできる。図1の図解例では、メディア提示デバイスは、ディジタルビデオレコーダ(DVR)及びディジタル多用途ディスク(DVD)プレーヤを実現するセットトップボックス(STB)108に結合された、テレビジョン102である。例示的な視聴者測定デバイス104は、例えば、ラジオ、コンピュータモニタ、及び/又は、1人若しくは複数の個人にコンテンツを提示できるいずれか他の通信デバイスなど、追加の及び/又は代替のタイプのメディア提示デバイスと共に実現することもできる。
【0017】
[0017]図1の例示的な視聴者測定デバイス104は、カメラ110を利用して、環境100の画像データの、タイムスタンプ付きの複数のフレームを取り込む。図1のカメラ110は、点線で確定される視野内の画像を取り込む。図1に示す例では、カメラ110によって取り込まれる画像は、3人の視聴者106の各メンバを含む。したがって、図1に示す環境100の状態に対応するフレームについての正確な人集計は、3人を含むことになる。後で詳述するが、図1の例示的な視聴者測定デバイス104はまた、環境100を監視して、視聴者106が接触しているテレビジョン102及び/又は他のメディア提示デバイスによって提示(例えば表示、再生等)されているメディアコンテンツを識別する。視聴者106が接触しているメディアコンテンツの識別(複数可)は、人集計と相関されて、メディアコンテンツについての接触データが生成される。したがって、接触データの精度は、視聴者測定デバイス104が視聴者106中の人の数を3人と正確に識別できることに依存する。
【0018】
[0018]図2は、図1の例示的な視聴者測定デバイス104の例示的な一実装形態のブロック図である。図2の例示的な視聴者測定デバイス104は、視聴者検出器200及びコンテンツ識別器202を備える。例示的な視聴者検出器200は、画像センサ204、人カウンタ206、タイムスタンパ208、及びメモリ210を備える。図2の例示的な画像センサ204は、図1のメディア提示デバイス102によって出力される提示に接触している視聴者106を含む環境100の画像データのフレームを取り込む。いくつかの例では、画像センサ204は、メディア提示デバイス102が「オン」状態のとき、及び/又は、図1の環境100でメディアコンテンツが提示されているとコンテンツ識別器202が判定したときのみ、画像データのフレームを取り込む。画像センサ204は、例えば、赤外線イメージャ、又は電化結合素子(CCD)カメラなどのディジタルカメラ等、任意の適切なデバイスとして実現することができる。
【0019】
[0019]図2の画像センサ204によって得られたフレームは、人カウンタ206に搬送される。図2の図解例では、人カウンタ206は、受け取った各フレーム中に何人の人が現れるかを決定し、各人数を各フレームについての集計として記録する。例示的な人カウンタ206がその動作を実施する方式については、後で図3〜5に関して詳細に述べる。
【0020】
[0020]図2の例示的な人カウンタ206は、計算した集計を、対応するフレームと共にタイムスタンパ208に出力する。図解例のタイムスタンパ208は、クロック及びカレンダを備える。例示的なタイムスタンパ208は、例えば、集計データ及び/又は画像データの最後に時間/日付データを付加することによって、計算された各集計及び対応するフレームに日時を関連付ける。データパッケージ(例えば集計、日時、及びフレーム)が、メモリ210に記憶される。メモリ210は、揮発性メモリ(例えばシンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、RAMBUSダイナミックランダムアクセスメモリ(RDRAM)など)、及び/又は不揮発性メモリ(例えばフラッシュメモリ)を含み得る。メモリ210はまた、例えばハードドライブディスク(複数可)、コンパクトディスクドライブ(複数可)、ディジタル多用途ディスクドライブ(複数可)など、1つ又は複数の大容量記憶デバイスも含み得る。
【0021】
[0021]図2の例示的なコンテンツ識別器202は、番組検出器212及び出力デバイス214を備える。図2の例示的な番組検出器212は、メディア接触環境100におけるメディアコンテンツの提示(複数可)を検出し、検出した提示(複数可)に関連する識別情報を収集する。例えば、番組検出器212は、図1の提示デバイス102及び/又はSTB108と有線通信及び/又はワイヤレス通信する可能性があり、提示の提示時間及びソースを識別することができる。提示時間及びソース識別データを利用して、例えば、ルックアップテーブルとして例えば構成された番組ガイドを相互参照することによって、番組を識別することができる。ソース識別データは、例えば、STB108のチューナを監視すること、又はテレビジョン102上で提示されることになるチャネルのディジタル選択(例えばリモートコントロール信号)を監視することによって得られる、チャネルの識別とすることができる。追加で又は別法として、STB108及び/又はテレビジョン102を介して提示されているメディアコンテンツに埋め込まれているか又は他の方法でメディアコンテンツと共にブロードキャストされるコードを、番組検出器212が利用して、提示を識別することもできる。本明細書において、コードは、対応するメディアコンテンツを識別する目的でメディアコンテンツと共に伝送される識別子である。コードは、オーディオ、ビデオ、メタデータ、垂直帰線消去期間、又はいずれか他のメディアコンテンツ部分において搬送することができる。追加で又は別法として、番組検出器212は、メディアコンテンツの一部を表すシグネチャを収集することもできる。本明細書において、シグネチャは、メディアコンテンツの何らかの特性(例えばオーディオ信号の周波数スペクトル)を表すものである。収集されたシグネチャ(複数可)を、既知のメディアコンテンツのシグネチャの集まりと比較して、対応するメディアコンテンツを識別することができる。番組検出器212がシグネチャ(複数可)を収集すること、及び/又は、番組検出器212がメディアコンテンツのサンプルを収集してこれらのサンプルをシグネチャ(複数可)生成のためにリモート場所にエクスポートすることができる。提示のメディアコンテンツが識別される方式にかかわらず、識別情報は、タイムスタンパ208によってタイムスタンプを押され、メモリ210に記憶される。
【0022】
[0022]図2の図解例では、出力デバイス214は、周期的及び/又は非周期的に、ネットワーク(例えばローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、メトロポリタンエリアネットワーク、インターネット、ディジタル加入者線(DSL)ネットワーク、ケーブルネットワーク、電力線ネットワーク、ワイヤレス通信ネットワーク、ワイヤレスモバイルホンネットワーク、Wi−Fiネットワークなど)を介して、記録済みデータをメモリ210からデータ収集機構にエクスポートする。データ収集機構は、人カウンタ206によって生成された人データと、番組検出器212によって収集されたコンテンツ識別データとを利用して、接触情報を生成する。別法として、データ分析は、ローカルに実施して、さらに処理されるようにネットワーク等を介してデータ収集機構にエクスポートしてもよい。例えば、スポーツイベント(番組検出器212によって識別される)がテレビジョン102によって提示された時点(タイムスタンパ208によって人集計に付加されたタイムスタンプによって示される)における、接触環境100中の人の数(人カウンタ206によってカウントされる)を、このスポーツイベントの視聴率計算で使用することができる。いくつかの例では、データ収集機構において追加情報(例えば人口統計データ、地理データなど)を接触情報と相関させて、図1及び/又は2の例示的な視聴者測定デバイス104によって収集される生データの有用性が拡張される。図解例のデータ収集機構は、多くの接触環境からのデータを集めてまとめる。
【0023】
[0023]図1の視聴者測定デバイス104を実現する例示的な方式を図2に示したが、図2に示した要素、プロセス、及び/又はデバイスの1つ又は複数を結合、分割、再構成、省略、除去、及び/又はいずれか他の方法で実現してもよい。さらに、図2の例示的な視聴者検出器200、例示的なコンテンツ識別器202、例示的な画像センサ204、例示的な人カウンタ206、例示的なタイムスタンパ208、及び/又は、より一般的には例示的な視聴者測定デバイス104は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアによって、並びに/又は、ハードウェア、ソフトウェア、及び/若しくはファームウェアの任意の組合せによって実現することができる。したがって、例えば、図2の例示的な視聴者検出器200、例示的なコンテンツ識別器202、例示的な画像センサ204、例示的な人カウンタ206、例示的なタイムスタンパ208、及び/又は、より一般的には例示的な視聴者測定デバイス104はいずれも、1つ又は複数の回路、プログラムマブルプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、及び/又はフィールドプログラマブルロジックデバイス(FPLD)などによって実現することができる。添付のシステム又は装置クレームのいずれかが純粋にソフトウェア及び/又はファームウェアによる実現をカバーするものとして解釈されるとき、図2の例示的な視聴者検出器200、例示的なコンテンツ識別器202、例示的な画像センサ204、例示的な人カウンタ206、例示的なタイムスタンパ208、及び/又は、より一般的には例示的な視聴者測定デバイス104のうちの少なくとも1つは、メモリ、DVD、CDなど、ソフトウェア及び/又はファームウェアを記憶する有形のコンピュータ可読媒体を含むものとしてここに明確に定義される。さらに、図2の例示的な視聴者測定デバイス104は、図2に示すものに加えて若しくはそれに代えて、1つ若しくは複数の要素、プロセス、及び/若しくはデバイスを備えること、並びに/又は、図示の要素、プロセス、及びデバイスのいずれか若しくは全てのうちの複数を備えることができる。
【0024】
[0024]図3は、図2の例示的な人カウンタ206の例示的な一実装形態のブロック図である。図3の例示的な人カウンタ206は、図2の画像センサ204によって収集された画像データのフレームを受け取る顔検出器300を備える。図1を参照すると、図3の例示的な顔検出器300は、第1の時点で、図1の接触環境100中のオブジェクトを含む画像データのフレームを受け取る。第1の時点は、図2のタイムスタンパ208によってフレームの画像データに付加されたタイムスタンプに反映される。図3の例示的な顔検出器300は、フレームのオブジェクトを分析して、オブジェクトの1つ又は複数が顔であるかどうか判定する。図3の図解例では、顔検出器300は、検出された顔に属する人物の識別には無関心である。しかし、いくつかの例では、顔検出器300は、例えば、検出された顔に対応する画像データを、識別可能な人(例えば、頻繁な来訪者、及び/又は、図1の部屋100に関連する世帯のメンバ)に属することがわかっている画像の集まりと比較することによって、人物を識別することを試みてもよい。
【0025】
[0025]現フレーム中で第1の顔が識別されると、図3の例示的な顔検出器300は、顔の周りに顔ボックス又はフレーム(例えば正方形、楕円形、円形など)を生成して、現フレームにおける顔のある位置を画定する。図4Aに、図3の例示的な顔検出器300によって生成される顔ボックス400の例を示す。図4Aの例示的な顔ボックス400の中心は、検出された顔の中心の点とすることができる。図3の例示的な顔検出器300はまた、検出された顔の位置402を記録する。図4の図解例では、記録される位置402は、顔を囲む顔ボックス400の中心のXY座標によって定義される。XY座標は、第1のフレームに重なる2次元グリッドに対応する。図1を参照すると、図4Aに示すように視聴者メンバ106の顔がカメラの方に向いているとき、図3の例示的な顔検出器300は、視聴者106の3人のメンバに属する3つの顔を検出し、検出した各顔のそれぞれの位置(例えばXY座標)を記録する(例えば顔検出器300に関連するキャッシュに)。いくつかの場合、顔検出器300は、追加で又は別法として、傾斜した頭若しくは回転した頭、又は、頭若しくは顔の側面ビューを検出することができる。顔検出器300は、検出した顔ごとに、人物が検出されたことを示す宣言と、対応する位置とを、顔検出宣言データベース302に渡す。図3の図解例では、顔検出宣言は、キャッシュなどの記憶デバイスによって実現される。すなわち、例示的な顔検出器300は、いくつの顔、したがって何人の人が現フレーム中で検出されたかを宣言し、各宣言の位置(例えば図4AのXY座標402)を顔検出宣言データベース302に渡す。したがって、図3の例示的な顔宣言データベース302は、現フレームについての顔検出の数と、現フレーム中の顔(複数可)の対応位置とを含む。
【0026】
[0026]図3の例示的な顔検出器300はまた、検出した各顔の位置を、身体画像捕捉器304に搬送する。図3の例示的な身体画像捕捉器304は、検出された各顔の位置を使用して、肩領域、胴領域、脚領域など、各顔に対応する1つ又は複数の身体領域を計算する。すなわち、身体画像捕捉器304は、検出された各顔に属する指定身体領域(複数可)を含む、現フレームの部分を推定する。図3の図解例では、身体画像捕捉器304は、検出された顔の周りに顔検出器300によって作成された顔ボックスに隣接及び/又は重畳する、肩ボックス又はフレーム(例えば矩形、楕円形など)を作成する。図4Aを参照すると、図3の例示的な身体画像捕捉器304は、顔検出器300によって生成された顔ボックス400に部分的に重なる肩ボックス404を作成する。いくつかの例では、肩ボックス404と顔ボックス400とは、隣接するが重ならない。図3の例示的な身体画像捕捉器304は、顔ボックス400の位置402を使用して、肩の場所を推定する。特に、例示的な身体画像捕捉器304は、肩ボックス404の中心を、検出された顔の位置402と同じY軸に沿った(例えば位置402と相互に整列する)、且つ顔ボックス400に対してマイナスY軸方向の点とする。次いで、例示的な身体画像捕捉器304は、肩ボックス404を、プラスX軸及びマイナスX軸方向に拡張する。肩ボックス404は、検出された顔のサイズ又はスケールに従ってスケーリング又はサイズ調整される。肩ボックスが作成された後、図3の例示的な身体画像捕捉器304は、肩ボックスの位置を記録する。図4Aの図解例を参照すると、位置406が、肩ボックス404の中心である。例示的な身体画像捕捉器304は、画像フレーム中の肩ボックス404内の画像データ(例えば画素)を取り込む。言い換えれば、図3の例示的な身体画像捕捉器304は、例示的な顔検出器300を介して検出された人物の肩領域のピクチャを取る、及び/又は、顔が検出された画像から肩領域に対応する画像データを抽出する。いくつかの例では、記憶空間を節約するため及び処理速度を上げるために、肩領域の画像は、サブサンプリングされたグリッド間隔上で取り込まれる。例えば、画像は、30×10グリッド間隔の300個の点において、又は、任意の適切な空間サンプリング方式に従って領域全体に均等に分散した300個の点においてサンプリングすることができる。肩領域の画像データ(例えば画素)及びピクチャの位置406を含めて、身体画像捕捉器304によって生成されたデータは、データベース306に記憶される。身体領域画像の例示的なデータベース306は、任意の適切なタイプのデータ構造、メモリ、及び/又はデータ記憶デバイスによって実現することができる。後述するように、例えば、本明細書に開示する例に従って人をカウントするのにどの身体領域(複数可)が使用されることになるかを制御する調節可能な設定に基づいて、追加の又は代替の身体領域(複数可)を身体画像捕捉器304によって取り込むことができる。
【0027】
[0027]前述のように、頭の傾斜又は回転は、肩領域などの身体領域の配向及び/又は位置を大幅には変更しない可能性が高い。図3の例示的な人カウンタ206は、この可能性を利用して、オブジェクトを顔として認識することによって人をカウントする際に、傾斜又は回転した頭を見落とすことを回避する。特に、図3の例示的な人カウンタ206は、接触環境100中の人をカウントするためのツールとしての顔検出器300を補足するために、身体画像データ比較器308を備える。図3の例示的な身体画像データ比較器308は、現フレームの画像データを、1つ又は複数の前又は後フレームの身体領域ピクチャと比較する。前又は後フレーム(複数可)中で取り込まれた身体領域が現フレーム中にも存在すると身体画像データ比較器308が判定した場合は、対応する顔が検出されないとき(例えば顔がカメラ110によって認識不可能なため、及び/又はカメラ110から見えにくいために)であっても、人物が現フレーム中にいると判定される(したがってカウントされる)。いくつかの例では、身体画像データ比較器308は、あるフレーム中で検出された顔が後又は前フレーム中で検出されないことによってトリガされる。いくつかの例では、身体画像データ比較器308は、あるフレームの顔が後又は前フレーム中に見られるかどうかにかかわらず動作する。
【0028】
[0028]前フレーム(複数可)の身体領域ピクチャを得るために、図3の例示的な人カウンタ206は、身体画像検索器310を備える。例示的な身体画像検索器310は、身体画像データ比較器308によって現フレームと比較されることになるいくつかの前フレームを取り出す。例えば、身体画像データ比較器308に、現フレームを10個の前フレーム(図1の接触環境100における現フレームの前の10秒と換言できる)の身体領域画像と比較させるために、図3の例示的な身体画像検索器310は、身体領域画像データベース306から、10個の前フレームについての身体領域画像(複数可)及び対応する位置(複数可)を取り出し、これらを身体画像データ比較器308に搬送する(例えばグループとして、又は順次)。例示的な身体画像検索器310は、より多数又は少数の前フレームが現フレームと比較されるように調整されてもよい。
【0029】
[0029]図3の例示的な身体画像データ比較器308は、身体画像検索器310から受け取った各位置で現フレームの画像データを分析する。特に、図3の例示的な身体画像データ比較器308は、肩ボックス404に対応する現フレームの画像データを、前又は後フレーム(複数可)のこれらの位置(複数可)の肩画像(複数可)と比較する。図4A及び4Bを参照すると、図4Bに対応する現フレームが、図4Aに対応する前フレームと比較されるとき、例示的な身体画像検索器310は、図4Aの位置406の肩画像404を身体画像データベース306から取り出し、これを身体画像データ比較器308に搬送する。図3の例示的な身体画像データ比較器308は、図4Aからの受け取った位置406を、受け取った肩画像データとの比較のためにボックス408の中心として使用する。例示的な身体画像データ比較器308によって使用されるボックス408は、図4Aに関して例示的な身体画像捕捉器304によって形成された肩ボックス404と同様に、形状及びサイズが調整される。したがって、受け取られた、前フレーム(例えば図4A)からのボックス404の肩画像データが、身体画像データ比較器308によって使用されるボックス408中の画像データとほぼ同じ(例えば類似度しきい値内)である場合は、例示的な人カウンタ206は、顔が検出されなかったにもかかわらず、現フレーム中の位置406に人物が現れると決定する。画像データがほぼ同じかどうか判定するために、図3の例示的な比較器308は、ボックス404と08内の類似位置の類似画素の量によって例えば定義される、類似度しきい値を利用する。追加で又は別法として、図3の例示的な比較器308は、ボックス404と408の画素を比較するとき、例えば正規化相関法やマハラノビス距離など、他の任意の適切な比較技法(複数可)を利用してもよい。図4Bに示すように、頭が片側に回転しているので、顔が顔検出器300によって検出されなかった。しかし、肩ボックス404と408の画像データは類似する。したがって、肩に属する人物は、前フレーム中と同じ人物として、現フレームの類似位置に現れると仮定される。このため、例示的な人カウンタ206は、顔が検出されなかったにもかかわらず、肩に関連する人物をカウントし、したがって例示的な人カウンタ206は、人物が頭を傾斜又は回転させている(図4Aと4Bの間に示すように)が接触環境100に留まっているときの人集計を、実際よりも少なくカウントすることはない。
【0030】
[0030]前述の肩領域に加えて、又はそれに代えて、図3の例示的な身体画像捕捉器304は、検出された顔又は頭に対して相対的な他の身体領域(複数可)を取り込んでもよい。図4Cに、身体画像捕捉器304によって取り込んで身体画像データ比較器308によって分析することのできる、代替身体領域を示す。図4A及び4Bに関して上述した肩領域と同様、腰領域410を、検出された頭の位置412に基づいて身体画像捕捉器304によって取り込むことができる。図解例では、検出された顔が、頭の側面を検出するように構成された検出器によって検出された傾斜した頭に対応するとき、身体画像捕捉器304は、腰領域410(又は、前述の肩領域に代わるいずれか他の適切な身体領域)を使用するように構成される。図4Cの例では、腰領域410の位置413、及び腰領域410の配向は、傾斜した頭から延びる中心線に対する角度414と、頭の位置412からの距離416とを使用して計算される。図4Cの取り込まれた腰領域410は、前述の肩領域と同様にして、身体画像データ比較器308によって身体画像データベース306の他の腰領域と比較することができる。他の任意の適切な身体領域を、図2及び/又は3の例示的な人カウンタ206によって利用することができる。
【0031】
[0031]図3の例示的な身体画像データ比較器308は、身体画像検索器310から受け取った各身体領域ボックス及び位置につき、前述の比較を実施する。現フレームと前又は後フレーム(複数可)との間で合致する身体領域ごとに、例示的な身体画像データ比較器308は、対応する位置(例えば図4A及び4Bの位置406)と、現フレームのこの位置に人物が現れることの宣言とを、身体領域検出宣言データベース312に転送する。すなわち、例示的な身体画像データ比較器308は、前に検出された身体領域に類似する身体領域が現フレーム中でいくつ検出されたかを宣言し、各宣言の位置(例えばXY座標406)を身体領域検出宣言データベース312に渡す。したがって、図3の例示的な宣言データベース312は、現フレームについての身体領域検出の数と、現フレーム中の身体領域の対応位置とを含む。図解例では、身体領域検出宣言データベース312は、キャッシュなどの記憶デバイスによって実現される。
【0032】
[0032]いくつかの例では、データベース312を使用して、所与のフレームについての接触環境100中の人の集計を生成することができる。このような場合、人カウンタ206は、現フレームについての身体領域検出の数を、このフレームについての人集計として出力する。しかし、図3の図解例では、人カウンタ206は、フレーム中に複数回現れる単一の人物をカウントするのを回避するために、冗長チェッカ314を備える。特定のフレームについての人集計として身体領域宣言を使用する代わりに、図3の例示的な冗長チェッカ314は、ある人物が顔検出宣言データベース302と身体領域検出宣言データベース312との両方でカウントされるかどうか判定する。図3の例示的な冗長チェッカ314は、各身体領域宣言の位置を、この同じ時間フレームについての顔宣言の位置と比較する。第1の身体領域宣言の位置(例えば図4Bの位置406)と、いずれかの顔宣言の位置(例えば図4Aの位置402)とにより、第1の身体領域宣言が既検出の顔に対応することが示されるとき、例示的な冗長チェッカ314は、現フレームについての人集計から、第1の身体領域宣言を省略する。こうしたことが示されるということは、第1の身体領域宣言の位置が、第1の顔宣言の位置とほぼ類似(例えばプラス又はマイナス5単位のしきい値内)のX軸上に、且つ、第1の顔宣言の位置から一定量のY単位離れて位置することとすることができる。このような場合、冗長チェッカ314によって使用されるY単位の量は、身体画像捕捉器304によって例えば図4Aの肩ボックス404を生成するのに使用される顔ボックスの中心からのY単位の数に対応する。
【0033】
[0033]前述の冗長チェックからの省略(複数可)を計算に入れた後、冗長チェッカ314は、現フレームについての顔宣言及び身体領域宣言を合計し、総計を人集計として出力する。前述のように、人集計は、図3のタイムスタンパ208に搬送され、その後、図2のメモリ210に搬送される。したがって、図3の例示的な人カウンタ206は、図1及び/又は2の例示的な視聴者測定デバイス104に、所与の時点の接触環境100中の人のより正確な数を提供する。人集計は、任意の所望の頻度で(例えば1秒ごと、5秒ごとなど)生成することができる。
【0034】
[0034]図2の人カウンタ206を実現する例示的な方式を図3に示したが、図3に示した要素、プロセス、及び/又はデバイスのうちの1つ又は複数を結合、分割、再構成、省略、除去、及び/又はいずれか他の方法で実現してもよい。さらに、図3の例示的な顔検出器300、例示的な顔検出宣言データベース302、例示的な身体画像捕捉器304、例示的な身体画像データベース306、例示的な身体画像比較器308、例示的な身体画像検索器310、例示的な身体領域検出宣言データベース312、例示的な冗長チェッカ314、及び/又は、より一般的には例示的な人カウンタ206は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアによって、並びに/又は、ハードウェア、ソフトウェア、及び/若しくはファームウェアの任意の組合せによって実現することができる。したがって、例えば、図3の例示的な顔検出器300、例示的な顔検出宣言データベース302、例示的な身体画像捕捉器304、例示的な身体画像データベース306、例示的な身体画像比較器308、例示的な身体画像検索器310、例示的な身体領域検出宣言データベース312、例示的な冗長チェッカ314、及び/又は、より一般的には例示的な人カウンタ206はいずれも、1つ又は複数の回路、プログラムマブルプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、及び/又はフィールドプログラマブルロジックデバイス(FPLD)などによって実現することができる。添付のシステム又は装置クレームのいずれかが純粋にソフトウェア及び/又はファームウェアによる実現をカバーするものとして解釈されるとき、図3の例示的な顔検出器300、例示的な顔検出宣言データベース302、例示的な身体画像捕捉器304、例示的な身体画像データベース306、例示的な身体画像比較器308、例示的な身体画像検索器310、例示的な身体領域検出宣言データベース312、例示的な冗長チェッカ314、及び/又は、より一般的には例示的な人カウンタ206のうちの少なくとも1つは、メモリ、DVD、CDなど、ソフトウェア及び/又はファームウェアを記憶する有形のコンピュータ可読媒体を含むものとしてここに明確に定義される。さらに、図3の例示的な人カウンタ206は、図3に示すものに加えて若しくはそれに代えて、1つ若しくは複数の要素、プロセス、及び/若しくはデバイスを備えること、並びに/又は、図示の要素、プロセス、及びデバイスのいずれか若しくは全てのうちの複数を備えることができる。
【0035】
[0035]図5A〜5C及び6は、図2及び/又は3の例示的な人カウンタ206を実現するための例示的な機械可読命令を表すフローチャートである。この例では、機械可読命令は、後で図7に関して論じる例示的な処理システム700中に示すプロセッサ712などのプロセッサによって実行するためのプログラムを含む。プログラムは、CD−ROM、フロッピーディスク、ハードドライブ、ディジタル多用途ディスク(DVD)、又はプロセッサ712に関連するメモリなど、有形のコンピュータ可読媒体に記憶されたソフトウェアに組み入れることができるが、別法として、プログラム全体及び/又はその一部を、プロセッサ712以外のデバイスによって実行すること、及び/又はファームウェア若しくは専用ハードウェアに組み入れることもできる。さらに、例示的なプログラムを、図5A〜5C及び6に示すフローチャートに関して述べるが、別法として、例示的な人カウンタ206を実現する他の多くの方法を使用してもよい。例えば、ブロックの実行順序を変更すること、及び/又は、述べるブロックのいくつかを変更、除去、若しくは結合することもできる。
【0036】
[0036]前述のように、図5A〜5C及び/又は6の例示的なプロセスは、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ、読取専用メモリ(ROM)、コンパクトディスク(CD)、ディジタル多用途ディスク(DVD)、キャッシュ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、及び/又は、情報が任意の期間(例えば長期間、永久に、短い瞬間、一時的なバッファリングのために、及び/又は情報のキャッシングのために)記憶されるいずれか他の記憶媒体など、有形のコンピュータ可読媒体に記憶された、コード化命令(例えばコンピュータ可読命令)を使用して実現することができる。本明細書において、用語「有形のコンピュータ可読媒体」は、任意のタイプのコンピュータ可読ストレージを包含し伝搬信号を除外するものとして、明確に定義される。追加で又は別法として、図5A〜5C及び/又は6の例示的なプロセスは、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ、読取専用メモリ、コンパクトディスク、ディジタル多用途ディスク、キャッシュ、ランダムアクセスメモリ、及び/又は、情報が任意の期間(例えば長期間、永久に、短い瞬間、一時的なバッファリングのために、及び/又は情報のキャッシングのために)記憶されるいずれか他の記憶媒体など、非一過性のコンピュータ可読媒体に記憶された、コード化命令(例えばコンピュータ可読命令)を使用して実現することができる。本明細書において、用語「非一過性のコンピュータ可読媒体」は、任意のタイプのコンピュータ可読媒体を包含し伝搬信号を除外するものとして、明確に定義される。
【0037】
[0037]図5Aは、図3の例示的な人カウンタ206が画像データのフレームを受け取ることで開始する(ブロック500)。図解例では、受け取られるフレームは、接触環境100を監視する視聴者測定デバイス104のカメラ110によって取り込まれるものである。例示的な人カウンタ206は、受け取ったフレーム中で顔を探索して、視聴者106のメンバをカウントすることを試みる(ブロック502)。ブロック502の例示的な一実装形態を図5Bに示す。フレーム中の人の初期カウントとして、図3の例示的な顔検出器300は、受け取られたフレームのオブジェクトを分析して、オブジェクト(複数可)のいずれかが人間の顔であるかどうか判定する(ブロック504)。検出された顔があれば、例示的な顔検出器300は、顔検出器300によって記録された位置(例えばXY座標)に人物が存在すると宣言する(ブロック506)。したがって、顔検出器300による人物の存在の宣言ごとに、図3の顔検出宣言データベース302中にエントリが発生する。このようなエントリは、顔検出器300によって決定された、検出された顔の位置も含む。例示的な顔検出器300はまた、受け取られたフレーム中の検出された各顔の位置を、例示的な身体画像捕捉器304に搬送する(ブロック507)。次いで制御は図5Aに戻る(ブロック508)。
【0038】
[0038]例示的な身体画像捕捉器304は、検出された顔(複数可)の位置(複数可)を使用して、検出された各顔に対する身体領域中の画像データを取り込む(ブロック510)。図5A〜5C及び6の図解例で取り込まれる身体領域は、明確にするために、肩領域である。しかし、任意の適切な身体領域を、図5A〜5C及び/又は6の例によって利用することができる。第1の検出された顔に対する第1の肩画像を取り込むために、図解例の身体画像捕捉器304は、第1の検出された顔に属する肩を含む可能性の高い、第1の検出された顔の位置に隣接するボックス又はエリア(例えば正方形)を識別する。エリアの中心は、受け取られた対応する検出された顔の位置(例えば、顔として検出されたオブジェクトを定義するボックスの中心)のXY座標からY軸に沿ってマイナス方向に横断することによって設定される。次いでエリアは、エリアの計算された中心からX軸に沿ってプラスとマイナスの方向に延びる。身体画像捕捉器304によって識別される例示的なエリアを、図4Aにボックス404として示す。肩エリアの画像データ(例えば画素情報)が、身体画像捕捉器304によって取り込まれ、対応する位置データ(例えば中心)と共に身体画像データベース306に記憶される(ブロック512)。
【0039】
[0039]次いで、図3の例示的な人カウンタ206は、データベース306に記憶された身体画像データを使用して、受け取ったフレーム中で人を探索する(ブロック514)。ブロック514の例示的な一実装形態を図5Cに示す。例示的な身体画像検索器310は、カメラ110によって取り込まれたメディア接触環境100の1つ又は複数の前フレームについて、肩画像データを取り出す(ブロック516)。例えば、図解例の身体画像検索器310は、カメラ110によって取り込まれた最後の10個のフレーム(例えば最後の10秒)について、肩画像データを取り出す。図解例では、身体画像検索器310によって取り出された画像データには、取り出された各肩画像の位置が付随する。身体画像検索器310は、前フレーム(複数可)の肩画像(複数可)の位置(複数可)を含めて、取り出したデータを身体画像データ比較器308に搬送する(例えば一括して、又は1つずつ)。図5Cの例では、身体画像データ比較器308は、現フレームの受け取られた肩画像(複数可)の位置(複数可)の画像データを、前フレーム(複数可)からの受け取られた肩画像(複数可)と比較する(ブロック518)。現フレームの受け取られた位置(複数可)の画像データが、前フレーム(複数可)(例えば10個のフレームのいずれか)の少なくともしきい値数の肩画像データとしきい値内で合致する場合は(ブロック520)、例示的な身体画像データ比較器308は、現フレーム中のそれぞれの位置に人物が現れると宣言する(ブロック522)。図解例では、身体画像データ比較器308の宣言(複数可)は、身体領域検出宣言データベース312に記憶される。次いで制御は図5Aに戻る(ブロック524)。
【0040】
[0040]図3の例示的な冗長チェッカ314が、各肩宣言の位置を、対応する時間フレームについての顔宣言の位置と比較する(ブロック526)。肩宣言のうちの1つの位置と、顔宣言のうちの1つの位置とにより、肩宣言が既検出の顔に対応することが示されるときは、例示的な冗長チェッカ314は、現フレームについての人集計からこの肩宣言を省略する。顔宣言と肩宣言との間の冗長を識別した後、例示的な冗長チェッカ314は、現フレーム中に現れる人に対応する冗長でない顔宣言及び肩宣言を合計し、図1の接触環境100の視聴者中の人の総計を表す集計を出力する(ブロック528)。次いで、図5Aのフローチャートによって表される例示的な命令は、終了するか、又はブロック502に戻って別のフレームを処理する(ブロック530)。
【0041】
[0041]図6は、図5A〜5Cに示した例示的な実装形態に加えて、人カウンタ206の別の例示的な実装形態を示すフローチャートである。図6の図解例では、前述の顔検出宣言と肩検出宣言との間の冗長をチェックすることなく、肩検出宣言が人集計として使用される。このような手法は、例えば、図5A〜5Cに述べた例示的な実装形態と比較して、処理リソース及び/又は時間を温存することができる。図6は、図3の例示的な人カウンタ206が画像データのフレームを受け取ることで開始する(ブロック600)。図解例では、受け取られるフレームは、接触環境100を監視する視聴者測定デバイス104のカメラ110によって取り込まれるものである。例示的な人カウンタ206は、現フレームを分析して、人間の顔を検出する(ブロック602)。検出された顔があれば、例示的な顔検出器300は、検出された顔の位置を検出し、現フレーム中の検出された各顔の位置を例示的な身体画像捕捉器304に搬送する(ブロック604)。
【0042】
[0042]例示的な身体画像捕捉器304は、検出された顔(複数可)の位置(複数可)を使用して、検出された各顔に対する肩領域中の画像データを取り込む(ブロック606)。例えば、第1の検出された顔に対する第1の肩画像を取り込むために、図解例の身体画像捕捉器304は、第1の検出された顔に属する肩を含む可能性の高い、第1の検出された顔の位置に隣接するボックス又はエリア(例えば正方形)を識別する。肩エリアの画像データ(例えば画素情報)が、身体画像捕捉器304によって取り込まれ、対応する位置データ(例えば中心)と共に身体画像データベース306に記憶される(ブロック608)。
【0043】
[0043]図6の図解例では、例示的な身体画像検索器310は、カメラ110によって取り込まれたメディア接触環境100の1つ又は複数の前フレームについて、肩画像データを取り出す(ブロック610)。例えば、図解例の身体画像検索器310は、カメラ110によって取り込まれた最後の10個のフレーム(例えば最後の10秒)について、肩画像データを取り出す。図6の図解例では、身体画像検索器310によって取り出された画像データには、取り出された各肩画像の位置が付随する。身体画像検索器310は、前フレーム(複数可)の肩画像(複数可)の位置(複数可)を含めて、取り出したデータを身体画像データ比較器308に搬送する(例えば一括して、又は1つずつ)。図5Cの例では、身体画像データ比較器308は、現フレームの受け取られた肩画像(複数可)の位置(複数可)の画像データを、前フレーム(複数可)からの受け取られた肩画像(複数可)と比較する(ブロック612)。現フレームの受け取られた位置(複数可)の画像データが、前フレーム(複数可)(例えば10個のフレームのいずれか)の少なくともしきい値数の肩画像データとしきい値内で合致する場合は、例示的な身体画像データ比較器308は、現フレーム中のそれぞれの位置に人物が現れると宣言する(ブロック614)。図解例では、身体画像データ比較器308の宣言(複数可)は、身体領域検出宣言データベース312に記憶される。さらに、身体画像データ比較器308の宣言(複数可)は、現フレームについての人集計として出力される(ブロック616)。したがって、図6の図解例を用いると、現フレームと前フレームとの間の合致する肩領域の数が、人集計として人カウンタ206によって出力される。次いで、図6の例は終了する(ブロック618)。
【0044】
[0044]図2及び/又は3の例示的な人カウンタ206を、視聴者測定デバイス104と、メディアコンテンツについての接触データの生成とのコンテキストで述べているが、本明細書に開示する例示的な方法、製造品、及び装置は、追加の又は代替のコンテキスト、システム、測定、アプリケーション、プログラムなどに適用することができる。すなわち、本明細書に開示する例示的な方法、製造品、及び装置は、空間又は場所に何人の人が位置するかを決定するための任意の応用例で使用することができる。
【0045】
[0045]図7は、図5A〜5Cの機械可読命令を実行して図2及び/又は3の例示的な人カウンタ206を実現するのに使用することのできる、例示的なプロセッサシステム710のブロック図である。
【0046】
[0046]図7の例示的なプロセッサシステム710は、相互接続バス714に結合されるプロセッサ712を備える。プロセッサ712は、任意の適切なプロセッサ、処理ユニット、又はマイクロプロセッサ(例えば、Pentium(登録商標)ファミリ、Itanium(登録商標)ファミリ、若しくはXScale(登録商標)ファミリからの、1つ若しくは複数のIntel(登録商標)マイクロプロセッサ、及び/又は、他のファミリからの他のプロセッサ)とすることができる。システム710は、マルチプロセッサシステムであってもよく、したがって、プロセッサ712と同一又は同様であり相互接続バス714に通信可能に結合される、1つ又は複数の追加のプロセッサを備えてもよい。
【0047】
[0047]図7のプロセッサ712はチップセット718に結合され、チップセット718は、メモリコントローラ720及び入出力(I/O)コントローラ722を備える。チップセットは、I/O及びメモリ管理機能を提供し、且つ、チップセット718に結合された1つ又は複数のプロセッサによってアクセス可能であるか又は使用される複数の汎用及び/又は専用レジスタやタイマなどを提供する。メモリコントローラ720は、プロセッサ712がシステムメモリ724、大容量記憶メモリ725、及び/又はディジタル多用途ディスク(DVD)740にアクセスできるようにする機能を実施する。
【0048】
[0048]一般に、システムメモリ724は、例えばスタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、フラッシュメモリ、読取専用メモリ(ROM)など、任意の所望のタイプの揮発性及び/又は不揮発性メモリを含むことができる。大容量記憶メモリ725は、ハードディスクドライブ、光学ドライブ、テープ記憶デバイスなどを含めた、任意の所望のタイプの大容量記憶デバイスを含むことができる。図5A〜5Cの機械可読命令は、システムメモリ724、大容量記憶メモリ725、及び/又はDVD740に記憶することができる。
【0049】
[0049]I/Oコントローラ722は、プロセッサ712がI/Oバス732を介して周辺入出力(I/O)デバイス726及び728並びにネットワークインタフェース730と通信できるようにする機能を実施する。I/Oデバイス726及び728は、例えばキーボード、ビデオ表示装置又はモニタ、マウスなど、任意の所望のタイプのI/Oデバイスとすることができる。ネットワークインタフェース730は、例えば、プロセッサシステム710が別のプロセッサシステムと通信できるようにする、イーサネットデバイス、非同期転送モード(ATM)デバイス、802.11デバイス、ディジタル加入者線(DSL)モデム、ケーブルモデム、セルラーモデムなどとすることができる。図7の例示的なネットワークインタフェース730はまた、イントラネット、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、インターネットなどのネットワーク734に、通信可能に結合される。
【0050】
[0050]図7ではメモリコントローラ720とI/Oコントローラ722とがチップセット718内の別々の機能ブロックとして描かれているが、これらのブロックによって実施される機能は、単一の半導体回路内で統合されてもよく、又は2つ以上の別々の集積回路を使用して実現されてもよい。
【0051】
[0051]いくつかの例示的な装置、方法、及び製造品を本明細書に開示したが、本特許のカバー範囲はこれに限定されない。反対に、本特許は、本特許の特許請求の範囲内に適正に入る全ての装置、方法、及び製造品をカバーする。
【符号の説明】
【0052】
100 メディア接触環境
102 メディア提示デバイス、テレビジョン
104 視聴者測定デバイス
106 視聴者
108 セットトップボックス(STB)
110 カメラ
200 視聴者検出器
202 コンテンツ識別器
204 画像センサ
206 人カウンタ
208 タイムスタンパ
210 メモリ
212 番組検出器
214 出力デバイス
300 顔検出器
302 顔検出宣言データベース
304 身体画像捕捉器
306 身体領域画像データベース、身体画像データベース
308 身体画像データ比較器
310 身体画像検索器
312 身体領域検出宣言データベース
314 冗長チェッカ
400 顔ボックス
402 顔の位置
404 肩ボックス
406 位置
408 肩ボックス
410 腰領域
412 頭の位置
413 腰領域の位置
414 傾斜した頭から延びる中心線に対する角度
416 頭の位置からの距離
710 プロセッサシステム
712 プロセッサ
714 相互接続バス
718 チップセット
720 メモリコントローラ
722 入出力(I/O)コントローラ
724 システムメモリ
725 大容量記憶メモリ
726 周辺入出力(I/O)デバイス
728 周辺入出力(I/O)デバイス
730 ネットワークインタフェース
732 I/Oバス
734 ネットワーク
740 ディジタル多用途ディスク(DVD)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のフレーム中の身体領域の画像を取り込むステップと、
前記第1のフレームとは異なる第2のフレームが前記身体領域の前記画像を含むときに前記第2のフレーム中の人物の第1のカウントをインクリメントするステップとを含む、人をカウントする方法。
【請求項2】
前記身体領域に対応する顔の検出に応答して前記画像が取り込まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記画像を前記第1のフレームにおける前記画像の位置との関連で記憶するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2のフレームの一部と前記身体領域の前記画像とを比較して、前記第2のフレームが前記画像を含むかどうか判定するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第2のフレーム中の顔の数をカウントして第2のカウントを形成するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第2のフレーム中でカウントされた身体領域が前記第2のカウント中でカウントされた顔に対応するかどうか判定するステップと、
前記身体領域が前記第2のカウント中でカウントされた前記顔に対応する場合に、前記第1のカウントを低減するステップとをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のカウントと前記第2のカウントとを合計して前記第2のフレーム中の人の集計を得るステップをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記集計をメディアコンテンツに関連付けるステップをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
第1のフレーム中の顔を検出し、前記第1のフレーム中で検出された顔の数に基づいて前記第1のフレームに関連する顔集計をインクリメントするための顔検出器と、
前記第1のフレームとは異なる第2のフレームから、検出された顔に隣接する身体領域の画像を収集するための身体画像捕捉器と、
前記第1のフレームの画像データを前記第2のフレームからの前記身体領域の前記画像と比較し、前記第1のフレームの前記画像データが前記第2のフレームからの前記身体領域の前記画像と合致するときに前記第1のフレームに関連する身体領域カウントをインクリメントするための比較器とを備える、人をカウントするための装置。
【請求項10】
前記第1のフレームに関連する前記身体領域カウントと、前記第1のフレームに関連する前記顔集計との間の冗長をチェックするための冗長チェッカをさらに備える、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記冗長チェッカが、前記冗長を検出したときに前記身体領域カウントをデクリメントする、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記顔集計と前記身体領域カウントとを合計して人集計を形成することをさらに含む、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記人集計を、前記第1のフレームに関連するメディアコンテンツに対応するメディアコンテンツ識別情報に関連付けるためのコンテンツ識別器をさらに備える、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記身体領域の位置が、前記隣接する顔の位置に基づく、請求項9に記載の装置。
【請求項15】
前記位置が、前記第1及び第2のフレームに重なるグリッドの座標である、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
命令を記憶した有形の機械可読媒体であって、前記命令が実行されたとき、少なくとも、
第1の時点に対応する第1のフレーム中で第1の顔を検出すること、
前記第1のフレーム中の前記第1の顔に隣接する領域の画像を取り込むことであって、前記領域が前記第1のフレーム内の第1の位置にあること、
第2の時点に対応する第2のフレームが前記第1の位置で前記画像を含むかどうか判定することを、前記命令が機械に行わせる、機械可読媒体。
【請求項17】
前記第2のフレームが前記位置で前記画像を含むときであって前記第1のフレームの前記検出された顔が前記第2のフレーム中で検出されないときに、前記第2のフレームに関連する人集計をインクリメントすることを、前記命令が前記機械に行わせる、請求項16に記載の機械可読媒体。
【請求項18】
前記第2の時点で提示されているメディアコンテンツに前記人集計を関連付けることを、前記命令が前記機械に行わせる、請求項17に記載の機械可読媒体。
【請求項19】
前記第1の顔に隣接する前記領域が、前記検出された第1の顔の参照点に基づいてボックスを生成することによって計算される、請求項16に記載の機械可読媒体。
【請求項20】
前記第2のフレームが、前記第1の顔に隣接する前記領域の前記画像にしきい値内で類似する画像データを前記第1の位置で含むときに、前記第2のフレームが前記第1の位置で前記画像を含むと判定することを、前記命令が前記機械に行わせる、請求項16に記載の機械可読媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−54739(P2013−54739A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−190452(P2012−190452)
【出願日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
2.フロッピー
【出願人】(510130723)ザ ニールセン カンパニー (ユー エス) エルエルシー (22)
【Fターム(参考)】