説明

画像付き食品及びその製造方法

【課題】巻きずし、ロールケーキなどの柱状食品の表面に安価に画像、文字を形成する。
【解決手段】画像又は文字またはその両者をオブラートなどの可食フィルムに形成したものを巻きずし、ロールパン、ロールケーキといった柱状食品の柱状部の表面に巻きつけることによって画像又は文字またはその両者を柱状食品の表面に形成された構造を特徴とする。また画像又は文字またはその両者を可食フィルムに形成し柱状食品の柱状部の表面に巻きつける製法を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像、文字を表面に形成した食品およびその製法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来よりせんべい、最中のような菓子の表面に文字、画像などの表示をインクジェット印刷法、スクリーン印刷法などの印刷により食品の表面に形成することが行われてきた。
【0003】
例えば特開2010−29034にはチョコレートの表面にインクジェットで可食インキを印刷しチョコレートの表面に印刷する方法が書かれている。
【特許文献1】特開2010−29034
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の方法によれば印刷を行うため特別な印刷方法を用いなければならないため、せんべいなどのように平面を持つ平板のような構造の食品の表面にしかか画像、文字を形成することしかできなかった。
しかしながらロールパン、ロールケーキなどの立体的な食品の表面に画像、文字を形成したものがなく、さらにこういった立体的な食品に効率的に製造する方法が市場から待ち望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは上記の課題を解決するため鋭意研究を行い次のような手法をとった。すなわち写真、絵、模様といった画像または文字またはその両者(画像と文字)を形成してある可食フィルムを柱状の形状をしている柱状食品の柱状部の表面に巻きつけた構造とすることにより該柱状食品の柱状部に該画像または文字またはその両者が形成されている構造とする。
【0006】
そしてこの柱状食品の柱の形状は円柱または楕円柱または多角形柱であればよい。そしてこの柱状の食品は巻きずし等のすし、ロールパンなどのパン、円柱、楕円柱、多角形柱等の形状の菓子あるいはロールケーキがある。ここで使われる可食フィルムはでんぷん質(オブラートを含む)たんぱく質、多糖類から構成されているものが好適である。
【0007】
写真、絵、模様といった画像または文字またはその両者を形成してある可食フィルムを柱状の形状をしている柱状食品に巻くことにより、柱状食品の表面に該画像または文字またはその両者を形成する製法である。
【0008】
そしてこの柱状食品の柱の形状は円柱または楕円柱または多角形柱であればよい。そしてこの柱状の食品は巻きずし等のすし、ロールパンなどのパン、円柱、楕円柱、多角形柱等の形状の菓子あるいはロールケーキがある。
【0009】
次にオブラートのように薄く強度の弱い可食フィルム加工、柱状食品への巻きつけについて説明する。強度の弱い可食フィルムのシートは強度サポートのため強度サポートフィルム上に可食フィルムを形成または貼り付け、画像または文字またはその両者を形成した後、柱状食材に巻く際にこの強度サポートフィルムをはずすようにすれば強度の弱い可食フィルムも柱状食品の表面に巻くことが可能となる。そしてこの強度サポートフィルムは好適にはPET(ポリエチレンテレフタレート)、PE(ポリエチレン)あるいはPP(ポロプロピレン)であればよい。
【0010】
次に量産に好適な製法について説明する。本発明の可食フィルムには画像または文字またはその両者の1つを含む複数の群が形成されており、この可食フィルムを柱状食品に巻くことにより1つの柱状食品に複数の画像または文字またはその両者の群が形成し、複数の前記画像または文字またはその両者の群のそれぞれ1つ群の画像または文字またはその両者の群の境に沿ってこの柱状食品をカットすることにより、1つの画像または文字またはその両者の群が表面に形成されている柱状食品を製造する製造方法である。
この部分が複数の画像を可食フィルムに形成しておき柱状食品の表面に巻き画像の境にそってカットすることにより安価に量産可能となる部分の説明です。
【0011】
この可食フィルムへの画像または文字またはその両者の形成は可食インキを印刷して形成するようにすればよくこの印刷方法は可食インクを印刷するインクジェット、オフセット、グラビア又はシールであればよい。あるいは可食フィルムへの画像または文字またはその両者の形成は有色のベースの可食フィルムとは異なった可食フィルムをベースの可食フィルムに貼り付けることにより形成してもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば巻きずし、ロールケーキ、ロールパンといった柱状形状の食品の表面に容易に画像、文字を形成することができる。さらに多角形の柱状の食品の表面にも容易に画像、文字を形成することができ複数の画像、文字の1つの画像か文字を含む1群の画像又は文字またはその両者を形成し柱状食品を1群の画像又は文字またはその両者の境目を必要に応じて切ることにより大量生産も容易で、画像、文字を表面に形成した立体的食品安価に提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に本発明を実施するための最良の形態例について図に基づいて詳細に説明していく。図1は本発明の円柱状の食品の例である。ここで101は円柱状食品で例えばすしなどである。102は可食フィルムの断面であり、101の円柱状食品に巻くことにより可食フィルム102に形成された画像103が円柱状食品の表面に形成されている。図2に多角形のうちの三角の例であり、ここで201は三角柱状食品で例えばケーキなどである。202は可食フィルムの断面であり、201の三角柱状食品に巻くことにより可食フィルム202に形成された画像103が円柱状食品の表面に形成されている。
【0014】
次に製法について説明するが、図3は画像または文字またはその両者が形成された可食フィルムを円柱状食品に巻いている様子を示している。ここで301は円柱状の食品でありこの周りに可食フィルム302を巻いていけばよく、1周巻いたところで可食フィルム302は切断すればよい。可食フィルムには可食インキをインクジェットで画像または文字またはその両者を印刷しておけばよい。もちろんインクジェット印刷以外の例えばオフセット、グラビア又はシール印刷といった方法でもよい。
【0015】
可食フィルムの強度が弱い場合の製法について説明する。でんぷん質等から構成されているオブラートは強度が弱くその表面に画像文字等の形成が難しくさらに柱状食品に巻く際にもフィルムそのものが切れてしまう可能性がある。その際にはPET等からなる強度サポートフィルムを用いればよく強度サポートフィルムの上にオブラート等の強度の弱い可食フィルムをセットし強度サポートフィルムにセットした状態で画像、文字をインクジェットで可食インキを印刷することによって画像、文字等を形成する。次にこの強度サポートフィルム上の画像、文字等が形成された可食フィルムを円柱状食品に巻けばよいがその様子を図4に示した。402は円柱状食品であり、403の強度サポートフィルム上の401の可食フィルムを巻いていく。404は強度サポートフィルムと可食フィルムを分離する分離体である。ここでもインクジェット印刷を使ったがこれに限られるものではなく例えばオフセット、グラビア又はシール印刷といった方法でもよい。
【0016】
三角形(多角形)の場合を説明するがその様子を図5に示した。502は三角柱状食品であり、503の強度サポートフィルム上の501の可食フィルムを巻いていく。504は強度サポートフィルムと可食フィルムを分離する分離体である。ここでは可食フィルムはでんぷん質から構成されるオブラートの例を示したが、これに限られるものではなくたんぱく質、多糖類から構成されたフィルムでもよい。強度サポートフィルムはPETを使用したが、PE、PP等を使ってもよい。
【0017】
次に量産について説明するが柱状食品に巻く部分までは同様である。その際長い柱状食品に複数の画像または文字またはその両者の群を形成した可食フィルムを巻くことにより柱状食品の表面に複数の画像または文字またはその両者の群が形成される。その様子が図6である。ここで601は円柱状食品であり、602は複数の画像または文字またはその両者の群が形成されている可食フィルムの断面である。ここでは異なった画像がそれぞれの群として形成されているが同じものでもよい。ここで603、604、605の各部でカットすることによりそれぞれ606、607、608、609の表面に画像が形成された円柱状食品が製造される。
【0018】
図7は三角形(多角形)の場合の例であり、701は三角柱状食品であり、602は複数の画像または文字またはその両者の群が形成されている可食フィルムの断面である。ここでは異なった画像がそれぞれの群として形成されているが同じものでもよい。ここで603、604、605の各部でカットすることによりそれぞれ606、607、608、609の表面に画像が形成された三角柱状食品が製造される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】円柱状食品(画像巻きすし)
【図2】三角柱食品
【図3】円柱状食品に可食フィルムを巻く様子
【図4】円柱状食品に強度サポートフィルムを使用して巻く様子
【図5】三角柱状食品に強度サポートフィルムを使用して巻く様子
【図6】円柱状食品の多数個取り
【図7】三角柱状食品の多数個取り

【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱状食品に画像または文字またはその両者を形成してある可食フィルムを該柱状食品の柱状部表面に巻きつけた構造により該柱状食品の柱状部に該画像または文字またはその両者が形成されていることを特徴とする画像付食品
【請求項2】
前記柱状は円柱または楕円柱または多角形柱であることを特徴とする特許請求範囲第1項記載の画像付食品
【請求項3】
前記食品はすし、パン、菓子あるいはケーキであることを特徴とする特許請求範囲第1項記載の画像付食品
【請求項4】
前記可食フィルムはでんぷん質、たんぱく質、多糖類から構成されていることを特徴とする特許請求範囲第1項記載の画像付食品
【請求項5】
画像または文字またはその両者を形成してある可食フィルムを柱状食品に巻くことにより、柱状食品の表面に該画像または文字またはその両者を形成することを特徴とする画像付き食品製造方法
【請求項6】
前記柱状は円柱または楕円柱または多角形柱であることを特徴とする特許請求範囲第5項記載の画像付食品製造方法
【請求項7】
前記食品はすし、パン、菓子あるいはケーキであることを特徴とする特許請求範囲第5項記載の画像付食品製造方法
【請求項8】
前記可食フィルムのシートは強度サポートのため強度サポートフィルム上に形成または貼り付け、画像または文字またはその両者を形成した後、柱状食材に巻く際に前記強度サポートフィルムをはずすことを特徴とする特許請求範囲第5項記載の画像付食品製造方法
【請求項9】
前記強度サポートフィルムはPET、PEあるいはPPであることを特徴とする特許請求範囲第8項記載の画像付食品製造方法
【請求項10】
前記可食フィルムには画像または文字またはその両者のうちの1つからなるものを含む複数の群が形成されており、前記可食フィルムを柱状食品に巻くことにより1つの柱状食品に複数の画像または文字またはその両者の群が形成され、複数の前記画像または文字またはその両者の群のそれぞれ1つ群の画像または文字またはその両者の群の境に沿って前記柱状食品をカットすることにより、画像または文字またはその両者の1つの群が表面に形成されている食品を製造する特許請求範囲第5項記載の画像付食品製造方法
【請求項11】
前記可食フィルムへの画像または文字またはその両者の形成は可食インキを印刷して形成いることを特徴とする特許請求範囲第5項記載の画像付食品製造方法
【請求項12】
前記印刷はインクジェット、オフセット、グラビア又はシール印刷であることを特徴とする特許請求範囲第11項記載の画像付食品製造方法
【請求項13】
前記可食フィルムへの画像または文字またはその両者の形成は有色の可食フィルムを前記可食フィルムに貼り付けることにより形成していることを特徴とする特許請求範囲第5項記載の画像付食品製造方法


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−211912(P2011−211912A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−80599(P2010−80599)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(392019433)
【出願人】(510088561)
【Fターム(参考)】