説明

画像作成装置および方法、並びにプログラム

【課題】写真シールの作成作業、および作成された写真シールに対する利用者の満足度を向上させる。
【解決手段】表示制御部235は、複数の利用者を被写体として撮影された撮影画像を動画像としてリアルタイムで表示部に表示させるように制御し、合成処理部231は、表示部に表示された動画像における被写体それぞれに合成用画像を合成し、動画像における被写体それぞれが所定の位置関係になったときに、動画像における被写体全体に、被写体それぞれに合成された合成用画像とは異なる1つの全体合成用画像を合成する。そして、全体合成用画像が合成された、静止画像としての撮影画像が出力される。本発明は、例えば、写真シール作成装置に適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像作成装置および方法、並びにプログラムに関し、特に、写真シールの作成作業、および作成された写真シールに対する利用者の満足度を向上させることができるようにする画像作成装置および方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者(被写体)を撮影し、得られた撮影画像に予め用意されている画像を合成したり、文字や線画を重畳させたりする落書き編集処理を行い、シール紙に印刷し、写真シールとして利用者に提供する写真シール機が存在する。
【0003】
この写真シール機は、例えば、ゲームセンタ等の娯楽(遊戯)施設に設置され、主に女子高校生や女子中学生等を中心とする利用者に有料でサービスを提供する。利用者は、写真シールの作成作業をゲームとして楽しむだけでなく、出力される様々なサイズの編集済み画像が印刷されている写真シールを仲間同士で切り分け合って、それぞれの所持品に貼り付けたりしている。
【0004】
写真シール作成のゲームは、被写体の撮影、その撮影画像に対する落書き編集、そして、編集済み画像の写真シールへの出力、という流れで行われる。利用者は、この一連の工程を制限時間内でプレイし、その成果物として作成された写真シールを受け取る。したがって、利用者の満足度を向上させるためには、写真シール作成作業のゲームとしての面白さを向上させるとともに、写真シールの出来栄えを向上させることも重要になる。
【0005】
このような写真シール作成のゲームを提供する写真シール機においては、撮影時に、利用者である被写体の画像が動画像(ライブビュー画像)としてリアルタイムで表示されるようになされており、利用者は、そのライブビュー画像を確認しながら撮影作業を行うことができる。
【0006】
ところで、ライブビュー画像において、補正したい部分に対する枠表示の位置を利用者が選択することで、選択された位置の枠領域が補正されたライブビュー画像を表示する写真シール機がある(特許文献1参照)。
【0007】
また、撮像画像において被写体の顔を検出し、検出された顔の表情に応じた顔位置マーカを撮像画像に重畳させ表示するようにした撮像装置がある(特許文献2参照)。
【0008】
さらに、写真シールの仕上がりが、利用者にとって驚きと楽しみを持った仕上がりとなるように、写真シール機において、編集対象となる撮影画像に対して編集入力された合成用画像とデザインの異なる画像を、写真シール紙に合成して印刷するようにした技術が提案されている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005−277772号公報
【特許文献2】特許第4264663号公報
【特許文献3】特開2005−195857号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、特許文献1の写真シール機において、ライブビュー画像に表示される枠は、補正対象の領域を表すためのものであり、特許文献2の撮像装置において、撮像画像に重畳して表示される顔位置マーカは、単に、被写体の顔の位置を表すためのものである。すなわち、これらの枠や顔位置マーカは、被写体となる利用者に、撮影に対する面白みを与えるものではない。
【0011】
また、特許文献3の写真シール機において、最終的に印刷される写真シールに合成される画像は、利用者には未知であり、利用者の満足する画像が合成されるとは限らず、また、その編集入力の操作自体、面白みのあるものではなかった。
【0012】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、写真シールの作成作業、および作成された写真シールに対する利用者の満足度を向上させることができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一側面の画像作成装置は、利用者を被写体として撮影し、得られた画像を出力する画像作成装置であって、複数の前記利用者を被写体として撮影し撮影画像を得る撮影手段と、前記撮影手段により撮影された前記撮影画像を動画像としてリアルタイムで表示部に表示させるように制御する表示制御手段と、前記表示部に表示された前記動画像における被写体それぞれに合成用画像を合成する合成手段とを備え、前記合成手段は、前記動画像における被写体それぞれが所定の位置関係になったときに、前記動画像における被写体全体に、前記被写体それぞれに合成された前記合成用画像とは異なる1つの全体合成用画像を合成し、前記撮影手段は、前記全体合成用画像が合成された、静止画像としての前記撮影画像を出力する。
【0014】
この画像作成装置の、撮影手段は、例えば、撮影処理部により構成され、表示制御手段は、例えば、表示制御部により構成され、合成手段は、例えば、合成処理部により構成される。
【0015】
本発明の画像作成装置においては、複数の利用者が被写体として撮影され撮影画像が得られ、撮影された撮影画像が動画像としてリアルタイムで表示部に表示されるように制御され、表示された動画像における被写体それぞれに合成用画像が合成され、動画像における被写体それぞれが所定の位置関係になったときに、動画像における被写体全体に、被写体それぞれに合成された合成用画像とは異なる1つの全体合成用画像が合成され、全体合成用画像が合成された、静止画像としての撮影画像が出力される。
【0016】
これにより、利用者は、例えば、ライブビュー画像における被写体それぞれの顔の部分に合成されているフレーム画像を、互いの顔を近づけることによって、1つの出来上がりフレーム画像にすることができ、撮影作業を楽しみながら行うことができる。また、出来上がりフレーム画像は、撮影画像(編集対象用画像)や編集済み画像にも反映されるので、最終的に出力される写真シールにももちろん反映されるようにできる。したがって、写真シールの作成作業、および作成された写真シールに対する利用者の満足度を向上させることが可能となる。
【0017】
前記全体合成用画像は、前記被写体それぞれに合成された前記合成用画像を組み合わせた組み合わせ合成用画像とすることができる。
【0018】
前記組み合わせ合成用画像は、所定の図形を形成し、前記合成用画像は、前記所定の図形の一部を形成するようにできる。
【0019】
画像作成装置には、前記動画像における被写体の顔を認識する認識手段をさらに設け、前記合成手段には、前記動画像における被写体の顔それぞれに前記合成用画像を合成し、前記動画像における被写体の顔それぞれが所定の位置関係になった前記動画像における被写体の顔全体に、前記組み合わせ合成用画像を合成させることができる。
【0020】
この画像作成装置の認識手段は、例えば、顔認識部により構成される。
【0021】
前記合成手段には、前記動画像における被写体の顔同士の位置が所定の距離範囲内になったときに、前記動画像における被写体の顔全体に、前記組み合わせ合成用画像を合成させることができる。
【0022】
前記合成手段には、前記動画像における被写体の顔同士の位置が所定の距離範囲内になったとき、かつ、前記被写体の顔それぞれの大きさが所定の大きさより大きいときに、前記動画像における被写体の顔全体に、前記組み合わせ合成用画像を合成させることができる。
【0023】
前記表示制御手段には、前記表示部に、前記被写体が撮影された前記動画像と、予め登録されている他の被写体の画像であるモデル画像とを表示させ、前記合成手段には、前記表示部に表示された前記動画像における前記被写体および前記モデル画像それぞれに合成用画像を合成させ、前記動画像における前記被写体と前記モデル画像とが所定の位置関係になったときに、前記動画像における前記被写体と前記モデル画像全体に、前記被写体および前記モデル画像それぞれに合成された前記合成用画像とは異なる1つの前記全体合成用画像を合成させることができる。
【0024】
本発明の一側面の画像作成方法は、利用者を被写体として撮影し、得られた画像を出力する画像作成装置の画像作成方法であって、複数の前記利用者を被写体として撮影し撮影画像を得る撮影ステップと、撮影された前記撮影画像を動画像としてリアルタイムで表示部に表示させるように制御する表示制御ステップと、前記表示部に表示された前記動画像における被写体それぞれに合成用画像を合成する合成ステップとを含み、前記合成ステップの処理は、前記動画像における被写体それぞれが所定の位置関係になったときに、前記動画像における被写体全体に、前記被写体それぞれに合成された前記合成用画像とは異なる1つの全体合成用画像を合成し、前記撮影ステップの処理は、前記全体合成用画像が合成された、静止画像としての前記撮影画像を出力する。
【0025】
本発明の画像作成方法においては、複数の利用者が被写体として撮影され撮影画像が得られ、撮影された撮影画像が動画像としてリアルタイムで表示部に表示されるように制御され、表示された動画像における被写体それぞれに合成用画像が合成され、動画像における被写体それぞれが所定の位置関係になったときに、動画像における被写体全体に、被写体それぞれに合成された合成用画像とは異なる1つの全体合成用画像が合成され、全体合成用画像が合成された、静止画像としての撮影画像が出力される。
【0026】
本発明の一側面のプログラムは、利用者を被写体として撮影し、得られた画像を出力する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、複数の前記利用者を被写体とした撮影を制御し撮影画像を得る撮影制御ステップと、撮影された前記撮影画像を動画像としてリアルタイムで表示部に表示させるように制御する表示制御ステップと、前記表示部に表示された前記動画像における被写体それぞれへの合成用画像の合成を制御する合成制御ステップとを含む処理をコンピュータに実行させ、前記合成制御ステップの処理は、前記動画像における被写体それぞれが所定の位置関係になったときに、前記動画像における被写体全体への、前記被写体それぞれに合成された前記合成用画像とは異なる1つの全体合成用画像の合成を制御し、前記撮影制御ステップの処理は、前記全体合成用画像が合成された、静止画像としての前記撮影画像の出力を制御する。
【0027】
このプログラムは、所定の記録媒体に記録されて、例えば、ドライブにより読み出され、写真シール作成装置にインストールされる。記録媒体は、フロッピ(登録商標)ディスクなどよりなる磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc)などよりなる光ディスク、MD(Mini Disc)(登録商標)などよりなる光磁気ディスク、または半導体メモリなどのリムーバブルメディアにより構成される。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、写真シールの作成作業、および作成された写真シールに対する利用者の満足度を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明を適用した写真シール作成装置の一実施の形態の例を示す斜視図である。
【図2】図1の写真シール作成装置の他の角度からの斜視図である。
【図3】図1の写真シール作成装置の設置例を示す斜視図である。
【図4】利用者の空間移動を説明する図である。
【図5】前方ユニットの正面の構成例を示す図である。
【図6】編集ユニットの側面の構成例を示す図である。
【図7】編集ユニットの他の側面の構成例を示す図である。
【図8】写真シール作成装置の内部の構成例を示すブロック図である。
【図9】制御部の詳細な構成例を示す機能ブロック図である。
【図10】撮影処理部の詳細な構成例を示す機能ブロック図である。
【図11】ライブビュー表示制御部の詳細な構成例を示す機能ブロック図である。
【図12】写真シール作成ゲーム処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図13】撮影処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図14】撮影処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図15】ライブビュー表示処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図16】タッチパネルモニタの表示の例を示す図である。
【図17】出来上がりフレーム画像の合成について説明する図である。
【図18】タッチパネルモニタの表示の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、本発明を適用した写真シール作成装置の一実施の形態の例を示す図である。
【0031】
図1の写真シール作成装置1は、撮影や編集等の作業の娯楽性を高め、それらの作業を利用者にゲーム(遊戯サービス)として行わせ、撮影画像や編集済み画像を写真シールやデータとして利用者に提供する代わりに、利用者より代金を受け取るゲーム装置(遊戯サービス提供装置)である。
【0032】
この写真シール作成装置1が実行する写真シール作成ゲームにおいて、利用者は、ゲームの代金を投入し、写真シール作成装置1に設けられたカメラを用いて自分自身等を撮影し、その撮影画像に対して背景画像を合成したり、ペン入力やスタンプ入力等の編集機能により合成用画像を加える等の編集(落書き編集)を行い、撮影画像を彩り豊かなものにデザインする。そしてゲーム終了後、利用者は、編集済み画像が印刷された写真シール等を成果物として受け取る。
【0033】
このような写真シール作成装置1は、通常、ゲームセンタや観光地の店舗等に設置される。つまり、写真シール作成装置1は、例えば、メーカや販売会社などから、それらの店舗の経営者に販売される。写真シール作成装置1を購入した経営者は、店舗(例えばゲームセンタ)にその写真シール作成装置1を設置して管理・運営し、女子高校生や女子中学生に代表される一般の利用者に写真シール作成ゲームを有料でプレイさせ、その代金により収益を上げる。
【0034】
従って、店舗の経営者にとって、写真シール作成装置1の収益率の高さが重要となる。つまり、写真シール作成装置1は、単位時間当たりの収益率が高い方が望ましい。また、通常の店舗の場合、床面積や構造等の制限により、写真シール作成装置1の設置場所が限定される。従って、写真シール作成装置1は、単位床面積当たりの収益率が高い方が望ましい。さらに、各店舗の広さや形状は通常同じでなく、かつ、写真シール作成装置1とともに設置される他のゲーム機等も異なるため、設置場所の自由度が高いほど望ましい。
【0035】
収益率を向上させる方法として、例えば、写真シール作成ゲームの回転率を向上させる方法がある。つまり、所定の時間内にプレイされるゲーム数を増加させることにより単位時間当たりの収益率を増加させる方法である。しかしながら、写真シール作成ゲームをプレイする利用者がいなければ収益率は向上しない。したがって、写真シール作成装置1の写真シール作成ゲームに対する、利用者の期待度や満足度を向上させることも重要となる。
【0036】
例えば、写真シール作成装置1は、ゲームをプレイしたことのない利用者が「プレイしてみたい」と思うような期待度の高い機能を設けることにより利用者数を増加させることができる。また、一度プレイした利用者が「楽しかった、もう一度プレイしたい」と思うような満足度の高い機能を設けることにより、写真シール作成装置1は、いわゆるリピータを増加させ、利用者数をさらに増加させることができる。その結果、写真シール作成装置1の収益が向上する。
【0037】
利用者にとって、写真シール作成装置1には、大きく分けて、写真シール作成ゲームをプレイすること(写真シールの作成作業)と、成果物として写真シール用画像や写真シールを得ること(完成した写真シールそのもの)の2つの娯楽性がある。
【0038】
前者の、写真シール作成作業の娯楽性を向上させる方法としては、例えば、撮影機能や、落書き編集等の編集機能の多機能化、操作性の向上、またはプレイ時間や待ち時間の調整等がある。後者の、完成した写真シールそのものの娯楽性を向上させる方法としては、例えば、シール紙の品質向上、高画質印刷、および特殊色印刷等のようなハードウェアの向上や、写真シールの画像に対する利用者の満足度を向上させることなどがある。
【0039】
また、主な利用者層である女子高校生や女子中学生は、得られた写真シールを所有物に貼り付けるだけでなく、その写真シールを交換したり、その写真シールを話題にして会話を行ったりする。従って、例えば、写真シールの画像内容が、派手だったり、面白かったり、希少性が高かったり、目新しさがあったりする場合、その写真シールを利用者自身が気に入ることもあるが、それだけでなく、その写真シールを話題として会話が盛り上がることも考えられる。
【0040】
このようにして、写真シールの娯楽性を向上させることで、単にその利用者の満足度を向上させるだけでなく、他者の期待度を向上させ、評判の広がりによる集客、すなわち、いわゆる口コミによる新規利用者を増やすことも期待することができる。従って、このような写真シールの利用により、写真シール自体が写真シール作成装置1の広告としての役割も果たすようにもなる。
【0041】
つまり、写真シール作成ゲームにおいて、利用者らが気に入るような画像を作成することができる機能を提供することにより、利用者の写真シール作成ゲームに対する満足度だけでなく、写真シールに対する満足度も向上させることができ、さらに、写真シールの話題性や広告効果等も同時に向上させることができる。
【0042】
写真シール作成装置1は、このような特徴を有するが、その筐体10は、図1に示すように、撮影ユニット12、編集ユニット13、天井ストロボユニット14、および背景カーテンユニット15の4つのユニットに大きく分けられる。
【0043】
撮影ユニット12は、利用者等を被写体として撮影する機能を有しており、後述する内部の撮影空間において被写体の撮影が行われる。この撮影ユニット12は、大きく、前方ユニット12Aと後方ユニット12Bの2つに分けられる。
【0044】
前方ユニット12Aは、撮影空間の前方とされる側のユニットであり、撮影空間の利用者の撮影に関する処理を行ったり、利用者の写真シール作成ゲームに関する操作を受け付けたりする。後方ユニット12Bは、撮影空間の後方とされる側のユニットであり、前方ユニット12Aによる利用者の撮影の際に、背景の役割を果たすユニットである。この後方ユニット12Bの内部は、空洞(空間)となっており、利用者が撮影を行う際に利用される撮影空間の一部として構成される。この後方ユニット12Bの内部には、利用者がポーズをとるために利用するステージ等が設けられるようにしてもよい。また、前方ユニット12Aの側面には、外付けモニタ16、スピーカ17、およびタッチボタン18が設けられているが、その詳細は後述する。
【0045】
編集ユニット13は、利用者が撮影画像に対する落書き編集等を行うための構成(例えば、モニタ、タッチパネル、およびタッチペン等)が設けられている。後述するように1つの筺体からなる編集ユニット13は、2組の利用者が同時に編集作業を行うことができるように、2つの面のそれぞれに、落書き編集等を行うための構成が設けられている。後述するように、写真シール作成装置1は、複数の写真シール作成ゲームを並列的に実行することができる。換言すれば、複数組の利用者が、同時に写真シール作成装置1において写真シール作成ゲームをプレイすることができる。編集ユニット13は、写真シール作成ゲームのプレイの回転率を向上させるために、それらの複数組の利用者が同時に落書き編集を行うことができるように、2つの落書き編集等を行うための構成が設けられている。
【0046】
撮影空間の上方に設けられる天井ストロボユニット14は、撮影タイミングに合わせて撮影空間内に向けてフラッシュ発光するストロボを内蔵する。この天井ストロボユニット14には、さらに内部に蛍光灯が配置されており、撮影空間(撮影空間内の利用者)を常時照らす照明としても機能する。撮影空間は、後述するように簡易的に閉鎖的な空間として構成される。したがって、外部より光が進入しづらく、暗くなりがちで利用者の操作性が低下する恐れがある。そこで、天井ストロボユニット14が、その照明により撮影空間を明るく照らすことにより、そのような恐れを回避し、操作性を向上させることができる。なお、このような照明は前方ユニット12Aにも設けられている。前方ユニット12Aの構成例については、図5を参照して後述する。
【0047】
また、後方ユニット12Bの上部には、例えば、背景に利用する可動式のカーテン(背景カーテン)を備える背景カーテンユニット15が設けられている。この背景カーテンユニット15は、例えば、互いに色または柄の異なる巻き取り式のカーテンが複数吊設されている。例えば、明るい色の単色、外国の絵本のようなお洒落でかわいい柄、彩り豊かなポップで(大衆向けの)お洒落な柄等、主な利用者である女性の若者に人気の高い色や柄が複数揃えられる。
【0048】
背景カーテンユニット15は、前方ユニット12Aに設けられたカメラやストロボ等の撮影機能と連動して動作し、撮影の際に、例えば利用者に選択された色のカーテンを下ろし、その他のカーテンを巻き取る。このように動作することにより、背景カーテンユニット15は、容易に利用者の所望のデザインや、撮影モード等に応じたデザインの背景を提供することができる。これにより、写真シール作成装置1は、画像(写真シール)に対する利用者の満足度を向上させることができる。
【0049】
なお、背景カーテンユニット15が備えるカーテン(背景カーテン)の枚数は任意である。例えば、背景カーテンユニット15に1枚の背景カーテンのみが吊設されるようにしてもよい。また、この場合、写真シール作成装置1が、合成用の背景画像を複数種類用意し、その中から利用者により選択された背景画像を撮影画像に合成するようにしてもよい。このようにすることにより、写真シール作成装置1に設けられる物理的な背景カーテンが1枚のみであっても、写真シール作成装置1は、利用者の多様な好みに対応することができる。
【0050】
外付けモニタ16は、撮影ユニット12内の撮影空間で利用者の撮影が行われている場合には、次に撮影空間を利用しようと待機している利用者や、写真シール作成装置1の傍を通りかかった人に対して、撮影中の利用者のゲームの進行状況を示す映像を出力(表示)したり、写真シール作成ゲームの流れや遊び方等を案内(説明)するコンテンツ(デモンストレーション)、写真シール作成装置1が設置されている店舗や地域の広告等を出力する。また、写真シール作成装置1にエラーが発生している場合には、そのエラーの内容を出力する。
【0051】
スピーカ17は、外付けモニタ16によって出力される映像やコンテンツ、広告等に合わせた音声を出力する。
【0052】
タッチボタン18は、機械的に動作する機構を有しない構成とされ、所定の利用者に操作(タッチ)されることで、そのタッチによる圧力や静電気を感知して、利用者の操作を受け付ける。タッチボタン18が利用者の操作を受け付けると、外付けモニタ16によって出力される映像やコンテンツ、広告等は、適宜、その内容が切り替わるようになされている。また、タッチボタン18は、外付けモニタ16が、その上にタッチパネルが重畳されて構成されている場合には、外付けモニタ16の表示領域の一部に表示されて構成されるようにしてもよいし、機械的に動作する機構を有するプッシュボタンとして構成されるようにしてもよい。
【0053】
また、外付けモニタ16、スピーカ17、およびタッチボタン18は、前方ユニット12Aの側面のいずれか一方に設けられるようになされている。すなわち、図1において図示されない前方ユニット12Aの側面は、図1において外付けモニタ16、スピーカ17、およびタッチボタン18が設けられている前方ユニット12Aの側面に外付けモニタ16、スピーカ17、およびタッチボタン18が設けられない場合に、外付けモニタ16、スピーカ17、およびタッチボタン18が設置可能な構造となっている。
【0054】
図2は、図1の写真シール作成装置1を、編集ユニット13側より見た斜視図である。
【0055】
編集ユニット13は、図2に示すように、前方ユニット12Aの、後方ユニット12B側の面(つまり、撮影空間側の面)と反対の面に隣接して設置される。編集ユニット13の、前方ユニット12Aに直交する2つの側面には、利用者が撮影画像に対する落書き編集等を行うための第1編集インタフェース13Aと第2編集インタフェース13Bがそれぞれ設けられている。つまり、編集ユニット13には、写真シール作成ゲームを行う複数組の利用者が、前方ユニット12Aと後方ユニット12Bを結ぶ方向と直交する向きに、編集ユニット13を挟んで対向する状態で編集作業を行うことができるように、2つの編集インタフェースが設けられている。
【0056】
また、編集ユニット13の、撮影ユニット12と対向する面には、写真シール作成ゲームがプレイされることにより作成された写真シールが排出されて利用者に提供される写真シール排出部13Cが設けられている。
【0057】
図3は、写真シール作成装置1の設置例を示す外観図である。
【0058】
写真シール作成装置1がゲームセンタ等に設置される場合、例えば図3に示されるように、撮影ユニット12や編集ユニット13を囲むように、側面カーテン21が設けられる。この側面カーテン21は、撮影作業が行われる撮影空間や編集作業が行われる編集空間等を簡易的に囲み、各空間の閉鎖性を向上させている。つまり、側面カーテン21は、例えば、各空間内の環境を安定させることにより、高画質な撮影や編集画面の見易さ等に寄与したり、各空間外からの視界を遮断し、利用者が外部からの視線を意識せずに撮影や編集等の作業を行うことができるようにしたりする。
【0059】
この側面カーテン21の外側の面は、通常、広告を掲載する場所として利用され、設置場所において注目度が高まるように、写真シール作成装置1の機種名や機種のイメージを表す派手なデザイン画が印刷される。
【0060】
以上のような写真シール作成装置1は、利用者の各組に対して、それぞれ、写真シール作成ゲームをプレイさせる。写真シール作成装置1は、複数の写真シール作成ゲームを同時に進行させることができる。つまり、写真シール作成装置1は、同時に複数の組に写真シール作成ゲームをプレイさせることができる。このとき、各組の利用者は、写真シール作成装置1に設けられた複数の空間を移動しながら、写真シール作成ゲームの各作業を行い、ゲームを進行させることができる。
【0061】
次に、写真シール作成ゲームの流れと、それに伴う空間の移動について、図4を参照して説明する。
【0062】
図4は、利用者のゲーム中に、写真シール作成装置1を上から見た平面図である。図4に示すように、利用者は、外部(利用者Aまたは利用者A')から、前方ユニット12Aと後方ユニット12Bの間を通って、図中点線で示される、前方ユニット12Aと後方ユニット12Bとの間に形成される、撮影作業を行う撮影空間32に入場し、代金を投入することで写真シール作成ゲームを開始する(利用者B)。もし、前の組の利用者が撮影空間32を使用中であれば(撮影作業中であれば)、利用者は、ユニット外部において待機する(利用者Aまたは利用者A')。なお、図4において、利用者(利用者A)は、外付けモニタ16およびスピーカ17によって出力される、撮影中の利用者のゲームの進行状況を示す映像や写真シール作成ゲームの流れや遊び方等を案内するコンテンツを視聴しながら待機することができる。
【0063】
代金が投入され、写真シール作成ゲームが開始されると、利用者(利用者B)は、前方ユニット12Aの正面に設けられたカメラやモニタを利用して自分自身等を撮影させる撮影作業を行う。
【0064】
撮影作業が終了すると利用者は、得られた撮影画像の中から編集対象用画像として保存するものを選択し、表示された移動案内にしたがって、撮影作業を行った撮影空間32から、図中点線で示す、編集作業を行う編集空間へと移動する。
【0065】
編集ユニット13の、前方ユニット12Aから見て左側(第1編集インタフェース13Aの前方)に第1編集空間33Aが設けられ、右側(第2編集インタフェース13Bの前方)に第2編集空間33Bが設けられている。つまり、この写真シール作成装置1においては、第1編集空間33Aの利用者(利用者C)および第2編集空間33Bの利用者(利用者C')の、合計2組の利用者が同時に編集作業を行うことができる。撮影空間32の利用者(利用者B)は、この2つの編集空間のうち、空いている方に案内される。第1編集空間33Aまたは第2編集空間33Bに移動すると、利用者は、落書き編集作業を行う。以下において、第1編集空間33Aと第2編集空間33Bとを区別する必要の無い場合、編集空間33と称する。
【0066】
その後、落書き編集が終了すると、利用者(利用者Cまたは利用者C')は、次に、印刷設定作業を行い、分割数等の設定を行う。そして印刷が開始されると、利用者は、その印刷中に携帯端末への画像の送信、アンケート入力、ミニゲーム等を行う。そして、印刷が終了すると、写真シール排出部13C前方の印刷物受取領域34に移動し(利用者D)、排出された写真シール紙を受け取り、写真シール作成ゲームを終了する。
【0067】
なお、以上のような写真シール作成ゲームにおいて、撮影空間32の利用者Bが、編集空間33に移動すると、撮影空間32が未使用になるので、写真シール作成装置1は、新たな組の利用者に撮影空間32を使用させることができる。さらに、第1編集空間33Aの利用者C、または、第2編集空間33Bの利用者C'が、印刷物受取領域34に移動すると、その第1編集空間33Aまたは第2編集空間33Bが未使用になるので、写真シール作成装置1は、新たな組の利用者(利用者B)に、その第1編集空間33Aまたは第2編集空間33Bを使用させることができる。なお、第1編集空間33Aおよび第2編集空間33Bがいずれも未使用である場合には、写真シール作成装置1は、利用者(利用者B)に対して、第1編集空間33Aおよび第2編集空間33Bのいずれか一方を使用させるように案内するとともに、利用者が案内された編集空間でない方に移動した場合には、案内された編集空間に利用者を誘導させることができる。
【0068】
つまり、写真シール作成装置1は、写真シール作成ゲームの、単位時間辺りおよび単位床面積辺りの回転率を向上させるために、撮影空間32、第1編集空間33A、第2編集空間33B、および印刷物受取領域34を用いて、同時に、複数組の利用者に、写真シール作成ゲームをプレイさせることができる(多重接客を行うことができる)。
【0069】
なお、このような筐体10の構成は任意であり、上述した以外の構成であってもよい。同様に、多重接客の仕方も任意である。
【0070】
次に、各ユニットの構成について説明する。
【0071】
図5は、前方ユニット12Aの構成例を示す図である。図5の正面12A−1は、撮影空間32内に面する側面であり、撮影作業を行う利用者にとって前方に位置する面である。つまり、利用者は、撮影空間32において、基本的にこの正面12A−1に向かって(前方ユニット12A側を向いて)撮影作業を行う。
【0072】
この正面12A−1の中央付近には、撮影空間32内の被写体を撮影するカメラ51が設けられており、カメラ51の下側にタッチパネルモニタ52が設けられている。タッチパネルモニタ52は、例えば、カメラ51により光電変換されてリアルタイムに(即時)取り込まれている取り込み画像に背景や前景等の画像を合成した合成画像(動画像)を表示するライブビューモニタとしての機能と、各種GUI(Graphical User Interface)画像を表示するとともに、画面上に重畳されたタッチパネルにより利用者の指示を受け付ける機能とを備えている。また、正面12A−1には、曲面または平面で構成される乳白アクリル板53−1乃至乳白アクリル板53−6の背後に、撮影空間32内を照明したり、カメラ51による撮影タイミングに合わせてフラッシュ光を発光したりする照明装置が設置されている他、撮影作業中の利用者の手荷物等を置くための荷物置き場54−1および54−2、並びに、写真シール作成ゲームの代金が投入される硬貨投入返却口55が設けられている。
【0073】
さらに、正面12A−1には、乳白アクリル板53−1乃至乳白アクリル板53−3の裏側であって、撮影空間32の天井付近に、写真シール作成ゲームの撮影作業における案内音声、BGM(Back Ground Music)、効果音等の音声が出力される、図示せぬスピーカ124(図8)が設けられている。なお、スピーカ124の数および設置位置は任意である。
【0074】
カメラ51は、CCD(Charge Coupled Device)を利用した撮像素子等により構成され、写真シール作成ゲームの撮影作業の工程において、撮影空間32内の利用者を撮像し、動画像を取り込み画像として取り込む。カメラ51により取り込まれた取り込み画像は、一部が切り出されたり、背景等の画像が合成されたりして、タッチパネルモニタ52に即時的に表示される。また、所定のタイミングでカメラ51により取り込まれた取り込み画像は、そのタイミングのフレームの画像が抜き出され、撮影画像(静止画像)として保存される。
【0075】
なお、カメラ51として、CCDの代わりに、例えばCMOSセンサを用いたカメラを使用してもよい。もちろん、これら以外にも、利用者を撮影し、デジタル画像データを得られるものであればどのようなカメラを用いるようにしてもよい。また、カメラ51の個数も設置位置も任意である。
【0076】
タッチパネルモニタ52は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等のライブビューモニタ123(図8)と、それに積層された無色透明のタッチパネルとにより構成され、撮影作業中の利用者が撮影結果を確認しながら立ち位置や姿勢を決定することができるようにするために、カメラ51により取り込まれた取り込み画像を即時的に(リアルタイムに)表示する。このとき、タッチパネルモニタ52に表示される取り込み画像は、例えば、背景や前景等、利用者に指定された画像が合成されたり、その画像の画サイズ等に合わせて一部分が切り出されたり(トリミングされたり)する。また、タッチパネルモニタ52は、撮影作業の手順を案内する案内画像等、撮影作業に関する画像を表示し、タッチパネル(例えば、感圧式や電磁誘導式等)が例えば利用者の指等によるタップ操作を受け付けるようになされている。
【0077】
乳白アクリル板53−1乃至乳白アクリル板53−6の背後には、複数の、蛍光灯およびストロボ発光可能な照明装置が設置され、撮影空間32を明るくし、操作性や安全性を確保するために、撮影空間32を常時照らすとともに、撮影画像の画質を向上させるために、撮影タイミングに対応するタイミングでストロボ発光し、撮影される利用者に光を多様な角度から照射する。なお、以下において、乳白アクリル板53−1乃至乳白アクリル板53−6を互いに区別して説明する必要の無い場合、乳白アクリル板53と称する。また、所定の乳白アクリル板53の表面には、ストロボ発光による撮影空間32の明るさを調整するために、図示せぬLED(Light Emitting Diode)を設けるようにしてもよい。
【0078】
荷物置き場54−1,54−2は、撮影時における利用者の手荷物の置き場所として利用する棚である。荷物置き場54−1,54−2は、撮影の邪魔にならないような位置、すなわち、利用者が撮影ポーズをとるのに邪魔にならず、かつ、上述した照明装置の光の照射の妨げとならない位置に設けられている。利用者は、手荷物を荷物置き場54−1,54−2に置くことにより、より快適に撮影作業を行うことができる。
【0079】
硬貨投入返却口55は、利用者が写真シール作成ゲームの代金として硬貨を投入したり、投入に失敗した硬貨やお釣りの硬貨を返却したりするユーザインターフェースである。
【0080】
もちろん、前方ユニット12Aの正面12A−1に上述した以外の構成が設けられるようにしてもよい。
【0081】
次に、編集ユニット13の構成について説明する。
【0082】
図6は、編集ユニット13の、撮影ユニット12側から見て左側面の構成例(第1編集空間33A側の構成例)を示す図である。
【0083】
図6において、第1編集インタフェース13Aの上側には、側面カーテン21等で仕切られているために暗くなる第1編集空間33Aを照らすための照明装置61が設けられている。この照明装置61により、写真シール作成装置1は、利用者の編集作業効率の低下を抑制し、第1編集空間33Aの安全性を向上させることができる。なお、図6の例においては、編集ユニット13の、照明装置61が設けられている第1編集インタフェース13Aの上側の部分が、第2編集空間33B側に貫通しており、照明装置61は、第1編集空間33Aと第2編集空間33Bとで共有されている。つまり、照明装置61は、第1編集空間33Aだけでなく第2編集空間33Bも照明し、安全性を向上させる。なお、この照明装置61の設置位置および個数は任意である。
【0084】
第1編集インタフェース13Aには、タブレット内蔵モニタ62、2本のタッチペン63−1およびタッチペン63−2、スピーカ64、並びに追加硬貨投入返却口65が設けられている。
【0085】
タブレット内蔵モニタ62は、タッチペン63−1またはタッチペン63−2により位置情報を入力可能な無色透明のタブレットが、CRTディスプレイやLCD等の、画像を表示可能な表示デバイスの表示画面上に重畳されることにより構成される。したがって、タブレット内蔵モニタ62は、表示デバイスにより単にGUI画像等を表示するだけでなく、タブレットにより利用者からの入力操作を受け付ける。タブレット内蔵モニタ62には、例えば、撮影空間における撮影作業により得られた撮影画像を編集する編集作業用のGUI画像からなる編集画面が表示される。
【0086】
タッチペン63−1とタッチペン63−2は、タブレット内蔵モニタ62の左右近傍に、左右1本ずつ所定のアタッチメントにより編集ユニット13に着脱可能に固定されており、同じ組の2人の利用者が、これらのタッチペンをそれぞれ使用することにより、同時に、写真シール作成作業の編集作業の工程をプレイすることができるようになされている。なお、以下において、タッチペン63−1およびタッチペン63−2を互いに区別して説明する必要のない場合、単にタッチペン63と称する。
【0087】
そのタッチペン63は、編集ユニット13内部に設置されたシステムと有線(または無線)により電気的に接続されている。タッチペン63は、タブレット内蔵モニタ62のタブレットと連携して動作する。利用者がタッチペン63を操作して、タブレットをタップする(タッチペン63とタブレット内蔵モニタ62の表示画面を接触(または近接)させる)ことにより、タブレットは、利用者からの入力を受け付ける入力手段として動作する。なお、タッチペン63の設置本数、設置位置、及び形状等は任意である。
【0088】
スピーカ64は、例えば、案内音声、効果音、またはBGM等、写真シール作成ゲームの編集作業に関する音声を出力する。このスピーカ64は、タブレット内蔵モニタ62の右側に配置される。右利きの利用者は、タッチペン63を右手で持ちながら編集作業を行うため、編集ユニット13に寄りかかりながら編集作業を行う場合であっても、タブレット内蔵モニタ62の右側に寄りかかる可能性は少ない。従って、タブレット内蔵モニタ62の右側にスピーカ64を配置することにより、右利きの利用者が編集ユニット13に寄りかかりながら編集作業を行う場合であっても、利用者がスピーカ64を塞ぎ、音声が聞こえなくなることを防止することができる。なお、スピーカ64の設置個数、デザイン、および形状等は任意である。
【0089】
追加硬貨投入返却口65は、利用者が編集可能時間を延長させたいときや写真シールを複数枚出力するときなどに追加代金としての硬貨を投入したり、お釣り等を返却したりするために設けられている。なお、この追加代金の支払いも硬貨に限定されるものではなく、当然、紙幣でも支払いができるようすることができる。また、実際に流通している現金(硬貨および紙幣)の代わりに、写真シール作成装置1が設置されている遊技施設などで流通されているプリペイドカード、コイン、電子マネーなどでも支払いができるようしてもよい。
【0090】
ただし、編集可能時間の延長は、現在、撮影空間32にて撮影作業が行われていない場合(次の利用者がいない場合)、または、もう一方の編集インタフェース(いまの場合、第2編集インタフェース13B)が空いている場合にのみ可能であり、撮影空間32にて撮影作業が行われており、かつ、もう一方の編集インタフェースが利用されている場合には延長できない。
【0091】
なお、編集ユニット13の第2編集空間33B側の構成も、図6に示す第1編集空間33A側の構成と基本的に同様であるので、その説明については省略する。以下においては、図6に示す構成例は、編集ユニット13の第2編集空間33B側の構成を説明する場合にも適用される。
【0092】
図7は、編集ユニット13の、写真シール排出部13Cの構成例を示す図である。
【0093】
図7に示すように、写真シール排出部13Cには、第1編集空間33Aにおいて編集作業を行った利用者が作成した写真シール(つまり、第1編集インタフェース13Aが操作されて作成された写真シール)と、第2編集空間33Bにおいて編集作業を行った利用者が作成した写真シール(つまり、第2編集インタフェース13Bが操作されて作成された写真シール)が排出される写真シール排出口71が設けられている。
【0094】
編集ユニット13内部には、プリンタが設置されており、第1編集インタフェース13Aまたは第2編集インタフェース13Bが操作されて作成された印刷用の画像は、そのプリンタによりシール紙に印刷される。プリンタより出力された写真シールは、この写真シール排出口71より排出される。
【0095】
また、写真シール排出部13Cには、図示せぬスピーカが設けられるようにもできる。この図示せぬスピーカは、例えば、案内音声、効果音、またはBGM等、写真シールの印刷および排出に関する音声を出力する。
【0096】
次に、写真シール作成装置1の内部の構成例について説明する。
【0097】
図8は、写真シール作成装置1の機能的構成例を示すブロック図である。以上において説明した部分と同じ部分については、同じ番号を付してある。
【0098】
図8において、写真シール作成装置1は、写真シール作成装置1の装置全体を制御する処理部である制御部101を有しており、その制御部101には、記憶部102、通信部103、ドライブ104、ROM(Read Only Memory)106、RAM(Random Access Memory)107、撮影部112、編集部113、プリンタ114、外付けモニタ16、スピーカ17、およびタッチボタン18がそれぞれ所定のバスを介して接続される。
【0099】
記憶部102は、例えばハードディスクやフラッシュメモリ等のような不揮発性の記憶媒体を有しており、制御部101より供給される各種設定情報をその記憶媒体に保存したり、記憶媒体に記録されている設定情報を読み出して制御部101に供給したりする。なお、この記憶媒体は、情報を記憶することができるものであれば、どのようなものであってもよい。
【0100】
通信部103は、例えばインターネットや公衆電話回線網等のような外部のネットワーク(図示せず)を介して、または単に通信ケーブル(図示せず)を介して、他の通信装置(図示せず)に接続され、制御部101に制御されて、例えば利用者の携帯型電話機などの携帯端末、利用者のパーソナルコンピュータ、または中央管理サーバ等のような他の通信装置と通信を行う。例えば、通信部103は、制御部101より通信信号として供給される送信信号を他の通信装置に送信したり、他の通信装置より供給された受信信号を通信信号として制御部101に供給したりする。
【0101】
ドライブ104には、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク、および、半導体メモリなどのリムーバブルメディア105が適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムやデータが、必要に応じて制御部101に供給され、記憶部102等に保存されたり、インストールされたりする。
【0102】
ROM106には、制御部101において実行されるプログラムやデータが予め格納されており、ROM106は、制御部101の指示に基づいて、プログラムやデータを制御部101に供給する。RAM107は、制御部101が処理するデータやプログラムを一時的に保持する。
【0103】
撮影部112は、撮影ユニット12に関するブロックであり、硬貨処理部121、背景カーテンユニット15、照明制御部122、カメラ51、タッチパネルモニタ52、およびスピーカ124を有する。
【0104】
硬貨処理部121は、制御部101から入力される起動信号に応じて起動し、硬貨投入返却口55に硬貨が投入されると、利用者による写真シール作成装置1の代金支払いに関する処理(ゲーム参加受け付け等)を行い、起動信号を制御部101に供給する。制御部101は、この起動信号に応じて、課金処理や案内等をタッチパネルモニタ52およびスピーカ124に行わせる。
【0105】
背景カーテンユニット15は、制御部101より供給される背景制御信号に基づいて、提供する背景の選択、すなわち、可動式の背景カーテンの上げ下ろし(展開や収納)等を行う。なお、この背景の選択は利用者が手動で行うようにしてもよい。
【0106】
照明制御部122は、制御部101より供給される照明制御信号に基づいて、乳白アクリル板53の背後に設置されている照明装置を点灯したり、消灯したりする。
【0107】
カメラ51は、制御部101に制御されて、写真シール作成ゲームの撮影作業の工程において、撮影空間32内の利用者等を被写体として撮影を行う。例えば、カメラ51は、制御部101の制御の下、動画像を取りこみ、取り込まれた動画像データを制御部101に供給する。また、カメラ51は、制御部101より供給されるシャッタ制御信号に基づいて、メカシャッタを動作させる等して、撮影画像(静止画像)の取得を行い、取得した静止画像データを記憶部102に記憶させる。
【0108】
タッチパネルモニタ52は、ライブビューモニタ123を備えて構成される。タッチパネルモニタ52のライブビューモニタ123は、制御部101より供給されるRGB信号に基づく画像(カメラ51によりリアルタイムに取り込まれている画像や、撮影画像を用いて作成された合成画像、GUI画像など)を表示する。また、タッチパネルモニタ52は、利用者が、自分自身の指等を用いてこのタッチパネルモニタ52にタップ(接触または近接)すると、その位置情報を制御部101に供給する。制御部101は、その位置情報を解析し、表示画像に対して利用者が入力した情報や指示を特定し、受け付ける。
【0109】
スピーカ124は、撮影ユニット12の任意の位置に設けられ、例えば、制御部101より供給される音声信号の音声(撮影作業の案内音声、効果音、またはBGM等)を出力する。
【0110】
編集部113は、編集ユニット13に関するブロックであり、第1編集インタフェース13Aに対応する第1編集部113Aと、第2編集インタフェース13Bに対応する第2編集部113Bよりなる。第1編集部113Aおよび第2編集部113Bは互いに同一の構成を有しており、以下の説明は、第1編集部113Aについて行うが、第2編集部113Bにも適用可能である。
【0111】
第1編集部113Aは、図6を参照して説明したように、タブレット内蔵モニタ62、タッチペン63−1およびタッチペン63−2、並びにスピーカ64に加えて、硬貨処理部130を有する。
【0112】
タブレット内蔵モニタ62は、上述したように、CRTディスプレイやLCD等の表示デバイスよりなる編集用モニタ141と、編集用モニタ141の表示画面上に重畳された無色透明のタブレット142により構成される。タブレット内蔵モニタ62は、制御部101より供給されるRGB信号に対応する、編集入力用のGUIや撮影画像等、編集に関する画像を、編集用モニタ141に表示する。また、利用者が、タッチペン63−1またはタッチペン63−2を操作してタブレット142にタップすると、タブレット内蔵モニタ62は、その位置情報を表す信号を入力信号として制御部101に供給する。制御部101は、その入力信号が表す位置情報を解析し、表示画像に対して利用者が入力した情報や指示を特定し、受け付ける。つまり、撮影画像に対する編集入力は、これらの構成を用いて行われる。
【0113】
スピーカ64は、制御部101より供給される音声信号の音声(編集作業の案内音声、効果音、またはBGM等の、写真シール作成ゲームの編集作業の工程に関する音声)を出力する。
【0114】
硬貨処理部130は、制御部101から入力される起動信号に応じて起動し、追加硬貨投入返却口65に硬貨が投入されると、利用者による写真シール作成装置1の代金支払いに関する処理(追加印刷の受け付け)を行い、起動信号を制御部101に供給する。制御部101は、この起動信号に応じて、追加印刷処理をプリンタ114に行わせる。
【0115】
プリンタ114は、編集部113により行われた編集作業結果をシール紙に印刷する。プリンタ114は、制御部101より第1編集部113Aにより行われた編集作業結果を取得すると、シール紙ユニット161よりシール紙162を取得し、編集作業結果をシール紙162に印刷する。プリンタ114は、印刷を終了すると、その印刷されたシール紙162を写真シールとして写真シール排出口71より排出し、利用者に提供する。
【0116】
外付けモニタ16は、制御部101より、撮影ユニット12内の撮影空間32で利用者の撮影が行われている旨の情報を取得すると、次に撮影空間を利用しようと待機している利用者に対して、撮影中の利用者のゲームの進行状況を示す映像を出力する。また、外付けモニタ16は、制御部101より、撮影ユニット12内の撮影空間32で利用者の撮影が行われている旨の情報を取得していない間は、写真シール作成ゲームの流れや遊び方等を案内(説明)するコンテンツ(デモンストレーション)を出力する。スピーカ17は、制御部101の制御の下、外付けモニタ16によって出力される映像やコンテンツに合わせた音声を出力する。
【0117】
また、外付けモニタ16は、制御部101より、タッチボタン18が利用者により操作された旨の情報を取得すると、出力している映像やコンテンツ等の内容を切り替えて出力する。
【0118】
タッチボタン18は、所定の利用者に操作(タッチ)されると、その操作内容を表す入力信号を制御部101に供給する。制御部101は、その入力信号が表す操作が受け付けられた旨の情報を外付けモニタ16に供給し、外付けモニタ16の表示内容を切り替えるように制御する。
【0119】
次に、制御部101について説明する。図9は、制御部101がROM106などに格納されているプログラムを実行することにより実現される機能ブロックの構成例を示している。
【0120】
制御部101は、写真シール作成ゲームを開始する際に投入される代金(硬貨)に関する処理や、利用者を撮影する等の写真シール作成ゲームの撮影作業の工程に関する処理を行う撮影処理部202、撮影画像に対する落書き編集等の写真シール作成ゲームの編集作業の工程に関する処理を行う編集処理部203、シール紙の印刷等の写真シール作成ゲームの印刷の工程に関する処理を行う印刷処理部204、および、編集作業を終了した利用者を接客する写真シール作成ゲームの事後接客の工程に関する処理を行う事後接客処理部205を有する。
【0121】
つまり、制御部101は、写真シール作成ゲームの各工程に関する処理の制御を行う。
【0122】
図10は、図9の撮影処理部202のさらに詳細な構成例を示す機能ブロック図である。
【0123】
図10の例において、撮影処理部202は、写真シール作成ゲームの撮影作業の工程における処理を行う処理部であり、例えば、代金投入を受け付けたり、利用者を撮影したり、各種のGUIを表示したりする処理を行う。
【0124】
図10の例において、撮影処理部202は、進行制御部211、撮影準備処理部212、合成用画像選択制御部213、ライブビュー表示制御部214、撮影画像取得部215、および合成画像処理部216から構成される。
【0125】
進行制御部211は、撮影作業の工程の進行を制御する。
【0126】
撮影準備処理部212は、写りの調整や明るさの調整等、撮影の準備に関する処理を行う。
【0127】
合成用画像選択制御部213は、背景や前景などからなる合成用画像をタッチパネルモニタ52に表示して、利用者により行われる合成用画像の選択に関する処理を制御する。
【0128】
ライブビュー表示制御部214は、タッチパネルモニタ52の表示(ライブビュー表示)に関する処理を行う。
【0129】
撮影画像取得部215は、撮影、特に、撮影画像の取得に関する処理を行う。
【0130】
合成画像処理部216は、撮影画像の合成等の、合成画像の生成に関する処理を行う。
【0131】
図11は、図10のライブビュー表示制御部214のさらに詳細な構成例を示す機能ブロック図である。
【0132】
ライブビュー表示制御部214は、合成処理部231、顔認識部232、距離判定部233、出来上がりフレーム画像取得部234、および表示制御部235から構成される。
【0133】
合成処理部231は、タッチパネルモニタ52に表示(ライブビュー表示)されるリアルタイムな撮影画像(動画像)(取り込み画像。以下、ライブビュー画像ともいう)に対して、利用者により選択された撮影用合成用画像を合成する。
【0134】
顔認識部232は、ライブビュー画像において、目を検知するなどの方法で、利用者(被写体)の顔の位置(領域)を認識する。
【0135】
距離判定部233は、顔認識部232によって認識された被写体の顔の位置に基づいて、ライブビュー画像における被写体の顔が所定の位置関係にあるか否か、より具体的には、ライブビュー画像における被写体の顔の位置が、所定の距離範囲内にあるか否かを判定する。
【0136】
出来上がりフレーム画像取得部234は、距離判定部233の判定結果に基づいて、撮影用合成用画像の1つである出来上がりフレーム画像を取得する。
【0137】
表示制御部235は、撮影用合成用画像が合成されたライブビュー画像の表示を、タッチパネルモニタ52に表示させるよう制御する。
【0138】
次に、写真シール作成装置1で行われる写真シール作成ゲームの流れについて、図12のフローチャートを参照して説明する。
【0139】
ステップS1においては、すなわち、撮影空間32において写真シール作成ゲームが行われていない間は、制御部101の撮影処理部202は、タッチパネルモニタ52にデモンストレーション画面を表示させる処理を行う。
【0140】
写真シール作成ゲームを行う利用者は、最初に、前方ユニット12Aの硬貨投入返却口55にコインを投入し、ゲームの代金を支払う。硬貨処理部121は、このような硬貨投入を受け付け、起動信号を制御部101に供給する。撮影処理部202は、ステップS2において、その起動信号に基づいて、代金が投入されたか否かを判定し、正当な代金が投入されたと判定した場合、処理をステップS2に進める。なお、利用者により、コインが投入されるまでは、撮影処理部202は、タッチパネルモニタ52にデモンストレーション画面を表示させる処理を継続して行う。
【0141】
ステップS3において、撮影処理部202は、撮影部112の各部を制御し、撮影空間32内において行われる、写真シール作成ゲームの撮影作業に関する処理である撮影処理を実行する。
【0142】
撮影処理において、撮影処理部202は、撮影した被写体の画像に背景または前景として合成表示する画像である合成用画像を利用者に選択させ、撮影した被写体の画像と、利用者により選択された合成用画像とを合成して得られる撮影画像を、編集処理部203に供給する。撮影処理の詳細については図13などを参照して後述するが、撮影処理により、複数枚(例えば6枚など)の撮影画像が得られる。
【0143】
撮影作業が終了すると、撮影処理部202は、ステップS4において、撮影作業を終えた撮影空間32内の利用者に対して、画像や音声によって編集空間33(第1編集空間33Aまたは第2編集空間33B)への移動を促す移動案内を行う。
【0144】
編集処理部203は、ステップS5において、編集空間33に移動した利用者に、撮影処理で得られた複数枚(例えば6枚など)の撮影画像に対して編集入力を行わせる編集処理を行う。
【0145】
編集作業が終了すると、ステップS6において、印刷処理部204は、プリンタ114を制御し、編集作業により得られた編集済み画像を、標準代金に対応する枚数だけシール紙162に印刷する印刷処理を行う。
【0146】
ステップS7において、印刷処理部204は、追加印刷が利用者により選択されたか否かを判定する。写真シール作成装置1では、追加印刷用の代金を支払うことにより、通常の印刷枚数よりも所定枚数だけ多い枚数の印刷を行うことができるようになっており、ステップS6では、追加印刷が利用者により選択され、追加印刷用の代金が支払われたか否かが判定される。なお、追加印刷の選択は、編集処理の処理内で、追加硬貨投入返却口65に対して追加印刷用の代金を利用者が支払うことで行わせることができる。
【0147】
ステップS7で、追加印刷が選択されなかったと判定された場合、印刷処理部204は、ステップS8をスキップして処理をステップS9に進める。一方、ステップS7で、追加印刷が選択されたと判定された場合、印刷処理部204は、ステップS8において、追加印刷分の枚数の印刷を行う追加印刷処理を行う。
【0148】
ステップS9において、事後接客処理部205は、印刷終了待機中の利用者に対して、編集済み画像を投稿するミニゲームや携帯端末などに編集済み画像を転送するサービスを提供する事後接客処理を行う。そして事後接客処理が終了すると、ステップS10において、事後接客処理部205は、編集空間33にいる利用者を印刷物受取領域34に移動させる移動案内を行う。また、印刷処理が終了すると、ステップS11において、印刷処理部204は、プリンタ114を制御し、印刷済みのシール紙162を写真シール排出口71より排出させ、写真シール作成ゲーム処理を終了する。
【0149】
以上のような流れにより、写真シール作成ゲームは行われる。
【0150】
次に、図13のフローチャートを参照して、図12のステップS3において実行される撮影処理の詳細な流れを説明する。なお、撮影処理では、上述したように、最終的に例えば6枚の撮影画像が編集処理対象として決定される。
【0151】
撮影処理が開始されると、ステップS31において、撮影準備処理部212は、明るさが選択されたか否かを判定する。このとき、例えば、撮影画像の明るさを設定入力するための設定画面(GUI)がタッチパネルモニタ52に表示され、撮影準備処理部212は、その設定画面を操作する利用者より指示される、撮影画像の明るさの指示を受け付ける。
【0152】
ステップS31において、明るさが選択されたと判定された場合、ステップS33において、撮影準備処理部212は、ステップS31で選択されたと判定された明るさに対応する撮影画像(取り込み画像)の明るさの調整を行う。この調整が終了すると、処理はステップS34に進む。
【0153】
一方、ステップS31において、明るさが選択されなかったと判定された場合、撮影準備処理部212は、ステップS32において、デフォルトの明るさを設定し、ステップS33において、デフォルトの明るさに対応する撮影画像(取り込み画像)の明るさ調整を行う。
【0154】
ステップS34において、合成用画像選択制御部213は、予め用意されている、撮影画像に合成される前景や背景の画像である撮影用合成用画像を選択させるための撮影用合成用画像選択画面(GUI)を、タッチパネルモニタ52に表示する。
【0155】
撮影用合成用画像選択画面には、撮影用合成用画像として、合成用背景画像や合成用前景画像が表示される。合成用背景画像には、例えば、背景色を決定するノーマル画像や、被写体の後ろ側に合成されるオーラや柄・模様等のオーラ画像が含まれ、合成用前景画像には、例えば、被写体の前側に合成されるフレーム画像が含まれる。すなわち、撮影用合成用画像選択画面には、例えば、ノーマル、オーラ、フレームの少なくとも3種類のジャンル毎に、撮影用合成用画像が表示される。
【0156】
ステップS35において、合成用画像選択制御部213は、ステップS34の処理で表示された撮影用合成用画像の中から、利用者による撮影用合成用画像の選択を、最終的に得られる撮影画像の枚数(例えば6枚)分だけ受け付ける。
【0157】
ステップS36において、ライブビュー表示制御部214は、撮影用合成用画像とカメラ51の取り込み画像を合成し、合成された取り込み画像をタッチパネルモニタ52に表示(ライブビュー表示)する。ライブビュー表示処理の詳細については図15などを参照して後述する。
【0158】
ステップS37において、撮影画像取得部215は、タッチパネルモニタ52等にカウントダウンインジケータを表示し、カメラ51を制御して撮影を行い、撮影画像を得る。
【0159】
ステップS38において、合成画像処理部216は、撮影により得られた撮影画像に撮影用合成用画像を合成し、合成画像を生成する。さらに、合成画像処理部216は、ステップS39において、生成した合成画像をタッチパネルモニタ52等に表示し、利用者に合成画像(撮影結果)を確認させる。
【0160】
ステップS40において、進行処理部211は、所定回数撮影したか否かを判定し、撮影枚数が予め定められている所定回数に達していない場合、処理は、ステップS36に戻り、それ以降の処理が繰り返される。例えば、撮影用合成用画像選択画面により選択された合成用画像のそれぞれと合成する撮影画像を得るための撮影が行われ、合計6回の撮影が行われた場合、ステップS40において所定回数撮影したと判定される。
【0161】
ステップS40において、所定回数撮影したと判定された場合、処理は、図14のステップS41に進む。
【0162】
図14のステップS41において、進行制御部211は、撮影可能時間内か否かを判定し、経過時間または残り時間に基づいて、また撮影可能か否かを判定する。ステップS41において、撮影可能であると判定された場合、処理は、ステップS42に進み、追加的な撮影、いわゆる「ボーナス撮影」の処理が行われる。
【0163】
ステップS42において、進行制御部211は、ボーナス撮影を案内するためのボーナス撮影用案内画面をタッチパネルモニタ52等に表示し、利用者にボーナス撮影の概要を確認させる。
【0164】
ステップS43において、合成用画像選択制御部213は、図13のステップS34と同様に、撮影用合成用画像選択画面をタッチパネルモニタ52に表示し、ステップS44において、ステップS35と同様に、利用者による撮影用合成用画像の選択を受け付ける。
【0165】
ステップS45において、ライブビュー表示制御部214は、ステップS36と同様に、合成用画像とカメラ51の取り込み画像を合成し、合成された取り込み画像をタッチパネルモニタ52に表示(ライブビュー表示)する。
【0166】
ステップS46において、撮影画像取得部215は、追加的な撮影であるボーナス撮影を行う。このボーナス撮影も上述した通常の撮影と同様に行われる。つまり、撮影画像取得部215は、ステップS37と同様に、タッチパネルモニタ52等にカウントダウンインジケータを表示し、カメラ51を制御して撮影を行い、撮影画像を得る。
【0167】
ステップS47において、合成画像処理部216は、ステップS38と同様に、撮影により得られた撮影画像に撮影用合成用画像を合成し、合成画像を生成する。
【0168】
ステップS48において、合成画像処理部216は、ステップS39と同様に、合成画像を、タッチパネルモニタ52に表示し、利用者に撮影結果を確認させる。
【0169】
ステップS49において、進行制御部211は、所定時間経過したか否かを判定し、まだ撮影可能である場合、処理は、ステップS43に戻り、それ以降の処理が繰り返され、ボーナス撮影が再度行われる。
【0170】
一方、ステップS49において、所定時間経過したと判定された場合、処理は、ステップS50に進む。また、先に述べたステップS41において、撮影可能時間内ではないと判定された場合も、ボーナス撮影が行われないため、ステップS42乃至ステップS49をスキップして、処理は、ステップS50に進む。
【0171】
ステップS50において、合成画像処理部216は、これまでに生成された合成画像を、タッチパネルモニタ52に表示させることで、それら複数枚(例えば6枚)の撮影画像を編集対象用画像として記憶部102に記憶させる。なお、ボーナス撮影が行われた場合には、合成画像処理部216は、利用者に、複数枚(例えば6枚)の撮影画像とボーナス撮影による撮影画像の中から、複数枚(例えば6枚)の編集対象用画像を選択させ、選択された撮影画像を記憶部102に記憶させる。
【0172】
ステップS50の処理が終了すると、撮影処理は終了され、処理は、図12のステップS3に戻り、ステップS3以降の処理が実行される。
【0173】
次に、図15のフローチャートを参照して、図13のステップS36および図14のステップS45において実行されるライブビュー表示処理の詳細な流れを説明する。
【0174】
ステップS71において、カメラ51は、ライブビュー画像(取り込み画像)を取得すると、ステップS72において、顔認識部232は、カメラ51により取得されたライブビュー画像において利用者(被写体)の顔の位置を認識する。
【0175】
ステップS73において、合成処理部231は、図13のステップS35または図14のステップS44で選択された撮影用合成用画像が、合体用フレーム画像であるか否かを判定する。
【0176】
合体用フレーム画像は、ライブビュー画像における被写体の一部(具体的には、被写体の顔)に合成されるフレーム画像であって、所定の図形の一部を形成するような画像とされる。例えば、合体用フレーム画像は、ハート型や星型、円や四角形を描く線が縦に2分割されたそれぞれの線を表す画像とされる。また、合体用フレーム画像は、所定の図形が縦に2分割されたそれぞれの線を表す画像に限らず、所定の図形が横に2分割されたそれぞれの線を表す画像であってもよいし、それぞれ独立した所定の図形(ハート型や星型など)を描く線を表す画像であってもよい。
【0177】
ステップS73において、撮影用合成用画像が合体用フレーム画像であると判定されると、処理はステップS74に進み、合成処理部231は、記憶部102から、対応する合体用フレーム画像を読み出し、合体用フレーム画像とライブビュー画像を合成する。
【0178】
ステップS75において、表示制御部235は、合成処理部231により合体用フレーム画像が合成されたライブビュー画像が表示されるライブビュー画像表示画面を、タッチパネルモニタ52に表示させる。ライブビュー画像表示画面においては、動画像であるライブビュー画像の被写体の動きに、合成された合体用フレーム画像が追従するようにして、ライブビュー画像が表示される。
【0179】
図16は、タッチパネルモニタ52に表示される、ライブビュー画像表示画面の例を示している。
【0180】
図16Aに示されるように、ライブビュー画像表示画面401の中央には、ライブビュー画像表示部411が設けられている。ライブビュー画像表示部411においては、被写体A(左側)および被写体B(右側)のライブビュー画像が表示されている。また、ライブビュー画像表示部411においては、被写体Aおよび被写体Bの顔の位置が認識され、認識された被写体Aおよび被写体Bの顔の位置(領域)を示す矩形の枠421Aおよび421Bが、被写体Aおよび被写体Bの顔の動きに追従するように、ライブビュー画像に重畳されて表示されている。さらに、ライブビュー画像表示部411においては、枠421Aおよび421Bの大きさに対応するように、ハート型を描く線が縦に2分割された画像である合体用フレーム画像422Aおよび422Bが、被写体Aおよび被写体Bの顔の動きに追従するように、ライブビュー画像に重畳されて表示されている。なお、枠421Aおよび421Bそれぞれの上側には、予め利用者により選択される等して設定された被写体の属性(性別)を表すアイコンが表示されている。図16Aの例では、枠421Aの上側には男性を表すアイコンが、枠421Bの上側には女性を表すアイコンが表示されている。さらに、被写体Aの性別が男性の場合には、枠421Aや合体用フレーム画像422Aの色を青色にし、被写体Bの性別が女性の場合には、枠421Bや合体用フレーム画像422Bの色をピンク色にするなど、被写体の属性に応じて、枠421Aおよび421Bや、合体用フレーム画像422Aおよび422Bの表示色を変えるようにしてもよい。
【0181】
ライブビュー画像表示部411の左側には、サンプル画像表示部412が設けられている。サンプル画像表示部412には、ライブビュー画像表示部411に表示されているライブビュー画像において、被写体Aの顔と被写体Bの顔の位置が所定の距離範囲内になったときに取得される出来上がりフレーム画像を、予め用意された被写体(モデル)の静止画像に合成したモデルサンプル画像が表示される。また、サンプル画像表示部412には、モデルサンプル画像として、例えば、被写体の顔の位置が所定の距離範囲内にない状態から、所定の距離範囲内になったときの、モデルの顔それぞれに合成されている合体用フレーム画像が出来上がりフレーム画像に変化する様子を表す複数の静止画像が、いわゆるパラパラ漫画のように、連続的に順番に表示されるようにしてもよいし、上述の様子が動画像として表示されるようにしてもよい。これにより、被写体である利用者は、ライブビュー画像内で自分達がどのように移動するかで、ライブビュー画像における合体用フレーム画像が、どのように出来上がりフレーム画像に変化するかを一目で容易に確認することができるようになる。
【0182】
出来上がりフレーム画像は、合体用フレーム画像に対応して用意されているフレーム画像であって、合体用フレーム画像を合体して形成される(合体用フレーム画像を組み合わせた)図形の画像である。すなわち、図16の例では、サンプル画像表示部412に表示されるモデルサンプル画像において合成される出来上がりフレーム画像は、ハート型を描く線を表す図形となる。出来上がりフレーム画像は、記憶部102に記憶されている。また、出来上がりフレーム画像は、合体用フレーム画像が、ハート型や星型などのそれぞれ独立した所定の図形を描く線を表す画像である場合、例えば、星型と星型の合体用フレーム画像に対応して用意されているハート型のフレーム画像であったり、円と星型の合体用フレーム画像に対応して用意されているハート型のフレーム画像であるものとされる。
【0183】
ライブビュー画像表示画面401の下部には、撮影画像表示部413が設けられている。撮影画像表示部413には、撮影前であれば、モデルの画像に、選択された撮影用合成用画像(合体用フレーム画像に対応する出来上がりフレーム画像)が合成された複数枚(図16の例では6枚)のモデルサンプル画像が表示され、撮影後であれば、撮影により得られる複数枚(6枚)の撮影画像(出来上がりフレーム画像などのフレーム画像が合成された撮影画像を含む)が表示される。
【0184】
ライブビュー画像表示画面401の右上部には、撮影作業に予め割り当てられた制限時間の残り時間(残時間)を表示する残時間表示部414が設けられている。さらに、ライブビュー画像表示画面401の上部には、利用者それぞれに対して、互いに近づいての撮影を促すメッセージ「近づいてね!撮影するよ!」が表示されている。
【0185】
図15のフローチャートに戻り、ステップS76において、距離判定部233は、ライブビュー画像における被写体の顔の位置が、所定の距離範囲内にあるか否かを判定する。
【0186】
具体的には、図17Aにおける両矢印で示されるように、被写体Aの顔の領域を表す枠421Aの頂点、および、被写体Bの顔の領域を表す枠421Bの頂点のうちの、それぞれの間の距離が最も小さくなる頂点同士の距離が、所定の値より小さいか否かが判定される。
【0187】
ステップS76において、ライブビュー画像における被写体の顔の位置が所定の距離範囲内にないと判定された場合、処理はステップS77に進み、距離判定部233は、撮影部112に設けられているスピーカ124(図8)を制御し、利用者(被写体)に対して、「もっと近づいて!」や「もっと顔を上に!」などと、音声によって、互いの顔を近づけるように誘導する。なお、ここで、距離判定部233は、図16Aに示されるライブビュー画像表示部411に、被写体同士の顔を近づけるように促す矢印等の表示をするように、タッチパネルモニタ52の表示を制御するようにしてもよい。
【0188】
なお、例えば、図16Aのライブビュー画像表示部411に表示されているライブビュー画像において、例えば、被写体Aと被写体Bが左右入れ替わるなどして、立ち位置が相対的に変化した場合、被写体Aおよび被写体Bの顔に重畳されて表示されている合体用フレーム画像422Aおよび422Bは、それぞれの顔の領域の縦方向の中心線を基準に、左右反転されるようにしてもよい。
【0189】
ステップS78において、距離判定部233は、ライブビュー表示処理が開始されてから所定の時間が経過したか否かを判定する。
【0190】
ステップS78において、所定の時間が経過していないと判定されると、処理はステップS76に戻る。
【0191】
ライブビュー表示処理が開始されてから所定の時間が経過する前に、ステップS76において、ライブビュー画像における被写体の顔の位置が所定の距離範囲内にあると判定されると、処理はステップS79に進み、出来上がりフレーム画像取得部234は、合体用フレーム画像に対応する出来上がりフレーム画像を、記憶部102から取得する。
【0192】
例えば、図17Aにおける両矢印で示される、枠421Aの頂点と、枠421Bの頂点との距離が、所定の値より小さいと判定されると、出来上がりフレーム画像取得部234は、図17Bに示されるような、合体用フレーム画像422Aおよび422Bに対応する、ハート型の出来上がりフレーム画像431を記憶部102から読み出す。このとき、出来上がりフレーム画像取得部234は、枠421Aと枠421Bとを含む枠421Cを設定し、例えば、出来上がりフレーム画像431に枠421Cが内接するように、出来上がりフレーム画像431の大きさ(形状)を調整する。なお、出来上がりフレーム画像431は、単に、枠421Cの大きさに近い大きさに調整されてもよいし、枠421Cの内側に含まれる大きさに調整されてもよい。
【0193】
例えば、図17Bの例と比較して、枠421Aと枠421Bが縦に並ぶように配置される場合、枠421Cの形状は、縦長の長方形となる。この場合、出来上がりフレーム画像取得部234は、縦長の長方形が内接する縦長のハート型になるように、出来上がりフレーム画像431の形状を調整する。また、枠421Aと枠421Bが横に並ぶように配置される場合、枠421Cの形状は、横長の長方形となる。この場合、出来上がりフレーム画像取得部234は、横長の長方形が内接する横長のハート型になるように、出来上がりフレーム画像431の形状を調整する。
【0194】
さらに、被写体Aに対応する利用者および被写体Bに対応する利用者の、撮影空間におけるカメラ51の奥行き方向に対する立ち位置によって、枠421Aと枠421Bとの大きさに差が生じ、これによって、ステップS74において被写体のライブビュー画像に合成される合体用フレーム画像422Aと422Bとの大きさにも差が生じる。このような場合でも、出来上がりフレーム画像取得部234は、枠421Aと枠421Bとを含む枠421Cを設定し、出来上がりフレーム画像431に枠421Cが内接するように、出来上がりフレーム画像431の大きさ(形状)を調整するようにできる。
【0195】
なお、利用者の、カメラ51の奥行き方向に対する立ち位置によって、合体用フレーム画像422Aと422Bとの大きさに差が生じる場合には、ステップS77における処理のように、距離判定部233が、利用者を、カメラ51の奥行き方向に対する立ち位置を合わせるように誘導させるようにしてもよい。
【0196】
図15のフローチャートに戻り、ステップS80において、合成処理部231は、出来上がりフレーム画像取得部234により取得された(読み出された)出来上がりフレーム画像と、カメラ51により取得されたライブビュー画像を合成する。
【0197】
ステップS81において、表示制御部235は、タッチパネルモニタ52に表示されているライブビュー画像表示画面に、ステップS78の処理により得られたライブビュー画像を表示させる。
【0198】
このようにして、図16Bに示されるように、ライブビュー画像表示部411に表示されている被写体(被写体Aおよび被写体B)の顔全体に対してハート型の出来上がりフレーム画像431が合成(重畳)されたライブビュー画像が表示されるようになる。
【0199】
なお、図16においては、利用者(被写体)が2人である場合の出来上がりフレーム画像の合成の例について説明したが、図18を参照して、被写体が3人である場合の出来上がりフレーム画像の合成の例について説明する。
【0200】
図18は、タッチパネルモニタ52に表示される、ライブビュー画像表示画面の例を示している。なお、図18に示されるライブビュー画像表示画面401の構成は、図16で説明したライブビュー画像表示画面401と同一であるので、その説明は省略する。
【0201】
図18Aのライブビュー画像表示部411においては、被写体A、被写体B、および被写体Cのライブビュー画像が表示されている。また、図18Aのライブビュー画像表示部411においては、被写体A、被写体B、および被写体Cの顔の位置が認識され、認識された被写体A、被写体B、および被写体Cの顔の位置(領域)を示す矩形の枠521A、521B、および521Cが、ライブビュー画像に重畳されて表示されている。さらに、図18Aのライブビュー画像表示部411においては、枠521A、521B、および521Cの大きさに対応するように、丸型を描く線からなる画像である合体用フレーム画像522A、522B、および522Cが、ライブビュー画像に重畳されて表示されている。
【0202】
図18Aの状態から、例えば、枠521Aと枠521Cの中心点を結ぶ線分の中点と、枠521Bの中心点との距離が所定の値より小さく、かつ、枠521Aと枠521Bとの距離、および、枠521Bと枠521Cとの距離がそれぞれ他の所定の値より小さくなると、図18Bに示されるような、合体用フレーム画像522A、522B、および522Cに対応する、串にささった団子をイメージした出来上がりフレーム画像531が読み出される。このようにして、ライブビュー画像表示部411に表示されている被写体(被写体A、被写体B、および被写体C)の顔全体に対して、串にささった団子をイメージした出来上がりフレーム画像531が合成(重畳)されたライブビュー画像が表示されるようになる。
【0203】
さて、図15のフローチャートに戻り、ステップS78において、ライブビュー表示処理が開始されてから所定の時間が経過したと判定されると、処理はステップS82に進み、表示制御部235は、ライブビュー画像表示部411においてライブビュー画像に合成されて表示されている合体用フレーム画像の表示を終了する。すなわち、所定の時間内に、被写体の顔の位置が所定の距離範囲内にならなかった場合、ライブビュー画像には、カメラ51によって取得されたライブビュー画像のみが表示されるようになる。この場合、撮影画像には、合体用フレーム画像も出来上がりフレーム画像も合成されない。
【0204】
ところで、ステップS73において、撮影用合成用画像が合体用フレーム画像でないと判定された場合、すなわち、図13のステップS35または図14のステップS44で選択された撮影用合成用画像が、合体用フレーム画像以外のフレーム画像、ノーマル画像、またはオーラ画像である場合、処理はステップS83に進み、合成処理部231は、記憶部102から、選択された撮影用合成用画像を読み出し、撮影用合成用画像とライブビュー画像を合成する。
【0205】
ステップS84において、表示制御部235は、合成処理部231により合成されたライブビュー画像が表示されるライブビュー画像表示画面を、タッチパネルモニタ52に表示させる。
【0206】
ステップS81、ステップS82、またはステップS84の処理が終了すると、ライブビュー表示処理は終了され、処理は、図13のステップS36または図14のステップS45に戻り、ステップS36またはステップS45以降の処理が実行される。
【0207】
このようにしてライブビュー画像に合成された出来上がりフレーム画像は、撮影処理の結果得られる撮影画像(編集対象用画像)や、編集処理によって得られる編集済み画像にも反映されるようになる。
【0208】
以上の処理によれば、撮影用合成用画像として、所定の図形の一部を形成する合体用フレーム画像が選択され、ライブビュー画像において、選択された合体用フレーム画像が合成された被写体の顔が所定の位置関係になると、被写体の顔全体に対して、所定の図形の全体を形成する出来上がりフレーム画像が合成されるようになる。これにより、利用者は、ライブビュー画像における被写体それぞれの顔の部分に合成されているフレーム画像を、互いの顔を近づけることによって、1つの出来上がりフレーム画像にすることができ、撮影作業を楽しみながら行うことができる。また、出来上がりフレーム画像は、撮影画像(編集対象用画像)や編集済み画像にも反映されるので、最終的に出力される写真シールや、携帯端末に送信される画像にももちろん反映されるようにできる。したがって、写真シールの作成作業、および作成された写真シールに対する利用者の満足度を向上させることが可能となる。
【0209】
なお、上述した説明においては、ステップS76の処理において、被写体の顔同士の距離として、被写体の顔の領域を表す矩形の枠の頂点同士の距離が参照されるようにしたが、これに限らず、それぞれの枠の辺同士の距離や、それぞれの枠の頂点と辺との距離、それぞれの枠の中心点同士の距離が参照されるようにしてもよい。
【0210】
また、被写体の顔同士の位置が所定の距離範囲内にある場合に、出来上がりフレーム画像が取得されるようにしたが、被写体の顔同士の位置が所定の距離範囲内にあり、かつ、被写体の顔の領域のサイズ(例えば、顔の領域を表す矩形の枠の面積)がそれぞれ所定の大きさより大きい場合に、出来上がりフレーム画像が取得されるようにしてもよい。
【0211】
さらに、被写体の顔同士の位置が所定の距離範囲内になったときに、取得した出来上がりフレーム画像をライブビュー画像に合成して表示するとともに、所定のオーラ画像やフレーム画像をアニメーション表示させるようにしてもよく、さらに、対応するオーラ画像やフレーム画像を、撮影画像(編集対象用画像)や編集済み画像に反映させるようにしてもよい。
【0212】
また、被写体の顔同士の位置関係(距離)に応じて、ライブビュー画像の背景色を調整するようにしてもよい。具体的には、被写体の顔同士が遠い場合には、ライブビュー画像の背景色を青色とし、被写体の顔同士が近い場合には、ライブビュー画像の背景色をピンク色とするなどしてもよい。また、被写体の顔同士の位置関係に応じて、撮影空間32内の照明装置やLED等の明るさや色味を調整するようにしてもよい。
【0213】
さらに、ライブビュー表示処理で得られた出来上がりフレーム画像を、編集処理において編集対象となる撮影画像に対して利用者による編集入力によって合成される編集用合成用画像とするようにしてもよい。また、編集処理時に、撮影処理において撮影画像に合成された出来上がりフレーム画像の色を変更したり、出来上がりフレーム画像を、出来上がりフレーム画像に関連する画像に変更したり、合成された出来上がりフレーム画像を削除することができるようにしてもよい。
【0214】
また、撮影処理開始時に利用者に撮影コースを選択させ、選択された撮影コースに応じて、利用者が選択可能な合体用フレーム画像を変更するようにしてもよい。具体的には、撮影コースとして、男女2人組の利用者向けのカップルコースが選択された場合、利用者に撮影用合成用画像を選択させるときに、図16を参照して説明したハート型の出来上がりフレーム画像が得られる合体用フレーム画像を選択可能とし、撮影コースとして、同性同士や3人以上のグループの利用者向けのフレンドコースが選択された場合、図18を参照して説明した、串にささった団子をイメージした出来上がりフレーム画像が得られる合体用フレーム画像や、星型の出来上がりフレーム画像が得られる合体用フレーム画像等を選択可能とするようにしてもよい。なお、選択された撮影コースによっては、ライブビュー画像や撮影画像に対して、所定の画像処理が施されるようになる。具体的には、例えば、カップルコースが選択され、さらに被写体の性別が選択された場合には、それぞれの被写体に対して、性別に応じた画像処理が施されるようになる。このとき、ライブビュー画像においては、図16Aで説明したように、被写体の性別に応じて、枠421Aおよび421Bや、合体用フレーム画像422Aおよび422Bの表示色を変えるようにしてもよい。
【0215】
なお、以上においては、ライブビュー画像において、合体用フレーム画像および出来上がりフレーム画像が、被写体の顔の部分に合成されるものとしたが、被写体の体全体や、顔以外の被写体の体の一部に合成されるようにしてもよい。すなわち、例えば、それぞれの被写体全身に合体用フレーム画像を合成し、被写体同士の位置が所定の距離範囲内になったとき、全ての被写体に出来上がりフレーム画像を合成するようにしてもよい。
【0216】
また、出来上がりフレーム画像は、合体用フレーム画像に対応して、記憶部102に記憶されるものとしたが、出来上がりフレーム画像取得部234によって、合体用フレーム画像に基づいて、出来上がりフレーム画像が生成されるようにしてもよい。
【0217】
さらに、以上においては、ライブビュー画像において、利用者である被写体同士の位置が所定の距離範囲内になったときに、出来上がりフレーム画像が合成される例について説明したが、例えば、利用者が1人で撮影作業を行うような場合、ライブビュー画像において、その利用者としての被写体と、予め登録され、ライブビュー画像に表示されている他の被写体であるモデルのモデル画像のそれぞれに、合体用フレーム画像を合成させ、利用者である被写体とモデル画像との位置が所定の距離範囲内になったときに、出来上がりフレーム画像が合成されるようにしてもよい。
【0218】
ところで、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。上述した一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
【0219】
この記録媒体は、例えば、図8に示されるように、装置本体とは別に、写真シール作成装置1の管理者にプログラムを配信するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROMおよびDVDを含む)、光磁気ディスク(MDを含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア105により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態で管理者に配信される、プログラムが記録されているROM106や、記憶部102に含まれるハードディスクなどで構成される。
【0220】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0221】
以上において、印刷媒体は、シール紙や写真紙に限られるものではなく、例えば、所定のサイズの紙やフィルム、ポスター用の紙、テレホンカードなどのカード、あるいは、Tシャツなどの布地などに印刷するようにしてもよい。
【0222】
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。なお、以上において、1つの装置として説明した構成を分割し、複数の装置として構成するようにしてもよい。逆に、以上において複数の装置として説明した構成をまとめて1つの装置として構成されるようにしてもよい。また、各装置の構成に上述した以外の構成を付加するようにしてももちろんよい。さらに、システム全体としての構成や動作が実質的に同じであれば、ある装置の構成の一部を他の装置の構成に含めるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0223】
1 写真シール作成装置
12 撮影ユニット
51 カメラ
101 制御部
112 撮影部
202 撮影処理部
213 ライブビュー表示制御部
231 合成処理部
232 顔認識部
235 表示制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者を被写体として撮影し、得られた画像を出力する画像作成装置であって、
複数の前記利用者を被写体として撮影し撮影画像を得る撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された前記撮影画像を動画像としてリアルタイムで表示部に表示させるように制御する表示制御手段と、
前記表示部に表示された前記動画像における被写体それぞれに合成用画像を合成する合成手段と
を備え、
前記合成手段は、前記動画像における被写体それぞれが所定の位置関係になったときに、前記動画像における被写体全体に、前記被写体それぞれに合成された前記合成用画像とは異なる1つの全体合成用画像を合成し、
前記撮影手段は、前記全体合成用画像が合成された、静止画像としての前記撮影画像を出力する
画像作成装置。
【請求項2】
前記全体合成用画像は、前記被写体それぞれに合成された前記合成用画像を組み合わせた組み合わせ合成用画像である
請求項1に記載の画像作成装置。
【請求項3】
前記組み合わせ合成用画像は、所定の図形を形成し、
前記合成用画像は、前記所定の図形の一部を形成する
請求項2に記載の画像作成装置。
【請求項4】
前記動画像における被写体の顔を認識する認識手段をさらに備え、
前記合成手段は、前記動画像における被写体の顔それぞれに前記合成用画像を合成し、前記動画像における被写体の顔それぞれが所定の位置関係になった前記動画像における被写体の顔全体に、前記組み合わせ合成用画像を合成する
請求項2または3に記載の画像作成装置。
【請求項5】
前記合成手段は、前記動画像における被写体の顔同士の位置が所定の距離範囲内になったときに、前記動画像における被写体の顔全体に、前記組み合わせ合成用画像を合成する
請求項4に記載の画像作成装置。
【請求項6】
前記合成手段は、前記動画像における被写体の顔同士の位置が所定の距離範囲内になったとき、かつ、前記被写体の顔それぞれの大きさが所定の大きさより大きいときに、前記動画像における被写体の顔全体に、前記組み合わせ合成用画像を合成する
請求項5に記載の画像作成装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記表示部に、前記被写体が撮影された前記動画像と、予め登録されている他の被写体の画像であるモデル画像とを表示し、
前記合成手段は、前記表示部に表示された前記動画像における前記被写体および前記モデル画像それぞれに合成用画像を合成し、前記動画像における前記被写体と前記モデル画像とが所定の位置関係になったときに、前記動画像における前記被写体と前記モデル画像全体に、前記被写体および前記モデル画像それぞれに合成された前記合成用画像とは異なる1つの前記全体合成用画像を合成する
請求項1に記載の画像作成装置。
【請求項8】
利用者を被写体として撮影し、得られた画像を出力する画像作成装置の画像作成方法であって、
複数の前記利用者を被写体として撮影し撮影画像を得る撮影ステップと、
撮影された前記撮影画像を動画像としてリアルタイムで表示部に表示させるように制御する表示制御ステップと、
前記表示部に表示された前記動画像における被写体それぞれに合成用画像を合成する合成ステップと
を含み、
前記合成ステップの処理は、前記動画像における被写体それぞれが所定の位置関係になったときに、前記動画像における被写体全体に、前記被写体それぞれに合成された前記合成用画像とは異なる1つの全体合成用画像を合成し、
前記撮影ステップの処理は、前記全体合成用画像が合成された、静止画像としての前記撮影画像を出力する
画像作成方法。
【請求項9】
利用者を被写体として撮影し、得られた画像を出力する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
複数の前記利用者を被写体とした撮影を制御し撮影画像を得る撮影制御ステップと、
撮影された前記撮影画像を動画像としてリアルタイムで表示部に表示させるように制御する表示制御ステップと、
前記表示部に表示された前記動画像における被写体それぞれへの合成用画像の合成を制御する合成制御ステップと
を含む処理をコンピュータに実行させ、
前記合成制御ステップの処理は、前記動画像における被写体それぞれが所定の位置関係になったときに、前記動画像における被写体全体への、前記被写体それぞれに合成された前記合成用画像とは異なる1つの全体合成用画像の合成を制御し、
前記撮影制御ステップの処理は、前記全体合成用画像が合成された、静止画像としての前記撮影画像の出力を制御する
プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−39410(P2012−39410A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−178152(P2010−178152)
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【出願人】(307010096)フリュー株式会社 (210)
【Fターム(参考)】