説明

画像保管装置

【課題】端末が要求している画像データをマルチフレーム画像データとして該端末に提供可能な画像保管装置を提供する。
【解決手段】画像データからマルチフレーム画像データを生成するための各フレームの画像群の特徴に関する条件を記憶しておき、受信した画像データから、画像データに含まれる付帯情報及び前記条件に基づいてマルチフレーム画像データを生成し、生成されたマルチフレーム画像データを保管する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像を保管する画像保管装置に関する。
【背景技術】
【0002】
病院内には、被検体内を撮影して医用画像を生成する画像診断装置、医用画像の画像データを保管する画像保管装置、保管されている画像データを受信して画像を表示したり画像処理をしたりするレポート作成支援装置や画像観察装置や画像処理装置等の端末がネットワークに接続されている。
【0003】
画像保管装置と端末は、ネットワークを介した通信により画像データを送受信している。近年、画像診断装置は、その性能の向上により被検体を連続的に撮影して大量の医用画像を作成することが可能となっているため、画像保管装置と端末とで行われる画像データの送受信は、大量の通信量となり、通信トラフィックに多大な負荷を与えている。
【0004】
そこで、近年、DICOM規格では、複数の医用画像データを1ファイルに記録したマルチフレーム画像データという概念が提示されている(例えば、「特許文献1」参照)。画像診断装置で発生した複数の医用画像データを1ファイルに纏めたものである。このマルチフレーム画像データは、エンハンスドデータとも呼ばれる。1フレームを表す画像データの1枚1枚が1ファイルとなっていると、一つ一つの画像データを送受信する度に通信を確立する必要が生じるため、医用画像データの送信装置と受信装置とで多くのやりとりが必要となり、通信トラフィックに多大なる負荷が発生する。しかし、マルチフレーム画像データでは、一回の通信で全ての医用画像が送受信できるため、多くのやりとりをする必要なく、通信トラフィックが軽減されるとともに、通信速度の向上も見込める。
【0005】
このマルチフレーム画像データは、現状ではその構成内容の自由度が高く、検査の各種シリーズの画像データを混在させることもできる。具体的には、位置決めのために用いられるスカウト画像と本スキャンの画像を混在させたり、他シリーズの画像を混在させたり、スライス厚や撮影軸が異なる画像を混在させたり、撮影部位の異なる画像を混在させたりすることもできる。
【0006】
一方で、レポート作成支援装置や画像観察装置や画像処理装置等の端末では、その機能により実際に利用される画像データの種類はある程度限定されている。例えば、MPR処理を行う端末では、スカウト画像や拡散強調画像やスライス厚の異なる画像や撮影軸の異なる画像は必要ない。
【0007】
従って、従来のマルチフレーム画像データでは端末が画像処理をするために必要でない画像データも多く含まれるため、端末側では、マルチフレーム画像データを受信した後、このマルチフレーム画像データに含まれている画像データを前処理することで、必要な画像と不必要な画像とに分別する必要があった。そのため、比較的古いコンピュータを搭載した所謂レガシーな端末では、マルチフレーム画像データの通信向上の恩恵を相殺するように前処理に多大な負荷を要してしまう場合があった。即ち、画像データの送信要求から画像表示や画像処理までのトータルのスパンでは、マルチフレーム画像データの利便性が損なわれる結果となっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−21212号公報(段落0041)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、端末が要求している画像データをマルチフレーム画像データとして該端末に提供可能な画像保管装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するための本発明の態様は、付帯情報を含む画像データから一ファイルにつき複数フレームの画像を含むマルチフレーム画像データを生成する画像保管装置であって、前記画像データを受信する受信手段と、前記複数フレームの画像群の特徴に関する1又は複数種類の条件を含む、複数の基準情報を記憶する記憶手段と、前記受信された画像データに含まれる付帯情報を、前記複数の基準情報ごとの前記条件と比較していき、当該付帯情報が少なくとも1つの条件を満たす場合、当該付帯情報は当該条件を含む基準情報を満たすグループとして区分けされ、さらに当該付帯情報を含む画像データを当該グループごとにまとめることにより、マルチフレーム画像データを生成する生成手段と、前記生成手段で生成された前記マルチフレーム画像データを保管する保管手段と、を備えること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、端末が要求している画像データをマルチフレーム画像データとして該端末に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施形態に係る画像保管装置が接続されたネットワークを示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態に係る画像保管装置の構成を示すブロック図である。
【図3】第1の実施形態に係る画像保管装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】第1の実施形態に係る基準情報テーブルのデータ構造を表す模式図である。
【図5】マルチフレーム画像データのデータ構造を表す模式図である。
【図6】マルチフレーム画像データのフレーム情報領域のデータ構造を表す模式図である。
【図7】第1の実施形態に係る生成処理前後のマルチフレーム画像データを示す模式図である。
【図8】StacIDとTindexIDの対応表を示す図である。
【図9】第1の実施形態に係る編集前情報を示す模式図である。
【図10】データベースの一部を示すデータ構造図である。
【図11】画像データの送信動作を示すフローチャートである。
【図12】複数枚のシングルフレーム画像データをマルチフレーム画像データ化する例を示す模式図である。
【図13】複数枚のシングルフレーム画像データのマルチフレーム画像データ化の動作を示すフローチャートである。
【図14】マルチフレーム画像データにシングルフレーム画像データを含める処理を示す模式図である。
【図15】シングルフレーム画像データをマルチフレーム画像データに付加する動作を示すフローチャートである。
【図16】第3の実施形態に係る基準情報テーブルのデータ構造を示す図である。
【図17】第3の実施形態に係るマルチフレーム画像データの生成動作を示すフローチャートである。
【図18】第4の実施形態に係る基準情報テーブルのデータ構造を示す模式図である。
【図19】優先条件テーブルを示す模式図である。
【図20】第4の実施形態に係る画像保管装置の動作を示すフローチャートである。
【図21】マルチフレーム画像データの復元動作及び再編集動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る画像保管装置の好適な各実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る画像保管装置100が接続されたネットワークを示すブロック図である。
【0015】
画像保管装置100は、病院内のネットワークに接続されている。このネットワークには、画像診断装置1やレポート作成支援システム2や画像観察装置3や画像処理装置4が接続されている。
【0016】
画像診断装置1は、被検体内の画像データを生成する。この画像診断装置1は、被検体内を連続的に撮影して複数の医用画像を作成する。複数の医用画像は、1フレーム分の画像データを1ファイルとしたシングルフレーム画像データとして生成される。また、画像診断装置1は、撮影した複数フレームの画像データを1ファイルに含めたマルチフレーム画像データを作成する場合もある。画像診断装置1は、このシングルフレーム画像データやマルチフレーム画像データを画像保管装置100に送信する。
【0017】
画像保管装置100は、シングルフレーム画像データやマルチフレーム画像データを受信すると、データベース化して保管しておく。そして、画像保管装置100は、レポート作成支援システム2や画像観察装置3や画像処理装置4等の端末に対して、要求に対応した画像データを送信する。
【0018】
レポート作成支援システム2は、画像保管装置100から送信された画像データを受信して、レポートの作成の際にモニタに表示する。あるいは、レポート作成支援システム2は、画像観察装置3上で表示されている画像データを観察した結果のレポートの作成のための画面をモニタに表示し、レポート作成を可能にし、その内容を保管する。
【0019】
画像観察装置3は、端末によって3Dビューア、2Dビューア、フュージョンビューア、MRビューア、マルチフレーム画像データ対応ビューア等が存在する。画像観察装置3に搭載されるアプリケーションソフトウェア(以下、アプリケーションという)によってビューアの種類が異なる。この画像観察装置3は、画像保管装置100から送信された画像データを受信してモニタに表示する。
【0020】
画像処理装置4は、MPR処理、ボリュームレンダリング処理、4D処理等の端末が存在する。画像処理装置4に搭載されるアプリケーションによって画像処理の種類が異なる。この画像処理装置4は、画像保管装置100から送信された画像データを受信してそれぞれの画像処理を施す。
【0021】
このようなネットワークに接続された画像保管装置100では、各端末に必要とされる画像データ群を予めマルチフレーム画像データ単位で用意しておき、データベース化して保管しておく。
【0022】
例えば、画像処理装置4は、その機能によって、要求する画像データ群の特徴が異なる。画像データ群の特徴とは、モダリティの種類、撮影軸の位置、スライス厚、機能画像であるか形態画像であるか、スカウト画像を含むか等である。画像処理装置4の機能によっては、モダリティの種類が限定され、撮影軸の統一性が要求され、スライス厚の統一性が要求され、機能画像の形態画像どちらかのみが要求され、スカウト画像は不要である等のように、要求される画像データ群の特徴が異なる。
【0023】
MPR処理を行うアプリケーションを搭載した画像処理装置4のためには、画像保管装置100は、その端末が要求するマルチフレーム画像データに編集してデータベース化して保管しておく。例えば、そのマルチフレーム画像データは、X線CT装置で撮影された画像データのみを構成内容とする。更に、被検体の同一軸上を同一スライス厚で撮影することにより得られた画像データのみを構成内容としても良い。更に、スカウト画像以外の画像データを構成内容としても良い。
【0024】
また、MPR処理を行うアプリケーションを搭載した画像処理装置4のために、マルチフレーム画像データを別途編集してデータベース化して保管しておく。例えば、そのマルチフレーム画像データは、MRI装置で撮影された画像データのみを構成内容とする。更に、被検体の同一軸上を同一スライス厚で撮影することにより得られた画像データのみを構成内容としても良い。更に、拡散強調画像以外の画像データを構成内容としても良い。
【0025】
また、例えば、透過合成を行うフュージョン処理のアプリケーションを搭載した画像処理装置4のために、画像診断装置1から受信したマルチフレーム画像データを、被検体の同一軸上及び同一撮影位置を同一スライス厚で撮影して得られた画像データのみを構成内容としたマルチフレーム画像データに別途編集しておいてから、データベース化して保管しておく。
【0026】
図2は、この第1の実施形態に係る画像保管装置100の構成を示すブロック図である。この画像保管装置100は、受信部110とデータ分析部120と生成部130と登録部140とデータベース150と送信部160を備える。
【0027】
受信部110は、画像診断装置1からネットワークを介してシングルフレーム画像データやマルチフレーム画像データ等の画像データを受信する。
【0028】
データ分析部120は、受信部110で受信した画像データを分析して、画像データがシングルフレーム画像データかマルチフレーム画像データか判断する。シングルフレーム画像データであれば、データベース化して保管するために登録部140へ送る。マルチフレーム画像データであれば、編集のために生成部130へ送る。
【0029】
生成部130は、マルチフレーム画像データを編集する。生成部130は、メモリ等の記憶手段を有し、予め1ファイルに纏める画像データ群の特徴に関する条件を表した基準情報を記憶している。基準情報は、同一ファイルに纏める画像データ群の条件を、画像データ群の特徴により表したものである。生成部130は、この基準情報を参照して、送られてきたマルチフレーム画像データを基に、同一の属性を有する画像データを纏めたマルチフレーム画像データを生成する。生成部130は、各基準情報を基に生成されたマルチフレーム画像データのいずれにも属さない画像データを、別個に纏めてマルチフレーム画像データ化しておく。また、生成部130は、編集前のマルチフレーム画像データの構成内容を表す編集前情報を生成しておく。尚、同一の属性を有するとは、基準情報に含まれている条件内で同一であることを意味する。
【0030】
生成部130によって生成されたマルチフレーム画像データと残りの画像データを纏めたマルチフレーム画像データと編集前情報は、登録部140に送られる。
【0031】
登録部140は、画像データをデータベース150に保管する。シングルフレーム画像データの付帯情報、生成部130によって生成されたマルチフレーム画像データの付帯情報、残りの画像データを纏めたマルチフレーム画像データの付帯情報、及び編集前情報をデータベース150に登録しておく。
【0032】
データベース150は、データベース管理システム及び画像データの保管部により構成される。データベース管理システムは、サーバとして、端末が要求した画像データを検索し、該当する画像データを送信部160に送信させる。保管部は、ハードディスクやメモリ等の記憶媒体から構成され、この保管部には画像保管装置100で実行されてマルチフレーム画像データを処理するアプリケーションも記憶されている。
【0033】
送信部160は、端末がデータベース150を参照して画像データの送信を要求すると、要求された画像データをネットワークを介して送信する。
【0034】
図3は、この画像保管装置100の動作を示すフローチャートである。まず、画像診断装置1が画像データをネットワークを介して画像保管装置100に送信すると、S01において、受信部110は、この送信された画像データを受信する。
【0035】
S02において、受信部110が画像データを受信すると、データ分析部120は、画像データがマルチフレーム画像データであるかシングルフレーム画像データであるか判断する。マルチフレーム画像データであれば(S02,Yes)、マルチフレーム画像データを生成部130に送る。シングルフレーム画像データであれば(S02,No)、S18において登録部140でデータベース150に登録し、受信時での編集処理は終了する。
【0036】
生成部130は、マルチフレーム画像データが送られると、S03において、レコードナンバーをN=01に初期化し、S04において、レコードナンバーNの基準情報を読み出す。
【0037】
図4は、生成部130が記憶する基準情報テーブルのデータ構造を表す模式図である。基準情報テーブルには、一つのマルチフレーム画像データに含める画像データ群の特徴に関する条件を表す基準情報が記憶されている。基準情報には、1以上の特徴に関する条件が含まれている。そして、この基準情報テーブルには、1以上の基準情報が記憶されている。
【0038】
例えば、レコードナンバー01の基準情報は、MPR処理において利用される画像データ群の特徴に関する条件を表している。即ち、この基準情報には、撮影軸が同一の画像データ群であることを表す第1の特徴に関する条件、スライス厚が同一の画像データ群であることを表す第2の特徴に関する条件、X線CT装置若しくはMRI装置で撮影された画像データ群あることを表す第3の特徴に関する条件、拡散強調画像及びスカウト画像が含まれていない画像データ群であることを表す第4の特徴に関する条件、及び同一シリーズであることを表す第5の特徴に関する条件が含まれている。
【0039】
また、例えば、レコードナンバー03の基準情報は、フュージョン処理において利用される画像データ群の特徴に関する条件を表している。即ち、この基準情報には、撮影軸が同一の画像データ群であることを表す第1の特徴に関する条件、スライス厚が同一の画像データ群であることを表す第2の特徴に関する条件、同一撮影部位の画像データ群であることを表す第3の特徴に関する条件が含まれている。この基準情報によれば画像診断装置1の種別は問われない。
【0040】
生成部130は、S05において、さらにマルチフレーム画像データのフレーム情報領域を読み出す。
【0041】
図5は、マルチフレーム画像データのデータ構造を表す模式図である。マルチフレーム画像データは、画像情報領域と共通付帯情報領域とフレーム情報領域の3つパートで構成されている。
【0042】
画像情報領域には、画像診断装置1で発生したシングルフレームの画像データが並ぶ。共通付帯情報領域には、このマルチフレーム画像データの属性を特定する付帯情報が記述されている。例えば、共通付帯情報領域には、画像診断装置1で撮影された被検体の患者IDや画像診断装置1の種類や機体名等が記述されている。
【0043】
フレーム情報領域には、マルチフレーム画像データに記録されている各画像データの個別の付帯情報が記述されている。一般的に、フレーム情報領域に並ぶ付帯情報と画像情報領域に並ぶ画像データは、並び順番によって対になっている。画像情報領域に並ぶ画像データの記録順に倣った順にフレーム情報領域の付帯情報が並べられている。画像情報領域の3枚目に並ぶ画像データは、フレーム情報領域の3番目の付帯情報を参照することで、その画像データが特定される。また、並び順によって付帯情報と画像データとを対応付けせず、フレーム情報領域に並ぶ付帯情報とこれに対応する画像データのそれぞれに共通の識別情報を付すことで、これらを紐付けしている場合もある。この場合は、付帯情報に付された識別情報を参照することで、画像データが特定される。
【0044】
S06において、生成部130は、読み出した基準情報に含まれる各条件に各付帯情報が合致しているかどうかを各画像データの付帯情報を比較して判断する。そして、S07において、基準情報を満たすことで同一の属性を有する付帯情報の各グループとそれ以外の付帯情報とを区分けする。
【0045】
図6は、マルチフレーム画像データのフレーム情報領域に含まれる付帯情報のデータ構造を表す模式図である。
【0046】
フレーム情報領域に含まれる付帯情報には、画像を特定する識別IDと、対応する画像データの属性が記述されている。
【0047】
画像を特定する識別IDとしては、具体的には、シリーズごとに付されたStacID(スタックID)と、シリーズ内の画像を特定するTindexID(Temporary Index ID,テンポラリインデックスID)が付されている。
【0048】
画像データの属性としては、具体的には、撮影軸を表す情報、スライス厚を表す情報、「CT」等の撮影に使用された画像診断装置1の属性を表す情報、「Modality1」等の画像診断装置1の機種名を表す情報、拡散強調画像やスカウト画像であることを表す画像種情報、撮影部位を表す情報等が記述されている。
【0049】
生成部130は、レコードナンバー01の基準情報を基準とした編集においては、フレーム情報領域の各付帯情報を比較する。そして、マルチフレーム画像データに含まれる各画像データを、同一軸上を撮影されたもの同士に分類分けする。次に、スライス厚が同一であるもの同士に分類分けする。また、撮影した画像診断装置1がX線CT装置若しくはMRI装置であるかものとそうでないものとを分類分けする。また、拡散強調画像以外と拡散強調画像とを分類分けする。さらに、StacIDを参照して同一シリーズのもの同士を分類分けする。
【0050】
撮影軸に関する分類分けでは、各付帯情報に含まれている撮影軸を表す情報の示す値に応じて、各付帯情報にフラグを付していく。各付帯情報を識別するIDを設定し、そのIDにフラグを関連づけてもよい。また、この方法に限らず、区別付けができればいかなる方法を用いてもよい。以下、フラグ付けで区別を行う方法によって説明する。
【0051】
スライス厚に関する分類分けでは、各付帯情報に含まれている撮影軸を表す情報の示す値に応じて、各付帯情報にフラグを付していく。
【0052】
撮影した画像診断装置1がX線CT装置若しくはMRI装置であるかの分類分けでは、X線CT装置若しくはMRI装置の画像診断装置1を表す情報を有する付帯情報とそれ以外の付帯情報とに別々のフラグを付していく。
【0053】
拡散強調画像以外の画像であるかの分類分けでは、拡散強調画像以外を表す情報を有する付帯情報と拡散強調画像を表す情報を有する付帯情報と別々のフラグを付していく。
【0054】
これにより、マルチフレーム画像データ内の各画像データは、フラグの組み合わせによって、レコードナンバー01の基準情報を満たすことで同一の属性を示す付帯情報の各グループとそれ以外の付帯情報のグループとに区別される。
【0055】
次に、S08において、図7に示すように、生成部130は、各グループに区別された基準情報を満たす付帯情報とこれに対応する画像データをグループ毎に纏めたマルチフレーム画像データをそれぞれ生成する。さらに、S09において、生成部130は、基準情報を満たしていない付帯情報とこれに対応する画像データを纏めたマルチフレーム画像データを生成する。
【0056】
これにより、一の基準情報を満たす同一属性グループの各マルチフレーム画像データと基準情報を満たさなかった画像データ群のマルチフレーム画像データが生成される。
【0057】
そして、S10においてN=N+1とし、S11においてN>Maxで無ければ、生成部130は、新たなレコードナンバーNの基準情報についてS04〜S09の処理を繰り返す。Maxは、記憶している基準情報の数を表す。これにより、基準情報テーブルに記憶されている各基準情報を満たす各マルチフレーム画像データと、各基準情報を満たしていない各マルチフレーム画像データが作成される。
【0058】
そして、全ての基準情報を参照した編集が終了すると、生成部130は、生成したマルチフレーム画像データに含まれている各画像データの付帯情報について、StacIDとTindexIDを再定義する。マルチフレーム画像データを出力する画像診断装置1の機種によっては、StacIDがシリーズ番号を表し、TindexIDが画像番号を表すものと定義し、また、その逆に、StacIDが画像番号を表し、TindexIDがシリーズ番号を表すものと定義する場合がある。そうすると、端末側ではマルチフレーム画像データを受け取った後、機種名を表す情報を参照してTindexIDとStacIDの内容を解釈する前処理を行わなくてはならない。
【0059】
そこで、生成部130は、生成したマルチフレーム画像データ内のStacIDとTindexIDの内容を何れか一方に統一化しても良い。具体的には、生成部130は、図8に示すように、画像診断装置1の機種名に対応させてStacIDとTindexIDが何を表しているのかを表す対応表を記憶している。
【0060】
生成部130は、S12において、編集元のマルチフレーム画像データの共通付帯情報領域に含まれている機種名を読み出し、S13において、対応表を参照してStacIDとTindexIDを解釈する。そして、StacIDの内容とTindexIDの内容が予め定めた内容と逆であれば(S13,Yes)、S14において、生成した全てのマルチフレーム画像データに記述されているStacIDの値とTindexIDの値とを入れ替える。
【0061】
例えば、StacIDをシリーズ番号、TindexIDを画像番号に統一化するものとし、編集元のマルチフレーム画像データに含まれている機種名の情報と対応表とを参照した結果、そのマルチフレーム画像データに含まれているStacIDが画像番号を表し、TindexIDがシリーズIDを表していると、生成部130は、生成したマルチフレーム画像データに含まれているStacIDとTindexIDの値を入れ替える。
【0062】
S15において、生成部130は、図9に示すように、編集元となったマルチフレーム画像データの共通付帯情報とフレーム領域情報とを結合した編集前情報を生成する。即ち、この編集前情報は、編集前のマルチフレーム画像データの構成内容が記録された情報である。フレーム領域情報のうちのStacIDとTindexIDのみを抜き出して編集前情報を含めてもよい。尚、生成されたマルチフレーム画像データのStacIDとTindexIDは、並び替えや削除や番号の繰り上げ等によって変更される場合がある。この場合は、生成されたマルチフレーム画像データ又は編集前情報に変更の履歴を含めておく。
【0063】
そして、S16において、生成部130は、編集元となったマルチフレーム画像データを容量節約のために破棄する。尚、編集元となったマルチフレーム画像データを容量節約等の破棄の理由がなければ残しておいてもよい。この場合、編集前情報を生成する処理は省くことができる。
【0064】
生成部130による処理が終了すると、S17において、登録部140は、基準情報を満たすように纏められた各マルチフレーム画像データと、それ以外の画像データを1ファイルに纏めることで作成されたマルチフレーム画像データと、編集前情報とをデータベース150に登録して保管する。さらに、登録部140は、マルチフレーム画像データの生成に用いられた基準情報と対応するアプリケーション識別情報をマルチフレーム画像データに関連づけてデータベース150に記録する。アプリケーション識別情報は、アプリケーションを識別する情報である。登録部140は、アプリケーション識別情報と基準情報を識別する情報との対応表を予め記憶している。登録部140は、マルチフレーム画像データの生成に用いられた基準情報に対応するアプリケーション識別情報を、このマルチフレーム画像データに関連づけて記録する。
【0065】
このように、本実施形態の画像保管装置100では、画像データ群の特徴に関する条件を表す基準情報に沿って画像データを区分けし、マルチフレーム画像データを纏め直して保管している。なお、レコードナンバーで区別される基準情報を複数満たす画像データが存在する場合には、纏め直したマルチフレーム画像データに重複して同じフレームが含まれていても良い。レポート作成支援システム2や画像観察装置3や画像処理装置4等の各端末で必要とされる画像データの属性に関する各条件を基準情報として記憶させておけば、各端末に画像データを送信する際に、必要な画像データのみで且つStacIDとTindexIDの内容が統一化されたマルチフレーム画像データの形式で送信することができる。
【0066】
従って、マルチフレーム画像データによる通信速度の向上に加え、各端末でマルチフレーム画像データを解析して処理に必要な画像データのみを抽出する処理を省くことができるので、画像データの要求から各端末の画像データの本処理までの時間を短縮することが可能となる。また、StacIDとTindexIDの解析を省くことができるので、動揺に本処理までの時間を短縮することができる。
【0067】
例えば、MPR処理に必要な画像データのみを纏め、スカウト画像等を予め省いたマルチフレーム画像データに纏めてから保管しておくことで、端末は、MPR処理のために受信したマルチフレーム画像データからMPR処理に不必要な画像データを省く必要がなくなる。
【0068】
尚、基準情報テーブルに記憶されている基準情報は、一つのみであってもよいし、複数記憶されていても、使用する基準情報は一つであってもよい。複数の基準情報から一つの基準情報を選択する場合には、操作者によるマウスやキーボードを用いた入力に応じるようにすればよい。予め選択が入力された場合には、使用する基準情報に使用する情報であることを示す識別情報を付しておく。
【0069】
次に、このマルチフレーム画像データの送信態様について説明する。
【0070】
データベース管理システムは、データベース150に記録された付帯情報やアプリケーション識別情報を参照して画像データを検索する。図10は、保管されている画像のデータベース150の一部を示す模式図である。データベース150には、シングルフレーム画像データの付帯情報及び保管先や、マルチフレーム画像データの付帯情報とアプリケーション識別情報とこの画像データの保管先や、編集前情報が記憶されている。
【0071】
付帯情報には、撮影軸を表す情報、スライス厚を表す情報、「CT」等の撮影に使用された画像診断装置1の種類を表す情報、「Modality1」等の画像診断装置1の機種名を表す情報、拡散強調画像やスカウト画像であることを表す情報、撮影部位を表す情報等が記述されている。
【0072】
図11は、画像データの送信動作を示すフローチャートである。
【0073】
送信部160は、S21において、端末から画像データの検索キーを受信する。検索キーには、要求する画像データの付帯情報と、画像データを要求したアプリケーションを識別するアプリケーション識別情報とが含まれる。
【0074】
データベース管理システムは、S22において、検索キーを用いてデータベース150を検索し、S23において、該当のマルチフレーム画像データを読み出す。そして、S24において、送信部160は、読み出されたマルチフレーム画像データを端末に送信する。
【0075】
尚、データベース150上でマルチフレーム画像データとアプリケーション識別情報とを関連づけるのではなく、アプリケーション識別情報をマルチフレーム画像データに記述するようにしてもよい。登録部140は、マルチフレーム画像データが生成されると、生成に用いた基準情報に対応するアプリケーションを識別する情報をマルチフレーム画像データに記述する。データベース管理システムは、マルチフレーム画像データに記述されたアプリケーション識別情報を探索して、要求されたマルチフレーム画像データを読み出す。この場合、データの拡張子もアプリケーション識別情報に含まれる。
【0076】
また、端末側に付帯情報に合致した画像データの一覧を提示し、その中から選択させるようにしてもよい。
【0077】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、マルチフレーム画像データを受信した際に、そのマルチフレーム画像データの編集処理を行う例を説明した。そのほか、複数のシングルフレーム画像データからマルチフレーム画像データを生成するようにしてもよい。第2の実施形態に係る画像保管装置100は、複数のシングルフレーム画像データからマルチフレーム画像データを生成する。
【0078】
生成部130は、画像診断装置1から複数枚のシングルフレーム画像データが送られてくると、これらシングル画像データに対して編集処理を実施する。
【0079】
図12は、複数枚のシングルフレーム画像データをマルチフレーム画像データ化する例を示す模式図である。図12に示すように、生成部130は、複数枚のシングルフレーム画像データのうち、基準情報に含まれる条件を満たしているシングルフレーム画像データのグループを特定する。そして、そのグループのシングルフレーム画像データ群を1ファイルに纏めることでマルチフレーム画像データ化する。また、基準情報に含まれる条件を満たしていないシングルフレーム画像データについては、それらを一つに纏めてマルチフレーム画像データ化する。
【0080】
図13は、この複数枚のシングルフレーム画像データのマルチフレーム画像データ化の動作を示すフローチャートである。尚、説明の簡略化のため、基準情報テーブルには、基準情報が一つのみ記憶されているものとしたが、基準情報が複数あっても良い。
【0081】
まず、画像診断装置1が画像データをネットワークを介して画像保管装置100に送信すると、S01において、受信部110は、この送信された画像データを受信する。
【0082】
S02において、受信部110が画像データを受信すると、データ分析部120は、画像データがマルチフレーム画像データであるかシングルフレーム画像データであるか判断する。マルチフレーム画像データであれば(S02,No)、第1の実施形態に係る処理を係るS03〜S17を行う。
【0083】
シングルフレーム画像データであり(S02,No)、S31において、複数枚送信されてくるシングルフレーム画像データの全てを受信完了すると(S31,Yes)、マルチフレーム画像データを生成部130に送る。
【0084】
生成部130は、S32において、基準情報を読み出し、S33において各シングルフレーム画像データの付帯情報を読み出す。
【0085】
S34において、生成部130は、読み出した基準情報に含まれる条件に各付帯情報が合致しているかどうかを各付帯情報を比較して判断し、S35において基準情報を満たし、同一の属性を示す付帯情報の各グループとそれ以外の付帯情報とを区分けする。
【0086】
次に、S36において、生成部130は、各グループに区別されたシングルフレーム画像データをグループ毎に纏めたマルチフレーム画像データをそれぞれ生成する。さらに、S37において、生成部130は、基準情報を満たしていないシングルフレーム画像データを纏めたマルチフレーム画像データを生成する。
【0087】
これにより、一の基準情報に含まれる条件を満たす同一属性グループの各マルチフレーム画像データと基準情報を満たさなかった画像データ群のマルチフレーム画像データが生成される。
【0088】
そして、生成部130は、S12〜S14の処理を行うことで、StacIDとTindexIDを再定義した後、S38において、生成したマルチフレーム画像データをデータベース150に登録する。
【0089】
また、生成部130は、定期的にマルチフレーム化の処理を実行し、既にデータベース150に記憶されているシングルフレーム画像データをマルチフレーム化するようにしてもよい。このとき、図14に示すように、既に生成されているマルチフレーム画像データに纏めることのできるシングルフレーム画像データが存在すれば、そのシングルフレーム画像データをマルチフレーム画像データに付加するようにしてもよい。
【0090】
図15は、シングルフレーム画像データをマルチフレーム画像データに付加する動作を示すフローチャートである。
【0091】
まず、生成部130は、S41において、シングルフレーム画像データがデータベース150に存在すると(S41,Yes)、S42において、そのシングルフレーム画像データの付帯情報を読み出す。
【0092】
さらに、生成部130は、S43において、データベース150を参照して、共通付帯情報及びフレーム情報領域の付帯情報に、読み出した付帯情報と同一の情報を有するマルチフレーム画像データを検索する。該当のマルチフレーム画像データが1又は2以上見つかると(S43,Yes)、S44において、見つかったマルチフレーム画像データのそれぞれにシングルフレーム画像データを付加する。具体的には、シングルフレーム画像データの付帯情報をフレーム情報領域に記録し、シングルフレーム画像データの画像データ部分を画像情報領域に記録する。
【0093】
(第3の実施形態)
第1の実施形態では、記憶されている基準情報の全てについてマルチフレーム画像データを生成した。第3の実施形態に係る画像保管装置100では、優先条件を予め用意しておき、優先条件を満たした基準情報について対応するマルチフレーム画像データを作成して保管する。画像保管装置100の性能、即ち演算処理能力や記憶容量によっては、基準情報テーブルに記憶されている全ての基準情報に対応する各マルチフレーム画像データを作成して保管すると画像保管装置100に多大な負荷をもたらすおそれがあるためである。
【0094】
図16は、第3の実施形態に係る基準情報テーブルを示す模式図である。
【0095】
図16に示すように、基準情報には、モダリティ情報が関連づけられている。モダリティ情報は、画像診断装置1の種類を示す情報である。マルチフレーム画像データがその後どのような画像処理されるかは、画像診断装置1の種類からある程度推測可能である。例えば、X線CT装置由来の画像データは、3Dボリュームレンダリングされる可能性が高く、またMPR処理される可能性が高い。
【0096】
生成部130は、受信したマルチフレーム画像データに含まれている画像診断装置1の種類を示す情報と一致するモダリティ情報と関連づけられている基準情報を用いてマルチフレーム画像データを生成する。
【0097】
図17は、第3の実施形態に係るマルチフレーム画像データの生成動作を示すフローチャートある。マルチフレーム画像データが受信されることを前提に説明し、マルチフレーム画像データであるかシングルフレーム画像データであるかの判断処理の説明は省略する。なお、シングルフレーム画像データを受信した場合に第2の実施例で説明したようにシングルフレーム画像データからマルチフレーム画像データを生成しても良い。この場合にも、図16に示したモダリティ情報が関連づけられた基準情報が適用できる。
【0098】
まず、画像診断装置1が画像データをネットワークを介して画像保管装置100に送信すると、S01において、受信部110は、この送信された画像データを受信する。
【0099】
生成部130は、マルチフレーム画像データが送られると、S51において、マルチフレーム画像データの共通付帯情報領域から画像診断装置1の種類を示す情報を読み出す。そして、生成部130は、S52において、基準情報テーブルを参照して、画像診断装置1の種類を示す情報と同一の内容を有するモダリティ情報を検索する。
【0100】
該当するモダリティ情報が見つかると、S53において、このモダリティ情報に関連づけられている基準情報を読み出す。さらに、生成部130は、S54において、生成部130は、マルチフレーム画像データのフレーム情報領域を読み出す。
【0101】
S55において、生成部130は、読み出した基準情報に含まれる条件に各付帯情報が合致しているかどうかを各画像データの付帯情報を比較して判断し、S56において基準情報を満たすことで同一属性を示す付帯情報の各グループとそれ以外の付帯情報とを区分けする。
【0102】
次に、S57において、生成部130は、各グループに区別された付帯情報とこれに対応する画像データをグループ毎に纏めたマルチフレーム画像データをそれぞれ生成する。さらに、S58において、生成部130は、基準情報を満たしていない付帯情報とこれに対応する画像データを纏めたマルチフレーム画像データを生成する。
【0103】
そして、生成部130は、S12〜S14の処理を行うことで、StacIDとTindexIDを再定義した後、S59において、生成部130は、編集前情報を生成する。最後に、S60において、登録部140は、基準情報に含まれる条件を満たすように纏められた各マルチフレーム画像データと、それ以外の画像データを1ファイルに纏めることで作成されたマルチフレーム画像データと、編集前情報とをデータベース150に登録して保管する。
【0104】
尚、共通付帯情報領域から読み出した画像診断装置1の種類を示す情報と一致するモダリティ情報が複数存在すれば、それぞれに関連づけられている基準情報についてマルチフレーム画像データを生成する処理を繰り返す。
【0105】
この第3の実施形態に係る画像保管装置100では、よく利用される構成内容のマルチフレーム画像データを作成して編集するため、画像保管装置100に負荷をかけることを低減し、画像保管装置100本来の処理である画像サーバとしての機能を損なうことがない。
【0106】
(第4の実施形態)
第4の実施形態は、複数の基準情報のうちの一部の基準情報を用いてマルチフレーム画像データを生成する場合の画像保管装置100の変形例である。
【0107】
図18は、第4の実施形態に係る基準情報テーブルのデータ構造を表す模式図である。基準情報テーブルには、基準情報に関連づけられて、端末情報が記憶されている。端末情報は、関連づけられている基準情報を満たすマルチフレーム画像データを必要とする端末に関する情報である。例えば、端末情報は、関連づけられている基準情報を満たすマルチフレーム画像データを必要とする端末の台数を表す情報である。
【0108】
図19は、優先条件テーブルを示す模式図である。生成部130は、優先条件テーブルを予め記憶している。優先条件テーブルには、優先条件が予め記憶されている。優先条件は、マウスやキーボード等による入力によって選択されて優先条件テーブルに記憶される。優先条件は、端末情報の内容に対応し、例えば、台数の多いものを優先することを表す情報又は10台以上の端末を優先することを表す情報である。
【0109】
生成部130は、この優先条件テーブルと端末情報を参照して、優先条件を満たす端末情報に関連づけられている基準情報を読み出し、読み出した基準情報を満たすマルチフレーム画像データの編集を行う。尚、複数の優先条件が存在する場合は、その優先条件の全てを満たす端末情報に関連づけられている基準情報を読み出す。また、優先条件を満たしていない端末情報に関連づけられている基準情報は使用されないか、画像保管装置100の負荷が一定以下の場合に使用される。
【0110】
図20は、第4の実施形態に係る画像保管装置100の動作を示すフローチャートである。尚、基準情報を読み出してからの動作は、第1の実施形態と同様につき詳細な説明を省略する。
【0111】
まず、画像診断装置1が画像データをネットワークを介して画像保管装置100に送信すると、S01において、受信部110は、この送信された画像データを受信すると、生成部130は、マルチフレーム画像データが送られると、S71において、優先条件テーブルから優先条件を読み出す。そして、S72において、基準情報テーブルの各端末情報を読み出す。ここで、優先条件としては、台数が多いものを優先する内容が記述されているものとする。
【0112】
生成部130は、優先条件と各端末情報を読み出すと、S23において、優先条件を満たす端末情報を探索する。優先条件を満たす端末情報が見つかると、S24において、生成部130は、該当する端末情報に関連づけられている基準情報を読み出し、S04〜S11のマルチフレーム画像データの編集とデータベース150に登録を行い、処理を終了する。優先条件が台数の多いものを優先する内容であると、生成部130は、端末情報が示す台数が最も多いものを探索し、該当の端末情報に関連づけられている基準情報を用いる。
【0113】
尚、端末情報に変えて頻度情報を優先条件とするようにしてもよい。基準情報と頻度情報の対には、端末を識別する情報が関連づけられている。端末が必要とする画像データの条件を表す基準情報にその端末を識別する情報が関連づけられている。頻度情報は、各基準情報に関連づけられる。この頻度情報は、画像データが要求された回数である。
【0114】
送信部160は、画像データの要求があるたびに、画像データを要求した端末を識別する情報に関連づけられた頻度情報を1カウントアップしておく。そして、生成部130は、最大値又は上位から一定順位内の値を有する頻度情報と対になった基準情報を読み出してマルチフレーム画像データを生成する。
【0115】
(第5の実施形態)
優先条件やモダリティ情報に基づいて一部の基準情報を用いてマルチフレーム画像データを生成する場合は、他の端末で機能するアプリケーションで必要とされる画像データ群で構成されるマルチフレーム画像データが存在しない場合がある。この場合は、編集前情報を参照して、編集元のマルチフレーム画像データを復元し、改めて画像を要求した端末に必要な機能に応じた基準情報を満たすようにマルチフレーム画像データを編集してから送信する。
【0116】
図21は、このマルチフレーム画像データの復元動作及び再編集動作を示すフローチャートである。尚、基準情報テーブルには、図示しない端末を識別する情報が関連づけられている。
【0117】
まず、S91において、端末からの画像要求を受信すると、データベース管理システムは、S92において、マルチフレーム画像データのレコードを検索する。そして、データベース管理システムは、S93において、該当するレコードに含まれるアプリケーション情報が、画像要求した端末から受信したアプリケーションを識別する情報に一致するかチェックする。
【0118】
一致する場合には(S93,Yes)、S94において、そのマルチフレーム画像データを端末に送信させる。
【0119】
一方、一致したレコードがなければ(S93,No)、生成部130は、S95において、端末が送信した検索キーである患者情報等を共通付帯情報に含む編集前情報を探索する。そして、編集前情報が見つかると、生成部130は、S96において、編集前情報のフレーム情報領域に記憶されている各付帯情報を参照して、データベース150に記憶されているマルチフレーム画像データからこの付帯情報に対応するシングルフレーム画像データを抽出する。
【0120】
シングルフレーム画像データを抽出すると、生成部130は、S97において、抽出したシングルフレーム画像データと編集前情報を結合して編集前のマルチフレーム画像データを復元する。
【0121】
マルチフレーム画像データを復元すると、生成部130は、S98において、画像要求をした端末を識別する情報に関連づけられた基準情報を読み出し、その基準情報についてS05〜S14の処理を行うことで画像要求をした端末に必要な画像データを纏めたマルチフレーム画像データを作成する。そして、送信部160は、S99において、作成されたマルチフレーム画像データを端末へ送信する。なお、画像診断装置1から受信した編集元のマルチフレーム画像を削除していない場合には、復元する必要はなく、当該マルチフレーム画像を編集すれば良い。
【0122】
以上の各実施形態の画像保管装置100では、受信時以外にも、定期的に保管しているマルチフレーム画像データやシングル画像データに対して編集処理を実施するようにしてもよい。生成部130は、予め設定されている時刻情報を記憶しておき、時計IC等で計時される時刻が時刻情報に到達すれば、データベース150内の各マルチフレーム画像データやシングルフレーム画像データを読み出して編集処理を実行する。また、画像保管装置100の処理の空き時間、即ち負荷が低いときに編集処理を実行するようにしてもよい。
【0123】
このとき、優先条件や端末情報や基準情報が変更されていれば、データベース150内のマルチフレーム画像データやシングルフレーム画像データがその変更に合わせたマルチフレーム画像データ単位に編集しなおされ、ネットワーク環境の変化に迅速に適応可能となり、マルチフレーム画像データの利便性を引き続き享受することができる。
【符号の説明】
【0124】
1 画像診断装置
2 レポート作成支援システム
3 画像観察装置
4 画像処理装置
100 画像保管装置
110 受信部
120 データ分析部
130 生成部
140 登録部
150 データベース
160 送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
付帯情報を含む画像データから一ファイルにつき複数フレームの画像を含むマルチフレーム画像データを生成する画像保管装置であって、
前記画像データを受信する受信手段と、
前記複数フレームの画像群の特徴に関する1又は複数種類の条件を含む、複数の基準情報を記憶する記憶手段と、
前記受信された画像データに含まれる付帯情報を、前記複数の基準情報ごとの前記条件と比較していき、当該付帯情報が少なくとも1つの条件を満たす場合、当該付帯情報は当該条件を含む基準情報を満たすグループとして区分けされ、さらに当該付帯情報を含む画像データを当該グループごとにまとめることにより、マルチフレーム画像データを生成する生成手段と、
前記生成手段で生成された前記マルチフレーム画像データを保管する保管手段と、
を備えること、
を特徴とする画像保管装置。
【請求項2】
一ファイルにつき一フレームの画像を含むシングルフレーム画像データ又は一ファイルにつき複数フレームの画像を含むマルチフレーム画像データを受信する受信手段と、
画像データ群の特徴に関する1又は複数種類の条件を含む、複数の基準情報を記憶する記憶手段と、
前記受信された前記シングルフレーム画像データ又は前記マルチフレーム画像データを、前記複数の基準情報ごとの条件と比較していき、当該画像データが少なくとも1つの条件が表す特徴を有する場合、当該画像データを当該条件を含む基準情報を満たすグループとしてまとめることにより、当該グループごとの画像データ群で構成されるマルチフレーム画像データをそれぞれ生成する生成手段と、
前記生成手段で生成されたマルチフレーム画像データを保管する保管手段と、
を備えること、
を特徴とする画像保管装置。
【請求項3】
前記受信手段で受信する画像データは、一ファイルにつき一フレームの画像を含むシングルフレーム画像データ又は一ファイルにつき複数フレームの画像を含むマルチフレーム画像データであること、
を特徴とする請求項1記載の画像保管装置。
【請求項4】
前記生成手段は、前記条件に合致しない画像データを、前記基準情報を満たさなかったグループとしてまとめることにより、マルチフレーム画像データを生成すること、
を特徴とする請求項1又は2記載の画像保管装置。
【請求項5】
前記生成手段は、受信された前記シングルフレーム画像データについて前記比較をし、さらに比較の結果、当該シングルフレーム画像データと同一のグループとなりうる、既に生成された前記マルチフレーム画像データを検索し、検索されたマルチフレーム画像データに該シングルフレーム画像データを付加すること、
を特徴とする請求項2又は3に記載の画像保管装置。
【請求項6】
前記条件は、前記マルチフレーム画像データを表示するための端末で機能するアプリケーションソフトウェアによって処理される画像データ群の特徴を表すこと、
を特徴とする請求項1又は2記載の画像保管装置。
【請求項7】
前記生成手段は、受信したシングルフレーム画像データ又は受信したマルチフレーム画像データの付帯情報に基づきその構成内容を表す編集前情報を生成すること、
を特徴とする請求項2又は3記載の画像保管装置。
【請求項8】
前記付帯情報には、前記画像データを特定する識別IDと、対応する画像データの属性が含まれること、
を特徴とする請求項1又は2記載の画像保管装置。
【請求項9】
前記識別IDには、各種シリーズを示す第1のIDと、シリーズ内の画像データを特定する第2のIDとが含まれること、
を特徴とする請求項1又は2に記載の画像保管装置。
【請求項10】
前記付帯情報には、前記画像データの前記特徴を、当該特徴の分類ごと示す分類情報が含まれており、
前記生成手段は、前記付帯情報に対し、前記分類情報ごとのフラグ付けを行ない、さらに当該フラグの組み合わせに基づいて、前記基準情報を満たすかを判断すること、
を特徴とする請求項1又は2に記載の画像保管装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−194998(P2012−194998A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−148768(P2012−148768)
【出願日】平成24年7月2日(2012.7.2)
【分割の表示】特願2008−173669(P2008−173669)の分割
【原出願日】平成20年7月2日(2008.7.2)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】