説明

画像信号処理方法及びこれを実行する表示装置

【課題】画像信号処理方法及びこれを実行する表示装置を提供すること。
【解決手段】画像信号処理方法は、ソース画像信号を色域マッピングのための色空間の画像信号に変換し、前記画像信号の色域を縮小し、前記縮小された色域の色に対応する前記画像信号を表示パネルが表示可能な表示色域内の色に対応する画像信号にマッピングすることを特徴とする。前記色空間がRGB色空間ではない場合、前記マッピングされた画像信号を前記RGB色空間の画像信号に変換してもよい。前記画像信号のホワイトレベルを前記表示パネルが表示可能なホワイトレベルより小さいレベルに減少させて前記画像信号の色域を縮小してもよい。前記画像信号の色域を前記表示色域に対して縮小させることによって前記表示色域を超過する超過色域を減らすことができる。従って、表示される画像の色域を広げることができ、高輝度の色を再現することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像信号処理方法及びこれを実行する表示装置に関し、より詳細には、高輝度の色再現のための画像信号処理方法及びこれを実行する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、液晶表示装置(LCD)の場合、LCDパネルの後面部に蛍光ランプ(CCFL)、或いは発光ダイオードLED等のホワイト光を発生させる光源をつけ、空間的に分布したレッド、グリーン、及びブルー3色の光学フィルタを用いて光の波長帯域を分離することによってLCDパネルに原色を表示する。液晶表示装置は、原色の組み合わせによって多様な色と明るさを調整し、画像を表示する。
【0003】
このような液晶表示装置の再現可能色域(Color Gamut)は、2次元色座標系(CIE−xy chromaticity chart)で一般的にレッド、グリーン、及びブルーの3原色色座標を連結した三角形に形成される。レッド、グリーン、及びブルーの3原色を用いた液晶表示装置において、フルホワイトに対応する最大輝度がYwhite(R=1,G=1,B=1)=1である場合、3原色の輝度はそれぞれフルホワイトに対応する最大輝度と比べて低くなり、例えば、Yred(1,0,0)=0.3、Ygreen(0,1,0)=0.59、Yblue(0,0,1)=0.11である。従って、従来の液晶表示装置は、再現されるすべての色がフルホワイトの最大輝度よりも常に低い輝度を有する色が再現されるものであった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、高輝度の色再現のための画像信号処理方法を提供することにある。
【0005】
本発明の他の目的は前記画像信号処理方法を実行する表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の本発明の目的を実現するための本発明の一実施形態に係る画像信号処理方法は、ソース画像信号を色域マッピングのための色空間の画像信号に変換し、前記画像信号の色域を縮小し、前記色空間で縮小された色域の色に対応する前記画像信号を表示パネルが表示可能な表示色域内の色に対応する画像信号にマッピングすることを特徴とする。
【0007】
本実施形態において、前記色空間がRGB色空間ではない場合、前記マッピングされた画像信号を前記RGB色空間のRGB画像信号に変換する段階をさらに含んでもよい。
【0008】
本実施形態において、前記色域を縮小する段階は、前記画像信号のホワイトレベルを前記表示パネルが表示可能なホワイトレベルより小さいレベルに縮小してもよい。
【0009】
本実施形態において、前記マッピングする段階は、前記縮小された前記色域のうち、前記表示パネルの表示色域を超過する色に対応する前記画像信号をクリッピング・アルゴリズムを適用して前記表示パネルの色域内の色に対応する画像信号にマッピングしてもよい
【0010】
本実施形態において、前記色域を縮小する前に、前記画像信号を線形の画像信号に変換する段階及びマッピングされた前記線形の画像信号を非線形の画像信号に変換する段階をさらに含んでもよい。
【0011】
本実施形態において、前記表示パネルの前記表示色域の原色色座標が標準色座標ではない場合、前記色域を縮小する前に、前記表示パネルの前記表示色域の原色色座標に基づき、前記線形の画像信号を表示用線形の画像信号に変換する段階をさらに含んでもよい。
【0012】
本実施形態において、前記ソース画像信号を前記画像信号に変換する段階は、前記ソース画像信号がRGB信号の場合、前記RGB信号をYCbCr色空間のYCbCr信号に変換してもよい。
【0013】
本実施形態において、前記縮小された前記色域内の色に対応する画像信号を、前記表示色域内の色に対応する画像信号にマッピングする段階は、前記YCbCr信号の色域を前記表示色域に含まれるxvYCC色空間の色域まで拡張してもよい。
【0014】
本実施形態において、前記YCbCr信号の前記色域を拡張する段階後、前記YCbCr信号をRGB色空間のRGB信号に変換する段階をさらに含んでもよい。
【0015】
本実施形態において、前記RGB信号を前記YCbCr信号に変換する前に、前記RGB信号を線形のRGB信号に変換する段階及び前記YCbCr信号を前記RGB信号に変換後、前記線形のRGB信号を非線形のRGB信号に変換する段階をさらに含んでもよい。
【0016】
上述した本発明の他の目的を実現するための一実施形態に係る表示装置は、表示パネル、画像信号処理部及び光源部を含む。前記表示パネルは画像を表示する。前記画像信号処理部はソース画像信号を色域マッピングのための色空間の画像信号に変換する第1色空間変換部、前記画像信号の色域を縮小する色域調節部、前記縮小された色域の色に対応する前記画像信号を前記表示パネルが表示可能な表示色域内の色に対応する画像信号にマッピングする色域マッピング部を含む。前記光源部は前記表示パネルに光を供給する。
【0017】
本実施形態において、前記画像信号処理部は前記色空間がRGB色空間ではない場合、前記マッピングされた画像信号を前記RGB色空間のRGB画像信号に変換する第2色空間変換部をさらに含んでもよい。
【0018】
本実施形態において、前記色域調節部は前記画像信号のホワイトレベルを前記表示色域のホワイトレベルより小さいレベルに縮小してもよい。
【0019】
本実施形態において、前記画像信号のホワイトレベルが減少された分ほど高輝度の光を発生するように前記光源部を制御する光源駆動部をさらに含んでもよい。
【0020】
本実施形態において、前記色域マッピング部は縮小された前記色域のうち、前記表示パネルの表示色域を超過する色に対応する前記画像信号を、クリッピング・アルゴリズムを適用して前記表示パネルの色域内の色に対応する画像信号にマッピングしてもよい。
【0021】
本実施形態において、前記画像信号処理部は前記色域を縮小する前に、前記画像信号を線形の画像信号に変換する第1入力ガンマ部及び前記線形の画像信号を非線形の画像信号に変換する第1出力ガンマ部をさらに含んでもよい。
【0022】
本実施形態において、前記画像信号処理部は、前記ソース画像信号がRGB信号の場合、前記RGB信号をYCbCr色空間のYCbCr信号に変換する第3色空間変換部をさらに含んでもよい。
【0023】
本実施形態において、前記画像信号処理部は前記YCbCr信号に変換された前記RGB信号の色域を前記表示色域に含まれる前記xvYCC色空間の色域まで拡張する色域拡張部をさらに含んでもよい。
【0024】
本実施形態において、前記画像信号処理部は、前記拡張された色域の前記YCbCr信号を、前記RGB色空間のRGB信号に変換する第4色空間変換部をさらに含んでもよい。
【0025】
本実施形態において、前記画像信号処理部は、前記RGB信号を前記YCbCr信号に変換する前に、前記RGB信号を線形のRGB信号に変換する第2入力ガンマ部及び前記YCbCr信号を前記RGB信号に変換後に、前記線形のRGB信号を非線形のRGB信号に変換する第2出力ガンマ部と、をさらに含んでもよい。
【発明の効果】
【0026】
本発明の実施形態に係る画像信号処理方法及びこれを実行する表示装置によれば、ソース画像信号の色域を表示パネルの表示色域に対して縮小させることによって高輝度の色を再現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施形態に係る表示装置のブロック図である。
【図2】図1に示す表示装置による画像信号処理方法を説明するためのフローチャートである。
【図3】図1に示す第1入力ガンマ部に適用されるガンマ曲線を示したグラフである。
【図4】図1に示す第1出力ガンマ部に適用されるガンマ曲線を示したグラフである。
【図5】図1に示す第2入力ガンマ部に適用されるガンマ曲線を示したグラフである。
【図6】図1に示す表示装置による画像表示方法を説明するためのフローチャートである。
【図7】図1に示す表示装置の低輝度色再現モードにおける線形YCbCr色空間での色域マッピングを説明するためのグラフである。
【図8】図1に示す表示装置の高輝度色再現モードにおける線形YCbCr色空間での色域マッピングを説明するためのグラフである。
【図9】本発明の他の実施形態に係る画像信号処理部のブロック図である。
【図10】図9に示す画像信号処理部の高輝度色再現モードにおける線形のYCbCr色空間での色域マッピングを示したグラフである。
【図11】図9に示す画像信号処理部による画像信号処理方法を説明するためのフローチャートである。
【図12】本発明の他の実施形態に係る画像表示方法を説明するためのフローチャートである。
【図13】図12に示す画像表示方法において、高輝度色再現モードにおける線形のYCbCr色空間での色域マッピングを説明するためのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して本発明の表示装置の望ましい実施形態をより詳細に説明する。
【0029】
図1は本発明の一実施形態に係る表示装置のブロック図である。図1を参照すれば、表示装置は、画像信号処理部100、制御部300、パネル駆動部410、表示パネル420、光源駆動部510及び光源部520を含む。
【0030】
画像信号処理部100は、ソース画像信号を、低輝度色再現モードまたは高輝度色再現モードに応じて処理する。ソース画像信号は、例えば、sRGB、scRGB、xvYCC、YCbCr、CIELAB、CIE−XYZ、CIE−xyY、CIERGB、CIELUVなどの色空間(color space)に対応する。
【0031】
具体的に、画像信号処理部100は、ソース画像信号を色域マッピング(Gamut Mapping)のための色空間の画像信号に変換する。色空間は、YCbCr、xvYCC、CIE−xyY、RGBなどであってもよい。画像信号処理部100は、色再現モードに従って画像信号の色域(以下、「ソース色域」と言う)を調節する。画像信号処理部100は、低輝度色再現モードの場合、ソース色域を表示パネル420の色域(以下、「表示色域」と言う)と同一にし、高輝度色再現モードの場合、ソース色域を表示色域より縮小させる。画像信号処理部100は、色再現モードに従って調節されたソース色域の画像信号のうち、表示色域から超過(out)する色の画像信号を、例えば、クリッピング・アルゴリズム、色域拡張アルゴリズムなどの色域マッピングアルゴリズムを用いて、表示色域の内部に位置する類似色に対応する画像信号にマッピングする(これを「色域マッピング」と言う)。色域マッピング後、色域マッピングのための色空間がRGBではない場合、マッピングされた画像信号をRGB色空間に対応する画像信号に変換してもよい。
【0032】
制御部300は、色再現モードに従ってソース色域を調節するための第1ホワイト係数FW1及び第2ホワイト係数FW2を画像信号処理部100に供給する。制御部300は、高輝度色再現モード時に、ソース色域の縮小分(reduction ratio)だけ増加させた輝度を有する光を光源部520が放出するように光源部520をブースティングするためのブースティング係数(boosting coefficient)FBを光源駆動部510に供給する。また、制御部300は、パネル駆動部410及び光源駆動部510の駆動タイミングを制御する。
【0033】
パネル駆動部410は、制御部300の制御によって表示パネル420を駆動するデータ駆動部及びゲート駆動部を含む。データ駆動部は、画像信号処理部100から供給された画像信号をデータ電圧に変換して表示パネル420のデータラインに供給する。ゲート駆動部は、データ駆動部と同期されて表示パネル420のゲートラインにゲート信号を供給する。
【0034】
表示パネル420は複数の画素を含む。各画素は互いに交差するデータライン及びゲートラインと電気的に接続されたスイッチング素子、並びにスイッチング素子と電気的に接続された画素電極を含む。
【0035】
光源駆動部510は、制御部300の制御によって光源部520を駆動する。光源駆動部510は、高輝度色再現モード時に、光源部520にブースティング係数FBを供給する。例えば、高輝度色再現モード時に、ソース色域を調節する第2ホワイト係数FW2が、約1/2の場合、ブースティング係数FBは約2とすることができる。ここで第2ホワイト係数は、目的とする色域(target color gamut)に応じて自由に設定することができる。
【0036】
以下では、図2〜図5を参照し、画像信号処理部100についてより詳細に説明する。
【0037】
図2は図1の表示装置に係る画像信号処理方法を説明するためのフローチャートである。図3は図1の第1入力ガンマ部を説明するためのグラフである。図4は図1の第1出力ガンマ部を説明するためのグラフである。図5は図1の第2入力ガンマ部を説明するためのグラフである。
【0038】
図1及び図2を参照すると、表示装置に入力されるソース画像信号は非線形のxvYCC、非線形のYCbCrまたは非線形のsRGB(Rec.709)信号であってもよい。
【0039】
画像信号処理部100は、第1色空間変換部110、第1入力ガンマ部211、第1色域調節部212、第1信号変換部213、第1色域マッピング部214、第1出力ガンマ部215、第2入力ガンマ部221、第2色域調節部222、第2信号変換部223、第2色域マッピング部224及び第2出力ガンマ部225を含む。
【0040】
第1色空間変換部110は、ソース画像信号を色域マッピングのための色空間の画像信号に変換する(段階S110)。例えば、第1色空間変換部110は、ソース画像信号を、RGB色空間に対応する非線形のレッド(red)、グリーン(green)及びブルー(blue)のRGB信号RGBNLに変換する。色空間変換部110は、次の数式(1)に従って、xvYCC色空間に対応するxvYCC信号を、非線形のRGB信号RGBNLに変換することができる。
【0041】
【数1】

【0042】
ソース画像信号がxvYCC色空間に対応するxvYCC色域にある場合、数式(1)によって変換された非線形のRGB信号RGBNLは、[0,1]の範囲のみならず、0より小さい負の値及び1より大きい範囲の値を有していてもよい。ソース画像信号が、sRGB色空間に対応するsRGB色域にある場合、数式(1)によって変換された非線形のRGB信号RGBNLは、[0,1]の範囲の値を有していてもよい。一実施形態として、sRGB色域にあるRGB信号が8Bitsの[0,255]範囲の階調信号である場合、RGB信号は、[0,1]の範囲に正規化した値であってもよい。
【0043】
第1色空間変換部110は、制御部300の制御に係る色再現モードに対応する低輝度色再現信号処理部NSP及び高輝度色再現信号処理部HSPに、非線形のRGB信号RGBNLを供給する。
【0044】
低輝度色再現モードで、第1入力ガンマ部211は、第1色空間変換部110から供給された非線形のRGB信号RGBNLを線形のRGB信号RGBLに変換する(ステップS211)。図3を参照すれば、第1入力ガンマ部211は非線形のRGB信号RGBNLを受信する(INPUT1)。第1入力ガンマ部211は非線形のRGB信号RGBNLに、例えば、2.2ガンマ曲線を適用して線形のRGB信号RGBLを出力する(OUTPUT1)。
【0045】
第1色域調節部212は、制御部300から供給された第1ホワイト係数FW1を用いて表示色域に対する線形のRGB信号RGBLのソース色域を調節する(ステップS212)。即ち、線形のRGB信号RGBLのホワイトレベルに第1ホワイト係数FW1の1を適用することによって、線形のRGB信号RGBLのソース色域のホワイトレベルは、表示色域のホワイトレベルと実質的に同一になる。第1ホワイト係数FW1は、[0,1]の範囲にあってもよい。
【0046】
第1信号変換部213は、線形のRGB信号RGBLを、表示パネル420に表示される原色に対応する原色色座標(primary color coordinate)に基づき、表示用の線形のRGB信号RGBDLに変換する(ステップS213)。第1信号変換部213は、表示パネル420の原色色座標が、標準色空間(standard color space)(例えば、sRGBまたはRec.709)の原色色座標と同一でない場合、線形のRGB信号RGBLを表示パネル420の原色色座標に対応する表示用線形のRGB信号RGBDLに変換する。
【0047】
次の数式(2)は、線形のRGB信号RGBLを表示用線形のRGB信号RGBDLに変換するために用いられる数式である。
【数2】

【0048】
数式(2)において、第1マトリックスM1は、線形のRGB信号RGBLを、XYZ三刺激値(tristimulus value)に対応する信号に変換するマトリックスとして、標準規格に応じて変わり得る。第2マトリックスM2は、表示用線形のRGB信号RGBDLを、XYZ三刺激値に対応する信号に変換するマトリックスとして、表示パネルの原色色座標に応じて変わり得る。
【0049】
下記の数式(3)は、ソース画像信号がsRGB色空間内にある場合、線形のRGB信号RGBLをXYZ三刺激値に対応する信号に変換する第1マトリックスM1である。
【0050】
【数3】

【0051】
本実施形態において、第1入力ガンマ部211、第1色域調節部212及び第1信号変換部213は、表示パネル420の原色色座標が、標準色空間(sRGBまたはRec.709)の原色色座標と実質的に同一である場合、省略してもよい。
【0052】
第1色域マッピング部214は、第1信号変換部130から供給された表示用線形のRGB信号RGBDLを、表示パネル420の表示色域内の色に対応する画像信号にマッピングする(ステップS214)。第1色域マッピング部214は、線形のRGB信号RGBDLのうち、色再現モードにおいて表示色域から超過する色に対応する画像信号を、クリッピング・アルゴリズム、色域拡張アルゴリズムなどのような色域マッピングアルゴリズムを用いて、表示色域の内部に位置する類似色に対応する画像信号にマッピングする。
【0053】
第1出力ガンマ部215は、第1色域マッピング部214から供給された表示用線形のRGB信号RGBDLを、表示用非線形のRGB信号RGBDNLに変換する(ステップS215)。図4を参照すれば、第1出力ガンマ部215は、表示用線形のRGB信号RGBDLを受信する(INPUT2)。第1出力ガンマ部215は、表示用線形のRGB信号RGBDLに、例えば、4.5ガンマ曲線を適用して表示用非線形のRGB信号RGBDNLをパネル駆動部410に出力する(OUTPUT2)。
【0054】
高輝度色再現モードにおいて、第2入力ガンマ部221は、非線形のRGB信号RGBNLを、線形のRGB信号RGBLに変換する(ステップS221)。図5を参照すれば、第2入力ガンマ部221は非線形のRGB信号RGBNLの入力を受ける(INPUT1)。第2入力ガンマ部221は、非線形のRGB信号RGBNLに対称ガンマ曲線(symmetry gamma curve)を適用して線形のRGB信号RGBLを出力する(OUTPUT1)。ソース画像信号がsRGB色域内の信号の場合は、非線形のRGB信号RGBNLは、[0,1]の範囲内に存在する。一方、ソース画像信号がxvYCC色域内の信号の場合、非線形のRGB信号RGBNLは、[0,1]の範囲外の負の値及び1より大きい数を有し得る。高輝度色再現モードでは、[0,1]の範囲外であっても色を表示することができるので、第2入力ガンマ部221は、非線形のRGB信号RGBNLに対称ガンマ曲線を適用することによって非線形のRGB信号RGBNLを全ての範囲の線形のRGB信号RGBLとして出力することができる。
【0055】
第2色域調節部222は、制御部300から供給された第2ホワイト係数FW2を用いて表示色域に対応する線形のRGB信号RGBLのソース色域を縮小する(ステップS222)。第2ホワイト係数FW2は、[0,1]の範囲を有し得る。第2色域調節部222が、線形のRGB信号RGBLのホワイトレベルに第2ホワイト係数FW2、例えば、0.5を適用する場合、線形のRGB信号RGBLに対応するソース色域のホワイトレベルは、表示色域のホワイトレベルの1/2に縮小される。第2ホワイト係数FW2により、線形のRGB信号RGBLのホワイトレベルが減少された分だけ線形のRGB信号RGBLのすべての色のレベルも同じ割合で減少される。結果的に、ソース色域は表示色域に対して第2ホワイト係数FW2の値である1/2倍に縮小することができる。
【0056】
第2信号変換部223は、線形のRGB信号RGBLを表示パネル420の原色色座標に基づき表示用線形のRGB信号RGBDLに変換する(ステップS223)。第2信号変換部223は、表示パネル420の原色色座標が標準色空間(例えば、sRGB または Rec.709 RGB)の原色色座標と実質的に同一である場合、省略することができる。例えば、表示パネル420の原色座標特性が標準色空間(sRGB)の原色色座標と実質的に同一である場合は、第2信号変換部223は省略することができる。一方、表示パネル420の原色座標特性が標準色空間(sRGB)の原色色座標と同一ではない場合は、線形のRGB信号RGBLは第2信号変換部223を通じて表示用線形のRGB信号RGBDLに変換される。
【0057】
第2色域マッピング部224は、第2信号変換部223から供給された表示用線形のRGB信号RGBDLを、表示パネル420の表示色域DGATにマッピングする(ステップS224)。第2色域マッピング部224は、線形のRGB信号RGBDLに対応する色のうち、表示色域DGATを超過する色に対応する画像信号を、クリッピング・アルゴリズム、及び色域拡張アルゴリズムなどの色域マッピングアルゴリズムを用いて、表示色域内の類似色に対応する画像信号にマッピングする。
【0058】
第2出力ガンマ部225は、第2色域マッピング部224から供給された表示用線形のRGB信号RGBDLを、表示用非線形のRGB信号RGBDNLに変換する(ステップS225)。図4を参照すれば、第2出力ガンマ部225は、線形のRGB信号RGBDLが入力される(INPUT2)。第2出力ガンマ部225は、表示用線形のRGB信号RGBDLに、例えば、4.5ガンマ曲線を適用して非線形のRGB信号RGBDNLをパネル駆動部410に出力する(OUTPUT2)。
【0059】
図示していないが、色域マッピングがRGB色空間ではない他の色空間で実行される場合、画像信号処理部100は色域マッピング以後、画像信号の色空間をRGB色空間に変換するための第2色空間変換部をさらに含んでもよい。例えば、画像信号処理部100は、第1色域マッピング部214及び第2色域マッピング部224のそれぞれの次に配置される第2色空間変換部をさらに含んでもよい。
【0060】
図6は図1の表示装置による画像表示方法を説明するためのフローチャートである。図7は図1の表示装置の低輝度色再現モードにおいて線形YCbCr色空間での色域マッピングを説明するためのグラフである。図8は図1の表示装置の高輝度色再現モードにおいて線形YCbCr色空間での色域マッピングを説明するためのグラフである。
【0061】
図1及び図6を参照すれば、低輝度色再現モードの画像表示方法は次のようである。
【0062】
画像信号処理部100は、ソース画像信号を色域マッピングのための色空間の画像信号に変換する。例えば、線形YCbCr色空間で色域マッピングを実行する場合、画像信号処理部110は、ソース画像信号を線形YCbCr色空間の画像信号に変換し、第1ホワイト係数(FW1=1)を適用してソース色域を調節し、線形YCbCr色空間で色域マッピングを実行する(ステップS311)。光源駆動部510は、光源部520のピーク輝度レベルをノーマルな第1輝度レベルを有するように駆動する(ステップS312)。
【0063】
図7を参照すると、表示パネル420は光源部520から発生した第1輝度レベルの光に基づく第1ホワイトレベルW1の表示色域L_DGATを有する。
【0064】
ソース画像信号がsRGB信号の場合、画像信号処理部100で信号処理された画像信号のソース色域L_SGAT1は表示色域L_DGATと同一である。この場合、画像信号処理部100は色域マッピングを実行しない。
【0065】
ソース画像信号がxvYCC信号の場合、画像信号処理部100で信号処理された画像信号のソース色域L_SGAT2は、表示色域L_DGATを超過する超過色域L_OGATを含む。この場合、画像信号処理部100は、超過色域L_OGAT内の色に対応する信号を、クリッピング・アルゴリズム、色域マッピングアルゴリズム及び色域拡張アルゴリズムなどを用いて、表示色域L_DGAT内の類似色に対応する信号にマッピングする。
【0066】
色域マッピング後、画像信号処理部100は、YCbCr色空間の画像信号をRGB色空間の画像信号に変換する。
【0067】
高輝度色再現モードの画像表示方法は次のようである。
画像信号処理部100は、ソース画像信号を色域マッピングのために、例えば、線形YCbCr色空間の画像信号に変換し、第2ホワイト係数(FW2<1)を適用してソース色域を縮小し、線形YCbCr色空間で色域マッピングを実行する(ステップS321)。光源駆動部510は、ブースティング係数(FB=1/FW2)に応答して光源部520のピーク輝度レベルを第1輝度レベルより高い第2輝度レベルにブースティングする(ステップS322)。
【0068】
図8を参照すると、表示パネル420は、光源部520からレベルを上げられた(boost up)第2輝度レベルの光によって、図7に示した第1ホワイトレベルW1より高い第2ホワイトレベルW2を有する表示色域H_DGATを有する。即ち、表示色域H_DGATは、図7に示す表示色域L_DGATより拡張される。
【0069】
ソース画像信号がsRGB信号の場合、画像信号処理部100で信号処理された画像信号のソース色域H_SGAT1は、表示色域H_DGATの第2ホワイトレベルW2に対して第2ホワイト係数(FW2=W1/W2)分減少させた第1ホワイトレベルW1を有する。ソース色域H_SGAT1は、表示色域H_DGATに対して全体的に第2ホワイト係数(FW2=W1/W2)分縮小される。ソース色域H_SGAT1が表示色域H_DGAT内に含まれるので、画像信号処理部100は色域マッピングを実行しない。
【0070】
ソース画像信号がxvYCC信号の場合、画像信号処理部100で信号処理された画像信号のソース色域H_SGAT2は、表示色域H_DGATの第2ホワイトレベルW2に対して第2ホワイト係数(FW2=W1/W2)分減少させた第1ホワイトレベルW1を有し、表示色域H_DGATに対して全体的に第2ホワイト係数(FW2=W1/W2)分縮小される。しかし、ソース色域H_SGAT2は、表示色域H_DGATを超過する超過色域H_OGATを含む。従って、画像信号処理部100は、超過色域H_OGATの色に対応する信号を、クリッピング・アルゴリズム、色域マッピングアルゴリズム及び色域拡張アルゴリズムなどを用いて表示色域H_DGAT内の類似色に対応する信号にマッピングする。
【0071】
色域マッピング後、画像信号処理部100は、線形YCbCr色空間の画像信号をRGB色空間の画像信号に変換する。
【0072】
図7及び図8を参照すれば、高輝度色再現モードにおいて、画像信号のソース色域を縮小し、これと連動して表示パネルに供給される光の輝度のレベルを上げることにより、表示パネルに物理的に表示することのできない超過色域H_OGATを低輝度色再現モードにおける超過色域L_OGATよりも相対的に減少させることができる。従って、高輝度色再現モード時に高輝度の色再現を実現することができる。
【0073】
図9は本発明の他の実施形態に係る画像信号処理部のブロック図である。図10は図9の画像信号処理部の高輝度色再現モードにおける線形YCbCr色空間での色域マッピングを示したグラフである。
【0074】
本実施形態に係る表示装置は、高輝度色再現モードにおけるソース画像信号であるsRGB信号に対する信号処理方法以外は、図1を参照して上述した実施形態と実質的に同一である。以下では上述した実施形態と同じ構成要素は同じ図面符号を与えて繰り返しとなる説明は省略する。
【0075】
図1、図9及び図10を参照すると、表示装置は、第3入力ガンマ部231、第3色域調節部232、第3色空間変換部233、色域拡張部234、第4色空間変換部235及び第3出力ガンマ部236を含む。
【0076】
第3入力ガンマ部231は、非線形のRGB信号RGBNLを線形のRGB信号RGBLに変換する。例えば、第3入力ガンマ部231は、2.2ガンマ曲線を適用して非線形のRGB信号RGBNLを線形のRGB信号RGBLに変換する。
【0077】
第3色域調節部232は、制御部300から供給された第2ホワイト係数(FW2=W1/W2)を適用して線形のRGB信号RGBLのホワイトレベルを減少させる。第2ホワイト係数FW2は[0,1]の範囲を有することができ、例えば、0.5である。光源部520は、第2ホワイト係数(FW2=W1/W2)とは逆(reciprocal)のブースティング係数(FB=W2/W1)を適用することにより、輝度のレベルが上げられた高輝度の光を発生させることができる.
【0078】
第3色空間変換部233は、色域マッピングのためにRGB色空間の線形のRGB信号RGBLを、線形YCbCr色空間の線形YCbCr信号YCbCrLに変換する。次の数式(4)は、線形のRGB信号RGBLを線形のYCbCr信号YCbCrLに変換するために用いられる式である。
【0079】
【数4】

【0080】
線形のYCbCr信号YCbCrLは、既存のDTV(digital television)標準の非線形のYCbCr信号とは異なっている。線形のYCbCr色空間で処理された色画像信号は、非線形のYCbCr色空間で処理された色画像信号よりも、色相が変わる現象(Hue changing effect)を減らすることができる。
【0081】
色域拡張部234は、線形のYCbCr信号YCbCrLのソース色域H_SGAT1を、拡張ソース色域E_SGATに拡張する。拡張ソース色域E_SGATは、表示色域H_DGAT内に含まれたxvYCC信号の色域R_SGATに対応し得る。
【0082】
色域拡張部234は、線形のYCbCr信号YCbCrLの輝度信号Y及び色度信号(chrominance signal)Cb、Crを拡張し、所定の範囲内の拡張輝度信号Y'及び拡張色度信号Cb'、Cr'を求める。色度信号Cb、Crの正規化範囲は[−0.5,0.5]であり、輝度信号Yの正規化範囲と同一であってもよい。色度信号Cb、Cr及び輝度信号Yの正規化範囲は、xvYCC信号の色域R_SGATに対応する範囲である。
【0083】
次の数式(5)は、定数k及び拡張輝度信号Y'及び拡張色度信号Cb'、Cr'を求めるための式である。
【0084】
【数5】

【0085】
数式(5)のように、色域拡張部234は、線形のYCbCr信号YCbCrLの輝度信号Y及び色度信号Cb、Crを用いて彩度信号(chroma signal)Cを求め、彩度信号Cに基づき定数kを求める。定数kを輝度信号Yと色度信号Cb、Crにそれぞれを掛けて拡張輝度信号Y'及び拡張色度信号Cb'、Cr'を求める。
【0086】

【0087】
拡張輝度信号Y'が閾値範囲を超える場合、次の数式(6)と同じ方法で拡張輝度信号Y'及び拡張色度信号Cb'、Cr'を減少させた後、補償(correct)することができる。
【0088】
【数6】

【0089】
数式(6)において、Y”は補償された拡張輝度信号であり、Cb”及びCr”は補償された拡張色度信号である。
【0090】
第4色空間変換部235は、YCbCr色空間の線形のYCbCr信号YCbCrLを、RGB色空間の線形のRGB信号RGBLに変換する。即ち、線形のYCbCr信号YCbCrLに、数式(4)の逆マトリックス(reverse matrix)を掛けて線形のYCbCr信号YCbCrLを線形のRGB信号RGBLに変換する。
【0091】
第3出力ガンマ部236は、線形のRGB信号RGBLを非線形のRGB信号RGBNLに変換する。例えば、第3出力ガンマ部236は、4.5ガンマ曲線を適用して線形のRGB信号RGBLを非線形のRGB信号RGBNLに変換する。非線形のRGB信号RGBNLはパネル駆動部410に供給される。
【0092】
図1、図9及び図10を参照して上述した本実施形態に係る表示装置は、ソース画像信号がsRGB信号の場合の高輝度色再現モードでの画像信号処理方法であることを除いては、図1〜図8を参照して説明した実施形態に係る表示装置と実質的に同一である。
【0093】
図11は、図9の画像信号処理部による画像信号処理方法を説明するためのフローチャートである。
【0094】
図8、図9、図10及び図11を参照して、高輝度色再現モードでソース画像信号が非線形のsRGB信号である場合を説明する。
【0095】
第3入力ガンマ部231は、非線形のRGB信号RGBNLを線形のRGB信号RGBLに変換する(ステップS231)。
【0096】
第3色域調節部232は、線形のRGB信号RGBLのソース色域SGATを表示パネル420の表示色域DGATに対して第2ホワイト係数FW2に基づいて減少させる(ステップS232)。第2ホワイト係数FW2は、線形のRGB信号RGBLのホワイトレベルを、表示パネル420のホワイトレベルより低く調節するための係数である。第2ホワイト係数FW2は、[0,1]の範囲を有することができ、例えば、0.5である。第2ホワイト係数FW2だけ減少した線形のRGB信号RGBLのホワイトレベルと同じ減少率分だけ、線形のRGB信号RGBLに対応するすべての色の輝度レベルを低くすることができる。
【0097】
第3色空間変換部233は、線形のRGB信号RGBLを、線形のYCbCr信号YCbCrLに変換する(ステップS233)。線形のYCbCr信号YCbCrLは、既存のDTV標準の非線形のYCbCr信号と異なり、線形のYCbCr色空間で処理された色画像信号は、非線形のYCbCr色空間で処理された色画像信号と比較して、色相(Hue)が変わる現象を軽減することができる。
【0098】
色域拡張部234は、線形のYCbCr信号YCbCrLのソース色域H_SGAT1を、表示色域H_DGAT内に含まれるxvYCC信号の色域に対応する拡張ソース色域E_SGATに拡張する(ステップS234)。
【0099】
第4色空間変換部235は、線形のYCbCr信号YCbCrLを、RGB色空間に対応する線形のRGB信号RGBLに変換する(ステップS235)。
【0100】
第3出力ガンマ部236は、線形のRGB信号RGBLを非線形のRGB信号RGBNLに変換してパネル駆動部410に供給する(ステップS236)。
【0101】
図8、図9、図10及び図11を参照して上述した表示装置は、ソース画像信号がsRGB色空間に対応するsRGB信号である場合の高輝度色再現モードでの画像信号処理方法以外については、図1〜図8を参照して説明した実施形態に係る表示装置と実質的に同一である。
【0102】
本実施形態によれば、ソース画像信号が非線形のsRGB信号の場合、高輝度色再現モードで色域拡張技術を用いて色域の色を拡張することができる。
【0103】
図12は本発明の他の実施形態に係る表示装置の画像表示方法を説明するためのフローチャートである。図13は図12の画像表示方法による高輝度色再現モードで、線形のYCbCr色空間で色域マッピングを説明するためのグラフである。
【0104】
図12に示す本実施形態に係る表示装置は、高輝度色再現モードにおける画像表示方法以外は、図1を参照して説明した実施形態に係る表示装置と実質的に同一である。以下では上述した実施形態と同じ構成要素は同じ図面符号を与えて繰り返しとなる説明は省略する。
【0105】
図1及び図12を参照すると、低輝度色再現モードの画像表示方法は、図6及び図7を参照して上述した実施形態と実質的に同一であるので、繰り返しとなる説明は省略する。
【0106】
高輝度色再現モードの画像表示方法は次のようである。
画像信号処理部100は、ソース画像信号を色域マッピングのために、例えば、線形のYCbCr色空間のYCbCr画像信号に変換し、第2ホワイト係数(FW2<1)をYCbCr画像信号に適用してYCbCr色空間に対応するソース色域を縮小し、線形のYCbCr色空間で色域マッピングを実行する(ステップS421)。光源駆動部510は、低輝度色再現モードと同様に、光源部520のピーク輝度レベルを第1輝度レベルで駆動する(ステップS422)。即ち、本実施形態によれば、高輝度色再現モードにおいて、光源部520がピーク輝度レベルをブースティングして駆動されない。
【0107】
図13を参照すれば、表示パネル420は、光源部520から発生した第1輝度レベルの光に基づき第1ホワイトレベルW1の表示色域H_DGATを有している。
【0108】
ソース画像信号がsRGB信号の場合、画像信号処理部100で信号処理された画像信号のソース色域H_SGAT1は、表示色域H_DGATの第1ホワイトレベルW1に対して第2ホワイト係数(FW2=W1/W3)分減少させた第3ホワイトレベルW3を有する。ソース色域H_SGAT1は、表示色域H_DGATに対して全体的に第2ホワイト係数(FW2=W1/W3)分縮小される。ソース色域H_SGAT1は表示色域H_DGAT内に含まれるので画像信号処理部100は色域マッピングを実行しない。
【0109】
ソース画像信号がxvYCC信号の場合、画像信号処理部100で信号処理された画像信号のソース色域H_SGAT2は、表示色域H_DGATの第1ホワイトレベルW1に対して第2ホワイト係数(FW2=W1/W3)分減少された第3ホワイトレベルW3を有し、全体的に表示色域H_DGATに対して第2ホワイト係数(FW2=W1/W3)分縮小される。しかし、ソース色域H_SGAT2は、表示色域H_DGATを超過する超過色域H_OGATを含む。従って、画像信号処理部100は、超過色域H_OGATの色に対応する画像信号を、クリッピング・アルゴリズム、色域マッピングアルゴリズム、及び色域拡張アルゴリズムなどを用いて表示色域H_DGAT内の類似色に対応する画像信号にマッピングする。
【0110】
色域マッピング後、画像信号処理部100は、YCbCr色空間のYCbCr画像信号を、RGB色空間のRGB画像信号に変換する。
【0111】
高輝度色再現モードにおいて、画像信号のホワイトレベルを表示色域のホワイトレベルW1よりも低い第3ホワイトレベルW3に減少させてソース色域を縮小させる。これにより、ソース色域のうち、表示色域を超過する超過色域H_OGATを、低輝度色再現モードの超過色域L_OGATと比較して減少させることができる。
【0112】
従って、表示される画像の全体的な輝度は低くなるが、表示される画像の色域を広げることができ、高輝度の色を再現することができる。
【0113】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと理解される。
【符号の説明】
【0114】
100 画像信号処理部
110 色空間変換部
211 第1入力ガンマ部
212 第1色域調節部
213 第1信号変換部
214 第1色域マッピング部
215 第1出力ガンマ部
221 第2入力ガンマ部
222 第2色域調節部
223 第2信号変換部
224 第2色域マッピング部
225 第2出力ガンマ部
231 第3入力ガンマ部
232 第3色域調節部
233 第3色空間変換部
234 色域拡張部
235 第4色空間変換部
236 第3出力ガンマ部
300 制御部
410 パネル駆動部
420 表示パネル
510 光源駆動部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示パネルと、
ソース画像信号を色域マッピングのための色空間の画像信号に変換する第1色空間変換部、前記画像信号の色域を縮小する色域調節部、前記縮小された色域の色に対応する前記画像信号を前記表示パネルが表示可能な表示色域内の色に対応する画像信号にマッピングする色域マッピング部を含む画像信号処理部と、
前記表示パネルに光を供給する光源部と、を含む表示装置。
【請求項2】
前記画像信号処理部は、前記色空間がRGB色空間ではない場合、前記マッピングされた画像信号を前記RGB色空間のRGB画像信号に変換する第2色空間変換部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記色域調節部は、前記画像信号のホワイトレベルを前記表示色域のホワイトレベルより小さいレベルに減少させることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記画像信号のホワイトレベルが減少された分、高輝度の光を発生するように前記光源部を制御する光源駆動部をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記色域マッピング部は、前記縮小された前記色域のうち、前記表示パネルの表示色域を超過する色に対応する前記画像信号を、クリッピング・アルゴリズムを適用して前記表示パネルの表示色域内の色に対応する画像信号にマッピングすることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記画像信号処理部は、
前記色域を縮小する前に、前記画像信号を線形の画像信号に変換する第1入力ガンマ部と、
前記線形の画像信号を非線形の画像信号に変換する第1出力ガンマ部と、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記画像信号処理部は、前記ソース画像信号がRGB色空間のRGB信号である場合、前記RGB信号をxvYCC色空間のYCbCr信号に変換する第3色空間変換部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記画像信号処理部は、
前記YCbCr信号の色域を前記表示色域に含まれる前記xvYCC色空間の色域まで拡張する色域拡張部をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記画像信号処理部は、前記拡張された色域の前記YCbCr信号を、前記RGB色空間のRGB信号に変換する第4色空間変換部をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記画像信号処理部は、
前記RGB信号を前記YCbCr信号に変換する前に、前記RGB信号を線形のRGB信号に変換する第2入力ガンマ部と、
前記YCbCr信号を前記RGB信号に変換した後、前記線形の前記RGB信号を非線形のRGB信号に変換する第2出力ガンマ部と、をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−252317(P2012−252317A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−52036(P2012−52036)
【出願日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung−ro,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【出願人】(508006861)韓国産業技術大学 校産学協力団 (4)
【氏名又は名称原語表記】Korea Polytechnic University Industry Academic Cooperation Foundation
【住所又は居所原語表記】2121,Jungwang−Dong,Shinung−city,Kyonggi−Do 429−793,KOREA
【Fターム(参考)】