説明

画像修正出力装置及び画像修正出力方法

【課題】 画像保存装置に出力した画像情報にエラーが発生し保存できない場合にユーザ側で簡単に修正でき診断等に与える影響が最小限となる画像修正出力装置及び画像修正出力方法を提供する。
【解決手段】 この画像修正出力方法は、医用画像とその付帯情報を含む画像情報を画像保存装置に出力するステップ(S07)と、画像保存装置からエラー情報を受信したとき、エラー発生の対象となった画像情報を画像保存装置から自動的に取得するステップ(S10)と、出力できなかった画像情報の付帯情報を修正するステップ(S12)と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像情報を出力し画像保存装置からエラー情報が返された場合に画像情報を修正可能にする画像修正出力装置及び画像修正出力方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
医療用画像診断装置として、例えば、代表的な装置としては、US(ultrasound)装置、MRI(magnetic resonance imaging)装置、CT(Computerized Tomography)装置、CR(Computed Radiography)装置等が知られており、これらの画像診断装置はモダリティ機器と呼ばれる。これらの各種モダリティ機器によって撮影された画像は、プリンタによってフィルムにプリントアウトされたり、画像ビューワのディスプレイに表示されたり、あるいは画像保存装置(画像サーバ装置)において磁気ディスク、光磁気ディスク等の記憶手段に格納されてデータ保管される等の様々な態様で処理がなされる。
【0003】
上述のように、各種モダリティ機器からモダリティ画像を取得し、画像処理・修正を行い、画像情報を保存し登録するための画像保存装置に出力するが、出力前の画像情報自体は正しいが、画像保存装置に転送するとエラーになる場合がある。これは、出力前の画像情報が、画像保存装置で登録するために必要である例えば「患者−検査−シリーズ−画像(SOP)」の保存構成と矛盾する場合に発生する。従って、出力前の画像情報を出力前にチェックしたいが、チェックするには、画像保存装置側のチェック内容・現在の状況を知っている必要があるが、通常わかり得ない。
【0004】
下記特許文献1は、画像の画像保管装置に対する送信処理を実行する際に、データ管理構造取得手段により取得した画像保管装置のデータ管理構造と、送信予定画像の付帯情報とを比較し、整合性判定を実行するようにした画像送信装置を開示する。この特許文献1の画像送信装置では、事前にデータ管理構造取得手段で内容を取得しておき、送信前にチェックするようにしているが、毎回チェックするのは送信までが遅くなるし、その時点での最新の構造である保証もないので(画像保存装置は、複数の出力装置から画像を受けることが通常であるため)、送信してもエラーになると、何が悪いか分からない。そもそも、データ管理構造・チェック方法が、他装置間、他社装置間で取得できることはほとんど無い。
【0005】
即ち、エラーが発生したとき、「送信したがエラーになった画像情報」と「画像保存装置内に既に登録されている画像情報」のどちらが本来、修正すべきもの分からず、先に送信済みの方が間違っているかもしれないが、どういう画像(付帯情報)か分からないので、判断できない。このため、後から送信したものを修正する以外に修正のしようがなくなる。
【0006】
以上のように、エラーが発生すると、ユーザ側も何が悪いか分からないため修正が困難であり、画像保存装置メーカ側へ問題点が何かを明らかにする依頼をしないと修正できないことがしばしば起きる。このため、保存可能な情報に修正するまで時間が掛かってしまうことになる。医師が診断のため画像を画像ビューワで見るにはその画像が画像保存装置に保存されている必要があるので、診断が遅れてしまう。
【特許文献1】特開2002−132557号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述のような従来技術の問題に鑑み、画像保存装置に出力した画像情報にエラーが発生し保存できない場合にユーザ側で簡単に修正でき診断等に与える影響が最小限となる画像修正出力装置及び画像修正出力方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明による画像修正出力装置は、医用画像とその付帯情報を含む画像情報を出力する出力手段と、画像情報を保存し管理する画像保存装置からその画像保存装置の管理下にある画像情報を取得する手段と、前記出力手段から画像情報を前記画像保存装置に出力したときに前記画像保存装置からエラー情報が返され、前記画像保存装置にその画像情報を保存できない場合、前記エラー発生の対象となった画像情報を前記画像保存装置から自動的に取得する取得手段と、前記出力できなかった画像情報またはエラー発生の対象となった画像情報の少なくとも一方の付帯情報を修正する修正手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
この画像修正出力装置によれば、画像保存装置に出力した画像情報を画像保存装置に保存できない場合、そのエラー発生の対象となった画像情報を画像保存装置から自動的に取得し、その画像情報の付帯情報または出力できなかった画像情報の付帯情報を修正できるので、エラー発生の対象の画像情報または出力できなかった画像情報をユーザ側で簡単に修正できるようになり、診断等に与える影響が最小限になる。
【0010】
上記画像修正出力装置において前記修正手段は前記修正を自動的に行うように構成できる。
【0011】
また、前記エラー発生の対象となった画像情報と、修正すべき画像情報と、を対比させて表示させる表示手段を備えることで、エラーが発生したとき、出力したがエラーになった画像情報と画像保存装置内に既に登録されている画像情報の両方の情報を対比して表示し、修正して出力できるため、より正しい登録状態で画像保存装置側に出力できる。
【0012】
また、前記取得手段は前記エラー発生の対象となった画像情報の中から必要な情報のみを取得することで、サイズの比較的小さい付帯情報のみを画像保存装置が送ることで、通信に要する時間が短縮され、修正作業が効率化できる。
【0013】
また、前記画像情報の取得のための通信に医用の標準ネットワークプロトコル(DICOM)を使用することで、特別なハードウエアやソフトウエアで構成しなくともよくなる。
【0014】
また、前記エラー発生の対象となった画像情報及び前記出力できなかった画像情報の少なくとも一方及びその修正内容と、前記画像保存装置へ出力できた画像情報の履歴と、を管理する手段を備えることで、通常使用しているだけで履歴が管理され、それを利用し、画像保存装置へ出力する前に事前にチェックし、始めから正しい医用画像及び付帯情報を出力できるようになる。
【0015】
また、前記エラー発生の対象となった画像情報が複数の医用画像に関する1群の画像情報であってもよい。
【0016】
本発明による画像修正出力方法は、医用画像とその付帯情報を含む画像情報を画像保存装置に出力するステップと、前記画像保存装置からエラー情報を受信したとき、前記エラー発生の対象となった画像情報を前記画像保存装置から自動的に取得するステップと、前記出力できなかった画像情報またはエラー発生の対象となった画像情報の少なくとも一方の付帯情報を修正するステップと、を含むことを特徴とする。
【0017】
この画像修正出力方法によれば、画像保存装置に出力した画像情報を画像保存装置に保存できない場合、そのエラー発生の対象となった画像情報を画像保存装置から自動的に取得し、その画像情報の付帯情報または出力できなかった画像情報の付帯情報を修正できるので、エラー発生の対象の画像情報または出力できなかった画像情報をユーザ側で簡単に修正できるようになり、診断等に与える影響が最小限になる。
【0018】
上記画像修正出力方法において前記修正は自動的に行うようにできる。また、前記修正のとき、前記エラー発生の対象となった画像情報と、修正すべき画像情報と、を対比させて表示させることで、エラーが発生したとき、出力したがエラーになった画像情報と画像保存装置内に既に登録されている画像情報の両方の情報を対比して表示し、修正して出力できるため、より正しい登録状態で画像保存装置側に出力できる。
【0019】
また、前記画像情報の取得のとき、前記エラー発生の対象となった画像情報の中から必要な情報のみを取得することで、サイズの比較的小さい付帯情報のみを画像保存装置が送ることで、通信に要する時間が短縮され、修正作業が効率化できる。
【0020】
また、前記画像情報の取得のための通信に医用の標準ネットワークプロトコル(DICOM)を使用することで、特別なハードウエアやソフトウエアで構成しなくともよくなる。
【0021】
また、前記エラー発生の対象となった画像情報及び前記出力できなかった画像情報の少なくとも一方及びその修正内容と、前記画像保存装置へ出力できた画像情報の履歴とを管理することで、通常使用しているだけで履歴が管理され、それを利用し、画像保存装置へ出力する前に事前にチェックし、始めから正しい医用画像及び付帯情報を出力できるようになる。
【0022】
また、前記エラー発生の対象となった画像情報が複数の医用画像に関する1群の画像情報であってもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明の画像修正出力装置及び画像修正出力方法によれば、画像保存装置に出力した画像情報にエラーが発生し保存できない場合にユーザ側で簡単に修正でき診断等に与える影響が最小限となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。図1は、本実施の形態による画像修正出力装置を含む医用ネットワークを示すブロック図である。図2は、図1の画像修正出力装置の構成を示すブロック図である。
【0025】
図1に示す医用ネットワークは、CT、MRI、CR等の各種のモダリテイ機器の少なくとも1種からなりかつ撮影により医用画像を発生させる複数の画像発生装置1,2,3と、画像発生装置1〜3からの画像情報を修正可能である画像修正出力装置4と、画像修正出力装置4から出力された画像情報を保存し登録することで管理する画像保存装置5と、画像保存装置5で保存された画像をディスプレイに表示する画像参照装置6と、を含む。
【0026】
なお、画像保存装置5は、保存し管理している画像を画像参照装置6に提供する画像提供機能を有し、画像サーバ装置ともいわれる。また、画像参照装置6は、医師が診断のときに医用画像を参照するもので、画像ビューワともいわれる。
【0027】
図1における各装置間の接続手段は、特に制限はなく、専用線にて接続されていてもよいし、ネットワークによる接続でもかまわない。装置1,2,3と装置4の間、装置4と装置5の間、装置5と装置6の間の各接続手段は同じ手段であってもよいし、それぞれ異なった手段であってもよい。ネットワークは、例えば単一の病院内に敷設されたLAN(Local Area Network)であったり、LANは、単一のLANセグメントで構成されても、ルータ(またはゲートウェイ)経由で相互接続された複数のLANセグメントで構成されてもよい。更に、ネットワークは、専用線等を介して遠隔の病院のLANどうしを接続して構成されるWAN(Wide Area Network)やインターネットのような広域ネットワークであってもよい。
【0028】
画像修正出力装置4は、パーソナルコンピュータから構成可能であり、図2のように、各画像発生装置1〜3から送信された画像情報を受信し一時的に蓄え保存する受信・保存部11と、その受信した画像情報を表示する液晶パネルやCRT等から構成される表示部13と、ユーザが必要な動作を選択し入力するためのマウス等のポインティングデバイスやキーボード等からなる操作部15と、実際の画像への処理・修正の反映を行う画像処理・情報修正部14と、画像保存装置5へ画像情報を出力する出力部17と、を備える。画像情報には医用画像とその画像に関する付帯情報とが含まれている。
【0029】
図2の画像修正出力装置4は、更に、出力した画像情報がエラーになった場合、画像保存装置5からエラー発生の対象になった画像情報を取得する取得方法を予め設定しておく取得方法設定部12と、取得方法設定部12で決められた方法・内容により画像保存装置5からエラー発生の対象になった画像情報を取得する画像取得部16と、を備える。
【0030】
画像修正出力装置4は、表示部13にエラー発生の対象となった画像情報と、出力できなかった画像情報と、を表示して対比することでスムースにエラーの修正を行わせ、修正した画像情報の再出力を行い、画像保存装置5に正しく登録させて保存させるようになっている。
【0031】
また、図2の画像修正出力装置4の出力部17から画像保存装置5への出力は、操作部15に含まれるボタンの押下や選択等のユーザの操作で実行できるが、時間による自動出力で行うようにしてもよい。時間による自動出力とは、受信後や修正後一定時間経過後に自動的に出力したり、一定時間操作部15で操作されなければ自動的に出力したり、あるいは、一定の時刻間でそのまま出力すること等が含まれる。この場合、予め決めた部位の画像や予め決めた撮影モダリティ等の画像については自動的に出力する等の設定が可能であり、それ以外の画像は、ユーザ操作による出力や時間による自動出力等の組み合わせで出力させるようにできる。
【0032】
次に、画像修正出力装置4から画像保存装置5へ出力される画像情報について説明すると、画像情報は、1画像単位で、画像と、その画像に関する付帯情報と、から構成され、画像はサイズが通常、数百KB〜数十MB程度であり、付帯情報は氏名や患者ID等の患者情報と、検査IDや検査部位や検査条件等の検査情報を含み、サイズが通常、数十KB程度である。
【0033】
次に、医用画像の通信プロトコルであるDICOM(Digital Imaging and COmmunications in Medicine)規格での患者情報・検査情報の構造について図3を参照して説明する。図3はDICOM規格による患者情報・検査情報の階層構造を模式的に示す図である。
【0034】
図3のように、付帯情報は、患者情報及び検査情報を含み、患者ID→検査UID→シリーズUID→SOPの順の階層構造を持つ。ここで、患者IDとは患者を唯一に識別するためのID、検査UIDとは検査を唯一に識別するためのID、シリーズUIDとはシリーズを唯一に識別するためのID、SOPインスタンスUIDとは画像を唯一に識別するためのIDである。
【0035】
図3において、患者IDが患者氏名と一致していないと、エラーになる。検査UIDのユーザ・自動の入力は検査IDで行われる。シリーズUIDのユーザ・自動の入力はシリーズ番号で行われる。SOPのユーザ・自動の入力は画像番号で行われる。
【0036】
実際の入力には、各ID(患者ID/検査ID/シリーズ番号/画像番号)にて管理されることが多い。「ID、番号」は、数字と文字で桁数も最大十数桁であり、ユーザはこちらを入力する(例:1234,A0001等)。「UID」は、数字とピリオドで最大64桁と多く、ID、番号から機械的に作ることが多い(例:1.2.3456.789等)。上記の構造で画像保存装置5側が管理されており、各UIDに違うものが割り当てられているのが正常な状態である。
【0037】
画像修正出力装置4から送られてきた患者情報・検査情報が上記構造に基づいて画像保存装置5側でチェックされ、患者情報・検査情報が例えば上記構造に合致しないと、画像保存装置5はその画像情報の登録を拒否し画像保存装置5から画像修正出力装置4にエラー情報として返される。例えば、次のような場合である。
【0038】
(A)次のように同じ検査UIDなのに、患者IDが違う(同一の検査なのだから同じ患者のはず)。
(1)患者ID:2 検査UID:3(画像保存装置5に登録済のもの)
(2)患者ID:3 検査UID:3(画像修正出力装置4から出力し返されたもの)
【0039】
(B)次のように同じシリーズUIDなのに、検査UIDが違う(同一のシリーズなのだから同じ検査のはず)
(3)検査UID:4 シリーズUID:12(画像保存装置5に登録済のもの)
(4)検査UID:6 シリーズUID:12(画像修正出力装置4から出力し返されたもの)
【0040】
次に、図2の画像修正出力装置4から出力した画像情報がエラーになった場合、画像保存装置5からエラー発生の対象になった画像を取得する、取得方法設定部12で設定される取得方法について説明する。
【0041】
1.予め決めているデータ(例えば、患者ID、患者名、検査ID/UID、シリーズID/UID、画像UID)によりエラーになった画像情報のデータを元にして画像保存装置5から検索する。同一の検査IDやシリーズIDの既に登録済みの画像情報を画像保存装置5から取得する。
【0042】
2.エラーが返ってきたときの詳細情報(例えば、返信されたエラー番号、エラー発生情報の文字列)によって、例えば、次のようにして検索の条件を設定して検索する。
【0043】
(1)事前にエラー番号にて取得画像を決めておく。
エラー1:検査IDの場合 同一の検査IDである既に登録済みの画像を画像保存装置5から取得する。
エラー2:シリーズIDの場合 同一の検査IDである既に登録済みの画像を画像保存装置5から取得する。
【0044】
(2)エラー発生情報
エラーが発生したとき、「検査IDが不整合」とのエラー詳細情報があれば、同一の検査IDの既に登録済みの画像を画像保存装置5から取得する。なお、DICOM規格には、必須ではないが、エラー詳細情報を返してもよいことになっている。この場合、構造の不整合以外にもエラーが発生したとき、例えば「部位データが異常」と返信された場合、画像保存装置5から画像情報を取得しなくても、情報を表示し修正することが可能である。
【0045】
また、エラーのときのエラー詳細情報だけではなく、画像自体の情報を画像保存装置5から取り込むことにより、「画像保存装置5に出力したがエラーになった画像情報」と「画像保存装置5内に既に登録されている画像情報」の両方の情報を対比表示し、修正し、出力可能となる。これによって、より正しい登録情報(状態)にて画像保存装置5に出力できる。
【0046】
また、「画像保存装置5に出力したがエラーになった画像情報」と「画像保存装置5内に既に登録されている画像情報」の前後で、結婚等で氏名が変わったため、「患者IDと患者氏名」の登録情報が違う場合にもエラーが発生するが、この場合も、両方の画像情報を対比表示し、修正することが可能となる。このため、旧姓/新姓のどちらにでも、統一して画像保存装置5に出力できる。
【0047】
上記の各方法は、それぞれ組み合わせて複数の条件で検索してもよい。また、画像を取得するプロトコルとして、機器固有の方法であっても、DICOMであってもよい。DICOM標準の機器であれば、特別な構成・方法に対応しなくても実現できる。
【0048】
更に、画像保存装置5から既に登録済画像情報を取得する場合、「画像+付帯情報(患者情報・検査情報)」を取得するのであるが、修正するための情報としては、付帯情報のみでよいので、付帯情報のみを取得する構成でもかまわない。上述のように、通常、画像のサイズは数百KB〜数十MB程度と大きいのに対し、付帯情報のサイズは数十KB程度と比較的小さいので、付帯情報だけを画像保存装置5側から返すようにすると、通信に要する時間が短くなり、効率的に修正作業を行うことができる。
【0049】
なお、エラー発生の対象となった画像情報が複数の医用画像に関する1群の画像情報である場合もある。
【0050】
次に、図1に示す医用ネットワークにおける動作を図1〜図4を参照して説明する。図4は図1の医用ネットワークにおける主な動作(ステップS01乃至S15)を示すフローチャートである。
【0051】
まず、CT/MR/CR等の画像発生装置1〜3で医用画像が発生し(S01)、画像修正出力装置4に付帯情報とともに送信されると(S02)、その医用画像情報を図2の画像修正出力装置4の受信・保存部11で受信し(S03)、一時保存する(S04)。
【0052】
次に、受信し一時保存した医用画像情報は、画像と付帯情報が表示部13に表示され(S05)、必要に応じて、操作部15のユーザ操作により、画像処理・情報修正部14で画像・患者情報・検査情報の修正や複数の画像を一つにまとめたり、逆に分離したりする(S06)。
【0053】
次に、修正等が終わると、上記医用画像情報を出力部17からユーザの操作・時間・設定に基づいて画像保存装置5に出力する(S07)。
【0054】
上述のようして出力した医用画像情報が画像保存装置5でチェックされ(S08)、画像保存装置5に登録されれば問題はないが、エラーと判断されると、図1の破線のように、画像修正出力装置4にエラー情報が返信され、そのエラー情報を画像修正出力装置4が受信すると(S09)、画像取得部16でエラー対象となったと考えられる画像情報を取得方法設定部12で予め設定した取得方法で画像保存装置5から取得する(S10)。
【0055】
通常、画像修正出力装置4側において、不正な文字が使われていないか、不正な文字列がないか、文字列の長さが指定通りか(短い/長い/固定等)のチェックが行われる。しかし、図3のような「患者−検査−シリーズ−画像」の構造で、各識別番号(識別のための情報であり、IDやUID)が既に画像保存装置5に登録済みのものに対し不整合であるかどうかはチェックできない。このような場合にエラーが発生する。
【0056】
次に、取得したエラー対象の画像の画像・患者情報・検査情報を表示部13に表示し(S11)、ユーザが操作部15を操作することにより画像処理・情報修正部14でエラーとなった画像の付帯情報の修正を行う(S12)。
【0057】
ステップS12における表示の際には、エラーとなった画像情報と取得した画像情報とをデータ毎に対比するように表示し、「検査IDが同じなのに、患者IDが違う」等が一目で分かるように表示することで、または修正すべき内容を表示することで、ユーザがどの部分を修正したらよいか、直ぐに分かるようになる。
【0058】
例えば、上述の(A)、(B)の例では、同じ検査UIDなのに患者IDが違う(同一の検査なのだから同じ患者のはず)場合は、次のように画像保存装置5に登録済のもの(1)と画像修正出力装置4から出力し返されたもの(2)とを対比して表示させると、その患者IDの違いが直ぐに分かる。
【0059】
(1)患者ID:2 検査UID:3
(2)患者ID:3 検査UID:3
【0060】
同様に、同じシリーズUIDなのに検査UIDが違う(同一のシリーズなのだから同じ検査のはず)場合は、次のように画像保存装置5に登録済のもの(3)と画像修正出力装置4から出力し返されたもの(4)とを対比して表示させると、その検査UIDの違いが直ぐに分かる。
【0061】
(3)検査UID:4 シリーズUID:12
(4)検査UID:6 シリーズUID:12
【0062】
また、修正すべき箇所が分かっても、どのように修正すべきかが分からない場合があるので、修正方法を予め決めておき、画像処理・情報修正部14で自動的に修正し送信するようにしてもよいし、ユーザが変更したときに、修正候補を表示するようにしてもよい。
【0063】
1.一定の桁数で運用している場合、桁数を増やす/減らす:例えば、「検査ID:0123」→「検査ID:10123」
【0064】
2.先頭あるいは最後に絶対に使われない文字を挿入する:例えば、「検査ID:0123」→「検査ID:A0123」
【0065】
3.修正する日付や時間を使う:例えば、「検査ID:0123」→「検査ID:409011430」
【0066】
4.新たに番号をふり直す(重ならないような文字を使って):例えば、「検査ID:0123」→「検査ID:B0001」、次は「B0002」
【0067】
また、構造的には、上位の構造部分を変更した場合、下位構造に属する全ての画像に関して、同様の更新をしなければならないことがよく発生する。
【0068】
変更前:同じ検査、シリーズに2画像(SOP1,SOP2)あるパターン(各UIDまたは各IDを変更)
(1)検査UID:1、シリーズUID:1、SOP:1
(2)検査UID:1、シリーズUID:1、SOP:2
【0069】
変更後:(1)の画像を選び、検査UIDを1→2に変更
(1)検査UID:2、シリーズUID:1、SOP:1
(2)検査UID:1、シリーズUID:1、SOP:2(同じシリーズなのに、違う検査になってしまった。)
【0070】
変更後:ただしくは、
(1)検査UID:2、シリーズUID:1、SOP:1
(2)検査UID:2、シリーズUID:1、SOP:2(元々同じ検査なので自動的に反映した。)
【0071】
検査IDを修正した場合、元画像が同じ検査の画像であれば、全てその検査IDに自動的になる必要がある。ユーザが一つ一つ直す構成や、上位を変更した場合、それに伴い下位構造の番号も自動的に変更される構成の方が使い易い。
【0072】
また、画像保存装置5へ出力し、問題なかった画像の、「患者−検査−シリーズ−画像(SOP)」情報の履歴を画像修正出力装置4の受信・保存部11で管理し、併せて、エラー発生時に、画像保存装置5から取得した画像の同様の情報の履歴を管理し、データベース化する構成にすると、そのデータベースが、通常使用しているだけで構築され、そのデータベースを利用し、画像保存装置5に送る前に事前チェックし、はじめから正しい医用画像及び付帯情報で送ることができるようになる。
【0073】
次に、上述のようにして修正を施した医用画像及び付帯情報を画像修正出力装置4の出力部17から画像保存装置5に出力し(S13)、画像保存装置5側に正しく登録され保存される(S14)。
【0074】
次に、上述のようにして画像保存装置5に登録された医用画像は画像参照装置(画像ビューワ)6にて画像表示が可能となり、ユーザが医用画像を参照し診断できるようになる(S15)。
【0075】
なお、通常、医用画像を作成する(登録する)までは放射線技師の仕事であり、実際に画像ビューワにて診断するのは医者の仕事である。
【0076】
上述の図4における画像修正出力装置4の各動作は、画像修正出力装置4の記憶装置等に格納されて起動したプログラムに従って画像修正出力装置4の各部11乃至17が制御され、必要な情報処理が実行される。
【0077】
以上のように、画像修正出力装置4の出力部17から画像保存装置5へ医用画像を含む画像情報を出力しエラーになった場合、画像取得部16で予め取得方法設定部12で決められた方法・内容により画像保存装置5からエラー発生の対象になった画像情報を取得し、表示部13にエラーとなった画像情報と取得した画像情報とを対比させながら表示することにより、スムースに修正を行うことができ、修正した付帯情報を含む画像情報を画像保存装置5に正しく登録し保存できる。
【0078】
以上のように本発明を実施するための最良の形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が可能である。例えば、図1では、画像発生装置1〜3と画像修正出力装置4とを分けて構成しているが、装置によっては、両方の機能を備える構成としてもよい。この場合は、画像発生装置まで含めて本発明の画像修正出力装置といえる。
【0079】
また、図1の画像発生装置1〜3のモダリテイ機器は、CR(computed radiography)やCT(computed tomography:コンピュータ断層撮影装置) やMRI(magnetic resonance imaging:核磁気共鳴映像装置)以外であってもよく、DR(digital radiography:デジタルラジオグラフィー)やUS(ultrasound:超音波診断装置)などの医用画像発生装置であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本実施の形態による画像修正出力装置を含む医用ネットワークを示すブロック図である。
【図2】図1の画像修正出力装置の構成を示すブロック図である。
【図3】DICOM規格による患者情報・検査情報の階層構造を模式的に示す図である。
【図4】図1の医用ネットワークにおける主な動作(ステップS01乃至S15)を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0081】
1,2,3 画像発生装置
4 画像修正出力装置
5 画像保存装置
6 画像参照装置
11 受信・保存部
12 取得方法設定部
13 表示部
14 画像処理・情報修正部
15 操作部
16 画像取得部
17 出力部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用画像とその付帯情報を含む画像情報を出力する出力手段と、
画像情報を保存し管理する画像保存装置からその画像保存装置の管理下にある画像情報を取得する手段と、
前記出力手段から画像情報を前記画像保存装置に出力したときに前記画像保存装置からエラー情報が返され、前記画像保存装置にその画像情報を保存できない場合、前記エラー発生の対象となった画像情報を前記画像保存装置から自動的に取得する取得手段と、
前記出力できなかった画像情報またはエラー発生の対象となった画像情報の少なくとも一方の付帯情報を修正する修正手段と、を備えることを特徴とする画像修正出力装置。
【請求項2】
前記修正手段は前記修正を自動的に行うことを特徴とする請求項1に記載の画像修正出力装置。
【請求項3】
前記出力できなかった画像情報と、前記エラー発生の対象となった画像情報と、を対比させて表示させる表示手段を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の画像修正出力装置。
【請求項4】
前記取得手段は前記エラー発生の対象となった画像情報の中から必要な情報のみを取得することを特徴とする請求項1,2または3に記載の画像修正出力装置。
【請求項5】
前記画像情報の取得のための通信に医用の標準ネットワークプロトコル(DICOM)を使用することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像修正出力装置。
【請求項6】
前記エラー発生の対象となった画像情報及び前記出力できなかった画像情報の少なくとも一方及びその修正内容と、前記画像保存装置へ出力できた画像情報の履歴と、を管理する手段を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像修正出力装置。
【請求項7】
前記エラー発生の対象となった画像情報が複数の医用画像に関する1群の画像情報である請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像修正出力装置。
【請求項8】
医用画像とその付帯情報を含む画像情報を画像保存装置に出力するステップと、
前記画像保存装置からエラー情報を受信したとき、前記エラー発生の対象となった画像情報を前記画像保存装置から自動的に取得するステップと、
前記出力できなかった画像情報またはエラー発生の対象となった画像情報の少なくとも一方の付帯情報を修正するステップと、を含むことを特徴とする画像修正出力方法。
【請求項9】
前記修正は自動的に行われることを特徴とする請求項8に記載の画像修正出力方法。
【請求項10】
前記修正のとき、前記出力できなかった画像情報と、前記エラー発生の対象となった画像情報と、を対比させて表示させることを特徴とする請求項8または9に記載の画像修正出力方法。
【請求項11】
前記画像情報の取得のとき、前記エラー発生の対象となった画像情報の中から必要な情報のみを取得することを特徴とする請求項8,9または10に記載の画像修正出力方法。
【請求項12】
前記画像情報の取得のための通信に医用の標準ネットワークプロトコル(DICOM)を使用することを特徴とする請求項8乃至11のいずれか1項に記載の画像修正出力方法。
【請求項13】
前記エラー発生の対象となった画像情報及び前記出力できなかった画像情報の少なくとも一方及びその修正内容と、前記画像保存装置へ出力できた画像情報の履歴とを管理することを特徴とする請求項8乃至12のいずれか1項に記載の画像修正出力方法。
【請求項14】
前記エラー発生の対象となった画像情報が複数の医用画像に関する1群の画像情報である請求項8乃至13のいずれか1項に記載の画像修正出力方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−75475(P2006−75475A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−265070(P2004−265070)
【出願日】平成16年9月13日(2004.9.13)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】