画像入出力システム及び読取上書ユニット
【課題】上書きにより情報を確実に隠匿するとともに、読み取っておき、蓄積しておいた上書き前の画像データに基づき、隠匿した部分を確実、的確に再現する。
【解決手段】画像入出力システムは、読取領域の上書き前の画像データである上書き前画像データを生成する画像読取部と、読み取りが行われた後の読取領域に対し、隠匿用の画像を出力して上書きを行って隠匿領域とする画像出力部と、上書き前画像データを出力するインターフェイス部を含む読取上書ユニットと、更に、読取上書ユニットから上書き前画像データを受信する通信部と、通信部が受信した上書き前画像データを記憶する記憶部と、上書き前画像データに基づき画像を形成する画像形成部を含む画像形成装置と、を含む。
【解決手段】画像入出力システムは、読取領域の上書き前の画像データである上書き前画像データを生成する画像読取部と、読み取りが行われた後の読取領域に対し、隠匿用の画像を出力して上書きを行って隠匿領域とする画像出力部と、上書き前画像データを出力するインターフェイス部を含む読取上書ユニットと、更に、読取上書ユニットから上書き前画像データを受信する通信部と、通信部が受信した上書き前画像データを記憶する記憶部と、上書き前画像データに基づき画像を形成する画像形成部を含む画像形成装置と、を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像の読み取りや印刷(画像出力)を行う画像入出力システム、及び、画像入出力システムで用いられる読取上書ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷物には、機密情報や個人情報など、他人に知られたくない情報が含まれる場合がある。情報漏洩を防ぐため、画像データ中、秘密にすべき情報を含む部分を、他種のデータに置き換えた上で印刷し、情報を隠匿することがある。又、印刷物中で秘密にすべき情報を含む部分に上書きを施して、情報の隠匿を図る場合もある。
【0003】
特許文献1には、データの一部をバーコードデータに置き換える処理方法や、データ処理装置などが記載されている。例えば、特許文献1には、(a)ソース文書から少なくとも一つの領域を選択するステップ、(b)ソース文書の中の少なくとも一つの領域を表すデータを処理して、少なくとも一組のバーコードデータを生成するステップ、(c)ソース文書の中の少なくとも一つの領域を表すデータを少なくとも一組のバーコードデータに置き換えて、処理された文書を生成するステップと、を備える文書処理方法が記載されている。この構成により、選択された一つ以上の領域は少なくとも一つのバーコードに置き換えられ、領域の中の情報は人間の観察者には視覚的に認識することはできない(隠匿できる)。又、文書の所定の受け手または読み手はデコーダーを使ってバーコードをデコードし、選択された一つ以上の領域を元の形式で文書を表示しようとする(特許文献1:請求項1、段落[0010]等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−251929号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、プライバシー保護や情報セキュリティ強化の観点から、印刷物のうち、個人情報や機密情報が記された隠匿すべき領域(部分)に対して、上書きを行うことがある。例えば、はがきの宛名が簡単に見えないようにするためのスタンプが市販されている。
【0006】
しかし、スタンプを用いるなどして、上書きを行うと、隠匿領域(スタンプを押した部分)には、何が書かれていたか分からなくなる。言い換えると、隠匿領域の内容は再現不能になるという問題がある。尚、上書き前の画像の色などにより、スタンプを押しても、情報を隠匿しきれないという問題も生じ得る。
【0007】
ここで、特許文献1記載の発明は、隠匿部分をバーコードに置き換える(上書きはしない)。そのため、当初から隠匿部分の内容を確認できないという問題がある。又、特許文献1には、バーコードから解読される情報に基づき、隠匿領域に含まれる情報を印刷し再現できる旨が記載されている。しかし、バーコードに格納できるデータ量は限度がある。従って、バーコードを解読しても、隠匿領域の全内容を再現できないという問題もある。例えば、隠匿領域が高解像度画像や、カラー画像の場合、バーコードでは、隠匿領域に含まれる情報のうち、一部の情報しか再現できない。
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑み、上書きにより情報を確実に隠匿するとともに、読み取っておき、蓄積しておいた上書き前の画像データに基づき、隠匿した部分を確実、的確に再現することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題解決のため請求項1に係る画像入出力システムは、印刷物中の領域を読み取り、読取領域の上書き前の画像データである上書き前画像データを生成する画像読取部と、読み取りが行われた後の前記読取領域に対し、隠匿用の画像を出力して上書きを行って隠匿領域とする画像出力部と、前記上書き前画像データを出力するインターフェイス部を含む読取上書ユニットと、前記読取上書ユニットから前記上書き前画像データを受信する通信部と、前記通信部が受信した前記上書き前画像データを記憶する記憶部と、前記上書き前画像データに基づき画像を形成する画像形成部を含む画像形成装置と、を含む。
【0010】
この構成によれば、画像出力部は、読取領域に対し、隠匿用の画像を出力して上書きを行う。これにより、秘匿したい部分を読取上書ユニットでなぞれば、上書きにより情報の隠匿がなされる。又、画像読取部は、上書き前の読取領域の画像データを生成する。そして、生成された画像データは、インターフェイス部から出力され画像形成装置が蓄える。これにより、上書き前画像データに基づき、画像形成部が画像を形成して、隠匿部分を的確に再現(再利用)することができる。
【0011】
又、請求項2に係る発明は、請求項1の発明において、前記画像出力部は、前記上書き前画像データを特定し、呼び出すための追跡コードを含めて前記読取領域の上書きを行って隠匿領域を生成し、前記画像形成装置は、原稿を読み取るスキャナ部と、前記スキャナ部で前記隠匿領域を含む原稿を読み取って得られた画像データを解析し、追跡コードを認識する追跡コード認識部を備え、前記画像形成部は、認識された追跡コードに対応する前記上書き前画像データに基づく画像を形成することとした。
【0012】
この構成によれば、追跡コード認識部は、隠匿領域に印刷された(埋め込まれた)追跡コードを認識する。これにより、複数種の上書き前画像データが存在していても、追跡コードを用いて、特定の上書き前画像データを容易に呼び出し、印刷により再現することができる。
【0013】
又、請求項3に係る発明は、請求項2の発明において、前記画像形成装置は、前記スキャナ部で前記隠匿領域を含む原稿を読み取って得られた画像データのうち、前記隠匿領域を、前記追跡コードに対応する前記上書き後画像データに置き換えて、上書きを行う前の状態の原稿を再現する画像データである再現画像データを生成する処理を行う画像処理部を有し、前記画像形成部は、前記再現画像データに基づく画像を形成することとした。
【0014】
この構成によれば、画像形成部は、再現画像データに基づく画像を形成する。これにより、上書きする前の状態の原稿と同様の印刷物が得られる。従って、ほぼ完全な形で、原稿を再現することができる。
【0015】
又、請求項4に係る発明は、請求項1乃至3の発明において、前記画像出力部は、前記画像読取部の読み取りに基づき得られた前記上書き前画像データに応じ、上書きのときに出力する画像を変化させることとした。
【0016】
この構成によれば、画像出力部は、画像読取部の読み取りに基づき得られた上書き前画像データに応じ、上書きのときに出力する画像を変化させる。これにより、画像に合わせて、隠匿効果が高い画像を上書きすることができる。
【0017】
又、請求項5に係る発明は、請求項4の発明において、前記画像出力部は、前記上書き前画像データの画像データがカラーであるとき、黒色以外の色も用いた上書き画像を印字し、前記上書き前画像データがモノクロであるとき、黒色の上書き画像を印字することとした。
【0018】
この構成によれば、画像出力部は、上書き前画像データがモノクロであるとき、黒色の上書き画像を印字し、上書き前画像データの画像データがカラーであるとき、黒色以外の色も用いた上書き画像を印字する。これにより、隠匿領域の色に合わせて、上書きを行うことができる。例えば、隠匿領域がモノクロ(白黒灰)であるとき、黒色を用いて、効果的に隠匿がなされる。又、上書き前画像データの画像データがカラーであるとき、黒色以外の色も用いて、効果的に隠匿がなされる。
【0019】
又、請求項6に係る発明は、請求項4又は5の発明において、前記画像出力部は、前記上書き前画像データが文字を含むとき、文字、又は、文字を模した模様の上書き画像を印字することとした。
【0020】
この構成によれば、画像出力部は、上書き前画像データが文字を含むとき、文字、又は、文字を模した模様の上書き画像を印字する。これにより、文字に文字を重ねることにより、隠匿する部分に何が記載されているか分かりづらくすることができる。
【0021】
又、請求項7に係る発明は、請求項1乃至6の発明において、前記画像読取部と前記画像出力部は、同じ平面内に設けられ、前記平面と原稿の間隔を一定に保ち、回転する複数のコロが設けられ、前記コロは、ワンウェイクラッチを備えることとした。
【0022】
この構成によれば、平面と用紙の間隔を一定に保ち、回転する複数のコロが設けられ、コロは、ワンウェイクラッチを備える。これにより、読み取りや上書きのための画像出力(印刷出力)が用紙に対して安定して行われる。又、読み取りや画像出力の方向が一定とされるので、同じ画像の読み取りや、再利用できない画像データが生成されることや、読み取り領域の全域の上書きが終了する前の上書き終了を防ぐことができる。
【0023】
又、請求項8に係る発明は、請求項1乃至7の発明において、前記読取上書ユニットと、前記画像形成装置と相互に通信可能に接続され、前記上書き前画像データを蓄積するための記憶装置を含むこととした。
【0024】
この構成によれば、画像入出力システムは、上書き前画像データを記憶する記憶装置を有する。これにより、後の再利用のため、画像形成装置以外にも、上書き前画像データを蓄積することができる。
【0025】
又、請求項9に係る読取上書ユニットは、印刷物中の領域を読み取り、読取領域の上書き前の画像データである上書き前画像データを生成する画像読取部と、読み取りが行われた後の前記読取領域に対し、隠匿用の画像を出力して上書きを行って隠匿領域とする画像出力部と、前記上書き前画像データを出力するインターフェイス部とを含むこととした。
【0026】
この構成によれば、画像出力部は、読取領域に対し、隠匿用画像を出力して上書きを行い、インターフェイス部は、上書き前の読取領域の画像データである上書き前画像データを出力する。これにより、秘匿したい部分を読取上書ユニットでなぞれば、上書きにより情報の隠匿がなされる。又、画像読取部による上書き前の画像データが生成され、出力される。従って、上書きによる隠匿前の画像データに基づき、隠匿部分の再現(再利用)が可能となる。
【0027】
又、請求項10に係る発明は、請求項9の発明において、前記画像出力部は、前記上書き前画像データを特定し、呼び出すための追跡コードを含めて前記読取領域の上書きを行い、前記画像読取部が前記追跡コードを読み取ったとき、前記画像出力部は、前記追跡コードに対応する前記上書き前画像データに基づき印刷を行うこととした。
【0028】
この構成によれば、画像出力部は、上書き前画像データを特定し、呼び出すための追跡コードを含めて読取領域の上書きを行い、インターフェイス部は、追跡コードに対応した上書き前画像データを記憶装置に出力する。これにより、複数種の上書き前画像データが存在していても、追跡コードを用いて、特定の上書き前画像データを容易に呼び出すことができる。
【発明の効果】
【0029】
上述したように、読取上書ユニットにより、情報を確実に隠匿することができる。又、読み取り、蓄積しておいた上書き前画像データに基づき、隠匿した部分を確実、的確に再現可能な画像入出力システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】第1の実施形態に係る読取上書ユニットの一例を示す模式図であり、(a)は底面図、(b)は側面図、(c)は正面図である。
【図2】第1の実施形態に係る画像入出力システムの一例を示すブロック図である。
【図3】第1の実施形態に係る上書き印刷の一例を説明するための説明図である。
【図4】第1の実施形態に係る読取上書ユニットが上書きで出力する画像の一例を示す説明図である。
【図5】第1の実施形態に係る読取上書ユニットでの処理の流れの一例を示すブロック図である。
【図6】第1の実施形態に係る読取上書ユニットの原稿読取処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図7】第1の実施形態に係る読取上書ユニットの上書き画像印刷の流れの一例を示すフローチャートである。
【図8】第1の実施形態の画像入出力システムの概要を説明するための説明図である。
【図9】第1の実施形態に係る画像入出力システムの処理の流れの一例を示すブロック図である。
【図10】第1の実施形態に係る隠匿領域の再現の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図11】第2の実施形態に係る画像入出力システムの一例を示すブロック図である。
【図12】第3の実施形態に係る読取上書ユニットでの処理の流れの一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の実施形態を図1〜図12を用いて説明する。以下では、読取上書ユニット1と、複合機2(画像形成装置に相当)を組み合わせた画像入出力システム3を例に挙げ説明する。まず、図1〜図10を用い、第1の実施形態を説明する。但し、本実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定せず単なる説明例にすぎない。
【0032】
(読取上書ユニット1の概要)
まず、図1を用い、本発明の第1の実施形態に係る読取上書ユニット1の一例を説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る読取上書ユニット1の一例を示す模式図であり、(a)は底面図、(b)は側面図、(c)は正面図である。
【0033】
まず、本実施形態の読取上書ユニット1は、画像の読み取りと、上書き印刷を一台で行うユニットである(スキャン・オーバライト)。
【0034】
図1(a)に示すように、読取上書ユニット1の底面には、画像読取部11と、画像出力部12の一部としてのライン型のインクジェットノズルヘッド(ラインヘッド121)が設けられる。読取上書ユニット1の底面と原稿を対向させ、読取上書ユニット1を移動させることで、画像読取部11により、原稿の読み取りがなされ、ラインヘッド121により、上書き画像の印刷がなされる。尚、読み取りや、印刷での進行方向の一例を実線矢印で示す。
【0035】
図1(b)に示すように、底面近傍であって、読取上書ユニット1の左右側面のそれぞれにコロ13aが設けられる。そして、同じ側面に設けられる2つのコロ13aには、ベルト13bがかけ回される。コロ13aは、画像読取部11が先、ラインヘッド121が後となる一定方向にのみ回転するようにワンウェイクラッチ13cが内蔵される。即ち、画像読取部11と画像出力部12は、同じ平面内に設けられ、平面と原稿の間隔を一定に保ち、回転する複数のコロ13aが設けられ、コロ13aは、ワンウェイクラッチ13cを備える。
【0036】
ベルト13bにより原稿が押さえられる。そして、ベルト13bとコロ13aにより、画像読取部11やラインヘッド121と、原稿の距離が一定で保たれる。そして、読取上書ユニット1の底面と原稿を対向させ、原稿を押さえつつ移動させる(なぞる)ことにより、原稿中の任意の部分の読み取りと、読取領域の上書きを行うことができる。尚、図1(a)、(c)に示すように、画像読取部11やラインヘッド121の長さは、例えば、ほぼ同様であり、読み取りや上書きでの最大幅は、画像読取部11やラインヘッド121の長さに依存する。
【0037】
(画像入出力システム3の概要)
次に、図2に基づき、本発明の第1の実施形態に係る画像入出力システム3を説明する。図2は本発明の第1の実施形態に係る画像入出力システム3の一例を示すブロック図である。
【0038】
図2に示すように、本実施形態の画像入出力システム3は、複合機2(画像形成装置に相当)と、読取上書ユニット1を含む。まず、複合機2を説明する。
【0039】
[複合機2]
複合機2本体には、操作パネル21、スキャナ部22、給紙部23、搬送路24、画像形成部25、定着部26等が設けられる。
【0040】
まず、操作パネル21は、例えば、複合機2の正面上方に設けられる。そして、操作パネル21は、複合機2の状態や各種メッセージを表示し、機能の選択、設定などを行うためのキーを1又は複数有し、設定入力を受け付ける。
【0041】
スキャナ部22は、原稿を読み取り、原稿の画像データを形成する。スキャナ部22に対して最上部に、例えば、原稿を押さえる原稿カバーが設けられる。又、スキャナ部22内には露光ランプ、ミラー、レンズ、イメージセンサ(例えば、CCD)等の光学系部材(不図示)が設けられる。スキャナ部22は、原稿台に載置され原稿の読み取りを行う。
【0042】
そして、スキャナ部22は、これらの光学系部材を用い、原稿台に載置される原稿に光を照射し、その原稿の反射光を受けたイメージセンサの各画素の出力値をA/D変換し、画像データを生成する。複合機2は、例えば、読み取りにより得られた画像データに基づき印刷を行うことができる(コピー機能)。
【0043】
給紙部23は、複数の用紙(例えば、コピー用紙、普通紙、再生紙、厚紙、OHPシート等の各種シート)を収容し、印刷のとき、1枚ずつ搬送路24に送り込む。搬送路24は、給紙部23から供給された用紙を搬送する。
【0044】
画像形成部25は、画像データに基づきトナー像を形成し、搬送される用紙にトナー像を転写する。例えば、複合機2の画像形成部25は、感光体ドラム、及び、感光体ドラムの周囲に配設された帯電装置、露光装置、現像装置、転写ローラ、清掃装置等を備える。これらの部材を用い、画像形成部25は、画像データ(例えば、スキャナ部22で得られた画像データや、ネットワーク等により接続される外部のPC4や相手方FAX装置5(図2参照)から送信された画像データ等)に基づき、トナー像を形成し用紙に転写する。
【0045】
定着部26は、用紙に転写されたトナー像を定着させる。定着部26は、例えば、発熱体を内蔵する加熱ローラや加圧ローラを含む。加圧しつつ、用紙表面のトナーを溶融・加熱して、トナー像を用紙に定着させる。トナー定着後の用紙は、機外に排出される。尚、本実施形態の複合機2は、トナー像を形成する例を説明したが、インクジェット式の画像形成部25であってもよい
【0046】
そして、複合機2内には、主制御部20(追跡コード認識部に相当)が設けられる。主制御部20は、複合機2の動作を制御する。主制御部20は、操作パネル21、スキャナ部22、給紙部23、搬送路24、画像形成部25、定着部26等の各部とバスや信号線等で接続され、各部、各装置を制御して複合機2の動作を制御する。
【0047】
そして、主制御部20はCPU201、画像処理部202等を含む。尚、主制御部20は、全体制御や画像処理を行う本体制御部や、画像形成や各種回転体を回転させるモータ等のON/OFF等を制御するエンジン制御部等、機能ごとに分割された形態で設けられてもよい。本説明では、これらの制御部を主制御部20としてまとめた形態を説明する。
【0048】
CPU201は、中央演算処理装置であって、記憶部27に格納され、展開されるプログラムやデータに基づき複合機2の各部を制御する。画像処理部202は、印刷を行う画像データや、外部のPC4や相手方のFAX装置5に送信される画像データに対し、各種画像処理を施す。
【0049】
記憶部27は、例えば、ROM、RAM、HDDを含み、不揮発性と揮発性の記憶用の装置を組み合わせて構成される。そして、記憶部27は、複合機2の制御用等の各種のプログラムやデータ、設定データ、画像データ等の各種データを記憶する。
【0050】
更に、主制御部20は、各種コネクタ、ソケット、通信制御用のチップ等を備えた通信部28と接続される。通信部28は、ネットワークや公衆回線等により、PC4や、相手方FAX装置5と通信可能に接続される。例えば、画像データを含むデータを外部のPC4や相手方FAX装置5(インターネットFAXでもよい)に送信することができる(スキャナ機能、FAX機能)。PC4や相手方FAX装置5からの画像データに基づき印刷を行うこともできる(プリンタ機能、FAX機能)。
【0051】
特に、本発明に関し、通信部28は、読取上書ユニット1から出力された読取領域の画像データ(上書き前画像データ)を受信する。そして、例えば、主制御部20は、複合機2の記憶部27に上書き前画像データを記憶させる。
【0052】
[読取上書ユニット1]
次に、図2を用いて、読取上書ユニット1のハードウェアの一例を説明する。図2に示すように、読取上書ユニット1は、制御部10、画像読取部11、画像処理部14、画像メモリ15、I/F部16、記憶部17、画像出力部12、操作部18、駆動モータM1などを含む。
【0053】
制御部10は、CPUやマイコン、制御用チップ等を含み、読取上書ユニット1に含まれる各部材の動作を制御する
【0054】
画像読取部11は、読取上書ユニット1の下面に設けられ、原稿に光を照射するランプ110やライン型のイメージセンサ111やA/D変換器112を含む。例えば、画像読取部11は、CIS方式のスキャナである。画像読取部11のイメージセンサ111は、原稿をなぞる方向への1ラインずつの読み取りの繰り返しにより、原稿からの反射光のレベルに応じて、画素ごとにアナログ信号を出力する。A/D変換器112は、イメージセンサ111から出力される各画素のアナログ信号をディジタルデータに変換する。尚、本実施形態の画像読取部11は、カラーによる読み取りを行える。
【0055】
画像処理部14は、画像読取部11が出力した画像データに対し、複合機2に送信する上で必要な画像処理など、画像データに関して各種の処理を行う。画像メモリ15は、画像読取部11が出力した画像データや、画像処理部14が処理した画像データを一時的に蓄え、展開するためのメモリである。I/F部16は、複合機2に画像データを送信するためのインターフェイスである。
【0056】
画像出力部12は、複数のノズルを有し、画像データに合わせてインクを吐出するラインヘッド121、画像データに合わせて、各ノズルでのインク吐出を制御するコントローラ120、ラインヘッド121にインクを供給するインクタンク122などを備える。
【0057】
本実施形態では、ラインヘッド121内には、黒色のもののほか、シアン、マゼンタ、イエローといったカラーのものも含まれる。言い換えると、ラインヘッド121は複数色のインクを吐出し、画像出力部12は、カラー印刷対応である。そして、コントローラ120は、画像データに合わせ、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローのラインヘッド121からのインク吐出をコントロールする。又、インクタンク122も各色の補給用インクを内蔵する。
【0058】
記憶部17は、不揮発性のメモリを含む。記憶部17は、例えば、画像出力部12が読取領域の上書きを行い、隠匿領域F1を生成するうえでの複数種の上書き画像の画像データを記憶する。コントローラ120は、上書き画像の画像データに基づき、インクを吐出させ、上書きを行わせる。尚、記憶部17には、画像読取部11が読み取り、画像処理部14が処理した画像データを記憶してもよい。
【0059】
操作部18は、読取上書ユニット1の動作を操作するためのボタンやスイッチが設けられる。例えば、読取上書ユニット1には、原稿内の一部の領域を読み取り、読取済みの領域を上書きする。そこで、例えば、操作部18には、読取開始のトリガとしての読取開始ボタン181や、原稿読取の終了を指示するための読取終了ボタン182や、動作状態を知らせるためのインジケータなどを設けてもよい。
【0060】
駆動モータM1は、コロ13aを一定の速度で回転させるモータである。制御部10は、駆動モータM1を動作させ、コロ13aを回転させる。これにより、仕様上、好ましい一定の速度で、原稿をスキャンすることができる。尚、駆動モータM1を設けずとも、手押しにより、原稿読取や上書きを行える。
【0061】
(読み取りと上書き印刷)
次に、図3〜図5に基づき、本発明の実施形態に係る読取上書ユニット1を用いた読み取りと上書き印刷の概要を説明する。図3は、本発明の第1の実施形態に係る上書き印刷の一例を説明するための説明図である。図4は、本発明の第1の実施形態に係る読取上書ユニット1が上書きで出力する画像の一例を示す説明図である。図5は、本発明の第1の実施形態に係る読取上書ユニット1での処理の流れの一例を示すブロック図である。
【0062】
まず、図3を用いて、本実施形態の読取上書ユニット1による上書き印刷の概要を説明する。読取上書ユニット1は、隠匿したい情報が記された部分を読み取り、後日の再現のため読取領域の画像データを生成、出力するとともに、読取済みの領域に対し画像出力部12を用いて上書し、隠匿する。
【0063】
例えば、図3に示す原稿のうち、破線で囲まれた領域(大文字アルファベットが記された領域)を上書きして隠匿するとする。まず、読取上書ユニット1の下面を原稿にあて、破線で囲まれた領域がなぞられ、これにあわせ、画像読取部11が読み取りを行う。その後、なぞる方向からみて後方に位置する画像出力部12が、読取領域に上書き画像を出力し、上書きする。このように、読取上書ユニット1により、原稿中の隠匿したい領域を1回なぞるだけで、隠匿する領域の読み取りと、上書き(隠匿領域F1の形成)がなされる。上書きされた原稿の一例が、図3の右側に示す図である。図3の右側の図では、上書きされた部分を網掛けで図示している。
【0064】
図4は、読取領域に上書きされる上書き画像の一例を示している。例えば、読取領域が、カラー画像であれば、図4(a)に示すような、上書き画像で上書きがなされる。尚、図4(a)に示す上書き画像は、色弱検査用画像のような、大きさや色が異なる複数種の円や楕円が混在する画像である。
【0065】
又、読取領域が、文字を含む領域であれば、図4(b)に示すような、文字や文字のような模様を重複し羅列させた上書き画像を上書きする。尚、図4(b)は、アルファベットを縦方向と横方向に1回ずつ重ねて生成された画像である。又、上書き画像は、図4(c)に示すように、バーコード状の上書き画像で有ってもよい。
【0066】
次に、図5を用いて、上書きモードでの画像データの流れを説明する。画像データの流れを図5では白抜矢印で示す。例えば、使用者は、読取開始ボタン181を押し、原稿のうち隠匿したい領域を読取上書ユニット1の下面でなぞる。
【0067】
画像読取部11は、画像データを出力する。画像読取部11が出力した画像データは、画像処理部14に送られ、例えば、画像処理部14は、シェーディング補正やγ補正等の画像処理を施す。その後、読取領域の画像データは、画像メモリ15に蓄えられる。尚、画像メモリ15に蓄えられた複数ライン分の画像データに対し画像処理を施すため、画像処理部14と画像メモリ15間で画像データのやり取りが1又は複数回なされてもよい。
【0068】
画像メモリ15に蓄えられた読取領域の画像データ(上書き前画像データ)は、I/F部16を介し、複合機2(の通信部28)に送信される。その結果、上書き前画像データは、後の再利用のために、複合機2の記憶部27に記憶される。尚、I/F部16と複合機2が常時通信可能に接続されているとは限らないので、画像メモリ15に蓄えられた上書き前画像データは、読取上書ユニット1内部の記憶部17に蓄積してもよい。又、例えば、I/F部16にケーブルを介して複合機2が接続されると、記憶部17に蓄積された読取領域の画像データが、自動的に複合機2にまとめて吸い上げられる(転送される)ようにしてもよい。
【0069】
又、画像処理部14は、読取領域の特徴を認識する。例えば、画像処理部14は、読取領域の画像データの各画素の濃度分布に基づき、モノクロであるか、カラーであるかを判断する。又、画像処理部14は、読取領域が文字を含む領域か、文字を含まない領域(模様や写真)であるかを判断してもよい。例えば、画像処理部14は、読取領域の一部の画像データに対し、エッジ強調処理や、エッジに相当する画素数を数える処理を行う。そして、画像処理部14は、検討する領域の全画素数に対し、エッジに相当する画素数の比率が予め定められた値以上であれば読取領域が文字を含む領域と判断し、未満であれば、模様や写真であると判断してもよい。尚、画像処理部14によりなされる判断処理は、上記に限られず、既存のOCR技術を利用する等、文字領域か、文字領域でないかの判断がなされる処理であればよい。
【0070】
画像処理部14は、この読取領域の認識結果を制御部10に伝える。制御部10は、記憶部17に記憶された複数種の上書き画像のうち、用いる上書き画像を定める。例えば、制御部10は、読取領域が、カラーの模様や写真領域であれば、図4(a)に示す上書き画像を、白黒の模様や写真領域であれば、図4(c)に示すバーコード画像を、文字領域であれば、図4(b)に示す上書き画像を用いると定める。読取領域に対しどのような上書き画像を用いるか定めるアルゴリズムは、予め用意され、記憶部17に記憶される上書き画像の種類に応じて任意に定められる。
【0071】
即ち、画像出力部12は、画像読取部11の読み取りに基づき得られた上書き前画像データに応じ、上書きのときに出力する画像を変化させる。具体的に、画像出力部12は、上書き前画像データの画像データがカラーであるとき、黒色以外の色も用いた上書き画像(図4(a)に示す画像)を印字し、上書き前画像データがモノクロであるとき、黒色の上書き画像(図4(c)に示す画像)を印字する。又、画像出力部12は、上書き前画像データが文字を含むとき、文字、又は、文字を模した模様の上書き画像(図4(b)に示す画像)を印字する。
【0072】
制御部10からの指示に応じ、記憶部17から、上書き画像の画像データが画像出力部12に与えられる。そして、画像出力部12は、上書き画像の画像データに基づき、読取領域を上書きし、読取領域を隠匿領域F1とする。
【0073】
(原稿読取の流れ)
次に、図6を用いて、本発明の第1の実施形態に係る読取上書ユニット1の原稿読取の流れを説明する。図6は、本発明の第1の実施形態に係る読取上書ユニット1の原稿読取処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0074】
図6のスタートは、読取上書ユニット1のベルト13bと原稿が接した状態とされ、原稿の読み取りと上書きを行うため読取開始ボタン181がONされた時点である。
【0075】
そして、制御部10は、ランプ110を点灯させ(ステップ♯11)、又、駆動モータM1を動作させてコロ13aを回転させる(ステップ♯12)。そして、A/D変換器112が、イメージセンサ111から出力された各画素のアナログ信号をディジタルデータに変換し、例えば、画像読取部11から1ライン分の画像データが出力される(ステップ♯13)。そして、画像データに対し画像処理部14による各種画像処理がなされ、画像メモリ15にデータが蓄えられる(ステップ♯14)。
【0076】
そして、制御部10は、原稿の読み取りが終了したかを確認する(ステップ♯15)。例えば、制御部10は、読取終了ボタン182が押されたことを認識し、原稿読取終了を確認する。もし、原稿読取継続であれば(ステップ♯15のNo)、ステップ♯11に戻り、原稿読取と、画像データの蓄積が継続される。
【0077】
一方、原稿読取終了であれば(ステップ♯15のYes)、制御部10は、ランプ110を消灯する(ステップ♯16)。尚、コロ13aは、読取領域の上書きのため、しばらくして後(上書き完了後)に停止する。
【0078】
そして、画像メモリ15に蓄積された読取領域の画像データが不揮発的に記憶される(ステップ♯17)。複合機2の記憶部27を不揮発的な記憶先としてもよい。この場合、I/F部16から読取領域の画像データが複合機2の通信部28に向けて送信される。又、読取上書ユニット1の記憶部17を不揮発的な記憶先としてもよい。この場合、記憶部17に読取領域の画像データが蓄積される。そして、上書きモードでの原稿読取処理は終了する(エンド)。
【0079】
(上書き画像印刷の流れ)
次に、図7を用いて、本発明の第1の実施形態に係る読取上書ユニット1による上書き画像印刷の流れを説明する。図7は、本発明の第1の実施形態に係る読取上書ユニット1の上書き画像印刷の流れの一例を示すフローチャートである。
【0080】
まず、図7のスタートは、原稿の読み取りが開始された時点である。原稿読取と上書き画像印刷は、並列実行される。しかし、図1(a)に示すように、イメージセンサ111と、ラインヘッド121は、位置が離れている。言い換えると、イメージセンサ111の読取開始ラインの位置と、ラインヘッド121が対向するまで時間がある。
【0081】
そこで、原稿読取が開始されると、制御部10は、画像処理部14による読取領域の解析(例えば、色や文字を含むか等)に基づき、上書きで用いる上書き画像を定める(ステップ♯21、図4(a)〜(c)参照)。そして、記憶部17から制御部10が用いると定めた上書き画像の画像データが読み出され、画像出力部12に与えられる(ステップ♯22)。
【0082】
そして、制御部10は、上書きを開始する時点に至ったかの確認を続ける(ステップ♯23のNo→ステップ♯23)。言い換えると、制御部10は、原稿読取開始ラインと上書きにおける最初のラインとがほぼ一致する状態となったかを確認する。
【0083】
例えば、制御部10は、イメージセンサ111とラインヘッド121の間隔分だけコロ13a(ベルト13b)が回転したかを確認する。より具体的には、コロ13aの周速度に基づき、イメージセンサ111とラインヘッド121の間隔とコロ13aの同じ周長を回転させるのに必要な時間を予め求め、定めておく。制御部10は、原稿読取開始から、予め定めた時間が経過した時点に至ると、上書きを開始する時点に至ったと認識する。
【0084】
上書き開始時点に至ると(ステップ♯23のYes)、制御部10は、追跡コードを含めつつ、画像出力部12に上書きを行わせる(ステップ♯24)。
【0085】
ここで、追跡コードを説明する。追跡コードは、読取領域の画像データ(上書き前画像データ)を再利用するために、上書き画像とともに印刷される(上書き画像に埋め込まれる)。追跡コードを読み取り、追跡コードを特定し、上書きにより視認できなくなった隠匿領域F1に対応する上書き前画像データが特定される。そのため、記憶部17や記憶部27は、上書き前画像データに付随して、追跡コードに対応するデータや符号(例えば、画像データの名称)を記憶する。
【0086】
追跡コードは、上書き画像とともに印刷される(埋め込まれる)。追跡コードは、例えば、読取領域のうち、予め決まった特定の位置(例えば、読取領域の右上隅部分や中央部分)に印刷されてもよい。例えば、追跡コードは、視認しづらいインク(例えば、イエローインク)を用いて印刷される。
【0087】
又、追跡コードは、例えば、上書き前画像データの名称でもよい。又、追跡コードは、上書き前画像データの名称を、例えば、ドットパターンや数字などに暗号化したものでもよい。又、上書き画像を、上書き前画像データの名称を示すバーコードとしてもよい。尚、複合機2のスキャナ部22の読み取りにより、追跡コードが認識できればよく、公知のデータハイディング技術を用いて、追跡コードの埋め込み(読取領域への印刷)が行われてもよい。
【0088】
そして、制御部10は、原稿読取が終了したかを確認する(ステップ♯25)。例えば、制御部10は、読取終了ボタン182が押されたことを認識し、原稿読取終了を確認する。原稿読取終了を確認できなければ(ステップ♯25のNo)、画像出力部12による上書きが続けられる(ステップ♯24に戻る)
【0089】
原稿読取終了を確認できれば(ステップ♯25のYes)、制御部10はイメージセンサ111とラインヘッド121の幅分の残りの上書き出力を行い(ステップ♯26)、コロ13aを停止させる(ステップ♯27)。これにより、本制御は終了する(エンド)。
【0090】
(隠匿領域F1の再現)
次に、図8、図9に基づき、本発明の実施形態に係る画像入出力システム3の隠匿領域F1の再現の概要を説明する。図8は、本発明の第1の実施形態に係る画像入出力システム3の概要を説明するための説明図である。図9は、本発明の第1の実施形態に係る画像入出力システム3の処理の流れの一例を示すブロック図である。
【0091】
まず、図8を用いて、本実施形態の画像入出力システム3の隠匿領域F1の再現の概要を説明する。再現モードでは、複合機2は、隠匿領域F1(上書きされた領域)を読み取り、追跡コードを認識する。そして、複合機2は、追跡コードに対応する読取領域の画像データを、用紙に出力し、上書きされ読めなくなった部分を再現する。
【0092】
図8に示す左側の原稿のうち、破線で囲まれた領域は、既に上書きされ、隠匿された部分(隠匿領域F1)である。この部分には、本実施形態の読取上書ユニット1により、追跡コードが埋め込まれている。
【0093】
そして、複合機2のスキャナ部22で原稿を読み取らせる。スキャナ部22は、隠匿領域F1を含む原稿の画像データを出力する。この画像データに基づき、主制御部20が隠匿領域F1に埋め込まれた追跡コードを認識する。この認識処理は、主制御部20のCPU201が行ってもよいし、画像処理部202が行ってもよい。
【0094】
複合機2の主制御部20は、追跡コードに対応する上書き前画像データを記憶部27から読み出し、図8の右側に示すように、再現出力(印刷)を行わせる。言い換えると、隠匿領域F1は、上書き前の状態で印刷される。
【0095】
このとき、図8右側上段に示すように、上書き前画像データのみを印刷してもよい。又、図8右側下段に示すように、スキャナ部22で読み取った画像データのうち、隠匿領域F1部分を上書き前画像データに置き換えた画像が印刷されてもよい。図8右側下段に示す印刷物は、上書き前の印刷物全体をほぼ再現したものとなる。尚、上書き前画像データのみを印刷するか、あるいは、上書き前の印刷物全体をほぼ再現するかは、予め操作パネル21で設定される。
【0096】
尚、上書き前の印刷物全体をほぼ再現するうえで必要な隠匿領域F1の認定手順の一例を説明しておく。まず、隠匿領域F1を含む原稿をスキャナ部22が読み取る。これにより、隠匿領域F1を含む原稿の画像データが得られる。主制御部20(例えば、画像処理部202)が、この隠匿領域F1を含む原稿の画像データに対し、隠匿領域F1を特定する処理を行う。例えば、上書き印刷のとき、隠匿領域F1の4隅部分に、隠匿領域F1の境界を示す印(例えば、特定色の記号や特定のドットのパターン)を形成しておき、主制御部20は、隠匿領域F1を含む原稿の画像データのうちの印を特定して隠匿領域F1を認定してもよい。あるいは、複合機2の記憶部27に読取上書ユニット1の上書き画像の画像データを記憶させておく。この上書き画像の画像データに基づき、主制御部20が、パターンマッチングを行い、隠匿領域F1を認定してもよい。尚、隠匿領域F1の認定における手法は、上記のものに限られず、画像データ中の隠匿領域F1を特定できればよい。
【0097】
次に、図9を用いて、再現モードでの画像データの流れを説明する。まず、複合機2のスキャナ部22は、原稿台に載置され、読取上書ユニット1により上書きされた領域(隠匿領域F1)を含む原稿を読み取る。読み取りで得られた原稿の画像データは、主制御部20に送られる。主制御部20のCPU201や画像処理部202は、追跡コードを認識し、隠匿領域F1の範囲を認定をする。
【0098】
主制御部20は、認識した追跡コードに基づき、上書き前画像データを記憶部27から読み出す。そして、上書き前画像データや、隠匿領域F1を上書き前画像データに置き換えた原稿全体の画像データが、画像形成部25に送信される。そして、画像形成部25は、予めなされた設定にあわせ、上書き前画像データや、隠匿領域F1を上書き前画像データに置き換えた原稿全体の画像データに基づき、トナー像を形成し、隠匿された情報を再現する。
【0099】
(隠匿領域F1の再現処理の流れ)
次に、図10を用いて、本発明の第1の実施形態に係る隠匿領域F1の再現処理の流れの一例を説明する。図10は、本発明の第1の実施形態に係る隠匿領域F1の再現の処理の流れの一例を示すフローチャートである。尚、本フローチャートでは、隠匿領域F1を上書き前画像データに置き換え、上書き前の印刷物全体をほぼ再現する例を説明する。
【0100】
図10のスタートは、隠匿領域F1(上書きされた領域)を含む原稿が複合機2にセットされた時点である。例えば、このとき、操作パネル21を操作し、複合機2のモードが隠匿領域F1を再現するモードにセットされる。
【0101】
そして、主制御部20は、スキャナ部22を動作させ、隠匿領域F1(上書きされた領域)を含む原稿の読み取りを行う(ステップ♯31)。そして、スキャナ部22が、読み取りにより、隠匿領域F1を含む原稿の1ページ分の画像データを生成する(ステップ♯32)。そして、主制御部20(CPU201や画像処理部202)は、隠匿領域F1の範囲を認定する(ステップ♯33)。又、主制御部20は、認定した隠匿領域F1の画像データから、隠匿領域F1に埋め込まれた追跡コードを認識する(ステップ♯34)。
【0102】
次に、主制御部20は、追跡コードに対応する上書き前画像データを記憶部27から読み出す(ステップ♯35)。そして、主制御部20(CPU201や画像処理部202)は、画像データのうちの隠匿領域F1の画像データを読み出された上書き前画像データに置き換える合成処理を行って、上書き前の原稿を再現した画像データを生成する(ステップ♯36)。
【0103】
主制御部20は、上書き前画像データを利用した画像データに基づき、画像形成(印刷)を行わせる(ステップ♯37)。具体的には、主制御部20は、給紙部23、搬送路24に用紙の給紙、搬送を行わせつつ、画像形成部25に生成した画像データに基づきトナー像を形成させ、定着部26にトナー像を用紙に定着させる。尚、上書き前の印刷物全体を再現するのではなく、隠匿部分のみ再現する設定が操作パネル21に予めなされていれば、主制御部20は、ステップ♯36をスキップし、上書き前画像データに基づき、画像形成を行わせればよい。そして、印刷が完了し、隠匿領域F1の再現がなされる(エンド)。
【0104】
即ち、画像出力部12は、上書き前画像データを特定し、呼び出すための追跡コードを含めて読取領域の上書きを行って隠匿領域F1を生成し、画像形成装置(複合機2)は、原稿を読み取るスキャナ部22と、スキャナ部22で隠匿領域F1を含む原稿を読み取って得られた画像データを解析し、追跡コードを認識する追跡コード認識部(主制御部20)を備え、画像形成部25は、認識された追跡コードに対応する上書き前画像データに基づく画像を形成する。より具体的には、画像形成装置(複合機2)は、スキャナ部22で隠匿領域F1を含む原稿を読み取って得られた画像データのうち、隠匿領域F1を、追跡コードに対応する上書き後画像データに置き換えて、上書きを行う前の状態の原稿を再現する画像データである再現画像データを生成する処理を行う画像処理部202を有し、画像形成部25は、再現画像データに基づく画像を形成する。
【0105】
又、画像入出力システム3は、印刷物中の領域を読み取り、読取領域の上書き前の画像データである上書き前画像データを生成する画像読取部11と、読み取りが行われた後の読取領域に対し、隠匿用の画像を出力して上書きを行って隠匿領域F1を生成する画像出力部12と、上書き前の画像データを出力するインターフェイス部を含む読取上書ユニット1と、読取上書ユニット1から上書き前画像データを受信する通信部28と、通信部28が受信した上書き前画像データを記憶する記憶部27と、上書き前画像データに基づき画像を形成する画像形成部25を含む画像形成装置(複合機2)と、を含む。
【0106】
このようにして、本実施形態によれば、画像出力部12は、読取領域に対し、隠匿用の画像を出力して上書きを行う。これにより、秘匿したい部分を読取上書ユニット1でなぞれば、上書きにより情報の隠匿がなされる。又、画像読取部11は、上書き前の読取領域の画像データを生成する。そして、生成された画像データは、インターフェイス部から出力され画像形成装置(複合機2)が蓄える。これにより、上書き前画像データに基づき、画像形成部25が画像を形成して、隠匿部分を的確に再現(再利用)することができる。
【0107】
又、追跡コード認識部(主制御部20)は、隠匿領域F1に印刷された(埋め込まれた)追跡コードを認識する。これにより、複数種の上書き前画像データが存在していても、追跡コードを用いて、特定の上書き前画像データを容易に呼び出し、印刷により再現することができる。又、画像形成部25は、再現画像データに基づく画像を形成する。これにより、上書きする前の状態の原稿と同様の印刷物が得られる。従って、ほぼ完全な形で、原稿を再現することができる。
【0108】
又、画像出力部12は、画像読取部11の読み取りに基づき得られた上書き前画像データに応じ、上書きのときに出力する画像を変化させる。これにより、画像に合わせて、隠匿効果が高い画像を上書きすることができる。画像出力部12は、上書き前画像データの画像データがカラーであるとき、黒色以外の色も用いた上書き画像を印字し、上書き前画像データがモノクロであるとき、黒色の上書き画像を印字する。これにより、隠匿領域F1の色に合わせて、上書きを行うことができる。例えば、隠匿領域F1がモノクロ(白黒灰)であるとき、黒色を用いて、効果的に隠匿がなされる。又、上書き前画像データの画像データがカラーであるとき、黒色以外の色も用いて、効果的に隠匿がなされる。又、画像出力部12は、上書き前画像データが文字を含むとき、文字、又は、文字を模した模様の上書き画像を印字する。これにより、文字に文字を重ねることにより、隠匿する部分に何が記載されているか分かりづらくすることができる。
【0109】
又、平面と用紙の間隔を一定に保ち、回転する複数のコロ13aが設けられ、コロ13aは、ワンウェイクラッチ13cを備える。これにより、読み取りや上書きのための画像出力(印刷出力)が用紙に対して安定して行われる。又、読み取りや画像出力の方向が一定とされるので、同じ画像の読み取りや、再利用できない画像データが生成されることや、読み取り領域の全域の上書きが終了する前の上書き終了を防ぐことができる。
【0110】
(第2の実施形態)
次に、図11に基づき、本発明の第2の実施形態に係る画像入出力システム3の一例を説明する。図11は、本発明の第2の実施形態に係る画像入出力システム3の一例を示すブロック図である。
【0111】
第1の実施形態では、読取上書ユニット1と、上書き前画像データを蓄積する複合機2で画像入出力システム3を構成する例を説明した。第2の実施形態では、情報処理装置6を用いて画像入出力システム3を構成する例を説明する。
【0112】
尚、第2の実施形態の画像入出力システム3における読取上書ユニット1や複合機2は、第1の実施形態と同様でよい。そこで、第1の実施形態と第2の実施形態で共通する部分は、特に説明する場合を除き、第1の実施形態における記載を援用するものとして、図示、説明を省略する。尚、図11では、複合機2は簡略化して図示している。
【0113】
まず、画像入出力システム3での情報処理装置6を説明する。尚、複合機2に対し、複数台の情報処理装置6を接続可能であるが、便宜上、図3では情報処理装置6を一台のみ示す。情報処理装置6は、例えば、パーソナルコンピュータやサーバや携帯情報通信端末である。
【0114】
情報処理装置6は、内部に、情報処理装置6でのデータ処理や、制御を行う処理部60を有する。処理部60は、例えば、CPUや各種チップを搭載した基板からなる。記憶部61は、例えば、HDDやROMやRAMからなり、例えば、情報処理装置6の制御プログラムや複合機2用のドライバソフトウェアを記憶する。入力装置62は、例えば、キーボードやマウスであり、情報処理装置6に対する入力インターフェイスである。ディスプレイ63は、各種画面を表示し、例えば、ドライバソフトウェアを起動させた場合、複合機2での印刷設定に関する画面を表示する。データ通信部64は、他の情報処理装置6や複合機2やネットワークに接続するためのインターフェイスであり、通信用チップや、コネクタ等を含む。
【0115】
そして、情報処理装置6のデータ通信部28は、読取上書ユニット1と通信可能に接続される。読取上書ユニット1がI/F部16から出力した上書き前画像データを受信し、記憶部61は、上書き前画像データを記憶できる。更に、情報処理装置6は、ネットワークやケーブル等により、複合機2を通信可能に接続できる。従って、記憶部61に蓄積された上書き前画像データを複合機2に転送や送信を行うことができる。
【0116】
第2の実施形態の画像入出力システム3では、情報処理装置6は、上書き前画像データを蓄える記憶装置として、読取上書ユニット1と複合機2間に設けられる。具体的に、情報処理装置6は、上書き印刷を行うとき、読取領域の画像データ(上書き前画像データ)を読取上書ユニット1から受信する。更に、隠匿領域F1を再現するとき、複合機2は、追跡コードに対応する上書き前画像データの送信を情報処理装置6に要求し、これを受け、情報処理装置6は、複合機2に上書き前画像データを送信する。即ち、本実施形態の画像入出力システム3は、読取上書ユニット1と、画像形成装置(複合機2)と相互に通信可能に接続され、上書き前画像データを蓄積するための記憶装置(情報処理装置6)を含む。
【0117】
このようにして、本実施形態によれば、画像入出力システム3は、上書き前画像データを記憶する記憶装置(情報処理装置6)を有する。これにより、後の再利用のため、画像形成装置(複合機2)以外にも、上書き前画像データを蓄積することができる。
【0118】
(第3の実施形態)
次に、図12に基づき、本発明の第3の実施形態に係る読取上書ユニット1の一例を説明する。図12は、本発明の第3の実施形態に係る読取上書ユニット1での処理の流れの一例を示すブロック図である。
【0119】
第1、第2の実施形態に示した画像入出力システム3では、複合機2を用いて隠匿領域F1の再現印刷を行う例を説明した。本実施形態では、読取上書ユニット1で隠匿領域F1の再現印刷を行う例を説明する。言い換えると、読取上書ユニット1で追跡コードを認定し、読取上書ユニット1の画像出力部12を用いて、隠匿領域F1の再現印刷を行う例を説明する。
【0120】
具体的に、本実施形態では、画像読取部11が追跡コードが埋め込まれた隠匿領域F1を読み取り、追跡コードに対応する上書き前画像データを画像出力部12から出力する再現印刷を行う。再現印刷における一連の動作は、上書きを行うときと異なるので、読取上書ユニット1の操作部18に、上書きモードと再現モードを選択するためのモード選択スイッチ183が設けられてもよい。又、読取上書ユニット1で上書きでない印刷が行われるので、図12に示すように、印刷開始ボタン184が操作部18に設けられてもよい。
【0121】
再現モードのとき、読取上書ユニット1は、まず、隠匿領域F1の読み取りを行う。使用者は、隠匿領域F1が読み取り範囲に含まれるように、読取上書ユニット1をセットする。そして、制御部10は、読取開始ボタン181が押されてから、読取終了ボタン182が押されるまで、画像読取部11に読み取りを行わせる。
【0122】
図12に示すように、画像読取部11により生成された隠匿領域F1の画像データは、画像メモリ15に蓄積される。そして、例えば、制御部10や画像処理部14が、隠匿領域F1の画像データに基づき、追跡コードを認識する。これにより、制御部10は、追跡コードに対応する上書き前画像データを認識する。
【0123】
上書き前画像データが、I/F部16から出力され、複合機2や情報処理装置6に蓄積されるのであれば、制御部10は、追跡コードに対応する上書き前画像データの送信要求を複合機2や情報処理装置6に送信する。これにより、制御部10は、上書き前画像データを複合機2や情報処理装置6から受け取る。
【0124】
上書き前画像データが、読取上書ユニット1内の記憶部17に蓄積されるのであれば、制御部10は、例えば、記憶部17にアクセスして、追跡コードに対応する上書き前画像データの存在を確認する。
【0125】
上書き前画像データが用意できると、制御部10は、図12に示すように、画像出力部12に、上書き前画像データを与える。そして、制御部10は、コロ13aを回転させつつ、ラインヘッド121からインクを吐出させ、上書き前画像データに基づく印刷を行わせる。例えば、制御部10は、印刷開始ボタン184が押されたことをトリガとして、コロ13aの回転や画像出力部12の印刷を開始させる。
【0126】
即ち、本実施形態の読取上書ユニット1は、印刷物中の領域を読み取り、読取領域の上書き前の画像データである上書き前画像データを生成する画像読取部11と、読み取りが行われた後の読取領域に対し、隠匿用の画像を出力して上書きを行って隠匿領域F1を生成する画像出力部12と、上書き前画像データを出力するインターフェイス部とを含む。又、読取上書ユニット1は、画像出力部12は、上書き前画像データを特定し、呼び出すための追跡コードを含めて読取領域の上書きを行い、画像読取部11が追跡コードを読み取ったとき、画像出力部12は、追跡コードに対応する上書き前画像データに基づき印刷を行う。
【0127】
このようにして、本実施形態の読取上書ユニット1によれば、画像出力部12は、読取領域に対し、隠匿用画像を出力して上書きを行い、インターフェイス部は、上書き前の読取領域の画像データである上書き前画像データを出力する。これにより、秘匿したい部分を読取上書ユニット1でなぞれば、上書きにより情報の隠匿がなされる。又、画像読取部11による上書き前の画像データが生成され、出力される。従って、上書きによる隠匿前の画像データに基づき、隠匿部分の再現(再利用)が可能となる。
【0128】
又、画像出力部12は、上書き前画像データを特定し、呼び出すための追跡コードを含めて読取領域の上書きを行い、インターフェイス部は、追跡コードに対応した上書き前画像データを記憶装置(情報処理装置6)に出力する。これにより、複数種の上書き前画像データが存在していても、追跡コードを用いて、特定の上書き前画像データを容易に呼び出すことができる。
【0129】
本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0130】
本発明は、読取上書ユニットや、画像形成装置を含む画像入出力システムに利用可能である。
【符号の説明】
【0131】
1 読取上書ユニット 11 画像読取部
12 画像出力部 13a コロ
13c ワンウェイクラッチ 16 I/F部(インターフェイス部)
2 複合機(画像形成装置) 20 主制御部(追跡コード認識部)
202 画像処理部 22 スキャナ部
25 画像形成部 27 記憶部
28 通信部 3 画像入出力システム
6 情報処理装置(記憶装置) F1 隠匿領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像の読み取りや印刷(画像出力)を行う画像入出力システム、及び、画像入出力システムで用いられる読取上書ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷物には、機密情報や個人情報など、他人に知られたくない情報が含まれる場合がある。情報漏洩を防ぐため、画像データ中、秘密にすべき情報を含む部分を、他種のデータに置き換えた上で印刷し、情報を隠匿することがある。又、印刷物中で秘密にすべき情報を含む部分に上書きを施して、情報の隠匿を図る場合もある。
【0003】
特許文献1には、データの一部をバーコードデータに置き換える処理方法や、データ処理装置などが記載されている。例えば、特許文献1には、(a)ソース文書から少なくとも一つの領域を選択するステップ、(b)ソース文書の中の少なくとも一つの領域を表すデータを処理して、少なくとも一組のバーコードデータを生成するステップ、(c)ソース文書の中の少なくとも一つの領域を表すデータを少なくとも一組のバーコードデータに置き換えて、処理された文書を生成するステップと、を備える文書処理方法が記載されている。この構成により、選択された一つ以上の領域は少なくとも一つのバーコードに置き換えられ、領域の中の情報は人間の観察者には視覚的に認識することはできない(隠匿できる)。又、文書の所定の受け手または読み手はデコーダーを使ってバーコードをデコードし、選択された一つ以上の領域を元の形式で文書を表示しようとする(特許文献1:請求項1、段落[0010]等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−251929号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、プライバシー保護や情報セキュリティ強化の観点から、印刷物のうち、個人情報や機密情報が記された隠匿すべき領域(部分)に対して、上書きを行うことがある。例えば、はがきの宛名が簡単に見えないようにするためのスタンプが市販されている。
【0006】
しかし、スタンプを用いるなどして、上書きを行うと、隠匿領域(スタンプを押した部分)には、何が書かれていたか分からなくなる。言い換えると、隠匿領域の内容は再現不能になるという問題がある。尚、上書き前の画像の色などにより、スタンプを押しても、情報を隠匿しきれないという問題も生じ得る。
【0007】
ここで、特許文献1記載の発明は、隠匿部分をバーコードに置き換える(上書きはしない)。そのため、当初から隠匿部分の内容を確認できないという問題がある。又、特許文献1には、バーコードから解読される情報に基づき、隠匿領域に含まれる情報を印刷し再現できる旨が記載されている。しかし、バーコードに格納できるデータ量は限度がある。従って、バーコードを解読しても、隠匿領域の全内容を再現できないという問題もある。例えば、隠匿領域が高解像度画像や、カラー画像の場合、バーコードでは、隠匿領域に含まれる情報のうち、一部の情報しか再現できない。
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑み、上書きにより情報を確実に隠匿するとともに、読み取っておき、蓄積しておいた上書き前の画像データに基づき、隠匿した部分を確実、的確に再現することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題解決のため請求項1に係る画像入出力システムは、印刷物中の領域を読み取り、読取領域の上書き前の画像データである上書き前画像データを生成する画像読取部と、読み取りが行われた後の前記読取領域に対し、隠匿用の画像を出力して上書きを行って隠匿領域とする画像出力部と、前記上書き前画像データを出力するインターフェイス部を含む読取上書ユニットと、前記読取上書ユニットから前記上書き前画像データを受信する通信部と、前記通信部が受信した前記上書き前画像データを記憶する記憶部と、前記上書き前画像データに基づき画像を形成する画像形成部を含む画像形成装置と、を含む。
【0010】
この構成によれば、画像出力部は、読取領域に対し、隠匿用の画像を出力して上書きを行う。これにより、秘匿したい部分を読取上書ユニットでなぞれば、上書きにより情報の隠匿がなされる。又、画像読取部は、上書き前の読取領域の画像データを生成する。そして、生成された画像データは、インターフェイス部から出力され画像形成装置が蓄える。これにより、上書き前画像データに基づき、画像形成部が画像を形成して、隠匿部分を的確に再現(再利用)することができる。
【0011】
又、請求項2に係る発明は、請求項1の発明において、前記画像出力部は、前記上書き前画像データを特定し、呼び出すための追跡コードを含めて前記読取領域の上書きを行って隠匿領域を生成し、前記画像形成装置は、原稿を読み取るスキャナ部と、前記スキャナ部で前記隠匿領域を含む原稿を読み取って得られた画像データを解析し、追跡コードを認識する追跡コード認識部を備え、前記画像形成部は、認識された追跡コードに対応する前記上書き前画像データに基づく画像を形成することとした。
【0012】
この構成によれば、追跡コード認識部は、隠匿領域に印刷された(埋め込まれた)追跡コードを認識する。これにより、複数種の上書き前画像データが存在していても、追跡コードを用いて、特定の上書き前画像データを容易に呼び出し、印刷により再現することができる。
【0013】
又、請求項3に係る発明は、請求項2の発明において、前記画像形成装置は、前記スキャナ部で前記隠匿領域を含む原稿を読み取って得られた画像データのうち、前記隠匿領域を、前記追跡コードに対応する前記上書き後画像データに置き換えて、上書きを行う前の状態の原稿を再現する画像データである再現画像データを生成する処理を行う画像処理部を有し、前記画像形成部は、前記再現画像データに基づく画像を形成することとした。
【0014】
この構成によれば、画像形成部は、再現画像データに基づく画像を形成する。これにより、上書きする前の状態の原稿と同様の印刷物が得られる。従って、ほぼ完全な形で、原稿を再現することができる。
【0015】
又、請求項4に係る発明は、請求項1乃至3の発明において、前記画像出力部は、前記画像読取部の読み取りに基づき得られた前記上書き前画像データに応じ、上書きのときに出力する画像を変化させることとした。
【0016】
この構成によれば、画像出力部は、画像読取部の読み取りに基づき得られた上書き前画像データに応じ、上書きのときに出力する画像を変化させる。これにより、画像に合わせて、隠匿効果が高い画像を上書きすることができる。
【0017】
又、請求項5に係る発明は、請求項4の発明において、前記画像出力部は、前記上書き前画像データの画像データがカラーであるとき、黒色以外の色も用いた上書き画像を印字し、前記上書き前画像データがモノクロであるとき、黒色の上書き画像を印字することとした。
【0018】
この構成によれば、画像出力部は、上書き前画像データがモノクロであるとき、黒色の上書き画像を印字し、上書き前画像データの画像データがカラーであるとき、黒色以外の色も用いた上書き画像を印字する。これにより、隠匿領域の色に合わせて、上書きを行うことができる。例えば、隠匿領域がモノクロ(白黒灰)であるとき、黒色を用いて、効果的に隠匿がなされる。又、上書き前画像データの画像データがカラーであるとき、黒色以外の色も用いて、効果的に隠匿がなされる。
【0019】
又、請求項6に係る発明は、請求項4又は5の発明において、前記画像出力部は、前記上書き前画像データが文字を含むとき、文字、又は、文字を模した模様の上書き画像を印字することとした。
【0020】
この構成によれば、画像出力部は、上書き前画像データが文字を含むとき、文字、又は、文字を模した模様の上書き画像を印字する。これにより、文字に文字を重ねることにより、隠匿する部分に何が記載されているか分かりづらくすることができる。
【0021】
又、請求項7に係る発明は、請求項1乃至6の発明において、前記画像読取部と前記画像出力部は、同じ平面内に設けられ、前記平面と原稿の間隔を一定に保ち、回転する複数のコロが設けられ、前記コロは、ワンウェイクラッチを備えることとした。
【0022】
この構成によれば、平面と用紙の間隔を一定に保ち、回転する複数のコロが設けられ、コロは、ワンウェイクラッチを備える。これにより、読み取りや上書きのための画像出力(印刷出力)が用紙に対して安定して行われる。又、読み取りや画像出力の方向が一定とされるので、同じ画像の読み取りや、再利用できない画像データが生成されることや、読み取り領域の全域の上書きが終了する前の上書き終了を防ぐことができる。
【0023】
又、請求項8に係る発明は、請求項1乃至7の発明において、前記読取上書ユニットと、前記画像形成装置と相互に通信可能に接続され、前記上書き前画像データを蓄積するための記憶装置を含むこととした。
【0024】
この構成によれば、画像入出力システムは、上書き前画像データを記憶する記憶装置を有する。これにより、後の再利用のため、画像形成装置以外にも、上書き前画像データを蓄積することができる。
【0025】
又、請求項9に係る読取上書ユニットは、印刷物中の領域を読み取り、読取領域の上書き前の画像データである上書き前画像データを生成する画像読取部と、読み取りが行われた後の前記読取領域に対し、隠匿用の画像を出力して上書きを行って隠匿領域とする画像出力部と、前記上書き前画像データを出力するインターフェイス部とを含むこととした。
【0026】
この構成によれば、画像出力部は、読取領域に対し、隠匿用画像を出力して上書きを行い、インターフェイス部は、上書き前の読取領域の画像データである上書き前画像データを出力する。これにより、秘匿したい部分を読取上書ユニットでなぞれば、上書きにより情報の隠匿がなされる。又、画像読取部による上書き前の画像データが生成され、出力される。従って、上書きによる隠匿前の画像データに基づき、隠匿部分の再現(再利用)が可能となる。
【0027】
又、請求項10に係る発明は、請求項9の発明において、前記画像出力部は、前記上書き前画像データを特定し、呼び出すための追跡コードを含めて前記読取領域の上書きを行い、前記画像読取部が前記追跡コードを読み取ったとき、前記画像出力部は、前記追跡コードに対応する前記上書き前画像データに基づき印刷を行うこととした。
【0028】
この構成によれば、画像出力部は、上書き前画像データを特定し、呼び出すための追跡コードを含めて読取領域の上書きを行い、インターフェイス部は、追跡コードに対応した上書き前画像データを記憶装置に出力する。これにより、複数種の上書き前画像データが存在していても、追跡コードを用いて、特定の上書き前画像データを容易に呼び出すことができる。
【発明の効果】
【0029】
上述したように、読取上書ユニットにより、情報を確実に隠匿することができる。又、読み取り、蓄積しておいた上書き前画像データに基づき、隠匿した部分を確実、的確に再現可能な画像入出力システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】第1の実施形態に係る読取上書ユニットの一例を示す模式図であり、(a)は底面図、(b)は側面図、(c)は正面図である。
【図2】第1の実施形態に係る画像入出力システムの一例を示すブロック図である。
【図3】第1の実施形態に係る上書き印刷の一例を説明するための説明図である。
【図4】第1の実施形態に係る読取上書ユニットが上書きで出力する画像の一例を示す説明図である。
【図5】第1の実施形態に係る読取上書ユニットでの処理の流れの一例を示すブロック図である。
【図6】第1の実施形態に係る読取上書ユニットの原稿読取処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図7】第1の実施形態に係る読取上書ユニットの上書き画像印刷の流れの一例を示すフローチャートである。
【図8】第1の実施形態の画像入出力システムの概要を説明するための説明図である。
【図9】第1の実施形態に係る画像入出力システムの処理の流れの一例を示すブロック図である。
【図10】第1の実施形態に係る隠匿領域の再現の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図11】第2の実施形態に係る画像入出力システムの一例を示すブロック図である。
【図12】第3の実施形態に係る読取上書ユニットでの処理の流れの一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の実施形態を図1〜図12を用いて説明する。以下では、読取上書ユニット1と、複合機2(画像形成装置に相当)を組み合わせた画像入出力システム3を例に挙げ説明する。まず、図1〜図10を用い、第1の実施形態を説明する。但し、本実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定せず単なる説明例にすぎない。
【0032】
(読取上書ユニット1の概要)
まず、図1を用い、本発明の第1の実施形態に係る読取上書ユニット1の一例を説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る読取上書ユニット1の一例を示す模式図であり、(a)は底面図、(b)は側面図、(c)は正面図である。
【0033】
まず、本実施形態の読取上書ユニット1は、画像の読み取りと、上書き印刷を一台で行うユニットである(スキャン・オーバライト)。
【0034】
図1(a)に示すように、読取上書ユニット1の底面には、画像読取部11と、画像出力部12の一部としてのライン型のインクジェットノズルヘッド(ラインヘッド121)が設けられる。読取上書ユニット1の底面と原稿を対向させ、読取上書ユニット1を移動させることで、画像読取部11により、原稿の読み取りがなされ、ラインヘッド121により、上書き画像の印刷がなされる。尚、読み取りや、印刷での進行方向の一例を実線矢印で示す。
【0035】
図1(b)に示すように、底面近傍であって、読取上書ユニット1の左右側面のそれぞれにコロ13aが設けられる。そして、同じ側面に設けられる2つのコロ13aには、ベルト13bがかけ回される。コロ13aは、画像読取部11が先、ラインヘッド121が後となる一定方向にのみ回転するようにワンウェイクラッチ13cが内蔵される。即ち、画像読取部11と画像出力部12は、同じ平面内に設けられ、平面と原稿の間隔を一定に保ち、回転する複数のコロ13aが設けられ、コロ13aは、ワンウェイクラッチ13cを備える。
【0036】
ベルト13bにより原稿が押さえられる。そして、ベルト13bとコロ13aにより、画像読取部11やラインヘッド121と、原稿の距離が一定で保たれる。そして、読取上書ユニット1の底面と原稿を対向させ、原稿を押さえつつ移動させる(なぞる)ことにより、原稿中の任意の部分の読み取りと、読取領域の上書きを行うことができる。尚、図1(a)、(c)に示すように、画像読取部11やラインヘッド121の長さは、例えば、ほぼ同様であり、読み取りや上書きでの最大幅は、画像読取部11やラインヘッド121の長さに依存する。
【0037】
(画像入出力システム3の概要)
次に、図2に基づき、本発明の第1の実施形態に係る画像入出力システム3を説明する。図2は本発明の第1の実施形態に係る画像入出力システム3の一例を示すブロック図である。
【0038】
図2に示すように、本実施形態の画像入出力システム3は、複合機2(画像形成装置に相当)と、読取上書ユニット1を含む。まず、複合機2を説明する。
【0039】
[複合機2]
複合機2本体には、操作パネル21、スキャナ部22、給紙部23、搬送路24、画像形成部25、定着部26等が設けられる。
【0040】
まず、操作パネル21は、例えば、複合機2の正面上方に設けられる。そして、操作パネル21は、複合機2の状態や各種メッセージを表示し、機能の選択、設定などを行うためのキーを1又は複数有し、設定入力を受け付ける。
【0041】
スキャナ部22は、原稿を読み取り、原稿の画像データを形成する。スキャナ部22に対して最上部に、例えば、原稿を押さえる原稿カバーが設けられる。又、スキャナ部22内には露光ランプ、ミラー、レンズ、イメージセンサ(例えば、CCD)等の光学系部材(不図示)が設けられる。スキャナ部22は、原稿台に載置され原稿の読み取りを行う。
【0042】
そして、スキャナ部22は、これらの光学系部材を用い、原稿台に載置される原稿に光を照射し、その原稿の反射光を受けたイメージセンサの各画素の出力値をA/D変換し、画像データを生成する。複合機2は、例えば、読み取りにより得られた画像データに基づき印刷を行うことができる(コピー機能)。
【0043】
給紙部23は、複数の用紙(例えば、コピー用紙、普通紙、再生紙、厚紙、OHPシート等の各種シート)を収容し、印刷のとき、1枚ずつ搬送路24に送り込む。搬送路24は、給紙部23から供給された用紙を搬送する。
【0044】
画像形成部25は、画像データに基づきトナー像を形成し、搬送される用紙にトナー像を転写する。例えば、複合機2の画像形成部25は、感光体ドラム、及び、感光体ドラムの周囲に配設された帯電装置、露光装置、現像装置、転写ローラ、清掃装置等を備える。これらの部材を用い、画像形成部25は、画像データ(例えば、スキャナ部22で得られた画像データや、ネットワーク等により接続される外部のPC4や相手方FAX装置5(図2参照)から送信された画像データ等)に基づき、トナー像を形成し用紙に転写する。
【0045】
定着部26は、用紙に転写されたトナー像を定着させる。定着部26は、例えば、発熱体を内蔵する加熱ローラや加圧ローラを含む。加圧しつつ、用紙表面のトナーを溶融・加熱して、トナー像を用紙に定着させる。トナー定着後の用紙は、機外に排出される。尚、本実施形態の複合機2は、トナー像を形成する例を説明したが、インクジェット式の画像形成部25であってもよい
【0046】
そして、複合機2内には、主制御部20(追跡コード認識部に相当)が設けられる。主制御部20は、複合機2の動作を制御する。主制御部20は、操作パネル21、スキャナ部22、給紙部23、搬送路24、画像形成部25、定着部26等の各部とバスや信号線等で接続され、各部、各装置を制御して複合機2の動作を制御する。
【0047】
そして、主制御部20はCPU201、画像処理部202等を含む。尚、主制御部20は、全体制御や画像処理を行う本体制御部や、画像形成や各種回転体を回転させるモータ等のON/OFF等を制御するエンジン制御部等、機能ごとに分割された形態で設けられてもよい。本説明では、これらの制御部を主制御部20としてまとめた形態を説明する。
【0048】
CPU201は、中央演算処理装置であって、記憶部27に格納され、展開されるプログラムやデータに基づき複合機2の各部を制御する。画像処理部202は、印刷を行う画像データや、外部のPC4や相手方のFAX装置5に送信される画像データに対し、各種画像処理を施す。
【0049】
記憶部27は、例えば、ROM、RAM、HDDを含み、不揮発性と揮発性の記憶用の装置を組み合わせて構成される。そして、記憶部27は、複合機2の制御用等の各種のプログラムやデータ、設定データ、画像データ等の各種データを記憶する。
【0050】
更に、主制御部20は、各種コネクタ、ソケット、通信制御用のチップ等を備えた通信部28と接続される。通信部28は、ネットワークや公衆回線等により、PC4や、相手方FAX装置5と通信可能に接続される。例えば、画像データを含むデータを外部のPC4や相手方FAX装置5(インターネットFAXでもよい)に送信することができる(スキャナ機能、FAX機能)。PC4や相手方FAX装置5からの画像データに基づき印刷を行うこともできる(プリンタ機能、FAX機能)。
【0051】
特に、本発明に関し、通信部28は、読取上書ユニット1から出力された読取領域の画像データ(上書き前画像データ)を受信する。そして、例えば、主制御部20は、複合機2の記憶部27に上書き前画像データを記憶させる。
【0052】
[読取上書ユニット1]
次に、図2を用いて、読取上書ユニット1のハードウェアの一例を説明する。図2に示すように、読取上書ユニット1は、制御部10、画像読取部11、画像処理部14、画像メモリ15、I/F部16、記憶部17、画像出力部12、操作部18、駆動モータM1などを含む。
【0053】
制御部10は、CPUやマイコン、制御用チップ等を含み、読取上書ユニット1に含まれる各部材の動作を制御する
【0054】
画像読取部11は、読取上書ユニット1の下面に設けられ、原稿に光を照射するランプ110やライン型のイメージセンサ111やA/D変換器112を含む。例えば、画像読取部11は、CIS方式のスキャナである。画像読取部11のイメージセンサ111は、原稿をなぞる方向への1ラインずつの読み取りの繰り返しにより、原稿からの反射光のレベルに応じて、画素ごとにアナログ信号を出力する。A/D変換器112は、イメージセンサ111から出力される各画素のアナログ信号をディジタルデータに変換する。尚、本実施形態の画像読取部11は、カラーによる読み取りを行える。
【0055】
画像処理部14は、画像読取部11が出力した画像データに対し、複合機2に送信する上で必要な画像処理など、画像データに関して各種の処理を行う。画像メモリ15は、画像読取部11が出力した画像データや、画像処理部14が処理した画像データを一時的に蓄え、展開するためのメモリである。I/F部16は、複合機2に画像データを送信するためのインターフェイスである。
【0056】
画像出力部12は、複数のノズルを有し、画像データに合わせてインクを吐出するラインヘッド121、画像データに合わせて、各ノズルでのインク吐出を制御するコントローラ120、ラインヘッド121にインクを供給するインクタンク122などを備える。
【0057】
本実施形態では、ラインヘッド121内には、黒色のもののほか、シアン、マゼンタ、イエローといったカラーのものも含まれる。言い換えると、ラインヘッド121は複数色のインクを吐出し、画像出力部12は、カラー印刷対応である。そして、コントローラ120は、画像データに合わせ、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローのラインヘッド121からのインク吐出をコントロールする。又、インクタンク122も各色の補給用インクを内蔵する。
【0058】
記憶部17は、不揮発性のメモリを含む。記憶部17は、例えば、画像出力部12が読取領域の上書きを行い、隠匿領域F1を生成するうえでの複数種の上書き画像の画像データを記憶する。コントローラ120は、上書き画像の画像データに基づき、インクを吐出させ、上書きを行わせる。尚、記憶部17には、画像読取部11が読み取り、画像処理部14が処理した画像データを記憶してもよい。
【0059】
操作部18は、読取上書ユニット1の動作を操作するためのボタンやスイッチが設けられる。例えば、読取上書ユニット1には、原稿内の一部の領域を読み取り、読取済みの領域を上書きする。そこで、例えば、操作部18には、読取開始のトリガとしての読取開始ボタン181や、原稿読取の終了を指示するための読取終了ボタン182や、動作状態を知らせるためのインジケータなどを設けてもよい。
【0060】
駆動モータM1は、コロ13aを一定の速度で回転させるモータである。制御部10は、駆動モータM1を動作させ、コロ13aを回転させる。これにより、仕様上、好ましい一定の速度で、原稿をスキャンすることができる。尚、駆動モータM1を設けずとも、手押しにより、原稿読取や上書きを行える。
【0061】
(読み取りと上書き印刷)
次に、図3〜図5に基づき、本発明の実施形態に係る読取上書ユニット1を用いた読み取りと上書き印刷の概要を説明する。図3は、本発明の第1の実施形態に係る上書き印刷の一例を説明するための説明図である。図4は、本発明の第1の実施形態に係る読取上書ユニット1が上書きで出力する画像の一例を示す説明図である。図5は、本発明の第1の実施形態に係る読取上書ユニット1での処理の流れの一例を示すブロック図である。
【0062】
まず、図3を用いて、本実施形態の読取上書ユニット1による上書き印刷の概要を説明する。読取上書ユニット1は、隠匿したい情報が記された部分を読み取り、後日の再現のため読取領域の画像データを生成、出力するとともに、読取済みの領域に対し画像出力部12を用いて上書し、隠匿する。
【0063】
例えば、図3に示す原稿のうち、破線で囲まれた領域(大文字アルファベットが記された領域)を上書きして隠匿するとする。まず、読取上書ユニット1の下面を原稿にあて、破線で囲まれた領域がなぞられ、これにあわせ、画像読取部11が読み取りを行う。その後、なぞる方向からみて後方に位置する画像出力部12が、読取領域に上書き画像を出力し、上書きする。このように、読取上書ユニット1により、原稿中の隠匿したい領域を1回なぞるだけで、隠匿する領域の読み取りと、上書き(隠匿領域F1の形成)がなされる。上書きされた原稿の一例が、図3の右側に示す図である。図3の右側の図では、上書きされた部分を網掛けで図示している。
【0064】
図4は、読取領域に上書きされる上書き画像の一例を示している。例えば、読取領域が、カラー画像であれば、図4(a)に示すような、上書き画像で上書きがなされる。尚、図4(a)に示す上書き画像は、色弱検査用画像のような、大きさや色が異なる複数種の円や楕円が混在する画像である。
【0065】
又、読取領域が、文字を含む領域であれば、図4(b)に示すような、文字や文字のような模様を重複し羅列させた上書き画像を上書きする。尚、図4(b)は、アルファベットを縦方向と横方向に1回ずつ重ねて生成された画像である。又、上書き画像は、図4(c)に示すように、バーコード状の上書き画像で有ってもよい。
【0066】
次に、図5を用いて、上書きモードでの画像データの流れを説明する。画像データの流れを図5では白抜矢印で示す。例えば、使用者は、読取開始ボタン181を押し、原稿のうち隠匿したい領域を読取上書ユニット1の下面でなぞる。
【0067】
画像読取部11は、画像データを出力する。画像読取部11が出力した画像データは、画像処理部14に送られ、例えば、画像処理部14は、シェーディング補正やγ補正等の画像処理を施す。その後、読取領域の画像データは、画像メモリ15に蓄えられる。尚、画像メモリ15に蓄えられた複数ライン分の画像データに対し画像処理を施すため、画像処理部14と画像メモリ15間で画像データのやり取りが1又は複数回なされてもよい。
【0068】
画像メモリ15に蓄えられた読取領域の画像データ(上書き前画像データ)は、I/F部16を介し、複合機2(の通信部28)に送信される。その結果、上書き前画像データは、後の再利用のために、複合機2の記憶部27に記憶される。尚、I/F部16と複合機2が常時通信可能に接続されているとは限らないので、画像メモリ15に蓄えられた上書き前画像データは、読取上書ユニット1内部の記憶部17に蓄積してもよい。又、例えば、I/F部16にケーブルを介して複合機2が接続されると、記憶部17に蓄積された読取領域の画像データが、自動的に複合機2にまとめて吸い上げられる(転送される)ようにしてもよい。
【0069】
又、画像処理部14は、読取領域の特徴を認識する。例えば、画像処理部14は、読取領域の画像データの各画素の濃度分布に基づき、モノクロであるか、カラーであるかを判断する。又、画像処理部14は、読取領域が文字を含む領域か、文字を含まない領域(模様や写真)であるかを判断してもよい。例えば、画像処理部14は、読取領域の一部の画像データに対し、エッジ強調処理や、エッジに相当する画素数を数える処理を行う。そして、画像処理部14は、検討する領域の全画素数に対し、エッジに相当する画素数の比率が予め定められた値以上であれば読取領域が文字を含む領域と判断し、未満であれば、模様や写真であると判断してもよい。尚、画像処理部14によりなされる判断処理は、上記に限られず、既存のOCR技術を利用する等、文字領域か、文字領域でないかの判断がなされる処理であればよい。
【0070】
画像処理部14は、この読取領域の認識結果を制御部10に伝える。制御部10は、記憶部17に記憶された複数種の上書き画像のうち、用いる上書き画像を定める。例えば、制御部10は、読取領域が、カラーの模様や写真領域であれば、図4(a)に示す上書き画像を、白黒の模様や写真領域であれば、図4(c)に示すバーコード画像を、文字領域であれば、図4(b)に示す上書き画像を用いると定める。読取領域に対しどのような上書き画像を用いるか定めるアルゴリズムは、予め用意され、記憶部17に記憶される上書き画像の種類に応じて任意に定められる。
【0071】
即ち、画像出力部12は、画像読取部11の読み取りに基づき得られた上書き前画像データに応じ、上書きのときに出力する画像を変化させる。具体的に、画像出力部12は、上書き前画像データの画像データがカラーであるとき、黒色以外の色も用いた上書き画像(図4(a)に示す画像)を印字し、上書き前画像データがモノクロであるとき、黒色の上書き画像(図4(c)に示す画像)を印字する。又、画像出力部12は、上書き前画像データが文字を含むとき、文字、又は、文字を模した模様の上書き画像(図4(b)に示す画像)を印字する。
【0072】
制御部10からの指示に応じ、記憶部17から、上書き画像の画像データが画像出力部12に与えられる。そして、画像出力部12は、上書き画像の画像データに基づき、読取領域を上書きし、読取領域を隠匿領域F1とする。
【0073】
(原稿読取の流れ)
次に、図6を用いて、本発明の第1の実施形態に係る読取上書ユニット1の原稿読取の流れを説明する。図6は、本発明の第1の実施形態に係る読取上書ユニット1の原稿読取処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0074】
図6のスタートは、読取上書ユニット1のベルト13bと原稿が接した状態とされ、原稿の読み取りと上書きを行うため読取開始ボタン181がONされた時点である。
【0075】
そして、制御部10は、ランプ110を点灯させ(ステップ♯11)、又、駆動モータM1を動作させてコロ13aを回転させる(ステップ♯12)。そして、A/D変換器112が、イメージセンサ111から出力された各画素のアナログ信号をディジタルデータに変換し、例えば、画像読取部11から1ライン分の画像データが出力される(ステップ♯13)。そして、画像データに対し画像処理部14による各種画像処理がなされ、画像メモリ15にデータが蓄えられる(ステップ♯14)。
【0076】
そして、制御部10は、原稿の読み取りが終了したかを確認する(ステップ♯15)。例えば、制御部10は、読取終了ボタン182が押されたことを認識し、原稿読取終了を確認する。もし、原稿読取継続であれば(ステップ♯15のNo)、ステップ♯11に戻り、原稿読取と、画像データの蓄積が継続される。
【0077】
一方、原稿読取終了であれば(ステップ♯15のYes)、制御部10は、ランプ110を消灯する(ステップ♯16)。尚、コロ13aは、読取領域の上書きのため、しばらくして後(上書き完了後)に停止する。
【0078】
そして、画像メモリ15に蓄積された読取領域の画像データが不揮発的に記憶される(ステップ♯17)。複合機2の記憶部27を不揮発的な記憶先としてもよい。この場合、I/F部16から読取領域の画像データが複合機2の通信部28に向けて送信される。又、読取上書ユニット1の記憶部17を不揮発的な記憶先としてもよい。この場合、記憶部17に読取領域の画像データが蓄積される。そして、上書きモードでの原稿読取処理は終了する(エンド)。
【0079】
(上書き画像印刷の流れ)
次に、図7を用いて、本発明の第1の実施形態に係る読取上書ユニット1による上書き画像印刷の流れを説明する。図7は、本発明の第1の実施形態に係る読取上書ユニット1の上書き画像印刷の流れの一例を示すフローチャートである。
【0080】
まず、図7のスタートは、原稿の読み取りが開始された時点である。原稿読取と上書き画像印刷は、並列実行される。しかし、図1(a)に示すように、イメージセンサ111と、ラインヘッド121は、位置が離れている。言い換えると、イメージセンサ111の読取開始ラインの位置と、ラインヘッド121が対向するまで時間がある。
【0081】
そこで、原稿読取が開始されると、制御部10は、画像処理部14による読取領域の解析(例えば、色や文字を含むか等)に基づき、上書きで用いる上書き画像を定める(ステップ♯21、図4(a)〜(c)参照)。そして、記憶部17から制御部10が用いると定めた上書き画像の画像データが読み出され、画像出力部12に与えられる(ステップ♯22)。
【0082】
そして、制御部10は、上書きを開始する時点に至ったかの確認を続ける(ステップ♯23のNo→ステップ♯23)。言い換えると、制御部10は、原稿読取開始ラインと上書きにおける最初のラインとがほぼ一致する状態となったかを確認する。
【0083】
例えば、制御部10は、イメージセンサ111とラインヘッド121の間隔分だけコロ13a(ベルト13b)が回転したかを確認する。より具体的には、コロ13aの周速度に基づき、イメージセンサ111とラインヘッド121の間隔とコロ13aの同じ周長を回転させるのに必要な時間を予め求め、定めておく。制御部10は、原稿読取開始から、予め定めた時間が経過した時点に至ると、上書きを開始する時点に至ったと認識する。
【0084】
上書き開始時点に至ると(ステップ♯23のYes)、制御部10は、追跡コードを含めつつ、画像出力部12に上書きを行わせる(ステップ♯24)。
【0085】
ここで、追跡コードを説明する。追跡コードは、読取領域の画像データ(上書き前画像データ)を再利用するために、上書き画像とともに印刷される(上書き画像に埋め込まれる)。追跡コードを読み取り、追跡コードを特定し、上書きにより視認できなくなった隠匿領域F1に対応する上書き前画像データが特定される。そのため、記憶部17や記憶部27は、上書き前画像データに付随して、追跡コードに対応するデータや符号(例えば、画像データの名称)を記憶する。
【0086】
追跡コードは、上書き画像とともに印刷される(埋め込まれる)。追跡コードは、例えば、読取領域のうち、予め決まった特定の位置(例えば、読取領域の右上隅部分や中央部分)に印刷されてもよい。例えば、追跡コードは、視認しづらいインク(例えば、イエローインク)を用いて印刷される。
【0087】
又、追跡コードは、例えば、上書き前画像データの名称でもよい。又、追跡コードは、上書き前画像データの名称を、例えば、ドットパターンや数字などに暗号化したものでもよい。又、上書き画像を、上書き前画像データの名称を示すバーコードとしてもよい。尚、複合機2のスキャナ部22の読み取りにより、追跡コードが認識できればよく、公知のデータハイディング技術を用いて、追跡コードの埋め込み(読取領域への印刷)が行われてもよい。
【0088】
そして、制御部10は、原稿読取が終了したかを確認する(ステップ♯25)。例えば、制御部10は、読取終了ボタン182が押されたことを認識し、原稿読取終了を確認する。原稿読取終了を確認できなければ(ステップ♯25のNo)、画像出力部12による上書きが続けられる(ステップ♯24に戻る)
【0089】
原稿読取終了を確認できれば(ステップ♯25のYes)、制御部10はイメージセンサ111とラインヘッド121の幅分の残りの上書き出力を行い(ステップ♯26)、コロ13aを停止させる(ステップ♯27)。これにより、本制御は終了する(エンド)。
【0090】
(隠匿領域F1の再現)
次に、図8、図9に基づき、本発明の実施形態に係る画像入出力システム3の隠匿領域F1の再現の概要を説明する。図8は、本発明の第1の実施形態に係る画像入出力システム3の概要を説明するための説明図である。図9は、本発明の第1の実施形態に係る画像入出力システム3の処理の流れの一例を示すブロック図である。
【0091】
まず、図8を用いて、本実施形態の画像入出力システム3の隠匿領域F1の再現の概要を説明する。再現モードでは、複合機2は、隠匿領域F1(上書きされた領域)を読み取り、追跡コードを認識する。そして、複合機2は、追跡コードに対応する読取領域の画像データを、用紙に出力し、上書きされ読めなくなった部分を再現する。
【0092】
図8に示す左側の原稿のうち、破線で囲まれた領域は、既に上書きされ、隠匿された部分(隠匿領域F1)である。この部分には、本実施形態の読取上書ユニット1により、追跡コードが埋め込まれている。
【0093】
そして、複合機2のスキャナ部22で原稿を読み取らせる。スキャナ部22は、隠匿領域F1を含む原稿の画像データを出力する。この画像データに基づき、主制御部20が隠匿領域F1に埋め込まれた追跡コードを認識する。この認識処理は、主制御部20のCPU201が行ってもよいし、画像処理部202が行ってもよい。
【0094】
複合機2の主制御部20は、追跡コードに対応する上書き前画像データを記憶部27から読み出し、図8の右側に示すように、再現出力(印刷)を行わせる。言い換えると、隠匿領域F1は、上書き前の状態で印刷される。
【0095】
このとき、図8右側上段に示すように、上書き前画像データのみを印刷してもよい。又、図8右側下段に示すように、スキャナ部22で読み取った画像データのうち、隠匿領域F1部分を上書き前画像データに置き換えた画像が印刷されてもよい。図8右側下段に示す印刷物は、上書き前の印刷物全体をほぼ再現したものとなる。尚、上書き前画像データのみを印刷するか、あるいは、上書き前の印刷物全体をほぼ再現するかは、予め操作パネル21で設定される。
【0096】
尚、上書き前の印刷物全体をほぼ再現するうえで必要な隠匿領域F1の認定手順の一例を説明しておく。まず、隠匿領域F1を含む原稿をスキャナ部22が読み取る。これにより、隠匿領域F1を含む原稿の画像データが得られる。主制御部20(例えば、画像処理部202)が、この隠匿領域F1を含む原稿の画像データに対し、隠匿領域F1を特定する処理を行う。例えば、上書き印刷のとき、隠匿領域F1の4隅部分に、隠匿領域F1の境界を示す印(例えば、特定色の記号や特定のドットのパターン)を形成しておき、主制御部20は、隠匿領域F1を含む原稿の画像データのうちの印を特定して隠匿領域F1を認定してもよい。あるいは、複合機2の記憶部27に読取上書ユニット1の上書き画像の画像データを記憶させておく。この上書き画像の画像データに基づき、主制御部20が、パターンマッチングを行い、隠匿領域F1を認定してもよい。尚、隠匿領域F1の認定における手法は、上記のものに限られず、画像データ中の隠匿領域F1を特定できればよい。
【0097】
次に、図9を用いて、再現モードでの画像データの流れを説明する。まず、複合機2のスキャナ部22は、原稿台に載置され、読取上書ユニット1により上書きされた領域(隠匿領域F1)を含む原稿を読み取る。読み取りで得られた原稿の画像データは、主制御部20に送られる。主制御部20のCPU201や画像処理部202は、追跡コードを認識し、隠匿領域F1の範囲を認定をする。
【0098】
主制御部20は、認識した追跡コードに基づき、上書き前画像データを記憶部27から読み出す。そして、上書き前画像データや、隠匿領域F1を上書き前画像データに置き換えた原稿全体の画像データが、画像形成部25に送信される。そして、画像形成部25は、予めなされた設定にあわせ、上書き前画像データや、隠匿領域F1を上書き前画像データに置き換えた原稿全体の画像データに基づき、トナー像を形成し、隠匿された情報を再現する。
【0099】
(隠匿領域F1の再現処理の流れ)
次に、図10を用いて、本発明の第1の実施形態に係る隠匿領域F1の再現処理の流れの一例を説明する。図10は、本発明の第1の実施形態に係る隠匿領域F1の再現の処理の流れの一例を示すフローチャートである。尚、本フローチャートでは、隠匿領域F1を上書き前画像データに置き換え、上書き前の印刷物全体をほぼ再現する例を説明する。
【0100】
図10のスタートは、隠匿領域F1(上書きされた領域)を含む原稿が複合機2にセットされた時点である。例えば、このとき、操作パネル21を操作し、複合機2のモードが隠匿領域F1を再現するモードにセットされる。
【0101】
そして、主制御部20は、スキャナ部22を動作させ、隠匿領域F1(上書きされた領域)を含む原稿の読み取りを行う(ステップ♯31)。そして、スキャナ部22が、読み取りにより、隠匿領域F1を含む原稿の1ページ分の画像データを生成する(ステップ♯32)。そして、主制御部20(CPU201や画像処理部202)は、隠匿領域F1の範囲を認定する(ステップ♯33)。又、主制御部20は、認定した隠匿領域F1の画像データから、隠匿領域F1に埋め込まれた追跡コードを認識する(ステップ♯34)。
【0102】
次に、主制御部20は、追跡コードに対応する上書き前画像データを記憶部27から読み出す(ステップ♯35)。そして、主制御部20(CPU201や画像処理部202)は、画像データのうちの隠匿領域F1の画像データを読み出された上書き前画像データに置き換える合成処理を行って、上書き前の原稿を再現した画像データを生成する(ステップ♯36)。
【0103】
主制御部20は、上書き前画像データを利用した画像データに基づき、画像形成(印刷)を行わせる(ステップ♯37)。具体的には、主制御部20は、給紙部23、搬送路24に用紙の給紙、搬送を行わせつつ、画像形成部25に生成した画像データに基づきトナー像を形成させ、定着部26にトナー像を用紙に定着させる。尚、上書き前の印刷物全体を再現するのではなく、隠匿部分のみ再現する設定が操作パネル21に予めなされていれば、主制御部20は、ステップ♯36をスキップし、上書き前画像データに基づき、画像形成を行わせればよい。そして、印刷が完了し、隠匿領域F1の再現がなされる(エンド)。
【0104】
即ち、画像出力部12は、上書き前画像データを特定し、呼び出すための追跡コードを含めて読取領域の上書きを行って隠匿領域F1を生成し、画像形成装置(複合機2)は、原稿を読み取るスキャナ部22と、スキャナ部22で隠匿領域F1を含む原稿を読み取って得られた画像データを解析し、追跡コードを認識する追跡コード認識部(主制御部20)を備え、画像形成部25は、認識された追跡コードに対応する上書き前画像データに基づく画像を形成する。より具体的には、画像形成装置(複合機2)は、スキャナ部22で隠匿領域F1を含む原稿を読み取って得られた画像データのうち、隠匿領域F1を、追跡コードに対応する上書き後画像データに置き換えて、上書きを行う前の状態の原稿を再現する画像データである再現画像データを生成する処理を行う画像処理部202を有し、画像形成部25は、再現画像データに基づく画像を形成する。
【0105】
又、画像入出力システム3は、印刷物中の領域を読み取り、読取領域の上書き前の画像データである上書き前画像データを生成する画像読取部11と、読み取りが行われた後の読取領域に対し、隠匿用の画像を出力して上書きを行って隠匿領域F1を生成する画像出力部12と、上書き前の画像データを出力するインターフェイス部を含む読取上書ユニット1と、読取上書ユニット1から上書き前画像データを受信する通信部28と、通信部28が受信した上書き前画像データを記憶する記憶部27と、上書き前画像データに基づき画像を形成する画像形成部25を含む画像形成装置(複合機2)と、を含む。
【0106】
このようにして、本実施形態によれば、画像出力部12は、読取領域に対し、隠匿用の画像を出力して上書きを行う。これにより、秘匿したい部分を読取上書ユニット1でなぞれば、上書きにより情報の隠匿がなされる。又、画像読取部11は、上書き前の読取領域の画像データを生成する。そして、生成された画像データは、インターフェイス部から出力され画像形成装置(複合機2)が蓄える。これにより、上書き前画像データに基づき、画像形成部25が画像を形成して、隠匿部分を的確に再現(再利用)することができる。
【0107】
又、追跡コード認識部(主制御部20)は、隠匿領域F1に印刷された(埋め込まれた)追跡コードを認識する。これにより、複数種の上書き前画像データが存在していても、追跡コードを用いて、特定の上書き前画像データを容易に呼び出し、印刷により再現することができる。又、画像形成部25は、再現画像データに基づく画像を形成する。これにより、上書きする前の状態の原稿と同様の印刷物が得られる。従って、ほぼ完全な形で、原稿を再現することができる。
【0108】
又、画像出力部12は、画像読取部11の読み取りに基づき得られた上書き前画像データに応じ、上書きのときに出力する画像を変化させる。これにより、画像に合わせて、隠匿効果が高い画像を上書きすることができる。画像出力部12は、上書き前画像データの画像データがカラーであるとき、黒色以外の色も用いた上書き画像を印字し、上書き前画像データがモノクロであるとき、黒色の上書き画像を印字する。これにより、隠匿領域F1の色に合わせて、上書きを行うことができる。例えば、隠匿領域F1がモノクロ(白黒灰)であるとき、黒色を用いて、効果的に隠匿がなされる。又、上書き前画像データの画像データがカラーであるとき、黒色以外の色も用いて、効果的に隠匿がなされる。又、画像出力部12は、上書き前画像データが文字を含むとき、文字、又は、文字を模した模様の上書き画像を印字する。これにより、文字に文字を重ねることにより、隠匿する部分に何が記載されているか分かりづらくすることができる。
【0109】
又、平面と用紙の間隔を一定に保ち、回転する複数のコロ13aが設けられ、コロ13aは、ワンウェイクラッチ13cを備える。これにより、読み取りや上書きのための画像出力(印刷出力)が用紙に対して安定して行われる。又、読み取りや画像出力の方向が一定とされるので、同じ画像の読み取りや、再利用できない画像データが生成されることや、読み取り領域の全域の上書きが終了する前の上書き終了を防ぐことができる。
【0110】
(第2の実施形態)
次に、図11に基づき、本発明の第2の実施形態に係る画像入出力システム3の一例を説明する。図11は、本発明の第2の実施形態に係る画像入出力システム3の一例を示すブロック図である。
【0111】
第1の実施形態では、読取上書ユニット1と、上書き前画像データを蓄積する複合機2で画像入出力システム3を構成する例を説明した。第2の実施形態では、情報処理装置6を用いて画像入出力システム3を構成する例を説明する。
【0112】
尚、第2の実施形態の画像入出力システム3における読取上書ユニット1や複合機2は、第1の実施形態と同様でよい。そこで、第1の実施形態と第2の実施形態で共通する部分は、特に説明する場合を除き、第1の実施形態における記載を援用するものとして、図示、説明を省略する。尚、図11では、複合機2は簡略化して図示している。
【0113】
まず、画像入出力システム3での情報処理装置6を説明する。尚、複合機2に対し、複数台の情報処理装置6を接続可能であるが、便宜上、図3では情報処理装置6を一台のみ示す。情報処理装置6は、例えば、パーソナルコンピュータやサーバや携帯情報通信端末である。
【0114】
情報処理装置6は、内部に、情報処理装置6でのデータ処理や、制御を行う処理部60を有する。処理部60は、例えば、CPUや各種チップを搭載した基板からなる。記憶部61は、例えば、HDDやROMやRAMからなり、例えば、情報処理装置6の制御プログラムや複合機2用のドライバソフトウェアを記憶する。入力装置62は、例えば、キーボードやマウスであり、情報処理装置6に対する入力インターフェイスである。ディスプレイ63は、各種画面を表示し、例えば、ドライバソフトウェアを起動させた場合、複合機2での印刷設定に関する画面を表示する。データ通信部64は、他の情報処理装置6や複合機2やネットワークに接続するためのインターフェイスであり、通信用チップや、コネクタ等を含む。
【0115】
そして、情報処理装置6のデータ通信部28は、読取上書ユニット1と通信可能に接続される。読取上書ユニット1がI/F部16から出力した上書き前画像データを受信し、記憶部61は、上書き前画像データを記憶できる。更に、情報処理装置6は、ネットワークやケーブル等により、複合機2を通信可能に接続できる。従って、記憶部61に蓄積された上書き前画像データを複合機2に転送や送信を行うことができる。
【0116】
第2の実施形態の画像入出力システム3では、情報処理装置6は、上書き前画像データを蓄える記憶装置として、読取上書ユニット1と複合機2間に設けられる。具体的に、情報処理装置6は、上書き印刷を行うとき、読取領域の画像データ(上書き前画像データ)を読取上書ユニット1から受信する。更に、隠匿領域F1を再現するとき、複合機2は、追跡コードに対応する上書き前画像データの送信を情報処理装置6に要求し、これを受け、情報処理装置6は、複合機2に上書き前画像データを送信する。即ち、本実施形態の画像入出力システム3は、読取上書ユニット1と、画像形成装置(複合機2)と相互に通信可能に接続され、上書き前画像データを蓄積するための記憶装置(情報処理装置6)を含む。
【0117】
このようにして、本実施形態によれば、画像入出力システム3は、上書き前画像データを記憶する記憶装置(情報処理装置6)を有する。これにより、後の再利用のため、画像形成装置(複合機2)以外にも、上書き前画像データを蓄積することができる。
【0118】
(第3の実施形態)
次に、図12に基づき、本発明の第3の実施形態に係る読取上書ユニット1の一例を説明する。図12は、本発明の第3の実施形態に係る読取上書ユニット1での処理の流れの一例を示すブロック図である。
【0119】
第1、第2の実施形態に示した画像入出力システム3では、複合機2を用いて隠匿領域F1の再現印刷を行う例を説明した。本実施形態では、読取上書ユニット1で隠匿領域F1の再現印刷を行う例を説明する。言い換えると、読取上書ユニット1で追跡コードを認定し、読取上書ユニット1の画像出力部12を用いて、隠匿領域F1の再現印刷を行う例を説明する。
【0120】
具体的に、本実施形態では、画像読取部11が追跡コードが埋め込まれた隠匿領域F1を読み取り、追跡コードに対応する上書き前画像データを画像出力部12から出力する再現印刷を行う。再現印刷における一連の動作は、上書きを行うときと異なるので、読取上書ユニット1の操作部18に、上書きモードと再現モードを選択するためのモード選択スイッチ183が設けられてもよい。又、読取上書ユニット1で上書きでない印刷が行われるので、図12に示すように、印刷開始ボタン184が操作部18に設けられてもよい。
【0121】
再現モードのとき、読取上書ユニット1は、まず、隠匿領域F1の読み取りを行う。使用者は、隠匿領域F1が読み取り範囲に含まれるように、読取上書ユニット1をセットする。そして、制御部10は、読取開始ボタン181が押されてから、読取終了ボタン182が押されるまで、画像読取部11に読み取りを行わせる。
【0122】
図12に示すように、画像読取部11により生成された隠匿領域F1の画像データは、画像メモリ15に蓄積される。そして、例えば、制御部10や画像処理部14が、隠匿領域F1の画像データに基づき、追跡コードを認識する。これにより、制御部10は、追跡コードに対応する上書き前画像データを認識する。
【0123】
上書き前画像データが、I/F部16から出力され、複合機2や情報処理装置6に蓄積されるのであれば、制御部10は、追跡コードに対応する上書き前画像データの送信要求を複合機2や情報処理装置6に送信する。これにより、制御部10は、上書き前画像データを複合機2や情報処理装置6から受け取る。
【0124】
上書き前画像データが、読取上書ユニット1内の記憶部17に蓄積されるのであれば、制御部10は、例えば、記憶部17にアクセスして、追跡コードに対応する上書き前画像データの存在を確認する。
【0125】
上書き前画像データが用意できると、制御部10は、図12に示すように、画像出力部12に、上書き前画像データを与える。そして、制御部10は、コロ13aを回転させつつ、ラインヘッド121からインクを吐出させ、上書き前画像データに基づく印刷を行わせる。例えば、制御部10は、印刷開始ボタン184が押されたことをトリガとして、コロ13aの回転や画像出力部12の印刷を開始させる。
【0126】
即ち、本実施形態の読取上書ユニット1は、印刷物中の領域を読み取り、読取領域の上書き前の画像データである上書き前画像データを生成する画像読取部11と、読み取りが行われた後の読取領域に対し、隠匿用の画像を出力して上書きを行って隠匿領域F1を生成する画像出力部12と、上書き前画像データを出力するインターフェイス部とを含む。又、読取上書ユニット1は、画像出力部12は、上書き前画像データを特定し、呼び出すための追跡コードを含めて読取領域の上書きを行い、画像読取部11が追跡コードを読み取ったとき、画像出力部12は、追跡コードに対応する上書き前画像データに基づき印刷を行う。
【0127】
このようにして、本実施形態の読取上書ユニット1によれば、画像出力部12は、読取領域に対し、隠匿用画像を出力して上書きを行い、インターフェイス部は、上書き前の読取領域の画像データである上書き前画像データを出力する。これにより、秘匿したい部分を読取上書ユニット1でなぞれば、上書きにより情報の隠匿がなされる。又、画像読取部11による上書き前の画像データが生成され、出力される。従って、上書きによる隠匿前の画像データに基づき、隠匿部分の再現(再利用)が可能となる。
【0128】
又、画像出力部12は、上書き前画像データを特定し、呼び出すための追跡コードを含めて読取領域の上書きを行い、インターフェイス部は、追跡コードに対応した上書き前画像データを記憶装置(情報処理装置6)に出力する。これにより、複数種の上書き前画像データが存在していても、追跡コードを用いて、特定の上書き前画像データを容易に呼び出すことができる。
【0129】
本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0130】
本発明は、読取上書ユニットや、画像形成装置を含む画像入出力システムに利用可能である。
【符号の説明】
【0131】
1 読取上書ユニット 11 画像読取部
12 画像出力部 13a コロ
13c ワンウェイクラッチ 16 I/F部(インターフェイス部)
2 複合機(画像形成装置) 20 主制御部(追跡コード認識部)
202 画像処理部 22 スキャナ部
25 画像形成部 27 記憶部
28 通信部 3 画像入出力システム
6 情報処理装置(記憶装置) F1 隠匿領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷物中の領域を読み取り、読取領域の上書き前の画像データである上書き前画像データを生成する画像読取部と、読み取りが行われた後の前記読取領域に対し、隠匿用の画像を出力して上書きを行って隠匿領域とする画像出力部と、前記上書き前画像データを出力するインターフェイス部を含む読取上書ユニットと、
前記読取上書ユニットから前記上書き前画像データを受信する通信部と、前記通信部が受信した前記上書き前画像データを記憶する記憶部と、前記上書き前画像データに基づき画像を形成する画像形成部を含む画像形成装置と、を含むことを特徴とする画像入出力システム。
【請求項2】
前記画像出力部は、前記上書き前画像データを特定し、呼び出すための追跡コードを含めて前記読取領域の上書きを行って隠匿領域を生成し、
前記画像形成装置は、原稿を読み取るスキャナ部と、前記スキャナ部で前記隠匿領域を含む原稿を読み取って得られた画像データを解析し、追跡コードを認識する追跡コード認識部を備え、
前記画像形成部は、認識された追跡コードに対応する前記上書き前画像データに基づく画像を形成することを特徴とする請求項1記載の画像入出力システム。
【請求項3】
前記画像形成装置は、前記スキャナ部で前記隠匿領域を含む原稿を読み取って得られた画像データのうち、前記隠匿領域を、前記追跡コードに対応する前記上書き後画像データに置き換えて、上書きを行う前の状態の原稿を再現する画像データである再現画像データを生成する処理を行う画像処理部を有し、
前記画像形成部は、前記再現画像データに基づく画像を形成することを特徴とする請求項2記載の画像入出力システム。
【請求項4】
前記画像出力部は、前記画像読取部の読み取りに基づき得られた前記上書き前画像データに応じ、上書きのときに出力する画像を変化させることを特徴とする請求項1乃至3に記載の画像入出力システム。
【請求項5】
前記画像出力部は、前記上書き前画像データの画像データがカラーであるとき、黒色以外の色も用いた上書き画像を印字し、前記上書き前画像データがモノクロであるとき、黒色の上書き画像を印字することを特徴とする請求項4記載の画像入出力システム。
【請求項6】
前記画像出力部は、前記上書き前画像データが文字を含むとき、文字、又は、文字を模した模様の上書き画像を印字することを特徴とする請求項4又は5に記載の画像入出力システム。
【請求項7】
前記画像読取部と前記画像出力部は、同じ平面内に設けられ、
前記平面と原稿の間隔を一定に保ち、回転する複数のコロが設けられ、
前記コロは、ワンウェイクラッチを備えることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の画像入出力システム。
【請求項8】
前記読取上書ユニットと、前記画像形成装置と相互に通信可能に接続され、前記上書き前画像データを蓄積するための記憶装置を含むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像入出力システム。
【請求項9】
印刷物中の領域を読み取り、読取領域の上書き前の画像データである上書き前画像データを生成する画像読取部と、読み取りが行われた後の前記読取領域に対し、隠匿用の画像を出力して上書きを行って隠匿領域とする画像出力部と、前記上書き前画像データを出力するインターフェイス部とを含むことを特徴とする読取上書ユニット。
【請求項10】
前記画像出力部は、前記上書き前画像データを特定し、呼び出すための追跡コードを含めて前記読取領域の上書きを行い、
前記画像読取部が前記追跡コードを読み取ったとき、
前記画像出力部は、前記追跡コードに対応する前記上書き前画像データに基づき印刷を行うことを特徴とする請求項9に記載の読取上書ユニット。
【請求項1】
印刷物中の領域を読み取り、読取領域の上書き前の画像データである上書き前画像データを生成する画像読取部と、読み取りが行われた後の前記読取領域に対し、隠匿用の画像を出力して上書きを行って隠匿領域とする画像出力部と、前記上書き前画像データを出力するインターフェイス部を含む読取上書ユニットと、
前記読取上書ユニットから前記上書き前画像データを受信する通信部と、前記通信部が受信した前記上書き前画像データを記憶する記憶部と、前記上書き前画像データに基づき画像を形成する画像形成部を含む画像形成装置と、を含むことを特徴とする画像入出力システム。
【請求項2】
前記画像出力部は、前記上書き前画像データを特定し、呼び出すための追跡コードを含めて前記読取領域の上書きを行って隠匿領域を生成し、
前記画像形成装置は、原稿を読み取るスキャナ部と、前記スキャナ部で前記隠匿領域を含む原稿を読み取って得られた画像データを解析し、追跡コードを認識する追跡コード認識部を備え、
前記画像形成部は、認識された追跡コードに対応する前記上書き前画像データに基づく画像を形成することを特徴とする請求項1記載の画像入出力システム。
【請求項3】
前記画像形成装置は、前記スキャナ部で前記隠匿領域を含む原稿を読み取って得られた画像データのうち、前記隠匿領域を、前記追跡コードに対応する前記上書き後画像データに置き換えて、上書きを行う前の状態の原稿を再現する画像データである再現画像データを生成する処理を行う画像処理部を有し、
前記画像形成部は、前記再現画像データに基づく画像を形成することを特徴とする請求項2記載の画像入出力システム。
【請求項4】
前記画像出力部は、前記画像読取部の読み取りに基づき得られた前記上書き前画像データに応じ、上書きのときに出力する画像を変化させることを特徴とする請求項1乃至3に記載の画像入出力システム。
【請求項5】
前記画像出力部は、前記上書き前画像データの画像データがカラーであるとき、黒色以外の色も用いた上書き画像を印字し、前記上書き前画像データがモノクロであるとき、黒色の上書き画像を印字することを特徴とする請求項4記載の画像入出力システム。
【請求項6】
前記画像出力部は、前記上書き前画像データが文字を含むとき、文字、又は、文字を模した模様の上書き画像を印字することを特徴とする請求項4又は5に記載の画像入出力システム。
【請求項7】
前記画像読取部と前記画像出力部は、同じ平面内に設けられ、
前記平面と原稿の間隔を一定に保ち、回転する複数のコロが設けられ、
前記コロは、ワンウェイクラッチを備えることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の画像入出力システム。
【請求項8】
前記読取上書ユニットと、前記画像形成装置と相互に通信可能に接続され、前記上書き前画像データを蓄積するための記憶装置を含むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像入出力システム。
【請求項9】
印刷物中の領域を読み取り、読取領域の上書き前の画像データである上書き前画像データを生成する画像読取部と、読み取りが行われた後の前記読取領域に対し、隠匿用の画像を出力して上書きを行って隠匿領域とする画像出力部と、前記上書き前画像データを出力するインターフェイス部とを含むことを特徴とする読取上書ユニット。
【請求項10】
前記画像出力部は、前記上書き前画像データを特定し、呼び出すための追跡コードを含めて前記読取領域の上書きを行い、
前記画像読取部が前記追跡コードを読み取ったとき、
前記画像出力部は、前記追跡コードに対応する前記上書き前画像データに基づき印刷を行うことを特徴とする請求項9に記載の読取上書ユニット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図4】
【図2】
【図3】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図4】
【公開番号】特開2012−134706(P2012−134706A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−284262(P2010−284262)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリュ−ションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリュ−ションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
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