説明

画像再生装置、その制御方法、および制御プログラム

【課題】1つの表示画面に複数の3次元画像を一覧表示する際、個々の3次元画像の表示サイズが小さくなっても画像の内容を確認する際の視覚的疲労感を低減する。
【解決手段】3次元画像ファイルから3次元画像を再生して複数の3次元画像を表示部に一覧表示する際、表示部に表示する表示枚数402が変更されると、表示枚数402が表示部に表示される画像の所定の表示枚数である閾値401以上であるか否かが判定され、変更後の表示枚数が閾値以上であると、表示部に表示される画像を3次元画像から当該3次元画像と等価な2次元画像に変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を再生する画像再生装置、その制御方法、および制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話機のような小型の端末装置で所謂3次元画像を再生することが行われている。ところが、3次元画像を再生・閲覧する際には、通常の2次元画像を目視する場合よりも視覚的疲労感を多く伴うことが知られている。
【0003】
このような点を改善するため、例えば、3次元画像を表示した後、所定の時間が経過すると3次元画像表示を2次元画像表示に切り替えるようにしたものがある。そして、ここでは、所定のキー操作などによっても3次元画像表示を2次元画像表示に切り替えている。これによって、3次元画像を目視確認する際の視覚的疲労感の改善を行うようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−163447号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、3次元画像を目視した際の視覚的疲労感は、目視時間の経過に応じて生じるが、3次元画像が纏まって多数表示された場合に正しく立体効果が確認できない場合にも視覚的疲労感が増加する。
【0006】
例えば、複数の3次元元画像を一覧表示する場合に、表示枚数が少なければ、一つ一つの画像の表示サイズは大きくなるので、立体感(立体効果)は顕著に感じられる。一方、表示枚数が多くなると、画像の表示サイズは小さくなるので、個々の3次元画像における立体感が薄れてしまう。この結果、ユーザは3次元画像の内容を確認する際に視覚的疲労感が増加してしまうことになる。
【0007】
従って、本発明の目的は、1つの表示画面に複数の3次元画像を一覧表示する際、個々の3次元画像の表示サイズが小さくなっても画像の内容を確認する際の視覚的疲労感を低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、本発明による画像再生装置は、3次元画像ファイルから3次元画像を再生して複数の3次元画像を表示部に一覧表示する画像再生装置であって、前記表示部に表示される画像の所定の表示枚数が閾値として予め設定されており、前記表示部に表示する表示枚数を変更する枚数変更手段と、前記枚数変更手段によって変更された表示枚数が前記閾値以上であるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって前記変更後の表示枚数が前記閾値以上であると判定されると、前記表示部に表示される画像を前記3次元画像から当該3次元画像と等価な2次元画像に変更する画像変更手段とを有することを特徴とする。
【0009】
本発明による制御方法は、3次元画像ファイルから3次元画像を再生して複数の3次元画像を表示部に一覧表示する画像再生装置の制御方法であって、前記表示部に表示される画像の所定の表示枚数を閾値として設定する設定ステップと、前記表示部に表示する表示枚数を変更する枚数変更ステップと、前記枚数変更ステップで変更された表示枚数が前記閾値以上であるか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップで前記変更後の表示枚数が前記閾値以上であると判定されると、前記表示部に表示される画像を前記3次元画像から当該3次元画像と等価な2次元画像に変更する画像変更ステップとを有することを特徴とする。
【0010】
本発明による制御プログラムは、3次元画像ファイルから3次元画像を再生して複数の3次元画像を表示部に一覧表示する画像再生装置で用いられる制御プログラムであって、前記画像再生装置が備えるコンピュータに、前記表示部に表示される画像の所定の表示枚数を閾値として設定する設定ステップと、前記表示部に表示する表示枚数を変更する枚数変更ステップと、前記枚数変更ステップで変更された表示枚数が前記閾値以上であるか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップで前記変更後の表示枚数が前記閾値以上であると判定されると、前記表示部に表示される画像を前記3次元画像から当該3次元画像と等価な2次元画像に変更する画像変更ステップとを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、複数の3次元画像が一覧表示された際に、3次元画像の表示枚数が所定の表示枚数である閾値よりも多くなると、3次元画像表示を2次元画像表示する変更するようにした。これにより、3次元画像において立体化効果が確認できないことに起因する視覚的疲労感を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施形態による画像再生装置の一例についてその構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す記録媒体に記録された3次元画像ファイルのファイル構造を示す図である。
【図3】図1に示す表示部に表示される表示画面の一例を示す図であり、(a)は3次元画像表示画面の一例を示す図、(b)は2次元画像表示画面の一例を示す図である。
【図4】図1に示す操作部に表示される操作表示画面(ユーザーインタフェース)の一例を示す図である。
【図5】図1に示す画像再生装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図6】図1に示す画像再生装置における3次元画像解像度閾値の決定処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【図7】図1に示す画像再生装置における3次元画像解像度閾値の決定処理の他の例を説明するためのフローチャートである。
【図8】図1に示す画像再生装置におけるスライダーの操作に応じた処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】本発明の第2の実施形態による画像再生装置の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態による画像再生装置の一例について図面を参照して説明する。
【0014】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態による画像再生装置の一例についてその構成を示すブロック図である。
【0015】
図示の画像再生装置100は、例えば、PC(パーソナルコンピューター)である。図1において、画像再生装置100は、制御部110を有しており、この制御部110は画像再生装置100全体の制御を司る。記録媒体101には、例えば、後述する3次元画像ファイル(以下単に画像ファイルとも呼ぶ)が記録されている。制御部110は、記録媒体制御部102を介して記録媒体101に記録された画像ファイルを読み出して、画像処理部103に与える。そして、画像処理部103は、後述するようにして、画像ファイルを処理して表示部106に画像を表示する。
【0016】
さらに、画像再生装置100は、操作部109、表示画像変更部107、および閾値決定部108を有しており、表示画像変更部107は制御部110の制御下で表示部106に表示する画像の種類(2次元画像又は3次元画像)を変更する。閾値決定部108は画像の種類変更に応じて、後述する閾値を決定する。なお、操作部109はユーザーインタフェースとして用いられ、ユーザーは操作部109を用いて制御部110に対して各種指令を与える。
【0017】
記録媒体101は、例えば、HDD(ハードディスクドライブ)によって再生可能なディスクメディア又は画像再生装置100に着脱可能なフラッシュメモリーである。そして、記録媒体101には、3次元撮影可能なデジタルカメラなどによる撮影の結果得られた3次元画像ファイルが記録されている。
【0018】
図2は、図1に示す記録媒体101に記録された3次元画像ファイルのファイル構造を示す図である。
【0019】
図2において、3次元画像ファイル200は、ヘッダ情報210を有し、このヘッダ情報210に続いて、サムネイル画像(サムネイルともいう)を備える右眼画像201および左眼画像202を有している。図示の例では、3次元画像ファイル200ではMPF(マルチピクチャフォーマット)が用いられている。但し、今後策定される別の3次元画像ファイルフォーマットを用いるようにしてもよい。
【0020】
再び、図1を参照して、記録媒体制御部102は、制御部110の制御下で記録媒体101に記録されている3次元画像ファイルを取得して、後述する画像処理部103に3次元画像ファイルを送信する。画像処理部103は3次元画像処理部104および2次元画像処理部105を備えている。
【0021】
3次元画像処理部104は3次元画像ファイルのデコード処理を行って3次元画像を得るとともに、3次元画像ファイルから2次元画像ファイルを切り出す切り出し処理を行う。さらに、3次元画像処理部104は3次元画像を表示するに当たって表示部106に一覧表示可能な表示枚数を算出する算出処理を行う。
【0022】
2次元画像処理部105は2次元画像ファイルのデコード処理を行って2次元画像を得るとともに、2次元画像を表示するに当たって、表示部106に一覧表示可能な表示枚数を算出する算出処理を行う。なお、表示部106は例えば、PCモニタ又はディスプレイである。
【0023】
図3は、図1に示す表示部106に表示される表示画面の一例を示す図である。そして、図3(a)は3次元画像表示画面の一例を示す図であり、図3(b)は2次元画像表示画面の一例を示す図である。
【0024】
3次元画像処理部104で生成された3次元画像は、図3(a)に示すように、表示部106において画像表示用ウィンドウ(以下単にウィンドウ又は表示画面と呼ぶ)300に表示される。ここでは、各3次元画像は立体的に表示される。同様に、2次元画像処理部105で生成された2次元画像は、図3(b)に示すように、表示部106においてウィンドウ302に表示される。
【0025】
図3(a)において、1枚の画像の表示サイズが大きく、表示画面300に全ての画像を表示することができないと、3次元画像処理部104は、図示のようにスクロールバー301を表示画面300に表示する。ユーザは、操作部109によって(例えば、マウス操作によって)スクロールバー301を操作する。そして、制御部110の制御下で、3次元画像処理部104は表示画面300をスクロールし、表示画面300を更新する。これによって、ユーザは全ての3次元画像を順次確認することができる。
【0026】
図3(b)においては、1枚の画像の表示サイズが小さいので、ウィンドウ302に全ての2次元画像が表示される。全ての2次元画像が表示されているので、ここではスクロールバーは表示されない。
【0027】
再び図1を参照して、図示の画像再生装置は表示画像変更部107を備えており、この表示画像変更部107は、制御部110の制御下で画像処理部103に対して表示部106に表示する画像の種類を変更する変更処理を行う。具体的には、表示画像変更部107は、表示部106に表示されている3次元画像を2次元画像を切り換える変更処理を行う。
【0028】
加えて、表示画像変更部107は、画像の種類の変更(つまり、3次元画像から2次元画像への変更)の有無を示す通知を、閾値決定部108に送信する。表示画像変更部107からの変更の有無を示す通知を受け取ると、閾値決定部108は、表示部106に表示する表示画像の種類を切り換える際にいずれの表示枚数で切り換えるかを示す閾値を決定する。当該閾値は、後述するように、閾値決定部108で自動的に決定されるか又はユーザーによって決定される。
【0029】
図4は、図1に示す表示部106に表示される操作表示画面の一例を示す図である。
【0030】
図1および図4を参照して、制御部110は、後述するように、操作部109に操作表示画面(ユーザーインタフェース)400を表示する。この操作表示画面400には、表示部106に表示可能な最大表示枚数と最小表示枚数とによって規定されたバー(表示バー)413が表示され、このバー413に対応付けて、バー413に沿って移動可能なスライダー402が表示されている。
【0031】
このスライダー402はビットマップとして提供され、例えば、ユーザーマウス操作(ユーザー操作)によって、スライダー402はバー413に沿って移動する。そして、スライダー位置406によって表示部106に表示される画像の表示枚数(変更後の表示枚数)が決定される。
【0032】
つまり、スライダー402が図中左方向(符号Aで示す方向)に移動すると(表示枚数増加方向407)、制御部110は画像処理部103を制御して表示部106に表示する画像の表示枚数を増加させる。一方、スライダー402が図中右方向(符号Bで示す方向)に移動すると(表示枚数減少方向408)、制御部110は画像処理部103を制御して表示部106に表示する画像の表示枚数を減少させる。
【0033】
さらに、バー413には、矢印(マーク)401が表示され、この矢印401はビットマップとして提供される。そして、矢印401は閾値決定部108で決定された閾値を表す所定位置405を規定する。
【0034】
図5は、図1に示す画像再生装置100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0035】
図5を参照すると、画像再生装置100は、図1に示す制御部110に相当するCPU500を有している。このCPU500は、図1に示す記録媒体制御部102、画像処理部103、表示画像変更部107、および閾値決定部108の機能も有している。
【0036】
CPU500には、内部バス503を介してワークRAM501、システムROM502、表示部制御インタフェース(I/F)504、入力部制御I/F506、および記録媒体制御I/F508、510、および512が接続されている。そして、図示の例では、表示部制御I/F504、入力部制御I/F506、および記録媒体制御I/F508、510、および512には、それぞれPCモニタ505、PCマウス507、HDD509、フラッシュメモリ511、およびディスクメディアの再生を行うディスクドライブ513が接続されている。
【0037】
ここで、PCモニタ505は図1に示す表示部106および操作部109に対応するものであり、PCマウス507は操作部109に対応する。さらに、HDD509、フラッシュメモリ512、およびディスクドライブ513は、図1に示す記録媒体101に対応するものである。
【0038】
記録媒体制御I/F508は、例えば、シリアルATA(Advanced Technology Attachment)又はUSBなどであり、記録媒体制御I/F510および512の各々は、例えば、USBである。なお、システムROM602はオペレーティングシステム(OS)などのプログラムが記録されている。また、ワークRAM601は、図1に示す画像処理部103で実行される一連の画像処理、そして、閾値決定部108および表示画像変更部107に係る処理に関するプログラムが読み出される領域である。CPU500はワークRAM601に読み出したプログラムを実行する。
【0039】
ここで、図1、図3、および図4を参照して、記録媒体101に記録された画像ファイルを表示する際には、前述したように、制御部110は記録媒体制御部102を制御して記録媒体101から3次元画像ファイルを読み出す。そして、この3次元画像ファイルは記録媒体制御部102から画像処理部103に送られる。
【0040】
画像処理部103では、3次元画像処理部104が3次元画像ファイルをデコード処理して、3次元画像を得る。そして、3次元画像処理部104は、例えば、図3(a)に示す三次元画像を表示部106に表示する。ここで、図4のスライダー402を符号Aで示す表示枚数増加方向に移動すると、制御部110は3次元画像処理部104を制御して、スライダー位置406に合致した表示枚数として、一覧表示された3次元画像の枚数を表示部106に表示する。
【0041】
この際、スライダー位置406が最大表示枚数位置403に近づくに連れて、表示部106に表示される個々の3次元画像の表示サイズは小さくなる。そして、3次元画像の表示サイズが所定のサイズとなると、ユーザーにとって立体効果が確認し辛くなる。3次元画像の表示サイズが所定のサイズとなるスライダー位置406、つまり、立体効果が視認し辛くなるスライダー位置406が所定位置405とされる。ここでは、3次元画像の表示サイズが所定のサイズとなる表示枚数が3次元画像を2次元画像に表示変更する際の閾値とされる。
【0042】
ここで、上述の閾値(3次元画像解像度閾値とも呼ぶ)の決定手法について説明する。
【0043】
図6は、図1に示す画像再生装置100における3次元画像解像度閾値の決定処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【0044】
図1および図6を参照して、画像処理部103において、3次元画像ファイルを受けると、3次元画像処理部104は、図2に示すファイル構造に応じて、2次元画像である右眼画像201および左眼画像202を切り出す(ステップS600)。さらに。3次元画像処理部104は右眼画像201および左眼画像202に存在する視差を示す画素数も取得する(ステップS601)。
【0045】
画像処理部103は、上記の視差を示す画素数を表す画素情報を閾値決定部108に送る。閾値決定部108は画素情報に応じて視差を示す画素が存在するか否かを確認する(ステップS602)。視差を示す画素が存在しないと(ステップS602において、YES)、閾値決定部108は当該視差を示す画素が存在しない状態における表示枚数を3次元画像解像度閾値とする(ステップS603)。つまり、閾値決定部108は、画像処理部103から送られた右眼画像201および左眼画像202における表示サイズ(画像サイズ)で表示部106に表示した際の表示枚数を3次元画像解像度閾値とする。
【0046】
一方、視差を示す画素が存在すると(ステップS602において、NO)、閾値決定部108は、画像処理部103から送られた右眼画像201および左眼画像202を縮小して、縮小後の表示サイズを確認する(ステップS604)。続いて、閾値決定部108はステップS602の処理に戻って、縮小後の右眼画像201および左眼画像202において、視差を示す画素が存在するか否かを確認する。
【0047】
視差を示す画素が存在すると、閾値決定部108は再度ステップS604の処理に移行して、右眼画像201および左眼画像202を縮小して、縮小後の表示サイズを確認する。その後、閾値決定部108はステップS602の処理に戻る。そして、ステップS602において、視差を示す画素が存在しなければ、閾値決定部108はステップS603の処理を行う。
【0048】
このようにして、閾値決定部108は視差を示す画素数が存在しなくなるまで、右眼画像201および左眼画像202についてその表示サイズを縮小して表示枚数を変更する。そして、視差を示す画素がなくなった際に表示部106に表示される表示枚数を3次元解像度閾値とする。
【0049】
図7は、図1に示す画像再生装置100における3次元画像解像度閾値の決定処理の他の例を説明するためのフローチャートである。
【0050】
図1および図7を参照して、ここでは、ユーザーが図3(a)に示す表示画面300に表示される3次元画像表示を目視しつつ、3次元画像の表示サイズを小さくする。そして、ユーザーにとって3次元画像の立体効果が確認し辛くなる表示サイズになった際の表示枚数を3次元解像度閾値とするものとする。
【0051】
前述のように、ユーザーによる操作部109の操作によって、制御部110は記録媒体制御部102を介して記録媒体101から3次元画像ファイルを読み出して、当該3次元画像ファイルを画像処理部103に送る。そして、制御部110は、図4に示す操作表示画面400を操作部109に表示する。この際、制御部110は予め設定された初期値で規定された所定位置405に矢印(ビットマップ)401を表示する。
【0052】
画像処理部103は、当該矢印401の位置に対応する表示サイズで3次元画像の表示枚数を決定する。そして、画像処理部103、つまり、3次元画像処理部104は当該表示枚数で表示部106に3次元画像表示を行う(ステップS700)。
【0053】
ユーザーは、表示部106に表示された3次元画像を目視しつつ、操作部109によって矢印401を最大表示枚数位置403又は最小表示枚数位置404の方向、つまり、符号A又はBで示す方向に移動させて、表示枚数を変更する(ステップS701)。これによって、ユーザーは3次元解像度閾値の候補を見出す処理を行う。
【0054】
例えば、操作部109の操作によって、矢印401を表示枚数増加方向407に移動させた場合、制御部110は矢印401が表示枚数増加方向407に移動したことを示す枚数増加信号を画像処理部103に送る。画像処理部103では枚数増加信号を受けると、3次元画像処理部104が矢印401の位置に応じた表示サイズで表示される表示枚数によって表示部106に3次元画像表示を行う(ステップS702)。
【0055】
続いて、ユーザーは表示部106に表示された3次元画像を目視確認する。目視確認の結果、ユーザーは3次元画像の立体効果が確認し辛いと判断すると、操作部109による矢印401の移動を停止する。つまり、制御部110は矢印401の移動が停止されたか否かを判定している(ステップS703)。この判定に当たっては、予め定められた時間、矢印401の移動が停止していると、制御部110は矢印401の移動が停止したとする。
【0056】
矢印401の移動が停止しいないと判定すると(ステップS703において、NO)、制御部110はステップS702の処理に戻って、枚数増加信号を画像処理部103に送る。画像処理部103では枚数増加信号を受けると、3次元画像処理部104が矢印401の位置に応じた表示サイズで表示される表示枚数によって表示部106に3次元画像表示を行う。
【0057】
一方、矢印401の移動が停止したと判定すると(ステップS703において、YES)、制御部110は矢印401が位置する位置に対応する表示枚数を3次元解像度閾値として、閾値決定部108に送る。そして、閾値決定部108は当該3次元解像度閾値を記憶する(ステップS704)。
【0058】
図7に示すフローチャートでは、ユーザーが表示枚数を増加させる方向に矢印401を移動させて3次元解像度閾値を決定する例について説明したが、表示枚数を減少させる方向に矢印を移動させて、3次元解像度閾値を決定する場合も同様にして行われる。
【0059】
図8は、図1に示す画像再生装置100におけるスライダーの操作に応じた処理を説明するためのフローチャートである。
【0060】
図1、図4、および図8を参照して、前述したようにして3次元解像度閾値を決定した後、ユーザーはスライダー402の操作を行う。操作部109によってスライダー402を選択する。これによって、制御部110は画像処理部103を制御して、当初のスライダー402の位置(スライダー位置406)に対応する表示サイズにおける表示枚数で3次元画像を表示部106に表示する(ステップS800)。なお、当初のスライダー位置406は予め設定されているものとする。
【0061】
続いて、制御部110はスライダー402が操作されたか否かを判定する(ステップS801)。スライダー402が操作されないと(ステップS801において、NO)、制御部110は待機する。スライダー402が操作されると(ステップS801において、YES)、制御部110は操作方向(移動方向)が図4に示す符号A又はBで示す方向のいずれであるかを判定する(ステップS802)。
【0062】
操作方向が符号Aの方向であると、つまり、表示枚数を増加する方向であると(ステップS802において、A)、制御部110はスライダー位置406に応じて3次元画像の表示枚数を算出して、表示画像変更部107に通知する。表示画像変更部107は表示枚数と閾値決定部108に記憶された3次元解像度閾値とを比較して、表示枚数が3次元解像度閾値に到達したか否かについて判定する(ステップS803)。
【0063】
表示枚数が3次元解像度閾値以上であると判定すると(ステップS803において、YES)、表示画像変更部107はその旨を画像処理部103に通知する。画像処理部103では、3次元画像処理部104が3次元画像ファイルから2次元画像ファイルを切り出す。そして、2次元画像処理部105は2次元画像ファイルをデコードして、現在のスライダー位置406に合致する表示枚数において、3次元画像と等価な2次元画像を表示部106に表示する(ステップS804)。
【0064】
続いて、制御部110はスライダー402が3次元解像度閾値を超えて、表示枚数増加方向407に移動し、スライダー位置406が最大表示枚数位置403に到達したか否かについて判定する(ステップS805)。なお、ステップS803において、表示枚数が3次元解像度閾値未満であると判定すると(ステップS803において、NO)、制御部110はステップS805の処理に移行する。
【0065】
スライダー位置406が最大表示枚数位置403に到達していないと判定すると(ステップS805において、NO)、ステップS806の処理が行われる。ここでは、表示部106に2次元画像が表示されている際には、2次元画像処理部105はスライダー位置406に合致する表示枚数で表示部106に2次元画像を表示する。表示部106に3次元画像が表示されている際には、3次元画像処理部104はスライダー位置406に合致する表示枚数で表示部106に3次元画像を表示する。その後、処理はステップS801に移行する。
【0066】
スライダー位置406が最大表示枚数位置403に到達したと判定すると(ステップS805において、NO)、制御部110はユーザーによるスライダー402の操作が停止したか否かについて確認する(ステップS807)。ユーザーがスライダー402の操作を停止すると(ステップS807において、YES)、制御部110はスライダー402の停止を操作部109に通知し、スライダー402の移動を停止する(ステップS808)。そして、制御部110は処理を終了する。
【0067】
ユーザーがスライダー402の操作を停止しないと(ステップS807において、NO)、制御部110はステップS801の処理に移行する。
【0068】
ステップS802において、操作方向が符号Bの方向であると、つまり、表示枚数を減少する方向であると(ステップS802において、B)、制御部110は、スライダー402が符号Bの方向に移動した旨、閾値決定部108に通知する。これによって、閾値決定部108はスライダー位置406が3次元解像度閾値に再度到達したか否かを判定する(ステップS809)。つまり、ここでは、表示枚数が閾値未満となったか否かを判定していることになる。
【0069】
スライダー位置406が3次元解像度閾値に再度到達したと判定すると(ステップS809において、YES)、閾値決定部108はその旨表示画像変更部107に通知する。表示画像変更部107は2次元画像表示を3次元画像表示とすべく、表示画像変更通知を画像処理部103に送る。画像処理部103では、3次元画像処理部104が3次元画像ファイルをデコードして現在のスライダー位置406に合致する表示枚数において3次元画像を表示部106に表示する(ステップS810)。
【0070】
一方、スライダー位置406が3次元解像度閾値に再度到達していないと判定すると(ステップS809において、NO)、制御部110はスライダー位置406が最小表示枚数位置404に到達したか否かを判定する(ステップS811)。なお、ステップS810の処理の次にはステップS811の処理が行われる。
【0071】
スライダー位置406が最小表示枚数位置404に到達したと判定すると(ステップS811において、YES)、制御部110はステップS807の処理に移行する。
【0072】
一方、スライダー位置406が最小表示枚数位置404に到達していないと判定すると(ステップS811において、NO)、制御部110は画像処理部103を制御して、3次元画像処理部104にスライダー位置406に応じて表示枚数を減少させる。そして、当該表示枚数で表示部106に3次元画像を表示させる(ステップS812)。その後、制御部110はステップS801の処理に移行する。
【0073】
このように、第1の実施形態では、1つの表示画面に複数の3次元画像を一覧表示する際に、表示枚数が予め定められた表示枚数である3次元解像度閾値以上となると、ユーザの視覚的疲労感が増加するとして、3次元画像を2次元画像に変更するようにした。これにより、表示サイズが小さくなっても画像の内容を確認する際の視覚的疲労感を低減することができる。
【0074】
[第2の実施形態]
続いて、本発明の第2の実施形態による画像再生装置の一例について説明する。
【0075】
図9は、本発明の第2の実施形態による画像再生装置900の一例を示すブロック図である。なお、図9において、図1に示す画像再生装置100と同一の構成要素については同一の参照番号を付す。
【0076】
図示の画像再生装置900は、例えば、PC(パーソナルコンピューター)であり、表示部106としてPCモニタが用いられる。表示部106が備えるウィンドウ表示部903は、表示部106に表示されるPCアプリケーション上の画像表示用ウィンドウとする。
【0077】
図1に関連して説明したように、画像再生の際、制御部110は、記録媒体制御部102を制御して、図2に示すファイル構造を有する3次元画像ファイル200を画像処理部103に送る。画像処理部103は3次元画像ファイルをデコードして3次元画像として表示部106に表示する。この際、モニタ解像度取得部901は制御部110から表示部106の画面解像度を取得して、画面解像度情報を画像処理部103に与える。そして、画像処理部103は画面解像度に応じて表示部106に表示する表示枚数を算出して、その算出結果を表示部106および閾値決定部108に送る。
【0078】
閾値決定部108は算出された表示枚数を考慮して3次元解像度閾値を算出する。つまり、閾値決定部108は表示部106の画面解像度に応じて3次元解像度閾値を算出することになる。これによって、第1の実施形態で説明した手法に加えて、表示部106の画面解像度が考慮されることになって、表示部106を目視した際にその視覚的疲労感が最も軽くなるような表示枚数が3次元解像度閾値とされることになる。
【0079】
ここで、画像が表示部106全体ではなく、表示部106に表示された画像表示用ウィンドウに表示される場合について説明する。
【0080】
まず、画像表示用ウィンドウのウィンドウ解像度が固定されているものとする。制御部110の制御下で、ウィンドウ解像度取得部902は画像表示用ウィンドウの解像度を取得して、画像処理部103に送る。画像処理部103はウィンドウ解像度に応じて第1の実施形態で説明した手法を用いて表示枚数を算出する。そして、画像処理部103は当該算出した表示枚数を閾値決定部108に送る。
【0081】
閾値決定部108は算出された表示枚数を考慮して3次元解像度閾値を算出する。つまり、閾値決定部108は画像表示用ウィンドウの解像度に応じて3次元解像度閾値を算出することになる。
【0082】
続いて、ウィンドウ表示部903のウィンドウ解像度が固定でないとする。ウィンドウ解像度の変更に伴って、図3(a)および(b)に示す表示画面300および302の大きさ(サイズ)が変化する。このため、ウィンドウ解像度取得部902はPCアプリケーション上の画像表示用ウィンドウの解像度ではなく、PCアプリケーションのウィンドウ全体の解像度をウィンドウ解像度として取得する。その後の処理についてはウィンドウ解像度が固定されている場合と同様である。
【0083】
なお、PCモニタの解像度とPCアプリケーション上の画像表示用ウィンドウの解像度又はPCアプリケーションのウィンドウ自体の解像度をそれぞれモニタ解像度取得部901およびウィンドウ解像度取得部902で取得する。その後、画像処理部103が取得した各々の全ての解像度を考慮して3次元解像度閾値を決定するようにしてもよい。
【0084】
このように、第2の実施形態では、画面解像度を用いて3次元解像度閾値を決定するようにしたので、画面を目視するユーザーにとって、視覚的疲労感をより低減することができる。
【0085】
上述の説明から明らかなように、図1において、制御部110が枚数変更手段および判定手段として機能する。また、制御部110、表示画像変更部107、および画像処理部103が画像変更手段として機能する。さらに、操作部109、制御部110、および閾値決定部108が閾値設定手段として機能する。加えて、図9において、制御部110、モニタ解像度取得部901、ウィンドウ解像度取得部902、および画像処理部103が枚数決定手段として機能する。
【0086】
以上、本発明について実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。
【0087】
例えば、上記の実施の形態の機能を制御方法として、この制御方法を、画像再生装置に実行させるようにすればよい。また、上述の実施の形態の機能を有するプログラムを制御プログラムとして、この制御プログラムを画像再生装置が備えるコンピュータに実行させるようにしてもよい。なお、制御プログラムは、例えば、コンピュータに読み取り可能な記録媒体に記録される。
【0088】
この際、制御方法および制御プログラムは、少なくとも設定ステップ、枚数変更ステップ、判定ステップ、画像変更ステップを有することになる。
【0089】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記録媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0090】
101 記録媒体
102 記録媒体制御部
103 画像処理部
104 3次元画像処理部
105 2次元画像処理部
106 表示部
107 表示画像変更部
108 閾値決定部
109 操作部
110 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元画像ファイルから3次元画像を再生して複数の3次元画像を表示部に一覧表示する画像再生装置であって、
前記表示部に表示される画像の所定の表示枚数が閾値として予め設定されており、
前記表示部に表示する表示枚数を変更する枚数変更手段と、
前記枚数変更手段によって変更された表示枚数が前記閾値以上であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記変更後の表示枚数が前記閾値以上であると判定されると、前記表示部に表示される画像を前記3次元画像から当該3次元画像と等価な2次元画像に変更する画像変更手段とを有することを特徴とする画像再生装置。
【請求項2】
前記閾値として、前記3次元画像を縮小して当該3次元画像における右眼画像と左眼画像との視差を示す画素が存在しない状態の表示サイズで前記3次元画像を前記表示部に表示した際の表示枚数を用いるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の画像再生装置。
【請求項3】
ユーザが前記閾値を設定するための閾値設定手段を有することを特徴とする請求項1に記載の画像再生装置。
【請求項4】
前記枚数変更手段は、画面に前記表示部で表示可能な最大表示枚数と最小表示枚数とで規定された表示バーを表示するとともに、前記表示バーに沿って移動可能なスライダーを表示して、ユーザー操作による前記スライダーの位置に対応する表示枚数に変更することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像再生装置。
【請求項5】
前記枚数変更手段は、前記表示バーに前記閾値を示すマークを表示することを特徴とする請求項4に記載の画像再生装置。
【請求項6】
前記表示部の画面解像度に基づいて前記所定の枚数を決定する枚数決定手段を有することを特徴とする請求項1に記載の画像再生装置。
【請求項7】
3次元画像ファイルから3次元画像を再生して複数の3次元画像を表示部に一覧表示する画像再生装置の制御方法であって、
前記表示部に表示される画像の所定の表示枚数を閾値として設定する設定ステップと、
前記表示部に表示する表示枚数を変更する枚数変更ステップと、
前記枚数変更ステップで変更された表示枚数が前記閾値以上であるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップで前記変更後の表示枚数が前記閾値以上であると判定されると、前記表示部に表示される画像を前記3次元画像から当該3次元画像と等価な2次元画像に変更する画像変更ステップとを有することを特徴とする制御方法。
【請求項8】
3次元画像ファイルから3次元画像を再生して複数の3次元画像を表示部に一覧表示する画像再生装置で用いられる制御プログラムであって、
前記画像再生装置が備えるコンピュータに、
前記表示部に表示される画像の所定の表示枚数を閾値として設定する設定ステップと、
前記表示部に表示する表示枚数を変更する枚数変更ステップと、
前記枚数変更ステップで変更された表示枚数が前記閾値以上であるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップで前記変更後の表示枚数が前記閾値以上であると判定されると、前記表示部に表示される画像を前記3次元画像から当該3次元画像と等価な2次元画像に変更する画像変更ステップとを実行させることを特徴とする制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−226418(P2012−226418A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−90933(P2011−90933)
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】