説明

画像再生装置、画像再生方法および撮像装置

【課題】動きのある被写体のスローモーション画像を容易に得るようにする。
【解決手段】画像再生装置は、予め設定された画像レートよりも高い画像レートで撮像を行い生成された撮像画像の画像信号を再生する信号再生部と、信号再生部から出力される画像信号を用いて動き検出を行って得られた動き検出結果を用いて再生制御情報を生成する再生制御情報生成部と、信号再生部から出力される画像信号の画像レートを予め設定された画像レートに変換する信号処理部と、再生制御情報に基づき信号再生部から信号処理部に供給される画像信号の画像レートを制御して、動き検出結果が示す動きが大きくなるに従い撮像画像の再生速度を低下させる制御部と、を備え、制御部は、信号処理部にて画像信号を画像合成して画像レート変換を行うとき、画像信号を用いて動き検出を行うことで得られた動き検出結果に基づいて、画像合成される画像信号の各フレームの重み係数を設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像再生装置と画像再生方法および撮像装置とその制御方法に関する。詳しくは、予め設定されている基準画像レートよりも高い画像レートで撮像を行うことにより撮像画像の生成された撮像画像の画像信号を基準画像レートで再生する際に、撮像画像の動きに応じて再生速度を制御するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1には、撮像画像をメモリに一時的に保持して記録媒体に記録し直し、スローモーションの映像を滑らかな動きで再生可能とする方法が提案されている。
【0003】
すなわち、特許文献1に開示の手法は、通常のビデオ信号のフィールド周波数である50フィールド/秒または60フィールド/秒よりも高いフィールド周波数である例えば240フィールド/秒の画像信号を生成して、この画像信号を順次メモリに格納する。また撮像が終了すると、このメモリに格納した画像信号を通常のビデオ信号のフィールド周波数で読み出してハードディスク装置等の記録媒体に記録する。またユーザが再生を指示したとき、この記録媒体に記録した画像信号を通常のビデオ信号のフィールド周波数で再生することで、滑らかな動きのスローモーション再生画像を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−295423号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1の手法を用いるとき、撮像画像の画像信号を高速度でメモリに格納した後、メモリから読み出して記録媒体に記録することから、1回の撮像で撮像可能な時間がメモリの容量で制限されることになる。このため、メモリ容量が小さいとスローモーション再生したい撮像画像の画像信号をメモリに保持させることが困難となってしまう。例えば、スローモーション再生したい撮像シーンよりも早いタイミングでメモリに対して画像信号の書き込みを開始すると、スローモーション再生したい撮像シーンとなったときにメモリに空き領域がなく、画像信号を保持させることができなくなってしまう。このため、貴重な撮像機会を逃してしまう問題がある。また、スローモーション再生したい撮像画像の画像信号を容易にメモリに保持させることができるようにメモリ容量を大きくすると、コストアップとなってしまう。更に、撮像画像の画像信号をメモリに格納した後に読み出して記録媒体に記録する方法では、メモリに格納した撮像結果を全て読み出した後でなければ次のシーンを撮像できない。このため、所望するシーンが短い時間間隔で繰り返される場合、この繰り返しのシーンの一部を撮り逃してしまうことになる。
【0006】
また、高速度である撮像画像の画像信号を、メモリを介することなく記録媒体に記録するものとすれば、メモリ容量に応じて撮像画像の記録タイミングを制御しなくとも、スローモーション再生したい撮像画像の画像信号を記録媒体に記録することができる。しかし、このように記録した画像信号を通常のビデオ信号のフィールド周波数で再生すると、記録された撮像画像が全てスローモーション再生されることとため、所望のスローモーション画像が表示されるまでの待ち時間が長くなってしまう場合が生じる。
【0007】
本発明の特徴は、以上の点を考慮してなされたもので、動きのある被写体のスローモーション画像を容易に得られるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示によれば、予め設定された画像レートよりも高い画像レートで撮像を行うことにより生成された撮像画像の画像信号を再生する信号再生部と、信号再生部から出力される画像信号を用いて動き検出を行うことで得られた動き検出結果を用いて再生制御情報を生成する再生制御情報生成部と、信号再生部から出力される画像信号の画像レートを予め設定された画像レートに変換する信号処理部と、再生制御情報に基づき信号再生部から信号処理部に供給される画像信号の画像レートを制御して、動き検出結果が示す動きが大きくなるに従い撮像画像の再生速度を低下させる制御部と、を備え、制御部は、信号処理部にて画像信号を画像合成して画像レート変換を行うとき、画像信号を用いて動き検出を行うことで得られた動き検出結果に基づいて、画像合成される画像信号の各フレームの重み係数を設定する、画像再生装置が提供される。
【0009】
また、本開示によれば、予め設定された画像レートよりも高い画像レートで撮像を行うことにより生成された撮像画像の画像信号を再生するステップと、画像信号を用いて動き検出を行うことで得られた動き検出結果を用いて再生制御情報を生成するステップと、動き検出結果に基づいて画像合成される画像信号の各フレームの重み係数を設定するステップと、画像信号の各フレームの重み係数で重み付けされた画像信号の画像レートを予め設定された画像レートに変換するステップと、再生制御情報に基づき画像信号の画像レートを制御して、動き検出結果が示す動きが大きくなるに従い撮像画像の再生速度を低下させるステップと、を含む、画像再生方法が提供される。
【0010】
さらに、本開示によれば、予め設定された画像レートよりも高い画像レートで撮像を行うことにより生成された撮像画像の画像信号を生成する撮像部と、撮像部で生成された画像信号を用いて動き検出を行うことで得られた動き検出結果に基づいて、画像合成される画像信号の各フレームの重み係数を設定する制御部と、画像信号の各フレームの重み係数で重み付けされた画像信号の画像レートを予め設定された画像レートに変換する信号処理部と、信号処理部で予め設定された画像レートに変換された画像信号を用いて動き検出を行うことで得られた動き検出結果を用いて、画像信号の再生時に動き検出で検出された動きが大きくなるに従い撮像画像の再生速度を低下させる再生制御情報を生成する再生制御情報生成部と、再生制御情報を画像信号に対応させて出力する出力部と、を備える、撮像装置が提供される。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように本開示によれば、動きのある被写体のスローモーション画像を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図2】補正処理部の構成を示すブロック図である。
【図3】カメラ信号処理部の構成を示すブロック図である。
【図4】画像合成部とフレームメモリ部の構成を示すブロック図である。
【図5】画像合成の説明に供する図である。
【図6】圧縮伸長部の構成を示すブロック図である 。
【図7】画像再生装置の構成を示すブロック図である。
【図8】画像記録装置の構成を示すブロック図である。
【図9】標準撮像モードで撮像画像を記録するときの処理を説明するための図である。
【図10】標準撮像モードで記録された撮像画像を再生するときの処理を説明するための図である。
【図11】高速撮像モードで撮像画像を記録するときの処理を説明するための図である。
【図12】高速撮像モードで記録された撮像画像を再生するときの処理を説明するための図である。
【図13】動きベクトルと重み係数設定信号の関係を説明するための図である。
【図14】画像信号と重み係数の関係を説明するための図である。
【図15】重み係数を例示した図である。
【図16】被写体の動き検出の説明に供する図である。
【図17】判定値と推奨再生速度の関係を示す図である。
【図18】高速撮像モードで撮像画像を記録するときのタイミングチャートである。
【図19】高速撮像モードで記録された撮像画像を再生するときのタイミングチャートである。
【図20】高速撮像モードで記録された撮像画像を再生するときに動き検出を行って再生制御を行うときのタイミングチャートである。
【図21】他の実施の形態の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0014】
以下、図を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。図1は、撮像装置の構成を示すブロック図である。撮像装置10は、動作モードとして標準撮像モードと高速撮像モードの切り換えが可能とされている。標準撮像モードは、通常の撮像時の動作モードであり、予め設定されている基準画像レートの画像信号を生成する。高速撮像モードは、時間解像度の高いスローモーション再生画像を得ることができるように、標準撮像モードよりも高速に撮像を行い、基準画像レートよりも高く基準画像レートの整数倍である画像レート(以下「高速画像レート」という)の画像信号を生成する動作モードである。ここで、基準画像レートとは、テレビジョン方式で用いられているフィールドレートやフレームレートを示すものであり、撮像装置10は、標準撮像モードであるとき、基準画像レート例えば60フィールド/秒としたインタレース走査方式の画像信号や60フレーム/秒としたノンインタレース方式の画像信号を生成する。また、撮像装置10は、高速撮像モードであるとき、高速画像レート例えば240フィールド/秒としたインタレース走査方式の画像信号や240フレーム/秒としたノンインタレース方式の画像信号を生成する。なお、以下の説明では、基準画像レートの画像信号として60フレーム/秒(60[fps])のノンインタレース方式の画像信号、高速撮像モードの画像信号として基準画像レートの4倍である240フレーム/秒(240[fps])のノンインタレース方式の画像信号を生成する場合を例示している。
【0015】
また、図1に示す撮像装置の構成は、標準撮像モードおよび高速撮像モードで撮像画像の画像信号を生成するだけでなく、画像信号を記録メディア62に記録したり、記録メディア62に記録された画像信号を読み出して、再生画像の表示や再生画像の画像信号を出力できる場合を示している。
【0016】
撮像装置10において、レンズユニット11は、後述する制御部81の制御によりフォーカス、絞り、ズームを可変し、撮像部12のイメージセンサ121の撮像面に入射光を集光する。
【0017】
撮像装置10の撮像部12は、イメージセンサ121やAFE(Analog Front End)122、ADC(Analog-Digital
Converter)123、補正処理部124を用いて構成されており、後述する制御部81によって撮像部12の動作が制御される。
【0018】
イメージセンサ121は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor )型等の固体撮像素子が用いられている。イメージセンサ121は、撮像面に形成された光学像を光電変換処理し、撮像結果である撮像信号を出力する。なお、イメージセンサ121には、CDS(Correlated Double Sampling)回路が設けられており、このCDS回路で撮像信号の相関二重サンプリング処理を行うことで撮像信号のノイズが低減される。
【0019】
また、イメージセンサ121は、制御部81の制御により動作の切り換えが行われて、動作モードが標準撮像モードとされたとき、基準画像レート(基準フレームレート)の撮像信号例えば60〔fps〕の撮像信号を生成する。また、イメージセンサ121は、動作モードが高速撮像モードとされたとき、基準フレームレートよりも高く基準フレームレートの整数倍である高速画像レート(高速フレームレート)の撮像信号例えば240〔fps〕の撮像信号を生成する。なお、イメージセンサ121は、フレームレートが240〔fps〕である撮像信号を出力する場合でも、基準フレームレートで撮像信号を出力する場合と同一に、撮像面の有効画像領域から全画素の撮像結果を読み出して撮像信号を出力する。また、ライン間引きと画素間引きの少なくとも一方を行うことで、基準フレームレートで撮像信号を出力する場合に比して、1画面の画素数を低減させてもよい。
【0020】
AFE(Analog
Front End)122は、イメージセンサ121から出力される撮像信号をAGC(Automatic Gain
Control)処理し、撮像信号の利得を制御する。ADC(Analog-Digital Converter)123は、AFE122で処理されたアナログの撮像信号をディジタルの画像信号に変換して補正処理部124に供給する。
【0021】
補正処理部124はADC123から供給された画像信号に対して種々の補正処理を行う。図2は、補正処理部124の構成を示すブロック図である。補正処理部124のレベル補正部124aは、ADC123から供給された画像信号のレベル調整処理を行う。画素補正部124bは、レベル調整処理後の画像信号に対して画素欠陥補正処理を行う。ホワイトバランス調整部124cは、画素欠陥補正処理後の画像信号に対してホワイトバランス調整処理を実行して、処理後の画像信号DV1を、図1に示すようにカメラ信号処理部20と記録再生処理部61および検波部71に供給する。
【0022】
カメラ信号処理部20は、標準撮像モードおよび高速撮像モードにおいて、撮像部12から供給される画像信号DV1に対してカメラ信号処理を行い、処理後の画像信号DV2を画像圧縮伸長部41や画像出力部51,表示処理部52に出力する。また、後述するように、高速撮像モードにおいて、カメラ信号処理がなされていない撮像画像を記録メディア62に記録した場合、記録した撮像画像の再生時には、記録再生処理部61から供給される画像信号DV3のカメラ信号処理を行い、処理後の画像信号DV4を画像出力部51や表示処理部52に出力する。
【0023】
また、カメラ信号処理部20は、例えばSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)等により構成されたフレームメモリ部31と接続されており、このフレームメモリ部31を用いることで、画像信号DV1や画像信号DV3が基準フレームレートとは異なるフレームレートであるときに、画像信号DV1や画像信号DV3を基準フレームレートの画像信号に変換する。すなわち、カメラ信号処理部20は、画像信号DV1や画像信号DV3のフレームレートに係らず基準フレームレートの画像信号DV2,DV4を出力する。
【0024】
図3は、カメラ信号処理部20の構成を示すブロック図である。画像合成部21は、画像信号DV1や画像信号DV3を基準フレームレートの画像信号とする画像レート変換を行うためのものである。画像合成部21は、動作モードが標準撮像モードとされている場合、画像信号DV1が基準フレームレートであるので、撮像部12の補正処理部124から供給された画像信号DV1のフレームレートを変換することなく画素補間部22に供給する。また、画像合成部21は、動作モードが高速撮像モードとされている場合に撮像部12の補正処理部124から供給された画像信号DV1、および高速撮像モードで記録メディア62に記録した撮像画像の再生時に記録再生処理部61から供給される画像信号DV3に対して画像レート変換を行い、供給された画像信号を基準フレームレートの画像信号に変換して画素補間部22に供給する。例えば、画像合成部21は、フレームメモリ部31を用いて画像合成を行い、画像信号DV1,DV3の基準フレーム期間分のフレーム画像を合成して1フレームの画像とすることで、画像信号DV1,DV3を基準フレームレートの画像信号に変換する。
【0025】
図4は、画像合成部21とフレームメモリ部31の詳細構成を示すブロック図であり、フレームメモリ部31を用いた画像信号の巡回加算によって画像合成を行うことで高速フレームレートの画像信号を基準フレームレートの画像信号に変換する場合を示している。
【0026】
画像合成部21は、補正処理部124から供給される画像信号DV1または記録再生処理部61から供給される画像信号DV3を乗算回路211に供給する。乗算回路211は、重み係数生成部212で生成された重み係数を画像信号DV1または画像信号DV3に乗算して、重み係数を乗算した画像信号を加算回路213に供給する。加算回路213は、乗算回路211から供給された画像信号とフレームメモリ部31のバンクから読み出した画像信号を加算して、加算処理後の画像信号をフレームメモリ部31に供給する。
【0027】
フレームメモリ部31は、バンク312aとバンク312bおよび信号切換部311,313、314を用いて構成されている。なお、バンク312aとバンク312bは1フレームの画像信号を記憶できるメモリ容量とされている。
【0028】
信号切換部311は、加算回路213から供給された画像信号を、バンク312aまたはバンク312bに供給する。なお、バンク312aに供給される画像信号を画像信号Dfwa、バンク312bに供給される画像信号を画像信号Dfwbとする。
【0029】
信号切換部313は、バンク312aから読み出された画像信号Dfraまたはバンク312bから読み出された画像信号Dfrbを加算回路213に供給する。信号切換部314は、バンク312aから読み出された画像信号Dfraまたはバンク312bから読み出された画像信号Dfrbを割り算回路214に供給する。
【0030】
ここで、画像合成部21とフレームメモリ部31は、一方のバンク例えばバンク312aから読み出した画像信号Dfraを信号切換部313で選択して、この選択した画像信号Dfraと乗算回路211から供給された画像信号の加算結果である画像信号を信号切換部311でバンク312aに画像信号Dfwaとして供給する。このようにすれば、バンク312aは、巡回加算された画像信号を記憶することになる。また、画像合成部21とフレームメモリ部31は、所定フレーム数の巡回加算が完了したとき、バンク312bを用いて巡回加算を行い、所定フレーム数の巡回加算が完了した画像信号をバンク312aから読み出して信号切換部314を介して割り算回路214に供給する。このように巡回加算を行うものとすれば、画像合成部21とフレームメモリ部31は、一方のバンクを用いて基準フレーム期間で巡回加算を行いながら、他方のバンクから所定フレーム数の巡回加算が完了した画像信号を基準フレーム期間で読み出して、基準フレームレートの画像信号として割り算回路214に供給できる。
【0031】
割り算回路214は、フレームメモリ部31の信号切換部314から供給された画像信号に対して、重み係数と加算したフレーム数に応じた割り算処理を行い、巡回加算が完了した画像信号を所定の信号レベル範囲の画像信号として画素補間部22に供給する。例えば、画像信号DV1の信号レベルが一定である場合を考えたとき、各フレームの重み係数を「2」として4フレーム分の巡回加算を行うものとすると、巡回加算が完了した画像信号の信号レベルは、画像信号DV1の信号レベルの8倍となる。このため、割り算回路214は、重み係数と加算したフレーム数に応じた割り算処理を行い、巡回加算が完了した画像信号を(1/8)倍とすることで、所定の信号レベル範囲の画像信号とする。
【0032】
重み係数生成部212にはフレームカウンタ215が接続されている。フレームカウンタ215は、乗算回路211に供給される画像信号が巡回加算するフレームの何番目のフレームであるか示すカウント値を生成して重み係数生成部212に供給する。重み係数生成部212は、補正処理部124から供給された画像信号DV1の巡回加算を行う場合、制御部81から供給された重み係数選択値WSに基づき、巡回加算する各フレームに対して等しい重み係数を生成して乗算回路211に供給する。また、重み係数生成部212は、記録再生処理部61から供給される画像信号DV3の巡回加算を行う場合、制御部81から供給された重み係数選択値WSに基づき、巡回加算する各フレームに対して等しい重み係数またはフレーム間で違いを生じた重み係数を生成して乗算回路211に供給する。
【0033】
図5は、画像信号DV1,DV3のフレームレートが基準フレームレートの4倍である場合の画像合成を説明するための図である。画像合成部21とフレームメモリ部31で上述のように画像合成を行うと、図5の(A)に示すように、補正処理部124から供給された画像信号DV1、および記録再生処理部61から供給される画像信号DV3に基づく画像は、例えばフレームa〜フレームdの4フレームが合成されて、図5の(B)に示すように基準フレームレートの画像の1フレーム(a+b+c+d)となり、画像信号DV1,DV3を基準フレームレートの画像信号に変換できる。
【0034】
図3の画素補間部22は、デモザイク処理により画像合成部21から出力される画像信号をR,G,Bからなる3つのプレーンの画像信号に変換して出力する。輪郭補正部23は、供給された画像信号から高域成分を分離し、この高域成分から輪郭補正データを生成する。色補正部24は、供給された画像信号から低域成分を分離し、この低域成分をリニアマトリクス処理等して色補正する。
【0035】
ガンマ/ニー処理部25は、輪郭補正部23で生成された輪郭補正信号と、色補正部24で処理された画像信号とを合成して、合成後の画像信号に対してガンマ補正、ニー処理等を実行する。色空間変換部26は、ガンマ/ニー処理部25で処理された画像信号を、輝度信号、色差信号の画像信号に変換する。解像度変換部27は、供給された画像信号を予め設定された表示解像度の画像信号に変換して、画像信号DV2または画像信号DV4として出力する。
【0036】
図1の画像圧縮伸長部41は、供給された画像信号を用いて動き検出を行う処理と、動き検出結果に基づいて画像信号を圧縮して符号化信号を生成する処理、符号化信号を伸長して画像信号を生成する処理を行うものである。
【0037】
画像圧縮伸長部41は、標準撮像モードにおいて、制御部81から撮像画像の記録が指示されると、カメラ信号処理部20から出力される画像信号DV2をMPEG(Moving Picture Experts Group)等の動画像の符号化方式で圧縮処理を行い、符号化信号DWを記録再生処理部61に出力する。画像圧縮伸長部41は、高速撮像モードにおいて、制御部81から撮像画像の記録が指示されると、画像信号DV2からマクロブロック単位で動きベクトルMVを検出し、この動き検出結果である動きベクトルMVを記録再生処理部61または制御部81に出力する。
【0038】
また、画像圧縮伸長部41は、標準撮像モードで記録メディア62に記録した撮像画像の再生時、記録再生処理部61から供給される符号化信号DRの伸長処理を行い、得られた画像信号DV5を画像出力部51や表示処理部52に供給する。
【0039】
更に、画像圧縮伸長部41は、記録再生処理部61から画像信号DV3が供給されたとき、画像信号DV3を用いて動き検出を行い、画像信号DV3からマクロブロック単位で動きベクトルMVを検出し、この動き検出結果である動きベクトルMVを制御部81に出力する。
【0040】
図6は、画像圧縮伸長部41の構成を示すブロック図である。画像圧縮伸長部41において、MV検出器411は、画像信号DV2から順次マクロブロック毎に動きベクトルMVを検出する。MV検出器411は、標準撮像モードにおける記録時、この動きベクトルMVを動き補償器412に出力し、また高速撮像モードにおける記録時、この動きベクトルMVを記録再生処理部61または制御部81に出力する。
【0041】
動き補償器412は、動画像の符号化時、このMV検出器411で検出される動きベクトルMVを用いて、画像メモリ413に格納した画像信号を動き補償し、符号化用の予測値を生成して出力する。また動き補償器412は、動画像の復号時、MV復号器414で復号した動きベクトルMVを用いて、同様に復号用の予測値を生成する。
【0042】
予測減算器415は、動画像の符号化時、カメラ信号処理部20から入力される画像信号DV2から、動き補償器412で生成された符号化用の予測値を減算し、予測誤差値を出力する。
【0043】
DCT416は、予測減算器415の出力信号を2次元離散コサイン変換し、その処理結果である係数データを出力する。量子化器417は、DCT416で生成された係数データを量子化処理し、可変長符号器418は、量子化器417の出力データを可変長符号化処理する。MV符号化器419は、MV検出器411で検出される符号化用の動きベクトルMVを符号化処理し、多重化器420は、可変長符号器418の出力データと、MV符号化器419の出力データとを多重化処理して符号化信号DWとして出力する。
【0044】
逆量子化器421は、符号化時、量子化器417の出力データを逆量子化処理して出力し、また復号時、可変長復号器422の出力データを逆量子化処理して出力する。
【0045】
逆DCT423は、DCT416とは逆に、逆量子化器421の出力データを処理して出力し、加算器424は、逆DCT423の出力信号に符号化用または復号用の予測値を加算して画像信号DV5を生成する。画像メモリ413は、この復号した画像信号DV5を動き補償用に格納して保持する。
【0046】
多重分離器426は、復号時、記録再生処理部61から出力される符号化信号DRを係数データの部分と、動きベクトルMVの部分とに分離して出力し、MV復号器414は、この多重分離器426の出力データから動きベクトルMVを復号して動き補償器412に出力する。可変長復号器422は、この多重分離器426の出力データから係数データを復号して逆量子化器421に出力する。
【0047】
図1の画像出力部51は、外部機器を接続するためのインタフェースであり、標準撮像モードおよび高速撮像モードにおいて、カメラ信号処理部20から供給された画像信号DV2を出力画像信号DVoutとして外部機器に出力する。なお、外部機器は例えばモニタ装置等である。また画像出力部51は、標準撮像モードで記録メディア62に記録した撮像画像の再生時、画像圧縮伸長部41から供給された画像信号DV5を出力画像信号DVoutとして外部機器に出力する。更に画像出力部51は、高速撮像モードで記録メディア62に記録した撮像画像の再生時、カメラ信号処理部20から出力される画像信号DV4を出力画像信号DVoutとして外部機器に出力する。
【0048】
表示処理部52には、例えばLCD(Liquid Crystal Display)で構成される表示部53が接続されている。表示処理部52は、標準撮像モードおよび高速撮像モードにおいて、カメラ信号処理部20から出力される画像信号DV2を表示部53の表示解像度に応じた表示画像信号DHに変換して、この表示画像信号DHで表示部53を駆動することで表示部53に撮像画像を表示させる。また表示処理部52は、標準撮像モードで記録メディア62に記録した撮像画像の再生時、画像圧縮伸長部41から出力される画像信号DV5を表示部53の表示解像度に応じた表示画像信号DHに変換して、この表示画像信号DHで表示部53を駆動することで表示部53に再生画像を表示させる。更に表示処理部52は、高速撮像モードで記録メディア62に記録した撮像画像の再生時、カメラ信号処理部20から出力される画像信号DV4を表示部53の表示解像度に応じた表示画像信号DHに変換して、この表示画像信号DHで表示部53を駆動することで表示部53に再生画像やスローモーション再生画像を表示させる。
【0049】
記録再生処理部61は、制御部81の制御により記録メディア62に対する撮像画像の書き込みや読み出しを行う。記録メディア62は、ランダムアクセスが可能な各種記録媒体、または磁気テープのようにランダムアクセスが困難な各種記録媒体である。またランダムアクセスが可能な記録媒体は、例えばハードディスク装置、フラッシュメモリ等の半導体メモリ、DVD(Digital Versatile Disk)等の光ディスク等である。
【0050】
記録再生処理部61は、標準撮像モードにおいて、画像圧縮伸長部41から出力される符号化信号DWを記録メディア62に記録する。また記録再生処理部61は、高速撮像モードにおいて、撮像部12から出力される画像信号DV1を記録メディア62に記録する。このとき記録再生処理部61は、画像圧縮伸長部41から通知される動きベクトルMVを再生制御情報RJとして、または制御部81で生成された再生制御情報RJを取得して、この再生制御情報RJを画像信号DV1と対応付けて記録する。再生制御情報RJは、撮像画像において被写体の動きが大きくなるに従い撮像画像の再生速度を低下させる再生制御や、再生画像における動きぼけを軽減させる再生制御を行うための情報である。
【0051】
記録再生処理部61は、標準撮像モードで記録した撮像画像の再生時、記録メディア62から読み出した符号化信号DRを画像圧縮伸長部41に供給する。また記録再生処理部61は、高速撮像モードで記録した撮像画像の再生時、記録メディア62から画像信号および画像信号と対応する再生制御情報RJを読み出して、カメラ信号処理部20に対して画像信号DV3、制御部81に対して再生制御情報RJを出力する。
【0052】
更に、高速撮像モードで記録した撮像画像の再生時に再生制御情報RJを読み出すことができない場合、記録再生処理部61は、画像信号DV3をカメラ信号処理部20と画像圧縮伸長部41に供給する。
【0053】
検波部71は、撮像部12から出力される画像信号DV1から、絞り調整、フォーカス調整、ホワイトバランス調整に必要な情報KDを、フレーム周期で検出して制御部81に通知する。なお、必要な情報は、例えば特定領域における画素値の累積加算値、ピーク値等である。
【0054】
制御部81には、ユーザインタフェース部82が接続されている。ユーザインタフェース部82は、ユーザ操作に応じた操作信号PSを生成して制御部81に供給する。
【0055】
制御部81は、例えばCPU(Central Processing Unit )、ROM(Read Only
Memory)、RAM(Random Access Memory)等から構成されるマイクロコントローラであり、ROM等に記録されたプログラムを実行して、撮像装置10の動作が操作信号PSに基づくユーザ操作に応じた動作となるように制御信号CTを生成して各部に供給し、各部の動作を制御する。なおこの実施の形態において、プログラムは、撮像装置10に事前にインストールされて提供されるものの、この事前のインストールに代えて、光ディスク、磁気ディスク、メモリカード等の記録媒体に記録して提供するようにしてもよく、インターネット等のネットワークを介したダウンロードにより提供してもよい。
【0056】
制御部81は、動作モードが標準撮像モードに設定されているとき、基準フレームレートの画像信号DV1を生成して、撮像画像を基準フレームレートで表示するように制御を行う。制御部81は、動作モードが高速撮像モードに設定されているとき、高速フレームレートの画像信号DV1を生成して画像レートの変換を行い、撮像画像を基準フレームレートで表示するように制御を行う。
【0057】
また、制御部81は、動作モードが標準撮像モードであるときに記録開始操作が行われたことを判別した場合、カメラ信号処理された基準フレームレートの画像信号を圧縮処理して記録メディア62に記録する制御を更に行う。制御部81は、動作モードが高速撮像モードであるときに記録開始操作が行われたことを判別した場合、被写体の動きが大きくなるに従い撮像画像の再生速度を低下させる再生制御や再生画像における動きぼけを軽減させる再生制御を行うための再生制御情報RJを生成して、画像信号DV1と対応させて記録メディア62に記録する制御を更に行う。なお、制御部81は、記録動作中に記録終了操作が行われたことを判別した場合、記録メディア62への記録を停止する制御を行う。
【0058】
制御部81は、標準撮像モードで記録メディア62に記録された撮像画像の再生操作が行われたことを判別した場合、記録メディア62から所望の符号化信号を読み出して復号化処理を行い、再生画像を基準フレームレートで表示する制御や基準フレームレートの再生画像信号を出力する制御を行う。
【0059】
制御部81は、高速撮像モードで記録メディア62に記録された撮像画像の再生操作が行われたことを判別した場合、記録メディア62から所望の画像信号と画像信号に対応付けてされている再生制御情報RJを読み出して、再生画像を基準フレームレートで表示する制御や基準フレームレートで再生画像の画像信号を出力する制御を行う。また、制御部81は、再生制御情報RJに基づいて、被写体の動きが大きくなるに従い撮像画像の再生速度を低下させる再生制御や再生画像における動きぼけを軽減させる再生制御を行う。
【0060】
また、制御部81は、高速撮像モードで記録メディア62に記録された撮像画像の再生時に、再生制御情報RJを得ることができない場合、記録メディア62から読み出した画像信号から再生制御情報RJを生成して、この再生制御情報RJに基づいて、被写体の動きが大きくなるに従い撮像画像の再生速度を低下させる再生制御や再生画像における動きぼけを軽減させる再生制御を行う。
【0061】
なお、制御部81は、検波部71からの情報KDに従い、レンズユニット11をフレーム周期で絞り調整、フォーカス調整し、補正処理部124におけるホワイトバランス調整をフレーム周期で行わせる制御も行う。
【0062】
ところで、上述の実施の形態では、レンズユニット11や撮像部12、カメラ信号処理部20、画像圧縮伸長部41、記録再生処理部61等を一体に設けた撮像装置について説明したが、レンズユニット11や撮像部12、表示処理部52、表示部53、検波部71を別個として、画像再生装置や画像記録装置を構成するものとしてもよい。
【0063】
図7は、画像再生装置90の構成を示すブロック図である。なお、図7において、図1と対応する部分については同一符号を付している。
【0064】
画像再生装置90は、記録メディア62から符号化信号や画像信号等を読み出すための記録再生処理部61、読み出された符号化信号DRを伸長処理するための画像圧縮伸長部41、記録メディア62から読み出された画像信号DV3を用いて信号処理を行うカメラ信号処理部20、フレームメモリ部31、カメラ信号処理部20から出力された画像信号DV4または画像圧縮伸長部41から出力された画像信号DV5を外部機器に出力するための画像出力部51、各部の動作を制御する制御部81、ユーザインタフェース部82を有している。
【0065】
画像再生装置90において、記録再生処理部61は記録メディア62に記録された符号化信号の読み出しを行うとき、読み出した符号化信号DRを画像圧縮伸長部41に供給する。なお、符号化信号は、基準フレームレートの画像信号を圧縮処理して得られた信号である。画像圧縮伸長部41は、記録再生処理部61から供給された符号化信号DRの伸長処理を行い、得られた画像信号DV5を画像出力部51に供給する。
【0066】
また、画像再生装置90において、記録再生処理部61は、記録メディア62に記録された高速フレームレートの画像信号の読み出しを行うとき、画像信号と画像信号に対応する再生制御情報RJを読み出す。カメラ信号処理部20は、記録再生処理部61から供給された画像信号DV3を基準フレームレートの画像信号に変換する処理やカメラ信号処理を行う。画像出力部51は、基準フレームレートの画像信号DV4を出力画像信号DVoutとして出力する。また、画像再生装置90において、再生制御情報RJに基づいて再生速度の制御や動きぼけを軽減させる制御を行う場合、制御部81は、再生制御情報RJに基づきカメラ信号処理部20や記録再生処理部61の動作を制御して、カメラ信号処理部20に供給する画像信号DV3のフレームレートやカメラ信号処理部20の画像合成部21で用いる重み係数を制御する。
【0067】
また、画像再生装置90において、記録メディア62に記録された高速フレームレートの画像信号の読み出しを行うとき再生制御情報RJを得ることができない場合、記録再生処理部61は、読み出した画像信号DV3をカメラ信号処理部20に供給する。カメラ信号処理部20は、記録再生処理部61から供給された画像信号DV3を基準フレームレートの画像信号に変換する処理やカメラ信号処理を行う。画像出力部51は、基準フレームレートの画像信号DV4を出力画像信号DVoutとして出力する。また、画像再生装置90において、被写体の動きが大きくなるに従い撮像画像の再生速度を低下させる再生制御や再生画像における動きぼけを軽減させる再生制御を行う場合、記録再生処理部61は、読み出した画像信号DV3を画像圧縮伸長部41に供給する。画像圧縮伸長部41は、画像信号DV3を用いて動き検出を行い、得られた動きベクトルMVを制御部81に供給する。制御部81は、動きベクトルMVに基づいて記録再生処理部61の動作を制御して、カメラ信号処理部20に供給する画像信号DV3のフレームレートを可変させることで、被写体の動きが大きくなるに従い撮像画像の再生速度を低下させる。また、制御部81は、動きベクトルMVに基づいてカメラ信号処理部20の画像合成部21で用いる重み係数を制御して、再生画像における動きぼけを軽減させる。
【0068】
図8は、画像記録装置91の構成を示すブロック図である。なお、図8において、図1と対応する部分については同一符号を付している。
【0069】
画像記録装置91は、画像信号に対して種々のカメラ信号処理を行うカメラ信号処理部20、フレームメモリ部31、画像信号の圧縮処理を行って符号化信号を生成する画像圧縮伸長部41、記録メディア62に対して符号化信号DWを書き込むための記録再生処理部61、各部の動作を制御する制御部81、ユーザインタフェース部82を有している。
【0070】
画像記録装置91において、基準フレームレートの画像信号DV1を記録するとき、画像圧縮伸長部41は、カメラ信号処理部20でカメラ信号処理がなされた基準フレームレートの画像信号DV2の圧縮処理を行って符号化信号DWを生成する。記録再生処理部61は、画像圧縮伸長部41で生成された符号化信号DWを記録メディア62に書き込む処理を行う。
【0071】
また、高速フレームレートの画像信号DV1を記録するとき、カメラ信号処理部20はカメラ信号処理だけでなくフレームメモリ部31を用いて画像合成を行い、高速フレームレートの画像信号DV1を基準フレームレートの画像信号に変換する。画像圧縮伸長部41は、カメラ信号処理部20から出力された基準フレームレートの画像信号DV2を用いて動きベクトルMVを生成する。記録再生処理部61は、画像圧縮伸長部41で生成された動きベクトルMVを再生制御情報RJとして、または制御部81で動きベクトルMVに基づいて生成された再生制御情報RJを取得して、この再生制御情報RJを高速フレームレートの画像信号DV1と対応付けて記録メディア62に書き込む処理を行う。
【0072】
次に、撮像動作と撮像画像の記録動作および記録されている撮像画像の再生動作について説明する。図9は、動作モードが標準撮像モードに設定されているときの処理を示している。なお図9および後述する図10〜図12は、各処理が図1,図7のいずれかのブロックに対応するものであるかを明確とするため、対応するブロックの符号を付加している。
【0073】
撮像装置は、撮像信号の生成を行って、基準フレームレート例えば60[fps]である撮像信号を生成する。撮像装置は、AFE/ADCの処理を行って撮像信号の信号レベルを調整したのちディジタル信号に変換する。撮像装置は、補正処理を行って信号レベルやホワイトバランスの調整および画素欠陥の補正がなされた画像信号DV1を生成する。撮像装置は、カメラ信号処理を行って輪郭補正や色補正,ガンマ補正,ニー補正等が行われた画像信号DV2を生成する。また、撮像装置は、表示処理を行って画像信号DV2を表示部53に対応する表示解像度の表示画像信号DHに変換する。なお、撮像装置は、検波処理を行って絞り調整,フォーカス調整,ホワイトバランス調整に必要な情報を検出する。
【0074】
撮像装置は、このような処理を行って表示部53の画面上に撮像画像を表示する。したがって、ユーザはどのような被写体が撮像されているかを表示部53の画面上に表示された画像で確認することができる。また、撮像装置で出力画像信号DVoutを出力すれば、外部機器で撮像画像を表示することが可能となる。
【0075】
次に、撮像装置(画像記録装置)は、撮像画像を記録するとき、画像圧縮処理を行うことで符号化信号DWを生成する。更に撮像装置(画像記録装置)は、符号化信号DWを記録メディア62に記録する記録処理を行う。すなわち、記録メディア62には、基準フレームレートで撮像された画像信号DV1が符号化されて記録される。
【0076】
図10は、図9に示す処理を行うことで記録メディア62に記録された画像を再生するときの処理を示している。撮像装置(画像再生装置)は、再生処理を行って記録メディア62から所望の符号化信号を読み出す。撮像装置(画像再生装置)は、画像伸長処理を行って、符号化信号から画像信号DV5を生成する。更に撮像装置は、表示処理を行って画像信号DV5を表示部53に対応する表示解像度の表示画像信号DHに変換する。撮像装置は(画像再生装置)、このような処理を行って表示部53の画面上に再生画像を表示する。また、撮像装置(画像再生装置)で出力画像信号DVoutを出力すれば、外部機器で再生画像を表示することが可能となる。
【0077】
図11は、動作モードが高速撮像モードに設定されているときの処理を示している。
【0078】
撮像装置は、撮像信号の生成を行って高速フレームレート例えば240[fps]である撮像信号を生成する。撮像装置は、AFE/ADCの処理を行って撮像信号の信号レベルを調整したのちディジタル信号に変換する。撮像装置は、補正処理を行って信号レベルやホワイトバランスの調整および画素欠陥の補正がなされた画像信号DV1を生成する。撮像装置は、高速フレームレートの画像信号DV1に対してカメラ信号処理を行う。カメラ信号処理では、輪郭補正や色補正,ガンマ補正,ニー補正等だけでなく、高速フレームレートの画像信号を基準フレームレートの画像信号に変換する画像合成行い、基準フレームレートの画像信号DV2を生成する。
【0079】
また、撮像装置は、表示処理を行って画像信号DV2を表示部53に対応する表示解像度の表示画像信号DHに変換する。撮像装置は、このような処理を行って、高速撮像モードに設定されても、表示部53の画面上に撮像画像を表示する。また、撮像装置で出力画像信号DVoutを出力すれば、外部機器で撮像画像を表示することが可能となる。なお、撮像装置は、フレームレートが基準フレームレートよりも高くされており、フレーム周期で絞り調整、フォーカス調整、ホワイトバランス調整の処理が行われることから、標準撮像モードに比べてこれらの制御の精度、速度を向上することができる。
【0080】
次に、撮像装置(画像記録装置)は、撮像画像を記録するとき、画像圧縮処理を行って動き検出結果例えば動きベクトルMVを生成する。更に、動きベクトルMVを再生制御情報RJ、または動きベクトルMVに基づいて再生制御情報RJを生成する。更に撮像装置(画像記録装置)は、記録処理を行って高速フレームレートの画像信号と再生制御情報RJを対応付けて記録メディア62に記録する。
【0081】
図12は、図11に示す処理を行うことで記録メディア62に記録された画像を再生するときの処理を示している。撮像装置(画像再生装置)は、再生処理を行って記録メディア62から所望の画像信号DV3と画像信号に対応付けられている再生制御情報RJを読み出す。撮像装置(画像再生装置)は、再生制御処理を行い、再生制御情報RJに基づき画像信号DV3のフレームレートを制御して撮像画像における被写体の動きが大きくなるに従い再生速度を遅くしてスローモーション画像を生成させる処理と、カメラ信号処理で動きの大きい被写体のぼけが軽減されたスローモーション画像を生成させる処理を行わせる。撮像装置(画像再生装置)は、カメラ信号処理を行って、画像信号DV3から輪郭補正や色補正,ガンマ補正,ニー補正等の処理が行われた基準フレームレートの画像信号DV4を生成する。また、撮像装置(画像再生装置)は、カメラ信号処理を行って画像信号DV3を基準フレームレートの画像信号に変換する際に、動きぼけが軽減されるように画像合成を行う。更に、撮像装置は、表示処理を行って画像信号DV4を表示部53に対応する表示解像度の画像信号に変換する。撮像装置は、このような処理を行って表示部53の画面上に再生画像を表示する。また、撮像装置(画像再生装置)で出力画像信号DVoutを出力すれば、外部機器で再生画像を表示することが可能となる。
【0082】
また、撮像装置(画像再生装置)は、所望の画像信号DV3に対応付けられている再生制御情報RJを得ることができないときに、被写体の動きが大きくなるに従い撮像画像の再生速度を低下させる再生制御や再生画像における動きぼけを軽減させる再生制御を行う場合、再生制御処理において、画像信号DV3を用いて動き検出を行い、得られた動きベクトルに基づき画像信号DV3のフレームレートを制御して撮像画像における被写体の動きが大きくなるに従い再生速度を遅くしてスローモーション画像を生成させる処理や、カメラ信号処理で動きの大きい被写体のぼけが軽減されたスローモーション画像を生成させる処理を行わせる。
【0083】
なお、撮像装置(画像再生装置)の制御部81は、ユーザの指示した再生速度に応じて、記録メディア62に記録されている画像信号を順次再生するように、記録再生処理部61の動作を制御するものとしてもよい。例えば、制御部81は、ユーザが1倍速の再生速度を指示した場合、画像信号DV3のフレームレートが240[fps]となるように記録メディア62から画像信号の読み出しを行い、画像信号DV3の連続する4フレームをカメラ信号処理部20で順次画像合成して、基準フレームレートである60[fps]の画像信号とする変換を行う。また制御部81は、ユーザが(1/2)倍速の再生速度を指示した場合、画像信号DV3のフレームレートが120[fps]となるように記録メディア62から画像信号の読み出しを行い、画像信号DV3の連続する4フレームをカメラ信号処理部20で順次画像合成して、基準フレームレートである60[fps]の画像信号とする変換を行う。また制御部81は、ユーザが(1/4)倍速の再生速度を指示した場合、画像信号DV3のフレームレートが基準フレームレートである60[fps]となるように記録メディア62から画像信号の読み出しを行う。
【0084】
また、制御部81は、ユーザが早送り再生すなわち1倍速を超える再生速度を指示した場合、記録メディア62から再生速度に応じて間引きして画像信号を読み出すことで、指示された再生速度の画像を示す基準フレームレートの画像信号を生成する。この場合にも、連続する複数フレームの画像を合成して、早送り再生における1フレームの画像を生成するようにしてもよい。
【0085】
次に、再生画像の動きぼけを軽減させる動作について説明する。画像信号DV3の画像合成を行い基準フレームレートの画像信号に変換する場合、例えば上述の図5に示すように4つのフレームa〜dの画像を合成して1フレーム(a+b+c+d)の画像を生成する場合、被写体の動きが大きいと、フレームa〜dにおける被写体の位置が大きく異なるものとなる。このため、重み係数を等しくして巡回加算を行うものとすると、動きの大きい被写体の画像がぼけを生じてしまう。したがって、画質の良好な再生画像を得ることができない。
【0086】
そこで、制御部81は、動きの大きい部分では、巡回加算する複数フレーム内に重み付けの大きいフレームおよびこのフレームと時間的に離れている重み付けが小さいものとされたフレームが設けられるように、フレーム間で違いを生じた重み係数を生成させるための重み係数選択値WSを決定して、カメラ信号処理部20における画像合成部21の重み係数生成部212に供給する。
【0087】
図13は、制御部81から画像合成部21の重み係数生成部212に供給する重み係数選択値の生成動作を説明するための図である。
【0088】
制御部81は、画像信号を用いて動き検出を行うことにより得られた動きの大きさに応じて、重み係数選択値WSを決定する。例えば、画像圧縮伸長部41で画像信号DV1の圧縮処理を行うときに得られる動きベクトルMVを用いて重み係数選択値WSを設定する。具体的には、動きベクトルMVの動き量の絶対値(以下「動きベクトル絶対値」という)MVmをしきい値と比較して、比較結果に応じて重み係数選択値WSを決定する。しきい値は、画像合成するフレーム数に拘わらず固定の値を用いるものとしてもよく、画像合成するフレーム数に応じてしきい値の数を変更するものとしてもよい。例えば、画像合成するフレーム数が多いときには、動きベクトル絶対値MVmに応じて多様な重み係数の設定できるように、しきい値の数を多くする。
【0089】
図13の(A)は、例えば240[fps]で撮像された撮像画像を4フレーム単位で画像合成して60[fps]で再生する場合、すなわち再生速度を1倍速としたときの重み係数選択値WSを示している。なお、図13の(A)では、2つのしきい値Mta1,Mta2が設けられている。
【0090】
制御部81は、動きベクトル絶対値MVmがしきい値Mta1未満であるとき、重み係数選択値WSを「Wa0」とする。また、制御部81は、動きベクトル絶対値MVmがしきい値Mta1以上でしきい値Mta2未満であるとき、重み係数選択値WSを「Wa1」とする。更に、制御部81は、動きベクトル絶対値MVmがしきい値Mtb2以上であるとき、重み係数選択値WSを「Wa2」とする。
【0091】
図13の(B)は、例えば240[fps]で撮像された撮像画像を2フレーム単位で画像合成して60[fps]で再生する場合、すなわち再生速度を(1/2)速としたときの重み係数選択値WSを示している。なお、図13の(B)では、1つのしきい値Mtb1が設けられている。
【0092】
制御部81は、動きベクトル絶対値MVmがしきい値Mtb1未満であるとき、重み係数選択値WSを「Wb0」とする。また、制御部81は、動きベクトル絶対値MVmがしきい値Mtb1以上であるとき、重み係数選択値WSを「Wb1」とする。
【0093】
ここで動きベクトルMVは、マクロブロック毎に検出されることから、制御部81は、図14に示すように、画像信号DV3のマクロブロック毎に、動きベクトル絶対値MVmに応じて重み係数選択値WSが設定されることになる。なお、図14では、画面の周辺部分では動きが小さく、中心側に近づくにしたがって徐々に動きが大きくなる場合を例示しており、画面の周辺部分のマクロブロックでは重み係数選択値WSが「Wa0」に設定され、中心側に近づいたマクロブロックでは重み係数選択値WSが「Wa1」に設定され、中心側のマクロブロックでは重み係数選択値WSが「Wa2」に設定される。
【0094】
画像合成部21の重み係数生成部212は、重み係数選択値WSに応じた重み係数を画像合成する期間内のフレーム毎に順次出力する。図15は、重み係数を例示している。図15において「×1」は、例えば240[fps]で撮像された撮像画像を4フレーム単位で画像合成して60[fps]で再生する場合、すなわち再生速度を1倍速としたときの重み係数を示している。この場合、4つのフレームが画像合成されることから、画像合成される4つのフレームa〜dに対して重み係数を設定する。
【0095】
また、図15において「×1/2」は、例えば240[fps]で撮像された撮像画像を2フレーム単位で画像合成して60[fps]で再生する場合、すなわち再生速度を(1/2)倍としたときの重み係数を示している。この場合、2つのフレームが画像合成されることから、画像合成される2つのフレームa,bに対して重み係数を設定する。
【0096】
重み係数生成部212は、重み係数選択値WSが「Wa0」であるとき画像合成するフレームa,b,c,dの重み係数を「2」として、重み係数選択値WSが「Wb0」であるとき画像合成するフレームa,bの重み係数を「2」とする。すなわち、動きがないまたは動きが小さい部分の画像は重み付けが等しくされる。したがって、画像合成部21から出力される画像信号は、画像合成されるいずれかのフレームの画像にノイズが重畳されても、巡回加算後の画像信号が割り算回路214によって所定信号レベル範囲の画像信号とされるので、動きがない部分や動きが小さい部分のノイズが低減された画像信号となる。
【0097】
重み係数生成部212は、重み係数選択値WSが「Wa1」であるとき、画像合成するフレームa,b,c,dの重み係数をフレーム順に「1,1,3,3」とし、重み係数選択値WSが「Wa2」であるとき、画像合成するフレームa,b,c,dの重み係数をフレーム順に「1,1,2,4」とする。また、重み係数生成部212は、重み係数選択値WSが「Wb1」であるとき、画像合成するフレームa,bの重み係数をフレーム順に「1,3」とする。すなわち、動きが大きい部分については、画像合成するフレームにおいて、重み付けの大きいフレームとこのフレームと時間的に離れている重み付けが小さいものとされたフレームが設けられるように重み係数が設定される。また、動きが大きい部分ほど、重み付けの大きいフレームと時間的に離れている重み付けが小さいフレームとの重み付けの差が大きくなるように重み係数が設定される。このため、重み付けが大きいものされたフレームに対して、時間的に離れたフレームすなわち被写体の位置が大きく異なるフレームの重み付けは小さいものとされることから、重み付けを等しくして画像合成する場合に比べて動きぼけの低減された画像信号となる。
【0098】
なお、制御部81は、動きぼけが低減するように画像合成する各フレームに対してフレーム間で違いを生じた重み係数を設定する処理をユーザが指示した場合にのみ実行するようにして、通常は、画像合成するフレームで重み係数を等しくするようにし、標準撮像モードで撮像した撮像結果を再生する場合と同様の画質で、高速撮像した撮像結果を再生するようにしてもよい。
【0099】
また、制御部81は、動きの大きな部分において、画像合成する各フレームに対してフレーム間で違いを生じた重み係数を設定する処理を、高速撮像モードにおける記録時に実行して、再生制御情報RJに重み係数選択値あるいは重み係数を含めるものとしてもよい。この場合、再生時における重み係数の設定が容易となる。例えば、動きベクトルMVから重み係数を設定する機能を有していない画像再生装置でも、動きぼけの低減された基準フレームレートの画像信号を出力することが可能となる。
【0100】
また、制御部81は、記録メディア62に記録された撮像画像の再生時に再生制御情報RJを得ることができない場合、画像圧縮伸長部41で画像信号DV3を用いた動き検出を行い、この動き検出によって得られた動きベクトルMVから重み係数選択値WSを決定するものとしてもよい。
【0101】
次に、被写体の動きに応じて再生速度を制御する場合について説明する。制御部81は、ユーザの指示により、撮像画像における被写体の動きが大きくなればなる程、再生速度が低下するように推奨再生速度SRを決定して、この推奨再生速度SRを表示部53にオンスクリーン表示する。またユーザが推奨再生速度SRによる再生を指示した場合、制御部81は推奨再生速度SRの画像信号DV4を生成するように各部の動作を制御する。更に、制御部81は、パンやチルト等のカメラワークによる動きの影響を受けないように背景の動きを検出して、この背景の動きを用いて背景に対する被写体の相対的な動きの大きさを算出して、算出した被写体の相対的な動きの大きさに応じて、推奨再生速度SRを決定する。
【0102】
図16は推奨再生速度を決定する処理を説明するための図である。制御部81は、背景と所望の被写体の動きを区別できるようにするため、撮像画像に対して枠BFを設定して、所望の被写体が位置する中央部分と背景部分に相当する周辺部分bに撮像画像を区分する。また、制御部81は、撮像画像の画像信号を用いて検出した動きベクトルMVを絶対値化して、動きの大きさを示す動きベクトル絶対値MVmを算出する。次に、制御部81は、動きベクトル絶対値MVmを枠BFの内側と外側に分けて加算して、枠BFの内側の動きベクトル絶対値MVmを加算した絶対値和から枠BFの外側の動きベクトル絶対値MVmを加算した絶対値和を式(1)のように減算して背景に対する所望の被写体の相対的な動きの大きさを示す判定値MUを算出する。
MU=Σ(枠内の各マクロブロックについての動きベクトル絶対値)
−Σ(枠外の各マクロブロックについての動きベクトル絶対値)・・・(1)
【0103】
次に、制御部81は、判定値MUとしきい値AVt1、AVt2を比較して、比較結果に基づき推奨再生速度SRを決定する。図17は、判定値と推奨再生速度の関係を示す図である。
【0104】
制御部81は、判定値MUがしきい値AVt1未満であるとき推奨再生速度SRを1倍速(×1)である「Fr0」に決定する。また、制御部81は、判定値MUがしきい値AVt1以上でしきい値AVt2未満であるとき推奨再生速度SRを「Fr1」に決定する。更に、制御部81は、制御部81は、判定値MUがしきい値AVt2以上であるとき推奨再生速度SRを「Fr2」に決定する。ここで、高速フレームレートの画像信号DV1が240[fps]、基準フレームレートが60[fps]である場合、制御部81は、推奨再生速度SRが「Fr2」のとき、画像信号DV3のフレームレートが60[fps]となるように記録メディア62から画像信号の読み出しを行い、画像信号DV3を画像合成することなく処理して再生画像の画像信号とする再生速度、すなわち(1/4)倍速を推奨再生速度SRとする。また制御部81は、推奨再生速度SRが「Fr1」のとき、例えば1倍速と(1/4)倍速の中間である(1/2)倍速を推奨再生速度SRとする。
【0105】
このように推奨再生速度SRを設定すると、背景に対する被写体の相対的な動きの大きさが小さいときには1倍速の再生速度となり、動きが大きくなるに伴い再生速度が遅いものとされる。このため、推奨再生速度SRで再生を行うものとすれば、背景に対して被写体の動きが大きいときには被写体の動きがゆっくりとされたスローモーション再生画像となり、被写体の動きが小さいときには被写体の動きが実際の動きとなるように自動的に再生速度が可変される。したがって、ユーザは、被写体の動きが大きいときに被写体の動きをゆっくりとした動きで確認できるようにスローモーション再生動作に切り換えて、被写体の動きが小さくなったときに1倍速再生に切り換える操作を行う必要がなく、ユーザの利便性を格段的に向上することができる。
【0106】
また、制御部81は、推奨再生速度SRの設定を、高速撮像モードにおける記録時に実行して、再生制御情報RJに推奨再生速度SRを含めるものとしてもよい。この場合、再生時における推奨再生速度SRの設定が容易となる。例えば、動きベクトルMVから推奨再生速度SRを設定する機能を有していない画像再生装置でも、被写体の動きに応じて再生速度を自動的に可変することができる。
【0107】
また、制御部81は、推奨再生速度SRの設定を、高速撮像モードで記録された画像の再生時に実行するものとしてもよい。この場合、制御部81は、高速撮像モードにおける記録時に、再生制御情報RJに推奨再生速度SRを含めて、再生制御情報RJを画像信号DV1と対応させて記録メディア62に記録させる。また、制御部81は、高速撮像モードで記録された画像の再生時に、画像信号と画像信号に対応する再生制御情報RJを読み出して、この再生制御情報RJで示された推奨再生速度SRとなるようにカメラ信号処理部20に供給するフレームレートを制御する。
【0108】
また、制御部81は、記録メディア62に記録された撮像画像の再生時に再生制御情報RJを得ることができない場合、画像圧縮伸長部41で画像信号DV3を用いた動き検出を行い、この動き検出によって得られた動きベクトルMVから推奨再生速度SRを決定して、撮像画像の再生速度を制御するものとしてもよい。
【0109】
図18は、撮像装置10および画像記録装置91で画像信号を記録するときの動作を示すタイムチャートである。なお、図18では、動きベクトルMVに基づき推奨再生速度SRを決定して、この推奨再生速度SRが含まれた再生制御情報RJを画像信号に対応させて記録する場合を示している。
【0110】
図18の(A)は基準フレームレートである60〔fps〕の垂直同期信号VDである。図18の(B)は、撮像部12で画像信号DV1を生成するために用いる垂直同期信号VDcである。撮像装置10は、垂直同期信号VDcに同期してイメージセンサ121、AFE122、ADC123、補正処理部124、検波部71を動作させて、図18の(C)に示す画像信号DV1を生成させる。なお、図18の(C)では、連続した数字で各フレームを示している。
【0111】
図18の(H)は、カメラ信号処理部20や画像圧縮伸長部41、画像出力部51、表示処理部52、表示部53における動作の基準となる基準フレームレートの垂直同期信号VDsである。また、垂直同期信号VDh,VDsは、垂直同期信号VDに同期した信号とされている。
【0112】
標準撮像モードのとき、撮像部12は、基準フレームレートとされている垂直同期信号VDcに同期した画像信号DV1のフレーム「0」の信号を生成する。カメラ信号処理部20は、画像信号DV1が基準フレームレートとされていることから、画像合成を除く他のカメラ信号処理を行う。このカメラ信号処理部20から出力される画像信号DV2のフレーム「0」の信号を、表示処理部52を介して表示部53に供給することで、図18の(J)に示すように、表示部53に供給される表示画像信号DHや画像出力部51から出力画像信号DVoutは、フレーム「0」の画像を表示するものとなる。
【0113】
高速撮像モードのとき、撮像部12は、60[fps]の4倍である240[fps]の垂直同期信号VDcに同期した画像信号DV1のフレーム「1」「2」・・・の信号を生成する。カメラ信号処理部20は、画像信号DV1が高速フレームレートとされていることから、画像合成を行い基準フレームレートの画像信号に変換する。
【0114】
図18の(D)〜(G)は、カメラ信号処理部20の画像合成部21で行われる画像合成を説明するための信号である。図18の(D)は、フレームメモリ部31のバンク312aに書き込まれる画像信号Dfwa、図18の(E)は、フレームメモリ部31のバンク312aから読み出される画像信号Dfra、図18の(F)は、フレームメモリ部31のバンク312bに書き込まれる画像信号Dfwb、図18の(G)は、フレームメモリ部31のバンク312bから読み出される画像信号Dfrbをそれぞれ示している。
【0115】
画像合成部21は、フレーム「1」の信号をバンク312aに記憶させる。次のフレームで画像合成部21は、バンク312aに記憶されているフレーム「1」の信号を読み出してフレーム「2」の信号と加算して、巡回加算フレーム「2’」の信号をバンク312aに記憶させる。なお図18の(D)〜(G)では、画像合成が行われた巡回加算フレームに対して数字に「’」を付加している。
【0116】
画像合成部21は、このように巡回加算によって画像合成を行い、基準フレーム期間分の画像合成が完了したとき、すなわちフレーム「1」〜「4」を巡回加算した巡回加算フレーム「4’」の信号がバンク312aに記憶されたとき、画像信号の書き込みをバンク312aからバンク312bに切り換える。また、画像合成部21は、バンク312aに記憶されている4フレーム分の画像合成後の信号を、割り算回路で所定レベル範囲の信号に戻しながら垂直同期信号VDsに同期して読み出して輪郭補正等のカメラ信号処理を行ったのち、画像出力部51や表示処理部52を介して表示部53に供給する。
【0117】
画像合成部21は、フレーム「5」の信号をバンク312bに記憶させる。次のフレームで画像合成部21は、バンク312bに記憶されているフレーム「5」の信号を読み出してフレーム「6」の信号と加算して、巡回加算フレーム「6’」の信号をバンク312bに記憶させる。画像合成部21は、フレーム「5」〜「8」を巡回加算した巡回加算フレーム「8’」の信号がバンク312bに記憶されたとき、画像信号の書き込みを行うバンクをバンク312aに切り換えて、バンク312bに記憶されている4フレーム分の画像合成後の信号を、割り算回路で所定レベル範囲の信号に戻しながら基準フレーム期間で読み出して輪郭補正等の処理を行ったのち、画像出力部51や表示処理部52を介して表示部53に供給する。以下同様に処理すると、図18の(J)に示すように、高速撮像モードとされているときでも、基準フレームレートでの画像表示や画像出力を行うことができる。
【0118】
また、記録操作が行われているとき、制御部81は、標準撮像モードで生成された画像信号例えばフレーム「0」の信号を、圧縮処理して記録メディア62に記録し、高速撮像モードで生成された画像信号例えばフレーム「1」「2」・・・の信号を、カメラ信号処理や圧縮処理を行うことなく記録メディア62に記録する。
【0119】
更に、制御部81は、高速撮像モードであるとき、カメラ信号処理部20から出力される画像信号を画像圧縮伸長部41で処理させて、画像圧縮伸長部41で生成された動き情報に基づき、図18の(I)に示す推奨再生速度SRを決定して、この推奨再生速度SRを含む再生制御情報RJを高速撮像モードで生成された画像信号と対応付けて記録メディア62に記録する。なお、図示せずも、再生時に重み係数を設定する場合には、重み係数選択値WSを再生制御情報RJに含めて、画像信号と対応付けて記録メディア62に記録する。
【0120】
図19は、撮像装置10および画像再生装置90で記録メディア62に記録されている画像を生成するときの動作を示すタイムチャートである。なお、図19では、推奨再生速度による再生をユーザが指示した場合を示している。
【0121】
図19の(A)は、基準フレームレートである60〔fps〕の垂直同期信号VDである。図19の(B)は、記録メディア62から画像信号とともに読み出された推奨再生速度SRを示している。図19の(C)は、記録メディア62から読み出す画像信号の垂直同期信号VDrを示している。また、図19の(I)は、カメラ信号処理部20や画像圧縮伸長部41、画像出力部51、表示処理部52、表示部53における動作の基準となる基準フレームレートの垂直同期信号VDsである。
【0122】
読み出した推奨再生速度SRが1倍速(×1)である「Fr0」であるとき、制御部81は、画像信号DV3を記録時のフレームレート、すなわち画像信号DV3を240[fps]としてカメラ信号処理部20に供給する。図19の(D)は、画像信号DV3を示している。
【0123】
制御部81は、画像信号DV3が高速撮像モードで記録されていることから、カメラ信号処理部20で画像合成を行わせて基準フレームレートの画像信号を生成させる。
【0124】
図19の(E)〜(H)は、カメラ信号処理部20の画像合成部21で行われる画像合成を説明するための信号である。図19の(E)は、フレームメモリ部31のバンク312aに書き込まれる画像信号Dfwa、図19の(F)は、フレームメモリ部31のバンク312aから読み出される画像信号Dfra、図19の(G)は、フレームメモリ部31のバンク312bに書き込まれる画像信号Dfwb、図19の(H)は、フレームメモリ部31のバンク312bから読み出される画像信号Dfrbをそれぞれ示している。
【0125】
画像合成部21は、上述のように画像合成を行い、基準フレーム期間分の画像合成が完了したとき、すなわちフレーム「1」〜「4」を画像合成した巡回加算フレーム「4’」の信号がバンク312aに記憶されたとき、画像信号の書き込みを行うバンクをバンク312aからバンク312bに切り換える。また、画像合成では、動き情報に応じて重み係数が設定されて、設定された重き係数で巡回加算されるフレームの重み付けが行われる。また、画像合成部21は、バンク312aに記憶されている4フレーム分の画像合成後の信号を、割り算回路で所定レベル範囲の信号に戻しながら垂直同期信号VDsに同期して読み出して輪郭補正等のカメラ信号処理を行ったのち、画像出力部51や表示処理部52を介して表示部53に供給する。図19の(J)は、表示部53に供給される表示画像信号DHや画像出力部51から出力画像信号DVoutを示している。
【0126】
次に、読み出した推奨再生速度SRが(1/2)倍速である「Fr1(×1/2)」であるとき、制御部81は、画像信号DV3を記録時の(1/2)倍のフレームレート、すなわち画像信号DV3を120[fps]としてカメラ信号処理部20に供給する。このときも画像信号DV3のフレームレートは基準フレームレートよりも高いことから、制御部81は、カメラ信号処理部20で画像合成を行わせて、基準フレームレートの画像信号を生成させる。
【0127】
すなわち、画像合成部21は、フレーム「9」の信号をバンク312aに記憶させる。次のフレームで画像合成部21は、バンク312aに記憶されているフレーム「9」の信号を読み出してフレーム「10」の信号と加算して、巡回加算フレーム「10’」の信号をバンク312aに記憶させる。
【0128】
画像合成部21は、基準フレーム期間分の画像合成が完了したとき、すなわちフレーム「9」,「10」の画像合成が行われた巡回加算フレーム「10’」の信号がバンク312aに記憶されたとき、画像信号の書き込みを行うバンクをバンク312aからバンク312bに切り換える。また、画像合成部21は、バンク312aに記憶されている2フレーム分の画像合成後の信号を、割り算回路で所定レベル範囲の信号に戻しながら垂直同期信号VDsに同期して読み出して輪郭補正等の処理を行ったのち、画像出力部51や表示処理部52を介して表示部53に供給する。
【0129】
次に、読み出した推奨再生速度SRが(1/4)倍速である「Fr2(×1/4)」であるとき、制御部81は、画像信号DV3を記録時の(1/4)倍のフレームレート、すなわち画像信号DV3を60[fps]としてカメラ信号処理部20に供給する。このとき、画像信号DV3のフレームレートは基準フレームレートであることから、制御部81は、カメラ信号処理部20で画像合成を行うことなく、輪郭補正等のカメラ信号処理を行ったのち、画像出力部51や表示処理部52を介して表示部53に供給する。なお、カメラ信号処理部20は、画像合成を行うとき基準フレーム期間分の画像合成が行われた画像信号を次の基準フレーム期間で読み出すものであることから画像合成後の信号は、画像信号DV3に対して1フレーム遅延したものとなっている。したがって、画像信号DV3が基準フレームレートであるとき、制御部81は、画像信号DV3をバンク312aまたはバンク312bに書き込み、書き込まれた画像信号を次の基準フレーム期間で読み出すように制御して、推奨再生速度SRの切り換えが行われても、各フレームの画像信号DV3を用いて画像の再生を順次行わせる。
【0130】
このように、推奨再生速度SRで再生動作を行うものとすれば、動きの小さいときには画像信号DV3が4フレーム単位で画像合成されて、基準フレームレートの画像とされるので、表示または出力される画像は自動的に1倍速の再生画像となる。また、動きが大きくなるに伴い、画像信号DV3のフレームレートが遅くされると共に画像合成されるフレーム数も少なくされるので、表示または出力される画像は自動的にスローモーションの再生画像となる。
【0131】
また、制御部81は、動きの小さいとき重み係数を等しく設定して、動きの大きいときには画像合成による動きぼけが少なくなるように画像合成するフレーム間で違いを生じた重み係数に設定する。したがって、動きの小さい部位はノイズの低減された画像となり、動きの大きい部位は、画像合成を行ってもぼけの少ない画像となる。
【0132】
図20は、記録メディア62から読み出した画像信号を用いて動き検出を行い、推奨再生速度を設定して、この推奨再生速度による再生をユーザが指示した場合のタイミングチャートを示している。
【0133】
図20の(A)は、基準フレームレートである60〔fps〕の垂直同期信号VDである。図20の(B)は、記録メディア62から読み出す画像信号の垂直同期信号VDrを示しており、垂直同期信号VDrは、記録されている画像信号のフレームレートである240[fps]のフレーム周期とされている。また、図20の(I)は、カメラ信号処理部20や画像圧縮伸長部41、画像出力部51、表示処理部52、表示部53における動作の基準となる基準フレームレートの垂直同期信号VDsである。
【0134】
図20の(D)カメラ信号処理部と画像圧縮伸長部41に供給される画像信号DV3、図20の(C)は、画像信号DV3を用いて動き検出を行うことにより決定された推奨再生速度SRを示している。
【0135】
記録再生処理部61は、記録メディア62から画像信号の読み出しを行い、垂直同期信号VDと垂直同期信号VDrに同期して1フレーム分の画像信号DV3を注目フレームの画像信号としてカメラ信号処理部20と画像圧縮伸長部41に供給する。画像圧縮伸長部41は、垂直同期信号VD,VDrに同期して供給された注目フレームの画像信号と、このフレームよりも例えば1フレーム前である参照フレームの画像信号を用いて動き検出を行い動きベクトルMVを検出する。制御部81は、検出された動きベクトルMVに基づき、この注目フレームが含まれる基準フレーム期間の推奨再生速度SRと重み係数選択値WSを決定する。
【0136】
例えば画像圧縮伸長部41は、注目フレームであるフレーム「1」の画像信号と参照フレームであるフレーム「0」の画像信号を用いて動き検出を行い、動きベクトルMVを検出する。制御部81は、この動きベクトルMVに基づき、フレーム「1」が含まれる基準フレーム期間の推奨再生速度SRを決定する。ここで、検出した動きベクトルMVに基づいて算出した判定値MUがしきい値AVt1未満であるとき、制御部81は、フレーム「1」が含まれる基準フレーム期間の推奨再生速度SRを1倍速(×1)である「Fro」とする。1倍速のときには、画像信号DV3の4フレーム分を画像合成することから、制御部81は記録再生処理部61を制御して、フレーム「1」に続く3フレームの画像信号をカメラ信号処理部20と画像圧縮伸長部41に供給する。
【0137】
図20の(E)〜(H)は、カメラ信号処理部20の画像合成部21で行われる画像合成を説明するための信号である。図20の(E)は、フレームメモリ部31のバンク312aに書き込まれる画像信号Dfwa、図20の(F)は、フレームメモリ部31のバンク312aから読み出される画像信号Dfra、図20の(G)は、フレームメモリ部31のバンク312bに書き込まれる画像信号Dfwb、図20の(H)は、フレームメモリ部31のバンク312bから読み出される画像信号Dfrbをそれぞれ示している。
【0138】
画像合成部21は、上述のように画像合成を行い、基準フレーム期間分の画像合成が完了したとき、すなわちフレーム「1」〜「4」を画像合成した巡回加算フレーム「4’」の信号がバンク312aに記憶されたとき、画像信号の書き込みを行うバンクをバンク312aからバンク312bに切り換える。また、画像合成では、検出された動きベクトルに基づいて決定された重み係数選択値WSに応じて重み係数が設定されて、設定された重き係数で巡回加算されるフレームの重み付けが行われる。また、画像合成部21は、バンク312aに記憶されている4フレーム分の画像合成後の信号を、割り算回路で所定レベル範囲の信号に戻しながら垂直同期信号VDsに同期して、次の基準フレーム期間で読み出して輪郭補正等の処理を行ったのち、画像出力部51や表示処理部52を介して表示部53に供給する。図20の(J)は表示部53に供給される表示画像信号DHや画像出力部51から出力される出力画像信号DVoutを示している。なお、重み係数選択値WSを決定するとき、既に巡回加算する1フレーム目の画像信号がバンクに記憶される。このため、重み係数選択値WSに応じて選択される動き係数において最初のフレームの係数を等しくしておけば、2番目のフレーム以降の動き係数を調整して、動きぼけを軽減させることができる。例えば図15において、重み係数選択値WSが「Wa0」であるときの係数を「1,1,1,1」として、図4に示す割り算回路214では、重み係数選択値WSが「Wa0」であるとき、フレームメモリ部31から供給された画像信号の信号レベルを(1/4)倍する。このようにすれば、フレームaの係数は重み係数選択値WSが「Wa0」「Wa1」「Wa2」のいずれであっても「1」とされるので、既に巡回加算する1フレーム目の画像信号がバンクに記憶されても、動きがない部分や動きが小さい部分のノイズや動きの大きい部分の動きぼけを低減させることができる。
【0139】
次に、注目フレームであるフレーム「5」の画像信号と参照フレームであるフレーム「4」の画像信号を用いて動き検出を行い、検出された動きベクトルMVに基づきフレーム「5」が含まれる基準フレーム期間の推奨再生速度SRが1倍速(×1)である「Fro」に決定されると、バンク312bを用いて4フレームの巡回加算が行われて、表示画像信号DHの生成や出力画像信号DVoutの出力が行われる。
【0140】
次に、注目フレームであるフレーム「9」の画像信号と参照フレームであるフレーム「8」の画像信号を用いて動き検出を行い、検出された動きベクトルMVに基づきフレーム「8」が含まれる基準フレーム期間の推奨再生速度SRを決定する。ここで、判定値MUがしきい値AVt1以上でしきい値AVt2未満であるときは、フレーム「8」が含まれる基準フレーム期間の推奨再生速度SRを(1/2)倍速「×1/2」である「Fr1」とする。(1/2)倍速のときには、画像信号DV3の2フレーム分を画像合成することから、制御部81は記録再生処理部61を制御して、フレーム「8」に続く1フレーム分の画像信号をカメラ信号処理部20と画像圧縮伸長部41に供給する。
【0141】
画像合成部21は、画像合成を行って基準フレーム期間分の画像合成が完了したとき、すなわちフレーム「9」「10」を画像合成した回加算フレーム「10’」の信号がバンク312aに記憶されたとき、画像信号の書き込みを行うバンクをバンク312aからバンク312bに切り換える。画像合成では、検出された動きベクトルに基づいて決定された重み係数選択値WSに応じて設定された重み係数で巡回加算されるフレームの重み付けが行われる。また、画像合成部21は、バンク312aに記憶されている2フレーム分の画像合成後の信号を、割り算回路で所定レベル範囲の信号に戻しながら垂直同期信号VDsに同期して次の基準フレーム期間で読み出して輪郭補正等の処理を行ったのち、画像出力部51や表示処理部52を介して表示部53に供給する。
【0142】
また、注目フレームであるフレーム「13」の画像信号と参照フレームであるフレーム「12」の画像信号を用いて動き検出を行い、検出された動きベクトルMVに基づく判定値MUがしきい値AVt2以上であるときは、フレーム「13」が含まれる基準フレーム期間の推奨再生速度SRを(1/4)倍速「×1/4」である「Fr2」とする。(1/4)倍速のときには、画像信号DV3の画像合成を行わないことから、バンク312aに記憶されたフレーム「13」の画像信号を垂直同期信号VDsに同期して次の基準フレーム期間で読み出して輪郭補正等のカメラ信号処理を行ったのち、画像出力部51や表示処理部52を介して表示部53に供給する。
【0143】
このように、記録メディア62から読み出した画像信号を用いて動き検出を行い、動き検出結果に基づいて推奨再生速度SRや重み係数選択値WSを決定すれば、再生制御情報RJが記録メディア62に記録されていなくとも、動きの小さいときには画像信号DV3が4フレーム単位で画像合成されて、基準フレームレートの画像とされるので、表示または出力される画像は自動的に1倍速の再生画像となる。また、動きが大きくなるに伴い、画像信号DV3のフレームレートが遅くされると共に画像合成されるフレーム数も少なくされるので、表示または出力される画像は自動的にスローモーションの再生画像となる。
【0144】
また、動きの小さいときには重み係数を等しくして画像合成が行われ、動きの大きいときには合成後の画像で動きぼけが低減するように画像合成するフレーム間で違いを生じた重み係数が設定される。したがって、再生画像において動きの小さい部位はノイズの低減された画像となり、動きの大きい部位は、画像合成を行ってもぼけの少ない画像となる。
【0145】
このように、上述の実施の形態によれば、撮像画像における被写体の動きに応じて推奨再生速度が決定されるので、推奨再生速度で再生を行うものとすれば、被写体の動きが大きい撮像画像が記録されている位置をユーザが検索してスローモーション再生を行わなくとも、被写体の動きが大きいときには自動的に再生速度が低下されてスローモーション再生画像が表示されることになり、ユーザの使い勝手を向上することができる。
【0146】
また、撮像機会を逃すことなく時間解像度の高いスローモーション再生画像を得ることができるように、高速撮像モードでの記録動作を事前に開始すると、高速撮像モードで記録された撮像画像の再生速度を遅くしてスローモーション再生画像を得るものとした場合、所望の動きがスローモーション画像として表示されるまでの待ち時間が非常に長くなってしまう。しかし、本願発明によれば、動きが小さいときには例えば1倍速で再生が行われて、動きが大きいときには自動的に再生速度が低下されてスローモーション再生画像となるので、所望の動きがスローモーション画像として表示されるまでの待ち時間が長くなってしまうことを防止できる。
【0147】
また、基準フレーム期間分の画像信号を画像の動きに応じて重み付けして加算処理により、高速フレームレートの画像信号が基準フレームレートの画像信号に変換されるので、静止部分や動きの小さい部分のSN比が改善されて、動きの大きい部分ではぼけが防止された、高画質のスローモーション画像を得ることができる。
【0148】
また、動き検出によって動きベクトルを求めて、この動きベクトルの動き量に応じて重み付けや推奨再生速度が決定されるので、簡易かつ確実に重み付けや推奨再生速度を決定することができる。
【0149】
また、上述の撮像装置では、標準撮像モードであるとき、画像信号DV1を圧縮処理して記録メディアに記録するので、記録する撮像画像の信号量を削減できる。また、画像信号DV1を圧縮処理する画像圧縮伸長部41で得られた動きベクトルから再生制御情報RJが生成されるので、再生制御情報RJを生成するために動き検出部を別個に設ける必要がなく、撮像装置の構成が簡単でコストアップを抑えることができる。
【0150】
なお、上述の撮像装置は、撮像画像の記録再生を行うものに限らない。例えば、高速フレームレートの画像信号と再生制御情報RJを対応付けて画像出力部51から出力するようにしてもよい。
【0151】
また、上述の撮像装置では、基準フレームレートの画像信号を用いてカメラ信号処理や圧縮処理を行う場合を示したが、カメラ信号処理部や画像圧縮伸長部の処理能力が高く、高速フレームレートの画像信号を用いてカメラ信号処理や圧縮処理を行うことが可能である場合には、カメラ信号処理された高速フレームレートの画像信号やこの画像信号を圧縮処理して、記録メディア62に記録または画像出力部51から出力するようにしてもよい。
【0152】
また、上述の実施の形態では、画像圧縮伸長部41で圧縮処理を行う際に生成した動きベクトルを被写体の動き検出の結果として用いるものとしたが、動き検出は、例えば、画面内の動き量の平均に対する分散の大きさを求める方法等、種々の方法を広く適用することができる。
【0153】
図21は、本発明の他の実施の形態を示すブロック図である。撮像装置95は、モニタ用と外部出力用とに2系統のカメラ信号処理部20a、20bが設けられる。撮像装置95は、この2系統のカメラ信号処理部20a、20bに関する構成が異なる点を除いて、撮像装置10と同一に構成される。
【0154】
撮像装置95は、例えばホームネットワーク96を介してディスプレイ装置97と接続される。撮像装置95において、制御部81は、画像出力部51を介した接続時のデータ通信により、ディスプレイ装置97の入力可能な最大のフレームレート(フレーム周波数)を検出する。なお最大フレームレートの検出は、接続時に実行される撮像装置95とディスプレイ装置97との間のデータ通信処理において、ディスプレイ装置97からディスプレイ装置97の再生制御情報を取得することにより実行される。
【0155】
制御部81は、この取得した最大フレームレートの画像信号を画像出力部51から出力するように、外部出力用のカメラ信号処理部20bから出力する画像信号DV2b,DV4bのフレームレートを切り換える。
【0156】
すなわちディスプレイ装置97における最大フレームレートが60〔fps〕(最大フレーム周波数が60〔Hz〕)の場合、カメラ信号処理部20と同一に、カメラ信号処理部20bの動作を制御し、60〔fps〕の画像信号DV2b,DV4bを出力する。
【0157】
ディスプレイ装置97における最大フレームレートが120〔fps〕の場合、240〔fps〕で記録メディア62から再生した画像信号DV3、および高速撮像モードで得られる画像信号DV1については、連続する2フレームの巡回加算を行って生成された120〔fps〕の画像信号DV2b,DV4bをディスプレイ装置97に出力する。
【0158】
また120〔fps〕で記録メディア62から再生した画像信号DV3については、フレームレートを低減することなく、カメラ信号処理部20bで処理してディスプレイ装置97に出力する。また60〔fps〕で記録メディア62から再生した画像信号DV3、標準撮像モードで撮像部12から出力される画像信号DV1については、バンク312a、312bを交互に使用して同一フレームの画像信号を繰り返し出力することにより、120〔fps〕にアップコンバートしてディスプレイ装置97に出力する。
【0159】
なお、アップコンバートの処理は、単に同一フレームを繰り返す処理に代えて、動きベクトルを用いた動き補償によりフレーム補間する場合等、種々の手法を広く適用することができる。またアップコンバートに代えて、撮像部12の動作を切り換えて、120〔fps〕の画像信号DV1を生成するようにしてもよい。
【0160】
モニタ側のカメラ信号処理部20aは、記録メディア62から再生した画像信号DV3を入力し、表示処理部52、表示部53に対応したフレームレートである60〔fps〕で出力する。
【0161】
なお、カメラ信号処理部自体を2系統設ける代わりに、画像合成部21だけ2系統設けるようにしてもよい。ただし、この場合、ガンマ処理等を始めに実行し、最後に画像合成処理を実行することになる。
【0162】
このように、少なくとも外部機器の対応可能なフレームレートより高いフレームレートで、記録媒体から高速撮像モードで記録された撮像画像を再生する場合に、この外部機器に応じて、外部機器が対応可能なフレームレートに低減して出力することにより、一段と高画質で撮像結果を出力することができる。
【0163】
ところでホームネットワーク等のネットワークを介して画像信号を伝送する場合、このネットワークを介して他の機器が信号の伝送を行っている場合も予測され、ネットワークの伝送速度が低い場合に、リアルタイムで画像信号を伝送できなくなる場合もある。そこで、記録メディア62から読み出した画像信号をディスプレイ装置97に出力する場合、推奨再生速度に対応するように、ディスプレイ装置97に出力する画像信号のフレームレートを動的に切り換え、不必要に高いフレームレートで画像信号DV4bがディスプレイ装置97に出力されないようにする。なおこの実施の形態では、ディスプレイ装置97に出力する画像信号のフレームレートが異なる点を除いて、上述の撮像装置10と同一に構成される。
【0164】
制御部81は、高速撮像モードにおいて、画像圧縮伸長部41で検出される動きベクトルを用いて、推奨再生速度を決定する。またこの決定した推奨再生速度が1倍速の場合、フレームレートが240[fps]である画像信号DV1の連続する4フレームをカメラ信号処理部20bで順次画像合成して、フレームレートが60〔fps〕の画像信号DV2bを生成し、この画像信号DV2bをディスプレイ装置97に出力する。
【0165】
推奨再生速度が(1/2)倍速の場合、フレームレートが240[fps]である画像信号DV1の連続する2フレームをカメラ信号処理部20bで順次画像合成して、フレームレートが120〔fps〕の画像信号DV2bを生成し、この画像信号DV4bをディスプレイ装置97に出力する。また推奨再生速度が(1/4)倍速の場合、フレームレートが240[fps]である画像信号DV1を、カメラ信号処理部20bで何らフレームレートを低減することなく、240〔fps〕の画像信号DV2bをディスプレイ装置97に出力する。
【0166】
高速撮像モードで記録メディア62に記録した撮像画像の再生時、ユーザが1倍速の再生を指示している場合には、画像信号DV3のフレームレートが240[fps]となるように記録メディア62から読み出しを行う。また、推奨再生速度に応じて、この再生した画像信号DV3のフレームレートをカメラ信号処理部20bで変換する。したがって、この場合も、推奨再生速度が1倍速、(1/2)倍速、(1/4)倍速の場合に、カメラ信号処理部20bで、それぞれフレームレートが60〔fps〕、120〔fps〕、240〔fps〕の画像信号DV4bを生成してディスプレイ装置97に出力する。
【0167】
高速撮像モードで記録メディア62に記録した画像信号の再生時、ユーザが(1/2)倍速の再生を指示している場合には、画像信号DV3のフレームレートが120[fps]となるように記録メディア62から読み出しを行う。また推奨再生速度が1倍速の場合、画像信号DV3のフレームレートをカメラ信号処理部20bで60〔fps〕に変換してディスプレイ装置97に出力する。これに対して推奨再生速度が(1/2)倍速、(1/4)倍速の場合、何らフレームレートを低減することなく、フレームレートが120〔fps〕の画像信号DV4bをディスプレイ装置97に出力する。
【0168】
高速撮像モードで記録メディア62に記録した画像信号の再生時、ユーザが(1/4)倍速の再生を指示している場合には、画像信号DV3のフレームレートが60[fps]となるように記録メディア62から読み出しを行う。また何らフレームレートを低減することなく、60〔fps〕の画像信号DV4bをディスプレイ装置97に出力する。
【0169】
高時間解像度スローモーション撮像モードで記録メディア62に記録した画像信号の再生時、ユーザが推奨再生速度による再生を指示している場合、カメラ信号処理部20bにおける画像合成処理を中止し、記録メディア62から再生するフレームレートの画像信号DV4bをディスプレイ装置97に出力する。
【0170】
なお、標準撮像モード時、標準撮像モードで記録メディア2に記録した撮像画像の再生時においても、同様に、推奨再生速度を検出し、この推奨再生速度に応じてフレームレートを動的に変化させるようにしてもよい。またこの標準撮像モードにおける動的なフレームレートの切り換えは、60〔fps〕の画像信号をアップコンバートして実行してもよく、イメージセンサ121自体の動作周波数を切り換えて実行するようにしてもよい。
【0171】
このように、被写体の動きに応じて、外部機器に出力する画像信号のフレームレートを動的に切り換えることにより、実用上十分な画質を確保してネットワークに送出する画像信号の信号量を十分に低減することができる。したがって、他の機器とネットワークを共用する場合でも、リアルタイムで画像信号を伝送することができる。
【0172】
また、推奨再生速度に応じて外部装置に出力する画像信号のフレームレートを動的に変更する場合に限らず、画像信号の伝送路であるネットワークに応じて、および/または外部機器に応じて、動的に切り換えるようにして、リアルタイムの画像信号の伝送を確保するようにしてもよい。
【0173】
なおネットワークに応じたフレームレートの切り換えは、例えばパケット単位で画像信号をネットワークに送出する際に、ネットワークにパケットの送出をリクエストして許可が得られるまでの待ち時間により、ネットワークにおけるいわゆる混雑の程度を判断し、混雑している場合程、フレームレートを低減させることにより実行することができる。
【0174】
また外部機器に応じたフレームレートの切り換えは、例えばパケット単位で画像信号を外部機器に伝送する際に、外部機器に画像信号の伝送をリクエストした後、伝送の許可が得られるまでの待ち時間をカウントし、待ち時間が長い場合程、フレームレートを低減させることにより実行することができる。
【0175】
なお、上述の実施の形態においては、巡回加算により画像信号のフレームレートを低減する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、単に複数フレームの対応する画像信号の加算処理によりフレームレートを低減するようにしてもよく、更に実用上十分な画質を確保することができる場合には、フレームの間引きによりフレームレートを低減するようにしてもよい。
【0176】
また上述の実施の形態においては、基準フレームレートを60〔fps〕として、高速撮像モードでは、基準フレームレートの4倍のフレームレートである240〔fps〕の画像信号DV1を生成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば基準フレームレートの3倍のフレームレートである画像信号DV1を生成する場合等、種々のフレームレートで撮像を行う場合に広く適用することができる。
【0177】
また上述の実施の形態においては、高速撮像モードで撮像された画像を1倍速、(1/2)倍速、(1/4)倍速で再生する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば(1/3)倍速で再生する場合等にも広く適用することができる。
【0178】
更に、上述の実施の形態においては、ノンインタレース方式の画像信号を生成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、インタレース方式の画像信号を生成する場合にも広く適用することができる。
【0179】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0180】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
予め設定された画像レートよりも高い画像レートで撮像を行うことにより生成された撮像画像の画像信号を再生する信号再生部と、
前記信号再生部から出力される画像信号を用いて動き検出を行うことで得られた動き検出結果を用いて再生制御情報を生成する再生制御情報生成部と、
前記信号再生部から出力される画像信号の画像レートを前記予め設定された画像レートに変換する信号処理部と、
前記再生制御情報に基づき前記信号再生部から前記信号処理部に供給される画像信号の画像レートを制御して、前記動き検出結果が示す動きが大きくなるに従い前記撮像画像の再生速度を低下させる制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記信号処理部にて前記画像信号を画像合成して画像レート変換を行うとき、前記画像信号を用いて動き検出を行うことで得られた動き検出結果に基づいて、画像合成される前記画像信号の各フレームの重み係数を設定する、画像再生装置。
(2)
前記制御部は、前記動き検出結果が示す動きの大きい部分では、画像合成される前記画像信号の各フレーム内に重み係数の大きいフレームおよび当該フレームと時間的に離れている重み係数の小さいフレームが設けられるように、前記各フレームの重み係数を設定する、前記(1)に記載の画像再生装置。
(3)
画像合成される前記画像信号の各フレームの重み係数の組み合わせが設定された複数の重み係数選択値が設定されており、
前記制御部は、前記動き検出結果が示す動きの大きさとしきい値との比較結果に基づいて1つの前記重み係数選択値を決定する、前記(2)に記載の画像再生装置。
(4)
前記動き検出結果は、前記画像信号から検出されるマクロブロック単位の動きベクトルであり、
前記制御部は、前記動きベクトルの動き量の絶対値と前記しきい値との比較結果に基づいて前記マクロブロック毎に1つの前記重み係数選択値を決定する、前記(3)に記載の画像再生装置。
(5)
画像合成される前記画像信号のフレーム数に応じて、前記しきい値の数が決定される、前記(3)または(4)に記載の画像再生装置。
【産業上の利用可能性】
【0181】
本発明は、例えば通常のビデオ信号の画像レートよりも高い画像レートで撮像を行って画像信号を生成して、この画像信号を用いてスローモーション再生画像を得るときに好適である。
【符号の説明】
【0182】
10 撮像装置
12 撮像部
20 カメラ信号処理部
21 画像合成部
22 画素補間部
24 色補正部
25 ガンマ/ニー処理部
26 色空間変換部
27 解像度変換部
31 フレームメモリ部
41 画像圧縮伸長部
51 画像出力部
52 表示処理部
53 表示部
61 記録再生処理部
62 記録メディア
71 検波部
81 制御部
82 ユーザインタフェース部
90 画像再生装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め設定された画像レートよりも高い画像レートで撮像を行うことにより生成された撮像画像の画像信号を再生する信号再生部と、
前記信号再生部から出力される画像信号を用いて動き検出を行うことで得られた動き検出結果を用いて再生制御情報を生成する再生制御情報生成部と、
前記信号再生部から出力される画像信号の画像レートを前記予め設定された画像レートに変換する信号処理部と、
前記再生制御情報に基づき前記信号再生部から前記信号処理部に供給される画像信号の画像レートを制御して、前記動き検出結果が示す動きが大きくなるに従い前記撮像画像の再生速度を低下させる制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記信号処理部にて前記画像信号を画像合成して画像レート変換を行うとき、前記画像信号を用いて動き検出を行うことで得られた動き検出結果に基づいて、画像合成される前記画像信号の各フレームの重み係数を設定する、画像再生装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記動き検出結果が示す動きの大きい部分では、画像合成される前記画像信号の各フレーム内に重み係数の大きいフレームおよび当該フレームと時間的に離れている重み係数の小さいフレームが設けられるように、前記各フレームの重み係数を設定する、請求項1に記載の画像再生装置。
【請求項3】
画像合成される前記画像信号の各フレームの重み係数の組み合わせが設定された複数の重み係数選択値が設定されており、
前記制御部は、前記動き検出結果が示す動きの大きさとしきい値との比較結果に基づいて1つの前記重み係数選択値を決定する、請求項2に記載の画像再生装置。
【請求項4】
前記動き検出結果は、前記画像信号から検出されるマクロブロック単位の動きベクトルであり、
前記制御部は、前記動きベクトルの動き量の絶対値と前記しきい値との比較結果に基づいて前記マクロブロック毎に1つの前記重み係数選択値を決定する、請求項3に記載の画像再生装置。
【請求項5】
画像合成される前記画像信号のフレーム数に応じて、前記しきい値の数が決定される、請求項3に記載の画像再生装置。
【請求項6】
予め設定された画像レートよりも高い画像レートで撮像を行うことにより生成された撮像画像の画像信号を再生するステップと、
前記画像信号を用いて動き検出を行うことで得られた動き検出結果を用いて再生制御情報を生成するステップと、
前記動き検出結果に基づいて画像合成される前記画像信号の各フレームの重み係数を設定するステップと、
前記画像信号の各フレームの重み係数で重み付けされた前記画像信号の画像レートを前記予め設定された画像レートに変換するステップと、
前記再生制御情報に基づき前記画像信号の画像レートを制御して、前記動き検出結果が示す動きが大きくなるに従い前記撮像画像の再生速度を低下させるステップと、
を含む、画像再生方法。
【請求項7】
予め設定された画像レートよりも高い画像レートで撮像を行うことにより生成された撮像画像の画像信号を生成する撮像部と、
前記撮像部で生成された画像信号を用いて動き検出を行うことで得られた動き検出結果に基づいて、画像合成される前記画像信号の各フレームの重み係数を設定する制御部と、
前記画像信号の各フレームの重み係数で重み付けされた前記画像信号の画像レートを前記予め設定された画像レートに変換する信号処理部と、
前記信号処理部で前記予め設定された画像レートに変換された画像信号を用いて動き検出を行うことで得られた動き検出結果を用いて、前記画像信号の再生時に前記動き検出で検出された動きが大きくなるに従い前記撮像画像の再生速度を低下させる再生制御情報を生成する再生制御情報生成部と、
前記再生制御情報を前記画像信号に対応させて出力する出力部と、
を備える、撮像装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate


【公開番号】特開2012−60671(P2012−60671A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−253683(P2011−253683)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【分割の表示】特願2008−558036(P2008−558036)の分割
【原出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】