説明

画像処理システム、タブレット端末装置、画像処理装置およびプログラム

【課題】タブレット端末装置を用いて画像処理装置の遠隔操作を行う際に、ユーザの作業負担を軽減し、効率的に画像処理装置を利用できるようにする。
【解決手段】タブレット端末装置8は、画像処理装置2とデータ通信を行うことにより、画像処理装置2からアプリケーション情報を取得し、画像処理装置2に登録されている複数のWebアプリケーション部のうちから、当該タブレット端末装置8を使用するユーザと関連するユーザによって登録されたWebアプリケーション部を選択する。タブレット端末装置8は、その選択したWebアプリケーション部に対応するアプリケーション情報に基づいてブラウザにWebページへの自動アクセスを行わせるためのブラウザ制御プログラムを生成すると共に、当該ブラウザ制御プログラムを起動するためのアイコン画像を表示部に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理システム、タブレット端末装置、画像処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスなどに設置される複合機などの画像処理装置は、一般にLAN(Local Area Network)などのネットワークに接続された状態で利用されるようになっている。そのため、画像処理装置を利用するユーザは、画像処理装置に設けられた操作パネルを直接操作するだけでなく、ネットワークを介して遠隔操作を行うことによって画像処理装置の各機能を利用することも可能となっている(例えば特許文献1)。
【0003】
また従来、画像処理装置にWebサーバの機能を搭載しておき、ネットワークに接続されたホストコンピュータにおいてブラウザを起動して画像処理装置のWebサーバにアクセスすることによって画像処理装置を遠隔操作できるようにした技術が提案されている(例えば特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−272770号公報
【特許文献2】特開2004−56345号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のようなWebサーバの機能を有する画像処理装置では、例えばコピー機能、スキャン機能、プリンタ機能、BOX機能といった機能ごとに、Webサーバ上で動作するWebアプリケーションが搭載される。例えば、コピー機能に関する操作画面をWebページとして提供するための専用のWebアプリケーションや、スキャン機能に関する操作画面をWebページとして提供する専用のWebアプリケーションなどが画像処理装置に搭載され、画像処理装置に設けられたWebサーバがそれらの各Webアプリケーションによって提供されるWebページを異なるアドレス(URL:Uniform Resource Locator)に設定して管理する。そしてWebサーバは、ネットワークを介して特定のアドレスへのアクセス要求があると、そのアドレスに対応するWebアプリケーションからWebページを読み出し、アクセス要求の送信元に対してそのWebページを出力する。そのため、画像処理装置とネットワークを介して接続されているコンピュータなどにおいてブラウザを起動させることにより、ユーザは、画像処理装置におけるコピー機能やスキャン機能などを遠隔利用することができるようになる。
【0006】
一方、近年はスマートフォンなどのタブレット端末装置の普及が著しい。このようなタブレット端末装置には、一般的なパーソナルコンピュータと同様、Webページを閲覧するためのブラウザを備えているものも少なくない。したがって、今後はそのようなタブレット端末装置の普及に伴い、オフィスなどにおいても各ユーザが保有するタブレット端末装置を用いて画像処理装置の遠隔操作が行われるようになっていくと考えられる。
【0007】
ところが、近年では画像処理装置に搭載されるWebアプリケーションは更に多種多様化してきているのが実情である。例えばスキャン機能を遠隔利用するためのWebアプリケーションの場合でも、原稿読み取り時の設定が異なるものや、原稿を読み取って得られる画像データの送信先として特定のユーザが予め指定されているものなど、多種多様なWebアプリケーションが作成され、画像処理装置に搭載されるようになってきている。つまり、近年のWebアプリケーションは、各ユーザがコピー機能やスキャン機能などに関する詳細な設定操作を行わなくても良いようにするため、画像処理装置に行わせる特定の処理ごとに作成され、画像処理装置に搭載されるようになっている。
【0008】
このような状況の下では、画像処理装置に特定の処理を行わせるための専用のWebアプリケーションが多数搭載されることになる。この場合、各Webアプリケーションによって提供されるWebページには、Webサーバによってそれぞれ異なるアドレスが設定される。そのため、各ユーザがタブレット端末装置を用いて画像処理装置に特定の処理を行わせるときには、画像処理装置のWebサーバで管理されている多数のアドレスの中から、その特定の処理に対応するアドレスをタブレット端末装置のブラウザに手動操作で指定しなければならないという煩わしさがある。
【0009】
また仮に、画像処理装置に100を越える数のWebアプリケーションがインストールされているような場合でも、実際に個々のユーザが利用するWebアプリケーションはそのうちの数個から十数個程度であることが多い。このような場合、各ユーザが100を越えるアドレスの中から、自身で利用するWebアプリケーションのアドレスを自ら選び出さなければならないとすると、そのための作業負担が過大なものになってしまうという課題がある。
【0010】
そこで本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、タブレット端末装置を用いて画像処理装置の遠隔操作を行う際に、ユーザの作業負担を軽減し、効率的に画像処理装置を利用できるようにした画像処理システム、タブレット端末装置、画像処理装置およびプログラムを提供することを、その目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、画像処理機能を有する画像処理装置と、前記画像処理装置とデータ通信を行うタブレット端末装置とを備える画像処理システムであって、前記画像処理装置は、前記画像処理機能を動作させて特定の処理を行わせるための操作画面をWebページとして提供する複数のWebアプリケーション部と、前記複数のWebアプリケーション部のそれぞれによって提供されるWebページをそれぞれ異なるアドレスに割り当てて管理し、一のアドレスへのアクセス要求に基づいて当該一のアドレスに割り当てられたWebページを取得して出力するWebサーバ部と、前記Webサーバ部によって出力されるWebページに対して行われる指示操作に基づき、前記画像処理機能を動作させると共に、当該Webページを提供するWebアプリケーション部において予め設定されている特定の処理を行わせる制御部と、ユーザによる登録指示に基づき、前記Webサーバ部に対して管理対象となるWebアプリケーション部を登録すると共に、登録指示を行った登録ユーザに関する情報と、当該Webアプリケーション部によって提供されるWebページにアクセスするためのアドレスとを含むアプリケーション情報を登録するWebアプリケーション登録部と、を備え、前記タブレット端末装置は、各種情報を表示する表示部と、前記表示部に表示するためのWebページを取得するブラウザと、前記画像処理装置とデータ通信を行うことにより、前記画像処理装置に登録されている複数のWebアプリケーション部のそれぞれに対応するアプリケーション情報を取得し、各アプリケーション情報に含まれる登録ユーザに関する情報を判別することにより、前記画像処理装置に登録されている複数のWebアプリケーション部のうちから、当該タブレット端末装置を使用する使用ユーザと関連する登録ユーザによって登録されたWebアプリケーション部を選択するWebアプリケーション選択部と、前記Webアプリケーション選択部によって選択されたWebアプリケーション部に対応するアプリケーション情報から、当該Webアプリケーション部によって提供されるWebページにアクセスするためのアドレスを抽出し、前記ブラウザに当該アドレスへの自動アクセスを行わせるためのブラウザ制御プログラムを生成すると共に、当該ブラウザ制御プログラムを起動するためのアイコン画像を前記表示部に表示するプログラム生成部と、を備えることを特徴とする構成である。
【0012】
請求項2にかかる発明は、画像処理機能を動作させて特定の処理を行わせるための操作画面をWebページとして提供するための複数のWebアプリケーション部を有し、各Webアプリケーション部に関連付けて、Webアプリケーション部の登録指示を行った登録ユーザに関する情報と、Webアプリケーション部によって提供されるWebページにアクセスするためのアドレスとを含むアプリケーション情報を保持する構成の画像処理装置とデータ通信を行うタブレット端末装置であって、各種情報を表示する表示部と、前記表示部に表示するためのWebページを取得するブラウザと、前記画像処理装置とデータ通信を行うことにより、前記画像処理装置に登録されている複数のWebアプリケーション部のそれぞれに関連付けられたアプリケーション情報を取得し、各アプリケーション情報に含まれる登録ユーザに関する情報を判別することにより、前記画像処理装置に登録されている複数のWebアプリケーション部のうちから、当該タブレット端末装置を使用する使用ユーザと関連する登録ユーザによって登録されたWebアプリケーション部を選択するWebアプリケーション選択部と、前記Webアプリケーション選択部によって選択されたWebアプリケーション部に対応するアプリケーション情報から、当該Webアプリケーション部によって提供されるWebページにアクセスするためのアドレスを抽出し、前記ブラウザに当該アドレスへの自動アクセスを行わせるためのブラウザ制御プログラムを生成すると共に、当該ブラウザ制御プログラムを起動するためのアイコン画像を前記表示部に表示するプログラム生成部と、を備えることを特徴とする構成である。
【0013】
請求項3にかかる発明は、請求項2に記載のタブレット端末装置において、当該タブレット端末装置を使用する使用ユーザに関するユーザ情報を記憶する記憶手段をさらに備え、前記Webアプリケーション選択部は、前記ユーザ情報に基づいて当該ユーザが属するグループを判別し、前記画像処理装置に登録されている複数のWebアプリケーション部のうちから、当該タブレット端末装置を使用する使用ユーザと同一グループに属する登録ユーザによって登録されたWebアプリケーション部を選択することを特徴とする構成である。
【0014】
請求項4にかかる発明は、請求項3に記載のタブレット端末装置において、前記Webアプリケーション選択部は、前記表示部におけるアイコン画像の表示可能数を特定し、選択したWebアプリケーション部の数が前記表示可能数を越えるとき、登録ユーザと使用ユーザとが属する同一グループの数、又は、登録ユーザと使用ユーザとが属する同一グループに属しているユーザの数に基づいて、選択したWebアプリケーション部の数を前記表示可能数以下に絞り込むことを特徴とする構成である。
【0015】
請求項5にかかる発明は、請求項2乃至4のいずれかに記載のタブレット端末装置において、前記画像処理装置において複数のWebアプリケーション部のそれぞれに関連付けて保持されるアプリケーション情報には、各Webアプリケーション部によって提供されるWebページの表示に適したブラウザを指定する推奨ブラウザ情報が含まれており、前記プログラム生成部は、前記ブラウザが複数種類ある場合、前記推奨ブラウザ情報において指定されたブラウザに自動アクセスを行わせるためのブラウザ制御プログラムを生成することを特徴とする構成である。
【0016】
請求項6にかかる発明は、画像処理機能を有する画像処理装置であって、前記画像処理機能を動作させて特定の処理を行わせるための操作画面をWebページとして提供する複数のWebアプリケーション部と、前記複数のWebアプリケーション部のそれぞれによって提供されるWebページをそれぞれ異なるアドレスに割り当てて管理し、一のアドレスへのアクセス要求に基づいて当該一のアドレスに割り当てられたWebページを取得して出力するWebサーバ部と、前記Webサーバ部によって出力されるWebページに対して行われる指示操作に基づき、前記画像処理機能を動作させると共に、当該Webページを提供するWebアプリケーション部において予め設定されている特定の処理を行わせる制御部と、ユーザによる登録指示に基づき、前記Webサーバ部に対して管理対象となるWebアプリケーション部を登録すると共に、登録指示を行った登録ユーザに関する情報と、当該Webアプリケーション部によって提供されるWebページにアクセスするためのアドレスとを含むアプリケーション情報を登録するWebアプリケーション登録部と、タブレット端末装置とデータ通信を行う通信部と、前記通信部が前記タブレット端末装置とデータ通信可能になったとき、前記Webアプリケーション登録部によって登録されるアプリケーション情報を読み出し、前記通信部を介して前記タブレット端末装置に出力するアプリケーション情報送信部と、を備えることを特徴とする構成である。
【0017】
請求項7にかかる発明は、画像処理機能を動作させて特定の処理を行わせるための操作画面をWebページとして提供するための複数のWebアプリケーション部を有し、各Webアプリケーション部に関連付けて、Webアプリケーション部の登録指示を行った登録ユーザに関する情報と、Webアプリケーション部によって提供されるWebページにアクセスするためのアドレスとを含むアプリケーション情報を保持する構成の画像処理装置とデータ通信を行うタブレット端末装置において実行されるプログラムであって、前記タブレット端末装置を、前記画像処理装置とデータ通信を行うことにより、前記画像処理装置に登録されている複数のWebアプリケーション部のそれぞれに関連付けられたアプリケーション情報を取得し、各アプリケーション情報に含まれる登録ユーザに関する情報を判別することにより、前記画像処理装置に登録されている複数のWebアプリケーション部のうちから、当該タブレット端末装置を使用する使用ユーザと関連する登録ユーザによって登録されたWebアプリケーション部を選択するWebアプリケーション選択部、および、前記Webアプリケーション選択部によって選択されたWebアプリケーション部に対応するアプリケーション情報から、当該Webアプリケーション部によって提供されるWebページにアクセスするためのアドレスを抽出し、当該アドレスをブラウザに設定してブラウザを起動させるためのブラウザ制御プログラムを生成すると共に、当該ブラウザ制御プログラムを起動するためのアイコン画像を表示部に表示するプログラム生成部、
として機能させることを特徴とする構成である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、タブレット端末装置と画像処理装置とがデータ通信を行うことにより、タブレット端末装置において、ブラウザを起動させると共に、画像処理装置のWebアプリケーション部によって提供されるWebページに自動アクセスさせるためのブラウザ制御プログラムが生成される。そしてタブレット端末装置においては、そのブラウザ制御プログラムを起動するためのアイコン画像が表示部に表示されるようになる。そのため、タブレット端末装置のユーザはそのアイコン画像に対する操作を行うだけで、画像処理装置に特定の処理を行わせるための遠隔操作を速やかに開始することができるようになる。したがって、ユーザは、アドレスの手動入力やアドレスの選択といった煩わしい作業を行う必要がなくなるので、効率的に画像処理装置を利用することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】画像処理システムの一構成例を示す図である。
【図2】画像処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図3】画像処理装置におけるCPUの機能ブロックの一例を示す図である。
【図4】アプリケーション登録部によって管理されるアプリケーション情報の一例を示す図である。
【図5】画像処理装置とタブレット端末装置とのデータ通信の一態様を示す図である。
【図6】タブレット端末装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図7】タブレット端末装置におけるCPUがオペレーティングシステムと画像処理装置連携プログラムとを実行することによって実現される機能ブロックの一例を示す図である。
【図8】プログラム自動生成部によって行われる処理の概念を示す図である。
【図9】タブレット端末装置におけるCPUがブラウザ制御プログラムを実行することによって実現される機能ブロックの一例を示す図である。
【図10】画像処理装置において行われる具体的な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】タブレット端末装置において行われる具体的な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
【0021】
図1は、本実施形態における画像処理システム1の一構成例を示す図である。この画像処理システム1は、複合機などで構成される画像処理装置2と、ソーシャルネットワークサービスを提供するコミュニティサーバ3とがLANなどのネットワーク4に接続された構成である。またネットワーク4には、複数のユーザのそれぞれが保有するタブレット端末装置8と無線通信を行う中継器5a,5bが接続されている。そのため、各ユーザは、自身で保有するタブレット端末装置8を操作することにより、中継器5a,5bを介してネットワーク4に接続されている画像処理装置2およびコミュニティサーバ3とデータ通信を行うことが可能である。また図示を省略しているが、ネットワーク4には、各ユーザが使用するパーソナルコンピュータなども接続されている。またネットワーク4には、インターネットなどの外部ネットワークも接続される。
【0022】
コミュニティサーバ3は、2人以上のユーザが登録されたコミュニティ(グループ)を管理し、そのコミュニティごとに、登録ユーザが他の登録ユーザと意見交換などを行う電子掲示板のようなサービスを提供するサーバ装置である。このコミュニティサーバ3は、ハードディスク装置(HDD)などの記憶装置3aを備えており、その記憶装置3aにコミュニティ情報3bを保持している。コミュニティ情報3bは、2人以上のユーザが登録されて構成されるコミュニティを管理する情報であり、ユーザに関する情報を含んでいる。例えば、複数のコミュニティが形成される場合、コミュニティ情報3bには、それら複数のコミュニティのそれぞれに関する情報が含まれており、各コミュニティに関する情報にはそのコミュニティに登録されたユーザに関する情報が含まれる。
【0023】
このようなコミュニティサーバ3には、様々なコミュニティが登録される。例えばオフィスにおいては、部署、チーム、プロジェクトごとにコミュニティが形成され、コミュニティサーバ3に登録される。この場合、あるユーザは、一つのコミュニティにのみ属する場合もあるし、複数のコミュニティに属する場合もある。そしてコミュニティサーバ3は、各コミュニティに登録されたユーザ間で情報の共有ができるように、電子掲示板などのサービスを提供する。
【0024】
例えば図1に示すユーザA,Bがコミュニティサーバ3において同一のコミュニティに登録されている場合、ユーザA,Bのそれぞれが自身のタブレット端末装置8a,8bを操作することによってネットワーク4経由でコミュニティサーバ3にログインすると、ユーザA,Bは互いに同じ情報を共有することができる。そしてユーザA,Bは離れた場所に居ながらにして相互にコミュニケーションを図りつつ、各自の作業を進めることができるようになる。また仮に、ユーザAが複数のコミュニティに属している場合、ユーザAはコミュニティサーバ3にログインすると、それら複数のコミュニティで共有されている情報を取得することができるようになる。
【0025】
画像処理装置2は、例えばコピー機能、スキャン機能、プリンタ機能、BOX機能といった画像処理に関する複数の機能を備えており、それら画像処理機能の少なくとも1つを動作させることにより、ユーザによって指定されたジョブに対応する処理を実行する。ここで、BOX機能は、画像データなどを所定の記憶領域に保存して管理する機能である。この画像処理装置2は、装置本体の前面側に操作パネル13を備えている。ユーザは、その操作パネル13を操作することにより、画像処理装置2に対して直接ジョブの実行を指示することができる。
【0026】
また画像処理装置2は、Webサーバ機能を備えており、ネットワーク4を介して外部からのアクセス要求を受信すると、上述した画像処理機能の少なくとも1つを動作させて特定の処理を実行するための操作画面をWebページとして出力する。そして、そのWebページに対する遠隔操作を受け付け、その遠隔操作によってジョブの実行が指示されると、画像処理装置2は、特定の処理を実行する。
【0027】
このように画像処理装置2は、操作パネル13に対する直接的な操作を受け付けるだけでなく、ネットワーク4を介して行われる遠隔操作も受け付けて画像処理機能を動作させるようになっている。そのため、例えばユーザAがタブレット端末装置8aを操作してWebページを閲覧するためのブラウザを起動し、ネットワーク4を介して画像処理装置2にアクセスすると、タブレット端末装置8aの表示画面には画像処理装置2によって提供されるWebページが表示される。そしてユーザAは、そのWebページに対する操作を行うことにより、画像処理装置2に対して特定の処理を行うことを指示することができるようになる。
【0028】
図2は、上記のような画像処理装置2のハードウェア構成の一例を示す図である。画像処理装置2は、図2に示すように、CPU10と、メモリ11と、通信ユニット12と、操作パネル13と、スキャナ部14と、プリンタ部15と、ネットワークインタフェース16と、記憶装置17とを備え、これらがデータバス18を介して相互にデータの入出力を行うことができる構成である。
【0029】
CPU10は、記憶装置17に予め記憶されている各種のプログラムを読み出して実行することにより、各種の演算処理や上述した各部の動作を制御するものである。メモリ11は、CPU10がプログラムを実行することに伴って発生する一時的なデータなどを記憶するものである。
【0030】
通信ユニット12は、例えばネットワーク4とは異なる通信経路で画像処理装置2の周囲に位置する外部機器(例えばタブレット端末装置8)とのデータ通信を行うものである。この通信ユニット12は、例えばIrDA(Infrared Data Association)規格などに基づく赤外線通信を行うことにより、周囲の外部機器との間で無線によるデータ通信を行うものであっても良いし、またUSB(Universal Serial Bus)ケーブルなどを用いて外部機器と接続した状態で有線によるデータ通信を行うものであっても良い。
【0031】
操作パネル13は、上述したように、ユーザが画像処理装置2を直接操作する場合のユーザインタフェースとなるものであり、表示部13aと操作部13bとを備えている。表示部13aは、ユーザに対して各種の情報を表示するためのものであり、例えばカラー液晶ディスプレイなどで構成される。操作部13bは、例えば表示部13aの表示画面上に配置されるタッチパネルキーと、表示画面の周囲に配置される押しボタンキーとを備えて構成される。
【0032】
スキャナ部14は、ユーザによってセットされる原稿を1枚ずつ読み取って画像データを生成するものである。このスキャナ部14は、画像処理装置2において例えばコピー機能又はスキャン機能に関するジョブが実行されるときに機能し、原稿の読み取り動作を行って画像データを生成する。尚、スキャナ部14によって生成される画像データは、ネットワークインタフェース16を介して外部のコンピュータへ送信されたり、プリンタ部15へ出力されたりする。またBOX機能によって管理される所定の記憶領域へ保存されることもある。
【0033】
プリンタ部15は、入力する画像データに基づいて印刷用紙などのシート材に画像形成を行うことにより、印刷出力を行うものである。このプリンタ部15は、画像処理装置2において例えばコピー機能又はプリンタ機能に関するジョブが実行されるときに機能し、入力する画像データに基づいて印刷出力を行う。
【0034】
ネットワークインタフェース16は、画像処理装置2をネットワーク4に接続するためのものである。したがって、CPU10は、このネットワークインタフェース16を介してネットワーク4に接続される各機器とのデータ通信を行うようになっている。
【0035】
記憶装置17は、例えばハードディスク装置(HDD)などで構成される不揮発性の記憶装置である。この記憶装置17には、例えば上述したBOX機能によって管理される記憶領域が設定される。また記憶装置17には、画像処理装置2に予めインストールされる様々なプログラムが格納されている。特に本実施形態では、図2に示すように、オペレーティングシステム20、Webサーバプログラム21、ブラウザプログラム22、および、Webアプリケーションプログラム23が記憶装置17に格納されている。
【0036】
オペレーティングシステム20は、画像処理装置2に電源が投入されることに伴い、CPU10によって最初に読み出されて実行されるプログラムである。すなわち、オペレーティングシステム20は、画像処理装置2の基本プログラムとなっている。
【0037】
Webサーバプログラム21は、画像処理装置2にWebサーバとしての機能を付与するプログラムである。このWebサーバプログラム21は、例えば画像処理装置2においてオペレーティングシステム20が起動した後、CPU10によって自動的に読み出されて実行される。つまり、このWebサーバプログラム21はオペレーティングシステム20が起動している状態のときにCPU10によって実行されるため、画像処理装置2が稼働している状態のときにはWebサーバの機能が画像処理装置2に常駐する。
【0038】
ブラウザプログラム22は、画像処理装置2においてWebページの閲覧表示を行うためのプログラムである。画像処理装置2においてオペレーティングシステム20が起動した状態で、例えばユーザが操作パネル13を操作することによってブラウザの起動を指示すると、CPU10がこのブラウザプログラム22を読み出して実行する。その結果、画像処理装置2においてブラウザが機能するようになり、表示部13aに表示される表示画面は、そのブラウザによって取得される画面、すなわちWebページに切り替わる。
【0039】
Webアプリケーションプログラム23は、画像処理装置2において機能するWebサーバによって出力されるWebページを提供するためのプログラムである。このWebアプリケーションプログラム23は、例えばWebページを記述するためのHTML(Hypertext Markup Language)などのマークアップ言語によって記述されるプログラムであり、画像処理装置2に特定の処理を行わせるためのスクリプトなどを含むプログラムである。CPU10は、Webサーバプログラム21を起動している状態でこのWebアプリケーションプログラム23を実行することにより、画像処理装置2において機能するWebサーバに対し、出力対象となるWebページを提供することができるようになる。
【0040】
このようなWebアプリケーションプログラム23は、画像処理装置2に行わせる特定の処理ごとに予め作成され、記憶装置17にインストールされる。そのため、画像処理装置2に行わせる特定の処理が複数ある場合は、記憶装置17に、それら各処理に対応した複数のWebアプリケーションプログラム23が格納される。尚、図2においては、3つのWebアプリケーションプログラム23a,23b,23cが格納されている場合を例示している。
【0041】
図3は、CPU10が上述した各プログラムを実行することによって実現される機能ブロックの一例を示す図である。図3に示すように、CPU10は、上述した各プログラムを実行することにより、システム制御部30、Webサーバ部31、ブラウザ32、Webアプリケーション部33a,33b,33cおよびアプリケーション情報送信部35として機能する。
【0042】
システム制御部30は、CPU10がオペレーティングシステム20を実行することにより機能する処理部である。このシステム制御部30は、通信ユニット12、スキャナ部14、プリンタ部15、および、ネットワークインタフェース16を制御する。このシステム制御部30は、通信ユニット12が外部機器と通信可能な状態となったか否かを検知する接続検知部30aを備えている。
【0043】
Webサーバ部31は、CPU10がWebサーバプログラム21を実行することにより機能する処理部である。またWebアプリケーション部33a,33b,33cは、CPU10がWebアプリケーションプログラム23a,23b,23cのそれぞれを実行することにより機能する処理部である。
【0044】
Webアプリケーション部33a,33b,33cは、それぞれ画像処理装置2における画像処理機能を動作させて特定の処理を行わせるための操作画面をWebページとして提供する処理部である。そのため、各Webアプリケーション部33a,33b,33cは、画像処理装置2に特定の処理を行わせるために特化した操作画面であるWebページ39a,39b,39cを保持している。例えば、Webアプリケーション部33aが画像処理装置2に特定のカラー設定および特定の出力設定でカラーコピーの出力を行わせるものである場合、このWebアプリケーション部33aは、ユーザがそのような設定操作を行わなくても、画像処理装置2にそのようなカラー設定および出力設定を反映させた状態でカラーコピーの出力動作を行わせることができる操作画面をWebページ39aとして保持している。そして複数のWebアプリケーション部33a,33b,33cは、それぞれ画像処理装置2に行わせる処理が異なるため、各Webアプリケーション部33a,33b,33cにおいて保持されるWebページ39a,39b,39cもそれぞれ異なる内容となっている。このようなWebアプリケーション部33a,33b,33cは、Webサーバ部31からの指示に基づき、Webページ39a,39b,39cをWebサーバ部31に出力する。
【0045】
Webサーバ部31は、複数のWebアプリケーション部33a,33b,33cのそれぞれによって提供されるWebページ39a,39b,39cをそれぞれ異なるアドレス(URL:Uniform Resource Locator)に割り当てて管理すると共に、各Webアプリケーション部33a,33b,33cからWebページ39a,39b,39cを取得して出力する処理部である。例えば、ネットワークインタフェース16を介して外部から一のアドレスへのアクセス要求があった場合、Webサーバ部31は、そのアドレスに割り当てられているWebページを取得し、アクセス要求の送信元に対してそのWebページを出力する。またブラウザ32からWebサーバ部31に対して一のアドレスへのアクセス要求が行われた場合も同様であり、Webサーバ部31は、そのアドレスに割り当てられているWebページを取得し、ブラウザ32に対してそのWebページを出力する。
【0046】
そしてWebサーバ部31によって出力されるWebページに対し、ユーザによる指示操作が行われた場合、Webサーバ部31は、その指示操作をシステム制御部30に出力する。システム制御部30は、その指示操作に基づき、スキャナ部14やプリンタ部15などを駆動することによって画像処理機能を動作させると共に、そのWebページを提供するWebアプリケーション部において予め設定されているパラメータなどを適用して特定の処理を行うように制御する。
【0047】
ブラウザ32は、CPU10がブラウザプログラム22を実行することにより機能する処理部である。このブラウザ32は、上述したようにWebサーバ部31によって管理されるWebページ39a,39b,39cを取得して操作パネル13の表示部13aに表示することができる。また、ブラウザ32は、ネットワークインタフェース16を介して外部のWebサーバからWebページを取得してそのWebページを表示部13aに表示することも可能である。
【0048】
またWebサーバ部31は、管理対象となるWebアプリケーション部33a,33b,33cを登録するアプリケーション登録部34を備えている。このアプリケーション登録部34は、管理対象となる複数のWebアプリケーション部33a,33b,33cに関する情報を登録したアプリケーション情報34aを管理している。そして画像処理装置2に新たなWebアプリケーションプログラム23がインストールされるとき、その新たなWebアプリケーションプログラム23に対応するWebアプリケーション部に関する情報を生成してアプリケーション情報34aに登録する。
【0049】
図4は、アプリケーション登録部34によって管理されるアプリケーション情報34aの一例を示す図である。図4に示すように、アプリケーション情報34aには、各Webアプリケーション部33a,33b,33cによって提供されるアプリケーションサービスの名称であるアプリケーション名と、各Webアプリケーション部33a,33b,33cに対応するWebアプリケーションプログラム23a,23b,23cを画像処理装置2にインストールしたユーザを特定するための情報である登録ユーザと、各Webアプリケーション部33a,33b,33cによって提供されるWebページ39a,39b,39cにアクセスするためのアドレス(URL)と、各Webアプリケーション部33a,33b,33cによって使用される機能を特定するための情報である使用機能と、に関する情報が登録される。
【0050】
図4に示すアプリケーション情報34aでは、例えば、アプリケーション名「カラーコピー」がWebアプリケーション部33aに関する情報であり、アプリケーション名「Scan to ユーザZ」がWebアプリケーション部33bに関する情報であり、アプリケーション名「2in1コピー」がWebアプリケーション部33cに関する情報である。このようなアプリケーション情報34aを参照すると、Webサーバ部31によって管理される複数のWebアプリケーション部33a,33b,33cのそれぞれを画像処理装置2に登録したユーザ、各Webアプリケーション部33a,33b,33cによって提供されるWebページ39a,39b,39cに割り付けられたアドレス、および各Webアプリケーション部33a,33b,33cのそれぞれが使用する画像処理装置2の機能などを特定することができる。
【0051】
図3に戻り、システム制御部30に設けられる接続検知部30aは、定期的に通信ユニット12に対して制御信号を送出し続けることにより、通信ユニット12が外部機器と通信可能な状態となっているか否かを監視する。例えば通信ユニット12が外部機器との間で赤外線通信を行うものである場合、通信ユニット12は、接続検知部30aからの制御信号に基づき、画像処理装置2の周囲にポーリング信号を送出する。その結果、周囲の外部機器から応答信号を受信すると、通信ユニット12は接続検知部30aに対してその応答信号を出力する。これにより、接続検知部30aは、外部機器と通信可能な状態であることを検知する。また例えば、通信ユニット12が外部機器との間で有線によるデータ通信を行うものである場合、通信ユニット12は、接続検知部30aからの制御信号に基づいてケーブル接続が行われているか否かを判別する。その結果、外部機器とデータ通信を行うためのケーブルが接続されている場合、通信ユニット12は接続検知部30aに対してケーブル接続を示す信号を出力する。これにより、接続検知部30aは、外部機器と通信可能な状態であることを検知する。
【0052】
そして接続検知部30aは、通信ユニット12が外部機器と通信可能な状態となったことを検知すると、アプリケーション情報送信部35を機能させる。このアプリケーション情報送信部35は、例えばCPU10がWebサーバプログラム21を実行することにより機能する処理部である。尚、このアプリケーション情報送信部25は、Webサーバ部31の一部の機能として動作するものであっても良い。またアプリケーション情報送信部25は、CPU10がオペレーティングシステム20を実行することによって動作するシステム制御部30の一部の機能として実現されるものであっても構わない。
【0053】
アプリケーション情報送信部35は、通信ユニット12が外部機器と通信可能な状態になると、通信ユニット12を介してその外部機器とのデータ通信を自動で開始する。そしてアプリケーション情報送信部35は、Webサーバ部31のアプリケーション登録部34によって管理されているアプリケーション情報34aを読み出し、通信ユニット12を介して外部機器に出力する。
【0054】
そのため、例えばユーザAが所持するタブレット端末装置8aが赤外線通信などによる無線通信機能を備えている場合、図5に示すように、ユーザAがそのタブレット端末装置8aを所持した状態で、画像処理装置2との無線通信が可能となる所定距離Rの範囲内に移動すると、タブレット端末装置8aと画像処理装置2とが自動でデータ通信を開始する。そしてタブレット端末装置8aは、画像処理装置2とのデータ通信を行うことにより、画像処理装置2において保持されているアプリケーション情報34aを自動取得する。またタブレット端末装置8aが通信ケーブルを介したデータ通信を行う機能のみを備えている場合には、ユーザAがタブレット端末装置8aと画像処理装置2とをケーブルで接続することにより、上記のようなデータ通信が開始されるようになる。尚、ユーザBが所持するタブレット端末装置8bについても、これと同様である。
【0055】
図6は、タブレット端末装置8(8a,8bの双方を含む)のハードウェア構成の一例を示す図である。タブレット端末装置8は、図6に示すように、CPU40と、メモリ41と、通信ユニット42と、表示部43と、操作部44と、ネットワークインタフェース45と、記憶装置46とを備え、これらがデータバス47を介して相互にデータの入出力を行うことができる構成である。
【0056】
CPU40は、記憶装置46に予め記憶されている各種のプログラムを読み出して実行することにより、各種の演算処理や上述した各部の動作を制御するものである。メモリ41は、CPU40がプログラムを実行することに伴って発生する一時的なデータなどを記憶するものである。
【0057】
通信ユニット42は、例えばネットワーク4とは異なる通信経路で画像処理装置2とのデータ通信を行うものである。この通信ユニット42は、例えばIrDA規格などに基づく赤外線通信を行うことにより、画像処理装置2との間で無線によるデータ通信を行うものであっても良いし、またUSBケーブルなどの通信ケーブルを用いて画像処理装置2と接続した状態で有線によるデータ通信を行うものであっても良い。
【0058】
表示部43は、タブレット端末装置8を使用するユーザに対して各種の情報を表示するためのものであり、例えばカラー液晶ディスプレイなどで構成される。操作部44は、タブレット端末装置8を使用するユーザからの操作入力を受け付けるためのものであり、例えば表示部43の表示画面上に配置されるタッチパネルキーなどによって構成される。
【0059】
ネットワークインタフェース45は、タブレット端末装置8をネットワーク4に接続するためのものであり、図1に示した中継器5a,5bと無線通信を行うことによりタブレット端末装置8をネットワーク4に接続する。
【0060】
記憶装置46は、例えばソリッドステートドライブ(SSD)などで構成される不揮発性の記憶装置である。この記憶装置46は、様々な情報やプログラムなどを記憶した状態で保持する。例えば図6に示すように、記憶装置46には、ユーザ情報49と、オペレーティングシステム50と、ブラウザプログラム51と、画像処理装置連携プログラム52とが予め格納される。
【0061】
ユーザ情報49は、タブレット端末装置8を使用するユーザに関する情報である。例えばユーザAが所持するタブレット端末装置8aの場合、ユーザ情報49は、ユーザAに関する情報となる。このようなユーザ情報49は、タブレット端末装置8が画像処理装置2にリモートログインする際に用いられる。
【0062】
オペレーティングシステム50は、タブレット端末装置8の基本プログラムであり、タブレット端末装置8に電源が投入されることに伴ってCPU40によって自動的に読み出されて実行されるプログラムである。
【0063】
ブラウザプログラム51は、タブレット端末装置8においてWebページの閲覧表示を行うためのプログラムである。タブレット端末装置8においてオペレーティングシステム50が起動した状態で、例えばユーザが操作部44を操作することによってブラウザの起動を指示すると、CPU40がこのブラウザプログラム51を読み出して実行する。その結果、タブレット端末装置8においてブラウザが機能するようになり、表示部43に表示される表示画面は、そのブラウザによって取得される画面、すなわちWebページに切り替わる。
【0064】
画像処理装置連携プログラム52は、画像処理装置2と連携した動作を行うためのプログラムであり、画像処理装置2において保持されているアプリケーション情報34aを自動取得するための動作などが規定されたプログラムである。この画像処理装置連携プログラム52は、例えばオペレーティングシステム50が起動された状態で、CPU40によって自動的に読み出されて実行される。
【0065】
図7は、CPU40が上述したオペレーティングシステム50と画像処理装置連携プログラム52とを実行することによって実現される機能ブロックの一例を示す図である。図7に示すように、CPU40は、上述したオペレーティングシステム50を実行することによりシステム制御部60として機能すると共に、画像処理装置連携プログラム52を実行することによりブラウザ制御プログラム生成部62として機能する。
【0066】
システム制御部60は、通信ユニット42やネットワークインタフェース45など、タブレット端末装置8に設けられているハードウェアの動作を制御するものである。このシステム制御部60は、通信ユニット42が画像処理装置2と通信可能な状態となったか否かを検知する接続検知部60aを備えている。
【0067】
接続検知部60aは、定期的に通信ユニット42に対して制御信号を送出し続けることにより、通信ユニット42が画像処理装置2と通信可能な状態となっているか否かを監視する。例えば通信ユニット42が画像処理装置2との間で赤外線通信を行うものである場合、通信ユニット42は、接続検知部60aからの制御信号に基づき、画像処理装置2から送出されるポーリング信号を受信したか否かを判断する。その結果、画像処理装置2から送出されるポーリング信号を受信している場合、通信ユニット42は、画像処理装置2に対して応答信号を送出すると共に、接続検知部60aに対して画像処理装置2からのポーリング信号を受信したことを通知する。これにより、接続検知部60aは、画像処理装置2と通信可能な状態であることを検知する。また例えば、通信ユニット42が画像処理装置2との間で有線によるデータ通信を行うものである場合、通信ユニット42は、接続検知部60aからの制御信号に基づいてケーブル接続が行われているか否かを判別する。その結果、画像処理装置2とデータ通信を行うためのケーブルが接続されている場合、通信ユニット42は接続検知部60aに対してケーブル接続を示す信号を出力する。これにより、接続検知部60aは、画像処理装置2と通信可能な状態であることを検知する。
【0068】
画像処理装置2と通信可能な状態であることが検知されると、システム制御部60は、画像処理装置連携プログラム52を読み出して起動する。これにより、CPU40はブラウザ制御プログラム生成部62として機能する。
【0069】
ブラウザ制御プログラム生成部62は、通信ユニット42を介して画像処理装置2とデータ通信を行うことにより、まず画像処理装置2にリモートログインし、画像処理装置2において保持されているアプリケーション情報34aを自動取得する。
【0070】
すなわち、ブラウザ制御プログラム生成部62は、まず記憶装置46からユーザ情報49を読み出し、そのユーザ情報49を画像処理装置2に送信する。画像処理装置2は、図示を省略するユーザ登録情報を保持しており、そのユーザ登録情報には画像処理装置2を使用することが予め許可されたユーザに関する情報(使用権限を含む情報)が登録されている。そのため、画像処理装置2は、タブレット端末装置8から送信されるユーザ情報49を受信すると、そのユーザ情報49と一致するユーザがユーザ登録情報に登録されているか否かを判別することにより、ユーザ認証を行う。その結果、ユーザ認証に成功すると、画像処理装置2は、タブレット端末装置8のリモートログインを許可する。そして画像処理装置2は上述したアプリケーション情報送信部35を機能させ、アプリケーション登録部34によって管理されているアプリケーション情報34aを読み出し、リモートログインを許可したタブレット端末装置8に送信する。これにより、ブラウザ制御プログラム生成部62は、画像処理装置2において保持されているアプリケーション情報34aを自動取得する。
【0071】
ただし、画像処理装置2におけるアプリケーション情報送信部35がアプリケーション情報34aをタブレット端末装置8に送信する際、ユーザ認証で特定されたユーザの使用権限に基づき、アプリケーション情報34aに登録されている複数のWebアプリケーション部33a,33b,33cに関する情報のうちから、ユーザの使用可能な機能に関する情報だけを抽出する。そしてアプリケーション情報送信部35は、その抽出した情報だけを含むアプリケーション情報34aをタブレット端末装置8に送信する。例えば画像処理装置2においてユーザAによるカラーコピー機能の利用が制限されている場合、その画像処理装置2がユーザAのタブレット端末装置8aに対してアプリケーション情報34aを送信するときには、アプリケーション登録部34において管理されているアプリケーション情報34aの中から、カラーコピー機能を利用するWebアプリケーション部33aに関する情報を除外して送信する。そのため、ブラウザ制御プログラム生成部62が画像処理装置2からアプリケーション情報34aを自動取得するときには、そのタブレット端末装置8の所持ユーザが利用できない画像処理機能を動作させるようなWebアプリケーション部に関する情報は取得できないようになっている。
【0072】
また図7に示すように、ブラウザ制御プログラム生成部62は、Webアプリケーション選択部62aと、プログラム自動生成部62bとを備えている。ブラウザ制御プログラム生成部62は、上記のようにして画像処理装置2からアプリケーション情報34aを自動取得すると、それらWebアプリケーション選択部62aと、プログラム自動生成部62bとを順次機能させる。
【0073】
Webアプリケーション選択部62aは、画像処理装置2から取得したアプリケーション情報34aに含まれている少なくとも1つのWebアプリケーション部に関する情報から、タブレット端末装置8の所持ユーザにとって有用なWebアプリケーション部に関する情報を選択する処理部である。つまり、画像処理装置2には様々なユーザによって登録される複数のWebアプリケーション部33a,33b,33cが搭載されており、タブレット端末装置8の所持ユーザにとってはそれら複数のWebアプリケーション部33a,33b,33cの全てが有用であるとは限らない。特に、画像処理装置2に100を越える数のWebアプリケーション部が搭載されているような場合には、タブレット端末装置8の所持ユーザは、それら全てのWebアプリケーション部を利用するとは限らない。そのため、Webアプリケーション選択部62aは、画像処理装置2から取得するアプリケーション情報34aに基づき、画像処理装置2に搭載されている複数のWebアプリケーション部のうちから、タブレット端末装置8の所持ユーザにとって有用となるWebアプリケーション部を自動選択するように構成される。
【0074】
より具体的に説明すると、Webアプリケーション選択部62aは、画像処理装置2から取得するアプリケーション情報34aに基づき、タブレット端末装置8の所持ユーザと関連するユーザによって登録されたWebアプリケーション部を選択する。尚、タブレット端末装置8の所持ユーザと関連するユーザには、タブレット端末装置8の所持ユーザ自身も含まれる。Webアプリケーション選択部62aは、アプリケーション情報34aに含まれる登録ユーザに関する情報を判別することにより、画像処理装置2に登録されている複数のWebアプリケーション部33a,33b,33cのうちから、当該タブレット端末装置8の所持ユーザと関連するユーザによって登録されたWebアプリケーション部を選択する。
【0075】
このとき、Webアプリケーション選択部62aは、アプリケーション情報34aに含まれる登録ユーザに関する情報を、ユーザ情報49と照合することにより、所持ユーザ自身によって登録されたWebアプリケーション部を選択することができる。また所持ユーザとは異なるユーザであって所持ユーザと関連するユーザによって登録されたWebアプリケーション部は、登録ユーザに関する情報を、例えばタブレット端末装置8に登録されているメーリングリストやメーリングアドレスなどと照合することにより、選択することができる。
【0076】
ただし、本実施形態では、Webアプリケーション選択部62aがWebアプリケーション部の選択を行う際には、ネットワークインタフェース45を介してコミュニティサーバ3にアクセスし、コミュニティサーバ3からタブレット端末装置8の所持ユーザが属するコミュニティに関するコミュニティ情報3bを取得する。そしてWebアプリケーション選択部62aは、ユーザ情報49に基づいて所持ユーザが属するコミュニティ(グループ)を判別し、画像処理装置2に登録されている複数のWebアプリケーション部33a,33b,33cのうちから、当該タブレット端末装置8の所持ユーザと同一コミュニティに属しているユーザによって登録されたWebアプリケーション部を選択するように構成される。
【0077】
つまり、コミュニティは、上述したように、部署、チーム、プロジェクトごとに形成されるため、例えば原稿をスキャンして得られる画像データをコミュニティの構成メンバー全員に配布する処理や、原稿をスキャンして得られる画像データを報告書としてコミュニティのリーダーに送信する処理などは、そのコミュニティに属するユーザ全員によって利用されるのが一般的である。そのため、本実施形態のWebアプリケーション選択部62aは、タブレット端末装置8の所持ユーザと同一コミュニティに属しているユーザによって登録されたWebアプリケーション部を選択する。
【0078】
例えば、図1に示すユーザAとユーザBとが同一コミュニティに属しており、ブラウザ制御プログラム生成部62が図4に示すようなアプリケーション情報34aを画像処理装置2から取得した場合、Webアプリケーション選択部62aは、ユーザBによって登録された、アプリケーション名「Scan to ユーザZ」および「2in1コピー」のそれぞれに対応するWebアプリケーション部33b,33cを選択する。
【0079】
上記のようなWebアプリケーション選択部62aによるWebアプリケーション部の選択処理が終了すると、次にプログラム自動生成部62bが機能する。プログラム自動生成部62bは、Webアプリケーション選択部62aによって選択されたWebアプリケーション部に対応するアプリケーション情報34aから、当該Webアプリケーション部によって提供されるWebページにアクセスするためのアドレスを抽出する。そしてプログラム自動生成部62bは、ブラウザプログラム51を実行させると共に、ブラウザプログラム51の実行に伴って機能するブラウザにその抽出したアドレスへの自動アクセスを行わせるためのブラウザ制御プログラムを生成する。さらに、プログラム自動生成部62bは、その生成したブラウザ制御プログラムを起動するためのアイコン画像を表示部43に表示する処理を行う。
【0080】
図8は、プログラム自動生成部62bによって行われる処理の概念を示す図である。上述したように、例えばWebアプリケーション選択部62aによってアプリケーション名「Scan to ユーザZ」および「2in1コピー」のそれぞれに対応するWebアプリケーション部33b,33cが選択されたと仮定する。この場合、プログラム自動生成部62bは、ブラウザプログラム51の起動時にアプリケーション名「Scan to ユーザZ」に対応するWebアプリケーション部33bによって提供されるWebページ39bへアクセスさせるためのアドレスを初期アドレスとして設定するブラウザ制御プログラム53を生成すると共に、ブラウザプログラム51の起動時にアプリケーション名「2in1コピー」に対応するWebアプリケーション部33cによって提供されるWebページ39cへアクセスさせるためのアドレスを初期アドレスとして設定するブラウザ制御プログラム54を生成する。つまり、これらのブラウザ制御プログラム53,54には、ブラウザプログラム51を起動させる命令と、ブラウザプログラム51の起動時にアプリケーション情報34aに登録されているアドレスを初期アドレスとして設定する命令とが含まれる。そしてプログラム自動生成部62bは、上記のようにして生成するブラウザ制御プログラム53,54を記憶装置46に保存する。
【0081】
またプログラム自動生成部62bは、上記のようにして生成するブラウザ制御プログラム53,54のそれぞれを起動するためのアイコン画像43a,43bを生成し、それらのアイコン画像43a,43bを表示部43に表示する。これらのアイコン画像43a,43bは、ブラウザ制御プログラム53,54にリンクしている。そのため、ユーザがアイコン画像43a,43bのいずれか一方を選択して操作すると、CPU40は、それに対応するブラウザ制御プログラム53,54を読み出して実行する。
【0082】
図9は、CPU40がブラウザ制御プログラム53,54を実行することによって実現される機能ブロックの一例を示す図である。尚、ブラウザ制御プログラム53,54は、CPU40においてオペレーティングシステム50が起動された状態で実行されるプログラムであるため、CPU40においては既にシステム制御部60が機能している。CPU40は、システム制御部60が機能している状態で更にブラウザ制御プログラム53,54を実行すると、図9に示すようにブラウザ制御部65として機能する。
【0083】
ブラウザ制御部65は、CPU40にブラウザプログラム51を実行させる処理部である。したがって、CPU40においてブラウザ制御部65が機能することにより、CPU40は、ブラウザプログラム51を記憶装置46から読み出して実行する。これにより、CPU40は、ブラウザ61として機能する。またブラウザ制御部65は、ブラウザプログラム51の起動時に初期アドレスを設定する。したがって、CPU40においてブラウザ61が機能すると、ブラウザ61は、ネットワークインタフェース45を介して、ブラウザ制御部65によって設定された初期アドレスに自動アクセスし、そのアドレスからWebページを取得して表示部43に表示するようになる。
【0084】
そのため、ユーザは、画像処理装置2のWebアプリケーション部33b,33cによって提供されるWebページ39b,39cのアドレスを知らなくても、タブレット端末装置8の表示部43に表示されるアイコン画像43a,43bをワンタッチ操作するだけで、それらのWebページ39b,39cを表示部43に表示させて閲覧することができるようになる。その結果、ユーザが、タブレット端末装置8を用いて画像処理装置2の遠隔操作を行う際の作業負担が軽減され、効率的に画像処理装置2を利用することができるようになる。
【0085】
次に上記のように構成される画像処理装置2およびタブレット端末装置8のそれぞれにおいて行われる処理手順であって、タブレット端末装置8の表示部43にアイコン画像43a,43bが表示されるまでの具体的な処理手順について説明する。
【0086】
まず図10は、画像処理装置2において行われる具体的な処理手順の一例を示すフローチャートである。画像処理装置2は、タブレット端末装置8とのデータ通信が可能な状態となったことを検知すると、タブレット端末装置8からユーザ情報49を取得する(ステップS1)。そして画像処理装置2は、タブレット端末装置8から取得したユーザ情報49に基づき、タブレット端末装置8のユーザが画像処理装置2に予め登録された登録ユーザであるか否かを判断する(ステップS2)。その結果、タブレット端末装置8のユーザが登録ユーザでない場合(ステップS2でNO)、この処理は終了する。またタブレット端末装置8からユーザ情報49を取得することができなかった場合も、この処理は終了する。
【0087】
一方、タブレット端末装置8のユーザが登録ユーザである場合(ステップS2でYES)、画像処理装置2は、そのユーザのユーザ権限を判別する(ステップS3)。そしてアプリケーション情報34aを読み出し、アプリケーション情報34aに登録されているWebアプリケーション部の中から、ユーザのユーザ権限に基づいてそのユーザが使用可能なWebアプリケーション部を選択する(ステップS5)。そして画像処理装置2は、その選択したWebアプリケーション部に対応する情報だけを抽出したアプリケーション情報34aを、タブレット端末装置8へ送信する(ステップS6)。そしてアプリケーション情報34aの送信が完了すると、この処理は終了する。
【0088】
次に図11は、タブレット端末装置8において行われる具体的な処理手順の一例を示すフローチャートである。タブレット端末装置8は、画像処理装置2とのデータ通信が可能な状態となったことを検知すると、画像処理装置連携プログラム52を起動し、図11に示す各処理を実行する。まずタブレット端末装置8は、ユーザ情報49を画像処理装置2に対して送信する(ステップS10)。そして画像処理装置2からアプリケーション情報34aを取得したか否かを判断し(ステップS11)、アプリケーション情報34aを取得しなかった場合には(ステップS11でNO)、この処理は終了する。
【0089】
これに対し、画像処理装置2からアプリケーション情報34aを取得した場合(ステップS11でYES)、タブレット端末装置8は、そのアプリケーション情報34aを解析すると共に(ステップS12)、コミュニティサーバ3へアクセスし(ステップS13)、コミュニティサーバ3からコミュニティ情報3bを取得する(ステップS14)。そしてタブレット端末装置8は、当該ユーザが属するコミュニティと同一コミュニティに属するユーザが登録したWebアプリケーション部を選択し(ステップS15)、その選択したWebアプリケーション部に対応するアプリケーション情報34aを抽出する(ステップS16)。そしてステップS16で抽出したアプリケーション情報34aから、更にWebページにアクセスするためのアドレスを抽出し、ブラウザ制御プログラム53,54を生成する(ステップS18)。そしてタブレット端末装置8は、ブラウザ制御プログラム53,54を起動させるためのアイコン画像43a,43bを生成し、それらのアイコン画像43a,43bを表示部43に表示する(ステップS19)。以上で、この処理が終了する。
【0090】
画像処理装置2およびタブレット端末装置8のそれぞれにおいて上記のような処理が行われることにより、例えば、ユーザAがタブレット端末装置8aを所持した状態で画像処理装置2に近づいて行くと、タブレット端末装置8aと画像処理装置2とのデータ通信が自動で開始されるようになり、タブレット端末装置8aは、画像処理装置2からアプリケーション情報34aを自動取得する。そしてタブレット端末装置8aは、アプリケーション情報34aに登録されている複数のWebアプリケーション部の中から、ユーザAに関連するユーザが登録したWebアプリケーション部だけを抽出し、そのWebアプリケーション部によって提供されるWebページにアクセスするためのアドレスを初期アドレスに設定してブラウザプログラム51を起動させるブラウザ制御プログラム53,54を自動生成すると共に、それらのブラウザ制御プログラム53,54を実行するためのアイコン画像43a,43bを表示部43に表示する。つまり、ユーザAが、図5に示したように画像処理装置2に近づいていくと、図8に示したようなアイコン画像43a,43bがタブレット端末装置8aの表示部43に自動で表示されるようになる。
【0091】
したがって、ユーザAは、画像処理装置2にどのようなWebアプリケーション部が搭載されているかを知らない場合であっても、タブレット端末装置8aを所持した状態で画像処理装置2に近づくだけで、ユーザAにとって有用なWebアプリケーション部を遠隔利用するためのアイコン画像をタブレット端末装置8aの表示部43に表示させることができる。そしてユーザAは、そのアイコン画像に対する操作を行うだけで、Webアプリケーション部によって提供されるWebページを表示部43に表示させることができる。その結果、画像処理装置2に特定の処理を行わせるための操作負担が著しく軽減されるので、利便性が良く、しかも画像処理装置2の遠隔操作を効率的に行うことができるという利点がある。
【0092】
以上のように本実施形態の画像処理装置2は、特定の処理を実行するための操作画面をWebページとして提供する複数のWebアプリケーション部33a,33b,33cと、それら複数のWebアプリケーション部33a,33b,33cのそれぞれによって提供されるWebページ39a,39b,39cをそれぞれ異なるアドレスに割り当てて管理し、一のアドレスへのアクセス要求に基づいて当該一のアドレスに割り当てられたWebページを取得して出力するWebサーバ部31とを備えている。また画像処理装置2は、ユーザによる登録指示に基づき、Webサーバ部31に対して管理対象となるWebアプリケーション部を登録すると共に、その登録指示を行ったユーザに関する情報と、当該Webアプリケーション部によって提供されるWebページにアクセスするためのアドレスとを含むアプリケーション情報を登録するアプリケーション登録部34を備えている。そして通信ユニット12がタブレット端末装置8とデータ通信可能になったとき、画像処理装置2は、アプリケーション登録部34によって管理されるアプリケーション情報34aを読み出し、通信ユニット12を介してタブレット端末装置8に出力する構成である。
【0093】
したがって、本実施形態の画像処理装置2は、通信ユニット12がタブレット端末装置8とデータ通信可能な状態になると、アプリケーション登録部34によって管理されているアプリケーション情報34aを自動で読み出してタブレット端末装置8に供給することができるようになっている。尚、本実施形態では、ネットワークインタフェース16とは異なる通信ユニット12を介してアプリケーション情報34aがタブレット端末装置8に出力される場合を例示したが、ネットワークインタフェース16を介してアプリケーション情報34aが出力される構成であっても構わない。
【0094】
一方、本実施形態のタブレット端末装置8は、画像処理装置2とデータ通信を行うことにより、画像処理装置2に登録されている複数のWebアプリケーション部33a,33b,33cのそれぞれに対応するアプリケーション情報34aを取得し、そのアプリケーション情報34aに含まれる登録ユーザに関する情報を判別することにより、画像処理装置2に登録されている複数のWebアプリケーション部33a,33b,33cのうちから、当該タブレット端末装置8を使用する使用ユーザと関連するユーザによって登録されたWebアプリケーション部を選択する。そしてその選択されたWebアプリケーション部に対応するアプリケーション情報34aから、当該Webアプリケーション部によって提供されるWebページにアクセスするためのアドレスを抽出し、ブラウザ61に当該アドレスへの自動アクセスを行わせるためのブラウザ制御プログラム53,54を生成すると共に、そのブラウザ制御プログラム53,54を起動するためのアイコン画像43a,43bを表示部43に表示する構成である。
【0095】
したがって、本実施形態のタブレット端末装置8は、画像処理装置2に複数のWebアプリケーション部が搭載されている場合であっても、当該タブレット端末装置8を使用する使用ユーザと関連するユーザによって登録されたWebアプリケーション部だけを自動選択し、その選択したWebアプリケーション部によって提供されるWebページを簡単な操作で閲覧表示することができるようになる。それ故、タブレット端末装置8を用いて画像処理装置2の遠隔操作を行う際には、ユーザの作業負担が軽減され、効率的に画像処理装置2を利用することができるようになる。
【0096】
また本実施形態のタブレット端末装置8は、ユーザ情報49に基づいて当該ユーザが属するコミュニティ(グループ)を判別し、画像処理装置2に登録されている複数のWebアプリケーション部33a,33b,33cのうちから、当該タブレット端末装置8を使用するユーザと同一グループに属するユーザによって登録されたWebアプリケーション部を選択するように構成される。そのため、タブレット端末装置8のユーザは、同一グループ内の他のユーザが画像処理装置2を利用して行う処理と同一の処理を、簡単な操作で画像処理装置2に行わせることができるようになる。
【0097】
ところで、上述したタブレット端末装置8が例えばスマートフォンなどの小型端末である場合、表示部43の画面サイズが小さいため、ブラウザ制御プログラム53,54を起動させるために生成される複数のアイコン画像43a,43bの全てを表示部43に表示させることが困難になることがある。そのため、上述したWebアプリケーション選択部62aがWebアプリケーション部の選択を行う際には、表示部43におけるアイコン画像43a,43bの表示可能数を特定し、選択するWebアプリケーション部の数がその表示可能数を越えないように絞り込むことが好ましい。例えば、タブレット端末装置8を使用するユーザと同一グループに属するユーザによって登録されたWebアプリケーション部の数がアイコン画像の表示可能数を越えるときには、タブレット端末装置8の使用ユーザと、Webアプリケーション部を登録した登録ユーザとの双方が同一グループに属するグループの数、又は、使用ユーザと登録ユーザとが属する同一グループに含まれる全ユーザの数などに基づいて、選択したWebアプリケーション部の数をアイコン画像の表示可能数以下に絞り込むことが好ましい。
【0098】
また、タブレット端末装置8には、複数種類のブラウザプログラム51がインストールされることもある。このような場合、タブレット端末装置8において起動されるブラウザプログラム51が異なる種類のものになると、同じWebページの閲覧表示を行う場合でも異なる表示態様となってしまい、閲覧し易くなったり、或いは閲覧し難くなったりする。そのため、画像処理装置2において保持されるアプリケーション情報34aには、各Webアプリケーション部によって提供されるWebページの表示に適したブラウザを指定する推奨ブラウザ情報を予め含めておくようにしても良い。この場合、タブレット端末装置8において上述したプログラム自動生成部62bがブラウザ制御プログラム53,54を自動生成するときには、その推奨ブラウザ情報において指定されたブラウザに対応するブラウザプログラム51を起動させるブラウザ制御プログラム53,54を自動生成するように構成することが好ましい。これにより、タブレット端末装置8に複数種類のブラウザプログラム51がインストールされている場合であっても、Webページの閲覧に適したブラウザプログラム51が起動されるようになるので、Webページを閲覧し易い状態で表示することができるようになる。
【0099】
以上、本発明に関する一実施形態について説明したが、本発明は上述した内容のものに限られるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
【0100】
例えば、上記実施形態においてはタブレット端末装置8がコミュニティサーバ3からコミュニティ情報3bを取得することによってユーザと関連するWebアプリケーション部を選択する場合を説明した。しかし、これに限られるものではなく、例えば各ユーザが所属するグループなどが登録されたデータベースがコミュニティサーバ3以外に存在する場合は、そのようなデータベースから情報を取得してユーザと関連するWebアプリケーション部を選択するようにしても良い。
【0101】
また上記実施形態においては、画像処理装置2がコピー機能、スキャン機能、プリンタ機能、BOX機能といった画像処理に関する複数の機能を備える複合機である場合を例示したが、必ずしも複合機であることに限定されるものではない。例えば、画像処理装置2は、複写機、スキャナ、プリンタなどの専用機であっても構わない。また画像処理装置2は、FAX機能を備えた装置であっても構わない。
【符号の説明】
【0102】
1 画像処理システム
2 画像処理装置
8(8a,8b) タブレット端末装置
12 通信ユニット(通信部)
30 システム制御部(制御部)
31 Webサーバ部
34 アプリケーション登録部(Webアプリケーション登録部)
34a アプリケーション情報
35 アプリケーション情報送信部
33a,33b,33c Webアプリケーション部
39a,39b,39c Webページ
43 表示部
46 記憶装置(記憶手段)
52 画像処理装置連携プログラム(プログラム)
61 ブラウザ
62a Webアプリケーション選択部
62b プログラム自動生成部(プログラム生成部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理機能を有する画像処理装置と、前記画像処理装置とデータ通信を行うタブレット端末装置とを備える画像処理システムであって、
前記画像処理装置は、
前記画像処理機能を動作させて特定の処理を行わせるための操作画面をWebページとして提供する複数のWebアプリケーション部と、
前記複数のWebアプリケーション部のそれぞれによって提供されるWebページをそれぞれ異なるアドレスに割り当てて管理し、一のアドレスへのアクセス要求に基づいて当該一のアドレスに割り当てられたWebページを取得して出力するWebサーバ部と、
前記Webサーバ部によって出力されるWebページに対して行われる指示操作に基づき、前記画像処理機能を動作させると共に、当該Webページを提供するWebアプリケーション部において予め設定されている特定の処理を行わせる制御部と、
ユーザによる登録指示に基づき、前記Webサーバ部に対して管理対象となるWebアプリケーション部を登録すると共に、登録指示を行った登録ユーザに関する情報と、当該Webアプリケーション部によって提供されるWebページにアクセスするためのアドレスとを含むアプリケーション情報を登録するWebアプリケーション登録部と、
を備え、
前記タブレット端末装置は、
各種情報を表示する表示部と、
前記表示部に表示するためのWebページを取得するブラウザと、
前記画像処理装置とデータ通信を行うことにより、前記画像処理装置に登録されている複数のWebアプリケーション部のそれぞれに対応するアプリケーション情報を取得し、各アプリケーション情報に含まれる登録ユーザに関する情報を判別することにより、前記画像処理装置に登録されている複数のWebアプリケーション部のうちから、当該タブレット端末装置を使用する使用ユーザと関連する登録ユーザによって登録されたWebアプリケーション部を選択するWebアプリケーション選択部と、
前記Webアプリケーション選択部によって選択されたWebアプリケーション部に対応するアプリケーション情報から、当該Webアプリケーション部によって提供されるWebページにアクセスするためのアドレスを抽出し、前記ブラウザに当該アドレスへの自動アクセスを行わせるためのブラウザ制御プログラムを生成すると共に、当該ブラウザ制御プログラムを起動するためのアイコン画像を前記表示部に表示するプログラム生成部と、
を備えることを特徴とする画像処理システム。
【請求項2】
画像処理機能を動作させて特定の処理を行わせるための操作画面をWebページとして提供するための複数のWebアプリケーション部を有し、各Webアプリケーション部に関連付けて、Webアプリケーション部の登録指示を行った登録ユーザに関する情報と、Webアプリケーション部によって提供されるWebページにアクセスするためのアドレスとを含むアプリケーション情報を保持する構成の画像処理装置とデータ通信を行うタブレット端末装置であって、
各種情報を表示する表示部と、
前記表示部に表示するためのWebページを取得するブラウザと、
前記画像処理装置とデータ通信を行うことにより、前記画像処理装置に登録されている複数のWebアプリケーション部のそれぞれに関連付けられたアプリケーション情報を取得し、各アプリケーション情報に含まれる登録ユーザに関する情報を判別することにより、前記画像処理装置に登録されている複数のWebアプリケーション部のうちから、当該タブレット端末装置を使用する使用ユーザと関連する登録ユーザによって登録されたWebアプリケーション部を選択するWebアプリケーション選択部と、
前記Webアプリケーション選択部によって選択されたWebアプリケーション部に対応するアプリケーション情報から、当該Webアプリケーション部によって提供されるWebページにアクセスするためのアドレスを抽出し、前記ブラウザに当該アドレスへの自動アクセスを行わせるためのブラウザ制御プログラムを生成すると共に、当該ブラウザ制御プログラムを起動するためのアイコン画像を前記表示部に表示するプログラム生成部と、
を備えることを特徴とするタブレット端末装置。
【請求項3】
当該タブレット端末装置を使用する使用ユーザに関するユーザ情報を記憶する記憶手段をさらに備え、
前記Webアプリケーション選択部は、前記ユーザ情報に基づいて当該ユーザが属するグループを判別し、前記画像処理装置に登録されている複数のWebアプリケーション部のうちから、当該タブレット端末装置を使用する使用ユーザと同一グループに属する登録ユーザによって登録されたWebアプリケーション部を選択することを特徴とする請求項2に記載のタブレット端末装置。
【請求項4】
前記Webアプリケーション選択部は、前記表示部におけるアイコン画像の表示可能数を特定し、選択したWebアプリケーション部の数が前記表示可能数を越えるとき、登録ユーザと使用ユーザとが属する同一グループの数、又は、登録ユーザと使用ユーザとが属する同一グループに属しているユーザの数に基づいて、選択したWebアプリケーション部の数を前記表示可能数以下に絞り込むことを特徴とする請求項3に記載のタブレット端末装置。
【請求項5】
前記画像処理装置において複数のWebアプリケーション部のそれぞれに関連付けて保持されるアプリケーション情報には、各Webアプリケーション部によって提供されるWebページの表示に適したブラウザを指定する推奨ブラウザ情報が含まれており、
前記プログラム生成部は、前記ブラウザが複数種類ある場合、前記推奨ブラウザ情報において指定されたブラウザに自動アクセスを行わせるためのブラウザ制御プログラムを生成することを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載のタブレット端末装置。
【請求項6】
画像処理機能を有する画像処理装置であって、
前記画像処理機能を動作させて特定の処理を行わせるための操作画面をWebページとして提供する複数のWebアプリケーション部と、
前記複数のWebアプリケーション部のそれぞれによって提供されるWebページをそれぞれ異なるアドレスに割り当てて管理し、一のアドレスへのアクセス要求に基づいて当該一のアドレスに割り当てられたWebページを取得して出力するWebサーバ部と、
前記Webサーバ部によって出力されるWebページに対して行われる指示操作に基づき、前記画像処理機能を動作させると共に、当該Webページを提供するWebアプリケーション部において予め設定されている特定の処理を行わせる制御部と、
ユーザによる登録指示に基づき、前記Webサーバ部に対して管理対象となるWebアプリケーション部を登録すると共に、登録指示を行った登録ユーザに関する情報と、当該Webアプリケーション部によって提供されるWebページにアクセスするためのアドレスとを含むアプリケーション情報を登録するWebアプリケーション登録部と、
タブレット端末装置とデータ通信を行う通信部と、
前記通信部が前記タブレット端末装置とデータ通信可能になったとき、前記Webアプリケーション登録部によって登録されるアプリケーション情報を読み出し、前記通信部を介して前記タブレット端末装置に出力するアプリケーション情報送信部と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
画像処理機能を動作させて特定の処理を行わせるための操作画面をWebページとして提供するための複数のWebアプリケーション部を有し、各Webアプリケーション部に関連付けて、Webアプリケーション部の登録指示を行った登録ユーザに関する情報と、Webアプリケーション部によって提供されるWebページにアクセスするためのアドレスとを含むアプリケーション情報を保持する構成の画像処理装置とデータ通信を行うタブレット端末装置において実行されるプログラムであって、前記タブレット端末装置を、
前記画像処理装置とデータ通信を行うことにより、前記画像処理装置に登録されている複数のWebアプリケーション部のそれぞれに関連付けられたアプリケーション情報を取得し、各アプリケーション情報に含まれる登録ユーザに関する情報を判別することにより、前記画像処理装置に登録されている複数のWebアプリケーション部のうちから、当該タブレット端末装置を使用する使用ユーザと関連する登録ユーザによって登録されたWebアプリケーション部を選択するWebアプリケーション選択部、および、
前記Webアプリケーション選択部によって選択されたWebアプリケーション部に対応するアプリケーション情報から、当該Webアプリケーション部によって提供されるWebページにアクセスするためのアドレスを抽出し、当該アドレスをブラウザに設定してブラウザを起動させるためのブラウザ制御プログラムを生成すると共に、当該ブラウザ制御プログラムを起動するためのアイコン画像を表示部に表示するプログラム生成部、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−81127(P2013−81127A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−220931(P2011−220931)
【出願日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】