画像処理システム、携帯端末、情報処理装置、および表示方法
【課題】複数台の画像形成装置を全体として効率よくメンテナンスすることができる画像処理システムを提供する。
【解決手段】携帯端末で複数の画像形成装置を撮影すると、当該携帯端末の撮影範囲にある複数の画像形成装置それぞれの状態に基づいてメンテナンス順が決定され、そのメンテナンス順を表わしたタグが撮影画像に合成されて携帯端末に表示される。
【解決手段】携帯端末で複数の画像形成装置を撮影すると、当該携帯端末の撮影範囲にある複数の画像形成装置それぞれの状態に基づいてメンテナンス順が決定され、そのメンテナンス順を表わしたタグが撮影画像に合成されて携帯端末に表示される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は画像処理システム、携帯端末、情報処理装置、および表示方法に関し、特に、画像処理装置のメンテナンスに関連した情報を処理する画像処理システム、携帯端末、情報処理装置、および表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
オフィス環境などにおいて、ある範囲で複数台の画像形成装置(たとえば、コピー機、プリンター、これらの複合機であるMFP(Multi-Function Peripherals)等)が用いられる場合がある。そして、それらの機種が異なる場合がある。
【0003】
サービスマンは、このような用い方をしている顧客先を訪問し、これら複数台の画像形成装置のメンテナンスを行なう。このとき、サービスマンはこれら複数台の画像形成装置に対してメンテナンス順を決定し、順にメンテナンスする。
【0004】
しかしながら、上のように顧客先には様々な種類の画像形成装置が設置されている場合があるため、画像形成装置それぞれの状態を調査し、適切な優先度に基づくメンテナンス順を決定するのが難しい場合がある。特に、初めて訪問する顧客先ではそれぞれの画像形成装置の状態を把握することが難しいため、顧客から細かな情報収集を行なってからでないと最適な優先順位が判断しにくい、という問題がある。その結果、顆客先の画像形成装置全体のダウンタイムが増大し、顧客の利便性が損なわれてしまうという問題が生じる場合もあった。
【0005】
このような問題に対して、たとえば特開2008−287501号公報(特許文献1)の開示している方法を適用することも考えられる。特許文献1は、顧客環境下で用いられている画像形成装置をグループ化してグループごとにサポートすべき緊急度を判定し、所定の通知先に判定内容を通知するシステムを開示している。
【0006】
また、ネットワークを用いたリモート診断等の仕組みを利用することも考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−287501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、1台の画像形成装置に対して複数種類のメンテナンスが必要な場合や、複数台の画像形成装置を並行してメンテナンスする場合もあり、特許文献1の方法を適用した場合にはそのような場合の柔軟な判断ができない、という問題があった。
【0009】
また、ネットワークを用いたリモート診断等の仕組みを利用する場合、顧客先でのネットワーク接続はセキュリティ上の問題で許可されない場合もあり、そのような場合にはこの仕組みを利用することができない、という問題があった。さらに、この場合、サービスマンは大規模なシステムを持ち歩く必要が生じ、業負荷面、コスト面において運用されにくいという問題があった。
【0010】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、複数台の画像形成装置を全体として効率よくメンテナンスすることができる画像処理システム、携帯端末、情報処理装置、および表示方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、画像処理システムは、撮影手段および表示手段を含む携帯端末と、複数の画像処理装置と、携帯端末と相互に通信可能なサーバーとを備える。サーバーは複数の画像処理装置それぞれの情報として、少なくともそれぞれの状態を取得するための第1の取得手段を含み、サーバーまたは携帯端末は、画像処理装置の情報を参照して複数の画像処理装置のメンテナンス順を決定する処理を実行するための第1の処理手段を含み、携帯端末は、撮影手段で撮影して得られた画像処理装置の撮影画像と、決定されたメンテナンス順を表わす画像とを合成し、表示手段に表示する処理を実行するための第2の処理手段を含む。
【0012】
好ましくは、サーバーは、第1の取得手段で画像処理装置の情報として当該画像処理装置の位置情報を取得し、サーバーは、撮影手段で撮影時の携帯端末の位置および向きを取得するための第2の取得手段をさらに備える。上記第1の処理手段は、複数の画像処理装置のうちの携帯端末での撮影範囲に存在する画像処理装置について当該画像処理装置の情報を参照してメンテナンス順を決定する。
【0013】
好ましくは、画像処理装置は当該画像処理装置の状態を検出するためのセンサーを含み、第1の取得手段は、センサーでの検出値を取得する。
【0014】
より好ましくは、画像処理装置の状態は、画像処理動作の回数を表わすカウンタ情報、各部の異常の有無を表わす情報、異常発生の履歴を表わす情報、部品交換の要否を表わす情報、動作モードに関する情報、メンテナンス頻度や履歴を表わす情報、清掃や確認の要否を表わす情報、のうちの少なくとも1つの情報によって表わされる。
【0015】
好ましくは、第1の取得手段で取得される画像処理装置の状態は複数の項目に関する状態であって、携帯端末は、メンテナンス順を決定する際に用いる画像処理装置の状態の項目の優先度を設定するための設定手段をさらに備え、第1の処理手段は、設定された優先度に従った項目で表わされる複数の画像処理装置のそれぞれの状態に応じて複数の画像処理装置のメンテナンス順を決定する。
【0016】
好ましくは、携帯端末は、メンテナンス順を表わす画像の表示態様を、当該メンテナンス順に応じて変化させるための表示処理手段をさらに含む。
【0017】
本発明の他の局面に従うと、携帯端末は、撮影手段と、表示手段と、撮影手段で撮影された撮影画像に基づく画面を表示手段に表示させる処理を行なうための表示処理手段とを備える。表示処理手段は、撮影手段で複数の画像処理装置を撮影して得られた撮影画像と、複数の画像処理装置それぞれのメンテナンス順を表わす画像とを合成し、表示手段に表示する処理を実行する。
【0018】
好ましくは、携帯端末は、撮影手段で撮影時の当該携帯端末の位置および向きを検出するための検出手段と、検出手段での検出結果を他の装置に送信し、複数の画像処理装置のメンテナンス順を表わす情報を要求するための要求手段とをさらに備える。
【0019】
好ましくは、携帯端末は、撮影手段で撮影時の当該携帯端末の位置および向きを検出するための検出手段と、画像処理装置の状態を取得するための第1の取得手段と、画像処理装置の位置を取得するための第2の取得手段と、検出手段での検出結果と画像処理装置の位置とから特定される、撮影手段で撮影された画像処理装置の状態に応じて、複数の画像処理装置のメンテナンス順を決定するための決定手段とをさらに備える。
【0020】
本発明のさらに他の局面に従うと、情報処理装置は携帯端末と通信可能な情報処理装置であって、画像処理装置の状態を取得するための第1の取得手段と、それぞれの状態を参照して複数の画像処理装置のメンテナンス順を決定するための決定手段とを備える。
【0021】
好ましくは、携帯端末は撮影手段を含み、情報処理装置は、画像処理装置の位置を取得するための第2の取得手段と、撮影手段で撮影時の携帯端末の位置および向きを取得するための第3の取得手段とをさらに備える。決定手段は、携帯端末の撮影時の位置および向きと画像処理装置の位置とから特定される、撮影手段で撮影された複数の画像処理装置それぞれの状態に応じて、複数の画像処理装置のメンテナンス順を決定する。
【0022】
本発明のさらに他の局面に従うと、表示方法は、撮影手段を有する携帯端末と複数の画像処理装置とサーバーとを含む画像処理システムの、携帯端末での表示方法であって、複数の画像処理装置それぞれの状態を取得するステップと、画像処理装置の状態に応じて複数の画像処理装置のメンテナンス順を決定するステップと、撮影手段で撮影して得られた画像処理装置の撮影画像と、決定されたメンテナンス順を表わす画像とを合成し、携帯端末に表示するステップとを備える。
【発明の効果】
【0023】
この発明によると、複数台の画像形成装置を全体として効率よくメンテナンスすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】第1の実施の形態にかかる画像処理システムの構成の具体例を示す図である。
【図2】画像処理システムに含まれるMFPのハードウェア構成の具体例を示す図である。
【図3】画像処理システムに含まれる携帯端末のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【図4】画像処理システムに含まれるサーバーのハードウェア構成の具体例を示す図である。
【図5】第1の実施の形態にかかる画像処理システムでの動作概要を説明するための図である。
【図6】第1の実施の形態にかかる画像処理システムでの動作概要を説明するための図である。
【図7】携帯端末の機能構成の具体例を示すブロック図である。
【図8】サーバーの機能構成の具体例を示すブロック図である。
【図9】MFPに記憶されているMFPリストの具体例を示す図である。
【図10】MFPに記憶される端末情報としての優先度設定情報の具体例を示す図である。
【図11】サーバーでの動作の流れの具体例を表わすフローチャートである。
【図12】携帯端末での動作の流れの具体例を表わすフローチャートである。
【図13】第2の実施の形態にかかる画像処理システムの構成の具体例を示す図である。
【図14】第2の実施の形態にかかる画像処理システムのサーバーに記憶される端末情報としての優先度設定情報の具体例を示す図である。
【図15】第2の実施の形態にかかる画像処理システムでの動作概要を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。
【0026】
[第1の実施の形態]
<システム構成>
図1は、第1の実施の形態にかかる画像処理システム1Aの構成の具体例を示す図である。
【0027】
図1を参照して、第1の実施の形態にかかる画像処理システム1Aは、複数の、画像処理装置としてのMFP(Multi-Function Peripheral)100A,100B,…100Nと、携帯端末200と、サーバー300とを含む。なお、MFP100A,100B,…100Nを代表させてMFP100と称する。
【0028】
画像処理装置は、MFPに限定されず、少なくとも1以上の画像処理機能を有する装置であれば、プリンターやファクシミリ送受信機やコピー機などのその他の装置であってもよい。MFP100は、これら機能を複合的に備えた画像処理装置である。
【0029】
携帯端末200はたとえば携帯電話機などが該当し、少なくともカメラ機能と、指示入力機能と、通信機能とを備えていれば、他の装置であってもよい。
【0030】
サーバーは、一般的なパーソナルコンピューターなどから構成されるものであればよい。
【0031】
MFP100と携帯端末200とは互いに通信可能であり、情報のやり取りを行なう。MFP100と携帯端末200との通信は、無線通信であればどのような通信形態であってもよい。以降の例ではBluetooth(登録商標)を利用した無線通信であるものとするが、その他、赤外線通信や近距離無線通信などであってもよい。
【0032】
MFP100とサーバー300とは互いに通信可能であり、情報のやり取りを行なう。MFP100とサーバー300との通信は、有線、無線を問わず、いずれの通信形態であってもよい。本実施の形態にかかる画像処理システムはオフィス環境で用いられることが想定されるため、一例として、有線、または無線のLAN(Local Area Network)にMFP100とサーバー300とが接続され、該ネットワークを介して情報のやり取りを行なう通信形態が挙げられる。
【0033】
携帯端末200とサーバー300とも互いに通信可能であり、情報のやり取りを行なう。携帯端末200とサーバー300との通信は、無線通信であればどのような通信形態であってもよい。以降の例では電話回線を利用した無線通信であるものとするが、その他、赤外線通信やBluetooth(登録商標)などの近距離無線通信などであってもよいし、無線のLANに携帯端末200とサーバー300とが接続されている場合には該ネットワークを介して情報のやり取りを行なう通信形態も挙げられる。
【0034】
なお、MFP100と携帯端末200とも通信可能であってもよい。この通信としては、たとえば、Bluetooth(登録商標)を利用した無線通信や、赤外線通信や近距離無線通信などが挙げられる。
【0035】
以降の説明において、MFP100とサーバー300とはLANを介した通信、および携帯端末200とサーバー300とは電話回線を利用した無線通信を行なう、すなわちこれらは異なる通信形態であるものとするが、たとえばすべてLANを介した通信など、同じ通信形態であってもよい。
【0036】
<MFPの構成>
図2は、MFP100のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【0037】
図2を参照して、MFP100は、全体を制御するための演算装置であるCPU(Central Processing Unit)10と、CPU10で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM(Read Only Memory)11と、CPU10でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM(Random Access Memory)12と、図示しない原稿台に載置された原稿を光学的に読み取って画像データーを得るためのスキャナー13と、画像データーを印刷用紙上に固定するためのプリンター14と、情報を表示したり当該MFP100に対する操作入力を受け付けたりするためのタッチパネルを含んだ操作パネル15と、画像データーを保存するためのメモリー16と、LANを介した通信の制御するためのネットワークコントローラー17と、MFP100の状態を検出するためのセンサー18とを含む。
【0038】
操作パネル15は、図示しないタッチパネルと操作キー群とを含む。タッチパネルは、液晶表示装置などの表示装置と光学式タッチパネルや静電容量タッチパネルなどの位置指示装置とが重なって構成され、操作画面を表示して、その操作画面上の指示位置を特定する。CPU10は予め記憶されている画面表示をさせるためのデーターに基づいてタッチパネルに操作画面を表示させる。
【0039】
センサー18としては、たとえば、トナー量残量を検出するためのセンサーや、各部のジャム(紙詰まり)や温度異常や動作異常等を検出するためのセンサーなどが該当する。なお、センサー18には、コピー量やスキャン量やプリント量などをカウントするためのカウンタが含まれてもよい。
【0040】
<携帯端末の構成>
図3は、携帯端末200のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【0041】
図3を参照して、携帯端末200は、全体を制御するための演算装置であるCPU20と、CPU20で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM21と、CPU20でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM22と、磁気センサーを含んで当該携帯端末200の向きを検出するための電子コンパス23と、GPS(Global Positioning System)信号または基地局からの位置信号を受信して当該携帯端末の位置情報を取得するためのGPSコントローラー24と、情報を表示したり当該携帯端末200に対する操作入力を受け付けたりするためのタッチパネルを含んだ操作パネル25と、カメラ26と、図示しない基地局と通信することによる電話回線を介した通信を制御するためのコントローラー27と、電話帳データーなどを記憶するためメモリー28とを含む。
【0042】
操作パネル25は、MFP100の操作パネル15と同様の構成であってよい。すなわち、一例として、液晶表示装置などの表示装置と光学式タッチパネルや静電容量タッチパネルなどの位置指示装置とが重なって構成されたタッチパネルと、操作キーとを含む。
【0043】
CPU20は予め記憶されている画面表示をさせるためのデーターに基づいてタッチパネルに操作画面を表示させる。タッチパネルでは操作画面上の指示位置が特定され、その位置を示す操作信号がCPU20に入力される。また、押下されたキーを示す操作信号がCPU20に入力される。CPU20は押下されたキー、または表示している操作画面と指示位置とから操作内容を特定し、それに基づいて処理を実行する。
【0044】
また、電子コンパス23およびGPSコントローラー24は、取得した当該携帯端末200の向きや位置情報を示す信号をCPU20に入力する。
【0045】
<サーバーの構成>
図4は、サーバー300のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【0046】
図4を参照して、サーバー300は上述のように一般的なコンピュータ等によって構成されるものであり、一例として、全体を制御するための演算装置であるCPU30と、CPU30で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM31と、CPU30でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM32と、後述するMFP情報などを記憶するためのHD(Hard Disk)33と、電話回線を介した通信を制御するための通信コントローラー34と、LANを介した通信の制御するためのネットワークコントローラー35とを含む。
【0047】
<動作概要>
第1の実施の形態にかかる画像処理システム1Aは、携帯端末200をサービスマンが携帯し、顧客環境に設置されている複数台のMFP100A,100B,…100Nをメンテナンスする使い方が想定されている。
【0048】
サーバー300には、予めMFP100ごとの情報が「MFP情報」として登録されている。「MFP情報」は、サーバー300に登録される当該画像処理システム1Aに含まれるMFP100に関する情報を指し、少なくとも、当該MFP100の位置を特定する情報である位置情報と、当該MFP100のステータスを表わす情報であるステータス情報とが含まれる。その他、当該MFP100の使用量を表わすカウンタ情報が含まれてもよい。その具体例は後述する。サーバー300に記憶されている複数のMFP情報を以降の説明では「MFPリスト」とも称する。
【0049】
MFP情報の登録は、MFP100の電源がONされたタイミングや、画像処理システム1AにMFP100が接続されたタイミングや、所定の時間間隔や、状態が変化したタイミングなど、所定のタイミングで行なわれる。位置情報は、管理者等の所定のユーザーが入力するものであってもよいし、MFP100が図示しない位置取得機構を備えている場合には、MFP100からの信号を受け付けることで入力されてもよい。
【0050】
ステータス情報は、MFP100の状態を表わす情報であって、予め規定された各項目について異常の有無や異常の内容を表わす情報を指す。一例として、紙詰まりに関する情報であるJAM情報や、異常位置、内容を表わす情報であるトラブル情報や、上述のカウンタ情報がステータス情報に含まれる。
【0051】
ステータス情報は、MFP100からセンサー18での検出結果として受け付けることで入力されてもよいし、管理者等の所定のユーザーが入力するものであってもよいし、携帯端末200から受け付けることで入力されてもよい。
【0052】
また、サーバー300には、予め携帯端末200ごとの情報が「端末情報」として登録されている。「端末情報」は、サーバー300に登録される当該画像処理システム1Aに含まれる携帯端末200に関する情報を指し、少なくとも、メンテナンスの優先度を決定するために用いられる情報である優先度設定情報が含まれる。
【0053】
優先度設定情報は、メンテナンスの着手順をどのようなトラブルや条件などの要因を元に決定するか、を表わす情報である。メンテナンスの着手順を決定する要因としては、たとえば、携帯端末200(を携帯したサービスマン)からの距離、MFP100に生じたトラブルの内容や状態、MFP100の使用頻度、MFP100に対するメンテナンスの頻度、特定の動作モードとなっているか否か、パーツ交換の要否、清掃の要否、などが挙げられる。優先度設定情報は、これら複数の要因のうちの、どの要因に基づいて、またはどの要因から順に用いてメンテナンス順を決定するか、を設定する情報である。
【0054】
優先度設定情報の登録は、携帯端末200のユーザーであるサービスマンが携帯端末200を用いて設定動作を行ない、その情報が携帯端末200からサーバー300に送信されることで行なわれる。
【0055】
なお、以降の説明では、優先度設定情報を含む「端末情報」が携帯端末200に関連付けられてサーバー300に登録されているものとするが、優先度設定情報はサービスマンに関連付けられた「ユーザー情報」として登録されてもよい。この場合、サービスマンが携帯端末200を用いる際にログイン操作を行ない、認証されたサービスマンのユーザー情報として登録された優先度設定情報が後述するメンテナンスの優先度を決定するために用いられる。
【0056】
図5および図6は、第1の実施の形態にかかる画像処理システム1Aでの動作概要を説明するための図である。
【0057】
サービスマンはMFP100をメンテナンスする際、対象のMFP100に携帯端末200を向けて撮影する(図5の(1))。これにより、携帯端末200の表示画面にはMFP100が写った撮影画像が表示されることになる。さらに、その撮影画像に重ねて、MFP100の状態がタグで表示される(図5の(2))。
【0058】
なお、「タグ」とは、表示されているオブジェクトと関連付けて表示される情報を指す。この撮影の場合、タグとして、図5の(2)に表わされたような、対象とするMFP100の異常内容(トラブル)を表わす情報が表示される。図5の(2)の例では、メンテナンス対象とするMFP100において、トナー不足(トナーエンプティー)および紙詰まり(ジャム)が発生していることがタグで表わされている。
【0059】
第1の実施の形態にかかる画像処理システム1Aは、さらに、サービスマンがメンテナンス対象の複数のMFP100に携帯端末200を向けて撮影する(図6の(1))。これにより、携帯端末200の表示画面には複数のMFP100が写った撮影画像が表示されることになる。さらに、その撮影画像に重ねて、MFP100のメンテナンスの優先度がタグで表示される(図6の(2))。
【0060】
この撮影の場合、タグとして、図6の(2)に表わされたような、複数のMFP100それぞれのメンテナンスの優先度(優先順位)、つまり、メンテナンス順を表わす情報が表示される。図6の(2)の例では、携帯端末200の表示画面に3つのMFPが表示され、それぞれの優先度として優先度1〜3がタグで表わされている。つまり、この3つのMFPのメンテナンス順がタグで表わされている。
【0061】
<機能構成>
MFP100は、上述の動作を実現するためのMFP100の機能構成として、少なくとも、センサー18を用いて各部の状態を検出するための機能と、その検出結果をサーバー300に対して送信するための機能とを含む。これら機能は、CPU10がROM11に記憶されるプログラムを読み出してRAM12上で実行することで、主にCPU10に形成される機能である。しかしながら、少なくとも一部の機能が図2に示されたハードウェア構成によって形成されてもよい。
【0062】
図7は、上述の動作を実現するための携帯端末200の機能構成の具体例を示すブロック図である。図7に示される各機能は、CPU20がROM21に記憶されるプログラムを読み出してRAM22上で実行することで、主にCPU20に形成される機能である。しかしながら、少なくとも一部の機能が図3に示されたハードウェア構成によって形成されてもよい。
【0063】
図7を参照して、上記動作を実現するための機能として携帯端末200は、操作パネル25からの指示入力を受け付けるための指示入力部201と、操作パネル25からの撮影指示に応じてGPSコントローラー24より当該携帯端末200の位置情報を取得するための位置取得部202と、操作パネル25からの撮影指示に応じて電子コンパス23より当該携帯端末200の向きを取得するための向き取得部203と、操作パネル25からの撮影指示に応じてカメラ26による撮影を実行して撮影された画像データーを取得するための画像取得部204と、操作パネル25からの撮影指示に応じて取得された位置情報と向き情報とをコントローラー27を介してサーバー300に対して送信し、サーバー300に対してMFP情報を要求するためのサーバー要求部205と、該要求に応じてサーバー300から操作対象とするMFP100のMFP情報をコントローラー27を介して取得するためのMFP情報取得部206と、撮影して得られた画像データーとMFP情報とに基づいて画像データーにタグを合成して画面データーを生成するための生成部207と、画面データーを操作パネル25に表示する処理を実行するための表示処理部208と、操作パネル25からの指示入力に従って当該携帯端末200での優先度決定のための設定を行なうための設定部209とを含む。
【0064】
なお、位置取得部202および向き取得部203は、操作パネル25からの撮影指示に応じてそれぞれ位置情報および向き情報を取得するものであるため、その情報は、それぞれ、撮影位置の情報および撮影方向の情報となり得る。そこで、以降の説明では、上記プログラムに従って携帯端末200からサーバー300に送信される位置情報および向き情報を、それぞれ、撮影位置情報および撮影方向情報とも称する。
【0065】
サーバー要求部205は、少なくとも撮影位置情報および撮影方向情報をサーバー300に送信することで、サーバー300に対してMFP情報等を要求する。この要求には、他の情報として、たとえば当該携帯端末200を特定する情報が含まれていてもよいし、当該携帯端末200に対してログインしているユーザー(サービスマン)のログイン情報が含まれてもよい。
【0066】
設定部209は、一例として、メンテナンス順を決定するための上述の複数の要因を選択可能に提示した設定画面での選択動作(操作パネル25へのタッチ)を受け付けることで、選択された要因、または選択された順の要因を、優先度設定情報として設定し、コントローラー27を介してサーバー300に対して送信する。
【0067】
図8は、サーバー300の機能構成の具体例を示すブロック図である。図8に示される各機能は、CPU30がROM31に記憶されるプログラムを読み出してRAM32上で実行することで、主にCPU30に形成される機能である。しかしながら、少なくとも一部の機能が図4に示されたハードウェア構成によって形成されてもよい。
【0068】
図8を参照して、HD33には、MFP情報をMFPリストとして記憶するための記憶領域であるMFP情報記憶部331と、上述のように携帯端末200から送信された優先度設定情報を含む端末情報を当該携帯端末200と関連付けて記憶するための記憶領域である端末情報記憶部332とが含まれる。
【0069】
さらに図8を参照して、上記動作を実現するための機能としてサーバー300は、通信コントローラー34を介して携帯端末200からの上述の要求の入力を受け付けるための要求入力部301と、その要求が、メンテナンス対象のMFP100の状態を要求するものであるのか、メンテナンス対象の複数のMFP100のメンテナンス順を要求するものであるのかを判断するための判断部302と、MFPリストの各位置情報を参照して、携帯端末200の撮影位置および撮影方向に基づいて当該携帯端末200の撮影範囲に存在するMFPを検索し、そのMFP情報をMFP情報記憶部331から読み出すための検索部303と、MFPリストの各位置情報を参照して、携帯端末200の撮影位置および撮影方向に基づいて当該携帯端末200の撮影範囲に存在する複数のMFPを検索し、MFPリストの各ステータス情報と端末情報に含まれる優先度設定情報とを参照して、これら複数のMFPについてメンテナンス順を決定するための決定部304と、読み出されたMFP情報または決定されたメンテナンス順を通信コントローラー34を介して携帯端末200に対して送信するための送信部305とを含む。
【0070】
図9は、MFP情報記憶部331に記憶されているMFPリストの具体例を示す図である。各MFPはメンテナンスに必要な情報として位置情報やステータス情報をメモリー16の所定領域に記憶しておき、ステータス変化が生じたタイミングやサーバー300からの要求があったタイミングなどの所定のタイミングにサーバー300に送信する。各MFPから送信されたMFP情報は一例として図9に表わされたリスト形式でMFP情報記憶部331に記憶される。
【0071】
なお、一例として、各MFPはセンサー18で検出された値を送信すると共に、CPU10が予め異常であるか否かを判断するためのしきい値を記憶しておくことで異常の有無を判断し、その結果を検出結果と共に送信してもよい。図9の例では、各項目についての検出された値と共に、その検出値が正常であるか否かの判断結果もMFPリストとして記憶されている。図9では、表現上、異常値を示す欄が二重線で表わされている。
【0072】
図10は、端末情報記憶部332に記憶される端末情報としての優先度設定情報の具体例を示す図である。図10を参照して、端末情報としての優先度設定情報は、携帯端末200に関連付けて、当該携帯端末200において複数のMFPのメンテナンス順を決定するために用いられる要因が特定されている。図10の例では、複数の要因が表わされ、それらがメンテナンス順を決定するための用いられる順が設定されている。具体的には、当該携帯端末200からの距離を優先してメンテナンス順を決定し、以降、MFP100での状態の深刻度合い、使用頻度、メンテナンス頻度、…、の順に用いてメンテナンス順を決定することが設定されている。
【0073】
判断部302での判断の一例として、携帯端末200からの要求が、該要求に含まれる撮影位置および撮影方向と各MFP情報に含まれる位置情報とに基づいて当該携帯端末200の撮影範囲に1台または予め規定されたしきい値よりも少ない台数のMFPが含まれる場合には、当該MFPについてのMFPの状態を要求するものであると判断し、複数台または上記しきい値よりも多い台数のMFPが含まれる場合には、これら複数のMFP100のメンテナンス順を要求するものであると判断する方法が挙げられる。
【0074】
もちろん、判断部302での判断方法はこの方法に限定されるものでなく他の方法であってもよい。他の例として、たとえば、携帯端末200においていずれの要求であるかを特定する操作が行なわれ、該要求に要求する内容が含まれていてもよい。
【0075】
決定部304は、携帯端末200の撮影画像に存在する複数のMFP100について、それぞれのMFP情報と当該携帯端末200についての優先度設定情報とに基づいて、メンテナンス順を決定する。たとえば当該携帯端末200に関連付けて図10に示された優先度設定情報が登録されている場合、決定部304は、当該携帯端末200の撮影画像に存在する複数のMFP100のそれぞれの位置情報と当該携帯端末200の位置とから各距離を算出し、距離の短い順にメンテナンス順を決定する。そのとき、同じ距離、または距離の差が所定範囲内である複数のMFP100が存在する場合には、これらMFP100についてのトラブル情報を参照して異常値を示すものから順、または正常値からの解離が大きい順にメンテナンス順を決定する。以降、同じ順位の複数のMFPがある場合には、設定された順に要因を用いて、メンテナンス順を決定する。
【0076】
<動作フロー>
図11は、サーバー300での動作の流れの具体例を表わすフローチャートである。図1のフローチャートに示される動作は、CPU30がROM31に記憶されるプログラムを読み出してRAM32上で実行し、図8に示される各機能を発揮することによって実現される。
【0077】
図11を参照して、サーバー300のCPU30は、MFP100から位置情報やステータス情報などのMFP情報を受信すると(ステップS101でYES)、ステップS103でそのMFP情報をMFP100と関連付けて登録する。このとき、すでに当該MFP100に関連付けられたMFP情報が登録されている場合には、受信したMFP情報で更新する。
【0078】
たとえばサービスマンによりメンテナンスが完了するとMFP100のセンサー18が対象箇所が正常となったことを検出し、その情報をMFP情報としてサーバー300に送信する。これにより、サーバー300に登録されている当該MFP100のMFP情報が更新される。すなわち、メンテナンスに応じてリアルタイムにMFP情報が更新されることになる。
【0079】
携帯端末200から優先度設定情報を受信すると(ステップS101でNO,ステップS105でYES)、ステップS107でCPU30は、その優先度設定情報を携帯端末200と関連付けて登録する。このとき、すでに当該携帯端末200に関連付けられた優先度設定情報が登録されている場合には、受信したM優先度設定情報で更新する。
【0080】
携帯端末200から撮影位置および撮影方向を含んだ要求を受信すると(ステップS101,S105でNO,ステップS109でYES)、CPU30は、その要求がメンテナンス対象のMFP100の状態を要求するものであるのか、メンテナンス対象の複数のMFP100のメンテナンス順を要求するものであるのかを判断する。そして、メンテナンス順を要求するものと判断されると(ステップS111でYES)、ステップS113でCPU30は、上記要求を行なった携帯端末200の撮影範囲にあるMFPを特定し、それらのMFP情報を参照して、当該携帯端末200に関連付けられた優先度設定情報に規定される優先度で要因を用いてこれらMFPのメンテナンス順を特定する。
【0081】
一方、上記要求がメンテナンス対象のMFP100の状態を要求するものと判断されると(ステップS111でNO)、ステップS115でCPU30は、上記要求を行なった携帯端末200の撮影範囲にあるMFPを特定し、そのMFPのMFP情報を抽出する。ここでは、携帯端末200にタグで表示させる当該MFPの状態を表わす情報をMFP情報からさらに抽出してもよい。
【0082】
ステップS117でCPU30は、上記ステップS113で決定されたメンテナンス順を示す情報、または上記ステップS115で抽出されたメンテナンス対象のMFPのMFP情報を、上記要求を行なった携帯端末200に対して送信する。
【0083】
サーバー300では、以上の処理を繰り替して行なうことで、MFP100からのMFP情報、携帯端末200からの優先度設定情報または要求に応じた動作を行なう。
【0084】
図12は、携帯端末200での動作の流れの具体例を表わすフローチャートである。図12のフローチャートに示される動作は、CPU20がROM21に記憶されるプログラムを読み出してRAM22上で実行し、図7に示される各機能を発揮することによって実現される。
【0085】
図12を参照して、携帯端末200のCPU20は、操作パネル25からの撮影指示を受け取る(ステップS201でYES)、ステップS203で撮影動作を実行すると共に、ステップS205でそのときの位置情報および向き情報を撮影位置および撮影方向として含んだ要求をサーバー300に対して送信する。
【0086】
サーバー300から該要求に応じて情報を受信すると(ステップS207でYES)、ステップS209でCPU20は、受信した情報に基づいてタグ画像を生成し、上記ステップS203の撮影で得られた撮影画像に合成する。そして、ステップS211で、得られた画像を操作パネル25に表示する処理を行なう。
【0087】
一例として、携帯端末200のカメラ26を複数のMFPに対して向けて撮影を行なった場合、サーバー300からはこれら複数のMFPのメンテナンス順を特定する情報が送信され、上記ステップS211では図6のような、これら複数のMFPのメンテナンス順がタグとして提示された画面が操作パネル25に表示される。
【0088】
携帯端末200のカメラ26をメンテナンス対象のMFPに対して向けて撮影を行なった場合、サーバー300からは当該MFPの状態を示す情報が送信され、上記ステップS211では図5のような、当該MFPの状態がタグとして提示された画面が操作パネル25に表示される。
【0089】
<第1の実施の形態の効果>
第1の実施の形態にかかる画像処理システム1Aで上のような動作が行なわれることで、携帯端末200のカメラ26をメンテナンス対象のMFPに対して向けて撮影を行なった場合、サーバー300からは当該MFPの状態を示す情報が送信され、上記ステップS211では図5のような、当該MFPの状態がタグとして提示された画面が操作パネル25に表示される。
【0090】
これにより、サービスマンは、携帯端末200の画面を見ることでメンテナンス対象のMFPの状態を的確に知ることができ、効率的にメンテナンスすることができる。
【0091】
また、メンテナンスに伴ってMFP100からの検出情報を受け取ったサーバー300で当該MFP100のMFP情報が更新されることで、それに基づいて携帯端末200に表示されるタグの内容がリアルタイムに変化することになる。そのため、後述するように複数のサービスマンがそれぞれメンテナンスしている場合に、他のサービスマンのメンテナンス状況がタグに反映され、効率的にメンテナンスできる。
【0092】
また、一例として、携帯端末200のカメラ26を複数のMFPに対して向けて撮影を行なった場合、サーバー300からはこれら複数のMFPのメンテナンス順を特定する情報が送信され、上記ステップS211では図6のような、これら複数のMFPのメンテナンス順がタグとして提示された画面が操作パネル25に表示される。
【0093】
このため、複数のMFPのメンテナンスを行なう際、サービスマンはこれら複数のMFPを携帯端末200で撮影することでこれら複数のMFPのメンテナンス順を知ることができ、効率的に複数のMFPをメンテナンスすることができる。
【0094】
さらに、このメンテナンス順は当該携帯端末200を用いてサービスマン等が予め設定した優先度を用いて決定されたものである。そのため、状況に応じた順や、自身の作業性に応じた順でこれら複数のMFPをメンテナンスすることができる。
【0095】
また、上述のように、メンテナンス状況に応じてMFP情報がリアルタイムに更新されるため、メンテナンス状況に応じてメンテナンス順をリアルタイムに決定することが可能となる。特に、後述するように複数のサービスマンがそれぞれメンテナンスする場合に、他のサービスマンのメンテナンス状況に応じて自身のメンテナンス順がリアルタイムに決定される。そのため、より効率的に複数台のMFPをメンテナンスすることができる。
【0096】
<第1の実施の形態の変形例>
なお、上の例では、メンテナンス順が図6に示されたような順位を提示したタグで示されるものとしている。他の例として、当該タグの表示モード(表示態様)をメンテナンス順に応じて変化させてもよい。表示モードとしては、たとえば表示色を変更させること、表示サイズを変更させること、点滅のスピードを変更させること、および透明度を変更させること、などが該当する。
【0097】
この場合、表示モードは、優先度設定情報と同様に予め携帯端末200で設定され、携帯端末200に格納される。そして、CPU210が上記ステップS209でタグを生成する際に表示態様に応じてタグを生成し、撮影画像に合成する。
【0098】
このようにすることで、タグの表示態様を見ることで一目でメンテナンス順を把握でき、より効率的にメンテナンスできる。
【0099】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態として、複数の携帯端末200A,200Bを用いて複数台のMFP100A,100B,…100Nをメンテナンスする場合について説明する。
【0100】
<システム構成>
図13は、第2の実施の形態にかかる画像処理システム1Bの構成の具体例を示す図である。
【0101】
図13を参照して、第2の実施の形態にかかる画像処理システム1Bには、図1に示された画像処理システム1Aの構成中の携帯端末200として、複数の携帯端末200A,200Bが含まれる。
【0102】
<動作概要>
第2の実施の形態にかかる画像処理システム1Bでは、複数のMFPのメンテナンス順を決定する際に、他の携帯端末の位置も要因の一つとして考慮される。一例として、他の携帯端末の撮影範囲にいずれかのMFPが存在するか否か、他の携帯端末の位置から各MFPまでの距離などが要因として用いられてメンテナンス順が決定される。
【0103】
図14は、画像処理システム1Bのサーバー300の端末情報記憶部332に記憶される端末情報としての優先度設定情報の具体例を示す図である。図14の例では、複数の要因の一つとして他の携帯端末の撮影範囲に存在していない、つまり他の携帯端末で撮影されていないものほどメンテナンス順を高く設定する、および、他の携帯端末からの距離が遠いものほどメンテナンス順を高く設定する、という優先度が設定されている。
【0104】
サーバー300のCPU30は、各携帯端末200A,200Bから撮影位置、撮影方向を受信することで、それぞれの位置を特定することができる。他に、たとえば一定の間隔で各携帯端末200A,200Bに対して位置情報を要求したり、一方の携帯端末200からメンテナンス順の決定の要求があったときに他方の携帯端末に対して位置情報を要求したりすることで、それぞれの位置情報を特定することができる。そして、CPU30は、メンテナンス順を決定する際、優先度設定情報にて用いることが設定されている場合には、それぞれの携帯端末の位置を用いてメンテナンス順を決定する。
【0105】
図15は、第2の実施の形態にかかる画像処理システム1Bでの動作概要を説明するための図である。
【0106】
第2の実施の形態にかかる画像処理システム1Bでは、サービスマンがメンテナンス対象の複数のMFP100に携帯端末200を向けて撮影する(図15の(1))。図15の(1)の例の場合、携帯端末200Aの撮影画像にはMFP100A〜100Dが含まれるが、携帯端末200Bの撮影画像にはMFP100Dが含まれない。
【0107】
携帯端末200Aの優先度設定情報において他方の携帯端末の撮影範囲にないMFPのメンテナンス順を高くする設定がなされている場合、サーバー300のCPU30は、携帯端末200Aからのメンテナンス順の要求に応じてこれらMFP100A〜100Dのメンテナンス順を決定する際に、MFP100Dのメンテナンス順を他のMFPよりも高く決定する。これにより、携帯端末200Aの表示画面ではMFP100Dのメンテナンス順が1位としてタグで表示される(図15の(2))。
【0108】
<第2の実施の形態の効果>
第2の実施の形態にかかる画像処理システム1Bでこのような動作が行なわれることで、複数のサービスマンがそれぞれ携帯端末を携帯して複数台のMFPをメンテナンスする際に、他のサービスマンの位置に応じて自身のメンテナンス順が決定される。
【0109】
上述のようにメンテナンス順を決定する対象となるMFPは撮影範囲内に存在するMFPとなるため、他の携帯端末の撮影範囲内に存在しないMFPは、当該他の携帯端末を携帯したサービスマンのメンテナンス対象とならない可能性が高い。また、上述のように、携帯端末からの距離もメンテナンス順を決定する要因となるために他の携帯端末から距離の遠いMFPはメンテナンス順が遅くなる可能性がある。
【0110】
第2の実施の形態にかかる画像処理システム1Bのサーバー300で上のようにしてメンテナンス順が決定されることで、このようなMFPは当該携帯端末でのメンテナンス順が高く決定されることになり、全体として効率的に複数台のMFPをメンテナンスできることになる。
【0111】
<第2の実施の形態の変形例>
第2の実施の形態にかかる画像処理システム1Bでは、他の携帯端末の位置を考慮して当該携帯端末に応じたメンテナンス順が決定されるものとしているが、他の携帯端末の位置のみでなく、他の情報が考慮されてもよい。一例として、他の携帯端末に応じて決定されたメンテナンス順を考慮して当該携帯端末に応じたメンテナンス順が決定されてもよい。
【0112】
この場合、一例として、サーバー300のCPU30は、当該携帯端末の優先度設定情報に基づいて複数のMFPに対して同じメンテナンス順が決定された場合には、他の携帯端末に応じて決定されたこれら複数のMFPのメンテナンス順を参照して、他の携帯端末においてメンテナンス順の低いMFPほど当該携帯端末においてはメンテナンス順を高くするようにしてもよい。
【0113】
このようにすることでも、全体として効率的に複数台のMFPをメンテナンスできることになる。
【0114】
[変形例]
なお、上の例では、サーバー300でメンテナンス順を決定するものとしている。しかしながら、メンテナンス順は携帯端末200にて決定されてもよい。この場合、携帯端末200には端末情報が記憶されており、サーバー300から複数のMFPそれぞれのMFP情報を受信することで、MFP情報を参照して端末情報に含まれる優先度設定情報に基づいて上述と同様にしてメンテナンス順を決定することができる。つまり、図8に表わされた決定部304は、携帯端末200のCPU20で形成される機能であってもよい。
【0115】
また、上の例では、携帯端末200とは別にサーバー300が画像処理システム1A,1Bに含まれるものとしているが、サーバー300が携帯端末200に含まれてもよい。すなわち、図8に表わされた各機能が携帯端末200のCPU20で形成されてもよい。
【0116】
この場合、第2の実施の形態にかかる画像処理システム1Bのように複数の携帯端末200が当該システムに含まれる場合、そのうちの1つの携帯端末がサーバー300として機能するようにしてもよい。
【0117】
さらに、上述の動作をサーバー300や携帯端末200に実行させるためのプログラムを提供することもできる。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM、RAMおよびメモリカードなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0118】
なお、本発明にかかるプログラムは、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0119】
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0120】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0121】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0122】
1A,1B 画像処理システム、10,20,30 CPU、11,21,31 ROM、12,22,32 RAM、13 スキャナー、14 プリンター、15,25 操作パネル、16,28 メモリー、17,35 ネットワークコントローラー、18 センサー、23 電子コンパス、24,27 コントローラー、26 カメラ、33 HD、34 通信コントローラー、100 MPF、200,200A,200B 携帯端末、201 指示入力部、202 位置取得部、203 向き取得部、204 画像取得部、205 サーバー要求部、206 MFP情報取得部、207 生成部、208 表示処理部、209 設定部、300 サーバー、301 要求入力部、302 判断部、303 検索部、304 決定部、305 送信部、331 情報記憶部、332 端末情報記憶部。
【技術分野】
【0001】
この発明は画像処理システム、携帯端末、情報処理装置、および表示方法に関し、特に、画像処理装置のメンテナンスに関連した情報を処理する画像処理システム、携帯端末、情報処理装置、および表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
オフィス環境などにおいて、ある範囲で複数台の画像形成装置(たとえば、コピー機、プリンター、これらの複合機であるMFP(Multi-Function Peripherals)等)が用いられる場合がある。そして、それらの機種が異なる場合がある。
【0003】
サービスマンは、このような用い方をしている顧客先を訪問し、これら複数台の画像形成装置のメンテナンスを行なう。このとき、サービスマンはこれら複数台の画像形成装置に対してメンテナンス順を決定し、順にメンテナンスする。
【0004】
しかしながら、上のように顧客先には様々な種類の画像形成装置が設置されている場合があるため、画像形成装置それぞれの状態を調査し、適切な優先度に基づくメンテナンス順を決定するのが難しい場合がある。特に、初めて訪問する顧客先ではそれぞれの画像形成装置の状態を把握することが難しいため、顧客から細かな情報収集を行なってからでないと最適な優先順位が判断しにくい、という問題がある。その結果、顆客先の画像形成装置全体のダウンタイムが増大し、顧客の利便性が損なわれてしまうという問題が生じる場合もあった。
【0005】
このような問題に対して、たとえば特開2008−287501号公報(特許文献1)の開示している方法を適用することも考えられる。特許文献1は、顧客環境下で用いられている画像形成装置をグループ化してグループごとにサポートすべき緊急度を判定し、所定の通知先に判定内容を通知するシステムを開示している。
【0006】
また、ネットワークを用いたリモート診断等の仕組みを利用することも考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−287501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、1台の画像形成装置に対して複数種類のメンテナンスが必要な場合や、複数台の画像形成装置を並行してメンテナンスする場合もあり、特許文献1の方法を適用した場合にはそのような場合の柔軟な判断ができない、という問題があった。
【0009】
また、ネットワークを用いたリモート診断等の仕組みを利用する場合、顧客先でのネットワーク接続はセキュリティ上の問題で許可されない場合もあり、そのような場合にはこの仕組みを利用することができない、という問題があった。さらに、この場合、サービスマンは大規模なシステムを持ち歩く必要が生じ、業負荷面、コスト面において運用されにくいという問題があった。
【0010】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、複数台の画像形成装置を全体として効率よくメンテナンスすることができる画像処理システム、携帯端末、情報処理装置、および表示方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、画像処理システムは、撮影手段および表示手段を含む携帯端末と、複数の画像処理装置と、携帯端末と相互に通信可能なサーバーとを備える。サーバーは複数の画像処理装置それぞれの情報として、少なくともそれぞれの状態を取得するための第1の取得手段を含み、サーバーまたは携帯端末は、画像処理装置の情報を参照して複数の画像処理装置のメンテナンス順を決定する処理を実行するための第1の処理手段を含み、携帯端末は、撮影手段で撮影して得られた画像処理装置の撮影画像と、決定されたメンテナンス順を表わす画像とを合成し、表示手段に表示する処理を実行するための第2の処理手段を含む。
【0012】
好ましくは、サーバーは、第1の取得手段で画像処理装置の情報として当該画像処理装置の位置情報を取得し、サーバーは、撮影手段で撮影時の携帯端末の位置および向きを取得するための第2の取得手段をさらに備える。上記第1の処理手段は、複数の画像処理装置のうちの携帯端末での撮影範囲に存在する画像処理装置について当該画像処理装置の情報を参照してメンテナンス順を決定する。
【0013】
好ましくは、画像処理装置は当該画像処理装置の状態を検出するためのセンサーを含み、第1の取得手段は、センサーでの検出値を取得する。
【0014】
より好ましくは、画像処理装置の状態は、画像処理動作の回数を表わすカウンタ情報、各部の異常の有無を表わす情報、異常発生の履歴を表わす情報、部品交換の要否を表わす情報、動作モードに関する情報、メンテナンス頻度や履歴を表わす情報、清掃や確認の要否を表わす情報、のうちの少なくとも1つの情報によって表わされる。
【0015】
好ましくは、第1の取得手段で取得される画像処理装置の状態は複数の項目に関する状態であって、携帯端末は、メンテナンス順を決定する際に用いる画像処理装置の状態の項目の優先度を設定するための設定手段をさらに備え、第1の処理手段は、設定された優先度に従った項目で表わされる複数の画像処理装置のそれぞれの状態に応じて複数の画像処理装置のメンテナンス順を決定する。
【0016】
好ましくは、携帯端末は、メンテナンス順を表わす画像の表示態様を、当該メンテナンス順に応じて変化させるための表示処理手段をさらに含む。
【0017】
本発明の他の局面に従うと、携帯端末は、撮影手段と、表示手段と、撮影手段で撮影された撮影画像に基づく画面を表示手段に表示させる処理を行なうための表示処理手段とを備える。表示処理手段は、撮影手段で複数の画像処理装置を撮影して得られた撮影画像と、複数の画像処理装置それぞれのメンテナンス順を表わす画像とを合成し、表示手段に表示する処理を実行する。
【0018】
好ましくは、携帯端末は、撮影手段で撮影時の当該携帯端末の位置および向きを検出するための検出手段と、検出手段での検出結果を他の装置に送信し、複数の画像処理装置のメンテナンス順を表わす情報を要求するための要求手段とをさらに備える。
【0019】
好ましくは、携帯端末は、撮影手段で撮影時の当該携帯端末の位置および向きを検出するための検出手段と、画像処理装置の状態を取得するための第1の取得手段と、画像処理装置の位置を取得するための第2の取得手段と、検出手段での検出結果と画像処理装置の位置とから特定される、撮影手段で撮影された画像処理装置の状態に応じて、複数の画像処理装置のメンテナンス順を決定するための決定手段とをさらに備える。
【0020】
本発明のさらに他の局面に従うと、情報処理装置は携帯端末と通信可能な情報処理装置であって、画像処理装置の状態を取得するための第1の取得手段と、それぞれの状態を参照して複数の画像処理装置のメンテナンス順を決定するための決定手段とを備える。
【0021】
好ましくは、携帯端末は撮影手段を含み、情報処理装置は、画像処理装置の位置を取得するための第2の取得手段と、撮影手段で撮影時の携帯端末の位置および向きを取得するための第3の取得手段とをさらに備える。決定手段は、携帯端末の撮影時の位置および向きと画像処理装置の位置とから特定される、撮影手段で撮影された複数の画像処理装置それぞれの状態に応じて、複数の画像処理装置のメンテナンス順を決定する。
【0022】
本発明のさらに他の局面に従うと、表示方法は、撮影手段を有する携帯端末と複数の画像処理装置とサーバーとを含む画像処理システムの、携帯端末での表示方法であって、複数の画像処理装置それぞれの状態を取得するステップと、画像処理装置の状態に応じて複数の画像処理装置のメンテナンス順を決定するステップと、撮影手段で撮影して得られた画像処理装置の撮影画像と、決定されたメンテナンス順を表わす画像とを合成し、携帯端末に表示するステップとを備える。
【発明の効果】
【0023】
この発明によると、複数台の画像形成装置を全体として効率よくメンテナンスすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】第1の実施の形態にかかる画像処理システムの構成の具体例を示す図である。
【図2】画像処理システムに含まれるMFPのハードウェア構成の具体例を示す図である。
【図3】画像処理システムに含まれる携帯端末のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【図4】画像処理システムに含まれるサーバーのハードウェア構成の具体例を示す図である。
【図5】第1の実施の形態にかかる画像処理システムでの動作概要を説明するための図である。
【図6】第1の実施の形態にかかる画像処理システムでの動作概要を説明するための図である。
【図7】携帯端末の機能構成の具体例を示すブロック図である。
【図8】サーバーの機能構成の具体例を示すブロック図である。
【図9】MFPに記憶されているMFPリストの具体例を示す図である。
【図10】MFPに記憶される端末情報としての優先度設定情報の具体例を示す図である。
【図11】サーバーでの動作の流れの具体例を表わすフローチャートである。
【図12】携帯端末での動作の流れの具体例を表わすフローチャートである。
【図13】第2の実施の形態にかかる画像処理システムの構成の具体例を示す図である。
【図14】第2の実施の形態にかかる画像処理システムのサーバーに記憶される端末情報としての優先度設定情報の具体例を示す図である。
【図15】第2の実施の形態にかかる画像処理システムでの動作概要を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。
【0026】
[第1の実施の形態]
<システム構成>
図1は、第1の実施の形態にかかる画像処理システム1Aの構成の具体例を示す図である。
【0027】
図1を参照して、第1の実施の形態にかかる画像処理システム1Aは、複数の、画像処理装置としてのMFP(Multi-Function Peripheral)100A,100B,…100Nと、携帯端末200と、サーバー300とを含む。なお、MFP100A,100B,…100Nを代表させてMFP100と称する。
【0028】
画像処理装置は、MFPに限定されず、少なくとも1以上の画像処理機能を有する装置であれば、プリンターやファクシミリ送受信機やコピー機などのその他の装置であってもよい。MFP100は、これら機能を複合的に備えた画像処理装置である。
【0029】
携帯端末200はたとえば携帯電話機などが該当し、少なくともカメラ機能と、指示入力機能と、通信機能とを備えていれば、他の装置であってもよい。
【0030】
サーバーは、一般的なパーソナルコンピューターなどから構成されるものであればよい。
【0031】
MFP100と携帯端末200とは互いに通信可能であり、情報のやり取りを行なう。MFP100と携帯端末200との通信は、無線通信であればどのような通信形態であってもよい。以降の例ではBluetooth(登録商標)を利用した無線通信であるものとするが、その他、赤外線通信や近距離無線通信などであってもよい。
【0032】
MFP100とサーバー300とは互いに通信可能であり、情報のやり取りを行なう。MFP100とサーバー300との通信は、有線、無線を問わず、いずれの通信形態であってもよい。本実施の形態にかかる画像処理システムはオフィス環境で用いられることが想定されるため、一例として、有線、または無線のLAN(Local Area Network)にMFP100とサーバー300とが接続され、該ネットワークを介して情報のやり取りを行なう通信形態が挙げられる。
【0033】
携帯端末200とサーバー300とも互いに通信可能であり、情報のやり取りを行なう。携帯端末200とサーバー300との通信は、無線通信であればどのような通信形態であってもよい。以降の例では電話回線を利用した無線通信であるものとするが、その他、赤外線通信やBluetooth(登録商標)などの近距離無線通信などであってもよいし、無線のLANに携帯端末200とサーバー300とが接続されている場合には該ネットワークを介して情報のやり取りを行なう通信形態も挙げられる。
【0034】
なお、MFP100と携帯端末200とも通信可能であってもよい。この通信としては、たとえば、Bluetooth(登録商標)を利用した無線通信や、赤外線通信や近距離無線通信などが挙げられる。
【0035】
以降の説明において、MFP100とサーバー300とはLANを介した通信、および携帯端末200とサーバー300とは電話回線を利用した無線通信を行なう、すなわちこれらは異なる通信形態であるものとするが、たとえばすべてLANを介した通信など、同じ通信形態であってもよい。
【0036】
<MFPの構成>
図2は、MFP100のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【0037】
図2を参照して、MFP100は、全体を制御するための演算装置であるCPU(Central Processing Unit)10と、CPU10で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM(Read Only Memory)11と、CPU10でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM(Random Access Memory)12と、図示しない原稿台に載置された原稿を光学的に読み取って画像データーを得るためのスキャナー13と、画像データーを印刷用紙上に固定するためのプリンター14と、情報を表示したり当該MFP100に対する操作入力を受け付けたりするためのタッチパネルを含んだ操作パネル15と、画像データーを保存するためのメモリー16と、LANを介した通信の制御するためのネットワークコントローラー17と、MFP100の状態を検出するためのセンサー18とを含む。
【0038】
操作パネル15は、図示しないタッチパネルと操作キー群とを含む。タッチパネルは、液晶表示装置などの表示装置と光学式タッチパネルや静電容量タッチパネルなどの位置指示装置とが重なって構成され、操作画面を表示して、その操作画面上の指示位置を特定する。CPU10は予め記憶されている画面表示をさせるためのデーターに基づいてタッチパネルに操作画面を表示させる。
【0039】
センサー18としては、たとえば、トナー量残量を検出するためのセンサーや、各部のジャム(紙詰まり)や温度異常や動作異常等を検出するためのセンサーなどが該当する。なお、センサー18には、コピー量やスキャン量やプリント量などをカウントするためのカウンタが含まれてもよい。
【0040】
<携帯端末の構成>
図3は、携帯端末200のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【0041】
図3を参照して、携帯端末200は、全体を制御するための演算装置であるCPU20と、CPU20で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM21と、CPU20でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM22と、磁気センサーを含んで当該携帯端末200の向きを検出するための電子コンパス23と、GPS(Global Positioning System)信号または基地局からの位置信号を受信して当該携帯端末の位置情報を取得するためのGPSコントローラー24と、情報を表示したり当該携帯端末200に対する操作入力を受け付けたりするためのタッチパネルを含んだ操作パネル25と、カメラ26と、図示しない基地局と通信することによる電話回線を介した通信を制御するためのコントローラー27と、電話帳データーなどを記憶するためメモリー28とを含む。
【0042】
操作パネル25は、MFP100の操作パネル15と同様の構成であってよい。すなわち、一例として、液晶表示装置などの表示装置と光学式タッチパネルや静電容量タッチパネルなどの位置指示装置とが重なって構成されたタッチパネルと、操作キーとを含む。
【0043】
CPU20は予め記憶されている画面表示をさせるためのデーターに基づいてタッチパネルに操作画面を表示させる。タッチパネルでは操作画面上の指示位置が特定され、その位置を示す操作信号がCPU20に入力される。また、押下されたキーを示す操作信号がCPU20に入力される。CPU20は押下されたキー、または表示している操作画面と指示位置とから操作内容を特定し、それに基づいて処理を実行する。
【0044】
また、電子コンパス23およびGPSコントローラー24は、取得した当該携帯端末200の向きや位置情報を示す信号をCPU20に入力する。
【0045】
<サーバーの構成>
図4は、サーバー300のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【0046】
図4を参照して、サーバー300は上述のように一般的なコンピュータ等によって構成されるものであり、一例として、全体を制御するための演算装置であるCPU30と、CPU30で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM31と、CPU30でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM32と、後述するMFP情報などを記憶するためのHD(Hard Disk)33と、電話回線を介した通信を制御するための通信コントローラー34と、LANを介した通信の制御するためのネットワークコントローラー35とを含む。
【0047】
<動作概要>
第1の実施の形態にかかる画像処理システム1Aは、携帯端末200をサービスマンが携帯し、顧客環境に設置されている複数台のMFP100A,100B,…100Nをメンテナンスする使い方が想定されている。
【0048】
サーバー300には、予めMFP100ごとの情報が「MFP情報」として登録されている。「MFP情報」は、サーバー300に登録される当該画像処理システム1Aに含まれるMFP100に関する情報を指し、少なくとも、当該MFP100の位置を特定する情報である位置情報と、当該MFP100のステータスを表わす情報であるステータス情報とが含まれる。その他、当該MFP100の使用量を表わすカウンタ情報が含まれてもよい。その具体例は後述する。サーバー300に記憶されている複数のMFP情報を以降の説明では「MFPリスト」とも称する。
【0049】
MFP情報の登録は、MFP100の電源がONされたタイミングや、画像処理システム1AにMFP100が接続されたタイミングや、所定の時間間隔や、状態が変化したタイミングなど、所定のタイミングで行なわれる。位置情報は、管理者等の所定のユーザーが入力するものであってもよいし、MFP100が図示しない位置取得機構を備えている場合には、MFP100からの信号を受け付けることで入力されてもよい。
【0050】
ステータス情報は、MFP100の状態を表わす情報であって、予め規定された各項目について異常の有無や異常の内容を表わす情報を指す。一例として、紙詰まりに関する情報であるJAM情報や、異常位置、内容を表わす情報であるトラブル情報や、上述のカウンタ情報がステータス情報に含まれる。
【0051】
ステータス情報は、MFP100からセンサー18での検出結果として受け付けることで入力されてもよいし、管理者等の所定のユーザーが入力するものであってもよいし、携帯端末200から受け付けることで入力されてもよい。
【0052】
また、サーバー300には、予め携帯端末200ごとの情報が「端末情報」として登録されている。「端末情報」は、サーバー300に登録される当該画像処理システム1Aに含まれる携帯端末200に関する情報を指し、少なくとも、メンテナンスの優先度を決定するために用いられる情報である優先度設定情報が含まれる。
【0053】
優先度設定情報は、メンテナンスの着手順をどのようなトラブルや条件などの要因を元に決定するか、を表わす情報である。メンテナンスの着手順を決定する要因としては、たとえば、携帯端末200(を携帯したサービスマン)からの距離、MFP100に生じたトラブルの内容や状態、MFP100の使用頻度、MFP100に対するメンテナンスの頻度、特定の動作モードとなっているか否か、パーツ交換の要否、清掃の要否、などが挙げられる。優先度設定情報は、これら複数の要因のうちの、どの要因に基づいて、またはどの要因から順に用いてメンテナンス順を決定するか、を設定する情報である。
【0054】
優先度設定情報の登録は、携帯端末200のユーザーであるサービスマンが携帯端末200を用いて設定動作を行ない、その情報が携帯端末200からサーバー300に送信されることで行なわれる。
【0055】
なお、以降の説明では、優先度設定情報を含む「端末情報」が携帯端末200に関連付けられてサーバー300に登録されているものとするが、優先度設定情報はサービスマンに関連付けられた「ユーザー情報」として登録されてもよい。この場合、サービスマンが携帯端末200を用いる際にログイン操作を行ない、認証されたサービスマンのユーザー情報として登録された優先度設定情報が後述するメンテナンスの優先度を決定するために用いられる。
【0056】
図5および図6は、第1の実施の形態にかかる画像処理システム1Aでの動作概要を説明するための図である。
【0057】
サービスマンはMFP100をメンテナンスする際、対象のMFP100に携帯端末200を向けて撮影する(図5の(1))。これにより、携帯端末200の表示画面にはMFP100が写った撮影画像が表示されることになる。さらに、その撮影画像に重ねて、MFP100の状態がタグで表示される(図5の(2))。
【0058】
なお、「タグ」とは、表示されているオブジェクトと関連付けて表示される情報を指す。この撮影の場合、タグとして、図5の(2)に表わされたような、対象とするMFP100の異常内容(トラブル)を表わす情報が表示される。図5の(2)の例では、メンテナンス対象とするMFP100において、トナー不足(トナーエンプティー)および紙詰まり(ジャム)が発生していることがタグで表わされている。
【0059】
第1の実施の形態にかかる画像処理システム1Aは、さらに、サービスマンがメンテナンス対象の複数のMFP100に携帯端末200を向けて撮影する(図6の(1))。これにより、携帯端末200の表示画面には複数のMFP100が写った撮影画像が表示されることになる。さらに、その撮影画像に重ねて、MFP100のメンテナンスの優先度がタグで表示される(図6の(2))。
【0060】
この撮影の場合、タグとして、図6の(2)に表わされたような、複数のMFP100それぞれのメンテナンスの優先度(優先順位)、つまり、メンテナンス順を表わす情報が表示される。図6の(2)の例では、携帯端末200の表示画面に3つのMFPが表示され、それぞれの優先度として優先度1〜3がタグで表わされている。つまり、この3つのMFPのメンテナンス順がタグで表わされている。
【0061】
<機能構成>
MFP100は、上述の動作を実現するためのMFP100の機能構成として、少なくとも、センサー18を用いて各部の状態を検出するための機能と、その検出結果をサーバー300に対して送信するための機能とを含む。これら機能は、CPU10がROM11に記憶されるプログラムを読み出してRAM12上で実行することで、主にCPU10に形成される機能である。しかしながら、少なくとも一部の機能が図2に示されたハードウェア構成によって形成されてもよい。
【0062】
図7は、上述の動作を実現するための携帯端末200の機能構成の具体例を示すブロック図である。図7に示される各機能は、CPU20がROM21に記憶されるプログラムを読み出してRAM22上で実行することで、主にCPU20に形成される機能である。しかしながら、少なくとも一部の機能が図3に示されたハードウェア構成によって形成されてもよい。
【0063】
図7を参照して、上記動作を実現するための機能として携帯端末200は、操作パネル25からの指示入力を受け付けるための指示入力部201と、操作パネル25からの撮影指示に応じてGPSコントローラー24より当該携帯端末200の位置情報を取得するための位置取得部202と、操作パネル25からの撮影指示に応じて電子コンパス23より当該携帯端末200の向きを取得するための向き取得部203と、操作パネル25からの撮影指示に応じてカメラ26による撮影を実行して撮影された画像データーを取得するための画像取得部204と、操作パネル25からの撮影指示に応じて取得された位置情報と向き情報とをコントローラー27を介してサーバー300に対して送信し、サーバー300に対してMFP情報を要求するためのサーバー要求部205と、該要求に応じてサーバー300から操作対象とするMFP100のMFP情報をコントローラー27を介して取得するためのMFP情報取得部206と、撮影して得られた画像データーとMFP情報とに基づいて画像データーにタグを合成して画面データーを生成するための生成部207と、画面データーを操作パネル25に表示する処理を実行するための表示処理部208と、操作パネル25からの指示入力に従って当該携帯端末200での優先度決定のための設定を行なうための設定部209とを含む。
【0064】
なお、位置取得部202および向き取得部203は、操作パネル25からの撮影指示に応じてそれぞれ位置情報および向き情報を取得するものであるため、その情報は、それぞれ、撮影位置の情報および撮影方向の情報となり得る。そこで、以降の説明では、上記プログラムに従って携帯端末200からサーバー300に送信される位置情報および向き情報を、それぞれ、撮影位置情報および撮影方向情報とも称する。
【0065】
サーバー要求部205は、少なくとも撮影位置情報および撮影方向情報をサーバー300に送信することで、サーバー300に対してMFP情報等を要求する。この要求には、他の情報として、たとえば当該携帯端末200を特定する情報が含まれていてもよいし、当該携帯端末200に対してログインしているユーザー(サービスマン)のログイン情報が含まれてもよい。
【0066】
設定部209は、一例として、メンテナンス順を決定するための上述の複数の要因を選択可能に提示した設定画面での選択動作(操作パネル25へのタッチ)を受け付けることで、選択された要因、または選択された順の要因を、優先度設定情報として設定し、コントローラー27を介してサーバー300に対して送信する。
【0067】
図8は、サーバー300の機能構成の具体例を示すブロック図である。図8に示される各機能は、CPU30がROM31に記憶されるプログラムを読み出してRAM32上で実行することで、主にCPU30に形成される機能である。しかしながら、少なくとも一部の機能が図4に示されたハードウェア構成によって形成されてもよい。
【0068】
図8を参照して、HD33には、MFP情報をMFPリストとして記憶するための記憶領域であるMFP情報記憶部331と、上述のように携帯端末200から送信された優先度設定情報を含む端末情報を当該携帯端末200と関連付けて記憶するための記憶領域である端末情報記憶部332とが含まれる。
【0069】
さらに図8を参照して、上記動作を実現するための機能としてサーバー300は、通信コントローラー34を介して携帯端末200からの上述の要求の入力を受け付けるための要求入力部301と、その要求が、メンテナンス対象のMFP100の状態を要求するものであるのか、メンテナンス対象の複数のMFP100のメンテナンス順を要求するものであるのかを判断するための判断部302と、MFPリストの各位置情報を参照して、携帯端末200の撮影位置および撮影方向に基づいて当該携帯端末200の撮影範囲に存在するMFPを検索し、そのMFP情報をMFP情報記憶部331から読み出すための検索部303と、MFPリストの各位置情報を参照して、携帯端末200の撮影位置および撮影方向に基づいて当該携帯端末200の撮影範囲に存在する複数のMFPを検索し、MFPリストの各ステータス情報と端末情報に含まれる優先度設定情報とを参照して、これら複数のMFPについてメンテナンス順を決定するための決定部304と、読み出されたMFP情報または決定されたメンテナンス順を通信コントローラー34を介して携帯端末200に対して送信するための送信部305とを含む。
【0070】
図9は、MFP情報記憶部331に記憶されているMFPリストの具体例を示す図である。各MFPはメンテナンスに必要な情報として位置情報やステータス情報をメモリー16の所定領域に記憶しておき、ステータス変化が生じたタイミングやサーバー300からの要求があったタイミングなどの所定のタイミングにサーバー300に送信する。各MFPから送信されたMFP情報は一例として図9に表わされたリスト形式でMFP情報記憶部331に記憶される。
【0071】
なお、一例として、各MFPはセンサー18で検出された値を送信すると共に、CPU10が予め異常であるか否かを判断するためのしきい値を記憶しておくことで異常の有無を判断し、その結果を検出結果と共に送信してもよい。図9の例では、各項目についての検出された値と共に、その検出値が正常であるか否かの判断結果もMFPリストとして記憶されている。図9では、表現上、異常値を示す欄が二重線で表わされている。
【0072】
図10は、端末情報記憶部332に記憶される端末情報としての優先度設定情報の具体例を示す図である。図10を参照して、端末情報としての優先度設定情報は、携帯端末200に関連付けて、当該携帯端末200において複数のMFPのメンテナンス順を決定するために用いられる要因が特定されている。図10の例では、複数の要因が表わされ、それらがメンテナンス順を決定するための用いられる順が設定されている。具体的には、当該携帯端末200からの距離を優先してメンテナンス順を決定し、以降、MFP100での状態の深刻度合い、使用頻度、メンテナンス頻度、…、の順に用いてメンテナンス順を決定することが設定されている。
【0073】
判断部302での判断の一例として、携帯端末200からの要求が、該要求に含まれる撮影位置および撮影方向と各MFP情報に含まれる位置情報とに基づいて当該携帯端末200の撮影範囲に1台または予め規定されたしきい値よりも少ない台数のMFPが含まれる場合には、当該MFPについてのMFPの状態を要求するものであると判断し、複数台または上記しきい値よりも多い台数のMFPが含まれる場合には、これら複数のMFP100のメンテナンス順を要求するものであると判断する方法が挙げられる。
【0074】
もちろん、判断部302での判断方法はこの方法に限定されるものでなく他の方法であってもよい。他の例として、たとえば、携帯端末200においていずれの要求であるかを特定する操作が行なわれ、該要求に要求する内容が含まれていてもよい。
【0075】
決定部304は、携帯端末200の撮影画像に存在する複数のMFP100について、それぞれのMFP情報と当該携帯端末200についての優先度設定情報とに基づいて、メンテナンス順を決定する。たとえば当該携帯端末200に関連付けて図10に示された優先度設定情報が登録されている場合、決定部304は、当該携帯端末200の撮影画像に存在する複数のMFP100のそれぞれの位置情報と当該携帯端末200の位置とから各距離を算出し、距離の短い順にメンテナンス順を決定する。そのとき、同じ距離、または距離の差が所定範囲内である複数のMFP100が存在する場合には、これらMFP100についてのトラブル情報を参照して異常値を示すものから順、または正常値からの解離が大きい順にメンテナンス順を決定する。以降、同じ順位の複数のMFPがある場合には、設定された順に要因を用いて、メンテナンス順を決定する。
【0076】
<動作フロー>
図11は、サーバー300での動作の流れの具体例を表わすフローチャートである。図1のフローチャートに示される動作は、CPU30がROM31に記憶されるプログラムを読み出してRAM32上で実行し、図8に示される各機能を発揮することによって実現される。
【0077】
図11を参照して、サーバー300のCPU30は、MFP100から位置情報やステータス情報などのMFP情報を受信すると(ステップS101でYES)、ステップS103でそのMFP情報をMFP100と関連付けて登録する。このとき、すでに当該MFP100に関連付けられたMFP情報が登録されている場合には、受信したMFP情報で更新する。
【0078】
たとえばサービスマンによりメンテナンスが完了するとMFP100のセンサー18が対象箇所が正常となったことを検出し、その情報をMFP情報としてサーバー300に送信する。これにより、サーバー300に登録されている当該MFP100のMFP情報が更新される。すなわち、メンテナンスに応じてリアルタイムにMFP情報が更新されることになる。
【0079】
携帯端末200から優先度設定情報を受信すると(ステップS101でNO,ステップS105でYES)、ステップS107でCPU30は、その優先度設定情報を携帯端末200と関連付けて登録する。このとき、すでに当該携帯端末200に関連付けられた優先度設定情報が登録されている場合には、受信したM優先度設定情報で更新する。
【0080】
携帯端末200から撮影位置および撮影方向を含んだ要求を受信すると(ステップS101,S105でNO,ステップS109でYES)、CPU30は、その要求がメンテナンス対象のMFP100の状態を要求するものであるのか、メンテナンス対象の複数のMFP100のメンテナンス順を要求するものであるのかを判断する。そして、メンテナンス順を要求するものと判断されると(ステップS111でYES)、ステップS113でCPU30は、上記要求を行なった携帯端末200の撮影範囲にあるMFPを特定し、それらのMFP情報を参照して、当該携帯端末200に関連付けられた優先度設定情報に規定される優先度で要因を用いてこれらMFPのメンテナンス順を特定する。
【0081】
一方、上記要求がメンテナンス対象のMFP100の状態を要求するものと判断されると(ステップS111でNO)、ステップS115でCPU30は、上記要求を行なった携帯端末200の撮影範囲にあるMFPを特定し、そのMFPのMFP情報を抽出する。ここでは、携帯端末200にタグで表示させる当該MFPの状態を表わす情報をMFP情報からさらに抽出してもよい。
【0082】
ステップS117でCPU30は、上記ステップS113で決定されたメンテナンス順を示す情報、または上記ステップS115で抽出されたメンテナンス対象のMFPのMFP情報を、上記要求を行なった携帯端末200に対して送信する。
【0083】
サーバー300では、以上の処理を繰り替して行なうことで、MFP100からのMFP情報、携帯端末200からの優先度設定情報または要求に応じた動作を行なう。
【0084】
図12は、携帯端末200での動作の流れの具体例を表わすフローチャートである。図12のフローチャートに示される動作は、CPU20がROM21に記憶されるプログラムを読み出してRAM22上で実行し、図7に示される各機能を発揮することによって実現される。
【0085】
図12を参照して、携帯端末200のCPU20は、操作パネル25からの撮影指示を受け取る(ステップS201でYES)、ステップS203で撮影動作を実行すると共に、ステップS205でそのときの位置情報および向き情報を撮影位置および撮影方向として含んだ要求をサーバー300に対して送信する。
【0086】
サーバー300から該要求に応じて情報を受信すると(ステップS207でYES)、ステップS209でCPU20は、受信した情報に基づいてタグ画像を生成し、上記ステップS203の撮影で得られた撮影画像に合成する。そして、ステップS211で、得られた画像を操作パネル25に表示する処理を行なう。
【0087】
一例として、携帯端末200のカメラ26を複数のMFPに対して向けて撮影を行なった場合、サーバー300からはこれら複数のMFPのメンテナンス順を特定する情報が送信され、上記ステップS211では図6のような、これら複数のMFPのメンテナンス順がタグとして提示された画面が操作パネル25に表示される。
【0088】
携帯端末200のカメラ26をメンテナンス対象のMFPに対して向けて撮影を行なった場合、サーバー300からは当該MFPの状態を示す情報が送信され、上記ステップS211では図5のような、当該MFPの状態がタグとして提示された画面が操作パネル25に表示される。
【0089】
<第1の実施の形態の効果>
第1の実施の形態にかかる画像処理システム1Aで上のような動作が行なわれることで、携帯端末200のカメラ26をメンテナンス対象のMFPに対して向けて撮影を行なった場合、サーバー300からは当該MFPの状態を示す情報が送信され、上記ステップS211では図5のような、当該MFPの状態がタグとして提示された画面が操作パネル25に表示される。
【0090】
これにより、サービスマンは、携帯端末200の画面を見ることでメンテナンス対象のMFPの状態を的確に知ることができ、効率的にメンテナンスすることができる。
【0091】
また、メンテナンスに伴ってMFP100からの検出情報を受け取ったサーバー300で当該MFP100のMFP情報が更新されることで、それに基づいて携帯端末200に表示されるタグの内容がリアルタイムに変化することになる。そのため、後述するように複数のサービスマンがそれぞれメンテナンスしている場合に、他のサービスマンのメンテナンス状況がタグに反映され、効率的にメンテナンスできる。
【0092】
また、一例として、携帯端末200のカメラ26を複数のMFPに対して向けて撮影を行なった場合、サーバー300からはこれら複数のMFPのメンテナンス順を特定する情報が送信され、上記ステップS211では図6のような、これら複数のMFPのメンテナンス順がタグとして提示された画面が操作パネル25に表示される。
【0093】
このため、複数のMFPのメンテナンスを行なう際、サービスマンはこれら複数のMFPを携帯端末200で撮影することでこれら複数のMFPのメンテナンス順を知ることができ、効率的に複数のMFPをメンテナンスすることができる。
【0094】
さらに、このメンテナンス順は当該携帯端末200を用いてサービスマン等が予め設定した優先度を用いて決定されたものである。そのため、状況に応じた順や、自身の作業性に応じた順でこれら複数のMFPをメンテナンスすることができる。
【0095】
また、上述のように、メンテナンス状況に応じてMFP情報がリアルタイムに更新されるため、メンテナンス状況に応じてメンテナンス順をリアルタイムに決定することが可能となる。特に、後述するように複数のサービスマンがそれぞれメンテナンスする場合に、他のサービスマンのメンテナンス状況に応じて自身のメンテナンス順がリアルタイムに決定される。そのため、より効率的に複数台のMFPをメンテナンスすることができる。
【0096】
<第1の実施の形態の変形例>
なお、上の例では、メンテナンス順が図6に示されたような順位を提示したタグで示されるものとしている。他の例として、当該タグの表示モード(表示態様)をメンテナンス順に応じて変化させてもよい。表示モードとしては、たとえば表示色を変更させること、表示サイズを変更させること、点滅のスピードを変更させること、および透明度を変更させること、などが該当する。
【0097】
この場合、表示モードは、優先度設定情報と同様に予め携帯端末200で設定され、携帯端末200に格納される。そして、CPU210が上記ステップS209でタグを生成する際に表示態様に応じてタグを生成し、撮影画像に合成する。
【0098】
このようにすることで、タグの表示態様を見ることで一目でメンテナンス順を把握でき、より効率的にメンテナンスできる。
【0099】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態として、複数の携帯端末200A,200Bを用いて複数台のMFP100A,100B,…100Nをメンテナンスする場合について説明する。
【0100】
<システム構成>
図13は、第2の実施の形態にかかる画像処理システム1Bの構成の具体例を示す図である。
【0101】
図13を参照して、第2の実施の形態にかかる画像処理システム1Bには、図1に示された画像処理システム1Aの構成中の携帯端末200として、複数の携帯端末200A,200Bが含まれる。
【0102】
<動作概要>
第2の実施の形態にかかる画像処理システム1Bでは、複数のMFPのメンテナンス順を決定する際に、他の携帯端末の位置も要因の一つとして考慮される。一例として、他の携帯端末の撮影範囲にいずれかのMFPが存在するか否か、他の携帯端末の位置から各MFPまでの距離などが要因として用いられてメンテナンス順が決定される。
【0103】
図14は、画像処理システム1Bのサーバー300の端末情報記憶部332に記憶される端末情報としての優先度設定情報の具体例を示す図である。図14の例では、複数の要因の一つとして他の携帯端末の撮影範囲に存在していない、つまり他の携帯端末で撮影されていないものほどメンテナンス順を高く設定する、および、他の携帯端末からの距離が遠いものほどメンテナンス順を高く設定する、という優先度が設定されている。
【0104】
サーバー300のCPU30は、各携帯端末200A,200Bから撮影位置、撮影方向を受信することで、それぞれの位置を特定することができる。他に、たとえば一定の間隔で各携帯端末200A,200Bに対して位置情報を要求したり、一方の携帯端末200からメンテナンス順の決定の要求があったときに他方の携帯端末に対して位置情報を要求したりすることで、それぞれの位置情報を特定することができる。そして、CPU30は、メンテナンス順を決定する際、優先度設定情報にて用いることが設定されている場合には、それぞれの携帯端末の位置を用いてメンテナンス順を決定する。
【0105】
図15は、第2の実施の形態にかかる画像処理システム1Bでの動作概要を説明するための図である。
【0106】
第2の実施の形態にかかる画像処理システム1Bでは、サービスマンがメンテナンス対象の複数のMFP100に携帯端末200を向けて撮影する(図15の(1))。図15の(1)の例の場合、携帯端末200Aの撮影画像にはMFP100A〜100Dが含まれるが、携帯端末200Bの撮影画像にはMFP100Dが含まれない。
【0107】
携帯端末200Aの優先度設定情報において他方の携帯端末の撮影範囲にないMFPのメンテナンス順を高くする設定がなされている場合、サーバー300のCPU30は、携帯端末200Aからのメンテナンス順の要求に応じてこれらMFP100A〜100Dのメンテナンス順を決定する際に、MFP100Dのメンテナンス順を他のMFPよりも高く決定する。これにより、携帯端末200Aの表示画面ではMFP100Dのメンテナンス順が1位としてタグで表示される(図15の(2))。
【0108】
<第2の実施の形態の効果>
第2の実施の形態にかかる画像処理システム1Bでこのような動作が行なわれることで、複数のサービスマンがそれぞれ携帯端末を携帯して複数台のMFPをメンテナンスする際に、他のサービスマンの位置に応じて自身のメンテナンス順が決定される。
【0109】
上述のようにメンテナンス順を決定する対象となるMFPは撮影範囲内に存在するMFPとなるため、他の携帯端末の撮影範囲内に存在しないMFPは、当該他の携帯端末を携帯したサービスマンのメンテナンス対象とならない可能性が高い。また、上述のように、携帯端末からの距離もメンテナンス順を決定する要因となるために他の携帯端末から距離の遠いMFPはメンテナンス順が遅くなる可能性がある。
【0110】
第2の実施の形態にかかる画像処理システム1Bのサーバー300で上のようにしてメンテナンス順が決定されることで、このようなMFPは当該携帯端末でのメンテナンス順が高く決定されることになり、全体として効率的に複数台のMFPをメンテナンスできることになる。
【0111】
<第2の実施の形態の変形例>
第2の実施の形態にかかる画像処理システム1Bでは、他の携帯端末の位置を考慮して当該携帯端末に応じたメンテナンス順が決定されるものとしているが、他の携帯端末の位置のみでなく、他の情報が考慮されてもよい。一例として、他の携帯端末に応じて決定されたメンテナンス順を考慮して当該携帯端末に応じたメンテナンス順が決定されてもよい。
【0112】
この場合、一例として、サーバー300のCPU30は、当該携帯端末の優先度設定情報に基づいて複数のMFPに対して同じメンテナンス順が決定された場合には、他の携帯端末に応じて決定されたこれら複数のMFPのメンテナンス順を参照して、他の携帯端末においてメンテナンス順の低いMFPほど当該携帯端末においてはメンテナンス順を高くするようにしてもよい。
【0113】
このようにすることでも、全体として効率的に複数台のMFPをメンテナンスできることになる。
【0114】
[変形例]
なお、上の例では、サーバー300でメンテナンス順を決定するものとしている。しかしながら、メンテナンス順は携帯端末200にて決定されてもよい。この場合、携帯端末200には端末情報が記憶されており、サーバー300から複数のMFPそれぞれのMFP情報を受信することで、MFP情報を参照して端末情報に含まれる優先度設定情報に基づいて上述と同様にしてメンテナンス順を決定することができる。つまり、図8に表わされた決定部304は、携帯端末200のCPU20で形成される機能であってもよい。
【0115】
また、上の例では、携帯端末200とは別にサーバー300が画像処理システム1A,1Bに含まれるものとしているが、サーバー300が携帯端末200に含まれてもよい。すなわち、図8に表わされた各機能が携帯端末200のCPU20で形成されてもよい。
【0116】
この場合、第2の実施の形態にかかる画像処理システム1Bのように複数の携帯端末200が当該システムに含まれる場合、そのうちの1つの携帯端末がサーバー300として機能するようにしてもよい。
【0117】
さらに、上述の動作をサーバー300や携帯端末200に実行させるためのプログラムを提供することもできる。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM、RAMおよびメモリカードなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0118】
なお、本発明にかかるプログラムは、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0119】
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0120】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0121】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0122】
1A,1B 画像処理システム、10,20,30 CPU、11,21,31 ROM、12,22,32 RAM、13 スキャナー、14 プリンター、15,25 操作パネル、16,28 メモリー、17,35 ネットワークコントローラー、18 センサー、23 電子コンパス、24,27 コントローラー、26 カメラ、33 HD、34 通信コントローラー、100 MPF、200,200A,200B 携帯端末、201 指示入力部、202 位置取得部、203 向き取得部、204 画像取得部、205 サーバー要求部、206 MFP情報取得部、207 生成部、208 表示処理部、209 設定部、300 サーバー、301 要求入力部、302 判断部、303 検索部、304 決定部、305 送信部、331 情報記憶部、332 端末情報記憶部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影手段および表示手段を含む携帯端末と、
複数の画像処理装置と、
前記携帯端末と相互に通信可能なサーバーとを備え、
前記サーバーは前記複数の画像処理装置それぞれの情報として、少なくともそれぞれの状態を取得するための第1の取得手段を含み、
前記サーバーまたは前記携帯端末は、前記画像処理装置の情報を参照して前記複数の画像処理装置のメンテナンス順を決定する処理を実行するための第1の処理手段を含み、
前記携帯端末は、前記撮影手段で撮影して得られた前記画像処理装置の撮影画像と、前記決定されたメンテナンス順を表わす画像とを合成し、前記表示手段に表示する処理を実行するための第2の処理手段を含む、画像処理システム。
【請求項2】
前記サーバーは、前記第1の取得手段で前記画像処理装置の情報として当該画像処理装置の位置情報を取得し、
前記サーバーは、前記撮影手段で撮影時の前記携帯端末の位置および向きを取得するための第2の取得手段をさらに備え、
前記第1の処理手段は、前記複数の画像処理装置のうちの前記携帯端末での撮影範囲に存在する画像処理装置について当該画像処理装置の情報を参照してメンテナンス順を決定する、請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項3】
前記画像処理装置は当該画像処理装置の状態を検出するためのセンサーを含み、
前記第1の取得手段は、前記センサーでの検出値を取得する、請求項1または2に記載の画像処理システム。
【請求項4】
前記画像処理装置の状態は、画像処理動作の回数を表わすカウンタ情報、各部の異常の有無を表わす情報、異常発生の履歴を表わす情報、部品交換の要否を表わす情報、動作モードに関する情報、メンテナンス頻度や履歴を表わす情報、清掃や確認の要否を表わす情報のうちの少なくとも1つの情報によって表わされる、請求項3に記載の画像処理システム。
【請求項5】
前記第1の取得手段で取得される前記画像処理装置の状態は複数の項目に関する状態であって、
前記携帯端末は、前記メンテナンス順を決定する際に用いる前記画像処理装置の状態の項目の優先度を設定するための設定手段をさらに備え、
前記第1の処理手段は、前記設定された優先度に従った項目で表わされる前記複数の画像処理装置のそれぞれの状態に応じて前記複数の画像処理装置のメンテナンス順を決定する、請求項1〜4のいずれかに記載の画像処理システム。
【請求項6】
前記携帯端末は、前記メンテナンス順を表わす画像の表示態様を、当該メンテナンス順に応じて変化させるための表示処理手段をさらに含む、請求項1〜5のいずれかに記載の画像処理システム。
【請求項7】
撮影手段と、
表示手段と、
前記撮影手段で撮影された撮影画像に基づく画面を前記表示手段に表示させる処理を行なうための表示処理手段とを備え、
前記表示処理手段は、前記撮影手段で複数の画像処理装置を撮影して得られた撮影画像と、前記複数の画像処理装置それぞれのメンテナンス順を表わす画像とを合成し、前記表示手段に表示する処理を実行する、携帯端末。
【請求項8】
前記撮影手段で撮影時の当該携帯端末の位置および向きを検出するための検出手段と、
前記検出手段での検出結果を他の装置に送信し、前記複数の画像処理装置のメンテナンス順を表わす情報を要求するための要求手段とをさらに備える、請求項7に記載の携帯端末。
【請求項9】
前記撮影手段で撮影時の当該携帯端末の位置および向きを検出するための検出手段と、
前記画像処理装置の状態を取得するための第1の取得手段と、
前記画像処理装置の位置を取得するための第2の取得手段と、
前記検出手段での検出結果と前記画像処理装置の位置とから特定される、前記撮影手段で撮影された前記画像処理装置の状態に応じて、前記複数の画像処理装置のメンテナンス順を決定するための決定手段とをさらに備える、請求項7に記載の携帯端末。
【請求項10】
携帯端末と通信可能な情報処理装置であって、
画像処理装置の状態を取得するための第1の取得手段と、
それぞれの状態を参照して複数の前記画像処理装置のメンテナンス順を決定するための決定手段とを備える、情報処理装置。
【請求項11】
前記携帯端末は撮影手段を含み、
前記画像処理装置の位置を取得するための第2の取得手段と、
前記撮影手段で撮影時の前記携帯端末の位置および向きを取得するための第3の取得手段とをさらに備え、
前記決定手段は、前記携帯端末の撮影時の位置および向きと前記画像処理装置の位置とから特定される、前記撮影手段で撮影された複数の前記画像処理装置それぞれの状態に応じて、前記複数の画像処理装置のメンテナンス順を決定する、請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
撮影手段を有する携帯端末と複数の画像処理装置とサーバーとを含む画像処理システムの、前記携帯端末での表示方法であって、
前記複数の画像処理装置それぞれの状態を取得するステップと、
前記画像処理装置の状態に応じて前記複数の画像処理装置のメンテナンス順を決定するステップと、
前記撮影手段で撮影して得られた前記画像処理装置の撮影画像と、前記決定されたメンテナンス順を表わす画像とを合成し、前記携帯端末に表示するステップとを備える、表示方法。
【請求項1】
撮影手段および表示手段を含む携帯端末と、
複数の画像処理装置と、
前記携帯端末と相互に通信可能なサーバーとを備え、
前記サーバーは前記複数の画像処理装置それぞれの情報として、少なくともそれぞれの状態を取得するための第1の取得手段を含み、
前記サーバーまたは前記携帯端末は、前記画像処理装置の情報を参照して前記複数の画像処理装置のメンテナンス順を決定する処理を実行するための第1の処理手段を含み、
前記携帯端末は、前記撮影手段で撮影して得られた前記画像処理装置の撮影画像と、前記決定されたメンテナンス順を表わす画像とを合成し、前記表示手段に表示する処理を実行するための第2の処理手段を含む、画像処理システム。
【請求項2】
前記サーバーは、前記第1の取得手段で前記画像処理装置の情報として当該画像処理装置の位置情報を取得し、
前記サーバーは、前記撮影手段で撮影時の前記携帯端末の位置および向きを取得するための第2の取得手段をさらに備え、
前記第1の処理手段は、前記複数の画像処理装置のうちの前記携帯端末での撮影範囲に存在する画像処理装置について当該画像処理装置の情報を参照してメンテナンス順を決定する、請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項3】
前記画像処理装置は当該画像処理装置の状態を検出するためのセンサーを含み、
前記第1の取得手段は、前記センサーでの検出値を取得する、請求項1または2に記載の画像処理システム。
【請求項4】
前記画像処理装置の状態は、画像処理動作の回数を表わすカウンタ情報、各部の異常の有無を表わす情報、異常発生の履歴を表わす情報、部品交換の要否を表わす情報、動作モードに関する情報、メンテナンス頻度や履歴を表わす情報、清掃や確認の要否を表わす情報のうちの少なくとも1つの情報によって表わされる、請求項3に記載の画像処理システム。
【請求項5】
前記第1の取得手段で取得される前記画像処理装置の状態は複数の項目に関する状態であって、
前記携帯端末は、前記メンテナンス順を決定する際に用いる前記画像処理装置の状態の項目の優先度を設定するための設定手段をさらに備え、
前記第1の処理手段は、前記設定された優先度に従った項目で表わされる前記複数の画像処理装置のそれぞれの状態に応じて前記複数の画像処理装置のメンテナンス順を決定する、請求項1〜4のいずれかに記載の画像処理システム。
【請求項6】
前記携帯端末は、前記メンテナンス順を表わす画像の表示態様を、当該メンテナンス順に応じて変化させるための表示処理手段をさらに含む、請求項1〜5のいずれかに記載の画像処理システム。
【請求項7】
撮影手段と、
表示手段と、
前記撮影手段で撮影された撮影画像に基づく画面を前記表示手段に表示させる処理を行なうための表示処理手段とを備え、
前記表示処理手段は、前記撮影手段で複数の画像処理装置を撮影して得られた撮影画像と、前記複数の画像処理装置それぞれのメンテナンス順を表わす画像とを合成し、前記表示手段に表示する処理を実行する、携帯端末。
【請求項8】
前記撮影手段で撮影時の当該携帯端末の位置および向きを検出するための検出手段と、
前記検出手段での検出結果を他の装置に送信し、前記複数の画像処理装置のメンテナンス順を表わす情報を要求するための要求手段とをさらに備える、請求項7に記載の携帯端末。
【請求項9】
前記撮影手段で撮影時の当該携帯端末の位置および向きを検出するための検出手段と、
前記画像処理装置の状態を取得するための第1の取得手段と、
前記画像処理装置の位置を取得するための第2の取得手段と、
前記検出手段での検出結果と前記画像処理装置の位置とから特定される、前記撮影手段で撮影された前記画像処理装置の状態に応じて、前記複数の画像処理装置のメンテナンス順を決定するための決定手段とをさらに備える、請求項7に記載の携帯端末。
【請求項10】
携帯端末と通信可能な情報処理装置であって、
画像処理装置の状態を取得するための第1の取得手段と、
それぞれの状態を参照して複数の前記画像処理装置のメンテナンス順を決定するための決定手段とを備える、情報処理装置。
【請求項11】
前記携帯端末は撮影手段を含み、
前記画像処理装置の位置を取得するための第2の取得手段と、
前記撮影手段で撮影時の前記携帯端末の位置および向きを取得するための第3の取得手段とをさらに備え、
前記決定手段は、前記携帯端末の撮影時の位置および向きと前記画像処理装置の位置とから特定される、前記撮影手段で撮影された複数の前記画像処理装置それぞれの状態に応じて、前記複数の画像処理装置のメンテナンス順を決定する、請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
撮影手段を有する携帯端末と複数の画像処理装置とサーバーとを含む画像処理システムの、前記携帯端末での表示方法であって、
前記複数の画像処理装置それぞれの状態を取得するステップと、
前記画像処理装置の状態に応じて前記複数の画像処理装置のメンテナンス順を決定するステップと、
前記撮影手段で撮影して得られた前記画像処理装置の撮影画像と、前記決定されたメンテナンス順を表わす画像とを合成し、前記携帯端末に表示するステップとを備える、表示方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−26777(P2013−26777A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−158973(P2011−158973)
【出願日】平成23年7月20日(2011.7.20)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月20日(2011.7.20)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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