画像処理システム、画像処理サーバー及び画像形成装置
【課題】画像形成装置から送信された画像処理対象の画像データに対して、複数の画像処理サーバーで順番に画像処理を実施する場合であって、複数の画像処理サービスのそれぞれについて、複数の画像処理サーバーが存在している場合に、品質面で問題のない画像処理サービスを提供できる画像処理システムを提供する。
【解決手段】画像処理サーバー22aは、前段の複数の画像処理サーバー21a〜21cにテスト用画像データを送信し、画像処理された結果を取得し、その結果が基準値以上と判断された前段の画像処理サーバーの中から、いずれか1つの画像処理サーバーを処理実行サーバーとして選択する。画像形成装置1は、同様にして最終段の複数の画像処理サーバーの中から、いずれか1つの画像処理サーバーを処理実行サーバーとして選択する。
【解決手段】画像処理サーバー22aは、前段の複数の画像処理サーバー21a〜21cにテスト用画像データを送信し、画像処理された結果を取得し、その結果が基準値以上と判断された前段の画像処理サーバーの中から、いずれか1つの画像処理サーバーを処理実行サーバーとして選択する。画像形成装置1は、同様にして最終段の複数の画像処理サーバーの中から、いずれか1つの画像処理サーバーを処理実行サーバーとして選択する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、MFP(Multi Function Peripherals)と称される多機能デジタル複合機等の画像形成装置と、複数台の画像処理サーバーとがネットワークを介して接続された画像処理システム、該システムに用いられる画像処理サーバー及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のようなMFP等の画像形成装置に入力された画像データを、画像形成装置の本体内のみで画像処理するのではなく、外部の複数の画像処理サーバーと連携し、各複数の画像処理サーバーでそれぞれ異なる画像処理を順次実施する画像処理システムが従来より提案されている(例えば特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
このように特定の画像処理を画像処理サーバーに実施させることで、これらの機能をリソースに限界のある画像形成装置に備えさせる必要がなくなり、画像形成装置の構成を簡素化できる利点がある。
【0004】
また、最近ではSaaS(Software as a Service)のように、Web上で画像処理を利用する形式の画像処理システムも提案されており、複数の業者が提供する画像処理サービスを組み合わせて、画像生成を行うことが可能となっている。
【0005】
また、特許文献1には、自装置で処理できない内容を外部装置で実施させるように、文書データと、文書データを処理するための指示書を発行して、複数のサーバーを連動させて文書処理をさせる方法が開示されている。
【0006】
また、特許文献2には、ジョブフローサービス装置→複合機→画像処理装置→変換装置→ファイル管理装置と経由して課金管理しながらスキャン処理を行う方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−289500号公報
【特許文献2】特開2006−195893号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上記のような画像処理システムでは、同種の画像処理サービスを行う画像処理サーバーが複数存在することがあり、複数の画像処理サービスのそれぞれについて、複数の画像処理サーバーが存在することがある。この場合、画像処理サービス毎に画像処理サーバーを選択する時の選択の組合せは多数存在するが、選択の仕方によっては良好な画像処理サービスを受けることができないという問題がある。
【0009】
例えば、画像処理サービスとして、「OCRサービス」と「翻訳サービス」を組み合わせるパターンにおいて、優先条件がコスト重視のユーザであった場合、コストのみで画像処理サーバーの組合せを採用したが、採用されたサーバーのOCRサービスの品質が低い場合もある。また、翻訳サービスのサーバーにもそれぞれ特徴があり、OCRサービスと翻訳サービスのサーバー間の相性問題が存在していた場合、満足できる品質の翻訳サービスを提供できないという問題もある。
【0010】
また、サーバー間の相性問題については、処理するデータによらず不変な要素であるにもかかわらず、組合せが選択されて無駄な処理が行われている可能性があった。特に近年は、セキュリティの観点から文書管理のためにハードコピーに対しての文字合成処理の利用が増加しており、満足できる品質の画像処理サービスの提供がますます望まれている。
【0011】
この発明は、このような技術的背景に鑑みてなされたものであって、画像形成装置から送信された画像処理対象の画像データに対して、複数の画像処理サーバーで順番に画像処理を実施する場合であって、複数の画像処理サービスのそれぞれについて、複数の画像処理サーバーが存在している場合に、品質面で問題のない画像処理サービスを提供できる画像処理システムを提供し、さらに前記システムに用いられる画像処理サーバー及び画像形成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題は、以下の手段によって解決される。
(1)画像処理対象の画像データを出力する画像形成装置と、ネットワークを介して前記画像形成装置と接続されるとともに、前記画像形成装置から出力された画像処理対象の画像データに順番に画像処理を実施する複数の画像処理サーバーとを備えた画像処理システムであって、前記画像処理サーバーは、画像処理毎にそれぞれ複数設けられるとともに、各画像処理サーバーは、テスト用画像データを自己の画像処理よりも1つ前の画像処理を行う前段の複数の画像処理サーバーに送信する送信手段と、前記テスト用画像データに画像処理を実施する画像処理手段と、前記前段の画像処理サーバーのそれぞれで実施されたテスト用画像データに対する画像処理結果を取得するテスト結果取得手段と、テスト結果取得手段により取得した画像処理結果が、基準値以上かどうかを判断する判断手段と、前記判断手段により、画像処理結果が基準値以上と判断された前段の画像処理サーバーの中から、いずれか1つの画像処理サーバーを処理実行サーバーとして選択するサーバー選択手段と、前記サーバー選択手段により選択された前段画像処理サーバーについての選択情報を、1つ後の複数の後段画像処理サーバーまたは前記画像形成装置に転送する転送手段と、を備え、前記画像形成装置は、テスト用画像データを保持するテスト用画像データ保持手段と、前記テスト用画像データ保持手段に保持されたテスト用画像データを、最終段の複数の画像処理サーバーに送信する送信手段と、前記テスト用画像データに対して最終段の複数の画像処理サーバーのそれぞれで実施された画像処理の結果を取得するテスト結果取得手段と、テスト結果取得手段により取得した画像処理結果が、基準値以上かどうかを判断する判断手段と、前記判断手段により、画像処理結果が基準値以上と判断された最終段の画像処理サーバーの中から、いずれか1つの画像処理サーバーを処理実行サーバーとして選択するサーバー選択手段と、を備えていることを特徴とする画像処理システム。
(2)前記画像処理サーバーは、前記テスト用画像データを保持するテスト用画像データ保持手段を備え、該テスト用画像データ保持手段に保持されているテスト用画像データを前記前段の複数の画像処理サーバーに送信する前項1に記載の画像処理システム。
(3)前記画像処理サーバーは、前記テスト用画像データを画像形成装置から取得するテスト用画像データ取得手段を備え、該テスト用画像データ取得手段により取得されたテスト用画像データを前記前段の複数の画像処理サーバーに送信する前項1に記載の画像処理システム。
(4)前記画像処理サーバーのテスト用画像データ取得手段は、テスト用画像データとともに画像処理済みの画像データを画像形成装置から取得するとともに、前記判断手段は、テスト結果取得手段により取得した画像処理結果が、前記テスト用画像データ取得手段により取得した画像処理済みの画像データの基準値以上かどうかを判断する前項3に記載の画像処理システム。
(5)画像処理対象の画像データを出力する画像形成装置と、ネットワークを介して前記画像形成装置と接続されるとともに、前記画像形成装置から出力された画像処理対象の画像データに順番に画像処理を実施する複数の画像処理サーバーとを備えた画像処理システムであって、前記画像処理サーバーは、画像処理毎にそれぞれ複数設けられるとともに、各画像処理サーバーは、画像形成装置から送信されたテスト用画像データに画像処理を実施する画像処理手段と、前記画像処理手段によってテスト用画像データに実施された画像処理のテスト結果を、前記画像形成装置に転送する転送手段と、を備え、前記画像形成装置は、テスト用画像データを保持するテスト用画像データ保持手段と、前記テスト用画像データ保持手段に保持されたテスト用画像データを、各画像処理サーバーに送信する送信手段と、前記テスト用画像データに対して各画像処理サーバーのそれぞれで実施された画像処理の結果を取得するテスト結果取得手段と、テスト結果取得手段により取得した画像処理結果が、基準値以上かどうかを判断する判断手段と、前記判断手段により、画像処理結果が基準値以上と判断された画像処理サーバーの中から、画像処理毎にいずれか1つの画像処理サーバーを処理実行サーバーとして選択するサーバー選択手段と、を備えていることを特徴とする画像処理システム。
(6)前記画像形成装置は前記基準値を決定する基準値決定手段を備え、前記基準値決定手段で決定された基準値は、画像形成装置から初段の画像処理サーバーへ送信され、更に後段の画像処理サーバーへと順に送信され、前記画像処理サーバーの判断手段は、テスト結果取得手段により取得した画像処理結果が、前記画像形成装置の基準値決定手段で決定された基準値以上かどうかを判断する前項1〜4のいずれかに記載の画像処理システム。
(7)前記画像形成装置は前記基準値を決定する基準値決定手段を備え、前記基準値決定手段は、ジョブ毎に基準値を決定する前項1〜5のいずれかに記載の画像処理システム。
(8)前記基準値決定手段は、操作者による設定に基づいて基準値を決定する前項7に記載の画像処理システム。
(9)前記基準値決定手段は、前記画像処理サーバーの基準値を基準値として採用する前項7に記載の画像処理システム。
(10)前記画像形成装置と画像処理サーバーとの間に中継サーバーが介在され、画像形成装置と画像処理サーバーとの間のデータの送受は前記中継サーバーを介して行われる前項1〜9のいずれかに記載の画像処理システム。
(11)前項1〜10のいずれかに記載の画像処理システムに用いられる画像処理サーバー。
(12)前項1〜10のいずれかに記載の画像処理システムに用いられる画像形成装置。
【発明の効果】
【0013】
前項(1)に記載の発明によれば、前段の各画像処理サーバーはテスト用画像データに対してそれぞれ自己の画像処理を実施し、その結果を次段の各画像処理サーバーに転送する。テスト結果を取得した次段の各画像処理サーバーは、取得した画像処理結果が、基準値以上かどうかを判断し、基準値以上と判断された前段の画像処理サーバーの中から、いずれか1つの画像処理サーバーを処理実行サーバーとして選択する。また、最終段の画像処理サーバーで画像処理が実施されたテスト用画像データに対する画像処理結果は、画像形成装置に転送され、該画像形成装置は、画像処理結果が基準値以上かどうかを判断し、基準値以上と判断された最終段の画像処理サーバーの中から、いずれか1つの画像処理サーバーを処理実行サーバーとして選択する。こうして、各画像処理毎に処理実行サーバーが選択されるが、これらはいずれも画像処理結果が基準値以上であるから、各画像処理サービスの品質を確実に保証することができる。
【0014】
前項(2)に記載の発明によれば、後段の画像処理サーバーが保持するテスト用画像データが前段の複数の画像処理サーバーに送信され、該テスト用画像データに対して前段の画像処理サーバーで画像処理が実施される。
【0015】
前項(3)に記載の発明によれば、後段の画像処理サーバーが画像形成装置から取得したテスト用画像データが前段の複数の画像処理サーバーに送信され、該テスト用画像データに対して前段の画像処理サーバーで画像処理が実施される。
【0016】
前項(4)に記載の発明によれば、画像処理サーバーは、テスト用画像データとともに画像処理済みの画像データを画像形成装置から取得し、前段の画像処理サーバーから取得した画像処理結果が、前記画像形成装置から取得した画像処理済みの画像データとの比較で基準値以上かどうかを判断する。
【0017】
前項(5)に記載の発明によれば、各画像処理サーバーは画像形成装置から送信されたテスト用画像データに画像処理を実施し、その結果を画像形成装置に転送する。画像形成装置は、各画像処理結果が基準値以上かどうかを判断し、画像処理結果が基準値以上と判断された画像処理サーバーの中から、画像処理毎にいずれか1つの画像処理サーバーを処理実行サーバーとして選択する。こうして、各画像処理毎に処理実行サーバーが選択されるが、これらはいずれも画像処理結果が基準値以上であるから、各画像処理サービスの品質を確実に保証することができる。
【0018】
前項(6)に記載の発明によれば、画像処理サーバーは画像形成装置で決定された基準値を使用できるから、各画像処理サーバーに基準値を保持しておく必要はなくなる。
【0019】
前項(7)に記載の発明によれば、画像形成装置はジョブ毎に基準値を決定することができる。
【0020】
前項(8)に記載の発明によれば、画像形成装置は操作者による設定に基づいて基準値を決定することができる。
【0021】
前項(9)に記載の発明によれば、画像形成装置は画像処理サーバーの基準値を基準値として採用することができる。
【0022】
前項(10)に記載の発明によれば、画像形成装置と画像処理サーバーとの間のデータの送受は、中継サーバーを介して行われる。
【0023】
前項(11)に記載の発明によれば、画像形成装置から送信された画像処理対象の画像データに対して、複数の画像処理サーバーで順番に画像処理を実施する場合であって、複数の画像処理サービスのそれぞれについて、複数の画像処理サーバーが存在している場合に、品質面で問題のない画像処理サービスを提供できる画像処理システムに好適に用いられる画像処理サーバーとなしうる。
【0024】
前項(12)に記載の発明によれば、画像形成装置から送信された画像処理対象の画像データに対して、複数の画像処理サーバーで順番に画像処理を実施する場合であって、複数の画像処理サービスのそれぞれについて、複数の画像処理サーバーが存在している場合に、品質面で問題のない画像処理サービスを提供できる画像処理システムに好適に用いられる画像形成装置となしうる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】この発明の一実施形態に係る画像処理システムの構成を示す図である。
【図2】図1のシステムに用いられている画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図3】画像形成装置のコントローラ部の詳細を示すブロック図である。
【図4】画像処理サーバーの構成を示すブロック図である。
【図5】画像処理サービスの種類を選択するキーが表示されている操作パネルの平面図である。
【図6】サービス設定画面が表示されている操作パネルの平面図である。
【図7】サーバー選択方法の設定画面が表示されている操作パネルの平面図である。
【図8】サービス構成情報の一例を示す図である。
【図9】処理実行サーバー情報を示す図である。
【図10】課金計算情報を示す図である。
【図11】最初の画像処理サービスにおいて、各画像処理サーバーによる白紙除去を行ったときの原稿面数を示す表である。
【図12】最初の画像処理サービスの実行後に、各画像処理サーバーから1つ後の後段画像処理サーバーへ送信される課金計算情報を示す図である。
【図13】最初の画像処理サービスを実行した各画像処理サーバーの課金値情報の一覧と、処理実行サーバー情報を示す図である。
【図14】2番目の画像処理サービスにおいて、各画像処理サーバーによる文字認識処理を行ったときの検出文字数を示す表である。
【図15】2番目の画像処理サービスの実行後に、各画像処理サーバーから1つ後の後段画像処理サーバーへ送信される課金計算情報を示す図である。
【図16】2番目の画像処理サービスを実行した各画像処理サーバーの課金値情報の一覧と、処理実行サーバー情報を示す図である。
【図17】最終(3番目)の画像処理サービスを実行した各画像処理サーバーの課金値情報の一覧と、処理実行サーバー情報を示す図である。
【図18】画像形成装置の操作パネルの課金時の表示画面を示す図である。
【図19】画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【図20】図19のサービス登録処理(ステップS4)のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図21】図19のジョブ処理(ステップS5)のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図22】図21の最終段のサーバー選択処理(ステップS64)のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図23】図21の課金制御処理(ステップS67)のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図24】図19の基準値処理(ステップS6)のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図25】図19の基準値処理(ステップS6)の別のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図26】画像処理サーバーの動作を示すフローチャートである。
【図27】図26の通信処理(ステップS12)のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図28】図27の前段サーバーの選択処理(ステップS124)のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図29】図27の自装置の課金値計算処理(ステップS125)のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図30】図27の後段サーバーの選択に必要な情報の抽出処理(ステップS126)のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図31】図26の画像処理(ステップS13)のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図32】画像形成装置と各画像処理サーバーとが直接に画像データ等の送受信を行う場合のシステムの説明図である。
【図33】画像形成装置と各画像処理サーバーとの間に、各画像処理サーバーを制御するための中継サーバーを配置したシステム構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、この発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0027】
図1は、この発明の一実施形態に係る画像処理システムの構成を示す図である。
【0028】
図1の画像処理システムは、画像形成装置1と、複数(この実施形態では3個)の画像処理グループに属するそれぞれ複数(この実施形態では3個)の画像処理サーバー21a〜21c、22a〜22c、23a〜23cと、各ユーザが所有するパソコンからなる複数の端末装置31、32が、ネットワーク4を介して相互に接続されて構成されるとともに、画像形成装置1に課金装置5が接続されている。
【0029】
この実施形態では、画像形成装置1で読み取った原稿の画像データや、端末装置31、32から受信したプリントデータに対し、前記複数の画像処理グループに属する各画像処理サーバーが予め決定された順序で画像処理サービスを実施する構成となされている。
【0030】
具体的には、3個の画像処理サーバー21a〜21cは、画像処理サービス1としていずれも白紙除去処理サービスという同種の画像処理を行う。このサービスは、原稿面数に応じて課金が行われる。つまり、課金対象は原稿面数であり、課金対象の数量は画像処理対象の画像データの総原稿面数である。なお、以下の説明において、画像処理対象の画像データを「原稿画像」ともいう
3個の画像処理サーバー22a〜22cは、白紙除去処理後の原稿画像に、画像処理サービス2として文字認識(OCR)処理を実施する。換言すれば、原稿画像から文字部分を抜き出して文字を特定する処理を行う。このサービスは、画像処理サーバー22aは文字認識処理による検出文字数に応じて課金されされる。つまり、課金対象は文字数であり、課金対象の数量は総文字数である。一方、画像処理サーバー22b及び22cは、原稿面数に応じて課金が行われる。つまり、課金対象は原稿面数であり、課金対象の数量は原稿画像の総原稿面数である。
【0031】
3個の画像処理サーバー23a〜23cは、白紙除去処理及び文字認識処理後の原稿画像に、画像処理サービス3として翻訳処理を行う。このサービスは、文字数に応じて課金が行われる。つまり、課金対象は文字数であり、課金対象の数量は原稿画像の総文字数である。
【0032】
この実施形態では、全ての画像処理サーバー21a〜21c、22a〜22c、23a〜23cが自サービスの画像処理を実施するとともに、画像処理サービス2を実施する画像処理サーバー22a〜22cは、前段の画像処理サービス1を行う画像処理サーバー21a〜21cの中から、いずれかの画像処理サーバーを処理実行サーバーとして選択する処理を行い、その結果を後段の画像処理サービス3を行う各画像処理サーバー23a〜23cに転送するものとなされている。
【0033】
また、画像処理サービス3を実施する画像処理サーバー23a〜23cは、前段の画像処理サービス2を行う画像処理サーバー22a〜22cの中から、いずれかの画像処理サーバーを処理実行サーバーとして選択する処理を行い、その選択結果を画像形成装置1に転送するものとなされている。
【0034】
画像形成装置1は、最終段の画像処理サービス3を行う画像処理サーバー23a〜23cの中から、いずれかの画像処理サーバーを処理実行サーバーとして選択する処理を行うものとなされている。
【0035】
このような前段の画像処理サーバーの選択に際して、後段の画像処理サーバーは前段の各画像処理サーバーにテスト用画像データ(テストパターンともい)を送信するとともに、前段の画像処理サーバーがテストパターンに画像処理を実施した結果を回収し、その画像処理結果(テスト結果ともいう)が一定の基準値以上の画像処理サーバー、つまり一定の品質が確保されている画像処理サーバーの中から、処理実行サーバーを選択する。また、最終段の画像処理サーバー23a〜23cについては、画像形成装置1からテストパターンを送信するとともに、最終段の画像処理サーバーがテストパターンに画像処理を実施したテスト結果を回収し、そのテスト結果が一定の基準値以上画像処理サーバーの中から、処理実行サーバーを選択する。
【0036】
このような選択処理により、画像処理サービス1〜3の全てにおいて、各サービス1〜3を実行する画像処理サーバーが選択・決定されるものとされている。この点については後で詳細に説明する。
【0037】
前記画像形成装置1は、画像処理サーバー21a〜21c、22a〜22c、23a〜23cに対して画像処理を依頼するために、原稿画像を画像処理サーバーに対して出力するものである。この実施形態では前述した多機能デジタル複合機であるMFPが用いられており、コピー機能、スキャン機能、ファクシミリ(FAXともいう)機能、プリント機能及びメモリ蓄積機能等を有している。
【0038】
図2は、画像形成装置1の構成を示すブロック図である。
【0039】
この画像形成装置1は、原稿の画像を読み取って電子データである画像データに変換するスキャナ部11、スキャナ部11で読み取られた原稿の画像データを処理してプリンタ部13に送信するコントローラ部12、及びコントローラ部12から送信されてきた画像データを用紙に印字するプリンタ部13を備えている。
【0040】
前記コントローラ部12の詳細を、図3のブロック図に示す。
【0041】
コントローラ部12は、CPU121、システムRAM122、画像RAM123、記憶部124、プログラムROM125、FAXモデム126、ネットワークカード127、操作パネル128、NV−RAM129、シリアルインターフェース部(シリアルI/F部)130等を備えている。
【0042】
前記CPU121は、画像形成装置1の全体を統括的に制御し、コピー機能、プリント機能、FAX機能等の各種機能を実現させるとともに、特にこの実施形態では次のような制御を行う。即ち、ユーザによって設定された複数の画像処理サービスの順序を示すサービス構成情報、及び各サーバーの画像処理にかかる費用を算出する基礎となる課金計算情報等の画像処理サーバーの選択に必要な各種情報(いずれも後述する)を生成するとともに、生成した情報及び画像処理対象の原稿画像を、最初の画像処理サービスを行う画像処理サーバー21a〜21cに送信する等の制御を行う。
【0043】
前記システムRAM122は、CPU121の動作用プログラムを動作させるために必要なデータが蓄積されており、プログラム動作時には、一時記憶領域が保持される。
【0044】
前記画像RAM123は、スキャナ部11等から送信されてきた画像データを一時的に蓄積するメモリである。
【0045】
前記記憶部124は、前記画像データやアプリケーションプログラムその他のデータを記憶するものであり、例えばハードディスク装置(HDD)により構成されている。またこの実施形態では、画像処理サーバー21a〜21c、22a〜22c、23a〜23cから取得した各画像処理サービスの内容が、記憶部124に登録・保存されている。
【0046】
前記プログラムROM125は、CPU121の動作プログラムを記憶するメモリである。さらにプログラムROM125には、操作パネル128の表示及びキー入力制御を行うプログラム、操作パネル128の表示部128bにキーの表示を行うためのグラフィックデータ、キーを押した際の挙動を定義した「キー管理情報」等も記憶されている。
【0047】
前記FAXモデム126はFAX送受信を行うための装置であり、ネットワークカード127は画像処理サーバー21a〜21c、22a〜22c、23a〜23cや端末装置31、32等の外部装置との間で、ネットワーク4を介して通信を行う通信手段として機能する。なお、画像処理サーバー21a〜21c、22a〜22c、23a〜23cと画像形成装置1との間のサービス構成情報や原稿画像等の送受信、画像処理サーバー同士間の送受信は、この実施形態ではhttp通信により行われる。
【0048】
操作パネル128は、ユーザが画像形成装置1の操作を行うためのものであり、スタートキー、ストップキー、テンキー等を備えたハードキー部128aと、ユーザに対するメッセージ、動作状態、ソフトキー等が表示されるタッチパネル式の液晶表示素子からなる表示部128bとからなる。
【0049】
前記NV−RAM129はユーザが設定した不揮発情報やテストパターン等を保存するメモリである。
【0050】
前記シリアルI/F部130は、課金装置5との間で課金のための情報の送受信を行うためのインターフェースである。
【0051】
課金装置5は画像処理サービスに対する課金を行うものである。具体的には、画像形成装置1は各画像処理サーバーの画像処理に対する課金値の合計を計算するとともに、課金値の合計を操作パネル128の表示部128bに表示する。ユーザが表示された金額を課金装置5に投入すると、課金装置5を介して課金精算が行われる。
【0052】
上記画像形成装置1において、コピー機能時には、スキャナ部11で読み込まれた画像データを画像RAM123に一旦蓄積した後、プリンタ部13に転送し、印字する。
【0053】
スキャン機能時には、スキャナ部11で読み込まれた画像データを画像RAM123に一旦蓄積した後、CPU121で読み出して汎用画像フォーマットにエンコードする。その後、ネットワークカード127経由で、E−mailやFTPのプロトコルを利用して、画像データを送信することが可能である。
【0054】
FAX機能による送信時には、スキャナ部11で読み込んだ画像データを画像RAM123に一旦蓄積したのち、FAXで送信可能な解像度、圧縮形式にCPU121で変換したのち、FAXモデム126経由で送信する。
【0055】
FAX機能による受信時には、FAXモデム126経由で受信したデータを、一旦画像RAM123に蓄積し、CPU121で印字できる形式に変換した後、プリンタ部13に送信して印字する。
【0056】
プリンタ機能時には、ネットワーク経由でネットワークカード127により受信したページ記述言語を、CPU121で画像RAM123に展開したのち、プリンタ部13に転送して印字する。
【0057】
また、前記記憶部124に画像データを蓄積しておくことで、該画像データを何度でもプリントすることができる。ユーザによって画像データの蓄積が指示されたときは、画像RAM123から記憶部124に画像データが転送され蓄積される。
【0058】
以上説明した、画像形成装置1に関しての、実際の画像読み取りや印字、プリントデータの描画などの詳細動作は、画像形成装置1として公知の技術であるため、詳細には言及しない。
【0059】
前記画像処理サーバー21a〜21c、22a〜22c、23a〜23cの構成を図4のブロック図に示す。なお、画像処理サーバー21a〜21c、22a〜22c、23a〜23cの構成は同一であるので、画像処理サーバー21aについて説明し、画像処理サーバー21b、21c、22a〜22c、23a〜23cについては説明を省略する。
【0060】
画像処理サーバー21aは、汎用のコンピュータから構成され、図4に示すように、CPU211、ROM212、RAM213、記憶部214、表示装置215、入力装置216、ネットワークインターフェース部(ネットワークI/F部)217、画像処理部218等を備え、システムバス220を介して互いに接続されている。
【0061】
CPU211は、ROM212等に保存されている動作プログラムを実行することにより、画像処理サーバー21aの全体を統括的に制御する。特にこの実施形態では、画像形成装置1から送信されあるいは前段の画像処理サーバーから転送されてきた原稿画像に、画像処理部218を介して画像処理を実施し、画像処理済み原稿画像を次段の画像処理サーバーに送信する処理を実行させる。また、次段の画像処理サーバーまたは画像形成装置1から送信されてきたテストパターンに画像処理を実施して、そのテスト結果を次段の画像処理サーバーに返送したり、前段の画像処理サーバーにテストパターンを送信し、そのテスト結果を受信してテスト結果が基準値以上かどうかを判断する。また、前記原稿画像に基づいて、自装置あるいは後段画像処理サーバーの画像処理に対する課金計算の基礎となる課金対象の数量を確定したり、前記テスト結果が基準値以上前段の画像処理サーバーの中から、いずれか1つを処理実行サーバーとして選択する等の制御を行うが、詳細は後述する。
【0062】
前記ROM212は、CPU211が実行するためのプログラムやその他のデータを保存する記憶媒体である。
【0063】
RAM213は、CPU211が動作用プログラムに従って動作する際の作業領域を提供する記憶媒体である。
【0064】
記憶部214は、ハードディスク等の記憶媒体からなり、アプリケーションプログラムその他の各種データを記憶する。この実施形態では、前段の複数の画像処理サーバーに画像処理を実施させるためのテストパターンも記憶している。
【0065】
表示装置215は、CRTや液晶表示装置等からなり、各種のメッセージ及びユーザに対する入力受付画面、選択画面等を表示する。
【0066】
入力装置216は、ユーザによる入力操作に用いられるもので、キーボードやマウス等からなる。
【0067】
ネットワークインターフェース部217は、画像形成装置1、他の画像処理サーバー、端末装置31、32、その他の外部機器との間で、ネットワーク4を介してデータの送受信を行う通信手段として機能する。
【0068】
画像処理部218は、CPU211の制御のもとで、画像処理対象の画像データに所定の画像処理を実施するものである。
【0069】
次に、図1の画像処理システムの動作の概要を説明する。
【0070】
まず、各画像処理サーバー21a〜21c、22a〜22c、23a〜23cに対して、画像形成装置1からhttpのプロトコルで通信を行い、画像処理サービスの内容を取得して、画像形成装置1に登録する。
【0071】
画像処理サービスが画像形成装置1に登録されている状態では、図5に示すように、操作パネル128の表示部128b上に画像処理サービスの種類を選択するキー128cが表示される。また、各サービスを実施する複数の画像処理サーバーのアクセス先も表示される。
【0072】
ユーザは、図6に示すサービス設定画面で、希望の画像処理サービスを各々選択することができる。選択された順番で画像処理が実施されることになる。また、ユーザは図7に示すサーバー選択方法の設定画面で画像処理サーバーの選択基準となるサーバー選択方法を選択する。この実施形態では、自動選択とユーザ指定が可能となされており、自動選択にはさらに「コスト優先」及び「スピード優先」の2種類の選択基準の選択が可能となされている。自動選択における「コスト優先」及び「スピード優先」のいずれかが選択されると、画像形成装置1はその選択を有効とするための設定を行う。
【0073】
「コスト優先」が設定されるとコストが優先され、各画像処理サービスを実行する複数の画像処理サーバーのうち最も安価な画像処理を行うサーバーが自動的に選択される。従って、この場合は、一連のサービスの課金が最も安くなる。
【0074】
「スピード優先」が設定されると処理時間が優先され、各画像処理サービスを実行する複数の画像処理サーバーのうち画像処理時間が最も短い画像処理を行う画像処理サーバーが自動的に選択される。従ってこの場合は、一連のサービスの処理時間が短縮される。
【0075】
このように、画像処理サーバーが選択される際の選択基準を、ユーザの操作に基づいて設定でき、この設定された選択基準に適応した画像処理サーバーが選択されるから、ユーザの意図に応じた組み合わせの画像処理サービスを行うことができる。なお、以下の説明では、選択基準として自動選択における「コスト優先」が設定された場合を説明する。
【0076】
ユーザがスタートキー128dを押すことで、動作がスタートする。
【0077】
なお、画像処理サービスの登録時には、各サービスの「機能」、「アクセス先」、「課金対象(原稿面数か文字数か原稿面積か)」などが、各画像処理サーバー21a〜21c、22a〜22c、23a〜23cから画像形成装置1へ通知され、画像形成装置1で管理される。
【0078】
画像形成装置1は、スタートキー128dが押されると、原稿をスキャナ部11で読み取ることにより原稿画像を入力する。また、ユーザが選択した全ての画像処理サービスとその順序を示す順序情報としてのサービス構成情報を生成する。
【0079】
サービス構成情報の一例を図8に示す。この例では、サービス構成情報は、画像処理サービスの実施順と、各画像処理サービスを実施する画像処理サーバー21a〜21c、22a〜22c、23a〜23cに原稿画像を送信する際の画像処理サーバー21a〜21c、22a〜22c、23a〜23cの転送ポートのアドレスと、原稿画像以外の各種情報を送信する際の画像処理サーバー21a〜21c、22a〜22c、23a〜23cの情報通信ポートのアドレスと、画像処理サービスの種類と、各画像処理サーバー21a〜21c、22a〜22c、23a〜23cの課金対象と、課金対象の単位あたりの課金値である単価のテーブルと、基準値と、能力検査方法の各情報により構成されている。つまり、サービス構成情報に、各画像処理サーバーの情報が集約されている。なお、図8のサービス構成情報では、上位の行から下位の行に向かって、画像処理サーバー21a、21b、21c、22a、22b、22c、23a、23b、23cに対応する内容が記述されている。また、画像処理サービスの実施順、転送ポートのアドレス、情報通信ポートのアドレス、画像処理サービスの種類、課金対象、単価テーブルは、画像形成装置1が情報を把握しているため、最初からセットされている。
【0080】
前記基準値は、各画像処理サーバーによって実施されるテスト画像に対する画像処理能力を評価するためのものであり、各画像処理サーバーに要求される画像処理能力の基準を示すものである。例えばOCR処理の「99%」は認識率99%以上が求められている。この基準値は、この実施形態では、各画像処理毎に画像形成装置1で決定され、サービス構成情報に記述される。なお、最終段の画像処理サーバー23a〜23cの画像処理能力の評価は、画像形成装置1が行うため、終段の画像処理サーバー23a〜23cについての基準値はサービス構成情報に記載されていない。また、基準値は、各画像処理毎に予め管理者等のユーザ(操作者)によって設定されても良いし、ジョブ毎にジョブのモード情報等を考慮して基準値を変更しても良い。さらに、後段サーバーの画像処理に適した基準値とするため、後段サーバーが設定した基準値を採用しても良い。また、各画像処理済みの画像データを対応する画像処理サーバーに転送し、該画像処理サーバーが前段の画像処理サーバーから取得したテスト結果を基に基準値以上かどうかを判断しても良い。
【0081】
また、画像形成装置1はサービス構成情報の生成と同時に、図9に示す処理実行サーバー情報と、図10に示す課金計算情報と、選択基準情報を生成する。
【0082】
図9に示す前記処理実行サーバー情報は、画像処理サーバーが1つ前の複数の前段画像処理サーバーの中から、コスト優先で選択した画像処理サーバーを処理実行サーバーとしてセットする(書き込む)テーブルによって構成された情報である。
【0083】
また、図10に示す前記課金計算情報は、転送先と課金対象と該課金対象の数量の確定値を書き込むテーブルによって構成された情報である。
【0084】
また、前記選択基準情報は、サーバー選択方法として「コスト優先」または「スピード優先」のいずれが設定されているかを示す情報である。
【0085】
画像形成装置1で入力された原稿画像、生成されたサービス構成情報、処理実行サーバー情報、課金計算情報及び選択基準情報は、図1の矢印(1)で示されるように、最初の画像処理サービス1を行う3個の画像処理サーバー21a〜21cのそれぞれヘ転送される。
【0086】
この実施形態では、図8のサービス構成情報に示したように、画像処理サーバー21a〜21c、22a〜22c、23a〜23cは、原稿画像とサービス構成情報や課金計算情報等の各種情報とを、異なる通信ポートを用いて送受信を行うから、画像形成装置1と画像処理サーバー21a〜21cとの間、及び画像処理サーバー21a〜21c、22a〜22c、23a〜23cの相互間では、原稿画像とサービス構成情報等の各種情報とは、異なる転送経路でそれぞれ別々に独立して転送される。このため画像形成装置1は、実施している一連の処理を識別するためのジョブ番号を、各情報及び原稿画像に付与して画像処理サーバー21a〜21cへ送信する。
【0087】
また、画像形成装置1は、課金計算情報の確定値の項目については、例えば原稿をスキャナ部11読み取りながら原稿枚数が確定した段階で、図10に示すように、課金対象項目の原稿面数について数値をセットし、画像処理サーバー21a〜21cへ送信する。
【0088】
次に、画像形成装置1からの原稿画像、サービス構成情報、処理実行サーバー情報、課金計算情報、選択基準情報を受信した、画像処理サービス1を提供する画像処理サーバー21a〜21cの動作を説明する。
【0089】
画像処理サーバー21a〜21cは、受信した前記選択基準情報を参照し、サーバー選択処理に必要な処理を決定する。この実施形態では、前述したように「コスト優先」が選択されているから、課金値が最安値になるサーバーの組合せ(処理ルート)を選択するものと判断し、自サービスの課金値の計算及び次サービスの各後段画像処理サーバー22a〜22cへの課金計算情報の送信のために必要な処理を行う。また、前記選択基準情報及びサービス構成情報を必要に応じて記憶したのち、サービス構成情報を参照し、各後段画像処理サーバー22a〜22cへ送信する。また、画像処理サーバー21a〜21cの前段に画像処理サーバーは存在せず、画像処理サーバー21a〜21cは前段画像処理サーバーを選択する必要はないから、処理実行サーバー情報もそのまま各後段画像処理サーバー22a〜22cへ送信する。
【0090】
さらに画像処理サーバー21a〜21cは、画像形成装置1から受信した原稿画像に対して、白紙除去の画像処理を実施する。画像処理が終了したら、サービス構成情報を参照し、次の送信先である画像処理サーバー22a〜22cに原稿画像を転送する。
【0091】
さらに画像処理サーバー21a〜21cは、画像形成装置1から受信した課金計算情報に記載されている原稿面数から、自サービスである白紙除去処理に要する課金値を計算する。例えば、画像処理サーバー21aでは、サービス構成情報を参照すると単価10円であり、課金計算情報を参照すると原稿面数20枚であるから、課金値は200円となる。
【0092】
画像処理サーバー21bでは、サービス構成情報を参照すると単価20円であり、課金計算情報を参照すると原稿面数20枚であるから、課金値は400円となる。
【0093】
画像処理サーバー21cでは、サービス構成情報を参照すると単価30円であり、課金計算情報を参照すると原稿面数20枚であるから、課金値は600円となる。
【0094】
計算された課金値を示す課金値情報が、サーバー選択用情報として次の画像処理を行う後段画像処理サーバー22a〜22cに転送される。
【0095】
さらに画像処理サーバー21a〜21cは、画像処理である白紙除去処理を実施しながら、原稿画像の構成情報を抽出し、画像処理サービス2を提供する各画像処理サーバー22a〜22cの課金対象の数量が確定した段階でその数量を課金計算情報にセットし、その後、課金計算情報を各後段画像処理サーバー22a〜22cに送信する。ただし、画像処理サーバー22aの課金対象は文字認識処理で検出された検出文字数であり、画像処理サーバー21a〜21cでは検出文字数の数量を確定できないため、該当部分は空白のままで画像処理サーバー22aに送信する。
【0096】
例えば、画像処理サーバー21a〜21cが何枚か白紙除去を行った結果、原稿面数が図11の表に示すように、画像処理サーバー21aでは15枚、画像処理サーバー21bでは17枚、画像処理サーバー21cでは19枚となったと仮定すると、画像処理サーバー21aから各後段画像処理サーバー22a〜22cに送信される課金計算情報には、図12(a)に示すような値がセットされる。つまり、各送信先の画像処理サーバー22a〜22cに対応する課金対象とその数量の確定値がセットされる。画像処理サーバー22b及び22cの課金対象である原稿面数の数量として、画像処理サーバー21aで確定された15枚がセットされている。画像処理サーバー22aの課金対象は、前述したように文字認識処理で検出された検出文字数であるから、数量の確定値は空欄のままとなっている。
【0097】
一方、画像処理サーバー21bから各後段画像処理サーバー22a〜22cに送信される課金計算情報には、図12(b)に示すように、画像処理サーバー22b及び22cの課金対象である原稿面数の数量として、画像処理サーバー21bで確定された17枚がセットされている。
【0098】
同様に、画像処理サーバー21cから各後段画像処理サーバー22a〜22cに送信される課金計算情報には、図12(c)に示すように、画像処理サーバー22b及び22cの課金対象である原稿面数の数量として、画像処理サーバー21cで確定された19枚がセットされている。
【0099】
次に、各画像処理サーバー21a〜21cから、原稿画像、選択基準情報、サービス構成情報、処理実行サーバー情報、課金計算情報及び課金値情報を受信した、画像処理サービス2を提供する各画像処理サーバー22a〜22cの動作を説明する。
【0100】
画像処理サーバー22a〜22cは、受信した前記選択基準情報を参照し、前段画像処理サーバー21a〜21cの中から1つの画像処理サーバーを処理実行サーバーとして選択するサーバー選択処理を行う。この実施形態では「コスト優先」の基準設定がなされているから、前段画像処理サーバー21a〜21cの中で、課金値が最安であるサーバーを選択する。
【0101】
具体的には、前段画像処理サーバー21a〜21cからそれぞれ送信された課金値情報を検証することにより選択を行う。
【0102】
ただし、この実施形態では、後段の画像処理サーバー22a〜22cはテストパターンを、前段画像処理サーバー21a〜21cに送信するとともに、前段画像処理サーバーがテストパターンに対して画像処理を行った結果(テスト結果)を回収し、そのテスト結果に基づいて一定品質以上の画像処理を行う前段画像処理サーバー21a〜21cをまず選択し、その選択された前段画像処理サーバー21a〜21cの中から、課金値が最安であるサーバーを選択する。
【0103】
なお、テストパターンは、この実施形態では、後段画像処理サーバー22a〜22cが記憶部214等に予め保持しているが、画像形成装置1がNV−RAM129等に予め保持していて、画像形成装置1から前段画像処理サーバー21a〜21cに転送されても良い。このテストパターンは、前段画像処理サーバー21a〜21cの画像処理品質を評価できる内容のものであり、前段画像処理サーバーの画像処理の内容に応じて異なったものが用意されている。例えば、前段画像処理サーバーがQRコードや文字を原稿画像に合成する処理であり、後段画像処理サーバーが文字認識処理を行うような場合には、QRコードや文字の合成位置や合成の仕方によっては、後段の文字認識処理を的確に行えないおそれがある。この場合、予めテストパターンに対する合成処理を前段画像処理サーバーが行った結果を検証することで、後段の文字認識処理を妨げることなく合成処理を行う前段画像処理サーバーが選択される。
【0104】
ここで、前段画像処理サーバー21a〜21cの画像処理は白紙除去であるから、後段画像処理サーバー22a〜22cは、白紙除去用のテストパターンを前段画像処理サーバー21a〜21cに送信する。前段画像処理サーバー21a〜21cは、送信されたテストパターンに白紙除去処理を実行し、テスト結果として白紙除去処理済みのテスト用画像データを後段画像処理サーバー22a〜22cに返信する。
【0105】
後段画像処理サーバー22a〜22cは、前段画像処理サーバー21a〜21cからの白紙除去処理済みのテストパターンの白紙除去精度を調べ、サービス構成情報に記載されている基準値と比較し、基準値以上の性能を有しているか否かを判断し、基準値以上の性能を有していれば、選択対象として残し、有していなければ選択対象から除外する。
【0106】
なお、前段画像処理サーバー21a〜21cは、送信されたテストパターンに白紙除去処理を実行し、テスト結果として白紙除去処理済みのテスト用画像データを後段画像処理サーバー22a〜22cに返信するものとしたが、前段画像処理サーバー21a〜21cが白紙除去精度を調べ、その結果をテスト結果として後段画像処理サーバー22a〜22cに通知しても良い。
【0107】
図13(a)に、前段画像処理サーバー21a〜21cからの課金値情報の一覧を示す。前段画像処理サーバー21a〜21cの中で、画像処理サーバー21bの課金値が最も安価であるが、テスト結果に基づく画像処理の判定結果が「NG」になっている。そこで、後段画像処理サーバー22a〜22cは、テスト結果に基づく画像処理の判定結果が「OK」になっている画像処理サーバー21b、21cの中から、課金値がより安価な画像処理サーバー21aを処理実行サーバーとして選択・決定する。
【0108】
そして、図13(b)に示すように、処理実行サーバー情報における画像処理サービス1に対応するサーバー及び課金値の欄に、画像処理サーバー21aと課金値400円をセットしたのち、サービス構成情報を参照し次段の画像処理サーバー23a〜23cに送信する。なお、選択基準情報及びサービス構成情報は必要に応じて記憶したのち、前記処理実行サーバー情報とともにあるいは別に、各後段画像処理サーバー23a〜23cへ送信する。
【0109】
さらに画像処理サーバー22a〜22cは、選択した画像処理サーバー21から受信した各原稿画像に対して、画像処理である文字認識処理を実施する。画像処理が終了したら、サービス構成情報を参照し、次の送信先である画像処理サーバー23a〜23cに原稿画像を転送する。
【0110】
さらに画像処理サーバー22a〜22cは、選択した画像処理サーバー21aから受信した課金計算情報に基づいて、自サービスである文字認識処理に要する課金値を計算する。
【0111】
画像処理サーバー22aの課金対象は検出文字数であり、その確定値は画像処理サーバー21aから受信した課金計算情報にはセットされていない。このため、自サービスの文字認識処理で検出した文字数を保持しておき、課金値の計算を行う。例えば、検出文字数が100文字であったとすると、単価はサービス構成情報を参照すると8円であるから、過勤料は800円となる。
【0112】
画像処理サーバー22bでは、課金対象は原稿面数であり、その確定値は画像処理サーバー21aから受信した課金計算情報にセットされており、この例では15枚である。また、サービス構成情報を参照すると単価50円であるから、課金値は750円となる。
【0113】
画像処理サーバー22cでは、課金対象は原稿面数であり、その確定値は画像処理サーバー22bの場合と同様に15枚である。また、サービス構成情報を参照すると単価60円であるから、課金値は900円となる。
【0114】
計算された課金値は課金値情報として次の画像処理を行う後段画像処理サーバー23a〜23cに転送される。
【0115】
さらに画像処理サーバー22a〜22cは、画像処理である文字認識処理を実施しながら、後段画像処理サーバー23a〜23cの課金対象を検出可能である場合は、これを検出する。後段画像処理サーバー23a〜23cの課金対象は文字数であり検出可能であるから、文字数が確定した段階でその数量を課金計算情報にセットし、課金計算情報を各後段画像処理サーバー23a〜23cに送信する。
【0116】
例えば、画像処理サーバー22a〜22cが文字認識処理を行った結果、文字数が図14の表に示すように、画像処理サーバー22aでは100文字、画像処理サーバー22bでは110文字、画像処理サーバー22cでは90文字となったと仮定すると、画像処理サーバー22aから各後段画像処理サーバー23a〜23cに送信される課金計算情報には、図15(a)に示すような値がセットされる。つまり、各送信先の画像処理サーバー23a〜23cに対応する課金対象とその数量の確定値100がセットされる。
【0117】
一方、画像処理サーバー22bから各後段画像処理サーバー23a〜23cに送信される課金計算情報には、図15(b)に示すように、画像処理サーバー22bで確定された数量110がセットされている。
【0118】
同様に、画像処理サーバー22cから各後段画像処理サーバー23a〜23cに送信される課金計算情報には、図15(c)に示すように、画像処理サーバー22cで確定された数量90がセットされている。
【0119】
次に、各画像処理サーバー22a〜22cからの原稿画像、選択基準情報、サービス構成情報、処理実行サーバー情報、課金計算情報及び課金値情報を受信した、画像処理サービス3を提供する画像処理サーバー23a〜23cの動作を説明する。
【0120】
画像処理サーバー23a〜23cは、受信した前記選択基準情報を参照し、前段画像処理サーバー22a〜22cの中から1つの画像処理サーバーを処理実行サーバーとして選択するサーバー選択処理を行う。この実施形態では「コスト優先」が選択されているから、前段画像処理サーバー22a〜22cの中で、課金値が最安であるサーバーを選択する。
【0121】
具体的には、前段画像処理サーバー22a〜22cからそれぞれ送信された課金値情報を検証することにより行うが、前述と同様に、後段の画像処理サーバー23a〜23cはテスト用画像データを、前段画像処理サーバー22a〜22cに送信するとともに、前段画像処理サーバーがテストパターンに対して画像処理を行った際のテスト結果を回収し、そのテスト結果がサービス構成情報に記載されている基準値以上か否かを判断し、基準値以上である前段画像処理サーバー22a〜22cの中から、課金値が最安であるサーバーを選択する。
【0122】
図16(a)に、前段画像処理サーバー22a〜22cからの課金値情報の一覧を示す。前段画像処理サーバー22a〜22cの中で、画像処理サーバー22aの課金値が最も安価であるが、テスト結果に基づく画像処理の判定結果が「NG」になっている。そこで、後段画像処理サーバー23a〜23cは、テスト結果に基づく画像処理の判定結果が「OK」になっている画像処理サーバー22b、22cの中から、課金値がより安価な画像処理サーバー22aを処理実行サーバーとして選択・決定する。
【0123】
そして、図16(b)に示すように、処理実行サーバー情報における画像処理サービス2に対応するサーバー及び課金値の欄に、画像処理サーバー22bと課金値750円をセットしたのち、サービス構成情報を参照して次の画像処理サーバーが存在しないことを確認して、処理実行サーバー情報を選択基準情報やサービス構成情報とともに、あるいは別に画像形成装置1に送信する。
【0124】
さらに画像処理サーバー23a〜23cは、選択した画像処理サーバー22bから受信した各原稿画像に対して、画像処理である翻訳処理を実施する。画像処理が終了したら、サービス構成情報を参照し、次の送信先である画像形成装置1に原稿画像を転送する。
【0125】
さらに画像処理サーバー23a〜23cは、選択した画像処理サーバー22bから受信した課金計算情報に基づいて、自サービスである翻訳処理に要する課金値を計算する。
【0126】
画像処理サーバー23a〜23cの課金対象は文字数であり、その確定値は画像処理サーバー22bから受信した課金計算情報にセットされており、この例では110文字である。また、サービス構成情報を参照すると単価はそれぞれ70円、80円、90円であるから、課金値はそれぞれ7700円、8800円、9900円となる。
【0127】
計算された課金値は課金値情報として画像形成装置1に転送される。
【0128】
なお、画像処理サービス3は最後のサービスであるため、画像処理サーバー23a〜23cからの課金計算情報の画像形成装置1への転送は行わなくてもよい。また、選択基準情報やサービス構成情報の転送も行わなくても良い。
【0129】
最終段の画像処理サーバー23a〜23cから、少なくとも原稿画像、処理実行サーバー情報及び課金値情報を受信した画像形成装置1は、該画像形成装置1で設定されている「コスト優先」の選択基準に基づいて、画像処理サーバー23a〜23cの中で、課金値が最安であるサーバーを選択する。
【0130】
具体的には、最終段の画像処理サーバー23a〜23cからそれぞれ送信された課金値情報を検証することにより選択を行うが、前述と同様に、画像形成装置1はテストパターンを、最終段の画像処理サーバー23a〜23cに送信するとともに、最終段の画像処理サーバーがテストパターンに対して画像処理を行った際のテスト結果を回収し、そのテスト結果が基準値以上か否かを判断し、基準値以上である前段画像処理サーバー23a〜23cの中から、課金値が最安であるサーバーを選択する。
【0131】
図17(a)に、最終段の画像処理サーバー23a〜23cからの課金値情報の一覧を示す。画像処理サーバー23a〜23cの中で、画像処理サーバー23aの課金値が最も安価であり、画像処理のテスト結果判定も基準値以上であるから、画像形成装置1は、画像処理サーバー23aを処理実行サーバーとして選択・決定する。そして、図17(b)に示すように、処理実行サーバー情報における画像処理サービス3に対応するサーバー及び課金値の欄に、画像処理サーバー23aと課金値7700円をセットする。これにより、各画像処理サービス1〜3における画像処理サーバーの組み合わせ(処理ルート)と、サービス全体の合計課金値が確定する。
【0132】
なお、画像処理サーバーの選択基準として「スピード優先」が設定された場合には、前段画像処理サーバーから次の後段画像処理サーバーには、前段画像処理サーバーによる原稿画像に対する画像処理時間(予定時間)を示す情報もサーバー選択用情報として転送される。後段画像処理サーバーは、前段の3個の画像処理サーバーの画像処理時間のうち最も処理時間の短い画像処理サーバーであって、かつテスト結果の判定に基づく画像処理性能が基準値以上の画像処理サーバーを、処理実行サーバーとして選択する。この場合、前段画像処理サーバーは実際に原稿画像に画像処理を実施するのではなく、計算された処理時間を後段画像処理サーバーや画像形成装置1に通知し、後段画像処理サーバーや画像形成装置1で選択後に、選択された画像処理サーバーが実際の画像処理を実施する構成としても良い。また、画像処理後の原稿画像が最も早く後段画像処理サーバーに到達した前段画像処理サーバーを、処理実行サーバーとして選択しても良い。
【0133】
また、「スピード優先」が設定されている場合、画像処理時間で評価するのではなく、前段画像処理サーバーのジョブ予約状況を比較し、ジョブ予約の少ない前段画像処理サーバーを処理実行サーバーとして選択しても良い。この場合も、後段画像処理サーバーや画像形成装置1で選択後に、選択された画像処理サーバーが実際の画像処理を実施することになる。さらに、画像処理時間とジョブ予約状況の両方を考慮して、最も画像処理が早く終わるサーバーを処理実行サーバーとして選択しても良い。
【0134】
このように、この実施形態では、画像形成装置から送信された画像処理対象の画像データに対して、複数の画像処理サーバーで順番に画像処理を実施する場合であって、複数の画像処理サービスのそれぞれについて、複数の画像処理サーバーの候補が存在している場合に、前段画像処理サーバーを1つ後の後段画像処理サーバーが選択し、最終段の画像処理サーバーを画像形成装置が選択することで、各サービスを行う画像処理サーバーを選択・決定するから、高性能な中央サーバーや画像形成装置を必要とすることなく、各画像処理サーバーを選択することができる。しかも、1つ後の画像処理サーバーまたは画像形成装置1により、前段画像処理サーバーが選択されるから、後段画像処理サーバーによる画像処理が、前段画像処理サーバーによる画像処理によって影響を受ける場合であっても、この影響を把握して前段画像処理サーバーを選択することができ、このため最適な画像処理サーバーを的確に選択することができる。
【0135】
しかも、後段の画像処理サーバーから前段の画像処理サーバーへ、また画像形成装置1から最終段の画像処理サーバーへテストパターンが送信されるとともに、前段の画像処理サーバーや最終段の画像処理サーバーでテストパターンに対して画像処理が実施されたテスト結果を、後段の画像処理サーバーや画像形成装置1が取得し、基準値と比較することにより、画像処理性能が一定以上と判断された画像処理サーバーの中から、最適な画像処理サーバーが選択されるから、各画像処理サービスの品質を確実に保証することができる。
【0136】
その後、画像形成装置1は、処理実行サーバー情報に書き込まれた各画像処理サービスの課金値を総計することにより、課金装置5による課金を行う。具体的には、画像形成装置1はシリアルインターフェース部130に接続された課金装置5と通信を行い、計算された合計課金値(課金額)を課金装置5に通知すると共に、図18(a)に示すように、操作パネル128の表示部128bに、課金額と料金の投入をユーザに促す旨のメッセージを表示してユーザに知らせる。ユーザが相当金額を課金装置5に投入することにより、課金装置5は精算を行い、画像形成装置1の操作パネル128の表示部128bは図18(b)の表示に切り替わる。ユーザがスタートボタン128dを押すと、画像処理サービスを経て画像処理された原稿画像が、画像形成装置1から印字され、あるいは所定の宛先に送信される。
【0137】
次に、画像形成装置1及び画像処理サーバー21a〜21c、22a〜22c、23a〜23cの動作を、フローチャートを参照しつつ説明する。
【0138】
画像形成装置1は、前述したように、プログラムROM125に格納された動作プログラムに従ってCPU121が動作することにより、全体の処理を行う。
【0139】
画像形成装置1は、電源が投入されると、図19に示すように内部プログラムの初期化処理、ハードウェアの初期化処理等の初期化処理(ステップS2)を実行する。次いで、ジョブの実行状態を示す「ジョブ状態」を「アイドル中」に初期化したのち(ステップS3)、各画像処理サーバー21a〜21c、22a〜22c、23a〜23cによる画像処理サービスの登録処理(ステップS4)を実施し、実際のジョブ処理(ステップS5)、テスト用画像データに対して画像処理能力を評価するための基準値を決定する基準値処理(ステップS6)を実施する。そして、画像処理サービスの登録処理(ステップS4)と実際のジョブ処理(ステップS5)と基準値処理(ステップS6)を繰り返す。
【0140】
図20は、図19のサービス登録処理(ステップS4)のサブルーチンを示すフローチャートである。なお、画像処理サービスの登録は、事前に管理者等の操作により行われる処理である。
【0141】
ステップS41で、操作パネル128によるサービス登録操作かどうかを確認し、登録操作でなかった場合には(ステップS41でNO)、リターンする。登録操作であった場合には(ステップS41でYES)、すでに本体に登録されている利用可能な画像処理サービスの一覧を表示する(登録項目は別途更新可能とする)。ユーザが、希望する画像処理サービス選択すると、ステップS43でこれを受け付け、ステップS44で、選択が確定したかどうかをユーザの操作に基づいて判断する。確定されなければ(ステップS44でNO)、リターンする。確定した場合には(ステップS44でYES)、ステップS45で、選択した画像処理サーバーに対して処理能力と課金対象等の課金に必要な情報を問い合わせ、ステップS46で、その情報をNV−RAM129に記憶しておく。
【0142】
図21は、図19のジョブ処理(ステップS5)のサブルーチンを示すフローチャートであり、実際に画像処理サービスを選択してジョブを実行する処理である。
【0143】
ステップS511で、「ジョブ状態」のフラグを確認し、「アイドル中」か、「画像転送」か、「サーバー選択処理」か、「課金処理」か、いずれのステートであるかによって分岐する。
【0144】
ジョブ状態がアイドル中のステート場合、ステップS512で、操作パネル128によるモードや画像処理サービスの選択操作を、ユーザが行っているかどうかを確認する。行っていない場合(ステップS512でNO)、リターンする。行っていた場合(ステップS512でYES)、ステップS513で、操作パネル128のモード・サービス選択処理を行う。ユーザがサーバー選択方法として「自動選択」を選択し、「コスト優先」「スピード優先」のいずれかを選択した場合、ステップS54で、選択内容に応じた選択基準の設定を行う。
【0145】
次いで、ステップS515で、「サービス構成情報」「選択基準情報」「処理実行サーバー情報」を生成する。なお、以下の説明において、「サービス構成情報」「選択基準情報」「処理実行サーバー情報」を「初期登録設定情報」ともいう。
【0146】
そして、ステップS516で、ユーザによりスタートキーが押されたかどうか、換言すればジョブスタートかどうかを判断し、ジョブスタートでなければ(ステップS516でNO)、リターンする。ジョブスタートであれば(ステップS516でYES)、ステップS517でジョブ番号を生成し、ステップS518で、ステップS515で生成した初期登録設定情報を、最初の画像処理サービスを行う画像処理サーバー21a〜21cにジョブ番号を付して送信したのち、ステップS519で、「ジョブ状態」のフラグを「画像転送」に設定したのち、リターンする。
【0147】
ステップS511において、「ジョブ状態」が「画像転送」のステートの場合は、ステップS521に進み、入力された原稿画像をネットワーク上に転送する処理を実施する。原稿画像の入力は、スキャナ部11で原稿を読み取ることにより行われても良いし、端末装置31、32からプリント画像を受信することにより行われても良い。
【0148】
転送処理後、ステップS522で、課金計算情報における課金対象の数量が確定されたかどうかを判断する。確定されていなければ(ステップS522でNO)、リターンする。確定されていれば(ステップS522でYES)、ステップS523で、確定値を課金計算情報にセットし、ジョブ番号を付与して画像処理サーバー21a〜21cに送信する。
【0149】
次いで、ステップS524で、「ジョブ状態」のフラグを「サーバー選択処理」に設定したのち、リターンする。
【0150】
ステップS511において、「ジョブ状態」が「サーバー選択処理」のステートの場合は、ステップS525に進み、最終段のサーバー選択処理を実行する。次いで、ステップS526で、「ジョブ状態」のフラグを「課金処理」に設定したのち、リターンする。
【0151】
ステップS511において、「ジョブ状態」が「課金処理」のステートの場合は、ステップS527に進み、課金制御を実施した後、リターンする。
【0152】
図22は、図21のステップS525の最終段のサーバー選択処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0153】
ステップS5251で、サーバー選択方法として自動選択が設定されているかどうかを判断する。自動選択が設定されていなければ(ステップS5251でNO)、リターンする。
【0154】
自動選択が設定されていれば(ステップS5251でYES)、ステップS5252に進み、テスト用画像データ(テストパターン)を最終段の画像処理サーバー23a〜23cに送信する。
【0155】
次いで、ステップS5253で、最終段の画像処理サーバー23a〜23cからテストパターンのテスト結果を受信済みかどうかを判断し、受信済みでなければ(ステップS5253でNO)、リターンする。受信済みであれば(ステップS5253でYES)、ステップS5254で、テスト結果を判定した結果、基準値以上の画像処理サーバーがあるかどうかを判断する。
【0156】
基準値以上の画像処理サーバーがなければ(ステップS5254でNO)、ターンする。基準値以上の画像処理サーバーがあれば(ステップS5254でYES)、ステップS5255で、選択基準は「コスト優先」かどうかを判断する。コスト優先であれば(ステップS5255でYES)、ステップS5256で、最終段の画像処理サーバー23a〜23cから送信されている課金値情報を検証し、テスト結果が基準値以上の画像処理サーバーの中から、最も安価な画像処理サーバーを最終段の処理実行サーバーとして選択・決定したのち、ステップS5257に進む。
【0157】
ステップS5255でコスト優先でなければ(ステップS5255でNO)、ステップS5258に進み、選択基準は「スピード優先」かどうかを判断する。ステップS5258でスピード優先でなければ(ステップS5258でNO)、リターンする。スピード優先であれば(ステップS5258でYES)、ステップS5259で、最終段の画像処理サーバー23a〜23cから送信されている処理時間情報を検証し、最も処理時間の短い画像処理サーバーを最終段の処理実行サーバーとして選択・決定したのち、ステップS5257に進む。
【0158】
なお、選択基準が「スピード優先」の場合は、画像処理サーバーの選択後に、その選択したサーバーに再度画像処理を実行させ、課金値情報を受領することになる。
【0159】
ステップS5257では、処理実行サーバー情報に、決定した画像処理サーバーとその課金値をセットしたのち、リターンする。
【0160】
図23は、図21のステップS527の課金制御処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0161】
ステップS5271で、課金値情報等が画像形成装置1に到達しているかどうかを判断する。到達していなければ(ステップS5271でNO)、リターンする。到達していれば(ステップS5271でYES)、ステップS5272で、処理実行サーバー情報に全ての値がセットされているかどうかを確認する。セットされていなければ(ステップS5272でNO)、リターンする。セットされていれば(ステップS5272でYES)、ステップS5273で課金値の合計を計算し、ステップS5274で請求金額を操作パネル128の表示部128bに表示する。
【0162】
次にステップS5275で、請求金額投入待ち状態かどうかを判断し、投入待ち状態でなければ(ステップS5275でNO)、リターンする。投入待ち状態であれば(ステップS5275でYES)、ステップS5276で、投入金額が適正かどうかを判断する。適正でなければ(ステップS5276でNO)、リターンする。
【0163】
適正であれば(ステップS5276でYES)、ステップS5277で、スタートキー128dが押されたかどうかを判断する。押されなければ(ステップS5277でNO)、リターンする。押されると(ステップS5277でYES)、ステップS5278で、画像処理済みの原稿画像が画像形成装置1に到達しているかどうかを判断する。
【0164】
到達していなければ(ステップS5278でNO)、リターンする。到達していると(ステップS5278でYES)、ステップS5279で、原稿画像を印刷する、あるいはネットワーク上に送信する等の処理を実施した後、ステップS5280に進む。
【0165】
ステップS5280では、画像印刷あるいはネットワーク上への送信等の処理が終了するのを待ち(ステップS5280でNO)、終了すると(ステップS5280でYES)、ステップS5281で、全ての画像処理サーバー21a〜21c、22a〜22c、23a〜23cに、ジョブ番号とジョブが終了したことを通知し、ステップS5282で、「ジョブ状態」のフラグを「アイドル中」に設定したのち、リターンする。
【0166】
なお、課金処理は課金装置5への金額の投入によって行われるものとしたが、課金合計値を画像形成装置1が登録しておいて、ユーザの端末装置31、32等に請求を行う構成としても良い。
【0167】
図24は、図19のステップS6の基準値処理のサブルーチンを示すフローチャートであり、管理者等によって設定される場合の処理を示す。
【0168】
ステップS61で、画像形成装置1の操作が基準値登録操作かどうかを判断し、基準値登録操作でなければ(ステップS61でNO)、リターンする。基準値登録操作であれば(ステップS61でYES)、ステップS62で、登録済みのサービス一覧を操作パネル128に表示する。次いで、ステップS63で、前記サービスに対して基準値が入力されるとこれを受け付け、ステップS64で確定操作が行われたかどうかを判断する。
【0169】
確定操作が行われなければ(ステップS64でNO)、リターンする。確定操作が行われると(ステップS64でYES)、ステップS65で、その基準値をNV−RAM129に記憶してリターンする。こうして、基準値が設定される。
【0170】
図25は、基準値をジョブ毎に設定する場合の基準値処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0171】
ステップS61で、画像形成装置1の操作が基準値登録操作かどうかを判断し、基準値登録操作でなければ(ステップS61でNO)、リターンする。基準値登録操作であれば(ステップS61でYES)、ステップS62で、登録済みのサービス一覧を操作パネル128に表示する。次いで、ステップS63で、前記サービスに対して基準値が入力されるとこれを受け付け、ステップS64で確定操作が行われたかどうかを判断する。
【0172】
確定操作が行われなければ(ステップS64でNO)、リターンする。確定操作が行われると(ステップS64でYES)、ステップS65で、その基準値をジョブのモード情報として記憶する。
【0173】
次に、画像処理サーバー21a〜21c、22a〜22c、23a〜23cの動作を、図26〜図31のフローチャートを用いて説明する。画像処理サーバー21a〜21c、22a〜22c、23a〜23cの動作は、各サーバーのCPU211がROM212や記憶部214等に格納された動作プログラムに従って動作することにより実行される。
【0174】
図26は、メインルーチンを示すフローチャートである。
【0175】
画像処理サーバー21a〜21c、22a〜22c、23a〜23cは、プログラムの初期化処理(ステップS11)、通信処理(ステップS12)、画像処理(ステップS13)を順次実施したのち、ステップS14で、ジョブに関する処理が終了したことを画像形成装置1から受信したかどうかを判断し、受信していなければ(ステップS14でNO)、ステップS12に戻る。受信した場合は(ステップS14でYES)、ステップS15で、ジョブ番号に関する内部情報をクリアする。
【0176】
なお、通信処理(ステップS12)と画像処理(ステップS13)は、別の処理プロセスで構成されてもよい。
【0177】
図27は、前記通信処理(ステップS12)のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0178】
ステップS121で初期登録設定情報を受信し、ステップS122で、前段画像処理サーバーの選択に必要な情報を取得したのち、ステップS123で、前段画像処理サーバーの選択が可能かどうかを判断する。可能でなければ(ステップS123でNO)、ステップS127で、前段画像処理サーバーの選択に必要な情報が送信されてくるのを待ち、ステップS122に戻る。
【0179】
前段画像処理サーバーの選択が可能であれば(ステップS123でYES)、ステップS124で前段画像処理サーバーの選択処理を実行し、ステップS125で、自装置の課金計算処理、換言すれば自装置での画像処理に対する課金値の計算を実行し、ステップS126で、後段サーバーでの選択に必要な情報の抽出処理を実施したのち、リターンする。各処理については以下に詳述する。
【0180】
図28は、図27の前段サーバーの選択処理(ステップS124)のサブルーチンを示すフローチャートである。この処理は、前段画像処理サーバーの中から1つを処理実行サーバーとして選択する処理である。
【0181】
ステップS1241で、サーバー選択方法として自動選択が設定されているかどうかを判断する。自動選択が設定されていなければ(ステップS1241でNO)、リターンする。
【0182】
自動選択が設定されていれば(ステップS1241でYES)、ステップS1242に進み、前段の画像処理サーバーにテストパターンを送信する。
【0183】
ステップS1243では、テストパターンの処理結果(テスト結果)を受信しているかどうかを判断し、受信していなければ(ステップS1243でNO)、リターンする。受信していれば(ステップS1243でYES)、ステップS1244で、テスト結果が基準値以上の画像処理サーバーがあるかどうかを判断する。
【0184】
基準値以上の画像処理サーバーがなければ(ステップS1244でNO)、リターンする。あれば(ステップS1244でYES)、ステップS1245に進む。
【0185】
ステップS1245では、選択基準は「コスト優先」かどうかを判断する。コスト優先であれば(ステップS1245でYES)、ステップS1246で、前段画像処理サーバーから送信されている課金値情報を検証し、最も安価な画像処理サーバーを前段の処理実行サーバーとして選択・決定したのち、ステップS1247に進む。
【0186】
ステップS1245でコスト優先でなければ(ステップS1245でNO)、ステップS1249に進み、選択基準は「スピード優先」かどうかを判断する。スピード優先であれば(ステップS1249でYES)、ステップS1250で、前段画像処理サーバーから送信されている処理時間情報を検証し、最も処理時間の短い画像処理サーバーを前段の処理実行サーバーとして選択・決定したのち、ステップS1247に進む。
【0187】
ステップS1249でスピード優先でなければ(ステップS1249でNO)、リターンする。
【0188】
なお、選択基準が「スピード優先」の場合は、前段画像処理サーバーの選択後に、その選択したサーバーに再度画像処理を実行させ、課金値情報を受領することになる。
【0189】
ステップS1247では、処理実行サーバー情報に、決定した画像処理サーバーとその課金値をセットする。次いで、ステップS1248で、この処理実行サーバー情報と選択基準情報及びサービス構成情報、即ち初期登録設定情報にジョブIDを付加して複数の後段画像処理サーバーに転送したのち、リターンする。なお、最終段の画像処理サーバー23a〜23cの場合は、画像形成装置1へ転送する。
【0190】
図29は、図27の自装置の課金値計算処理(ステップS125)のサブルーチンを示すフローチャートである。この処理は、自装置での画像処理に対する課金値を計算し、課金値情報を生成する処理である。
【0191】
ステップS1251で、前段画像処理サーバーで課金対象の数量を算出可能かどうかを判断し、算出可能であれば(ステップS1251でYES)、ステップS1252で、前段の処理実行サーバーが課金対象の数量をセットしているかどうかを、課金計算情報を参照して調べる。
【0192】
セットしていれば(ステップS1252でYES)、ステップS1255に進む。セットしていなければ(ステップS1252でNO)、ステップS1257で、前段の処理実行サーバーにより課金対象の数量がセットされるのを待ち、ステップS1252に戻る。
【0193】
ステップS1251で、前段画像処理サーバーで課金対象の数量を算出可能でない場合は(ステップS1251でNO)、ステップS1253に進む。
【0194】
ステップS1253では、自装置で課金対象の数量を算出できるか否かを判断し、算出可能な場合は(ステップS1253でYES)、ステップS1254で、自装置により課金計算情報に課金対象の数量がセットされているかどうかを調べる。
【0195】
セットされていれば(ステップS1254でYES)、ステップS1255に進む。セットされていなければ(ステップS1254でNO)、ステップS1258で、自装置により課金対象の数量がセットされるのを待ち、ステップS1254に戻る。
【0196】
なお、自装置により課金対象の数量がセットされるのは、後述するステップS13の画像処理においてであるため、自装置により課金対象の数量がセットされていない場合は、先にステップS13の画像処理を実行させ、画像処理による課金対象の数量の確定後に、本ルーチンを再度実行するものとしても良い。
【0197】
ステップS1253で、課金対象の数量を自装置で算出可能でない場合も(ステップS1253でNO)、ステップS1255に進む。
【0198】
ステップS1255では、課金値の計算に必要な課金対象の数量が、課金計算情報にセットされているかどうかを再度確認し、セットされていなければ(ステップS1255でNO)、ステップS1251に戻る。セットされていれば(ステップS1255でYES)、ステップS1256で、セットされた課金対象の数量と単価とから課金値を計算したのち、ステップS1259で、計算された課金値を示す課金値情報を生成し、リターンする。
【0199】
図30は、図27の後段サーバーでの選択に必要な情報の抽出処理(ステップS126)のサブルーチンを示すフローチャートである。この処理は、図29のステップS1259で生成された課金値情報を後段画像処理サーバーに転送したり、スピード優先の場合に、処理時間を後段画像処理サーバーに転送する処理である。
【0200】
ステップS1261で、サーバー選択方法として自動選択が設定されているかどうかを判断する。自動選択が設定されていなければ(ステップS1261でNO)、リターンする。
【0201】
自動選択が設定されていれば(ステップS1261でYES)、ステップS1262に進み、選択基準は「コスト優先」かどうかを判断する。コスト優先であれば(ステップS1262でYES)、ステップS1263で、自装置の課金値情報にジョブIDを付加して後段画像処理サーバーに送信したのち、リターンする。
【0202】
ステップS1262でコスト優先でなければ(ステップS1262でNO)、ステップS1264に進み、選択基準は「スピード優先」かどうかを判断する。スピード優先であれば(ステップS1264でYES)、ステップS1265で、自装置の画像処理時間を算出したのち、ステップS1266で、ジョブ処理時間を示す情報にジョブIDを付加して後段画像処理サーバーに転送し、リターンする。この場合は、後段画像処理サーバーにより処理実行サーバーとして選択されると、その通知を待って原稿画像に画像処理を実行し、課金値情報を後段画像処理サーバーに転送することになる。
【0203】
ステップS1264でスピード優先でなければ(ステップS1264でNO)、リターンする。
【0204】
なお、ステップS1263及びステップS1266において、自装置が最終段の画像処理サーバー23a〜23cである場合は、各情報を画像形成装置1に転送する。
【0205】
図31は、図26の画像処理(ステップS13)のサブルーチンを示すフローチャートである。この処理は、原稿画像に画像処理を行うとともに、後段画像処理サーバーの課金値計算に必要な課金対象の数量を算出し、算出した数量を課金計算情報にセットするする処理である。
【0206】
ステップS131で、前段の処理実行サーバーが決定されたかどうかを調べる。決定されていなければ(ステップS131でNO)、リターンする。決定されていれば(ステップS131でYES)、ステップS132で、原稿画像を受信したかどうかを判断する。受信していなければ(ステップS132でNO)、リターンする。受信していれば(ステップS132でYES)、ステップS133で、画像処理を実施する。
【0207】
次いで、ステップS134で、自装置の課金対象の数量を算出し課金値情報にセットする。また、ステップS135で、後段画像処理サーバーでの課金値の計算に必要な課金対象の数量を算出し、課金計算情報にセットする。
【0208】
次に、ステップS136で、課金計算情報にジョブIDを付加して後段画像処理サーバーへ転送する。最終段の画像処理サーバーの場合、画像形成装置1への転送はしなくても良い。
【0209】
次いで、ステップS137で、画像処理済みの原稿画像を送信可能かどうかを判断し、可能でなければ(ステップS137でNO)、そのままリターンする。可能であれば(ステップS137でYES)、ステップS138で原稿画像を後段画像処理サーバーに転送した後リターンする。最終段の画像処理サーバーの場合は画像形成装置1へ転送する。
【0210】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることはない。
【0211】
例えば、上記実施形態では画像処理と前段サーバーの選択処理を同時に行っている場合を説明したが、画像処理を行うことなく課金値の見積もりを算出するプレ処理のみを行い、全ての処理実行サーバーが決定された後、決定された処理実行サーバーに原稿画像を送付して、一連の画像処理サービスを実行する構成としても良い。
【0212】
また、画像形成装置1から画像処理サービスの順序を示したサービス構成情報を画像処理サーバー21〜23に転送するとともに、このサービス構成情報に基づいて各画像処理サーバー21〜23が、次の転送先に原稿画像や課金値計算情報、処理実効サーバー情報等を転送し、後段の画像処理サーバーが前段の画像処理サーバーにテストパターンを送信し、そのテスト結果を後段の画像処理サーバーが取得して、実際に画像処理を実施する前段画像処理サーバーを選択する構成となされていた。しかし、図32に示すように、画像形成装置1が各画像処理サーバー21a〜21c、22a〜22c、23a〜23cに矢印b1、b3、b5に示すように、サービス構成情報やテストパターンを送信するとともに、矢印b2、b4、b6に示すように、各画像処理サーバーから転送されたテスト結果や課金情報を画像形成装置1が取得して、画像形成装置1が画像処理サービス毎に画像処理サーバーを選択する構成としたも良い。
【0213】
また、図33に示すように、画像形成装置1と各画像処理サーバー21a〜21c、22a〜22c、23a〜23cとの間に、各画像処理サーバー21a〜21c、22a〜22c、23a〜23cを制御するための中継サーバー6を配置する形態を採用しても良い。この実施形態では、画像形成装置1からの原稿画像等は一旦中継サーバー6に送信され(図33の矢印C1)、その後の原稿画像、課金計算情報、テストパターン等の情報は、矢印C2〜C7に示すように、中継サーバー5を経由して各画像処理サーバー21〜23間で転送が行われる。そして、最終の画像処理が実施された原稿画像は、中継サーバー5から画像形成装置1へ転送される(矢印C8)。
【符号の説明】
【0214】
1 画像形成装置
21a〜21c、22a〜22c、23a〜23c 画像処理サーバー
31、32 端末装置
4 ネットワーク
5 課金装置
11 スキャナ部
12 コントローラ
211 CPU
214 記憶部
217 ネットワークインターフェース部
218 画像処理部
121 CPU
127 ネットワークカード
128 操作パネル
【技術分野】
【0001】
この発明は、MFP(Multi Function Peripherals)と称される多機能デジタル複合機等の画像形成装置と、複数台の画像処理サーバーとがネットワークを介して接続された画像処理システム、該システムに用いられる画像処理サーバー及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のようなMFP等の画像形成装置に入力された画像データを、画像形成装置の本体内のみで画像処理するのではなく、外部の複数の画像処理サーバーと連携し、各複数の画像処理サーバーでそれぞれ異なる画像処理を順次実施する画像処理システムが従来より提案されている(例えば特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
このように特定の画像処理を画像処理サーバーに実施させることで、これらの機能をリソースに限界のある画像形成装置に備えさせる必要がなくなり、画像形成装置の構成を簡素化できる利点がある。
【0004】
また、最近ではSaaS(Software as a Service)のように、Web上で画像処理を利用する形式の画像処理システムも提案されており、複数の業者が提供する画像処理サービスを組み合わせて、画像生成を行うことが可能となっている。
【0005】
また、特許文献1には、自装置で処理できない内容を外部装置で実施させるように、文書データと、文書データを処理するための指示書を発行して、複数のサーバーを連動させて文書処理をさせる方法が開示されている。
【0006】
また、特許文献2には、ジョブフローサービス装置→複合機→画像処理装置→変換装置→ファイル管理装置と経由して課金管理しながらスキャン処理を行う方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−289500号公報
【特許文献2】特開2006−195893号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上記のような画像処理システムでは、同種の画像処理サービスを行う画像処理サーバーが複数存在することがあり、複数の画像処理サービスのそれぞれについて、複数の画像処理サーバーが存在することがある。この場合、画像処理サービス毎に画像処理サーバーを選択する時の選択の組合せは多数存在するが、選択の仕方によっては良好な画像処理サービスを受けることができないという問題がある。
【0009】
例えば、画像処理サービスとして、「OCRサービス」と「翻訳サービス」を組み合わせるパターンにおいて、優先条件がコスト重視のユーザであった場合、コストのみで画像処理サーバーの組合せを採用したが、採用されたサーバーのOCRサービスの品質が低い場合もある。また、翻訳サービスのサーバーにもそれぞれ特徴があり、OCRサービスと翻訳サービスのサーバー間の相性問題が存在していた場合、満足できる品質の翻訳サービスを提供できないという問題もある。
【0010】
また、サーバー間の相性問題については、処理するデータによらず不変な要素であるにもかかわらず、組合せが選択されて無駄な処理が行われている可能性があった。特に近年は、セキュリティの観点から文書管理のためにハードコピーに対しての文字合成処理の利用が増加しており、満足できる品質の画像処理サービスの提供がますます望まれている。
【0011】
この発明は、このような技術的背景に鑑みてなされたものであって、画像形成装置から送信された画像処理対象の画像データに対して、複数の画像処理サーバーで順番に画像処理を実施する場合であって、複数の画像処理サービスのそれぞれについて、複数の画像処理サーバーが存在している場合に、品質面で問題のない画像処理サービスを提供できる画像処理システムを提供し、さらに前記システムに用いられる画像処理サーバー及び画像形成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題は、以下の手段によって解決される。
(1)画像処理対象の画像データを出力する画像形成装置と、ネットワークを介して前記画像形成装置と接続されるとともに、前記画像形成装置から出力された画像処理対象の画像データに順番に画像処理を実施する複数の画像処理サーバーとを備えた画像処理システムであって、前記画像処理サーバーは、画像処理毎にそれぞれ複数設けられるとともに、各画像処理サーバーは、テスト用画像データを自己の画像処理よりも1つ前の画像処理を行う前段の複数の画像処理サーバーに送信する送信手段と、前記テスト用画像データに画像処理を実施する画像処理手段と、前記前段の画像処理サーバーのそれぞれで実施されたテスト用画像データに対する画像処理結果を取得するテスト結果取得手段と、テスト結果取得手段により取得した画像処理結果が、基準値以上かどうかを判断する判断手段と、前記判断手段により、画像処理結果が基準値以上と判断された前段の画像処理サーバーの中から、いずれか1つの画像処理サーバーを処理実行サーバーとして選択するサーバー選択手段と、前記サーバー選択手段により選択された前段画像処理サーバーについての選択情報を、1つ後の複数の後段画像処理サーバーまたは前記画像形成装置に転送する転送手段と、を備え、前記画像形成装置は、テスト用画像データを保持するテスト用画像データ保持手段と、前記テスト用画像データ保持手段に保持されたテスト用画像データを、最終段の複数の画像処理サーバーに送信する送信手段と、前記テスト用画像データに対して最終段の複数の画像処理サーバーのそれぞれで実施された画像処理の結果を取得するテスト結果取得手段と、テスト結果取得手段により取得した画像処理結果が、基準値以上かどうかを判断する判断手段と、前記判断手段により、画像処理結果が基準値以上と判断された最終段の画像処理サーバーの中から、いずれか1つの画像処理サーバーを処理実行サーバーとして選択するサーバー選択手段と、を備えていることを特徴とする画像処理システム。
(2)前記画像処理サーバーは、前記テスト用画像データを保持するテスト用画像データ保持手段を備え、該テスト用画像データ保持手段に保持されているテスト用画像データを前記前段の複数の画像処理サーバーに送信する前項1に記載の画像処理システム。
(3)前記画像処理サーバーは、前記テスト用画像データを画像形成装置から取得するテスト用画像データ取得手段を備え、該テスト用画像データ取得手段により取得されたテスト用画像データを前記前段の複数の画像処理サーバーに送信する前項1に記載の画像処理システム。
(4)前記画像処理サーバーのテスト用画像データ取得手段は、テスト用画像データとともに画像処理済みの画像データを画像形成装置から取得するとともに、前記判断手段は、テスト結果取得手段により取得した画像処理結果が、前記テスト用画像データ取得手段により取得した画像処理済みの画像データの基準値以上かどうかを判断する前項3に記載の画像処理システム。
(5)画像処理対象の画像データを出力する画像形成装置と、ネットワークを介して前記画像形成装置と接続されるとともに、前記画像形成装置から出力された画像処理対象の画像データに順番に画像処理を実施する複数の画像処理サーバーとを備えた画像処理システムであって、前記画像処理サーバーは、画像処理毎にそれぞれ複数設けられるとともに、各画像処理サーバーは、画像形成装置から送信されたテスト用画像データに画像処理を実施する画像処理手段と、前記画像処理手段によってテスト用画像データに実施された画像処理のテスト結果を、前記画像形成装置に転送する転送手段と、を備え、前記画像形成装置は、テスト用画像データを保持するテスト用画像データ保持手段と、前記テスト用画像データ保持手段に保持されたテスト用画像データを、各画像処理サーバーに送信する送信手段と、前記テスト用画像データに対して各画像処理サーバーのそれぞれで実施された画像処理の結果を取得するテスト結果取得手段と、テスト結果取得手段により取得した画像処理結果が、基準値以上かどうかを判断する判断手段と、前記判断手段により、画像処理結果が基準値以上と判断された画像処理サーバーの中から、画像処理毎にいずれか1つの画像処理サーバーを処理実行サーバーとして選択するサーバー選択手段と、を備えていることを特徴とする画像処理システム。
(6)前記画像形成装置は前記基準値を決定する基準値決定手段を備え、前記基準値決定手段で決定された基準値は、画像形成装置から初段の画像処理サーバーへ送信され、更に後段の画像処理サーバーへと順に送信され、前記画像処理サーバーの判断手段は、テスト結果取得手段により取得した画像処理結果が、前記画像形成装置の基準値決定手段で決定された基準値以上かどうかを判断する前項1〜4のいずれかに記載の画像処理システム。
(7)前記画像形成装置は前記基準値を決定する基準値決定手段を備え、前記基準値決定手段は、ジョブ毎に基準値を決定する前項1〜5のいずれかに記載の画像処理システム。
(8)前記基準値決定手段は、操作者による設定に基づいて基準値を決定する前項7に記載の画像処理システム。
(9)前記基準値決定手段は、前記画像処理サーバーの基準値を基準値として採用する前項7に記載の画像処理システム。
(10)前記画像形成装置と画像処理サーバーとの間に中継サーバーが介在され、画像形成装置と画像処理サーバーとの間のデータの送受は前記中継サーバーを介して行われる前項1〜9のいずれかに記載の画像処理システム。
(11)前項1〜10のいずれかに記載の画像処理システムに用いられる画像処理サーバー。
(12)前項1〜10のいずれかに記載の画像処理システムに用いられる画像形成装置。
【発明の効果】
【0013】
前項(1)に記載の発明によれば、前段の各画像処理サーバーはテスト用画像データに対してそれぞれ自己の画像処理を実施し、その結果を次段の各画像処理サーバーに転送する。テスト結果を取得した次段の各画像処理サーバーは、取得した画像処理結果が、基準値以上かどうかを判断し、基準値以上と判断された前段の画像処理サーバーの中から、いずれか1つの画像処理サーバーを処理実行サーバーとして選択する。また、最終段の画像処理サーバーで画像処理が実施されたテスト用画像データに対する画像処理結果は、画像形成装置に転送され、該画像形成装置は、画像処理結果が基準値以上かどうかを判断し、基準値以上と判断された最終段の画像処理サーバーの中から、いずれか1つの画像処理サーバーを処理実行サーバーとして選択する。こうして、各画像処理毎に処理実行サーバーが選択されるが、これらはいずれも画像処理結果が基準値以上であるから、各画像処理サービスの品質を確実に保証することができる。
【0014】
前項(2)に記載の発明によれば、後段の画像処理サーバーが保持するテスト用画像データが前段の複数の画像処理サーバーに送信され、該テスト用画像データに対して前段の画像処理サーバーで画像処理が実施される。
【0015】
前項(3)に記載の発明によれば、後段の画像処理サーバーが画像形成装置から取得したテスト用画像データが前段の複数の画像処理サーバーに送信され、該テスト用画像データに対して前段の画像処理サーバーで画像処理が実施される。
【0016】
前項(4)に記載の発明によれば、画像処理サーバーは、テスト用画像データとともに画像処理済みの画像データを画像形成装置から取得し、前段の画像処理サーバーから取得した画像処理結果が、前記画像形成装置から取得した画像処理済みの画像データとの比較で基準値以上かどうかを判断する。
【0017】
前項(5)に記載の発明によれば、各画像処理サーバーは画像形成装置から送信されたテスト用画像データに画像処理を実施し、その結果を画像形成装置に転送する。画像形成装置は、各画像処理結果が基準値以上かどうかを判断し、画像処理結果が基準値以上と判断された画像処理サーバーの中から、画像処理毎にいずれか1つの画像処理サーバーを処理実行サーバーとして選択する。こうして、各画像処理毎に処理実行サーバーが選択されるが、これらはいずれも画像処理結果が基準値以上であるから、各画像処理サービスの品質を確実に保証することができる。
【0018】
前項(6)に記載の発明によれば、画像処理サーバーは画像形成装置で決定された基準値を使用できるから、各画像処理サーバーに基準値を保持しておく必要はなくなる。
【0019】
前項(7)に記載の発明によれば、画像形成装置はジョブ毎に基準値を決定することができる。
【0020】
前項(8)に記載の発明によれば、画像形成装置は操作者による設定に基づいて基準値を決定することができる。
【0021】
前項(9)に記載の発明によれば、画像形成装置は画像処理サーバーの基準値を基準値として採用することができる。
【0022】
前項(10)に記載の発明によれば、画像形成装置と画像処理サーバーとの間のデータの送受は、中継サーバーを介して行われる。
【0023】
前項(11)に記載の発明によれば、画像形成装置から送信された画像処理対象の画像データに対して、複数の画像処理サーバーで順番に画像処理を実施する場合であって、複数の画像処理サービスのそれぞれについて、複数の画像処理サーバーが存在している場合に、品質面で問題のない画像処理サービスを提供できる画像処理システムに好適に用いられる画像処理サーバーとなしうる。
【0024】
前項(12)に記載の発明によれば、画像形成装置から送信された画像処理対象の画像データに対して、複数の画像処理サーバーで順番に画像処理を実施する場合であって、複数の画像処理サービスのそれぞれについて、複数の画像処理サーバーが存在している場合に、品質面で問題のない画像処理サービスを提供できる画像処理システムに好適に用いられる画像形成装置となしうる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】この発明の一実施形態に係る画像処理システムの構成を示す図である。
【図2】図1のシステムに用いられている画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図3】画像形成装置のコントローラ部の詳細を示すブロック図である。
【図4】画像処理サーバーの構成を示すブロック図である。
【図5】画像処理サービスの種類を選択するキーが表示されている操作パネルの平面図である。
【図6】サービス設定画面が表示されている操作パネルの平面図である。
【図7】サーバー選択方法の設定画面が表示されている操作パネルの平面図である。
【図8】サービス構成情報の一例を示す図である。
【図9】処理実行サーバー情報を示す図である。
【図10】課金計算情報を示す図である。
【図11】最初の画像処理サービスにおいて、各画像処理サーバーによる白紙除去を行ったときの原稿面数を示す表である。
【図12】最初の画像処理サービスの実行後に、各画像処理サーバーから1つ後の後段画像処理サーバーへ送信される課金計算情報を示す図である。
【図13】最初の画像処理サービスを実行した各画像処理サーバーの課金値情報の一覧と、処理実行サーバー情報を示す図である。
【図14】2番目の画像処理サービスにおいて、各画像処理サーバーによる文字認識処理を行ったときの検出文字数を示す表である。
【図15】2番目の画像処理サービスの実行後に、各画像処理サーバーから1つ後の後段画像処理サーバーへ送信される課金計算情報を示す図である。
【図16】2番目の画像処理サービスを実行した各画像処理サーバーの課金値情報の一覧と、処理実行サーバー情報を示す図である。
【図17】最終(3番目)の画像処理サービスを実行した各画像処理サーバーの課金値情報の一覧と、処理実行サーバー情報を示す図である。
【図18】画像形成装置の操作パネルの課金時の表示画面を示す図である。
【図19】画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【図20】図19のサービス登録処理(ステップS4)のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図21】図19のジョブ処理(ステップS5)のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図22】図21の最終段のサーバー選択処理(ステップS64)のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図23】図21の課金制御処理(ステップS67)のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図24】図19の基準値処理(ステップS6)のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図25】図19の基準値処理(ステップS6)の別のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図26】画像処理サーバーの動作を示すフローチャートである。
【図27】図26の通信処理(ステップS12)のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図28】図27の前段サーバーの選択処理(ステップS124)のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図29】図27の自装置の課金値計算処理(ステップS125)のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図30】図27の後段サーバーの選択に必要な情報の抽出処理(ステップS126)のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図31】図26の画像処理(ステップS13)のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図32】画像形成装置と各画像処理サーバーとが直接に画像データ等の送受信を行う場合のシステムの説明図である。
【図33】画像形成装置と各画像処理サーバーとの間に、各画像処理サーバーを制御するための中継サーバーを配置したシステム構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、この発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0027】
図1は、この発明の一実施形態に係る画像処理システムの構成を示す図である。
【0028】
図1の画像処理システムは、画像形成装置1と、複数(この実施形態では3個)の画像処理グループに属するそれぞれ複数(この実施形態では3個)の画像処理サーバー21a〜21c、22a〜22c、23a〜23cと、各ユーザが所有するパソコンからなる複数の端末装置31、32が、ネットワーク4を介して相互に接続されて構成されるとともに、画像形成装置1に課金装置5が接続されている。
【0029】
この実施形態では、画像形成装置1で読み取った原稿の画像データや、端末装置31、32から受信したプリントデータに対し、前記複数の画像処理グループに属する各画像処理サーバーが予め決定された順序で画像処理サービスを実施する構成となされている。
【0030】
具体的には、3個の画像処理サーバー21a〜21cは、画像処理サービス1としていずれも白紙除去処理サービスという同種の画像処理を行う。このサービスは、原稿面数に応じて課金が行われる。つまり、課金対象は原稿面数であり、課金対象の数量は画像処理対象の画像データの総原稿面数である。なお、以下の説明において、画像処理対象の画像データを「原稿画像」ともいう
3個の画像処理サーバー22a〜22cは、白紙除去処理後の原稿画像に、画像処理サービス2として文字認識(OCR)処理を実施する。換言すれば、原稿画像から文字部分を抜き出して文字を特定する処理を行う。このサービスは、画像処理サーバー22aは文字認識処理による検出文字数に応じて課金されされる。つまり、課金対象は文字数であり、課金対象の数量は総文字数である。一方、画像処理サーバー22b及び22cは、原稿面数に応じて課金が行われる。つまり、課金対象は原稿面数であり、課金対象の数量は原稿画像の総原稿面数である。
【0031】
3個の画像処理サーバー23a〜23cは、白紙除去処理及び文字認識処理後の原稿画像に、画像処理サービス3として翻訳処理を行う。このサービスは、文字数に応じて課金が行われる。つまり、課金対象は文字数であり、課金対象の数量は原稿画像の総文字数である。
【0032】
この実施形態では、全ての画像処理サーバー21a〜21c、22a〜22c、23a〜23cが自サービスの画像処理を実施するとともに、画像処理サービス2を実施する画像処理サーバー22a〜22cは、前段の画像処理サービス1を行う画像処理サーバー21a〜21cの中から、いずれかの画像処理サーバーを処理実行サーバーとして選択する処理を行い、その結果を後段の画像処理サービス3を行う各画像処理サーバー23a〜23cに転送するものとなされている。
【0033】
また、画像処理サービス3を実施する画像処理サーバー23a〜23cは、前段の画像処理サービス2を行う画像処理サーバー22a〜22cの中から、いずれかの画像処理サーバーを処理実行サーバーとして選択する処理を行い、その選択結果を画像形成装置1に転送するものとなされている。
【0034】
画像形成装置1は、最終段の画像処理サービス3を行う画像処理サーバー23a〜23cの中から、いずれかの画像処理サーバーを処理実行サーバーとして選択する処理を行うものとなされている。
【0035】
このような前段の画像処理サーバーの選択に際して、後段の画像処理サーバーは前段の各画像処理サーバーにテスト用画像データ(テストパターンともい)を送信するとともに、前段の画像処理サーバーがテストパターンに画像処理を実施した結果を回収し、その画像処理結果(テスト結果ともいう)が一定の基準値以上の画像処理サーバー、つまり一定の品質が確保されている画像処理サーバーの中から、処理実行サーバーを選択する。また、最終段の画像処理サーバー23a〜23cについては、画像形成装置1からテストパターンを送信するとともに、最終段の画像処理サーバーがテストパターンに画像処理を実施したテスト結果を回収し、そのテスト結果が一定の基準値以上画像処理サーバーの中から、処理実行サーバーを選択する。
【0036】
このような選択処理により、画像処理サービス1〜3の全てにおいて、各サービス1〜3を実行する画像処理サーバーが選択・決定されるものとされている。この点については後で詳細に説明する。
【0037】
前記画像形成装置1は、画像処理サーバー21a〜21c、22a〜22c、23a〜23cに対して画像処理を依頼するために、原稿画像を画像処理サーバーに対して出力するものである。この実施形態では前述した多機能デジタル複合機であるMFPが用いられており、コピー機能、スキャン機能、ファクシミリ(FAXともいう)機能、プリント機能及びメモリ蓄積機能等を有している。
【0038】
図2は、画像形成装置1の構成を示すブロック図である。
【0039】
この画像形成装置1は、原稿の画像を読み取って電子データである画像データに変換するスキャナ部11、スキャナ部11で読み取られた原稿の画像データを処理してプリンタ部13に送信するコントローラ部12、及びコントローラ部12から送信されてきた画像データを用紙に印字するプリンタ部13を備えている。
【0040】
前記コントローラ部12の詳細を、図3のブロック図に示す。
【0041】
コントローラ部12は、CPU121、システムRAM122、画像RAM123、記憶部124、プログラムROM125、FAXモデム126、ネットワークカード127、操作パネル128、NV−RAM129、シリアルインターフェース部(シリアルI/F部)130等を備えている。
【0042】
前記CPU121は、画像形成装置1の全体を統括的に制御し、コピー機能、プリント機能、FAX機能等の各種機能を実現させるとともに、特にこの実施形態では次のような制御を行う。即ち、ユーザによって設定された複数の画像処理サービスの順序を示すサービス構成情報、及び各サーバーの画像処理にかかる費用を算出する基礎となる課金計算情報等の画像処理サーバーの選択に必要な各種情報(いずれも後述する)を生成するとともに、生成した情報及び画像処理対象の原稿画像を、最初の画像処理サービスを行う画像処理サーバー21a〜21cに送信する等の制御を行う。
【0043】
前記システムRAM122は、CPU121の動作用プログラムを動作させるために必要なデータが蓄積されており、プログラム動作時には、一時記憶領域が保持される。
【0044】
前記画像RAM123は、スキャナ部11等から送信されてきた画像データを一時的に蓄積するメモリである。
【0045】
前記記憶部124は、前記画像データやアプリケーションプログラムその他のデータを記憶するものであり、例えばハードディスク装置(HDD)により構成されている。またこの実施形態では、画像処理サーバー21a〜21c、22a〜22c、23a〜23cから取得した各画像処理サービスの内容が、記憶部124に登録・保存されている。
【0046】
前記プログラムROM125は、CPU121の動作プログラムを記憶するメモリである。さらにプログラムROM125には、操作パネル128の表示及びキー入力制御を行うプログラム、操作パネル128の表示部128bにキーの表示を行うためのグラフィックデータ、キーを押した際の挙動を定義した「キー管理情報」等も記憶されている。
【0047】
前記FAXモデム126はFAX送受信を行うための装置であり、ネットワークカード127は画像処理サーバー21a〜21c、22a〜22c、23a〜23cや端末装置31、32等の外部装置との間で、ネットワーク4を介して通信を行う通信手段として機能する。なお、画像処理サーバー21a〜21c、22a〜22c、23a〜23cと画像形成装置1との間のサービス構成情報や原稿画像等の送受信、画像処理サーバー同士間の送受信は、この実施形態ではhttp通信により行われる。
【0048】
操作パネル128は、ユーザが画像形成装置1の操作を行うためのものであり、スタートキー、ストップキー、テンキー等を備えたハードキー部128aと、ユーザに対するメッセージ、動作状態、ソフトキー等が表示されるタッチパネル式の液晶表示素子からなる表示部128bとからなる。
【0049】
前記NV−RAM129はユーザが設定した不揮発情報やテストパターン等を保存するメモリである。
【0050】
前記シリアルI/F部130は、課金装置5との間で課金のための情報の送受信を行うためのインターフェースである。
【0051】
課金装置5は画像処理サービスに対する課金を行うものである。具体的には、画像形成装置1は各画像処理サーバーの画像処理に対する課金値の合計を計算するとともに、課金値の合計を操作パネル128の表示部128bに表示する。ユーザが表示された金額を課金装置5に投入すると、課金装置5を介して課金精算が行われる。
【0052】
上記画像形成装置1において、コピー機能時には、スキャナ部11で読み込まれた画像データを画像RAM123に一旦蓄積した後、プリンタ部13に転送し、印字する。
【0053】
スキャン機能時には、スキャナ部11で読み込まれた画像データを画像RAM123に一旦蓄積した後、CPU121で読み出して汎用画像フォーマットにエンコードする。その後、ネットワークカード127経由で、E−mailやFTPのプロトコルを利用して、画像データを送信することが可能である。
【0054】
FAX機能による送信時には、スキャナ部11で読み込んだ画像データを画像RAM123に一旦蓄積したのち、FAXで送信可能な解像度、圧縮形式にCPU121で変換したのち、FAXモデム126経由で送信する。
【0055】
FAX機能による受信時には、FAXモデム126経由で受信したデータを、一旦画像RAM123に蓄積し、CPU121で印字できる形式に変換した後、プリンタ部13に送信して印字する。
【0056】
プリンタ機能時には、ネットワーク経由でネットワークカード127により受信したページ記述言語を、CPU121で画像RAM123に展開したのち、プリンタ部13に転送して印字する。
【0057】
また、前記記憶部124に画像データを蓄積しておくことで、該画像データを何度でもプリントすることができる。ユーザによって画像データの蓄積が指示されたときは、画像RAM123から記憶部124に画像データが転送され蓄積される。
【0058】
以上説明した、画像形成装置1に関しての、実際の画像読み取りや印字、プリントデータの描画などの詳細動作は、画像形成装置1として公知の技術であるため、詳細には言及しない。
【0059】
前記画像処理サーバー21a〜21c、22a〜22c、23a〜23cの構成を図4のブロック図に示す。なお、画像処理サーバー21a〜21c、22a〜22c、23a〜23cの構成は同一であるので、画像処理サーバー21aについて説明し、画像処理サーバー21b、21c、22a〜22c、23a〜23cについては説明を省略する。
【0060】
画像処理サーバー21aは、汎用のコンピュータから構成され、図4に示すように、CPU211、ROM212、RAM213、記憶部214、表示装置215、入力装置216、ネットワークインターフェース部(ネットワークI/F部)217、画像処理部218等を備え、システムバス220を介して互いに接続されている。
【0061】
CPU211は、ROM212等に保存されている動作プログラムを実行することにより、画像処理サーバー21aの全体を統括的に制御する。特にこの実施形態では、画像形成装置1から送信されあるいは前段の画像処理サーバーから転送されてきた原稿画像に、画像処理部218を介して画像処理を実施し、画像処理済み原稿画像を次段の画像処理サーバーに送信する処理を実行させる。また、次段の画像処理サーバーまたは画像形成装置1から送信されてきたテストパターンに画像処理を実施して、そのテスト結果を次段の画像処理サーバーに返送したり、前段の画像処理サーバーにテストパターンを送信し、そのテスト結果を受信してテスト結果が基準値以上かどうかを判断する。また、前記原稿画像に基づいて、自装置あるいは後段画像処理サーバーの画像処理に対する課金計算の基礎となる課金対象の数量を確定したり、前記テスト結果が基準値以上前段の画像処理サーバーの中から、いずれか1つを処理実行サーバーとして選択する等の制御を行うが、詳細は後述する。
【0062】
前記ROM212は、CPU211が実行するためのプログラムやその他のデータを保存する記憶媒体である。
【0063】
RAM213は、CPU211が動作用プログラムに従って動作する際の作業領域を提供する記憶媒体である。
【0064】
記憶部214は、ハードディスク等の記憶媒体からなり、アプリケーションプログラムその他の各種データを記憶する。この実施形態では、前段の複数の画像処理サーバーに画像処理を実施させるためのテストパターンも記憶している。
【0065】
表示装置215は、CRTや液晶表示装置等からなり、各種のメッセージ及びユーザに対する入力受付画面、選択画面等を表示する。
【0066】
入力装置216は、ユーザによる入力操作に用いられるもので、キーボードやマウス等からなる。
【0067】
ネットワークインターフェース部217は、画像形成装置1、他の画像処理サーバー、端末装置31、32、その他の外部機器との間で、ネットワーク4を介してデータの送受信を行う通信手段として機能する。
【0068】
画像処理部218は、CPU211の制御のもとで、画像処理対象の画像データに所定の画像処理を実施するものである。
【0069】
次に、図1の画像処理システムの動作の概要を説明する。
【0070】
まず、各画像処理サーバー21a〜21c、22a〜22c、23a〜23cに対して、画像形成装置1からhttpのプロトコルで通信を行い、画像処理サービスの内容を取得して、画像形成装置1に登録する。
【0071】
画像処理サービスが画像形成装置1に登録されている状態では、図5に示すように、操作パネル128の表示部128b上に画像処理サービスの種類を選択するキー128cが表示される。また、各サービスを実施する複数の画像処理サーバーのアクセス先も表示される。
【0072】
ユーザは、図6に示すサービス設定画面で、希望の画像処理サービスを各々選択することができる。選択された順番で画像処理が実施されることになる。また、ユーザは図7に示すサーバー選択方法の設定画面で画像処理サーバーの選択基準となるサーバー選択方法を選択する。この実施形態では、自動選択とユーザ指定が可能となされており、自動選択にはさらに「コスト優先」及び「スピード優先」の2種類の選択基準の選択が可能となされている。自動選択における「コスト優先」及び「スピード優先」のいずれかが選択されると、画像形成装置1はその選択を有効とするための設定を行う。
【0073】
「コスト優先」が設定されるとコストが優先され、各画像処理サービスを実行する複数の画像処理サーバーのうち最も安価な画像処理を行うサーバーが自動的に選択される。従って、この場合は、一連のサービスの課金が最も安くなる。
【0074】
「スピード優先」が設定されると処理時間が優先され、各画像処理サービスを実行する複数の画像処理サーバーのうち画像処理時間が最も短い画像処理を行う画像処理サーバーが自動的に選択される。従ってこの場合は、一連のサービスの処理時間が短縮される。
【0075】
このように、画像処理サーバーが選択される際の選択基準を、ユーザの操作に基づいて設定でき、この設定された選択基準に適応した画像処理サーバーが選択されるから、ユーザの意図に応じた組み合わせの画像処理サービスを行うことができる。なお、以下の説明では、選択基準として自動選択における「コスト優先」が設定された場合を説明する。
【0076】
ユーザがスタートキー128dを押すことで、動作がスタートする。
【0077】
なお、画像処理サービスの登録時には、各サービスの「機能」、「アクセス先」、「課金対象(原稿面数か文字数か原稿面積か)」などが、各画像処理サーバー21a〜21c、22a〜22c、23a〜23cから画像形成装置1へ通知され、画像形成装置1で管理される。
【0078】
画像形成装置1は、スタートキー128dが押されると、原稿をスキャナ部11で読み取ることにより原稿画像を入力する。また、ユーザが選択した全ての画像処理サービスとその順序を示す順序情報としてのサービス構成情報を生成する。
【0079】
サービス構成情報の一例を図8に示す。この例では、サービス構成情報は、画像処理サービスの実施順と、各画像処理サービスを実施する画像処理サーバー21a〜21c、22a〜22c、23a〜23cに原稿画像を送信する際の画像処理サーバー21a〜21c、22a〜22c、23a〜23cの転送ポートのアドレスと、原稿画像以外の各種情報を送信する際の画像処理サーバー21a〜21c、22a〜22c、23a〜23cの情報通信ポートのアドレスと、画像処理サービスの種類と、各画像処理サーバー21a〜21c、22a〜22c、23a〜23cの課金対象と、課金対象の単位あたりの課金値である単価のテーブルと、基準値と、能力検査方法の各情報により構成されている。つまり、サービス構成情報に、各画像処理サーバーの情報が集約されている。なお、図8のサービス構成情報では、上位の行から下位の行に向かって、画像処理サーバー21a、21b、21c、22a、22b、22c、23a、23b、23cに対応する内容が記述されている。また、画像処理サービスの実施順、転送ポートのアドレス、情報通信ポートのアドレス、画像処理サービスの種類、課金対象、単価テーブルは、画像形成装置1が情報を把握しているため、最初からセットされている。
【0080】
前記基準値は、各画像処理サーバーによって実施されるテスト画像に対する画像処理能力を評価するためのものであり、各画像処理サーバーに要求される画像処理能力の基準を示すものである。例えばOCR処理の「99%」は認識率99%以上が求められている。この基準値は、この実施形態では、各画像処理毎に画像形成装置1で決定され、サービス構成情報に記述される。なお、最終段の画像処理サーバー23a〜23cの画像処理能力の評価は、画像形成装置1が行うため、終段の画像処理サーバー23a〜23cについての基準値はサービス構成情報に記載されていない。また、基準値は、各画像処理毎に予め管理者等のユーザ(操作者)によって設定されても良いし、ジョブ毎にジョブのモード情報等を考慮して基準値を変更しても良い。さらに、後段サーバーの画像処理に適した基準値とするため、後段サーバーが設定した基準値を採用しても良い。また、各画像処理済みの画像データを対応する画像処理サーバーに転送し、該画像処理サーバーが前段の画像処理サーバーから取得したテスト結果を基に基準値以上かどうかを判断しても良い。
【0081】
また、画像形成装置1はサービス構成情報の生成と同時に、図9に示す処理実行サーバー情報と、図10に示す課金計算情報と、選択基準情報を生成する。
【0082】
図9に示す前記処理実行サーバー情報は、画像処理サーバーが1つ前の複数の前段画像処理サーバーの中から、コスト優先で選択した画像処理サーバーを処理実行サーバーとしてセットする(書き込む)テーブルによって構成された情報である。
【0083】
また、図10に示す前記課金計算情報は、転送先と課金対象と該課金対象の数量の確定値を書き込むテーブルによって構成された情報である。
【0084】
また、前記選択基準情報は、サーバー選択方法として「コスト優先」または「スピード優先」のいずれが設定されているかを示す情報である。
【0085】
画像形成装置1で入力された原稿画像、生成されたサービス構成情報、処理実行サーバー情報、課金計算情報及び選択基準情報は、図1の矢印(1)で示されるように、最初の画像処理サービス1を行う3個の画像処理サーバー21a〜21cのそれぞれヘ転送される。
【0086】
この実施形態では、図8のサービス構成情報に示したように、画像処理サーバー21a〜21c、22a〜22c、23a〜23cは、原稿画像とサービス構成情報や課金計算情報等の各種情報とを、異なる通信ポートを用いて送受信を行うから、画像形成装置1と画像処理サーバー21a〜21cとの間、及び画像処理サーバー21a〜21c、22a〜22c、23a〜23cの相互間では、原稿画像とサービス構成情報等の各種情報とは、異なる転送経路でそれぞれ別々に独立して転送される。このため画像形成装置1は、実施している一連の処理を識別するためのジョブ番号を、各情報及び原稿画像に付与して画像処理サーバー21a〜21cへ送信する。
【0087】
また、画像形成装置1は、課金計算情報の確定値の項目については、例えば原稿をスキャナ部11読み取りながら原稿枚数が確定した段階で、図10に示すように、課金対象項目の原稿面数について数値をセットし、画像処理サーバー21a〜21cへ送信する。
【0088】
次に、画像形成装置1からの原稿画像、サービス構成情報、処理実行サーバー情報、課金計算情報、選択基準情報を受信した、画像処理サービス1を提供する画像処理サーバー21a〜21cの動作を説明する。
【0089】
画像処理サーバー21a〜21cは、受信した前記選択基準情報を参照し、サーバー選択処理に必要な処理を決定する。この実施形態では、前述したように「コスト優先」が選択されているから、課金値が最安値になるサーバーの組合せ(処理ルート)を選択するものと判断し、自サービスの課金値の計算及び次サービスの各後段画像処理サーバー22a〜22cへの課金計算情報の送信のために必要な処理を行う。また、前記選択基準情報及びサービス構成情報を必要に応じて記憶したのち、サービス構成情報を参照し、各後段画像処理サーバー22a〜22cへ送信する。また、画像処理サーバー21a〜21cの前段に画像処理サーバーは存在せず、画像処理サーバー21a〜21cは前段画像処理サーバーを選択する必要はないから、処理実行サーバー情報もそのまま各後段画像処理サーバー22a〜22cへ送信する。
【0090】
さらに画像処理サーバー21a〜21cは、画像形成装置1から受信した原稿画像に対して、白紙除去の画像処理を実施する。画像処理が終了したら、サービス構成情報を参照し、次の送信先である画像処理サーバー22a〜22cに原稿画像を転送する。
【0091】
さらに画像処理サーバー21a〜21cは、画像形成装置1から受信した課金計算情報に記載されている原稿面数から、自サービスである白紙除去処理に要する課金値を計算する。例えば、画像処理サーバー21aでは、サービス構成情報を参照すると単価10円であり、課金計算情報を参照すると原稿面数20枚であるから、課金値は200円となる。
【0092】
画像処理サーバー21bでは、サービス構成情報を参照すると単価20円であり、課金計算情報を参照すると原稿面数20枚であるから、課金値は400円となる。
【0093】
画像処理サーバー21cでは、サービス構成情報を参照すると単価30円であり、課金計算情報を参照すると原稿面数20枚であるから、課金値は600円となる。
【0094】
計算された課金値を示す課金値情報が、サーバー選択用情報として次の画像処理を行う後段画像処理サーバー22a〜22cに転送される。
【0095】
さらに画像処理サーバー21a〜21cは、画像処理である白紙除去処理を実施しながら、原稿画像の構成情報を抽出し、画像処理サービス2を提供する各画像処理サーバー22a〜22cの課金対象の数量が確定した段階でその数量を課金計算情報にセットし、その後、課金計算情報を各後段画像処理サーバー22a〜22cに送信する。ただし、画像処理サーバー22aの課金対象は文字認識処理で検出された検出文字数であり、画像処理サーバー21a〜21cでは検出文字数の数量を確定できないため、該当部分は空白のままで画像処理サーバー22aに送信する。
【0096】
例えば、画像処理サーバー21a〜21cが何枚か白紙除去を行った結果、原稿面数が図11の表に示すように、画像処理サーバー21aでは15枚、画像処理サーバー21bでは17枚、画像処理サーバー21cでは19枚となったと仮定すると、画像処理サーバー21aから各後段画像処理サーバー22a〜22cに送信される課金計算情報には、図12(a)に示すような値がセットされる。つまり、各送信先の画像処理サーバー22a〜22cに対応する課金対象とその数量の確定値がセットされる。画像処理サーバー22b及び22cの課金対象である原稿面数の数量として、画像処理サーバー21aで確定された15枚がセットされている。画像処理サーバー22aの課金対象は、前述したように文字認識処理で検出された検出文字数であるから、数量の確定値は空欄のままとなっている。
【0097】
一方、画像処理サーバー21bから各後段画像処理サーバー22a〜22cに送信される課金計算情報には、図12(b)に示すように、画像処理サーバー22b及び22cの課金対象である原稿面数の数量として、画像処理サーバー21bで確定された17枚がセットされている。
【0098】
同様に、画像処理サーバー21cから各後段画像処理サーバー22a〜22cに送信される課金計算情報には、図12(c)に示すように、画像処理サーバー22b及び22cの課金対象である原稿面数の数量として、画像処理サーバー21cで確定された19枚がセットされている。
【0099】
次に、各画像処理サーバー21a〜21cから、原稿画像、選択基準情報、サービス構成情報、処理実行サーバー情報、課金計算情報及び課金値情報を受信した、画像処理サービス2を提供する各画像処理サーバー22a〜22cの動作を説明する。
【0100】
画像処理サーバー22a〜22cは、受信した前記選択基準情報を参照し、前段画像処理サーバー21a〜21cの中から1つの画像処理サーバーを処理実行サーバーとして選択するサーバー選択処理を行う。この実施形態では「コスト優先」の基準設定がなされているから、前段画像処理サーバー21a〜21cの中で、課金値が最安であるサーバーを選択する。
【0101】
具体的には、前段画像処理サーバー21a〜21cからそれぞれ送信された課金値情報を検証することにより選択を行う。
【0102】
ただし、この実施形態では、後段の画像処理サーバー22a〜22cはテストパターンを、前段画像処理サーバー21a〜21cに送信するとともに、前段画像処理サーバーがテストパターンに対して画像処理を行った結果(テスト結果)を回収し、そのテスト結果に基づいて一定品質以上の画像処理を行う前段画像処理サーバー21a〜21cをまず選択し、その選択された前段画像処理サーバー21a〜21cの中から、課金値が最安であるサーバーを選択する。
【0103】
なお、テストパターンは、この実施形態では、後段画像処理サーバー22a〜22cが記憶部214等に予め保持しているが、画像形成装置1がNV−RAM129等に予め保持していて、画像形成装置1から前段画像処理サーバー21a〜21cに転送されても良い。このテストパターンは、前段画像処理サーバー21a〜21cの画像処理品質を評価できる内容のものであり、前段画像処理サーバーの画像処理の内容に応じて異なったものが用意されている。例えば、前段画像処理サーバーがQRコードや文字を原稿画像に合成する処理であり、後段画像処理サーバーが文字認識処理を行うような場合には、QRコードや文字の合成位置や合成の仕方によっては、後段の文字認識処理を的確に行えないおそれがある。この場合、予めテストパターンに対する合成処理を前段画像処理サーバーが行った結果を検証することで、後段の文字認識処理を妨げることなく合成処理を行う前段画像処理サーバーが選択される。
【0104】
ここで、前段画像処理サーバー21a〜21cの画像処理は白紙除去であるから、後段画像処理サーバー22a〜22cは、白紙除去用のテストパターンを前段画像処理サーバー21a〜21cに送信する。前段画像処理サーバー21a〜21cは、送信されたテストパターンに白紙除去処理を実行し、テスト結果として白紙除去処理済みのテスト用画像データを後段画像処理サーバー22a〜22cに返信する。
【0105】
後段画像処理サーバー22a〜22cは、前段画像処理サーバー21a〜21cからの白紙除去処理済みのテストパターンの白紙除去精度を調べ、サービス構成情報に記載されている基準値と比較し、基準値以上の性能を有しているか否かを判断し、基準値以上の性能を有していれば、選択対象として残し、有していなければ選択対象から除外する。
【0106】
なお、前段画像処理サーバー21a〜21cは、送信されたテストパターンに白紙除去処理を実行し、テスト結果として白紙除去処理済みのテスト用画像データを後段画像処理サーバー22a〜22cに返信するものとしたが、前段画像処理サーバー21a〜21cが白紙除去精度を調べ、その結果をテスト結果として後段画像処理サーバー22a〜22cに通知しても良い。
【0107】
図13(a)に、前段画像処理サーバー21a〜21cからの課金値情報の一覧を示す。前段画像処理サーバー21a〜21cの中で、画像処理サーバー21bの課金値が最も安価であるが、テスト結果に基づく画像処理の判定結果が「NG」になっている。そこで、後段画像処理サーバー22a〜22cは、テスト結果に基づく画像処理の判定結果が「OK」になっている画像処理サーバー21b、21cの中から、課金値がより安価な画像処理サーバー21aを処理実行サーバーとして選択・決定する。
【0108】
そして、図13(b)に示すように、処理実行サーバー情報における画像処理サービス1に対応するサーバー及び課金値の欄に、画像処理サーバー21aと課金値400円をセットしたのち、サービス構成情報を参照し次段の画像処理サーバー23a〜23cに送信する。なお、選択基準情報及びサービス構成情報は必要に応じて記憶したのち、前記処理実行サーバー情報とともにあるいは別に、各後段画像処理サーバー23a〜23cへ送信する。
【0109】
さらに画像処理サーバー22a〜22cは、選択した画像処理サーバー21から受信した各原稿画像に対して、画像処理である文字認識処理を実施する。画像処理が終了したら、サービス構成情報を参照し、次の送信先である画像処理サーバー23a〜23cに原稿画像を転送する。
【0110】
さらに画像処理サーバー22a〜22cは、選択した画像処理サーバー21aから受信した課金計算情報に基づいて、自サービスである文字認識処理に要する課金値を計算する。
【0111】
画像処理サーバー22aの課金対象は検出文字数であり、その確定値は画像処理サーバー21aから受信した課金計算情報にはセットされていない。このため、自サービスの文字認識処理で検出した文字数を保持しておき、課金値の計算を行う。例えば、検出文字数が100文字であったとすると、単価はサービス構成情報を参照すると8円であるから、過勤料は800円となる。
【0112】
画像処理サーバー22bでは、課金対象は原稿面数であり、その確定値は画像処理サーバー21aから受信した課金計算情報にセットされており、この例では15枚である。また、サービス構成情報を参照すると単価50円であるから、課金値は750円となる。
【0113】
画像処理サーバー22cでは、課金対象は原稿面数であり、その確定値は画像処理サーバー22bの場合と同様に15枚である。また、サービス構成情報を参照すると単価60円であるから、課金値は900円となる。
【0114】
計算された課金値は課金値情報として次の画像処理を行う後段画像処理サーバー23a〜23cに転送される。
【0115】
さらに画像処理サーバー22a〜22cは、画像処理である文字認識処理を実施しながら、後段画像処理サーバー23a〜23cの課金対象を検出可能である場合は、これを検出する。後段画像処理サーバー23a〜23cの課金対象は文字数であり検出可能であるから、文字数が確定した段階でその数量を課金計算情報にセットし、課金計算情報を各後段画像処理サーバー23a〜23cに送信する。
【0116】
例えば、画像処理サーバー22a〜22cが文字認識処理を行った結果、文字数が図14の表に示すように、画像処理サーバー22aでは100文字、画像処理サーバー22bでは110文字、画像処理サーバー22cでは90文字となったと仮定すると、画像処理サーバー22aから各後段画像処理サーバー23a〜23cに送信される課金計算情報には、図15(a)に示すような値がセットされる。つまり、各送信先の画像処理サーバー23a〜23cに対応する課金対象とその数量の確定値100がセットされる。
【0117】
一方、画像処理サーバー22bから各後段画像処理サーバー23a〜23cに送信される課金計算情報には、図15(b)に示すように、画像処理サーバー22bで確定された数量110がセットされている。
【0118】
同様に、画像処理サーバー22cから各後段画像処理サーバー23a〜23cに送信される課金計算情報には、図15(c)に示すように、画像処理サーバー22cで確定された数量90がセットされている。
【0119】
次に、各画像処理サーバー22a〜22cからの原稿画像、選択基準情報、サービス構成情報、処理実行サーバー情報、課金計算情報及び課金値情報を受信した、画像処理サービス3を提供する画像処理サーバー23a〜23cの動作を説明する。
【0120】
画像処理サーバー23a〜23cは、受信した前記選択基準情報を参照し、前段画像処理サーバー22a〜22cの中から1つの画像処理サーバーを処理実行サーバーとして選択するサーバー選択処理を行う。この実施形態では「コスト優先」が選択されているから、前段画像処理サーバー22a〜22cの中で、課金値が最安であるサーバーを選択する。
【0121】
具体的には、前段画像処理サーバー22a〜22cからそれぞれ送信された課金値情報を検証することにより行うが、前述と同様に、後段の画像処理サーバー23a〜23cはテスト用画像データを、前段画像処理サーバー22a〜22cに送信するとともに、前段画像処理サーバーがテストパターンに対して画像処理を行った際のテスト結果を回収し、そのテスト結果がサービス構成情報に記載されている基準値以上か否かを判断し、基準値以上である前段画像処理サーバー22a〜22cの中から、課金値が最安であるサーバーを選択する。
【0122】
図16(a)に、前段画像処理サーバー22a〜22cからの課金値情報の一覧を示す。前段画像処理サーバー22a〜22cの中で、画像処理サーバー22aの課金値が最も安価であるが、テスト結果に基づく画像処理の判定結果が「NG」になっている。そこで、後段画像処理サーバー23a〜23cは、テスト結果に基づく画像処理の判定結果が「OK」になっている画像処理サーバー22b、22cの中から、課金値がより安価な画像処理サーバー22aを処理実行サーバーとして選択・決定する。
【0123】
そして、図16(b)に示すように、処理実行サーバー情報における画像処理サービス2に対応するサーバー及び課金値の欄に、画像処理サーバー22bと課金値750円をセットしたのち、サービス構成情報を参照して次の画像処理サーバーが存在しないことを確認して、処理実行サーバー情報を選択基準情報やサービス構成情報とともに、あるいは別に画像形成装置1に送信する。
【0124】
さらに画像処理サーバー23a〜23cは、選択した画像処理サーバー22bから受信した各原稿画像に対して、画像処理である翻訳処理を実施する。画像処理が終了したら、サービス構成情報を参照し、次の送信先である画像形成装置1に原稿画像を転送する。
【0125】
さらに画像処理サーバー23a〜23cは、選択した画像処理サーバー22bから受信した課金計算情報に基づいて、自サービスである翻訳処理に要する課金値を計算する。
【0126】
画像処理サーバー23a〜23cの課金対象は文字数であり、その確定値は画像処理サーバー22bから受信した課金計算情報にセットされており、この例では110文字である。また、サービス構成情報を参照すると単価はそれぞれ70円、80円、90円であるから、課金値はそれぞれ7700円、8800円、9900円となる。
【0127】
計算された課金値は課金値情報として画像形成装置1に転送される。
【0128】
なお、画像処理サービス3は最後のサービスであるため、画像処理サーバー23a〜23cからの課金計算情報の画像形成装置1への転送は行わなくてもよい。また、選択基準情報やサービス構成情報の転送も行わなくても良い。
【0129】
最終段の画像処理サーバー23a〜23cから、少なくとも原稿画像、処理実行サーバー情報及び課金値情報を受信した画像形成装置1は、該画像形成装置1で設定されている「コスト優先」の選択基準に基づいて、画像処理サーバー23a〜23cの中で、課金値が最安であるサーバーを選択する。
【0130】
具体的には、最終段の画像処理サーバー23a〜23cからそれぞれ送信された課金値情報を検証することにより選択を行うが、前述と同様に、画像形成装置1はテストパターンを、最終段の画像処理サーバー23a〜23cに送信するとともに、最終段の画像処理サーバーがテストパターンに対して画像処理を行った際のテスト結果を回収し、そのテスト結果が基準値以上か否かを判断し、基準値以上である前段画像処理サーバー23a〜23cの中から、課金値が最安であるサーバーを選択する。
【0131】
図17(a)に、最終段の画像処理サーバー23a〜23cからの課金値情報の一覧を示す。画像処理サーバー23a〜23cの中で、画像処理サーバー23aの課金値が最も安価であり、画像処理のテスト結果判定も基準値以上であるから、画像形成装置1は、画像処理サーバー23aを処理実行サーバーとして選択・決定する。そして、図17(b)に示すように、処理実行サーバー情報における画像処理サービス3に対応するサーバー及び課金値の欄に、画像処理サーバー23aと課金値7700円をセットする。これにより、各画像処理サービス1〜3における画像処理サーバーの組み合わせ(処理ルート)と、サービス全体の合計課金値が確定する。
【0132】
なお、画像処理サーバーの選択基準として「スピード優先」が設定された場合には、前段画像処理サーバーから次の後段画像処理サーバーには、前段画像処理サーバーによる原稿画像に対する画像処理時間(予定時間)を示す情報もサーバー選択用情報として転送される。後段画像処理サーバーは、前段の3個の画像処理サーバーの画像処理時間のうち最も処理時間の短い画像処理サーバーであって、かつテスト結果の判定に基づく画像処理性能が基準値以上の画像処理サーバーを、処理実行サーバーとして選択する。この場合、前段画像処理サーバーは実際に原稿画像に画像処理を実施するのではなく、計算された処理時間を後段画像処理サーバーや画像形成装置1に通知し、後段画像処理サーバーや画像形成装置1で選択後に、選択された画像処理サーバーが実際の画像処理を実施する構成としても良い。また、画像処理後の原稿画像が最も早く後段画像処理サーバーに到達した前段画像処理サーバーを、処理実行サーバーとして選択しても良い。
【0133】
また、「スピード優先」が設定されている場合、画像処理時間で評価するのではなく、前段画像処理サーバーのジョブ予約状況を比較し、ジョブ予約の少ない前段画像処理サーバーを処理実行サーバーとして選択しても良い。この場合も、後段画像処理サーバーや画像形成装置1で選択後に、選択された画像処理サーバーが実際の画像処理を実施することになる。さらに、画像処理時間とジョブ予約状況の両方を考慮して、最も画像処理が早く終わるサーバーを処理実行サーバーとして選択しても良い。
【0134】
このように、この実施形態では、画像形成装置から送信された画像処理対象の画像データに対して、複数の画像処理サーバーで順番に画像処理を実施する場合であって、複数の画像処理サービスのそれぞれについて、複数の画像処理サーバーの候補が存在している場合に、前段画像処理サーバーを1つ後の後段画像処理サーバーが選択し、最終段の画像処理サーバーを画像形成装置が選択することで、各サービスを行う画像処理サーバーを選択・決定するから、高性能な中央サーバーや画像形成装置を必要とすることなく、各画像処理サーバーを選択することができる。しかも、1つ後の画像処理サーバーまたは画像形成装置1により、前段画像処理サーバーが選択されるから、後段画像処理サーバーによる画像処理が、前段画像処理サーバーによる画像処理によって影響を受ける場合であっても、この影響を把握して前段画像処理サーバーを選択することができ、このため最適な画像処理サーバーを的確に選択することができる。
【0135】
しかも、後段の画像処理サーバーから前段の画像処理サーバーへ、また画像形成装置1から最終段の画像処理サーバーへテストパターンが送信されるとともに、前段の画像処理サーバーや最終段の画像処理サーバーでテストパターンに対して画像処理が実施されたテスト結果を、後段の画像処理サーバーや画像形成装置1が取得し、基準値と比較することにより、画像処理性能が一定以上と判断された画像処理サーバーの中から、最適な画像処理サーバーが選択されるから、各画像処理サービスの品質を確実に保証することができる。
【0136】
その後、画像形成装置1は、処理実行サーバー情報に書き込まれた各画像処理サービスの課金値を総計することにより、課金装置5による課金を行う。具体的には、画像形成装置1はシリアルインターフェース部130に接続された課金装置5と通信を行い、計算された合計課金値(課金額)を課金装置5に通知すると共に、図18(a)に示すように、操作パネル128の表示部128bに、課金額と料金の投入をユーザに促す旨のメッセージを表示してユーザに知らせる。ユーザが相当金額を課金装置5に投入することにより、課金装置5は精算を行い、画像形成装置1の操作パネル128の表示部128bは図18(b)の表示に切り替わる。ユーザがスタートボタン128dを押すと、画像処理サービスを経て画像処理された原稿画像が、画像形成装置1から印字され、あるいは所定の宛先に送信される。
【0137】
次に、画像形成装置1及び画像処理サーバー21a〜21c、22a〜22c、23a〜23cの動作を、フローチャートを参照しつつ説明する。
【0138】
画像形成装置1は、前述したように、プログラムROM125に格納された動作プログラムに従ってCPU121が動作することにより、全体の処理を行う。
【0139】
画像形成装置1は、電源が投入されると、図19に示すように内部プログラムの初期化処理、ハードウェアの初期化処理等の初期化処理(ステップS2)を実行する。次いで、ジョブの実行状態を示す「ジョブ状態」を「アイドル中」に初期化したのち(ステップS3)、各画像処理サーバー21a〜21c、22a〜22c、23a〜23cによる画像処理サービスの登録処理(ステップS4)を実施し、実際のジョブ処理(ステップS5)、テスト用画像データに対して画像処理能力を評価するための基準値を決定する基準値処理(ステップS6)を実施する。そして、画像処理サービスの登録処理(ステップS4)と実際のジョブ処理(ステップS5)と基準値処理(ステップS6)を繰り返す。
【0140】
図20は、図19のサービス登録処理(ステップS4)のサブルーチンを示すフローチャートである。なお、画像処理サービスの登録は、事前に管理者等の操作により行われる処理である。
【0141】
ステップS41で、操作パネル128によるサービス登録操作かどうかを確認し、登録操作でなかった場合には(ステップS41でNO)、リターンする。登録操作であった場合には(ステップS41でYES)、すでに本体に登録されている利用可能な画像処理サービスの一覧を表示する(登録項目は別途更新可能とする)。ユーザが、希望する画像処理サービス選択すると、ステップS43でこれを受け付け、ステップS44で、選択が確定したかどうかをユーザの操作に基づいて判断する。確定されなければ(ステップS44でNO)、リターンする。確定した場合には(ステップS44でYES)、ステップS45で、選択した画像処理サーバーに対して処理能力と課金対象等の課金に必要な情報を問い合わせ、ステップS46で、その情報をNV−RAM129に記憶しておく。
【0142】
図21は、図19のジョブ処理(ステップS5)のサブルーチンを示すフローチャートであり、実際に画像処理サービスを選択してジョブを実行する処理である。
【0143】
ステップS511で、「ジョブ状態」のフラグを確認し、「アイドル中」か、「画像転送」か、「サーバー選択処理」か、「課金処理」か、いずれのステートであるかによって分岐する。
【0144】
ジョブ状態がアイドル中のステート場合、ステップS512で、操作パネル128によるモードや画像処理サービスの選択操作を、ユーザが行っているかどうかを確認する。行っていない場合(ステップS512でNO)、リターンする。行っていた場合(ステップS512でYES)、ステップS513で、操作パネル128のモード・サービス選択処理を行う。ユーザがサーバー選択方法として「自動選択」を選択し、「コスト優先」「スピード優先」のいずれかを選択した場合、ステップS54で、選択内容に応じた選択基準の設定を行う。
【0145】
次いで、ステップS515で、「サービス構成情報」「選択基準情報」「処理実行サーバー情報」を生成する。なお、以下の説明において、「サービス構成情報」「選択基準情報」「処理実行サーバー情報」を「初期登録設定情報」ともいう。
【0146】
そして、ステップS516で、ユーザによりスタートキーが押されたかどうか、換言すればジョブスタートかどうかを判断し、ジョブスタートでなければ(ステップS516でNO)、リターンする。ジョブスタートであれば(ステップS516でYES)、ステップS517でジョブ番号を生成し、ステップS518で、ステップS515で生成した初期登録設定情報を、最初の画像処理サービスを行う画像処理サーバー21a〜21cにジョブ番号を付して送信したのち、ステップS519で、「ジョブ状態」のフラグを「画像転送」に設定したのち、リターンする。
【0147】
ステップS511において、「ジョブ状態」が「画像転送」のステートの場合は、ステップS521に進み、入力された原稿画像をネットワーク上に転送する処理を実施する。原稿画像の入力は、スキャナ部11で原稿を読み取ることにより行われても良いし、端末装置31、32からプリント画像を受信することにより行われても良い。
【0148】
転送処理後、ステップS522で、課金計算情報における課金対象の数量が確定されたかどうかを判断する。確定されていなければ(ステップS522でNO)、リターンする。確定されていれば(ステップS522でYES)、ステップS523で、確定値を課金計算情報にセットし、ジョブ番号を付与して画像処理サーバー21a〜21cに送信する。
【0149】
次いで、ステップS524で、「ジョブ状態」のフラグを「サーバー選択処理」に設定したのち、リターンする。
【0150】
ステップS511において、「ジョブ状態」が「サーバー選択処理」のステートの場合は、ステップS525に進み、最終段のサーバー選択処理を実行する。次いで、ステップS526で、「ジョブ状態」のフラグを「課金処理」に設定したのち、リターンする。
【0151】
ステップS511において、「ジョブ状態」が「課金処理」のステートの場合は、ステップS527に進み、課金制御を実施した後、リターンする。
【0152】
図22は、図21のステップS525の最終段のサーバー選択処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0153】
ステップS5251で、サーバー選択方法として自動選択が設定されているかどうかを判断する。自動選択が設定されていなければ(ステップS5251でNO)、リターンする。
【0154】
自動選択が設定されていれば(ステップS5251でYES)、ステップS5252に進み、テスト用画像データ(テストパターン)を最終段の画像処理サーバー23a〜23cに送信する。
【0155】
次いで、ステップS5253で、最終段の画像処理サーバー23a〜23cからテストパターンのテスト結果を受信済みかどうかを判断し、受信済みでなければ(ステップS5253でNO)、リターンする。受信済みであれば(ステップS5253でYES)、ステップS5254で、テスト結果を判定した結果、基準値以上の画像処理サーバーがあるかどうかを判断する。
【0156】
基準値以上の画像処理サーバーがなければ(ステップS5254でNO)、ターンする。基準値以上の画像処理サーバーがあれば(ステップS5254でYES)、ステップS5255で、選択基準は「コスト優先」かどうかを判断する。コスト優先であれば(ステップS5255でYES)、ステップS5256で、最終段の画像処理サーバー23a〜23cから送信されている課金値情報を検証し、テスト結果が基準値以上の画像処理サーバーの中から、最も安価な画像処理サーバーを最終段の処理実行サーバーとして選択・決定したのち、ステップS5257に進む。
【0157】
ステップS5255でコスト優先でなければ(ステップS5255でNO)、ステップS5258に進み、選択基準は「スピード優先」かどうかを判断する。ステップS5258でスピード優先でなければ(ステップS5258でNO)、リターンする。スピード優先であれば(ステップS5258でYES)、ステップS5259で、最終段の画像処理サーバー23a〜23cから送信されている処理時間情報を検証し、最も処理時間の短い画像処理サーバーを最終段の処理実行サーバーとして選択・決定したのち、ステップS5257に進む。
【0158】
なお、選択基準が「スピード優先」の場合は、画像処理サーバーの選択後に、その選択したサーバーに再度画像処理を実行させ、課金値情報を受領することになる。
【0159】
ステップS5257では、処理実行サーバー情報に、決定した画像処理サーバーとその課金値をセットしたのち、リターンする。
【0160】
図23は、図21のステップS527の課金制御処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0161】
ステップS5271で、課金値情報等が画像形成装置1に到達しているかどうかを判断する。到達していなければ(ステップS5271でNO)、リターンする。到達していれば(ステップS5271でYES)、ステップS5272で、処理実行サーバー情報に全ての値がセットされているかどうかを確認する。セットされていなければ(ステップS5272でNO)、リターンする。セットされていれば(ステップS5272でYES)、ステップS5273で課金値の合計を計算し、ステップS5274で請求金額を操作パネル128の表示部128bに表示する。
【0162】
次にステップS5275で、請求金額投入待ち状態かどうかを判断し、投入待ち状態でなければ(ステップS5275でNO)、リターンする。投入待ち状態であれば(ステップS5275でYES)、ステップS5276で、投入金額が適正かどうかを判断する。適正でなければ(ステップS5276でNO)、リターンする。
【0163】
適正であれば(ステップS5276でYES)、ステップS5277で、スタートキー128dが押されたかどうかを判断する。押されなければ(ステップS5277でNO)、リターンする。押されると(ステップS5277でYES)、ステップS5278で、画像処理済みの原稿画像が画像形成装置1に到達しているかどうかを判断する。
【0164】
到達していなければ(ステップS5278でNO)、リターンする。到達していると(ステップS5278でYES)、ステップS5279で、原稿画像を印刷する、あるいはネットワーク上に送信する等の処理を実施した後、ステップS5280に進む。
【0165】
ステップS5280では、画像印刷あるいはネットワーク上への送信等の処理が終了するのを待ち(ステップS5280でNO)、終了すると(ステップS5280でYES)、ステップS5281で、全ての画像処理サーバー21a〜21c、22a〜22c、23a〜23cに、ジョブ番号とジョブが終了したことを通知し、ステップS5282で、「ジョブ状態」のフラグを「アイドル中」に設定したのち、リターンする。
【0166】
なお、課金処理は課金装置5への金額の投入によって行われるものとしたが、課金合計値を画像形成装置1が登録しておいて、ユーザの端末装置31、32等に請求を行う構成としても良い。
【0167】
図24は、図19のステップS6の基準値処理のサブルーチンを示すフローチャートであり、管理者等によって設定される場合の処理を示す。
【0168】
ステップS61で、画像形成装置1の操作が基準値登録操作かどうかを判断し、基準値登録操作でなければ(ステップS61でNO)、リターンする。基準値登録操作であれば(ステップS61でYES)、ステップS62で、登録済みのサービス一覧を操作パネル128に表示する。次いで、ステップS63で、前記サービスに対して基準値が入力されるとこれを受け付け、ステップS64で確定操作が行われたかどうかを判断する。
【0169】
確定操作が行われなければ(ステップS64でNO)、リターンする。確定操作が行われると(ステップS64でYES)、ステップS65で、その基準値をNV−RAM129に記憶してリターンする。こうして、基準値が設定される。
【0170】
図25は、基準値をジョブ毎に設定する場合の基準値処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0171】
ステップS61で、画像形成装置1の操作が基準値登録操作かどうかを判断し、基準値登録操作でなければ(ステップS61でNO)、リターンする。基準値登録操作であれば(ステップS61でYES)、ステップS62で、登録済みのサービス一覧を操作パネル128に表示する。次いで、ステップS63で、前記サービスに対して基準値が入力されるとこれを受け付け、ステップS64で確定操作が行われたかどうかを判断する。
【0172】
確定操作が行われなければ(ステップS64でNO)、リターンする。確定操作が行われると(ステップS64でYES)、ステップS65で、その基準値をジョブのモード情報として記憶する。
【0173】
次に、画像処理サーバー21a〜21c、22a〜22c、23a〜23cの動作を、図26〜図31のフローチャートを用いて説明する。画像処理サーバー21a〜21c、22a〜22c、23a〜23cの動作は、各サーバーのCPU211がROM212や記憶部214等に格納された動作プログラムに従って動作することにより実行される。
【0174】
図26は、メインルーチンを示すフローチャートである。
【0175】
画像処理サーバー21a〜21c、22a〜22c、23a〜23cは、プログラムの初期化処理(ステップS11)、通信処理(ステップS12)、画像処理(ステップS13)を順次実施したのち、ステップS14で、ジョブに関する処理が終了したことを画像形成装置1から受信したかどうかを判断し、受信していなければ(ステップS14でNO)、ステップS12に戻る。受信した場合は(ステップS14でYES)、ステップS15で、ジョブ番号に関する内部情報をクリアする。
【0176】
なお、通信処理(ステップS12)と画像処理(ステップS13)は、別の処理プロセスで構成されてもよい。
【0177】
図27は、前記通信処理(ステップS12)のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0178】
ステップS121で初期登録設定情報を受信し、ステップS122で、前段画像処理サーバーの選択に必要な情報を取得したのち、ステップS123で、前段画像処理サーバーの選択が可能かどうかを判断する。可能でなければ(ステップS123でNO)、ステップS127で、前段画像処理サーバーの選択に必要な情報が送信されてくるのを待ち、ステップS122に戻る。
【0179】
前段画像処理サーバーの選択が可能であれば(ステップS123でYES)、ステップS124で前段画像処理サーバーの選択処理を実行し、ステップS125で、自装置の課金計算処理、換言すれば自装置での画像処理に対する課金値の計算を実行し、ステップS126で、後段サーバーでの選択に必要な情報の抽出処理を実施したのち、リターンする。各処理については以下に詳述する。
【0180】
図28は、図27の前段サーバーの選択処理(ステップS124)のサブルーチンを示すフローチャートである。この処理は、前段画像処理サーバーの中から1つを処理実行サーバーとして選択する処理である。
【0181】
ステップS1241で、サーバー選択方法として自動選択が設定されているかどうかを判断する。自動選択が設定されていなければ(ステップS1241でNO)、リターンする。
【0182】
自動選択が設定されていれば(ステップS1241でYES)、ステップS1242に進み、前段の画像処理サーバーにテストパターンを送信する。
【0183】
ステップS1243では、テストパターンの処理結果(テスト結果)を受信しているかどうかを判断し、受信していなければ(ステップS1243でNO)、リターンする。受信していれば(ステップS1243でYES)、ステップS1244で、テスト結果が基準値以上の画像処理サーバーがあるかどうかを判断する。
【0184】
基準値以上の画像処理サーバーがなければ(ステップS1244でNO)、リターンする。あれば(ステップS1244でYES)、ステップS1245に進む。
【0185】
ステップS1245では、選択基準は「コスト優先」かどうかを判断する。コスト優先であれば(ステップS1245でYES)、ステップS1246で、前段画像処理サーバーから送信されている課金値情報を検証し、最も安価な画像処理サーバーを前段の処理実行サーバーとして選択・決定したのち、ステップS1247に進む。
【0186】
ステップS1245でコスト優先でなければ(ステップS1245でNO)、ステップS1249に進み、選択基準は「スピード優先」かどうかを判断する。スピード優先であれば(ステップS1249でYES)、ステップS1250で、前段画像処理サーバーから送信されている処理時間情報を検証し、最も処理時間の短い画像処理サーバーを前段の処理実行サーバーとして選択・決定したのち、ステップS1247に進む。
【0187】
ステップS1249でスピード優先でなければ(ステップS1249でNO)、リターンする。
【0188】
なお、選択基準が「スピード優先」の場合は、前段画像処理サーバーの選択後に、その選択したサーバーに再度画像処理を実行させ、課金値情報を受領することになる。
【0189】
ステップS1247では、処理実行サーバー情報に、決定した画像処理サーバーとその課金値をセットする。次いで、ステップS1248で、この処理実行サーバー情報と選択基準情報及びサービス構成情報、即ち初期登録設定情報にジョブIDを付加して複数の後段画像処理サーバーに転送したのち、リターンする。なお、最終段の画像処理サーバー23a〜23cの場合は、画像形成装置1へ転送する。
【0190】
図29は、図27の自装置の課金値計算処理(ステップS125)のサブルーチンを示すフローチャートである。この処理は、自装置での画像処理に対する課金値を計算し、課金値情報を生成する処理である。
【0191】
ステップS1251で、前段画像処理サーバーで課金対象の数量を算出可能かどうかを判断し、算出可能であれば(ステップS1251でYES)、ステップS1252で、前段の処理実行サーバーが課金対象の数量をセットしているかどうかを、課金計算情報を参照して調べる。
【0192】
セットしていれば(ステップS1252でYES)、ステップS1255に進む。セットしていなければ(ステップS1252でNO)、ステップS1257で、前段の処理実行サーバーにより課金対象の数量がセットされるのを待ち、ステップS1252に戻る。
【0193】
ステップS1251で、前段画像処理サーバーで課金対象の数量を算出可能でない場合は(ステップS1251でNO)、ステップS1253に進む。
【0194】
ステップS1253では、自装置で課金対象の数量を算出できるか否かを判断し、算出可能な場合は(ステップS1253でYES)、ステップS1254で、自装置により課金計算情報に課金対象の数量がセットされているかどうかを調べる。
【0195】
セットされていれば(ステップS1254でYES)、ステップS1255に進む。セットされていなければ(ステップS1254でNO)、ステップS1258で、自装置により課金対象の数量がセットされるのを待ち、ステップS1254に戻る。
【0196】
なお、自装置により課金対象の数量がセットされるのは、後述するステップS13の画像処理においてであるため、自装置により課金対象の数量がセットされていない場合は、先にステップS13の画像処理を実行させ、画像処理による課金対象の数量の確定後に、本ルーチンを再度実行するものとしても良い。
【0197】
ステップS1253で、課金対象の数量を自装置で算出可能でない場合も(ステップS1253でNO)、ステップS1255に進む。
【0198】
ステップS1255では、課金値の計算に必要な課金対象の数量が、課金計算情報にセットされているかどうかを再度確認し、セットされていなければ(ステップS1255でNO)、ステップS1251に戻る。セットされていれば(ステップS1255でYES)、ステップS1256で、セットされた課金対象の数量と単価とから課金値を計算したのち、ステップS1259で、計算された課金値を示す課金値情報を生成し、リターンする。
【0199】
図30は、図27の後段サーバーでの選択に必要な情報の抽出処理(ステップS126)のサブルーチンを示すフローチャートである。この処理は、図29のステップS1259で生成された課金値情報を後段画像処理サーバーに転送したり、スピード優先の場合に、処理時間を後段画像処理サーバーに転送する処理である。
【0200】
ステップS1261で、サーバー選択方法として自動選択が設定されているかどうかを判断する。自動選択が設定されていなければ(ステップS1261でNO)、リターンする。
【0201】
自動選択が設定されていれば(ステップS1261でYES)、ステップS1262に進み、選択基準は「コスト優先」かどうかを判断する。コスト優先であれば(ステップS1262でYES)、ステップS1263で、自装置の課金値情報にジョブIDを付加して後段画像処理サーバーに送信したのち、リターンする。
【0202】
ステップS1262でコスト優先でなければ(ステップS1262でNO)、ステップS1264に進み、選択基準は「スピード優先」かどうかを判断する。スピード優先であれば(ステップS1264でYES)、ステップS1265で、自装置の画像処理時間を算出したのち、ステップS1266で、ジョブ処理時間を示す情報にジョブIDを付加して後段画像処理サーバーに転送し、リターンする。この場合は、後段画像処理サーバーにより処理実行サーバーとして選択されると、その通知を待って原稿画像に画像処理を実行し、課金値情報を後段画像処理サーバーに転送することになる。
【0203】
ステップS1264でスピード優先でなければ(ステップS1264でNO)、リターンする。
【0204】
なお、ステップS1263及びステップS1266において、自装置が最終段の画像処理サーバー23a〜23cである場合は、各情報を画像形成装置1に転送する。
【0205】
図31は、図26の画像処理(ステップS13)のサブルーチンを示すフローチャートである。この処理は、原稿画像に画像処理を行うとともに、後段画像処理サーバーの課金値計算に必要な課金対象の数量を算出し、算出した数量を課金計算情報にセットするする処理である。
【0206】
ステップS131で、前段の処理実行サーバーが決定されたかどうかを調べる。決定されていなければ(ステップS131でNO)、リターンする。決定されていれば(ステップS131でYES)、ステップS132で、原稿画像を受信したかどうかを判断する。受信していなければ(ステップS132でNO)、リターンする。受信していれば(ステップS132でYES)、ステップS133で、画像処理を実施する。
【0207】
次いで、ステップS134で、自装置の課金対象の数量を算出し課金値情報にセットする。また、ステップS135で、後段画像処理サーバーでの課金値の計算に必要な課金対象の数量を算出し、課金計算情報にセットする。
【0208】
次に、ステップS136で、課金計算情報にジョブIDを付加して後段画像処理サーバーへ転送する。最終段の画像処理サーバーの場合、画像形成装置1への転送はしなくても良い。
【0209】
次いで、ステップS137で、画像処理済みの原稿画像を送信可能かどうかを判断し、可能でなければ(ステップS137でNO)、そのままリターンする。可能であれば(ステップS137でYES)、ステップS138で原稿画像を後段画像処理サーバーに転送した後リターンする。最終段の画像処理サーバーの場合は画像形成装置1へ転送する。
【0210】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることはない。
【0211】
例えば、上記実施形態では画像処理と前段サーバーの選択処理を同時に行っている場合を説明したが、画像処理を行うことなく課金値の見積もりを算出するプレ処理のみを行い、全ての処理実行サーバーが決定された後、決定された処理実行サーバーに原稿画像を送付して、一連の画像処理サービスを実行する構成としても良い。
【0212】
また、画像形成装置1から画像処理サービスの順序を示したサービス構成情報を画像処理サーバー21〜23に転送するとともに、このサービス構成情報に基づいて各画像処理サーバー21〜23が、次の転送先に原稿画像や課金値計算情報、処理実効サーバー情報等を転送し、後段の画像処理サーバーが前段の画像処理サーバーにテストパターンを送信し、そのテスト結果を後段の画像処理サーバーが取得して、実際に画像処理を実施する前段画像処理サーバーを選択する構成となされていた。しかし、図32に示すように、画像形成装置1が各画像処理サーバー21a〜21c、22a〜22c、23a〜23cに矢印b1、b3、b5に示すように、サービス構成情報やテストパターンを送信するとともに、矢印b2、b4、b6に示すように、各画像処理サーバーから転送されたテスト結果や課金情報を画像形成装置1が取得して、画像形成装置1が画像処理サービス毎に画像処理サーバーを選択する構成としたも良い。
【0213】
また、図33に示すように、画像形成装置1と各画像処理サーバー21a〜21c、22a〜22c、23a〜23cとの間に、各画像処理サーバー21a〜21c、22a〜22c、23a〜23cを制御するための中継サーバー6を配置する形態を採用しても良い。この実施形態では、画像形成装置1からの原稿画像等は一旦中継サーバー6に送信され(図33の矢印C1)、その後の原稿画像、課金計算情報、テストパターン等の情報は、矢印C2〜C7に示すように、中継サーバー5を経由して各画像処理サーバー21〜23間で転送が行われる。そして、最終の画像処理が実施された原稿画像は、中継サーバー5から画像形成装置1へ転送される(矢印C8)。
【符号の説明】
【0214】
1 画像形成装置
21a〜21c、22a〜22c、23a〜23c 画像処理サーバー
31、32 端末装置
4 ネットワーク
5 課金装置
11 スキャナ部
12 コントローラ
211 CPU
214 記憶部
217 ネットワークインターフェース部
218 画像処理部
121 CPU
127 ネットワークカード
128 操作パネル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理対象の画像データを出力する画像形成装置と、ネットワークを介して前記画像形成装置と接続されるとともに、前記画像形成装置から出力された画像処理対象の画像データに順番に画像処理を実施する複数の画像処理サーバーとを備えた画像処理システムであって、
前記画像処理サーバーは、画像処理毎にそれぞれ複数設けられるとともに、各画像処理サーバーは、
テスト用画像データを自己の画像処理よりも1つ前の画像処理を行う前段の複数の画像処理サーバーに送信する送信手段と、
前記テスト用画像データに画像処理を実施する画像処理手段と、
前記前段の画像処理サーバーのそれぞれで実施されたテスト用画像データに対する画像処理結果を取得するテスト結果取得手段と、
テスト結果取得手段により取得した画像処理結果が、基準値以上かどうかを判断する判断手段と、
前記判断手段により、画像処理結果が基準値以上と判断された前段の画像処理サーバーの中から、いずれか1つの画像処理サーバーを処理実行サーバーとして選択するサーバー選択手段と、
前記サーバー選択手段により選択された前段画像処理サーバーについての選択情報を、1つ後の複数の後段画像処理サーバーまたは前記画像形成装置に転送する転送手段と、
を備え、
前記画像形成装置は、
テスト用画像データを保持するテスト用画像データ保持手段と、
前記テスト用画像データ保持手段に保持されたテスト用画像データを、最終段の複数の画像処理サーバーに送信する送信手段と、
前記テスト用画像データに対して最終段の複数の画像処理サーバーのそれぞれで実施された画像処理の結果を取得するテスト結果取得手段と、
テスト結果取得手段により取得した画像処理結果が、基準値以上かどうかを判断する判断手段と、
前記判断手段により、画像処理結果が基準値以上と判断された最終段の画像処理サーバーの中から、いずれか1つの画像処理サーバーを処理実行サーバーとして選択するサーバー選択手段と、
を備えていることを特徴とする画像処理システム。
【請求項2】
前記画像処理サーバーは、前記テスト用画像データを保持するテスト用画像データ保持手段を備え、該テスト用画像データ保持手段に保持されているテスト用画像データを前記前段の複数の画像処理サーバーに送信する請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項3】
前記画像処理サーバーは、前記テスト用画像データを画像形成装置から取得するテスト用画像データ取得手段を備え、該テスト用画像データ取得手段により取得されたテスト用画像データを前記前段の複数の画像処理サーバーに送信する請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項4】
前記画像処理サーバーのテスト用画像データ取得手段は、テスト用画像データとともに画像処理済みの画像データを画像形成装置から取得するとともに、前記判断手段は、テスト結果取得手段により取得した画像処理結果が、前記テスト用画像データ取得手段により取得した画像処理済みの画像データの基準値以上かどうかを判断する請求項3に記載の画像処理システム。
【請求項5】
画像処理対象の画像データを出力する画像形成装置と、ネットワークを介して前記画像形成装置と接続されるとともに、前記画像形成装置から出力された画像処理対象の画像データに順番に画像処理を実施する複数の画像処理サーバーとを備えた画像処理システムであって、
前記画像処理サーバーは、画像処理毎にそれぞれ複数設けられるとともに、各画像処理サーバーは、
画像形成装置から送信されたテスト用画像データに画像処理を実施する画像処理手段と、
前記画像処理手段によってテスト用画像データに実施された画像処理のテスト結果を、前記画像形成装置に転送する転送手段と、
を備え、
前記画像形成装置は、
テスト用画像データを保持するテスト用画像データ保持手段と、
前記テスト用画像データ保持手段に保持されたテスト用画像データを、各画像処理サーバーに送信する送信手段と、
前記テスト用画像データに対して各画像処理サーバーのそれぞれで実施された画像処理の結果を取得するテスト結果取得手段と、
テスト結果取得手段により取得した画像処理結果が、基準値以上かどうかを判断する判断手段と、
前記判断手段により、画像処理結果が基準値以上と判断された画像処理サーバーの中から、画像処理毎にいずれか1つの画像処理サーバーを処理実行サーバーとして選択するサーバー選択手段と、
を備えていることを特徴とする画像処理システム。
【請求項6】
前記画像形成装置は前記基準値を決定する基準値決定手段を備え、
前記基準値決定手段で決定された基準値は、画像形成装置から初段の画像処理サーバーへ送信され、更に後段の画像処理サーバーへと順に送信され、
前記画像処理サーバーの判断手段は、テスト結果取得手段により取得した画像処理結果が、前記画像形成装置の基準値決定手段で決定された基準値以上かどうかを判断する請求項1〜4のいずれかに記載の画像処理システム。
【請求項7】
前記画像形成装置は前記基準値を決定する基準値決定手段を備え、
前記基準値決定手段は、ジョブ毎に基準値を決定する請求項1〜5のいずれかに記載の画像処理システム。
【請求項8】
前記基準値決定手段は、操作者による設定に基づいて基準値を決定する請求項7に記載の画像処理システム。
【請求項9】
前記基準値決定手段は、前記画像処理サーバーの基準値を基準値として採用する請求項7に記載の画像処理システム。
【請求項10】
前記画像形成装置と画像処理サーバーとの間に中継サーバーが介在され、
画像形成装置と画像処理サーバーとの間のデータの送受は前記中継サーバーを介して行われる請求項1〜9のいずれかに記載の画像処理システム。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれかに記載の画像処理システムに用いられる画像処理サーバー。
【請求項12】
請求項1〜10のいずれかに記載の画像処理システムに用いられる画像形成装置。
【請求項1】
画像処理対象の画像データを出力する画像形成装置と、ネットワークを介して前記画像形成装置と接続されるとともに、前記画像形成装置から出力された画像処理対象の画像データに順番に画像処理を実施する複数の画像処理サーバーとを備えた画像処理システムであって、
前記画像処理サーバーは、画像処理毎にそれぞれ複数設けられるとともに、各画像処理サーバーは、
テスト用画像データを自己の画像処理よりも1つ前の画像処理を行う前段の複数の画像処理サーバーに送信する送信手段と、
前記テスト用画像データに画像処理を実施する画像処理手段と、
前記前段の画像処理サーバーのそれぞれで実施されたテスト用画像データに対する画像処理結果を取得するテスト結果取得手段と、
テスト結果取得手段により取得した画像処理結果が、基準値以上かどうかを判断する判断手段と、
前記判断手段により、画像処理結果が基準値以上と判断された前段の画像処理サーバーの中から、いずれか1つの画像処理サーバーを処理実行サーバーとして選択するサーバー選択手段と、
前記サーバー選択手段により選択された前段画像処理サーバーについての選択情報を、1つ後の複数の後段画像処理サーバーまたは前記画像形成装置に転送する転送手段と、
を備え、
前記画像形成装置は、
テスト用画像データを保持するテスト用画像データ保持手段と、
前記テスト用画像データ保持手段に保持されたテスト用画像データを、最終段の複数の画像処理サーバーに送信する送信手段と、
前記テスト用画像データに対して最終段の複数の画像処理サーバーのそれぞれで実施された画像処理の結果を取得するテスト結果取得手段と、
テスト結果取得手段により取得した画像処理結果が、基準値以上かどうかを判断する判断手段と、
前記判断手段により、画像処理結果が基準値以上と判断された最終段の画像処理サーバーの中から、いずれか1つの画像処理サーバーを処理実行サーバーとして選択するサーバー選択手段と、
を備えていることを特徴とする画像処理システム。
【請求項2】
前記画像処理サーバーは、前記テスト用画像データを保持するテスト用画像データ保持手段を備え、該テスト用画像データ保持手段に保持されているテスト用画像データを前記前段の複数の画像処理サーバーに送信する請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項3】
前記画像処理サーバーは、前記テスト用画像データを画像形成装置から取得するテスト用画像データ取得手段を備え、該テスト用画像データ取得手段により取得されたテスト用画像データを前記前段の複数の画像処理サーバーに送信する請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項4】
前記画像処理サーバーのテスト用画像データ取得手段は、テスト用画像データとともに画像処理済みの画像データを画像形成装置から取得するとともに、前記判断手段は、テスト結果取得手段により取得した画像処理結果が、前記テスト用画像データ取得手段により取得した画像処理済みの画像データの基準値以上かどうかを判断する請求項3に記載の画像処理システム。
【請求項5】
画像処理対象の画像データを出力する画像形成装置と、ネットワークを介して前記画像形成装置と接続されるとともに、前記画像形成装置から出力された画像処理対象の画像データに順番に画像処理を実施する複数の画像処理サーバーとを備えた画像処理システムであって、
前記画像処理サーバーは、画像処理毎にそれぞれ複数設けられるとともに、各画像処理サーバーは、
画像形成装置から送信されたテスト用画像データに画像処理を実施する画像処理手段と、
前記画像処理手段によってテスト用画像データに実施された画像処理のテスト結果を、前記画像形成装置に転送する転送手段と、
を備え、
前記画像形成装置は、
テスト用画像データを保持するテスト用画像データ保持手段と、
前記テスト用画像データ保持手段に保持されたテスト用画像データを、各画像処理サーバーに送信する送信手段と、
前記テスト用画像データに対して各画像処理サーバーのそれぞれで実施された画像処理の結果を取得するテスト結果取得手段と、
テスト結果取得手段により取得した画像処理結果が、基準値以上かどうかを判断する判断手段と、
前記判断手段により、画像処理結果が基準値以上と判断された画像処理サーバーの中から、画像処理毎にいずれか1つの画像処理サーバーを処理実行サーバーとして選択するサーバー選択手段と、
を備えていることを特徴とする画像処理システム。
【請求項6】
前記画像形成装置は前記基準値を決定する基準値決定手段を備え、
前記基準値決定手段で決定された基準値は、画像形成装置から初段の画像処理サーバーへ送信され、更に後段の画像処理サーバーへと順に送信され、
前記画像処理サーバーの判断手段は、テスト結果取得手段により取得した画像処理結果が、前記画像形成装置の基準値決定手段で決定された基準値以上かどうかを判断する請求項1〜4のいずれかに記載の画像処理システム。
【請求項7】
前記画像形成装置は前記基準値を決定する基準値決定手段を備え、
前記基準値決定手段は、ジョブ毎に基準値を決定する請求項1〜5のいずれかに記載の画像処理システム。
【請求項8】
前記基準値決定手段は、操作者による設定に基づいて基準値を決定する請求項7に記載の画像処理システム。
【請求項9】
前記基準値決定手段は、前記画像処理サーバーの基準値を基準値として採用する請求項7に記載の画像処理システム。
【請求項10】
前記画像形成装置と画像処理サーバーとの間に中継サーバーが介在され、
画像形成装置と画像処理サーバーとの間のデータの送受は前記中継サーバーを介して行われる請求項1〜9のいずれかに記載の画像処理システム。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれかに記載の画像処理システムに用いられる画像処理サーバー。
【請求項12】
請求項1〜10のいずれかに記載の画像処理システムに用いられる画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【公開番号】特開2012−238981(P2012−238981A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−105754(P2011−105754)
【出願日】平成23年5月10日(2011.5.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月10日(2011.5.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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