説明

画像処理方法、画像処理装置、建物画像診断方法、及び建物画像診断装置

【課題】撮影対象における実質的な変質箇所(例えば、浮き、剥離等の箇所)を視覚的に明瞭に表示する画像処理方法を提供する。
【解決手段】赤外線デジタルカメラで撮影された赤外線熱画像を利用する画像処理方法は、赤外線熱画像をディスプレイに表示する工程1と、ディスプレイに表示された赤外線熱画像の中で領域を指定する工程2と、工程2で指定された領域に対し、領域に含まれる対象ピクセルの温度データが示す温度と該対象ピクセル以外の別の基準ピクセルの温度データが示す基準温度との温度差に関連する色情報を対象ピクセルに付与する工程3と、色情報をもって対象ピクセルをディスプレイに表示する工程4と、工程1〜工程4を繰り返す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、赤外線デジタルカメラで撮影した熱画像を処理する画像処理方法及び画像処理装置に関する。本発明はまた、赤外線デジタルカメラで撮影した建物の赤外線熱画像を用いてその建物を診断する建物画像診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、赤外線カメラで撮影した建物の外観熱画像から、該建物における外壁(特に、タイルや表面コンクリート)の剥離部分を確認する手法が知られている。例えば、特許文献1には、建物の外壁に赤外線を照射する赤外線ヒーターと、赤外線を照射されて加熱した外壁の正常部分と剥離部分の温度差を映像化する赤外線カメラを配置し、赤外線カメラで得られた映像から壁面表面温度パターンを計算機シミューレーションで作成し、正常部分と剥離部分を色分けするシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平05−312745号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、赤外線カメラは熱源となる物体や生物が発する遠赤外線を検出して撮影するものであるから、赤外線カメラで撮影された建物外観の画像はその建物外壁の各部における絶対温度を表示するものに外ならない。しかし、建物、特に外壁の温度は種々の要因に依存する。例えば、赤外線画像上、同一建物の中でも、暖房された部屋の外壁と暖房されていない部屋ではその外壁温度が異なる。また、暖房器具の近くの外壁部分とそこから離れた外壁部分、冷暖房配管や給排水設備等の近くの外壁部分とそこから離れた外壁部分、直射日光の当たっている外壁部分と日陰の外壁部分は、違った色で表示される。そのため、赤外線画像に表れた絶対温度の分布だけの情報では、ある外壁部分の浮き、剥離等を正確に判断できないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この問題を解決するため、本発明は、撮影対象の“絶対温度”を表示するのではなく、ある撮影部分と隣接する別の撮影部分との間の“温度差”を取得してその情報を画像上に表示することによって、撮影対象における実質的な変質箇所(例えば、浮き、剥離等の箇所)を視覚的に明瞭に表示するようにしたものである。
【0006】
具体的に、本発明の一つの形態は、赤外線デジタルカメラで撮影された赤外線熱画像を利用する画像処理装置であって、前記赤外線熱画像をディスプレイに表示する手段と、前記ディスプレイに表示された前記赤外線熱画像の中で選択された領域において、前記領域に含まれる対象ピクセルの温度データが示す温度と該対象ピクセル以外の別の基準ピクセルの温度データが示す基準温度との温度差に関連する色情報を前記対象ピクセルに付与する手段と、前記色情報をもって上記対象ピクセルを前記ディスプレイに表示する手段を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
このように構成された画像処理装置によれば、該画像処理装置で表示される画像はその画像中に含まれる撮影部の絶対温度を示すものでなく、周囲部位との間の温度差を示すものである。そのため、通常の赤外線熱画像では、同じ外壁部分を撮影した場合でも、それに日光が当たっているときに撮影したものと日光が当たっていないときに撮影したものでは、表示される熱画像は明らかに色相の違ったものになるが、本発明の画像処理装置で得られた画像は、相対的な温度(温度差)を表示するものであるから、撮影条件に左右されることない(例えば、日光が当たっているか否かに関係ない。)。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係る画像表示装置の概略構成を示す図。
【図2】ディスプレイに表示された表示画面を示す図。
【図3】ディスプレイに表示された赤外線熱画像を示す図。
【図4】システムのメインフローチャート。
【図5】解析処理(BOX)のフローチャート。
【図6】解析処理1のフローチャート。
【図7】解析処理2のフローチャート。
【図8】解析処理3のフローチャート。
【図9】解析描画処理のフローチャート。
【図10】解析処理1の説明図。
【図11】解析処理1の説明図。
【図12】解析処理2の説明図。
【図13】解析処理3の説明図。
【図14】相対熱画像の例を示す図。
【図15】相対熱画像(トリミング前)の例を示す図。
【図16】相対熱画像(トリミング後)の例を示す図。
【図17】トリミングの説明図。
【図18】トリミング(選択削除)のフローチャート。
【図19】トリミング(ピクセル削除)のフローチャート。
【図20】トリミング(横方向削除)のフローチャート。
【図21】トリミング(縦方向削除)のフローチャート。
【図22】トリミング(BOX処理)のフローチャート。
【図23】トリミング(BOX削除)のフローチャート。
【図24】赤外線熱画像と解析(3点)の指定領域を示す図。
【図25】解析(3点)によるy座標補正の説明図。
【図26】解析処理(BOX)〔解析(3点)〕のフローチャート。
【図27】解析処理1(y座標補正)のフローチャート。
【図28】解析処理2(y座標補正)のフローチャート。
【図29】解析処理3(y座標補正)のフローチャート。
【図30】解析描画処理(y座標補正)のフローチャート。
【図31】変質箇所を加えた可視画像。
【図32】変質箇所を加えたCADデータ(画像)。
【図33】解析幅の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して本発明に係る画像処理システムとその画像処理システムを建物診断(浮き、剥離等の部分の検出)に利用した建物診断システムの実施形態を説明する。
【0010】
《1.システム構成》
図1は、建物診断システム10の物理的な構成を示す図である。図示するように、建物診断システム10は、診断対象である建物〔建築物だけでなく各種土木構造物(コンクリート製の橋梁、橋脚、トンネル、ダムなど)も含む。〕11を撮影する赤外線デジタルカメラ12を含む。赤外線デジタルカメラ12は、建物が発する赤外線を検知してその熱画像を取得する機能(赤外線カメラ12a)と、通常のデジタルカメラと同様に建物の外観を撮影して可視画像を取得する機能(可視カメラ12b。例えば、CMOSカメラ)を組み合わせたもので、例えば、フリアーシステムズジャパン株式会社が販売する赤外線サーモグラフィ装置SC620/SC640/SC660やNEC Avio赤外線テクノロジー株式会社が販売する赤外線サーモグラフィ装置H2640/H2630などが好適に利用できる。
【0011】
建物診断システム10はまた、赤外線デジタルカメラ12で撮影された画像(熱画像、可視画像)を処理するコンピュータ(PC)13と、該コンピュータ13の処理結果を表示するディスプレイ14を含む。コンピュータ13は、後述するように画像データを処理する建物診断プログラム、また建物11の設計データ(CADデータ)が存在する場合には該設計データを記憶するための記憶部15を有する。コンピュータ13は、その処理結果を印刷する場合、コンピュータ13にはプリンタ16が接続される。
【0012】
《2.システム機能》
建物診断プログラムを含む建物診断システムの処理を説明する。
【0013】
《画面表示》
コンピュータ13に内蔵されている建物診断プログラムを起動すると、ディスプレイ14には図2に示す画面が表示される。図示するように、表示画面17は、その中央の画像表示部18と、該画像表示部18の上側・下側・右側に配置されたボタン表示部19を含む。ボタン表示部19に表示されたボタンは、通常のコンピュータと同様に、そこにカーソルを重ねてマウス等をクリックする(以下、この行為を「押下」という。)ことによって、該ボタンに関連した処理が起動・停止するように構成されている。
【0014】
《画像選択》
建物診断プログラムの具体的な内容を説明する。まず、オペレータが画面下側の「開く」ボタン101を押下すると、画像選択ウィンドウ(図示せず)が表示される。画像選択ウィンドウには、赤外線デジタルカメラ12で撮影された画像ファイルが表示される。これらの画像ファイルは記憶部15に記憶されている。オペレータが特定の画像ファイルを開いてそこに格納されている建物熱画像ファイルを開くと、図3に示すように、該建物熱画像ファイルに格納されている、赤外線カメラ12aで撮影した熱画像の画像データが画像表示部18に展開され、建物の熱画像20が表示される(図4のフローチャートのステップS1:赤外線画像データ取得、ステップS2:赤外線画像表示)。
【0015】
通常の熱画像(サーモグラフィ)は、撮影対象部位の温度が異なる色相で表示される。しかし、本発明の建物診断システムでは、各ピクセルの温度情報(温度データ)はグレースケールに対応付けされており、画像表示部18に表示される建物外観の画像は白黒濃淡(無彩色)画像である。
【0016】
《解析開始》
図2に戻り、表示画面17のボタン表示部「解析(BOX)」ボタン102又は「解析(3点)」ボタン103(図2参照)が押下されると、ボタンで選択されている内容に応じて以下に説明する解析処理が開始され、解析データが作成されるとともに、その解析データが画像表示部18に表示される(図4のフローチャートのステップS3a:解析ボタンオン、ステップS4a:解析データ表示」)。図示するように、ボタン表示部19には、その他の処理を行うためのボタン(例えば、「削除」、「連携」、「写真選択」、「図面選択」のボタン104〜107)が用意されており、それらのボタンが押下されるとそれに対応する処理が実行される(図4のフローチャートのステップS3b〜S3e、S4b〜S4e)。また、終了ボタン150が押下されると、プログラムが終了する(図4のフローチャートのステップS6)。
【0017】
《解析(BOX)処理》
「解析(BOX)」ボタン102が押下された状態では、図5に示す解析処理(BOX)が実行できる。解析処理(BOX)では、オペレータが図3に示すように画像表示部18に表示された画像20の2点(x1,y1)、(x2,y2)を指定すると、コンピュータ13はそれらの2点で左上と右下の角部座標が定義される四角形領域(処理対象領域)21を指定する。
【0018】
コンピュータ13は、図2に示すようにボタン表示部19に表示された5つの「温度差1」〜「温度差5」のチェックボックス107と、該チェックボックス107の右横に表示された温度差ボックス108、配色ボックス109に入力されている内容に応じて、以下に説明する処理を実行する。
【0019】
図2に示すとおり、5つの「温度差1」〜「温度差5」のチェックボックス107のすべてにチェック記号が付され、それらのチャックボックスに対応する温度差ボックス108と配色ボックス109に必要な情報(温度差、配色のデータ)が入力されているものとする。
【0020】
この場合、図5のフローチャートに示すように、コンピュータ13は、画面表示部18に表示された指定領域21の情報を取得する(ステップ10)。取得する情報は、指定領域21に含まれる全てのピクセルの座標、温度情報(温度データ)、温度情報に対応した色情報(グレースケール)である。次に、コンピュータ13は、K=1を設定する(ステップS11)。ここでのKの値は、上述した「温度差1」〜「温度差5」の番号に対応している。次に、コンピュータ13は、Kが5以下か否か判断し(ステップS12)、Kが5以下(1〜5)であれば次の処理(ステップS13)を実行し、Kが5を越えていれば処理を終了する。
【0021】
ステップS13では、コンピュータ13は、「温度差1」〜「温度差5」のチェックボック107にチャックが入れられているか否か判断する(ステップS13)。そして、コンピュータ13は、チェックが入れられたチェックボックスに対応して以下に説明する処理(解析処理1〜3と解析描画処理)を実行する(ステップS14〜17)。
【0022】
例えば、図2の表示画面17では5つのチャックボックス(「温度差1」〜「温度差5」)107のすべてにチェックが入っているので、5つの温度差108についてそれぞれ処理(解析処理1〜3と解析描画処理)が実行される。チェックボック107にチェックが入っていない場合、そのチェックが入っていない温度差についての処理(解析処理1〜3と解析描画処理)は実行されない。一つの温度差についての処理(解析処理1〜3と解析描画処理)が終了すると、またはステップS13でチャックが入っていないと判断された場合、コンピュータ13はKに1を加算してステップS12に戻る。
【0023】
《解析処理1》
図6に示すように、解析処理1(ステップS14)では、指定領域の各ピクセルについて以下の処理が行われる。例えば、図3に示すように2つのピクセル(x1,y1)と(x2,y2)で対向する角部が指定された四角形(BOX)の指定領域21に対して、図10に示すように矢印22,23,24で示す順番にしたがって、処理すべきピクセル(処理対象ピクセル)が選択される(ステップS20,S21,S26,S27)。ここで、処理を開始するピクセルと、処理の進行方向については、ボタン表示部19の解析方向選択ボタン群110(「左→右」ボタン、「右→左」ボタン、「上→下」ボタン、「下→上」ボタン)によって選択できる。例えば、「右→左」ボタンが選択されている場合、右上のピクセル(x2,y1)から左下のピクセル(x1,y2)に向かって順番にピクセルが選択される。また、「下→上」ボタンが選択されている場合、左下のピクセル(x1,y2)から右上のピクセル(x2,y1)のピクセルに向かって順番にピクセルが選択される。このような解析方向選択ボタンが設けられている理由は、例えば、建物の角部は2方向から熱の影響を受けるために他の部分とは違った温度を有し、また建物の縁に隣接する領域について解析処理する場合はその縁の外側にある撮影物(例えば、空、別の建物)の影響を防ぐ必要があり、そのような場合は、縁から離れた場所から縁に向かって領域を指定することが好ましいからである。
【0024】
次に、コンピュータ13は、各ピクセルについて、そのピクセルの温度情報から該ピクセルに対応する建物外壁部分の温度tが所定の温度範囲にあるか否か判断する(ステップS22)。これは、例えば、建物と一緒に背景(空)が写っている場合、そのような背景のピクセルを処理対象から除くためである。図2に示すように、温度範囲は、ボタン表示部19の「温度範囲」設定ボタン111で入力又は変更することができる。
【0025】
次に、コンピュータ13は、図11に示すように処理対象ピクセルPの左側、上側、左上側にある3つの隣接ピクセルP(L)、P(U)、P(LU)の温度t(L)、t(U)、t(LU)を取得する(ステップS23〜S25)。そして、すべての処理対象ピクセルPについて隣接する3つのピクセルP(L)、P(U)、P(LU)の温度t(L)、t(U)、t(LU)の温度を取得すると、コンピュータ13は解析処理1を終了する。
【0026】
《解析処理2》
解析処理2では、図7に示すように、処理対象ピクセルPを選択する(ステップS30,S31,S36,S37)。ピクセルPの選択は解析処理1と同一である。次に、コンピュータ13は、各処理対象ピクセルPについて、該処理対象ピクセルPの温度tと3つの隣接ピクセルの温度t(L)、t(U)、t(LU)を比較し、それらの差t−t(L)、t−t(U)、又はt−t(LU)のいずれかが温度差ボックス108に入力された温度差Δを超えているか否か判断する(ステップS32,S33,S34)。
【0027】
例えば、5つのチェックボックスに対応する5つの温度差ボックス108にそれぞれ温度差Δ1〜Δ5(図2の例では、0.4、0.6、0.8,1.0,2.0℃)が入力されている場合、温度差t−t(L)、t−t(U)、t−t(LU)が、K=1では温度差Δ1(0.4℃)と比較され、K=2では温度差Δ2(0.6℃)と比較され、K=3では温度差Δ3(0.8℃)と比較され、K=4では温度差Δ4(1.0℃)と比較され、K=5では温度差Δ5(2.0℃)と比較される。そして、温度差t−t(L)、t−t(U)、t−t(LU)がいずれかの温度差Δを超えている場合、コンピュータ13は、処理対象ピクセルに「解析値有り」の情報を付加する。
【0028】
例えば、図10(a)、(b)に示すように、網点を付したピクセルの温度t1と網点を付していないピクセルの温度との差が温度差Δを超えている場合、図12に「○」印を付したピクセルに対して「解析値有り」の情報が付加される。
【0029】
《解析処理3》
解析処理3では、図12で網点を付したピクセルのうち、解析処理2で「解析値有り」の情報が付与されなかったピクセル(“○”が付されていないピクセル)について「解析値有り」の情報を付与する。そのために、解析処理3では、図8に示すように、処理対象ピクセルを選択し(ステップS40,S41,S48,S49)、選択した各ピクセルについて以下の処理を実行する。
【0030】
ステップS42では、処理対象ピクセルに「解析値有り」の情報が付与されているか否か判断する。いま処理対象ピクセルに「解析値有り」の情報が付与されている場合、前のピクセルに「解析値有り」の情報が付与されていないか否か判断する(ステップS43)。例えば、図13(a)において、処理対象ピクセルP1(解析値有り)の処理では、このピクセルP1には「解析値有り」の情報が付与されているので、ステップS43では直前のピクセルP0に「解析値有り」の情報が付与されているか否か判断する。図示の例ではピクセルP0に「解析値有り」の情報が付与されていないので、該直前のピクセルP0に「基準温度」(t0)の情報を付与する。次の処理対象ピクセルP2に関する処理では、前のピクセルP1には「解析値有り」の情報が付与されているので、このピクセルP1に「基準温度」の情報が付与されることはない。このようにして、ステップS42〜S44により、図13(a)に示すように、処理方向に関して、最初の「解析値有り」ピクセルの直前の「解析値無し」ピクセルに「基準温度」の情報が付与される。
【0031】
ステップS42で処理対象ピクセルに「解析値有り」の情報が付与されていないと判断された場合、直前のピクセルに「解析値有り」の情報が付与されているか否か判断し(ステップS45)、「解析値有り」の場合、当該処理対象ピクセルの温度tと基準温度t0との温度差が温度差Δを超えているか否か判断し(ステップS46)、t−t0>Δであれば当該処理対象ピクセルに「解析値有り」の情報を付与する(ステップS47)。
【0032】
例えば、図13(a)に示す処理対象ピクセルP4の場合、当該処理対象ピクセルP4の直前のピクセルP3には「解析値有り」の情報が付与されているため、当該処理対象ピクセルP4の温度と基準温度t0との差が温度差Δを越えていると判断した後、当該処理対象ピクセルP4に「解析値有り」の情報を付与する。図13(b)において、ステップS47で「解析値有り」の情報が付与されたピクセルに◎の記号が付してある。
【0033】
《解析描画処理》
図9に示すように、解析描画処理では、処理対象ピクセルを選択し(ステップS50,S51,S54,S55)、選択した各処理対象ピクセルについて「解析値有り」の情報が付与されているか否か判断し(ステップS52)、「解析値有り」の情報が付与されていれば、グレースケールの色情報に代えて、対応する色の情報(色情報)を当該処理対象ピクセルに付与し(ステップS53)、画像表示部18に表示されている指定領域21に含まれる当該処理対象ピクセルをその色情報をもって表示する。ここで表示される色は、温度差1〜温度差5に対して、配色ボックス109で指定された色(有彩色)である。
【0034】
以上の解析処理1〜3と解析描画処理により、指定領域21の各処理対象ピクセルには、該処理対象ピクセルの温度(基準温度との温度差)に応じて、配色ボックス109で指定された色(色情報)が付与され、その結果、その色で処理領域21のピクセルを表示した画像(相対熱画像)が作成される。
【0035】
例えば、図14(d)で示す温度分布を有する熱画像を処理する場合、K=1,2,3の3つのチェックボックス107にチェックが付けられていれば、温度差1(t−t0>Δ1)について図14(a)の相対熱画像22aが作成され、温度差2(t−t0>Δ2)について図14(b)の相対熱画像22bが作成され、温度差3(t−t0>Δ3)について図14(c)の相対熱画像22cが作成され、それぞれの相対熱画像及びその画像データがコンピュータ13の記憶部15に記憶される。したがって、これら3つの相対熱画像は独立して記憶部15から取り出して表示画面17に表示することができるし、図14(d)に示すように、複数の相対熱画像を取り出してそれらを重ねた相対熱画像(図14(d)参照)を表示することもできる。
【0036】
以上のように、解析処理1〜3と解析描画処理で処理された画像は、その画像中に含まれる建物外観の各部の絶対温度を示すものでなく、その周辺部位との間にある温度差を表示するもの、つまり、ある外壁部分(領域)とその周辺の外壁部分との相対的な温度差を示す相対熱画像である。そのため、通常の赤外線熱画像では、同じ外壁部分を撮影した場合でも、それに日光が当たっているときに撮影したものと日光が当たっていないときに撮影したものでは、表示される熱画像は明らかに色相の違ったものになる。これに対し、以上の解析処理を施した相対熱画像は、相対的な温度(温度差)を表示するものであるから、撮影条件に左右されることなく(例えば、日光が当たっているか否かに関係なく)、常に一定したものになる。また、同一の画像中に日光が当たっている領域と日陰領域が混在する場合、以上の処理を適用する指定領域を別々に処理することで、外壁の剥離箇所を正常箇所から正確に区別できる。結果、正確な建物診断ができる。
【0037】
《解析処理画像》
解析処理された相対熱画像の一例を図15に示す。図示する相対熱画像23は、外壁にタイルを張った建物を赤外線カメラで撮影した熱画像を解析(解析処理1〜3と解析描画処理)したものである。通常、タイル張りの外壁の場合、含有する水分量の違いから、タイル以外の部分(目地部)の温度がタイルの温度よりも高く表れる。そのため、タイル張り外壁の熱画像を解析処理して得られた相対熱画像23には、格子状の色模様(目地模様)が現われる。したがって、特にタイル張り外壁については、目地部などに付された情報(色情報)(以下、このような不要な色情報を「ノイズ」という。)を除去し、図16に示すように周囲のタイルと異なる温度を有するタイル(剥離タイル)だけを異なる態様で表示することが好ましい。
【0038】
そのため、本発明に係るシステムは、相対熱画像から微小なノイズを削除するトリミング機能が組み込まれている。本発明の実施形態には、3種類のトリミング機能−選択削除、ピクセル処理、BOX処理−が組み込まれている。実行するトリミング機能の選択は、オペレータがボタン表示部19のボタン(「選択削除」ボタン112、「削除(ピクセル)」ボタン113、「ボックス指定」ボタン114)を押下することによって行われる。
【0039】
《選択削除》
ボタン表示部19の「選択削除」ボタン112が押下されて選択削除が指定されている状態で、図17に示すように、オペレータが相対熱画像25の中の複数の点を指定することによって領域26を選択する。領域26の指定は、相対熱画像の中の少なくとも2点を指定することによって選択できる。例えば、図18(b)は、相対熱画像の中の4点を指定し、その4点で囲まれた領域を選択する例を示す。領域26が選択されると、コンピュータ13は、図18(a)に示すように、選択領域26に対応する解析範囲を取得する(ステップS60)。次に、コンピュータ13は、選択された領域28に含まれる色情報を取得し(ステップS61)、取得した色情報を削除する(ステップS62)。これにより、図17(b)で選択された領域26に含まれる色情報がすべて削除される。なお、トリミングにおける「削除」とは、上述の解析描画処理で付与された有彩色の色情報が、もとのグレースケールの色情報に置換されることを意味する。
【0040】
《ピクセル処理》
ボタン表示部19の「削除(ピクセル)」ボタン113が押下されてピクセル処理が指定されると、図19に示すように、コンピュータ13は解析範囲を取得する(ステップS70)。解析範囲は、オペレータが指定することができる。
【0041】
コンピュータ13は、「温度差1」〜「温度差5」のチェックボック107にチャックが入れられているか否か判断する(ステップS13)。そして、コンピュータ13は、チェックが入れられたチェックボックスに対応して以下に説明する処理(横方向削除、縦方向削除)を実行し(ステップS74,S75)、Kに1を加算してステップS72に戻る(ステップS76)。
【0042】
例えば、図2に示すように、表示画面17の5つのチェックボックス(「温度差1」〜「温度差5」)107のすべてにチェックが入っている場合、5つの温度差108について作成されたそれぞれの相対熱画像について処理(横方向削除、縦方向削除)が実行される。
【0043】
図20に示すように、横方向削除では、処理対象ピクセルを選択する(ステップS80,S81,S86,S87)。次に、コンピュータ13は、処理対象ピクセルに「解析値有り」の情報が付与されているか否か判断する(ステップS82)。処理対象ピクセルに「解析値有り」の情報が付与されている場合、次にコンピュータ13は、「解析値有り」の情報が付されたピクセルが横方向に連続する数(k)を算出し(ステップS83)、その連続数kが横方向指定数を超えているか否か判断し(ステップS84)、連続数kが横方向指定数を越えていなければ、越えていない数のピクセルについてその色情報(解析データ)を削除する(ステップS85)。例えば、横方向指定数が1の場合、縦方向に一列に配置された「解析値有り」ピクセル(図17(a)において実線円で囲まれたピクセル)は削除される。
【0044】
図21に示すように、縦方向削除では、処理対象ピクセルを選択する(ステップS90,S91,S96,S97)。次に、コンピュータ13は、処理対象ピクセルに「解析値有り」の情報が付与されているか否か判断する(ステップS92)。処理対象ピクセルに「解析値有り」の情報が付与されている場合、次にコンピュータ13は、「解析値有り」の情報が付されたピクセルが縦方向に連続する数(k)を算出し(ステップS93)、その連続数kが縦方向指定数を超えているか否か判断し(ステップS94)、連続数kが縦方向指定数を越えていなければ、越えていない数のピクセルについてその色情報(解析データ)を削除する(ステップS95)。例えば、縦方向指定数が1の場合、横方向に一列に配置された「解析値有り」ピクセル(図17(a)において点線円で囲まれたピクセル)は削除される。
【0045】
横方向指定数と縦方向指定数は、図2に示す横方向指定数ボックス114、縦方向指定数ボックス115に数字を入力することによって指定可能である。図示する例では、横方向指定数と縦方向指定数がそれぞれ「1」に設定されているので、色情報が付与された一つのピクセルが他のピクセルと連続することなく単独で存在する場合、解析範囲に含まれるすべての単独ピクセルが削除される。また、横方向指定数と縦方向指定数がそれぞれ「2」に設定されている場合、2ピクセル(横方向)×2ピクセル(縦方向)よりも小さな、色情報が付与されたピクセル又はピクセル群について、それらの色情報が削除される。
【0046】
《BOX指定》
ボタン表示部19の「BOX処理」ボタン116が押下されてBOX処理が指定されると、図22に示すように、コンピュータ13は解析範囲を取得する(ステップS100)。解析範囲は、オペレータが指定することができる。
【0047】
次に、コンピュータ13は、「温度差1」〜「温度差5」のチェックボック107にチャックが入れられているか否か判断する(ステップS101〜S103)。そして、コンピュータ13は、チェックが入れられたチェックボックスに対応してBOX削除を実行し(ステップS104)、Kに1を加算してステップS102に戻る(ステップS105)。
【0048】
ボックス削除では、処理対象ピクセルを選択する(ステップS110,S111,S117,S118)。次に、コンピュータ13は、処理対象ピクセルに「解析値有り」の情報が付与されているか否か判断する(ステップS112)。処理対象ピクセルに「解析値有り」の情報が付与されている場合、次にコンピュータ13は、「解析値有り」の情報が付されたピクセルが縦方向と横方向に連続する数(k)を算出し(ステップS113)、その連続数kが横ピクセル数及び縦ピクセル数を超えているか否か判断し(ステップS114,S115)、連続数が縦方向指定数及び横方向指定数を越えていなければ、いずれも越えていない数のピクセル群についてその色情報(解析データ)を削除する(ステップS116)。
【0049】
縦方向指定数と横方向指定数は、図2に示す横方向指定数ボックス117、縦方向指定数ボックス118に数字を入力することによって指定可能である。例えば、横方向指定数が「5」、縦方向指定数が「2」に設定されている場合、5ピクセル(横方向)×2ピクセル(縦方向)からなるボックスよりも小さな、色情報が付与されたピクセル又はピクセル群について、それらの色情報が削除される。横方向指定数ボックス117、縦方向指定数ボックス118で入力された数は、削除(BOX)ボタン119を押下することによってクリアできる。
【0050】
以上のトリミング機能−選択削除、ピクセル処理、BOX処理−が適宜実行されることにより、図15に示す相対熱画像23からノイズが除去され、図16、図17(c)に示すようにある程度の面積を有する剥離部分27だけが明瞭に表示される。
【0051】
《解析(3点)》
図3に示すように、斜めから撮影した建物の画像20において、その建物の水平方向の目地等は斜めに表れる。そのため、図示するように、建物外壁の特定の区画について以上の処理を実行するためには、表示された形に適った形状の領域指定21ができることが好ましい。つまり、図示するように、ほぼ平行四辺形で表示されている区画はほぼそれに類似の形の領域として指定できることが好ましい。
【0052】
そのため、本発明の画像処理システムは、以下に説明する「解析(3点)処理」の機能を有する。この解析(3点)処理の機能は、図2に示す表示画面17に表れた「解析(3点)」ボタン103を押下することによって選択される。
【0053】
「解析(3点)」ボタン103が押下されて解析(3点)処理が選択されている状態で、オペレータはカーソルを移動してクリックすることで、図25(a)に示す3点(x1,y1)、(x2,y2)、(x3,y3)を指定する。これにより、図示するように、(x1,y1)、(x2,y2)、(x1,y3)、(x2,y2−y1+y3)の4点を結ぶ平行四辺形の領域21’が指定される。
【0054】
そして、このように定義された領域21’に対して上述の処理(解析処理1,2,3及び解析描画処理)を適用する場合、コンピュータ13は、図25(b)に示すように、例えば左上から右下に向かって解析方向が指定されていれば、指定領域21’の上辺及び下辺の傾斜に応じて、処理するピクセル(図中網点を施したピクセル)のy座標を補正する。このような傾斜補正の処理を組み入れた解析処理(BOX)、解析処理1,2,3及び解析描画処理のフローチャートを図26〜図30に示す。
【0055】
《連携》
通常、建物の外壁は複雑な凹凸形状(庇、窓、バルコニー等)を含む。そのため、建物を撮影した画像には、日光が当たっている部分と日陰部分が混在する。そして、日光が当たっている部分と日陰部分では、当然、表面温度が異なる。したがって、上述のように、建物の外壁を複数の領域に分割し、それぞれの領域に上述した解析処理を適用することにより、より適切な相対熱画像が得られる。このようにして作成された相対熱画像は、他の画像データと組み合わせる(連携する)ことができる。
【0056】
例えば、図31は、可視カメラ12bで撮影された可視画像データと相対熱画像を組み合わせた連携画像を示す。このような連携画像を作成する場合、オペレータは図2に示す表示画面17の「解析連携」ボタン105を押下する。ボタン105が押下されると、コンピュータ13は、記憶部15に記憶されている可視画像データをもとに、表示画面17に可視画像30を表示する。次に、コンピュータ30は、記憶部15に記憶されている相対熱画像24(図16参照)を構成する画像データのうち、上述した解析処理で色情報が変更されたピクセル及びその座標データと色情報(有彩色)を取り出し、このピクセルに対応する可視画像30上のピクセルについて、その色情報を相対熱画像の色情報(有彩色)を置換する。これにより、可視画像30に変質箇所31を表示した連携画像(図31)が得られる。
【0057】
例えば、記憶部15に建物のCADデータが記憶されている場合、上述した可視画像と相対熱画像の連携と同様に、図32に示すように、CADデータ(図面)32に変質箇所33を表示することもできる。
【0058】
このようにして作成された連携画像によれば、変質箇所が建物の何処にあるかをより正確に認識することができる。
【0059】
《変形例》
以上の説明では、解析処理1において、コンピュータ13は、処理対象ピクセルPに隣接する3つのピクセルP(L)、P(U)、P(LU)(比較対象ピクセル)の温度t(L)、t(U)、t(LU)を取得するものとしたが、比較対象となるピクセルはそれら3つに限るものでない。例えば、図33に示すように、解析方向が「左→右」の場合、隣接する3つのピクセルのいずれか一つであってもよいし、比較対象となるピクセルの幅を左方向、右方向、又は左上方向に適宜拡大し、その範囲に含まれる各ピクセルと処理対象ピクセルとの温度を比較し、処理対象ピクセルの温度と比較対象ピクセルのいずれかの温度との差が閾値を越えている場合、当該処理対象ピクセルに「解析値有り」の情報を付与してもよい。解析方向が「右→左」、「上→下」、「下→上」の場合も同様である。
【符号の説明】
【0060】
10:建物診断システム
11:建物
12:赤外線デジタルカメラ
13:コンピュータ
14:ディスプレイ
15:記憶部
16:プリンタ
17:表示画面
18:画像表示部
19:ボタン表示部
20:熱画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤外線デジタルカメラで撮影された赤外線熱画像を利用する画像処理方法であって、
前記赤外線熱画像をディスプレイに表示する工程と、
前記ディスプレイに表示された前記赤外線熱画像の中で選択された領域において、前記領域に含まれる対象ピクセルの温度データが示す温度と該対象ピクセル以外の別の基準ピクセルの温度データが示す基準温度との温度差に関連する色情報を前記対象ピクセルに付与する工程と、
前記色情報をもって上記対象ピクセルを前記ディスプレイに表示する工程を含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項2】
赤外線デジタルカメラで撮影された赤外線熱画像を利用する画像処理方法であって、
前記赤外線熱画像をディスプレイに表示する工程1と、
前記ディスプレイに表示された前記赤外線熱画像の中で領域を指定する工程2と、
前記工程2で指定された領域に対し、前記領域に含まれる対象ピクセルの温度データが示す温度と該対象ピクセル以外の別の基準ピクセルの温度データが示す基準温度との温度差に関連する色情報を前記対象ピクセルに付与する工程3と、
前記色情報をもって上記対象ピクセルを前記ディスプレイに表示する工程4と、
前記工程1〜工程4を繰り返すことを特徴とする画像処理方法。
【請求項3】
赤外線デジタルカメラで撮影された赤外線熱画像を利用する画像処理装置であって、
前記赤外線熱画像をディスプレイに表示する手段と、
前記ディスプレイに表示された前記赤外線熱画像の中で選択された領域において、前記領域に含まれる対象ピクセルの温度データが示す温度と該対象ピクセル以外の別の基準ピクセルの温度データが示す基準温度との温度差に関連する色情報を前記対象ピクセルに付与する手段と、
前記色情報をもって上記対象ピクセルを前記ディスプレイに表示する手段を含むことを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
前記赤外線熱画像が特定の色の濃淡画像であることを特徴とする請求項3の画像処理装置。
【請求項5】
前記特定の色が無彩色であることを特徴とする請求項4の画像処理装置。
【請求項6】
前記色情報が有彩色に対応していることを特徴とする請求項3又は4の画像処理装置。
【請求項7】
前記色情報が付与されたピクセルが前記領域の縦方向又は横方向若しくはそれらの両方向に所定数以上連続していない場合、前記色情報が付与されたピクセルについて前記色情報を削除することを特徴とする請求項3〜6のいずれかの画像処理装置。
【請求項8】
赤外線デジタルカメラで撮影された建物の赤外線熱画像を利用して該建物の外壁の浮きや剥離の部分を表示する建物画像診断装置であって、
前記赤外線熱画像を表示するディスプレイと、
前記ディスプレイに表示された前記赤外線熱画像の任意の領域を指定する手段と、
前記領域に含まれる複数のピクセルのそれぞれについて、該ピクセルの温度データが示す温度と該ピクセルと所定の位置関係にある第1の別のピクセルの温度データが示す温度との温度差が所定の閾値以上か否かを判断する手段と、
前記温度差が前記閾値以上の場合、前記ピクセルに所定情報を付与する手段と、
前記所定情報が付与されたピクセルに隣接する第2の別のピクセルについて、該第2の別のピクセルの温度データが示す温度と前記第1の別のピクセルの温度データが示す温度との温度差が前記所定の閾値以上か否か判断する手段と、
前記温度差が前記所定の閾値以上と判断された各ピクセルに所定の色情報を付与する手段と、
前記色情報が付与された各ピクセルを前記色情報に対応する色をもって前記ディスプレイに表示する手段を備えたことを特徴とする建物画像診断装置。
【請求項9】
赤外線デジタルカメラで撮影された建物の赤外線熱画像を利用して該建物の外壁の浮きや剥離の部分を表示する建物画像診断装置であって、
前記赤外線熱画像を表示するディスプレイと、
前記ディスプレイに表示された前記赤外線熱画像の任意の領域を指定する手段と、
前記領域の中で所定の方向に配列された複数のピクセルのそれぞれについて、該ピクセルの温度データが示す温度と該ピクセルと所定の位置関係にある第1の別のピクセルの温度データが示す温度との温度差が所定の閾値以上か否かを判断する手段と、
前記温度差が前記閾値以上の場合、前記ピクセルに所定情報を付与する手段と、
前記所定方向に関して前記所定情報が付与されたピクセルに隣接する第2の別のピクセルについて、該第2の別のピクセルの温度データが示す温度と前記第1の別のピクセルの温度データが示す温度との温度差が前記所定の閾値以上か否か判断する手段と、
前記温度差が前記所定の閾値以上と判断された各ピクセルに所定の色情報を付与する手段と、
前記色情報が付与された各ピクセルを前記色情報に対応する色をもって前記ディスプレイに表示する手段を備えたことを特徴とする建物画像診断装置。

【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図24】
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【図25】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2012−221235(P2012−221235A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−86563(P2011−86563)
【出願日】平成23年4月8日(2011.4.8)
【特許番号】特許第5017507号(P5017507)
【特許公報発行日】平成24年9月5日(2012.9.5)
【出願人】(511075232)株式会社古田設計 (2)
【Fターム(参考)】