画像処理方法および画像処理装置
【課題】主画像情報の周波数分布に影響を受けることなく、安定して副情報を復元処理により取出すことが可能になる画像処理方法および画像処理装置を提供する。
【解決手段】可視状態の主画像情報に対して副情報を重畳処理することにより当該副情報を不可視状態で埋め込んで合成画像情報を作成する画像処理方法において、副情報を埋め込む前に主画像情報に対して副情報の復元時に影響を与える周波数成分を除去または低減する主画像周波数処理を行ない、この処理された主画像情報に対して副情報を重畳処理することにより当該副情報を不可視状態で埋め込み、合成画像情報を作成する。
【解決手段】可視状態の主画像情報に対して副情報を重畳処理することにより当該副情報を不可視状態で埋め込んで合成画像情報を作成する画像処理方法において、副情報を埋め込む前に主画像情報に対して副情報の復元時に影響を与える周波数成分を除去または低減する主画像周波数処理を行ない、この処理された主画像情報に対して副情報を重畳処理することにより当該副情報を不可視状態で埋め込み、合成画像情報を作成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば、可視状態の主画像情報(人物の顔画像など)に対して別の付加的な副情報(セキュリティ情報など)を不可視状態で埋め込み合成して合成画像情報を作成する画像処理方法および画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、情報の電子化やインターネットの普及に伴って、画像の偽造や変造防止のために電子透かし、電子署名などの技術が重要視されるようになってきている。特に、主画像情報に付加的な副情報を不可視状態で埋め込む電子透かし技術は、IDカードや著作権情報を埋め込んだ写真に対する不正コピー、偽造、改ざん対策として提案されている。
たとえば、主画像情報に色差情報を利用して副情報を重畳処理することにより当該副情報の埋め込みを行なう電子透かし方法が開示されている(たとえば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−268346号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
画像の偽造や変造防止のために用いられる電子透かし技術は、主画像情報に副情報(電子透かし情報)等の埋め込み情報を不可視状態で埋め込む技術であるが、後で副情報を取出すために復元処理を行なう必要がある。
副情報を取出す際の復元処理に関しては、従来から色々な手法があるが、その中でも周波数領域を利用した周波数フィルタリング等の手法はよく利用されることが多い。
ところが、周波数フィルタリングの手法では、主画像情報の周波数成分と埋め込んだ副情報の周波数成分とが干渉していると、周波数フィルタリング手法を用いて取出すことが困難になるといった問題が生じる。
【0004】
そこで、本発明は、主画像情報の周波数分布に影響を受けることなく、安定して副情報を復元処理により取出すことが可能になる画像処理方法および画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の画像処理方法は、可視状態の主画像情報に対して副情報を重畳処理することにより当該副情報を不可視状態で埋め込んで合成画像情報を作成する画像処理方法において、副情報を埋め込む前に主画像情報に対して副情報の復元時に影響を与える周波数成分を除去または低減する主画像周波数処理ステップと、この主画像周波数処理ステップで処理された主画像情報に対して副情報を重畳処理することにより当該副情報を不可視状態で埋め込み、合成画像情報を作成する埋め込み処理ステップとを具備している。
【0006】
また、本発明の画像処理装置は、可視状態の主画像情報に対して副情報を重畳処理することにより当該副情報を不可視状態で埋め込んで合成画像情報を作成する画像処理装置において、副情報を埋め込む前に主画像情報に対して副情報の復元時に影響を与える周波数成分を除去または低減する主画像周波数処理手段と、この主画像周波数処理手段で処理された主画像情報に対して副情報を重畳処理することにより当該副情報を不可視状態で埋め込み、合成画像情報を作成する埋め込み処理手段とを具備している。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、電子透かし埋め込み前の原画像から電子透かしに影響する周波数成分を除去することにより、主画像情報の周波数分布に影響を受けることなく、安定して副情報を復元処理により取出すことが可能になる画像処理方法および画像処理装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、第1の実施の形態について説明する。
図1(a)は、第1の実施の形態に係る画像処理装置の埋め込み処理系の構成を概略的に示すものである。この画像処理装置の埋め込み処理系は、たとえば、IDカードの個人認証用顔画像の処理に適用され、肉眼で可視状態の主画像情報(顔画像)に副情報(セキュリティ情報など)を不可視状態で埋め込んで合成画像情報を作成する、いわゆる電子透かし埋め込み処理を行なうもので、後で副情報を復元する際に用いる鍵情報を周波数領域に変換して第1ピーク成分の周波数領域を抽出する鍵情報ピーク成分抽出手段としての鍵情報ピーク成分抽出部104、副情報を埋め込む前に主画像情報に対して鍵情報ピーク成分抽出部104により得られた第1ピーク成分の周波数領域を除去または低減する主画像周波数処理手段としての主画像周波数処理部105、主画像周波数処理部105で処理された主画像情報に対して副情報を重畳処理することにより当該副情報を不可視状態で埋め込み、合成画像情報を作成する埋め込み処理手段としての電子透かし埋め込み処理部106、および、電子透かし埋め込み処理部106により作成された合成画像情報107を記録媒体の記録面上に可視状態で記録(印刷)する記録処理手段としての記録処理部108によって構成されている。
【0009】
次に、このような構成において処理の流れについて説明する。
入力情報として、主画像情報101、副情報(電子透かし情報)102、鍵情報103がある。主画像情報101は例えば個人認証用の顔画像、副情報102は主画像情報101のセキュリティ性を高める情報または真偽判定に用いる情報、さらには著作権管理に用いる情報など、鍵情報103は電子透かしとして埋め込んだ副情報102を後で取出して復元するときに用いる鍵となる情報である。
【0010】
まず、鍵情報ピーク成分抽出部104は、鍵情報103を入力としてピーク成分抽出処理を行なう。ここでは、復元に用いる鍵情報103を2次元画像に変換した後、たとえば、フーリエ変換等を行なうことで、2次元空間領域から周波数領域への変換を行ない、周波数領域での第1ピーク成分を抽出する。ここでの第1ピーク成分とは、周波数領域での振幅の信号レベルが一番高い領域を示す。
【0011】
次に、主画像周波数処理部105は、鍵情報ピーク成分抽出部104で抽出された第1ピーク成分および主画像情報101を入力として主画像周波数処理を行なう。ここでは、たとえば、主画像情報101をフーリエ変換等を行なうことで、空間領域から周波数領域への変換を行なった後に、鍵情報103の第1ピーク成分に相当する周波数成分を主画像情報101から低減または除去する。
【0012】
次に、電子透かし埋め込み処理部106は、主画像周波数処理部105で鍵情報103の第1ピーク成分相当を処理された主画像情報101、副情報102、および、鍵情報103を入力として電子透かし埋め込み処理を行なう。ここでは、処理済みの主画像情報101に対し副情報102を不可視状態で埋め込むことにより合成画像情報107を作成する。
【0013】
次に、記録処理部108は、電子透かし埋め込み処理部106で作成された合成画像情報107を可視画像として記録媒体に記録処理することにより、記録された合成画像情報(記録物)109が作成される。この場合の記録物とは例えば社員証等のIDカードを示す。
【0014】
以降、上述した図1(a)の副情報の埋め込み処理を電子透かし埋め込み処理と呼ぶ。
【0015】
図1(b)は、第1の実施の形態に係る画像処理装置の復元処理系の構成を概略的に示すものである。この画像処理装置の復元処理系は、図1(a)の電子透かし埋め込み処理で作成された記録物109から副情報102を復元する、いわゆる電子透かし復元処理を行なうもので、記録物109に記録されている合成画像情報を取込み、デジタルの画像情報に変換する記録画像入力部110、取込まれた画像情報から副情報(電子透かし情報)102を復元する復元処理部111、および、復元された副情報102の結果を表示する結果表示処理部114によって構成されている。
復元処理部111は、取込まれた画像情報から鍵情報103の空間周波数成分を検出する周波数検出処理部112、および、検出された空間周波数成分から副情報102を再構成する再構成処理部113によって構成されている。
【0016】
次に、このような構成において処理の流れについて説明する。
まず、記録画像入力部110は、記録物109に記録されている合成画像情報を光学的に読取り、デジタルの画像情報として入力する。次に、周波数検出処理部112は、記録画像入力部110で取込まれた画像情報から鍵情報103の空間周波数成分を検出する。次に、再構成処理部113は、周波数検出処理部112で検出された空間周波数成分から副情報102を再構成する。次に、結果表示処理部114は、再構成処理部113で再構成された副情報を表示する。
【0017】
以降、上述した図1(b)の副情報の復元処理を電子透かし復元処理と呼ぶ。
【0018】
図2は、作成されたIDカード201(記録物109に相当)の具体例を示している。IDカード201には、持ち主の個人認証用顔画像202が記録されているが、この顔画像202は図1(a)で説明した処理によって作成され記録されたものである。また、識別番号(いわゆるID番号)、氏名、生年月日、有効期限などの個人管理情報203が記録されている。これらの個人管理情報203を、図1(a)の電子透かし埋め込み処理における副情報102として用いることにより、IDカード201の認証用顔画像202と個人管理情報203とが関連付けられるため、IDカード201の一部を改ざんしたり、偽造したりすることが困難になり、セキュリティ性を高めることが可能になる。
【0019】
図3は、重畳処理を利用した電子透かし埋め込み処理の例を示している。本実施の形態では、たとえば、特願2003−424329等に記述されている色差および重畳処理を用いた電子透かし処理方法が適用できる。詳細については上記文献の記述内容を参照していただき、ここでは簡単な原理のみについて説明する。
【0020】
最初に色差変調処理について説明する。
図1(a)における鍵情報103を下記式(A−1)〜(A−6)にしたがい色差変調処理することにより埋め込み情報を作成する。
KEY(x,y)=白画素の場合 → EMD(x,y)−R=
+△CD−R……(A−1)
EMD(x,y)−G=
−△CD−G……(A−2)
EMD(x,y)−B=
−△CD−B……(A−3)
KEY(x,y)=黒画素の場合 → EMD(x,y)−R=
−△CD−R……(A−4)
EMD(x,y)−G=
+△CD−G……(A−5)
EMD(x,y)−B=
+△CD−B……(A−6)
KEY(x,y):鍵情報
EMD(x,y):埋め込み情報(色差変調処理結果)
ΔCD :色差量
色差変調処理の結果、鍵情報が白画素に対応している部分はレッド成分リッチ(R−rich)になり、黒画素に対応している部分はシアン成分リッチ(C−rich)になる。レッドとシアンは物理補色の関係にあるために、両者を足し合わせると無彩色になる。したがって、この画素ピッチを人間の肉眼の感知範囲を超えた高解像度(約300dpi以上)に設定することにより、色差変調処理結果である埋め込み情報は肉眼ではレッドとシアンが識別できず無彩色(灰色)となる。この性質を利用することにより、鍵情報のパターンを見かけ上無彩色情報に置き換えることができる。
【0021】
なお、上記式では鍵情報が白画素の場合にシアン成分リッチに、黒画素の場合にレッド成分リッチになるように色差変調を行なっているが、この関係は相対的なので、シアン成分リッチとレッド成分リッチが逆になっても原理上差し支えない。
【0022】
次に、重畳処理について説明する。
重畳処理は、画像の座標(x,y)における主画像情報、重畳用の埋め込み情報、合成画像情報を下記のように定義すると、
主画像情報 :SRC−C(x,y)……図3(a)に相当……(B−1)
埋め込み情報:EMD−C(x,y)……図3(b)に相当……(B−2)
合成画像情報:DES−C(x,y)……図3(c)に相当……(B−3)
x,yは画像の座標値(座標サイズは全て同じものとする)
C={R(赤)、G(緑)、B(青)}プレーンを示す
それぞれの値は24ビットカラー演算の場合は、0〜255の整数値
次式で表される。
【0023】
DES−R(x,y)=SRC−R(x,y)+EMD−R(x,y)……(C−1)
DES−G(x,y)=SRC−G(x,y)+EMD−G(x,y)……(C−2)
DES−B(x,y)=SRC−B(x,y)+EMD−B(x,y)……(C−3)
この方式では、
(1)人間の視覚特性を利用
・画像の周波数が高くなるほど階調識別能力が低下
・輝度情報よりも色差情報の方が判別困難
(2)補色の関係例……赤色+シアン色=無彩色(白) (加法混色の場合)
(3)高周波キャリアパターン画像に補色の関係および色差情報を適用(色差変調処
理)
を用いることにより、画質劣化を招くことなく、主画像情報に副情報を不可視状態で埋め込むことが可能になっている。
【0024】
上記(2)の例でいえば、赤色とシアン色(=緑色+青色)は、加法混色の場合、補色の関係にあり、赤色とシアン色が隣り合っていても人間の目には判別しにくく無彩色に見える。
上記(3)のように、高周波キャリアパターン画像を用いることで、赤色リッチな画素とシアン色リッチな画素が繰り返し配置されているため、人間の目ではこれらの細かな色差の違いを識別できず、色差量はプラスマイナス「0」と判断してしまう人間の視覚特性を利用している。
【0025】
図4は、本実施の形態で用いる主画像情報(人の顔画像)を空間領域から周波数領域に変換した例を示している。図4(a)は認証用写真等の人物の顔画像401であり、図4(b)は周波数領域での振幅の信号レベルを模式的に示したものである。図4(b)の符号402はx−y平面での周波数分布、403はx−z平面での周波数分布を示す。一般的に、人物の顔画像のような自然画像は周波数が低い領域である中央の信号レベルが高く、周波数が高い領域である周辺にいくにしたがって信号レベルは低くなる。
【0026】
図5は、本実施の形態で用いる鍵情報を空間領域から周波数領域に変換した例を示している。図5の鍵情報は矩形格子パターンを用いているが、”1”または”0”のビット列を使用する場合は、たとえば、”1”を黒画素、”0”を白画素に対応させて白黒2値画像に変換して用いることで対応可能である。
【0027】
図5(a)は鍵情報501であり、図5(b)は図5(a)の一部分を拡大したものであり、図5(c)は周波数領域での振幅の信号レベルを模式的に示したものである。図5(c)の符号503はx−y平面での周波数分布、504はx−z平面での周波数分布を示す。図5(b)の拡大図にあるように、本例の鍵情報502は、横KEY(P)x、縦KEY(P)yの半周期を持つ矩形格子パターンである。このような場合、周波数分布は、
KEY(P)x:KEY(P)y=f(P)y:f(P)x……(D−1)
の関係となる第1ピークP1が図5(c)に示すように4点存在し、x方向およびy方向に基本周期の奇数分の1の周期の高周波成分が第2ピークP2、第3ピークP3(図示省略)として現れる。
【0028】
図6は、上記式(C−1)〜(C−3)で示した重畳処理を周波数領域での表現に変換したものを模式的に示したものである。
図6(a)は主画像情報の周波数領域表現、図6(b)は鍵情報の周波数領域表現、図6(c)は合成画像情報の周波数領域表現である。正確には重畳処理において、図6(b)は鍵情報の周波数領域ではなく、埋め込み情報の周波数領域表現であるが、色差変調ではR,G,Bの1つの色プレーンに特定して着目した場合、鍵情報の周波数は全く変更されておらず、そのまま埋め込み情報へと変換されているため、[鍵情報の周波数領域表現=埋め込み情報の周波数表現]と見なして構わない。
【0029】
重畳処理の結果、図6(c)で示すように、x−y平面で見た場合、主画像情報の周波数分布と鍵情報の周波数成分とが重なっているため、周波数の干渉を起こしている(E部参照)。
そのため、図1(b)で説明したように、復元処理において周波数検出処理で鍵情報の周波数成分だけを抽出するのは難しく、主画像情報の成分も一緒に検出してしまうこととなる。
【0030】
そこで、図7で示すような周波数低減関数を作成し、主画像情報に対し周波数フィルタリング処理を行なうことにより、上記問題点を解決する。
図7の周波数低減関数の±fx1は図5(c)のf(p)xから求められ、
fx1≦f(p)x……(E−1)
となる。
【0031】
また(図示していないが)、±fy1は図5(c)のf(p)yから求められ、
fy1≦f(p)y……(E−2)
となる。
【0032】
±fx2、±fy2は画像の画素数から決定され、主画像情報のx方向画素数Ix、y方向画素数Iyとすると、
fx2=1/(Ix/2)……(E−3)
fy2=1/(Iy/2)……(E−4)
となる。
【0033】
図7の周波数低減関数の係数A1およびA2は実験的に求められ、本実施の形態の場合、
A1=1.0……(E−5)
A2=0.5……(E−6)
とした。
【0034】
上記のような周波数低減関数Fr(x,y)を主画像情報の周波数領域に変換した状態で掛け合わせると、変更後の主画像情報SRC2(x,y)は下記のように示される。
SRC2(x,y)=SRC(X,y)・Fr(x,y)……(F−1)
図8(a)に変更前の主画像情報の周波数分布を、図8(b)に変更後の主画像情報の周波数分布を模式的に示している。周波数低減関数の係数A1,A2にしたがい、全体のピークはあまり変更しないで維持されたまま、周波数の広がりがx方向、y方向ともに狭くなっている。
【0035】
変更後の主画像情報を用いて重畳処理した結果の周波数分布を図9に模式的に示す。図示のように、x−y平面において主画像情報と鍵情報(埋め込み情報)との周波数の重なりがほとんど無いため、周波数干渉が生じない(F部参照)。したがって、復元処理を行なった場合、鍵情報の周波数のみを精度良く検知することが可能になる。
【0036】
以上説明したように第1の実施の形態によれば、電子透かし埋め込み前の原画像から電子透かしに影響する周波数成分を除去することにより、副情報の復元処理時に周波数干渉が起こりにくくなるため、精度良く鍵情報の周波数のみを検知でき、電子透かし情報(副情報)を取出しやすくなる。
【0037】
次に、第2の実施の形態について説明する。
図10は、第2の実施の形態に係る画像処理装置の埋め込み処理系の構成を概略的に示すものである。第2の実施の形態に係る画像処理装置の埋め込み処理系は、鍵情報103が複数個(N個)の鍵情報1031〜103Nとなり、それに伴い鍵情報ピーク成分抽出部104も複数個(N個)の鍵情報ピーク成分抽出部1041〜104Nとなり、これら鍵情報ピーク成分抽出部1041〜104Nにより得られた第1ピーク成分の周波数領域を合成して1つの鍵情報ピーク成分の周波数領域を作成する鍵情報ピーク成分群合成手段としての鍵情報ピーク成分群合成部115が追加された点が第1の実施の形態と異なり、その他は第1の実施の形態と同様であるので説明は省略する。
【0038】
以下、処理の流れについて説明する。
まず、鍵情報ピーク成分抽出部1041〜104Nは、複数の鍵情報1031〜103Nを入力として鍵情報ピーク成分抽出処理を行なう。これらは、たとえば、復元に用いる鍵情報1031〜103Nを2次元画像に変換した後、フーリエ変換等を行なうことで、2次元空間領域から周波数領域への変換を行ない、周波数領域での第1ピーク成分を抽出する。ここでの第1ピーク成分とは周波数領域での振幅の信号レベルが一番高い領域を示す。
【0039】
次に、鍵情報ピーク成分群合成部115は、複数の鍵情報ピーク成分抽出部1041〜104Nで求めた各鍵情報1031〜103Nの第1ピーク成分を1つの周波数分布に合成する。
【0040】
次に、主画像周波数処理部105は、鍵情報ピーク成分群合成部110でまとめた周波数分布および主画像情報101を入力として主画像周波数処理を行なう。ここでは、たとえば、主画像情報101をフーリエ変換等を行なうことで、空間領域から周波数領域への変換を行った後に、複数の鍵情報1031〜103Nの第1ピーク成分を合成した周波数分布に相当する周波数成分を主画像情報101から低減または除去する。
【0041】
次に、電子透かし埋め込み処理部106は、主画像周波数処理部105で複数の鍵情報1031〜103Nの第1ピーク成分相当を処理された主画像情報101、副情報102、および、複数の鍵情報1031〜103Nを入力として電子透かし埋め込み処理を行なう。ここでは、処理済みの主画像情報101に対し副情報102を不可視状態で埋め込むことにより合成画像情報107を作成する。
【0042】
次に、記録処理部108は、電子透かし埋め込み処理部106で作成された合成画像情報107を可視画像として記録媒体に記録処理することにより、記録された合成画像情報(記録物)109が作成される。この場合の記録物とは例えば社員証等のIDカードを示す。
【0043】
鍵情報ピーク成分群合成部115は、下記数式にしたがって鍵画像ピーク成分の合成を行なう。
fc(x,y)=Σ(fp1(x,y)+fp2(x,y)+…
+fpi(x,y)+…+fpN(x,y))……(G−1)
fc(x,y) :鍵情報ピーク成分群合成部の結果
fpi(x,y):i番目の鍵情報ピーク成分抽出部の結果
電子透かし埋め込み処理部106は、たとえば、特願2003−424329等に記述されている電子透かし埋め込み処理方法が適用できる。詳細については上記文献の記述内容を参照していただき、ここでは簡単な原理のみについて以下に説明する。
【0044】
図11は、主画像情報に副情報を埋め込んで合成画像情報を作成する処理の流れを示しており、以下、この流れ図を参照して説明する。
入力情報として、主画像周波数処理部105で処理後の主画像情報101′、副情報102、N個の鍵情報1031〜103Nがある。鍵情報1031〜103Nは、それぞれ種類の異なるN個(N:整数)の鍵情報を2値画像で表現したものである。
【0045】
まず、N個の色差量補正処理ステップ1161〜116Nでは、主画像情報101′およびあらかじめ設定された色差量ΔCdをそれぞれ入力として色差量補正処理が行なわれる。
次に、N個の色差変調処理ステップ1171〜117Nでは、色差量補正処理ステップ1111〜111Nの各結果および鍵情報1031〜103Nをそれぞれ入力として、色差変調処理が行なわれ、N個の色差変調処理結果がそれぞれ得られる。
【0046】
次に、選択・合成処理ステップ118では、色差変調処理ステップ1171〜117Nの各結果および副情報102をそれぞれ入力として、選択・合成処理が行なわれ、1つの選択・合成結果が得られる。
次に、重畳処理ステップ119では、主画像情報101′および選択・合成処理ステップ118の結果をそれぞれ入力として、主画像情報101′に対する選択・合成処理結果の重畳処理が行なわれ、合成画像情報107が作成される。
【0047】
以上説明したように第2の実施実施の形態によれば、鍵情報が複数個になった場合でも、電子透かし埋め込み前の原画像から電子透かしに影響する周波数成分を除去することにより、副情報の復元処理時に周波数干渉が起こりにくくなるため、精度良く鍵情報の周波数のみを検知でき、電子透かし情報(副情報)を取出しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像処理装置の構成を示すもので、(a)図は埋め込み処理系の構成を概略的に示すブロック図、(b)図は復元処理系の構成を概略的に示すブロック図。
【図2】作成されたIDカードの一例を模式的に示す平面図。
【図3】電子透かしの重畳処理を説明するための模式図。
【図4】主画像情報の周波数分布を示す模式図。
【図5】鍵情報の周波数分布を示す模式図。
【図6】合成画像情報の周波数分布を示す模式図。
【図7】周波数低減関数を示す模式図。
【図8】主画像情報の周波数分布処理の例を示す模式図。
【図9】効果を説明するための模式図。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る画像処理装置の埋め込み処理系の構成を概略的に示すブロック図。
【図11】電子透かし埋め込み処理部の処理を説明するための流れ図。
【符号の説明】
【0049】
101…主画像情報、102…副情報(電子透かし情報)、103…鍵情報、104…鍵情報ピーク成分抽出部(鍵情報ピーク成分抽出手段)、105…主画像周波数処理部(主画像周波数処理手段)、106…電子透かし埋め込み処理部(埋め込み処理手段)、107…合成画像情報、108…記録処理部(記録処理手段)、109…記録物、201…IDカード、202…認証用顔画像、203…個人管理情報。
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば、可視状態の主画像情報(人物の顔画像など)に対して別の付加的な副情報(セキュリティ情報など)を不可視状態で埋め込み合成して合成画像情報を作成する画像処理方法および画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、情報の電子化やインターネットの普及に伴って、画像の偽造や変造防止のために電子透かし、電子署名などの技術が重要視されるようになってきている。特に、主画像情報に付加的な副情報を不可視状態で埋め込む電子透かし技術は、IDカードや著作権情報を埋め込んだ写真に対する不正コピー、偽造、改ざん対策として提案されている。
たとえば、主画像情報に色差情報を利用して副情報を重畳処理することにより当該副情報の埋め込みを行なう電子透かし方法が開示されている(たとえば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−268346号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
画像の偽造や変造防止のために用いられる電子透かし技術は、主画像情報に副情報(電子透かし情報)等の埋め込み情報を不可視状態で埋め込む技術であるが、後で副情報を取出すために復元処理を行なう必要がある。
副情報を取出す際の復元処理に関しては、従来から色々な手法があるが、その中でも周波数領域を利用した周波数フィルタリング等の手法はよく利用されることが多い。
ところが、周波数フィルタリングの手法では、主画像情報の周波数成分と埋め込んだ副情報の周波数成分とが干渉していると、周波数フィルタリング手法を用いて取出すことが困難になるといった問題が生じる。
【0004】
そこで、本発明は、主画像情報の周波数分布に影響を受けることなく、安定して副情報を復元処理により取出すことが可能になる画像処理方法および画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の画像処理方法は、可視状態の主画像情報に対して副情報を重畳処理することにより当該副情報を不可視状態で埋め込んで合成画像情報を作成する画像処理方法において、副情報を埋め込む前に主画像情報に対して副情報の復元時に影響を与える周波数成分を除去または低減する主画像周波数処理ステップと、この主画像周波数処理ステップで処理された主画像情報に対して副情報を重畳処理することにより当該副情報を不可視状態で埋め込み、合成画像情報を作成する埋め込み処理ステップとを具備している。
【0006】
また、本発明の画像処理装置は、可視状態の主画像情報に対して副情報を重畳処理することにより当該副情報を不可視状態で埋め込んで合成画像情報を作成する画像処理装置において、副情報を埋め込む前に主画像情報に対して副情報の復元時に影響を与える周波数成分を除去または低減する主画像周波数処理手段と、この主画像周波数処理手段で処理された主画像情報に対して副情報を重畳処理することにより当該副情報を不可視状態で埋め込み、合成画像情報を作成する埋め込み処理手段とを具備している。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、電子透かし埋め込み前の原画像から電子透かしに影響する周波数成分を除去することにより、主画像情報の周波数分布に影響を受けることなく、安定して副情報を復元処理により取出すことが可能になる画像処理方法および画像処理装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、第1の実施の形態について説明する。
図1(a)は、第1の実施の形態に係る画像処理装置の埋め込み処理系の構成を概略的に示すものである。この画像処理装置の埋め込み処理系は、たとえば、IDカードの個人認証用顔画像の処理に適用され、肉眼で可視状態の主画像情報(顔画像)に副情報(セキュリティ情報など)を不可視状態で埋め込んで合成画像情報を作成する、いわゆる電子透かし埋め込み処理を行なうもので、後で副情報を復元する際に用いる鍵情報を周波数領域に変換して第1ピーク成分の周波数領域を抽出する鍵情報ピーク成分抽出手段としての鍵情報ピーク成分抽出部104、副情報を埋め込む前に主画像情報に対して鍵情報ピーク成分抽出部104により得られた第1ピーク成分の周波数領域を除去または低減する主画像周波数処理手段としての主画像周波数処理部105、主画像周波数処理部105で処理された主画像情報に対して副情報を重畳処理することにより当該副情報を不可視状態で埋め込み、合成画像情報を作成する埋め込み処理手段としての電子透かし埋め込み処理部106、および、電子透かし埋め込み処理部106により作成された合成画像情報107を記録媒体の記録面上に可視状態で記録(印刷)する記録処理手段としての記録処理部108によって構成されている。
【0009】
次に、このような構成において処理の流れについて説明する。
入力情報として、主画像情報101、副情報(電子透かし情報)102、鍵情報103がある。主画像情報101は例えば個人認証用の顔画像、副情報102は主画像情報101のセキュリティ性を高める情報または真偽判定に用いる情報、さらには著作権管理に用いる情報など、鍵情報103は電子透かしとして埋め込んだ副情報102を後で取出して復元するときに用いる鍵となる情報である。
【0010】
まず、鍵情報ピーク成分抽出部104は、鍵情報103を入力としてピーク成分抽出処理を行なう。ここでは、復元に用いる鍵情報103を2次元画像に変換した後、たとえば、フーリエ変換等を行なうことで、2次元空間領域から周波数領域への変換を行ない、周波数領域での第1ピーク成分を抽出する。ここでの第1ピーク成分とは、周波数領域での振幅の信号レベルが一番高い領域を示す。
【0011】
次に、主画像周波数処理部105は、鍵情報ピーク成分抽出部104で抽出された第1ピーク成分および主画像情報101を入力として主画像周波数処理を行なう。ここでは、たとえば、主画像情報101をフーリエ変換等を行なうことで、空間領域から周波数領域への変換を行なった後に、鍵情報103の第1ピーク成分に相当する周波数成分を主画像情報101から低減または除去する。
【0012】
次に、電子透かし埋め込み処理部106は、主画像周波数処理部105で鍵情報103の第1ピーク成分相当を処理された主画像情報101、副情報102、および、鍵情報103を入力として電子透かし埋め込み処理を行なう。ここでは、処理済みの主画像情報101に対し副情報102を不可視状態で埋め込むことにより合成画像情報107を作成する。
【0013】
次に、記録処理部108は、電子透かし埋め込み処理部106で作成された合成画像情報107を可視画像として記録媒体に記録処理することにより、記録された合成画像情報(記録物)109が作成される。この場合の記録物とは例えば社員証等のIDカードを示す。
【0014】
以降、上述した図1(a)の副情報の埋め込み処理を電子透かし埋め込み処理と呼ぶ。
【0015】
図1(b)は、第1の実施の形態に係る画像処理装置の復元処理系の構成を概略的に示すものである。この画像処理装置の復元処理系は、図1(a)の電子透かし埋め込み処理で作成された記録物109から副情報102を復元する、いわゆる電子透かし復元処理を行なうもので、記録物109に記録されている合成画像情報を取込み、デジタルの画像情報に変換する記録画像入力部110、取込まれた画像情報から副情報(電子透かし情報)102を復元する復元処理部111、および、復元された副情報102の結果を表示する結果表示処理部114によって構成されている。
復元処理部111は、取込まれた画像情報から鍵情報103の空間周波数成分を検出する周波数検出処理部112、および、検出された空間周波数成分から副情報102を再構成する再構成処理部113によって構成されている。
【0016】
次に、このような構成において処理の流れについて説明する。
まず、記録画像入力部110は、記録物109に記録されている合成画像情報を光学的に読取り、デジタルの画像情報として入力する。次に、周波数検出処理部112は、記録画像入力部110で取込まれた画像情報から鍵情報103の空間周波数成分を検出する。次に、再構成処理部113は、周波数検出処理部112で検出された空間周波数成分から副情報102を再構成する。次に、結果表示処理部114は、再構成処理部113で再構成された副情報を表示する。
【0017】
以降、上述した図1(b)の副情報の復元処理を電子透かし復元処理と呼ぶ。
【0018】
図2は、作成されたIDカード201(記録物109に相当)の具体例を示している。IDカード201には、持ち主の個人認証用顔画像202が記録されているが、この顔画像202は図1(a)で説明した処理によって作成され記録されたものである。また、識別番号(いわゆるID番号)、氏名、生年月日、有効期限などの個人管理情報203が記録されている。これらの個人管理情報203を、図1(a)の電子透かし埋め込み処理における副情報102として用いることにより、IDカード201の認証用顔画像202と個人管理情報203とが関連付けられるため、IDカード201の一部を改ざんしたり、偽造したりすることが困難になり、セキュリティ性を高めることが可能になる。
【0019】
図3は、重畳処理を利用した電子透かし埋め込み処理の例を示している。本実施の形態では、たとえば、特願2003−424329等に記述されている色差および重畳処理を用いた電子透かし処理方法が適用できる。詳細については上記文献の記述内容を参照していただき、ここでは簡単な原理のみについて説明する。
【0020】
最初に色差変調処理について説明する。
図1(a)における鍵情報103を下記式(A−1)〜(A−6)にしたがい色差変調処理することにより埋め込み情報を作成する。
KEY(x,y)=白画素の場合 → EMD(x,y)−R=
+△CD−R……(A−1)
EMD(x,y)−G=
−△CD−G……(A−2)
EMD(x,y)−B=
−△CD−B……(A−3)
KEY(x,y)=黒画素の場合 → EMD(x,y)−R=
−△CD−R……(A−4)
EMD(x,y)−G=
+△CD−G……(A−5)
EMD(x,y)−B=
+△CD−B……(A−6)
KEY(x,y):鍵情報
EMD(x,y):埋め込み情報(色差変調処理結果)
ΔCD :色差量
色差変調処理の結果、鍵情報が白画素に対応している部分はレッド成分リッチ(R−rich)になり、黒画素に対応している部分はシアン成分リッチ(C−rich)になる。レッドとシアンは物理補色の関係にあるために、両者を足し合わせると無彩色になる。したがって、この画素ピッチを人間の肉眼の感知範囲を超えた高解像度(約300dpi以上)に設定することにより、色差変調処理結果である埋め込み情報は肉眼ではレッドとシアンが識別できず無彩色(灰色)となる。この性質を利用することにより、鍵情報のパターンを見かけ上無彩色情報に置き換えることができる。
【0021】
なお、上記式では鍵情報が白画素の場合にシアン成分リッチに、黒画素の場合にレッド成分リッチになるように色差変調を行なっているが、この関係は相対的なので、シアン成分リッチとレッド成分リッチが逆になっても原理上差し支えない。
【0022】
次に、重畳処理について説明する。
重畳処理は、画像の座標(x,y)における主画像情報、重畳用の埋め込み情報、合成画像情報を下記のように定義すると、
主画像情報 :SRC−C(x,y)……図3(a)に相当……(B−1)
埋め込み情報:EMD−C(x,y)……図3(b)に相当……(B−2)
合成画像情報:DES−C(x,y)……図3(c)に相当……(B−3)
x,yは画像の座標値(座標サイズは全て同じものとする)
C={R(赤)、G(緑)、B(青)}プレーンを示す
それぞれの値は24ビットカラー演算の場合は、0〜255の整数値
次式で表される。
【0023】
DES−R(x,y)=SRC−R(x,y)+EMD−R(x,y)……(C−1)
DES−G(x,y)=SRC−G(x,y)+EMD−G(x,y)……(C−2)
DES−B(x,y)=SRC−B(x,y)+EMD−B(x,y)……(C−3)
この方式では、
(1)人間の視覚特性を利用
・画像の周波数が高くなるほど階調識別能力が低下
・輝度情報よりも色差情報の方が判別困難
(2)補色の関係例……赤色+シアン色=無彩色(白) (加法混色の場合)
(3)高周波キャリアパターン画像に補色の関係および色差情報を適用(色差変調処
理)
を用いることにより、画質劣化を招くことなく、主画像情報に副情報を不可視状態で埋め込むことが可能になっている。
【0024】
上記(2)の例でいえば、赤色とシアン色(=緑色+青色)は、加法混色の場合、補色の関係にあり、赤色とシアン色が隣り合っていても人間の目には判別しにくく無彩色に見える。
上記(3)のように、高周波キャリアパターン画像を用いることで、赤色リッチな画素とシアン色リッチな画素が繰り返し配置されているため、人間の目ではこれらの細かな色差の違いを識別できず、色差量はプラスマイナス「0」と判断してしまう人間の視覚特性を利用している。
【0025】
図4は、本実施の形態で用いる主画像情報(人の顔画像)を空間領域から周波数領域に変換した例を示している。図4(a)は認証用写真等の人物の顔画像401であり、図4(b)は周波数領域での振幅の信号レベルを模式的に示したものである。図4(b)の符号402はx−y平面での周波数分布、403はx−z平面での周波数分布を示す。一般的に、人物の顔画像のような自然画像は周波数が低い領域である中央の信号レベルが高く、周波数が高い領域である周辺にいくにしたがって信号レベルは低くなる。
【0026】
図5は、本実施の形態で用いる鍵情報を空間領域から周波数領域に変換した例を示している。図5の鍵情報は矩形格子パターンを用いているが、”1”または”0”のビット列を使用する場合は、たとえば、”1”を黒画素、”0”を白画素に対応させて白黒2値画像に変換して用いることで対応可能である。
【0027】
図5(a)は鍵情報501であり、図5(b)は図5(a)の一部分を拡大したものであり、図5(c)は周波数領域での振幅の信号レベルを模式的に示したものである。図5(c)の符号503はx−y平面での周波数分布、504はx−z平面での周波数分布を示す。図5(b)の拡大図にあるように、本例の鍵情報502は、横KEY(P)x、縦KEY(P)yの半周期を持つ矩形格子パターンである。このような場合、周波数分布は、
KEY(P)x:KEY(P)y=f(P)y:f(P)x……(D−1)
の関係となる第1ピークP1が図5(c)に示すように4点存在し、x方向およびy方向に基本周期の奇数分の1の周期の高周波成分が第2ピークP2、第3ピークP3(図示省略)として現れる。
【0028】
図6は、上記式(C−1)〜(C−3)で示した重畳処理を周波数領域での表現に変換したものを模式的に示したものである。
図6(a)は主画像情報の周波数領域表現、図6(b)は鍵情報の周波数領域表現、図6(c)は合成画像情報の周波数領域表現である。正確には重畳処理において、図6(b)は鍵情報の周波数領域ではなく、埋め込み情報の周波数領域表現であるが、色差変調ではR,G,Bの1つの色プレーンに特定して着目した場合、鍵情報の周波数は全く変更されておらず、そのまま埋め込み情報へと変換されているため、[鍵情報の周波数領域表現=埋め込み情報の周波数表現]と見なして構わない。
【0029】
重畳処理の結果、図6(c)で示すように、x−y平面で見た場合、主画像情報の周波数分布と鍵情報の周波数成分とが重なっているため、周波数の干渉を起こしている(E部参照)。
そのため、図1(b)で説明したように、復元処理において周波数検出処理で鍵情報の周波数成分だけを抽出するのは難しく、主画像情報の成分も一緒に検出してしまうこととなる。
【0030】
そこで、図7で示すような周波数低減関数を作成し、主画像情報に対し周波数フィルタリング処理を行なうことにより、上記問題点を解決する。
図7の周波数低減関数の±fx1は図5(c)のf(p)xから求められ、
fx1≦f(p)x……(E−1)
となる。
【0031】
また(図示していないが)、±fy1は図5(c)のf(p)yから求められ、
fy1≦f(p)y……(E−2)
となる。
【0032】
±fx2、±fy2は画像の画素数から決定され、主画像情報のx方向画素数Ix、y方向画素数Iyとすると、
fx2=1/(Ix/2)……(E−3)
fy2=1/(Iy/2)……(E−4)
となる。
【0033】
図7の周波数低減関数の係数A1およびA2は実験的に求められ、本実施の形態の場合、
A1=1.0……(E−5)
A2=0.5……(E−6)
とした。
【0034】
上記のような周波数低減関数Fr(x,y)を主画像情報の周波数領域に変換した状態で掛け合わせると、変更後の主画像情報SRC2(x,y)は下記のように示される。
SRC2(x,y)=SRC(X,y)・Fr(x,y)……(F−1)
図8(a)に変更前の主画像情報の周波数分布を、図8(b)に変更後の主画像情報の周波数分布を模式的に示している。周波数低減関数の係数A1,A2にしたがい、全体のピークはあまり変更しないで維持されたまま、周波数の広がりがx方向、y方向ともに狭くなっている。
【0035】
変更後の主画像情報を用いて重畳処理した結果の周波数分布を図9に模式的に示す。図示のように、x−y平面において主画像情報と鍵情報(埋め込み情報)との周波数の重なりがほとんど無いため、周波数干渉が生じない(F部参照)。したがって、復元処理を行なった場合、鍵情報の周波数のみを精度良く検知することが可能になる。
【0036】
以上説明したように第1の実施の形態によれば、電子透かし埋め込み前の原画像から電子透かしに影響する周波数成分を除去することにより、副情報の復元処理時に周波数干渉が起こりにくくなるため、精度良く鍵情報の周波数のみを検知でき、電子透かし情報(副情報)を取出しやすくなる。
【0037】
次に、第2の実施の形態について説明する。
図10は、第2の実施の形態に係る画像処理装置の埋め込み処理系の構成を概略的に示すものである。第2の実施の形態に係る画像処理装置の埋め込み処理系は、鍵情報103が複数個(N個)の鍵情報1031〜103Nとなり、それに伴い鍵情報ピーク成分抽出部104も複数個(N個)の鍵情報ピーク成分抽出部1041〜104Nとなり、これら鍵情報ピーク成分抽出部1041〜104Nにより得られた第1ピーク成分の周波数領域を合成して1つの鍵情報ピーク成分の周波数領域を作成する鍵情報ピーク成分群合成手段としての鍵情報ピーク成分群合成部115が追加された点が第1の実施の形態と異なり、その他は第1の実施の形態と同様であるので説明は省略する。
【0038】
以下、処理の流れについて説明する。
まず、鍵情報ピーク成分抽出部1041〜104Nは、複数の鍵情報1031〜103Nを入力として鍵情報ピーク成分抽出処理を行なう。これらは、たとえば、復元に用いる鍵情報1031〜103Nを2次元画像に変換した後、フーリエ変換等を行なうことで、2次元空間領域から周波数領域への変換を行ない、周波数領域での第1ピーク成分を抽出する。ここでの第1ピーク成分とは周波数領域での振幅の信号レベルが一番高い領域を示す。
【0039】
次に、鍵情報ピーク成分群合成部115は、複数の鍵情報ピーク成分抽出部1041〜104Nで求めた各鍵情報1031〜103Nの第1ピーク成分を1つの周波数分布に合成する。
【0040】
次に、主画像周波数処理部105は、鍵情報ピーク成分群合成部110でまとめた周波数分布および主画像情報101を入力として主画像周波数処理を行なう。ここでは、たとえば、主画像情報101をフーリエ変換等を行なうことで、空間領域から周波数領域への変換を行った後に、複数の鍵情報1031〜103Nの第1ピーク成分を合成した周波数分布に相当する周波数成分を主画像情報101から低減または除去する。
【0041】
次に、電子透かし埋め込み処理部106は、主画像周波数処理部105で複数の鍵情報1031〜103Nの第1ピーク成分相当を処理された主画像情報101、副情報102、および、複数の鍵情報1031〜103Nを入力として電子透かし埋め込み処理を行なう。ここでは、処理済みの主画像情報101に対し副情報102を不可視状態で埋め込むことにより合成画像情報107を作成する。
【0042】
次に、記録処理部108は、電子透かし埋め込み処理部106で作成された合成画像情報107を可視画像として記録媒体に記録処理することにより、記録された合成画像情報(記録物)109が作成される。この場合の記録物とは例えば社員証等のIDカードを示す。
【0043】
鍵情報ピーク成分群合成部115は、下記数式にしたがって鍵画像ピーク成分の合成を行なう。
fc(x,y)=Σ(fp1(x,y)+fp2(x,y)+…
+fpi(x,y)+…+fpN(x,y))……(G−1)
fc(x,y) :鍵情報ピーク成分群合成部の結果
fpi(x,y):i番目の鍵情報ピーク成分抽出部の結果
電子透かし埋め込み処理部106は、たとえば、特願2003−424329等に記述されている電子透かし埋め込み処理方法が適用できる。詳細については上記文献の記述内容を参照していただき、ここでは簡単な原理のみについて以下に説明する。
【0044】
図11は、主画像情報に副情報を埋め込んで合成画像情報を作成する処理の流れを示しており、以下、この流れ図を参照して説明する。
入力情報として、主画像周波数処理部105で処理後の主画像情報101′、副情報102、N個の鍵情報1031〜103Nがある。鍵情報1031〜103Nは、それぞれ種類の異なるN個(N:整数)の鍵情報を2値画像で表現したものである。
【0045】
まず、N個の色差量補正処理ステップ1161〜116Nでは、主画像情報101′およびあらかじめ設定された色差量ΔCdをそれぞれ入力として色差量補正処理が行なわれる。
次に、N個の色差変調処理ステップ1171〜117Nでは、色差量補正処理ステップ1111〜111Nの各結果および鍵情報1031〜103Nをそれぞれ入力として、色差変調処理が行なわれ、N個の色差変調処理結果がそれぞれ得られる。
【0046】
次に、選択・合成処理ステップ118では、色差変調処理ステップ1171〜117Nの各結果および副情報102をそれぞれ入力として、選択・合成処理が行なわれ、1つの選択・合成結果が得られる。
次に、重畳処理ステップ119では、主画像情報101′および選択・合成処理ステップ118の結果をそれぞれ入力として、主画像情報101′に対する選択・合成処理結果の重畳処理が行なわれ、合成画像情報107が作成される。
【0047】
以上説明したように第2の実施実施の形態によれば、鍵情報が複数個になった場合でも、電子透かし埋め込み前の原画像から電子透かしに影響する周波数成分を除去することにより、副情報の復元処理時に周波数干渉が起こりにくくなるため、精度良く鍵情報の周波数のみを検知でき、電子透かし情報(副情報)を取出しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像処理装置の構成を示すもので、(a)図は埋め込み処理系の構成を概略的に示すブロック図、(b)図は復元処理系の構成を概略的に示すブロック図。
【図2】作成されたIDカードの一例を模式的に示す平面図。
【図3】電子透かしの重畳処理を説明するための模式図。
【図4】主画像情報の周波数分布を示す模式図。
【図5】鍵情報の周波数分布を示す模式図。
【図6】合成画像情報の周波数分布を示す模式図。
【図7】周波数低減関数を示す模式図。
【図8】主画像情報の周波数分布処理の例を示す模式図。
【図9】効果を説明するための模式図。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る画像処理装置の埋め込み処理系の構成を概略的に示すブロック図。
【図11】電子透かし埋め込み処理部の処理を説明するための流れ図。
【符号の説明】
【0049】
101…主画像情報、102…副情報(電子透かし情報)、103…鍵情報、104…鍵情報ピーク成分抽出部(鍵情報ピーク成分抽出手段)、105…主画像周波数処理部(主画像周波数処理手段)、106…電子透かし埋め込み処理部(埋め込み処理手段)、107…合成画像情報、108…記録処理部(記録処理手段)、109…記録物、201…IDカード、202…認証用顔画像、203…個人管理情報。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可視状態の主画像情報に対して副情報を重畳処理することにより当該副情報を不可視状態で埋め込んで合成画像情報を作成する画像処理方法において、
副情報を埋め込む前に主画像情報に対して副情報の復元時に影響を与える周波数成分を除去または低減する主画像周波数処理ステップと、
この主画像周波数処理ステップで処理された主画像情報に対して副情報を重畳処理することにより当該副情報を不可視状態で埋め込み、合成画像情報を作成する埋め込み処理ステップと、
を具備したことを特徴とする画像処理方法。
【請求項2】
可視状態の主画像情報に対して副情報を重畳処理することにより当該副情報を不可視状態で埋め込んで合成画像情報を作成する画像処理方法において、
後で副情報を復元する際に用いる鍵情報を周波数領域に変換して第1ピーク成分の周波数領域を抽出する鍵情報ピーク成分抽出ステップと、
副情報を埋め込む前に主画像情報に対して前記鍵情報ピーク成分抽出ステップにより得られた第1ピーク成分の周波数領域を除去または低減する主画像周波数処理ステップと、
この主画像周波数処理ステップで処理された主画像情報に対して副情報を重畳処理することにより当該副情報を不可視状態で埋め込み、合成画像情報を作成する埋め込み処理ステップと、
を具備したことを特徴とする画像処理方法。
【請求項3】
可視状態の主画像情報に対して副情報を重畳処理することにより当該副情報を不可視状態で埋め込んで合成画像情報を作成する画像処理方法において、
後で副情報を復元する際に用いる複数の鍵情報のそれぞれを周波数領域に変換して第1ピーク成分の周波数領域を抽出する鍵情報ピーク成分抽出ステップと、
この鍵情報ピーク成分抽出ステップにより得られた複数の第1ピーク成分の周波数領域を合成して1つの鍵情報ピーク成分の周波数領域を作成する鍵情報ピーク成分群合成ステップと、
副情報を埋め込む前に主画像情報に対して前記鍵情報ピーク成分群合成ステップにより得られた鍵情報ピーク成分の周波数領域を除去または低減する主画像周波数処理ステップと、
この主画像周波数処理ステップで処理された主画像情報に対して副情報を重畳処理することにより当該副情報を不可視状態で埋め込み、合成画像情報を作成する埋め込み処理ステップと、
を具備したことを特徴とする画像処理方法。
【請求項4】
可視状態の主画像情報に対して副情報を重畳処理することにより当該副情報を不可視状態で埋め込んで合成画像情報を作成する画像処理装置において、
副情報を埋め込む前に主画像情報に対して副情報の復元時に影響を与える周波数成分を除去または低減する主画像周波数処理手段と、
この主画像周波数処理手段で処理された主画像情報に対して副情報を重畳処理することにより当該副情報を不可視状態で埋め込み、合成画像情報を作成する埋め込み処理手段と、
を具備したことを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
可視状態の主画像情報に対して副情報を重畳処理することにより当該副情報を不可視状態で埋め込んで合成画像情報を作成する画像処理装置において、
後で副情報を復元する際に用いる鍵情報を周波数領域に変換して第1ピーク成分の周波数領域を抽出する鍵情報ピーク成分抽出手段と、
副情報を埋め込む前に主画像情報に対して前記鍵情報ピーク成分抽出手段により得られた第1ピーク成分の周波数領域を除去または低減する主画像周波数処理手段と、
この主画像周波数処理手段で処理された主画像情報に対して副情報を重畳処理することにより当該副情報を不可視状態で埋め込み、合成画像情報を作成する埋め込み処理手段と、
を具備したことを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
可視状態の主画像情報に対して副情報を重畳処理することにより当該副情報を不可視状態で埋め込んで合成画像情報を作成する画像処理装置において、
後で副情報を復元する際に用いる複数の鍵情報のそれぞれを周波数領域に変換して第1ピーク成分の周波数領域を抽出する鍵情報ピーク成分抽出手段と、
この鍵情報ピーク成分抽出手段により得られた複数の第1ピーク成分の周波数領域を合成して1つの鍵情報ピーク成分の周波数領域を作成する鍵情報ピーク成分群合成手段と、
副情報を埋め込む前に主画像情報に対して前記鍵情報ピーク成分群合成手段により得られた鍵情報ピーク成分の周波数領域を除去または低減する主画像周波数処理手段と、
この主画像周波数処理手段で処理された主画像情報に対して副情報を重畳処理することにより当該副情報を不可視状態で埋め込み、合成画像情報を作成する埋め込み処理手段と、
を具備したことを特徴とする画像処理装置。
【請求項1】
可視状態の主画像情報に対して副情報を重畳処理することにより当該副情報を不可視状態で埋め込んで合成画像情報を作成する画像処理方法において、
副情報を埋め込む前に主画像情報に対して副情報の復元時に影響を与える周波数成分を除去または低減する主画像周波数処理ステップと、
この主画像周波数処理ステップで処理された主画像情報に対して副情報を重畳処理することにより当該副情報を不可視状態で埋め込み、合成画像情報を作成する埋め込み処理ステップと、
を具備したことを特徴とする画像処理方法。
【請求項2】
可視状態の主画像情報に対して副情報を重畳処理することにより当該副情報を不可視状態で埋め込んで合成画像情報を作成する画像処理方法において、
後で副情報を復元する際に用いる鍵情報を周波数領域に変換して第1ピーク成分の周波数領域を抽出する鍵情報ピーク成分抽出ステップと、
副情報を埋め込む前に主画像情報に対して前記鍵情報ピーク成分抽出ステップにより得られた第1ピーク成分の周波数領域を除去または低減する主画像周波数処理ステップと、
この主画像周波数処理ステップで処理された主画像情報に対して副情報を重畳処理することにより当該副情報を不可視状態で埋め込み、合成画像情報を作成する埋め込み処理ステップと、
を具備したことを特徴とする画像処理方法。
【請求項3】
可視状態の主画像情報に対して副情報を重畳処理することにより当該副情報を不可視状態で埋め込んで合成画像情報を作成する画像処理方法において、
後で副情報を復元する際に用いる複数の鍵情報のそれぞれを周波数領域に変換して第1ピーク成分の周波数領域を抽出する鍵情報ピーク成分抽出ステップと、
この鍵情報ピーク成分抽出ステップにより得られた複数の第1ピーク成分の周波数領域を合成して1つの鍵情報ピーク成分の周波数領域を作成する鍵情報ピーク成分群合成ステップと、
副情報を埋め込む前に主画像情報に対して前記鍵情報ピーク成分群合成ステップにより得られた鍵情報ピーク成分の周波数領域を除去または低減する主画像周波数処理ステップと、
この主画像周波数処理ステップで処理された主画像情報に対して副情報を重畳処理することにより当該副情報を不可視状態で埋め込み、合成画像情報を作成する埋め込み処理ステップと、
を具備したことを特徴とする画像処理方法。
【請求項4】
可視状態の主画像情報に対して副情報を重畳処理することにより当該副情報を不可視状態で埋め込んで合成画像情報を作成する画像処理装置において、
副情報を埋め込む前に主画像情報に対して副情報の復元時に影響を与える周波数成分を除去または低減する主画像周波数処理手段と、
この主画像周波数処理手段で処理された主画像情報に対して副情報を重畳処理することにより当該副情報を不可視状態で埋め込み、合成画像情報を作成する埋め込み処理手段と、
を具備したことを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
可視状態の主画像情報に対して副情報を重畳処理することにより当該副情報を不可視状態で埋め込んで合成画像情報を作成する画像処理装置において、
後で副情報を復元する際に用いる鍵情報を周波数領域に変換して第1ピーク成分の周波数領域を抽出する鍵情報ピーク成分抽出手段と、
副情報を埋め込む前に主画像情報に対して前記鍵情報ピーク成分抽出手段により得られた第1ピーク成分の周波数領域を除去または低減する主画像周波数処理手段と、
この主画像周波数処理手段で処理された主画像情報に対して副情報を重畳処理することにより当該副情報を不可視状態で埋め込み、合成画像情報を作成する埋め込み処理手段と、
を具備したことを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
可視状態の主画像情報に対して副情報を重畳処理することにより当該副情報を不可視状態で埋め込んで合成画像情報を作成する画像処理装置において、
後で副情報を復元する際に用いる複数の鍵情報のそれぞれを周波数領域に変換して第1ピーク成分の周波数領域を抽出する鍵情報ピーク成分抽出手段と、
この鍵情報ピーク成分抽出手段により得られた複数の第1ピーク成分の周波数領域を合成して1つの鍵情報ピーク成分の周波数領域を作成する鍵情報ピーク成分群合成手段と、
副情報を埋め込む前に主画像情報に対して前記鍵情報ピーク成分群合成手段により得られた鍵情報ピーク成分の周波数領域を除去または低減する主画像周波数処理手段と、
この主画像周波数処理手段で処理された主画像情報に対して副情報を重畳処理することにより当該副情報を不可視状態で埋め込み、合成画像情報を作成する埋め込み処理手段と、
を具備したことを特徴とする画像処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−60527(P2007−60527A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−246141(P2005−246141)
【出願日】平成17年8月26日(2005.8.26)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月26日(2005.8.26)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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