説明

画像処理装置、その制御方法及びプログラムと記憶媒体

【課題】 画像処理装置からクラウドサービスに画像データを送信することにより、画像データを特定のユーザに適切に配布する。
【解決手段】 サーバとネットワークを介して通信可能な画像処理装置とその制御方法であって、特定のユーザに対する画像データの送信を要求するコメントを監視し、コメントが登録されたことを検知した場合に、画像データをサーバに送信するために必要な画像処理装置の認証情報を取得し、取得した認証情報を用いて画像データをサーバに送信するとともに、画像データに対して、特定のユーザによる共有を設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバとネットワークを介して通信可能であり、当該サーバに画像データを送信する画像処理装置、その制御方法及びプログラムと記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットを利用したサービスを提供するシステムとして、クラウドコンピューティングシステムが実用化されている。このようなシステムでは、ユーザは、最低限の接続環境を用意するだけで、クラウドサービスと呼ばれるクラウドコンピューティングシステムが提供するサービスを利用することができる。既に実現されているクラウドサービスには、例えば顧客管理や営業支援を行うためのCRM(Customer Relationship Management)機能を提供するCRMサービスがある。また、その他のクラウドサービスとして、電子ファイルを保管・管理するためのストレージや、その管理機能を提供する文書管理サービスがある。
【0003】
また、コミュニケーションツールとしてマイクロブログ機能を提供するサービスもある。マイクロブログ機能とは、いわゆる「つぶやき」と呼ばれる100文字〜200文字程度の短い文章を「メッセージ」或いは「コメント」として公開する短いブログ機能である。この機能では、ユーザが公開したそれぞれの「メッセージ」や「コメント」に固有の識別子が割り当てられる。マイクロブログ機能では、ユーザが「メッセージ」を登録することで、その登録した「メッセージ」に関連する「コメント」を一覧として登録して表示できる「タイムライン」が作成される。「メッセージ」を登録したユーザ及び他のユーザは、この「タイムライン」上で、関連する情報を「コメント」として登録することで情報をやり取りする。
【0004】
クラウドサービスとして提供されているCRMサービスの中には、コミュニケーションツールとしてマイクロブログ機能も提供しているものもある。これらのクラウドサービスでは、顧客情報や商談情報と「メッセージ」や「コメント」とをリンクさせて更にユーザの利便性を向上させている。これには例えば、Salesforce.comがあり、提供しているマイクロブログ機能としてはChatterが相当する。
【0005】
また、画像処理装置では高機能化、多機能化が進んでいる。近年では、スキャン機能、プリント機能といった紙文書の電子化や印刷といった基本的な機能だけではなく、ネットワークインターフェース(以下、ネットワークI/F)を搭載した画像処理装置が開発されている。このようなネットワークI/Fを搭載した画像処理装置は、ネットワークで接続された外部サービスと連携し、様々なソリューションを提供している。例えば、このような画像処理装置は、紙文書をスキャンして得られた画像データを、文書管理サービスを提供するクラウドサービスに送信して保管することもできる。
【0006】
画像処理装置から画像データをクラウドサービスに送信する際、クラウドサービスを利用するためのユーザ認証を行う必要があるが、このユーザ認証に必要な情報(IDやパスワードなどの認証情報)はそれぞれのクラウドサービスによって異なる。そのため、画像処理装置は、クラウドサービスに画像データを送信する毎に、送信先のクラウドサービスの認証情報を得る必要がある。この課題の解決策として、例えば、特許文献1には、画像形成装置とクラウドサービスとの間に仲介役となる中継サーバが存在する構成が記載されている。この中継サーバは、クラウドサービスの認証情報を管理しており、画像形成装置から中継サーバに電子ファイルを一旦送信し、画像形成装置の代わりに中継サーバがクラウドサービスに電子ファイルを送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−293512号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
画像データを画像処理装置からクラウドサービスに送信して、特定のユーザに対して画像データを配布しようとするとき、ユーザの認証が必要なために適切な配布ができない場合がある。例えば、ユーザAに対して画像データを配布したい場合、画像処理装置は、ユーザAの認証情報を用いてクラウドサービスにログインして画像データを送信する必要がある。しかしながら、画像処理装置がユーザAの認証情報を予め把握しておくことは困難である。また、画像処理装置自体がユーザアカウントを有している場合、画像処理装置自体の認証情報を用いてクラウドサービスにログインして画像データを送信することは可能であるが、この場合、送信された画像データにユーザAがアクセスできない場合がある。
【0009】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決することにある。
【0010】
本発明の目的は、画像処理装置からクラウドサービスに画像データを送信して保管させ、そのクラウドサービスから画像データを特定のユーザに適切に配布する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために本発明の一態様に係る画像処理装置は以下のような構成を備える。即ち、
サーバとネットワークを介して通信可能な画像処理装置であって、
特定のユーザに対する画像データの送信要求を検知する検知手段と、
前記検知手段が前記送信要求を検知した場合に、前記画像データを前記サーバに送信するために必要な前記画像処理装置の認証情報を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した認証情報を用いて前記画像データを前記サーバに送信する送信手段と、
前記画像データに対して、前記特定のユーザによる共有を設定する設定手段と、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、画像処理装置からクラウドサービスに画像データを送信することにより、画像データを特定のユーザに適切に配布することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係るおけるシステムの全体構成を示す図。
【図2】実施形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図。
【図3】実施形態に係るクラウドサーバの構成を示すブロック図。
【図4】画像形成装置のソフトウェア構成を説明する機能ブロック図。
【図5】CRMサービスを提供するクラウドサーバのソフトウェア構成を説明する機能ブロック図。
【図6】文書管理サービスを提供するクラウドサーバのソフトウェア構成を説明する機能ブロック図。
【図7】CRMサービスを提供するクラウドサーバから提供されるマイクロブログ機能を説明する図。
【図8】第1実施形態に係る画像形成装置、クラウドサーバが一連の処理を実行する動作を説明するシーケンス図。
【図9】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の動作を説明するフローチャート。
【図10】第2実施形態に係る画像形成装置、クラウドサーバが一連の処理を実行する動作を説明するシーケンス図。
【図11】第2実施形態に係る画像形成装置の動作を説明するフローチャート。
【図12】第3実施形態に係る画像形成装置、クラウドサーバが一連の処理を実行する動作を説明するシーケンス図。
【図13】第3実施形態に係る画像形成装置の動作を説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。なお、この実施形態では、本発明の画像処理装置を、画像形成装置である多機能処理装置を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施形態に係るシステムの全体構成を示す図である。
【0016】
LAN110には、画像形成装置101及び端末102が互いに通信可能に接続されている。また、LAN110はインターネット120に接続されており、インターネット120にはCRMサービスを提供しているクラウドサーバ131や文書管理サービスを提供するクラウドサーバ132が接続されている。これにより、画像形成装置101及び端末102はクラウドサーバ131、クラウドサーバ132とも互いに通信可能となっている。
【0017】
図2は、実施形態に係る画像形成装置101の構成を示すブロック図である。この画像形成装置101は、スキャン機能、印刷機能、ファクシミリ機能、コピー機能などを備えた多機能処理装置(MFP)として説明するが、本発明の画像処理装置はこれに限定されない。
【0018】
CPU211を含む制御部210は、画像形成装置101全体の動作を制御する。CPU211は、ROM212に記憶された制御プログラムを読み出して読取制御や送信制御などの各種制御を行う。RAM213は、CPU211の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。HDD214は、画像データや各種プログラム、或いは各種情報テーブルを記憶する。操作部I/F215は、操作部219と制御部210とを接続する。操作部219には、タッチパネル機能を有する液晶表示部やキーボードなどが備えられている。プリンタI/F216は、プリンタ220と制御部210とを接続する。プリンタ220で印刷すべき画像データはプリンタI/F216を介して制御部210から転送され、プリンタ220において記録媒体(シート)上に印刷される。スキャナI/F217は、スキャナ221と制御部210とを接続する。スキャナ221は、原稿上の画像を読み取って画像データを生成し、スキャナI/F217を介して制御部210に、その画像データを入力する。ネットワークI/F218は、制御部210(画像形成装置101)をLAN110に接続する。ネットワークI/F218は、LAN110を介して接続されたインターネット上の外部装置(例えば、クラウドサーバ132)に画像データや情報を送信したり、LAN110上の外部装置から各種情報を受信したりする。
【0019】
図3は、実施形態に係るクラウドサーバ131の構成を示すブロック図である。
【0020】
CPU311を含む制御部310は、クラウドサーバ131全体の動作を制御する。CPU311は、ROM312に記憶されたブートプログラムに従ってHDD314に記憶されているOSやプログラムの各種制御処理を実行する。RAM313は、CPU311の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。HDD314は、画像データや各種プログラム、或いは後述する各種情報テーブルを記憶する。ネットワークI/F315は、制御部310(クラウドサーバ131)をインターネット120に接続する。ネットワークI/F315は、インターネット120を介してLAN110上の他の装置との間で各種情報を送受信する。
【0021】
尚、クラウドサーバ132、端末102の構成も、図3で説明したクラウドサーバ131の構成と同様であるため、それらの説明を省略する。
【0022】
図4は、本実施形態に係る画像形成装置101のソフトウェア構成を説明する機能ブロック図である。図4に示す各機能部は、画像形成装置101が有しているCPU211が制御プログラムを実行することにより実現される。
【0023】
画像形成装置101は、画面表示部400、通信部401、マイクロブログ通信管理部402、スキャンデータ管理部403、ジョブ処理部404、スキャンデータデータベース405、認証情報管理部406、認証情報データベース407を有する。尚、以下では、スキャンデータデータベース405と認証情報データベース407はそれぞれスキャンDB405、認証DB407と略記する。
【0024】
画面表示部400は、操作部210の表示部に、スキャン操作の実行を指示するための操作画面を表示し、その操作画面を使用したユーザの指示によりジョブ処理部404に対してスキャンジョブの実行指示を行う。通信部401は、マイクロブログ通信管理部402からの指示により、クラウドサーバ131及びクラウドサーバ132に対してリクエストを送信する。また通信部401は、クラウドサーバ131及びクラウドサーバ132からのレスポンス(リクエストに対する返信)を受信する。
【0025】
マイクロブログ通信管理部402は、ジョブ処理部404からの通知により、スキャンデータがスキャンDB405に格納されたことを検知すると、クラウドサーバ131へスキャンデータが格納された旨を知らせるメッセージを送信する。ここでは例えば、「スキャンデータの準備ができました」という文言を含むメッセージを送信する。また、マイクロブログ通信管理部402は、送信したメッセージに対するコメントの管理を行う。スキャンデータ管理部403は、スキャンDB405に対してジョブ処理部404で生成されたスキャンデータの格納指示を行う。またスキャンDB405に格納されているスキャンデータを取得する。ジョブ処理部404は、画面表示部400からのスキャンジョブの実行指示に応じて、制御部210にスキャン処理の実行を依頼し、その結果、スキャナ221が原稿上の画像を読み取って生成した画像データを受け取る。そしてジョブ処理部404は、その画像データをスキャンデータとしてスキャンDB405に格納する準備が出来た旨をスキャンデータ管理部403に通知する。スキャンDB405は、スキャンデータ管理部403からの指示により、ジョブ処理部404で生成されたスキャンデータを格納する。また格納されているスキャンデータを取得してスキャンデータ管理部403に送信するといった処理を行う。認証情報管理部406は、クラウドサーバ132にアクセスするための認証情報を認証DB407に格納し、また認証DB407から取得するといった処理を行う。認証DB407は、認証情報管理部406からの指示により、画像形成装置101の認証情報を格納し、また格納済みの認証情報を取り出して認証情報管理部406に送信するといった処理を行う。なお、認証DB407に格納される画像形成装置101の認証情報とは、画像形成装置101に対して割り当てられているものである。つまり、画像形成装置101自体がユーザアカウントを有しており、画像形成装置101は自身の認証情報を有している。
【0026】
図5は、実施形態に係るCRMサービスを提供するクラウドサーバ131のソフトウェア構成を説明する機能ブロック図である。図5に示す各機能部は、クラウドサーバ131が有しているCPU311が制御プログラムを実行することにより実現される。
【0027】
クラウドサーバ131は、Webアプリケーション501、メッセージデータベース502(以下、メッセージDB502)を有する。Webアプリケーション501は、CRMサービスなどを提供するためのWebアプリケーションである。本実施形態では、Webアプリケーション501において、マイクロブログ機能が提供されているものとする。Webアプリケーション501は、通信部511、制御部512、メッセージ管理部513を有する。
【0028】
通信部511は、画像形成装置101及びPCなどの端末102からのリクエストを受信して、制御部512に、そのリクエストの内容を送信する。更に、制御部512から、そのリクエストに対する処理結果を受け取り、そのリクエストに対するレスポンスデータを作成して画像形成装置101及び端末102にレスポンスを送信する。制御部512は、通信部512から送信されるリクエストの内容に従って、そのリクエストに含まれるメッセージ或いはコメントを抽出し、メッセージ管理部513に、メッセージ或いはコメントの登録処理を依頼する。メッセージ管理部513は、制御部512から送信されるメッセージ或いはコメントを受信してメッセージDB502へ格納する。またメッセージ管理部513は、制御部512からの依頼により、登録されたメッセージ及びコメントをメッセージDB502から取得して制御部512に送信する。
【0029】
図6は、実施形態に係る文書管理サービスを提供するクラウドサーバ132のソフトウェア構成を説明する機能ブロック図である。図6に示す各機能部は、クラウドサーバ132のCPU311が制御プログラムを実行することにより実現される。
【0030】
クラウドサーバ132は、Webアプリケーション601、ファイル管理データベース602(以下、ファイル管理DB602)を有する。
【0031】
Webアプリケーション601は、文書管理サービスなどを提供するためのWebアプリケーションである。Webアプリケーション601は、通信部611、制御部612、ファイル管理部613を有する。通信部611は、画像形成装置101及びPCなどの端末102からのリクエストを受信して、制御部612に、そのリクエストの内容を送信する。更に、制御部612から、そのリクエストに対する処理結果を受け取り、そのリクエストに対するレスポンスデータを作成して画像形成装置101及び端末102にレスポンスを送信する。制御部612は、通信部612から送信されるリクエストの内容に従って、ファイル管理部613に、送信されたファイルの格納、削除、移動及び管理されているファイルのリスト取得等の処理を依頼する。ファイル管理部613は、制御部612から送信される処理依頼に応じて、ファイル管理DB602へアクセスし、送信されたファイルの格納、削除、移動及び管理されているファイルのリスト取得を実行して制御部612に処理結果を送信する。
【0032】
図7は、本実施形態に係るCRMサービスを提供するクラウドサーバ131から提供されるマイクロブログ機能を説明する図である。
【0033】
図7は、PCなどの端末102上で動作するWebブラウザからクラウドサーバ131へアクセスして表示されるWebページの表示例を示す図である。ここで、クラウドサーバ131は、営業支援目的で現在進行中の商談情報を管理しているものとする。701は、A社との商談に関する情報を表示するA社商談画面を示す。この商談画面701は、商談に関する情報である商談名、取引先担当者、取引先連絡先等を表示する商談詳細エリア702、メッセージ表示エリア703、コメント入力エリア704、メッセージ入力エリア705を有している。メッセージ表示エリア703は、メッセージとそのメッセージに対するコメントから構成されるタイムラインをそれぞれ表示する。メッセージ表示エリア703では、MFP Aが「スキャン文書の準備ができました。」というメッセージ711を登録している。そして、そのメッセージ711に対してユーザBが「Send PDF file by E−Mail」とコメント712を返信している。同様に、コメント713は、ユーザCがコメントを登録した様子を表示している。ここでは「PDFファイルをクラウドストレージAに格納し、更にそのPDFファイルをユーザDと共有する」ことが記述されている。
【0034】
コメント入力エリア704では、コメント入力欄721にユーザがコメントを入力して、追加ボタン722を押下すると、端末102のWebブラウザからクラウドサーバ131にコメント追加リクエストが送信される。リクエストを受信したクラウドサーバ131は、その入力されたコメントをメッセージDB502に登録する。これにより、ユーザがWebブラウザでクラウドサーバ131にアクセスした際に前述のコメント712,713のようにWebブラウザに登録したコメントが表示される。
【0035】
メッセージ入力エリア705では、メッセージ入力欄731にユーザがメッセージを入力して、作成ボタン732を押下すると、Webブラウザからクラウドサーバ131にメッセージ作成リクエストが送信される。このリクエストを受信したクラウドサーバ131は、その入力されたメッセージをメッセージDB502に登録する。これにより、ユーザがWebブラウザでクラウドサーバ131にアクセスした際、前述のメッセージ711のように、Webブラウザに作成したメッセージが表示される。
【0036】
[第1実施形態]
図8は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置101、クラウドサーバ131及びクラウドサーバ132が一連の処理を実行する動作を説明するシーケンス図である。
【0037】
801では、ユーザ指示により画像形成装置101においてスキャン処理が実行される。このスキャン処理では、原稿上の画像をスキャナ221がスキャンして、その結果得られる画像データを取得する。802では、画像形成装置101が、801で取得した画像データを画像形成装置101のスキャンDB405にスキャンデータとして保管する。そして803で、画像形成装置101が、クラウドサーバ131に対して「スキャン文書の準備ができました」という旨のメッセージを送信する。
【0038】
これにより、804で、画像形成装置101から送信されたメッセージを受信したクラウドサーバ131がメッセージDB502へ登録する。そして、これ以降、画像形成装置101がクラウドサーバ131に登録したメッセージに対してコメントが追加されているか否かを、画像形成装置101自身が監視する。そのために、805では、画像形成装置101が、コメント監視のリクエストを送信して、クラウドサーバ131に追加コメントの有無を確認する。画像形成装置101は、このような追加コメントの有無の確認を定期的に実施する。
【0039】
806では、PC、Mobile端末といった端末102のWebブラウザを利用してユーザCが、クラウドサーバ131にアクセスして画像形成装置101が登録したメッセージを確認する場合を想定する。ここでユーザCが、画像形成装置101がスキャンしたデータを取得したいと考えた場合、ユーザCは、コメント入力エリア704に、取得したいデータのデータ形式とデータの送信先のクラウドストレージサービスを入力する。例えば、Cloud StrageAにPDFファイルを格納し、更にそれをユーザDと共有する(ユーザDがそのPDFファイルにアクセスできるようにする)ことを望む場合は、ユーザCは「Share PDF file with User D by Cloud StrageA」を入力する。このコメントの入力後、追加ボタン722をユーザCが押下することで、コメント追加依頼が、端末102のWebブラウザからクラウドサーバ131へ送信される。こうして、ユーザBの端末内のWebブラウザから送信されたコメント追加依頼を受信したクラウドサーバ131が、807で、そのコメントをメッセージDB502へ登録する。
【0040】
一方、画像形成装置101は、808で、コメント監視によって、追加コメントがあったことを検知する。そして、画像形成装置101はユーザCが入力したコメント「Share PDF file with User D by Cloud StrageA」を取得し、それを解析する。そして送信先のクラウドサーバ132のIDである「Cloud StorageA」と、クラウドサーバ132上でのユーザIDである「UserD」という情報を取得する。以上の処理により、画像形成装置101は「UserD」への画像データの送信要求を受けたことを検知することができる。
【0041】
次に809で、画像形成装置101は、クラウドサーバ131へアクセスした際に使用した画像形成装置101の認証情報を用いて、送信先のクラウドサーバ132へアクセス可能か否かを判断する。ここでアクセス可能と判断すると、画像形成装置101は「Cloud StorageA」へのファイル送信が可能と判断して、811でファイル送信を実行する。一方、アクセス可能でないと判断すると、810を実行する。ここでアクセス可能と判断する場合は、例えば、クラウドサーバ131とクラウドサーバ132が同じサービス事業者によって提供されており、同じユーザID、パスワードを用いてアクセス可能な場合である。
【0042】
810では、画像形成装置101は、画像形成装置101が保持する「Cloud StorageA」へ画像形成装置101がアクセスするための認証情報を、認証DB407から取得する。そして811で、画像形成装置101は、その取得した認証情報を用いて、PDFファイルに変換したスキャンデータをクラウドサーバ132(Cloud StorageA)へ送信する。812では、画像形成装置101は、クラウドサーバ132へリクエストを送信して、送信した画像データがユーザDと共有されるように設定する。この設定により、ユーザDはクラウドサーバ132にアップロードされたスキャンデータにアクセスことが可能となるため、ユーザDに対するスキャンデータの配布が完了する。
【0043】
図9(A)(B)は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置101の動作を説明するフローチャートである。尚、この処理を実行するプログラムはROM212に記憶されており、このプログラムがCPU211の制御の基に実行されることにより、この処理が実現される。
【0044】
まず図9(A)のS901では、画面表示部400が、操作画面を介してユーザがスキャンの実行指示を入力したことを検知する。次にS902に進み、画面表示部400がジョブ処理部404へ、スキャンジョブの実行指示を通知する。これによりジョブ処理部404はスキャンジョブの実行指示により、制御部210にスキャン処理の実行を依頼する。そして制御部210は、このスキャン処理の実行依頼により、スキャナI/F217を介してスキャナ221にスキャンを実行させる。スキャナ221は制御部210からの依頼によって、原稿上の画像を読み取って画像データを生成し、スキャナI/F217を介して制御部210に画像データを送信する。こうして画像データを受信した制御部210は、ジョブ処理部404に対してスキャン処理の実行結果として受信した画像データを送信する。以上がS902の処理である。
【0045】
そしてS903に進み、ジョブ処理部404は、その受信した画像データをスキャンデータとして格納するようスキャンデータ管理部403に依頼する。これによりスキャンデータ管理部403は、その画像データをスキャンデータとしてスキャンDB405に格納し、ジョブ処理部404へスキャンデータの格納を完了した旨を通知する。
【0046】
次にS904に進み、この完了通知を受信したジョブ処理部404は、マイクロブログ通信管理部402へメッセージの送信を依頼する。これによりマイクロブログ通信管理部402は、「スキャン文書1の準備ができました。」という旨の内容を含むメッセージを作成し、メッセージの送信依頼とメッセージとを通信部401へ送信する。マイクロブログ通信管理部402からのメッセージの送信依頼を受信した通信部401は、その受信したメッセージをクラウドサーバ131へ送信する。クラウドサーバ131へのメッセージ送信によって、クラウドサーバ131が提供するマイクロブログ機能へメッセージが登録される。これにより、クラウドサーバ131が提供するマイクロブログ機能において、メッセージに対する「タイムライン」が作成される。ユーザがWebブラウザなどを利用してクラウドサーバ131へアクセスした際は、前述の図7のようなメッセージが表示され、メッセージやコメントをやり取りすることによって他のユーザとコミュニケーションすることが可能となる。
【0047】
次にS905に進み、CPU211は、その登録したメッセージの「タイムライン」を監視する。この監視方法については、図9(B)のS913及びS914で説明する。S906では、マイクロブログ通信管理部402は、その登録したメッセージに対するコメントを受信して解析する。コメントは、例えば次のようなフォーマットで記載されるものとする。「Share PDF file with User D by Cloud StorageA」。マイクロブログ通信管理部402は、このようなコメントから、画像データの送信先であるクラウドサーバ132と、画像データを共有するユーザ(画像データの配布先となるユーザD)と、送信する画像データのデータ形式を特定する。
【0048】
S907では、マイクロブログ通信管理部402は、クラウドサーバ131へのアクセス時の認証情報を利用して、前述のS906で特定したクラウドサーバ132へアクセスが可能か否かを判断する。アクセス可能であればマイクロブログ通信管理部402は、処理をS910へ進める。一方、アクセスが不可能と判定するとマイクロブログ通信管理部402は、処理をS908へ進め、マイクロブログ通信管理部402は、認証情報管理部406に、前述のS906で特定したクラウドサーバ132の情報を通知する。認証情報管理部406は、その情報に基づいて認証DB407を検索し、その通知されたクラウドサーバ132へ画像形成装置101がアクセスするための認証情報を取得する。認証DB407は、クラウドサーバ名、データ送信時の認証情報(ユーザID、パスワード)を管理しており、クラウドサーバ名をキーに、必要な認証情報を検索することが可能である。認証情報管理部406は、こうして取得した認証情報、もしくは認証情報が存在しなければその旨をマイクロブログ通信管理部402に通知する。マイクロブログ通信管理部402は、認証情報管理部406から認証情報が通知された場合は、送信先のクラウドサーバ132の認証情報を画像形成装置101が保持していると判断してS910へ進む。認証情報管理部406から認証情報が通知されなかった場合は、クラウドサーバ132の認証情報を画像形成装置101が保持していないと判断してS909へ進む。
【0049】
S909では、マイクロブログ通信管理部402は、クラウドサーバ132にファイルを送信できないと判断し、エラー処理を実行する。このエラー処理としては、マイクロブログ通信管理部402は「送信失敗しました」という旨のメッセージを作成し、通信部401へメッセージの送信依頼を行ってもよい。これにより、通信部401から「送信失敗しました」という旨のメッセージがクラウドサーバ131へ送信され、ユーザからのコメントに対して送信失敗の旨を通知するコメントが登録される。
【0050】
S910では、マイクロブログ通信管理部402はスキャンデータ管理部403へ、前述のS906で取得した送信する画像データのデータ形式を含む画像データの取得依頼を通知する。この通知を受信したスキャンデータ管理部403は、スキャンDB405から該当コメントのタイムラインに対応する画像データを取得し、画像データの取得依頼に含まれるデータ形式に画像データを変換する。そしてスキャンデータ管理部403は、その変換後の画像データをマイクロブログ通信管理部402へ送信する。
【0051】
次にS911に進み、マイクロブログ通信管理部402は、ファイルの送信依頼を通信部401へ送信する。このファイルの送信依頼は、スキャンデータ管理部403で変換された画像データ、S908で取得した認証情報及びS906で取得した送信先クラウドサーバ132の情報を含む。このファイル送信依頼を受信した通信部411は、そのファイルの送信依頼に含まれる認証情報を利用して、送信先クラウドサーバ132に対して画像データを送信する。
【0052】
そしてS912に進み、マイクロブログ通信管理部402は、前述のS906で特定したクラウドサーバ132の情報と、共有するユーザのユーザIDとを含むファイル共有依頼を通信部401へ送信する。このファイル共有依頼を受信した通信部401は、S911で送信したクラウドサーバ132上の画像データを、ファイル共有依頼に含まれるユーザIDのユーザと共有するように設定を変更する依頼をクラウドサーバ132へ送信する。尚、このとき通信部401がクラウドサーバ132へ送信する際に利用する認証情報は、S908で取得したクラウドサーバ132へ画像形成装置101がアクセスするための認証情報である。
【0053】
図9(B)は、S905の処理を説明するフローチャートである。
【0054】
S913では、マイクロブログ通信管理部402は、通信部401に対して、前述のS904で登録したメッセージのタイムラインに対するコメントのリスト取得依頼を送信する。このリスト取得依頼を受信した通信部401は、クラウドサーバ131に対してリスト取得依頼を送信して、クラウドサーバ131からコメントのリストを取得する。通信部401は、その取得したコメントのリストをマイクロブログ管理部402へ送信する。次にS914に進み、コメントのリストを受信したマイクロブログ通信管理部402は、前回取得したコメントのリストとの差分を抽出する。マイクロブログ通信管理部402は、前回取得したコメントのリストと、今回取得したコメントのリストとの差分があれば、新規なコメントがあると判断し、コメントの監視処理を終了する(S906へ進む)。マイクロブログ通信管理部402は、前回取得したコメントのリストと今回取得したコメントのリストとの差分がなければ、新規コメントはないと判断してS913へ進む。
【0055】
第1実施形態によれば、画像形成装置自身が保持するクラウドサーバへアクセスするための認証情報を用いて、画像データをクラウドサーバに送信して登録できる。そして、その登録した画像データが配布先のユーザと共有されるように設定することにより、画像形成装置が配布先のユーザの認証情報を把握していなくとも、画像データを適切に、そのユーザに配布することが可能となる。
【0056】
尚、第1実施形態では、マイクロブログ機能のコメントをトリガとして、指定された送信先への送信が可能か否かを画像形成装置101が判断し、その送信先の認証情報を取得して画像データを送信する場合で説明した。しかしながら、送信のトリガはマイクロブログ機能のコメントでなくてもかまわない。また、送信する画像データは、スキャンによって得られるものでなくても良く、例えば、ネットワーク上のPCのプリンタドライバから画像形成装置101に送信された画像データであってもよい。
【0057】
[第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態では、前述の第1実施形態で説明した構成において、更に認証DB407に画像形成装置101がクラウドサーバ132にアクセスするための認証情報を持たない場合に、ユーザに認証情報を問い合わせる構成を追加している。尚、上述した第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0058】
図10は、第2実施形態に係る画像形成装置101、クラウドサーバ131及びクラウドサーバ132が一連の処理を実行する動作を説明するシーケンス図である。尚、801〜809は、前述の第1実施形態の図8と同様であるため、その説明を省略する。
【0059】
1001では、画像形成装置101が、クラウドサーバ131に対して、803で登録したメッセージのタイムライン上に認証用URLリンクを含むコメントを送信する。このとき送信するコメントは、例えば(「スキャン文書の準備ができました。次のURLへアクセスしてください。http://aaa.com/」)といったものである。次に1002では、ユーザがPC、Mobile端末といった端末102のWebブラウザを利用してクラウドサーバ131にアクセスして、画像形成装置101が登録したコメントを確認する。1003では、1002でユーザが確認したコメントに含まれるURLリンクを、端末102のWebブラウザ上でクリックすることで、画像形成装置101に対してリクエストを送信する。
【0060】
これにより画像形成装置101は、1004で、そのリクエストを受信し、認証情報を入力するための画面を表示するためのレスポンスを生成する。ここで、認証情報を入力するための画面は、認証情報となるユーザIDとパスワードを入力するためのテキスト入力エリアと、サブミットボタンを含む画面である。こうして、端末102のWebブラウザが、その画面を表示して、ユーザが認証情報を入力する。これにより画像形成装置101がクラウドサーバ132にアクセスする際に必要となるユーザIDとパスワードを、端末102から画像形成装置101へ送信することが可能となる。
【0061】
1005では、画像形成装置101は、1004で生成したレスポンス(認証用画面の情報)をユーザが使用する端末102のWebブラウザに送信する。これにより、ユーザが使用する端末102のWebブラウザに認証情報を入力するための認証用画面が表示される。
【0062】
そして1006で、ユーザが、その認証情報を入力するための画面で、クラウドサーバ132にアクセスするための認証情報を端末102で入力し、サブミットボタンを押下する。Webブラウザは、そのサブミットボタン押下のタイミングで、入力された認証情報を画像形成装置101に送信する。このとき画像形成装置101が受信する認証情報は、クラウドサーバ132にアクセスするための認証情報である。そして1007で、画像形成装置101は、その受信した認証情報を用いて、クラウドサーバ132(Cloud StorageA)へ、スキャンデータをPDFファイルに変換して送信する。
【0063】
図11は、第2実施形態に係る画像形成装置101の動作を説明するフローチャートである。尚、S901〜907は、上述した第1実施形態の図9(A)と同様であるため、その説明を省略する。
【0064】
S1101で、マイクロブログ通信管理部402は「送信準備ができました。https://xxx.com/auth」という旨の認証情報の入力画面へのURLリンク情報を含むコメントを作成し、コメントの送信依頼とそのコメントを通信部401へ送信する。マイクロブログ通信管理部402からコメントの送信依頼を受信した通信部401は、その受信したコメントをクラウドサーバ131へ送信する。これにより、ユーザがクラウドサーバ131に、端末102のWebブラウザ等からアクセスした際に、認証情報の入力画面を表示するためのURLリンク情報を含むコメントが表示される。次にS1102に進み、マイクロブログ通信管理部402は、通信部401に対して、認証情報の入力画面を表示するためのURLのリクエストを受信しているか否かを確認する。このリクエストを受信している場合はS1103へ進むが、受信していない場合は、再度、マイクロブログ通信管理部402は通信部401に対して認証情報の入力画面へのURLのリクエストを受信しているか否かを確認する。
【0065】
S1103では、マイクロブログ通信管理部402は、通信部401から認証情報の入力画面を表示するためのURLのリクエストを受け取り、認証情報の入力画面用のHTMLファイルを作成する。ここで、認証情報の入力画面用のHTMLファイルとは、認証情報となるユーザIDとパスワードを入力するためのテキスト入力エリアと、サブミットボタンを含むHTMLファイルであればよい。こうして、端末102のWebブラウザで、クラウドサーバ132にアクセスする際に必要となるユーザIDとパスワードを入力するための認証情報の入力画面が表示できるようになる。マイクロブログ通信管理部402は、そのURLのリクエストに対するレスポンスの中に、作成したHTMLファイルを含め、通信部401に対してレスポンスを送信する。このレスポンスを受信した通信部401は、そのリクエストを送信してきた端末102のWebブラウザ(クライアント)にレスポンスを返信する。こうして、ユーザの端末102のWebブラウザ上に、記認証情報の入力画面が表示される。
【0066】
次にS1104に進み、ユーザの端末102のWebブラウザ上に表示される認証情報の入力画面に対してユーザが認証情報(ID、パスワード等)を入力する。その後、サブミットボタンを押下することで、その端末102のWebブラウザから認証情報が画像形成装置101へ送信される。通信部401は、この認証情報を受信すると、マイクロブログ通信管理部402へ認証情報を送信する。ここで、画像形成装置101が受信する認証情報は、クラウドサーバ132にユーザがアクセスするための認証情報である。次にS1105に進み、マイクロブログ通信管理部402は、スキャンデータ管理部403へ、S906で取得した送信する画像データのデータ形式を含む画像データの取得依頼を通知する。この通知を受信したスキャンデータ管理部403は、スキャンDB405から該当コメントのタイムラインに対応する画像データを取得し、その画像データを画像データの取得依頼に含まれるデータ形式に変換する。スキャンデータ管理部403は、こうして変換した後の画像データをマイクロブログ通信管理部402へ送信する。次にS1106に進み、マイクロブログ通信管理部402は、ファイル送信依頼を通信部401へ送信する。このファイル送信依頼は、スキャンデータ管理部403で変換された画像データ、S1104で取得した認証情報及びS906で取得した送信先であるクラウドサーバ132の情報を含む。このファイル送信依頼を受信した通信部411は、このファイル送信依頼に含まれる認証情報を利用して、送信先クラウドサーバ132に画像データを送信する。
【0067】
以上説明したように第2実施形態によれば、画像形成装置が、クラウドサービスにアクセスする際に必要な認証情報を保持していない場合でも、ユーザからクラウドサービスへのアクセス用の認証情報を取得できる。これにより、画像形成装置でスキャンして形成した画像データを、認証が必要なクラウドサービスに送信し、適切にユーザに配布することができる。
【0068】
[第3実施形態]
次に本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態では、前述の第2実施形態で説明した構成に加えて、更にユーザが一度入力したクラウドサーバ132にアクセスするための認証情報を画像形成装置101の認証DB407に保持する構成を追加している。尚、上述した第1及び第2実施形態と同様の構成については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0069】
図12は、第3実施形態に係る画像形成装置101、クラウドサーバ131及びクラウドサーバ132が一連の処理を実行する動作を説明するシーケンス図である。図12において、801〜809までは、上述した第1実施形態の図8と同様であるため、その説明を省略する。
【0070】
1201では、画像形成装置101は、画像形成装置101が保持する「Cloud StorageA」へのユーザCの認証情報を取得する。次に1202で、画像形成装置101は、その取得した認証情報を用いて「Cloud StorageA」へスキャンデータをPDFファイルに変換して送信する。
【0071】
図13は、第3実施形態に係る画像形成装置101の動作を説明するフローチャートである。尚、S901〜907は、上述した第1実施形態の図9(A)と同様であるため、その説明を省略する。またS1101〜S1105は、上述した第2実施形態と同様であるため、その説明も省略する。
【0072】
S1301では、マイクロブログ通信管理部402は、S905で検知した新規コメントに含まれる情報から、そのコメントを登録したクラウドサーバ131のユーザ情報を取得する。次にS1302に進み、マイクロブログ通信管理部402は、認証情報管理部406に、S1301で特定したクラウドサーバ132のユーザ情報を通知する。認証情報管理部406は、認証DB407を検索し、その通知されたユーザ情報を基に、そのユーザの認証情報を取得する。認証DB407では、クラウドサーバ名、ユーザID、データ送信時の認証情報(ID、パスワード)が管理されており、クラウドサーバ名とユーザIDをキーに、必要な認証情報を検索できる。認証情報管理部406は、こうして取得した認証情報、もしくは認証情報が存在しなければその旨をマイクロブログ通信管理部402に通知する。マイクロブログ通信管理部402は、認証情報管理部406から認証情報が通知された場合は、送信先のユーザIDを保持していると判断してS1303へ進む。一方、認証情報管理部406から認証情報を通知されなかった場合は、送信先のユーザIDを保持していないと判断し、S1101へ進む。
【0073】
S1303では、マイクロブログ通信管理部402は、スキャンデータ管理部403へ、S906で取得した送信する画像データのデータ形式を含む画像データの取得依頼を通知する。この通知を受信したスキャンデータ管理部403は、スキャンDB405から、そのコメントのタイムラインに対応する画像データを取得し、その画像データの取得依頼に含まれるデータ形式に画像データを変換する。そして、スキャンデータ管理部403は、変換後の画像データをマイクロブログ通信管理部402へ送信する。
【0074】
こうしてS1304に進み、マイクロブログ通信管理部402は、ファイル送信依頼を通信部401へ送信する。このファイル送信依頼には、スキャンデータ管理部403で変換された画像データ、S1104或いはS1302で取得した認証情報、及びS906で取得した送信先クラウドサーバ132の情報が含まれる。このファイル送信依頼を受信した通信部411は、そのファイル送信依頼に含まれる認証情報を利用して、送信先クラウドサーバ132に画像データを送信する。次にS1305に進み、マイクロブログ通信管理部402は、S1301で特定したユーザ情報、ファイル送信に使用した認証情報を認証情報管理部406へ送信する。認証情報管理部406は、その受信したファイル送信先のクラウドサーバ132の、S1301で特定したユーザ情報、ファイル送信に使用した認証情報を認証DB407へ格納する。尚、このファイル送信依頼には、スキャンデータ管理部403で変換された画像データ、S1104もしくはS1302で取得した認証情報、及びS906で取得した送信先クラウドサーバ132の情報が含まれる。このファイル送信依頼を受信した通信部411は、このファイル送信依頼に含まれる認証情報を利用して、送信先クラウドサーバ132に画像データを送信する。
【0075】
(その他の実施形態)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバとネットワークを介して通信可能な画像処理装置であって、
特定のユーザに対する画像データの送信要求を検知する検知手段と、
前記検知手段が前記送信要求を検知した場合に、前記画像データを前記サーバに送信するために必要な前記画像処理装置の認証情報を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した認証情報を用いて前記画像データを前記サーバに送信する送信手段と、
前記画像データに対して、前記特定のユーザによる共有を設定する設定手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記画像処理装置の認証情報を格納する格納手段を更に備え、
前記取得手段は、前記格納手段に格納されている前記画像処理装置の認証情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記検知手段は、前記ネットワーク上の端末から登録されるコメントを監視することにより、前記送信要求を検知することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記ネットワーク上の端末から入力されるコメントは、前記画像処理装置が送信したメッセージに対する返信であることを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
サーバとネットワークを介して通信可能な画像処理装置であって、
特定のユーザに対する画像データの送信要求を検知する検知手段と、
前記検知手段が前記送信要求を検知した場合に、前記画像データを前記サーバに送信するために必要な認証情報を入力する画面を表示するための情報を提供する提供手段と、
前記画面を介して入力された認証情報を用いて前記画像データを前記サーバに送信する送信手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
前記検知手段は、前記ネットワーク上の端末から登録されるコメントを監視することにより、前記送信要求を検知することを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記ネットワーク上の端末から入力されるコメントは、前記画像処理装置が送信したメッセージに対する返信であることを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記提供手段は、前記ネットワーク上の端末から登録されたコメントに対する追加コメントとして、前記画面を表示するためのURLを登録することを特徴とする請求項6又は7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記画面を介して入力された認証情報を保持する保持手段を更に備えることを特徴とする請求項5乃至8のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項10】
サーバとネットワークを介して通信可能な画像処理装置の制御方法であって、
検知手段が、特定のユーザに対する画像データの送信要求を検知する検知工程と、
取得手段が、前記検知工程で前記送信要求を検知した場合に、前記画像データを前記サーバに送信するために必要な前記画像処理装置の認証情報を取得する取得工程と、
送信手段が、前記取得工程で取得した認証情報を用いて前記画像データを前記サーバに送信する送信工程と、
設定手段が、前記画像データに対して、前記特定のユーザによる共有を設定する設定工程と、
を有することを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項11】
サーバとネットワークを介して通信可能な画像処理装置の制御方法であって、
検知手段が、特定のユーザに対する画像データの送信要求を検知する検知工程と、
提供手段が、前記検知工程で前記送信要求を検知した場合に、前記画像データを前記サーバに送信するために必要な認証情報を入力する画面を表示するための情報を提供する提供工程と、
送信手段が、前記画面を介して入力された認証情報を用いて前記画像データを前記サーバに送信する送信工程と、
を有することを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項12】
請求項10又は11に記載の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項13】
請求項12に記載のプログラムを格納した、コンピュータにより読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−42480(P2013−42480A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−147601(P2012−147601)
【出願日】平成24年6月29日(2012.6.29)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】