説明

画像処理装置、上限管理方法、及び上限管理プログラム

【課題】利用上限値の範囲内で印刷ジョブを最大限実行可能な画像処理装置、上限管理方法、及び上限管理プログラムを提供する。
【解決手段】画像処理装置100は、印刷ジョブの印刷枚数が利用上限値までの残りの印刷可能枚数を超えるか否かを判定する判定手段13と、印刷枚数が印刷可能枚数を超えると判定した場合、印刷ジョブの印刷設定を印刷枚数が利用上限値の範囲内となる設定に変更する変更手段16と、変更した印刷設定に従って印刷ジョブを実行する制御手段18と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置の利用上限を管理する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、オフィス環境では、TCO(Total Cost of Ownership)削減が重要視されている。そのため、オフィス環境に導入される画像処理装置は、例えば、印刷時の紙使用量を低減するための上限管理機能を有している。
【0003】
しかし、この機能は、利用者による機器利用時の利便性を欠く場面が考えられる。例えば、利用者が10ページの印刷ジョブを印刷したいとする。このとき、画像処理装置で管理する利用上限値(印刷許可枚数)までの残りの印刷可能枚数が5ページであった場合には、5ページを印刷した時点で終了し、残りの5ページが印刷されないことになる。このように、印刷ジョブの実行中に利用上限値に達した場合には、たとえ利用者が必要としている文書であっても印刷されない。
【0004】
そこで、特許文献1には、印刷許可枚数までの残りの印刷可能枚数が所定の閾値に達した場合、利用者に警告する技術が開示されている。また、特許文献2には、利用上限値を超えた場合、実行中の印刷ジョブを一時停止し、利用上限値を変更することにより、印刷を継続する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の方法では、利用上限値の範囲内で利用者が所望する印刷ジョブを最大限実行することができない。特許文献1に記載の技術では、利用者が、印刷ジョブがページ途中で終了してしまうことを、印刷ジョブ実行前に知ることができるものの、所望する印刷が可能になるわけではない。また、特許文献2に記載の技術では、印刷を継続できるものの、利用上限値を変更しているため、TCO削減という観点から好ましくない。
【0006】
本発明は上記従来技術の問題点を鑑み提案されたものであり、利用上限値の範囲内で印刷ジョブを最大限実行できる画像処理装置、上限管理方法、及び上限管理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る画像処理装置は、印刷ジョブの印刷枚数が利用上限値までの残りの印刷可能枚数を超えるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段で印刷枚数が前記印刷可能枚数を超えると判定した場合、前記印刷ジョブの印刷設定を印刷枚数が前記利用上限値の範囲内となる設定に変更する変更手段と、前記変更手段で変更した印刷設定に従って前記印刷ジョブを実行する制御手段と、を有する。
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る上限管理方法は、画像処理装置の利用上限を管理する上限管理方法であって、コンピュータに、印刷ジョブの印刷枚数が利用上限値までの残りの印刷可能枚数を超えるか否かを判定する判定手順と、前記判定手順で印刷枚数が前記印刷可能枚数を超えると判定した場合、前記印刷ジョブの印刷設定を印刷枚数が前記利用上限値の範囲内となる設定に変更する変更手順と、前記変更手順で変更した印刷設定に従って前記印刷ジョブを実行する制御手順と、を実行させる。
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る上限管理プログラムは、画像処理装置の利用上限を管理する上限管理プログラムであって、コンピュータを、印刷ジョブの印刷枚数が利用上限値までの残りの印刷可能枚数を超えるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段で印刷枚数が前記印刷可能枚数を超えると判定した場合、前記印刷ジョブの印刷設定を印刷枚数が前記利用上限値の範囲内となる設定に変更する変更手段と、前記変更手段で変更した印刷設定に従って前記印刷ジョブを実行する制御手段として機能させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、利用上限値の範囲内で印刷ジョブを最大限実行可能な画像処理装置、上限管理方法、及び上限管理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る上限管理機能の構成例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る印刷利用情報のデータ例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るジョブ情報のデータ例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る印刷設定候補情報のデータ例を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る利用者通知の画面例を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る上限管理の制御処理手順例を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る上限管理機能の構成例を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る印刷設定候補情報のデータ例を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る利用者通知の画面例を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る上限管理の制御処理手順例を示すフローチャートである。
【図12】本発明の変形例に係る上限管理の制御処理手順例を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第3の実施形態に係る上限管理機能の構成例を示す図である。
【図14】本発明の第3の実施形態に係る利用者通知の画面遷移例を示す図である。
【図15】本発明の第3の実施形態に係る上限管理の制御処理手順例を示すフローチャートである。
【図16】本発明の変形例に係る上限管理システムの構成例(その1)を示す図である。
【図17】本発明の変形例に係る上限管理機能の構成例(その1)を示す図である。
【図18】本発明の変形例に係る上限管理システムの構成例(その2)を示す図である。
【図19】本発明の変形例に係る上限管理機能の構成例(その2)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好適な実施の形態(以下「実施形態」という)について、図面を用いて詳細に説明する。
【0013】
[第1の実施形態]
<ハードウェア構成>
図1は、本実施形態に係る画像処理装置100のハードウェア構成例を示す図である。
図1に示すように、画像処理装置100は、コントローラ110、操作パネル120及びプロッタ130などを備え、それぞれが相互にバスBで接続されている。
【0014】
操作パネル120は、表示部及び入力部を備えており、機器情報などの各種情報をユーザに提供したり、動作設定や動作指示などの各種ユーザ操作を受け付けたりする。プロッタ130は、画像形成部を備えており、用紙に出力画像を形成する。出力画像を形成する方式には、例えば、電子写真プロセスやインクジェット方式などがある。
【0015】
コントローラ110は、CPU(Central Processing Unit)111、記憶装置112、通信I/F113、及び外部装置I/F114などを備えており、それぞれが相互にバスBで接続されている。
【0016】
CPU111は、プログラムを実行することで装置全体を制御する演算装置である。また、記憶装置112は、上記プログラムや各種データ(例えば「画像データ」)を格納し保持する。記憶装置212には、例えば、揮発性のメモリであるRAM(Random Access Memory)、不揮発性のメモリであるROM(Read Only Memory)、及び大容量の記憶領域を備えたHDD(Hard Disk Drive)などがある。RAMは、CPU111のワークエリア(プログラムやデータが一時的に読み出される記憶エリア)として機能する。ROMやHDDは、プログラムや各種データの格納先として用いられる。これにより、画像処理装置100では、CPU111がROMに格納されたプログラムをRAM上に読み出し、プログラムを実行する。
【0017】
通信I/F113は、画像処理装置100をネットワークなどの所定のデータ伝送路に接続するためのインタフェースである。これにより、画像処理装置100は、通信I/F113を介して、通信機能を有する他の機器とデータ通信を行うことができる。
【0018】
外部装置I/F114は、記録媒体114aや読み取り装置114bなどの外部装置を接続するためのインタフェースである。記録媒体114aには、例えば、SDメモリカード(SD memory card)やUSBメモリ(Universal Serial Bus memory)などがある。これにより、画像処理装置100は、外部装置I/F114を介して、記録媒体114aの読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。また、読み取り装置114bには、例えば、ICカードリーダ(Integrated Circuit card reader)などがある。これにより、画像処理装置100は、外部装置I/F114を介して、読み取り装置114bによる読み取りを行うことができる。
【0019】
以上のように、本実施形態に係る画像処理装置100では、上記ハードウェア構成により、印刷機能を含む画像処理サービス(画像処理機能)を提供することができる。
【0020】
<上限管理機能>
本実施形態に係る上限管理機能について説明する。
本実施形態に係る画像処理装置100では、印刷ジョブ実行時(印刷時)の印刷枚数が利用上限値までの残りの印刷可能枚数を超えるか否かを判定する。画像処理装置100は、印刷枚数が印刷可能枚数を超えると判定した場合、印刷ジョブの印刷設定を、印刷枚数が利用上限値の範囲内となる設定に変更し(両面及び/又は集約設定に変更し)、変更された印刷設定に従って、印刷ジョブを実行する。本実施形態に係る画像処理装置100は、このような上限管理機能を有している。
【0021】
従来の上限管理では、印刷ジョブの実行中に利用上限値に達した場合、たとえ利用者が必要としている文書であっても印刷されないため、利用者の利便性を欠くという問題があった。
【0022】
そこで、本実施形態に係る画像処理装置100では、印刷ジョブを利用上限値の範囲内で実行可能な印刷設定に変更する仕組みとした。
【0023】
これにより、本実施形態に係る画像処理装置100は、利用上限値の範囲内で利用者が所望する印刷ジョブを最大限実行可能な上限管理機能を提供する。その結果、本実施形態に係る画像処理装置100では、利用者の利便性を低下させることなく、TCO削減を実現できる。
【0024】
以下に、本実施形態に係る上限管理機能の構成とその動作について説明する。
図2は、本実施形態に係る上限管理機能の構成例を示す図である。
図2に示すように、本実施形態に係る上限管理機能は、印刷利用情報取得部11、ジョブ情報取得部12、利用上限判定部13、変更印刷設定情報取得部14、変更後印刷枚数算出部15、印刷設定変更部16、通知部17、及び印刷制御部18などを有している。
【0025】
印刷利用情報取得部11は、利用者ごとに記録された印刷利用に関する情報(以下「印刷利用情報」という)を取得する機能部である。印刷利用情報取得部11は、印刷利用情報保持部90にアクセスし、利用者の印刷利用情報を取得する。なお、印刷利用情報保持部90は、画像処理装置100が備える記憶装置112の所定の記憶領域にあたる。
【0026】
ここで、上記印刷利用情報について説明する。
図3は、本実施形態に係る印刷利用情報90Dのデータ例を示す図である。
図3に示すように、印刷利用情報90Dは、利用者識別、利用上限、利用状況、及び利用許可などの情報項目が対応付けされた情報セットを1又は複数有し、該情報セットを利用者単位で管理している。
【0027】
[利用者識別]項目は、利用者の識別情報(以下「利用者識別情報」という)を保持する項目であり、項目値には、例えば、登録した利用者に対してユニークに発行された識別子などがある。図中には、"UserXX"などの利用者IDの例が示されている。
【0028】
[利用上限]項目は、印刷の利用上限に関する情報(以下「利用上限情報」という)を保持する項目であり、項目値には、例えば、利用者に対して予め設定しておいた利用上限値などがある。図中には、利用者に許可した月単位の最大印刷枚数の例が示されている。
【0029】
[利用状況]項目は、印刷の利用状況に関する情報(以下「利用状況情報」という)を記録する項目であり、項目値には、例えば、利用者の印刷に応じた利用状況値などがある。図中には、利用者が印刷した月単位の印刷枚数の例が示されている。
【0030】
[利用許可]項目は、利用上限からの残りの利用許可に関する情報(以下「利用許可情報」という)を記録する項目であり、項目値には、例えば、利用者の利用上限値から利用者の利用状況値を減算した値などがある。図中には、利用者が印刷可能な月単位の印刷枚数(以下「印刷可能枚数」という)の例が示されている。
【0031】
上記印刷利用情報90Dは、次のようなデータ操作により管理される。
例えば、新規利用者の情報登録要求を受け付けた場合には、印刷利用情報90Dに、[利用者識別]項目及び[利用上限]項目が対応付けられた情報セット(新規の利用者識別情報及び利用上限情報)を追加する。なおこのとき、[利用者識別]項目には、登録時に採番された利用者IDを登録し、[利用上限]項目には、所定のツールを介して設定した利用者の利用上限値(最大印刷枚数)を登録する。
【0032】
また、登録利用者により印刷ジョブが実行(印刷機能が利用)された場合には、利用者の利用者識別情報に基づき、印刷利用情報90Dの[利用者識別]項目を参照し、該当[利用者識別]項目に対応付けられた[利用状況]項目値(利用状況情報)を印刷枚数で累積・更新する。これに伴い、該当[利用者識別]項目値に対応付けられた[利用上限]項目値から[利用状況]項目値を減算した値(利用上限情報と利用状況情報との差分)で、両項目に対応付けられた[利用許可]項目値(利用許可情報)を更新する。
【0033】
図2の説明に戻る。印刷利用情報取得部11は、上記方法で管理される印刷利用情報90Dを利用者単位で取得する。そのため、印刷利用情報取得部11は、印刷利用情報保持部90にアクセスし、利用者識別情報に基づき、印刷利用情報90Dを参照し、該当[利用者識別]項目を含む情報セット(該当する印刷利用情報)を取得する。
【0034】
なお、上記には、印刷利用情報90Dが利用者単位で管理される例を示したが、この限りでない。例えば、利用者が所属するグループ単位や画像処理装置100の設置エリア単位などであってもよい。つまり、印刷利用情報90Dは、利用上限の適用範囲に基づく単位で管理すればよい。
【0035】
ジョブ情報取得部12は、印刷ジョブに関する情報(以下単に「ジョブ情報」という)を取得する機能部である。ジョブ情報取得部12は、ジョブ情報保持部80にアクセスし、利用者のジョブ情報を取得する。なお、ジョブ情報保持部80は、画像処理装置100が備える記憶装置112の所定の記憶領域にあたる。
【0036】
ここで、上記ジョブ情報について説明する。
図4は、本実施形態に係るジョブ情報80Dのデータ例を示す図である。
図4に示すように、ジョブ情報80Dは、ジョブ識別、書誌、印刷設定、及び格納先などの情報項目が対応付けられた情報セットを1又は複数有し、該情報セットを印刷ジョブ単位で管理している。
【0037】
[ジョブ識別]項目は、印刷ジョブの識別情報(以下単に「ジョブ識別情報」という)を保持する項目であり、項目値には、例えば、受信した印刷ジョブに対してユニークに発行された識別子などがある。図中には、"JXXXX"などのジョブIDの例が示されている。
【0038】
[書誌]項目は、印刷ジョブの書誌に関する情報(以下単に「書誌情報」という)を記録する項目であり、[利用者名]、[ファイル名]、[ページ数]などの詳細項目を含む。[利用者名]項目は、印刷ジョブの作成者である利用者の利用者識別情報を記録する項目である。図中には、"UserXX"などの利用者名の例が示されている。[ファイル名]項目は、印刷ジョブの元データであるファイルのファイル識別情報を記録する項目である。図中には、"XXX.doc"や"XXX.pdf"などのファイル名の例が示されている。[ページ数]項目は、印刷ジョブのページ数を示す情報(以下「ページ数情報」という)を記録する項目である。
【0039】
[印刷設定]項目は、印刷ジョブの印刷設定の内容情報(以下単に「印刷設定情報」という)を記録する項目であり、[モノクロ/カラー]、[両面/片面]、[集約]などの詳細項目を含む。[モノクロ/カラー]項目は、印刷ジョブ実行時(印刷時)のカラーモード指定を示す情報を記録する項目である。図中には、モノクロ又はカラーのいずれかの設定値の例が示されている。[両面/片面]項目や[集約]項目は、印刷ジョブ実行時の印刷モード指定を示す情報(以下「印刷モード情報」という)を記録する項目である。図中には、両面又は片面のいずれかの両面モード指定値や、'2in1'などの集約モード指定値の例が示されている。
【0040】
[格納先]項目は、印刷ジョブデータの格納先を示す情報(以下単に「格納先情報」という)を記録する項目であり、項目値には、例えば、格納先にあたる記憶領域へのアドレス値などがある。図中には、"D:¥strage¥UserXX¥"などのアクセスパスの例が示されている。
【0041】
上記ジョブ情報80Dは、次のようなデータ操作により管理される。
例えば、利用者から印刷ジョブを受信し、ジョブ蓄積要求を受け付けた場合には、ジョブ情報80Dに、[ジョブ識別]、[書誌]、[印刷設定]、及び[格納先]項目が対応付けられた情報セット(新規のジョブ識別情報、書誌情報、印刷設定情報、及び格納先情報)を追加する。なおこのとき、[ジョブ識別]項目には、蓄積時に採番されたジョブIDを登録する。また、書誌情報や印刷設定情報は、例えば、印刷ジョブのヘッダなどに含まれている情報である。よって、[書誌]項目や[印刷設定]項目には、受信した印刷ジョブのヘッダ解析結果として得た値を記録する。また、[格納先]項目には、受信した印刷ジョブを格納した先のアドレス値を記録する。
【0042】
図2の説明に戻る。ジョブ情報取得部12は、上記方法で管理されるジョブ情報80Dを印刷ジョブ単位で取得する。そのため、ジョブ情報取得部12は、ジョブ情報保持部80にアクセスし、利用者識別情報に基づき、ジョブ情報80Dの[書誌]項目を参照し、該当[利用者名]項目値を含む情報セット(該当するジョブ情報)を取得する。なお、ジョブ情報取得部12は、ジョブ情報保持部80にアクセスし、ジョブ識別情報に基づき、ジョブ情報80Dを参照し、該当[ジョブ識別]項目を含む情報セットを取得してもよい。
【0043】
なお、上述したように、本実施形態に係る画像処理装置100では、利用者から印刷ジョブを受信すると、ジョブ情報80Dにその旨を記録し、受信した印刷ジョブを保持するジョブ蓄積機能を有していることを想定している。この場合、画像処理装置100では、利用者ログイン後に選択された印刷ジョブが実行される。よって、上述した印刷利用情報取得部11やジョブ情報取得部12が、情報取得時に用いる利用者識別情報は、例えば、ログイン時の操作パネル120からの入力(テンキー操作)や読み取り装置114bからの入力(利用者所有のICカードの読み取り)などにより取得できる。
【0044】
利用上限判定部13は、印刷ジョブの実行による利用上限判定を行う機能部である。利用上限判定部13は、印刷ジョブの印刷枚数が利用上限値までの残りの印刷可能枚数を超えるか否かの判定結果に基づき、上記利用上限判定を行う。
【0045】
具体的に利用上限判定部13は、印刷利用情報取得部11により取得した印刷利用情報90Dとジョブ情報取得部12により取得したジョブ情報80Dとから、次のように利用上限判定を行う。
【0046】
まず、利用上限判定部13は、ジョブ情報80Dの書誌情報に含まれる[ページ数]項目値(ページ数情報)と印刷設定情報に含まれる[両面/片面]項目値及び[集約]項目値(印刷モード情報)とに基づき、印刷枚数を算出する。なお、印刷枚数の算出方法については、変更後印刷枚数算出部15にて後述する。
【0047】
利用上限判定部13は、算出した印刷枚数が印刷利用情報90Dの利用許可情報として記録された印刷可能枚数を超えるか否かを判定する。利用上限判定部13は、印刷枚数が印刷可能枚数を超えると判定された場合、利用上限の超過判定結果を得る。
【0048】
変更印刷設定情報取得部14は、利用上限を超えると判定された場合、変更時に適用する印刷設定の内容情報(以下便宜上「変更印刷設定情報」という)を取得する機能部である。変更印刷設定情報取得部14は、印刷設定候補情報保持部70にアクセスし、印刷枚数が利用上限値の範囲内となる1又は複数の印刷設定候補情報から変更印刷設定情報を取得する。なお、印刷設定候補情報保持部70は、画像処理装置100が備える記憶装置112の所定の記憶領域にあたる。
【0049】
ここで、上記印刷設定候補情報について説明する。
図5は、本実施形態に係る印刷設定候補情報70Dのデータ例を示す図である。
図5に示すように、印刷設定候補情報70Dは、優先度、設定候補内容、及び適用範囲などの情報項目が対応付けられた情報セットを1又は複数有し、該情報セットを印刷設定単位で管理している。
【0050】
[優先度]項目は、変更時に適用する印刷設定候補の優先度を示す情報(以下単に「優先度情報」という)を保持する項目であり、項目値には、例えば、印刷設定候補の優先順位値などがある。図中には、優先度の高い順に1から割り当てられた順位値の例が示されている。
【0051】
[設定候補内容]項目は、変更印刷設定情報を保持する項目であり、項目値には、例えば、印刷ジョブ実行時(印刷時)の印刷枚数を調整可能な印刷モードの指定値などがある。図中には、"両面"、"2in1集約"、"2in1集約+両面"などの両面モード及び/又は集約モードの指定値の例が示されている。
【0052】
[適用範囲]項目は、印刷設定候補の適用範囲(候補とするか否か)を示す情報(以下単に「適用範囲情報」という)を保持する項目であり、項目値には、例えば、印刷設定候補・非印刷設定候補を示す値などがある。図中には、印刷設定候補を示す'1'又は非印刷設定候補を示す'0'のフラグ値の例が示されており、フラグ値'1'が割り当てられた1又は複数の情報セットが、変更時に提供する印刷設定候補R1になる。
【0053】
上記印刷設定候補情報70Dは、次のようなデータ操作により管理される。
例えば、新規印刷設定の情報登録要求を受け付けた場合には、印刷設定候補情報70Dに、[優先度]、[設定候補内容]、及び[適用範囲]項目が対応付けられた情報セット(新規の優先度情報、変更印刷設定情報、及び適用範囲情報)を追加する。なおこのとき、[優先度]、[設定候補内容]、及び[適用範囲]項目には、所定のツールを介して設定した優先順位値、印刷モード指定値、及びフラグ値を登録する。このように、印刷設定候補情報70Dは、予め設定しておけばよい。
【0054】
なお、印刷設定候補情報70Dの優先度情報は、変更時の印刷設定として適用させたい順番に応じて設定する。具体的には、印刷設定変更後の印刷物の視認性や可読性を考慮した順番を設定すればよい。これにより、本実施形態では、単に、利用上限を超えない印刷設定が適用されるのではなく、印刷設定変更後でも、視認性や可読性が確保された印刷物が得られる。
【0055】
また、印刷設定候補情報70Dの変更印刷設定情報及び適用範囲情報は、画像処理装置100が有する印刷機能に応じて設定する。具体的には、画像処理装置100において、印刷可能な設定に基づき、設定候補内容や適用範囲を決定し、設定すればよい。
【0056】
図2の説明に戻る。変更印刷設定情報取得部14は、上記方法で管理される印刷設定候補情報70Dから変更印刷設定情報を取得する。そのため、変更印刷設定情報取得部14は、印刷設定候補情報保持部70にアクセスし、印刷設定候補情報70Dの[優先度]項目を参照し、優先順位に従って、優先度の高い順に[設定候補内容]項目値(該当する変更印刷設定情報)を取得する。
【0057】
変更後印刷枚数算出部15は、印刷設定変更による印刷ジョブの印刷枚数(変更後の印刷枚数)を算出する機能部である。変更後印刷枚数算出部15は、ジョブ情報80Dの書誌情報に含まれる書誌情報の[ページ数]項目値(ページ数情報)と印刷設定候補情報70Dから取得した[設定候補内容]項目値(印刷設定候補情報から取得した変更印刷設定情報)とに基づき、印刷設定変更後の印刷枚数を算出する。
【0058】
例えば、ページ数が'25'、設定候補内容が'2in1集約+両面'の場合には、[25×(1/2)×(1/2)]の計算式から印刷枚数'7'が算出される。つまり、印刷枚数Nは、ページ数Pに対して、印刷モード指定ごとに予め割り当てておいた係数αを乗算[N=P×α]することで算出できる。なお、両面モード指定には、係数α(=1/2)を割り当て、集約モード指定には、係数α(=1/n:集約数n)を割り当てておく。
【0059】
変更後印刷枚数算出部15は、上記算出値(印刷設定変更後の印刷枚数)を利用上限判定部13に渡し、印刷設定変更後の利用上限判定を指示する。
【0060】
このように、本実施形態では、利用上限判定部13、変更印刷設定情報取得部14、及び変更後印刷枚数算出部15による連携動作により、予め設定しておいた印刷設定候補のうち、印刷設定変更後の印刷枚数が利用上限値の範囲内となる印刷設定が特定される。
【0061】
印刷設定変更部16は、印刷ジョブの印刷設定を変更する機能部である。印刷設定変更部16は、利用上限判定部13で、印刷設定変更後の印刷枚数が印刷可能枚数以内と判定され、利用上限内の判定結果を得た場合、判定条件を満たす変更印刷設定情報に基づき、印刷ジョブの印刷設定を変更する。このとき、印刷設定変更部16は、後述する印刷制御部18に印刷設定の変更値を渡し、印刷設定の変更を指示する。
【0062】
通知部17は、利用者に対して、上限管理機能に係る各種情報を通知する機能部である。具体的には、例えば、図6に示すような通知を行う。
【0063】
図6は、本実施形態に係る利用者通知の画面例を示す図である。
図6(A)には、印刷設定を変更する場合の通知例と、同図(B)には、印刷設定が変更できず印刷を終了する場合の通知例とが示されている。
【0064】
通知部17は、印刷設定変更部16からの指示を受け付けると、図6(A)に示すような設定変更の旨を通知する画面(以下便宜上「変更通知画面」という)を操作パネル120に表示する。一方、通知部17は、利用上限判定部13からの指示を受け付けると、図6(B)に示すような印刷キャンセルの旨を通知する画面(以下便宜上「キャンセル通知画面」という)を操作パネル120に表示する。
【0065】
また、通知部17は、変更通知画面を介して[印刷]ボタンの押下イベント(GUI:Graphical User Interfaceの操作イベント)を受信することで、印刷設定変更後の印刷実行指示(継続指示)を受け付ける。よって、通知部17は、押下イベントの受信に基づき、後述する印刷制御部18に印刷ジョブの実行(印刷実行)を指示する。一方、通知部17は、変更通知画面を介して[キャンセル]ボタンの押下イベントを受信することで、印刷設定変更後の印刷キャンセル指示(終了指示)を受け付ける。よって、通知部17は、押下イベントの受信に基づき、後述する印刷制御部18に印刷ジョブのキャンセル(印刷終了)を指示する。
【0066】
印刷制御部18は、印刷ジョブの実行を制御する機能部である。印刷制御部18は、利用上限判定部13からの指示を受け付けると、ジョブ情報80Dの格納先情報に基づきジョブデータを取得し、印刷設定情報に従って、取得データの印刷を実行する。また、印刷制御部18は、通知部17から印刷ジョブの実行指示を受け付けると、印刷設定変更部16からの印刷設定の変更値に従って、取得データの印刷を実行する。一方、印刷制御部18は、通知部17から印刷ジョブのキャンセル指示を受け付けると、ジョブデータを取得せず処理を終了する(又は取得データを破棄する)。
【0067】
このように、本実施形態では、印刷設定変更部16及び印刷制御部18による連携動作により、印刷ジョブが、印刷枚数が利用上限値の範囲内となる印刷設定に変更され、実行される。
【0068】
以上のように、本実施形態に係る上限管理機能は、上記各機能部が連携動作することにより実現される。なお、上記各機能部は、画像処理装置100に搭載(インストール)されるプログラム(上限管理機能を実現するソフトウェア)が、演算装置(CPU)により、記憶装置(HDDやROM)からメモリ(RAM)上に読み出され、以下の処理が実行されることで実現される。
【0069】
本実施形態に係る上限管理機能の詳細な動作(機能部群の連携動作)について、処理手順を示すフローチャートを用いて説明する。
【0070】
《上限管理の制御処理》
図7は、本実施形態に係る上限管理の制御処理手順例を示すフローチャートである。
図7に示すように、画像処理装置100は、例えば、外部装置I/F114に接続された読み取り装置114bにより、利用者識別情報を取得する(ステップS101)。本処理では、ログイン時に、利用者が読み取り装置114bにかざしたICカードから、利用者IDを読み取り・取得する場面を想定している。
【0071】
次に、画像処理装置100は、印刷利用情報取得部11により、ログイン利用者の印刷利用情報90Dを取得する(ステップS102)。このとき、印刷利用情報取得部11は、印刷利用情報保持部90にアクセスし、取得した利用者識別情報と一致する情報項目値を含む印刷利用情報90Dを取得する。
【0072】
次に、画像処理装置100は、ジョブ情報取得部12により、ログイン利用者のジョブ情報80Dを取得する(ステップS103)。このとき、ジョブ情報取得部12は、ジョブ情報保持部80にアクセスし、取得した利用者識別情報と一致する情報項目値を含むジョブ情報80Dを取得する。
【0073】
次に、画像処理装置100は、利用上限判定部13により、ログイン利用者により実行が要求された印刷ジョブ(以下便宜上「要求ジョブ」という)の印刷枚数を算出する(ステップS104)。このとき、利用上限判定部13は、取得したジョブ情報80Dの書誌情報に含まれるページ数情報と印刷設定情報に含まれる印刷モード情報とに基づき、計算式[印刷枚数N=(ページ数P)×(印刷モード指定の係数α)]に従って、印刷枚数を算出する。
【0074】
次に、画像処理装置100は、利用上限判定部13により、要求ジョブの印刷枚数と印刷利用情報90Dの利用許可情報である印刷可能枚数とを比較する(ステップS105)。
【0075】
次に、画像処理装置100は、利用上限判定部13により、比較結果に基づき、要求ジョブの印刷枚数が印刷可能枚数を超えるか否かを判定する(ステップS106:利用上限の超過判定)。
【0076】
その結果、画像処理装置100は、利用上限判定部13が、要求ジョブの印刷枚数が印刷可能枚数以内と判定した場合(ステップS106:NO:利用上限内の判定結果)、印刷制御部18に対して、要求ジョブの実行を指示する。これにより、画像処理装置100では、印刷制御部18により、ジョブ情報80Dの格納先情報に基づきジョブデータが取得され、印刷設定情報に従って、取得データの印刷が実行される(ステップS116)。
【0077】
一方、画像処理装置100は、利用上限判定部13が、要求ジョブの印刷枚数が印刷可能枚数を超えると判定した場合(ステップS106:YES:利用上限の超過判定結果)、変更印刷設定情報取得部14に対して、情報の取得を指示する。
【0078】
画像処理装置100は、変更印刷設定情報取得部14により、印刷設定候補情報保持部70から取得した印刷設定候補情報70Dに基づき、要求ジョブの印刷設定が適用範囲内の設定か否かを判定する(ステップS107)。このとき、変更印刷設定情報取得部14は、印刷設定候補情報保持部70にアクセスし、取得したジョブ情報80Dの印刷設定情報と一致する情報項目値(変更印刷設定情報)を含む印刷設定候補情報70Dを特定する。変更印刷設定情報取得部14は、特定した印刷設定候補情報70Dの適用範囲情報を参照し、印刷設定候補を示す値(フラグ値:1)が設定されている場合、要求ジョブの印刷設定が適用範囲内の設定であると判定する。一方、設定されていない場合(フラグ値:0)には、適用範囲外の設定であると判定する。
【0079】
その結果、画像処理装置100は、変更印刷設定情報取得部14が、要求ジョブの印刷設定が適用範囲外の設定であると判定した場合(ステップS107:NO)、通知部17に対して、要求ジョブの終了通知を指示する。これにより、画像処理装置100では、通知部17により、図6(B)に示すキャンセル通知画面が表示され(ステップS117)、印刷制御部18により、要求ジョブの実行が終了(キャンセル)される(ステップS118)。
【0080】
一方、画像処理装置100は、変更印刷設定情報取得部14が、要求ジョブの印刷設定が適用範囲内の設定であると判定した場合(ステップS107:YES)、同機能部により、優先度(優先順位)に従って、印刷設定候補情報70Dから変更印刷設定情報を取得する(ステップS108)。このとき、変更印刷設定情報取得部14は、印刷設定候補情報保持部70にアクセスし、印刷設定候補情報70Dの優先度情報を参照し、優先順位に従って、優先度の高い順に変更印刷設定情報を取得する。
【0081】
またこのとき、変更印刷設定情報取得部14は、印刷設定の一致により先に特定した印刷設定候補情報70D(要求ジョブの印刷設定と一致する情報)の優先度情報に基づき、優先順位の中から、情報取得を開始する起点順位を決定する。
【0082】
例えば、変更印刷設定情報取得部14は、要求ジョブの印刷設定が'2in1集約'で、印刷設定候補情報70Dが図5に示すデータであった場合、次のように起点順位を決定する。変更印刷設定情報取得部14は、印刷設定候補情報70Dのうち、要求ジョブの印刷設定'2in1集約'と一致する変更印刷設定情報に対応する優先度情報の優先順位'2'を起点順位に決定する。これにより、変更印刷設定情報取得部14は、決定した起点順位'2'から優先度の高い順('3'→'4'→'5'→・・)に、印刷設定候補情報70Dの変更印刷設定情報を取得する。
【0083】
次に、画像処理装置100は、変更印刷設定情報取得部14により、取得した変更印刷設定が適用範囲内の設定か否かを判定する(ステップS109)。このとき、変更印刷設定情報取得部14は、取得した変更印刷設定に対応する適用範囲情報を特定する。変更印刷設定情報取得部14は、特定した印刷設定候補情報70Dの適用範囲情報を参照し、印刷設定候補を示す値(フラグ値:1)が設定されている場合、取得した変更印刷設定が適用範囲内の設定であると判定する。一方、設定されていない場合(フラグ値:0)には、適用範囲外の設定であると判定する。
【0084】
その結果、画像処理装置100は、変更印刷設定情報取得部14が、取得した変更印刷設定が適用範囲外の設定であると判定した場合(ステップS109:NO)、通知部17によるキャンセル通知処理が実行される(ステップS117)。
【0085】
一方、画像処理装置100は、変更印刷設定情報取得部14が、取得した変更印刷設定が適用範囲内の設定であると判定した場合(ステップS109:YES)、変更後印刷枚数算出部15により、要求ジョブの印刷設定変更後の印刷枚数を算出する(ステップS110)。このとき、変更後印刷枚数算出部15は、取得したジョブ情報80Dの書誌情報に含まれるページ数情報と印刷設定候補情報70Dから取得した変更印刷設定情報とに基づき、計算式[印刷枚数N=(ページ数P)×(印刷モード指定の係数α)]に従って、印刷枚数を算出する。
【0086】
例えば、変更後印刷枚数算出部15は、変更印刷設定情報取得部14が、図5に示す印刷設定候補情報70Dのうち、起点順位'2'の次に優先度の高い優先順位'3'が優先度情報として割り当てられた設定候補内容'2in1集約+両面'の変更印刷設定情報を取得し、要求ジョブのページ数が'25'の場合、[25×(1/2)×(1/2)]の計算式から印刷枚数'7'を算出する。
【0087】
また例えば、変更後印刷枚数算出部15は、変更印刷設定情報取得部14が、優先順位'4'の次に優先度の高い優先順位'5'が優先度情報として割り当てられた設定候補内容'4in1集約+両面'の変更印刷設定情報を取得し、要求ジョブのページ数が'25'の場合、[25×(1/4)×(1/2)]の計算式から印刷枚数'4'を算出する。
【0088】
次に、画像処理装置100は、利用上限判定部13により、要求ジョブの印刷設定変更後の印刷枚数と印刷可能枚数とを比較する(ステップS112)。
【0089】
次に、画像処理装置100は、利用上限判定部13により、比較結果に基づき、要求ジョブの印刷設定変更後の印刷枚数が印刷可能枚数を超えるか否かを判定する(ステップS112:利用上限の超過判定)。
【0090】
その結果、画像処理装置100は、利用上限判定部13が、要求ジョブの印刷設定変更後の印刷枚数が印刷可能枚数を超えると判定した場合(ステップS112:YES:利用上限の超過判定結果)、変更印刷設定情報取得部14に対して、次に優先度の高い変更印刷設定情報の取得を指示する。これにより、画像処理装置100では、取得した変更印刷設定が適用範囲外の設定と判定されるか、又は、印刷設定変更後の印刷枚数が印刷可能枚数以内と判定されるまで、ステップS108−S112までの処理を繰り返す。
【0091】
このように、画像処理装置100では、予め設定しておいた印刷設定候補の中から、印刷設定変更後の印刷枚数が利用上限値の範囲内となる印刷設定が特定され、要求ジョブが利用上限値の範囲内で実行可能な印刷設定に変更される。
【0092】
画像処理装置100は、利用上限判定部13が、要求ジョブの印刷設定変更後の印刷枚数が印刷可能枚数以内と判定した場合(ステップS112:NO:利用上限内の判定結果)、印刷設定変更部16に対して、要求ジョブの印刷設定の変更を指示する。これにより、画像処理装置100では、印刷設定変更部16により、判定条件を満たす変更印刷設定情報に基づき、印刷制御部18に対して、要求ジョブの印刷設定が変更される(ステップS113)。このとき、印刷設定変更部16は、通知部17に対して、要求ジョブの印刷設定変更通知を指示する。
【0093】
その結果、画像処理装置100では、通知部17により、図6(A)に示す変更通知画面が表示され(ステップS114)、[印刷]ボタン押下による印刷設定変更後の印刷実行指示(継続指示)を受け付ける(ステップS115:YES)。このとき、通知部17は、押下イベントの受信に基づき、印刷制御部18に対して、要求ジョブの実行(印刷実行)を指示する。これにより、画像処理装置100では、印刷制御部18により、ジョブ情報80Dの格納先情報に基づきジョブデータが取得され、変更された印刷設定に従って、取得データの印刷が実行される(ステップS116)。
【0094】
なお、画像処理装置100では、通知部17により、[キャンセル]ボタン押下による印刷設定変更後の印刷キャンセル指示(終了指示)を受け付けると(ステップS115:NO)、印刷制御部18によるキャンセル処理が実行される(ステップS118)。
【0095】
<まとめ>
以上のように、本実施形態に係る画像処理装置100によれば、利用上限判定部13が、印刷ジョブ実行時の印刷枚数が利用上限値までの残りの印刷可能枚数を超えるか否かを判定する。画像処理装置100は、印刷枚数が印刷可能枚数を超えると判定した場合、印刷設定変更部16が、印刷ジョブの印刷設定を、印刷枚数が利用上限値の範囲内となる設定に変更し、印刷制御部18が、変更された印刷設定に従って、印刷ジョブを実行する。
【0096】
これによって、本実施形態に係る画像処理装置100は、利用上限値の範囲内で利用者が所望する印刷ジョブを最大限実行可能な上限管理機能を提供でき、利用者の利便性を低下させることなく、TCO削減を実現できる。
【0097】
[第2の実施形態]
本実施形態では、印刷ジョブ実行時の印刷枚数が利用上限値の範囲内となる印刷設定候補を通知する仕組みを提案する。
【0098】
これにより、本実施形態に係る画像処理装置は、利用者が所望する印刷設定変更を選択可能な上限管理機能を提供する。
【0099】
なお、以降では、上記実施形態と異なる事項について説明し、同一事項については、同一参照符号を付しその説明を省略する。
【0100】
<上限管理機能>
図8は、本実施形態に係る上限管理機能の構成例を示す図である。
図8に示すように、本実施形態に係る上限管理機能は、画像化部21、文字サイズ判定部22、及び設定候補通知部23などを有している。画像化部21及び文字サイズ判定部22は、変更印刷設定情報取得部14及び変更後印刷枚数算出部15と連携動作する。また、設定候補通知部23は、利用上限判定部13及び印刷設定変更部16と連携動作する。
【0101】
画像化部21は、印刷ジョブを画像化する機能部であり、文字サイズ判定部22は、印刷画像に含まれる文字のサイズが所定値(閾値)より小さいか否かを判定する機能部である。これらの機能部は、次の理由で搭載されている。
【0102】
本実施形態では、利用者に通知する印刷設定候補(以下便宜上「印刷設定の通知候補」という)を、印刷設定変更後の印刷ジョブを画像化した印刷画像内の文字サイズの判定結果に基づき特定する。より具体的には、文字サイズが所定値以上であった場合に、該当印刷設定を、印刷設定の通知候補とする。これは、印刷設定変更による印刷物の視認性や可読性の低下を防ぐための仕組みである。
【0103】
これにより、本実施形態では、印刷設定候補情報保持部70で保持するデータも異なる。第1の実施形態では、印刷設定候補とする適用範囲が設定可能な印刷設定候補情報70Dのデータ例を示した。これに対し、本実施形態に係る印刷設定候補情報70Dは、例えば、図9に示すようなデータでよい。
【0104】
図9は、本実施形態に係る印刷設定候補情報70Dのデータ例を示す図である。
図9に示すように、印刷設定候補情報70Dは、優先度及び設定候補内容の情報項目が対応付けられた情報セットを1又は複数有し、該情報セットを印刷設定単位で管理している。図6に示すデータ例との違いは、[適用範囲]項目を有していない点である。
【0105】
このように、本実施形態では、印刷設定変更後の印刷ジョブを画像化した印刷画像内の文字サイズの判定結果に基づき、印刷設定の通知候補を特定するため、印刷設定候補情報70Dに適用範囲を設定しなくてもよい。
【0106】
図8の説明に戻る。画像化部21は、ジョブ情報80Dの格納先情報に基づき取得したジョブデータを画像化し、印刷画像を生成する。このとき、画像化部21は、変更印刷設定情報取得部14が取得した変更印刷設定情報の印刷設定に従って、印刷画像を生成する。
【0107】
文字サイズ判定部22は、印刷画像内の文字サイズが所定値より小さいか否かを判定する。判定基準となる所定値には、例えば、1/72[inch]が1[pnt]である文字サイズ単位で表された閾値などがあり、上述したように、印刷物の視認性や可読性を確保可能な値を予め設定しておけばよい。
【0108】
変更印刷設定情報取得部14は、文字サイズが所定値より小さいと判定された場合、次に優先度の高い変更印刷設定情報を取得する。つまり、変更印刷設定情報取得部14は、印刷設定候補情報70Dの優先度情報に基づき、小さいと判定された場合の印刷設定と一致する変更印刷設定情報の次に優先度の高い優先順位が優先度情報として割り当てられた変更印刷設定情報を取得する。
【0109】
画像化部21は、再び取得した変更印刷設定情報の印刷設定に従って、印刷ジョブを画像化し、文字サイズ判定部22は、印刷画像内の文字サイズを判定する。
【0110】
このように、本実施形態では、変更印刷設定情報取得部14、画像化部21、及び文字サイズ判定部22による連携動作により、予め設定しておいた印刷設定候補のうち、印刷設定変更後の印刷物で視認性や可読性を確保可能な印刷設定が特定される。
【0111】
また、変更後印刷枚数算出部15は、文字サイズが所定値以上であると判定された場合、印刷設定変更後の印刷ジョブの印刷枚数を算出し、利用上限判定部13に算出値を渡すことで、印刷設定変更後の利用上限判定を指示する。
【0112】
このように、本実施形態では、利用上限判定部13及び変更後印刷枚数算出部15による連携動作により、視認性や可読性を確保可能な印刷設定候補のうち、印刷設定変更後の印刷枚数が利用上限値の範囲内となる印刷設定が、最終的な印刷設定の通知候補として特定される。
【0113】
なお、文字サイズの判定結果及び利用上限の判定結果に基づく印刷設定の通知候補の特定は、予め設定しておいた全ての印刷設定候補情報70D(全ての情報セット)に対して、変更印刷設定情報取得部14が行う。
【0114】
設定候補通知部23は、利用者に対して、印刷設定候補を通知する機能部である。具体的には、例えば、図10に示すような通知を行う。
【0115】
図10は、本実施形態に係る利用者通知の画面例を示す図である。
図10(A)には、印刷設定候補の通知例と、同図(B)には、適切な印刷設定の通知候補が見つからず印刷を終了する場合の通知例とが示されている。
【0116】
設定候補通知部23は、1又は複数の印刷設定の通知候補が特定された場合、該当する印刷設定候補情報70Dの変更印刷設定情報に基づき、図10(A)に示すような印刷設定の選択を促す画面(以下便宜上「設定候補選択画面」という)を操作パネル120に表示する。一方、設定候補通知部23は、印刷設定の通知候補が特定されなかった場合、図10(B)に示すようなキャンセル通知画面を操作パネル120に表示する。
【0117】
また、設定候補通知部23は、設定候補選択画面を介して、ラジオボタンの選択イベントや[変更印刷]ボタンの押下イベントを受信することで、印刷設定変更の指定や印刷設定変更後の印刷実行指示(継続指示)を受け付ける。よって、設定候補通知部23は、選択イベントの受信に基づき、印刷設定変更部16に選択された印刷設定への変更を指示し、押下イベントの受信に基づき、印刷制御部18に印刷設定変更後の印刷ジョブの実行(印刷実行)を指示する。一方、設定候補通知部23は、設定候補選択画面を介して[キャンセル]ボタンの押下イベントを受信することで、印刷設定変更後の印刷キャンセル指示(終了指示)を受け付ける。よって、設定候補通知部23は、押下イベントの受信に基づき、後述する印刷制御部18に印刷ジョブのキャンセル(印刷終了)を指示する。
【0118】
このように、本実施形態では、設定候補通知部23、印刷設定変更部16、及び印刷制御部18による連携動作により、印刷ジョブが、利用者の所望する印刷設定に変更され、実行される。
【0119】
以上のように、本実施形態に係る上限管理機能は、上記各機能部が連携動作することにより実現される。本実施形態に係る上限管理機能の詳細な動作(機能部群の連携動作)について、処理手順を示すフローチャートを用いて説明する。
【0120】
《上限管理の制御処理》
図11は、本実施形態に係る上限管理の制御処理手順例を示すフローチャートである。なお、図11に示すステップS201−S206までの処理は、図7に示すステップS101−S106までの処理と同じである。よって、以下には、ステップS207以降の処理について説明し、その間の処理で図7に示す処理と略同一の処理については、その説明を簡略化する。
【0121】
図11に示すように、画像処理装置100は、利用上限判定部13が、要求ジョブの印刷枚数が印刷可能枚数を超えると判定した場合(ステップS206:YES:利用上限の超過判定結果)、変更印刷設定情報取得部14に対して、情報の取得を指示する。
【0122】
画像処理装置100は、変更印刷設定情報取得部14により、優先度(優先順位)に従って、印刷設定候補情報70Dから変更印刷設定情報を取得する(ステップS207)。このとき、変更印刷設定情報取得部14は、印刷設定候補情報保持部70にアクセスし、印刷設定候補情報70Dの優先度情報を参照し、優先順位に従って、優先度の高い順に('1'→'2'→'3'→・・)変更印刷設定情報を取得する。
【0123】
次に、画像処理装置100は、変更印刷設定情報取得部14により、取得した変更印刷設定で集約印刷されるか否かを判定する(ステップS208:集約印刷の有無判定)。このとき、変更印刷設定情報取得部14は、取得した変更印刷設定情報を参照し、集約モード指定値が設定されている場合、取得した変更印刷設定で集約印刷されると判定する。一方、設定されていない場合には、集約印刷されないと判定する。なおここで、上記集約印刷の有無判定を行う理由は、集約印刷では、集約数に応じて印刷画像が縮小され、印刷物の視認性や可読性が低下するためである。
【0124】
よって、画像処理装置100は、変更印刷設定情報取得部14が、取得した変更印刷設定で集約印刷されると判定した場合(ステップS208:YES)、画像化部21により、取得した変更印刷設定に従って要求ジョブを画像化し(ステップS209)、文字サイズ判定部22により、印刷画像内の文字サイズを判定する(ステップS210)。このとき、画像化部21は、取得した変更印刷設定情報の印刷設定に従って、ジョブ情報80Dの格納先情報に基づき取得したジョブデータを画像化し、印刷設定変更後の印刷画像を生成する。また、文字サイズ判定部22は、印刷画像内の文字サイズが、予め設定しておいた閾値より小さいか否かを判定する。
【0125】
その結果、画像処理装置100は、文字サイズ判定部22が、文字サイズが閾値以上と判定した場合(ステップS210:NO)、変更後印刷枚数算出部15により、要求ジョブの印刷設定変更後の印刷枚数を算出し(ステップS211)、利用上限判定部13により、要求ジョブの印刷設定変更後の印刷枚数と印刷可能枚数とを比較する(ステップS212)。
【0126】
次に、画像処理装置100は、利用上限判定部13により、比較結果に基づき、要求ジョブの印刷設定変更後の印刷枚数が印刷可能枚数を超えるか否かを判定する(ステップS213:利用上限の超過判定)。
【0127】
その結果、画像処理装置100は、利用上限判定部13が、要求ジョブの印刷設定変更後の印刷枚数が印刷可能枚数以内と判定した場合(ステップS213:NO:利用上限内の判定結果)、取得した変更印刷設定を、印刷設定の通知候補として保持する(ステップS214)。このとき、利用上限判定部13は、取得した変更印刷設定情報のうち、判定条件を満たす印刷設定の変更印刷設定情報を、画像処理装置100が備える記憶装置112の所定の記憶領域に格納し、一時保持する。
【0128】
次に、画像処理装置100は、変更印刷情報取得部14により、アクセスする印刷設定候補情報保持部70に保持される全情報セットを参照し、予め設定しておいた印刷設定候補から変更印刷設定を取得したか否かを判定する(ステップS215)。
【0129】
画像処理装置100は、変更印刷情報取得部14が、印刷設定候補情報70Dの全情報セットを参照し、印刷設定候補から変更印刷設定を取得していないと判定した場合(ステップS215:NO)、同機能部により、次に優先度の高い変更印刷設定情報の取得処理が実行される(ステップS207)。これにより、画像処理装置100では、印刷設定候補情報70Dの全情報セットを参照し、印刷設定候補から変更印刷設定を取得したと判定されるまで、ステップS207−S215までの処理を繰り返す。
【0130】
このように、画像処理装置100では、予め設定しておいた印刷設定候補のうち、印刷設定変更後の印刷物で視認性や可読性を確保可能な印刷設定が特定され、さらにその印刷設定候補のうち、印刷設定変更後の印刷枚数が利用上限値の範囲内となる印刷設定が、最終的な印刷設定の通知候補として特定される。
【0131】
なお、画像処理装置100では、上記ステップS207−S215までの処理の中で、変更印刷設定情報取得部14が、取得した変更印刷設定で集約印刷されないと判定した場合(ステップS208:NO)、変更後印刷枚数算出部15による算出処理が実行される(ステップS211)。具体的には、画像化部21による画像化処理(ステップS209)や文字サイズ判定部22による判定処理(ステップS210)が実行されない。これらの処理を実行しない理由は、印刷設定変更時に印刷物の視認性や可読性が低下しないからである。
【0132】
また、画像処理装置100では、文字サイズ判定部22が、文字サイズが閾値より小さいと判定した場合(ステップS210:YES)、又は、要求ジョブの印刷設定変更後の印刷枚数が印刷可能枚数を超えると判定した場合(ステップS213:YES:利用上限の超過判定結果)、変更印刷設定情報取得部14による判定処理が実行される(ステップS215)。具体的には、変更後印刷枚数算出部15による算出処理(ステップS211)や利用上限判定部13による判定処理(ステップS213)は実行されない。つまり、画像処理装置100では、印刷物の視認性や可読性が確保できない印刷設定や視認性や可読性が確保できても利用上限を超える印刷設定を通知候補としない。
【0133】
その後、画像処理装置100は、変更印刷情報取得部14が、印刷設定候補情報70Dの全情報セットを参照し、印刷設定候補から変更印刷設定を取得したと判定した場合(ステップS215:YES)、設定候補通知部23に対して、印刷設定候補の通知を指示する。
【0134】
画像処理装置100は、設定候補通知部23により、特定された印刷設定の通知候補の有無を判定する(ステップS216)。このとき、設定候補通知部23は、印刷設定の通知候補として特定した場合に該当する印刷設定候補情報70Dが一時保持される所定の記憶領域にアクセスし、該当情報の有無から、特定された印刷設定の通知候補の有無を判定する。
【0135】
なお、以下の処理では、例えば、画像処理装置100が、上記ステップS207−S215までの処理で、図9に示す印刷設定候補情報70Dから、判定条件を満たす'両面'、'2in1集約'、'2in1集約+両面'の各印刷モード指定値が設定された変更印刷設定情報を、印刷設定の通知候補として特定し、所定の記憶領域に一時保持している場合を想定している。
【0136】
画像処理装置100は、設定候補通知部23が、特定された印刷設定の通知候補があると判定した場合(ステップS216:YES)、同機能部により、保持される変更印刷設定情報に基づき、図10(A)に示す設定候補選択画面を表示し(ステップS217)、ラジオボタン選択による印刷設定変更の指定や[変更印刷]ボタン押下による印刷設定変更後の印刷実行指示(継続指示)を受け付ける(ステップS218:YES)。
【0137】
このとき、通知部17は、押下イベントの受信に基づき、印刷設定変更部16に対して、要求ジョブの印刷設定の変更を指示し、印刷制御部18に対して、要求ジョブの実行(印刷実行)を指示する。これにより、画像処理装置100では、印刷設定変更部16により、取得した変更印刷設定情報に基づき、印刷制御部18に対して、要求ジョブの印刷設定が変更される(ステップS219)。また、画像処理装置100では、印刷制御部18により、ジョブ情報80Dの格納先情報に基づきジョブデータが取得され、変更された印刷設定に従って、取得データの印刷が実行される(ステップS220)。
【0138】
一方、画像処理装置100は、設定候補通知部23が、特定された印刷設定の通知候補がないと判定した場合(ステップS216:NO)、同機能部により図10(B)に示すキャンセル通知画面を表示し(ステップS221)、印刷制御部18により、要求ジョブの実行が終了(キャンセル)される(ステップS222)。
【0139】
<変形例>
上記実施形態では、利用上限判定を行う際に用いる印刷可能枚数が少ないと、印刷設定の通知候補も少なくなることが考えられる。例えば、8ページの印刷ジョブを実行したいときに、残りの印刷可能枚数が2枚であった場合、'2in1集約+両面'や'4in1集約'などが印刷設定の通知候補となる。これが、残りの印刷可能枚数が4枚であった場合には、'両面'や'2in1集約'などの印刷設定も通知候補となる。つまり、印刷可能枚数が少なくなると、利用者の選択候補も少なくなり、印刷設定変更に自由度がなくなる。
【0140】
そこで、本変形例では、印刷ジョブ実行時の印刷枚数が利用上限値の範囲内であっても、印刷可能枚数が所定値(閾値)より小さい場合、利用者に対して、印刷設定候補を通知する仕組みを提案する。
【0141】
これにより、本変形例に係る画像処理装置100は、利用者が多くの候補から印刷設定を選択でき、印刷設定変更に自由度をもたせることができる。
【0142】
図12は、本変形例に係る上限管理の制御処理手順例を示すフローチャートである。
なお、図12に示すステップS306又はS307の後続処理は、図11に示すステップS207−S222までの処理と同じである。また、図12に示すステップS301−S305までの処理は、図12に示すステップS201−S205までの処理と同じである。よって、以下には、ステップS306,S307の処理について説明し、図11に示す処理と同一の処理については、その説明を省略する。
【0143】
図12に示すように、画像処理装置100は、利用上限判定部13により、要求ジョブの印刷枚数と印刷利用情報90Dの利用許可情報である印刷可能枚数とを比較する(ステップS305)。
【0144】
次に、画像処理装置100は、利用上限判定部13により、比較結果に基づき、要求ジョブの印刷枚数が印刷可能枚数を超えるか否かを判定する(ステップS306:利用上限の超過判定)。
【0145】
その結果、画像処理装置100は、利用上限判定部13が、要求ジョブの印刷枚数が印刷可能枚数を超えると判定した場合(ステップS306:YES:利用上限の超過判定結果)、変更印刷設定情報取得部14に対して、情報の取得を指示する。これにより、図11のステップS207以降に示す処理が実行され、印刷設定候補が通知される。
【0146】
一方、画像処理装置100は、利用上限判定部13が、要求ジョブの印刷枚数が印刷可能枚数以内と判定した場合(ステップS306:NO:利用上限内の判定結果)、同機能部により、印刷可能枚数が閾値より小さいか否かを判定する(ステップS307)。
【0147】
その結果、画像処理装置100は、利用上限判定部13が、印刷可能枚数が閾値より小さいと判定した場合(ステップS307:YES)、変更印刷設定情報取得部14に対して、情報の取得を指示する。これにより、印刷枚数が利用上限値の範囲内であっても、利用上限値を超えた場合と同じように、図11のステップS207以降に示す処理が実行され、印刷設定候補が通知される。
【0148】
一方、画像処理装置100は、利用上限判定部13が、印刷可能枚数が閾値以上と判定した場合(ステップS307:NO)、印刷制御部18に対して、要求ジョブの実行を指示する。これにより、図11のステップS220に示す処理が実行される。
【0149】
なお、印刷ジョブ実行時の印刷枚数が利用上限値の範囲内であっても、利用者に印刷設定候補を通知する方法は、上記処理に限らない。例えば、上記処理では、印刷可能枚数を判断基準としているが、印刷機能の利用期間を判断基準に用いた方法であってもよい。具体的には、利用期間が所定期間を経過したか否かを判定し、印刷ジョブ実行時の印刷枚数が利用上限値の範囲内であっても、所定期間を経過した場合、利用者に対して、印刷設定候補を通知する。
【0150】
<まとめ>
以上のように、本実施形態に係る画像処理装置100によれば、利用上限判定部13が、印刷ジョブ実行時の印刷枚数が利用上限値までの残りの印刷可能枚数を超えるか否かを判定する。画像処理装置100は、印刷枚数が印刷可能枚数を超えると判定した場合、設定変更通知部23が、印刷枚数が利用上限値の範囲内となる印刷設定候補を通知する。画像処理装置100は、印刷設定候補からの選択により、印刷設定変更の指定を受け付けると、印刷設定変更部16が、印刷ジョブの印刷設定を、指定された印刷設定に変更し、印刷制御部18が、変更された印刷設定に従って、印刷ジョブを実行する。
【0151】
これによって、本実施形態に係る画像処理装置100は、利用者が利用上限値の範囲内で印刷設定変更を選択でき、所望する印刷ジョブを最大限実行可能な上限管理機能を提供できる。
【0152】
[第3の実施形態]
本実施形態では、利用上限を超える印刷ジョブをリスト表示し、リスト内で選択された印刷ジョブ(要求ジョブ)に対して印刷設定候補を通知する仕組みを提案する。
【0153】
これにより、本実施形態に係る画像処理装置は、利用者が、自身が蓄積した印刷ジョブの中で、利用上限を超える印刷ジョブを確認でき、印刷ジョブ実行時に所望する印刷設定変更を選択可能な上限管理機能を提供する。
【0154】
なお、以降では、上記実施形態と異なる事項について説明し、同一事項については、同一参照符号を付しその説明を省略する。
【0155】
<上限管理機能>
図13は、本実施形態に係る上限管理機能の構成例を示す図である。
図13に示すように、本実施形態に係る上限管理機能は、ジョブリスト通知部31などを有している。ジョブリスト通知部31は、印刷利用情報取得部11、ジョブ情報取得部12、変更印刷設定情報取得部14、及び印刷制御部18と連携動作する。
【0156】
ジョブリスト通知部31は、利用者に対して、印刷ジョブのジョブリストを通知する機能部である。ジョブリスト通知部31は、ジョブ情報取得部12により取得したジョブ情報80Dに基づき、所定の記憶領域(格納先)に蓄積された印刷ジョブを選択可能なリストデータを生成する。またこのとき、ジョブリスト通知部31は、ジョブリスト内に含まれる印刷ジョブのうち、利用上限を超え印刷設定変更が必要な印刷ジョブ(以下便宜上「超過ジョブ」という)と、利用上限を超えず印刷設定変更が必要ない印刷ジョブ(以下便宜上「未超過ジョブ」という)と、を判別し、判別された印刷ジョブが異なる態様で通知されるリストデータを生成する。
【0157】
ジョブリスト通知部31は、印刷ジョブの印刷枚数が印刷可能枚数を超えるか否かの判定結果に基づき、上記印刷ジョブ判別を行う。
【0158】
具体的にジョブリスト通知部31は、印刷利用情報取得部11により取得した印刷利用情報90Dとジョブ情報取得部12により取得したジョブ情報80Dとから、次のように印刷ジョブ判別を行う。
【0159】
まず、ジョブリスト通知部31は、ジョブリスト内に含まれる印刷ジョブごとに、ジョブ情報80Dの書誌情報に含まれる[ページ数]項目値(ページ数情報)と印刷設定情報に含まれる[両面/片面]項目値及び[集約]項目値(印刷モード情報)とに基づき、印刷枚数を算出する。
【0160】
ジョブリスト通知部31は、ジョブリスト内に含まれる印刷ジョブごとに、算出した印刷枚数が印刷利用情報90Dの利用許可情報として記録された印刷可能枚数を超えるか否かを判定する。ジョブリスト通知部31は、印刷枚数が印刷可能枚数を超えると判定された場合、超過ジョブ判別結果を得る。一方、印刷枚数が印刷可能枚数以内と判定された場合には、未超過ジョブ判別結果を得る。
【0161】
ジョブリスト通知部31は、上記印刷ジョブ判別結果に基づき、例えば、図14(A)に示すようなジョブリストが通知されるリストデータを生成する。
【0162】
図14は、本実施形態に係る利用者通知の画面遷移例を示す図である。
図14(A)には、ジョブリストの通知例と、同図(B)には、超過ジョブに対する印刷設定候補の通知例とが示されている。
【0163】
ジョブリスト通知部31は、リストデータに基づき、超過ジョブを未超過ジョブと異なる態様(例えば「半輝度」や「色」など)で表示し、印刷ジョブ中の超過ジョブが容易に確認可能な画面(以下便宜上「ジョブリスト画面」という)を操作パネル120に表示する。図14(A)には、超過ジョブ"ジョブB","ジョブC"と未超過ジョブ"ジョブA"とが異なる態様で表示されるジョブリスト画面の例が示されている。
【0164】
また、ジョブリスト通知部31は、ジョブリスト画面を介して、未超過ジョブの選択イベントや[印刷]ボタンの押下イベントを受信することで、実行印刷ジョブの指定や印刷実行指示を受け付ける。よって、ジョブリスト通知部31は、選択イベントの受信に基づき、印刷制御部18に選択された未超過ジョブの取得を指示し、押下イベントの受信に基づき、印刷制御部18に取得ジョブの実行(印刷実行)を指示する。
【0165】
一方、ジョブリスト通知部31は、ジョブリスト画面を介して、超過ジョブの選択イベントを受信することで、印刷設定候補を通知する印刷ジョブの指定を受け付ける。よって、ジョブリスト通知部31は、選択イベントの受信に基づき、変更印刷設定情報取得部14に選択された超過ジョブに対する印刷設定候補の通知を指示する。
【0166】
その後、本実施形態では、画像化部21、文字サイズ判定部22、変更後印刷枚数算出部15、及び利用上限判定部13による連携動作により、超過ジョブに対する印刷設定の通知候補が特定される。その結果、設定候補通知部23は、例えば、図14(B)に示すような設定候補選択画面を操作パネル120に表示する。つまり、本実施形態では、図14(A)に示すジョブリスト画面上で超過ジョブが選択されると、同図(B)に示す設定候補選択画面に遷移する。
【0167】
このように、本実施形態では、ジョブリスト通知部31、設定候補通知部23、印刷設定変更部16、及び印刷制御部18による連携動作により、ジョブリスト画面で確認された超過ジョブが、利用者の所望する印刷設定に変更され、実行される。
【0168】
以上のように、本実施形態に係る上限管理機能は、上記各機能部が連携動作することにより実現される。本実施形態に係る上限管理機能の詳細な動作(機能部群の連携動作)について、処理手順を示すフローチャートを用いて説明する。
【0169】
《上限管理の制御処理》
図15は、本実施形態に係る上限管理の制御処理手順例を示すフローチャートである。
なお、図15に示すステップS412の後続処理は、図11に示すステップS207−S222までの処理と同じである。よって、以下には、ステップS401−S412までの処理について説明し、図11に示す処理と同一の処理については、その説明を省略する。
【0170】
図15に示すように、画像処理装置100は、読み取り装置114bにより、利用者識別情報を取得する(ステップS401)。
【0171】
次に、画像処理装置100は、印刷利用情報取得部11により、ログイン利用者の印刷利用情報90Dを取得し(ステップS402)、ジョブ情報取得部12により、ログイン利用者のジョブ情報80Dを取得する(ステップS403)。
【0172】
次に、画像処理装置100は、ジョブリスト通知部31により、ジョブリストに含まれる印刷ジョブの印刷枚数を算出する(ステップS404)。このとき、ジョブリスト通知部31は、ジョブ情報80Dの書誌情報に含まれるページ数情報と印刷設定情報に含まれる印刷モード情報とに基づき、計算式[印刷枚数N=(ページ数P)×(印刷モード指定の係数α)]に従って、印刷枚数を算出する。
【0173】
次に、画像処理装置100は、ジョブリスト通知部31により、印刷ジョブの印刷枚数と印刷利用情報90Dの利用許可情報である印刷可能枚数とを比較する(ステップS405)。
【0174】
次に、画像処理装置100は、ジョブリスト通知部31により、比較結果に基づき、印刷ジョブの印刷枚数が印刷可能枚数を超えるか否かを判定する(ステップS406:利用上限の超過判定)。
【0175】
その結果、画像処理装置100は、ジョブリスト生成部31が、印刷ジョブの印刷枚数が印刷可能枚数を超えると判定した場合(ステップS406:YES:利用上限の超過判定結果)、同機能部により、印刷ジョブを超過ジョブと判別する(ステップS407:超過ジョブの判別)。
【0176】
一方、画像処理装置100は、ジョブリスト生成部31が、印刷ジョブの印刷枚数が印刷可能枚数以内と判定した場合(ステップS406:NO:利用上限内の判定結果)、同機能部により、印刷ジョブを未超過ジョブと判別する(ステップS408:未超過ジョブの判別)。
【0177】
次に、画像処理装置100は、ジョブリスト生成部31により、取得したジョブ情報80Dの全情報セットを参照し、ログイン利用者の全ての印刷ジョブを判別したか否かを判定する(ステップS409)。
【0178】
画像処理装置100は、ジョブリスト生成部31が、ジョブ情報80Dの全情報セットを参照し、ログイン利用者の全ての印刷ジョブを判別していないと判定した場合(ステップS409:NO)、同機能部により、ジョブ情報80Dの未参照の情報セットを参照し、印刷ジョブの印刷枚数の算出処理が実行される(ステップS404)。これにより、画像処理装置100では、ジョブ情報80Dの全情報セットを参照し、ログイン利用者の全ての印刷ジョブが判別されるまで、ステップS404−S408までの処理を繰り返す。
【0179】
これによって、画像処理装置100では、利用者が蓄積した全ての印刷ジョブのうち、印刷時に印刷設定を変更しなくても印刷可能な印刷ジョブと印刷設定を変更する必要がある印刷ジョブとが判別される。
【0180】
その結果、画像処理装置100は、ジョブリスト通知部31により、印刷ジョブ判別結果に基づき、超過ジョブが未超過ジョブと異なる態様で通知されるリストデータを生成し(ステップS410)、リストデータに基づき、ジョブリストを通知する(ステップS411)。
【0181】
画像処理装置100は、ジョブリスト通知部31により、未超過ジョブ選択による実行印刷ジョブの指定や[印刷]ボタン押下による印刷実行指示を受け付ける(ステップS412:未超過ジョブの印刷実行)。これにより、図11のステップS220に示す処理が実行される。
【0182】
一方、画像処理装置100は、ジョブリスト通知部31により、超過ジョブ選択による印刷設定候補を通知する印刷ジョブの指定を受け付ける(ステップS412:超過ジョブへの印刷設定変更通知)。これにより、図11のステップS207以降に示す処理が実行され、印刷設定候補が通知される。
【0183】
<まとめ>
以上のように、本実施形態に係る画像処理装置100によれば、ジョブリスト通知部31が、利用上限を超える印刷ジョブと利用上限を超えない印刷ジョブとを判別し、判別した印刷ジョブが異なる態様でリスト表示されるジョブリストを通知する。画像処理装置100は、ジョブリストからの選択により、印刷設定候補を通知する印刷ジョブの指定を受け付けると、設定変更通知部23が、指定された印刷ジョブに対して、印刷枚数が利用上限値の範囲内となる印刷設定候補を通知する。画像処理装置100は、印刷設定候補からの選択により、印刷設定変更の指定を受け付けると、印刷設定変更部16が、印刷ジョブの印刷設定を、指定された印刷設定に変更し、印刷制御部18が、変更された印刷設定に従って、印刷ジョブを実行する。
【0184】
これによって、本実施形態に係る画像処理装置100は、利用者が、自身が蓄積した印刷ジョブの中で、利用上限を超える印刷ジョブを確認でき、利用上限値の範囲内で印刷設定変更を選択でき、所望する印刷ジョブを最大限実行可能な上限管理機能を提供できる。
【0185】
ここまで、上記実施形態の説明を行ってきたが、上記実施形態に係る「上限管理機能」は、図を用いて説明を行った各処理手順を、動作環境(プラットフォーム)にあったプログラミング言語でコード化したプログラムが画像処理装置100が備える演算装置(CPU)により実行されることで実現される。
【0186】
上記プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体114aに格納することができる。これにより、例えば、上記プログラムは、外部装置I/F114を介して、画像処理装置100にインストールすることができる。また、画像処理装置100は、通信I/F113を備えていることから、電気通信回線を用いて上記プログラムをダウンロードし、インストールすることもできる。
【0187】
<変形例>
上記実施形態では、上限管理機能を画像処理装置100が有する構成について説明を行ったが、機能構成の適用範囲は、この限りでない。例えば、図16,18に示すようなシステムに適用することもできる。
【0188】
図16は、本変形例に係る印刷システム1の構成例(その1)を示す図である。
図16には、1又は複数の端末300〜300(以下総称する場合「端末300」という)と、1又は複数の画像処理装置100〜100(以下総称する場合「画像処理装置100」という)と、印刷制御装置200(プリントサーバ)とが、所定のデータ伝送路(ネットワーク)で接続されるシステム構成例が示されている。
【0189】
本変形例に係る印刷システム1では、利用者に対して、次のようなサービスが提供される。
利用者は、まず、端末300から印刷ジョブのジョブデータを印刷制御装置200に送信する。その結果、印刷制御装置200では、受信したジョブデータが記憶装置に格納され、利用者の印刷ジョブが蓄積・管理される。次に、利用者は、画像処理装置100における画面操作により、印刷ジョブの実行を印刷制御装置200に要求する。その結果、印刷制御装置200では、画像処理装置100から受け付けた要求に従って、記憶装置から実行要求された印刷ジョブの該当ジョブデータを取得し、画像処理装置100に取得データを送信する。これにより、画像処理装置100では、利用者が所望する印刷ジョブが実行される。
【0190】
このような印刷システム1の場合には、例えば、図17に示すように機能実装することで適用できる。
図17は、本変形例に係る上限管理機能の構成例(その1)を示す図である。
図17には、上限管理機能が印刷制御装置200に実装された場合の機能構成例が示されている。このように実装された上限管理機能は、上記サービスを実現する印刷制御機能と連携動作する。
【0191】
本変形例に係る上限管理機能では、端末300からのデータ受信に同期し、ジョブ情報保持部80で保持されるジョブ情報80Dが登録・更新される。また、画像処理装置100へのジョブデータ送信に同期し、印刷利用情報保持部90で保持される印刷利用情報90Dが更新される。また、印刷設定候補情報保持部70では、システム1に接続される画像処理装置100ごと又は画像処理装置100の機種ごとに印刷設定候補情報70Dを保持する。
【0192】
また、通知部17は、通知情報を画像処理装置100に送信することで、印刷設定変更を通知し、画像処理装置100から要求情報を受信することで、ジョブデータの取得要求を受け付ける。また、印刷制御部18は、ジョブデータとともに動作指示情報(印刷設定の変更指示を含む)を画像処理装置100に送信することで、印刷ジョブの実行を指示する。
【0193】
図18は、本変形例に係る印刷システム1の構成例(その2)を示す図である。
図16には、端末300と画像処理装置100とが、所定のデータ伝送路(ネットワーク)で接続されるシステム構成例が示されている。
【0194】
このような印刷システム1の場合には、例えば、図19に示すように機能実装することで適用できる。
【0195】
図19は、本変形例に係る上限管理機能の構成例(その2)を示す図である。
図19には、上限管理機能が端末300に実装された場合の機能構成例が示されている。このように実装された上限管理機能は、プリンタドライバによる印刷制御機能と連携動作する。なお、上限管理機能をプリンタドライバが有する構成であってもよい。
【0196】
本変形例に係る上限管理機能では、ジョブ情報保持部90を有していない。また、画像処理装置100へのプリンタドライバの生成データ送信に同期し、印刷利用情報保持部90で保持される印刷利用情報90Dが更新される。また、印刷設定候補情報保持部70では、システム1に接続される画像処理装置100ごと又は画像処理装置100の機種ごとに印刷設定候補情報70Dを保持する。
【0197】
また、ジョブ情報取得部12は、プリンタドライバの生成データからジョブ情報80Dを取得する。また、印刷制御部18は、プリンタドライバの生成データとともに動作指示情報(印刷設定の変更指示を含む)を画像処理装置100に送信することで、印刷ジョブの実行を指示する。
【0198】
以上のように、上記印刷制御システム1であっても機能構成を適用でき、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0199】
最後に、上記実施形態に挙げた形状や構成に、その他の要素との組み合わせなど、ここで示した要件に、本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0200】
1 印刷制御システム
11 印刷利用情報取得部
12 ジョブ情報取得部
13 利用上限判定部
14 変更印刷設定情報取得部
15 変更後印刷枚数算出部
16 印刷設定変更部
17 通知部
18 印刷制御部
21 画像化部
22 文字サイズ判定部
23 設定候補通知部
31 ジョブリスト通知部
70 印刷設定候補情報保持部(D:印刷設定候補情報)
80 ジョブ情報保持部(D:ジョブ情報)
90 印刷利用情報保持部(D:印刷利用情報)
100 画像処理装置
200 印刷制御装置(プリントサーバ)
300 端末
【先行技術文献】
【特許文献】
【0201】
【特許文献1】特開2009―301191号公報
【特許文献2】特開2007―34701号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷ジョブの印刷枚数が利用上限値までの残りの印刷可能枚数を超えるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段で印刷枚数が前記印刷可能枚数を超えると判定した場合、前記印刷ジョブの印刷設定を印刷枚数が前記利用上限値の範囲内となる設定に変更する変更手段と、
前記変更手段で変更した印刷設定に従って前記印刷ジョブを実行する制御手段と、を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記変更手段は、
前記判定手段が、印刷設定変更後の印刷枚数が前記印刷可能枚数以下と判定した場合の印刷設定により、前記印刷ジョブの印刷設定を変更することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
変更時に適用する印刷設定候補の優先度を示す優先度情報と印刷設定候補の設定内容を示す変更印刷設定情報とが対応付けられた印刷設定候補情報から前記変更印刷設定情報を取得する取得手段と、
印刷設定変更後の前記印刷ジョブの印刷枚数を算出する算出手段と、を有し、
前記取得手段は、
前記優先度情報に基づき、優先度の高い順に、前記印刷設定候補情報から前記変更印刷設定情報を取得し、
前記算出手段は、
前記取得手段で取得した変更印刷設定情報に基づき、印刷設定変更後の印刷枚数を算出し、
前記判定手段は、
前記算出手段で算出した印刷枚数が前記印刷可能枚数を超えるか否かを判定することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
印刷設定変更後の前記印刷ジョブの印刷画像に基づき、該印刷画像に含まれる文字のサイズが所定値より小さいか否かを判定する文字サイズ判定手段を有し、
前記変更手段は、
前記文字サイズ判定手段が、印刷設定変更後の印刷画像に含まれる文字のサイズが所定値以上と判定し、かつ、前記判定手段が、印刷設定変更後の印刷枚数が前記印刷可能枚数以下と判定した印刷設定により、前記印刷ジョブの印刷設定を変更することを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記文字サイズ判定手段は、
前記取得手段で取得した変更印刷設定情報に従って生成された印刷設定変更後の印刷画像に基づき、該印刷画像に含まれる文字のサイズが所定値より小さいか否かを判定し、
前記算出手段は、
前記文字サイズ判定手段が、印刷設定変更後の印刷画像に含まれる文字のサイズが所定値以上と判定した場合の変更印刷設定情報に基づき、印刷設定変更後の印刷枚数を算出し、
前記判定手段は、
前記算出手段で算出した印刷枚数が前記印刷可能枚数を超えるか否かを判定することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記判定手段が、印刷設定変更後の印刷枚数が前記印刷可能枚数以下と判定した印刷設定を通知する通知手段を有し、
前記変更手段は、
前記通知手段で通知した印刷設定の中で、選択された印刷設定により、前記印刷ジョブの印刷設定を変更することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記印刷ジョブのうち、印刷枚数が前記印刷可能枚数を超える印刷ジョブと印刷枚数が前記印刷可能枚数以内の印刷ジョブとを異なる態様でリスト表示し、ジョブリストを通知するジョブリスト通知手段を有し、
前記通知手段は、
前記ジョブリスト通知手段で通知したジョブリストの中で、印刷枚数が前記印刷可能枚数を超える印刷ジョブの選択を受け付けると、選択された印刷ジョブに対する、印刷設定変更後の印刷枚数が前記印刷可能枚数以下と判定した印刷設定を通知することを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記変更手段は、
両面及び/又は集約の印刷設定により、前記印刷ジョブの印刷設定を変更することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項9】
画像処理装置の利用上限を管理する上限管理方法であって、
コンピュータに、
印刷ジョブの印刷枚数が前記利用上限値までの残りの印刷可能枚数を超えるか否かを判定する判定手順と、
前記判定手順で印刷枚数が前記印刷可能枚数を超えると判定した場合、前記印刷ジョブの印刷設定を印刷枚数が利用上限値の範囲内となる設定に変更する変更手順と、
前記変更手順で変更した印刷設定に従って前記印刷ジョブを実行する制御手順と、を実行させる上限管理方法。
【請求項10】
画像処理装置の利用上限を管理する上限管理プログラムであって、
コンピュータを、
印刷ジョブの印刷枚数が前記利用上限値までの残りの印刷可能枚数を超えるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段で印刷枚数が前記印刷可能枚数を超えると判定した場合、前記印刷ジョブの印刷設定を印刷枚数が利用上限値の範囲内となる設定に変更する変更手段と、
前記変更手段で変更した印刷設定に従って前記印刷ジョブを実行する制御手段として機能させる上限管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−52545(P2013−52545A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−190820(P2011−190820)
【出願日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】