説明

画像処理装置、位置情報付加方法およびプログラム

【課題】外部からの取得信号に基づく位置情報を取得することが困難である場合にも撮像地点の位置情報取得が可能な画像処理装置、位置情報付加方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】外部からの取得信号に基づいて位置情報を取得する第1の取得部と、ユーザ入力に基づいた位置情報を取得する第2の取得部と、前記第1の取得部により取得した位置情報を撮像画像に付加する付加部と、を備え、前記付加部は、前記第1の取得部により前記位置情報を取得できなかった場合、前記第2の取得部により取得した位置情報を前記撮像画像に付加する、画像処理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像処理装置、位置情報付加方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、撮像装置で撮像された画像には、撮像時の日時情報や位置情報等の付加情報が含まれる。このように画像に含まれる付加情報は、例えば画像管理サーバにおいて、大量の画像を管理する際に用いられる。より具体的には、例えば画像管理サーバは、画像に含まれる日時情報に基づいたファイル名を生成し、画像データを保存する。
【0003】
ここで、画像に含まれる付加情報の生成に関する技術として、下記特許文献1〜3が挙げられる。
【0004】
特許文献1には、撮像時に位置情報を取得できなかった場合、メモリに記憶された位置情報のうちいずれかを選択する技術が開示されている。
【0005】
特許文献2には、撮像時に位置情報を取得できなかった場合、異なる時点で得られた位置情報を撮像地点情報として設定する技術が開示されている。
【0006】
特許文献3には、撮像装置から画像を受け取った画像管理サーバが、画像に含まれる音声やスケジュール情報に基づいて抽出したキーワードを用いて地図データベースを検索して付加情報を生成する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−5953号公報
【特許文献2】特開2007−281799号公報
【特許文献3】特開2008−85582号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、撮像時に位置情報を取得できなかった場合に、後から撮影時点の正確な位置情報を生成することは困難であった。例えば、上記特許文献1では、撮像装置のメモリに予め記憶された位置情報から選択されるので、撮影時点の位置情報と異なる位置情報が選択される可能性が高い。
【0009】
また、上記特許文献2では、移動中の車内や移動直後の屋内、電池切れ後すぐに電池交換できない等、撮像装置がしばらく位置情報を取得できない場合、その後異なる地点で撮像装置が取得した位置情報は、撮像時点と全く相関の無い地点の位置情報になる恐れがあった。
【0010】
また、特許文献3では、撮像装置で撮像地点の位置情報を取得できなかった場合については考慮されていない。さらに、特許文献3では、画像管理サーバにおいて位置情報等の付加情報が生成されるので、ユーザは、外出途中にリアルタイムで撮影履歴を確認することができない。
【0011】
そこで、本開示では、外部からの取得信号に基づく位置情報を取得することが困難である場合にも撮像地点の位置情報取得が可能な、新規かつ改良された画像処理装置、通信制御方法およびプログラムを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示によれば、外部からの取得信号に基づいて位置情報を取得する第1の取得部と、ユーザ入力に基づいた位置情報を取得する第2の取得部と、前記第1の取得部により取得した位置情報を撮像画像に付加する付加部と、を備え、前記付加部は、前記第1の取得部により前記位置情報を取得できなかった場合、前記第2の取得部により取得した位置情報を前記撮像画像に付加する、画像処理装置が提供される。
【0013】
また、本開示によれば、外部からの取得信号に基づいて第1の取得部が取得した位置情報、またはユーザ入力に基づいて第2の取得部が取得した位置情報を、撮像画像に付加するステップを含み、前記付加するステップは、前記第1の取得部により前記位置情報を取得できなかった場合、前記第2の取得部により取得した位置情報を前記撮像画像に付加する、位置情報付加方法が提供される。
【0014】
また、本開示によれば、外部からの取得信号に基づいて第1の取得部が取得した位置情報、またはユーザ入力に基づいて第2の取得部が取得した位置情報を、撮像画像に付加する処理をコンピュータに実行させ、前記付加する処理は、前記第1の取得部により前記位置情報を取得できなかった場合、前記第2の取得部により取得した位置情報を前記撮像画像に付加する、プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように本開示によれば、外部からの取得信号に基づく位置情報を取得することが困難である場合にも撮像地点の位置情報取得が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本開示による位置情報付加システムの概略を説明するための図である。
【図2】本開示による撮像装置の外観図である。
【図3】第1の実施形態による撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図4】第1の実施形態による写真撮影モードにおけるユーザ入力のタイミング設定画面の一例を示す図である。
【図5】第1の実施形態によるGPSアイコンの表示例を示す図である。
【図6】ユーザ入力のタイミングが撮影後に設定された場合における第1の実施形態による位置情報付加処理を示すフローチャートである。
【図7】ユーザ入力のタイミングが撮影前に設定された場合における第1の実施形態による位置情報付加処理を示すフローチャートである。
【図8】第1の実施形態による動画撮影モードにおけるユーザ入力のタイミング設定画面の一例を示す。
【図9】ユーザ入力のタイミングが撮影中に設定された場合における第1の実施形態による位置情報付加処理を示すフローチャートである。
【図10】ユーザ入力が文字入力の場合において、ユーザ入力のタイミングが撮影後に設定された場合の位置情報付加処理を示すフローチャートである。
【図11】画像表示部に表示する文字群(ソフトウェアキーボード画像)の一例を示す図である。
【図12】第2の実施形態による位置情報付加システムの全体構成を示す図である。
【図13】第2の実施形態による撮像装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0018】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.本開示による撮像装置の概要
2.本開示による各実施形態
2−1.第1の実施形態
2−2.第2の実施形態
3.まとめ
【0019】
ここで説明する本開示による技術は、上記項目の「1.撮像装置の概要」〜「2.各実施形態」で説明するように、多様な形態で実施され得る。また、本開示の一実施形態による画像処理装置10は、
(A)外部からの取得信号に基づいて位置情報を取得する第1の取得部(位置情報取得部19)と、
(B)ユーザ入力に基づいた位置情報を取得する第2の取得部(音声入力部28、タッチパネル18)と、
(C)前記第1の取得部により取得した位置情報を撮像画像に付加する付加部(制御部15)と、
を備え、
(D)前記付加部は、前記第1の取得部により前記位置情報を取得できなかった場合、前記第2の取得部により取得した位置情報を前記撮像画像に付加する。
【0020】
<1.本開示による撮像装置の概要>
ここでは、まず本開示による位置情報付加システムの概略について図1を参照して説明してから、本開示による撮像装置の概要について図2を参照して説明する。
【0021】
図1は、本開示による位置情報付加システムの概略を説明するための図である。図1に示すように、本開示による位置情報付加システムは、撮像装置10と人工衛星50A〜50Cを含む。
【0022】
本開示による撮像装置10は、ユーザ操作に応じて撮像対象を撮像する機能を有する。撮像装置10は、撮像した画像に、撮像地点(自装置の現在位置)を示す位置情報を付加する機能を有する。以下、本開示による撮像装置10による位置情報の取得について説明する。
【0023】
本開示による撮像装置10は、人工衛星50A〜50Cから送信される航法メッセージを受信して現在位置を計算(測位)可能なGPS(Global Positioning System)受信機(図3に示す位置情報取得部19参照)を有する。図1においては、各人工衛星を区別するために、人工衛星50A〜50Cのように符号の後に大文字のアルファベットを付しているが、各人口衛星を特に区別する必要がない場合、単に人工衛星50と総称する。
【0024】
なお、人工衛星50(GPS衛星)は、地球上空を周回している。図1には、3個の人工衛星50A〜50Cのみを示しているが、例えば、6つの軌道上に各4個で計24個の人工衛星が地球の上空を周回している。また、人工衛星50は、人工衛星の軌道情報や、航法メッセージの送信時刻などを含む航法メッセージを送信する。撮像装置10が有するGPS受信機は、3個以上の人工衛星、例えば人工衛星50A〜50Cから送信される航法メッセージを受信し、受信した航法メッセージに基づいて自装置の現在位置を測位することができる。
【0025】
本開示による撮像装置10は、このようにGPS受信機(位置情報取得部19)により測位した位置情報を、撮像画像に付加することができる。
【0026】
しかしながら、屋内やビルの陰、高層ビルの間、建物の間の狭い道路、地下、高架下など、人工衛星50からの電波を遮断、反射してしまう場所ではGPS受信機が現在位置を測位することが困難である。そこで、本開示による撮像装置10は、GPS受信機によって現在位置を測位できない場合に、ユーザ入力に基づいて位置情報を取得する。例えば図1に示すように、撮像装置10は、ユーザにより入力された建物名や地名に基づいて、位置情報検索用のデータベースを検索し、自装置の位置情報を取得する。
【0027】
このように、本開示による撮像装置10は、GPS受信機により位置情報を取得できなかった場合に、ユーザ入力に基づいた位置情報を取得し、撮像画像に付加することができる。なお、ユーザ入力に基づく位置情報の取得については、「2.各実施形態」において詳細に説明する。
【0028】
次に、本開示による撮像装置の概要について図2を参照して説明する。図2は、本開示による撮像装置10の外観図である。図1に示すように、撮像装置10は、シャッターボタン21、モードスイッチ22、録音ボタン23、メニューボタン24、操作レバー25、決定ボタン27、再生ボタン29といった各種操作部、およびタッチパネル18を積層した画像表示部16を有する。
【0029】
シャッターボタン21は、静止画の撮像、動画の撮像開始/終了を行う操作部である。モードスイッチ22は、撮像装置10の撮影モードを切り替えるスライド式の操作部である。例えば、モードスイッチ22が上端に位置する場合は写真撮影モード、中央に位置する場合はパノラマ撮影モード、下端に位置する場合は動画撮影モードに切り替えられる。
【0030】
録音ボタン23は、音声の録音開始/停止を行う操作部である。本開示による録音ボタン23は、位置情報を取得するためにユーザが撮影場所を示す地名や施設名を入力する際に利用される。
【0031】
メニューボタン24は、撮影中または再生中に使用できる機能の設定画面(図示せず)を画像表示部16に表示するための操作部である。ユーザは、メニューボタン24を押下して設定画面を表示させると、操作レバー25および決定ボタン27により各種設定操作を行なう。
【0032】
ホイール型の操作レバー25は、画面上の項目を選択するための操作部である。ユーザは、操作レバー25のホイールを回し、またはホイールの上下左右を押下して項目を選択することができる。決定ボタン27は、選択された項目を実行するための操作部である。再生ボタン29は、撮像装置10の動作モードを、静止画/動画の再生モードに切り替える操作部である。
【0033】
画像表示部16は、撮像装置10の動作モード(撮影モード/再生モード)に応じた画面を表示する。例えば、撮影モード時は、図2に示すように、撮影画面40、電池アイコン42、およびGPSアイコン44が表示される。撮影画面40は、図2に示す撮像装置10の画像表示部16側と反対側に設けられる撮像レンズ(図示せず)により撮影する画面である。電池アイコン42は、撮像装置10のバッテリー残量を示すアイコンである。GPSアイコン44は、GPSによる測位状況を示すアイコンである。図2に示すGPSアイコン44は、3個以上の人工衛星から電波を受信中であって、位置情報を取得できる(測位可能)状況であることを示す。
【0034】
このように、ユーザは、画像表示部16に表示される電池アイコン42やGPSアイコン44によって、撮像装置10の状況を把握することができる。よって、例えばGPSによる測位が不可能な状況であることを示すGPSアイコンが画像表示部16に表示される場合に、ユーザは、録音ボタン23を押下して地名や施設名などを音声入力することができる。これにより、撮像装置10は、GPSによる位置情報を取得できない場合でも、ユーザ入力(ここでは、一例として音声入力)に基づいて位置情報を取得することができる。
【0035】
以上、本開示による撮像装置10の概要について説明した。本開示による撮像装置10は、上述したように、GPSまたはユーザ入力に基づいて取得した位置情報を撮像画像に付加する。以下、撮像装置10による位置情報の付加について、複数の実施形態を用いて詳細に説明する。
【0036】
<2.各実施形態>
[2−1.第1の実施形態]
第1の実施形態による撮像装置10は、GPSによる位置情報取得が困難な場合に、ユーザ入力された地域名、施設名等に基づいて撮像装置10が有するデータベースを検索し、位置情報を取得する。以下、撮像装置10の構成について図3を参照して説明する。
【0037】
(第1の実施形態による撮像装置10の構成)
図3は、第1の実施形態による撮像装置10の構成を示すブロック図である。図3に示すように、本実施形態による撮像装置10は、光学系12、撮像部14、画像表示部16、タッチパネル18、操作部20、制御部15、位置情報取得部19、記録部26、音声入力部28、記録メディア30、およびデータベース32を有する。
【0038】
光学系12は、被写体から発せられる光を集光する撮影レンズおよびズームレンズを備える。また、光学系12は、ユーザのズーム操作に応じて制御部15により制御され、焦点距離が短くまたは長くなる。これにより、撮像部14に形成される被写体像が縮小/拡大する。
【0039】
撮像部14は、CCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの信号変換部であって、光学系12により被写体像が形成される。被写体像が信号変換部に形成されると、被写体像は信号変換部により電気的な画像信号に変換される。また、撮像部14は、ユーザの撮影モード切り替え操作に応じて制御部15により制御され、写真、パノラマおよび動画のいずれかの画像信号を制御部15に出力する。また、撮像部14は、変換した画像信号(撮像画像)を画像表示部16に出力する。
【0040】
画像表示部16は、撮影モードにおいては光学系12により集光されている被写体像が撮像部14によって変換された撮像画像を表示することができる。また、画像表示部16は、再生モードにおいては、インデックス画面や再生画面などを表示することができる。
【0041】
タッチパネル18は、操作表示部の一例であって、上述したように、画像表示部16に積層され設けられる。ユーザは、タッチパネル18を操作することにより撮像装置10に各種指示や情報を入力することが可能である。また、本実施形態によるタッチパネル18は、写真、パノラマ、および動画撮影モードにおいて、撮影地点の位置情報取得のためのユーザ入力として地域名や施設名等を示す文字を入力することができる。
【0042】
操作部20は、図2を参照して説明した各種操作部(シャッターボタン21、モードスイッチ22、録音ボタン23、メニューボタン24および操作レバー25等)を含む。図3では、代表して録音ボタン23および操作レバー25を示す。
【0043】
制御部15は、撮像装置10が有する各構成を制御する。また、制御部15は、後述するROM(Read Only Memory)に格納される制御プログラムに従い、RAM(Random Access Memory)やバッファメモリを作業領域として利用し、各種制御を実行する。また、制御部15は、ユーザ操作に応じた制御を行う。例えば、本実施形態による制御部15は、録音ボタン23が押下された場合、音声入力部28から入力される音声の録音を開始する。また、本実施形態による制御部15は、音声入力部28またはタッチパネル18から入力された地域名や施設名に基づいてデータベース32を検索し、データベース32から位置情報を抽出することができる。さらに、本実施形態による制御部15は、撮像画像に、撮像地点を示す位置情報を付加する制御を行う。
【0044】
位置情報取得部19は、外部からの取得信号に基づいて位置情報を取得する第1の取得部である。より具体的には、本開示による位置情報取得部19は、上述した人工衛星50から送信される、外部からの取得信号の一例である航法メッセージを受信し、現在位置を計算(測位)するGPS受信機である。また、位置情報取得部19は、測位した現在位置を示す位置情報を制御部15に出力する。また、位置情報取得部19は、GPS設定がONになっている間は常に(または一定時間毎に)位置情報を取得してもよい。
【0045】
記録部26は、RAMおよびROMなどの記録媒体である。例えば、RAMは、制御部15の作業領域として利用される。また、例えばROMには、光学系12、撮像部14、および画像表示部16等を制御するためのプログラムや、画像信号や音声信号の記録制御および再生制御などを実行するためのプログラムが書き込まれている。
【0046】
音声入力部28は、動画撮影モード時に被写体周辺の音声を収集する。音声入力部28は、図示しない音声収集部(マイクロフォン)により収集した音声を電気的な音声信号に変換する機能(音声処理部)を有する。また、音声入力部28は、制御部15からの制御信号に基づいて、音声信号についての補正やAGC(Automatic Gain Control)などの処理を行うとともに、音声信号をデジタル形式に変換する処理も行う。なお、本開示による音声入力部28は、写真、パノラマ、および動画撮影モードにおいて、撮影地点の位置情報取得のためのユーザ入力としてユーザの音声を収集する。この場合、音声入力部28は、収集した音声信号を認識して文字データに変換し、ユーザ入力情報として制御部15に出力する処理を行う。
【0047】
なお、上記マイクロフォンは、撮像装置10に内蔵されていてもよいし、外付けされてもよい。
【0048】
記録メディア30は、制御部15により符号化された撮像画像の圧縮データなどが書き込まれるメモリカード等である。また、記録メディア30から読み出された画像の圧縮データは、制御部15により復号化され、画像表示部16に表示される。
【0049】
データベース32は、位置情報検索用のデータベースである。より具体的には、データベース32は、緯度、経度、標高、および住所などの「位置情報」と、地域名、建物名、施設名、固有名詞および俗称などの「名称」を関連付けて保有している。これにより、制御部15は、ユーザ入力された地域名等の名称に基づいてデータベース32を検索し、かかる名称と関連付けられた位置情報を抽出することができる。
【0050】
以上、第1の実施形態による撮像装置10の構成について詳細に説明した。続いて、位置情報取得のためのユーザ入力のタイミングについて、図面を参照して説明する。
【0051】
(ユーザ入力のタイミング設定)
上述したように、本実施形態による撮像装置10は、撮像画像に撮像地点を示す位置情報を付加する。撮像画像に付加する位置情報は、通常、GPSを利用した位置情報取得部19により取得された位置情報であるが、位置情報取得部19により位置情報が取得できなかった場合、撮像装置10は、ユーザ入力に基づいて位置情報を取得する。ユーザ入力は、撮影地点を示す地域名、建物名および施設名等を音声によりユーザが入力する。
【0052】
ユーザ入力のタイミングは、撮影動作の前、撮影中、および撮影動作の後のいずれであってもよい。また、ユーザ入力のタイミングは、撮像装置10の仕様により上記いずれかに設定されていてもよいし、ユーザが上記いずれかを任意に設定してもよい。ユーザが任意にユーザ入力のタイミングを設定する場合について、図4を参照して説明する。
【0053】
図4は、写真撮影モードにおけるユーザ入力のタイミング設定画面の一例を示す図である。メニューボタン24等の操作に応じて、制御部15は、図4に示すように画像表示部16に設定画面161を表示する。設定画面161は、選択項目「撮影前」および「撮影後」を含み、各選択項目はラジオボタンによりいずれか1つが選択され得る。また、複数の静止画を繋ぎ合わせてパノラマ画角を実現するパノラマ撮影モードにおいても、同様に、選択項目「撮影前」および「撮影後」を含む設定画面(図示せず)によりユーザ入力のタイミングが設定される。このように、写真撮影モードおよびパノラマ撮影モード(以下、静止画撮影モードと総称する)の場合、ユーザ入力のタイミングは撮影の前または後に設定することができる。
【0054】
また、動画撮影モードの場合は、ユーザ入力のタイミングは、撮影前、撮影中、および撮影動作の後のいずれかに設定することができる。動画撮影モードにおけるユーザ入力のタイミング設定については、後述する「動画撮影モード」で詳細に説明する。
【0055】
なお、制御部15は、設定されたユーザ入力のタイミングに応じて、位置情報取得部19による位置情報取得状況を示すGPSアイコンを表示部16に表示してもよい。ここで、本実施形態によるGPSアイコンの表示例を図5に示す。
【0056】
図5に示すように、電池容量が少ない(電池アイコン42参照)ために位置情報取得部19が非稼動に設定される等、位置情報取得部19による位置情報取得が困難である場合に、その旨を示すGPSアイコン46が画像表示部16に表示される。より具体的には、GPSアイコン46は、ユーザ入力のタイミングが「撮影前」に設定された場合は撮影前に表示され、「撮影中」に設定された場合は撮影中の画像とともに表示され、「撮影後」に設定された場合は、撮影した画像とともに表示される。これにより、撮像装置10は、位置情報のためのユーザ入力をユーザに促すことができる。
【0057】
以上、ユーザ入力のタイミング設定について説明した。続いて、本実施形態による撮像装置10の位置情報付加処理について説明する。
【0058】
(第1の実施形態による撮像装置10の位置情報付加処理)
本実施形態による撮像装置10は、位置情報取得部19により位置情報を取得できなかった場合、ユーザ入力に基づく位置情報を撮像画像に付加する。ここで、位置情報を取得するためのユーザ入力のタイミングは、上述したように、静止画撮影モードの場合は撮影の前/後、動画撮影モードの場合は撮影の前/中/後である。以下、本実施形態による位置情報付加処理について、ユーザ入力のタイミング設定に応じて詳細に説明する。
【0059】
(静止画撮影モード)
ここでは、静止画撮影モードにおいて、ユーザ入力のタイミングが撮影後または撮影前に設定されている場合について、それぞれフローチャートを参照して説明する。
【0060】
・撮影後
図6は、ユーザ入力のタイミングが撮影後に設定された場合における本実施形態による位置情報付加処理を示すフローチャートである。図6に示すように、まず、ステップS102において、ユーザによりシャッターボタン21が押下されると、撮像装置10の制御部15は、光学系12および撮像部14を制御して撮像動作を行う。
【0061】
次いで、ステップS104において、制御部15は、位置情報取得部19により位置情報が取得可能か否かを判断する。ここで、位置情報取得部19は、GPS設定がONの場合、常に位置情報の取得を行っている。よって、制御部15は撮像直後の時点において、位置情報取得部19が位置情報取得可能な状態であるか否かを判断する。
【0062】
次に、位置情報取得可能と判断された場合、ステップS106において、制御部15は、位置情報取得部19により位置情報を取得し、続くステップS118において、制御部15は、撮像画像に位置情報を付加し、記録部26または記録メディア30に保存する。
【0063】
一方、上記ステップS104において、位置情報取得不可能と判断された場合、ステップS108において、撮像地点を示す音声入力が行われ、音声入力部28は入力された音声を認識して文字データに変換し、ユーザ入力情報として制御部15に出力する。ここで、制御部15は、上述したように、位置情報取得部19による位置情報取得が不可能であることを示すGPSアイコン46を撮像画像と共に画像表示部16に表示することや、最後に取得できた位置情報に基づく撮像地点の候補を表示することで、ユーザによる音声入力を促してもよい。また、ユーザによる音声入力は、例えば録音ボタン23が押下された場合に、図示しないマイクロフォンから、撮像地点を示す地域名や施設名等を発声するユーザの音声が入力される。なお、制御部15は、最後に取得できた位置情報をユーザ入力情報として選択してもよい。さらに、音声の認識は、最後に取得できた位置情報に基づいて入力された音声を認識して文字データに変換してもよい。
【0064】
次いで、ステップS112において、制御部15は、音声入力部28から出力されたユーザ入力情報に基づいてデータベース32を検索する。そして、ステップS114において、制御部15は、データベース32から、ユーザ入力情報(地域名および施設名などの撮像地点を示す名称)に関連付けられた位置情報を抽出する。
【0065】
ここで、データベース32から抽出した位置情報が複数ある場合、ステップS116において、制御部15は、画像表示部16に複数の位置情報を表示し、いずれか1つをユーザに選択させる。また、制御部15は、データベース32から抽出した位置情報が広範囲の地域である場合、その地域の主な地名から自動選択してもよいし、複数の候補を同様に画像表示部16に表示し、ユーザに選択させてもよい。
【0066】
続いて、ステップS118において、制御部15は、撮像画像に位置情報を付加し、記録部26または記録メディア30に保存する。
【0067】
以上、静止画撮影モードにおいて、ユーザ入力のタイミングが撮影後に設定された場合の位置情報付加処理について詳細に説明した。続いて、静止画撮影モードにおいて、ユーザ入力のタイミングが撮影前に設定された場合の位置情報付加処理について図7を参照して説明する。
【0068】
・撮影前
図7は、ユーザ入力のタイミングが撮影前に設定された場合における本実施形態による位置情報付加処理を示すフローチャートである。なお、図7に示す各ステップのうち、図6に示すステップと同様の処理は、同ステップ番号を付している。
【0069】
図7に示すように、まず、ステップS104において、制御部15は、位置情報取得部19により位置情報が取得可能か否かを判断する。ここで、位置情報取得部19は、上述したように、GPS設定がONの場合は常に位置情報の取得を行っている。よって、制御部15は、撮像前の時点、例えば撮像装置10の動作モードが撮影モードに切り替えられた場合に、ステップS104の判断を行う。
【0070】
次に、位置情報取得可能と判断された場合、ステップS106において、制御部15は、位置情報取得部19により位置情報を取得し、次いでステップS107において撮像動作を行う。そして、ステップS118において、制御部15は、撮像画像に位置情報を付加し、記録部26または記録メディア30に保存する。
【0071】
一方、上記ステップS104において、位置情報取得不可能と判断された場合、ステップS108において、撮像地点を示す音声入力が行われ、音声入力部28は入力された音声を認識して文字データに変換し、ユーザ入力情報として制御部15に出力する。上述したように、制御部15は、GPSアイコン46を表示することによりユーザによる音声入力を促してもよい。
【0072】
次に、ステップS109において、ユーザによりシャッターボタン21が押下されると、撮像装置10の制御部15は、光学系12および撮像部14を制御して撮像動作を行う。
【0073】
続いて、制御部15は、上記図6に示すステップS112〜S118と同様の処理を行い、撮像画像に位置情報を付加する。
【0074】
以上、静止画撮影モードにおいてユーザ入力のタイミングが撮影前に設定された場合の位置情報付加処理について詳細に説明した。なお、図6および図7に示すステップS108における音声入力は、撮像動作の前/後に行っているが、本開示による実施形態は、必ずしも毎回の撮像動作の前/後に音声入力を行う必要はない。例えば連続して撮像する場合や、同じ場所で複数回撮像動作を行う場合等、制御部15は、ユーザ入力に基づいて取得した位置情報を記録部26に保存し、その後一定時間の間は撮像画像に記録部26に保存した位置情報を付加してもよい。
【0075】
(動画撮影モード)
続いて、動画撮影モードにおける位置情報付加処理について説明する。動画撮影モードでは、上述したように、ユーザ入力のタイミングを撮影前/中/後に設定することができる。そこで、まず動画撮影モードにおけるユーザ入力のタイミング設定について図8を参照して説明する。
【0076】
図8は、動画撮影モードにおけるユーザ入力のタイミング設定画面の一例を示す図である。メニューボタン24等の操作に応じて、制御部15は、図8に示すように画像表示部16に設定画面163を表示する。設定画面163は、選択項目「撮影前」、「撮影中」、および「撮影後」を含み、各選択項目はラジオボタンによりいずれか1つが選択され得る。このように、ユーザは設定画面163からユーザ入力のタイミングを任意に設定することができる。以下、ユーザ入力のタイミング設定に応じた位置情報付加処理についてそれぞれ説明する。
【0077】
・撮影前/後
ユーザ入力のタイミングが「撮影前」または「撮影後」に設定された場合の位置情報付加処理は、上記静止画撮影モードと同様であるので、ここでは簡潔に説明する。すなわち、本実施形態による制御部15は、撮像開始前/終了後に、位置情報取得部19による位置情報の取得が可能か否かを判断し、不可能である場合、ユーザによる音声入力に基づいて位置情報を取得し、撮像画像に付加する。
【0078】
・撮影中
次に、動画撮影モードにおいて、ユーザ入力のタイミングが「撮影中」に設定された場合における位置情報付加処理について図9を参照して説明する。
【0079】
図9は、ユーザ入力のタイミングが撮影中に設定された場合における本実施形態による位置情報付加処理を示すフローチャートである。なお、図9に示す各ステップのうち、図6に示すステップと同様の処理は、同ステップ番号を付している。
【0080】
図9に示すように、まず、ステップS103において、ユーザによりシャッターボタン21が押下されると、撮像装置10の制御部15は、光学系12および撮像部14を制御して動画撮影を開始する。
【0081】
次いで、ステップS104において、制御部15は、位置情報取得部19により位置情報が取得可能か否かを判断する。ここで、位置情報取得部19は、GPS設定がONの場合、常に位置情報の取得を行っている。よって、制御部15は撮像中において、位置情報取得部19が位置情報取得可能な状態であるか否かを判断する。
【0082】
次に、位置情報取得可能と判断された場合、ステップS106において、制御部15は、位置情報取得部19により位置情報を取得し、続くステップS118において、制御部15は、撮影中または撮影終了後に、撮像動画に位置情報を付加し、記録部26または記録メディア30に保存する。
【0083】
一方、上記ステップS104において、位置情報取得不可能と判断された場合、制御部15は、上記図6に示すステップS108、S112〜S118と同様の処理を行い、撮影中または撮影終了後に、撮像動画に位置情報を付加し、記録部26または記録メディア30に保存する。
【0084】
ここで、動画撮影中は、撮像部14による撮影の他、通常、マイクロフォン(図示せず)から常時音声収集を行っている。本実施形態では、常時行っている音声収集において、位置情報を取得するための音声入力と判断された音声部分の音声認識を行い、ユーザ入力情報として制御部15に出力する。また、位置情報を取得するための音声入力であることを明確にするために、例えば録音ボタン23の押下をトリガとして音声認識を開始し、変換した文字データをユーザ入力情報として制御部15に出力してもよい。
【0085】
以上、動画撮影モードにおいて、ユーザ入力のタイミングが撮影中に設定された場合の位置情報付加処理について詳細に説明した。
【0086】
なお、上記各フローチャートでは、ユーザ入力の一例として音声入力を例に挙げて説明したが、本開示による実施形態はこれに限定されない。例えば、ユーザ入力は文字入力であってもよい。以下、図10および図11を参照して、文字入力を例に挙げて、本実施形態による位置情報付加処理について説明する。
【0087】
(文字入力に基づく位置情報の取得)
図10は、ユーザ入力が文字入力の場合において、ユーザ入力のタイミングが撮影後に設定された場合の位置情報付加処理を示すフローチャートである。なお、図10に示す各ステップのうち、ステップS102、S104、S106、S112〜S118は、図6に示す同ステップ番号の処理と同様である。
【0088】
図10に示すように、ステップS110において、撮像地点を示す文字入力が行われる。撮像地点を示す文字とは、例えば地域名、施設名、および建物名等である。また、文字入力は、例えば画像表示部16に文字群を表示し、操作レバー25等により入力文字を選択して入力してもよい。ここで、画像表示部16に表示する文字群(ソフトウェアキーボード画像)の一例を図11に示す。
【0089】
図11に示すように、制御部15は、ソフトウェアキーボード画像、および入力を促す文章「撮像地点を示す名称(地域名、建物名等)を入力してください。」を含む文字入力画面165を画像表示部16に表示する。なお、画像表示部16は、上述したようにタッチパネル18が積層されているので、ユーザは画面をタッチすることで文字選択を行うこともできる。
【0090】
このようにして入力された文字データに基づき、制御部15は、ステップS112においてデータベースを照合し、ステップS114において位置情報を抽出する。
【0091】
なお、本実施形態による文字入力は、図11に例示したような文字群からの文字選択に限定されず、例えば、タッチパネル18からの手書き文字入力であってもよいし、これらの機能を重複搭載してもよい。
【0092】
上述したように、ユーザ入力が文字入力でも可能とすることにより、撮像装置10が音声を認識する機能を搭載していない場合でも、比較的安価な代替手段とすることができる。また、上記第1の実施形態による撮像装置10に文字入力機能を追加することで、例えば周囲の騒音が大きく音声入力が困難な状況や、物音が立てられない状況においても、確実にユーザ入力を行うことができる。
【0093】
以上、位置情報を取得するためのユーザ入力の一例である文字入力について詳細に説明した。次に、取得した位置情報を撮像画像に付加するタイミングについて説明する。
【0094】
(位置情報の取得タイミング)
上述した第1の実施形態では、位置情報の取得は、撮像動作前、撮像動作中、および撮像動作後のいずれかに行っているが、本開示による実施形態はこれに限定されない。例えば、データベース32から該当する位置情報を抽出できなかった場合、制御部15は、ユーザ入力された名称を保存し、新たなデータベースが搭載された場合に再度検索を行ってもよい。
【0095】
(位置情報の付加タイミング)
上述した第1の実施形態では、取得した位置情報の撮像画像への付加は、図6、図7、および図9においてステップS118に示したが、本開示による実施形態はこれに限定されない。例えば、位置情報の撮像画像への付加は、撮像動作後の任意のタイミングに変更してもよい。
【0096】
例えば、撮像装置10のバッテリー容量が少ないために制御部15によるデータ処理に制限がかけられた場合、制御部15は、バッテリー容量回復後に位置情報の撮像画像への付加を行う。
【0097】
また、連続撮像など各撮像動作後にデータ処理時間を十分に待てない場合、制御部15は、ユーザ指定または仕様で設定されたタイミングで位置情報の撮像画像への付加を行う。より具体的には、制御部15は、例えば電源がスリープモードの場合に位置情報の付加を行ってもよい。
【0098】
これにより、例えばバッテリー消耗時や、データ処理に時間がかかる場合でも、本実施形態による撮像装置10は確実に位置情報を撮像画像に付加することができる。
【0099】
上述したように、第1の実施形態によれば、撮像装置10は、位置情報取得部19により位置情報を取得できなかった場合、ユーザ入力に基づいて位置情報を取得し、撮像画像に付加する。これにより、位置情報取得部19により位置情報を取得できない場合でも、より正確な位置情報を撮像画像に付加することができる。
【0100】
なお、上記第1の実施形態では、ユーザ入力のタイミングが予め設定される場合について説明したが、本開示による実施形態はこれに限定されない。例えば、ユーザは、任意のタイミングで録音ボタン23を押下してマイクロフォンから音声を入力してもよい。これにより、例えばユーザは、屋内や高層ビルの間等、人工衛星50からの電波が遮断されるエリアに移動した時点で、地点を示す音声を入力しておくことができる。この場合、制御部15は、ユーザにより入力された音声に基づいて取得した位置情報を記録部26に保存し、その後一定時間の間は撮像画像に記録部26に保存した位置情報を付加する。
【0101】
また、上記第1の実施形態では、ユーザ入力(音声入力または文字入力等)の直前に、ステップS104に示すように、GPSによる位置情報取得が可能か否か判断しているが、本開示による実施形態はこれに限定されない。例えば、ユーザ入力のタイミングが撮影前/中/後のいずれに設定されていても、制御部15は、撮像動作時に、GPSによる位置情報取得が可能か否かを判断する。そして、制御部15は、GPSによる位置情報取得が不可能であった場合、撮影前/中/後のいずれかであって、撮影時刻と直近の時刻に行われたユーザ入力に基づく位置情報を付加してもよい。
【0102】
また、本開示による実施形態の構成は図3に示す構成に限定されず、例えば、次に説明する第2の実施形態による構成であってもよい。
【0103】
[2−2.第2の実施形態]
本開示による第2の実施形態について、まず、図12を参照して位置情報付加システムの全体構成について説明する。図12に示すように、第2の実施形態による撮像装置11は、基地局64およびネットワーク62を解してサーバ60と通信する。
【0104】
サーバ60は、位置情報と各種名称が関連付けられた地図データベースを有し、撮像装置11からの要求に応じて、該当する位置情報を抽出し、撮像装置11に送信する。
【0105】
これにより、本実施形態による撮像装置11は、ユーザ入力情報(撮像地点を示す各種名称)をサーバ60に送信して位置情報取得要求を行なうと、サーバ60から該当する位置情報を取得することができる。次に、本実施形態による撮像装置11の構成について図13を参照して説明する。
【0106】
(第2の実施形態による撮像装置11の構成)
図13は、第2の実施形態による撮像装置11の構成を示すブロック図である。図13に示すように、本実施形態による撮像装置11は、上記第1の実施形態の構成と異なり、位置情報検索用のデータベース32を有さず、通信部34を有する。
【0107】
通信部34は、外部装置と通信するためのインターフェースであって、有線または無線通信を行う。より具体的には、本実施形態による通信部34は、制御部15による制御に従って、サーバ60に位置情報取得要求を行なう。位置情報取得要求では、通信部34はユーザ入力情報を送信する。また、本実施形態による通信部34は、サーバ60から要求に応じた位置情報を取得する。
【0108】
このように、本実施形態による撮像装置11は、外部のデータベースから位置情報を取得できるので、撮像装置がデータベース32を格納していない場合であっても、より正確な位置情報を取得することができる。なお、図13では、位置情報検索用のデータベース32を有さない構成を示したが、本実施形態による撮像装置11の構成はこれに限定されない。例えば、本実施形態による撮像装置11は、データベース32、および通信部34を有する構成であってもよい。この場合、撮像装置11は、データベース32から位置情報を取得できなかった場合に、通信部34を介して外部のデータベースから位置情報を取得する。これにより、本実施形態による撮像装置11は、より適切な位置情報を取得することができる。
【0109】
また、図12に示す全体構成では、撮像装置11が基地局64およびネットワーク62を解してサーバ60と通信しているが、本実施形態による全体構成はこれに限定されない。例えば、撮像装置11は、パーソナルコンピュータ(PC)等の情報処理装置と接続し、情報処理装置内のデータベースから位置情報を取得してもよい。また、撮像装置11は、接続する情報処理装置を介してさらに外部ネットワークに接続し、外部ネットワーク上のデータベースから位置情報を取得してもよい。
【0110】
なお、本実施形態において、撮像装置11とサーバ60が相互通信する内容は、位置情報に関するものであって、データ通信軽量化を実現するために撮像画像は含まない。
【0111】
<3.まとめ>
上述したように、本開示による撮像装置10は、GPSを利用する位置情報取得部19により位置情報を取得できなかった場合、ユーザ入力に基づいた位置情報を取得し、撮像画像に付加する。より具体的には、撮像装置10は、ユーザ入力された地域名、施設名または建物名等の名称に基づいて、名称と位置情報が関連付けられている地図データベースから該当する位置情報を取得する。
【0112】
これにより、本開示による撮像装置10は、GPSを利用できない場合でも撮像地点の適切な位置情報を撮像画像に付加することができる。
【0113】
また、撮像装置10は、画像表示部16に地図を表示し、過去に撮像した画像を、当該画像に付加された位置情報に応じて地図上の該当箇所に配置する機能を有する。しかしながら、撮像画像に付加される位置情報が実際の撮像地点と誤差のあるものだと、地図上に誤配置されるので、ユーザはストレスを感じる。そこで、本開示による撮像装置10によれば、上述したようにGPSを利用できない場合でも撮像地点の適切な位置情報を撮像画像に付加できるので、撮像画像は地図上に適切に配置される。これにより、ユーザはストレスを感じることなく撮像画像の履歴を楽しむことができる。
【0114】
また、本開示による撮像装置10は、撮像前、撮像中、および撮像後のいずれかの時点で撮像画像に位置情報を付加する。これにより、ユーザが撮像画像をまとめて後日情報処理装置に取り込んだ際に、改めて位置情報を手動追加する煩雑さが無くなり、編集効率を上げることができる。
【0115】
また、本開示による撮像装置によれば、ユーザ入力のタイミングをユーザの好みに合わせて任意に設定することができるので、使い勝手が向上する。
【0116】
また、本開示による撮像装置によれば、撮像地点を示す地域名等の名称を入力するユーザ入力は、例えば音声入力または文字入力により実現される。音声入力が可能であることにより、ユーザは簡単に撮像地点の名称を入力することができる。また、文字入力が可能であることにより、撮像装置に音声を認識する機能を搭載していない場合でも、比較的安価な代替手段とすることができる。また、本開示による撮像装置によれば、ユーザ入力手段として音声入力および文字入力を有してもよい。これにより、周囲の騒音が大きく音声入力が困難な状況や、物音が立てられない状況においても、確実にユーザ入力を行うことができる。
【0117】
また、本開示による撮像装置によれば、外部の地図データベースから位置情報を取得することができる。これにより、撮像装置の記録データ容量制限によりデータベースを格納できない場合や、一部地域のデータベースしか格納しておらず、位置情報を取得できなかった場合でも、より適切な位置情報を取得し、撮像画像に付加することができる。なお、外部の地図データベースと相互通信する内容は、位置情報に関するものであって、データ通信軽量化を実現するために画像情報は含まない。
【0118】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本技術はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0119】
例えば、上記ステップS104において、制御部15が位置情報取得部19による位置情報取得の可否を判断するのは、撮像前、撮像中、または撮像直後であると説明したが、本開示による判断方法はこれに限定されない。例えば、本開示による制御部15は、10分、30分、または1時間など一定の時間内に位置情報取得部19により位置情報が取得できない場合に、取得不可能と判断してもよい。なお判断に要する時間は、撮像装置10の仕様やユーザの任意により設定される。
【0120】
また、本実施形態の撮像装置10が有するユーザ入力に基づく位置情報取得機能を、ユーザにより任意にON/OFF設定できるようにしてもよい。なお、ユーザ入力に基づく位置情報取得機能がOFFの場合に、撮像動作前/中/後にGPSを利用した位置情報が所得できなかった場合、撮像装置10は、例えば直近で取得した位置情報を撮像画像に付加してもよい。
【0121】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
外部からの取得信号に基づいて位置情報を取得する第1の取得部と、
ユーザ入力に基づいた位置情報を取得する第2の取得部と、
前記第1の取得部により取得した位置情報を撮像画像に付加する付加部と、
を備え、
前記付加部は、前記第1の取得部により前記位置情報を取得できなかった場合、前記第2の取得部により取得した位置情報を前記撮像画像に付加する、画像処理装置。
(2)
前記第2の取得部は、ユーザにより入力された音声に基づいて前記位置情報を取得する、前記(1)に記載の画像処理装置。
(3)
前記第2の取得部は、ユーザにより入力された文字情報に基づいて前記位置情報を取得する、前記(1)または(2)に記載の画像処理装置。
(4)
前記第2の取得部による位置情報取得のためのユーザ入力のタイミングは、撮像部による撮像前、撮像中、および撮像後のいずれかである、前記(2)から(3)のいずれか1項に記載の画像処理装置。
(5)
前記画像処理装置は、
位置情報検索用データベースを備え、
前記第2の取得部は、前記ユーザ入力に基づいて前記位置情報検索用データベースから位置情報を取得する、前記(2)から(4)のいずれか1項に記載の画像処理装置。
(6)
前記第2の取得部は、前記ユーザ入力に基づいて前記位置情報検索用データベースから位置情報を取得できなかった場合、新たな位置情報検索用データベース搭載時に前記新たな位置情報検索用データベースから位置情報を再取得する、前記(5)に記載の画像処理装置。
(7)
前記画像処理装置は、
外部の位置情報検索用データベースと通信する通信部を備え、
前記第2の取得部は、前記ユーザ入力に基づいて前記画像処理装置に内蔵される前記位置情報検索用データベースから位置情報を取得できなかった場合、前記外部の位置情報検索用データベースから位置情報を再取得する、前記(5)に記載の画像処理装置。
(8)
前記画像処理装置は、
位置情報検索用データベースと通信する通信部を備え、
前記第2の取得部は、前記ユーザ入力に基づいて前記位置情報検索用データベースから位置情報を取得する、前記(2)から(7)のいずれか1項に記載の画像処理装置。
(9)
前記画像処理装置は、
表示部と、
前記第2の取得部により複数の位置情報を取得した場合、任意の位置情報をユーザに選択させるための選択画面を前記表示部に表示させる制御を行う表示制御部と、
を備える、前記(2)から(8)のいずれか1項に記載の画像処理装置。
(10)
外部からの取得信号に基づいて第1の取得部が取得した位置情報、またはユーザ入力に基づいて第2の取得部が取得した位置情報を、撮像画像に付加するステップを含み、
前記付加するステップは、前記第1の取得部により前記位置情報を取得できなかった場合、前記第2の取得部により取得した位置情報を前記撮像画像に付加する、位置情報付加方法。
(11)
外部からの取得信号に基づいて第1の取得部が取得した位置情報、またはユーザ入力に基づいて第2の取得部が取得した位置情報を、撮像画像に付加する処理をコンピュータに実行させ、
前記付加する処理は、前記第1の取得部により前記位置情報を取得できなかった場合、前記第2の取得部により取得した位置情報を前記撮像画像に付加する、プログラム。
【符号の説明】
【0122】
10、11 撮像装置
12 光学系
14 撮像部
15 制御部
16 画像表示部
18 タッチパネル
19 位置情報取得部
20 操作部
21 シャッターボタン
22 モードスイッチ
23 録音ボタン
24 メニューボタン
25 操作レバー
26 記録部
28 音声入力部
30 記録メディア
32 データベース
34 通信部
42 電池アイコン
44、46 GPSアイコン
50A〜50C 人工衛星
60 サーバ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部からの取得信号に基づいて位置情報を取得する第1の取得部と、
ユーザ入力に基づいた位置情報を取得する第2の取得部と、
前記第1の取得部により取得した位置情報を撮像画像に付加する付加部と、
を備え、
前記付加部は、前記第1の取得部により前記位置情報を取得できなかった場合、前記第2の取得部により取得した位置情報を前記撮像画像に付加する、画像処理装置。
【請求項2】
前記第2の取得部は、ユーザにより入力された音声に基づいて前記位置情報を取得する、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記第2の取得部は、ユーザにより入力された文字情報に基づいて前記位置情報を取得する、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記第2の取得部による位置情報取得のためのユーザ入力のタイミングは、撮像部による撮像前、撮像中、および撮像後のいずれかである、請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記画像処理装置は、
位置情報検索用データベースを備え、
前記第2の取得部は、前記ユーザ入力に基づいて前記位置情報検索用データベースから位置情報を取得する、請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記第2の取得部は、前記ユーザ入力に基づいて前記位置情報検索用データベースから位置情報を取得できなかった場合、新たな位置情報検索用データベース搭載時に前記新たな位置情報検索用データベースから位置情報を再取得する、請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記画像処理装置は、
外部の位置情報検索用データベースと通信する通信部を備え、
前記第2の取得部は、前記ユーザ入力に基づいて前記画像処理装置に内蔵される前記位置情報検索用データベースから位置情報を取得できなかった場合、前記外部の位置情報検索用データベースから位置情報を再取得する、請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記画像処理装置は、
位置情報検索用データベースと通信する通信部を備え、
前記第2の取得部は、前記ユーザ入力に基づいて前記位置情報検索用データベースから位置情報を取得する、請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記画像処理装置は、
表示部と、
前記第2の取得部により複数の位置情報を取得した場合、任意の位置情報をユーザに選択させるための選択画面を前記表示部に表示させる制御を行う表示制御部と、
を備える、請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項10】
外部からの取得信号に基づいて第1の取得部が取得した位置情報、またはユーザ入力に基づいて第2の取得部が取得した位置情報を、撮像画像に付加するステップを含み、
前記付加するステップは、前記第1の取得部により前記位置情報を取得できなかった場合、前記第2の取得部により取得した位置情報を前記撮像画像に付加する、位置情報付加方法。
【請求項11】
外部からの取得信号に基づいて第1の取得部が取得した位置情報、またはユーザ入力に基づいて第2の取得部が取得した位置情報を、撮像画像に付加する処理をコンピュータに実行させ、
前記付加する処理は、前記第1の取得部により前記位置情報を取得できなかった場合、前記第2の取得部により取得した位置情報を前記撮像画像に付加する、プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−110569(P2013−110569A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−253840(P2011−253840)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】