説明

画像処理装置、制御方法及びプログラム

【課題】 複数の排紙手段を複数のユーザで共有する場合に、いずれかのユーザが排紙された他のユーザの用紙を取り出したことを他のユーザに通知することである。
【解決手段】 鍵付き排紙部に複数のユーザから用紙が排紙された状態で、鍵が解錠されて排紙された用紙を取り出し可能となった後、当該ユーザにより排紙された用紙が全て持ち出されて用紙無し状態となったことを検知する(S601)。そして、当該ユーザにより排紙された用紙が全て持ち出されて用紙無し状態となったことを検知した後、ユーザ認証状態が未認証のユーザ情報が残っているかどうかを判断する(S601)。そして、用紙が全て持ち出されて用紙無し状態で、かつ、未認証のユーザ情報を保持していると判断した場合(S605)、当該未認証のユーザ情報に従い、認証された他のユーザにより未認証のユーザが取り出すべき用紙が取り出されたことを通知する(S606)ことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排紙部を備える画像処理装置に関するもので、特に画像処理装置の排紙部に鍵をかける機能を備えた画像処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷装置を含む画像処理装置には、機密性の高いデータを印刷する際に、ユーザが画像処理装置前に来るまで装置内の記憶装置にプリントデータを保持しておき、ユーザが画像処理装置に来て、認証操作を行った後、印刷を開始する機能がある。
しかし、このような機能だけでは、実際にユーザが画像処理装置の前に来て、認証を完了させなければ印刷を開始できなかった(例えば、特許文献1参照)。
そこで、複数の排紙部を有し、それらの排紙部に鍵をかけられる画像処理装置がある。
このような構成を備える画像処理装置では、ユーザは機密性あるいは秘匿性の高いデータを印刷する際に、鍵付き排紙部を排紙先として指定して印刷物を排紙させる。画像処理装置にはユーザを認証するための認証装置が備わっており、例えば、ユーザが認証装置にカードをかざしたり、パスワードを入力したりすることで、ユーザの認証が実行される。そして、認証に成功した場合に、認証されたユーザに対応する排紙部の鍵を開け、印刷物をユーザに提供する。
【0003】
これによって、排紙された印刷物が他人に見られることを防ぐことができるだけでなく、機器の前で印刷完了を待つ必要がなくなる。
このような画像処理装置の場合、鍵付き排紙部の数には限りがあるため、ユーザ一人一人に対して一つの鍵付き排紙部を占有で割り当てることは困難である場合が多い。そのため、例えば部署毎などの単位で、複数のユーザが一つの鍵付き排紙部を共有して使用することがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−3081号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一つの鍵付き排紙部に複数のユーザの印刷物が混在した状態の場合、先に取りに来たユーザが印刷物の混在に気付かず全ての印刷物を持ち去ってしまう可能性が考えられる。その場合、後になって別のユーザが自分の印刷物を取りにやってきても、既に印刷物は存在せず、どこに行ってしまったのかも分からないという事態が発生する。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、複数の排紙手段を複数のユーザで共有する場合に、いずれかのユーザが排紙された他のユーザの用紙を取り出したことを他のユーザに通知できる仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成する本発明の画像処理装置は以下に示す構成を備える。
複数のユーザから入力される印刷ジョブに基づいて印刷された用紙を鍵付き排紙手段に排紙可能な画像処理装置であって、ユーザを認証する認証手段と、前記認証手段による認証結果に従い、前記鍵付き排紙手段の鍵を解錠する鍵制御手段と、前記鍵付き排紙トレイに用紙を排紙した複数のユーザの各々が前記認証手段によって認証されたか否かを示す状態情報を保持する保持手段と、前記保持手段に保持された状態情報に基づいて、前記認証手段による認証がされていないユーザがいるか否かを判断する判断手段と、前記鍵付き排紙手段に排紙された用紙の有無を検知する検知手段と、前記鍵制御手段によって、施錠された鍵付き排紙手段の鍵を解錠した後、前記検知手段が前記鍵付き排紙手段に用紙が無いことを検知し、かつ前記判断手段が前記認証手段による認証がされていないユーザがいることを判断した場合、用紙の取り出しに誤りが発生したことを通知する通知手段とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、一つの排紙部を複数ユーザで共有している環境においても、印刷物の別のユーザによる持ち去りを検出し、関連するユーザに他のユーザによる持ち去りの発生を気付かせることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施形態を示す画像処理装置を含む画像処理システムの一例を説明するブロック図である。
【図2】図1に示した複合機100の内部構成を示す断面図である。
【図3】図1に示したコントローラ130の構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示した複合機100が管理する排紙先管理ファイル400の一例を示す図である。
【図5A】図1に示した複合機100が管理する排紙部情報管理ファイル500の一例を示す図である。
【図5B】図1に示した複合機100が管理する排紙部情報管理ファイル500の一例でユーザAが認証済であることを示す図である。
【図5C】図1に示した複合機100が管理する排紙部情報管理ファイル500の一例排紙部ID1の残印刷物がないことを示す図である。
【図6】本実施形態を示す画像処理装置におけるデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】図3に示した操作部170に表示されるユーザインタフェースの一例を示す図である。
【図8】図1に示した複合機100が管理する排紙部履歴情報管理ファイル1000の一例を示す図である。
【図9】本実施形態を示す画像処理装置におけるデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図10】図1に示した複合機100が管理する排紙部履歴情報管理ファイル1200の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
<システム構成の説明>
〔第1実施形態〕
図1は、本実施形態を示す画像処理装置を含む画像処理システムの一例を説明するブロック図である。本例は、画像処理装置としてデジタル複合機を用いて、ネットワークに接続される複数の情報処理装置(以下PCと呼ぶ)が接続された画像処理システムの例である。
【0010】
図1において、100はデジタル複合機(MFP(Multi Function Peripheral)を示し、LAN(Local Area Network)20を介してPC10、11、12が接続されている。PC10、11、12はそれぞれユーザA、B、Cが使用しているものである。本例では、3台のPCを記載しているが、3台に限定されるものではない。同様に、デジタル複合機も図面上では1台記載しているが、1台に限定されるものではない。また、100は本実施例ではデジタル複合機で説明を行っているが、デジタル複合機に限定されるものではなく、プリンタでも構わない。
【0011】
PC10、11、12にインストールされているプリンタドライバからLAN20を介してデジタル複合機(以下、複合機と略記する)100に対してデータの送受信を行う。それによってPCで作成されたデータの印刷を行うことや、複合機100の状態を確認することができる。なお、PC10、11、12は、CPU、ROM、RAMを含むハードウエア資源を備え、外部記憶装置、入力装置、表示装置等を備え、ネットワークコントローラがLAN20に接続可能に構成されている。また、PC10、11、12は、外部記憶装置に記憶されるオペレーティングシステムをRAMにロードした上で、アプリケーションを実行してデータ処理を行う。プリンタドライバは、アプリケーションからの印刷要求に応じて、印刷設定画面を表示装置に表示して印刷要求を受け付ける。なお、プリンタドライバは生成する印刷ジョブに対して、複合機100が備える複数の鍵付き排紙部のいずれかを指定することが可能に構成されている。また、複合機100は、各鍵付き排紙部を例えば同じ部署に所属する複数のユーザで共有するため、各各鍵付き排紙部を利用可能なユーザをあらかじめ登録可能に構成されている。さらに、複合機100は、入力される印刷ジョブに基づいて印刷された用紙を複数の鍵付き排紙部のいずれかに排紙可能に構成されている。
【0012】
複合機100は、複合機本体110と排紙部150から構成されている。複合機本体110は、原稿画像の読み取りを行うリーダ120、装置全体の制御を行うコントローラ130、用紙に印刷を行うプリンタ140で大きく構成される。また、さらに、ユーザの認証を行うID認証部160、複合機100の操作を指定する操作部170で構成されている。
ID認証部160はユーザ認証を行うもので、ICカード等のデバイスに蓄積された情報を読み取ることができる。読み取られたデータは、HD139に蓄積されたユーザ情報、実行中のジョブのユーザ情報と比較され、結果に応じて複合機100の使用権限の付与、各種の設定、実行ジョブに応じた処理等が行われる。認証は、不図示のカメラによる顔認証や、その他の生体認証で行うことも可能である。なお、ID認証部160は、ICカード以外に、携帯電話やPDAなどの携帯記憶装置から情報を読み取ることができるようにしてもよい。
【0013】
操作部170は、複合機100の各種設定を行うユニットである。I/Oコントローラ137と操作部170間は、通信データと表示データがやり取りされている。通信データは操作部170で入力されたキーなどを検知するために使用され、表示データは操作部170のディスプレイに表示するために使用される。
また、排紙部150は、排紙制御部151を備え、排紙部150全体を制御し、コントローラ130、プリンタ140と通信を行い、印刷された用紙の制御を行う。
排紙トレイ156は、排紙された用紙の保管を行い、排紙部の扉に施錠することが可能な鍵付き排紙トレイ158と、扉と鍵のない排紙トレイ(以下、エスケープトレイと呼ぶ)157がある。
排紙先制御部152は、印刷用紙の排紙先の選択に応じて排紙制御を行う。また、鍵制御部153は、ID認証部160による認証結果に基づいて、鍵付き排紙トレイ158の施錠・解錠の制御を行う。扉開閉検知・制御部154は、鍵付き排紙トレイ158の扉の開閉を検知し、また扉の開閉を制御することができる。
用紙検知部155は、排紙部上の用紙の有無を検知すると共に、印刷された用紙が最大積載枚数を越えていないかをチェックする。排紙トレイ156は、鍵制御部153、扉開閉検知・制御部154、用紙検知部155によって、状態監視、制御される。159は排紙トレイ管理部である。
排紙先制御部152は、PC10、11、12から受信した印刷データの属性情報を判別して、機密情報を含むセキュリティレベルの高い印刷要求であった場合には、鍵付き排紙トレイ158に出力するように制御を行う。
【0014】
図2は、図1に示した複合機100の内部構成を示す断面図である。なお、本実施形態における複合機100は、図2に示すように原稿画像を読み取るリーダ120及びプリンタ140、排紙部150から構成される。
リーダ120には、原稿を自動給送する原稿給送装置121が搭載されている。原稿給送装置121は、原稿トレイ上に上向きにセットされた原稿Pを先頭頁から順に1枚ずつ左方向へ給紙し、湾曲したパスを介してプラテンガラス122上を左から流し読み取り位置を経て右へ搬送される。その後、原稿Pは、外部の排紙トレイ123に向けて排出する。この原稿Pがプラテンガラス122上の流し読み取り位置を左から右へ向けて通過するときに、この原稿画像は流し読み取り位置に対応する位置に保持されたスキャナユニット124により読み取られる。
【0015】
原稿が流し読み取り位置を通過する際に、原稿の読み取り面がスキャナユニット124のランプの光で照射され、その原稿からの反射光がミラーを介してレンズ125に導かれる。このレンズ125を通過した光は、イメージセンサ126の撮像面に結像する。
このように流し読み取り位置を左から右へ通過するように原稿を搬送することによって、原稿読み取り走査が行われる。イメージセンサ126で原稿画像全体の読み取りが行われ、光学的に読み取られた画像はイメージセンサ126によって画像データに変換されて出力される。
【0016】
イメージセンサ126から出力された画像データは、コントローラ130において所定の処理が施された後にプリンタ140の露光制御部141にビデオ信号として入力される。ここで、所定の処理とは、シェーディング補正等が含まれる。
なお、原稿給送装置121により原稿をプラテンガラス122上に搬送して所定位置に停止させ、この状態でスキャナユニット124を左から右へ走査させることにより原稿を読み取ることも可能である。
プリンタ140の露光制御部141は、入力されたビデオ信号に基づきレーザ光を変調して出力し、該レーザ光はポリゴンミラーなどにより走査されながら感光ドラム142上に照射される。感光ドラム142には走査されたレーザ光に応じた静電潜像が形成される。
【0017】
この感光ドラム142の静電潜像は、現像器から供給される現像剤によって現像剤像として可視像化される。また、レーザ光の照射開始と同期したタイミングで、各カセット143、144、手差給紙部または両面搬送パス145から用紙が給紙され、この用紙は感光ドラム142に搬送される。感光ドラム142に形成された現像剤像は用紙上に転写される。
【0018】
現像剤像が転写された用紙は定着部146に搬送され、定着部146は用紙を熱圧することによって現像剤像を用紙上に定着させる。定着部146を通過した用紙はプリンタ140から排紙部150に向けて排出される。
ここで、用紙をその画像形成面が下向きになる状態(フェイスダウン)で排出するときには、定着部146を通過した用紙をフラッパの切換動作により一旦反転パス147内に導く。その用紙の後端がフラッパを通過した後に、用紙をスイッチバックさせて排出ローラによりプリンタ140から排出する。
以下、この排紙形態を反転排紙と呼ぶ。この反転排紙は、原稿給送装置121を使用して読み取った画像を形成するときまたはコンピュータから出力された画像を形成するときなどのように先頭頁から順に画像形成するときに行われ、その排紙後の用紙順序は正しい頁順になる。
【0019】
さらに、用紙の両面に画像形成を行う両面記録が設定されている場合には、フラッパの切換動作により用紙を反転パス147に導いた後に両面搬送パス145へ搬送する。両面搬送パス145へ導かれた用紙を上述したタイミングで感光ドラム142に再度給紙する制御が行われる。プリンタ140から排出された用紙は排紙部150に送られる。
この排紙部150では、排紙先(トレイ)への排紙処理を行う。排紙部はトレイ157及び排紙部158−1から排紙部158−5まで計6個のトレイに分かれており、トレイ157は鍵のかかっていないエスケープトレイとなっている。一方、排紙部158−1から排紙部158−5はそれぞれ扉がつき、施錠可能なトレイである。なお、本実施形態では、各トレイ158−1から158−5は、それぞれのトレイを複数のユーザで用いることが可能に構成されている。
【0020】
プリンタ140から排紙部150に送られた用紙は、排紙先制御部152において、6つある排紙先(トレイ)の中から決められた排紙先に合わせてフラッパが切り替えられ、搬送パスの経路が選択されて、排紙部に送られる。
トレイ157、排紙部158−1〜158−5に送られた用紙は、先に送られた用紙が下になるように順次重ねられる。
排紙部158−1から158−5に排紙された用紙を取り出す場合には、ID認証部160により認証を行ってから、鍵付き排紙トレイ158の鍵153を解錠して、扉を開く必要がある。
鍵付きの排紙部158−1から158−5には、それぞれ排紙された用紙の残量を検知するセンサ155が配置されている。さらに、扉開閉検知・制御部154は扉の開閉制御とともに、扉の開閉を検知することができる。
【0021】
排紙トレイ管理部159は、各ユーザがどの鍵付き排紙部158に機密文書を出力し、使用しているかを管理する。排紙トレイ管理部159は、ユーザが鍵付き排紙部158に機密書類を送信した際に、後述する図4に示す排紙先管理ファイル400の内容を参照して、鍵付き排紙部158−1から158−5のいずれのトレイに排出するかを決定する。なお、以下の説明において鍵付き排紙部158−1から158−5を総称する場合には、鍵付き排紙部158と記す。
なお、本実施形態では予めユーザ毎に鍵付き排紙部158が決められている例を示しているが、排紙トレイ管理部159が動的に鍵付き排紙部158を割り当てたり、ユーザが明示的に使用する鍵付き排紙部158を指定したりしても良い。
【0022】
図3は、図1に示したコントローラ130の構成を示すブロック図である。図1と同じ符号は、説明を省略する。
図3において、CPU131は複合機100全体を制御し、CPUコア、画像処理ブロックを内蔵するコントローラICである。RAM133は、CPU131が動作するためのシステムワークメモリであり、画像データを一時記憶するための画像メモリでもある。ROM132はブートROMであり、システムの起動を行うためのブートプログラムが格納されている。また、CPU131は通信データ、画像データ等の送受信を高速に行うことのできるシステムバスを介して、ネットワークコントローラ135、I/Oコントローラ137、通信I/F136に接続されている。
【0023】
ネットワークコントローラ135はLAN20と接続され、データ送受信を行うコントローラである。LAN20に接続されたPC、外部装置との通信、画像データやデバイス情報等の入出力を柔軟に行うことができる。
I/Oコントローラ137は、各種のI/Oデバイスを制御するものである。CPU131は、I/Oコントローラ137を介してHD139、ID認証部160、操作部170を制御することができる。
139はハードディスクドライブ(HD)で、システムソフトウェア、画像データ、システム管理データ、ボックス管理データなどを格納している。SRAM138は、電池でバックアップされたメモリであり、コントローラ130の各種設定データを保持することができる。
【0024】
画像処理部134は画像の縮小、拡大、輝度-濃度変換など各種の画像処理を行う。リーダ120からの入力画像データに対する画像処理部分とプリンタ140への出力画像データに対する画像処理部分から構成されている。
リーダ120により読み込まれた画像データは画像処理部134を介してCPU131に入力され、RAM133に一時的に格納される。CPU131の内部には画像の圧縮、伸張、回転処理を行うブロックを備え、RAM133に格納された画像データにアクセスして各の処理を行うことができる。
【0025】
圧縮処理された画像データは、I/Oコントローラ137を介してHD139に転送されて格納される。また、HD139に格納された画像データはCPU131により読み出され、伸張処理された後、プリンタ140で用紙に画像形成することができる。
また、ネットワークコントローラ135を介してLAN20に接続された外部装置に送信することが可能である。リーダ120が読み取った画像データは画像処理部134を介して画像処理され、プリンタ140に出力される。その際の通信処理は通信I/F136を介して行っている。また、通信I/F136は、排紙制御部コントローラ151とも通信を行い、排紙部の制御を指示する。
【0026】
PC10〜12等によるLAN20を介した印刷データは、ネットワークコントローラ135、CPU131を介してRAM133の受信バッファに入力される。CPU131内のラスターイメージプロセッサブロック(RIP)は、受信したPDL(Page Description Language)コードからなる印刷データをRAM133上でビットマップイメージに展開する。RAM133上に展開された画像データは、プリンタ140に転送され、用紙に画像が形成される。
【0027】
また、ネットワークコントローラ135を介して受信したデータは、印刷するだけでなく、HD139に格納することや、外部装置に送信することもできる。また、プリンタ140には、異なる用紙サイズまたは用紙向きを選択できるように複数の給紙段を持ち、それに対応した用紙カセットを備えている。
プリンタ140にて画像形成された用紙は排紙部150へ送られ、鍵付き排紙トレイ158、あるいはエスケープトレイ157上に排出される構成となっている。
【0028】
図4は、図1に示した複合機100が管理する排紙先管理ファイル400の一例を示す図である。
図4において、排紙先管理ファイル400は、あるユーザが鍵付き排紙トレイ158に機密書類を送信した際に、鍵付き排紙トレイ158−1から158−5のいずれのトレイに排出させるかという情報を格納したファイルである。排紙先管理ファイル400の内容は予め管理者等によって設定されており、複合機100のSRAM138またはHD139に記憶されている。
カラム401は、排紙部IDを示し、排紙部ID1〜5は鍵付き排紙トレイ158−1〜158−5にそれぞれ対応付けられている。
カラム402は、ユーザ名を示し、排紙部ID1〜5のそれぞれに関し、当該排紙トレイを使用するユーザ名が設定される。本実施形態では、排紙部ID1に対応する鍵付き排紙トレイ158−1を使用するユーザとしては、例えばユーザA、B、Cなどが設定されている。
【0029】
図5Aは、図1に示した複合機100が管理する排紙部情報管理ファイル500の一例を示す図である。
図5Aにおいて、カラム501は排紙部IDを示し、排紙部ID1〜5は鍵付き排紙トレイ158−1〜158−5にそれぞれ対応付けられている。
カラム502は、残用紙を示しており、鍵付き排紙トレイ158−1〜158−5のそれぞれに関して、残用紙の有無情報を表わしている。
カラム503は、ユーザ名を示しており、鍵付き排紙トレイ158−1〜158−5のそれぞれに関して、当該鍵付き排紙トレイ上に印刷物が排紙されているユーザを表わしている。
カラム504は、ユーザの認証情報を示しており、カラム503に設定されたユーザの認証情報を表わしている。当該ユーザが複合機100のID認証部160で認証を実施していない場合は“未認証”が設定される。一方、当該ユーザが複合機100のID認証部160で認証を実施した場合は“認証済”が設定される。ここで、カラム504に“認証済”が設定されている場合は、ユーザが自身の印刷物の取り出し操作を行ったことを示す。また、同様にカラム504に“未認証”が設定されている場合は、ユーザが自身の印刷物の取り出し操作を行っていないことを示す。このように、排紙部情報管理ファイル500は、各排紙部の状態情報を管理する。
【0030】
なお、図5Aでは具体例として、鍵付き排紙トレイ158−1にユーザA、B、Cの印刷物が混在している状況での、排紙部情報管理ファイル500の内容を示している。従って、カラム501の排紙部IDが“1”である排紙部に関して、カラム502の残用紙には印刷物が存在していることを示す“有”が設定されている。そして、カラム503には“ユーザA、B、C”が設定されている。ここでは更に、ユーザA、B、Cのいずれもまだ複合機100のID認証部160で認証を実施しておらず、自身の印刷物の取り出しを行っていないものとする。そのため、カラム504にはいずれのユーザに関しても“未認証”が設定されている状態に対応する。
【0031】
図6は、本実施形態を示す画像処理装置におけるデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。本例は、図1に示した複合機100において、印刷物の別のユーザによる持ち去りが発生した際の処理例である。なお、S601〜S606は各ステップを示す。また、各ステップに対応する制御手順は複合機100のROM132またはSRAM138またはHD139に記憶されており、CPU131により実行される。以下、複合機100における印刷物の別のユーザによる持ち去り検知・通知処理の流れを説明する。
【0032】
なお、ここでは具体例として、図5Aで述べた排紙状況、すなわち、鍵付き排紙トレイ158−1にユーザA、B、Cの印刷物が混在している状況下において、ユーザAが誤ってユーザB、Cの印刷物も持ち去ってしまうケースについて説明する。
まず、複合機100のCPU131は、S601で、鍵付き排紙トレイ158−1に関して、ユーザA、B、Cのいずれかによる認証と印刷物の取り出しが発生するのを待つ。例えば、CPU131は、ユーザのID認証部160によってユーザの認証を行った後、当該ユーザの印刷物が排紙された鍵付き排紙トレイ158−1を解錠する。それによって、コントローラ130は、ユーザによる用紙の取り出しが発生したと判定する。または、ユーザの認証に加えて、用紙検知部155によって、鍵付き排紙トレイ158−1に排紙された用紙の量が変化したことを検知した場合に、ユーザによる用紙の取り出しが発生したと判定してもよい。ここでは、ユーザAがID認証部160で認証を行い、鍵付き排紙トレイ158の鍵153を解錠して扉を開き、鍵付き排紙トレイ158−1から印刷物を取り出したものとする。そして、その際、ユーザAは鍵付き排紙トレイ158−1にユーザB、Cの印刷物も混在していることに気付かず、全ての印刷物を持ち去ってしまったものとする。
【0033】
そして、S602で、ユーザAにより扉が閉められ、印刷物の取り出しが完了すると、複合機100は用紙検知部155において鍵付き排紙トレイ158−1上の印刷物の有無を検知する。ここで、まだ残印刷物があるとCPU131が判断した場合は、再びS601に戻り、更に別のユーザによる認証と印刷物の取り出しが発生するのを待つ。
しかしながら本例では、ユーザAが鍵付き排紙トレイ158−1上の全ての印刷物を持ち去ってしまったため、印刷物無しが検出されることとなる。
S602において、用紙無しが検出されたとCPU131が判断した場合、S603へ進む。そして、S603で、CPU131は、まだ印刷物の取り出しを行っていない未認証のユーザが存在するかどうかを更に判定する。
そして、未認証のユーザが存在していないとCPU131が判断した場合は、印刷物の別のユーザによる持ち去りは発生していないものと判断し、直ちに本フローチャートを終了する。
【0034】
一方、本例では、排紙部情報管理ファイル500の内容より、ユーザB、Cがまだ認証を行っていないことが分かる。現時点では、ユーザB、Cが鍵付き排紙トレイ158−1上に排紙を行った後、まだ取りに来ていないにも関わらず、排紙トレイ158−1上には残印刷物が存在していない。このことから、CPU131は、印刷物の別のユーザによる持ち去りが発生したものと判断出来る。
従って、複合機100は、S604で、認証済みユーザおよび未認証ユーザのそれぞれに対して電子メールを送信し、印刷物の別のユーザによる持ち去りが発生したことを通知する。
【0035】
この際、別のユーザによる持ち去りを行ったと考えられる認証済みユーザ(本例ではユーザA)に対しては、他のユーザ(本例ではユーザB、C)の印刷物を誤って持ち去った可能性がある旨を示す電子メールが送信される。なお、各ユーザに電子メールを送信するためのメールアドレスは、予めHD139に記憶しておけばよい。
一方、自身の印刷物を持ち去られた側の未認証ユーザ(本例ではユーザB、C)に対しては、他のユーザ(本例ではユーザA)が誤って持ち去った可能性がある旨を示す電子メールが送信される。これにより、相互に印刷物の取り違えが発生していることが、当該鍵付き排紙トレイ158−1に設定され、かつ、取り出し前のユーザ全員にその旨が通知されることとなる。しかしながら、このユーザA〜Cは、鍵付き排紙トレイ158−1を共有するユーザ同士である。このため、その後のユーザ間で連絡を取り、例えばユーザA、ユーザB、Cについてもそれぞれのユーザが必要としていた印刷物を手渡しによって渡すことが可能となる。
【0036】
なお、ここで更に、ユーザBは上記通知に気付かないまま、複合機100の前までやってきて、ID認証部160で認証を実施したものとする。
次に、S605で、複合機100のCPU131が、未認証ユーザによる認証が発生したことを検知すると、S606に処理を進める。S606で、CPU131は、操作部170上に「他のユーザの印刷物も取り出した可能性がある」旨を示すメッセージを表示した後、本フローチャートを終了する。または、鍵付き排紙トレイを操作したユーザは既にその場所を立ち去っている可能性もあるため、「印刷物が他のユーザによって持ち去さられた可能性がある」旨を示すメッセージを表示した後、本フローチャートを終了するようにしてもよい。いずれにの場合でも、S606では、印刷物の取り出しに誤りがあった可能性を示唆するメッセージを表示することが好ましい。なお、ユーザAの取り出し時刻と、ユーザBが認証した時刻、及びそれらの差分を算出して、その経過時間を合わせて操作部170に表示してもよい。
一方、S605において、未認証ユーザによる認証が発生しなかったとCPU131が判断した場合には、直ちに本処理フローを終了する。
【0037】
図5B、図5Cは、図1に示した複合機100が管理する排紙部情報管理ファイル500の一例を示す図である。本例は、図6に示したS601において、ユーザAがログインを行った直後の排紙部情報管理ファイル500の内容を示す。
図5Aで示した排紙部情報管理ファイル500の内容との差異として、図5Bでは、S601のステップにおいてユーザAの認証が実施済みであるため、ユーザAに対応したカラム504の設定欄が“認証済”に変更されている。その他の内容に関しては、図5Aの時点から変更は無い。
同様に、図5Cは、S602において鍵付き排紙トレイ158−1の残印刷物無しが検知された直後の排紙部情報管理ファイル500の内容を示す。図5Cでは、図5Bから更に、カラム502に示す残印刷物情報の設定欄が“無”に変更されている。このように、本実施形態に示す画像処理装置では、各鍵付き排紙トレイ毎にユーザ認証状態と、ユーザ名と、用紙の有無とを対応付けて排紙部毎に保持している。
【0038】
複合機100のCPU131は、S603において、図5Cに示す排紙部情報管理ファイル500の内容を参照する。それにより、鍵付き排紙トレイ158−1において印刷物の別のユーザによる持ち去りが発生した可能性を検知することが可能となる。ここでは、具体的に、CPU131は、認証済のユーザAが、未認証のユーザB、ユーザCの印刷物を持ち去った可能性があることを検知することができる。
【0039】
図7は、図3に示した操作部170に表示されるユーザインタフェースの一例を示す図である。本例は、S606において複合機100の操作部170上に表示されるメッセージの一例に対応する。
図7において、操作画面900は、ユーザBが認証を行った際に複合機100の操作部170上に表示される基本操作画面である。メッセージ画面901は、印刷物を別のユーザに持ち去られてしまったユーザ(ユーザBまたはC)が認証を行った際にのみ、操作画面900の前面に表示されるメッセージ画面である。
メッセージ画面901には、ユーザBの印刷物が既に他のユーザにより持ち去られたことを示すメッセージと、持ち去りを行った可能性のあるユーザとして、その時点での認証済みユーザの名前、ユーザAがCPU131の制御で表示される。
また、ボタン902はメッセージ画面901の表示を終了させるためのボタンである。ユーザがボタン902を押下すると、メッセージ画面901の表示は終了し、操作部170上には操作画面900のみが表示されることとなる。
【0040】
以上、本実施形態によれば、一つの排紙部を複数ユーザで共有している環境において、印刷物の別のユーザによる持ち去りが発生した場合に、関連するユーザに通知を行う。それによって、持ち去った側にも持ち去られた側にも他のユーザによる持ち去りの発生を気付かせることが可能となる。
また、それにより、自分の印刷物の行方が分からなくなってしまうという事態を防ぐことも可能となる。
更には、通知が届くのは実際に別のユーザによる持ち去りが発生した場合に限られるため、不要な通知がユーザのもとに頻繁に届いてしまう事態を防ぐことも可能である。
【0041】
〔第2実施形態〕
上記第1実施形態では、複合機100において、あるユーザが他のユーザの印刷物を全て誤って持ち去ってしまった場合に、関連するユーザに通知することで、別のユーザによる持ち去りの発生を気付かせる処理について説明した。
しかしながら、この場合、あるユーザが他のユーザの印刷物の全てではなく一部のみを誤って持ち去った場合には、上記通知は行われず、持ち去られたユーザは自分の印刷物の行方が分からなくなってしまう場合がある。
そのため、第1実施形態で述べた複合機100において、更に、鍵付き排紙トレイ185上に複数ユーザの印刷物の混在が発生した場合には当該排紙部情報を履歴として残し、後でユーザが確認可能とするように構成しても良い。
図8は、図1に示した複合機100が管理する排紙部履歴情報管理ファイル1000の一例を示す図である。
図8において、カラム1001は本管理ファイルにおいて各履歴情報を管理するために付与される番号を示す。
カラム1002は印刷物の混在が発生した排紙トレイの排紙部IDを示す。排紙部ID1〜5は鍵付き排紙トレイ158−1〜158−5にそれぞれ対応している。カラム1003は混在が発生したファイルの名前を示す。カラム1004は、カラム1003に示すファイルが排紙された時刻を示す。
カラム1005は、カラム1003に示すファイルのユーザ名を示す。カラム1006は、カラム1005に示すユーザが複合機100のID認証部160で認証を行った時刻を示す。
【0042】
図8に示す排紙部履歴情報管理ファイル1000では、例として複合機100において、No.1〜3の計3件の印刷物混在が発生したことが示されている。まずNo.1では、排紙部管理ID3に対応する鍵付き排紙トレイ158−3において、ユーザEのファイルfile_A.doc とユーザFのファイルfile_B.pdf の混在が発生したことを表している。
また、No.2では、排紙部管理ID1に対応する鍵付き排紙トレイ158−1において、ユーザAのファイルfile_C.xls とユーザBのファイルfile_D.txt の混在が発生したことを表している。
【0043】
同様に、No.3では、鍵付き排紙トレイ158−1において、今度はユーザAのファイルfile_E.pdf とユーザBのファイルfile_F.doc、更にはユーザCのファイルfile_G.doc の混在が発生したことを表している。
図9は、本実施形態を示す画像処理装置におけるデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。本例は、図1に示した複合機100において、排紙部履歴情報の登録の処理例である。なお、S1101〜S1103は各ステップを示す。また、各ステップに対応する制御手順は複合機100のSRAM138またはHD139に記憶されており、CPU131により実行される。
複合機100は任意のユーザより印刷データを受信した際に本フローチャートを開始し、まず、S1101で、上記印刷データが鍵付き排紙トレイ158に排紙するものであるかどうかをCPU131が判断する。ここで、鍵付き排紙トレイ158に排紙するものではないとCPU131が判断した場合は、直ちに本フローチャートを終了する。
【0044】
一方、S1101で、鍵付き排紙トレイ158に排紙するものであるとCPU131が判断した場合には、S1102へ進む。
そして、S1102で、当該ユーザに対応した鍵付き排紙トレイ158に既に他のユーザの印刷物が存在しているかどうかをCPU131が判断する。具体的に、CPU131は、ユーザのジョブを実行し、当該ジョブを実行することによって印刷される印刷物を排紙するごとに、どの鍵付き排紙トレイに、どのユーザの印刷物を排紙したかを示す情報を記憶しておく。そして、CPU131は、当該記憶された情報に基づいて、S1102の判断を行えばよい。ここで、存在していないとCPU131が判断した場合は、直ちに本フローチャートを終了する。
【0045】
一方、S1102で、他のユーザの印刷物が存在しているとCPU131が判断した場合には、S1103で、排紙部履歴情報管理ファイル1100に当該排紙履歴情報を登録する。そして、以上の処理を実行した後、本フローチャートを終了する。
【0046】
図10は、図1に示した複合機100が管理する排紙部履歴情報管理ファイル1200の一例を示す図である。本例は、ユーザがジョブ履歴の表示を要求した際に、複合機100の操作部170に対して、例えばユーザBに対するジョブ履歴画面1200を表示した状態に対応する。なお、ジョブ履歴画面1200は、複合機100のID認証部160でユーザBが認証を行った際に表示される、図7に示す操作画面900上から遷移することが可能である。なお、本例は、図1に示した排紙制御部コントローラ151が、排紙履歴管理処理を実行して、図10に示す排紙部履歴情報管理ファイル1000をコントローラ130内のSRAM138又はHD139に保持して管理する。
【0047】
図10において、カラム1201はユーザBの各ジョブ履歴情報を一意に管理するための番号を示す。カラム1202は、排紙実行された時刻を示す。カラム1203は、排紙されたファイル名を示す。カラム1204は、ファイルの排紙先である鍵付き排紙トレイ158を示す。カラム1205は、カラム1203に示すファイルが排紙されてからユーザBにより取り出されるまでの期間に、同じ鍵付き排紙トレイ158に印刷物の排紙を行ったユーザ名を示す。
【0048】
本実施形態においては、まずカラム1201でNo.1として示されるジョブ履歴に関しては、排紙してから取り出されるまでの期間に、他のユーザによる排紙は行われず、印刷物の混在が発生していなかった。
従って、図8に示す排紙部履歴情報管理ファイル1000には当該ジョブ情報は登録されていない。そのため、カラム1205に示す共有ユーザ欄には他のユーザ名は設定されていない。
一方、カラム1201でNo.2,3として示されるジョブ履歴については、排紙部履歴情報管理ファイル1000の内容より、それぞれユーザAおよびユーザA,Cとの印刷物の混在が発生していたことが分かる。そのため、カラム1205に示す共有ユーザ欄にはそれぞれ“ユーザA”、“ユーザA/ユーザC”と設定されている。
【0049】
例えば図10のカラム1201でNo.2として示されるジョブ(file_D.txt)に関して、ユーザBが複合機100のID認証部160で認証を行い、当該印刷物を取り出した際に、枚数が不足していたものとする。その場合、ユーザBは操作部170上でジョブ履歴1200を参照することで、file_D.txtが排紙された際に、同じ鍵付き排紙部にはユーザAの印刷物も混在していたことが分かる。従って、おそらくユーザAが自身の印刷物と一緒にfile_D.txtの一部も誤って持ち去ってしまったものと判断することが可能となる。
【0050】
本実施形態によれば、鍵付き排紙トレイに複数ユーザの印刷物の混在が発生した場合に、当該排紙部情報を履歴として残すことで、後からユーザが誰の印刷物と混在していたのかを確認可能とする。そのため、あるユーザが他のユーザの印刷物の全てではなく一部のみを誤って持ち去ってしまった場合にも、持ち去られたユーザは自分の印刷物の一部が足りないことに気付いた時点で、誰が持ち去った可能性があるかを履歴によって知ることが出来る。
【0051】
本実施形態におけるフローチャートに示す機能は、ネットワーク又は各種記憶媒体を介して取得したソフトウエア(プログラム)をコンピュータ等の処理装置(CPU、プロセッサ)にて実行することでも実現できる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
本発明の様々な例と実施形態を示して説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されるのではない。
【符号の説明】
【0052】
10〜12 PC
100 複合機
130 コントローラ
160 ID認証部
170 操作部
152 排紙先制御部
153 鍵制御部
156 排紙トレイ
157 エスケープトレイ
158 鍵付き排紙トレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザから入力される印刷ジョブに基づいて印刷された用紙を鍵付き排紙手段に排紙可能な画像処理装置であって、
ユーザを認証する認証手段と、
前記認証手段による認証結果に従い、前記鍵付き排紙手段の鍵を解錠する鍵制御手段と、
前記鍵付き排紙トレイに用紙を排紙した複数のユーザの各々が前記認証手段によって認証されたか否かを示す状態情報を保持する保持手段と、
前記保持手段に保持された状態情報に基づいて、前記認証手段による認証がされていないユーザがいるか否かを判断する判断手段と、
前記鍵付き排紙手段に排紙された用紙の有無を検知する検知手段と、
前記鍵制御手段によって、施錠された鍵付き排紙手段の鍵を解錠した後、前記検知手段が前記鍵付き排紙手段に用紙が無いことを検知し、かつ前記判断手段が前記認証手段による認証がされていないユーザがいることを判断した場合、用紙の取り出しに誤りが発生したことを通知する通知手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記通知手段は、前記認証手段が未認証のユーザを認証した場合、認証された他のユーザにより未認証のユーザが取り出すべき用紙が取り出されたことを通知することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
複数のユーザから入力される印刷ジョブに基づいて印刷された用紙が排紙手段に排紙されたことを前記検知手段が検知した場合、排紙された用紙の履歴を鍵付き排紙手段ごとに管理する排紙履歴管理手段と、
前記認証手段が未認証のユーザを認証した場合、前記排紙履歴管理手段が管理する排紙履歴を表示する表示手段とを備えることを特徴とする請求項1又は2記載の画像処理装置。
【請求項4】
複数の鍵付き排紙手段をさらに備え、
前記鍵制御手段は、前記複数の鍵付き排紙手段のうち、前記認証手段によって認証されたユーザに対応する鍵付き排紙手段の鍵を解錠し、
前記保持手段は、前記複数の鍵付き排紙手段に含まれる鍵付き排紙手段ごとに用紙を排紙した複数のユーザの各々が前記認証手段によって認証されたか否かを示す状態情報を保持し、
前記判断手段は、前記保持手段に保持された状態情報に基づいて、前記複数の鍵付き排紙手段に含まれる鍵付き排紙手段ごとに、前記認証手段による認証がされていないユーザがいるか否かを判断し、
前記検知手段は、前記複数の鍵付き排紙手段に含まれる各鍵付き排紙手段に排紙された用紙の有無を検知し、
前記通知手段は、前記鍵制御手段によって、前記施錠された鍵付き排紙手段の鍵を解錠した後、前記検知手段が当該解錠された鍵付き排紙手段に用紙が無いことを検知し、かつ前記判断手段が当該解錠された鍵付き排紙手段に対して前記認証手段による認証がされていないユーザがいることを判断した場合、用紙の取り出しに誤りが発生したことを通知する通知手段と、
を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
複数のユーザから入力される印刷ジョブに基づいて印刷された用紙を鍵付き排紙手段に排紙可能な画像処理装置における制御方法であって、
ユーザを認証する認証ステップと、
前記認証ステップによる認証結果に従い、前記鍵付き排紙手段の鍵を解錠する鍵制御ステップと、
前記鍵付き排紙トレイに用紙を排紙した複数のユーザの各々が前記認証ステップによって認証されたか否かを示す状態情報を保持手段に保持する保持ステップと、
前記保持手段に保持された状態情報に基づいて、前記認証ステップによる認証がされていないユーザがいるか否かを判断する判断ステップと、
前記鍵付き排紙手段に排紙された用紙の有無を検知する検知ステップと、
前記鍵制御ステップによって、施錠された鍵付き排紙手段の鍵を解錠した後、前記検知ステップが前記鍵付き排紙手段に用紙が無いことを検知し、かつ前記判断ステップが前記認証ステップによる認証がされていないユーザがいることを判断した場合、用紙の取り出しに誤りが発生したことを通知する通知ステップと、
を備えることを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項6】
前記通知ステップは、前記認証ステップが未認証のユーザを認証した場合、認証された他のユーザにより未認証のユーザが取り出すべき用紙が取り出されたことを通知することを特徴とする請求項5記載の画像処理装置の制御方法。
【請求項7】
複数のユーザから入力される印刷ジョブに基づいて印刷された用紙が排紙手段に排紙されたことを前記検知ステップが検知した場合、排紙された用紙の履歴を鍵付き排紙手段ごとに管理する排紙履歴管理ステップと、
前記認証ステップが未認証のユーザを認証した場合、前記排紙履歴管理ステップが管理する排紙履歴を表示する表示ステップとを備えることを特徴とする請求項5又は6記載の画像処理装置の制御方法。
【請求項8】
前記鍵制御ステップは、複数の鍵付き排紙手段のうち、前記認証ステップによって認証されたユーザに対応する鍵付き排紙手段の鍵を解錠し、
前記保持ステップは、前記複数の鍵付き排紙手段に含まれる鍵付き排紙手段ごとに用紙を排紙した複数のユーザの各々が前記認証ステップによって認証されたか否かを示す状態情報を保持し、
前記判断ステップは、前記保持手段に保持された状態情報に基づいて、前記複数の鍵付き排紙手段に含まれる鍵付き排紙手段ごとに、前記認証ステップによる認証がされていないユーザがいるか否かを判断し、
前記検知ステップは、前記複数の鍵付き排紙手段に含まれる各鍵付き排紙手段に排紙された用紙の有無を検知し、
前記通知ステップは、前記鍵制御ステップによって、前記施錠された鍵付き排紙手段の鍵を解錠した後、前記検知ステップが当該解錠された鍵付き排紙手段に用紙が無いことを検知し、かつ前記判断ステップが当該解錠された鍵付き排紙手段に対して前記認証ステップによる認証がされていないユーザがいることを判断した場合、用紙の取り出しに誤りが発生したことを通知する通知ステップと、
を備えることを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の画像処理装置の制御方法。
【請求項9】
請求項5乃至8のいずれか1項に記載の画像処理装置の制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−194734(P2010−194734A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−39174(P2009−39174)
【出願日】平成21年2月23日(2009.2.23)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】