説明

画像処理装置、及び画像処理システム

【課題】本発明は携帯端末に常に最新の認証情報を取得させることにより、認証情報の有効期限を短くすることができるため、ユーザがプリンタの近傍にいることを保証することを目的とする。
【解決手段】本発明の画像処理装置は、ネットワークに接続され、画像処理装置の識別情報と、該識別情報の有効性又は無効性に関する情報と、を含む認証情報を作成する認証情報作成部103と、認証情報を表示するオペレーションパネル105と、認証情報作成部103に認証情報の再作成を指示する認証情報再作成指示部104と、ネットワークからの接続を受けたときに、認証情報に含まれる認証情報の有効性又は無効性に関する情報に基づき、携帯端末200からの接続の受け入れを判断し、応答情報を作成し接続先に送信する接続応答部107と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、及び当該画像処理装置に保存された認証印刷データを携帯端末で操作する画像処理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、画像処理装置に保存された認証印刷データを携帯端末で操作する画像処理システムについて種々の技術が提案されている。例えば、特許文献1では、以下の内容が開示されている。即ち、同技術では、ユーザがプリンタに備えられたボタン等を押すと、プリンタは認証用情報を作成し、操作パネルに表示する。認証用情報には、認証サーバのアドレスと、使用許可情報(例えば、時刻情報)を含む。ユーザは、認証情報を携帯端末のカメラで撮影し、認証サーバのアドレスを取得し、認証サーバに対してデータを送信する。認証サーバは、データを送信した携帯端末が有効であることを確認すると、プリンタに対して使用許可情報を送信する。プリンタは、使用許可情報が送られてくると、それが有効期限内であるのかを確認し、有効であればユーザにプリンタの使用を許可する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−31368号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、ユーザが認証情報の取得後にプリンタから離れ、さらに、プリンタにアクセスを行うことがあり、ユーザがプリンタの近傍にいることを保証することができないという問題点があった。
【0005】
そこで、本発明は上述の技術的な課題に鑑み、携帯端末に常に最新の認証情報を取得させることにより、認証情報の有効期限を短くすることができるため、ユーザがプリンタの近傍にいることを保証することができる画像処理装置及び画像処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述技術的な課題を解決するため、本発明の画像処理装置は、ネットワークに接続された画像処理装置に於いて、前記画像処理装置の識別情報と、該識別情報の有効性又は無効性に関する情報と、を含む認証情報を作成する認証情報作成部と、前記認証情報を表示する表示部と、前記認証情報作成部に前記認証情報の再作成を指示する認証情報再作成指示部と、前記ネットワークからの接続を受けたときに、前記認証情報に含まれる前記認証情報の有効性又は無効性に関する情報に基づき、前記ネットワークからの接続の受け入れを判断し、応答情報を作成し接続先に送信する接続応答部とを備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る画像処理装置及び画像処理システムによれば、携帯端末に常に最新の認証情報を取得させることにより、認証情報の有効期限を短くすることができるため、ユーザがプリンタの近傍にいることを保証することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置及び画像処理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置による認証情報作成の動作を示すフローチャートである。
【図3】認証情報保存部に保存された認証情報の例を示す図である。
【図4】オペレーションパネルへの認証情報の表示例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る画像処理システムによる、携帯端末の認証情報取得部とプリンタの接続応答部の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る画像処理システムによる、携帯端末を利用した印刷データの処理の動作を示すフローチャートである。
【図7】携帯操作部に表示される接続確認画面の一例を示す図である。
【図8】携帯操作部に表示されるユーザ情報入力画面の一例を示す図である。
【図9】携帯操作部に表示される印刷データ処理選択画面の一例を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る画像処理装置及び画像処理システムの構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る画像処理装置による認証情報作成の動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る画像処理システムによる、携帯端末の認証情報取得部とプリンタの接続応答部の動作を示すフローチャートである。
【図13】携帯操作部に表示される警告画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の画像処理装置及び画像処理システムに係る好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本発明の画像処理装置及び画像処理システムは、以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、適宜変更可能であることは勿論である。
【0010】
図1には、本発明第1の実施形態に係る画像処理装置及び画像処理システムの構成を表すブロック図を示し説明する。
【0011】
同図に示されるように、本発明第1の実施形態における画像処理システムは、画像処理装置としてのプリンタ100と、携帯端末200とが、ネットワークを介して通信自在に接続され、構成されている。
【0012】
プリンタ100は、ネットワークを通して送信される画像情報としての印刷データを受信し印刷を行う装置である。プリンタ100は、画像情報保存部としての認証印刷データ保存部101と、画像形成部としての印刷部102と、認証情報作成部103と、認証情報再作成指示部104と、表示部としてのオペレーションパネル105と、認証情報保存部106と、接続応答部107とにより構成される。
【0013】
携帯端末200は、ユーザにより持ち運びが可能な装置である。携帯端末200は、認証情報取得部201と、接続部202と、携帯操作部203とにより構成される。
【0014】
以下、プリンタ100の構成を更に詳細に説明する。
【0015】
認証印刷データ保存部101は、ネットワークを通してプリンタ100が受信した認証印刷データを保存する。認証印刷データには、認証印刷データを作成したユーザのIDとパスワードとが少なくとも付加されている。認証印刷データ保存部101に保存された認証印刷データは、プリンタ100のオペレーションパネル105等により、認証が行われることにより印刷部102に送られ、当該認証印刷データに基づく印刷がなされる。認証印刷データ以外の印刷データは、プリンタ100により受信されると直ぐに印刷部102に送られ、当該印刷データに基づく印刷がなされる。
【0016】
印刷部102は、印刷データのラスタライズ化を行い、例えば電子写真プリンタの場合には、感光ドラム上に静電潜像を形成し、その静電潜像をトナーにより記録紙に写し取ることで印刷を行う。プリンタは、画像を色のついたピクセルを縦横に並べた集合として扱うため、ベクタ形式の情報をそのまま印刷したり表示したりすることはできないため、ベクタ形式の情報を展開して、点の集まりに変換するラスタライズを行うのである。
【0017】
認証情報作成部103は、認証情報を作成し、オペレーションパネル105に表示すると共に、当該認証情報を認証情報保存部106に保存させる。認証情報は、プリンタ100の識別情報と、その認証情報の有効性を示す情報により構成される。本実施形態において、識別情報は、ネットワーク上の識別情報(例えばIP(Internet Protocol)アドレス)と、乱数などの組合せにより生成される。認証情報の有効性を示す情報とは、その認証情報の有効期限を表す。
【0018】
そして、認証情報再作成指示部104は、認証情報の再作成を認証情報作成部103に指示する。本実施例において、認証情報再作成指示部104は、所定時間間隔、即ち一定時間が経過する度に認証情報作成部103に認証情報の再作成を指示する。もしくは、認証情報作成部103が作成した認証情報の有効期限が近くなると認証情報作成部103に認証情報の再作成を指示する。但し、再作成指示のタイミングはこれに限定されない。
【0019】
オペレーションパネル105は、ユーザとのユーザインタフェースである。オペレーションパネル105は、認証情報作成部103から認証情報を受け取り表示する。また、ユーザからの入力の受け付けも行う。本実施形態においては、オペレーションパネル105は、タッチパネルによりプリンタ100に実装されている。
【0020】
そして、認証情報保存部106は、認証情報作成部103が作成した認証情報を保存する。認証情報保存部106は、保存された認証情報の有効性がなくなるまで認証情報を保存する。本実施形態において、認証情報の有効性は認証情報の有効期限により定まる。そのため、認証情報はその有効期限と対応付けられて保存され、また、認証情報の有効期限の時刻になるとその認証情報は認証情報保存部106から削除される。
【0021】
接続応答部107は、携帯端末200の接続部202からの接続を受け付けると共にその接続の有効性を判断する。さらに、応答情報としての応答データを作成し、接続元へ送信することで応答を行う。有効性の判断は、認証情報保存部106に保存された認証情報に基づく。また、応答時には認証印刷データ保存部101に保存された認証印刷データの内容を読み取って応答のデータを作成する。また、接続応答部107は、接続部202からの指示により、認証印刷データ保存部101に保存された認証印刷データを印刷部102に送り、印刷を実行する。または、接続応答部107は、接続部202からの指示により、認証印刷データ保存部101に保存された認証印刷データの削除を行う。
【0022】
即ち、接続応答部107は、画像情報保存部としての認証印刷データ保存部101に保存された画像情報としての認証印刷データと、当該認証印刷データへの処理を選択する選択画面を応答情報として作成する。さらに、接続応答部107は、選択画面に基づく利用者からの指示により、画像情報保存部としての認証印刷データ保存部101に保存された画像情報としての認証印刷データに対する処理を行う。さらに、接続応答部107は、画像情報保存部としての認証印刷データ保存部101に保存された認証印刷データを削除する。また、接続応答部107は、画像情報保存部としての認証印刷データ保存部101に保存された画像情報としての認証印刷データを画像形成部としての印刷部102により画像形成する。
【0023】
次に携帯端末200の構成を詳細に説明する。
【0024】
認証情報取得部201は、プリンタ100の表示部としてのオペレーションパネル105に表示された認証情報をカメラなどにより取得する。本実施形態において、オペレーションパネル105に表示される認証情報は二次元コードに変換されている。その為、認証情報取得部201は、カメラにより撮影した二次元コードをデータとしての認証情報に再変換することにより取得する。取得した認証情報は、接続部202に渡される。また、読み取り結果を携帯操作部203に表示してもよい。本実施形態において、認証情報取得部201は2次元コード読み取りアプリケーションとして実装されている。
【0025】
接続部202は、認証情報取得部201が取得した認証情報を基に、プリンタ100の接続応答部107に接続を行う。また、プリンタ100の接続応答部107からの応答データを受信し、その応答データに基づき携帯操作部203の描画を行い、携帯操作部203を通してユーザからの入力を受け付ける。また、ユーザからの指示に基づき、再びプリンタ100の接続応答部107に接続を行う。本実施形態において、接続部202は、Webブラウザとして実装されている。
【0026】
携帯操作部203は、携帯端末200の利用者とのユーザインタフェースである。描画によりユーザに情報を伝えると共に、タッチパネルを利用してユーザからの入力を受け付ける。接続部202は、画像処理装置としてのプリンタ100の接続応答部107が作成した選択画面を携帯操作部203に表示すると共に、利用者からの指示を受け付け、接続応答部107に送信する。
【0027】
プリンタ100の認証情報作成部103、認証情報再作成指示部104、及び、接続応答部107は、プログラムとしてプリンタ100に実装されている。これらのプログラムは、プリンタ100のROM等の不揮発性メモリに格納されていてもよいし、揮発性メモリに格納されていてもよいし、フラッシュメモリ等の不揮発性の書き換え可能な記憶装置に格納されていてもよく、また、ハードディスク等の磁気媒体に格納されていてもよい。
【0028】
プリンタ100の認証印刷データ保存部101、及び、認証情報保存部106の記憶部分は揮発性メモリやフラッシュメモリなどの不揮発性の書き換え可能な記憶装置として実装されている。また、ハードディスクとして実装されていてもよい。
【0029】
プリンタ100のオペレーションパネル105、及び、携帯端末200の携帯操作部203の実装はタッチパネルとしているがこれに限るものではない。表示を行うディスプレイとメカニカルなキーの組み合わせであったとしても構わない。
【0030】
携帯端末200の認証情報取得部201、及び、接続部202はプログラムとして携帯端末200に実装されている。これらのプログラムは、携帯端末200のROM等の不揮発性メモリに格納されていてもよいし、揮発性メモリに格納されていてもよいし、フラッシュメモリなどの不揮発性の書き換え可能な記憶装置に格納されていても良く、また、ハードディスク等の磁気媒体に格納されていても良い。
【0031】
本実施例において、携帯端末200の認証情報取得部201と接続部202はそれぞれ別のプログラムとして実装されているがこれに限るものではない。認証情報取得部201と接続部202が一体となった携帯端末200上のアプリケーションとして実装されていても構わないことは勿論である。
【0032】
図2に、本発明の第1の実施形態における画像処理装置としてのプリンタ100の認証情報作成部103、及び認証情報再作成指示部104が動作し、認証情報を作成し、更にオペレーションパネル105に認証情報を表示する動作を表すフローチャートを示す。
【0033】
この動作は、プリンタ100の起動直後から動作、もしくは、プリンタ100のオペレーションパネル105を利用するユーザからの指示により動作を開始する。以下、それぞれのステップについて詳述する。
【0034】
プリンタ100の認証情報作成部103は、認証情報の作成を行う(S101)。ここで作成する認証情報には、少なくとも「ネットワーク上の識別情報」と、「認証情報の有効性を示す情報」とが含まれる。本実施形態において、「ネットワーク上の識別情報」とは、プリンタ100のURL(Uniform Resource Locator)であり、例えば「http://192.168.0.1/ConfidentialPrint/1234567890」である。なお、この識別情報は、例えば時刻に基づく乱数などにより生成される。そのため、ある期間内に同じ識別情報が生成されることはない。「認証情報の有効性を示す情報」とは、本実施例に於いては有効期限を表し、例えば「20100601120020」である。これは、2010年6月1日12時00分20秒までこの認証情報が有効であることを示す。この有効期限は、現在時刻から一定の時間(例えば60秒)経過した時刻である。
【0035】
認証情報作成部103は、S101で作成した認証情報を、認証情報保存部106に保存する(S102)。図3に、本発明の第1の実施形態における認証情報保存部106に保存された認証情報の例を示す。認証情報保存部106には、認証情報に含まれる識別情報と、識別情報の有効期限が対応付けられて保存されている。
【0036】
認証情報作成部103は、S101で作成した認証情報をオペレーションパネル105に表示する(S103)。ここで、認証情報は2次元コード化されオペレーションパネル105に表示される。
【0037】
図4には、オペレーションパネル105に2次元コード化された認証情報を表示した場合の例を示す。オペレーションパネル105には、メニューボタン111と、2次元コード化された認証情報112が表示されている。ここでは、S101で作成した認証情報に含まれる識別情報と有効期限を組み合わせたURLを作成し、「http://192.168.0.1/ConfidentialPrint/1234567890?有効期限=2010/06/01_12:00:20」という文字列を2次元コード化している。なお、本実施形態に於いては認証情報を2次元コード化してオペレーションパネル105に表示しているがこれに限るものではない。数字や英字の羅列であっても構わない。また、認証情報に含まれる識別情報だけを2次元コード化して表示しても構わない。
【0038】
続いて、認証情報作成部103は、終了指示があるのか否かを検出する(S104)。ここで、終了指示とは、ユーザがオペレーションパネル105のメニューボタン111を押下し、そのメニュー内から認証情報の表示を終了する項目を選ぶ、プリンタ100の省電力状態になる、などである。終了指示があったのならば、S105の動作を、なければS107の動作を行う。プリンタ100が省電力状態になった場合、ユーザがオペレーションパネル105で何らかの操作することにより再びS101から処理を開始する。
【0039】
終了指示があったのならば(S104をYesに分岐)、認証情報作成部103は、オペレーションパネル105に表示されている2次元コード化した認証情報の表示を終了する(S105)。そして、認証情報作成部103は、認証情報保存部106に保存された認証情報を削除し(S106)、一連の処理を終了する。尚、本実施形態では、終了指示があれば認証情報保存部106から認証情報を削除しているが、認証情報の有効性がなくなるまで、即ち有効期限が切れるまで削除を中断しても構わない。
【0040】
終了指示がなければ(S104をNoに分岐)、認証情報作成部103は、認証情報保存部106に保存された認証情報を調査し、その有効性を調査する(S107)。本実施形態では、有効性は時刻情報である。そのため、認証情報に対応付けられた有効期限の時刻が現在時刻よりも前なのかを調査する。有効期限が切れた認証情報があるのならば(S107をYesに分岐)、認証情報作成部103は、S107で有効期限が切れたと判断された認証情報を認証情報保存部106から削除する(S108)。
【0041】
一方、有効期限が切れた認証情報がなければ(S107をNoに分岐)、或いはS108の後、認証情報再作成指示部104は、S101で認証情報作成部103が認証情報を作成してから一定時間(例えば5秒)経過したのかを判断する(S109)。そして、一定時間経過したのであればS101の動作を、経過していないのであればS104の動作を行う。もしくは、認証情報保存部106に保存された認証情報の有効期限が近くなるとS104の動作を行っても構わない。
【0042】
以上のように、一定時間が経過する度に認証情報再作成指示部104の指示により、認証情報作成部103は認証情報の作成を行う。そのため、オペレーションパネル105に表示される認証情報は一定時間経過毎に変化する。
【0043】
次に、図5には、本発明の第1の実施形態において、携帯端末200の認証情報取得部201がオペレーションパネル105に表示された2次元コード化された認証情報112を取得し、プリンタ100にアクセスする動作を表すフローチャートを示し説明する。このフローは、ユーザが例えば携帯端末200を操作し、認証情報の読み取り指示を出すことにより動作を開始する。
【0044】
携帯端末200の認証情報取得部201は、携帯端末200のカメラなどを利用し、プリンタ100のオペレーションパネル105に表示された2次元コード化された認証情報112(図4)を取得する。取得した2次元コード化された認証情報112を、データとして認証情報に再変換する(S121)。
【0045】
携帯端末200の接続部202は、S121で取得した認証情報を基に、プリンタ100の接続応答部107へとアクセスを行う(S122)。アクセス方法は、例えば認証情報に含まれるURLを利用し、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)によりアクセスを行うものとする。このとき、必要に応じてURLの引数により携帯端末200からプリンタ100へと情報を送信する。図4に示される認証情報を利用した場合、URLは「http://192.168.0.1/ConfidentialPrint/1234567890?有効期限=2010/06/01_12:00:20」となる。本実施形態に於いては、認証情報に含まれる認証情報の有効期限についても送信しているが必ずしも必要ない。
【0046】
プリンタ100の接続応答部107は、アクセスを行った携帯端末200の接続部202が送信した認証情報が有効であるのか判断する(S123)。接続部202からのアクセスに利用されたURLから識別情報を取り出し、認証情報保存部106に保存されている識別情報と一致する識別情報が存在するのかを判断する。存在するのならばアクセスは有効であるため、S124の動作を行う。存在しないのならば、アクセスは無効であるとしS125の動作を行う。
【0047】
認証情報保存部106に保存されている識別情報と一致する識別情報が存在すると判断された場合には(S123をYesに分岐)、接続応答部107は、応答データの作成を行う(S124)。このとき、携帯端末200から送信されたURLの引数に含まれる認証情報以外の情報を必要に応じて取り出し、応答データの作成を行う。
【0048】
一方、認証情報保存部106に保存されている識別情報と一致する識別情報が存在しないと判断された場合には(S123をNoに分岐)、接続応答部107は、プリンタ100のオペレーションパネル105に表示された認証情報の再取得を要求する応答データを作成する(S125)。このとき、携帯端末200から送信されたURLの引数に含まれる認証情報以外の情報を応答データに格納してもよい。
【0049】
接続応答部107は、S124、もしくはS125で作成した応答データを携帯端末200の接続部202に送信する(S126)。
【0050】
携帯端末200の接続部202は、受信した応答データに認証情報の再取得の要求が含まれるのかを判断する(S127)。つまり、S125により作成された応答データなのかを判断する。再取得の要求が含まれないのならばS128の動作を行い、含まれるのならばS121の動作を行う。なお、S121の動作を行う際、応答データに含まれる情報を保持したままS121の動作を行い、その情報はS122により再びURLの引数としてプリンタ100の接続応答部107へと送信しても良い。このとき、携帯操作部203に、二次元コード化された認証情報112の再取得を要求するメッセージを表示しても良い。なお、実装により応答データに含まれる認証情報の再取得の要求を取得できない場合は、応答データを元に携帯操作部203の表示を行い、一連の動作を終了する。このときの応答データには、携帯操作部203を介してユーザからの指示を受け付けるデータが含まれない。
【0051】
携帯端末200の接続部202は、プリンタ100の接続応答部107が送信した応答データを基に、携帯操作部203に表示を行う(S128)。携帯端末200の接続部202は、携帯操作部203によりユーザからの指示を受け付ける(S129)。
【0052】
接続部202は、S128で受け付けたユーザの指示が終了指示であるか否かを判断する(S130)。終了指示であるのならば一連の動作を終了する。一方、終了指示でなければS122の動作を行い、再びプリンタ100の接続応答部107にアクセスを行う。このとき、S129で受け付けたユーザからの指示を含むURLをS122で作成する。
【0053】
以上のように、携帯端末200の接続部202からプリンタ100の接続応答部107にアクセスする度に認証情報の有効性を調査し、アクセスの可否を判断する。認証情報の有効性が無効となり、アクセスを拒否された場合、携帯端末200の認証情報取得部201により、認証情報の再取得を行うことにより、動作を継続することができる。そのためユーザを常にプリンタ100の近傍にとどまらせることができる。また、認証情報の再取得要求の際、URLに含まれる引数を引き継ぐことにより、認証情報の再取得を行った場合でも、それまでの動作を継続することができる。
【0054】
図6には、第1の実施形態において、携帯端末200を利用し、ユーザがプリンタ100の認証印刷データ保存部101に保存された認証印刷データの動作を行う場合の動作を表すフローチャートを示し説明する。この動作は、ユーザが携帯端末200の認証情報取得部201を実装したアプリケーションを起動させると開始される。
【0055】
認証情報取得部201は、携帯端末200のカメラなどを利用して、ユーザにプリンタ100のオペレーションパネル105に表示された2次元コード化された認証情報を読み取らせる(S141)。図7に、本実施形態に於いて、認証情報取得部201が認証情報を読み取った場合に携帯端末200の携帯操作部203に表示される画面の例を示す。212には、読み取った2次元コード化された認証情報の内容が表示される。このとき、この認証情報の有効期限が表示される。ユーザが接続ボタン213を押下すると、読み取った認証情報が接続部202に渡され、プリンタ100への接続が行われる。キャンセルボタン214を押下すると、一連の動作を終了させる。
【0056】
携帯端末200の接続部202は、S141で取得した認証情報を基に、プリンタ100の接続応答部107へとアクセスを行う(S142)。図7に示される認証情報を利用した場合、URLは「http://192.168.0.1/ConfidentialPrint/1234567890?有効期限=2010/06/01_12:00:20」となる。また、必要に応じて他の情報もURLの引数として送信する。
【0057】
プリンタ100の接続応答部107は、S142による接続を受け付け、アクセスを行った携帯端末200の接続部202が送信した認証情報が有効であるのかを判断する。接続部202より送られたURLから識別情報を取り出し、認証情報保存部106に保存されている識別情報と比較し、一致する識別情報が認証情報保存部106に存在するのかを判断する。このフローでは、アクセスが有効であったと判断したものとする(S143)。
【0058】
プリンタ100の接続応答部107は、ユーザ情報入力画面を作成する応答データを作成する。本実施形態において、ユーザ情報とは、ユーザIDとパスワードである。更に作成した応答データを接続元の携帯端末200の接続部202に送信する(S144)。
【0059】
携帯端末200の接続部202はS144で作成した応答データを受信する。更に、応答データを基に携帯操作部203にユーザ情報入力画面を表示し、ユーザからの入力を受け付ける。本実施形態では、ユーザ情報として「ユーザID」と「パスワード」を要求する(S145)。
【0060】
図8に携帯操作部203に表示されるユーザ情報入力画面の一例を示す。ユーザ情報入力画面には、ユーザIDの入力欄221と、パスワードの入力欄222と、送信ボタン223と、クリアボタン224、キャンセルボタン225がある。ユーザがユーザIDの入力欄221と、パスワードの入力欄222にユーザIDとパスワードを入力し、送信ボタン223を押下すると、S146の動作を行う。ユーザが、クリアボタン224を押下すると入力欄に入力されたデータを削除し、キャンセルボタン225を押下すると一連の動作を終了させる。
【0061】
携帯端末200の接続部202は、S145でユーザが入力したユーザIDとパスワードと、認証情報をプリンタ100の接続応答部107に送信する(S146)。ここで、ユーザIDとパスワードと認証情報は、URLの引数としてプリンタ100の接続応答部107へと送信される。例えば、URLは「http://192.168.0.1/ComfidentialPrint/1234567890?有効期限=2010/06/01_12:00:20&USERID=username&PASSWORD=abcd1234」となる。この例では、ユーザIDが「username」、パスワードが「abcd1234」である。なお、ユーザIDとパスワードは、暗号化してURLの引数としても構わない。
【0062】
プリンタ100の接続応答部107は、S146による接続を受け受け、アクセスを行った携帯端末200の接続部202が送信した認証情報が有効であるのかを調査し、有効であるなら、ユーザIDとパスワードを取得する。さらに、認証印刷データ保存部101に保存された認証印刷データを調査し、取得されたユーザID及びパスワードと一致するユーザID及びパスワードが設定されている認証印刷データを選択する。ここで、選択される認証印刷データが複数となっても構わない(S147)。
【0063】
続いて、プリンタ100の接続応答部107は、S147で選択された認証印刷データの処理をユーザに選択させる認証印刷データ処理選択画面を作成する応答データを作成する。更に作成した応答データを接続元の携帯端末200の接続部202に送信する(S148)。
【0064】
携帯端末200の接続部202はS148で作成した応答データを受信する。さらに、応答データを基に携帯操作部203に認証印刷データ処理選択画面を表示し、ユーザからの入力を受け付ける。本実施形態では、処理を行う認証印刷データの選択と、選択された認証印刷データに対する処理の選択を要求する(S149)。
【0065】
図9に携帯操作部203に表示される認証印刷データ処理選択画面の例を示す。すなわち、この認証印刷データ処理選択画面には、選択可能な認証印刷データの一覧(231〜233)と、スクロールバー234と、印刷ボタン235と、削除ボタン236と、キャンセルボタン237がある。この画面では、ユーザは処理対象としたい認証印刷データを一覧から選択し、選択された認証印刷データに対する処理を印刷ボタン235、もしくは削除ボタン236を押下することにより選択する。ユーザが認証印刷データの一覧から一つ以上の認証印刷データを選択し、印刷ボタン235、もしくは、削除ボタン236を押下すると、S150の動作を行う。ユーザがキャンセルボタン235を押下すると一連の動作を終了させる。
【0066】
続いて、携帯端末200の接続部202は、S149でユーザが選択された認証印刷データと、ユーザが選択した処理と、認証情報をプリンタ100の接続応答部107に送信する。ここで、ユーザが選択した認証印刷データと処理と認証情報は、URLの引数としてプリンタ100の接続応答部107へと送信される(S150)。例えば、URLは「http://192.168.0.1/ComfidentialPrint/1234567890?有効期限=2010/06/01_12:00:20&DATA=1,3?ACTION=PRINT」となる。この例では、ユーザは1番目と3番目に表示される認証印刷データ(231及び233)を選択し、さらに、印刷ボタン235を選択している。なお、選択した認証印刷データと選択された処理を表す文字列は、暗号化してURLの引数としても構わない。
【0067】
プリンタ100の接続応答部107は、S150による接続を受け付け、アクセスを行った携帯端末200の接続部202が送信した認証情報が有効であるのか判断し、有効であるなら、ユーザが選択した認証印刷データに対して、選択された処理を実行する(S151)。即ち、S149でユーザが「印刷」を選択した場合、認証印刷データ保存部101から認証印刷データを取り出し印刷部102へ送り、印刷指示を行う。また、認証印刷データ保存部101から印刷した認証印刷データを削除する。S149でユーザが「削除」を選択した場合、認証印刷データ保存部101から認証印刷データを削除する。さらに、S147に戻り、処理を継続する。
【0068】
以上のように、ユーザは、携帯端末200の認証情報取得部201により、プリンタ100のオペレーションパネル105に表示された認証情報を取得することで、携帯端末200の携帯操作部203からプリンタ100に保存されている認証印刷データの一覧を取得することができる。さらに、認証印刷データの一覧から処理対象となる認証印刷データを選択し、さらに、処理を選択することにより、認証印刷データの印刷、もしくは、削除を行うことができる。
【0069】
本発明の第1の実施形態によれば、ネットワークに接続された画像処理装置としてのプリンタ100において、画像処理装置の識別情報と、該識別情報の有効性又は無効性に関する情報と、を含む認証情報を作成する認証情報作成部103と、認証情報を表示する表示部としてのオペレーションパネル105と、認証情報作成部103に認証情報の再作成を指示する認証情報再作成指示部104と、ネットワークからの接続を受けたときに、認証情報に含まれる認証情報の有効性又は無効性に関する情報に基づき、携帯端末200からの接続の受け入れを判断し、応答情報を作成し接続先に送信する接続応答部107とを備えることを特徴とする画像処理装置が提供される。
【0070】
ここで、表示部としてのオペレーションパネル105は、認証情報を二次元コードにより表示することとしてよい。識別情報は、ネットワーク上のIPアドレスと乱数の組合せにより生成されることとしてよい。識別情報の有効性又は無効性に関する情報は認証情報の有効期限を表す。認証情報再作成指示部104は、所定時間間隔で認証情報作成部に前記認証情報の再作成を指示することとしてよい。認証情報再作成指示部104は、認証情報の有効期限が近くなると認証情報作成部103に認証情報の再作成を指示することとしてよい。画像情報としての認証印刷データを保存する画像情報保存部としての認証印刷データ保存部101を更に有し、接続応答部107は、画像情報保存部に保存された前記画像情報と、前記画像情報への処理を選択する選択画面を前記応答情報として作成することとしてよい。接続応答部107は、選択画面からに基づく利用者からの指示により、画像情報保存部に保存された前記画像情報に対する処理を行うこととしてよい。また、接続応答部107は、画像情報保存部としての認証印刷データ保存部101に保存された前記画像情報を削除することとしてよい。また、画像情報としての認証印刷データの画像形成を行う画像形成部としての印刷部102を更に有し、接続応答部107は、画像情報保存部としての認証印刷データ保存部101に保存された画像情報を画像形成部により画像形成することとしてよい。
【0071】
さらに、上記構成の画像処理装置としてのプリンタ100と携帯端末200とが前記ネットワークを通じて接続された画像形成システムであって、携帯端末200は、画像処理装置の表示部としてのオペレーションパネル105に表示された認証情報を取得する認証情報取得部201と、認証情報に基づき、画像処理装置としてのプリンタ100の接続応答部107へ接続を行う接続部202とを有することを特徴とする画像処理システムが提供される。
【0072】
ここで、携帯端末200は、利用者とのユーザインタフェースである携帯操作部203を更に有し、接続部202は、画像処理装置としてのプリンタ100の接続応答部107が作成した選択画面を携帯操作部203に表示すると共に、利用者からの指示を受け付け、接続応答部107へと送信することとしてよい。
【0073】
以上詳細に説明したとおり、本発明の第1の実施形態によれば、一定時間毎にオペレーションパネル105に表示させる認証情報を変更し、また、認証情報保存部106に一定数の認証情報を保持する。また、携帯端末200で認証情報を取得し、プリンタ100に認証情報を送信することによりアクセスを行った場合、プリンタ100は認証情報保存部106に保存された認証情報と送信された認証情報とを比較することにより認証情報の有効性を判断するため、携帯端末200に常に最新の認証情報を取得させることにより、認証情報の有効期限を短くすることができるため、ユーザがプリンタ100の近傍にいることを保証することができるという効果がある。
【0074】
(第2の実施形態)
【0075】
図10には、本発明の第2の実施形態に係る画像処理装置及び画像処理システムの構成を表すブロック図を示し説明する。
【0076】
本発明の第2の実施形態におけるプリンタ300の構成を第1の実施形態におけるプリンタ100との比較において説明すると、画像処理装置としてのプリンタ300には、プリンタ100の認証情報作成部103の代わりに、認証状態情報作成部301がある。さらに、装置状態変化検出部302がある。携帯端末400には、携帯端末200の認証情報取得部201の代わりに、認証状態情報取得部401がある。
【0077】
プリンタ300の認証状態情報作成部301は、認証情報作成部103と同様に認証情報を作成すると共に、認証情報にプリンタ300の状態情報をさらに加えた認証状態情報を作成する。また、作成した認証状態情報を表示部としてのオペレーションパネル105に表示する。プリンタ300の状態情報とは、印刷の実行が可能か不可能かを表す情報である。また、印刷が不可能な場合には、その原因も状態情報に含む。装置状態変化検出部302は、プリンタ300において印刷の可能・不可能の状態が変化した場合に、認証状態情報作成部301に対し、認証状態情報の再作成を指示する。
【0078】
携帯端末400の認証状態情報取得部401は、プリンタ400のオペレーションパネル105に表示された認証状態情報をカメラなどを利用して取得する。本実施形態において、オペレーションパネル105に表示される認証状態情報は二次元コードに変換されている。そのため、認証状態情報取得部401は、カメラにより撮影した二次元コードをデータとしての認証状態情報に再変換することにより取得する。
【0079】
また、取得した認証状態情報に含まれる状態情報に基づき、プリンタ300が印刷可能か不可能かを判断する。可能であれば、取得した認証状態情報は、プリンタ300の状態情報を取り除くことにより認証情報に変換され、接続部202に渡される。また、読み取り結果を携帯操作部203に表示してもよい。不可能であれば、認証状態情報に含まれる印刷が不可能な原因を携帯操作部203に表示することにより、ユーザに通知する。本実施形態において、認証状態情報取得部401は2次元コード化読み取りアプリケーションアイコンとして実装されている。
【0080】
即ち、認証状態情報取得部401は、表示部としてのオペレーションパネル105に表示された認証状態情報を取得し、状態情報に基づき携帯操作部203にプリンタ300の状態を表示させ、利用者へプリンタ300の状態を通知する。
【0081】
図11には、本発明の第2の実施形態におけるプリンタ300の認証状態情報作成部301、装置状態変化検出部302、及び、認証情報再作成指示部104が動作し、認証状態情報を作成し、さらに、オペレーションパネル105に表示する動作を表すフローチャートを示し説明する。この動作は、プリンタ300の起動直後から動作、もしくは、プリンタ300のオペレーションパネル105を利用するユーザからの指示により動作を開始する。それぞれのステップについて説明する。なお、S204からS209の動作は、図2のS104からS109の動作と同等であるため、説明を省略する。
【0082】
プリンタ300の認証状態情報作成部301は、認証情報にプリンタ300の状態情報を追加した認証状態情報を作成する(S201)。状態情報には、プリンタ300が印刷可能か不可能か、及び不可能な場合にはその原因の情報が追加される。
【0083】
本実施形態に係る画像処理装置において、状態情報はプリンタ300のURLに追記される。例えば印刷が可能な場合には、「http://192.168.0.1/ComfidentialPrint/1234567890?PRINTABLE=TRUE」となり、また、プリンタ300に印刷のための用紙がないため印刷が不可能な場合は、「http://192.168.0.1/ComfidentialPrint/1234567890? PRINTABLE=FALSE&REASON="トレイに用紙がありません。"」となる。"PRINTABLE"引数の"TRUE"もしくは"FALSE"は印刷可能、もしくは不可能を表す。"REASON"引数の内容は印刷不可能の原因の情報である。
【0084】
認証状態情報作成部301は、S201で作成した認証状態情報を、認証情報保存部106に保存する。このとき、認証状態情報から状態情報を取り除き、認証情報として保存する(S202)。
【0085】
続いて、認証状態情報作成部301がS201で作成した認証状態情報をオペレーションパネル105に表示する(S203)。ここで、認証状態情報は2次元コード化されオペレーションパネル105に表示される。本実施形態に於いては、認証状態情報に含まれる識別情報と有効期限を組合せ、例えば、「http://192.168.0.1/ComfidentialPrint/1234567890?PRINTABLE=TRUE&有効期限=2010/06/01_12:00:20」または、「http://192.168.0.1/ComfidentialPrint/1234567890?PRINTABLE= FALSE&REASON="トレイに用紙がありません。"&有効期限=2010/06/01_12:00:20」という文字列を2次元コード化して、オペレーションパネル105に表示する。
【0086】
S204からS209の動作は、図2のS104からS109の動作と同等であり、有効期限が切れた認証情報がなければ(S207をNoに分岐)、或いはS208の後、認証情報再作成指示部104は、S201で認証状態情報作成部301が認証状態情報を作成してから一定時間(例えば5秒)経過したのかを判断する(S209)。そして、一定時間経過していないのであれば、プリンタ300の装置状態変化検出部302は、プリンタ300の印刷の可能・不可能という状態が変化したことを検出する(S210)。プリンタの状態に変化があった場合は、S201の動作を行い、変化がなかった場合は、S204の動作を行う。
【0087】
本実施形態において、認証情報にプリンタ300の状態情報が追加され、プリンタ300のオペレーションパネル105には、プリンタ300の状態を含む認証状態情報が2次元コード化されて表示される。また、装置状態変化検出部302により、プリンタ300の状態が変化した場合にも2次元コード化された認証状態情報を書き換える。
【0088】
図12には、本発明の第2の実施形態に係る画像処理システムにおいて、携帯端末400の認証状態情報作成部301がオペレーションパネル105に表示された2次元コード化された認証状態情報を取得し、プリンタ300にアクセスする動作を表すフローチャートを示し説明する。このフローは、ユーザが例えば携帯端末400を操作し、認証情報の読み取り指示を出すことにより動作を開始する。尚、S225からS233の動作は、図5のS122からS130の動作と同じであるため説明を省略する。
【0089】
携帯端末400の認証状態情報取得部401は、携帯端末400のカメラ等を利用し、プリンタ300のオペレーションパネル105に表示された2次元コード化された認証状態情報を取得する。取得した2次元コード化された認証状態情報を、データとしての認証状態情報に再変換する(S221)。
【0090】
認証状態情報取得部401は、S221で取得した認証状態情報からプリンタ300の状態情報だけを取り出す。本実施形態において取り出した状態情報は、「PRINTABLE=TRUE」、または、「PRINTABLE=FALSE&REASON="トレイに用紙がありません。"」となる。状態情報からプリンタ300が印刷可能か否かを判断する(S222)。ここでは、「PRINTABLE」引数の内容を調査する。印刷が可能な場合(PRINTABLE=TRUEの場合)はS225の動作を行う。印刷が不可能な場合(PRINTABLE=FALSEの場合)は、S223の動作を行う。尚、S223以降の動作では認証状態情報からプリンタ300の状態情報を取り除き、認証情報として扱っても構わない。
【0091】
認証状態情報取得部401は、プリンタ300が印刷不可能であるとユーザに警告すると共に、その原因を通知する警告画面を表示する(S223)。図13に携帯操作部203に表示される警告画面の例を示す。携帯操作部203には、メッセージ241、継続ボタン242、再読み取りボタン243、及び終了ボタン244が表示される。メッセージ241は、状態情報に含まれる印刷不可能の原因の情報(本実施例では"REASON"引数の内容)である。この画面でユーザは、継続ボタン242、再読み取りボタン243、もしくは終了ボタン244を押下する。
【0092】
続いて、認証状態情報取得部401は、図13に示すような警告画面でユーザが継続ボタン242、再読み取りボタン243、終了ボタン244のいずれを押下したのかを判断する。継続ボタンが押下されたのならばS225の動作を行い、再読み取りボタン242が押下されたのならばS221の動作を行い、終了ボタン243が押下されたのならば一連の処理を終了する。
【0093】
このように、プリンタ300の状態情報を含む認証状態情報を携帯端末400で読み取ることで、携帯端末400のユーザにプリンタ300の状態を通知することができる。また、携帯操作部203が認証状態情報を読み取り、プリンタ300が印刷不可能である場合、その状態をユーザに通知することができる。これにより、ユーザが印刷不可能な状態にあるプリンタ300への印刷指示を防止することができる。
【0094】
本実施形態において、認証状態情報に含まれるプリンタ300の状態情報として印刷の可能・不可能という状態を挙げて説明したが、この限りではない。消耗品の残量等であっても構わない。また、携帯端末400は状態情報に基づき、携帯操作部203に状態情報を継続して表示しても構わない。
【0095】
認証情報と、画像処理装置の状態情報と、を含む認証状態情報を作成し、表示部としてのオペレーションパネル105に表示させる認証状態情報作成部301と、画像処理装置の状態変化を検出すると、認証状態情報作成部301に認証状態情報の再作成を指示する装置状態変化検出部302とを更に有し、携帯端末400は、表示部としてのオペレーションパネル105に表示された認証状態情報を取得し、状態情報に基づき携帯操作部203に画像処理装置としてのプリンタ300の状態を表示させ、利用者へ画像処理装置の状態を通知する認証状態情報取得部401を更に有することを特徴とする画像処理システムが提供される。ここで、状態情報とは、画像形成部としての印刷部102の動作の可能ないしは不可能状態を表すこととしてよい。
【0096】
以上詳細に説明したとおり、本発明の第2の実施形態によれば、プリンタ300は認証情報にプリンタ300の状態情報を追加することにより携帯端末400にプリンタ300の状態を通知し、携帯端末400は携帯操作部203にプリンタ300の状態を表示することができるため、ユーザは携帯端末400でプリンタ300の状態の異常時にプリンタ300の状態を知ることができ、ユーザは印刷が不可能なプリンタ300に対して印刷指示を出すことができなくなるため、ユーザの利便性がさらに向上するという効果がある。
【0097】
本発明の第1、第2の実施形態では、画像処理装置としてプリンタを例に挙げて説明したが、これに限るものではない。コピー装置、MFP(Multi Function Peripheral)装置等、印刷データを印刷できる装置であればよい。また、画像形成装置と情報処理装置が一体となった形態であっても構わない。本発明第1、第2の実施形態では、携帯端末から画像処理装置としてのプリンタへの情報の送信方法として、URLの引数を利用する方法を例に挙げて説明したがこれに限るものではない。携帯端末からプリンタに情報を送信できる方法であればよい。
【符号の説明】
【0098】
100 プリンタ
101 認証印刷データ保存部
102 印刷部
103 認証情報作成部
104 認証情報再作成指示部
105 オペレーションパネル
106 認証情報保存部
107 接続応答部
200 携帯端末
201 認証情報取得部
202 接続部
203 携帯操作部
300 プリンタ
301 認証状態情報作成部
302 装置状態変化検出部
400 携帯端末
401 認証状態情報取得部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続された画像処理装置に於いて、
前記画像処理装置の識別情報と、該識別情報の有効性又は無効性に関する情報と、を含む認証情報を作成する認証情報作成部と、
前記認証情報を表示する表示部と、
前記認証情報作成部に前記認証情報の再作成を指示する認証情報再作成指示部と、
前記ネットワークからの接続を受けたときに、前記認証情報に含まれる前記認証情報の有効性又は無効性に関する情報に基づき、前記ネットワークからの接続の受け入れを判断し、応答情報を作成し接続先に送信する接続応答部とを備えること
を特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記表示部は、前記認証情報を二次元コードにより表示すること
を特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記識別情報は、ネットワーク上のIPアドレスと乱数の組合せにより生成されること
を特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記識別情報の有効性又は無効性に関する情報は前記認証情報の有効期限を表すこと
を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記認証情報再作成指示部は、所定時間間隔で前記認証情報作成部に前記認証情報の再作成を指示すること
を特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記認証情報再作成指示部は、前記認証情報の有効期限が近くなると前記認証情報作成部に前記認証情報の再作成を指示すること
を特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項7】
画像情報を保存する画像情報保存部を更に有し、
前記接続応答部は、前記画像情報保存部に保存された前記画像情報と、前記画像情報への処理を選択する選択画面を前記応答情報として作成すること
を特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記接続応答部は、前記選択画面からに基づく利用者からの指示により、前記画像情報保存部に保存された前記画像情報に対する処理を行うこと
を特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記接続応答部は、前記画像情報保存部に保存された前記画像情報を削除すること
を特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記画像情報の画像形成を行う画像形成部を更に有し、
前記接続応答部は、前記画像情報保存部に保存された前記画像情報を前記画像形成部により画像形成すること
を特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれかに記載の画像処理装置と携帯端末とが前記ネットワークを通じて接続された画像形成システムであって、
前記携帯端末は、
前記画像処理装置の前記表示部に表示された前記認証情報を取得する認証情報取得部と、
前記認証情報に基づき、前記画像処理装置の前記接続応答部へ接続を行う接続部とを有すること、
を特徴とする画像処理システム。
【請求項12】
前記携帯端末は、利用者とのユーザインタフェースである携帯操作部を更に有し、
前記接続部は、前記画像処理装置の前記接続応答部が作成した前記選択画面を前記携帯操作部に表示すると共に、利用者からの指示を受け付け、前記接続応答部へと送信すること
を特徴とする請求項11に記載の画像処理システム。
【請求項13】
前記画像処理装置は、
前記認証情報と、前記画像処理装置の状態情報と、を含む認証状態情報を作成し、前記表示部に表示させる認証状態情報作成部と、
前記画像処理装置の状態変化を検出すると、前記認証状態情報作成部に認証状態情報の再作成を指示する装置状態変化検出部と、を更に有し、
前記携帯端末は、
前記表示部に表示された前記認証状態情報を取得し、前記状態情報に基づき前記携帯操作部に前記画像処理装置の状態を表示させ、利用者へ前記画像処理装置の状態を通知する認証状態情報取得部を更に有すること
を特徴とする請求項11又は12に記載の画像処理システム。
【請求項14】
前記状態情報とは、前記画像形成部の動作の可能ないしは不可能状態を表すこと
を特徴とする請求項13に記載の画像処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−133612(P2012−133612A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−285430(P2010−285430)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】