説明

画像処理装置、及び画像処理プログラム

【課題】画面表示と、表示画面への操作入力が結びついた画像処理装置を提供する。
【解決手段】
仮想空間に配置されたオブジェクトを所定のサイズで表示する表示手段と、前記表示手段に関連して設けられる座標入力手段と、前記座標入力手段で入力された座標データの単位時間毎の変化量を算出する変化量算出手段とを備えた画像処理装置であって、前記表示手段は、前記変化量算出手段によって算出された座標データ変化量に基づいてオブジェクトの表示サイズを変化させるよう制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、及び画像表示処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオゲームに用いられる画像処理装置として、従来ではゲーム画面を表示するだけだった表示装置に更にタッチスクリーンなどのポインティングデバイス機能を備え、このタッチスクリーンへの入力によりプレイ内容を進行させる画像処理装置を備えたビデオゲーム装置が存在している(以下、画像処理装置とする。) このような画像処理装置においては、ゲーム進行にあたって表示されるオブジェクトの位置を直接指やペン、スタイラス等を用いて触れることで操作入力指示を行ったり、また更に表示装置に振動機能が備わっている場合には、入力結果に対する出力をタッチスクリーンからの振動という出力で、より直感的に認識するというインタラクティブな遊戯を行って楽しむことができる。
【0003】
ここで、従来のタッチ入力操作を行う画像処理装置について、特許文献1を参照すると、プレイヤがタッチスクリーンに行ったタッチ入力操作において、その座標データが操作オブジェクトの表示領域か否かを判定することで、実際に仮想空間中のオブジェクトを操作しているかのような操作を実現させることのできる画像処理装置が記載されている(以下、従来技術1とする。)。
【0004】
また、タッチ入力を用いて画像表示に応じた操作を行わせる方法として、特許文献2を参照すると、複数個所のタッチ認識が可能なポインティング機能を備えるものを用いることで、表示画像を変化させつつ簡便な操作入力を行う方法が記載されている(以下、従来技術2とする。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−122285号公報
【特許文献2】特開2009−211704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来技術1の画像処理装置は、仮想空間の3次元オブジェクトをあたかも現実に回転操作しているような操作感覚を提供するとしているものの、回転量に応じたゲーム展開による変化は仮想空間の3次元オブジェクトの回転描画の変化のみで、遊戯性の向上にはあまり影響が無いという問題があった。
【0007】
また、従来技術2の処理方法では、タッチスクリーンへの入力状況に応じて各種のビューに基づいた複数の操作をフラグ管理を用いて行うことで、スクリーンへのタッチによる表示画像を変化させるとともに多種の操作を簡便に処理装置に行わせるシステムを提供しているものの、同時複数個所へのタッチ入力に対応した多点タッチパネル(タッチスクリーン)を必要とするため、安価な単点タッチパネル(タッチスクリーン)では実施できないという問題があった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、上述の課題を解消することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の画像処理装置は、仮想空間に配置されたオブジェクトを所定のサイズで表示する表示手段と、前記表示手段に関連して設けられる座標入力手段と、前記座標入力手段で入力された座標データの単位時間毎の変化量を算出する変化量算出手段とを備えた画像処理装置であって、前記表示手段は、前記変化量算出手段によって算出された座標データ変化量に基づいてオブジェクトの表示サイズを変化させることを特徴とする。
【0009】
本発明の画像処理装置は、更に、前記座標入力手段によって入力される座標データを有効とする領域を設定する入力有効領域設定手段を備え、前記入力有効領域設定手段は、前記表示手段にオブジェクトが表示されている領域のみを有効とすることを特徴とする。
【0010】
本発明の画像処理装置は、前記変化量算出手段が算出した変化量に基づく回転速度で前記オブジェクトを仮想空間中で自転させるオブジェクト制御手段を備え、前記表示手段は、前記オブジェクト制御手段によって自転する前記オブジェクトの回転速度に比例して前記オブジェクトの表示サイズを変化させることを特徴とする。
【0011】
本発明は、表示装置と、前記表示装置に対応する座標入力処理装置を備えた画像処理装置に実行されるプログラムであって、仮想空間に配置されたオブジェクトを所定のサイズで表示する表示手段と、前記表示手段に関連して設けられる座標入力手段と、前記座標入力手段で入力された座標データの単位時間毎の変化量を算出する変化量算出手段とを備え、前記表示手段において、前記変化量算出手段において算出された座標データ変化量に基づいてオブジェクトの表示サイズを変化させる手段を実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、安価な単点タッチパネルを用いつつ、タッチ操作に応じて表示サイズを変化させることで、より操作感覚を向上させた画像処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像処理装置10の外観を示す概念図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る画像処理装置10の制御構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る画像処理装置10のゲームキャラクタのデータを示す概念図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るデッキのデータを示す概念図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る画像処理装置10のプレイ処理のフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態に係る画像処理装置10の対CPU戦ゲーム処理のフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態に係る入力処理のフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態に係る入力処理を行う画面例である。
【図9】本発明の実施の形態に係る入力処理を行う画面例である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<実施の形態>
以下で、本発明の実施の形態に係る画像処理装置10及びその画像処理装置10で実行されるゲームについて図面を用いて説明する。
【0015】
〔画像処理装置10外観〕
まず、図1を参照して、本発明の実施の形態に係る画像処理装置10の外観について説明する。
画像処理装置10は、ゲームセンターやショッピング店舗やスポーツ施設等の遊戯施設に備えられている業務用のビデオゲーム機器である。
画像処理装置10は、第1振動部210、第2振動部215、識別情報読取部220(バーコードリーダ)、カード出力装置230、コイン投入部250、第1表示装置270(第1表示部)、第2表示装置275(第2表示部)、出音装置280(音声出力部)、第1タッチパネル300(第1接触検出部)、第2タッチパネル305(第2接触検出部)等を備えている。
【0016】
第1表示装置270と第2表示装置275とは、LCD(Liquid Crystal Display:液晶表示装置)やLCDに代わり、例えば、EL(Electro Luminescence:電界発光)を利用した表示装置や、PDP(プラズマ・ディスプレイ・パネル)、FED(電界放出ディスプレイ)、レーザー等を用いた光学プロジェクタの表示手段(表示部)などである。第1表示装置270と第2表示装置275とには、カードの配置に関連した具体的なゲーム上の展開やスコア等に加え、設定画面等についても表示することができる。なお、各表示装置は任意の大きさや解像度のものを利用することができる。
【0017】
図1の例では、第1表示装置270と第2表示装置275は、例えばLCDを用いて、上下に設けられている。本発明の実施の形態に係る画像処理装置10においては、ここにカード80(遊技媒体)のデータに従った味方(プレイヤ)のゲームキャラクタ(プレイヤによって操作されるゲームキャラクタのオブジェクト)や、敵(対戦相手のプレイヤや、CPU100が実行するプログラム)のゲームキャラクタ(ゲームキャラクタのオブジェクト)が描画されて、ゲームを進行させる。
なお、第1表示装置270及び第2表示装置275は左右方向に設けられていてもよい。
【0018】
第1タッチパネル300と第2タッチパネル305は、接触された点を検知する検知機能を備える接触検出手段である。
上述の、第1表示装置270と第2表示装置275には、入力装置(入力部)として、第1表示装置270の表面に第1タッチパネル300が設けられ、第2表示装置275の表面に第2タッチパネル305が備えられている。
第1タッチパネル300と第2タッチパネル305は、例えば、抵抗膜方式や光学式(赤外線方式)や静電容量結合式など、任意の方式のものを利用することができる。この第1タッチパネル300や第2タッチパネル305は、その表面を指や入力用器具(例:スタイラスペン等)などで触れると、その接触位置に対応する座標データを出力する機能を備えている。
本発明の実施の形態に係る画像処理装置10では、第1タッチパネル300や第2タッチパネル305として、第1表示装置270や第2表示装置275の解像度と同じ解像度(検出精度)のものを利用する。
なお、第1タッチパネル300や第2タッチパネル305の解像度と、第1表示装置270や第2表示装置275の解像度が互いに一致していなくてもよい。また、第1タッチパネル300、第2タッチパネル305ともに多点検出可能なタッチパネルで構成することもできる。以下の本実施例において、第1タッチパネル300と第2タッチパネル305は、静電容量式タッチパネルのスイッチを用いた場合を説明する。
また、画像処理装置10については、操作を簡単にするために、他のスイッチ等を極力備えないようにして、第1タッチパネル300、第2タッチパネル305のみで操作可能なように構成すると好適である。
【0019】
第1振動部210と第2振動部215とは、エキサイタや振動モータやピエゾ素子や弱電流発生装置のような、プレイヤの触感に対応するフォースフィードバック手段(フォースフィードバック部)である。
第1表示装置270には、第1振動部210が設けられ、ゲーム進行に応じて、第1タッチパネル300にタッチしているプレイヤに振動を与える。第2表示装置275には、同様に、第2振動部215が設けられ、ゲーム進行に応じて、第2タッチパネル305にタッチしているプレイヤに振動を与える。
このようなフォースフィードバックの処理により、ゲームのプレイの臨場感を高めることができる。
【0020】
出音装置280はスピーカやヘッドフォン等であり、ゲーム進行に応じて、後述するオーディオプロセッサから出力された音声信号(音声情報)を、デジタルアンプ等で増幅して、スピーカやヘッドフォン等により音を出力する。
また、出音装置280とは別に、音声入力を行うためのマイクのような入音装置(図示せず)を備えていてもよい。
なお、本実施形態の画像処理装置10では、出音装置280が画像処理装置10の上部に設けられているが、これに限定されず、任意の箇所に設けることができる。
【0021】
識別情報読取部220は、例えば、光学式のバーコードリーダや2次元/3次元コードのリーダ、ICリーダ等である。
この識別情報読取部220は、後述する遊戯に用いるカード80(図2参照)に印刷されたバーコード、2次元コードなどの光学式のコードから又はカード80に内蔵されたROM/フラッシュメモリ等の記憶媒体から記憶内容を取得し、取得した記憶内容からカード80の種類であるカードID(Identification、識別情報)等を読み取る。
なお、図1によると、本実施形態の画像処理装置10では、識別情報読取部220が画像処理装置10の手前側略中央に設けられているが、これに限定されず、手前側であれば任意の箇所に備えることができる。
【0022】
コイン投入部250は、コインを投入するための装置である。本実施形態においては、プレイヤにより画像処理装置10の下部に設けられたコイン投入部250から投入されたコインはコイン検出部(図示せず)により検出される。
【0023】
カード出力装置230は、次回からカード80として用いることができるカードを払い出す(出力する)部位である。
カード出力装置230は、例えば、ゲーム実行後にカード出力口235から、カード80を排出する。カード出力装置230が出力するカード80は複数の種類が存在し、画像処理装置10の管理者がコイン投入部250と同様に鍵付きの筐体内にランダムに並べて補充しておくことができる。その上で、ゲーム終了時に、CPU100の指示により、カードをカード出力装置230から払い出す。
なお、カード出力装置230は、例えば昇華式のフォトプリンタ等のプリンタやフラッシュメモリリーダを備え、カードを印刷して出力することも可能である。これにより、新しい種類のカードを、すぐに出力することもでき、カードの在庫をもつ必要がないという効果が得られる。カード80に、不正防止のために、カードの出力時に暗号化された発行日、発行場所、カードID(Identification)等を印刷したり記憶したりして出力することができる。
【0024】
コイン投入部250は、カードバトルをプレイするために、ユーザが投入するコインやプリペイドカード等を検知し、所定のコインや金額を検知した場合、この信号を送信することができる部位(決済情報検出部)である。このコインとしては、実際の貨幣や遊戯施設で用いられるメダル等の経済的価値媒体を使用することができる。
また、コイン投入部250は、コイン等を保存しておくボックス等も備えている。画像処理装置10の管理者は、図示しない鍵を用いて筐体を開けることで、このボックスにアクセスすることができる。
【0025】
〔画像処理装置10の制御構成〕
次に、図2を参照して、画像処理装置10のハードウェアの制御構成について説明する。
画像処理装置10における制御装置(電子回路)の構成としては、CPU100(制御部、ゲーム実行部)と、記憶部110と、ブートROM130と、ペリフェラルI/F140(周辺機器接続インタフェイス手段)と、バスアービタ150と、GPU160(描画手段)と、グラフィックメモリ170と、オーディオプロセッサ180と、オーディオメモリ190と、通信I/F200と、第1振動部210と、第2振動部215と、識別情報読取部220と、カード出力装置230と、と、コイン投入部250と、第1表示装置270(表示部)と、第2表示装置275(表示部)と、出音装置280と、第1タッチパネル300(第1検出部、第1接触検出部)、第2タッチパネル305(第2検出部、第2接触検出部)とを含んで構成される。
【0026】
CPU100は、CISC(Complex Instruction Set Computer、複合命令セットコンピュータ)方式やRISC(Reduced Instruction Set Computer、縮小命令セットコンピュータ)方式のCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Siganl Processor)、ASIC(Application Specific Processor、特定用途向けプロセッサ)等である演算・制御能力を備えた制御手段である。
また、CPU100に、後述する記憶部110やGPU160やオーディオプロセッサ180等の機能を備えることも可能である。
さらに、CPU100は、プログラム111を用いて、第1タッチパネル300や第2タッチパネル305のタッチされている位置等を取得することもできる。
【0027】
記憶部110は、RAM(Random Access Memory)等の主記憶用に使われる高速な記憶手段と、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、SRAM(Static Random Access Memory)、磁気テープ装置、光ディスク装置等の補助記憶手段を含んで構成される。
記憶部110には、プログラム111と、データ112とが備えられている。また、記憶部110には、画像処理装置10をコンピュータとして機能させるためのOS(Operating System、図示せず)が備えられており、プログラム111等は、OSの各種API(Application Programming Interface)により、画像処理装置10の各機能にアクセス可能である。
プログラム111は、画像処理装置10を、CPU100が実行するためのゲームプログラムである。なお、プログラム111自体を、サーバ(図示せず)からダウンロードしてアップデート(内容更新)をしたり、ゲーム開始時にダウンロードしたりするような構成にすることも可能である。
データ112は、このカードバトルのプログラム111用の各種データであり、各ゲームキャラクタの表示用ポリゴンデータ、音楽データ等のゲーム実行に必要なデータを備えている。また難易度の設定等の情報も記憶することができる。
【0028】
ブートROM130は、ROM(Read Only Memory)やNOR型フラッシュメモリや擬似SRAM (PRAM:Pseudo SRAM)等の不揮発性記憶媒体である。ブートROM130は、画像処理装置10が起動する際に、CPU100のマイクロコードの設定を行ったり、各部の初期化を行ったり、記憶部110からOS等を起動し、プログラム111が実行されるような指示を行う。
また、通信I/F200のIPアドレス等を設定したり、各部の動作テストをしたり、コインやカードの枚数等をカウントするためのプログラムやデータを備えている。
【0029】
ペリフェラルI/F140は、各種周辺機器(ペリフェラル)に接続するための、USB、IEEE1394、シリアル、パラレル、赤外線、無線等のインタフェイスを提供する部位である。ペリフェラルI/F140には、画像処理装置10で使用する各種周辺機器が接続される。
ペリフェラルI/F140には、本実施形態の画像処理装置10においては、第1振動部210、第2振動部215、識別情報読取部220、カード出力装置230、コイン投入部250、第1タッチパネル300、第2タッチパネル305等を接続して用いることができる。
ペリフェラルI/F140には、更に、スティック型コントローラーや加速度検出器や振動装置等のフォースフィードバック装置、足踏み/手押し式のスイッチ、ディスプレイモニタの画面上の位置を検出する位置検出器、キーボード、マウスやトラックボール等のポインティングデバイス等を接続して用いることができる。
また、ペリフェラルI/F140は、電子スイッチ等を制御することもでき、各種周辺機器の電源を「オン」又は「オフ」にして消費電力を抑えたりすることもできる。さらに、画像処理装置10が内蔵する、図示しない照明灯のコントロールも可能である。
【0030】
バスアービタ150は、いわゆる「チップセット」等の、各部を接続するためのバスインタフェイスを提供する集積回路であり、CPU100等からのバスの使用要求に応じて、バスの使用権につき調停を行う部位(集積回路)である。
このバスアービタ150で接続される各部のバスのスピードは異なっていてもよく、上り/下りで非対称であってもよい。また、例えば、CPU100と、記憶部110と、バスアービタ150の間はFSBやHTといった高速なバスで接続され、GPU160とバスアービタ150の間も広帯域なバスで接続されるのが好適である。さらに、CPU100にDDR2/3 SDRAMやXDR DRAM等のバスインタフェイスが内蔵されて、記憶部110を直接読み書きするように構成されていてもよい。
【0031】
GPU160は、3次元CGを描画する機能をもつグラフィックプロセッサ(画像生成手段、画像生成部)である。GPU160は、ポリゴンのジオメトリ(座標)の計算を行うジオメトリ部162と、ジオメトリ計算が行われたポリゴンをラスタライズ/レンダリング(描画)するレンダリング部164とを含んで構成される。また、GPU160は、描画された画像を第1表示装置270や第2表示装置275に出力するため、RAMDAC(RAM D/Aコンバーター)やHDMIインタフェイス等を備えている。
【0032】
ジオメトリ部162は、ポリゴンの3次元空間での座標(ワールド座標)について、行列の回転や拡大等を行って、アフィン変換等を行い、ポリゴンの2次元空間での座標を求めるジオメトリプロセッサ等の機能を備える部位である。また、ジオメトリ部162は、ポリゴンの分割やスプライン補完等のテッセレーションを行う、「ジオメトリシェーダ」(又はバーテックスシェーダ)を備えることもできる。
レンダリング部164は、座標計算されたポリゴンについて、テクスチャと呼ばれる画像データを貼り付け、各種効果を加えてグラフィックメモリ170に描画するレンダリングプロセッサ等の機能を備える部位である。この各種効果としては、プログラマブル・シェーダ等を用いて、光点・影(シェーディング)計算、明暗の表現、半透明、ぶれ、霧、ぼかし、HDR(ハイダイナミックレンジ合成)等の計算を行うことができる。また、レンダリング部164が描画するポリゴンの種類としては、点ポリゴン(ポイント)、線ポリゴン(ラインリスト)、三角形や四角形といった面ポリゴン、面ポリゴンの集合体等がある。加えて、レンダリング部164がレイ・トレーシング等を用いて描画を行う際には、円、楕円、球、メタボール等の領域で定義される物体を描画することも可能である。
なお、ジオメトリ部162を、CPU100にて処理するように構成することも可能である。この場合は記憶部110に記憶するプログラムをCPU100が実行して作成したポリゴンの座標を、グラフィックメモリ170に転送等を行う。レンダリング部164は、このポリゴンの座標に従って、ポリゴンを描画する。
【0033】
グラフィックメモリ170は、GPU160(グラフィック・プロセッサ)が描画するために高速に読み書きができる記憶媒体である。
たとえば、このグラフィックメモリとして、GDDR(Graphics Double Data Rate(グラフィックス・ダブル・データレート))等の広帯域なメモリを高レベルのメモリインターリーブ等を用いて接続することができる。
また、システムLSIのようにグラフィックメモリをGPU160に内蔵する構成も可能である。
また、GPU160が描画している間に、第1表示装置270及び/又は第2表示装置275に表示するためのデュアルポート構成をとることも可能である。
【0034】
オーディオプロセッサ180は、音楽や音声や効果音を出力するためのPCM(Wave)音源等を備えたDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)等である。オーディオプロセッサ180は、物理演算音源、FM音源等の計算を行い、残響や反射等の各種音声効果を計算することもできる。オーディオプロセッサ180の出力は、D/A(デジタル・アナログ)変換され、デジタルアンプ等に接続されて、出音装置280(例:スピーカなど)で音楽や音声や効果音として再生される。また、オーディオプロセッサ180は、マイクから入力した音声の音声認識等にも対応することができる。
オーディオメモリ190は、音楽や音声や効果音のためのデジタル変換されたデータを記憶している記憶媒体である。オーディオプロセッサ180とオーディオメモリ190とを一体的に構成することも当然可能である。
【0035】
通信I/F200は、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)、WAN(ワイド・エリア・ネットワーク)等のネットワークに接続するためのインタフェイスである。通信I/F200は、例えば、WiMax(登録商標)、c.Link(登録商標)、HDMI(登録商標)、有線/無線LAN、電話線、携帯電話網、PHS網、電灯線ネットワーク、IEEE1394等を用いることができる。
通信I/F200を介して、画像処理装置10は、他の画像処理装置(図示せず)やサーバ(図示せず)と通信することができる。これにより、例えば、通信可能に接続されている他の画像処理装置のプレイヤとの対戦ゲーム(対戦などの競争を行うゲーム)や、共同ゲーム(協力して課題を解決するゲーム)をすることができる。また、複数の画像処理装置が通信可能に接続されることで、サーバを介して、ゲームスコア(点数、得点等)の集計や、他の遊戯施設に配置された画像処理装置との間で対戦ゲームを行ったり、ランキングを集計したりすることが可能である。
【0036】
なお、上記のような画像処理装置10のハードウェア構成は単なる一例に過ぎず、本発明は、表示装置を備える任意のコンピュータシステムに適用することができる。
また、本発明のゲームプログラムは、上述の説明の他にメモリカード等の外部記憶媒体やネットワーク等を通じてコンピュータシステムに供給することもできる。
【0037】
〔画像処理装置10のデータ112の構成〕
(ゲームキャラクタの属性)
次に、図3を参照して、データ112における各ゲームキャラクタの属性の構成例について説明する。本発明の実施の形態に係る画像処理装置10のカードバトルにおいては、それぞれのゲームキャラクタについて、カードバトル時に計算するための基本値(基本情報)が設定されている。
【0038】
カードIDD101(キャラクタ識別情報)は、識別情報読取部220で読み取った上述のカード80のIDである。このカードIDは、各ゲームキャラクタの種類を示すためのIDである。また、このカードIDは、表示処理時に使用する文字列等にて、各ゲームキャラクタを識別可能なように記憶することができる。
【0039】
攻撃値D102は、カードバトル時に相手のゲームキャラクタに与えることができるダメージの値を記憶している。このダメージにより、相手のゲームキャラクタへの攻撃時に相手側デッキのHP(ヒットポイント)の減少量を変化させることができる。
【0040】
防御値D103は、カードバトル時に相手のゲームキャラクタから与えられたダメージを相手のゲームキャラクタの攻撃値D102に基づくダメージ値を減らすための値を記憶している。
【0041】
すばやさD104は、対戦相手のゲームキャラクタへの攻撃の成功率(攻撃率)や、対戦相手のゲームキャラクタからの防御の成功率(回避率)等を計算する際に用いる値を記憶している。
【0042】
レベル値D105(レベル値)は、そのゲームキャラクタのカードバトル上での強さを示す「レベル」の値を記憶している。このレベル値の概略的な値は、カード80に、星印の数等のランク(段階)を示す「レベルスター」のような図形形式(ピクトグラム)で印刷されており、プレイヤPが閲覧することができる。このレベルが高くなるにつれてレベルスターの数も増えるように表現する。たとえば、最大レベルを星の数を3つまでとして表現可能である。
【0043】
所属属性D106(所属属性情報)は、攻撃や防御の「相性」として対応するゲームキャラクタ同士の戦闘に用いたり、攻撃の種類を変化させたり、合体時の攻撃に関係したりする属性を記憶している。
【0044】
特殊技D107(特殊技情報)は、ゲームキャラクタそれぞれに設定された特殊攻撃のIDである。CPU100は、ゲームの進行やプレイヤの指示応じて所定の割合にてこの特殊攻撃を行う。この特殊攻撃によって、カードバトル時に通常与えることができるダメージ以上のダメージを相手に与えたり、HPの回復や召還といったゲームの戦略上に特殊な効果を得ることができる情報を記憶している。
【0045】
合体時技D108(合体時技情報)は、後述のガッツ値の値が所定値以上になり合体した場合に行う特殊攻撃の構成を記憶している。この合体時の特殊攻撃としては、このゲームキャラクタの合体時における所定条件(例えば、合体時においてゲームキャラクタが合体キャラクタのどのポジション(体の部位)に位置するか)により選べる技を選択することができる。すなわち、合体時に「頭」になった場合には、ドリルのように回転して相手のゲームキャラクタを切り裂くような技が使えるといった特殊攻撃を用いることができる。
【0046】
(デッキの属性)
次に、図4を参照して、プレイヤ又は対戦相手が本実施形態のカードバトルで用いるカード80の組み合わせ(以下、「デッキ」と呼ぶ。)における、データの属性の構成例について説明する。
グループD201(グループ情報)は、操作するためのゲームキャラクタのデッキを指定するためのフラグの値を記憶している。ここでは、プレイヤPのデッキと、CPU100がプログラム111にて操作するデッキを用いる例について説明する。
【0047】
HPD202(ヒット・ポイント情報)は、デッキのHP(ヒット・ポイント、体力)の値を記憶している。HPはヒットポイントのことで、本発明の実施の形態に係る画像処理装置10のカードバトルにおいては、上述したようにカードバトル開始時には、敵デッキ、味方デッキとも一定の例えば100(%)といった所定の値を設定する。このHPが0(%)以下になった方がカードバトルでの負けとなる。
このように、カードバトルにおいて、初期値として敵味方が同じ値のHPD202のHPを持つことで、プレイヤPが公平感を持ってカードバトルを行うことができ、特にプレイヤPの対象年齢が低い場合には分かりやすくゲームの戦略性を実感しやすくなるという効果が得られる。
【0048】
合体パワーD203(デッキ合体値情報)は、デッキの各ゲームキャラクタが合体した際のつよさを示す値である「合体パワー値」を記憶している。
合体パワーの値は、HPとは異なり、各ゲームキャラクタのレベル値D105の合計を基にCPU100が計算する。具体的には、CPU100は、読み込み順D206、デッキ値D207、ステージ値D208、デッキの各カードIDのすばやさD104の値の合計等であるスピード値を基に決定される。
このため、HPを敵味方で同じ値としても、バリエーションのあるカードバトルを展開することが可能になる。
【0049】
合体フラグD204(合体状態設定値)は、合体しているか否かについての値を記憶している。この合体フラグD204の値は、ゲームの進行に従い、例えば0の場合には合体しておらず、例えば1の場合には合体していることを示すことができる。
なお、合体フラグD204の値は0又は1に限られず、この値を変化させることで、複数のレベルの合体のレベルを定義することも可能である。
たとえば、合体パワーD203の値が増えると、合体フラグD204の値を増やし、より強力な合体時のゲームキャラクタに変化するといった処理が可能である。
【0050】
合体IDD205(合体ゲームキャラクタ識別情報)は、合体時のゲームキャラクタを示す値を記憶している。合体時のゲームキャラクタは、ゲームキャラクタの組み合わせにより、カード80に係る通常のゲームキャラクタよりも攻撃値D102等の属性値を大きくすることができる。
しかしながら、ゲームキャラクタの組み合わせにより合体する前のゲームキャラクタの属性値の合計より低くする、「ハズレ」の組み合わせになることもある。
これにより、プレイヤPに合体の組み合わせを試行錯誤するためのモチベーションを与え、ゲーム性を高めることができる。
【0051】
読み込み順D206(読み込み順序情報)は、カード80から読み取ったカードIDの値を記憶している。すなわち、デッキに係る値を記憶している。
また、このカードIDの順番により、合体時に頭、胸、腹といったどの部分がどのゲームキャラクタの属性を備えるのかと、合体時のゲームキャラクタの種類そのものを変化させることができる。
これによっても、プレイヤPに合体の組み合わせを試行錯誤するためのモチベーションを与え、ゲーム性を高めることができる。
【0052】
デッキ値D207(デッキ情報)は、読み込み順D206に記憶されたカードIDの組み合わせとなる、「デッキ」の特徴に係る値を記憶している。以下、この「デッキ」の特徴に係る値を「デッキ値」とする。
このデッキ値D207は、スキャンされた各カードIDの組み合わせによるランク(レベル)のような値を記憶しており、これにより合体パワーD203のような値を計算することができる。このデッキ値は、例えば、各カードIDのレベル値D105が高く、同種の属性を持つ等の条件により高い値となる。
【0053】
ステージ値D208(ステージ情報)は、ステージの特徴と、デッキとステージの関係とにより計算される「ステージ値」を記憶している。具体的には、密林、夜の水辺、アリーナといったステージにおいて、各デッキにより「苦手」「得意」といったポイント付加に関係する値を、ステージ値として記憶することができる。たとえば、デッキの各カードIDの所属属性D106が「メカ(機械)」であった場合には、水辺のようなステージは「苦手」になる。また、昼行性、夜行性といった差を表現することも可能である。
これにより、カードバトルにバリエーションを与えることができ、カードを選択する戦略性を高めることができる。
【0054】
トラップフラグD209(罠設定情報)は、敵デッキのゲームキャラクタからの攻撃時に仕掛ける「シールドトラップ(罠のオブジェクト)」の対象となる読み込み順を示すフラグである。このシールドトラップにより、攻撃を受けたゲームキャラクタのミニゲームにおけるメーターの動きや、後述するガッツ球やダメージボールの動き、パラメータ等を変化させることができる。
また、トラップフラグD209の値を「0」のような値とすることで、トラップ(罠)が設置されていない非設置状態を示し、さらに「−1」のような値を用いることで使用できない(「割れた」)使用不可状態等を設定することができる。
【0055】
つよさ値D210は、デッキの各カードIDに係る「つよさ値」をそれぞれ記憶している。それぞれの「つよさ値」は、各カードIDによるレベル値D105と、デッキの各カードIDの組み合わせ等により、所定の基準値内で変動させることができる。
【0056】
ガッツ値D211は、デッキの各カードIDのゲームキャラクタが合体するのに必要なガッツ値(合体時の設定条件情報、合体値)を記憶している。
このガッツ値は、後述する攻撃ミニゲームにて、「ガッツ球(第2のオブジェクト)」オブジェクトをプレイヤがタッチすることで値が所定値ごと蓄積させるようにCPU100が計算する。このガッツ値が所定値(例えば、100)溜まることで、デッキのゲームキャラクタが合体する。
【0057】
なお、上述のデッキにおいては、プレイヤPが味方デッキ、CPU100がプログラム111にて操作するデッキが敵デッキとして説明したが、これに限られない。複数のデッキ間で対戦することも可能である。
【0058】
〔画像処理装置10のプレイ処理〕
ここで、図5のフローチャートを参照して、図2の画像処理装置10のユーザであるプレイヤPが画像処理装置10を用いて、具体的に画像処理装置10にてカードバトルのゲームをプレイする際の流れについて説明する。
このプレイ処理においては、主にCPU100のような制御手段が、記憶部110に記憶されたプログラム111やデータ112のようなハードウェア資源を用いて、具体的な処理を実行する。
【0059】
(ステップS101)
まず、CPU100は、プレイ開始処理を行う。
具体的にゲームを行う場合、プレイヤPは、コイン投入部250にコインをする決済、又は、プリペイドカード等による決済を行う。
ここでは、最初にCPU100は、ペリフェラルI/F140を介して、コイン投入部250を用いたコイン投入により、又はプリペイドカードにより決済が行われたことを検知する。
CPU100は、決済が行われたことを検知すると、処理をステップS102に進める。
それ以外の場合は、CPU100は、コインやプリペイドカードの投入について指示する画面を第1表示装置270と第2表示装置275に表示したり、オーディオプロセッサ180から出音装置280に音声を出力したりする。
決済が行われていない状態では、CPU100は、デモンストレーション画面を第1表示装置270と第2表示装置275に表示して、プレイする者の興味を惹くようにすることができる。
この際には、CPU100は、音声を出力しないことで、画像処理装置10がプレイされていないことをプレイヤPに分からせることもできる。
【0060】
(ステップS102)
ここで、CPU100は、ユーザの指示に従ってゲームモードの選択を行う。
本発明の実施の形態に係る画像処理装置10においては、例えば、対CPU戦モード、チュートリアルモード、対人戦モード、カード購入モードといったゲームモードを選択可能である。これらのモードは、それぞれ、CPU100との対戦、実際にCPU100と簡単な対戦をさせながらゲームの仕方を学ばせる、他のプレイヤとの対戦、カード購入のみ行うといったゲームモードに対応している。
これらのゲームモードについては、CPU100がGPU160を用いて、第1表示装置270や第2表示装置275に描画した画面を基に、プレイヤPに選択を促す指示をする。この際に、それぞれのモードと対応した「ひとりであそぶ」「はじめてあそぶ」「ともだちとあそぶ」「カードをかう」といった分かりやすい文字とアイコンのアニメーション等を表示して、子供でも迷わずにゲームモードを選択させることが可能である。
プレイヤPによる第1タッチパネル300又は第2タッチパネル305によるタッチを検知して、ゲームモードを選択すると、CPU100は、それぞれの処理を行う。
【0061】
〔対CPU戦ゲーム処理〕
(ステップS103)
ここで、本発明の実施の形態に係る詳細なゲーム処理について、ゲームモードが対CPU戦である場合の例について説明する。
【0062】
このゲーム処理の例においては、CPU100が、記憶部110のプログラム111の具体的にゲーム上の処理を行う部位を実行する。以下で、本発明の実施の形態に係る画像処理装置10にて、「カードバトル」を行うゲームを実行する。
このカードバトルは、プレイヤPが操作する、本実施の形態では複数枚数、例えば3枚のカード80に対応するゲームキャラクタを味方のデッキとして、例えば敵(対戦相手)が指示する同数の敵ゲームキャラクタの敵のデッキとの間で模擬的な「戦闘(バトル)」を行う。
ここでは、味方又は敵デッキへの攻撃、防御、特殊攻撃(特殊技)等の指示に従った処理を1つの「ターン」として繰り返し、この処理における結果を基にゲームを進行させる。
より具体的には、味方と敵のそれぞれのデッキに設定された、HP(ヒット・ポイント)と呼ばれる値を、各ターンにおいて減少又は増加させ、先に相手のHPを所定値(例えば、"0"以下)にしたデッキが「勝ち」になる。
【0063】
本発明の実施の形態に係るカードバトルにおいては、敵、味方とも、各ゲームキャラクタにはガッツ値と称する値が設定されており、各ターンの処理の結果により、敵、味方に設定されたガッツ値の合計を増加又は減少させることができるという特徴を備えている。
そして、敵、味方いずれかのガッツ値が所定値を超えると、各ゲームキャラクタが合体し、特別な攻撃を指示することができる。
各デッキのゲームキャラクタが合体した状態では、攻撃により敵ゲームキャラクタに与えるダメージを大きくすることができる。これにより、ゲームの進行を早め、画像処理装置10の稼働率を高めることができる。
また、合体処理により、「合体」するというゲームの進行上の目標ができ、単調なカードの選択による攻撃よりも戦略性を高めることが可能である。これにより、ゲームの臨場感やゲームの面白さを向上させることができる。
【0064】
カードバトルのゲームの進行においては、プレイヤPは、各ターンにおいて、各味方ゲームキャラクタが攻撃する敵を、例えば、第1タッチパネル300や第2タッチパネル305にて指示する。
これに対して、敵ゲームキャラクタが攻撃する味方キャラについては、ゲームモードが対CPU戦モードとチュートリアルモードの場合は、CPU100がAI(人工知能)を用いて指示を与える。また、対人対戦モードの場合は、対戦相手が図示しない他の画像処理装置からネットワーク経由で指示を与える。
【0065】
CPU100は、この指示に基づいて、敵ゲームキャラクタと味方ゲームキャラクタが「エンカウント」(遭遇)し、具体的な戦闘(バトル)を行うような表示等を行う処理をする。この際に、プレイヤPのタッチのタイミングを基に、攻撃のヒットの成功及び/又は不成功やHPやガッツ値における値の増減量が変化する、タッチスクリーンを用いた攻撃力決定処理である「ミニゲーム」と呼ばれる処理を行う。
【0066】
これらの敵、味方への指示と具体的な戦闘の様子は、CPU100が、所定時間単位(例えば1/60秒)毎に計算を行い、リアルタイムにゲームの進行に反映させる。
さらに、CPU100は、この変化を、GPU160を用いて第1表示装置270や第2表示装置275上に描画する。
また、CPU100は、オーディオプロセッサ180を用いて、出音装置280から効果音やBGM(バックグラウンドミュージック)を出力させる。
また、攻撃のヒット時や敵の選択時に、第1振動部210や第2振動部215を用いてプレイヤPにフォースフィードバックを行う。
ゲームの終了条件が満たされると、CPU100は、ゲーム処理を終了する。
【0067】
なお、画像処理装置10は、いわゆるマルチプラットフォームであり、画像処理装置10は、複数の種類のゲームを選択してプレイすることができる。この際に、プレイヤPの選択に従って、プログラム111自体をサーバからダウンロードして実行するような構成も可能である。
また、プレイヤPがゲームをプレイしている際には、サーバを介して、図示しない大型表示装置にプレイ内容を表示して、より迫力あるプレイを楽しむこともできる。
以下で、図6のフローチャートを参照して、ステップS103における、具体的な対CPU戦ゲーム処理について説明する。
【0068】
(ステップS201)
まず、CPU100は、カード払い出し処理を行う。
本発明の実施の形態に係るカードバトルにおいては、決済が行われた後で、CPU100が、カード出力装置230を用いて、例えば1枚のカード80を、カード出力口235(図1)より出力する。これにより、プレイヤPにゲームをプレイするモチベーションを与え、カードをコレクションする楽しみを与え、カードバトルにおける攻撃等のバリエーションを増やして飽きさせないようにすることができる。
また、カード80は、カードバトルにおける複数のゲームキャラクタに対応した種類があり、カードバトルにおいてプレイヤPが操作するためのゲームキャラクタの名称や画像や属性といったカードバトルに関連する項目の情報が可視的に描かれている。また、カード80には、バーコード等により画像処理装置10にてカードID等を取得可能な情報も印刷してあるか、又はIC等の記憶媒体に記憶されている。
このカード80に記載するゲームキャラクタとしては、例えば、現実の昆虫のようなゲームキャラクタの他にも、機械的な形状のゲームキャラクタや、透明な体や宝石などの形状であったりするファンタジー的な形状のゲームキャラクタ、想像上の地球外生物的な形状のゲームキャラクタ等を用いることができる。
また、カード80にICチップ等の記憶媒体を備えている場合には、ゲームに係るデータを暗号化して保存することもできる。このゲームに係るデータとしては、カード80の各ゲームキャラクタのレベル、所有するアイテム、ランキング等のデータを保存することができる。
なお、カード80のような遊戯媒体には、カード状の遊戯媒体の他に、フィギュア等の3次元形状の物体についても用いることができる。この場合は、フィギュア等の3次元形状の物体の接地面に、例えば2次元コードのような光学式のコードを印刷したり、ICチップを埋め込むことが可能である。
また、カード出力装置230に予備のカードが装備されていなかった場合には、サイレンや第1の表示装置及び/または第2の表示装置等で遊戯施設の店員(スタッフ)に、カードを補充する旨の情報を出力し、カードを補充するように促すことができる。その場合に、投入した決済金額を返金する処理を実行させることも可能である。
【0069】
(ステップS202)
次に、CPU100は、デッキ設定処理を行う。このデッキ設定処理においては、CPU100は、カードバトルのステージを決め、プレイヤPのカードのスキャンを行い、各値について計算し、プレイヤPのデッキの各属性の値を計算し、スピード値により先攻/後攻を決定する。
【0070】
(ステップS203)
ここで、図6を再び参照して説明を続ける。ステップS203において、CPU100は、カードバトル初期化処理を行う。
具体的には、まず、CPU100は、味方デッキにおけるそれぞれのカード80に対応するゲームキャラクタのデータを記憶部110のデータ112から読み出して、変数値として記憶する。この際に、ガッツ値D211も0に初期化する。
また、味方デッキの各HPD202を初期値に設定し、合体パワーD203を、各ゲームキャラクタのカードIDから求める。
【0071】
そして、CPU100は、選択されたゲームキャラクタのデータをデータ112から読み出し、味方デッキと同様に、敵デッキの初期値の設定を行う。
さらに、CPU100は、データ112から各ゲームキャラクタの画像データ、味方ゲームキャラクタや敵ゲームキャラクタのアニメーションデータ、ステージに関するポリゴン(多角形)背景データ等も読み出して、利用可能な状態で主記憶やグラフィックメモリ170に配置(展開)する等の処理を行う。
なお、CPU100は、ゲームモードが対人戦モード等の場合、すなわち対戦相手のプレイヤとカードバトルを行う場合には、対戦相手のプレイヤが敵デッキとして選択したゲームキャラクタをデータ112から読み出す。
このデータ読み出しを終了すると、CPU100は、各ターンに係る具体的なカードバトルの進行の処理を開始する。
【0072】
(ステップS204)
次に、CPU100は、エンカウント処理を行う。
このエンカウント処理は、各ゲームキャラクタによる具体的なカードバトルを行う処理である。
CPU100は、上述の先攻/後攻の設定に従って、交互に対戦させる敵デッキと味方デッキのゲームキャラクタの組を選択する「エンカウント」を行い、選択された組によりカードバトルを行う。この際に、ミニゲームによりHPやガッツ値を変化させ、各種ゲームに係る出力を行う。この一連の流れを、1ターンとよぶ。
なお、1ターンあたり、敵デッキ及び味方デッキにおける各ゲームキャラクタは、それぞれ1回ずつ、相手のデッキのゲームキャラクタを攻撃する。すなわち、タッチパネル画面(タッチスクリーン)上に表示されるサイズが変化するオブジェクトをプレイヤがこすることで操作するゲームキャラクタの攻撃力が決定され、決定された攻撃力によって相手のHPを減らすことでゲームが進行する。
以下で、図7のフローチャートを参照して、このエンカウント処理の具体的な処理について詳しく説明する。
【0073】
(ステップS301)
まず、CPU100は、該ターンにおいて、各プレイヤのエンカウント処理の初期設定であるエンカウント開始処理を行う。具体的には前記ステップS202で設定された先攻/後攻によって該ターンの攻撃プレイヤPが決定され、また前記ステップS203で設定されたデッキ初期値に応じてHP、ガッツ値などを設定し、各パラメータに応じてプレイヤの操作するオブジェクト400の初期回転速度、及び初期表示サイズを決定する。また該プレイヤPの入力処理を行う時間であるタイマー値を設定する。実施例ではタイマー値は5秒として、その時間の間プレイヤはスクリーンである第2表示装置275に併設された第2タッチパネル305にタッチ入力を行うことで攻撃力を決定することができる。各プレイヤはこの制限時間であるタイマー値の時間内に正確かつ素早くタッチパネルに入力を行うことで表示されるオブジェクト400をどこまで早く回転させるかを目的としたミニゲームを行う。
このとき、オブジェクト400の初期回転速度、及び初期表示サイズは常に一定でも良いし、また各パラメータの値(HP、ガッツ値など)に応じて変更しても良い。
【0074】
(ステップS302)
CPU100は、前記ステップS301で設定されたプレイヤPの操作するオブジェクト400の初期回転速度、及び初期表示サイズに基づいて、第2表示装置275に操作オブジェクト400を表示する。
【0075】
(ステップS303)
この上で、CPU100は、第2表示装置275とあわせて設置された第2タッチパネル305へのプレイヤPの操作入力状況を演算により求める処理を行う。
具体的には、内部処理の単位時間の間の座標の変化量を求める。当該実施例では、画像表示処理の単位の基準となる1/60秒である1フレームを示す時間とするが、必ずしも1フレームである必要は無く、例えば複雑な描画処理などで演算に時間が掛かる場合は2フレームを単位時間としても良い。
【0076】
(ステップS304)
この実施例においては、図8に示したように前フレーム時にタッチした点の座標T1から、現在のフレーム時においてタッチされている点の座標T2との差異を求め、差異を元にタッチ点の座標データ変化量のベクトル値を求め、該ベクトル値に応じて変化量算出処理を行っている。
当該実施例では、タッチ座標は表示されているオブジェクト400に重なる範囲のみを有効としている。即ち、オブジェクトが表示されていない部分をタッチしても、座標データ変化量を求める対象としては無効となる。これにより遊戯者であるプレイヤは常に画面状のオブジェクトの表示を確認しながら入力を行うこととなり、より操作に対して集中することとなり、ゲームへの没入感が高まる。
【0077】
(ステップS305)
CPU100は、前記座標データ変化量に応じてオブジェクト400の回転速度を変更する処理を行う。
この場合、例えばステップS203で設定された各プレイヤPのデッキパラメータに応じて、座標データ変化量に対するオブジェクト400の回転速度の変化を加減しても良い。例えばデッキの組合せによって設定された合体パワーD202の大きさに応じて回転速度の変化計数を変化させることなども可能である。
当該実施例では、前記ステップS304でも説明したとおりタッチスクリーンのオブジェクト表示範囲のみで座標データ変化量を検出するため、該オブジェクトの表示サイズの変化を確認しながら、より素早く入力を行うこととなり、更にゲームへの没入感を高めることが出来る。
また、当該実施例では座標データ変化量のベクトルをオブジェクト回転速度パラメータに反映させ該オブジェクトを仮想空間中で回転(自転)させる表示処理を行っても良い。この場合、座標データ変化量の方向によって、該オブジェクトの回転方向及び速度が変化する為、プレイヤはより正確かつ素早いタッチ入力が求められることとなり、よりゲームへの没入感を高めることが出来る。なお、座標データ変化量からオブジェクト回転速度パラメータを変化させる方法の一例として、座標データ変化量をオブジェクトの表面上に座標T1及びT2を投影してえられる2つの3次元座標の変化とし、更にオブジェクトを静止させるよう働く仮想的な摩擦力を該オブジェクトに常に付加させることで、座標データ変化量から摩擦力に抗して付加された加速度を算出することができ、この加速度に基づいてオブジェクトの回転速度を変化させることができる。更に、オブジェクト表示サイズが回転速度に比例するようにしてもよい。この場合、回転速度が速いほどオブジェクトは大きく表示され、遅いほどオブジェクトは小さく表示される。
【0078】
(ステップS306)
CPU100は、前記座標データ変化量に応じてオブジェクト400の表示サイズを変更する処理を行う。
この場合、例えばステップS203で設定された各プレイヤPのデッキパラメータに応じて、座標データ変化量に対するオブジェクト400の表示サイズの変化を加減しても良い。例えばデッキの組合せによって設定された合体パワーD202の大きさに応じて表示サイズの変化計数を変化させることなども可能である。
当該実施例では、前記ステップS304でも説明したとおりタッチスクリーンのオブジェクト表示範囲のみで座標データ変化量を検出するため、該オブジェクトの表示サイズの変化を確認しながら、より素早く入力を行うこととなり、更にゲームへの没入感を高めることが出来る。更に、オブジェクト表示サイズが回転速度に比例するようにしているが、さらにステップS202、ステップS203で設定された各種パラメータ値を反映するようにしてもよい。この場合、同じ回転速度であっても各種パラメータ値が大きいほどオブジェクトは大きく表示され、小さいほどオブジェクトは小さく表示される。
【0079】
(ステップS307)
CPU100は、前記変更したオブジェクト表示サイズが予め設定された表示サイズ適正値の範囲内か否かを判断する。この場合、必ずしも表示サイズ適正値の範囲は固定である必要は無く、ステップS203で設定された各プレイヤPのデッキパラメータに応じてサイズ上限/下限を変更しても良い。
【0080】
(ステップS308)
CPU100は、オブジェクト表示サイズを予め定められた適正範囲の上限/下限まで補正を行う。
【0081】
(ステップS309)
CPU100はステップS301にて設定されたプレイヤPの攻撃時間の残量を示すタイマー値を1単位時間分減算し、残タイマー値が0になったか否かを判断する。
ここでタイマー値が0より大きい場合はオブジェクト表示処理S302まで戻り、ここまでの処理をループにて行う。
この実施例においては、図9に示したように前のフレーム時よりもオブジェクト表示サイズが大きくなった場合、表示手段に表示されるオブジェクト400は大きくなる。
また、当該実施例では、ループ処理の際にオブジェクトの回転速度及び表示サイズがそれぞれ初期回転速度及び初期表示サイズよりも大きい数値の場合、ループ処理時に所定の数値分減少させるような処理を行っても良い。その場合では、タイマー値が残っている間、即ち攻撃中の間は常にプレイヤは画面に表示されたオブジェクトの回転速度(回転方向)及び表示サイズ(表示範囲)に注意しながら入力を行うこととなり、より操作に対して集中することとなり、ゲームへの没入感が高まる。
ここでタイマー値が0、即ち攻撃が終了した場合、当該攻撃が終了したこととなり次のステップS309に処理を移行する。
【0082】
(ステップS310)
ここで、該プレイヤPの攻撃力が決定される。
CPU100はオブジェクト400の表示サイズパラメータ、及び/又は回転速度パラメータに応じてプレイヤPの攻撃力が決定され、ゲームの進行状況に応じて対戦相手のデッキのHPを攻撃力及びステップS203にて決定された各パラメータに応じて減算する。
以上により、エンカウント処理を終了する。
【0083】
(ステップS205)
ここで、再び図6を参照して、対CPU戦ゲーム処理についての説明を続ける。
エンカウント処理の後、CPU100は、味方又は敵のHPが所定値以下(例えば、"0"以下)になったか判定する。すなわち、敵又は味方のデッキのHPD202の値が所定値以下になっているかを判定する。
Yes、すなわち、味方又は敵のHPが所定値以下になったとき、CPU100は、処理をステップS206に進める。
No、すなわち、まだ味方又は敵のHPが所定値よりも大きいとき、CPU100は、処理をステップS204に戻し、次のターンの処理を行う。
【0084】
(ステップS206)
味方又は敵のHPが所定値以下になった場合、CPU100は、勝利であるかを判定する。すなわち、CPU100の敵デッキのHPD202の値が所定値以下になっている場合には、勝利であると判定し、それ以外の場合にはゲームオーバーと判定する。
Yes、すなわちプレイヤPの味方デッキの勝利である場合、すなわちCPU100は、処理をステップS207に進める。
No、すなわちゲームオーバー(ゲーム終了)の場合は、CPU100は、処理をステップS208に進める。
【0085】
(ステップS207)
プレイヤPの味方デッキが勝利である場合は、CPU100は、スコア・称号表示処理を行う。
具体的には、まず、CPU100は、相手に与えたダメージの量、ターンの回数、味方デッキ又は敵デッキの構成、合体したか否かといったカードバトル時の条件、敵デッキに勝利した回数、等により、スコア(得点)を計算する。
また、CPU100は、このスコアの大きさにより例えば、「ムシおう」「ムシたいしょう」「ムシたいい」「ムシそうちょう」「ムシぐんそう」「へいたいムシ」といった称号を与えるかどうかについて計算する。
そして、CPU100は、第1表示装置270と第2表示装置275とに、それらのスコアと称号を表示する。
CPU100は、高いスコアの場合には、特別なアニメーションを表示し、ファンファーレといったBGMを演奏する、すなわちプレイヤを賞賛する音楽を出音装置280から出力するといった演出も行う。
その後、CPU100は、処理をステップS203に戻して、別の敵デッキのデッキを用いたカードバトルを行わせる。この際に、味方デッキの苦手な敵ゲームキャラクタが選択するように、難易度を高めてもよい。
なお、1つのコイン投入部250による決済において、所定回数(例えば、3回)、カードバトルを行わせるように構成してもよい。その場合は、「1回戦」「決勝戦」「ボーナス戦」として、回数毎に称号を大きくするような演出も可能である。また、「ボーナス戦」で勝利した場合に、勝利を称えるエンディングのアニメーション等を表示することも可能である。
【0086】
(ステップS208)
ここで、ゲームオーバーとなった(ゲーム終了と判断された)場合は、CPU100は、ゲームオーバー処理を行う。具体的には、CPU100は、「ゲーム終了」の旨の表示を、GPU160を用いて第1表示装置270と第2表示装置275に表示する。また、CPU100は、オーディオプロセッサ180を用いて、「ゲーム終了」の際のBGMを出音装置280から出力することもできる。この際に、プレイヤPがコイン投入部250にて決済を行うこと(いわゆる「コンティニュー」)により、同じ敵のデッキに対して、カードバトルを行うこともできる。
なお、CPU100は、称号に応じて、追加のカード払い出し処理を行ってもよい。この場合は、CPU100は、カード出力装置230を用いて、画像処理装置10の下部等に備えられたカード出力口235からカード80を出力する。このカード80の選択は、上述したように、ランダムに選択してもよいし、得点や称号によって出力する枚数やカードの種類を変更してもよい。たとえば、スコアや称号が高ければ、あまり流通させない「レアカード」を出力することもできる。
また、上述のスコア・称号表示処理と同様に敗北の場合でも、スコアや称号を計算して、表示することも可能である。この場合は、スコアは勝利の場合よりも、少なく計算する。
ゲームが終了すると、CPU100は、ゲームの成績を含むデータをサーバに送信することもできる。
以上により、対CPU戦ゲーム処理を終了する。
【0087】
〔チュートリアルゲーム処理〕
(ステップS104)
ここで、再び図5を参照してプレイ処理の説明を続ける。
ゲームモードがチュートリアルモードであった場合は、CPU100は、ステップS104において、チュートリアルゲーム処理を行う。
具体的に、このゲームモードにおいては、CPU100は、対CPU戦ゲーム処理と同様な処理を行いつつ、画像処理装置10の初心者のプレイヤに具体的なカードバトルの遊び方を説明する。このため、攻撃指示処理やエンカウント処理の各ミニゲーム時に文章やアニメーション等を表示して、どのようにタッチを行うのか、やゲームキャラクタの選択方法等について説明する。
また、チュートリアルゲーム処理においては、敵のデッキで選択されるデッキを、味方のデッキのデッキよりも弱い、すなわち相性が悪いものにすることもできる。これにより、難易度を下げることが可能である。また、敵のデッキが攻撃指示でランダム等、戦略性なく選択することもできる。
さらに、チュートリアルゲーム処理においては、一度勝利しても、そのままゲームオーバー処理を行い、「つぎは、ひとりであそぶか、おともだちとたいせんしてね!」といったメッセージを表示して、プレイ処理を終了する。
【0088】
〔対人戦ゲーム処理〕
(ステップS105)
ゲームモードが対人戦ゲーム処理であった場合は、CPU100は、対人戦ゲーム処理を行う。
この対人戦ゲーム処理においては、CPU100は、図示しないサーバや他の画像処理装置10で操作を行っている対戦相手のプレイヤの指示に従って、敵デッキの攻撃指示処理を行う。この上で、各ミニゲームや攻撃の結果等を、そのサーバや他の画像処理装置10と同期させる。
この対人戦ゲーム処理においても、一度勝利しても、そのままゲームオーバーの処理を行う。また、プレイヤPか対戦相手のプレイヤがコンティニューを行った場合には、それぞれのデッキを変更してカードバトルを続行可能である。
【0089】
〔カード購入処理〕
(ステップS106)
プレイヤPはカードバトルのゲームを行わずに、画像処理装置10にて、カード80の購入のみを行うことも可能である。この処理では、CPU100は、投入金額に従って、カード出力装置230からカードを出力する処理を行う。この際に、通常のカードバトルをする際よりも多くのカードを出力するようにしてもよい。
なお、画像処理装置10のユーザであるプレイヤPが画像処理装置10を用いてゲームを始める場合には、カード購入処理によらず、複数枚のカード80を図示しない販売機等を用いて購入することも可能である。
また、ステップS102のゲームモードの選択の画面で「ゲームをおわる」というコマンドを選ぶことによって、ゲームをせずに単にカードだけ手に入れて終わるモードを備えることも可能である。すなわち、「ゲームをおわる」を選択することで、「またあそんでね!」等のメッセージと共に終了画面を表示してゲームを終了することもできる。
以上により、画像処理装置10のプレイ処理を終了する。
【0090】
以上のように構成することで、以下のような効果を得ることができる。
従来技術1の装置では、プレイヤは単純に表示オブジェクトを任意の方向に回転させるタッチ入力作業を行うだけであり、必ずしも画面を注視する必要は無かった。
これに対して、本発明の実施の形態に係る表示装置10においては、タッチ座標により、表示されるオブジェクトサイズ、及び回転速度を変化させることができる。
これにより、変化するオブジェクトの回転方向(回転速度)、サイズ(表示範囲)を画面を注視しながら正確かつ素早い入力が求められるため、よりゲーム性を高めることができる。
【0091】
また、従来技術2の処理方法では、複数個所の同時入力を可能とする高価なタッチパネルが必要であり、安価な単点タッチパネルでは表示オブジェクトの表示態様を変化させるような処理には応用できなった。
これに対して、本発明の実施の形態に関わる表示装置10においては、タッチ座標の単位時間毎の変化量に応じて単点タッチパネルでも簡単に表示態様の変化を可能とするができる。
【0092】
なお、上記実施の形態の構成及び動作は例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して実行することができることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0093】
10 表示装置
80 カード
100 CPU
110 記憶部
111 プログラム
112 データ
130 ブートROM
140 ペリフェラルI/F
150 バスアービタ
160 GPU
162 ジオメトリ部
164 レンダリング部
170 グラフィックメモリ
180 オーディオプロセッサ
190 オーディオメモリ
200 通信I/F
210 第1振動部
215 第2振動部
220 識別情報読取部
230 カード出力装置
235 カード出力口
250 コイン投入部
270 第1表示装置
275 第2表示装置
280 出音装置
300 第1タッチパネル
305 第2タッチパネル
P プレイヤ
400 オブジェクト
T1 第1タッチ座標
T2 第2タッチ座標

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想空間に配置されたオブジェクトを所定のサイズで表示する表示手段と、
前記表示手段に関連して設けられる座標入力手段と、
前記座標入力手段で入力された座標データの単位時間毎の変化量を算出する変化量算出手段とを備えた画像処理装置であって、
前記表示手段は、前記変化量算出手段によって算出された座標データ変化量に基づいてオブジェクトの表示サイズを変化させる
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記請求項1記載の画像処理装置であって、
更に、前記座標入力手段によって入力される座標データを有効とする領域を設定する入力有効領域設定手段を備え、
前記入力有効領域設定手段は、前記表示手段にオブジェクトが表示されている領域のみを有効とする
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
前記請求項1または2に記載の画像処理装置であって、
前記変化量算出手段が算出した変化量に基づく回転速度で前記オブジェクトを仮想空間中で自転させるオブジェクト制御手段を備え、
前記表示手段は、前記オブジェクト制御手段によって自転する前記オブジェクトの回転速度に比例して前記オブジェクトの表示サイズを変化させる
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
表示装置と、前記表示装置に対応する座標入力処理装置を備えた画像処理装置に実行されるプログラムであって、
仮想空間に配置されたオブジェクトを所定のサイズで表示する表示手段と、
前記表示手段に関連して設けられる座標入力手段と、
前記座標入力手段で入力された座標データの単位時間毎の変化量を算出する変化量算出手段とを備え、
前記表示ステップにおいて、前記変化量算出ステップにおいて算出された座標データ変化量に基づいてオブジェクトの表示サイズを変化させる手段を実行する
ことを特徴とする画像表示処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−145953(P2011−145953A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−7406(P2010−7406)
【出願日】平成22年1月15日(2010.1.15)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】