説明

画像処理装置、情報処理装置、及び、ジョブ変換プログラム

【課題】時刻の取得が失敗したことによって画像処理ジョブに関する関連処理が実行されなくなることを低減すること。
【解決手段】時刻を取得する時刻取得部(S101)と、時刻取得部によって取得された時刻を用いて画像処理ジョブに関する関連処理を実行する処理部(S112)と、時刻取得部(S101)による時刻の取得が失敗した場合(S102でNO)に、画像処理ジョブを外部装置に送信する送信部(S107)と、外部装置から時刻情報を取得可能な画像処理ジョブを受信する受信部(S109)と、を備え、処理部(S112)は、時刻取得部(S101)による時刻の取得が失敗した場合(S102でNO)は、受信部(S109)によって受信された画像処理ジョブから時刻情報を取得し、取得した時刻情報に基づく時刻(S110)を用いて関連処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時刻を用いて画像処理ジョブに関する関連処理を実行する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷ジョブに基づく印刷処理の実行前に、外部記憶装置に日付や時刻などを示すジョブ開始ログを書き込む書込処理を実行する画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−76313号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の技術では、外部記憶装置に書き込む日付や時刻を取得できていることが書込処理を実行するための前提である。
しかしながら、何らかの障害が発生して日付や時刻を取得できない場合もある。上述した従来の技術では、このような問題に対し何ら考慮されていなかった。
本明細書では、時刻の取得が失敗したことによって画像処理ジョブに関する関連処理が実行されなくなることを低減する技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書によって開示される画像処理装置は、画像処理ジョブを取得するジョブ取得部と、前記ジョブ取得部によって取得された前記画像処理ジョブを実行するジョブ実行部と、時刻を取得する時刻取得部と、前記時刻取得部によって取得された時刻を用いて、前記ジョブ取得部によって取得された前記画像処理ジョブに関する関連処理を実行する処理部と、前記時刻取得部による時刻の取得が失敗した場合、又は、前記処理部による前記関連処理が失敗した場合に、前記画像処理ジョブを外部装置に送信する送信部と、前記外部装置から時刻情報を取得可能な前記画像処理ジョブを受信する受信部と、を備え、前記処理部は、前記時刻取得部による時刻の取得が失敗した場合、又は、前記処理部による前記関連処理が失敗した場合は、前記受信部によって受信された前記画像処理ジョブから前記時刻情報を取得し、取得した前記時刻情報に基づく時刻を用いて前記関連処理を実行する。
【0006】
また、前記関連処理は、前記時刻取得部によって取得された時刻を履歴として記憶装置に記憶させる処理であり、前記処理部は、前記時刻取得部による時刻の取得が失敗した場合は、前記受信部によって受信された前記画像処理ジョブから前記時刻情報を取得し、取得した前記時刻情報に基づく時刻を前記記憶装置に記憶させてもよい。
【0007】
また、前記関連処理は、前記時刻取得部によって取得された時刻を認証サーバに送信して認証を要求する処理であり、前記処理部は、前記認証サーバによる認証が失敗した場合は、前記受信部によって受信された前記画像処理ジョブから前記時刻情報を取得し、取得した前記時刻情報に基づく時刻を前記認証サーバに送信して認証を要求してもよい。
【0008】
また、前記外部装置は電子メールに前記時刻情報を付加して送信先に送信するメールサーバであり、前記送信部は、電子メールに前記画像処理ジョブを添付し、その電子メールの送信先に当該画像処理装置自身を設定して前記メールサーバに送信してもよい。
【0009】
また、前記外部装置は、画像を受信して記憶部に記憶し、実行指示を受信すると前記画像に基づいて画像処理ジョブを生成し、生成した前記画像処理ジョブに前記時刻情報を付加して当該画像処理装置に送信するサーバであり、前記送信部は、前記ジョブ取得部によって取得された前記画像処理ジョブが表す画像を前記サーバに送信し、その後に前記実行指示を前記サーバに送信してもよい。
【0010】
また、上記画像処理装置は1以上の前記外部装置と通信可能に接続されており、前記外部装置との事前の通信によって、画像処理ジョブを受信すると前記時刻情報を取得可能な前記画像処理ジョブを返信する機能を有する前記外部装置を特定する特定部を備え、前記送信部は、前記特定部によって前記機能を有する外部装置であると特定されている前記外部装置に前記画像処理ジョブを送信してもよい。
【0011】
また、上記画像処理装置は1以上の前記外部装置と通信可能に接続されており、前記外部装置との通信が可能か否かを判断する判断部を備え、前記送信部は、前記判断部により通信が可能であると判断された前記外部装置に前記画像処理ジョブを送信してもよい。
【0012】
また、上記画像処理装置は、前記外部装置に応答要求を送信し、前記外部装置から前記応答要求に対する応答を受信するまでの応答時間を計測する計測部と、前記受信部によって受信された前記時刻情報を取得可能な画像処理ジョブから取得された前記時刻情報に基づく時刻を前記応答時間に応じて補正する補正部と、を備え、前記処理部は、前記補正部によって補正された前記時刻を用いて前記関連処理を実行してもよい。
【0013】
本明細書によって開示される情報処理装置は、画像処理装置から画像処理ジョブを受信する受信部と、前記受信部によって受信された前記画像処理ジョブを、前記時刻情報を取得可能な画像処理ジョブに変換する変換部と、前記変換部によって変換された前記画像処理ジョブを前記画像処理装置に返信する返信部と、を備える。
【0014】
本明細書によって開示されるジョブ変換プログラムは、画像処理装置と通信可能に接続されている情報処理装置で実行されるジョブ変換プログラムであって、前記画像処理装置から画像処理ジョブを受信する受信処理と、前記受信処理によって受信された前記画像処理ジョブを、前記時刻情報を取得可能な画像処理ジョブに変換する変換処理と、前記変換処理によって変換された前記画像処理ジョブを前記画像処理装置に返信する返信処理と、を前記情報処理装置に実行させる。
【0015】
なお、この発明は、画像処理プログラム、画像処理方法、画像処理プログラムを記録した記録媒体等の種々の態様で実現することができる。
また、本発明に備わる各部の機能は、構成自体で機能が特定されるハードウェア資源、プログラムにより機能が特定されるハードウェア資源、又はそれらの組み合わせにより実現される。また、これら各部の機能は、各々が物理的に互いに独立したハードウェア資源で実現されるものに限定されない。
【発明の効果】
【0016】
上記の画像処理装置、情報処理装置、及び、ジョブ変換プログラムによると、時刻の取得が失敗したことによって画像処理ジョブに関する関連処理が実行されなくなることを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施形態1に係る印刷システムを示す模式図。
【図2】プリンタの電気的構成を簡略化して示すブロック図。
【図3】PCの電気的構成を簡略化して示すブロック図。
【図4】印刷ジョブの実行、及び、関連処理の流れを示すフローチャート。
【図5】PCによって実行される処理の流れを示すシーケンスチャート。
【図6】実施形態2に係る印刷ジョブの実行、及び、関連処理の流れを示すフローチャート。
【図7】実施形態3に係る印刷ジョブの実行、及び、関連処理の流れを示すフローチャート。
【図8】実施形態4に係る印刷ジョブの実行、及び、関連処理の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図5によって説明する。
【0019】
(1)印刷システムの構成
図1は、パーソナルコンピュータ(PC)2、実施形態1に係る画像処理装置としてのプリンタ3、パーソナルコンピュータ(PC)4a〜4c、及び、履歴記録サーバ5を備える印刷システム1を示す模式図である。PC2、プリンタ3、PC4a〜4c、及び、履歴記録サーバ5はLAN(Local Aria Network)やインターネットなどの有線又は無線通信ネットワーク8を介して通信可能に接続されている。
【0020】
PC2はユーザから印刷の指示を受け付け、プリンタ3に印刷ジョブを送信する。印刷ジョブは画像処理ジョブの一例である。なお、PC2は携帯電話であってもよいし、携帯情報端末であってもよい。
【0021】
プリンタ3はPC2から受信した印刷ジョブを実行することにより、当該印刷ジョブが表す画像を印刷用紙などのシートに印刷する。
また、プリンタ3は印刷ジョブの実行を開始する前、実行中、及び/又は、実行後に、後述する計時部32(図2参照)から取得した時刻を用いて当該印刷ジョブに関する関連処理を実行する。実施形態1では関連処理として印刷ジョブの実行を開始した時刻を含む履歴情報を履歴記録サーバ5に送信する処理を例に説明する。
【0022】
PC4a〜4cのうち少なくとも一つは変換機能を有している。変換機能についての詳細は後述するが、概略を説明すると、プリンタ3から印刷ジョブを受信するとその印刷ジョブを記憶し、その後にプリンタ3から再印刷指示を受信すると記憶している印刷ジョブに現在時刻を付加し、現在時刻が付加されている印刷ジョブ(以下、「時刻付き印刷ジョブ」という)をプリンタ3に返信する機能をいう。以降の説明において単にPC4というときはPC4a〜4cのいずれか一つのことをいうものとする。
【0023】
変換機能を有しているPC4は外部装置及び情報処理装置の一例である。PC4によって付加された時刻は時刻情報の一例である。時刻付き印刷ジョブは「時刻情報を取得可能な画像処理ジョブ」の一例である。また、受信した印刷ジョブに時刻を付加することは、時刻情報を取得可能な画像処理ジョブに変換する一例である。
なお、PC2はPC4のような変換機能を備えることもできる。逆に、PC4はPC2のような印刷ジョブを送信する機能を備えることもできる。
【0024】
履歴記録サーバ5は記憶部を備えるコンピュータであり、プリンタ3から履歴情報を受信するとその履歴情報を記憶部に記憶する。履歴記録サーバ5は記憶装置の一例である。
図1ではメールサーバ6及びクラウド印刷サーバ7も示しているが、メールサーバ6については実施形態2で説明し、クラウド印刷サーバ7については実施形態3で説明する。
【0025】
(1−1)画像処理装置の電気的構成
図2は、画像処理装置としてのプリンタ3の電気的構成を簡略化して示すブロック図である。プリンタ3は、制御部31、計時部32、印刷部33、操作部34、記憶部35、及び、通信インタフェース(通信I/F)部36を備えている。
【0026】
制御部31は、CPU31a、ROM31b、RAM31cを有する。CPU31aはROM31bや記憶部35に記憶されているプログラムを実行することによってプリンタ3の各部を制御する。ROM31bにはプリンタ3の動作を制御するための制御プログラムや各種のデータが記録されている。RAM31cはCPU31aが各種の処理を実行するための主記憶装置として用いられる。
【0027】
計時部32は、RTC(Real Time Clock)を備えて構成されている。
印刷部33は、通信インタフェース部36によって受信した印刷ジョブが表す画像を電子写真方式やインクジェット方式などでシートに印刷する。
操作部34は、液晶ディスプレイなどの表示装置や各種のボタンなどを備えて構成されている。
【0028】
記憶部35には、例えばNVRAMやフラッシュROMが含まれる。記憶部35にはPC2から受信した印刷ジョブなどが記憶される。
通信インタフェース部36は、通信ネットワーク8を介してPCなどの外部の装置と通信可能に接続されている。
【0029】
制御部31と通信インタフェース部36とは、ジョブ取得部、送信部、受信部、処理部、及び、判断部の一例である。制御部31と印刷部33とはジョブ実行部の一例である。制御部31と計時部32とは時刻取得部の一例である。また、制御部31は計測部、及び、補正部の一例である。
【0030】
(1−2)外部装置、及び、情報処理装置の電気的構成
図3は、外部装置、及び、情報処理装置としてのPC4の電気的構成を簡略化して示すブロック図である。PC4は、CPU41、ROM42、RAM43、計時部44、表示部45、操作部46、通信インタフェース(通信I/F)部47、及び、記憶部48を備えて構成されている。
【0031】
CPU41は、ROM42や記憶部48に記憶されている各種のプログラムを実行することによってPC4の各部を制御する。ROM42にはCPU41によって実行される制御プログラムや各種のデータなどが記憶されている。RAM43はCPU41が各種の処理を実行するための主記憶装置として用いられる。
【0032】
計時部44は、RTC(Real Time Clock)を備えて構成されている。
表示部45は、液晶ディスプレイなどの表示装置、表示装置を駆動する駆動回路などを備えて構成されている。
操作部46は、マウスやキーボードなどの入力装置、これらの入力装置が接続される接続インタフェースなどを備えて構成されている。
【0033】
通信インタフェース部47は、通信ネットワーク8を介してプリンタ3などの装置と通信可能に接続されている。
記憶部48は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性のメモリを用いて各種のプログラムやデータを記憶する装置である。記憶部48には、オペレーティングシステム(OS)49、各種のアプリケーションプログラム(アプリケーション)50、実施形態1に係るジョブ変換プログラム51などが記憶されている。
CPU41と通信インタフェース部47とは受信部、及び、返信部の一例である。また、CPU41と計時部44とは変換部の一例である。
【0034】
(1−3)履歴記録サーバ、メールサーバ、及び、クラウド印刷サーバの電気的構成
履歴記録サーバ5、メールサーバ6、及び、クラウド印刷サーバ7の電気的構成は、実行されるプログラムが異なる点を除いてPC4と実質的に同一であるので説明は省略する。
【0035】
(2)印刷ジョブの実行、及び、関連処理
前述したように、プリンタ3はPC2から印刷ジョブを受信すると、その印刷ジョブを実行するとともに、その印刷ジョブに関する関連処理を実行する。この関連処理では、プリンタ3は計時部32から現在時刻を取得し、取得した時刻を「印刷ジョブの実行を開始した時刻」として履歴情報に含め、その履歴情報を履歴記録サーバ5に送信する。
しかしながら、この関連処理において、プリンタ3は計時部32に何らかの障害が起きて時刻を取得できない場合もあり得る。つまり、プリンタ3は計時部32からの時刻の取得に失敗する場合もあり得る。
【0036】
そこで、プリンタ3は、時刻の取得が失敗した場合は、前述した変換機能を有するPC4に印刷ジョブを送信する。そして、プリンタ3はPC4から時刻付き印刷ジョブを受信し、受信した時刻付き印刷ジョブに付加されている時刻を履歴情報に含める。
【0037】
図4は、印刷ジョブの実行、及び、関連処理の流れを示すフローチャートである。本処理はプリンタ3がPC2から印刷ジョブを受信すると開始される。
S101では、制御プログラムを実行するCPU31aは計時部32からの時刻の取得を試みる。
S102では、CPU31aは計時部32から時刻を取得できたか否かを判定し、取得できなかった場合はS103に進み、取得できた場合はS111に進む。
【0038】
以下に説明するS103〜S110はS102で計時部32から時刻を取得できなかったと判定された場合の処理である。
S103では、CPU31aは通信ネットワーク8に接続されているPC4のうち変換機能を有するPC4の中から一つを選択する。
【0039】
CPU31aは、変換機能を有するPC4を事前の通信によって予め特定することができる。具体的には例えば、CPU31aは、各PC4との事前の通信によってジョブ変換プログラムがインストールされているPC4であるか否かを判断し、ジョブ変換プログラムがインストールされているPC4を、変換機能を有するPC4であると特定する。
【0040】
なお、ユーザが操作部34を操作して変換機能を有するPC4を予めプリンタ3に登録しておいてもよい。あるいは、所定の管理サーバに変換機能を有するPC4が登録されており、CPU31aがその管理サーバに変換機能を有するPC4を問い合わせる構成であってもよい。
【0041】
S103〜S105はループ処理であり、S103の実行が2回目以降である場合は、CPU31aはS103において未だ選択していないPC4を選択するものとする。また、図4に示すフローチャートでは省略しているが、未だ選択していないPC4が存在しない場合、言い換えると、変換機能を有する全てのPC4を選択済みである場合は、CPU31aは操作部34にエラーメッセージを表示して本処理を終了するものとする。
【0042】
S104では、CPU31aはS103で選択したPC4のIPアドレスあるいはホスト名を引数に指定してpingを実行することにより、S103で選択したPC4に「echo request」パケットを送信する。
pingは通信ネットワークの管理において一般に用いられているプログラムであり、対象ノードに「echo request」パケットを送信し、その対象ノードから「echo reply」パケットを受信したか否かによって対象ノードとの通信が可能であるか否かを確認するプログラムである。
【0043】
また、pingを実行すると、「echo request」パケットを送信してから「echo reply」パケットを受信するまでの応答時間Tを取得することもできる。
「echo request」パケットは応答要求の一例であり、「echo reply」パケットは応答要求に対する応答の一例である。
【0044】
S105では、CPU31aはS103で選択したPC4から一定時間以内に「echo reply」パケットを受信したか否かを判定し、受信した場合はS106に進み、受信しなかった場合はS103に戻って処理を繰り返す。
【0045】
S106では、CPU31aはS104でPCに「echo request」パケットを送信してから「echo reply」パケットを受信したときまでの応答時間TをRAM31cに記憶する。
S107では、CPU31aはS103で選択したPC4に印刷ジョブを送信する。
【0046】
S108では、CPU31aはPC4に再印刷指示を送信する。
S109では、CPU31aはPC4から時刻付き印刷ジョブを受信する。
【0047】
S110では、CPU31aはS109で受信した時刻付き印刷ジョブに付加されている時刻を取得し、取得した時刻をS106で記憶した応答時間Tに応じて補正する。
具体的には例えば、CPU31aは時刻付き印刷ジョブに付加されている時刻に応答時間Tの1/2の時間(=T/2)を加算する。T/2時間を加算するのは、PCからプリンタ3に何らかのデータの送信を開始してからプリンタ3がそのデータの受信を開始するまでにT/2時間を要するので、プリンタ3がPCから印刷ジョブの受信を完了した時、その印刷ジョブに付加されている時刻は現在時刻から少なくともT/2時間遅れていると考えられるからである。
【0048】
なお、時刻付き印刷ジョブを全て受信した後にその時刻付き印刷ジョブから時刻を取得する場合には、T/2時間に加え、プリンタ3において時刻付き印刷ジョブの受信を開始してからその受信を終了するまでに要した時間を更に加算してもよい。
【0049】
S111では、CPU31aは印刷ジョブを実行する。
S112では、CPU31aは前述した関連処理を実行する。
具体的には、CPU31aは、以下に説明するプリンタ識別情報、印刷ジョブに関する情報、及び、印刷ジョブの実行を開始した時刻を含む履歴情報を履歴記録サーバ5に送信する。
プリンタ識別情報は、例えばプリンタ3のIPアドレスあるいはホスト名である。印刷ジョブに関する情報は、印刷ジョブをプリンタ3に送信したPC2で実行されているOSにログインしているユーザのユーザID、その印刷ジョブによって印刷されるページ数などである。
【0050】
印刷ジョブの実行を開始した時刻は、S102で計時部32から時刻を取得できたと判定された場合はS101で計時部32から取得された時刻であり、計時部32から時刻を取得できなかったと判定された場合はS110で補正された時刻である。
補正された時刻は「時刻情報に基づく時刻」の一例である。なお、時刻の補正は必ずしも行わなくてよく、その場合は時刻付き印刷ジョブに付加されている時刻そのものが「時刻情報に基づく時刻」の一例である。
【0051】
(3)変換機能を有するPCによって実行される処理
図5は、前述した変換機能を有するPCによって実行される処理の流れを示すシーケンスチャートである。図中においてS107、S108は図4に示すS107、S108のことである。
【0052】
S201では、ジョブ変換プログラムを実行するCPU41(以下、単に「ジョブ変換プログラム」という)は受信した印刷ジョブを記憶部48に記憶する。
S202では、ジョブ変換プログラムは記憶部48に記憶している印刷ジョブに現在時刻を付加することにより、時刻付き印刷ジョブに変換する。
S203では、ジョブ変換プログラムはプリンタ3に時刻付き印刷ジョブを返信する。
【0053】
S201においてジョブ変換プログラムが印刷ジョブを受信する処理は受信処理の一例である。S202で印刷ジョブに現在時刻を付加する処理は変換処理の一例である。S203でプリンタ3に時刻付き印刷ジョブを返信する処理は返信処理の一例である。
【0054】
(4)実施形態の効果
以上説明した実施形態1に係るプリンタ3によると、計時部32からの時刻の取得に失敗した場合は、変換機能を有するPC4に印刷ジョブを送信することにより、計時部32からの時刻の取得が失敗したことによって印刷ジョブの実行を開始した時刻が履歴記録サーバ5に記録されなくなってしまうことを低減できる。
【0055】
更に、プリンタ3によると、PC4との事前の通信によって変換機能を有するPC4を特定するので、変換機能を有するPC4と変換機能を有しないPC4とがある場合に、変換機能を有しているPC4に印刷ジョブを送信できる。
【0056】
更に、プリンタ3によると、「echo request」パケットに対して「echo reply」パケットを返信したPC4に印刷ジョブを送信するので、すなわち、PC4との通信が可能であることを確認した上でそのPC4に印刷ジョブを送信するので、通信不能なPC4に印刷ジョブを送信してしまうことを低減できる。
【0057】
更に、プリンタ3によると、PC4から受信した時刻付き印刷ジョブに付加されている時刻を応答時間Tに応じて補正するので、実際に印刷ジョブの実行を開始した時刻により近い時刻を履歴として記録できる。
【0058】
また、実施形態1に係るPC4及びジョブ変換プログラムによると、プリンタ3から受信した印刷ジョブに時刻を付加して返信するので、時刻の取得が失敗したことによって印刷ジョブの実行を開始した時刻が履歴記録サーバ5に記録されなくなってしまうことを低減できる。
【0059】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図6によって説明する。
実施形態1では計時部32から時刻を取得できなかった場合はPC4に印刷ジョブを送信するが、実施形態2ではPC4ではなくメールサーバ6に印刷ジョブを送信する。
メールサーバ6は、送信元から受信した電子メールのヘッダに現在時刻を付加し、送信先の装置にその電子メールを送信するものである。メールサーバ6は外部装置の一例である。
【0060】
図6は、実施形態2に係る印刷ジョブの実行、及び、関連処理の流れを示すフローチャートである。ここでは実施形態1と同一の処理には同一の符号を付して説明を省略する。
S301では、CPU31aは電子メールに印刷ジョブを添付するとともに、その電子メールの送信先としてプリンタ3自身を設定してメールサーバ6にその電子メールを送信する。
【0061】
S302では、CPU31aはメールサーバ6から上述した電子メールを受信する。
S303では、CPU31aはS303で受信した電子メールのヘッダから時刻を取得する。
【0062】
S304では、CPU31aは、プリンタ3を識別するプリンタ識別情報、印刷ジョブに関する情報、及び、印刷ジョブの実行を開始した時刻を含む履歴情報を履歴記録サーバ5に送信する。
印刷ジョブの実行を開始した時刻は、S102で計時部32から時刻を取得できたと判定された場合はS101で計時部32から取得された時刻であり、計時部32から時刻を取得できなかったと判定された場合はS303でヘッダから取得された時刻である。
【0063】
以上説明した実施形態2に係るプリンタ3によると、計時部32からの時刻の取得に失敗した場合は、電子メールに印刷ジョブを添付し、その電子メールの送信先にプリンタ3自身を設定してメールサーバ6に送信することにより、計時部32からの時刻の取得が失敗したことによって印刷ジョブの実行を開始した時刻が履歴記録サーバ5に記録されなくなってしまうことを低減できる。
【0064】
<実施形態3>
次に、本発明の実施形態3を図7によって説明する。
実施形態3では、PC4やメールサーバ6ではなく、クラウド印刷サーバ7に印刷ジョブを送信する。
クラウド印刷サーバ7は、各PCにプリンタの機種毎のプリンタドライバをインストールしなくても目的のプリンタに印刷を実行させることができるようにするためのコンピュータである。クラウド印刷サーバ7は、PCなどの外部の装置から印刷対象の画像とその画像を印刷するための印刷条件とを受信するとそれらを自身の記憶部に記憶する。そして、クラウド印刷サーバ7は、印刷を実行させるプリンタが指定されている印刷指示を外部の装置から受信すると、自身の記憶部に記憶されている画像と印刷条件とに基づいて印刷ジョブを生成するとともに、生成した印刷ジョブに現在時刻を付加し、印刷指示によって指定されているプリンタにその時刻付き印刷ジョブを送信する。クラウド印刷サーバ7は外部装置の一例である。
【0065】
図7は、実施形態3に係る印刷ジョブの実行、及び、関連処理の流れを示すフローチャートである。ここでは実施形態1と同一の処理には同一の符号を付して説明を省略する。
【0066】
S401では、CPU31aは、印刷ジョブに含まれている画像、及び、印刷ジョブに設定されている印刷条件をクラウド印刷サーバ7に送信する。
S402では、CPU31aは印刷を実行するプリンタ3としてプリンタ3自身を指定した印刷指示をクラウド印刷サーバ7に送信する。印刷指示は実行指示の一例である。
【0067】
S403では、CPU31aはクラウド印刷サーバ7から時刻付き印刷ジョブを受信する。
S404では、CPU31aはS403で受信した時刻付き印刷ジョブから時刻を取得する。
【0068】
S405では、CPU31aは、プリンタ3を識別するプリンタ識別情報、印刷ジョブに関する情報、及び、印刷ジョブの実行を開始した時刻を含む履歴情報を履歴記録サーバ5に送信する。
印刷ジョブの実行を開始した時刻は、S102で計時部32から時刻を取得できたと判定された場合はS101で計時部32から取得された時刻であり、計時部32から時刻を取得できなかったと判定された場合はS404で取得された時刻である。
【0069】
以上説明した実施形態3に係るプリンタ3によると、計時部32からの時刻の取得に失敗した場合はクラウド印刷サーバ7に印刷ジョブを送信し、その後に印刷指示をクラウド印刷サーバ7に送信することにより、計時部32からの時刻の取得が失敗したことによって印刷ジョブの実行を開始した時刻が履歴記録サーバ5に記録されなくなってしまうことを低減できる。
【0070】
<実施形態4>
次に、本発明の実施形態4を図8によって説明する。
実施形態4では、取得した時刻を含む認証要求を履歴記録サーバ5に送信して認証を要求し、その認証に成功すると、履歴記録サーバ5に履歴情報を送信する。
履歴記録サーバ5に認証を要求する処理、及び、履歴記録サーバ5に履歴情報を送信する処理は、それぞれ関連処理の一例である。
【0071】
実施形態4に係る履歴記録サーバ5は、プリンタ3から時刻を含む認証要求を受信すると、受信した認証要求に含まれている時刻に基づいて認証を行い、認証に成功すると認証成功を示す認証結果をプリンタ3に送信するとともに、プリンタ3に対して接続を許可する。プリンタ3は認証成功を示す認証結果を受信すると履歴記録サーバ5に接続して履歴情報を送信し、履歴記録サーバ5はプリンタ3から履歴情報を受信するとその履歴情報を自身の記憶部に記録する。
一方、履歴記録サーバ5は、認証に失敗すると認証失敗を示す認証結果をプリンタ3に送信するとともに、プリンタ3に対して接続を拒否する。プリンタ3は認証失敗を示す認証結果を受信すると、認証失敗した印刷ジョブを時刻付き印刷ジョブに変換するようにPC4に要求する。
【0072】
時刻に基づく認証方法としては、例えばKerverosやNTLMv2を用いることができる。
Kerverosは秘密鍵暗号(共通鍵暗号)を用いた認証方法である。KerverosではユーザID及びパスワードが正規のものであっても認証要求に含まれている時刻と履歴記録サーバ5が備える計時部から取得される時刻との時間差が設定時間を超えている場合は認証失敗となる。
【0073】
NTLMv2はMicrosoft社のOSであるWindows(登録商標)に通信ネットワーク経由でログオンする際に用いられる認証方法である。NTLMv2ではユーザID及びパスワードが正規のものであっても上述した時間差が設定時間を超えている場合は認証失敗となる。
【0074】
図8は、実施形態4に係る印刷ジョブの実行、及び、関連処理の流れを示すフローチャートの流れを示すフローチャートである。ここでは実施形態1と同一の処理には同一の符号を付して説明を省略する。
【0075】
S501では、CPU31aは履歴記録サーバ5に認証要求を送信して認証を要求する。
認証要求には、ユーザID、パスワード、及び、S101で取得した時刻が含まれる。認証要求に含めるユーザID及びパスワードはPCから受信した印刷ジョブに付加されているものであってもよいし、認証要求のためのユーザID及びパスワードとして予めプリンタ3に設定されているものであってもよい。
また、CPU31aは次に説明するS502で認証に失敗したと判定してS103〜S110を実行した後に再度S501を実行する場合は、S101で取得した時刻ではなくS110で補正した時刻を認証要求に含めるものとする。
【0076】
S502では、CPU31aは認証に成功したか否かを履歴記録サーバ5から受信した認証結果から判断し、認証に失敗した場合はS103に進み、認証に成功した場合はS111に進む。
【0077】
実施形態4は、S110の処理を実行した後、S111に進むのではなくS501に戻る点で実施形態1と異なる。これは、S103〜S110が実行されるのは履歴記録サーバ5による認証が失敗した場合であり、このままでは履歴記録サーバ5に接続できないので、S110で補正した時刻を用いて再度履歴記録サーバ5に認証を要求するためである。
【0078】
以上説明した実施形態4に係るプリンタ3によると、計時部32から取得した時刻を用いた認証に失敗した場合は、変換機能を有するPCに印刷ジョブを送信し、PCから受信した時刻付き印刷ジョブに付加されている時刻を用いて認証を要求することにより、計時部32から取得した時刻を用いた認証が失敗したことによって印刷ジョブの実行履歴が履歴記録サーバ5に記録されなくなってしまうことを低減できる。また、実施形態4のように認証が失敗した場合に印刷ジョブを実行しないプリンタにおいては、認証失敗による印刷ジョブの中断を低減することができる。
【0079】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0080】
(1)上記実施形態ではプリンタ3が備える計時部32から時刻を取得する場合を例に説明したが、時刻の取得は計時部32からに限られない。例えばネットワークタイムサーバから時刻を取得してもよい。
また、PC2によっては印刷ジョブに時刻を付加する場合もあるので、PC2から受信した印刷ジョブに時刻が付加されている場合は印刷ジョブに付加されている時刻を取得してもよい。この場合は、PC2から受信した印刷ジョブに時刻が付加されていない場合に、時刻の取得に失敗したとして、変換機能を有するPC4にその印刷ジョブを送信することになる。
【0081】
(2)上記実施形態1ではPC4がプリンタ3から印刷ジョブを受信するとその印刷ジョブに時刻を付加してプリンタ3に返信する場合を例に説明したが、PC4は時刻を付加するのではなく、時刻を取得するための情報を付加してもよい。時刻を取得するための情報とは、具体的には例えばネットワークタイムサーバのIPアドレスあるいはホスト名である。
印刷ジョブに時刻を取得するための情報を付加する場合は、ネットワークタイムサーバのIPアドレスあるいはホスト名が時刻情報の一例であり、ネットワークタイムサーバのIPアドレスあるいはホスト名が付加されている印刷ジョブが「時刻情報を取得可能な画像処理ジョブ」の一例である。実施形態2〜4についても同様である。
【0082】
(3)上記実施形態1〜3では記憶装置として履歴記録サーバ5を例に説明したが、記憶装置はプリンタ3の記憶部35であってもよい。
【0083】
(4)上記実施形態4では計時部32からの時刻の取得に失敗した場合は変換機能を有するPC4に印刷ジョブを送信する場合を例に説明したが、実施形態2や実施形態3と同様にメールサーバ6やクラウド印刷サーバ7に送信する構成であってもよい。
【0084】
(5)上記実施形態1〜3では計時部32からの時刻の取得に失敗した場合について説明し、上記実施形態4では履歴記録サーバ5による認証に失敗した場合について説明したが、実施形態1と実施形態4とを組み合わせた構成であってもよい。
具体的には例えば、計時部32からの時刻の取得に失敗した場合は実施形態1と同様に変換機能を有するPC4に印刷ジョブを送信し、一方、計時部32からの時刻の取得に成功した場合はその時刻を用いて履歴記録サーバ5に認証を要求し、認証に失敗した場合はPC4に印刷ジョブを送信してもよい。
同様に実施形態2と実施形態4とを組み合わせた構成であってもよいし、実施形態3と実施形態4とを組み合わせた構成であってもよい。
【0085】
(6)上記実施形態ではPC4からプリンタ3に印刷ジョブが送信される場合を例に説明したが、印刷ジョブはダイレクトプリントジョブであってもよい。ダイレクトプリントとは、ユーザがプリンタ3に装着したリムーバブルメモリに記憶されている画像の中から印刷する画像をユーザに選択させ、ユーザが選択した画像をプリンタ3で印刷する機能である。この場合は、印刷する画像の選択や印刷設定などを受け付けることがダイレクトプリントジョブの取得に相当する。
【0086】
ダイレクトプリントジョブを取得した場合に、計時部32からの時刻の取得に失敗した場合は、プリンタ3はダイレクトプリントジョブをPC4に送信し、PC4が時刻情報を取得可能なPCプリントジョブに変換してプリンタ3に返信してもよい。PCプリントジョブとはPC側でユーザから印刷の指示を受け付けてプリンタに送信されるジョブである。実施形態1〜4でPC2からプリンタ3に送信される印刷ジョブはいずれもPCプリントジョブである。
【0087】
あるいは、ダイレクトプリントジョブ自体をPC4に送信するのではなく、ユーザが選択した画像や印刷設定をPC4に送信し、PC4がそれらに基づいて時刻情報を取得可能なPCプリントジョブを生成してプリンタ3に送信する構成であってもよい。
【0088】
(7)上記実施形態では印刷ジョブの実行を開始した時刻を履歴記録サーバ5に記録する場合を例に説明したが、例えば印刷ジョブの実行が終了した時刻を記録してもよい。
【0089】
(8)上記実施形態では画像処理装置としてプリンタ3を例に説明したが、画像処理装置はスキャナであってもよく、画像処理ジョブはそのスキャナを用いて原稿を読み取るスキャンジョブであってもよい。この場合は、スキャナの操作部によってユーザから読み取りの指示や読取設定を受け付けることがスキャンジョブの取得に相当する。あるいは、画像処理ジョブは、原稿を読み取って画像データを生成し、生成した画像データが表す画像を印刷するコピージョブであってもよい。また、ユーザがスキャナの操作部で原稿の読み取りを指示するのではなく、PCから読み取りの指示を受信し、原稿を読み取って生成した画像データをPCに送信するPCスキャンジョブであってもよい。
【符号の説明】
【0090】
1・・・印刷システム、2・・・PC、3・・・プリンタ、4・・・PC、5・・・履歴記録サーバ、6・・・メールサーバ、7・・・クラウド印刷サーバ、8・・・通信ネットワーク、31・・・制御部、32・・・印刷部33・・・計時部、34・・・操作部、35・・・記憶部、36・・・通信インタフェース部、41・・・CPU、42・・・ROM、43・・・RAM、44・・・計時部、45・・・表示部、46・・・操作部、47・・・通信インタフェース部、48・・・記憶部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理ジョブを取得するジョブ取得部と、
前記ジョブ取得部によって取得された前記画像処理ジョブを実行するジョブ実行部と、
時刻を取得する時刻取得部と、
前記時刻取得部によって取得された時刻を用いて、前記ジョブ取得部によって取得された前記画像処理ジョブに関する関連処理を実行する処理部と、
前記時刻取得部による時刻の取得が失敗した場合、又は、前記処理部による前記関連処理が失敗した場合に、前記画像処理ジョブを外部装置に送信する送信部と、
前記外部装置から時刻情報を取得可能な前記画像処理ジョブを受信する受信部と、
を備え、
前記処理部は、前記時刻取得部による時刻の取得が失敗した場合、又は、前記処理部による前記関連処理が失敗した場合は、前記受信部によって受信された前記画像処理ジョブから前記時刻情報を取得し、取得した前記時刻情報に基づく時刻を用いて前記関連処理を実行する、画像処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像処理装置であって、
前記関連処理は、前記時刻取得部によって取得された時刻を履歴として記憶装置に記憶させる処理であり、
前記処理部は、前記時刻取得部による時刻の取得が失敗した場合は、前記受信部によって受信された前記画像処理ジョブから前記時刻情報を取得し、取得した前記時刻情報に基づく時刻を前記記憶装置に記憶させる、画像処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像処理装置であって、
前記関連処理は、前記時刻取得部によって取得された時刻を認証サーバに送信して認証を要求する処理であり、
前記処理部は、前記認証サーバによる認証が失敗した場合は、前記受信部によって受信された前記画像処理ジョブから前記時刻情報を取得し、取得した前記時刻情報に基づく時刻を前記認証サーバに送信して認証を要求する、画像処理装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の画像処理装置であって、
前記外部装置は電子メールに前記時刻情報を付加して送信先に送信するメールサーバであり、
前記送信部は、電子メールに前記画像処理ジョブを添付し、その電子メールの送信先に当該画像処理装置自身を設定して前記メールサーバに送信する、画像処理装置。
【請求項5】
請求項2又は3に記載の画像処理装置であって、
前記外部装置は、画像を受信して記憶部に記憶し、実行指示を受信すると前記画像に基づいて画像処理ジョブを生成し、生成した前記画像処理ジョブに前記時刻情報を付加して当該画像処理装置に送信するサーバであり、
前記送信部は、前記ジョブ取得部によって取得された前記画像処理ジョブが表す画像を前記サーバに送信し、その後に前記実行指示を前記サーバに送信する、画像処理装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の画像処理装置であって、
当該画像処理装置は1以上の前記外部装置と通信可能に接続されており、
前記外部装置との事前の通信によって、画像処理ジョブを受信すると前記時刻情報を取得可能な前記画像処理ジョブを返信する機能を有する前記外部装置を特定する特定部を備え、
前記送信部は、前記特定部によって前記機能を有する外部装置であると特定されている前記外部装置に前記画像処理ジョブを送信する、画像処理装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の画像処理装置であって、
当該画像処理装置は1以上の前記外部装置と通信可能に接続されており、
前記外部装置との通信が可能か否かを判断する判断部を備え、
前記送信部は、前記判断部により通信が可能であると判断された前記外部装置に前記画像処理ジョブを送信する、画像処理装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の画像処理装置であって、
前記外部装置に応答要求を送信し、前記外部装置から前記応答要求に対する応答を受信するまでの応答時間を計測する計測部と、
前記受信部によって受信された前記時刻情報を取得可能な画像処理ジョブから取得された前記時刻情報に基づく時刻を前記応答時間に応じて補正する補正部と、
を備え、
前記処理部は、前記補正部によって補正された前記時刻を用いて前記関連処理を実行する、画像処理装置。
【請求項9】
画像処理装置から画像処理ジョブを受信する受信部と、
前記受信部によって受信された前記画像処理ジョブを、前記時刻情報を取得可能な画像処理ジョブに変換する変換部と、
前記変換部によって変換された前記画像処理ジョブを前記画像処理装置に返信する返信部と、
を備える情報処理装置。
【請求項10】
画像処理装置と通信可能に接続されている情報処理装置で実行されるジョブ変換プログラムであって、
前記画像処理装置から画像処理ジョブを受信する受信処理と、
前記受信処理によって受信された前記画像処理ジョブを、前記時刻情報を取得可能な画像処理ジョブに変換する変換処理と、
前記変換処理によって変換された前記画像処理ジョブを前記画像処理装置に返信する返信処理と、
を前記情報処理装置に実行させるジョブ変換プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−6381(P2013−6381A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−141715(P2011−141715)
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】