説明

画像処理装置、投影型表示装置および画像処理装置の消費電力低減方法

【課題】CMOSタイプの画像処理回路を用いた画像処理装置において、装置の停止時に、画像処理回路に接続されたCPUから回り込んで、画像処理回路の出力ラインから流れ出る電流による消費電力を低減する。
【解決手段】 画像処理装置の停止時に、CPUから画像処理回路にリセット信号を出力して画像処理回路の出力ラインをロウレベルまたはハイインピーダンス状態とし、画像処理回路に供給するクロック信号を停止する。更に、画像処理回路への電源供給は継続しつつ、表示デバイスとその駆動回路への電源供給は停止する。この結果、CPUからの回り込みによる電力消費は抑制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、投影型表示装置および画像処理装置の消費電力低減方法に関し、詳しくは、動作用のクロック信号を得て、画像信号を処理するCMOSタイプの画像処理回路を搭載した装置およびその消費電力低減方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶プロジェクタなどの装置では、装置全体の消費電力を低減する目的で、動作用のクロック信号を得て、画像信号を処理するCMOSタイプの画像処理回路が用いられている。この画像処理回路は、画像を形成する表示用デバイス、例えば液晶パネルを駆動する駆動回路に接続されている。この画像処理回路は、液晶パネル用の色調整を行なうためのルックアップテーブルなどを内蔵し、外部からのデジタル映像信号を受け取ると、これに必要な処理を施して、表示デバイス用の駆動回路に出力している。
【0003】
こうしたプロジェクタにおける消費電力低減技術としては、映像信号が所定時間入力されない場合に、光源など電力消費量の大きなデバイスへの電源供給を停止するもの(例えば下記特許文献1)が知られている。またCMOS素子を用いた半導体装置については、動作用のクロック信号の周波数を低くすることで、消費電力を低減できることが知られている(例えば、下記特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−182304号公報
【特許文献2】特開2004−326153号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、表示用デバイスを駆動する駆動回路に接続された画像処理回路の場合、この画像処理回路や駆動回路の電源供給を遮断しただけでは、消費電力の低減を十分に行なうことができない場合があった。本願は、画像処理装置や投影型表示装置における消費電力の低減を効率的に行なうことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の適用例または実施形態により、上記課題を解決する。以下、順に説明する。
【0007】
[適用例1]
外部から入力された画像信号を処理する画像処理装置であって、
動作用のクロック信号を得て、前記画像信号を処理するCMOSタイプの画像処理回路と、
前記画像処理回路に接続されて表示用デバイスを駆動する駆動回路と、
前記画像処理回路および駆動回路を含む当該画像処理装置内の各回路に電源を供給する電源部と、
当該画像処理装置の動作を停止すると判断したとき、前記電源部からの前記電源供給のうち、少なくとも前記駆動回路への電源供給を停止すると共に、前記クロック信号の周波数を、当該画像処理装置の動作時より低くし、かつ前記画像処理回路の出力をハイインピーダンス状態またはロウレベルとする停止用制御信号を出力する停止処理部と
を備えた画像処理装置。
【0008】
この画像処理装置では、画像処理装置の動作を停止すると判断したとき、停止用制御信号を出力し、電源部からの電源供給のうち、少なくとも駆動回路への電源供給を停止すると共に、クロック信号の周波数を、画像処理装置の動作時より低くし、かつ画像処理回路の出力をハイインピーダンス状態またはロウレベルとする。したがって、この適用例では、CMOSタイプの画像処理回路への電源供給は継続されることになるが、クロック信号の周波数が動作時より低くなっていること、および画像処理回路の出力をハイインピーダンス状態またはロウレベルとしているので、この画像処理回路が接続された駆動回路への電源供給が絶たれていることに起因して、画像処理回路を介して、駆動回路に電流が流れ込むと言うことがない。この結果、画像処理装置全体としての消費電力をコントロールすることが可能となる。
【0009】
[適用例2]
適用例1記載の画像処理装置であって、
少なくとも前記画像処理回路と共通のバスを介して接続され、当該画像処理装置内の各回路の動作を制御する制御部を設け、
前記停止処理部を、前記制御部が実行する処理の一つとして実現した
画像処理装置。
【0010】
この画像処理装置では、停止処理部は、制御部が実行する処理の一つとして実現されている。画像処理装置には、コンピュータなど、装置全体の処理を司る制御部に相当するハードウェアが搭載されることが多いので、停止時処理部も、こうした制御部の一つの機能として組み込むことができる。こうした構成を採用すれば、停止処理部を別途設ける必要がなく、装置構成を簡略化することができる。
【0011】
[適用例3]
適用例1または適用例2記載の画像処理装置であって、
前記停止処理部は、
当該装置の使用者が操作する操作部に設けられたスタンバイモードスイッチが操作されたとき、
当該装置の状態が、異常状態となったことが検出されたとき、または
前記外部からの画像信号が検出されない状態が所定時間以上継続したとき
のうちの少なくとも一つが満たされた場合に、前記画像処理装置の動作を停止するとの前記判断を行なう
画像処理装置。
【0012】
かかる画像処理装置によれば、装置の動作を停止するとの判断を、容易かつ的確に行なうことができる。なお、操作部としては、装置自体にスイッチパネルなどを設けても良いし、リモートコントローラの側にスイッチを設けても良い。また、スタンバイモードスイッチは、他のスイッチなどと兼用しても良いし、音声認識などを利用したスイッチでも良い。もとより、画像処理装置がネットワークなどを介して他の機器と接続されている場合には、他の機器からコマンドを送ることにより、スタンバイモードスイッチと同様の機能を実現することもできる。また、装置の状態が異常状態となったとは、装置内の温度が上限値を超えた場合や、所定以上の強さの振動を検出したとき、あるいはスイッチ類の不適切な操作がなされたときなど、種々の状況を想定することができる。更に、外部からの画像信号が所定期間以上継続したときは、画像信号が失われてからの時間により判断しても良いし、画像信号が失われてからのクロック信号の累積数などで判断しても良い。
【0013】
[適用例4]
適用例1ないし適用例3のいずれか記載の画像処理装置であって、
前記画像処理回路は、前記駆動回路に接続された出力側の複数のラインの最終段に、CMOS素子によるゲートを備え、停止用制御信号を受け付けたとき、前記ゲートを制御して、該ゲートの出力を、ハイインピーダンス状態またはロウレベルとする
画像処理装置。
かかる画像処理装置は、簡略な構成により、必要に応じて、画像処理回路の出力をハイインピーダンス状態またはロウレベルにすることができる。なお、同様の作用効果を奏する構成としては、ゲートを外付け回路とした構成、ゲートに代えてアナログスイッチや切替時にのみ電力を要するマイクロリレーなどを用いた構成を採用することも可能である。
【0014】
[適用例5]
適用例4記載の画像処理装置であって、
前記画像処理回路は、前記複数のラインに対応して、前記停止制御信号を保持するラッチを備え、該ラッチの出力信号により前記ゲートの出力が、ハイインピーダンス状態またはロウレベルとなるとように前記ラッチと前記ゲートとを接続した
画像処理装置。
かかる画像処理装置では、画像処理回路はラッチを備えるので、停止制御信号を維持する必要がない。したがって、停止処理回路の動作を間歇的に停止すると構成を採用することも可能となる。かかる構成を採用すれば、消費電力の更なる低減が可能となる。
【0015】
[適用例6]
前記画像処理回路は、前記表示用デバイスの色調整用のルックアップテーブルを備えた適用例1ないし適用例5のいずれか記載の画像表示装置。
画像処理回路が色調整用のルックアップテーブルを備える場合には、画像処理回路は、各色、数ビット(多くは8ビット)の信号線を備えることになり、動作の停止時に、多数の信号線を介して電流が流れてしまう、という課題が解決するために、多数のスイッチ等を設ける必要がない、という優れた作用効果を奏する。
【0016】
[適用例7]
前記停止処理部は、前記クロック信号の周波数を0とする適用例1ないし適用例5のいずれか記載の画像処理装置。
画像処理回路の動作用のクロック信号の周波数を低減する際、周波数を0とするのて、消費電力は原則として、リーク電流を除けば0となる。電源の供給は継続されるが、CMOSタイプの回路の場合、動作用クロック信号が失われれば、電源が供給されていても電力を消費しない。
【0017】
本発明は、投影型表示装置として実現することも可能である。
[適用例8]
画像信号を処理して表示する投影型表示装置であって、
光源からの光を用いて投影する画像を形成する表示用デバイスと、
動作用のクロック信号を得て、前記画像信号を処理するCMOSタイプの画像処理回路と、
前記画像処理回路に接続されて前記表示用デバイスを駆動する駆動回路と、
前記画像処理回路および駆動回路を含む当該投影型表示装置内の各回路に電源を供給する電源部と、
少なくとも前記画像処理回路と共通のバスを介して接続され、当該投影型表示装置内の各回路の動作を制御する制御部と、
当該投影型表示装置の動作を停止すると判断したとき、前記電源部からの前記電源供給のうち、少なくとも前記駆動回路への電源供給を停止すると共に、前記クロック信号の周波数を、当該投影型表示装置の動作時より低くし、かつ前記画像処理回路の出力をハイインピーダンス状態またはロウレベルとする停止用制御信号を出力する停止処理部と
を備えた投影型表示装置。
【0018】
この投影型表示装置では、画像表示装置同様、投影型表示装置の動作を停止すると判断したとき、停止用制御信号を出力し、電源部からの電源供給のうち、少なくとも駆動回路への電源供給を停止すると共に、クロック信号の周波数を、投影型表示装置の動作時より低くし、かつ画像処理回路の出力をハイインピーダンス状態またはロウレベルとする。したがって、この適用例では、CMOSタイプの画像処理回路への電源供給は継続されることになるが、クロック信号の周波数が動作時より低くなっていること、および画像処理回路の出力をハイインピーダンス状態またはロウレベルとしているので、この画像処理回路が接続された駆動回路への電源供給が絶たれていることに起因して、画像処理回路を介して、駆動回路に電流が流れ込むと言うことがない。この結果、投影型表示装置全体としての消費電力をコントロールすることが可能となる。
【0019】
こうした投影型表示装置としては、画像の形成に、液晶パネルを用いたものや、微少な反射素子を駆動するいわゆるDMD(デジタルマイクロミラーデバイス)を用いたもの、ELやプラズマなどの自発光光源を用いたものなど、種々の構成を採用可能である。また、画像をスクリーンに投影するタイプのものに限らず、背面投影型テレビのように、スクリーンを備えた装置内に収納した構成も採用可能である。
本発明は、方法発明として把握することも可能である。また、消費電力の低減方法をコンピュータに実現させるプログラムや、そのプログラムを記録した記録媒体などの形態で実施することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施例としてのプロジェクタPJの概略構成を示す概略構成図である。
【図2】実施例における画像制御回路170の構成例を示すブロック図である。
【図3】画像処理回路180の出力ラインの最終段の構成を示す回路図である。
【図4】画像処理回路180の出力ラインをロウレベルに制御する他の構成例を示す回路図である。
【図5】表示デバイス駆動回路182と表示デバイスであるライトバルブ120R,G,Bとのインタフェースの構成を概念的に示す説明図である。
【図6】実施例における処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】実施例における動作モード監視処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図8】実施例における各信号の様子を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.プロジェクタの装置構成:
B.画像制御回路の構成:
C.画像制御回路に内蔵されたCPUが行なう処理:
D.変形例:
【0022】
A.プロジェクタの装置構成:
図1は、実施例におけるプロジェクタPJの概略構成を示す説明図である。このプロジェクタPJは、リア投写型のプロジェクタである。リア投写型のプロジェクタPJでは、スクリーンSCの背面側に画像を表す光が投写され、観察者は、スクリーンSCの表面側から画像を観察する。
【0023】
プロジェクタPJは、3つの照明光学系110R,G,Bと、3つの液晶ライトバルブ120R,G,Bと、クロスダイクロイックプリズム130と、投写光学系140と、プロジェクタ全体の動作を制御する画像制御回路170とを備えている。なお、図1では、光学系の図示は、かなり簡略化されている。また、画像制御回路170から液晶ライトバルブ120R,G,Bへの信号線も、一部省略してある。画像制御回路170は、請求項の画像処理装置に相当するが、その構成と働きについては、後述する。
【0024】
第1の照明光学系110Rは、赤色光Rを射出する第1の発光装置102Rを含んでおり、赤色光Rを第1の液晶ライトバルブ120Rに導く。同様に、第2の照明光学系110Gは、緑色光Gを射出する第2の発光装置102Gを含んでおり、緑色光Gを第2の液晶ライトバルブ120Gに導く。第3の照明光学系110Bは、青色光Bを射出する第3の発光装置102Bを含んでおり、青色光Bを第3の液晶ライトバルブ120Bに導く。発光装置102R,G,Bとしては、メタルハライドランプのような放電灯の光を各色フィルタにより分離して用いる構成としても良いし、R,G,Bの各色光を発光するLEDや半導体レーザーなどを用いても良い。
【0025】
各液晶ライトバルブ120R,G,Bは、対応する照明光学系110R,G,Bから射出された色光R,G,Bを変調する。これにより、各液晶ライトバルブ120R,G,Bからは、赤色,緑色,青色の画像を表す光(色画像光)が射出される。
【0026】
クロスダイクロイックプリズム130は、3つの液晶ライトバルブ120R,G,Bから射出された3つの色画像光を合成する。投写光学系140は、合成済みの画像光をスクリーンSC上に投写して、スクリーンSC上にカラー画像(合成済み画像)を形成する。
【0027】
このプロジェクタPJの第1ないし第3の照明光学系110R,110G,110Bに含まれている第1ないし第3の液晶ライトバルブ120R,120G,120Bは、画像制御回路170にフラットケーブルなどのケーブルにより接続されており、画像制御回路170に内蔵された駆動回路から出力される駆動信号に基づいて、投写される画像を形成する。また、プロジェクタPJの内部には、画像制御回路170の他に、電源部150が設けられている。電源部150は、商用電源から、プロジェクタPJの各部が必要とする電源を作り出している。電源部150は、後述するように、画像制御回路170からの制御信号を受けて、プロジェクタPJ内のいずれの装置に電源を供給するかを細かく制御している。
【0028】
B.画像制御回路の構成:
次に、画像制御回路170の構成について説明する。図2は、本実施例のプロジェクタPJに備えられた画像制御回路170の構成を、電源部150と共に示すブロック図である。図示するように、画像制御回路170は、プロジェクタPJ内部の処理を司るCPU172、このCPU172に制御用信号バス174を介して接続されたメモリ176、同じく制御用信号バス174を介してCPU172に接続されたCMOSタイプの画像処理回路180、画像処理回路180に接続された表示デバイス駆動回路182、CPU172に使用者の操作を伝えるスイッチパネル186などを備える。
【0029】
CPU172は、メモリ176に記憶されたプログラムを実行する。このCPU172には、制御用信号バス174の他、各種の制御信号を出力する信号線が接続されているいる。具体的には、クロック信号CLKとリセット信号RSTを画像処理回路180に出力する信号線や、電源制御信号PCSをリレー188に出力する信号線などがある。また、スイッチパネル186からスイッチの状態を読み込むための信号線が、CPU172に接続されている。
【0030】
メモリ176は、CPU172が実行するプログラムや各種設定値を記憶するものであり、本実施例では、不揮発性でかつ電気的に書き換え可能なEEPROMを用いた。プロジェクタPJに電源が投入されると、CPU172は、予め定めたメモリ176の所定の番地から処理を開始する。メモリ176としては、揮発性の半導体メモリを用い、ハードディスクやフラッシュメモリドライブなどの外部記憶装置を内蔵し、電源投入時に、ハードディスなどの記憶装置からプログラムをロードして実行するように構成しても差し支えない。
【0031】
画像処理回路180は、特定用途向け集積回路(ASIC)であり、プロジェクタPJに必要な画像処理を実行可能に構成されている。この画像処理回路180は、外部からのデジタル映像信号を入力し、これに対して所定の画像処理を施し、処理後のデータを、表示デバイス駆動回路182に出力する。画像処理回路180が実行する画像処理としては、表示デバイスであるライトバルブ120R,G,Bの特性の相違を吸収するための補正処理、投写される画像のゆがみを除去するキーストーン補正、コントラストや色調の調整を行なう画質補正などがある。本実施例のプロジェクタPJは背面投影方式を採用しているので、キーストーン補正は、固定的なものであり、省略してもよい。
【0032】
画像処理回路180は、各種の補正を、その実行のオン・オフ、あるいは補正程度など、全てCPU172からの指示を受けて行なう。このため、CPU172と画像処理回路180とは、制御用信号バス174により接続されている。画像処理回路180がCPU172から受け取るクロック信号CLKは、画像処理回路180の動作タイミングを決定する基準信号である。画像処理回路180の内部のゲートなどの論理回路は、全てこのクロック信号CLKに同期して動作している。したがって、このクロック信号CLKの周波数が低くなれば、画像処理回路180の処理動作も低速になる。画像処理回路180は、CMOS素子により構成されており、その消費電力は、このクロック信号CLKの周波数に依存している。動作用のクロック信号CLKの周波数が低下すると、動作速度の低下に伴い、消費電力は少なくなる。
【0033】
画像処理回路180は、クロック信号CLKの他、リセット信号RSTもCPU172から受け取っている。このリセット信号RSTを受け取ると、画像処理回路180は、その動作モードを初期のモードにリセットし、全ての出力をロウレベルとする。このため、画像処理回路180は、図3に例示したように、出力ラインの最終段に、CMOS素子のアンドゲート201を備えている。アンドゲート201の一方の入力には、リセット信号RSTが接続されている。このため、CPU172がリセット信号RSTをロウレベルにしている限りは、画像処理回路180の全出力はロウレベルに保たれる。なお、CPU172がリセット信号RSTをロウレベルに維持し続ける代わりに、図4に示したように、画像処理回路180内に、フリップフロップ回路(D−FF)194を設け、その出力をアンドゲートの入力に接続するという回路構成を採っても差し支えない。この場合には、CPU172は、フリップフロップ回路194のクロック入力端子に、一度リセット信号RSTを出力すれば良い。フリップフロップ回路194のデータ端子Dは、プルアップされているので、負論理出力Q\(「\」は負論理を示す)は、クロック入力端子にリセット信号RSTを受け付けた時点で、ロウレベルに設定される。フリップフロップ回路194をリセットするには、CPU172が出力する別の信号(図4では、プリセット信号PRESET)を用いればよい。
【0034】
この画像処理回路180から表示デバイス駆動回路182に出力されるのは、本実施例では、表示しようとする画像をRGBに分けた信号および表示用のタイミング信号であり、前者は、各色8ビット、計24ビットの信号である。上述したように、画像処理回路180の出力の最終段にはアンドゲート201が設けられ、CPU172からリセット信号RSTが出力されると、画像処理回路180の出力は全てロウレベルに固定される。このため、画像処理回路180と表示デバイス駆動回路182の動作の如何にかかわらず、画像処理回路180から表示デバイス駆動回路182に向けて、電流が流れるといったことはない。
【0035】
表示デバイス駆動回路182は、画像処理回路180からのRGBの信号およびタイミング信号TSを受けて、表示デバイスであるライトバルブ120R,G,Bを駆動する信号を出力する。この駆動信号は、アナログの映像信号である。もとより、表示デバイス駆動回路182からは、ライトバルブ120R,G,Bに対して、タイミング信号も出力される。
【0036】
次に、電源部150とその接続について説明する。電源部150は、上述したように、商用交流から各部の動作用の直流電源を生成している。本実施例では、電源部150は、CPU172や画像処理回路180などの動作用のプラス5ボルトの電源と、アナログ映像信号に用いる直流12ボルトの電源などを生成している。電源部150からの電源供給線は、本実施例では、3つに分けられている。一つは、直流5ボルトを供給する電源供給線PS1であり、この電源供給線PS1は、CPU172、メモリ176、画像処理回路180に一括して電源を供給する。もう一つは、直流5ボルトを供給する電源供給線PS2であり、この電源供給線PS2は、リレー188のノーマルオープンの接点Rb1を介して、表示デバイス駆動回路182のデジタル信号の処理を行なっている回路に電源を供給する。最後の電源供給線PS3は、アナログ映像信号用の直流12ボルトを供給するものであり、リレー188のノーマルオープンの接点Rb2を介して、表示デバイス駆動回路182のアナログ映像信号を駆動している回路と、ライトバルブ120R,G,Bとに接続されている。これらの接点Rb1,Rb2は、CPU172がリレー188を駆動することにより閉成される。
【0037】
図5に、表示デバイス駆動回路182のアナログ映像信号用を扱っている出力段の回路構成を模式的に示した。図示するように、表示デバイス駆動回路182の出力の最終段は、アナログ信号を扱うことができるように、アナログの駆動回路(オペアンプ)が設けられている。電源供給線PS3から供給される電源は、この最終段の駆動回路の駆動に用いられる。また、電源供給線PS3は、ライトバルブ120R,G,Bにも、同じ電源を供給している。なお、発光装置102R,G,Bも、同じ電源供給線PS3から電源の供給を受けている。
【0038】
C.画像制御回路に内蔵されたCPUが行なう処理:
次に、CPU172が実行する処理およびその場合の各回路の動作について説明する。図6は、本実施例における画像制御回路170のCPU172が実行する処理を模式的に示したフローチャートである。また、図7は、CPU172が実行する動作モード監視処理ルーチンを示すフローチャートである。CPU172のこれらの処理に対応した各回路の動作状態を、図8のタイミングチャートに示した。
【0039】
CPU172は、電源が投入されると、図6に示した処理(メインルーチン)を開始する。CPU172は、まず初期化の処理(ステップS110)を実行する。初期化の処理は、このプロジェクタPJの各種設定を初期値に戻すと共に、リレー188を駆動して、ノーマルオープンの接点Rb1,Rb2をいずれも閉成する。この結果、初期化の処理が完了すると、表示デバイス駆動回路182のデジタル信号の処理回路に電源供給線PS2を介して5ボルトの電源が、表示デバイス駆動回路182のアナログ映像信号用の処理回路とライトバルブ120R,G,Bとに、電源供給線PS3を介して12ボルトの電源が、それぞれ供給され、両回路は動作を開始する。
【0040】
続いて、CPU172は、デジタル映像信号DMSをチェックし(ステップS120)、デジタル映像信号が入力されていると判断すれば(ステップS130)、通常の表示処理ルーチン(ステップS150)を実行する。この表示処理ルーチン(ステップS150)では、CPU172は、スイッチパネル186の操作に基づいて、例えば発光装置102R,G,Bを点灯し、画像処理回路180を動作可能として、デジタル映像信号DMSの処理を行なわせ、これを表示デバイス駆動回路182によりアナログ映像信号を変換し、必要とされるタイミング信号と共にライトバルブ120R,G,Bに出力する動作を開始する。画像処理回路180は、ステップS150の処理が一旦行なわれれば、CPU172により設定された条件に基づいて、デジタル映像信号の処理を継続する。この結果、入力したデジタル映像信号DMSに応じた画像がライトバルブ120R,G,Bに形成され、最終的に、光源である発光装置102R,G,Bからの光を利用して、スクリーンSC上に、画像が表示されることになる。この状態の各信号の様子を図8に区間Aとして示した。
【0041】
他方、CPU172が、デジタル映像信号DMSが所定期間に亘って入力されていないと判断すれば(ステップS130)、表示処理ルーチン(ステップS150)は実行されない。いずれの場合でも、続いて監視処理ルーチンを起動する処理を行なう(ステップS160)。この処理は、プロジェクタPJの消費電力を低減するための処理を、プロジェクタPJの動作条件に基づいて実行するルーチンであり、通常は、メモリ上に常駐し、OSの管理の元で、他のアプリケーションプログラムのバックグランウンドで動作する処理である。
【0042】
そこで、次に、図7を参照しつつ、動作モード監視処理について説明する。この処理は、所定のインターバルで繰り返し、バックグラウンドで実行される。この処理ルーチンが開始されると、まずCPU172は、スイッチパネル186上のパワースイッチ(PSW)が操作されたか否かの判断を行なう(ステップS210)。このパワースイッチとは、プロジェクタPJに商用電源を供給する電源スイッチではなく、プロジェクタPJの使用のオン・オフを操作するスイッチである。一般にこのスイッチの操作により、プロジェクタPJの光源(本実施例では発光装置102R,G,B)が点灯し、あるいは消灯する。本実施例では、図7に示した処理は所定のインターバルで繰り返し実施されるものとしたが、パワースイッチの操作があったことを要因とする割り込み処理として実現してもよい。また、パワースイッチの操作は、スイッチパネル186上のボタンの単純なオン・オフの操作により判断してもよいし、ボタンの長押しや二度押しなどにより、パワースイッチが操作されたものと判断しても良い。
【0043】
パワースイッチが操作されていなければ、何も行なわずに処理を終了する。他方、パワースイッチが操作されていれば、次にプロジェクタPJは動作中か否かの判断を行なう(ステップS220)。プロジェクタPJがすでに動作、つまり入力されているデジタル映像信号の投影を行なっていれば、ステップS230ないしS260の処理を実行し、プロジェクタPJが動作中でなければ、ステップS235ないしS265の処理を実行する。これらの処理は、後述するように、対称的な処理となっている。
【0044】
まず、プロジェクタPJが動作中の場合の処理について説明する。プロジェクタPJが動作中だと判断した場合には(ステップS220)、続いてプロジェクタPJの停止条件が成立しているか否かについて判断する(ステップS230)。プロジェクタPJの停止条件が成立していると判断されるのは、
(1)スイッチパネルに設けられたスタンバイスイッチが操作されている場合、
(2)所定期間(例えば2分)以上、デジタル映像信号が入力されていない場合、
(3)プロジェクタPJに内蔵された温度センサにより、プロジェクタPJ内部が所定の温度以上となっていることを検出した場合、
などである。もとより、その他の状態、例えば発光装置に流れる電流が所定値以上となっており、発光装置の取り替えが必要と判断されたとき、発光装置の累積使用時間が所定値以上となっており、交換が必要と判断されたとき、プロジェクタPJの内部を冷却するファンの回転が停止あるいは所定回転数以下となっている異常時、などに、停止条件が成立していると判断することも差し支えない。プロジェクタPJが動作中でかつ停止条件が成立していないと判断された場合には、何も行なわず、RTNに抜けて処理を終了する。
【0045】
プロジェクタPJが動作中でかつ停止条件が成立していると判断した場合には、CPU172は、まずリセット信号RSTを出力し(ステップS240)、続いてクロック信号CLKを停止する(ステップS250)。この結果、画像処理回路180は、出力の最終段に設けられたゲート(図3、図4参照)の一方の入力がインアクティブ(ロウレベル)となり、表示デバイス駆動回路182への全出力はロウレベルとなる。また、クロック信号CLKが停止されるので、画像処理回路180は、実質的に動作を停止する。
【0046】
上記の処理(ステップS240,S250)に引き続き、CPU172は、リレー188に停止信号を送り、その接点をノーマルオープンの状態に切り替える処理を行なう(ステップS260)。接点がオープン状態となることから、結果的に、CPU172は、図7のステップS260に記載したように、電源供給線PS2、PS3への電源供給を停止することになる。電源供給線PS2は、表示デバイス駆動回路182のロジック回路への5ボルトの直流電源を、電源供給線PS3は、表示デバイス駆動回路182のアナログ回路と表示デバイスであるライトパルプ120R,G,Bおよび発光装置102R,G,Bへの12ボルトの直流電源を、それぞれ供給しているから、両者が停止されることにより、表示デバイス駆動回路182とライトバルブ120R,G,Bおよび発光装置102R,G,Bとは、動作を完全に停止する。この状態における各信号の状態を、図8の期間Bに示した。
【0047】
図8の区間Bに示したように、この場合、電源供給線PS1による電源供給は継続されるから、CPU172、メモリ176、画像処理回路180は、引き続き動作を継続する。しかし、画像処理回路180のデジタル映像信号の全出力は、ロウレベルとされているので、CPU172から画像処理回路180への出力がどのような状態となっていても、画像処理回路180から表示デバイス駆動回路182へ電流が流れることはない。また、クロック信号CLKが停止されているので、画像処理回路180の消費電力も限りなく0に近い状態となる。この結果、停止条件が成立していると判断された場合には(ステップS230)、プロジェクタPJの消費電力は、CPU172,メモリ176の省電力程度まで低減されることになる。
【0048】
上記処理を行なった後、RTNに抜けて処理は一旦終了するが、この場合、プロジェクタPJは停止状態となる。従って、次にこの動作モード監視処理ルーチンが実行されたときに、パワースイッチが操作されると、ステップS220の判断は、「NO」、すなわちプロジェクタPJが動作中ではないと判断されることになり、処理はステップS235以降に移行する。ステップS235では、停止されているプロジェクタPJの再開条件が成立しているか否かの判断を行なう。「再開条件の成立」とは、上述した「停止条件の成立」を不成立とする状態である。例えば、
(1)スイッチパネルに設けられたスタンバイスイッチが操作された場合、
(2)デジタル映像信号が入力された場合、
(3)プロジェクタPJに内蔵された温度センサにより、プロジェクタPJ内部が所定の温度未満まで低下して正常状態に復したことを検出した場合、
などを考えることができる。
【0049】
再開条件が成立していなければ、そのままRTNに抜けて、本ルーチンを終了する。他方、再開条件が成立していると判断した場合には(ステップS235)、クロック信号CLKを元に戻し供給し(ステップS245)、更にリセット信号RSTをオフとし(ステップS255)、リレー188を動作させて、ノーマルオープンの接点を閉成する(ステップS265)。この結果、電源供給線PS2、PS3は、元に復して、それぞれの電源供給を再開する。
【0050】
この状態を、図8の期間Cに示した。クロック信号CLKが供給され、リセット信号RSTがオフとされ、更に電源の供給も再開されるので、画像処理回路180は処理を再開し、表示デバイス駆動回路182やライトバルブ120R,G,Bとにあるいは発光装置102R,G,Bも動作を再開する。この結果、入力されたデジタル映像信号に従って、映像がスクリーンSC上に表示されることになる。図8に示したように、この期間Cの各信号は、期間Aの状態に復している。
【0051】
以上、本発明の一実施例について説明したが、本実施例のプロジェクタPJによれば、映像信号が所定時間に亘って入力されないといった場合に、表示デバイス駆動回路182や発光装置102R,G,Bへの電源の供給を停止するので、プロジェクタPJの消費電力を低減することができる。しかも、このとき画像処理回路180のデジタル映像信号DMSはすべてロウレベルとされるので、画像処理回路180から表示デバイス駆動回路182へと電流が流れ込むという状態になることがない。この電流の流れ込みは、たとえ画像処理回路180への電源の供給を停止しても、CPU172が動作している場合には、制御用信号バス174を介して画像処理回路180に接続されたCPU172からの回り込みにより生じることがある。電流の回り込みが生じると、CMOS素子からなる画像処理回路180はラッチアップを起こす虞がある。こうした事態を防止するには、例えばCPU172との間の制御用信号バスに、画像処理回路180との接続を遮断するスイッチを設ければよいが、バスを構成する多数の信号線にスイッチを設けることはコストアップを招いてしまう。本実施例では、画像処理回路180の出力にゲートを設けて、その出力をロウレベルにすることにより、こうした事態の発生を防止しており、ラッチアップ対策などのスイッチを必要としない。
【0052】
同時に、画像処理回路180へのクロック信号CLKの供給を停止しているので、画像処理回路180での消費電力も実質的に0にまで低減される。この結果、画像処理回路180への電源供給は継続されているものの、CPU172からの回り込みによる表示デバイス駆動回路182への電流の流れ込みは回避され、トータルでの消費電力は、十分に抑制される。
【0053】
D.変形例:
以上本発明の実施例について説明したが、本発明はこうした実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の態様で実施することができる。例えば、ステップS250でのクロック信号CLKの停止に代えて、クロック信号CLKの周波数を十分に低減するという処理を行なうことも可能である。CMOS素子を用いた回路では、その消費電力は、クロック信号CLKの周波数に依存する。従って、クロック信号CLKを停止しなくても、その周波数を低減することで、画像処理回路180の消費電力は十分に抑制することができる。また、ライトバルブ120R,G,Bと発光装置102R,G,Bとの電源供給線を分離し、別々のタイミングで制御することも差し支えない。更に、発光装置102R,G,Bとライトバルブ120R,G,Bとを一体化した構成、例えば自発光タイプであってかつ画像を直接形成可能なCRTやEL等を用いた構成とすることも差し支えない。
【0054】
また、本実施例では、ステップS230で、プロジェクタPJの停止条件が成立していると判断したとき、画像処理回路180のデジタル映像出力をすべてロウレベルとしたが、すべての出力をハイインピーダンス状態としても良い。この場合も、画像処理回路180から表示デバイス駆動回路182への電流の流れ込みは生じない。
【0055】
上述した実施例で用いた回路や構成、あるいは実施した処理のうち、特許請求の範囲に記載のないものは、本発明を実施する上では必須の要件ではない。また、実施例に記載された回路や構成、あるいは処理と均等なものによっても、本発明が実施できることは勿論である。
【符号の説明】
【0056】
102R,G,B…発光装置
110R,G,B…照明光学系
120R,G,B…液晶ライトバルブ
130…クロスダイクロイックプリズム
140…投写光学系
150…電源部
170…画像制御回路
172…CPU
174…制御用信号バス
176…メモリ
180…画像処理回路
182…表示デバイス駆動回路
186…スイッチパネル
188…リレー
194…フリップフロップ回路
PJ…プロジェクタ
PS1…電源供給線
PS2…電源供給線
PS3…電源供給線
RST…リセット信号
Rb1,Rb2…接点
SC…スクリーン
TS1…タイミング信号
TS2…タイミング信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から入力された画像信号を処理する画像処理装置であって、
動作用のクロック信号を得て、前記画像信号を処理するCMOSタイプの画像処理回路と、
前記画像処理回路に接続されて表示用デバイスを駆動する駆動回路と、
前記画像処理回路および駆動回路を含む当該画像処理装置内の各回路に電源を供給する電源部と、
当該画像処理装置の動作を停止すると判断したとき、前記電源部からの前記電源供給のうち、少なくとも前記駆動回路への電源供給を停止すると共に、前記クロック信号の周波数を、当該画像処理装置の動作時より低くし、かつ前記画像処理回路の出力をハイインピーダンス状態またはロウレベルとする停止用制御信号を出力する停止処理部と
を備えた画像処理装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像処理装置であって、
少なくとも前記画像処理回路と共通のバスを介して接続され、当該画像処理装置内の各回路の動作を制御する制御部を設け、
前記停止処理部を、前記制御部が実行する処理の一つとして実現した
画像処理装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の画像処理装置であって、
前記停止処理部は、
当該装置の使用者が操作する操作部に設けられたスタンバイモードスイッチが操作されたとき、
当該装置の状態が、異常状態となったことが検出されたとき、または
前記外部からの画像信号が検出されない状態が所定時間以上継続したとき
のうちの少なくとも一つが満たされた場合に、前記画像処理装置の動作を停止するとの前記判断を行なう
画像処理装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか記載の画像処理装置であって、
前記画像処理回路は、前記駆動回路に接続された出力側の複数のラインの最終段に、CMOS素子によるゲートを備え、停止用制御信号を受け付けたとき、前記ゲートを制御して、該ゲートの出力を、ハイインピーダンス状態またはロウレベルとする
画像処理装置。
【請求項5】
請求項4記載の画像処理装置であって、
前記画像処理回路は、前記複数のラインに対応して、前記停止制御信号を保持するラッチを備え、該ラッチの出力信号により前記ゲートの出力が、ハイインピーダンス状態またはロウレベルとなるとように前記ラッチと前記ゲートとを接続した
画像処理装置。
【請求項6】
前記画像処理回路は、前記表示用デバイスの色調整用のルックアップテーブルを備えた請求項1ないし請求項5のいずれか記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記停止処理部は、前記クロック信号の周波数を0とする請求項1ないし請求項5のいずれか記載の画像処理装置。
【請求項8】
画像信号を処理して表示する投影型表示装置であって、
光源からの光を用いて投影する画像を形成する表示用デバイスと、
動作用のクロック信号を得て、前記画像信号を処理するCMOSタイプの画像処理回路と、
前記画像処理回路に接続されて前記表示用デバイスを駆動する駆動回路と、
前記画像処理回路および駆動回路を含む当該投影型表示装置内の各回路に電源を供給する電源部と、
少なくとも前記画像処理回路と共通のバスを介して接続され、当該投影型表示装置内の各回路の動作を制御する制御部と、
当該投影型表示装置の動作を停止すると判断したとき、前記電源部からの前記電源供給のうち、少なくとも前記駆動回路への電源供給を停止すると共に、前記クロック信号の周波数を、当該投影型表示装置の動作時より低くし、かつ前記画像処理回路の出力をハイインピーダンス状態またはロウレベルとする停止用制御信号を出力する停止処理部と
を備えた投影型表示装置。
【請求項9】
外部から入力された画像信号を処理する画像処理装置の消費電力を低減する方法であって、
動作用のクロック信号を得て、前記画像信号を処理するCMOSタイプの画像処理回路と、該画像処理回路に接続されており表示用デバイスを駆動する駆動回路とを含む前記画像処理装置内の各回路に、該画像処理装置の動作中は、電源を供給し、
前記画像処理装置の動作を停止すると判断したとき、前記電源部からの前記電源供給のうち、少なくとも前記駆動回路への電源供給を停止すると共に、
前記クロック信号の周波数を、当該画像処理装置の動作時より低くし、かつ前記画像処理回路の出力をハイインピーダンス状態またはロウレベルとする
画像処理装置の消費電力低減方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−92795(P2013−92795A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−286408(P2012−286408)
【出願日】平成24年12月28日(2012.12.28)
【分割の表示】特願2008−327471(P2008−327471)の分割
【原出願日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】