画像処理装置、撮像装置およびプログラム
【課題】 色差成分を平滑化しつつも、より自然な質感を有する画像を生成する手段を提供する。
【解決手段】 画像処理装置は、入力画像の色差成分に平滑化を行なう平滑化部と、抽出部と、演算部と、補正部とを備える。抽出部は、平滑化前後の色差成分を用いて、入力画像に含まれる色差の変動成分を抽出する。演算部は、入力画像の色再現で色差の変動成分が輝度に与える影響に相応する質感成分を求める。補正部は、質感成分を用いて、入力画像の輝度成分を補正する。
【解決手段】 画像処理装置は、入力画像の色差成分に平滑化を行なう平滑化部と、抽出部と、演算部と、補正部とを備える。抽出部は、平滑化前後の色差成分を用いて、入力画像に含まれる色差の変動成分を抽出する。演算部は、入力画像の色再現で色差の変動成分が輝度に与える影響に相応する質感成分を求める。補正部は、質感成分を用いて、入力画像の輝度成分を補正する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、撮像装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、画像の解像感を向上させるために、画像の色差成分に対して平滑化を行う技術が公知である。一例として、特許文献1には、画像データの色情報から局所的な変動成分を抽出し、この変動成分から擬似的に生成された輝度の質感成分を輝度情報に加えることで、平滑化を行いつつも画像の解像感を向上させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4595939号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の画像処理では、人間の視覚特性を考慮して質感成分が生成されていないため、色差成分を平滑化した後の画像の質感になお改善の余地があった。
【0005】
上記事情に鑑み、色差成分を平滑化しつつも、より自然な質感を有する画像を生成する手段を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の画像処理装置は、入力画像の色差成分に平滑化を行う平滑化部と、抽出部と、演算部と、補正部とを備える。抽出部は、平滑化前後の色差成分を用いて、入力画像に含まれる色差の変動成分を抽出する。演算部は、入力画像の色再現で色差の変動成分が輝度に与える影響に相応する質感成分を求める。補正部は、質感成分を用いて、入力画像の輝度成分を補正する。
【0007】
上記の一態様において、演算部は、平滑化後の色差成分の色差座標から質感成分の輝度勾配を求めてもよい。また、演算部は、色差の変動成分と輝度勾配とを用いて質感成分を求めてもよい。
【0008】
上記の輝度勾配は、色差座標との色相角が90度から135度の範囲では他の範囲と比べて値が小さくなるものであってもよい。
【0009】
上記の輝度勾配は、色差座標の正方向の彩度変化に対して正方向の輝度変化を与えるとともに、色差座標の負方向の彩度変化に対して負方向の輝度変化を与えてもよい。
【0010】
ここで、上記の画像処理装置を含む撮像装置や、コンピュータを上記の画像処理装置として動作させるプログラムおよびプログラム記憶媒体や、上記の画像処理装置の動作を方法のカテゴリで表現したものも、本発明の具体的態様として有効である。
【発明の効果】
【0011】
入力画像の色再現で色差の変動成分が輝度に与える影響に相応する質感成分を求め、この質感成分を用いて入力画像の輝度成分を補正する。これにより、色差成分を平滑化しつつも、より自然な質感を有する画像を生成できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】一の実施形態での画像処理装置の構成例を示す図
【図2】Helmholtz-Kohlrausch効果を考慮したノイズの見えの説明図
【図3】第1の実験の実験結果を示す図
【図4】第2の実験の実験結果を示す図(C*ab=10)
【図5】第2の実験の実験結果を示す図(C*ab=20)
【図6】第2の実験の実験結果を示す図(C*ab=30)
【図7】第1実施形態でのノイズ低減処理例を示す流れ図
【図8】第1実施形態でのノイズ低減処理例の概要図
【図9】輝度勾配係数のデータテーブルの一例を模式的に示す図
【図10】輝度勾配における彩度と輝度との相関を示す図
【図11】輝度勾配における彩度と輝度との相関を示す図
【図12】第2実施形態でのノイズ低減処理例の概要図
【図13】第3実施形態での撮像装置の構成例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
<第1実施形態の説明>
図1は、第1実施形態での画像処理装置の構成例を示す図である。第1実施形態での画像処理装置は、入力画像に対してノイズ低減処理を施す画像処理プログラムがインストールされたパーソナルコンピュータである。
【0014】
図1に示すコンピュータ11は、データ読込部12、記憶装置13、CPU14、メモリ15および入出力I/F16、バス17を有している。データ読込部12、記憶装置13、CPU14、メモリ15および入出力I/F16は、バス17を介して相互に接続されている。さらに、コンピュータ11には、入出力I/F16を介して、入力デバイス18(キーボード、ポインティングデバイスなど)とモニタ19とがそれぞれ接続されている。なお、入出力I/F16は、入力デバイス18からの各種入力を受け付けるとともに、モニタ19に対して表示用のデータを出力する。
【0015】
データ読込部12は、画像のデータや、プログラムを外部から読み込むときに用いられる。データ読込部12は、例えば、着脱可能な記憶媒体からデータを取得する読込デバイス(光ディスク、磁気ディスク、光磁気ディスクの読込装置など)や、公知の通信規格に準拠して外部の装置と通信を行う通信デバイス(USBインターフェース、有線/無線LANモジュールなど)である。
【0016】
記憶装置13は、例えば、ハードディスクや、不揮発性の半導体メモリなどの記憶媒体である。この記憶装置13には、上記の画像処理プログラムや、プログラムの実行に必要となる各種データ(後述する輝度勾配係数のデータテーブルなど)が記憶されている。なお、記憶装置13には、データ読込部12から読み込んだ画像のデータや、画像処理プログラムでノイズ低減処理が施された画像のデータを記憶しておくこともできる。
【0017】
CPU14は、コンピュータ11の各部を統括的に制御するプロセッサである。このCPU14は、画像処理プログラムの実行によって、平滑化部21、抽出部22、演算部23、補正部24として動作する(平滑化部21、抽出部22、演算部23および補正部24の各動作については後述する)。
【0018】
メモリ15は、画像処理プログラムでの各種演算結果を一時的に記憶する。このメモリ15は、例えば揮発性のSDRAMである。
【0019】
次に、第1実施形態での画像処理装置の動作例を説明する。
【0020】
第1実施形態の画像処理装置は、入力画像の色差成分に平滑化を行うことで、画像の色ノイズを低減させる。一方で、第1実施形態の画像処理装置は、人間の視覚特性を考慮して質感成分を擬似的に生成するとともに、上記の質感成分を入力画像の輝度成分に加える補正を行う。
【0021】
ここで、上記の処理を行う理由を説明する。一般的に、画像の輝度成分のノイズは、画像の解像感の向上や、フィルム撮影のような質感に寄与するなど、好ましい効果を生じさせることが知られている。一方、画像の色差成分のノイズ(色ノイズ)は、画像の解像感を大きく低下させるため、画像処理で抑制することが好ましい。
【0022】
しかし、人間の視覚特性上、明るさは色に応じて異なって知覚され、かつ同じ輝度値でも彩度が高いほど明るく知覚される(Helmholtz-Kohlrausch効果)。よって、単純に画像の色差成分のみを平滑化すると、補正後の画像は輝度成分による質感も低減するように看者に知覚されてしまう。
【0023】
図2は、Helmholtz-Kohlrausch効果を考慮したノイズの見えの説明図である。図2(a)に示すように、輝度(L*)が一定であるときに色差平面(a*b*)で揺らぎ(ノイズ)があった場合を考える。このとき、色差平面での揺らぎが有ると看者の明るさの感覚も変化する。よって、画像の輝度は一定であるにも拘わらず、看者には明るさの揺らぎ(ノイズ)も知覚されるようになる(図2(b)参照)。
【0024】
発明者は、上記の事項を確認するため、以下の2つの実験を行った。
【0025】
第1の実験では、それぞれ同じ大きさの色ノイズを含み、互いに色の異なる2つの色パッチをディスプレイ上に表示した。そして、被験者にノイズが大きいと感じる方を選択させる一対比較法の心理物理実験を行った。
【0026】
図3は、第1の実験の実験結果を示す図である。図3は、CIE L*a*b*表色系の色差平面(a*b*)上の各位置におけるノイズの見え方を示している。図3において、十字の中心は色パッチの色差平面上の座標を示し、ノイズが大きいと感じる被験者が多いほど色パッチに対応する十字が大きく表記される。
【0027】
図3から、ノイズの見えやすさは背景色(色パッチ)によって異なることが分かる。また、図3から、無彩色(a*=b*=0)ではノイズは比較的知覚されにくく、有彩色(例えば青色(色差平面の第3象限)や赤紫色(色差平面の第4象限))ではノイズが知覚されやすいことも分かる。
【0028】
第2の実験では、無彩色の基準パッチ(L*=51.56)と、有彩色パッチとをディスプレイ上に表示した。そして、基準パッチと同じ明るさとなるように、被験者に有彩色パッチの輝度(L*)を調整させる心理物理実験を行った。
【0029】
図4〜図6は、第2の実験の実験結果を示す図である。図4は有彩色パッチの彩度C*ab=10のときの実験結果であり、図5は有彩色パッチの彩度C*ab=20のときの実験結果であり、図6は有彩色パッチの彩度C*ab=30のときの実験結果である。図4〜図6において、縦軸は輝度(L*)を示し、横軸は色相角を示す。また、図4〜図6では、基準パッチの輝度は実線で示し、被験者によって調整された有彩色パッチの輝度変化は破線で示す。
【0030】
図4〜図6から、基準パッチと同じ明るさと知覚される有彩色パッチの輝度L*は、色相角に応じて異なることが分かる。色相角90度〜135度の範囲においてHelmholtz-Kohlrausch効果の影響はいずれの彩度でも比較的少ない。しかし、他の色相角の範囲では、有彩色パッチの輝度L*を基準パッチよりも小さくしないと、両者を同じ明るさとして知覚できないことが分かる。また、図4〜図6から、一般的に、同じ色相角においても彩度が高くなると、有彩色パッチの輝度L*をより小さくしないと基準パッチと同じ明るさに知覚できないことも分かる。
【0031】
上記のように、彩度、色相によってHelmholtz-Kohlrausch 効果の程度は異なるため、ノイズにより彩度、色相が変化すると、看者の知覚する明度も変化する。この明度の大きさの違いが第1の実験でのノイズの知覚の差に影響していると考えられる。なぜならば、人間の視覚特性において、明るさの高周波成分の知覚感度は色差のそれよりも高いためである。例えば、色相90度〜135度の範囲ではHelmholtz-Kohlrausch効果がいずれの彩度でもほとんど見られない。そのため、この範囲に含まれる色はノイズで彩度や色相が変わったとしても、他の領域に比べノイズが知覚されにくいことが示唆される。このことは、第1の実験の実験結果とも整合する。
【0032】
以上の事項から、入力画像の色差成分に平滑化を行うときに、Helmholtz-Kohlrausch効果を考慮した輝度の補正を行うことで、画像の質感をより向上できることが分かる。
【0033】
次に、図面を参照しつつ、第1実施形態のノイズ低減処理の例を説明する。図7は、第1実施形態でのノイズ低減処理例を示す流れ図である。図8は、第1実施形態でのノイズ低減処理例の概要図である。なお、図7、図8の処理は、ユーザによるプログラム実行指示に応じて、CPU14がプログラムを実行することで開始される。
【0034】
ステップ#101:CPU14は、ノイズ低減処理の対象となる入力画像のデータを、データ読込部12から取得する。#101で取得された入力画像のデータは、CPU14の制御によって、記憶装置13またはメモリ15に記録される。なお、入力画像のデータが予め記憶装置13に記憶されている場合には、CPU14は#101の処理を省略してもよい。
【0035】
ここで、第1実施形態の入力画像は、色補間処理が施された後のカラー画像であって、輝度成分および色差成分からなる色空間(YCbCr、CIE L*a*b*など)で表現される。第1実施形態では、色空間がCIE L*a*b*である入力画像のデータの例を説明する。また、以下の説明では、入力画像の輝度チャンネルを輝度情報(L*)と称し、入力画像の色差チャンネルを色差情報(a*,b*)と称する。なお、#101で取得した画像が他の色空間(例えばRGB)の場合、CPU14は色空間の変換処理を実行するものとする。
【0036】
ステップ#102:平滑化部21は、入力画像の色差情報(#101)に対して平滑化フィルタ(一例としてバイラテラルフィルタまたはイプシロンフィルタ)による平滑化処理を施す。
【0037】
【数1】
【0038】
上記の色差の変動成分(da*,db*)は、平滑化によって画像から除去される色差のノイズ(揺らぎ)である。
【0039】
ステップ#104:演算部23は、#103で取得した色差の変動成分(da*,db*)を、カルテシアン座標系(Cartesian coordinates)から極座標系に変換する。#104の処理では、色差平面の座標で示された色差の変動成分(da*,db*)が、彩度および色相角(dC*,dh*)の形式に変換される。
【0040】
【数2】
【0041】
上記の質感成分の輝度勾配は、Helmholtz-Kohlrausch効果に準拠して、等明度にするときの輝度の彩度依存性を示すパラメータである。一例として、質感成分の輝度勾配は、彩度の変化(ΔC*ab)に対する輝度の変化(ΔL*)として表現できる(ΔL*/ΔC*ab)。
【0042】
ここで、第1実施形態での演算部23は、予め記憶装置13に記憶されている輝度勾配係数のデータテーブルを用いて輝度勾配を求める。図9は、輝度勾配係数のデータテーブルの一例を模式的に示す図である。
【0043】
上記の輝度勾配係数のデータテーブルは、等明度にするための輝度の係数と色相角との対応関係が記憶されている。上記のデータテーブルでは、色相角の45度刻みで輝度の係数が記憶されている。また、上記のデータテーブルでは、彩度0−10の範囲と、彩度10−20の範囲と、彩度20−30の範囲とで、それぞれ輝度の係数と色相角との対応関係が変化する。なお、図9のデータテーブルは、上記した第2の実験の実験結果(図4〜図6)に基づいて、L*=51.56を基準として生成されている。
【0044】
図9における色相角が90−135度の範囲では、他の範囲と比べて輝度勾配(ΔL*/ΔC*ab)がいずれの彩度でも小さくなり、ほぼ0となる。また、輝度勾配(ΔL*/ΔC*ab)が負の値をとるときの値はいずれも小さい。そのため、ほぼ(ΔL*/ΔC*ab)≧0であるとみなすことができる。すなわち、輝度勾配では彩度が高くなると輝度が高くなる。
【0045】
また、#106での演算部23は、以下の要領で輝度勾配(ΔL*/ΔC*ab)を求めればよい。
【0046】
【数3】
【0047】
【数4】
【0048】
なお、輝度勾配は、色差座標の正方向の彩度変化に対して正方向の輝度変化を与えるとともに、色差座標の負方向の彩度変化に対して負方向の輝度変化を与える。図10、図11は、輝度勾配における彩度と輝度との相関を示す図である。図10、図11において、縦軸は輝度を示し、横軸は彩度を示す。
【0049】
図10は、彩度の増加方向(正方向)に揺らぎを加えた状態を示している。この場合、彩度の増加に対して等明度の線は下降するため、看者には対象が暗く知覚されるようになる。よって、輝度勾配では正方向の輝度変化を与えることでバランスをとる。
【0050】
一方、図11は、彩度の減少方向(負方向)に揺らぎを加えた状態を示している。この場合、彩度の減少に対して等明度の線は上昇するため、看者には対象が明るく知覚されるようになる。よって、輝度勾配では負方向の輝度変化を与えることでバランスをとる。
【0051】
ステップ#107:演算部23は、彩度の揺らぎdC*(#104)に輝度勾配(#106)を乗じて質感成分(dL*)を求める。
【0052】
【数5】
【0053】
ステップ#108:演算部23は、#107で求めた質感成分(dL*)に対して、キャリブレーション用の補正係数kを乗算する(ただし、0<k<1)。補正係数kは、質感成分の過補正を防ぐためのものであって、#107のdL*の値を小さくするように補正する。例えば、補正係数kは、入力画像を撮影したカメラの機種や画像処理のモード等に応じてそれぞれ主観評価で決定された値が採用される。
【0054】
ステップ#109:補正部24は、#101の入力画像の輝度情報(L*)に、#108の調整後の質感成分(dL*)を加算して補正する。なお、#109の補正後の輝度情報をL*’と表記する。
【0055】
【数6】
【0056】
その後、CPU14は、出力画像のデータを記憶装置13に記憶してもよく、出力画像をモニタ19に表示させてもよい。以上で、図7、図8による説明を終了する。
【0057】
以下、第1実施形態での作用効果を述べる。第1実施形態の画像処理装置は、色差情報に平滑化を行う(#102)とともに、入力画像の色再現で色差の変動成分(#103)が輝度に与える影響に相応する質感成分(#107)を求める。そして、画像処理装置は、上記の質感成分を用いて入力画像の輝度成分を補正する(#109)。
【0058】
これにより、ノイズ低減処理後の出力画像(#110)では、色差成分の平滑化によって色ノイズが抑制されるとともに、Helmholtz-Kohlrausch効果を考慮して輝度成分が補正されるので、より自然な質感を有する画像となる。
【0059】
<第2実施形態の説明>
図12は、第2実施形態でのノイズ低減処理例の概要図である。第2実施形態は第1実施形態の変形例であって、図12は上記の図8に対応する。なお、以下の説明において、第1実施形態と共通する要素には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0060】
第2実施形態の画像処理装置では、それぞれ異なる輝度条件で生成された複数の輝度勾配係数のデータテーブルが予め記憶装置13に記憶されている。第2実施形態での演算部23は、上記の#106に対応する処理(図12の#106’)のときに、輝度情報(L*)の値に応じて参照する輝度勾配係数のデータテーブルを変更する。かかる第2実施形態では、上記の第1実施形態と同様の効果に加えて、L*の値に応じてより細かく質感成分の調整が行われるので、出力画像の解像感をより向上させることができる。
【0061】
<第3実施形態の説明>
図13は、第3実施形態での撮像装置の構成例を示す図である。第3実施形態は、第1実施形態または第2実施形態の画像処理装置を電子カメラ31に実装した例であって、電子カメラ31の撮像部33から画像処理装置が入力画像を取得する。
【0062】
電子カメラ31は、撮影レンズ32と、撮像部33と、画像処理エンジン34と、第1メモリ35および第2メモリ36と、記録I/F37と、操作部38とを備えている。ここで、撮像部33、第1メモリ35、第2メモリ36、記録I/F37および操作部38は、それぞれ画像処理エンジン34と接続されている。
【0063】
撮像部33は、撮影レンズ32によって結像された被写体の像を撮像(撮影)するモジュールである。例えば、撮像部33は、光電変換を行う撮像素子と、アナログ信号処理を行うアナログフロントエンド回路と、A/D変換およびデジタル信号処理を行うデジタルフロントエンド回路とを含んでいる。
【0064】
画像処理エンジン34は、電子カメラ31の動作を統括的に制御するプロセッサである。例えば、画像処理エンジン34は、撮影モードにおいて、ユーザの撮影指示入力に応じて、画像を撮像部33に撮影させる。また、画像処理エンジン34は、プログラムの実行により、一の実施形態のCPU14(平滑化部21、抽出部22、演算部23、補正部24)と同様に動作する。
【0065】
第1メモリ35は、画像のデータを一時的に記憶するメモリであって、例えば揮発性の記憶媒体であるSDRAMである。また、第2メモリ36は、画像処理エンジン34の実行するプログラムを記憶するメモリであって、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性メモリである。
【0066】
記録I/F37は、不揮発性の記憶媒体39を接続するためのコネクタを有している。そして、記録I/F37は、コネクタに接続された記憶媒体39に対して画像のデータの書き込み/読み込みを実行する。上記の記憶媒体39は、例えば、ハードディスクや、半導体メモリを内蔵したメモリカードである。なお、図13では記憶媒体39の一例としてメモリカードを図示する。
【0067】
操作部38は、ユーザの操作を受け付ける複数のスイッチを有している。この操作部38は、例えば、記録用の静止画像の撮影指示を受け付けるレリーズ釦などを含む。
【0068】
以下、第3実施形態での電子カメラ31の動作例を簡単に説明する。第3実施形態の電子カメラ31では、ユーザの撮影指示入力に応じて、撮像部33が画像を撮影する。これにより、図7の#101の処理に相当する入力画像の取得が行われる。
【0069】
そして、画像処理エンジン34は、図7の#103〜#110と同様の手法で画像のデータにノイズ低減処理を施す。その後、出力画像のデータは、記録I/F37を介して記憶媒体39に記録される。また、画像処理エンジン34は、不図示の表示部に出力画像を表示してもよい。かかる第3実施形態においても、第1実施形態または第2実施形態とほぼ同様の効果を得ることができる。
【0070】
<実施形態の補足事項>
(補足事項1):上記実施形態では、輝度勾配の係数と、変動成分の彩度(彩度の揺らぎ)とから質感成分を求める例を説明したが、さらに変動成分の色相(色相の揺らぎ)を考慮してもよい。
【0071】
ここで、彩度の揺らぎをdC*とし、色相の揺らぎをdhとする。また、彩度による輝度勾配の係数をΔL*Cとし、また、色相方向の輝度勾配の係数をΔL*Hとする。なお、色相方向の輝度勾配の係数は、色差平面上の色相方向の距離に対する輝度の変化を示すものであり、色相角に対する明度の変化ではない。
【0072】
このとき、彩度の揺らぎによる質感成分dL*Cおよび色相の揺らぎによる質感成分dL*Hは、下式(2)、(3)で求めることができる。そして、下式(4)のように、両者を統合することで最終的な質感成分dL*を得ることができる。
【0073】
【数7】
【0074】
(補足事項2):上記実施形態において、輝度勾配係数のデータテーブルは、カルテシアン座標系による色差平面の座標値と輝度勾配との対応関係を記憶したものであってもよい。この場合、演算部23は、色差の変動成分および平滑化後の色差成分の極座標への変換を省略できる。
【0075】
(補足事項3):上記実施形態において、出力画像の輝度ノイズを微調整するために、輝度情報L*または輝度情報L*’に対して平滑化処理を施してもよい。
【0076】
(補足事項4):上記の第1実施形態および第2実施形態では、画像処理装置がパーソナルコンピュータである例を説明した。しかし、本発明の画像処理装置は、プリンタ、フォトビューア等の電子機器であってもよい。
【0077】
(補足事項5):上記の第3実施形態では、撮像装置の一例として電子カメラの場合を説明した。しかし、本発明の撮像装置はスキャナであってもよい。また、本発明の撮像装置は、顕微鏡や望遠鏡の光学系を備えるものであってもよい。
【0078】
(補足事項6):上記実施形態では、画像処理装置の各機能をプログラムによってソフトウエア的に実現する例を説明した。しかし、本発明では、ASICを用いて縮平滑化部21、抽出部22、演算部23、補正部24の各機能をハードウエア的に実現してもかまわない。
【0079】
(補足事項7):上記実施形態では、色差の変動成分(ハイパス成分)が明度に与える影響を考慮することで、画像の画像処理前後の質感を補正している。しかし、本発明は上記実施形態に限定されることなく、色差の変動成分を抽出し、抽出された色差の変動成分による明度への影響を考慮して、色補正後や階調補正後の画像の解像感を補正してもよい。
【0080】
すなわち、入力画像に含まれる色差の変動成分を抽出する抽出部と、入力画像の色再現で色差の変動成分が輝度に与える影響に相応する質感成分を求める演算部と、上記の質感成分を用いて、入力画像のエッジを強調する補正部とを備える画像処理装置および撮像装置(または画像処理プログラム)も本発明の技術的範囲に含まれる。かかる補足事項7によれば、人間の視覚特性を考慮して入力画像のエッジが強調されるので、エッジ強調後の画像の色再現や解像感をより自然に見せることが可能となる。
【0081】
一例として、補足事項7の特徴を上記実施形態の構成に当てはめて説明する。抽出部22および演算部23は上記実施形態と同様に動作する。これにより、演算部23によって質感成分dL*が求められる。そして、補正部24が公知のエッジ強調処理を実行する。このとき、補正部24は、上記の質感成分dL*の影響が平準化されるように画像の各位置でエッジ強調の度合いを調整すればよい。かかるエッジ強調処理は、入力画像の一部または全てのチャネルを対象としてもよい。また、他の色空間に変換された入力画像にエッジ強調処理を施してもよい。なお、補足事項7において、色差の変動成分をハイパスフィルタなどで抽出すれば、入力画像の色差成分の平滑化は行わなくてもよい。
【0082】
(補足事項8):本明細書で開示した第1の実験及び第2の実験の実験結果は、22型LCDをsRGB規格に準拠して調整し、50cmの距離から観察した場合のものである。本発明を実施する場合において、異なる観察環境ではその環境に応じて実験して得られた値を使用してもよい。また、本発明を実施する場合において、画像の解像度、画素数や出力条件設定に応じて適切な値(データテーブル)を使用してもよい。
【0083】
以上の詳細な説明により、実施形態の特徴点および利点は明らかになるであろう。これは、特許請求の範囲が、その精神および権利範囲を逸脱しない範囲で前述のような実施形態の特徴点および利点にまで及ぶことを意図するものである。また、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、あらゆる改良および変更に容易に想到できるはずであり、発明性を有する実施形態の範囲を前述したものに限定する意図はなく、実施形態に開示された範囲に含まれる適当な改良物および均等物によることも可能である。
【符号の説明】
【0084】
11…コンピュータ,12…データ読込部,13…記憶装置,14…CPU,21…平滑化部,22…抽出部,23…演算部,24…補正部,31…電子カメラ,33…撮像部,34…画像処理エンジン
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、撮像装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、画像の解像感を向上させるために、画像の色差成分に対して平滑化を行う技術が公知である。一例として、特許文献1には、画像データの色情報から局所的な変動成分を抽出し、この変動成分から擬似的に生成された輝度の質感成分を輝度情報に加えることで、平滑化を行いつつも画像の解像感を向上させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4595939号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の画像処理では、人間の視覚特性を考慮して質感成分が生成されていないため、色差成分を平滑化した後の画像の質感になお改善の余地があった。
【0005】
上記事情に鑑み、色差成分を平滑化しつつも、より自然な質感を有する画像を生成する手段を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の画像処理装置は、入力画像の色差成分に平滑化を行う平滑化部と、抽出部と、演算部と、補正部とを備える。抽出部は、平滑化前後の色差成分を用いて、入力画像に含まれる色差の変動成分を抽出する。演算部は、入力画像の色再現で色差の変動成分が輝度に与える影響に相応する質感成分を求める。補正部は、質感成分を用いて、入力画像の輝度成分を補正する。
【0007】
上記の一態様において、演算部は、平滑化後の色差成分の色差座標から質感成分の輝度勾配を求めてもよい。また、演算部は、色差の変動成分と輝度勾配とを用いて質感成分を求めてもよい。
【0008】
上記の輝度勾配は、色差座標との色相角が90度から135度の範囲では他の範囲と比べて値が小さくなるものであってもよい。
【0009】
上記の輝度勾配は、色差座標の正方向の彩度変化に対して正方向の輝度変化を与えるとともに、色差座標の負方向の彩度変化に対して負方向の輝度変化を与えてもよい。
【0010】
ここで、上記の画像処理装置を含む撮像装置や、コンピュータを上記の画像処理装置として動作させるプログラムおよびプログラム記憶媒体や、上記の画像処理装置の動作を方法のカテゴリで表現したものも、本発明の具体的態様として有効である。
【発明の効果】
【0011】
入力画像の色再現で色差の変動成分が輝度に与える影響に相応する質感成分を求め、この質感成分を用いて入力画像の輝度成分を補正する。これにより、色差成分を平滑化しつつも、より自然な質感を有する画像を生成できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】一の実施形態での画像処理装置の構成例を示す図
【図2】Helmholtz-Kohlrausch効果を考慮したノイズの見えの説明図
【図3】第1の実験の実験結果を示す図
【図4】第2の実験の実験結果を示す図(C*ab=10)
【図5】第2の実験の実験結果を示す図(C*ab=20)
【図6】第2の実験の実験結果を示す図(C*ab=30)
【図7】第1実施形態でのノイズ低減処理例を示す流れ図
【図8】第1実施形態でのノイズ低減処理例の概要図
【図9】輝度勾配係数のデータテーブルの一例を模式的に示す図
【図10】輝度勾配における彩度と輝度との相関を示す図
【図11】輝度勾配における彩度と輝度との相関を示す図
【図12】第2実施形態でのノイズ低減処理例の概要図
【図13】第3実施形態での撮像装置の構成例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
<第1実施形態の説明>
図1は、第1実施形態での画像処理装置の構成例を示す図である。第1実施形態での画像処理装置は、入力画像に対してノイズ低減処理を施す画像処理プログラムがインストールされたパーソナルコンピュータである。
【0014】
図1に示すコンピュータ11は、データ読込部12、記憶装置13、CPU14、メモリ15および入出力I/F16、バス17を有している。データ読込部12、記憶装置13、CPU14、メモリ15および入出力I/F16は、バス17を介して相互に接続されている。さらに、コンピュータ11には、入出力I/F16を介して、入力デバイス18(キーボード、ポインティングデバイスなど)とモニタ19とがそれぞれ接続されている。なお、入出力I/F16は、入力デバイス18からの各種入力を受け付けるとともに、モニタ19に対して表示用のデータを出力する。
【0015】
データ読込部12は、画像のデータや、プログラムを外部から読み込むときに用いられる。データ読込部12は、例えば、着脱可能な記憶媒体からデータを取得する読込デバイス(光ディスク、磁気ディスク、光磁気ディスクの読込装置など)や、公知の通信規格に準拠して外部の装置と通信を行う通信デバイス(USBインターフェース、有線/無線LANモジュールなど)である。
【0016】
記憶装置13は、例えば、ハードディスクや、不揮発性の半導体メモリなどの記憶媒体である。この記憶装置13には、上記の画像処理プログラムや、プログラムの実行に必要となる各種データ(後述する輝度勾配係数のデータテーブルなど)が記憶されている。なお、記憶装置13には、データ読込部12から読み込んだ画像のデータや、画像処理プログラムでノイズ低減処理が施された画像のデータを記憶しておくこともできる。
【0017】
CPU14は、コンピュータ11の各部を統括的に制御するプロセッサである。このCPU14は、画像処理プログラムの実行によって、平滑化部21、抽出部22、演算部23、補正部24として動作する(平滑化部21、抽出部22、演算部23および補正部24の各動作については後述する)。
【0018】
メモリ15は、画像処理プログラムでの各種演算結果を一時的に記憶する。このメモリ15は、例えば揮発性のSDRAMである。
【0019】
次に、第1実施形態での画像処理装置の動作例を説明する。
【0020】
第1実施形態の画像処理装置は、入力画像の色差成分に平滑化を行うことで、画像の色ノイズを低減させる。一方で、第1実施形態の画像処理装置は、人間の視覚特性を考慮して質感成分を擬似的に生成するとともに、上記の質感成分を入力画像の輝度成分に加える補正を行う。
【0021】
ここで、上記の処理を行う理由を説明する。一般的に、画像の輝度成分のノイズは、画像の解像感の向上や、フィルム撮影のような質感に寄与するなど、好ましい効果を生じさせることが知られている。一方、画像の色差成分のノイズ(色ノイズ)は、画像の解像感を大きく低下させるため、画像処理で抑制することが好ましい。
【0022】
しかし、人間の視覚特性上、明るさは色に応じて異なって知覚され、かつ同じ輝度値でも彩度が高いほど明るく知覚される(Helmholtz-Kohlrausch効果)。よって、単純に画像の色差成分のみを平滑化すると、補正後の画像は輝度成分による質感も低減するように看者に知覚されてしまう。
【0023】
図2は、Helmholtz-Kohlrausch効果を考慮したノイズの見えの説明図である。図2(a)に示すように、輝度(L*)が一定であるときに色差平面(a*b*)で揺らぎ(ノイズ)があった場合を考える。このとき、色差平面での揺らぎが有ると看者の明るさの感覚も変化する。よって、画像の輝度は一定であるにも拘わらず、看者には明るさの揺らぎ(ノイズ)も知覚されるようになる(図2(b)参照)。
【0024】
発明者は、上記の事項を確認するため、以下の2つの実験を行った。
【0025】
第1の実験では、それぞれ同じ大きさの色ノイズを含み、互いに色の異なる2つの色パッチをディスプレイ上に表示した。そして、被験者にノイズが大きいと感じる方を選択させる一対比較法の心理物理実験を行った。
【0026】
図3は、第1の実験の実験結果を示す図である。図3は、CIE L*a*b*表色系の色差平面(a*b*)上の各位置におけるノイズの見え方を示している。図3において、十字の中心は色パッチの色差平面上の座標を示し、ノイズが大きいと感じる被験者が多いほど色パッチに対応する十字が大きく表記される。
【0027】
図3から、ノイズの見えやすさは背景色(色パッチ)によって異なることが分かる。また、図3から、無彩色(a*=b*=0)ではノイズは比較的知覚されにくく、有彩色(例えば青色(色差平面の第3象限)や赤紫色(色差平面の第4象限))ではノイズが知覚されやすいことも分かる。
【0028】
第2の実験では、無彩色の基準パッチ(L*=51.56)と、有彩色パッチとをディスプレイ上に表示した。そして、基準パッチと同じ明るさとなるように、被験者に有彩色パッチの輝度(L*)を調整させる心理物理実験を行った。
【0029】
図4〜図6は、第2の実験の実験結果を示す図である。図4は有彩色パッチの彩度C*ab=10のときの実験結果であり、図5は有彩色パッチの彩度C*ab=20のときの実験結果であり、図6は有彩色パッチの彩度C*ab=30のときの実験結果である。図4〜図6において、縦軸は輝度(L*)を示し、横軸は色相角を示す。また、図4〜図6では、基準パッチの輝度は実線で示し、被験者によって調整された有彩色パッチの輝度変化は破線で示す。
【0030】
図4〜図6から、基準パッチと同じ明るさと知覚される有彩色パッチの輝度L*は、色相角に応じて異なることが分かる。色相角90度〜135度の範囲においてHelmholtz-Kohlrausch効果の影響はいずれの彩度でも比較的少ない。しかし、他の色相角の範囲では、有彩色パッチの輝度L*を基準パッチよりも小さくしないと、両者を同じ明るさとして知覚できないことが分かる。また、図4〜図6から、一般的に、同じ色相角においても彩度が高くなると、有彩色パッチの輝度L*をより小さくしないと基準パッチと同じ明るさに知覚できないことも分かる。
【0031】
上記のように、彩度、色相によってHelmholtz-Kohlrausch 効果の程度は異なるため、ノイズにより彩度、色相が変化すると、看者の知覚する明度も変化する。この明度の大きさの違いが第1の実験でのノイズの知覚の差に影響していると考えられる。なぜならば、人間の視覚特性において、明るさの高周波成分の知覚感度は色差のそれよりも高いためである。例えば、色相90度〜135度の範囲ではHelmholtz-Kohlrausch効果がいずれの彩度でもほとんど見られない。そのため、この範囲に含まれる色はノイズで彩度や色相が変わったとしても、他の領域に比べノイズが知覚されにくいことが示唆される。このことは、第1の実験の実験結果とも整合する。
【0032】
以上の事項から、入力画像の色差成分に平滑化を行うときに、Helmholtz-Kohlrausch効果を考慮した輝度の補正を行うことで、画像の質感をより向上できることが分かる。
【0033】
次に、図面を参照しつつ、第1実施形態のノイズ低減処理の例を説明する。図7は、第1実施形態でのノイズ低減処理例を示す流れ図である。図8は、第1実施形態でのノイズ低減処理例の概要図である。なお、図7、図8の処理は、ユーザによるプログラム実行指示に応じて、CPU14がプログラムを実行することで開始される。
【0034】
ステップ#101:CPU14は、ノイズ低減処理の対象となる入力画像のデータを、データ読込部12から取得する。#101で取得された入力画像のデータは、CPU14の制御によって、記憶装置13またはメモリ15に記録される。なお、入力画像のデータが予め記憶装置13に記憶されている場合には、CPU14は#101の処理を省略してもよい。
【0035】
ここで、第1実施形態の入力画像は、色補間処理が施された後のカラー画像であって、輝度成分および色差成分からなる色空間(YCbCr、CIE L*a*b*など)で表現される。第1実施形態では、色空間がCIE L*a*b*である入力画像のデータの例を説明する。また、以下の説明では、入力画像の輝度チャンネルを輝度情報(L*)と称し、入力画像の色差チャンネルを色差情報(a*,b*)と称する。なお、#101で取得した画像が他の色空間(例えばRGB)の場合、CPU14は色空間の変換処理を実行するものとする。
【0036】
ステップ#102:平滑化部21は、入力画像の色差情報(#101)に対して平滑化フィルタ(一例としてバイラテラルフィルタまたはイプシロンフィルタ)による平滑化処理を施す。
【0037】
【数1】
【0038】
上記の色差の変動成分(da*,db*)は、平滑化によって画像から除去される色差のノイズ(揺らぎ)である。
【0039】
ステップ#104:演算部23は、#103で取得した色差の変動成分(da*,db*)を、カルテシアン座標系(Cartesian coordinates)から極座標系に変換する。#104の処理では、色差平面の座標で示された色差の変動成分(da*,db*)が、彩度および色相角(dC*,dh*)の形式に変換される。
【0040】
【数2】
【0041】
上記の質感成分の輝度勾配は、Helmholtz-Kohlrausch効果に準拠して、等明度にするときの輝度の彩度依存性を示すパラメータである。一例として、質感成分の輝度勾配は、彩度の変化(ΔC*ab)に対する輝度の変化(ΔL*)として表現できる(ΔL*/ΔC*ab)。
【0042】
ここで、第1実施形態での演算部23は、予め記憶装置13に記憶されている輝度勾配係数のデータテーブルを用いて輝度勾配を求める。図9は、輝度勾配係数のデータテーブルの一例を模式的に示す図である。
【0043】
上記の輝度勾配係数のデータテーブルは、等明度にするための輝度の係数と色相角との対応関係が記憶されている。上記のデータテーブルでは、色相角の45度刻みで輝度の係数が記憶されている。また、上記のデータテーブルでは、彩度0−10の範囲と、彩度10−20の範囲と、彩度20−30の範囲とで、それぞれ輝度の係数と色相角との対応関係が変化する。なお、図9のデータテーブルは、上記した第2の実験の実験結果(図4〜図6)に基づいて、L*=51.56を基準として生成されている。
【0044】
図9における色相角が90−135度の範囲では、他の範囲と比べて輝度勾配(ΔL*/ΔC*ab)がいずれの彩度でも小さくなり、ほぼ0となる。また、輝度勾配(ΔL*/ΔC*ab)が負の値をとるときの値はいずれも小さい。そのため、ほぼ(ΔL*/ΔC*ab)≧0であるとみなすことができる。すなわち、輝度勾配では彩度が高くなると輝度が高くなる。
【0045】
また、#106での演算部23は、以下の要領で輝度勾配(ΔL*/ΔC*ab)を求めればよい。
【0046】
【数3】
【0047】
【数4】
【0048】
なお、輝度勾配は、色差座標の正方向の彩度変化に対して正方向の輝度変化を与えるとともに、色差座標の負方向の彩度変化に対して負方向の輝度変化を与える。図10、図11は、輝度勾配における彩度と輝度との相関を示す図である。図10、図11において、縦軸は輝度を示し、横軸は彩度を示す。
【0049】
図10は、彩度の増加方向(正方向)に揺らぎを加えた状態を示している。この場合、彩度の増加に対して等明度の線は下降するため、看者には対象が暗く知覚されるようになる。よって、輝度勾配では正方向の輝度変化を与えることでバランスをとる。
【0050】
一方、図11は、彩度の減少方向(負方向)に揺らぎを加えた状態を示している。この場合、彩度の減少に対して等明度の線は上昇するため、看者には対象が明るく知覚されるようになる。よって、輝度勾配では負方向の輝度変化を与えることでバランスをとる。
【0051】
ステップ#107:演算部23は、彩度の揺らぎdC*(#104)に輝度勾配(#106)を乗じて質感成分(dL*)を求める。
【0052】
【数5】
【0053】
ステップ#108:演算部23は、#107で求めた質感成分(dL*)に対して、キャリブレーション用の補正係数kを乗算する(ただし、0<k<1)。補正係数kは、質感成分の過補正を防ぐためのものであって、#107のdL*の値を小さくするように補正する。例えば、補正係数kは、入力画像を撮影したカメラの機種や画像処理のモード等に応じてそれぞれ主観評価で決定された値が採用される。
【0054】
ステップ#109:補正部24は、#101の入力画像の輝度情報(L*)に、#108の調整後の質感成分(dL*)を加算して補正する。なお、#109の補正後の輝度情報をL*’と表記する。
【0055】
【数6】
【0056】
その後、CPU14は、出力画像のデータを記憶装置13に記憶してもよく、出力画像をモニタ19に表示させてもよい。以上で、図7、図8による説明を終了する。
【0057】
以下、第1実施形態での作用効果を述べる。第1実施形態の画像処理装置は、色差情報に平滑化を行う(#102)とともに、入力画像の色再現で色差の変動成分(#103)が輝度に与える影響に相応する質感成分(#107)を求める。そして、画像処理装置は、上記の質感成分を用いて入力画像の輝度成分を補正する(#109)。
【0058】
これにより、ノイズ低減処理後の出力画像(#110)では、色差成分の平滑化によって色ノイズが抑制されるとともに、Helmholtz-Kohlrausch効果を考慮して輝度成分が補正されるので、より自然な質感を有する画像となる。
【0059】
<第2実施形態の説明>
図12は、第2実施形態でのノイズ低減処理例の概要図である。第2実施形態は第1実施形態の変形例であって、図12は上記の図8に対応する。なお、以下の説明において、第1実施形態と共通する要素には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0060】
第2実施形態の画像処理装置では、それぞれ異なる輝度条件で生成された複数の輝度勾配係数のデータテーブルが予め記憶装置13に記憶されている。第2実施形態での演算部23は、上記の#106に対応する処理(図12の#106’)のときに、輝度情報(L*)の値に応じて参照する輝度勾配係数のデータテーブルを変更する。かかる第2実施形態では、上記の第1実施形態と同様の効果に加えて、L*の値に応じてより細かく質感成分の調整が行われるので、出力画像の解像感をより向上させることができる。
【0061】
<第3実施形態の説明>
図13は、第3実施形態での撮像装置の構成例を示す図である。第3実施形態は、第1実施形態または第2実施形態の画像処理装置を電子カメラ31に実装した例であって、電子カメラ31の撮像部33から画像処理装置が入力画像を取得する。
【0062】
電子カメラ31は、撮影レンズ32と、撮像部33と、画像処理エンジン34と、第1メモリ35および第2メモリ36と、記録I/F37と、操作部38とを備えている。ここで、撮像部33、第1メモリ35、第2メモリ36、記録I/F37および操作部38は、それぞれ画像処理エンジン34と接続されている。
【0063】
撮像部33は、撮影レンズ32によって結像された被写体の像を撮像(撮影)するモジュールである。例えば、撮像部33は、光電変換を行う撮像素子と、アナログ信号処理を行うアナログフロントエンド回路と、A/D変換およびデジタル信号処理を行うデジタルフロントエンド回路とを含んでいる。
【0064】
画像処理エンジン34は、電子カメラ31の動作を統括的に制御するプロセッサである。例えば、画像処理エンジン34は、撮影モードにおいて、ユーザの撮影指示入力に応じて、画像を撮像部33に撮影させる。また、画像処理エンジン34は、プログラムの実行により、一の実施形態のCPU14(平滑化部21、抽出部22、演算部23、補正部24)と同様に動作する。
【0065】
第1メモリ35は、画像のデータを一時的に記憶するメモリであって、例えば揮発性の記憶媒体であるSDRAMである。また、第2メモリ36は、画像処理エンジン34の実行するプログラムを記憶するメモリであって、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性メモリである。
【0066】
記録I/F37は、不揮発性の記憶媒体39を接続するためのコネクタを有している。そして、記録I/F37は、コネクタに接続された記憶媒体39に対して画像のデータの書き込み/読み込みを実行する。上記の記憶媒体39は、例えば、ハードディスクや、半導体メモリを内蔵したメモリカードである。なお、図13では記憶媒体39の一例としてメモリカードを図示する。
【0067】
操作部38は、ユーザの操作を受け付ける複数のスイッチを有している。この操作部38は、例えば、記録用の静止画像の撮影指示を受け付けるレリーズ釦などを含む。
【0068】
以下、第3実施形態での電子カメラ31の動作例を簡単に説明する。第3実施形態の電子カメラ31では、ユーザの撮影指示入力に応じて、撮像部33が画像を撮影する。これにより、図7の#101の処理に相当する入力画像の取得が行われる。
【0069】
そして、画像処理エンジン34は、図7の#103〜#110と同様の手法で画像のデータにノイズ低減処理を施す。その後、出力画像のデータは、記録I/F37を介して記憶媒体39に記録される。また、画像処理エンジン34は、不図示の表示部に出力画像を表示してもよい。かかる第3実施形態においても、第1実施形態または第2実施形態とほぼ同様の効果を得ることができる。
【0070】
<実施形態の補足事項>
(補足事項1):上記実施形態では、輝度勾配の係数と、変動成分の彩度(彩度の揺らぎ)とから質感成分を求める例を説明したが、さらに変動成分の色相(色相の揺らぎ)を考慮してもよい。
【0071】
ここで、彩度の揺らぎをdC*とし、色相の揺らぎをdhとする。また、彩度による輝度勾配の係数をΔL*Cとし、また、色相方向の輝度勾配の係数をΔL*Hとする。なお、色相方向の輝度勾配の係数は、色差平面上の色相方向の距離に対する輝度の変化を示すものであり、色相角に対する明度の変化ではない。
【0072】
このとき、彩度の揺らぎによる質感成分dL*Cおよび色相の揺らぎによる質感成分dL*Hは、下式(2)、(3)で求めることができる。そして、下式(4)のように、両者を統合することで最終的な質感成分dL*を得ることができる。
【0073】
【数7】
【0074】
(補足事項2):上記実施形態において、輝度勾配係数のデータテーブルは、カルテシアン座標系による色差平面の座標値と輝度勾配との対応関係を記憶したものであってもよい。この場合、演算部23は、色差の変動成分および平滑化後の色差成分の極座標への変換を省略できる。
【0075】
(補足事項3):上記実施形態において、出力画像の輝度ノイズを微調整するために、輝度情報L*または輝度情報L*’に対して平滑化処理を施してもよい。
【0076】
(補足事項4):上記の第1実施形態および第2実施形態では、画像処理装置がパーソナルコンピュータである例を説明した。しかし、本発明の画像処理装置は、プリンタ、フォトビューア等の電子機器であってもよい。
【0077】
(補足事項5):上記の第3実施形態では、撮像装置の一例として電子カメラの場合を説明した。しかし、本発明の撮像装置はスキャナであってもよい。また、本発明の撮像装置は、顕微鏡や望遠鏡の光学系を備えるものであってもよい。
【0078】
(補足事項6):上記実施形態では、画像処理装置の各機能をプログラムによってソフトウエア的に実現する例を説明した。しかし、本発明では、ASICを用いて縮平滑化部21、抽出部22、演算部23、補正部24の各機能をハードウエア的に実現してもかまわない。
【0079】
(補足事項7):上記実施形態では、色差の変動成分(ハイパス成分)が明度に与える影響を考慮することで、画像の画像処理前後の質感を補正している。しかし、本発明は上記実施形態に限定されることなく、色差の変動成分を抽出し、抽出された色差の変動成分による明度への影響を考慮して、色補正後や階調補正後の画像の解像感を補正してもよい。
【0080】
すなわち、入力画像に含まれる色差の変動成分を抽出する抽出部と、入力画像の色再現で色差の変動成分が輝度に与える影響に相応する質感成分を求める演算部と、上記の質感成分を用いて、入力画像のエッジを強調する補正部とを備える画像処理装置および撮像装置(または画像処理プログラム)も本発明の技術的範囲に含まれる。かかる補足事項7によれば、人間の視覚特性を考慮して入力画像のエッジが強調されるので、エッジ強調後の画像の色再現や解像感をより自然に見せることが可能となる。
【0081】
一例として、補足事項7の特徴を上記実施形態の構成に当てはめて説明する。抽出部22および演算部23は上記実施形態と同様に動作する。これにより、演算部23によって質感成分dL*が求められる。そして、補正部24が公知のエッジ強調処理を実行する。このとき、補正部24は、上記の質感成分dL*の影響が平準化されるように画像の各位置でエッジ強調の度合いを調整すればよい。かかるエッジ強調処理は、入力画像の一部または全てのチャネルを対象としてもよい。また、他の色空間に変換された入力画像にエッジ強調処理を施してもよい。なお、補足事項7において、色差の変動成分をハイパスフィルタなどで抽出すれば、入力画像の色差成分の平滑化は行わなくてもよい。
【0082】
(補足事項8):本明細書で開示した第1の実験及び第2の実験の実験結果は、22型LCDをsRGB規格に準拠して調整し、50cmの距離から観察した場合のものである。本発明を実施する場合において、異なる観察環境ではその環境に応じて実験して得られた値を使用してもよい。また、本発明を実施する場合において、画像の解像度、画素数や出力条件設定に応じて適切な値(データテーブル)を使用してもよい。
【0083】
以上の詳細な説明により、実施形態の特徴点および利点は明らかになるであろう。これは、特許請求の範囲が、その精神および権利範囲を逸脱しない範囲で前述のような実施形態の特徴点および利点にまで及ぶことを意図するものである。また、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、あらゆる改良および変更に容易に想到できるはずであり、発明性を有する実施形態の範囲を前述したものに限定する意図はなく、実施形態に開示された範囲に含まれる適当な改良物および均等物によることも可能である。
【符号の説明】
【0084】
11…コンピュータ,12…データ読込部,13…記憶装置,14…CPU,21…平滑化部,22…抽出部,23…演算部,24…補正部,31…電子カメラ,33…撮像部,34…画像処理エンジン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力画像の色差成分に平滑化を行う平滑化部と、
平滑化前後の前記色差成分を用いて、前記入力画像に含まれる色差の変動成分を抽出する抽出部と、
前記入力画像の色再現で前記色差の変動成分が輝度に与える影響に相応する質感成分を求める演算部と、
前記質感成分を用いて、前記入力画像の輝度成分を補正する補正部と、
を備える画像処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像処理装置において、
前記演算部は、平滑化後の前記色差成分の色差座標から前記質感成分の輝度勾配を求めるとともに、前記色差の変動成分と前記輝度勾配とを用いて前記質感成分を求める画像処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像処理装置において、
前記輝度勾配は、前記色差座標との色相角が90度から135度の範囲では他の範囲と比べて値が小さくなる画像処理装置。
る画像処理装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3のいずれか1項に記載の画像処理装置において、
前記輝度勾配は、前記色差座標の正方向の彩度変化に対して正方向の輝度変化を与えるとともに、前記色差座標の負方向の彩度変化に対して負方向の輝度変化を与える画像処理装置。
【請求項5】
入力画像に含まれる色差の変動成分を抽出する抽出部と、
前記入力画像の色再現で前記色差の変動成分が輝度に与える影響に相応する質感成分を求める演算部と、
前記質感成分を用いて、前記入力画像のエッジを強調する補正部と、
を備える画像処理装置。
【請求項6】
入力画像を撮像する撮像部と、
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の画像処理装置と、
を備える撮像装置。
【請求項7】
コンピュータに、
入力画像の色差成分に平滑化を行なう工程と、
平滑化前後の前記色差成分を用いて、前記入力画像に含まれる色差の変動成分を抽出する工程と、
前記入力画像の色再現で前記色差の変動成分が輝度に与える影響に相応する質感成分を求める工程と、
前記質感成分を用いて、前記入力画像の輝度成分を補正する工程と、
を実行させるプログラム。
【請求項8】
コンピュータに、
入力画像に含まれる色差の変動成分を抽出する工程と、
前記入力画像の色再現で前記色差の変動成分が輝度に与える影響に相応する質感成分を求める工程と、
前記質感成分を用いて、前記入力画像のエッジを強調する工程と、
を実行させるプログラム。
【請求項1】
入力画像の色差成分に平滑化を行う平滑化部と、
平滑化前後の前記色差成分を用いて、前記入力画像に含まれる色差の変動成分を抽出する抽出部と、
前記入力画像の色再現で前記色差の変動成分が輝度に与える影響に相応する質感成分を求める演算部と、
前記質感成分を用いて、前記入力画像の輝度成分を補正する補正部と、
を備える画像処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像処理装置において、
前記演算部は、平滑化後の前記色差成分の色差座標から前記質感成分の輝度勾配を求めるとともに、前記色差の変動成分と前記輝度勾配とを用いて前記質感成分を求める画像処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像処理装置において、
前記輝度勾配は、前記色差座標との色相角が90度から135度の範囲では他の範囲と比べて値が小さくなる画像処理装置。
る画像処理装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3のいずれか1項に記載の画像処理装置において、
前記輝度勾配は、前記色差座標の正方向の彩度変化に対して正方向の輝度変化を与えるとともに、前記色差座標の負方向の彩度変化に対して負方向の輝度変化を与える画像処理装置。
【請求項5】
入力画像に含まれる色差の変動成分を抽出する抽出部と、
前記入力画像の色再現で前記色差の変動成分が輝度に与える影響に相応する質感成分を求める演算部と、
前記質感成分を用いて、前記入力画像のエッジを強調する補正部と、
を備える画像処理装置。
【請求項6】
入力画像を撮像する撮像部と、
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の画像処理装置と、
を備える撮像装置。
【請求項7】
コンピュータに、
入力画像の色差成分に平滑化を行なう工程と、
平滑化前後の前記色差成分を用いて、前記入力画像に含まれる色差の変動成分を抽出する工程と、
前記入力画像の色再現で前記色差の変動成分が輝度に与える影響に相応する質感成分を求める工程と、
前記質感成分を用いて、前記入力画像の輝度成分を補正する工程と、
を実行させるプログラム。
【請求項8】
コンピュータに、
入力画像に含まれる色差の変動成分を抽出する工程と、
前記入力画像の色再現で前記色差の変動成分が輝度に与える影響に相応する質感成分を求める工程と、
前記質感成分を用いて、前記入力画像のエッジを強調する工程と、
を実行させるプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−222616(P2012−222616A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−86489(P2011−86489)
【出願日】平成23年4月8日(2011.4.8)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月8日(2011.4.8)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
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