説明

画像処理装置、画像処理システム、制御プログラム及び記録媒体

【課題】可搬型記憶媒体から情報を読み出して動作する画像処理装置において、不正な複製によって生成された記録媒体の使用を防止すること。
【解決手段】SDカードを接続して情報を入出力可能な画像処理装置1であって、装着されたSDカードのシリアルIDを取得する情報読み出し部116cと、ネットワークを介して接続された他の画像処理装置に装着されたSDカードのシリアルIDを取得する制御部116aと、両シリアルIDの比較結果に基づいてSDカードに記録されている情報の正当性を判断する情報比較部116dとを有し、情報が正当であると判断した場合に、SDカードから情報を読み出すことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理システム、制御プログラム及び記録媒体に関し、特に可搬型記録媒体を利用可能な画像処理装置の制御に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報の電子化が推進される傾向にあり、電子化された情報の出力に用いられるプリンタやファクシミリ等の画像形成装置、画像処理装置は欠かせない機器となっている。このような画像処理装置は、撮像機能、画像形成機能及び通信機能等を備えることにより、プリンタ、ファクシミリ、スキャナ、複写機等として利用可能な複合機として構成されることが多い。
【0003】
このような夫々の画像処理機能は、ハードウェアとソフトウェアとの連動によって実現される。即ち、プリンタ、ファクシミリ、スキャナ、複写機等、夫々の機能に対応するアプリケーション・プログラムが、上記機能を実現するハードウェアを制御するように動作することにより、上記夫々の画像処理機能が実現される。
【0004】
このような画像処理装置において、上記アプリケーション・プログラムをSD(Secure Digital)カード(登録商標)のような可搬型の記録媒体からロードする例が提案されている。これにより、アプリケーション・プログラムの追加やバージョンアップ等を容易に実行することが可能となる。
【0005】
しかしながら、可搬型の記録媒体は、PC(Personal Computer)等の情報処理装置によって利用可能である。従って、可搬型記録媒体に記録されたアプリケーション・プログラムが、改竄若しくは複製されてしまう場合がある。このような課題に対して、可搬型記録媒体に記録されたアプリケーション・プログラムの安全性、正当性を確保する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
特許文献1に開示された方法においては、記録媒体からアプリケーション・プログラムを読み出す際に、記録媒体の認証チェックを行ない、認証チェックの結果が正常である場合に、アプリケーション・プログラムを読み出す。
【特許文献1】特開2004−303222号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示されている方法を用いる場合、記録媒体の認証処理が、真に正当に実行される必要がある。特許文献1においては、記録媒体の認証チェックを実行する方法として、主に記録媒体の識別情報を用いる方法が開示されている。
【0008】
しかしながら、記録媒体の識別情報もまた、アプリケーション・プログラムと同様に、改竄・複製される可能性のある情報である。即ち、記録媒体の識別情報を用いた認証チェックの結果が正常であっても、記録されているアプリケーション・プログラムが安全、正当なものであるとは言えない場合がある。特に、改竄については、予め記録されている情報との整合を確認することにより検知可能であるが、複製については、検知が非常に困難である。
【0009】
ここで、記録媒体の複製を検知する目的としては、契約のライセンス数を超えてアプリケーション・プログラムが使用されることを防止することが挙げられる。他方、1つの記録媒体を同機種の複数の画像形成装置で差し換えて使用することは許容され得る。即ち、複製された記録媒体が使用される場合であっても、同一の識別情報を有する複数の記録媒体が、夫々異なる画像形成装置において同時に使用されなければ、上記目的は実質的に達成し得る。
【0010】
尚、このような課題は、上述したようにアプリケーション・プログラムの場合が典型的であるが、設定情報等、他の情報を可搬型記憶媒体から読み出す場合であっても、同様に課題となり得る。
【0011】
本発明は、上記実情を考慮してなされたものであり、可搬型記憶媒体から情報を読み出して動作する画像処理装置において、不正な複製によって生成された記録媒体の使用を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、可搬型記録媒体を装着して情報を入出力可能な画像処理装置であって、当該画像処理装置に装着された第1の可搬型記録媒体から、当該第1の可搬型記録媒体を識別するための識別情報を取得する識別情報取得部と、ネットワークを介して接続された他の画像処理装置に装着された第2の可搬型記録媒体を識別するための識別情報を比較情報として取得する比較情報取得部と、前記識別情報と前記比較情報との比較結果に基づいて前記第1の可搬型記録媒体の正当性を判断する判断部と、前記判断部が前記第1の可搬型記録媒体が正当であると判断した場合に、前記第1の可搬型記録媒体から情報を読み出す情報読み出し部とを有することを特徴とする。
【0013】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像処理装置において、前記判断部は、前記識別情報と前記比較情報とが一致する場合に前記第1の可搬型記録媒体が不正であると判断することを特徴とする。
【0014】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の画像処理装置において、記第1の可搬型記録媒体に記録されている情報は、前記画像処理装置の画像処理機能を実現するためのプログラムであることを特徴とする。
【0015】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の画像処理装置において、前記判断部が前記第1の可搬型記録媒体が不正であると判断した場合に、前記画像処理機能を実現するために動作しているアプリケーションを停止させるアプリケーション停止部を更に有することを特徴とする。
【0016】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の画像処理装置において、前記アプリケーション停止部は、前記停止させるべきアプリケーションによる画像処理機能が実行中である場合、前記実行中の画像処理機能が完了した後に前記アプリケーションを停止させることを特徴とする。
【0017】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5いずれかに記載の画像処理装置において、前記比較情報取得部が比較情報を取得する前に、前記第1の可搬型記録媒体の正当性を判断する装置内判断部を更に有し、前記比較情報取得部は、前記装置内判断部が前記第1の可搬型記録媒体を正当であると判断した場合に、前記比較情報を取得することを特徴とする。
【0018】
また、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の画像処理装置において、不正な可搬型記録媒体の識別情報を記憶している不正識別情報記憶部を更に有し、前記装置内判断部は、前記識別情報取得部が取得した識別情報と前記不正識別情報記憶部に記憶されている識別情報との比較結果に基づいて前記第1の可搬型記録媒体の正当性を判断することを特徴とする。
【0019】
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の画像処理装置において、前記判断部は、前記第1の可搬型記録媒体が不正であると判断した場合、前記識別情報取得部が取得した識別情報を前記不正識別情報記憶部に記憶させることを特徴とする。
【0020】
また、請求項9に記載の発明は、請求項7または8に記載の画像処理装置において、前記第1の可搬型記録媒体が不正であると前記判断部が判断した場合、前記識別情報取得部が取得した識別情報を、ネットワークを介して接続された他の画像処理装置に送信する不正識別情報送信部を更に有することを特徴とする。
【0021】
また、請求項10に記載の発明は、請求項7乃至9いずれかに記載の画像処理装置において、前記第1の可搬型記録媒体に記録されている情報は、前記不正識別情報記憶部に記憶されている不正な可搬型記録媒体の識別情報を更新するための更新情報を含み、前記情報読み出し部は、前記第1の可搬型記録媒体から読み出した前記更新情報に基づいて前記不正識別情報記憶部に記憶されている情報を更新することを特徴とする。
【0022】
また、請求項11に記載の発明は、請求項1乃至10いずれかに記載の画像処理装置において、前記比較情報取得部は、前記比較情報を取得するための信号を前記画像処理装置が接続されているネットワークにブロードキャストすることにより前記比較情報を取得することを特徴とする。
【0023】
また、請求項12に記載の発明は、請求項1乃至10いずれかに記載の画像処理装置において、前記比較情報取得部は、ネットワークを介して接続された記憶部であって且つ前記第2の可搬型記録媒体を識別するための識別情報を記憶している記憶部から前記比較情報を取得することを特徴とする。
【0024】
また、請求項13に記載の発明は、請求項1乃至12いずれかに記載の画像処理装置において、前記判断部が前記第1の可搬型記録媒体が不正であると判断した場合、前記第1の可搬型記録媒体が不正であることを表示する表示部を更に有することを特徴とする。
【0025】
また、請求項14に記載の発明は、可搬型記録媒体を装着して情報を入出力可能な複数の画像処理装置を含む画像処理システムであって、前記複数の画像処理装置のうち少なくとも1つは、識別情報取得部と、比較情報取得部と、判断部と、情報読み出し部とを有し、前記識別情報取得部が、当該画像処理装置に装着された第1の可搬型記録媒体から、当該第1の可搬型記録媒体を識別するための識別情報を取得し、前記比較情報取得部が、他の画像処理装置に装着された第2の可搬型記録媒体を識別するための識別情報を、ネットワークを介して接続された装置に要求し、前記ネットワークを介して接続された装置が、前記比較情報取得部による要求に応じて前記第2の可搬型記録媒体を識別するための識別情報を返信し、前記比較情報取得部が、前記ネットワークを介して接続された装置からの送信に応じて前記第2の可搬型記録媒体を識別するための識別情報を比較情報として取得し、前記判断部が、前記識別情報と前記比較情報との比較結果に基づいて前記第1の可搬型記録媒体の正当性を判断し、前記読み出し部が、前記判断部が前記第1の可搬型記録媒体が正当であると判断した場合に、前記第1の可搬型記録媒体から情報を読み出すことを特徴とする。
【0026】
また、請求項15に記載の発明は、請求項14に記載の画像処理システムにおいて、前記比較情報取得部は、前記比較情報を取得するための要求を前記画像処理装置が接続されているネットワークにブロードキャストすることにより前記比較情報を取得することを特徴とする。
【0027】
また、請求項16に記載の発明は、請求項14に記載の画像処理システムにおいて、前記複数の画像処理装置とネットワークを介して接続され且つ前記第2の可搬型記録媒体を識別するための識別情報を記憶している記憶部を更に有し、前記比較情報取得部は、前記比較情報を取得するための要求を前記記憶部に送信することを特徴とする。
【0028】
また、請求項17に記載の発明は、可搬型記録媒体を装着して情報を入出力可能な画像処理装置を制御する制御プログラムであって、当該画像処理装置に装着された第1の可搬型記録媒体から、当該可搬型記録媒体を識別するための識別情報を取得するステップと、ネットワークを介して接続された他の画像処理装置に装着された第2の可搬型記録媒体から、当該第2の可搬型記録媒体を識別するための識別情報を比較情報として取得するステップと、前記識別情報と前記比較情報との比較結果に基づいて前記第1の可搬型記録媒体の正当性を判断するステップと、前記判断部が前記第1の可搬型記録媒体が正当であると判断した場合に、前記第1の可搬型記録媒体から情報を読み出すステップとを前記画像処理装置に実行させることを特徴とする。
【0029】
また、請求項18に記載の発明は、記録媒体であって、請求項17に記載の制御プログラムを画像処理装置が読み取り可能な形式で記録したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、可搬型記憶媒体から情報を読み出して動作する画像処理装置において、不正な複製によって生成された記録媒体の使用を防止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、本実施形態に係る画像処理システムの運用形態を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る画像処理システムにおいては、画像処理装置1及び画像処理装置2がネットワークAに接続されている。画像処理装置1と画像処理装置2とは、同機種の画像処理装置である。即ち、画像処理装置1と画像処理装置2とは、同一の可搬型記録媒体に記録されているアプリケーション・プログラムを用いて動作することが可能である。
【0032】
ネットワークAは、例えばオフィスLAN(Local Area Network)や家庭内LAN等の限られた範囲のネットワークである。本実施形態に係るネットワークAは、一のルータ以下に接続されたネットワークであり、ブロードキャスト信号が到達する範囲である。
【0033】
次に、図2を参照して本実施形態に係る画像処理装置1のハードウェア構成について説明する。尚、以降の説明においては、画像処理装置1について説明するが、画像処理装置2においても同様である。
【0034】
図2は、本実施形態に係る画像処理装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態に係る画像処理装置1は、一般的なサーバやPC(Personal Computer)等の情報処理端末と同様の構成を含む。即ち、本実施形態に係る画像処理装置1は、CPU(Central Processing Unit)10、RAM(Random Access Memory)20、エンジン30、ROM(Read Only Memory)40、NVRAM(Non―Volatile Random Access Memory)50及びI/F60がバス90を介して接続されている。また、I/F60にはLCD(Liquid Crystal Display)70及び操作部80が接続されている。
【0035】
CPU10は演算手段であり、画像処理装置1全体の動作を制御する。RAM20は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU10が情報を処理する際の作業領域として用いられる。エンジン30は、スキャナやプリンタ等の画像処理機能を実行する画像処理エンジンである。ROM40は、読み出し専用の不揮発性記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。
【0036】
NVRAM50は、情報の読み書きが可能な不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や各種の制御プログラム、アプリケーション・プログラム及びアプリケーション・プログラムの動作パラメータの情報等が格納される。I/F60は、バス90と各種のハードウェアやネットワーク等を接続し制御する。LCD70は、ユーザが画像処理装置1の状態を確認するための視覚的ユーザインタフェースである。操作部80は、キーボードやマウス等、ユーザが画像処理装置1に情報を入力するためのユーザインタフェースである。
【0037】
このようなハードウェア構成において、ROM40やNVRAM50若しくは図示しないHDD(Hard Disk Drive)や光学ディスク並びに可搬型記録媒体等の記録媒体に格納されたプログラムがRAM20に読み出され、CPU10の制御に従って動作することにより、ソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、ハードウェアとの組み合わせによって、本実施形態に係る画像処理装置1の機能を実現する機能ブロックが構成される。
【0038】
次に、本実施系形態に係る画像処理装置1のソフトウェア構成について、図3を参照して説明する。図3は、本実施形態に係る画像処理装置1のソフトウェア構成を示す図である。図3に示すように、本実施形態に係る画像処理装置1のソフトウェアは、種々のアプリケーション131及びプラットフォーム132を含む。これらは、UNIX(登録商標)等のOS(Operating System)によりプロセス単位で並列的に実行される。アプリケーション131は、融合機101の各機能に固有の情報処理を実行するためのソフトウェアである。
【0039】
アプリケーション131は、コピーアプリ141、プリンタアプリ142、スキャナアプリ143、ファクシミリアプリ144及びネットワークファイルアプリ145を含む。コピーアプリ141は、コピー機能を実現するためのアプリケーションである。プリンタアプリ142は、プリンタ用のアプリケーションである。
【0040】
スキャナアプリ143は、スキャナ用のアプリケーションである。ファクシミリアプリ144は、ファクシミリ用のアプリケーションである。ネットワークファイルアプリ145は、ネットワークファイル用のアプリケーションである。ネットワークファイルアプリ145は、HTML文書等を配信するためのWebサーバソフト、HTML文書等を閲覧するためのWebブラウザ等により構成される。
【0041】
プラットフォーム132は、アプリケーション131からハードウェアへの処理要求に関する情報処理を実行するためのソフトウェアである。アプリケーション131からの処理要求の受信には、予め定義されている関数により処理要求を受信するAPI(Application Programming Interface)133を利用する。また、ハードウェアへの処理要求の送信には、予め定義されている関数により処理要求を送信するENI(Engine Interface)134を利用する。
【0042】
プラットフォーム132は、種々のコントロールサービス151と、SRM(System Resource Manager)152と、種々のハンドラ153を有する。コントロールサービス151は、アプリケーション131からハードウェアへの処理要求を解釈して、解釈結果に応じてハードウェアの獲得要求を発生する。コントロールサービス151としては、NCS(Network Control Service)161、FCS(Facsimile Control Service)162、DCS(Delivery Control Service)163、ECS(Engine Control Service)164、MCS(Memory Control Service)165、OCS(Operation Control Service)166、UCS(User Directory Control Service)167、SCS(System Control Service)168、OUS(On Demand Update Service)169が存在する。
【0043】
NCS161のプロセスは、ネットワーク等を介してデータ通信を行なうためのAPIを提供する。FCS162のプロセスは、ファクシミリとして画像データ通信・画像データ取得・画像データ印刷等を行なうためのAPIを提供する。DCS163のプロセスは、画像処理装置1の記録媒体に蓄積されている文書データの配信に関する制御を行なう。ECS164のプロセスは、エンジン30に関する制御を行なう。
【0044】
MCS165のプロセスは、画像データ記憶・画像データ処理等のメモリやハードディスクドライブに関する制御を行なう。OCS166のプロセスは、オペレーションパネルに関する制御を行なう。UCS167のプロセスは、ユーザ情報の管理に関する制御を行なう。SCS168のプロセスは、システムの管理に関する制御を行なう。OUS169のプロセスは、プログラムの更新に関する制御を行なう。
【0045】
ハンドラ153は、上記の調停結果に応じてハードウェアを管理する。ハンドラ153としては、FCUH(Facsimile Control Unit Hndler)171と、IMH(Image Memory Handler)172が存在する。FCUH171は、ファクシミリコントロールユニットを管理する。IMH172は、メモリを各プロセスに割り振り、各プロセスが割り振られたメモリを管理する。
【0046】
図3に示すソフトウェアのうち、アプリケーション131を構成するためのプログラムは、可搬型記憶媒体に記憶されている。これらのプログラムは、画像処理装置1の起動に応じて可搬型記憶媒体から図2に示すRAM20に読み出され、CPU10の制御に従って動作する。
【0047】
次に、本実施形態に係る画像処理装置1の機能構成について説明する。図4は、本実施形態に係る画像処理装置1の機能構成を示すブロック図である。図4に示すように、本実施例に係る画像処理装置1は、コントローラ100、ADF(Auto Document Feeder:原稿自動搬送装置)101、スキャナユニット102、排紙トレイ103、ネットワークI/F104、ファクシミリI/F105、給紙テーブル106、プリントエンジン107、排紙トレイ108、ディスプレイパネル109及びカードスロット110を有する。
【0048】
また、コントローラ100は、主制御部111、エンジン制御部112、入出力制御部113、画像処理部114、操作表示制御部115及び記録媒体制御部116を有する。尚、図4においては、電気的接続を実線の矢印で示しており、用紙の流れを破線の矢印で示している。図4に示すような構成により、本実施形態に係る画像処理装置1は、プリンタ、ファクシミリ、スキャナ、複写機等の機能を備えている。
【0049】
ネットワークI/F104は、画像処理装置1がクライアント端末等の他の機器と通信する際のインタフェースであり、図1に示すI/F60によって実現される。ネットワークI/F104は、Ethernet(登録商標)やUSB(Universal Serial Bus)インタフェースによって構成される。クライアント端末が送信した印刷ジョブは、ネットワークI/F104を介してコントローラ100に入力され、コントローラ100の制御に従って印刷ジョブに基づいた画像形成処理が実行される。ファクシミリI/F105は、画像処理装置1がファクシミリとして機能する際に、画像情報を公衆回線網に送信するためのインタフェースであり、図1に示すI/F60によって実現される。
【0050】
ディスプレイパネル109は、画像処理装置1の状態を視覚的に表示する出力インタフェースであると共に、タッチパネルとしてユーザが画像処理装置1を直接操作する際の入力インタフェースでもある。ディスプレイパネル109は、図1に示すLCD70及び操作部80によって実現される。
【0051】
カードスロット110は、可搬型記録媒体との接続インタフェースである。本実施形態において用いられる可搬型記録媒体は、SDカード(登録商標)である。その他の可搬型記録媒体としては、磁気テープやカセットテープ及び磁気ディスク等の磁気記録媒体やCD、MO、MD、DVD等の光ディスク、PCカード、コンパクトフラッシュ(登録商標)カード、スマートメディア(登録商標)、ICカード、メモリースティック(登録商標)、USBメモリ等、着脱可能な可搬型記録媒体が用いられる。
【0052】
主制御部111は、コントローラ100に含まれる各部を制御する役割を担い、コントローラ100の各部に命令を与える。主制御部111は、主に、図3に示すプラットフォーム132によって実現される。エンジン制御部112は、プリントエンジン107やスキャナユニット102等を制御若しくは駆動する駆動手段としての役割を担う。エンジン制御部112は、主に、図3に示すアプリケーション131によって実現される。
【0053】
入出力制御部113は、ネットワークI/F104を介して入力される印刷ジョブ等の情報を主制御部111に入力すると共に、主制御部111の命令に従ってネットワークI/F104を介してネットワークに接続された他の装置に情報を送信する。また、入出力制御部113は、ファクシミリI/F105を介してファクシミリとして送信された画像情報を受信すると共に、主制御部111の命令に従ってファクシミリI/F105を介してファクシミリ送信を実行する。入出力制御部113は、主に図3に示すアプリケーション131によって実現される。
【0054】
画像処理部114は、主制御部111の制御に従い、印刷ジョブに含まれる情報等に基づいて描画情報を生成する。この描画情報とは、プリントエンジン107が画像形成動作において形成すべき画像を描画するための情報である。また、画像処理部114は、スキャナユニット102から入力される撮像データを処理し、画像データを生成する。この画像データとは、スキャナ動作の結果物として図示しないHDDに格納され若しくはネットワークI/F104を介してクライアント端末等に送信される情報である。画像処理部114は、図3に示すアプリケーション131によって実現される。
【0055】
操作表示制御部115は、ディスプレイパネル109からユーザによって入力される操作情報を主制御部111に入力する。また、操作表示制御部115は、主制御部111の命令に従ってディスプレイパネル109に情報表示を行なう。操作表示制御部115は、図3に示すプラットフォーム132によって実現される。
【0056】
記録媒体制御部116は、主制御部111の制御に従い、カードスロット110に装着された可搬型記録媒体からの情報の読み出し及び可搬型記録媒体への情報の書き込みを行なう。また、記録媒体制御部116は、カードスロット110に装着された可搬型記録媒体からアプリケーション・プログラムを読み出す際に、所定の処理に従って読み出しの可否を判断する。この記録媒体制御部116による処理が、本実施形態に係る要旨の1つである。
【0057】
画像処理装置1がプリンタとして動作する場合は、まず、入出力制御部113がホストI/F104に接続されたUSB(Universal Serial Bus)やLAN(Local Area Network)を介して印刷ジョブを受信することにより印刷ジョブが発生する。印刷ジョブが発生すると、画像処理部114が主制御部111の命令に従い、印刷ジョブ若しくはHDD等の図示しない記憶媒体に含まれる蓄積文書等の情報に基づいて描画情報を生成する。画像処理部114によって生成された描画情報は、順次図示しないHDDにスプールされる。
【0058】
エンジン制御部112は、主制御部111の制御に従い、給紙テーブル106を駆動して印刷用紙をプリントエンジン107に搬送する。また、エンジン制御部112は、図示しないHDDにスプールされた描画情報を取得し、プリントエンジン107に入力する。プリントエンジン107は、エンジン制御部112から受信した描画情報に基づき、給紙テーブル106から搬送される用紙に対して画像形成を実行する。即ち、プリントエンジン107が画像形成部として動作する。プリントエンジン107の具体的態様としては、インクジェット方式による画像形成機構や電子写真方式による画像形成機構等を用いることが可能である。プリントエンジン107によって画像形成が施された文書は排紙トレイ108に排紙される。
【0059】
画像処理装置1がスキャナとして動作する場合は、ユーザによるディスプレイパネル109の操作若しくはネットワークI/F104を介して外部のホスト装置から入力されるスキャン実行指示に応じて入出力制御部113が主制御部111にスキャン実行信号を送信する。主制御部111は、入出力制御部113から受信したスキャン実行信号に基づき、エンジン制御部112を制御する。
【0060】
エンジン制御部112は、ADF101を駆動し、ADF101にセットされた撮像対象原稿をスキャナユニット102に搬送する。また、エンジン制御部112は、スキャナユニット102を駆動し、ADF101から搬送される原稿を撮像する。また、ADF101に原稿がセットされておらず、スキャナユニット102に直接原稿がセットされた場合、スキャナユニット102は、エンジン制御部112の制御に従い、セットされた原稿を撮像する。即ち、スキャナユニット102が撮像部として動作する。
【0061】
撮像動作においては、スキャナユニット102に含まれるCCD等の撮像素子が原稿を光学的に走査し、光学情報に基づいて生成された撮像情報が生成される。エンジン制御部112は、スキャナユニット102が生成した撮像情報を画像処理部114に転送する。画像処理部114は、主制御部111の制御に従い、エンジン制御部112から受信した撮像情報に基づき画像情報を生成する。
【0062】
画像処理部114が生成した画像情報は順次図示しないHDDにスプールされる。即ち、エンジン制御部112及び画像処理部114が連動して画像情報取得部として機能する。画像処理部114によって生成され、HDDにスプールされた画像情報は、ユーザの指示に応じてHDDに格納され若しくは入出力制御部113及びネットワークI/F104を介して外部のホスト装置に送信される。
【0063】
また、画像処理装置1が複写機として動作する場合は、エンジン制御部112がスキャナユニット102から受信した撮像情報若しくは画像処理部114が生成しHDDに格納された画像情報に基づき、画像処理部114が描画情報を生成する。
【0064】
その描画情報に基づいてプリンタ動作の場合と同様に、エンジン制御部112がプリントエンジン107を駆動する。また、画像処理装置1がファクシミリとして動作する場合は、上述したスキャン動作の結果画像処理部114がファクシミリ送信すべき画像情報を生成し、主制御部111が入出力制御部113を制御してファクシミリI/F105を介して上記生成された画像情報を送信する。
【0065】
このような画像処理装置1において、本実施形態の要旨は、上述したように、記録媒体制御部116がカードスロット110に装着されたSDカードから情報を読み出す際の処理にある。図5を参照して、本実施形態に係る記録媒体制御部116について更に詳細に説明する。
【0066】
図5は、本実施形態に係る記録媒体制御部116の構成を示すブロック図である。図5に示すように、本実施形態に係る記録媒体制御部116は、制御部116a、装着検知部116b、情報読み出し部116c及び情報比較部116dを有する。制御部116aは、主制御部111の制御に基づいて記録媒体制御部116全体の動作を制御する。
【0067】
装着検知部116bは、カードスロット110にSDカードが装着されたことを検知する。情報読み出し部116cは、カードスロット110に装着されたSDカードから情報を読み出す。情報比較部116dは、SDカードから取得されたSDカードの識別情報と、ネットワークを介して取得された比較情報とを比較し、その比較結果を出力する。ここで、上記比較情報とは、画像処理装置2のような、ネットワークを介して接続されている他の画像処理装置に装着されている可搬型記憶媒体の識別情報である。
【0068】
このような画像処理装置1において、本実施形態の要旨は、カードスロット110に装着されたSDカードからアプリケーション・プログラムを読み出す際のチェック動作にある。以下、本実施形態に係る画像処理装置1の動作について説明する。図6は、本実施形態に係る画像処理装置1において、カードスロット110に装着されたSDカードから情報を読み出す際の動作を示すフローチャートである。
【0069】
先ず、装着検知部116bが、カードスロット110へのSDカードの装着を検知する(S601)。制御部116aは、装着検知部116bから装着検知の通知を受けると、情報読み出し部116cを制御してSDカードからSDカードの識別情報を読み出させる。また、制御部116aは、主制御部111に、SDカードの装着検知を通知する。
【0070】
情報読み出し部116cは、制御部116aの制御に従い、カードスロット110に装着されたSDカードから、SDカードの識別情報を読み出す(S602)。即ち、情報読み出し部116cが、識別情報取得部として機能する。ここで、本実施形態に係るSDカードに記憶されている情報について説明する。図7は、本実施形態に係るSDカードに記憶されている情報の例を示す図である。図7に示すように、本実施形態に係るSDカードには、カード識別情報及びアプリケーション・プログラムが記録されている。
【0071】
カード識別情報は、SDカードの製造時に記録されるシリアルIDであり、所定の桁数の数字列、文字列等の情報である。このシリアルIDは、原則として夫々のSDカードを一意に識別する固有の情報である。従って、正当なSDカードの情報を予め記憶しておくことにより、不正なSDカードの使用を防止することができる。しかしながら、シリアルIDが複製された場合、上記の方法により不正なSDカードの使用を防止することができない。本実施形態は、このような課題に対応する。アプリケーション・プログラムは、上述したように、図3に示すアプリケーション131を構成するためのプログラム情報である。
【0072】
主制御部111は、記録媒体制御部116の制御部116aからSDカード装着の通知を受けると、入出力制御部113を制御し、ネットワークI/F104を介して機器情報の取得要求をブロードキャストさせる(S603)。S603においてブロードキャストされた取得要求は、ネットワークAに接続されている全機器に入力される。本実施形態においては、図1に示すように、ネットワークAに接続されている機器は、画像処理装置1及び画像処理装置2である。従って、S603においてブロードキャストされた取得要求は、画像処理装置2に入力される。画像処理装置2は、画像処理装置1からの機器情報取得要求に対して、機器情報を送信することによって応答する。
【0073】
画像処理装置1に送信された画像処理装置2の機器情報は、ネットワークI/F104を介して入出力制御部113が取得する。入出力制御部113は、受信した機器情報を主制御部111に入力する。これにより、主制御部111は、機器情報の取得要求に応答した機器(以降、応答機器とする)を認識する。画像処理装置1は、応答機器を認識すると、応答機器にログインする(S604)。これにより、画像処理装置1は、画像処理装置2からの情報の読み出しを行なうことが可能となる。
【0074】
画像処理装置1は、画像処理装置2にログインすると、画像処理装置2にSDカード識別情報の取得要求を送信する。以下、SDカード識別情報の取得要求を受けた画像処理装置2の動作を説明する。図8は、SDカード識別情報の取得要求を受けた画像処理装置2の動作を示すフローチャートである。上述したように、画像処理装置1と画像処理装置2とは同一の構成を有するため、以下の説明においては、図4、図5に画像処理装置1のものとして示す符号を用いて説明する。
【0075】
画像処理装置2に入力された取得要求は、ネットワークI/F104を介して入出力制御部113が受信する(S801)。入出力制御部113は、受信した取得要求を主制御部111に入力する。主制御部111は、入出力制御部113からの通知に応じて、記録媒体制御部116を制御し、カードスロット110にSDカードが装着されているか否か確認する(S802)。S802においては、制御部116aが装着検知部116bを制御することにより、SDカードの装着有無が確認される。
【0076】
S802の結果、SDカードが装着されていない場合(S802/NO)、主制御部111は、入出力制御部113を制御し、ネットワークI/F104を介して画像処理装置1にSDカードが未装着である旨の情報(未装着情報)を送信し(S805)、処理を終了する。
【0077】
S802の結果、SDカードが装着されている場合(S802/YES)、主制御部111は、記録媒体制御部116を制御し、カードスロット110に装着されているSDカードからカード識別情報を読み出させる(S803)。主制御部111は、S803によりカード識別情報を取得すると、入出力制御部113を制御し、ネットワークI/F104を介して画像処理装置1にカード識別情報を送信し(S804)、処理を終了する。
【0078】
図8の処理により、ネットワークAに接続され且つ起動中である全ての画像処理装置に装着されているSDカードのシリアルIDを一括して取得することが可能となる。ここで、上記起動中であるとは、画像処理装置がネットワークを介して上記取得要求を受信し、SDカードからシリアルIDを読出し、ネットワークを介してシリアルIDを送信可能な状態にあることを言う。即ち、部分的に電源供給が停止された省電力状態や、画像処理装置としての動作が不可能な状態にまで電源供給が停止された状態であっても、上記3つの処理を実行可能な状態であれば、本実施形態においては“起動中”であるとする。
【0079】
図8の処理により、画像処理装置2から画像処理装置1にカード識別情報が送信される。画像処理装置1に入力されたカード識別情報は、ネットワークI/F104を介して入出力制御部113が受信する。主制御部111は、入出力制御部113が取得したカード識別情報を、比較情報として取得する(S605)。この比較情報とは、S602において取得した識別情報と比較するための情報である。主制御部111は、取得した比較情報を記録媒体制御部116に入力する。主制御部111が上記比較情報を取得する処理は、上述したように、記録媒体制御部116の制御部116aからの通知に応じて実行される。即ち、制御部116aが比較情報取得部として機能する。
【0080】
記録媒体制御部116に比較情報が入力されると、制御部116aは、情報比較部116dを制御し、S602において取得された識別情報と上記入力された比較情報とを比較させる(S606)。尚、本実施形態においては、画像処理装置1において取得した識別情報と画像処理装置2において取得された識別情報とを比較するのみであるが、上述したように、S603において発信される取得要求はブロードキャストされる。従って、S605において、複数の比較情報が取得される場合もあり得る。即ち、S606の一般的な処理は、S602において取得された識別情報を、S605において取得された複数の比較情報夫々と比較する処理となる。
【0081】
S606の結果、比較情報の中にS602において取得した識別情報と同一の識別情報がある場合、即ち、同一のシリアルIDがある場合(S607/YES)、情報比較部116dは、カードスロット110に装着されているSDカードは不正なカードであると判断する。即ち、情報比較部116dが、判断部として機能する。記録媒体制御部116は、カードスロット110に装着されているSDカードが不正なカードであることを、主制御部111に通知する。装着されているSDカードが不正なカードである旨の通知を受けた主制御部111は、操作表示制御部115を制御し、ディスプレイパネル109にエラー表示を行ない(S608)、処理を終了する。
【0082】
他方、S606の結果、比較情報の中にS602において取得した識別情報と同一の識別情報がない場合、即ち、同一のシリアルIDがない場合(S607/NO)、情報比較部116dは、カードスロット110に装着されているSDカードは正当なカードであると判断する。これにより、制御部116aは、情報読み出し部116cを制御し、カードスロット110に装着されたSDカードからアプリケーション・プログラムを読み出し(S609)、処理を終了する。
【0083】
上述したように、SDカードからアプリケーション・プログラムが読み出され、RAM20にロードされてCPU10の制御に従って動作する。その結果、図3に示すようにアプリケーション131が構成され、図4に示すエンジン制御部112として動作する。これにより、画像処理装置1が、夫々の画像処理機能を実行可能な状態となる。
【0084】
このように、本実施形態に係る画像処理装置1は、SDカードからアプリケーション・プログラムを読み出す前に、ネットワークに接続された他の画像処理装置に装着されているSDカードのシリアルIDを読み出す。そして、画像処理装置1は、自身に装着されているSDカードのシリアルIDと、上記ネットワークを介して取得したシリアルIDとを比較する。この比較の結果、画像処理装置1は、同一のIDが無い場合にのみアプリケーション・プログラムを読み出す。
【0085】
このような処理により、少なくともネットワークAにおいては、複製によって生成された複数のSDカードを同時に使用することが不可能となる。本実施形態においては、SDカードの不正を検知することは出来ない。しかしながら、例えば、複製されたSDカードが使用されている間は、複製元のSDカードを使用することが不可能となるため、実質的に複製されたSDカードの使用を防止することが可能となる。
【0086】
本実施形態においては、比較情報として取得する他のシリアルIDは、ネットワークAに接続された画像処理装置に装着されたSDカードのシリアルIDである。従って、ネットワークA以外のネットワークにおいて複製されたSDカードが使用されている場合、上記効果を得ることはできない。しかしながら、複製によって生成された不正なSDカードの使用態様としては、社内LAN等の限られたネットワークに接続された画像処理装置において使用されることが多い。従って、上記説明した態様により、複製されたSDカードの使用を抑制する効果として実効がある。
【0087】
以上説明したように、本実施形態に係る画像処理システム及び画像処理装置により、可搬型記憶媒体から情報を読み出して動作する画像処理装置において、不正な複製によって生成された記録媒体の使用を防止することが可能となる。より具体的には、不正な複製によって生成された記録媒体が異なる画像処理装置において同時に使用されることを防止することにより、複製された記録媒体の使用を実質的に防止することが可能となる。
【0088】
尚、上記実施形態においては、ネットワークAの例として、一のルータ以下に構成されるネットワークを例として説明した。一のルータ以下のネットワークであれば、図6のS603におけるブロードキャストが容易に可能である。この他、ネットワークAの範囲は、可能な限り広い範囲であることが望ましい。これにより、複製されたSDカードの使用をより好適に防止することが可能となる。
【0089】
また、上記実施形態においては、SDカードから読み出す情報の例として、図7に示すように、アプリケーション・プログラムを例として説明した。この他、エンジン制御部112がスキャナユニット102やプリントエンジン107を制御するためのパラメータ情報や、ディスプレイパネル109の表示をカスタマイズするための情報等であっても、上記と同様の効果を得ることが可能となる。
【0090】
また、上記実施形態においては、識別情報としてSDカードのシリアルIDを用いる例が説明されている。この他、例えば、アプリケーション・プログラムのシリアルIDを用いても、上記と同様の効果を得ることが可能である。
【0091】
また、上記実施形態においては、図6において説明したように、SDカードの認証を行なう画像処理装置1が、応答機器である画像処理装置2にログインした上で、画像処理装置2に装着されたSDカードのシリアルIDを取得する例を説明した。この他、S602の後にSDカードのシリアルIDを取得する要求をブロードキャストするようにしても良い。この場合、画像処理装置2側で信号を解釈し、SDカードからシリアルIDを読み出して返信することにより、上記と同様の効果を得ることができる。
【0092】
実施の形態2.
実施の形態1においては、図6に示すように、カードスロット110にSDカードが挿入された後、ネットワークを介して同一IDが存在するか否かの確認を実行する例が説明されている。本実施形態においては、同一IDの確認処理を行なう前に、画像処理装置1単体での確認処理を実行する例を説明する。尚、実施の形態1と同一の符号を付す構成については、同一若しくは相当部を示すものとし、詳細な説明を省略する。
【0093】
本実施形態に係る画像処理装置1は、図2〜図4において説明した態様と同様の構成を有する。本実施形態に係る画像処理装置1は、記録媒体制御部116の構成が実施の形態1の態様と異なる。図9に本実施形態に係る記録媒体制御部116の構成を示す。図9に示すように、本実施形態に係る記録媒体制御部116は、実施の形態1の態様に加えて、不正ID記憶部116eを有する。不正ID記憶部116eは、既に不正な複製が確認されているSDカードのシリアルIDの情報を記憶している。即ち、不正ID記憶部116eは、不正識別情報記憶部である。図10に不正ID記憶部116eに記憶されている情報の例を示す。
【0094】
次に、本実施形態に係る画像処理装置1において、カードスロット110に装着されたSDカードから情報を読み出す際の動作を説明する。図11は、本実施形態に係る画像処理装置1において、カードスロット110に装着されたSDカードから情報を読み出す際の動作を示すフローチャートである。S1101、S1102については、図6と同様に処理が実行される。
【0095】
制御部116aは、情報読み出し部116cが読み出したシリアルIDを情報比較部116dに通知する。情報比較部116dは、制御部116aの制御に従い、通知されたシリアルIDと不正ID記憶部116eに記憶されているIDとを比較する(S1103)。S1103の処理は、画像処理装置1内部において完結する処理である。即ち、情報比較部116dが、装置内判断部として機能する。
【0096】
S1103の結果、不正ID記憶部116eに記憶されているIDのいずれかと一致した場合(S1104/YES)、情報比較部116dは、カードスロット110に装着されているSDカードは不正なカードであると判断する。この場合、記録媒体制御部116は、カードスロット110に装着されているSDカードが不正なカードであることを、主制御部111に通知する。
【0097】
装着されているSDカードが不正なカードである旨の通知を受けた主制御部111は、操作表示制御部115を制御し、ディスプレイパネル109にエラー表示を行ない(S1105)、処理を終了する。他方、S1103の結果、不正ID記憶部116eに記憶されているIDのいずれとも一致しなかった場合(S1104/NO)、記録媒体制御部116は、ネットワークを介したIDチェックを実行するための通知を主制御部111に行なう。これにより、S1106に進む。
【0098】
S1106〜S1110については、S603〜S607と同様に処理が実行される。そして、比較情報の中にS1102において取得した識別情報と同一の識別情報がある場合、即ち、同一のシリアルIDがある場合(S1111/YES)、情報比較部116dは、カードスロット110に装着されているSDカードは不正なカードであると判断する。
【0099】
情報比較部116dは、カードスロット110に装着されているSDカードが不正なカードであると判断した場合、S1102において取得したシリアルIDを不正ID記憶部に登録する(S116e)。これにより、次回の判断時において、今回カードスロット110に装着されたSDカードを、ネットワークを介した確認を行なうことなく、不正なSDカードであると判断することが可能となる。
【0100】
不正ID記憶部への登録が完了すると、記録媒体制御部116は、カードスロット110に装着されているSDカードが不正なカードであることを、主制御部111に通知する。装着されているSDカードが不正なカードである旨の通知を受けた主制御部111は、操作表示制御部115を制御し、ディスプレイパネル109にエラー表示を行ない(S1105)、処理を終了する。
【0101】
他方、比較情報の中にS1102において取得した識別情報と同一の識別情報がない場合、即ち、同一のシリアルIDがない場合(S1111/NO)、情報比較部116dは、カードスロット110に装着されているSDカードは正当なカードであると判断する。これにより、制御部116aは、情報読み出し部116cを制御し、カードスロット110に装着されたSDカードからアプリケーション・プログラムを読み出し(S1112)、処理を終了する。
【0102】
このように、本実施形態においては、カードスロット110にSDカードが挿入された場合、ネットワークを介したシリアルIDのチェックを実行する前に、画像処理装置1内部におけるチェックが実行される。そして、画像処理装置1内部におけるチェックにパスした場合にのみ、ネットワークを介したシリアルIDのチェックを実行する。
【0103】
本実施形態により、ネットワークを介してチェックを実行する回数を低減することが可能となる。その結果、ネットワーク負荷を低減することが可能となる。また、ネットワークを介したチェックの場合、不正に複製されたSDカードであっても、ネットワークAにおいて同時に使用されていなければ検知することができない。
【0104】
本実施形態によれば、不正ID記憶部116eに記憶されているID、即ち、既に不正な複製が検知されているシリアルIDのSDカードについては、使用を防止することが可能となる。また、一度不正が検知されたシリアルIDを不正ID記憶部116eに登録するため、次回以降は、ネットワークを介したチェックを行なうことなく、そのシリアルIDのSDカードの使用を防止することが可能となる。
【0105】
尚、上記実施形態においては、画像処理装置1内部のチェックとして、不正ID記憶部116eに記憶されているシリアルIDとの比較を行なう例を説明した。この他、画像処理装置1内部のチェックにおいては、様々な態様を用いることができる。例えば、電子認証によるアプリケーション・プログラムの正当性チェック等を画像処理装置1内部のチェックとして実行することができる。電子認証によるアプリケーション・プログラムのチェックについては、公知の方法を用いることができ、SDカードに記録されているアプリケーション・プログラムの改竄や複製等を検知することが可能となる。これにより、上記と同様、ネットワークを介してチェックを実行する回数を低減し、ネットワーク負荷を低減することが可能となる。
【0106】
また、上記実施形態においては、図11のS1111に示すように、不正と判断されたシリアルIDを不正ID記憶部116eに登録する例を説明した。この他、不正IDの管理については、他の装置において不正であると判断されたIDをも不正ID記憶部116eに登録することが好ましい。例えば、不正ID記憶部116eを更新するための更新情報をSDカードに記録し、図11のS1112において読み出した際に、不正ID記憶部の情報を更新することにより、不正ID記憶部116eの情報を最新にすることができる。
【0107】
更には、図11のS1111において、自身の不正ID記憶部116eに登録するだけでなく、ネットワークAに接続された全ての画像処理装置に対して、不正と判断されたシリアルIDを登録させることもできる。この場合、記録媒体制御部116から不正なシリアルIDの通知を受けた主制御部111が入出力制御部113を制御して上記不正なシリアルIDを他の画像処理装置に送信する。即ち、入出力制御部113が不正識別情報送信部として機能する。
【0108】
また、上記実施形態においては、SDカードが不正であると判断された場合、画像処理装置1がエラー表示を行ない、SDカードからの情報読み出しを行なわない例を説明した。これに加えて、既に画像処理装置1において起動しているアプリケーションを停止することも可能である。これにより、一時的に画像処理装置1の動作を停止させ、正当なSDカードの装着をユーザに促すことができる。このような例について、図12を参照して説明する。
【0109】
図12は、不正なSDカードが検知された場合に、画像処理装置1において動作中のアプリケーションを停止させる例を示すフローチャートである。図12に示す動作は、図6に示すS608若しくは図11に示すS1105の処理の替わりに実行される。SDカードが防いであることが検知され(S1201)、主制御部111に通知されると、主制御部111は、エンジン制御部112及び画像処理部114が、何らかの画像処理を実行しているか否か確認する(S1202)。
【0110】
S1202において確認する処理とは、図3に示すアプリケーション131によって実行される処理である。即ち、画像処理部114が実行する処理や、エンジン制御部112の制御によってスキャナユニット102、プリントエンジン107が実行する処理が含まれる。
【0111】
S1202の確認の結果、何らかの処理が実行されている場合(S1202/YES)、主制御部111は、実行中の処理が完了するまで待機する(S1203)。S1202の確認の結果、何も処理が実行されていない場合(S1202/NO)、若しくは実行中の処理が完了した場合、主制御部111は、起動中のアプリケーション131を停止する(S1204)。即ち、主制御部111が、アプリケーション停止部として機能する。これにより、エンジン制御部112及び画像処理部114が動作不能となる。
【0112】
アプリケーション131を停止した後、主制御部111は、操作表示制御部115を制御し、ディスプレイパネル109にエラー表示を行ない(S1205)、処理を終了する。このような処理により、不正なSDカードが検知された場合、画像処理装置1の機能が停止し、ユーザに正当なSDカードの装着を促すことができる。また、図12に示す例においては、実行中の画像処理がある場合、その処理が完了してからアプリケーション131が停止される。これにより、画像処理装置1における紙詰まりや、機械的に動作する部位の不具合並びにソフトウェア上の不具合を防ぐことができる。
【0113】
その他の実施形態.
実施の形態1、2においては、ネットワークを介してSDカードのチェックを行なう際、他の画像処理装置から直接SDカードのシリアルIDを取得する例を説明した。この他、ネットワークAに接続され且つ起動中の画像処理装置に装着されたSDカードのシリアルIDを一括管理するサーバを設けることによっても、上記と同様の効果を得ることができる。図13は、そのような画像処理システムの運用形態を示す図である。図13に示す例によれば、図1の態様に加えて起動中シリアルID管理サーバ3が更に設けられている。
【0114】
起動中シリアルID管理サーバ3は、ネットワークAに接続されて起動している画像処理装置に装着されているSDカードのシリアルIDの情報を保持している記憶部である。ネットワークAに接続されている画像処理装置は、SDカードからアプリケーション・プログラムを読み出してアプリケーション131を構成すると、そのSDカードのシリアルIDを起動中シリアルID管理サーバ3に登録する。起動中シリアルID管理サーバ3は、ネットワークAに接続されている画像処理装置に対して、定期的に起動中であるか否かの確認信号を送信する。そして、装置の停止が確認された場合、起動中シリアルID管理サーバ3は、停止が確認された画像処理装置について登録されているシリアルIDを破棄する。
【0115】
図13に示す例においても、画像処理装置1、2の態様は実施の形態1、2において説明した態様と略同一である。尚、図13においては、起動中シリアルID管理サーバ3を例としているが、ネットワークAに接続された画像処理装置が起動中のシリアルIDを登録及び読み出し可能であれば良い。例えば、図13に示すようなサーバではなく、NAS(Network Attached Storage)等のネットワーク記憶媒体でも良い。また、起動中シリアルID管理サーバ3は、画像処理装置1と同様の構成を有する画像処理装置として構成しても良い。
【0116】
図13に示す画増処理装置1において、カードスロット110に装着されたSDカードから情報を読み出す際の動作について、図14を参照して説明する。図14は、図13の運用例に係る画像処理装置1の動作を示すフローチャートである。
【0117】
図14のS1401、S1402については、図6のS601、S602と同様に処理が実行される。主制御部111は、記録媒体制御部116の制御部116aからSDカード装着の通知を受けると、入出力制御部113を制御し、ネットワークI/F104を介して起動中シリアルID管理サーバ3に対して識別情報を要求する(S1403)。起動中シリアルID管理サーバ3は、画像処理装置1からの要求に応じて、登録されているシリアルIDの情報を返信する。
【0118】
画像処理装置1に入力されたシリアルIDの情報は、ネットワークI/F104を介して入出力制御部113が受信する。主制御部111は、入出力制御部113が取得したシリアルIDの情報を比較情報として取得する(S1404)。主制御部111は、取得した比較情報を記録媒体制御部116に入力する。その後、S1405〜S1408の処理は、図6のS606〜S609と同様に実行される。
【0119】
SDカードが正当なものであると判断され(S1406/NO)、アプリケーション・プログラムが読み出されると(S1408)、主制御部111は、入出力制御部113を制御し、起動中シリアルID管理サーバ3に、S1402において取得したシリアルIDを登録させる(S1409)。これにより、画像処理装置1において装着されたSDカードのシリアルIDが、起動中のシリアルIDとして起動中シリアルID管理サーバ3に登録される。これにより、ネットワークAに接続された他の画像処理装置に、画像処理装置1に装着されたSDカードと同一のシリアルIDを有するSDカードが装着された場合、そのカードは不正なものであるとして使用が制限される。
【0120】
図13に係る例の場合、起動中のシリアルIDの取得に際して、信号をブロードキャストする必要がないため、ネットワーク負荷を低減することが可能となる。また、ブロードキャストにより起動中のシリアルIDを取得する場合、ネットワークAに接続された画像処理装置の数が多くなると、シリアルIDを受信する処理も多くなる。その結果、画像処理装置1の処理負荷が高くなる。本実施形態の場合、起動中シリアルID管理サーバ3から一括してシリアルIDを受信することが可能であるため、画像処理装置1の処理負荷を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】本発明の実施形態に係る画像処理システムの運用形態を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る画像処理装置のソフトウェア構成を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る画像処理装置の機能構成を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る記録媒体制御部の構成を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る画像処理装置においてSDカードから情報を読み出す際の動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態に係るSDカードに記録されている情報の例を示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係る画像処理装置がシリアルIDの取得要求を受けた際の動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の他の実施形態に係る記録媒体制御部の構成を示す図である。
【図10】本発明の他の実施形態に係る不正ID記憶部に記憶されている情報の例を示す図である。
【図11】本発明の他の実施形態に係る画像処理装置においてSDカードから情報を読み出す際の動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明の他の実施形態に係る画像処理装置において不正なSDカードを検知した際の動作を示すフローチャートである。
【図13】本発明の他の実施形態に係る画像処理システムの運用形態を示す図である。
【図14】本発明の他の実施形態に係る画像処理装置においてSDカードから情報を読み出す際の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0122】
1、2 画像処理装置
3 起動中ID管理サーバ
10 CPU
20 RAM
30 エンジン
40 ROM
50 NVRAM
60 I/F
70 LCD
80 操作部
100 コントローラ
101 ADF
102 スキャナユニット
103 排紙トレイ
104 ネットワークI/F
105 ファクシミリI/F
106 給紙テーブル
107 プリントエンジン
108 排紙トレイ
109 ディスプレイパネル
110 カードスロット
111 主制御部
112 エンジン制御部
113 入出力制御部
114 画像処理部
115 操作表示制御部
116 記録媒体制御部
116a 制御部
116b 装着検知部
116c 情報読み出し部
116d 情報比較部
116e 不正ID記憶部
131 アプリケーション
132 プラットフォーム
133 API
134 ENI
141 コピーアプリ
142 プリンタアプリ
143 スキャナアプリ
144 ファクシミリアプリ
145 ネットワークファイルアプリ
151 コントロールサービス
152 SRM
153 ハンドラ
161 NCS
162 FCS
163 DCS
164 ECS
165 MCS
166 OCS
167 UCS
168 SCS
169 OUS
171 FCUH
172 IMH

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可搬型記録媒体を装着して情報を入出力可能な画像処理装置であって、
当該画像処理装置に装着された第1の可搬型記録媒体から、当該第1の可搬型記録媒体を識別するための識別情報を取得する識別情報取得部と、
ネットワークを介して接続された他の画像処理装置に装着された第2の可搬型記録媒体を識別するための識別情報を比較情報として取得する比較情報取得部と、
前記識別情報と前記比較情報との比較結果に基づいて前記第1の可搬型記録媒体の正当性を判断する判断部と、
前記判断部が前記第1の可搬型記録媒体が正当であると判断した場合に、前記第1の可搬型記録媒体から情報を読み出す情報読み出し部とを有することを特徴とする、画像処理装置。
【請求項2】
前記判断部は、前記識別情報と前記比較情報とが一致する場合に前記第1の可搬型記録媒体が不正であると判断することを特徴とする、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記第1の可搬型記録媒体に記録されている情報は、前記画像処理装置の画像処理機能を実現するためのプログラムであることを特徴とする、請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記判断部が前記第1の可搬型記録媒体が不正であると判断した場合に、前記画像処理機能を実現するために動作しているアプリケーションを停止させるアプリケーション停止部を更に有することを特徴とする、請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記アプリケーション停止部は、前記停止させるべきアプリケーションによる画像処理機能が実行中である場合、前記実行中の画像処理機能が完了した後に前記アプリケーションを停止させることを特徴とする、請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記比較情報取得部が比較情報を取得する前に、前記第1の可搬型記録媒体の正当性を判断する装置内判断部を更に有し、
前記比較情報取得部は、前記装置内判断部が前記第1の可搬型記録媒体を正当であると判断した場合に、前記比較情報を取得することを特徴とする、請求項1乃至5いずれかに記載の画像処理装置。
【請求項7】
不正な可搬型記録媒体の識別情報を記憶している不正識別情報記憶部を更に有し、
前記装置内判断部は、前記識別情報取得部が取得した識別情報と前記不正識別情報記憶部に記憶されている識別情報との比較結果に基づいて前記第1の可搬型記録媒体の正当性を判断することを特徴とする、請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記判断部は、前記第1の可搬型記録媒体が不正であると判断した場合、前記識別情報取得部が取得した識別情報を前記不正識別情報記憶部に記憶させることを特徴とする、請求項7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記第1の可搬型記録媒体が不正であると前記判断部が判断した場合、前記識別情報取得部が取得した識別情報を、ネットワークを介して接続された他の画像処理装置に送信する不正識別情報送信部を更に有することを特徴とする、請求項7または8に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記第1の可搬型記録媒体に記録されている情報は、前記不正識別情報記憶部に記憶されている不正な可搬型記録媒体の識別情報を更新するための更新情報を含み、
前記情報読み出し部は、前記第1の可搬型記録媒体から読み出した前記更新情報に基づいて前記不正識別情報記憶部に記憶されている情報を更新することを特徴とする、請求項7乃至9いずれかに記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記比較情報取得部は、前記比較情報を取得するための信号を前記画像処理装置が接続されているネットワークにブロードキャストすることにより前記比較情報を取得することを特徴とする、請求項1乃至10いずれかに記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記比較情報取得部は、ネットワークを介して接続された記憶部であって且つ前記第2の可搬型記録媒体を識別するための識別情報を記憶している記憶部から前記比較情報を取得することを特徴とする、請求項1乃至10いずれかに記載の画像処理装置。
【請求項13】
前記判断部が前記第1の可搬型記録媒体が不正であると判断した場合、前記第1の可搬型記録媒体が不正であることを表示する表示部を更に有することを特徴とする、請求項1乃至12いずれかに記載の画像処理装置。
【請求項14】
可搬型記録媒体を装着して情報を入出力可能な複数の画像処理装置を含む画像処理システムであって、
前記複数の画像処理装置のうち少なくとも1つは、識別情報取得部と、比較情報取得部と、判断部と、情報読み出し部とを有し、
前記識別情報取得部が、当該画像処理装置に装着された第1の可搬型記録媒体から、当該第1の可搬型記録媒体を識別するための識別情報を取得し、
前記比較情報取得部が、他の画像処理装置に装着された第2の可搬型記録媒体を識別するための識別情報を、ネットワークを介して接続された装置に要求し、
前記ネットワークを介して接続された装置が、前記比較情報取得部による要求に応じて前記第2の可搬型記録媒体を識別するための識別情報を返信し、
前記比較情報取得部が、前記ネットワークを介して接続された装置からの送信に応じて前記第2の可搬型記録媒体を識別するための識別情報を比較情報として取得し、
前記判断部が、前記識別情報と前記比較情報との比較結果に基づいて前記第1の可搬型記録媒体の正当性を判断し、
前記読み出し部が、前記判断部が前記第1の可搬型記録媒体が正当であると判断した場合に、前記第1の可搬型記録媒体から情報を読み出すことを特徴とする、画像処理システム。
【請求項15】
前記比較情報取得部は、前記比較情報を取得するための要求を前記画像処理装置が接続されているネットワークにブロードキャストすることにより前記比較情報を取得することを特徴とする、請求項14に記載の画像処理システム。
【請求項16】
前記複数の画像処理装置とネットワークを介して接続され且つ前記第2の可搬型記録媒体を識別するための識別情報を記憶している記憶部を更に有し、
前記比較情報取得部は、前記比較情報を取得するための要求を前記記憶部に送信することを特徴とする、請求項14に記載の画像処理システム。
【請求項17】
可搬型記録媒体を装着して情報を入出力可能な画像処理装置を制御する制御プログラムであって、
当該画像処理装置に装着された第1の可搬型記録媒体から、当該可搬型記録媒体を識別するための識別情報を取得するステップと、
ネットワークを介して接続された他の画像処理装置に装着された第2の可搬型記録媒体から、当該第2の可搬型記録媒体を識別するための識別情報を比較情報として取得するステップと、
前記識別情報と前記比較情報との比較結果に基づいて前記第1の可搬型記録媒体の正当性を判断するステップと、
前記判断部が前記第1の可搬型記録媒体が正当であると判断した場合に、前記第1の可搬型記録媒体から情報を読み出すステップとを前記画像処理装置に実行させることを特徴とする制御プログラム。
【請求項18】
請求項17に記載の制御プログラムを画像処理装置が読み取り可能な形式で記録したことを特徴とする、記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−72707(P2010−72707A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−236566(P2008−236566)
【出願日】平成20年9月16日(2008.9.16)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】