説明

画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法およびプログラム

【課題】表示画像の品質劣化を防止すると共に、処理負荷を低減可能な画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法およびプログラムを提供すること。
【解決手段】本発明の画像処理装置は、外部から受信した映像信号から画像を生成する映像信号処理手段と、当該画像を処理して表示手段に表示する画像処理手段とを含み、画像処理手段が、映像信号処理手段に対し画像の解像度を所定の解像度に変更させ、解像度が変更された画像を映像信号処理手段から取得する。画像処理手段は、映像信号処理手段が生成した画像の解像度が、当該画像を画像処理手段に表示するときの解像度よりも大きい場合に、映像信号処理手段に対して、画像の解像度を画像処理手段に表示するときの解像度に変更させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、任意の画像を表示する画像処理装置に関し、より詳細には、画像提供装置が提供する画像およびユーザが作成した描画画像を表示する画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、企業や教育機関、行政機関等における会議等において、画像提供装置が出力する画像を大型ディスプレイに表示させ、ユーザが描画する文字や数字、図形等の描画画像を重畳して表示可能な画像処理システムが利用されている。
【0003】
これらの画像処理システムは、複数の画像提供装置が提供する画像を表示するものもあり、画像処理装置が複数の画像を表示する場合、表示すべき画像数の増加に伴って画像処理装置が処理するデータ量が増大することになる。このため、データバスに多量のデータが供給されて転送処理が圧迫され、表示すべき画像の品質が劣化する問題があると共に、プロセッサの使用率やメモリ使用率の増加により、その動作速度が低下するという問題があった。
【0004】
この点につき、特許文献1は、画像信号を送信する画像信号源と、当該画像信号を受信して画面に表示する画像処理装置とを含む画像処理システムを開示する。この画像処理システムでは、画像処理装置は、画像解像度等の画像属性を指定するEDID(Extended
display identification data)および制御信号を用いて画像処理装置が表示可能な画像解像度等を指定し、指定された解像度の画像を画像信号源から取得して処理する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の画像処理システムでは、表示モードを切り替える場合、例えば、縮小表示した1の画像を拡大表示し、他の画像を縮小表示するときには、画像処理装置は、画像解像度を指定する制御信号を改めて画像信号源に送信して、画像信号源に各画像の解像度を変更させた後、当該画像を画像信号源から取得する。このため、画像処理装置と画像信号源との間のデータ通信負荷が増大し、画像表示処理のリアルタイム性が損なわれ、表示画像の品質が劣化するという問題があった。
【0006】
また、特許文献1に記載の画像処理システムでは、画像信号源が、画像の解像度を画像処理装置の指定する解像度に変更する機能を備えている必要があり、PC等の画像提供装置を画像信号源として使用する場合、当該機能を有するソフトウェアを画像提供装置にインストールしなければならず、利便性が低いという問題もあった。さらに、このようなソフトウェアを画像提供装置上で動作させることは、画像提供装置の処理負荷を増加させてしまうという問題もあった。
【0007】
本発明は上述した課題を解決するものであり、表示画像の品質劣化を防止すると共に、処理負荷を低減可能な画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、外部から受信した映像信号から画像を生成する映像信号処理手段と、当該画像を処理して表示手段に表示する画像処理手段とを含み、画像処理手段が、映像信号処理手段に対し画像の解像度を所定の解像度に変更させ、解像度が変更された画像を映像信号処理手段から取得する画像処理装置を提供する。画像処理手段は、映像信号処理手段が生成した画像の解像度が、当該画像を画像処理手段に表示するときの解像度よりも大きい場合に、映像信号処理手段に対して、画像の解像度を画像処理手段に表示するときの解像度に変更させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の画像処理装置は、上記構成を採用することにより、外部から受信した映像信号が形成する画像の解像度が画像処理装置の表示手段に表示するときの解像度である表示領域サイズよりも大きい場合に、映像信号処理手段が、当該映像信号が形成する画像の解像度を表示領域サイズに縮小してデータサイズを圧縮した後に、データバスを介して当該画像を画像処理手段に送信する。このため、画像処理装置内のデータバスのデータ転送量を低減すると共に、画像処理装置の処理負荷を軽減することができ、表示画像の品質劣化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の画像処理システムを示す図。
【図2】本発明の画像処理装置のハードウェア構成を示す図。
【図3】本発明の画像処理装置のソフトウェア構成を示す図。
【図4】本発明の画像処理装置が有するコントローラが実行する処理を示すフローチャート。
【図5】本発明の画像処理装置が有するコントローラが実行する処理を示すフローチャート。
【図6】本発明の画像処理装置が有するコントローラが実行する処理を示すフローチャート。
【図7】本発明の画像処理装置が処理する画像の一実施形態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明について実施形態をもって説明するが、本発明は後述する実施形態に限定されるものではない。
【0012】
図1は、本発明の画像処理システム100を示す。画像処理システム100は、画像処理装置110と、ユーザPC130a,130bとを含んで構成されており、画像処理装置110およびユーザPC130a,130bは、ケーブル124によって接続される。
【0013】
画像処理装置110は、ユーザPC130a,130bの表示画像やユーザが作成する描画画像等の種々の画像を処理して表示する装置である。画像処理装置110は、種々の画像を表示する表示手段であるディスプレイ112を含んで構成される。ディスプレイ112は、ユーザPC130a,130bの表示画像、ユーザが作成する描画画像、画像処理装置110に対する操作を指示するGUI(Graphical User Interface)画面を表示する。
【0014】
ユーザPC130a,130bは、画像処理装置110に表示すべき画像を提供する情報処理装置である。ユーザPC130a,130bは、映像信号を出力するインタフェースを備えており、ユーザPC130a,130bの表示画像を形成する映像信号を所定の転送レート(例えば、30fps(frame per second)〜60fps)で画像処理装置110に送信する。
【0015】
本実施形態では、ユーザPC130a,130bは、映像信号を出力するインタフェースとしてVGA(Video Graphics Array)出力端子を備えており、映像信号であるVGA信号を画像処理装置110に送信することができる。他の実施形態では、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)コネクタ、Displayportコネクタ等を採用し、これらに対応する映像信号を送信することができる。さらに他の実施形態では、ユーザPC130a,130bは、Bluetooth(登録商標)やWiFi(登録商標)等の無線通信プロトコルに準拠した無線通信により、画像表示装置110に映像信号を送信してもよい。
【0016】
図1に示す実施形態では、ユーザPC130a,130bとしてノート型PCを採用するが、他の実施形態では、デスクトップ型PCやタブレット型PC、PDA等の映像信号を供給可能な情報処理装置を採用することができる。また、図1に示す実施形態では、画像処理装置110に2のユーザPC130a,130bが接続されているが、本発明の画像処理装置110は、3以上のユーザPCを接続することができる。
【0017】
図2は、本発明の画像処理装置110のハードウェア構成を示す図である。画像処理装置110は、コントローラ200と、ディスプレイ112と、座標検出装置224とを含んで構成される。
【0018】
コントローラ200は、画像処理装置110の動作を制御する機能手段である。コントローラ200は、マザーボード210と、映像入力ボード220と、ビデオカード222とを含んで構成されており、これらのボードは、データバス230によって相互接続される。
【0019】
マザーボード210は、画像処理装置110の全体制御を行う機能手段を搭載したプリント基板である。マザーボード210は、プロセッサ212と、RAM214と、ROM216と、座標検出装置インタフェース(I/F)218とを備えており、これらの装置は、データバス230によって接続されている。
【0020】
プロセッサ212は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等の演算処理装置であり、WINDOWS(登録商標)シリーズ、UNIX(登録商標)、LINUX(登録商標)、TRON、ITRON、μITRONなどのOSを動作させ、これらのOSの管理下でアセンブラ、C、C++、Java(登録商標)、JavaScript(登録商標)、PERL、RUBY、PYTHONなどのプログラム言語で記述された本発明のプログラムを実行する。
【0021】
RAM214は、DRAMやSRAM等の主記憶装置であり、本発明のプログラムを実行するための実行空間を提供する。プロセッサ212は、ソフトウェアプログラムや種々のデータなどを持続的に保持するためのハードディスク装置(図示せず)から、本発明のプログラムを読み出し、RAM214に展開して実行する。
【0022】
ROM216は、BIOSやEFI等のブートプログラムなどが保存される不揮発性メモリである。プロセッサ212は、画像処理装置110の起動時にROM216からブートプログラムを読み出してブート処理を開始する。
【0023】
座標検出装置I/F218は、座標検出装置224との物理インタフェースである。座標検出装置I/F218は、座標検出装置224から物体の接触位置や接近位置(以下、「座標位置」とする。)を示す座標位置情報を受信し、当該座標位置情報をプロセッサ212に送信する。
【0024】
映像入力ボード220は、ユーザPC130a,130bから受信する映像信号を処理する映像信号処理手段を有するプリント基板である。映像入力ボード220は、当該機能を実現するASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の集積回路によって構成することができる。
【0025】
映像入力ボード220は、ユーザPC130a,130bから映像信号を受信すると、当該映像信号に種々の処理を施し、データバス230を介してマザーボード210に供給する。本実施形態では、映像入力ボード220は、ユーザPC130a,130bから有線通信により映像信号を受信するが、他の実施形態では、映像入力ボード220は、Bluetooth(登録商標)やWiFi(登録商標)等の無線通信により映像信号を受信してもよい。なお、映像入力ボード220が実装する機能手段については、図3を参照して詳細に説明する。
【0026】
ビデオカード222は、ディスプレイ112を制御する機能手段を有するプリント基板である。ビデオカード222は、GPU(Graphics Processing Unit)(図示せず)やVRAM(図示せず)を備えており、マザーボード210がデータバス230を介して供給する画像をディスプレイ112に表示する。なお、ビデオカード222が実装する機能手段については、図3を参照して詳細に説明する。
【0027】
座標検出装置224は、座標検出装置を構成する座標位置を検知する手段である。座標検出装置224は、ディスプレイ112の周囲またはディスプレイ112に設置され、指や専用ペンなどの物体の座標位置を検出する。
【0028】
本実施形態では、座標検出装置224として、特許文献2に示すような赤外線遮断方式による座標入力/検出装置を採用する。この座標入力/検出装置では、ディスプレイ112の下側両端部に設置された2の受発光装置が、ディスプレイ112に平行して複数の赤外線を放射し、ディスプレイ112の周囲に設けられた反射部材によって同一光路上に反射する光を受光する。座標検出装置224は、物体によって遮断された2の受発光装置が放射した赤外線の識別情報をコントローラ200が有する座標検出制御部に通知する。座標検出制御部は、当該赤外線の識別情報を使用して遮断された赤外線を特定し、物体の座標位置を算出する。
【0029】
他の実施形態では、静電容量の変化を検知することにより座標位置を特定する静電容量方式のタッチパネル、対向する2の抵抗膜の電圧変化によって座標位置を特定する抵抗膜方式のタッチパネル、接触物体がディスプレイに接触することによって生じる電磁誘導を検知して座標位置を特定する電磁誘導方式のタッチパネルなどの種々の検出手段を採用してもよい。
【0030】
さらに他の実施形態では、座標検出装置224が、マウスやキーボード等の入力装置を用いてユーザが指定する座標位置を検出するように構成してもよい。
【0031】
図3は、本発明の画像処理装置110が備えるコントローラ200の機能構成を示す図である。以下、コントローラ200が備えるマザーボード210、映像入力ボード220およびビデオカード222の機能構成について説明する。
【0032】
映像入力ボード220は、映像信号入力部300a,300bと、画像編集部302a,302bと、送受信部304とを含んで構成される。図3に示す実施形態では、画像処理装置110に2のユーザPC130a,130bが接続されており、映像信号入力部300aおよび画像編集部302aがユーザPC130aのストリームデータを処理し、映像信号入力部300bおよび画像編集部302bがユーザPC130bのストリームデータを処理する。他の実施形態では、画像処理装置110は、3以上のユーザPCを接続することができ、接続されるユーザPCの台数に応じた数の映像信号入力部および画像編集部を備えることができる。
【0033】
映像信号入力部300a,300bは、ユーザPC130a,130bから映像信号を受信して種々の処理を実行する機能手段である。映像信号入力部300a,300bは、ユーザPC130a,130bから映像信号を受信すると、当該映像信号にシリアル−パラレル変換や電圧レベル変換などの処理を施す。そして、映像信号入力部300a,300bは、当該映像信号を解析し、その解析結果をマザーボード210に実装される機能手段である編集条件設定部308に送信する。
【0034】
具体的には、映像信号入力部300a,300bは、当該映像信号が形成する画像の解像度を算出すると共に、当該映像信号の受信間隔から転送レートを導出する。映像信号入力部300a,300bは、これらの画像の解像度および転送レートを含む検知情報を解析結果として編集条件設定部308に送信する。
【0035】
また、映像信号入力部300a,300bは、当該映像信号が形成する画像を映像入力ボード220内のVRAM(図示せず)にバッファリングする。映像信号入力部300a,300bから同時に映像信号を受信する場合、映像信号入力部300a,300bは、これらの映像信号から形成される各画像をVRAMの個別のメモリ領域に保存する。
【0036】
さらに、映像信号入力部300a,300bは、ユーザPC130a,130bから映像信号を受信した後に、映像信号を一定時間以上受信しない場合には、ユーザPC130a,130bとの通信が切断された旨を通知する切断通知をマザーボード210の編集条件設定部に送信する。上記一定時間は、映像信号の転送レートを考慮し、当該映像信号の受信間隔よりも十分に長い時間であることが好適である。
【0037】
画像編集部302a,302bは、映像信号が形成する画像を編集する機能手段である。画像編集部302a,302bは、映像入力ボード220内のVRAMにバッファリングされた画像を取得し、後述する編集条件設定部308が送信する制御信号に基づいて当該画像の解像度を所定の解像度に変更する。この制御信号には、対象となる画像を特定する識別情報(以下、「画像識別情報」とする。)と、当該画像の解像度を指定する情報(以下、「解像度指定情報」とする。)とが含まれており、画像編集部302a,302bは、画像識別情報が示す画像の解像度を、解像度指定情報が示す解像度に変更する。
【0038】
本実施形態では、画像編集部302a,302bは、解像度を変更した画像を、解像度が変更される前の画像がバッファリングされたVRAMに上書き保存する。他の実施形態では、画像編集部302a,302bは、解像度を変更した画像を当該VRAMの他のメモリ領域や他の記憶手段に保存してもよい。
【0039】
送受信部304は、映像入力ボード220とマザーボード210との間のデータバス230を介したデータ通信を制御する機能手段である。具体的には、送受信部304は、マザーボード210に検知情報、切断通知および画像を送信し、マザーボード210から画像の転送要求および制御信号を受信する。
【0040】
送受信部304は、マザーボード210から画像の転送要求を受信した場合、映像入力ボード220内のVRAMに保存されたユーザPC130a,130bの表示画像である画像を取得し、所定の転送レートでマザーボード210に送信する。この転送レートは、ユーザPC130a,130bが画像処理装置110に映像信号を転送するレートと同一であることが好適である。
【0041】
本実施形態では、画像の解像度が変更されていないときには、VRAMには解像度が変更されていない画像が保存されているため、送受信部304は、解像度が変更されていない画像をマザーボード210に送信する。一方、画像の解像度が変更されているときは、VRAMには解像度が変更された画像が保存されているため、送受信部304は、解像度が変更された画像をマザーボード210に送信する。
【0042】
送受信部304は、マザーボード210から制御信号を受信した場合、制御信号に含まれる画像識別情報を使用して、当該画像識別情報が示す画像を編集すべき画像編集部302a,302bを特定し、制御信号に含まれる解像度指定情報を当該画像編集部に送信する。画像編集部302a,302bは、送受信部304から受信した制御信号を、画像編集部302a,302bがアクセス可能な映像入力ボード220内の記憶装置(図示せず)に保持する。
【0043】
本実施形態では、送受信部304が制御信号を使用して画像を編集すべき画像編集部302a,302bを特定するが、他の実施形態では、送受信部304は、画像編集部302a,302bに制御信号を送信し、画像編集部302a,302bが制御信号に含まれる画像識別情報を使用して、自己が編集すべき画像であるか否か判断してもよい。
【0044】
マザーボード210は、映像入力ボード220が生成した画像を処理する画像処理手段である画像加工部306、編集条件設定部308、座標検出制御部310、表示領域指示部312および描画生成部314を含んで構成される。
【0045】
画像加工部306は、ディスプレイ112に表示すべき画像を処理する機能手段である。画像加工部306は、映像入力ボード220が供給するユーザPC130a,130bの表示画像を所定のレイアウトに従って配置した画像を生成し、当該画像をディスプレイ112に表示させる。
【0046】
また、画像加工部306は、当該画像に、マザーボード210に実装されたアプリケーションプログラム(図示せず)が生成するレイアウトを選択可能なGUI画面および/または描画生成部314が生成した描画画像を重畳合成して、ディスプレイ112に表示させることができる。
【0047】
編集条件設定部308は、映像入力ボード220の画像編集部302a,302bに対して編集条件を指示する機能手段である。編集条件設定部308は、検知情報であるユーザPC130a,130bの表示画像の解像度と、当該表示画像をディスプレイ112に表示するときの解像度(以下、「表示領域サイズ」とする。)とを比較して、表示画像の解像度を変更すべきか否か判断する。表示画像の解像度を変更すべき場合には、編集条件設定部308は、編集条件である画像解像度と、解像度を変更すべき表示画像の画像識別情報とを含む制御信号を映像入力ボード220に送信する。
【0048】
座標検出制御部310は、座標検出装置224を制御する機能手段である。座標検出制御部310は、座標検出装置224を駆動し、物体が接触または接近した座標位置を取得する。座標検出制御部310は、この座標位置が、レイアウトを選択可能なGUIボタンの領域内であるか否か判断することにより、ユーザの指示がGUIボタンの選択または描画指示である否か判断する。GUIボタンが選択された場合には、座標検出制御部310は、選択されたGUIボタンの識別情報を表示領域指示部312に送信する。一方、描画指示である場合には、座標検出制御部310は、座標位置情報を描画生成部314に通知する。
【0049】
表示領域指示部312は、ディスプレイ112に表示すべきユーザPC130a,130bの表示画像の表示位置および表示領域サイズを画像加工部306に指示する機能手段である。表示領域指示部312は、座標検出制御部310から受信したGUIボタンの識別情報を用いてGUIボタンを特定する。当該GUIボタンに対して、ユーザPC130a,130bの表示画像を縮小して表示する縮小表示モードが割り当てられている場合には、表示領域指示部312は、縮小表示モードが選択された旨の通知と共に、当該GUIボタンの種類並びに当該GUIボタンに割り当てられた表示画像の表示位置および表示領域サイズを画像加工部306に送信する。
【0050】
画像加工部306は、当該表示画像の表示位置にユーザPC130a,130bの表示画像を配置し、ディスプレイ112に表示すべき画像を生成する。また、画像加工部306は、編集条件設定部308に当該GUIボタンの種類および表示領域サイズを通知する。編集条件設定部308は、GUIボタンの種類によって縮小の対象となり得る画像を特定し、当該表示領域サイズと、検知情報に含まれる解像度とを比較して、当該画像の解像度して縮小すべきか否か判断する。
【0051】
描画生成部314は、ディスプレイ112に表示すべき描画画像を生成する機能手段である。描画生成部314は、座標検出制御部310が通知した座標位置情報が示す画素の色を背景色と異なる色に変更して描画画像を生成する。
【0052】
ビデオカード222は、画像加工部306が加工した画像をディスプレイ112に表示する機能手段である表示制御部316を含んで構成される。表示制御部316は、当該画像をディスプレイ112が表示可能な映像信号形式に変換してディスプレイ112に表示する。
【0053】
上述した機能手段を実現する本発明のプログラムは、ハードディスク装置、CD−ROM、MO、フレキシブルディスク、EEPROM、EPROMなどの装置可読な記録媒体に格納して頒布することができ、また他装置が可能な形式でネットワークを介して伝送することができる。
【0054】
図4は、本発明の画像処理装置110のコントローラ200が実行する処理を示すフローチャートである。以下、図4を参照して、映像入力ボード220に実装される機能手段が実行する処理について説明する。
【0055】
図4の処理は、ステップS400から開始し、ステップS401で映像入力ボード220の映像信号入力部300a,300bが、ユーザPC130a,130bから映像信号を受信したか否か判断する。ユーザPC130a,130bから映像信号をしていない場合には(no)、ステップS401の処理を反復する。一方、ユーザPC130a,130bから映像信号を受信した場合には(yes)、処理をステップS402に分岐する。以下、ユーザPC130aから映像信号を受信したときの処理について説明する。
【0056】
ステップS402では、映像信号入力部300aは、ユーザPC130aから受信した映像信号を解析し、その解析結果である検知情報を生成する。ステップS403では、映像信号入力部300aは、マザーボード210の編集条件設定部308に検知情報を送信する。ステップS404では、映像信号入力部300aは、当該映像信号から画像を形成し、映像入力ボード220のVRAMにバッファリングする。
【0057】
ステップS405では、画像編集部302aが、マザーボード210に実装される編集条件設定部308の送信した制御信号が、画像編集部302aのアクセス可能な記憶装置に保持されているか否か判断する。制御信号が保持されている場合には(yes)、処理をステップS406に分岐する。ステップS406では、画像編集部302aは、画像編集部302aが処理すべき画像をVRAMから取得し、制御信号に基づいて当該画像の解像度を所定の解像度に変更する。一方、制御信号が保持されていない場合には(no)、処理をステップS407に分岐する。
【0058】
ステップS407では、送受信部304が、マザーボード210から画像の転送要求を受信したか否か判断する。当該転送要求を受信していない場合には(no)、ステップS407の処理を反復する。一方、当該転送要求を受信した場合には(yes)、処理をステップS408に分岐する。ステップS408では、送受信部304は、マザーボード210の画像加工部306に画像を送信する。
【0059】
ステップS409では、映像入力信号部300aが、ユーザPC130aから映像信号を受信したか否か判断する。ユーザPC130aから映像信号を受信した場合には(yes)、処理をステップS402に戻し、以降の処理を実行する。一方、ユーザPC130aから映像信号をしていない場合には(no)、処理をステップS410に分岐する。ステップS410では、映像入力信号部300aが、マザーボード210の編集条件設定部308に切断通知を送信し、処理をステップS401に戻す。
【0060】
図5および図6は、本発明の画像処理装置110のコントローラ200が実行する処理を示すフローチャートである。以下、図5および図6を参照して、マザーボード210に実装される機能手段が実行する処理について説明する。
【0061】
図5の処理は、ステップS500から開始し、ステップS501で編集条件設定部308が、映像入力ボード220から検知情報を受信したか否か判断する。検知情報を受信していない場合には(no)、ステップS501の処理を反復する。一方、検知情報を受信した場合には(yes)、処理をステップS502に分岐する。
【0062】
ステップS502では、編集条件設定部308は、映像入力ボード220に画像の転送要求を送信する。ステップS503では、画像加工部306が、映像入力ボード220から画像を受信したか否か判断する。画像を受信していない場合には(no)、ステップS503の処理を反復する。一方、画像を受信した場合には(yes)、処理をステップS504に分岐する。
【0063】
ステップS504では、画像加工部306は、映像入力ボード220から受信した画像を、レイアウトによって規定される表示位置に配置した画像を生成し、ビデオカード222に送信してディスプレイ112に表示させる。次いで、図6に示すステップS600を実行する。
【0064】
ステップS600では、画像加工部306は、縮小表示モードが指定されているか否か判断する。本実施形態では、画像加工部306は、表示領域指示部312から縮小表示モードが選択された旨の通知を受信したか否か判断することにより、縮小表示モードが指定されているか判断することができる。この通知は、画像加工部306が、表示領域指示部312の発行するイベントの存否を判断することによって行うことができる。
【0065】
他の実施形態では、画像加工部306および表示領域指示部312がアクセス可能な記憶領域に、表示領域指示部312が、縮小表示モードが指定されていることを示す値と共に、表示画像の表示位置および表示領域サイズを書き込み、画像加工部306が、当該記憶領域を参照することにより、縮小表示モードの指定の有無や表示画像の表示位置および表示領域サイズを判断してもよい。
【0066】
さらに他の実施形態では、画像表示装置110の起動時にデフォルトで縮小表示モードにより画像を表示するように構成してもよい。
【0067】
ステップS600の判定で縮小表示モードが指定されていないと判断した場合には(no)、図5に示すステップS502に処理を戻す。一方、縮小表示モードが指定されていると判断した場合には(yes)、処理をステップS601に分岐する。ステップS601では、編集条件設定部308は、ユーザが選択したGUIボタンの種類により、縮小の対象となり得る画像がいずれのユーザPCの表示画像であるか否か判断する。
【0068】
ステップS601の判定で、縮小の対象となり得る画像がユーザPC130aの表示画像であると判断した場合には、処理をステップS602に分岐する。ステップS602では、編集条件設定部308は、検知情報に含まれるユーザPC130aの表示画像の解像度と、当該表示画像の表示領域サイズとを比較し、表示画像の解像度が表示領域サイズよりも大きいか否か判断する。表示画像の解像度が表示領域サイズ以下である場合には(no)、図5に示すステップS502に処理を戻す。
【0069】
一方、表示画像の解像度が表示領域サイズよりも大きい場合には(yes)、処理をステップS603に分岐する。ステップS603では、編集条件設定部308は、ユーザPC130aの表示画像の画像識別情報と、当該表示領域サイズを示す解像度識別情報とを含む制御信号を映像入力ボード220に送信し、図5に示すステップS505の処理を実行する。
【0070】
ステップS601の判定で、縮小の対象となり得る画像がユーザPC130bの表示画像であると判断した場合には、処理をステップS604に分岐する。ステップS604では、編集条件設定部308は、検知情報に含まれるユーザPC130bの表示画像の解像度と、当該表示画像の表示領域サイズとを比較し、表示画像の解像度が表示領域サイズよりも大きいか否か判断する。表示画像の解像度が表示領域サイズ以下である場合には(no)、図5に示すステップS502に処理を戻す。
【0071】
一方、表示画像の解像度が表示領域サイズよりも大きい場合には(yes)、処理をステップS605に分岐する。ステップS605では、編集条件設定部308は、ユーザPC130bの表示画像の画像識別情報と、当該表示領域サイズを示す解像度識別情報とを含む制御信号を映像入力ボード220に送信し、図5に示すステップS505の処理を実行する。
【0072】
ステップS601の判定で、縮小の対象となり得る画像がユーザPC130aおよびユーザPC130bの表示画像であると判断した場合には、処理をステップS606に分岐する。ステップS606では、編集条件設定部308は、検知情報に含まれるユーザPC130aの表示画像の解像度と、当該表示画像の表示領域サイズとを比較し、表示画像の解像度が表示領域サイズよりも大きいか否か判断する。表示画像の解像度が表示領域サイズ以下である場合には(no)、図5に示すステップS502に処理を戻す。
【0073】
一方、表示画像の解像度が表示領域サイズよりも大きい場合には(yes)、処理をステップS607に分岐する。ステップS607では、編集条件設定部308は、ユーザPC130aの表示画像の画像識別情報と、当該表示領域サイズを示す解像度識別情報とを含む制御信号を映像入力ボード220に送信する。
【0074】
ステップS608では、編集条件設定部308は、検知情報に含まれるユーザPC130bの表示画像の解像度と、当該表示画像の表示領域サイズとを比較し、表示画像の解像度が表示領域サイズよりも大きいか否か判断する。表示画像の解像度が表示領域サイズ以下である場合には(no)、図5に示すステップS502に処理を戻す。
【0075】
一方、表示画像の解像度が表示領域サイズよりも大きい場合には(yes)、処理をステップS609に分岐する。ステップS609では、編集条件設定部308は、ユーザPC130bの表示画像の画像識別情報と、当該表示領域サイズを示す解像度識別情報とを含む制御信号を映像入力ボード220に送信し、図5に示すステップS505の処理を実行する。
【0076】
ステップS505では、編集条件設定部308は、映像入力ボード220から切断通知を受信したか否か判断する。切断通知を受信した場合には(yes)、処理をステップS501に戻し、以降の処理を実行する。一方、切断通知を受信していない場合には(no)、処理をステップS502に戻し、以降の処理を実行する。
【0077】
上述したように、本発明では、ユーザPC130a,130bから受信した映像信号が形成する画像の解像度が画像処理装置110のディスプレイ112に表示される表示領域サイズよりも大きい場合に、映像入力ボード220が、当該映像信号が形成する画像の解像度を表示領域サイズに縮小してデータサイズを圧縮した後に、データバス230を介して当該画像をマザーボード210に送信する。これにより、データバス230のデータ転送量を低減できると共に、マザーボード210が備えるプロセッサ212の処理負荷を軽減することができるため、データ通信の遅延による表示画像の品質劣化を阻止することができ、プロセッサ212が実行するプログラムの実行速度の低下を防止することができる。
【0078】
図7は、画像処理装置110が処理する画像の一実施形態を示す図である。画像700は、ユーザPC130a,130bの表示画像の一実施形態である。画像710,720,730は、画像処理装置110のディスプレイ112に表示される画像の一実施形態である。
【0079】
画像710は、全画面表示モードが指定されている場合にディスプレイ112に表示される画像であり、ユーザPC130a,130bの表示画像である画像700と、GUIボタン712と、描画画像716とが含まれる。
【0080】
本実施形態では、GUIボタン712に種々のレイアウトを割り当てることができ、ユーザPC130a,130bの表示画像の表示領域サイズおよび配置位置をGUIボタン712に割り当てることができる。例えば、ユーザPC130aの表示画像を縮小表示モードで表示するレイアウトをGUIボタンAに割り当て、ユーザPC130bの表示画像を縮小表示モードで表示するレイアウトをGUIボタンBに割り当てることができる。また、ユーザPC130aおよびユーザPC130bの表示画像を縮小表示モードで表示するレイアウトをGUIボタンCに割り当てることができる。
【0081】
本実施形態では、表示すべき画像の表示領域サイズおよび配置位置がGUIボタン712に割り当てられているが、他の実施形態では、ユーザが、予め規定された複数の表示領域サイズから所望の表示領域サイズを選択可能なGUIを用いて、表示すべき画像の表示領域サイズを指定できるように構成してもよい。また、ユーザが、任意の配置位置を指定可能なGUIを用いて、表示すべき画像の配置位置を指示できるように構成してもよい。
【0082】
画像720は、1のユーザPCの表示画面を表示すべき縮小表示モードが指定された場合、例えば、GUIボタンAまたはGUIボタンBが選択された場合に表示される画像である。画像720には、ユーザPC130aまたはユーザPC130bの表示画像722と、GUIボタン712と、描画画像724とが含まれる。
【0083】
画像730は、2のユーザPCの表示画面を表示すべき縮小表示モードが指定されている場合、例えば、GUIボタンCが選択された場合に表示される画像である。画像730には、2のユーザPCの表示画面732,734と、GUIボタン712と、描画画像736とが含まれる。
【0084】
本発明の画像処理装置110が採用するGUIボタンの形状や数、配置位置は、図7に示すものに限られず、任意の形状または任意の数のGUIボタンを様々な位置に配置してもよい。例えば、図7に示す画像730に対して、表示画面732,734毎にレイアウトを指定するGUIボタンを配置することもできる。
【0085】
これまで本実施形態につき説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本実施形態の構成要素を変更若しくは削除し、または本実施形態の構成要素を他の構成要素を追加するなど、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0086】
100…画像処理システム、110…画像処理装置、112…ディスプレイ、124…ケーブル、130a,130b…ユーザPC
【先行技術文献】
【特許文献】
【0087】
【特許文献1】特許第4401542号公報
【特許文献2】特許第4627781号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を処理する画像処理装置であって、
画像を表示する表示手段と、
外部から受信した映像信号から画像を生成する映像信号処理手段と、
映像信号処理手段が生成した画像を処理して前記表示手段に表示する画像処理手段とを含み、
前記画像処理手段は、映像信号処理手段に対し前記画像の解像度を所定の解像度に変更させ、解像度が変更された画像を映像信号処理手段から取得する、画像処理装置。
【請求項2】
前記画像処理手段は、
映像信号処理手段が生成した画像の解像度が、前記画像を前記画像処理手段に表示するときの解像度よりも大きい場合に、前記映像信号処理手段に対して、前記画像の解像度を前記画像処理手段に表示するときの解像度に変更させる、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記映像信号処理手段は、複数の情報処理装置から受信した映像信号から複数の画像を形成し、
前記画像処理手段は、映像信号処理手段に対し前記複数の画像の解像度を所定の解像度に変更させ、解像度が変更された複数の画像を映像信号処理手段から取得する、請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
画像を提供する情報処理装置と、画像を処理する画像処理装置とを含む画像処理システムであって、
前記画像処理装置は、
画像を表示する表示手段と、
前記情報処理装置から受信した映像信号から画像を生成する映像信号処理手段と、
映像信号処理手段が生成した画像を処理して前記表示手段に表示する画像処理手段とを含み、
前記画像処理手段は、映像信号処理手段に対し前記画像の解像度を所定の解像度に変更させ、解像度が変更された画像を映像信号処理手段から取得する、画像処理システム。
【請求項5】
前記画像処理手段は、
映像信号処理手段が生成した画像の解像度が、前記画像を前記画像処理手段に表示するときの解像度よりも大きい場合に、前記映像信号処理手段に対して、前記画像の解像度を前記画像処理手段に表示するときの解像度に変更させる、請求項4に記載の画像処理システム。
【請求項6】
前記映像信号処理手段は、複数の情報処理装置から受信した映像信号から複数の画像を形成し、
前記画像処理手段は、映像信号処理手段に対し前記複数の画像の解像度を所定の解像度に変更させ、解像度が変更された複数の画像を映像信号処理手段から取得する、請求項4または5に記載の画像処理システム。
【請求項7】
画像を処理する画像処理装置が実行する画像処理方法であって、前記画像処理方法は、
前記画像処理装置に含まれる映像信号処理手段が、
外部から受信した映像信号から画像を生成するステップと、
前記画像の解像度を所定の解像度に変更するステップと、
前記画像処理装置に含まれる画像処理手段が、
前記映像信号処理手段から解像度の変更された画像を取得して、前記画像処理装置の表示手段に表示するステップとを含む、画像処理方法。
【請求項8】
前記画像処理方法は、
前記画像の解像度を所定の解像度に変更するステップは、
前記映像信号処理手段が生成した画像の解像度が、前記画像を前記画像処理手段に表示するときの解像度よりも大きい場合に、前記画像の解像度を前記画像処理手段に表示するときの解像度に変更する、請求項7に記載の画像処理方法。
【請求項9】
前記画像を生成するステップは、複数の情報処理装置から受信した映像信号から複数の画像を形成するステップを含み、
前記画像の解像度を所定の解像度に変更するステップは、前記複数の画像の解像度を所定の解像度に変更するステップを含み、
前記画像処理装置の表示手段に表示するステップは、解像度が変更された複数の画像を取得するステップを含む、請求項7または8に記載の画像処理方法。
【請求項10】
請求項7〜9のいずれか1項に記載の各ステップを画像処理装置が実行するためのコンピュータ実行可能なプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−114195(P2013−114195A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−262341(P2011−262341)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】