画像処理装置、画像処理システム及び画像処理方法
【課題】画像解析における特定事象の誤検知を低減できるようにする。
【解決手段】監視対象を撮像して画像解析するカメラサーバから、前記監視対象を含む画像データを受信するクライアント端末であって、ユーザの操作に応じて、表示装置に表示された画像において画像解析領域を指定し、前記指定された画像解析領域の情報を前記カメラサーバに送信する。そして、前記カメラサーバから画像解析領域の情報を含む設定情報を取得すると、前記取得した設定情報に基づいて、前記画像と前記指定した画像解析領域とを重畳して前記表示装置に表示する。
【解決手段】監視対象を撮像して画像解析するカメラサーバから、前記監視対象を含む画像データを受信するクライアント端末であって、ユーザの操作に応じて、表示装置に表示された画像において画像解析領域を指定し、前記指定された画像解析領域の情報を前記カメラサーバに送信する。そして、前記カメラサーバから画像解析領域の情報を含む設定情報を取得すると、前記取得した設定情報に基づいて、前記画像と前記指定した画像解析領域とを重畳して前記表示装置に表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を解析して特定の事象を検知する画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットなどIP(Internet Protocol)ネットワークを利用した配信システムが増加してきており、スキー場や動物園の状況を配信するインターネットサイトや、店舗やビルの監視などにも採用されている。例えば、店舗やビルの監視においては、撮像画像を解析して特定の事象を検知し、事象が発生した際に画像を蓄積したり、管理者が閲覧して確認したりすることが行われている。
【0003】
画像解析する特定の事象としては、例えば、撮像画像上に物体が出現したかどうかを検知する物体検知や、カメラ制御と連動して検知した物体を追いかける物体追尾が存在する。また、不審物等が置かれたことを検知する置き去り検知、監視対象が持ち去られたことを検知する持ち去り検知、撮像画像からネットワークカメラに対していたずらがされたことを検知するいたずら検知等も存在する。
【0004】
例えば、特許文献1には、ネットワークカメラの追尾機能の設定方法が開示されている。特許文献1に記載の技術を用いると、ネットワークカメラが配信した画像データと、画像上の動きがあった領域とを重畳表示することにより、追尾機能を容易に設定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−312018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の特許文献1に開示された従来技術では、ユーザが画面上で指定する領域は必ず矩形であることを前提とした技術であり、その領域はネットワークカメラ側で解析処理を行う領域と同一である。そして、ユーザが監視対象に合わせて矩形以外の検知対象領域を指定する場合であっても、ネットワークカメラが行う解析処理は撮像画像をある一定サイズに分割した領域毎に行う。ところが、ユーザが画面上で指定した領域と、ネットワークカメラ側で解析処理を行う領域とが一致せず、ユーザが意図した通りに設定することが難しく、特定事象を誤検知する場合がある。
【0007】
本発明は前述の問題点に鑑み、画像解析における特定事象の誤検知を低減できるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の画像処理装置は、監視対象を撮像して画像解析する撮像装置から、前記監視対象を含む画像データを受信する画像処理装置であって、前記画像データに基づく画像を表示装置に表示する表示制御手段と、ユーザの操作に応じて、前記表示装置に表示された画像において画像解析領域を指定する指定手段と、前記指定手段により指定された画像解析領域の情報を前記撮像装置に送信する送信手段と、前記撮像装置から画像解析領域の情報を含む設定情報を取得する取得手段とを備え、前記表示制御手段は、前記取得手段によって取得された設定情報に基づいて、前記画像と前記画像解析領域とを重畳して前記表示装置に表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザは、カメラが画像解析を行う画像解析領域を確認することができるので、特定事象の誤検知を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】カメラサーバ及びクライアント端末のプログラム構成例を示す図である。
【図2】画像処理システムのシステム構成例を示す図である。
【図3】カメラサーバ及びクライアント端末のハード構成例を示す図である。
【図4】画像解析領域を含む撮像画像の一例を示す図である。
【図5】画像解析領域が指定された撮像画像の一例を示す図である。
【図6】設定管理に関する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】画像解析領域を決定する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図8】画像解析領域を変更する際の表示例を示す図である。
【図9】画像解析領域を表示する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図10】画像解析領域を表示する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】画像解析領域を決定する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図12】解析領域リストの一例を示す図である。
【図13】カメラサーバが画像解析処理する領域を重畳表示した例を示す図である。
【図14】画像解析領域を決定する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1の実施形態)
以下、本発明の実施形態に好適な画像処理システムの構成及び動作について、図面を参照しながら説明する。
図2は、本実施形態における画像処理システムのシステム構成例を示す図である。
図2に示すように、第1のカメラサーバ200、第2のカメラサーバ210、及びクライアント端末220がネットワーク230を介して相互に接続されている。第1のカメラサーバ200及び第2のカメラサーバ210は、撮影画角が固定もしくは変更可能なカメラを備え、撮影した画像データを、ネットワーク230を介して配信するものである。第1のカメラサーバ200及び第2のカメラサーバ210は独立に動作しており、クライアント端末220は、第1のカメラサーバ200、または第2のカメラサーバ210にアクセスし、画像データを取得する。なお、説明を簡略化するためにカメラサーバは2台としているが、3台以上であっても構わない。
【0012】
また、図2に示すクライアント端末220以外にも第1のカメラサーバ200、または第2のカメラサーバ210にアクセスして画像データの受信や蓄積を行う他のクライアント端末があっても構わない。ネットワーク230は、Ethernet(登録商標)等の通信規格を満足する複数のルータ、スイッチ、ケーブル等から構成されている。本実施形態においては、各サーバ・クライアント端末間の通信が支障なく行うことができるのであればその通信規格、規模、構成を問わず、インターネットや、LAN(Local Area Network)などが適用可能である。
【0013】
図3(A)は、本実施形態の第1のカメラサーバ200のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。なお、第2のカメラサーバ210も同様の構成であるため、第2のカメラサーバ210のハードウェア構成の説明は省略する。
図3(A)に示すように、CPU300、1次記憶装置310、2次記憶装置320、画像キャプチャI/F330、及びネットワークI/F335が内部バス301を介して相互に接続されている。
【0014】
1次記憶装置310は、RAMなどの書き込み可能な高速の記憶装置であり、OSや各種プログラム及び各種データがロードされ、またOSや各種プログラムの作業領域としても使用される。2次記憶装置320は、FDDやHDD、フラッシュメモリ、CD−ROMドライブなどの不揮発性の記憶装置であり、OSや各種プログラム及び各種データの永続的な記憶領域として使用される他に、短期的な各種データの記憶領域としても使用される。なお、第1のカメラサーバ200の1次記憶装置310及び2次記憶装置320に展開される各種プログラム等の詳細については後述する。
【0015】
画像キャプチャI/F330にはカメラ340が接続されており、カメラ340が撮影した画像データを所定のフォーマットに変換・圧縮して1次記憶装置310に転送する。ネットワークI/F335はネットワーク230と接続するためのI/Fであり、通信媒体を介してクライアント端末220等との通信を行う。
【0016】
図3(B)は、クライアント端末220のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3(B)に示すように、CPU350、1次記憶装置360、2次記憶装置370、ユーザ入力I/F380、ユーザ出力I/F390、及びネットワークI/F395が内部バス351を介して相互に接続されている。
【0017】
1次記憶装置360は、RAMなどの書き込み可能な高速の記憶装置であり、OSや各種プログラム及び各種データがロードされ、またOSや各種プログラムの作業領域としても使用される。2次記憶装置370は、FDDやHDD、フラッシュメモリ、CD−ROMドライブなどの不揮発性の記憶装置であり、OSや各種プログラム及び各種データの永続的な記憶領域として使用される他に、短期的な各種データの記憶領域としても使用される。なお、クライアント端末220の1次記憶装置360及び2次記憶装置370に展開される各種プログラム等の詳細については後述する。
【0018】
ユーザ入力I/F380には、キーボード、マウスなどの入力機器381が接続されており、ユーザからの指示を入力する。ユーザ出力I/F390には、ディスプレイなどの出力機器391が接続されており、表示用の画像データなどが出力される。ネットワークI/F395は、前述のネットワーク230と接続するためのI/Fであり、通信媒体を介して第1のカメラサーバ200等との通信を行う。
【0019】
図1(a)は、第1のカメラサーバ200のソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。なお、第2のカメラサーバ200も同様の構成であるため、第2のカメラサーバ210のソフトウェア構成の説明は省略する。
1次記憶装置310上には、OS100、撮像処理プログラム110、画像解析プログラム111、配信処理プログラム112、及び一時記憶部113がロードされる。OS100は第1のカメラサーバ200全体を制御する基本プログラムである。
【0020】
撮像処理プログラム110は、画像キャプチャI/F330を経由して、カメラ340で生成された画像フレームを入力し、画像フレームを符号化して、一時記憶部113に保存する。画像解析プログラム111は、2次記憶装置320に保存されている画像解析に関連する設定情報を一時記憶部113にロードする。また、一時記憶部113に記憶された画像フレームを解析し、画像上のどこにどんな形の物体がどれぐらいの時間存在しているのか、といった内容を検出する。さらに、予め設定された1つまたは複数の閾値を超えたことにより特定の事象が発生したことを検出する。また、画像解析プログラム111は、クライアント端末220から新たな設定情報をネットワークI/F335を通して受信すると、一時記憶部113または2次記憶装置320に保存し、新しい設定情報により画像解析を開始する。
【0021】
配信処理プログラム112は、外部からの要求に応じ、ネットワークI/F335を制御することにより、一時記憶部113に記憶されている画像フレームを、ネットワーク230を介してクライアント端末220などへ送信する。また、各プログラム同士の連携は、必要に応じてOS100が提供する機能を用いる。
【0022】
図1(b)は、クライアント端末220のソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
1次記憶装置360上には、OS150、入力制御プログラム160、設定管理プログラム161、受信処理プログラム162、出力制御プログラム163、解析領域決定プログラム164、及び一時記憶部165がロードされる。OS150はクライアント端末220全体を制御する基本プログラムである。
【0023】
入力制御プログラム160は、ユーザがキーボードやマウスなど入力機器381を操作することにより、設定管理プログラム161を起動する。本実施形態では、ユーザがキーボードやマウスなどを直接操作する以外に、ネットワーク経由の操作や、自動実行プログラムでも実現可能である。設定管理プログラム161は、第1のカメラサーバ200または第2のカメラサーバ210が処理する解析領域を表示するために解析領域決定プログラム164を起動し、さらに画像フレームを取得するため受信処理プログラム162を起動する。また、設定管理プログラム161は、出力制御プログラム163を起動し、画像フレームを表示させたり、ユーザの操作により決定した解析領域の情報を第1のカメラサーバ200または第2のカメラサーバ210に送信させたりする。
【0024】
解析領域決定プログラム164は、第1のカメラサーバ200または第2のカメラサーバ210から画像解析領域等を含む設定情報を取得し、カメラサーバ内で実行される画像解析領域を決定する。そして、出力制御プログラム163により解析領域を表示させる。受信処理プログラム162は、ネットワークI/F395を制御することにより、ネットワーク230を介して第1のカメラサーバ200または第2のカメラサーバ210から画像フレームを受信し、一時記憶部165に保存する。出力制御プログラム163は、受信処理プログラム162や解析領域決定プログラム164の指示に従い、画像フレームや解析領域をディスプレイ等の出力機器391に表示制御する。なお、各プログラム同士の連携は、必要に応じてOS100が提供する機能を用いることとする。
【0025】
図4(a)は、クライアント端末220が出力機器391であるディスプレイに表示する画像解析処理の設定画面の一例を示す図である。
図4(a)においては、監視対象410が映っている撮像画像400上に画像解析領域420を指定した時を示している。本実施形態では、クライアント端末220は第1のカメラサーバ200または第2のカメラサーバ210から取得した画像フレーム(解像度:640×480)を表示し、その画像上の4点A、B、C、Dからなる閉領域を指定する。
【0026】
図4(b)は、第1のカメラサーバ200及び第2のカメラサーバ210での画像解析処理ブロックの一例を示す図である。
図4(b)においては、図4(a)の画面における4点A、B、C、Dを指定した場合に、どの領域を画像処理対象とするのかを示している。クライアント端末220の出力機器391に表示される画像解析領域420に相当する画像解析領域470に対し、第1のカメラサーバ200及び第2のカメラサーバ210が解析処理を行う領域はブロック領域460となる。
【0027】
本実施形態では、第1のカメラサーバ200及び第2のカメラサーバ210は、解像度が320×240の画像フレームに対し、8×8の単位で分割した40×30の粒度で画像解析処理を実施する。このように、クライアント端末220上では640×480の粒度で解析領域を指定するのに対し、第1のカメラサーバ200及び第2のカメラサーバ210上では40×30の粒度で画像解析処理を実施する。
【0028】
図5は、クライアント端末220のディスプレイに、カメラサーバが実際に画像解析処理する領域を重畳表示した例を示す図である。
図5においては、監視対象510が映っている撮像画像500上に画像解析領域520を指定した時のカメラサーバが画像解析処理を行う画像解析領域530を示している。
【0029】
このように、クライアント端末220側にユーザが指定した領域に対して実際に画像解析する領域を重畳して表示することにより、ユーザが意図した領域に対して画像解析処理が行われるのか否かを確認することができる。本実施形態では、四角形の単位で解析領域を設けているが、監視対象に合わせて四角形以外の多角形で指定してもよい。また、図5では、カメラサーバが画像解析処理を行う領域をそのまま重畳表示しているが、画像解析領域が確認できるのであれば、枠表示など別の表示方法でもよい。
【0030】
図6は、クライアント端末220上の設定管理プログラム161により実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。
まず、設定管理プログラム161は、ユーザによりキーボードやマウスなど入力機器381が操作され、画像解析処理を設定するときに起動される。そして、設定管理プログラム161は、解析領域決定プログラム164を起動し、解析領域決定処理を開始可能な状態にする(ステップS601)。次に、受信処理プログラム162を起動し、ネットワークI/F395を制御することにより、第1のカメラサーバ200または第2のカメラサーバ210から画像データの受信を開始可能な状態にする(ステップS602)。そして、設定管理プログラム161に対して何らかのイベントが発生するまで待機する(ステップS603)。
【0031】
イベントが発生すると、設定管理プログラム161は、イベントの種別を判定する(ステップS604)。この判定の結果、画像データの受信を通知するイベントである場合は、出力制御プログラム163により受信した画像データ(画像フレーム)をディスプレイ等の出力機器391に表示させる(ステップS605)。この結果、図4(a)に示す撮像画像400を表示することになる。
【0032】
一方、ステップS604の判定の結果、ユーザにより入力機器381が操作されたことによる設定情報を保存するイベントである場合は、現在表示している画像解析領域の情報を解析領域決定プログラム164により取得する(ステップS606)。そして、出力制御プログラム163によりネットワークI/F395を制御することによりカメラサーバに設定情報を送信させる(ステップS607)。ここで、画像解析領域の情報とは、図4(a)に示す画像解析領域420の各頂点(4点A、B、C、D)の座標のことである。また、ステップS604の判定の結果、ユーザにより入力機器381が操作され、設定処理の終了を通知するイベントである場合は、終了フラグをON状態にする(ステップS608)。
【0033】
次に、終了フラグがON状態になっているか否かを判定する(ステップS609)、この判定の結果、ON状態でない場合は、ステップS603に戻り、再度、イベントが発生するまで待機する。一方、ステップS609の判定の結果、終了フラグがON状態である場合は、受信処理プログラム162により終了イベントを発生させる(ステップS610)。そして、解析領域決定プログラム164により終了イベントを発生させ(ステップS611)、処理を終了する。
【0034】
図7は、クライアント端末220上の解析領域決定プログラム164により実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。
図6のステップS601において設定管理プログラム161により解析領域決定プログラム164が起動され、まず第1のカメラサーバ200または第2のカメラサーバ210に対して現在の画像解析領域を含む設定情報の取得要求を送信する(ステップS701)。そして、解析領域決定プログラム164に対して何らかのイベントが発生するまで待機する(ステップS702)。
【0035】
イベントが発生すると、解析領域決定プログラム164はイベントの種別を判定する(ステップS703)。この判定の結果、設定情報の受信を通知するイベントである場合は、受信した設定情報から現在カメラサーバが画像解析している領域の情報を取得する。そして、出力制御プログラム163によりその画像解析領域をディスプレイ等の出力機器391に表示させる(ステップS704)。この結果、図5に示す撮像画像500を表示することになる。
【0036】
一方、ステップS703の判定の結果、ユーザにより入力機器381が操作されて画像解析領域の指定を通知するイベントである場合は、指定された全頂点を繋げて閉領域になったかどうかを判定(ステップS705)する。ここで、閉領域になった時とは、ユーザにより例えば図5に示すような頂点をA、B、C、D、Aの順に指定し、2回目のAを指定した時である。この判定の結果、閉領域になっていない場合は、次の機会に新たな頂点を指定されることに備え、指定された頂点座標の情報を一時記憶部165に記憶する(ステップS707)。また、ステップS705の判定の結果、閉領域になった場合は、出力制御プログラム163により指定された領域をカメラサーバが実施することになる画像解析領域としてディスプレイ等の出力機器391に表示させる(ステップS706)。なお、ステップS704とステップS706とでは、領域は異なるが処理内容は同じである。
【0037】
一方、ステップS703の判定の結果、設定管理プログラム161からの終了を通知するイベントである場合は、終了フラグをON状態にする(ステップS708)。次に、終了フラグがON状態になっているか否かを判定する(ステップS709)。この判定の結果、終了フラグがON状態でない場合は、ステップS702に戻り、再度イベントが発生するまで待機する。一方、ステップS709の判定の結果、終了フラグがON状態である場合は、処理を終了する。
【0038】
図8は、画像解析領域を変更する際の表示例を示す図である。図8(a)は、画像解析領域を変更する前の状態を示しており、マウスなどの入力機器381を用いて、点B(35、26)をドラッグして左に移動させることを示している。
一方、図8(b)は、点Bを座標(34、26)にドロップした後の状態を示しており、点Bを移動させたことによって、3つのブロックが画像解析の対象になったことがわかる。
【0039】
このように、クライアント側で自由な形の検知対象領域を指定し、カメラサーバが実施する画像解析領域を表示することにより、ユーザは容易に意図通りの設定を指定することができ、特定事象の誤検知を低減することができる。
【0040】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態による画像処理システムについて説明する。本実施形態では、図7のステップS701において取得要求を行う設定情報に画像解析領域決定アルゴリズムが加わっている。なお、その他については、第1の実施形態と同様であるため、説明は省略する。
【0041】
図9は、図7のステップS704及びS706で実施する画像解析領域を表示する処理手順の一例を示すフローチャートである。
まず、受信した第1のカメラサーバ200または第2のカメラサーバ210の設定情報から、カメラサーバの解析領域決定アルゴリズムを判定する(ステップS901)。そして、ステップS901で判定した解析領域決定アルゴリズムと、指定される領域情報とからカメラサーバが実際に画像解析を行う領域を算出する(ステップS902)。この算出処理は解析領域決定アルゴリズム毎に異なるものである。そして、出力制御プログラム163により算出した画像解析領域を表示させ(ステップS903)、処理を終了する。
【0042】
このように本実施形態では、カメラサーバによって異なる解析領域決定アルゴリズムを採用している場合でも、設定情報に解析領域決定アルゴリズムを含め、そのアルゴリズムに従った画像解析領域を算出する。これにより、さまざまな種類のカメラサーバの画像解析領域を正しく表示することができる。
【0043】
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態における画像処理システムについて説明する。本実施形態では、画像解析粒度に応じた画像解析領域の算出手順について説明する。なお、その他については、第1の実施形態と同様であるため、説明は省略する。
【0044】
図10は、図7のステップS704及びS706で実施する画像解析領域を表示する処理手順の一例を示すフローチャートである。
まず、第1のカメラサーバ200または第2のカメラサーバ210の画像解析粒度とクライアント端末220の画像表示粒度とを比較する(ステップS1001)。なお、画像解析粒度の情報は、設定情報として受信したものとする。例えば、画像解析粒度は40×30で、画像表示粒度は640×480である場合は、画像解析粒度の方が大きい。このように画像解析粒度の方が大きい場合は、カメラサーバの画像解析領域を算出する(ステップS1002)。逆に、画像解析粒度が画像表示粒度以下の場合は、カメラサーバの画像解析粒度と画像表示粒度とを同一、つまりカメラサーバの画像解析領域は撮像画像500上でユーザが指定した領域と同じとみなす(ステップS1003)。そして、出力制御プログラム163により算出した画像解析領域を表示させ(ステップS1004)、処理を終了する。
【0045】
このように、画像解析粒度と画像表示粒度とを比較し、小さい方の粒度に合わせて画像解析領域をユーザに指定させることにより、カメラサーバ及びクライアント端末の処理能力に合わせて、画像解析領域を表示することができる。
【0046】
(第4の実施形態)
以下、本発明の第4の実施形態における画像処理システムについて説明する。本実施形態では、第1の実施形態と比べて解析領域決定プログラム164により実行される処理が異なっており、カメラサーバに画像解析領域を計算させている。なお、その他については、第1の実施形態と同様であるため、説明は省略する。
【0047】
図11は、本実施形態における解析領域決定プログラム164により実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。
図11において、ステップS1101〜S1105、S1107はそれぞれ、図7のステップS701〜S705、S707と同様である。
【0048】
ステップS1105の判定の結果、閉領域になった場合は、画像指定領域の情報を、設定情報を送信したカメラサーバに送信し、そのカメラサーバに実際に実施する画像解析領域の情報を要求する(ステップ1106)。また、ステップS1103の判定の結果、イベントとして画像解析領域の応答を受信した場合は、出力制御プログラム163により応答に含まれる解析領域リストが示す画像解析領域をディスプレイ等の出力機器391に表示させる(ステップS1108)。なお、ステップS1109及びS1110はそれぞれ、図7のステップS708及びS709である。
【0049】
図12は、本実施形態における解析領域リストの一例を示す図である。なお、本実施形態における第1のカメラサーバ200及び第2のカメラサーバ210の画像解析粒度は40×30であるものとする。そこで、撮像画像を40×30の1200個の領域に分割し、各分割領域に通し番号0から1199を割り振る。
図12においては、撮像画像を1200個のブロックに分割し、図5における閉領域ABCDを指定した場合を示している。図12に示すように、解析領域は番号996、番号1036、番号1037、番号1075、番号1076、番号1077、番号1116、番号1117、番号1118、番号1156、及び番号1157の合計11ブロックが画像解析領域である。この場合、カメラサーバが画像解析領域に対する応答で送信する解析領域リストは、番号996、番号1036、番号1037、番号1075、番号1076、番号1077、番号1116、番号1117、番号1118、番号1156、番号1157の情報となる。
【0050】
本実施形態では、画像を1200個の領域に分割してそれぞれの位置に通し番号を割り当てたが、座標値をそのまま使用することも可能である。また、解析領域リストは性質上、対象となるブロック領域が連番となることが多いため、開始番号と連続するブロック数とで表現する等、一般的なデータ圧縮技法を適用することも有効である。
【0051】
このように本実施形態では、クライアント端末220側で第1のカメラサーバ200及び第2のカメラサーバ210の画像解析領域を計算するのではなく、第1のカメラサーバ200及び第2のカメラサーバ210自身に画像解析領域を計算させている。これにより、クライアント端末を変更することなく新しい画像領域決定アルゴリズムを持ったカメラサーバにも対応することができる。
【0052】
(第5の実施形態)
以下、本発明の第5の実施形態における画像処理システムについて説明する。
本実施形態では、第1のカメラサーバ200または第2のカメラサーバ210の画像解析粒度がクライアント端末220の画像表示粒度の1/2、つまり画像解析粒度が1280×960、画像表示粒度が640×480の場合について説明する。なお、その他については、第1の実施形態と同様であるため、説明は省略する。
【0053】
図13は、本実施形態におけるクライアント端末220側で、カメラサーバが画像解析処理を行う領域を重畳表示した例を示す図である。
クライアント端末220側では、第1のカメラサーバ200または第2のカメラサーバ210の撮像画像1300を表示する。さらに、ユーザが指定した座標(図13の例では320、200)を頂点の1つとした拡大元画像1301を2倍に広げた拡大画像1302を表示する。このとき、拡大画像1302は第1のカメラサーバ200または第2のカメラサーバ210が画像解析できる単位で表示されているので、ユーザは拡大画像1302上で画像解析領域ABCDEFGHIJKを指定することができる。
【0054】
図14は、本実施形態における解析領域決定プログラム164により実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。
図6のステップS601において設定管理プログラム161により解析領域決定プログラム164が起動される。そして、第1のカメラサーバ200または第2のカメラサーバ210に対して現在の画像解析領域、画像解析粒度等を含む設定情報の取得要求を送信する(ステップS1401)。ステップS1402及びS1403はそれぞれ、図7のステップS702及びS703と同様である。
【0055】
ステップS1403の判定の結果、設定情報の受信を通知するイベントである場合は、受信した設定情報から現在カメラサーバが画像解析している領域の情報を取得する。そして、受信した設定情報における画面表示粒度に合わせて変換する(ステップS1404)。本実施形態では、粒度の比は1/2なので値を1/2にする。そして、出力制御プログラム163により変換した画像解析領域をディスプレイ等の出力機器391に表示させる(ステップS1405)。この結果、図5に示す撮像画像500を表示することになる。
【0056】
一方、ステップS1403の判定の結果、ユーザにより入力機器381が操作されて拡大画像を作成するイベントである場合は、指定座標を頂点とした拡大画像を作成する。そして、出力制御プログラム163により拡大画像をディスプレイ等の出力機器391に表示させる(ステップS1409)。図13に示す例では、指定座標を(320、200)として拡大画像1302を作成し、表示する。そして、指定座標(320、200)を基準座標としてその情報を一時記憶部165に記憶する(ステップS1410)。本実施形態では、画像解析粒度は画像表示粒度の1/2なので、2倍した座標(640、400)を基準座標として記憶する。
【0057】
また、ステップS1403の判定の結果、ユーザにより入力機器381が操作されて画像解析領域の指定を通知するイベントである場合は、ステップS1406に進む。ステップS1406〜S1408はそれぞれ、図7のステップS705〜S707と同様である。ただし、ステップS1408においては、基準座標を考慮した座標値で記憶する。本実施形態では、拡大画像1302上の点(320、240)の場合、基準座標(640、400)を足した座標(960、640)を指定座標として記憶する。
【0058】
また、ステップS1403の判定の結果、ユーザにより入力機器381が操作され、設定管理プログラム161からの終了を通知するイベントである場合、終了フラグをON状態にする(ステップS1409)。なお、ステップS1412は、図7のステップS709と同様である。
【0059】
このように本実施形態によれば、第1のカメラサーバ200または第2のカメラサーバ210の画像解析粒度が画像表示粒度より小さい場合は、表示領域を拡大し、その領域に対して画像解析領域を指定する。これにより、処理能力の高いカメラサーバにも対応することができる。また、第3の実施形態と組み合わせ、画像解析粒度が画像表示粒度より大きい場合は、画像解析粒度に合わせて画像解析領域を指定するようにしてもよい。
【0060】
(その他の実施形態)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0061】
160 入力制御プログラム、161 設定管理プログラム、162 受信処理プログラム、163 出力制御プログラム、164 解析領域決定プログラム
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を解析して特定の事象を検知する画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットなどIP(Internet Protocol)ネットワークを利用した配信システムが増加してきており、スキー場や動物園の状況を配信するインターネットサイトや、店舗やビルの監視などにも採用されている。例えば、店舗やビルの監視においては、撮像画像を解析して特定の事象を検知し、事象が発生した際に画像を蓄積したり、管理者が閲覧して確認したりすることが行われている。
【0003】
画像解析する特定の事象としては、例えば、撮像画像上に物体が出現したかどうかを検知する物体検知や、カメラ制御と連動して検知した物体を追いかける物体追尾が存在する。また、不審物等が置かれたことを検知する置き去り検知、監視対象が持ち去られたことを検知する持ち去り検知、撮像画像からネットワークカメラに対していたずらがされたことを検知するいたずら検知等も存在する。
【0004】
例えば、特許文献1には、ネットワークカメラの追尾機能の設定方法が開示されている。特許文献1に記載の技術を用いると、ネットワークカメラが配信した画像データと、画像上の動きがあった領域とを重畳表示することにより、追尾機能を容易に設定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−312018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の特許文献1に開示された従来技術では、ユーザが画面上で指定する領域は必ず矩形であることを前提とした技術であり、その領域はネットワークカメラ側で解析処理を行う領域と同一である。そして、ユーザが監視対象に合わせて矩形以外の検知対象領域を指定する場合であっても、ネットワークカメラが行う解析処理は撮像画像をある一定サイズに分割した領域毎に行う。ところが、ユーザが画面上で指定した領域と、ネットワークカメラ側で解析処理を行う領域とが一致せず、ユーザが意図した通りに設定することが難しく、特定事象を誤検知する場合がある。
【0007】
本発明は前述の問題点に鑑み、画像解析における特定事象の誤検知を低減できるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の画像処理装置は、監視対象を撮像して画像解析する撮像装置から、前記監視対象を含む画像データを受信する画像処理装置であって、前記画像データに基づく画像を表示装置に表示する表示制御手段と、ユーザの操作に応じて、前記表示装置に表示された画像において画像解析領域を指定する指定手段と、前記指定手段により指定された画像解析領域の情報を前記撮像装置に送信する送信手段と、前記撮像装置から画像解析領域の情報を含む設定情報を取得する取得手段とを備え、前記表示制御手段は、前記取得手段によって取得された設定情報に基づいて、前記画像と前記画像解析領域とを重畳して前記表示装置に表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザは、カメラが画像解析を行う画像解析領域を確認することができるので、特定事象の誤検知を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】カメラサーバ及びクライアント端末のプログラム構成例を示す図である。
【図2】画像処理システムのシステム構成例を示す図である。
【図3】カメラサーバ及びクライアント端末のハード構成例を示す図である。
【図4】画像解析領域を含む撮像画像の一例を示す図である。
【図5】画像解析領域が指定された撮像画像の一例を示す図である。
【図6】設定管理に関する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】画像解析領域を決定する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図8】画像解析領域を変更する際の表示例を示す図である。
【図9】画像解析領域を表示する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図10】画像解析領域を表示する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】画像解析領域を決定する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図12】解析領域リストの一例を示す図である。
【図13】カメラサーバが画像解析処理する領域を重畳表示した例を示す図である。
【図14】画像解析領域を決定する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1の実施形態)
以下、本発明の実施形態に好適な画像処理システムの構成及び動作について、図面を参照しながら説明する。
図2は、本実施形態における画像処理システムのシステム構成例を示す図である。
図2に示すように、第1のカメラサーバ200、第2のカメラサーバ210、及びクライアント端末220がネットワーク230を介して相互に接続されている。第1のカメラサーバ200及び第2のカメラサーバ210は、撮影画角が固定もしくは変更可能なカメラを備え、撮影した画像データを、ネットワーク230を介して配信するものである。第1のカメラサーバ200及び第2のカメラサーバ210は独立に動作しており、クライアント端末220は、第1のカメラサーバ200、または第2のカメラサーバ210にアクセスし、画像データを取得する。なお、説明を簡略化するためにカメラサーバは2台としているが、3台以上であっても構わない。
【0012】
また、図2に示すクライアント端末220以外にも第1のカメラサーバ200、または第2のカメラサーバ210にアクセスして画像データの受信や蓄積を行う他のクライアント端末があっても構わない。ネットワーク230は、Ethernet(登録商標)等の通信規格を満足する複数のルータ、スイッチ、ケーブル等から構成されている。本実施形態においては、各サーバ・クライアント端末間の通信が支障なく行うことができるのであればその通信規格、規模、構成を問わず、インターネットや、LAN(Local Area Network)などが適用可能である。
【0013】
図3(A)は、本実施形態の第1のカメラサーバ200のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。なお、第2のカメラサーバ210も同様の構成であるため、第2のカメラサーバ210のハードウェア構成の説明は省略する。
図3(A)に示すように、CPU300、1次記憶装置310、2次記憶装置320、画像キャプチャI/F330、及びネットワークI/F335が内部バス301を介して相互に接続されている。
【0014】
1次記憶装置310は、RAMなどの書き込み可能な高速の記憶装置であり、OSや各種プログラム及び各種データがロードされ、またOSや各種プログラムの作業領域としても使用される。2次記憶装置320は、FDDやHDD、フラッシュメモリ、CD−ROMドライブなどの不揮発性の記憶装置であり、OSや各種プログラム及び各種データの永続的な記憶領域として使用される他に、短期的な各種データの記憶領域としても使用される。なお、第1のカメラサーバ200の1次記憶装置310及び2次記憶装置320に展開される各種プログラム等の詳細については後述する。
【0015】
画像キャプチャI/F330にはカメラ340が接続されており、カメラ340が撮影した画像データを所定のフォーマットに変換・圧縮して1次記憶装置310に転送する。ネットワークI/F335はネットワーク230と接続するためのI/Fであり、通信媒体を介してクライアント端末220等との通信を行う。
【0016】
図3(B)は、クライアント端末220のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3(B)に示すように、CPU350、1次記憶装置360、2次記憶装置370、ユーザ入力I/F380、ユーザ出力I/F390、及びネットワークI/F395が内部バス351を介して相互に接続されている。
【0017】
1次記憶装置360は、RAMなどの書き込み可能な高速の記憶装置であり、OSや各種プログラム及び各種データがロードされ、またOSや各種プログラムの作業領域としても使用される。2次記憶装置370は、FDDやHDD、フラッシュメモリ、CD−ROMドライブなどの不揮発性の記憶装置であり、OSや各種プログラム及び各種データの永続的な記憶領域として使用される他に、短期的な各種データの記憶領域としても使用される。なお、クライアント端末220の1次記憶装置360及び2次記憶装置370に展開される各種プログラム等の詳細については後述する。
【0018】
ユーザ入力I/F380には、キーボード、マウスなどの入力機器381が接続されており、ユーザからの指示を入力する。ユーザ出力I/F390には、ディスプレイなどの出力機器391が接続されており、表示用の画像データなどが出力される。ネットワークI/F395は、前述のネットワーク230と接続するためのI/Fであり、通信媒体を介して第1のカメラサーバ200等との通信を行う。
【0019】
図1(a)は、第1のカメラサーバ200のソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。なお、第2のカメラサーバ200も同様の構成であるため、第2のカメラサーバ210のソフトウェア構成の説明は省略する。
1次記憶装置310上には、OS100、撮像処理プログラム110、画像解析プログラム111、配信処理プログラム112、及び一時記憶部113がロードされる。OS100は第1のカメラサーバ200全体を制御する基本プログラムである。
【0020】
撮像処理プログラム110は、画像キャプチャI/F330を経由して、カメラ340で生成された画像フレームを入力し、画像フレームを符号化して、一時記憶部113に保存する。画像解析プログラム111は、2次記憶装置320に保存されている画像解析に関連する設定情報を一時記憶部113にロードする。また、一時記憶部113に記憶された画像フレームを解析し、画像上のどこにどんな形の物体がどれぐらいの時間存在しているのか、といった内容を検出する。さらに、予め設定された1つまたは複数の閾値を超えたことにより特定の事象が発生したことを検出する。また、画像解析プログラム111は、クライアント端末220から新たな設定情報をネットワークI/F335を通して受信すると、一時記憶部113または2次記憶装置320に保存し、新しい設定情報により画像解析を開始する。
【0021】
配信処理プログラム112は、外部からの要求に応じ、ネットワークI/F335を制御することにより、一時記憶部113に記憶されている画像フレームを、ネットワーク230を介してクライアント端末220などへ送信する。また、各プログラム同士の連携は、必要に応じてOS100が提供する機能を用いる。
【0022】
図1(b)は、クライアント端末220のソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
1次記憶装置360上には、OS150、入力制御プログラム160、設定管理プログラム161、受信処理プログラム162、出力制御プログラム163、解析領域決定プログラム164、及び一時記憶部165がロードされる。OS150はクライアント端末220全体を制御する基本プログラムである。
【0023】
入力制御プログラム160は、ユーザがキーボードやマウスなど入力機器381を操作することにより、設定管理プログラム161を起動する。本実施形態では、ユーザがキーボードやマウスなどを直接操作する以外に、ネットワーク経由の操作や、自動実行プログラムでも実現可能である。設定管理プログラム161は、第1のカメラサーバ200または第2のカメラサーバ210が処理する解析領域を表示するために解析領域決定プログラム164を起動し、さらに画像フレームを取得するため受信処理プログラム162を起動する。また、設定管理プログラム161は、出力制御プログラム163を起動し、画像フレームを表示させたり、ユーザの操作により決定した解析領域の情報を第1のカメラサーバ200または第2のカメラサーバ210に送信させたりする。
【0024】
解析領域決定プログラム164は、第1のカメラサーバ200または第2のカメラサーバ210から画像解析領域等を含む設定情報を取得し、カメラサーバ内で実行される画像解析領域を決定する。そして、出力制御プログラム163により解析領域を表示させる。受信処理プログラム162は、ネットワークI/F395を制御することにより、ネットワーク230を介して第1のカメラサーバ200または第2のカメラサーバ210から画像フレームを受信し、一時記憶部165に保存する。出力制御プログラム163は、受信処理プログラム162や解析領域決定プログラム164の指示に従い、画像フレームや解析領域をディスプレイ等の出力機器391に表示制御する。なお、各プログラム同士の連携は、必要に応じてOS100が提供する機能を用いることとする。
【0025】
図4(a)は、クライアント端末220が出力機器391であるディスプレイに表示する画像解析処理の設定画面の一例を示す図である。
図4(a)においては、監視対象410が映っている撮像画像400上に画像解析領域420を指定した時を示している。本実施形態では、クライアント端末220は第1のカメラサーバ200または第2のカメラサーバ210から取得した画像フレーム(解像度:640×480)を表示し、その画像上の4点A、B、C、Dからなる閉領域を指定する。
【0026】
図4(b)は、第1のカメラサーバ200及び第2のカメラサーバ210での画像解析処理ブロックの一例を示す図である。
図4(b)においては、図4(a)の画面における4点A、B、C、Dを指定した場合に、どの領域を画像処理対象とするのかを示している。クライアント端末220の出力機器391に表示される画像解析領域420に相当する画像解析領域470に対し、第1のカメラサーバ200及び第2のカメラサーバ210が解析処理を行う領域はブロック領域460となる。
【0027】
本実施形態では、第1のカメラサーバ200及び第2のカメラサーバ210は、解像度が320×240の画像フレームに対し、8×8の単位で分割した40×30の粒度で画像解析処理を実施する。このように、クライアント端末220上では640×480の粒度で解析領域を指定するのに対し、第1のカメラサーバ200及び第2のカメラサーバ210上では40×30の粒度で画像解析処理を実施する。
【0028】
図5は、クライアント端末220のディスプレイに、カメラサーバが実際に画像解析処理する領域を重畳表示した例を示す図である。
図5においては、監視対象510が映っている撮像画像500上に画像解析領域520を指定した時のカメラサーバが画像解析処理を行う画像解析領域530を示している。
【0029】
このように、クライアント端末220側にユーザが指定した領域に対して実際に画像解析する領域を重畳して表示することにより、ユーザが意図した領域に対して画像解析処理が行われるのか否かを確認することができる。本実施形態では、四角形の単位で解析領域を設けているが、監視対象に合わせて四角形以外の多角形で指定してもよい。また、図5では、カメラサーバが画像解析処理を行う領域をそのまま重畳表示しているが、画像解析領域が確認できるのであれば、枠表示など別の表示方法でもよい。
【0030】
図6は、クライアント端末220上の設定管理プログラム161により実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。
まず、設定管理プログラム161は、ユーザによりキーボードやマウスなど入力機器381が操作され、画像解析処理を設定するときに起動される。そして、設定管理プログラム161は、解析領域決定プログラム164を起動し、解析領域決定処理を開始可能な状態にする(ステップS601)。次に、受信処理プログラム162を起動し、ネットワークI/F395を制御することにより、第1のカメラサーバ200または第2のカメラサーバ210から画像データの受信を開始可能な状態にする(ステップS602)。そして、設定管理プログラム161に対して何らかのイベントが発生するまで待機する(ステップS603)。
【0031】
イベントが発生すると、設定管理プログラム161は、イベントの種別を判定する(ステップS604)。この判定の結果、画像データの受信を通知するイベントである場合は、出力制御プログラム163により受信した画像データ(画像フレーム)をディスプレイ等の出力機器391に表示させる(ステップS605)。この結果、図4(a)に示す撮像画像400を表示することになる。
【0032】
一方、ステップS604の判定の結果、ユーザにより入力機器381が操作されたことによる設定情報を保存するイベントである場合は、現在表示している画像解析領域の情報を解析領域決定プログラム164により取得する(ステップS606)。そして、出力制御プログラム163によりネットワークI/F395を制御することによりカメラサーバに設定情報を送信させる(ステップS607)。ここで、画像解析領域の情報とは、図4(a)に示す画像解析領域420の各頂点(4点A、B、C、D)の座標のことである。また、ステップS604の判定の結果、ユーザにより入力機器381が操作され、設定処理の終了を通知するイベントである場合は、終了フラグをON状態にする(ステップS608)。
【0033】
次に、終了フラグがON状態になっているか否かを判定する(ステップS609)、この判定の結果、ON状態でない場合は、ステップS603に戻り、再度、イベントが発生するまで待機する。一方、ステップS609の判定の結果、終了フラグがON状態である場合は、受信処理プログラム162により終了イベントを発生させる(ステップS610)。そして、解析領域決定プログラム164により終了イベントを発生させ(ステップS611)、処理を終了する。
【0034】
図7は、クライアント端末220上の解析領域決定プログラム164により実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。
図6のステップS601において設定管理プログラム161により解析領域決定プログラム164が起動され、まず第1のカメラサーバ200または第2のカメラサーバ210に対して現在の画像解析領域を含む設定情報の取得要求を送信する(ステップS701)。そして、解析領域決定プログラム164に対して何らかのイベントが発生するまで待機する(ステップS702)。
【0035】
イベントが発生すると、解析領域決定プログラム164はイベントの種別を判定する(ステップS703)。この判定の結果、設定情報の受信を通知するイベントである場合は、受信した設定情報から現在カメラサーバが画像解析している領域の情報を取得する。そして、出力制御プログラム163によりその画像解析領域をディスプレイ等の出力機器391に表示させる(ステップS704)。この結果、図5に示す撮像画像500を表示することになる。
【0036】
一方、ステップS703の判定の結果、ユーザにより入力機器381が操作されて画像解析領域の指定を通知するイベントである場合は、指定された全頂点を繋げて閉領域になったかどうかを判定(ステップS705)する。ここで、閉領域になった時とは、ユーザにより例えば図5に示すような頂点をA、B、C、D、Aの順に指定し、2回目のAを指定した時である。この判定の結果、閉領域になっていない場合は、次の機会に新たな頂点を指定されることに備え、指定された頂点座標の情報を一時記憶部165に記憶する(ステップS707)。また、ステップS705の判定の結果、閉領域になった場合は、出力制御プログラム163により指定された領域をカメラサーバが実施することになる画像解析領域としてディスプレイ等の出力機器391に表示させる(ステップS706)。なお、ステップS704とステップS706とでは、領域は異なるが処理内容は同じである。
【0037】
一方、ステップS703の判定の結果、設定管理プログラム161からの終了を通知するイベントである場合は、終了フラグをON状態にする(ステップS708)。次に、終了フラグがON状態になっているか否かを判定する(ステップS709)。この判定の結果、終了フラグがON状態でない場合は、ステップS702に戻り、再度イベントが発生するまで待機する。一方、ステップS709の判定の結果、終了フラグがON状態である場合は、処理を終了する。
【0038】
図8は、画像解析領域を変更する際の表示例を示す図である。図8(a)は、画像解析領域を変更する前の状態を示しており、マウスなどの入力機器381を用いて、点B(35、26)をドラッグして左に移動させることを示している。
一方、図8(b)は、点Bを座標(34、26)にドロップした後の状態を示しており、点Bを移動させたことによって、3つのブロックが画像解析の対象になったことがわかる。
【0039】
このように、クライアント側で自由な形の検知対象領域を指定し、カメラサーバが実施する画像解析領域を表示することにより、ユーザは容易に意図通りの設定を指定することができ、特定事象の誤検知を低減することができる。
【0040】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態による画像処理システムについて説明する。本実施形態では、図7のステップS701において取得要求を行う設定情報に画像解析領域決定アルゴリズムが加わっている。なお、その他については、第1の実施形態と同様であるため、説明は省略する。
【0041】
図9は、図7のステップS704及びS706で実施する画像解析領域を表示する処理手順の一例を示すフローチャートである。
まず、受信した第1のカメラサーバ200または第2のカメラサーバ210の設定情報から、カメラサーバの解析領域決定アルゴリズムを判定する(ステップS901)。そして、ステップS901で判定した解析領域決定アルゴリズムと、指定される領域情報とからカメラサーバが実際に画像解析を行う領域を算出する(ステップS902)。この算出処理は解析領域決定アルゴリズム毎に異なるものである。そして、出力制御プログラム163により算出した画像解析領域を表示させ(ステップS903)、処理を終了する。
【0042】
このように本実施形態では、カメラサーバによって異なる解析領域決定アルゴリズムを採用している場合でも、設定情報に解析領域決定アルゴリズムを含め、そのアルゴリズムに従った画像解析領域を算出する。これにより、さまざまな種類のカメラサーバの画像解析領域を正しく表示することができる。
【0043】
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態における画像処理システムについて説明する。本実施形態では、画像解析粒度に応じた画像解析領域の算出手順について説明する。なお、その他については、第1の実施形態と同様であるため、説明は省略する。
【0044】
図10は、図7のステップS704及びS706で実施する画像解析領域を表示する処理手順の一例を示すフローチャートである。
まず、第1のカメラサーバ200または第2のカメラサーバ210の画像解析粒度とクライアント端末220の画像表示粒度とを比較する(ステップS1001)。なお、画像解析粒度の情報は、設定情報として受信したものとする。例えば、画像解析粒度は40×30で、画像表示粒度は640×480である場合は、画像解析粒度の方が大きい。このように画像解析粒度の方が大きい場合は、カメラサーバの画像解析領域を算出する(ステップS1002)。逆に、画像解析粒度が画像表示粒度以下の場合は、カメラサーバの画像解析粒度と画像表示粒度とを同一、つまりカメラサーバの画像解析領域は撮像画像500上でユーザが指定した領域と同じとみなす(ステップS1003)。そして、出力制御プログラム163により算出した画像解析領域を表示させ(ステップS1004)、処理を終了する。
【0045】
このように、画像解析粒度と画像表示粒度とを比較し、小さい方の粒度に合わせて画像解析領域をユーザに指定させることにより、カメラサーバ及びクライアント端末の処理能力に合わせて、画像解析領域を表示することができる。
【0046】
(第4の実施形態)
以下、本発明の第4の実施形態における画像処理システムについて説明する。本実施形態では、第1の実施形態と比べて解析領域決定プログラム164により実行される処理が異なっており、カメラサーバに画像解析領域を計算させている。なお、その他については、第1の実施形態と同様であるため、説明は省略する。
【0047】
図11は、本実施形態における解析領域決定プログラム164により実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。
図11において、ステップS1101〜S1105、S1107はそれぞれ、図7のステップS701〜S705、S707と同様である。
【0048】
ステップS1105の判定の結果、閉領域になった場合は、画像指定領域の情報を、設定情報を送信したカメラサーバに送信し、そのカメラサーバに実際に実施する画像解析領域の情報を要求する(ステップ1106)。また、ステップS1103の判定の結果、イベントとして画像解析領域の応答を受信した場合は、出力制御プログラム163により応答に含まれる解析領域リストが示す画像解析領域をディスプレイ等の出力機器391に表示させる(ステップS1108)。なお、ステップS1109及びS1110はそれぞれ、図7のステップS708及びS709である。
【0049】
図12は、本実施形態における解析領域リストの一例を示す図である。なお、本実施形態における第1のカメラサーバ200及び第2のカメラサーバ210の画像解析粒度は40×30であるものとする。そこで、撮像画像を40×30の1200個の領域に分割し、各分割領域に通し番号0から1199を割り振る。
図12においては、撮像画像を1200個のブロックに分割し、図5における閉領域ABCDを指定した場合を示している。図12に示すように、解析領域は番号996、番号1036、番号1037、番号1075、番号1076、番号1077、番号1116、番号1117、番号1118、番号1156、及び番号1157の合計11ブロックが画像解析領域である。この場合、カメラサーバが画像解析領域に対する応答で送信する解析領域リストは、番号996、番号1036、番号1037、番号1075、番号1076、番号1077、番号1116、番号1117、番号1118、番号1156、番号1157の情報となる。
【0050】
本実施形態では、画像を1200個の領域に分割してそれぞれの位置に通し番号を割り当てたが、座標値をそのまま使用することも可能である。また、解析領域リストは性質上、対象となるブロック領域が連番となることが多いため、開始番号と連続するブロック数とで表現する等、一般的なデータ圧縮技法を適用することも有効である。
【0051】
このように本実施形態では、クライアント端末220側で第1のカメラサーバ200及び第2のカメラサーバ210の画像解析領域を計算するのではなく、第1のカメラサーバ200及び第2のカメラサーバ210自身に画像解析領域を計算させている。これにより、クライアント端末を変更することなく新しい画像領域決定アルゴリズムを持ったカメラサーバにも対応することができる。
【0052】
(第5の実施形態)
以下、本発明の第5の実施形態における画像処理システムについて説明する。
本実施形態では、第1のカメラサーバ200または第2のカメラサーバ210の画像解析粒度がクライアント端末220の画像表示粒度の1/2、つまり画像解析粒度が1280×960、画像表示粒度が640×480の場合について説明する。なお、その他については、第1の実施形態と同様であるため、説明は省略する。
【0053】
図13は、本実施形態におけるクライアント端末220側で、カメラサーバが画像解析処理を行う領域を重畳表示した例を示す図である。
クライアント端末220側では、第1のカメラサーバ200または第2のカメラサーバ210の撮像画像1300を表示する。さらに、ユーザが指定した座標(図13の例では320、200)を頂点の1つとした拡大元画像1301を2倍に広げた拡大画像1302を表示する。このとき、拡大画像1302は第1のカメラサーバ200または第2のカメラサーバ210が画像解析できる単位で表示されているので、ユーザは拡大画像1302上で画像解析領域ABCDEFGHIJKを指定することができる。
【0054】
図14は、本実施形態における解析領域決定プログラム164により実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。
図6のステップS601において設定管理プログラム161により解析領域決定プログラム164が起動される。そして、第1のカメラサーバ200または第2のカメラサーバ210に対して現在の画像解析領域、画像解析粒度等を含む設定情報の取得要求を送信する(ステップS1401)。ステップS1402及びS1403はそれぞれ、図7のステップS702及びS703と同様である。
【0055】
ステップS1403の判定の結果、設定情報の受信を通知するイベントである場合は、受信した設定情報から現在カメラサーバが画像解析している領域の情報を取得する。そして、受信した設定情報における画面表示粒度に合わせて変換する(ステップS1404)。本実施形態では、粒度の比は1/2なので値を1/2にする。そして、出力制御プログラム163により変換した画像解析領域をディスプレイ等の出力機器391に表示させる(ステップS1405)。この結果、図5に示す撮像画像500を表示することになる。
【0056】
一方、ステップS1403の判定の結果、ユーザにより入力機器381が操作されて拡大画像を作成するイベントである場合は、指定座標を頂点とした拡大画像を作成する。そして、出力制御プログラム163により拡大画像をディスプレイ等の出力機器391に表示させる(ステップS1409)。図13に示す例では、指定座標を(320、200)として拡大画像1302を作成し、表示する。そして、指定座標(320、200)を基準座標としてその情報を一時記憶部165に記憶する(ステップS1410)。本実施形態では、画像解析粒度は画像表示粒度の1/2なので、2倍した座標(640、400)を基準座標として記憶する。
【0057】
また、ステップS1403の判定の結果、ユーザにより入力機器381が操作されて画像解析領域の指定を通知するイベントである場合は、ステップS1406に進む。ステップS1406〜S1408はそれぞれ、図7のステップS705〜S707と同様である。ただし、ステップS1408においては、基準座標を考慮した座標値で記憶する。本実施形態では、拡大画像1302上の点(320、240)の場合、基準座標(640、400)を足した座標(960、640)を指定座標として記憶する。
【0058】
また、ステップS1403の判定の結果、ユーザにより入力機器381が操作され、設定管理プログラム161からの終了を通知するイベントである場合、終了フラグをON状態にする(ステップS1409)。なお、ステップS1412は、図7のステップS709と同様である。
【0059】
このように本実施形態によれば、第1のカメラサーバ200または第2のカメラサーバ210の画像解析粒度が画像表示粒度より小さい場合は、表示領域を拡大し、その領域に対して画像解析領域を指定する。これにより、処理能力の高いカメラサーバにも対応することができる。また、第3の実施形態と組み合わせ、画像解析粒度が画像表示粒度より大きい場合は、画像解析粒度に合わせて画像解析領域を指定するようにしてもよい。
【0060】
(その他の実施形態)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0061】
160 入力制御プログラム、161 設定管理プログラム、162 受信処理プログラム、163 出力制御プログラム、164 解析領域決定プログラム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象を撮像して画像解析する撮像装置から、前記監視対象を含む画像データを受信する画像処理装置であって、
前記画像データに基づく画像を表示装置に表示する表示制御手段と、
ユーザの操作に応じて、前記表示装置に表示された画像において画像解析領域を指定する指定手段と、
前記指定手段により指定された画像解析領域の情報を前記撮像装置に送信する送信手段と、
前記撮像装置から画像解析領域の情報を含む設定情報を取得する取得手段とを備え、
前記表示制御手段は、前記取得手段によって取得された設定情報に基づいて、前記画像と前記画像解析領域とを重畳して前記表示装置に表示することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記取得手段は、さらに前記撮像装置が画像解析する画像解析粒度の情報を取得し、
前記指定手段は、前記撮像装置の画像解析粒度が前記表示制御手段によって表示される際の表示粒度を超える場合は、前記撮像装置の画像解析粒度で前記画像解析領域を指定し、前記撮像装置の画像解析粒度が前記表示制御手段によって表示される際の表示粒度以下の場合は、前記表示粒度で前記画像解析領域を指定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記撮像装置の画像解析粒度が表示粒度以下の場合は前記表示装置に表示されている画像を拡大することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記取得手段は、さらに前記画像データにおけるブロックの位置を示す番号のリストを取得することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記指定手段は、前記画像解析領域の頂点を指定することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記取得手段は、前記画像解析領域を決定するアルゴリズムの情報をも取得することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項7】
監視対象を撮像して画像解析する撮像装置と、前記撮像装置から前記監視対象を含む画像データを受信する画像処理装置とがネットワークに接続された画像処理システムであって、
前記撮像装置は、
監視対象を撮像して画像データを生成する撮像手段と、
前記撮像手段によって生成された画像データから前記監視対象の画像解析を行う画像解析手段と、
前記撮像手段によって生成された画像データを送信するとともに、前記画像解析手段によって解析される画像解析領域の情報を含む設定情報を前記画像処理装置に送信する通信手段とを備え、
前記画像解析手段は、前記画像処理装置から前記画像解析領域の情報を受信した場合は、前記受信した画像解析領域に従って画像解析を行い、
前記画像処理装置は、
前記画像データに基づく画像を表示装置に表示する表示制御手段と、
ユーザの操作に応じて、前記表示装置に表示された画像において画像解析領域を指定する指定手段と、
前記指定手段により指定された画像解析領域の情報を前記撮像装置に送信する送信手段と、
前記撮像装置から画像解析領域の情報を含む設定情報を取得する取得手段とを備え、
前記表示制御手段は、前記取得手段によって取得された設定情報に基づいて、前記画像と前記画像解析領域とを重畳して前記表示装置に表示することを特徴とする画像処理システム。
【請求項8】
監視対象を撮像して画像解析する撮像装置から、前記監視対象を含む画像データを受信する画像処理方法であって、
前記画像データに基づく画像を表示装置に表示する表示制御工程と、
ユーザの操作に応じて、前記表示装置に表示された画像において画像解析領域を指定する指定工程と、
前記指定工程において指定された画像解析領域の情報を前記撮像装置に送信する送信工程と、
前記撮像装置から画像解析領域の情報を含む設定情報を取得する取得工程とを備え、
前記表示制御工程においては、前記取得工程において取得された設定情報に基づいて、前記画像と前記画像解析領域とを重畳して前記表示装置に表示することを特徴とする画像処理方法。
【請求項9】
監視対象を撮像して画像解析する撮像装置から、前記監視対象を含む画像データを受信する画像処理装置を制御するためのプログラムであって、
前記画像データに基づく画像を表示装置に表示する表示制御工程と、
ユーザの操作に応じて、前記表示装置に表示された画像において画像解析領域を指定する指定工程と、
前記指定工程において指定された画像解析領域の情報を前記撮像装置に送信する送信工程と、
前記撮像装置から画像解析領域の情報を含む設定情報を取得する取得工程とをコンピュータに実行させ、
前記表示制御工程においては、前記取得工程において取得された設定情報に基づいて、前記画像と前記画像解析領域とを重畳して前記表示装置に表示することを特徴とするプログラム。
【請求項1】
監視対象を撮像して画像解析する撮像装置から、前記監視対象を含む画像データを受信する画像処理装置であって、
前記画像データに基づく画像を表示装置に表示する表示制御手段と、
ユーザの操作に応じて、前記表示装置に表示された画像において画像解析領域を指定する指定手段と、
前記指定手段により指定された画像解析領域の情報を前記撮像装置に送信する送信手段と、
前記撮像装置から画像解析領域の情報を含む設定情報を取得する取得手段とを備え、
前記表示制御手段は、前記取得手段によって取得された設定情報に基づいて、前記画像と前記画像解析領域とを重畳して前記表示装置に表示することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記取得手段は、さらに前記撮像装置が画像解析する画像解析粒度の情報を取得し、
前記指定手段は、前記撮像装置の画像解析粒度が前記表示制御手段によって表示される際の表示粒度を超える場合は、前記撮像装置の画像解析粒度で前記画像解析領域を指定し、前記撮像装置の画像解析粒度が前記表示制御手段によって表示される際の表示粒度以下の場合は、前記表示粒度で前記画像解析領域を指定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記撮像装置の画像解析粒度が表示粒度以下の場合は前記表示装置に表示されている画像を拡大することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記取得手段は、さらに前記画像データにおけるブロックの位置を示す番号のリストを取得することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記指定手段は、前記画像解析領域の頂点を指定することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記取得手段は、前記画像解析領域を決定するアルゴリズムの情報をも取得することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項7】
監視対象を撮像して画像解析する撮像装置と、前記撮像装置から前記監視対象を含む画像データを受信する画像処理装置とがネットワークに接続された画像処理システムであって、
前記撮像装置は、
監視対象を撮像して画像データを生成する撮像手段と、
前記撮像手段によって生成された画像データから前記監視対象の画像解析を行う画像解析手段と、
前記撮像手段によって生成された画像データを送信するとともに、前記画像解析手段によって解析される画像解析領域の情報を含む設定情報を前記画像処理装置に送信する通信手段とを備え、
前記画像解析手段は、前記画像処理装置から前記画像解析領域の情報を受信した場合は、前記受信した画像解析領域に従って画像解析を行い、
前記画像処理装置は、
前記画像データに基づく画像を表示装置に表示する表示制御手段と、
ユーザの操作に応じて、前記表示装置に表示された画像において画像解析領域を指定する指定手段と、
前記指定手段により指定された画像解析領域の情報を前記撮像装置に送信する送信手段と、
前記撮像装置から画像解析領域の情報を含む設定情報を取得する取得手段とを備え、
前記表示制御手段は、前記取得手段によって取得された設定情報に基づいて、前記画像と前記画像解析領域とを重畳して前記表示装置に表示することを特徴とする画像処理システム。
【請求項8】
監視対象を撮像して画像解析する撮像装置から、前記監視対象を含む画像データを受信する画像処理方法であって、
前記画像データに基づく画像を表示装置に表示する表示制御工程と、
ユーザの操作に応じて、前記表示装置に表示された画像において画像解析領域を指定する指定工程と、
前記指定工程において指定された画像解析領域の情報を前記撮像装置に送信する送信工程と、
前記撮像装置から画像解析領域の情報を含む設定情報を取得する取得工程とを備え、
前記表示制御工程においては、前記取得工程において取得された設定情報に基づいて、前記画像と前記画像解析領域とを重畳して前記表示装置に表示することを特徴とする画像処理方法。
【請求項9】
監視対象を撮像して画像解析する撮像装置から、前記監視対象を含む画像データを受信する画像処理装置を制御するためのプログラムであって、
前記画像データに基づく画像を表示装置に表示する表示制御工程と、
ユーザの操作に応じて、前記表示装置に表示された画像において画像解析領域を指定する指定工程と、
前記指定工程において指定された画像解析領域の情報を前記撮像装置に送信する送信工程と、
前記撮像装置から画像解析領域の情報を含む設定情報を取得する取得工程とをコンピュータに実行させ、
前記表示制御工程においては、前記取得工程において取得された設定情報に基づいて、前記画像と前記画像解析領域とを重畳して前記表示装置に表示することを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−10233(P2012−10233A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−146097(P2010−146097)
【出願日】平成22年6月28日(2010.6.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月28日(2010.6.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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