説明

画像処理装置、画像処理方法、および、画像処理プログラム

【課題】画像の質感を十分に向上させる。
【解決手段】画像処理装置は、画像を取得する画像取得部1と、画像取得部1によって取得された画像中の被写体表面の粗さ情報を取得する粗さ情報取得部2と、画像取得部1によって取得された画像中の被写体表面の凹凸情報を取得する凹凸情報取得部3と、画像取得部1によって取得された画像中の被写体表面の鏡面反射情報を取得する鏡面反射情報取得部4と、粗さ情報取得部2によって取得された粗さ情報、凹凸情報取得部3によって取得された凹凸情報、および、鏡面反射情報取得部4によって取得された鏡面反射情報のうちの少なくとも1つの情報に基づいて、画像取得部1によって取得された画像のコントラスト調整およびシャープネス調整を行う画質調整部5とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像の質感を向上させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像のエッジ情報の分布に基づく値であるエッジ特徴量に応じた大きさのノイズを、画像に付加することによって、画像の質感を向上させる技術が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−331163号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、画像にノイズを付加するだけなので、画像の質感を十分に向上させることができなかった。
【0005】
本発明は、画像の質感を十分に向上させる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様に係る画像処理装置は、画像を取得する画像取得部と、前記画像取得部によって取得された画像中の被写体表面の粗さ情報を取得する粗さ情報取得部と、前記画像取得部によって取得された画像中の被写体表面の凹凸情報を取得する凹凸情報取得部と、前記画像取得部によって取得された画像中の被写体表面の鏡面反射情報を取得する鏡面反射情報取得部と、前記粗さ情報取得部によって取得された粗さ情報、前記凹凸情報取得部によって取得された凹凸情報、および、前記鏡面反射情報取得部によって取得された鏡面反射情報のうちの少なくとも1つの情報に基づいて、前記画像取得部によって取得された画像のコントラスト調整およびシャープネス調整を行う画質調整部と、を備える。
【0007】
本発明の別の態様に係る画像処理方法は、画像を取得するステップと、前記取得した画像中の被写体表面の粗さ情報を取得するステップと、前記取得した画像中の被写体表面の凹凸情報を取得するステップと、前記取得した画像中の被写体表面の鏡面反射情報を取得するステップと、前記取得した粗さ情報、前記取得した凹凸情報、および、前記取得した鏡面反射情報のうちの少なくとも1つの情報に基づいて、前記取得した画像のコントラスト調整およびシャープネス調整を行うステップと、を有する。
【0008】
本発明のさらに別の態様に係る画像処理プログラムは、画像を取得するステップと、前記取得した画像中の被写体表面の粗さ情報を取得するステップと、前記取得した画像中の被写体表面の凹凸情報を取得するステップと、前記取得した画像中の被写体表面の鏡面反射情報を取得するステップと、前記取得した粗さ情報、前記取得した凹凸情報、および、前記取得した鏡面反射情報のうちの少なくとも1つの情報に基づいて、前記取得した画像のコントラスト調整およびシャープネス調整を行うステップと、をコンピュータに実行させるための画像処理プログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画像中の被写体表面の粗さ情報、凹凸情報、および、鏡面反射情報のうちの少なくとも1つの情報に基づいて、画像のコントラスト調整およびシャープネス調整を行うので、画像の質感を十分に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、一実施の形態における画像処理装置のブロック構成図である。
【図2】図2は、各パラメータαc、βc、γc、αs、βs、γsの関数の一例を示す図である。
【図3】図3は、コントラスト調整処理の方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
−第1の実施形態−
図1は、第1の実施形態における画像処理装置のブロック構成図である。第1の実施形態における画像処理装置は、画像取得部1と、粗さ情報取得部2と、凹凸情報取得部3と、鏡面反射情報取得部4と、画質調整部5とを備える。この画像処理装置は、例えばデジタルカメラに搭載されて使用される。
【0012】
画像取得部1は、撮影により生成された画像データを取得する。例えば、デジタルカメラでは、撮影により生成された画像データは、一時的にRAMに記憶されるので、画像取得部1は、RAMから画像データを取得する。
【0013】
粗さ情報取得部2は、画像取得部1によって取得された画像データの物理的特徴から、画像中の被写体表面の粗さ情報を取得する。粗さ情報とは、被写体表面の形状変化の細かさを示す情報であって、例えばフーリエ変換を施した画像に、コントラスト感度関数(Contrast Sensitivity Function)のような人間の視覚特性を掛け合わせて積算した情報である。また、画像データの物理的特徴とは、空間周波数、テクスチャ情報、エッジ特徴量等である。
【0014】
凹凸情報取得部3は、画像取得部1によって取得された画像データの物理的特徴から、画像中の被写体表面の凹凸情報を取得する。凹凸情報とは、被写体表面の形状変化の深さを示す情報であって、例えば輝度ヒストグラムの最大値から最小値を減算した情報である。また、画像の物理的特徴とは、輝度ヒストグラム、空間周波数、エッジ特徴量等である。
【0015】
鏡面反射情報取得部4は、画像取得部1によって取得された画像データの物理的特徴から、画像中の被写体表面の鏡面反射情報を取得する。鏡面反射情報とは、被写体表面での照明の反射度合いを示す情報であって、例えば輝度ヒストグラムの予め設定した閾値以上の高輝度部分の面積の情報である。また、画像の物理的特徴とは、ハイライト値、輝度ヒストグラム等である。
【0016】
画質調整部5は、粗さ情報取得部2によって取得された粗さ情報、凹凸情報取得部3によって取得された凹凸情報、鏡面反射情報取得部4によって取得された鏡面反射情報のうちの少なくとも1つの情報に基づいて、画像のコントラストを調整するためのコントラスト調整量、および、画像のシャープネスを調整するためのシャープネス調整量を算出する。そして、算出したコントラスト調整量およびシャープネス調整量に基づいて、画像取得部1によって取得された画像データに対してコントラストの調整およびシャープネスの調整を行うことによって、画像の質感を向上させる。画像の質感向上とは、被写体表面の状態をよりリアルに表現することである。
【0017】
ここで、粗さ情報、凹凸情報、および、鏡面反射情報の全ての情報に基づいて、コントラスト調整量およびシャープネス調整量を算出する方法について説明する。粗さ情報X、凹凸情報Y、鏡面反射情報Zから求めたパラメータをそれぞれα、β、γとすると、コントラスト調整量およびシャープネス調整量はそれぞれ次式(1)、(2)により表される。ただし、式(1)において、小文字のcが付されたパラメータは、コントラスト調整量を算出するためのパラメータであり、式(2)において、小文字のsが付されたパラメータは、シャープネス調整量を算出するためのパラメータである。
コントラスト調整量=αc+βc+γc …(1)
シャープネス調整量=αs+βs+γs …(2)
【0018】
各パラメータは、粗さ情報Xが所定の粗さ以上の場合に、αc<αs、βc<βs、γc<γsとなるように、また、凹凸情報Yが所定の凹凸以上の場合に、αc>αs、βc>βs、γc>γsとなるように、さらに、鏡面反射情報Zが所定の鏡面反射度合い以上の場合に、αc>αs、βc>βs、γc>γsとなるように設定する。すなわち、粗さ情報Xが所定の粗さ以上の場合に、コントラスト調整よりもシャープネス調整の知覚的変化が大きくなるように、また、凹凸情報Yが所定の凹凸以上の場合に、シャープネス調整よりもコントラスト調整の知覚的変化が大きくなるように、さらに、鏡面反射情報Zが所定の鏡面反射度合い以上の場合に、シャープネス調整よりもコントラスト調整の知覚的変化が大きくなるように、各パラメータを設定する。パラメータα、β、γの比率は例えば、αc:βc:γc=1:3:2、αs:βs:γs=3:2:1とする。
【0019】
パラメータα、β、γは、定数でもよいが、それぞれ粗さ情報X、凹凸情報Y、鏡面反射情報Zの関数として表すこともできる。この場合、コントラスト調整量およびシャープネス調整量は、次式(3)、(4)にて表される。ただし、式(3)、(4)において、αc(x)およびαs(x)は、粗さ情報Xを変数とする関数の関数値、βc(Y)およびβs(Y)は、凹凸情報Yを変数とする関数の関数値、γc(Z)およびγs(Z)は、鏡面反射情報Zを変数とする関数の関数値である。
コントラスト調整量=αc(x)+βc(Y)+γc(Z) …(3)
シャープネス調整量=αs(x)+βs(Y)+γs(Z) …(4)
【0020】
図2(a)〜(f)は、各パラメータαc、βc、γc、αs、βs、γsの関数の一例を示す図である。ただし、各パラメータαc、βc、γc、αs、βs、γsの関数が図2(a)〜(f)に示すものに限定されることはない。
【0021】
画質調整部5は、粗さ情報取得部2によって取得された粗さ情報Xと、図2(a)、図2(d)に示す関数とに基づいて、パラメータαcの関数値αc(x)およびパラメータαsの関数値αs(x)を求める。同様に、凹凸情報取得部3によって取得された凹凸情報Yと、図2(b)、図2(e)に示す関数とに基づいて、パラメータβcの関数値βc(Y)およびパラメータβsの関数値βs(Y)を求め、鏡面反射情報取得部4によって取得された鏡面反射情報Zと、図2(c)、図2(f)に示す関数とに基づいて、パラメータγcの関数値γc(Z)およびパラメータγsの関数値γs(Z)を求める。
【0022】
画質調整部5は、また、粗さ情報X、凹凸情報Y、鏡面反射情報Zとコントラスト調整量およびシャープネス調整量との関係を定めたルックアップテーブルを予め記憶しておき、このルックアップテーブルを参照することにより、コントラスト調整量およびシャープネス調整量を算出するようにしてもよい。すなわち、コントラスト調整量およびシャープネス調整量は、次式(5)、(6)で表される。ただし、式(5)中の3D−LUTc(X、Y、Z)は、粗さ情報取得部2によって取得された粗さ情報X、凹凸情報取得部3によって取得された凹凸情報Y、鏡面反射情報取得部4によって取得された鏡面反射情報Zを入力とする、コントラスト調整量算出用のルックアップテーブルのテーブル値を意味する。また、式(6)中の3D−LUTs(X、Y、Z)は、粗さ情報取得部2によって取得された粗さ情報X、凹凸情報取得部3によって取得された凹凸情報Y、鏡面反射情報取得部4によって取得された鏡面反射情報Zを入力とする、シャープネス調整量算出用のルックアップテーブルのテーブル値を意味する。
コントラスト調整量=3D−LUTc(X、Y、Z) …(5)
シャープネス調整量=3D−LUTs(X、Y、Z) …(6)
【0023】
続いて、粗さ情報X、凹凸情報Y、鏡面反射情報Zのうち、鏡面反射情報Zのみを用いて、コントラスト調整量およびシャープネス調整量を算出する例について説明する。コントラスト調整量およびシャープネス調整量は、鏡面反射情報取得部4によって取得された鏡面反射情報Zから求めた定数γc、γsを用いて、次式(7)、(8)により表される。 コントラスト調整量=γc …(7)
シャープネス調整量=γs …(8)
【0024】
定数γcおよびγsは、鏡面反射情報Zが所定の鏡面反射度合い以上の場合に、定数γc>γsとなるように、すなわち、シャープネス調整よりもコントラスト調整の知覚的変化が大きくなるように設定する。
【0025】
ここで、γc、γsを定数とせずに、鏡面反射情報Zの関数とすることもできる。その場合、鏡面反射情報Zを変数とするγc、γsの関数はそれぞれ、図2(c)、図2(f)に示すようなものとなる。
【0026】
また、鏡面反射情報Zとコントラスト調整量およびシャープネス調整量との関係を定めたルックアップテーブルを予め用意しておき、このルックアップテーブルを参照することにより、コントラスト調整量およびシャープネス調整量を算出するようにしてもよい。この場合、画質調整部5は、鏡面反射情報Zとコントラスト調整量およびシャープネス調整量との関係を定めたルックアップテーブルを予め記憶しておき、次式(9)、(10)により、コントラスト調整量およびシャープネス調整量を求める。ただし、式(9)中のLUTc(Z)は、鏡面反射情報Zを入力とする、コントラスト調整量算出用のルックアップテーブルのテーブル値を意味し、式(10)中のLUTs(Z)は、鏡面反射情報Zを入力とする、シャープネス調整量算出用のルックアップテーブルのテーブル値を意味する。
コントラスト調整量=LUTc(Z) …(9)
シャープネス調整量=LUTs(Z) …(10)
【0027】
以上、第1の実施形態における画像処理装置によれば、画像中の被写体表面の粗さ情報、画像中の被写体表面の凹凸情報、および、画像中の被写体表面の鏡面反射情報を取得し、取得した粗さ情報、凹凸情報、および、鏡面反射情報のうちの少なくとも1つの情報に基づいて、画像のコントラスト調整およびシャープネス調整を行うので、画像の質感を十分に向上させることができる。これにより、例えば、鏡面反射に特徴を持つ被写体の質感をも十分に向上させることができる。
【0028】
特に、画質調整部5は、粗さ情報、凹凸情報、および、鏡面反射情報の全ての情報に基づいて、画像のコントラスト調整およびシャープネス調整を行うことにより、画像の質感をより十分に向上させることができる。
【0029】
また、粗さ情報で示される画像の粗さが所定の粗さ以上の場合に、コントラスト調整よりもシャープネス調整の知覚的変化が大きくなるように、コントラスト調整およびシャープネス調整を行うので、画像の質感を適切に向上させることができる。
【0030】
また、凹凸情報で示される画像の凹凸が所定の凹凸以上の場合に、シャープネス調整よりもコントラスト調整の知覚的変化が大きくなるように、コントラスト調整およびシャープネス調整を行うので、画像の質感を適切に向上させることができる。
【0031】
また、鏡面反射情報で示される鏡面反射度合いが所定の鏡面反射度合い以上の場合に、シャープネス調整よりもコントラスト調整の知覚的変化が大きくなるように、コントラスト調整およびシャープネス調整を行うので、画像の質感を適切に向上させることができる。
【0032】
画質調整部5は、粗さ情報取得部2によって取得された粗さ情報から求まる第1のパラメータ、凹凸情報取得部3によって取得された凹凸情報から求まる第2のパラメータ、および、鏡面反射情報取得部4によって取得された鏡面反射情報から求まる第3のパラメータを加算することによって、コントラスト調整量およびシャープネス調整量を算出するようにしてもよい。特に、第1のパラメータ、第2のパラメータ、および、第3のパラメータをそれぞれ、粗さ情報、凹凸情報、および、鏡面反射情報を変数とする関数から求めることにより、粗さ情報、凹凸情報および鏡面反射情報に応じた適切なコントラスト調整量およびシャープネス調整量を求めることができ、画像の質感を適切に向上させることができる。
【0033】
さらに、粗さ情報、凹凸情報、および、鏡面反射情報と、コントラスト調整量およびシャープネス調整量との関係を定めたルックアップテーブルを記憶しておき、粗さ情報取得部2によって取得された粗さ情報、凹凸情報取得部3によって取得された凹凸情報、および、鏡面反射情報取得部4によって取得された鏡面反射情報と、記憶しているルックアップテーブルとに基づいて、コントラスト調整量およびシャープネス調整量を算出するようにしてもよい。この場合には、粗さ情報、凹凸情報および鏡面反射情報に応じた、非線形な特性のコントラスト調整量およびシャープネス調整量を求めることができ、画像の質感を適切に向上させることができる。
【0034】
−第2の実施形態−
第2の実施形態における画像処理装置の構成は、図1に示す第1の実施形態における画像処理装置の構成と同じである。第2の実施形態における画像処理装置において、画質調整部5は、トーンカーブを用いてコントラスト調整処理を行う。
【0035】
コントラスト調整処理を行う際のコントラスト調整量、および、シャープネス調整を行う際のシャープネス調整量はそれぞれ、次式(11)および(12)で表される。ただし、式(11)、(12)において、αは粗さ情報であり、所定の粗さS1より小さい値である。また、βは凹凸情報であり、所定の凹凸S2よりも小さい値である。さらに、γは鏡面反射情報であり、所定の鏡面反射度合いS3より大きい値である。また、式(11)におけるa1、b1、c1、および、式(12)におけるa2、b2、c2は、任意の値である。
コントラスト調整量Co=a1×α+b1×β+c1×γ …(11)
シャープネス調整量Sh=a2×α+b2×β−c2×γ …(12)
【0036】
コントラスト調整処理では、トーンカーブの任意の位置を、式(11)により求めたコントラスト調整量Coだけ持ち上げる処理を行う。図3は、コントラスト調整処理の方法を説明するための図である。ここでは、図3に示すように、トーンカーブの第一四分位点の出力がコントラスト調整量Coだけ小さくなるように、また、第三四分位点の出力がコントラスト調整量Coだけ大きくなるように、トーンカーブを修正する。これにより、例えば、艶があり、表面の粗さや凹凸が少ない物体については、コントラスト調整によるコントラスト上昇と、弱いシャープネス強調によって艶感が強調され、画像の質感が向上する。さらに、トーンカーブを用いてコントラストを調整することにより、暗部のつぶれと明部の白飛びがない自然な階調で質感を向上させることができる。
【0037】
なお、上述した第1〜第2の実施形態の説明では、画像処理装置が行う処理としてハードウェアによる処理を前提としていたが、このような構成に限定される必要はない。例えば、コンピュータにてソフトウェア処理を行うことも可能である。この場合、コンピュータは、CPU、RAM等の主記憶装置、上記処理の全て或いは一部を実現させるためのプログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を備えている。ここでは、このプログラムを画像処理プログラムと呼ぶ。そして、CPUが上記記憶媒体に記憶されている画像処理プログラムを読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、上述の画像処理装置と同様の処理を実現させる。
【0038】
ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、この画像処理プログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該画像処理プログラムを実行するようにしても良い。
【0039】
本発明は、上記実施形態にそのまま限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素の幾つかの構成要素を削除してもよい。
【0040】
上述した実施の形態では、画像処理装置をデジタルカメラに搭載する例を挙げて説明したが、ビデオカメラやムービーカメラに搭載してもよく、さらに、携帯電話や携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assist)、ゲーム機器、プリンタ、スキャナ等に搭載するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0041】
1…画像取得部
2…粗さ情報取得部
3…凹凸情報取得部
4…鏡面反射情報取得部
5…画質調整部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を取得する画像取得部と、
前記画像取得部によって取得された画像中の被写体表面の粗さ情報を取得する粗さ情報取得部と、
前記画像取得部によって取得された画像中の被写体表面の凹凸情報を取得する凹凸情報取得部と、
前記画像取得部によって取得された画像中の被写体表面の鏡面反射情報を取得する鏡面反射情報取得部と、
前記粗さ情報取得部によって取得された粗さ情報、前記凹凸情報取得部によって取得された凹凸情報、および、前記鏡面反射情報取得部によって取得された鏡面反射情報のうちの少なくとも1つの情報に基づいて、前記画像取得部によって取得された画像のコントラスト調整およびシャープネス調整を行う画質調整部と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記画質調整部は、前記粗さ情報取得部によって取得された粗さ情報、前記凹凸情報取得部によって取得された凹凸情報、および、前記鏡面反射情報取得部によって取得された鏡面反射情報の全ての情報に基づいて、前記画像取得部によって取得された画像のコントラスト調整およびシャープネス調整を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記画質調整部は、前記粗さ情報取得部によって取得された粗さ情報で示される画像の粗さが所定の粗さ以上の場合に、前記コントラスト調整よりも前記シャープネス調整の知覚的変化が大きくなるように、前記コントラスト調整および前記シャープネス調整を行う、
ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記画質調整部は、前記凹凸情報取得部によって取得された凹凸情報で示される画像の凹凸が所定の凹凸以上の場合に、前記シャープネス調整よりも前記コントラスト調整の知覚的変化が大きくなるように、前記コントラスト調整および前記シャープネス調整を行う、
ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記画質調整部は、前記鏡面反射情報取得部によって取得された鏡面反射情報で示される鏡面反射度合いが所定の鏡面反射度合い以上の場合に、前記シャープネス調整よりも前記コントラスト調整の知覚的変化が大きくなるように、前記コントラスト調整および前記シャープネス調整を行う、
ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記画質調整部は、前記粗さ情報取得部によって取得された粗さ情報から求まる第1のパラメータ、前記凹凸情報取得部によって取得された凹凸情報から求まる第2のパラメータ、および、前記鏡面反射情報取得部によって取得された鏡面反射情報から求まる第3のパラメータを加算することによって、前記コントラスト調整を行うためのコントラスト調整量および前記シャープネス調整を行うためのシャープネス調整量を算出する、
ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記画質調整部は、前記粗さ情報取得部によって取得された粗さ情報から求まる第1のパラメータ、前記凹凸情報取得部によって取得された凹凸情報から求まる第2のパラメータ、および、前記鏡面反射情報取得部によって取得された鏡面反射情報から求まる第3のパラメータをそれぞれ、前記粗さ情報、前記凹凸情報、および、前記鏡面反射情報を変数とする関数から求める、
ことを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記粗さ情報、前記凹凸情報、および、前記鏡面反射情報と、前記コントラスト調整を行うためのコントラスト調整量および前記シャープネス調整を行うためのシャープネス調整量との関係を定めたルックアップテーブルを記憶する記憶部をさらに備え、
前記画質調整部は、前記粗さ情報取得部によって取得された粗さ情報、前記凹凸情報取得部によって取得された凹凸情報、および、前記鏡面反射情報取得部によって取得された鏡面反射情報と、前記記憶部に記憶されているルックアップテーブルとに基づいて、前記コントラスト調整量および前記シャープネス調整量を算出する、
ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項9】
画像を取得するステップと、
前記取得した画像中の被写体表面の粗さ情報を取得するステップと、
前記取得した画像中の被写体表面の凹凸情報を取得するステップと、
前記取得した画像中の被写体表面の鏡面反射情報を取得するステップと、
前記取得した粗さ情報、前記取得した凹凸情報、および、前記取得した鏡面反射情報のうちの少なくとも1つの情報に基づいて、前記取得した画像のコントラスト調整およびシャープネス調整を行うステップと、
を有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項10】
画像を取得するステップと、
前記取得した画像中の被写体表面の粗さ情報を取得するステップと、
前記取得した画像中の被写体表面の凹凸情報を取得するステップと、
前記取得した画像中の被写体表面の鏡面反射情報を取得するステップと、
前記取得した粗さ情報、前記取得した凹凸情報、および、前記取得した鏡面反射情報のうちの少なくとも1つの情報に基づいて、前記取得した画像のコントラスト調整およびシャープネス調整を行うステップと、
をコンピュータに実行させるための画像処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−105445(P2013−105445A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−250881(P2011−250881)
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】