説明

画像処理装置、画像処理方法、およびプログラム

【課題】簡便かつ高速に断面画像の評価を行うことが可能な画像処理装置を提供する。
【解決手段】生体の断面を示す画像である1以上の断面画像が格納される断面画像格納部11と、断面画像について、複数の不連続な領域を有する関心領域を1以上設定する関心領域設定部13と、各関心領域ごとに、各関心領域を評価するための値である評価値を取得する評価値取得部16と、評価値取得部16が取得した評価値を出力する評価値出力部17とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体の断面画像を扱う画像処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
人体等の生体を断層撮影する手法として、例えば、PET(Positron Emission Tomography)、SPECT(Single Photon Emission CT)、MRI(Magnetic Resonance Imaging)、CT(Computed Tomography)などが知られている。このような手法によって取得された人体の断面画像を処理する従来の画像処理装置として、同一人の所定部位のSPECT画像及びMRI画像の正規化データを記憶する、それぞれの正規化データ記憶部と、SPECT画像の正規化データとMRI画像の正規化データとを用いて所定の演算を行う比較演算部と、演算結果に基づいて、所定部位の画像を表示装置に表示させるための処理を行う表示制御部と、を備えるものが知られていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−125658号公報(第1頁、第1図等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の断面画像を用いた診断においては、医師等が、一の生体から取得した断面画像の病変と疑われる箇所に、関心領域(region of interest:以下、ROIと称する場合もある)と呼ばれる領域を設定し、設定した関心領域ごとに病変等を評価し、レポートを作成していた。各関心領域の評価は、例えば、一の関心領域内に含まれる画素に対応する測定値やその補正値の最大値や平均値等を用いて行われていた。
【0005】
しかしながら、従来の画像処理装置においては、一の断面画像に複数の小さな関心領域が数多く設定される場合や、一の生体について取得した断面画像の数が多い場合等においては、医師が評価しなければならない関心領域が非常に多くなり、評価やレポート作成に膨大な時間がかかっていた。このため、容易にかつ高速に断面画像の評価を行うことができないという課題があった。
【0006】
また、関心領域は、マウス等の入力デバイス等を用いてクリックやドラッグを行って矩形や円形やフリーハンドの輪郭線を描くことで設定されていた。しかしながら、例えば、トレーサ等と呼ばれる放射性医薬品を用いて撮影された断面画像においては、トレーサ等が集積されやすい部位(生理的集積部位)を除いた部位に関心領域を設定する必要があり、生理的集積部位(例えば、18F−FDG(2-deoxy-18F-fluoro-D-glucose)をトレーサに用いたPET画像においては、膀胱、尿管など)に病変が近接して存在している場合、生理的集積部位を避けるように関心領域を設定しなければならず、マウス等のクリック等で細かく複雑な輪郭を設定する操作は、非常に煩雑であり、容易にかつ高速に関心領域を設定できなかった。この結果、容易にかつ高速に断面画像の評価を行うことができないという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の画像処理装置は、生体の断面を示す画像である1以上の断面画像が格納される断面画像格納部と、断面画像について、複数の不連続な領域を有する関心領域を1以上設定する関心領域設定部と、各関心領域ごとに、各関心領域を評価するための値である評価値を取得する評価値取得部と、評価値取得部が取得した評価値を出力する評価値出力部とを備えた画像処理装置である。
【0008】
かかる構成により、複数の不連続な領域を関心領域にまとめて、関心領域の数を削減することができ、容易にかつ高速に断面画像の評価を行うことができる。
【0009】
また、本発明の画像処理装置は、前記画像処理装置において、カーソルを用いて、断面画像上のカーソル下の領域を関心領域に指定する操作または関心領域から除外する操作を受け付ける操作受付部を更に備え、関心領域設定部は、操作受付部が受け付けた操作によって指定されたカーソル下の領域を関心領域に設定または関心領域から除外する画像処理装置である。
【0010】
かかる構成により、カーソル下の予め指定されたサイズの領域単位で、関心領域に指定する領域を増減させることができ、関心領域の設定が容易になるとともに、直感的に関心領域となる領域を指定することができる。
【0011】
また、本発明の画像処理装置は、前記画像処理装置において、断面画像格納部には、一の生体の、予め指定された方向における異なる位置において取得された断面を示す複数の断面画像が、取得された位置の配列順番と対応付けて格納されており、関心領域設定部は、配列順番が連続しない1以上の断面画像についてそれぞれ関心領域を設定し、1以上の断面画像に設定された関心領域に対応する領域を、この1以上の断面画像を除いた複数の断面画像の関心領域に設定する画像処理装置である。
【0012】
かかる構成により、複数の断面画像に対して、一の断面画像に設定した関心領域と同様の関心領域を容易に設定することができる。
【0013】
また、本発明の画像処理装置は、前記画像処理装置において、前記関心領域設定部は、配列順番が連続しない複数の断面画像についてそれぞれ関心領域を設定し、当該複数の断面画像で挟まれた1以上の断面画像に対して、当該1以上の断面画像を挟む配列順番の2つの断面画像に設定された関心領域を線形または関数補間して得られる領域を関心領域に設定する画像処理装置である。
【0014】
かかる構成により、1以上の断面画像に対して、この断面画像を挟む断面画像に設定されている関心領域を補間した関心領域に設定することができ、高精度な関心領域を自動設定することができる。
【0015】
また、本発明の画像処理装置は、前記画像処理装置において、関心領域設定部は、一の断面画像に設定された関心領域と同じ領域を、この一の断面画像を除いた複数の断面画像の関心領域に設定する画像処理装置である。
【0016】
かかる構成により、複数の断面画像に対して、一の断面画像に設定した関心領域と同じ関心領域を容易に設定することができる。
【0017】
また、本発明の画像処理装置は、前記画像処理装置において、複数の断面画像のうちの、連続して配列されている複数の断面画像の範囲を指定する情報である範囲指定情報を受け付ける範囲指定情報受付部を更に備え、関心領域設定部は、一の断面画像に設定された関心領域と同じ領域を、範囲指定情報が示す複数の断面画像の関心領域に設定する画像処理装置である。
【0018】
かかる構成により、予め指定された範囲内の複数の断面画像に対して選択的に、一の断面画像に設定した関心領域と同じ関心領域を容易に設定することができる。
【0019】
また、本発明の画像処理装置は、前記画像処理装置において、関心領域設定部の動作モードを切り替える操作を受け付けるモード操作受付部を更に備え、関心領域設定部は、予め指定された動作モード時にのみ、複数の断面画像に関心領域に設定する画像処理装置である。
【0020】
かかる構成により、予め指定された動作モード時にのみ、複数の断面画像に一の
断面画像に設定された関心領域と同様の関心領域に設定することができる。
【0021】
また、本発明の画像処理装置は、前記画像処理装置において、関心領域設定部は、断面画像の予め決められた領域を除いた領域について関心領域を設定する画像処理装置である。
【0022】
かかる構成により、関心領域内の、予め指定された領域を除いた領域内にのみ関心領域を設定することができる。
【0023】
また、本発明の画像処理装置は、前記画像処理装置において、断面画像は、PET画像である画像処理装置である。
【0024】
かかる構成により、PET画像に対して、容易にかつ高速に断面画像の評価を行うことができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明による画像処理装置によれば、簡便かつ高速に断面画像の評価を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施の形態における画像処理装置のブロック図
【図2】同動作について説明するフローチャート
【図3】同断面画像管理情報を示す図
【図4】同断面画像の表示例を示す図
【図5】同断面画像に指定された複数の不連続な領域を示す図(図5(a))、および、修正された不連続な領域を示す図(図5(b))
【図6】同関心領域管理情報を示す図
【図7】同除外領域管理情報を示す図
【図8】同関心領域管理情報を示す図
【図9】同関心領域を表示した状態の断面画像を示す図
【図10】同範囲指定情報を受け付けるための入力画面を示す図
【図11】同関心領域管理情報を示す図
【図12】同測定取得値管理情報を示す図
【図13】同出力例を示す図
【図14】本発明の実施の形態におけるコンピュータシステムの外観の一例を示す図
【図15】同構成の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、画像処理装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
【0028】
(実施の形態)
図1は、本実施の形態における画像処理装置1のブロック図である。
画像処理装置1は、断面画像格納部11、操作受付部12、関心領域設定部13、モード操作受付部14、範囲指定情報受付部15、評価値取得部16、評価値出力部17、断面画像出力部18、関心領域管理情報格納部19を備える。
【0029】
断面画像格納部11には、1以上の断面画像が格納される。断面画像とは、生体の断面を示す画像である。断面画像は、通常、スライスと呼ばれる。生体とは、例えば、人体や動物である。断面画像格納部11には、一の生体の複数の箇所について取得した複数の断面画像が格納されていても良い。例えば、断面画像格納部11には、一の生体の、予め指定された方向における異なる位置において取得された断面を示す画像が、取得された位置の配列順番と対応付けて格納されていてもよい。配列順番と対応付けて格納されるということは、配列順番に従って、断面画像が並べて格納されていることであっても良いし、配列順番を示す番号等の情報と、断面画像とが対応付けて格納されていることであっても良い。予め指定された方向とは、例えば、生体の身長方向(高さ方向)である。例えば、予め指定された方向は、生体の上から下に向かう方向であっても良いし、下から上に向かう方向であってもよい。ただし、身長方向に垂直な方向等の他のどのような方向であっても良い。異なる位置とは、ここでは、異なる複数の位置を意味する。異なる位置は、通常は、身長方向等の予め指定された方向において予め指定された間隔を隔てて配列された複数の位置である。但し、予め特定されている複数の位置であっても良い。予め指定された方向が身長方向である場合の断面は、例えば、生体の身長方向に垂直な断面である。なお、一の断面画像をxy平面であると考えた場合、異なる位置で取得された断面画像は、一の断面画像を、z軸方向に移動させて得られる断面画像であると考えて良い。つまり、z軸の値が異なる平面で切断した断面画像と考えてよい。
【0030】
断面画像とは、例えば、放射線を使用する単光子放出コンピュータ断層撮影装置(SPECT)で撮影されたSPECT画像や、陽電子放出断層撮影装置(PET)で撮影されたPET画像である。また、その他として、X線CT、磁気共鳴イメージング装置(MRI)、超音波診断装置等で取得された生体の断面画像であってもよい。断面画像はこれらの測定値またはその測定値を補正した値等を、色の値に置き換えて画像にしたものである。ここでは、測定によって取得された測定値あるいはその測定値を補正した値を、測定取得値と呼ぶ。例えば、画素の色の値とは、例えば、画素の色相値や、輝度値、彩度値、RGB値等の色の値や、グレースケールや単色グラデーションの階調値等や、これらの2以上の組合せである。PET画像やSPECT画像のような、いわゆるトレーサと呼ばれる放射性医薬品を生体に投与して撮影された断面画像は、生体内の各部位において測定されたトレーサ等の集積量や濃度等を示す測定取得値を、予め指定された条件に従って色の値に変換して画像にしたものである。予め指定された条件に従って変換するとは、例えば、画素の色の値と、測定取得値の範囲とを対応付けて有する変換テーブルを用いて、各部位の測定取得値を色の値に変換することである。また、同様の変換を行う変換式等を用いて変換を行うことであっても良い。例えば、各画素の色と、各画素に対応する測定取得値の色の値とが、比例関係を有するように変換しても良い。断面画像の各画素の色の値は、例えば、生体の断面における各画素に対応する各部位において取得されたトレーサの集積量や濃度等の測定取得値を示すものであることから、各画素の色の値は、各画素の測定取得値と対応付けられていると考えても良い。従って、各画素の色の値から、各画素に対応する測定取得値を取得することができる。
【0031】
また、断面画像格納部11には、断面画像の各画素自身とこの画素に対応する測定取得値等とを、各断面画像と対応付けた情報(以下、測定取得値管理情報と称す)が格納されても良い。例えば、測定取得値管理情報は、断面画像と、断面画像を構成する各画素の座標と、各画素に対応する測定取得値と、を対応付けて有する情報である。各画素に対応する測定取得値とは、生体内の断面における各画素に対応する各部位において取得された測定取得値である。このような測定取得値管理情報を用いることで、断面画像の各画素に対応する測定値取得値を取得することが可能となる。
【0032】
なお、測定値の補正値とは、撮影装置等が取得した各部位の測定値に対して予め指定された補正を行った値である。測定値の補正値とは、例えば、測定値を、トレーサの投与量や、被検者の体重等で補正した値であっても良い。また、撮影装置間の測定値のばらつきを補正したものであっても良い。また、測定値の補正値は、測定値に対して補正や標準化や正規化等の予め指定された処理を行うことで得られた値であっても良い。測定値の補正値としては、例えば、PET画像やSPECT画像においては、撮影装置が取得した各部の測定値(トレーサの集積量を示す値)を、トレーサの投与量と被検者の体重とで標準化した値であるSUV(standardized uptake value)と呼ばれる値が通常用いられる。
【0033】
なお、測定取得値を色の値に置き換えた断面画像の代わりに、同じ値の範囲の測定取得値と対応付けられた画素の分布を等高線として表した断面画像が、断面画像格納部11に格納されるようにしても良い。なお、生体の断面画像を取得する処理等は公知の技術であるので、詳細な説明は省略する。
【0034】
断面画像格納部11は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。かかることは、他の格納部においても同様である。
【0035】
操作受付部12は、断面画像について、1以上の関心領域となる領域を指定する操作、または断面画像上の関心領域から一部の領域を除外する操作の少なくとも一方を受け付ける。関心領域(ROI)とは、例えば、断面画像内の、ユーザが興味を有する領域である。関心領域は、観察や監視等の対象となる領域と考えても良い。操作受付部12は、ユーザから入力デバイス等を介して入力される操作を受け付ける。操作受付部12が受け付ける一の関心領域となる領域を指定する操作は、断面画像について、一の関心領域となる複数の不連続な領域を指定する操作である。不連続な領域とは、断面画像における、各領域が一の画素または隣接した2以上の画素で構成される複数の領域であって、異なる領域を構成する画素同士が全く隣接していない領域である。画素同士が隣接するということは、通常は、画素の辺同士が隣接していることを意味する。なお、画素の角同士が隣接している場合は、画素同士が隣接していると考えるようにしても良いし、隣接していないと考えるようにしても良い。ここでは、不連続な領域として、例えば、断面画像の、ユーザによって病変と疑われる領域が指定される。なお、操作受付部12は、一の連続する領域を関心領域に指定する操作等も受け付けるようにしても良い。
【0036】
操作受付部12は、例えば、断面画像格納部11に格納されている断面画像に対して、ユーザが設定しようとする1以上の関心領域ごとに、複数の不連続な領域を指定する操作を受け付ける。一の不連続な領域を指定する操作は、例えば、断面画像上の隣接している画素で構成される領域の輪郭を指定する操作である。例えば、領域の輪郭となる矩形や円形や自由形状等の画素を指定する操作や、輪郭となる多角形の頂点の画素を指定する操作である。輪郭を指定する操作は、輪郭を構成する画素間の境界線を指定する操作であっても良い。例えば、操作受付部12が受け付ける一の関心領域を指定する操作は、一の断面画像上において、不連続な複数の領域を囲い、その上で、この囲った複数の領域を一の関心領域として指定する操作や、一の断面画像上において、一の関心領域として指定する不連続な複数の領域を囲っていく操作である。また、後述するような、関心領域に含めようとする画素をカーソル等で指定していく操作であってもよい。
【0037】
また、操作受付部12は、例えば、断面画像について予め設定された複数の不連続な領域の中から、関心領域に設定したい複数の領域を指定する操作を1以上の関心領域ごとに受け付けても良い。予め設定された複数の不連続な領域は、上述したような操作受付部12が受け付けた操作によって指定された領域であっても良いし、断面画像から、画素の色の値、あるいは画素に対応付けられた測定取得値が、予め指定された閾値以上である連続した画素の群を、それぞれ不連続な領域として自動選択することにより設定された領域であっても良い。この閾値は、適宜ユーザが変更可能なものとしてもよい。この自動選択する処理は、画像処理装置1の図示しない処理部や後述する関心領域設定部13等により行うようにすればよい。なお、予め指定された閾値以上の画素の値で構成される不連続な領域を、断面画像において選択する処理は、画像処理の技術としては公知であるので、ここでは詳細な説明は省略する。予め設定された複数の不連続な領域を示す情報は、例えば、図示しない記憶媒体等に断面画像と対応付けて格納されるようにすればよい不連続な領域を示す情報は、例えば、不連続な領域の輪郭となる各画素の識別情報(例えば、座標値)や、不連続な領域を構成する各画素の識別情報(例えば、座標値)である。
【0038】
また、操作受付部12が受け付ける断面画像上の関心領域から一部の領域を除外する操作は、例えば、既に指定されている関心領域に含まれることとなる複数の不連続な領域から、除外する領域を指定する操作である。この操作は、不連続な領域単位で、除外する領域を指定する操作であっても良いし、複数の不連続な領域のうちの1以上について、不連続な領域の一部を除外する操作である。つまり、一の不連続な領域から、少なくとも一部の領域を取り除く処理であっても良い。一の不連続な領域から、少なくとも一部の取り除く範囲を指定する操作は、例えば、上記の不連続な領域を指定する操作と同様である。
【0039】
また、操作受付部12は、カーソルを用いて、断面画像上のカーソル下の領域を関心領域に指定する操作または関心領域から除外する操作を受け付けるようにしてもよい。カーソルとは、画面上のポインタ等と考えても良い。また、タッチパネル等における指やペンで指し示す位置や領域もここではカーソルと考える。ここでの一の関心領域を指定する操作は、上記と同様に、複数の不連続な領域で構成される一の関心領域を指定する操作である。カーソル下の領域とは、カーソル下となった領域や、カーソルが通過した領域と考えて良い。カーソル下の領域とは、例えば、カーソルでなぞった領域である。ここで受け付ける操作は、断面画像上の、関心領域に含めようとする画素、あるいは関心領域から除外しようとする画素を順次指定していく操作と考えても良い。ここでのカーソル下の領域とは、例えば、予め指定された状態下において、カーソル下となった領域と考えても良い。例えば、マウスボタン等やタブレット(ペンタブレットとも呼ばれる)等のスタイラスペンが押下された状態でカーソル下となった領域とすることが、不連続な領域を指定できるようにするうえで好ましい。また、タッチパネル等に指やペン等が押しつけられた状態でカーソル下となった領域と考えても良い。例えば、マウスボタンが押された状態でカーソルでなぞった領域が、一の不連続な領域となる。
【0040】
ここで述べるカーソルとは、例えば、1画素以上の予め指定されたサイズおよび形状を有するカーソルである。また、サイズまたは大きさが可変であるカーソルでも良い。例えば、カーソルとして、サイズや形状が、ユーザの指示等に応じて切り替えられるものや、ユーザの指示等に応じて1画素からn画素(nは2以上の整数)までサイズが可変となるカーソルであることが好ましい。これらのようなカーソルは、通常、ブラシカーソルと呼ばれる。カーソルのサイズが可変である場合、入力デバイスが感圧式の入力デバイス、例えば、タブレットやタッチパッド等である場合、押される圧力によって、カーソルのサイズを変更することが直感的な操作を実現するうえで好ましい。
【0041】
操作受付部12は、例えば、カーソル下の領域を、関心領域を構成する不連続な領域として指定する操作を受け付ける。ここでの、カーソル下の領域を不連続な領域に指定する操作は、例えば、上述した不連続な領域の輪郭を指定する操作の代わりに利用される。例えば、カーソルが通過した領域(カーソルでなぞった領域)のうちの連続している領域が、それぞれ、不連続な領域として指定されることとなる。
【0042】
また、操作受付部12は、例えば、カーソル下の領域を、関心領域を構成する不連続な領域から除外する操作を受け付ける。ここでの、不連続な領域から除外する操作は、例えば、上述したような、一の不連続な領域から取り除く範囲を指定する操作の代わりとして用いられる。例えば、一の不連続な領域内のカーソルで通過した領域が、不連続な領域から除外される。
【0043】
なお、操作受付部12は、上記以外の操作を受け付けても良い。ここでの受け付けとは、キーボードやマウス、タブレット、タッチパネルなどの入力デバイスから入力された情報の受け付け、有線もしくは無線の通信回線を介して送信された情報の受信、半導体メモリなどの記録媒体から読み出された情報の受け付けなどを含む概念である。入力手段は、キーボードやマウスやタッチパネルやタブレットやメニュー画面によるもの等、何でも良い。操作受付部12は、テンキーやキーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現され得る。
【0044】
関心領域設定部13は、断面画像について、複数の不連続な領域を有する関心領域(ROI)を1以上設定する。関心領域設定部13が設定する一の関心領域は、具体的には、複数の不連続な領域を含むものとなる。関心領域を設定するということは、例えば、関心領域を示す情報を取得することである。関心領域設定部13は、例えば、設定した関心領域を管理する情報を、例えば、後述する関心領域管理情報格納部19等に蓄積する。
【0045】
関心領域設定部13は、例えば、操作受付部12により指定された領域を関心領域に設定する。具体的には、操作受付部12により指定された複数の不連続な領域を、一の関心領域に設定する。例えば、関心領域設定部13は、操作受付部12が受け付けた操作によって指定されたカーソル下の領域を関心領域に設定してもよい。また、関心領域設定部13は、操作受付部12が受け付けた操作によって指定されたカーソル下の領域を、既に設定されている関心領域から除外するようにしてもよい。
【0046】
一の関心領域を設定するということは、例えば、一の関心領域となる複数の不連続な領域に含まれる全ての画素の識別情報(例えば、座標値)を一群としてまとめた情報を、例えば、一の関心領域の識別情報(以下、関心領域識別情報と称す)と対応付けて蓄積することである。また、一の関心領域に設定するということは、例えば、一の関心領域の関心領域識別情報等と、一の関心領域が有する複数の不連続な領域を示す情報とを、図示しない記憶媒体等に蓄積することであると考えても良い。不連続な領域を示す情報とは、例えば、不連続な領域の輪郭を示す1以上の画素の識別情報(例えば、座標値)や、不連続な領域に含まれる全ての画素の識別情報(例えば、座標値)等である。また、不連続な領域を管理する情報として、不連続な領域ごとに、不連続な領域の識別情報と、不連続な領域の輪郭を示す1以上の画素の識別情報または不連続な領域に含まれる1以上の画素の識別情報と、を有する情報等が生成されて図示しない記憶媒体等に蓄積される場合、不連続な領域を示す情報として、不連続な領域の識別情報を用いても良い。
【0047】
また、関心領域設定部13は、操作受付部12により指定された領域を関心領域に設定する代わりに、断面画像の画素の色の値を用いて、複数の不連続な領域を含む関心領域を、1以上自動設定するようにしてもよい。例えば、上述したように、画素の色の値(例えば、色相値や、輝度値や、階調値等)が予め指定された閾値以上である連続した1以上の画素で構成される画素群を、それぞれ不連続な領域として、一の断面画像から複数検出し、検出した不連続な領域のうちの複数を、関心領域に設定するようにしても良い。例えば、一の断面画像から検出された複数の不連続な領域を一の関心領域に設定するようにしても良い。あるいは、領域間の間隔(あるいは距離)が予め指定された距離未満の不連続な領域同士を、順次、関心領域に設定するようにしても良い。
【0048】
また、断面画像格納部11に、一の生体の、予め指定された方向における異なる位置において取得された断面を示す複数の断面画像が格納されている場合、関心領域設定部13は、配列順番が連続しない1以上の断面画像に関心領域を設定し、この1以上の断面画像に設定された関心領域と対応する領域を、この1以上の断面画像を除いた複数の断面画像の関心領域に設定するようにしても良い。例えば、配列順番が連続しない1以上の断面画像に対して、上述したようなユーザの操作に応じて設定した関心領域を、他の断面画像に自動設定するようにして良い。また、例えば、配列順番が連続しない1以上の断面画像に対して、上述したように自動設定した関心領域を、他の断面画像に自動設定するようにして良い。ここでの、「異なる位置において取得された断面画像」は、一の生体について同じタイミング(例えば、同日の一の時間帯)において順次取得された断面画像であることが好ましい。かかることは、以下においても同様である。また、ここでの「1以上の断面画像を除いた複数の断面画像」とは、具体的には、上記の異なる位置において取得された複数の断面画像のうちの1以上の断面画像である。
【0049】
例えば、断面画像格納部11に格納されている配列順番が連続しない複数の断面画像に対して、上述したようなユーザの操作や自動処理等によってそれぞれ関心領域が設定されている場合において、関心領域設定部13は、これらの複数の断面画像の間の配列順番の1以上の断面画像に対して、この1以上の断面画像を挟む配列順番の2つの断面画像にそれぞれ設定された2つの関心領域を、線形補間又は関数補完した関心領域を自動設定するようにしても良い。この設定は、例えば、ユーザ等の指示に応じて行われる。例えば、配列順番が「1番」である断面画像と、配列順番が「4番」である断面画像とに、関心領域Aという関心領域と、関心領域Bという関心領域とがそれぞれ設定されている場合において、ユーザが、関心領域を自動設定する指示等を、図示しない受付部等に対して与えたとすると、関心領域設定部13は、配列順番が「1番」と「4番」との間の断面画像である配列順番が「2番」である断面画像と、配列順番が「3番」である断面画像とを、断面画像格納部11において検出する。そして、関心領域Aの形状と関心領域Bの形状とを2段階で補間する形状を示す情報を取得して、取得した形状を示す情報のうちの、関心領域A側の順番の形状が示す領域を、配列順番が「2番」である断面画像の関心領域に設定し、関心領域B側の順番の形状が示す領域を、配列順番が「3番」である断面画像の関心領域に設定する。例えば、関心領域Aが矩形であり、関心領域Bが、関心領域と中心位置が同じとなる位置に配置された関心領域Aを縮小した矩形であるとすると、配列順番が「2番」と配列順番が「3番」の断面画像には、関心領域Aの矩形を、同じ位置において関心領域Bの矩形になるまでに、2段階で縮小した矩形の領域が、関心領域としてそれぞれ設定される。なお、2つの形状を段階的に補間する、1以上の形状を取得する処理は、例えば、ベクターグラフィックス作成ソフトウェアの技術等において、いわゆるオブジェクトのブレンドと呼ばれる技術として公知である。(参考文献:"ブレンドオブジェクトについて"、[online]、[平成23年8月4日検索]、インターネット<URL:http://help.adobe.com/ja_JP/Illustrator/14.0/WS714a382cdf7d304e7e07d0100196cbc5f-6441a.html>)。
【0050】
また、例えば、断面画像格納部11に、一の生体の、予め指定された方向における異なる位置において取得された断面を示す複数の断面画像が格納されている場合、関心領域設定部13は、一の断面画像に設定された関心領域と同じ領域を、これらの異なる位置において取得された複数の断面画像のうちの、この一の断面画像を除いた1以上の断面画像の関心領域に設定するようにしても良い。同じ領域とは、例えば、形状、サイズ、および断面画像に対して配置されている位置が一致する領域である。ここで述べる一の断面画像は、操作受付部12等を介してユーザにより指定された一の断面画像であっても良いし、現在、図示しないモニタ等に表示中の断面画像であってもよい。一の断面画像に設定された関心領域と同じ領域を、他の断面画像の関心領域に設定するということは、例えば、一の断面画像の関心領域を構成する複数の画素のそれぞれと、同じ座標に位置する(即ち、座標値が一致する)他の断面画像の複数の画素を、新たな関心領域に設定することである。あるいは、一の断面画像の関心領域の輪郭を構成する複数の画素のそれぞれと、同じ座標に位置する(即ち、座標値が一致する)他の断面画像の複数の画素を、新たな関心領域の輪郭の画素に設定することであってもよい。つまり、関心領域を複写することと考えても良い。このようにすることで、一の断面画像の関心領域と同じ領域に、他の断面画像の関心領域を容易に設定できる。更に、断面画像ごとに、一つずつ関心領域を設定するのではなく、複数の断面画像に、関心領域を一度に設定できるため、操作の利便性が大きく向上する。なお、新たな関心領域を設定する代わりに、一の関心領域に、新たな関心領域を構成する複数の不連続な領域を追加するようにしても良い。
【0051】
また、断面画像格納部11に、一の生体の、予め指定された方向における異なる位置において取得された断面を示す複数の断面画像が格納されている場合、関心領域設定部13は、一の断面画像に設定された関心領域と同じ領域を、これらの異なる位置において取得された複数の断面画像の全ての関心領域として設定するようにしても良い。ここでの全ての断面画像とは、一の断面画像と同じ被検者等に対応付けられた全ての断面画像と考えても良い。
【0052】
また、断面画像格納部11に、一の生体の、予め指定された方向における異なる位置において取得された断面を示す複数の断面画像が、取得された位置の配列順番と対応付けて格納されている場合、関心領域設定部13は、一の断面画像に設定された関心領域と同じ領域を、これらの異なる位置において取得された複数の断面画像のうちの予め指定されたルールによって決定される複数の断面画像の関心領域に設定するようにしても良い。予め指定されたルールとは、例えば、一の断面画像に対して、予め指定された位置関係にある複数の断面画像に関心領域を設定するというルールである。予め指定された位置関係とは、一の断面画像に対して、n枚(nは1以上の自然数)だけ前または後の断面画像を最後尾または最前列とした、予め指定された枚数だけの複数の断面画像に関心領域を設定するというルールである。ここでの前後とは、後述する断面画像の配列順番における順番である。
【0053】
また、断面画像格納部11に、一の生体の、予め指定された方向における異なる位置において取得された断面を示す複数の断面画像が、取得された位置の配列順番と対応付けて格納されている場合、関心領域設定部13は、一の断面画像に設定された関心領域と同じ領域を、これらの異なる位置に置いて取得された複数の断面画像のうちの、後述する範囲指定情報が示す複数の断面画像の関心領域に設定するようにしても良い。例えば、上述したように、断面画像格納部11に、一の生体の、予め指定された方向(例えば、z軸方向)における異なる位置において取得された断面を示す複数の断面画像が、取得された位置の配列順番と対応付けて格納されている場合、配列順番が、範囲指定情報が示す範囲である複数の断面画像に、一の断面画像に設定されている関心領域と同じ領域の関心領域を設定する。
【0054】
このようにすることで、一の断面画像の関心領域と同じ領域に、他の断面画像の関心領域を容易に設定できる。更に、断面画像ごとに、一つずつ関心領域を設定するのではなく、範囲指定情報が示す範囲の複数の断面画像に、関心領域を一度に設定できるため、操作の利便性が大きく向上する。本実施の形態においては、範囲指定情報が示す範囲の断面画像の、一の断面画像の関心領域と同じ領域に、関心領域を設定できるようにした場合を例に挙げて説明する。
【0055】
なお、関心領域設定部13は、例えば、予め指定された動作モード時にのみ、上記のように範囲指定情報が示す範囲の複数の断面画像に関心領域を設定するようにしてもよい。予め指定された動作モードは、例えば、各断面画像が、xy平面に含まれる画像であるとした場合、z軸方向に関心領域を設定していくモードと考えても良い。例えば、この動作モードを、ここでは、z方向拡張モードと呼ぶ。
【0056】
関心領域設定部13は、断面画像の予め決められた領域を除いた領域について関心領域を設定するようにしてもよい。例えば、予め指定されている領域と重なる領域またはその一部については、操作受付部12により指定された不連続な領域(あるいは、自動で検出された不連続な領域)であっても、関心領域に設定しないようにしても良い。除外の対象となる予め決められた領域(以下、除外領域と称す)については、予めその輪郭の座標や、その領域の画素の座標等が、除外領域格納部20に予め蓄積されているようにしても良い。関心領域設定部13は、結果的に予め決められた領域を除いた領域を関心領域に設定できればよい。例えば、操作受付部12が受け付けた操作で指定される領域のうちの、最初から予め決められた領域と重なる部分については、関心領域設定部13が指定を受け付けないようにしても良いし、操作受付部12が受け付けた操作で指定される領域から、予め指定された除外される領域と重なる部分を除外しても良い。
【0057】
なお、除外領域は、断面画像ごとに予め対応付けられていてもよい。例えば、各除外領域を指定する情報と、除外領域が適用される1以上の断面画像を指定する情報(例えば、断面画像の識別情報等)とが対応付けられて除外領域格納部20に格納されていても良い。また、除外領域を指定する情報と、除外領域が適用される1以上の断面画像が取得される生体内における位置を示す情報とが対応付けて、除外領域格納部20に格納されていてもよい。例えば、関心領域設定部13は、各断面画像ごとに、断面画像に対応付けられた除外領域を示す情報を取得して、この取得した情報が示す領域には、関心領域を設定しないようにしても良い。また、この除外の対象となる領域は、断面画像が取得される生体の位置と対応付けられていても良い。例えば、関心領域設定部13は、各断面画像ごとに、断面画像が取得された位置に対応付けられた除外の対象となる領域を示す情報を取得して、この取得した情報が示す領域には、関心領域を設定しないようにしても良い。
【0058】
また、除外の対象となる予め決められた領域の形状や輪郭を示す1以上の画像等を、予め図示しない記憶媒体等に蓄積しておくようにし、パターンマッチングにより、この画像と一致すると判断された断面画像上の領域を除外の対象としても良い。
【0059】
本実施の形態においては、除外領域を指定する情報が、後述する除外領域格納部20に予め格納されており、この除外領域と重なる部分を、関心領域から除外する場合を例に挙げて説明する。
【0060】
関心領域設定部13は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。関心領域設定部13の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0061】
モード操作受付部14は、関心領域設定部13の動作モードを切り替える操作を受け付ける。例えば、モード操作受付部14は、動作モードを上述したz方向拡張モードに切り替える操作や、その他の動作モードに切り替える操作を受け付ける。その他の動作モードは、例えば、上述したような範囲指定情報が示す範囲の複数の断面画像に関心領域を設定できない動作モードである。
【0062】
動作モードを切り替える操作の入力手段は、テンキーやキーボードやマウスやメニュー画面によるもの等、何でも良い。モード操作受付部14は、テンキーやキーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現され得る。
【0063】
範囲指定情報受付部15は、断面画像格納部11に、一の生体の、予め指定された方向(z軸方向)における異なる位置において取得された断面を示す複数の断面画像が、取得された位置の配列順番と対応付けて格納されている場合において、範囲指定情報を受け付ける。範囲指定情報は、取得された位置の配列順番と対応付けて格納されている複数の断面画像のうちの、連続して配列されている複数の断面画像を指定する情報である。範囲指定情報は、例えば、連続して配列されている複数の断面画像のうちの開始点となる断面画像を指定する情報と、終了点となる断面画像を指定する情報とで構成される。あるいは、開始点(または終了点)となる断面画像と、その開始点から(または終了点に至るまでに)取得する断面画像の枚数を示す情報であっても良い。開始点や終了点を指定する情報は、例えば、開始点や終了点となる断面画像の識別情報である。断面画像の識別情報は、例えば、断面画像の取得された位置の配列順番を示す数字または文字列や、断面画像のファイル名や、断面画像が取得された日時を示す情報や、断面画像に割り当てられた固有の文字列等である。
【0064】
範囲指定情報受付部15は、動作モードがz方向拡張モードである場合にのみ、範囲指定情報を受け付けるようにすることが好ましい。例えば、動作モードがz方向拡張モードである場合にのみ、範囲指定情報を受け付けるための入力インターフェースが表示されるようにしても良い。
【0065】
範囲指定情報の入力手段は、テンキーやキーボードやマウスやメニュー画面によるもの等、何でも良い。範囲指定情報受付部15は、テンキーやキーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現され得る。
【0066】
評価値取得部16は、各関心領域ごとに、測定値を用いて評価値を取得する。評価値は、各関心領域を評価するための値である。評価値は、ユーザが各関心領域を評価するために用いる値と考えても良い。ここでの評価とは、例えば、各関心領域が病変の箇所を含む関心領域であるか否かを判断することである。測定値とは、断面画像を得るために行われた測定により得られた値である。例えば、PET画像においては、測定値は、トレーサ等の濃度や蓄積量である。測定値を用いて評価値を取得する、ということは、例えば、測定値を補正した値を用いて評価値を取得することや、測定値に対応する画素の色の値を用いて評価値を取得することも含む概念である。測定値を用いて評価値を取得するということは、例えば、測定取得値を用いて評価値を取得するということである。評価値取得部16は、例えば、各関心領域に含まれる画素に対応付けられた測定取得値を用いて評価値を取得する。評価値は、例えば、各関心領域に含まれる画素に対応付けられた測定取得値の平均値や、最大値、最小値、標準偏差等である。また、断面画像においては、各画素の色の値は評価値に対応しているため、評価値は、各関心領域に含まれる画素の色の値の平均値や、最大値、最小値、標準偏差等であってもよい。どのような評価値を取得するかについては、測定取得値がどのような測定の種類によって取得された値であるかということや、ユーザがどのような評価を行うか等により決定されるようにしても良い。また、一の関心領域から、異なる2以上の種類の評価値を取得してもよい。
【0067】
評価値取得部16は、例えば、各関心領域に含まれる1以上の画素に対応する測定取得値を用いて評価値を取得する。画素に対応する測定取得値とは、例えば、上述したような各画素の色の値と対応付けられている測定取得値や、各画素自身と対応付けられた測定取得値である。各画素自身と測定取得値が対応付けられているとは、例えば、各断面画像と各画素の座標と測定取得値とを対応付けて有する測定取得値管理情報が、図示しない記憶媒体等に蓄積されていることである。画素に対応する測定取得値を用いて評価値を取得するということは、例えば、各関心領域に含まれる各画素の色の値に対応する測定取得値を取得して、この測定取得値を用いて評価値を取得することや、各関心領域に含まれる各画素自身と対応付けられた(具体的には、各画素の座標と対応付けられた)測定取得値を取得して、この測定取得値を用いて評価値を取得することである。
【0068】
例えば、各関心領域に含まれる各画素の色の値に対応する測定取得値を取得して、この測定取得値を用いて評価値を取得する場合、評価値取得部16は、まず、予め用意されている断面画像の各画素の色の値と、集積したトレーサ等の量や濃度を示す測定取得値とを対応付けた情報等から、各画素の色の値に対応した測定取得値を取得する。この情報としては、測定取得値から画素の色の値を取得する際に用いた変換テーブルと同様のものが利用可能である。あるいは、評価値取得部16は、各画素の色の値から、予め用意されている画素の色と測定取得値との対応関係を示す演算式等を用いて、これらの測定取得値を取得しても良い。この演算式は、測定取得値から画素の色の値を算出する際に利用した変換式が行う変換の逆変換を行う変換式が利用可能である。各画素の色の値と、測定取得値とが、比例関係にある場合、評価値取得部16は、各画素の色の値に比例する測定取得値を取得しても良い。そして、このようにして取得した各関心領域を構成する各画素の測定取得値を用いて、評価値(例えば、測定取得値の最大値等)を各関心領域ごとに取得する。
【0069】
また、測定取得値管理情報によって、断面画像の各画素自身と測定取得値とが対応付けられている場合、評価値取得部16は、各関心領域に含まれる各画素自身と対応付けられた測定取得値を取得して、これらの測定取得値を用いて最大値等の評価値を取得してもよい。例えば、各断面画像を構成する各画素の座標と測定取得値とを対応付けて有する測定取得値管理情報が、断面画像格納部11に格納されている場合、評価値取得部16は、各関心領域に含まれる各画素の座標に対応する測定取得値を測定取得値管理情報から各関心領域ごとに取得する。そして、各関心領域ごとに取得した測定取得値を用いて、各関心領域の評価値(例えば、測定取得値の最大値等)を取得する。
【0070】
評価値取得部16は、断面画像がPET画像等である場合、例えば、一の関心領域に含まれる各画素に対応付けられた測定取得値であるSUVを用いて評価値を取得する。PET画像においては、通常、各関心領域についての評価値として、各関心領域に含まれる複数の画素にそれぞれ対応するSUVのうちの最大値が用いられる。
【0071】
評価値取得部16は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。評価値取得部16の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0072】
評価値出力部17は、評価値取得部16が取得した評価値を出力する。評価値出力部17は、例えば、各関心領域について評価値取得部16が取得した評価値を、関心領域と対応付けて出力する。例えば、関心領域の識別情報と、評価値とを対応付けて出力する。評価値出力部17は、通常、評価値の出力を指示する操作を操作受付部12等が受け付けた場合に、評価値を出力する。ここでの出力とは、ディスプレイへの表示、プロジェクターを用いた投影、プリンタへの印字、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどを含む概念である。
【0073】
評価値出力部17は、ディスプレイ等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。評価値出力部17は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
【0074】
断面画像出力部18は、断面画像を出力する。例えば、操作受付部12に操作を受け付ける際に、断面画像を出力する。断面画像出力部18の出力とは、例えばモニタ等への表示である。断面画像出力部18は、ディスプレイ等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。断面画像出力部18は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
【0075】
関心領域管理情報格納部19には、関心領域設定部13が設定した関心領域を管理する関心領域管理情報が格納される。関心領域管理情報は、例えば、関心領域の領域を指定する情報と、関心領域の設定された断面画像の識別情報とが対応付けて蓄積される。断面画像の識別情報は、結果的に断面画像が特定可能な情報であればよい。また、関心領域管理情報には、関心領域の識別情報等が更に格納されても良い。関心領域の領域を指定する情報は、関心領域設定部13が設定する関心領域を構成する複数の不連続な領域が指定可能な情報であればよく、例えば、関心領域を構成する複数の不連続な領域の輪郭を構成する複数の画素の座標等の情報であっても良いし、複数の不連続な領域に含まれる全ての画素の座標の情報であっても良い。また、これ以外の通常の画素の領域を指定可能な情報を用いても良い。断面画像の識別情報は、結果的に断面画像が特定可能な情報であればよい。
【0076】
除外領域格納部20には、除外の対象となる予め決められた領域である除外領域を指定する情報が格納される。除外領域を指定する情報は、例えば、除外領域の輪郭を構成する複数の画素の座標等の情報であっても良いし、除外領域に含まれる全ての画素の座標の情報であっても良い。除外領域格納部20には、各除外領域を指定する情報と、除外領域が適用される1以上の断面画像を指定する情報(例えば、断面画像の識別情報等)とが対応付けて格納されていても良い。また、除外領域格納部20には、各除外領域を指定する情報と、除外領域が適用される1以上の断面画像が取得される生体内における位置を示す情報とが対応付けて管理されていてもよい。断面画像が取得される位置を示す情報とは、例えば、上述したような一の生体の予め指定された方向において取得される断面画像の配列順番を示す情報であっても良い。
【0077】
次に、画像処理装置1の動作について図2のフローチャートを用いて説明する。
【0078】
(ステップS201)操作受付部12は、一の断面画像を表示する指示を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合、ステップS202に進み、受け付けていない場合、ステップS216に進む。
【0079】
(ステップS202)断面画像出力部18は、ステップS201で受け付けた指示が示す断面画像を断面画像格納部11から読み出し、図示しないモニタ等に表示する。
【0080】
(ステップS203)操作受付部12は、ステップS202で表示された断面画像に対する不連続な領域を指定する操作を受け付けたか否かを判断する。例えば、マウスボタン等が押下された状態において、領域を指定するためのカーソル等で断面画像上の領域をなぞる操作を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合、ステップS204に進み、受け付けていない場合、ステップS205に進む。
【0081】
(ステップS204)操作受付部12は、ステップS203で受け付けた操作に応じて不連続な領域の指定を受け付ける。例えば、カーソルでなぞられた領域の輪郭を示す画素の座標や、カーソルでなぞられた領域に含まれる画素の座標等の領域を指定する情報を受け付ける。受け付けた領域を指定する情報は、例えば、図示しないメモリ等に一時記憶される。なお、既にカーソルでなぞられている領域と、新たにカーソルでなぞった領域とが重なる場合、重なった領域同士を、一の不連続な領域に指定する情報を取得する。なお、断面画像の指定を受け付けた領域上には、指定された領域であることを示す色をオーバーレイ表示しても良い。あるいは、この領域の周囲を点線等の画像で囲むようにしても良い。そして、ステップS203に戻る。
【0082】
(ステップS205)操作受付部12は、断面画像のステップS204で指定された不連続な領域から、少なくとも一部の領域を削除する操作を受け付けたか否かを判断する。例えば、マウスボタン等が押された状態において、領域を削除するためのカーソル等で断面画像上の領域をなぞる操作を受け付けたか否かを判断する。領域を指定するためのカーソルと、領域を削除するためのカーソルとは、例えば、図示しないメニュー画面等を操作することで、切り替えられるようにしても良いし、何らかのキー(例えば、SHIFTキー等)を押した状態であるか否かによって、切り替えられるようにしても良い。削除する操作を受け付けた場合、ステップS206に進み、受け付けていない場合、ステップS207に進む。なお、同一のカーソルを用いて、左マウスボタンをクリックした状態でカーソルを移動させた場合に、領域が指定され、右マウスボタンをクリックした状態でカーソルを移動させた場合に、移動により指定された範囲の領域が削除されるようにしても良い。このようにすることで、領域を指定するモードと、領域を削除するモードとを切り替える際に、カーソルをモードを切り替えるボタン上等に移動させる必要がなくなり、操作性を向上させることができる。
【0083】
(ステップS206)操作受付部12は、既に指定されている不連続な領域から、ステップS205で受け付けた操作が示す領域と重なる部分を削除する。即ち、重なる部分の領域の指定を解除する。そして、ステップS203に戻る。
【0084】
(ステップS207)操作受付部12は、現在指定されている不連続な複数の領域を、一の関心領域に設定する指示を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合、ステップS208に進み、受け付けていない場合、ステップS211に進む。
【0085】
(ステップS208)関心領域設定部13は、現在指定されている不連続な複数の領域を一の関心領域に設定する。なお、設定後は、不連続な領域に対する指定は解除して良い。
【0086】
(ステップS209)関心領域設定部13は、ステップS208で設定した関心領域から、予め指定された除外する領域と重なる領域を削除する。なお、重なる領域がなければ、除外は行わなくて良い。除外する領域を定義する情報は、例えば、断面画像の識別情報と対応付けて、除外領域格納部20に格納しておくようにして、削除を行う断面画像に対応したものを適宜読み出すようにすればよい。
【0087】
(ステップS210)操作受付部12は、断面画像の表示を終了する操作を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合、断面画像出力部18による断面画像の表示を終了させてステップS201に戻り、受け付けていない場合、ステップS203に戻る。これにより、更に関心領域を設定することが可能となる。
【0088】
(ステップS211)モード操作受付部14は、動作モードをz方向拡張モードに切り替える操作を受け付けたか否かを判断する。なお、ここでは、デフォルトの動作モードが、z方向拡張モード以外のモードであるとする。このモードをここでは、デフォルトモードと呼ぶ。切り替える操作を受け付けた場合、動作モードをz方向拡張モードに切り替えてステップS212に進み、受け付けていない場合、ステップS210に戻る。
【0089】
(ステップS212)範囲指定情報受付部15は、範囲指定情報を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合、ステップS213に進み、受け付けていない場合、ステップS212に戻る。
【0090】
(ステップS213)関心領域設定部13は、範囲指定情報が示す範囲内の複数の断面画像に、現在表示されている断面画像の関心領域と同じ領域の関心領域をそれぞれ設定する。なお、現在表示されている断面画像に関心領域がない場合、関心領域は設定されない。
【0091】
(ステップS214)関心領域設定部13は、ステップS209と同様に、各関心領域から予め指定された除外する領域(除外領域)と重なる領域を順次削除する。
【0092】
(ステップS215)モード操作受付部14は、動作モードをデフォルトモードに切り替える。そして、ステップS203に戻る。
【0093】
(ステップS216)操作受付部12は、一の生体に対応する断面画像に対応付けられた各関心領域に対する評価値を取得する指示を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合、ステップS217に進み、受け付けていない場合、ステップS218に進む。
【0094】
(ステップS217)評価値取得部16は、各関心領域について、順番に評価値を取得する。取得した評価値は、例えば、関心領域の識別情報と対応付けて図示しない記憶媒体等に蓄積する。そして、ステップS201に戻る。
【0095】
(ステップS218)操作受付部12は、評価値を出力する指示を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合、ステップS219に進み、受け付けていない場合、ステップS201に戻る。
【0096】
(ステップS219)出力部17は、ステップS217で各関心領域について取得した評価値を出力する。なお、評価値が取得されていない場合、評価値がない旨を表示するようにしても良い。そして、ステップS201に戻る。
なお、図2のフローチャートにおいて、ステップS216の評価値の取得指示と、ステップS218の評価値の出力指示と兼用していても良い。この場合、例えば、ステップS216とステップS217とを省略し、ステップS218で出力指示を受け付けたか否かを判断し、出力指示を受け付けた場合、ステップS217の処理を行い、その後、ステップS219に進むようにすればよい。なお、
【0097】
なお、図2のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0098】
以下、本実施の形態における画像処理装置1の具体的な動作について説明する。ここでは、断面画像格納部11には、断面画像として、患者の腹部を、頭部側から脚部側に向かって所定の間隔で移動しながら、身長方向と垂直な断面で撮影した複数のPET画像が格納されているものとする。ここでは、一例として、断面画像の各画素の色の値(例えば、色相値や輝度値等)としては、生体内のトレーサの濃度の測定値を補正して得られた値であるSUV値と比例した値が設定されているものとする。SUVが、ここでは、上述した測定取得値に相当する。なお、ここでは更に、各断面画像の各画素の座標と、測定取得値であるSUVの値とを有する情報である測定取得値管理情報が、断面画像格納部11に格納されているものとする。
【0099】
図3は、断面画像格納部11に格納されている断面画像を管理する断面画像管理情報である。断面画像管理情報は、「断面管理ID」、「被検者ID」と、「取得位置」と、「断面画像」という項目を有している。「断面管理ID」は、断面画像管理情報の各レコード(行)を管理するための識別情報である。「被検者ID」は、断面画像の撮影対象となった被検者の識別情報であり、ここでは、被検者に割り当てられている文字列(数字を含む)であるとする。「取得位置」は、断面画像の取得位置を示す識別情報であり、ここでは、取得位置の順番を示す情報であり、「0001」から始まる整数の連続した番号である。値の小さいものほどより頭部側に近い位置で撮影された画像であることを示している。「取得位置」の値は、例えば、被検者が異なっていれば、重複した値を有していても良い。「断面画像」は、断面画像であり、ここでは、断面画像のファイル名を示している。
【0100】
まず、ユーザが、「被検者ID」が「PA012553」である患者の断面画像に対して、関心領域を設定するために、「被検者ID」が「PA012553」で、「取得位置」が「1」であるレコード(行)の「断面画像」である「0508001.jpg」をモニタに表示する操作を、操作受付部12に対して行ったとすると、操作受付部12は、この断面画像を表示する操作を受け付け、この断面画像「0508001.jpg」を断面画像格納部11から読み出して、モニタに表示する。
【0101】
図4は、断面画像「0508001.jpg」の表示例を示す図である。
【0102】
次に、ユーザ(例えば、医師等)が、メニュー等を操作して、関心領域を設定するための領域を指定するために用いられるカーソルを表示させる。ここでの領域を指定するためのカーソルは、例えば、予め指定された一ピクセル以上のサイズの正方形であるとする。例えば、このサイズは、一辺が4ピクセルの正方形であるとする。なお、このカーソルの形状は、円形等の他の形状であっても良い。また、カーソル自体の形状は、通常のカーソルの形状のままでも良いし、このような関心領域を設定するためのカーソルであることを示す図柄のカーソル(例えば、ブラシ形状のカーソル)であっても良い。
【0103】
そして、ユーザが、マウスボタンをクリックした状態で、図4に示した断面画像上をなぞると、なぞられた部分(つまり、カーソルが通過した領域)が、ユーザにより指定された領域となる。なぞられた領域であって、既になぞられている領域と隣接する領域は、既になぞられている領域とともに連続した一の領域となる。なお、一旦マウスボタンを放して、これまでに指定した領域から離れた位置で、再度、マウスボタンを押して断面画像上をなぞると、その領域は、これまでに指定された領域とは不連続な領域として追加されることとなる。カーソルでなぞられることによって指定された領域は、例えば、指定された領域内に含まれる全ての画素の座標(ここでは、xy座標)の値が、図示しないメモリ等に一時記憶される。また、ここでは一例として、断面画像出力部18によって、指定された領域には、予め指定された色がオーバーレイ表示される。この色は、断面画像に割り当てられる色とは、色相や輝度等が明確に異なる色等が好ましい。なお、指定された各領域の周囲に点線等を表示してもよい。なお、ここでは、ユーザにより指定された不連続な領域を、最終的には一の関心領域に設定するため、この不連続な領域のそれぞれに対して識別情報等を付与していないが、ユーザにより指定された不連続な領域同士には、必要に応じて、それぞれ識別情報を付与しても良い。なお、ユーザにより指定された領域を一時記憶したりする処理は、例えば、操作受付部12等が行う。
【0104】
図5(a)は、領域を指定するためのカーソル50aを用いて指定された、断面画像上の複数の不連続な領域を示す図である。領域51〜領域53は、ユーザにより指定された不連続な領域である。この図においては、説明のため、不連続な領域を点線で示している。なお、この図は説明のための便宜上のものであり、ここでのカーソル50と、断面画像と、不連続な領域との大きさの関係は、必ずしも正確ではない。
【0105】
ここで、ユーザが断面画像に指定した領域の一部を修正するために、メニュー等を操作して、領域を除外するためのカーソルを表示させ、マウスボタンを押した状態においてこのカーソルで、既に指定されている不連続な領域の一部をなぞると、このカーソルと重なった部分が、上記で指定された領域から指定を解除される。指定から解除された領域の画素の座標は、上記でメモリ等に一時記憶された複数の不連続な領域を構成する画素の座標から削除される。なお、ユーザにより指定された領域の一部を除外したりする処理は、例えば、操作受付部12等が行う。
【0106】
図5(b)は、領域を除外するためのカーソル50bを用いて修正された不連続な領域を示す図である。ここでは、領域51のカーソル50bでなぞられた部分の指定が解除され、領域51のサイズが縮小している。なお、図中の矢印は、カーソル50bの移動方向を示す。なお、カーソル50bは、上記のカーソル50aと異なる図柄のカーソルとすることが好ましい。ここでは、カーソル50bは、矩形の図柄の横に「−」(マイナス)の記号が表示されているものとする。
【0107】
次に、ユーザが、上記で指定した複数の不連続な領域を、一の関心領域に設定するための操作として、図4に示すような予め用意されている「ROI設定」ボタン41を、マウス等を操作して押したとすると、関心領域設定部13が、上記で指定された複数の不連続な領域を含む関心領域を設定する。ここでは、上記で指定された複数の不連続な領域の全ての画素を、領域内の画素とする一の関心領域を設定する。具体的には、関心領域設定部13は、設定された関心領域を管理するための情報である関心領域管理情報を関心領域管理情報格納部19に蓄積する。この関心領域には、例えば、予め指定されたルールに従って、関心領域の識別情報が付与される。例えば、断面画像の「取得位置」の値「0001」と、この断面画像に設定された関心領域の順番を示す連番、ここでは「1」とを、「−」(ハイフォン)でつないだ識別情報「0001−1」が付与される。また、関心領域は、この関心領域が設定された断面画像と対応付けられる。
【0108】
図6は、関心領域設定部13が設定した関心領域を管理する関心領域管理情報を示す図である。関心領域管理情報は、「断面管理ID」と、「関心領域ID」と、「領域情報」という項目を有している。「断面管理ID」は、図3の「断面管理ID」に対応する。ここでの「断面管理ID」は、関心領域が設定された断面画像を識別するための情報として用いられる。「関心領域ID」は、上述した関心領域の識別情報である。なお、この具体例においては、座標(x11,y11)等は、断面画像上の一の座標を示す座標値であるとする。
【0109】
図7は、除外領域を管理する除外領域管理情報を示す図である。除外領域管理情報は、除外領域格納部20に予め格納されているものとする。除外領域管理情報は、「取得位置」と、「除外領域」という項目を有している。「取得位置」は、図3の「取得位置」に対応する。「除外領域」は、除外領域を指定する情報であり、ここでは、除外領域に含まれる全ての画素の座標を示す。例えば、病変箇所であるか否かに関わらずPET画像を得る際に利用されるトレーサ(例えば、18F−FDG)が集積されやすい生理的集積部位を除外領域に設定する。
【0110】
関心領域設定部13は、上記で蓄積した「関心領域ID」が「0001−1」である関心領域管理情報の「断面管理ID」である「S10001」を読み出し、図3に示した関心領域管理情報から、「断面管理ID」が「S10001」であるレコードを検出し、検出したレコードの「取得位置」である「0001」を読み出す。そして、図7に示した除外領域管理情報のレコードのうちの、「取得位置」が「0001」であるレコードから、「除外領域」の値「(x101,y101)、(x102,y102)、(x103,y103)…」を読み出す。これにより、上記の関心領域を設定した断面画像に対応する除外領域を示す情報を取得することができる。そして、関心領域設定部13は、上記で設定した「関心領域ID」が「0001−1」である関心領域の「領域情報」が示す座標から、読み出した「除外領域」の値と一致する座標を順次削除する。これにより、除外領域と一致する部分が除外された関心領域を設定することが可能となる。なお、関心領域設定部13が、関心領域管理情報を関心領域管理情報格納部19に蓄積する前に、上記の除外領域を除外する処理を行って、除外領域が除外された関心領域を関心領域管理情報格納部19に蓄積するようにしても良い。なお、ここでは、仮に、関心領域と除外領域との間で座標が一致する画素がなく,関心領域から一部の領域が除外されなかったとする。
【0111】
更に、同じ断面画像に対して、ユーザが上記と同様の処理によって、不連続な領域を複数有する新たな関心領域を設定したとする。この関心領域の「関心領域ID」は、「0001−2」に設定されたとする。
【0112】
次に、ユーザは、「被検者ID」が「PA012553」である患者の、他の断面画像を順次読み出して、それぞれについて、上記と同様に、適宜、関心領域を設定していく。これにより、断面画像格納部11に格納されている「被検者ID」が「PA012553」である患者の複数の断面画像に対して、それぞれ、1以上の関心領域が設定されることとなる。なお、全ての断面画像に関心領域を設定する必要はない。
【0113】
図8は、このようにして設定された関心領域を示す関心領域管理情報の一例を示す図である。
【0114】
ここで、仮に、ユーザが画像処理装置1を操作して、図4に示したような断面画像を表示する画面に、関心領域が設定済の「断面管理ID」が「S10001」である断面画像「0508001.jpg」を表示させ、関心領域を表示するためのボタンである「ROI表示」ボタン43をマウス等で押したとする。断面画像出力部18は、表示されている断面画像に対応する「断面管理ID」である「S10001」を取得し、図8に示した関心領域管理情報のうちの、「断面管理ID」が「S10001」である二つのレコードからそれぞれ「領域情報」を取得する。そして、断面画像「0508001.jpg」上の、上記で取得した二つの「領域情報」が示す領域上を、予め指定された色を用いてオーバーレイ表示する。また、各関心領域の下部には、それぞれの関心領域の「関心領域ID」を表示する。
【0115】
図9は、関心領域を表示した状態の断面画像を示す図である。領域91は、「関心領域ID」が「0001−1」である関心領域を示し、領域92は、「関心領域ID」が「0001−2」である関心領域を示す。
【0116】
そして、ユーザが断面画像が表示されている画像において、「z拡張」ボタン42を、マウス等を操作して押したとすると、動作モードが、これまでの通常のモードから、z方向拡張モードに切り替わる。そして、画面に、範囲指定情報を受け付ける入力画面が表示される。
【0117】
図10は、範囲指定情報を受け付けるための入力画面を示す図である。入力画面は、現在表示されている断面画像の「取得位置」である「0001」と、この断面画像と同じ関心領域を設定する断面画像の始点となる「取得位置」を受け付ける入力フィールド101と、終点となる「取得位置」を受け付ける入力フィールド102とが表示される。
【0118】
そして、ユーザが、入力フィールド101に、同じ関心領域を設定したい取得位置の順番に沿って連続した断面画像の始点である「0002」を、また、入力フィールド102に終点である「0007」を入力して、「設定」ボタン103を押すと、「被検者ID」が「PA012553」と対応付けられた断面画像のうちの、取得位置が「0002」から「0007」までの断面画像のそれぞれに対して、現在表示されている2つの関心領域である「関心領域ID」が「0001−1」である関心領域の「領域情報」と、「関心領域ID」が「0001−2」である関心領域の「領域情報」と、同じ「領域情報」を有する2つの関心領域が設定される。例えば、二つの「領域情報」の値が各断面画像についてコピーされる。これにより、範囲指定情報が指定する範囲内の各断面画像について、「関心領域ID」と、上記のコピーされた二つの「領域情報」の値のそれぞれとを有する二つの関心領域管理情報のレコードが生成されて追加される。「関心領域ID」を付与する際のルール等は上記と同様である。なお、関心領域が、複数の断面画像に設定された時点で、z方向拡張モードが終了して、通常の動作モードに戻る。
【0119】
図11は、z方向拡張モードによってレコードが追加された関心領域管理情報を示す図である。このようにして、複数の断面画像の、一の断面画像に設定された関心領域と同じ位置に、関心領域を一度に設定することが可能となる。生体の病変箇所等は、z方向(身長方向)に伸びていることも多いため、このように複数の断面画像に一度に関心領域を設定することで、大幅な作業効率の向上を行うことができる。
【0120】
なお、上記においては、図10に示すように、取得位置の範囲を指定するための、始点や終点を入力するための入力フィールドを表示して、範囲指定情報を入力させるようにしたが、本願においては、これ以外の方法によって範囲指定情報を入力するようにしても良い。例えば、キーボードの予め指定されたキー(例えば、ファンクションキー)を押した場合に、動作モードがz方向拡張モードに切り替わり、この時点で表示されている断面画像が、コピー元となる関心領域が設定されている断面画像に指定され、次に、マウス等の操作によって、関心領域をコピーしたい範囲の一端(例えば、始点)となる断面画像を表示して、キーボードの予め指定されたキーを押した場合に、この断面画像が、範囲指定情報が示す範囲の第一の端点(例えば、始点または終点)に指定され、次に、マウス等の操作によって、関心領域をコピーした範囲の他端(例えば、終点)となる断面画像を表示して、キーボードの予め指定されたキーを押した場合に、この断面画像が、範囲指定情報が示す範囲の第二の端点(例えば、終点または始点)に指定され、この範囲指定情報が示す第一の端点と第二の端点との間の取得順番の断面画像に、上記のコピー元となる関心領域が設定されている断面画像の関心領域がコピーされるようにしても良い。このようにすることで、マウスを移動させる操作を極力減らして、操作性を向上させることができる。
【0121】
なお、ここでは、一の断面画像に設定された複数の関心領域と同様の関心領域を、複数の断面画像に対しても設定するようにしたが、いずれか一つの関心領域だけを指定して、その指定された関心領域と同じ位置にだけ、他の断面画像にも関心領域を設定するようにしても良い。例えば、図10に示すような断面画像上に表示された関心領域において、ユーザがマウス等でクリックした関心領域と同じ位置にだけ、他の断面画像にも関心領域が設定されるようにして良い。
【0122】
図12は、各断面画像の各画素の座標と、測定取得値であるSUVの値とを有する情報である測定取得値管理情報を示す図である。測定取得値管理情報は、上述したように、断面画像格納部11に格納されている。測定取得値管理情報は、「断面管理ID」と「x座標」と「y座標」と「測定取得値」という項目を有している。「断面管理ID」は、図3等の「断面管理ID」と同様のものである。「x座標」と「y座標」とは、「断面管理ID」に対応する断面画像の各画素のx座標とy座標である。なお、ここでの座標の値は、一例として、ピクセルを単位とした値であるとする。「測定取得値」は、各画素に対応する測定取得値であり、ここでは、SUV値である。
【0123】
次に、ユーザが設定した各関心領域の評価値を出力するための操作を画像処理装置1に対して行うと、評価値取得部16は、各関心領域に含まれる画素に対応するSUV値の最大値を、各関心領域の評価値として取得する。具体的には、評価値取得部16は、図8に示すような関心領域管理情報から、一の「断面管理ID」を取得し、この取得した「断面画像ID」と対応付けられた1以上の「関心領域ID」と「領域情報」との組を取得する。例えば、断面管理ID「S10001」を取得し、この取得した断面画像ID「S10001」と対応付けられた関心領域ID「0001−1」と領域情報「(x11,y11)、(x12,y12)、(x13,y13)…」との組と、関心領域ID「0001−2」と領域情報「(x21,y21)、(x22,y22)、(x23,y23)…」との組を取得する。また、この「断面管理ID」に対応する測定取得値管理情報のレコード(行)を図12に示した測定取得値管理情報から読み出す。即ち、測定取得値管理情報から、「断面管理ID」が「S10001」であるレコードをメモリ等に読み出す。次に、上記で取得した関心領域ID「0001−1」に対応する領域情報「(x11,y11)、(x12,y12)、(x13,y13)…」に含まれる各座標と一致する「x座標」と「y座標」とを有するレコードを、メモリに読み出した測定取得値管理情報のレコードから順次検出し、検出したレコードの「測定取得値」であるSUV値を順次取得する。そして、取得したSUV値の最大値を、「関心領域ID」が「0001−1」である関心領域の評価値として取得する。つまり、ここでの評価値は、関心領域内の画素に対応するSUV値の最大値(最大SUV値)である。
【0124】
同様にして、「関心領域ID」が「0001−2」である関心領域についても評価値を取得する。例えば、「関心領域ID」が「0001−1」である関心領域について、評価値取得部16が取得したSUVの最大値、即ち、評価値は、「11.2」、「関心領域ID」が「0001−1」である関心領域について取得したSUVの最大値、即ち、評価値は、「10.6」であったとする。
【0125】
断面画像出力部18は、上記で図9に示したように、評価値取得部16が評価値を取得した関心領域に対応する断面画像を、図示しないモニタ上に表示するとともに、評価値取得部16が評価値を取得した二つの関心領域を断面画像上に表示する。断面画像の各関心領域の近傍には、例えば、「関心領域ID」を表示する。また、評価値出力部17は、上記で取得した評価値を、「関心領域ID」と対応付けて、評価値を出力するための領域に表示する。
【0126】
図13は、評価値出力部17と断面画像出力部18とによる出力例を示す図である。領域131は、関心領域別に出力された評価値を示す領域である。このような評価値が出力されることで、ユーザは各関心領域を評価することが可能となる。
【0127】
また、ユーザが画像処理装置1を操作することで、上記と同様に、他の断面画像に設定された関心領域についての評価値が順次出力される。これにより、ユーザが設定した関心領域についての評価値を順次出力することが可能となる。
【0128】
なお、ここでは、測定取得値管理情報を用いて、各画素に対応する測定取得値(ここではSUV値)を取得して評価値を取得するようにしたが、画素の色の値を、測定取得値として用いて、上記と同様の処理により評価値を取得しても良い。また、画素の色の値から、比例式を利用して測定取得値を取得して、上記と同様の処理により評価値を取得しても良い。
【0129】
以上、本実施の形態によれば、不連続な複数の領域を有する関心領域を断面画像に設定することができるため、簡便かつ高速に断面画像の評価を行うことができる。
【0130】
なお、上記各実施の形態において、各処理(各機能)は、単一の装置(システム)によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0131】
また、上記各実施の形態では、画像処理装置がスタンドアロンである場合について説明したが、画像処理装置は、スタンドアロンの装置であってもよく、サーバ・クライアントシステムにおけるサーバ装置であってもよい。後者の場合には、出力部や受付部は、通信回線を介して入力を受け付けたり、画面を出力したりすることになる。
【0132】
また、上記各実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよく、あるいは、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。
【0133】
なお、上記各実施の形態における画像処理装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、生体の断面を示す画像である1以上の断面画像が格納される断面画像格納部にアクセス可能なコンピュータを、断面画像について、複数の不連続な領域を有する関心領域を1以上設定する関心領域設定部と、各関心領域ごとに、各関心領域を評価するための値である評価値を取得する評価値取得部と、評価値取得部が取得した評価値を出力する評価値出力部として機能させるためのプログラムである。
【0134】
なお、上記プログラムにおいて、上記プログラムが実現する機能には、ハードウェアでしか実現できない機能は含まれない。例えば、情報を取得する取得部や、情報を出力する出力部などにおけるモデムやインターフェースカードなどのハードウェアでしか実現できない機能は、上記プログラムが実現する機能には含まれない。
【0135】
また、このプログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0136】
図14は、上記プログラムを実行して、上記実施の形態による画像処理装置を実現するコンピュータの外観の一例を示す模式図である。上記実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムによって実現されうる。
【0137】
図14において、コンピュータシステム900は、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)ドライブ905、FD(Floppy(登録商標) Disk)ドライブ906を含むコンピュータ901と、キーボード902と、マウス903と、モニタ904とを備える。
【0138】
図15は、コンピュータシステム900の内部構成を示す図である。図15において、コンピュータ901は、CD−ROMドライブ905、FDドライブ906に加えて、MPU(Micro Processing Unit)911と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM912と、MPU911に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶すると共に、一時記憶空間を提供するRAM(Random Access Memory)913と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するハードディスク914と、MPU911、ROM912等を相互に接続するバス915とを備える。なお、コンピュータ901は、LANへの接続を提供する図示しないネットワークカードを含んでいてもよい。
【0139】
コンピュータシステム900に、上記実施の形態による画像処理装置等の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM921、またはFD922に記憶されて、CD−ROMドライブ905、またはFDドライブ906に挿入され、ハードディスク914に転送されてもよい。これに代えて、そのプログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ901に送信され、ハードディスク914に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM913にロードされる。なお、プログラムは、CD−ROM921やFD922、またはネットワークから直接、ロードされてもよい。
【0140】
プログラムは、コンピュータ901に、上記実施の形態による画像処理装置の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティプログラム等を必ずしも含んでいなくてもよい。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいてもよい。コンピュータシステム900がどのように動作するのかについては周知であり、詳細な説明は省略する。
【0141】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0142】
以上のように、本発明にかかる画像処理装置等は、断面画像を処理する装置等として適しており、特に、断面画像に関心領域を設定する装置等として有用である。
【符号の説明】
【0143】
1 画像処理装置
11 断面画像格納部
12 操作受付部
13 関心領域設定部
14 モード操作受付部
15 範囲指定情報受付部
16 評価値取得部
17 評価値出力部
18 断面画像出力部
19 関心領域管理情報格納部
20 除外領域格納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体の断面を示す画像である1以上の断面画像が格納される断面画像格納部と、
前記断面画像について、複数の不連続な領域を有する関心領域を1以上設定する関心領域設定部と、
前記各関心領域ごとに、各関心領域を評価するための値である評価値を、測定値を用いて取得する評価値取得部と、
前記評価値取得部が取得した評価値を出力する評価値出力部とを備えた画像処理装置。
【請求項2】
カーソルを用いて、前記断面画像上の当該カーソル下の領域を関心領域に指定する操作または関心領域から除外する操作を受け付ける操作受付部を更に備え、
前記関心領域設定部は、前記操作受付部が受け付けた操作によって指定された前記カーソル下の領域を関心領域に設定または関心領域から除外する請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記断面画像格納部には、一の生体の、予め指定された方向における異なる位置において取得された断面を示す複数の断面画像が、取得された位置の配列順番と対応付けて格納されており、
前記関心領域設定部は、配列順番が連続しない1以上の断面画像についてそれぞれ関心領域を設定し、当該1以上の断面画像に設定された関心領域に対応する領域を、当該1以上の断面画像を除いた前記複数の断面画像の関心領域に設定する請求項1または請求項2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記関心領域設定部は、配列順番が連続しない複数の断面画像についてそれぞれ関心領域を設定し、当該複数の断面画像で挟まれた1以上の断面画像に対して、当該1以上の断面画像を挟む配列順番の2つの断面画像に設定された関心領域を線形または関数補間して得られる領域を関心領域に設定する請求項3記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記関心領域設定部は、一の断面画像に設定された関心領域と同じ領域を、当該一の断面画像を除いた複数の断面画像の関心領域に設定する請求項3記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記複数の断面画像のうちの、連続して配列されている複数の断面画像の範囲を指定する情報である範囲指定情報を受け付ける範囲指定情報受付部を更に備え、
前記関心領域設定部は、一の断面画像に設定された関心領域と同じ領域を、前記範囲指定情報が示す複数の断面画像の関心領域に設定する請求項3記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記関心領域設定部の動作モードを切り替える操作を受け付けるモード操作受付部を更に備え、
前記関心領域設定部は、予め指定された動作モード時にのみ、前記複数の断面画像に関心領域に設定する請求項3から請求項6いずれか記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記関心領域設定部は、前記断面画像の予め決められた領域を除いた領域について関心領域を設定する請求項1から請求項7いずれか記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記断面画像は、PET画像である請求項1から請求項8いずれか記載の画像処理装置。
【請求項10】
生体の断面を示す画像である1以上の断面画像が格納される断面画像格納部と、関心領域設定部と、評価値取得部と、評価値出力部とを用いて行われる画像処理方法であって、
前記関心領域設定部が、前記断面画像について、複数の不連続な領域を有する関心領域を1以上設定する関心領域設定ステップと、
前記評価値取得部が、前記各関心領域ごとに、各関心領域を評価するための値である評価値を、測定値を用いて取得する評価値取得ステップと、
前記評価値出力部が、前記評価値取得ステップで取得した評価値を出力する評価値出力ステップとを備えた画像処理方法。
【請求項11】
生体の断面を示す画像である1以上の断面画像が格納される断面画像格納部にアクセス可能なコンピュータを、
前記断面画像について、複数の不連続な領域を有する関心領域を1以上設定する関心領域設定部と、
前記各関心領域ごとに、各関心領域を評価するための値である評価値を、測定値を用いて取得する評価値取得部と、
前記評価値取得部が取得した評価値を出力する評価値出力部として機能させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図9】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2013−39267(P2013−39267A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−178820(P2011−178820)
【出願日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(505210115)国立大学法人旭川医科大学 (17)
【Fターム(参考)】